JP2002514053A - 核局在化配列を持つ、核タンパク輸送のペプチド阻害物質およびその使用方法 - Google Patents

核局在化配列を持つ、核タンパク輸送のペプチド阻害物質およびその使用方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、免疫抑制剤、抗ウイルス剤および抗腫瘍剤として有効な、シグナル配列ペプチドおよび少なくとも2個の核局在化配列からなる、細胞質タンパク核輸送の新規なポリペプチド阻害物質を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 核局在化配列を持つ、核タンパク輸送のペプチド阻害物質 およびその使用方法 技術分野 本発明は、一般的に遺伝子発現のポリペプチド阻害物質に関する。特に、本発 明は遺伝子発現モジュレート活性、免疫抑制活性、抗ウイルス活性および抗腫瘍 活性を有する核タンパク輸送(translocation)のポリペプチド阻害物質に関す る。 背景技術 核輸送は、ウィルス複製、腫瘍発生および腫瘍細胞増殖と同様に、遺伝子発現 および細胞分裂をはじめとした多くの生物プロセスにとって必須である。核輸送 の機構は最近になってやっと詳細に特徴づけられ、多くの不連続な段階を内包し ていることが分かった。核にまで輸送されることが運命づけられたタンパクは、 そのアミノ酸配列内に、核局在化配列(“NLS”)と呼ばれるアミノ酸の短伸長 鎖を含有している。しかしながら、これらの配列は一般に本来塩基性であり、同 定された共通配列はいまだ存在しない。したがって、特定のタンパクに対して特 異的であると思われる広範囲の様々な配列が存在していた。 細胞中では、これらのNLSは副タンパクにより、あるいはNLS−含有タン パク内の立体配座の変化により、マスクされたりマスクされなかったりする。N LSはタンパクの核中に埋めこまれており、またタンパクの表面にさらされてい ないため、マスクされ得る。NLSの非マスキングおよび細胞質タンパクの核輸 送は、ホスホリル化、脱ホスホリル化、タンパク加水分解消化、サブユニットの 会合もしくは阻害性サブユニットの解離などがきっかけで起こり(trigger)得 る。したがって、NLSのマスキングおよび非マスキングにより、これらの細胞 質タンパクの核までの輸送を調節可能な機構が提供される。 転写因子の核輸送は、核−標的タンパク中にマスクされていないあるいは活性 化されたNLSの存在を必要とする。特定のリガンドの細胞表面受容体への結合 により細胞質転写因子の核輸送は活性化される。一旦核中に入ると、これらの転 写因子は遺伝子発現モジュレート活性に影響を及ぼす。 NF-κBは、様々な活性化のレベルおよび状態の異種細胞中で見られる遍在 性転写因子である。NF-κBは、p65、p50、c−rel、p52および p105をはじめとするいくつかの異なるサブユニットからなる。最近の研究で は、異なるNF-κB複合体が遺伝子転写の調節制御に寄与していると示唆され ている。NF-κBの機能および調節については、リンパ球細胞において最もよ く特徴づけられている。これらの細胞中では、広範囲にわたる様々な標的遺伝子 、例えば免疫調節遺伝子が存在し、これらはκIG軽鎖を含有したNF-κBに よって調節される。該遺伝子としては、インターロイキン−2α(“IL-2α ”)受容体、インターロイキン−2(“IL−2”)、インターロイキン−6( “IL-6”)、腫瘍壊死因子−α(“TNF−α”)などをコード化したもの が挙げられる。 刺激を受けていない細胞中では、NF-κBの主要形態はp50とp65(R elA)サブユニットのヘテロ二量体である。非活性化NF-κBはIκBα、 βおよびγなどの阻害性タンパクにより不活性な複合体として細胞質中に保持さ れる。細胞を例えば、サイトカインなどの副炎症(proinflammatory)刺激によ り適当に刺激すると、IκBは分解し、その結果遊離なNF-κB二量体を放出 し、このものは核にまで輸送され、また標的遺伝子、例えばリンホカイン遺伝子 および他の免疫調節遺伝子を活性化する。この応答は一過性のものであり、遅延 NF-κBを媒介したIκBα誘発により終結する。 最近、グルココルチコイドがNF-κB核輸送を阻害することによって免疫抑 制活性に影響を及ぼすことが示された。シェインマン(Scheinman)ら(サイエ ンス270:283−286(1995))およびオーファン(Auphan)ら(サイエンス270: 286−290(1995))は独立して、該阻害がIκB阻害性タンパクのグルココルチ コイドによる誘発の増加によって介されることを示した。これらの研究者は、N F-κBの阻害物質が有用な免疫抑制剤および抗炎症剤であると提唱した。該N F-κB核輸送阻害物質は、膜−透過可能なポリペプチドモチーフに付着したN F-κBのp50サブユニット由来のNLSからなり、リン(Lin)らによる生化 学ジャーナル(J.Biol.Chem.)270:14255−14258(1995)中に記載されてい る。 外因性転写因子以外のタンパクおよび他の細胞質タンパクの核輸送もまた、活 性化されたあるいはマスクされていないNLSの存在に依存する。例えば、レト ロウイルス組み込み前(preintegration)複合体の核輸送は、単核細胞および成 長−停止T細胞といった非分裂細胞におけるヒト免疫不全ウイルス1型(“HI V−1”)複製の重要な段階である。該輸送は、HIV−マトリックス抗原(“ MA”)p17のN−末端部におけるNLSの存在に依存する。実際、HIV-1 エンハンサーは、ウイルス複製にとって必須であるNF-κBに対するタンデム (tandem)結合部位を含有する(ロス(Ross)らによるウイルス学ジャーナル( J.Virol)65:4350-4358(1991)、パロット(Parrott)らによるウイルス学ジャ ーナル65:1414-1419(1991))。HIV-1組み込み前複合体の核輸送は、過剰の SV40ラージT抗原NLSによっていくらか阻害され得る(グリズィア(Guli zia)らによるウイルス学ジャーナル68:2021-2025(1994))。その上、ドュブロ フスキー(Dubrovsky)ら(分子医学(Molecular Med.)2:217−230(1995))は 、HIV-1 MA p17 NLSに結合かつ反応することが可能な一連の化合物 がヒト単核細胞中のHIV-1複製を阻害すると報告している。 加えて、腫瘍発生および腫瘍細胞増殖は発癌タンパクの発現によって調節され 、その多くはNLSの存在によって核にまで輸送される細胞質転写因子である。 ミラー(Miller)らによる細胞生化学ジャーナル(J.Cell Biochemistry)60:5 60(1996)。 したがって、細胞質タンパクの核輸送の阻害物質は遺伝子発現モジュレート剤 、免疫調節剤、抗ウイルス剤、抗腫瘍剤などとして有用となる。 発明の概要 本発明は、細胞質タンパクの核輸送を阻害する目的で無傷の細胞中に導入可能 なポリペプチドを提供するものである。該ポリペプチドは少なくとも2個のNL Sおよび、細胞質膜を通して細胞中へ該ポリペプチドを運ぶことが可能なアミノ 酸配列を含有する。本発明における研究者は、該ポリペプチドがわずか1個のN LSを有するポリペプチドと比べて驚くべき優れた特性を示すことを見出した。 したがって、1つの実施態様では、本発明はシグナル配列ペプチドおよびそれ らに共有結合した少なくとも2個のNLSからなるポリペプチドに関する。 別の実施態様では、本発明は細胞系タンパクの核輸送を阻害するためにNLS からなる外因性のポリペプチドを無傷の細胞中に導入する方法に関する。方法と しては、上記に記載の通りシグナル配列ペプチドおよび少なくとも2個のNLS からなるポリペプチドを提供し、また外因性ポリペプチドを細胞中に導入するの に有効な期間該ポリペプチドと細胞を接触させる方法が挙げられる。 さらに別の実施態様では、本発明はシグナル配列ペプチドと少なくとも2個の NLSからなるポリペプチドの免疫抑制量を被験者に投与することからなる、該 被験者の免疫応答を抑制する方法に関する。 更なる実施態様では、本発明は細胞系タンパクの核輸送のポリペプチド阻害物 質を抗ウイルスに有効な量だけ個体に投与することからなる、該個体におけるウ イルス感染を治療もしくは予防する方法に関するものである(ここで該阻害物質 とはシグナル配列ペプチドおよび少なくとも2個のNLSからなるものである) 。 しかし、更なる実施態様では、本発明は標的細胞を細胞系タンパクの核輸送の 阻害物質と接触させることからなる細胞系遺伝子の発現を転写的にモジュレート する方法に関するものである(ここで該阻害物質とはシグナル配列ペプチドおよ び少なくとも2個のNLSからなるものである)。 本発明のこれらおよび他の実施態様は、本明細書中に開示の観点において、通 常の当業者によって容易に実施可能であろう。 図面の簡単な説明 図1Aは、70Z/3マウスの白血病プレ(pre)−B細胞中のリポ多糖(“L PS”)刺激−表面抗原発現におけるPKKKRKVAAVALLPAVLLA LLAPKKKRKVC(SEQ ID NO:1)(“SV40MEM”ポリペプチド) の影響に関する図面である(ソリッドバー:κIG軽鎖;スティップル (stippled)バー:IL-2α受容体;ストライプバー:CD45)。図1Bは 、70Z/3マウスの白血病プレ−B細胞中でのLPS刺激−κIG軽鎖産性に おける、3個の阻害性ポリペプチドの影響に関する図面である(ひし形:SV4 0MEMポリペプチド;正方形:KKKYKAAVALLPAVLLALLAK KKYKC(SEQ ID NO:2)(“HIV−IMEM”ポリペプチド);三角形: AKRVKLAAVALLPAVLLALLAKRVKLC(SEQ ID NO:3)( “C−MYCMEM”ポリペプチド))。図1Cは、70Z/3マウスの白血病 プレ−B細胞中のSV40MEM阻害−κIG軽鎖産性におけるLPS濃度の増 加の影響に関する図面である。 図2は、70Z/3マウスの白血病プレ−B細胞中のLPS刺激−サイトカイ ン産生における、SV40MEMポリペプチドの影響に関する図面である(正方 形:未処理;ひし形:SV40MEMポリペプチド(10μM);円形:SV4 0MEMポリペプチド(5μM);三角形:SV40NLS(10μM))。 図3は、70Z/3マウスの白血病プレ−B細胞中のLPS刺激−κIG軽鎖 産性における、3個の阻害性ポリペプチドの服用量−応答の関係に関する図面で ある(三角形:繊維芽細胞成長因子(“FGF”)シグナル配列AAVALLP AVLLALLAP(SEQ ID NO:4)(“MEM”ペプチド)のみを含有するペ プチド;正方形:FGFシグナル配列および該シグナル配列のカルボキシル末端 上にNF-κBp50のNLSを有するポリペプチド、いわゆるAAVALLP AVLLALLAPVQRKRQKLMP(SEQ ID NO:5)ポリペプチド(“N F-κBMEM”ポリペプチド);ひし形:L-アミノ酸からなるSV40MEM ポリペプチド;円型:D-アミノ酸からなるSV40MEMポリペプチド)。 図4Aは、LPS刺激−TNF-α産生における、阻害性ポリペプチドの影響 に関する図面である。図4Bは、LPS刺激−インターロイキン-8(“IL-8 ”)産生における、阻害性ポリペプチドの影響に関する図面である。図4Aおよ び図4Bの両方において以下の記号:正方形−培地コントロール;クロスした正 方形−MEMペプチド(5μM);ひし形−NF-κBMEMポリペプチド(5 μM);円型−L-アミノ酸(5μM)からなるSV40MEMポリペプ チド;および三角形−D-アミノ酸(5μM)からなるSV40MEMポリペプ チド)を使用する。 図5は、70Z/3マウスの白血病プレ−B細胞中のLPS誘発−CD40発 現における、SV40MEMポリペプチドの影響に関する図面である。 図6Aは、末梢血球単核細胞(“PBMCs”)内への3H-デオキシリボチミ ジン取り込みにおける、HIV-1MEMポリペプチドの影響に関する図面であ る。図6Bは、HIV-1一次単離M1に感染させた抗−CD3刺激−PBMC中 でのウイルスp24産生における、HIV−1MEMの影響に関する図面である 。図6Cは、HIV−1一次単離M1に感染させた抗−CD3活性化−PBMC 中でのプロウイルスgag配列発現における、HIV−1MEMポリペプチドの 影響を示すゲル図である。 図7は、HIV−1MEM一次単離M1に感染させたH9ヒトリンパ球T−細 胞もしくはジャーカットヒト白血病T−細胞中のプロウイルスgag配列発現に おける、HIV−IMEMポリペプチドの影響のポリメラーゼ連鎖反応分析結果 を示すゲル図である。 図8Aは、HIVLAIに感染させたジャーカットT−細胞中のプロウイルスg ag配列発現における、HIV−1MEMおよびNF-κBMEMポリペプチド の影響のポリメラーゼ連鎖反応分析結果を示すゲル図である。図8Bは、HIVLAI に感染させたジャーカットT−細胞中の2−長末端反復(“LTR”)輪発 現における、HIV−IMEMおよびNF-κBMEMポリペプチドの影響のポ リメラーゼ連鎖反応分析結果を示すゲル図である。 図9は、70Z/3マウスの白血病プレ−B細胞の増殖における、D-アミノ 酸から製造したSV40MEMの影響に関する図面である。 図10は、ラジ(Raji)ヒトB−細胞白血病細胞系の増殖における、D-アミ ノ酸から製造したSV40MEMの影響に関する図面である。 図11Aは、羊赤血球に対するマウスのインビボでの応答における、SV40 MEMポリペプチドの静脈内投与の影響に関する図面である。図11Bは、羊赤 血球に対するマウスのインビボでの応答における、SV40MEMポリペプチド の経口投与の影響に関する図面である。 図12は、マウスにおける抗−ヘモシアニン(KLH)応答における、BMS 205820およびC-MYCMEM(BMS 214572)の影響を示す。 図13Aは、インビボでのTNF-αの産生における、BMS 205820ポリペプ チドの影響を示す。図13Bは、インビボでのIL-6の産生における、BMS 205820ポリペプチドの影響を示す。図13Cは、インビボでのIL-10の産生 における、BMS 205820ポリペプチドの影響を示す。 図14は、CD14へのリポ多糖(LPS)結合における、BMS 205820、 c-MYCMEM(BMS 214572)、SV40NLSポリペプチド(一本鎖NL S含有)、c−mycNLS単独(輸送配列(AKRVKL(SEQ ID NO:6)無 し)およびコントロール非−NLSポリペプチド377Gの影響を示す。 図15Aは、オボアルブミン(OVA)、噴霧したOVA、BMS 205820お よびC-MYCMEMの腹腔内注入に関する投与スキームを示す時間ラインであ る。図15Bは、図15A中で略述した処置に伴う肺中の好酸球の%を示す。 発明の詳細な説明 本発明の実行には、特に指示がなければ該分野の技術範囲内であるタンパク化 学および生物学、分子生物学、微生物学および組換えDNA技術における従来の 技法を使用する。これらの技法は文献内で十分に説明されている。例えば、サム ブルック(Sambrook)、フリッシュ(Fritsch)&マニアティス(Maniatis)によ る分子クローニング(Molecular Cloning):実験室マニュアル(A Laboratory Manual)、二版(1989);DNAクローニング(DNA Cloning)、I巻及びII巻(D .N.グローバー(Glover)ら、1985);オリゴヌクレオチド合成(Oligonucleo tide Synthesis)(M.J.ガイト(Gait)ら、1984);核酸ハイブリダイゼーシ ョン(Nucleic Acid Hybridization)(B.D.ハーメス(Hames)&S.J.ヒギン ス(Higgins)ら、1984);動物細胞培養(Animal Cell Culture)(R.K.フレ ッシュニー(Freshneyら、1986);固定化細胞および酵素(IRL刊、1986);パ ーバル(Perbal),B.による、分子クローニングへの実施ガイド(A.Pratical Gui de to Molecular Cloning)1984);シリーズ、酵素学法(Methods In Enzymolo gy)(S.コロウィック(Colowick)及びN.カプラン (Kaplan)らによるアカデミックプレス(Academic Press)社)。 本明細書及びそれに付加した請求の範囲中で用いる際、内容により明らかに特 に指示されていないならば、単数形“a”、“an”および“the”は複数の引例を 含むこととする。 A.定義 本発明を記述する際、以下の語句を使用し、かつ以下に示す通りに定義するも のとする。 本明細書で用いる際、語句“シグナル配列(signal sequence)”あるいは“ シグナル配列ペプチド(signal sequence peptide)”は、細胞膜を通過する一 部であるポリペプチドの動きを方向づけることが可能なペプチドを示すのに用い る。特に、該語句は細胞質膜を横切って細胞にまで達するポリペプチドの動きを 方向付けることが可能なペプチドを示すのに用いる。語句“シグナル配列”は、 特定のポリペプチドのシグナル配列だけでなく、細胞膜を通過してポリペプチド を運ぶことの可能なポリペプチドのフラグメントもしくは誘導体を包含するもの である。“シグナル配列”はL-もしくはD-アミノ酸からなる。 語句“核局在化配列(nuclear localization sequence)”及び“NLS”と は、核エンベロープ壁を横切って細胞の細胞質由来のペプチドと会合するタンパ クの輸送を方向付けるペプチドを示すのに相互置換可能に使用するものである。 語句“NLS”とは特定のペプチドの核局在化配列だけでなく、核エンベロープ 壁を横ぎる細胞質ポリペプチドの輸送を方向づけることのできる該誘導体をも包 含する。NLSは、ポリペプチドのN−末端、C−末端またはN−及びC−末端 両方に結合するとき、ポリペプチドの核輸送を方向付けることのできるものであ る。加えて、ポリペプチドのアミノ酸配列に沿って乱雑に局在しているアミノ酸 側鎖へN-もしくはC-末端によってカップリングしたNLSを有するポリペプチ ドは輸送されるであろう。アダム(Adam)らによる、細胞生物学のジャーナル( J.Cell.Biol.)111:807-818(1990)。“核局在化配列”は、D−もしくはL −アミノ酸からなっていてもよい。 “1番目及び2番目のNLSによってそのアミノ−及びカルボキシ−末端で相 互置換可能にフランクしている(flank)”とは、1番目もしくは2番目のNL Sがシグナル配列ポリペプチドのアミノ−もしくはカルボキシ−末端位に局在し うることを意味する。 “核輸送の阻害物質(inhibitor of nuclear translocation)”とは、シグナ ル配列ペプチドおよび少なくとも2個のNLSからなり、細胞質タンパクの核局 在化を阻害、例えば減少もしくは停止するポリペプチドである。該ポリペプチド は、1番目もしくは2番目のNLSによってアミノ−及びカルボキシ−末端位で 相互置換可能にフランクしているシグナル配列ペプチドからなるものが好ましい 。N−及びC−末端位でのNLSは同一もしくは相違していてもよい。好ましい 実施態様の一例では、シグナル配列ペプチドとNLSは各L-アミノ酸からなる 。別の好ましい実施態様では、シグナル配列ペプチドとNLSは各D−アミノ酸 からなる。 ポリペプチドの“誘導体(derivative)”とは、保存されるべきアミノ酸置換 基からなる相同ポリペプチドが挙げられ、併せて例えばシグナル配列ペプチド、 NLSもしくは核局在化の阻害物質といった機能を保持したポリペプチドを生じ る他のアミノ酸置換基を含むものである相同ポリペプチドが挙げられる。ペプチ ドの“誘導体”とはペプチド擬似体であってよい。 “ペプチド擬似体(Peptide mimetics)”とは受容体分子との相互作用におい てペプチドの代わりに置換基として作用する構造である(ペプチド擬似体の総説 として、モーガン(Morgan)らによる医化学の年間報告(Ann.Reports Med.Ch em.)24:243-252(1989)参照)。ペプチド擬似体とは本明細書で使用する際、 アミノ酸および/またはペプチド結合を含有するかどうかを問わないが、ペプチ ドリガンドの構造的および機能的特徴を保持した合成的構造が挙げられる。語句 “ペプチド擬似体”とは、またN−置換アミノ酸のペプチドもしくはオリゴマー であるペプトイド(peptoids)およびオリゴペプトイド(oligopeptoids)が挙 げられる(シモン(Simon)らによる米国科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Aca d.Sci.USA)89:9367-9371(1972))。さらに、ペプチド擬似体としてペプチド ライブラリーが挙げられ、このものは目的のアミノ酸鎖を設計し、およびそれに 相当するアミノ酸のあらゆる可能性のある配列を表したペプチドの収集である。 ペプチド擬似体の産生に関する方法は以下により十分に記載する。 2個のポリペプチド配列は、ヌクレオチドもしくはアミノ酸の少なくとも約8 5%(少なくとも約85〜90%が好ましく、および少なくとも約95%である ことが最も好ましい)が、分子の規定(defined)鎖上で一致している場合、“ 本質的に同族(substantially homologues)”である。本明細書で用いるとおり 、本質的に同族とはまた、特定のポリペプチド配列について同一性を示す配列に ついて称する。 語句“ポリペプチド(polypeptide)”、“ペプチド(peptide)”および“タ ンパク(protein)”は相互変換可能に使用でき、またペプチド結合を通じて連 結した、アミノ酸のいかなるポリマー(ジペプチドもしくはそれ以上)をも称す る。したがって、語句“ポリペプチド”、“ペプチド”および“タンパク”とは 、オリゴペプチド、タンパクフラグメント、類縁体、ムテイン、融合タンパクな どが挙げられる。 以下の1文字表記アミノ酸略号を本明細書中で用いる。 アラニン A アルギニン R アスパラギン N アスパラギン酸 D システイン C グルタミン Q グルタミン酸 E グリシン G ヒスチジン H イソロイシン I ロイシン K リシン L メチオニン M フェニルアラニン F プロリン P セリン S トレオニン T トリプトファン W チロシン Y バリン V “単離ポリペプチド(isolated polypeptide)”とは、タンパクが通常自然界 で会合している組織もしくは細胞系成分の全体もしくは一部に全く存在しないポ リペプチドを意味するものである。従って、組織エキス中に含まれるポリペプチ ドは、ポリペプチドを合成的にもしくは組換えで製造した場合、“単離”ポリペ プチドを構成するようになる。 “哺乳類の被験者(mammalian subject)”とは、哺乳類綱のいかなる一員を も含み、例えば;ヒトおよび非ヒト霊長類、例えばチンパンジーなど、他の類人 猿および猿種;酪農動物、例えば、牛、羊、豚、および馬;家庭的な哺乳類、例 えば犬および猫;および実験室動物、例えば、マウス、ラットおよびモルモット が挙げられるが、これらに限定されるものではない。該語句は特定の年齢を表す ものではない。従って、成人、新生および胎児の哺乳類が包含される。 本明細書で用いる“処理(treatment)”とは、(i)感染もしくは再感染の 防止(予防(prophylaxis))、あるいは(ii)関心ある病気の徴候の低下もし くは除去(治療(therapy))を称する。 B.一般的方法 本発明の中心は、細胞質タンパクの核局在化を阻害するポリペプチド分子の発 見である。これらの分子はシグナル配列ペプチドおよび少なくとも2個のNLS からなる。ポリペプチド阻害物質およびそれらの誘導体は、細胞系タンパクの核 輸送を阻害するためにNLSからなる外因性のポリペプチドを無傷の細胞に導入 し、かつ細胞系プロセスの調節における核輸送の役割を研究するのに有用なツー ルを提供する。 加えて、特定の細胞系ペプチドの核輸送は免疫応答をマウント(mount)する ための宿主生物を必要とするので、ポリペプチド阻害物質は免疫抑制剤として有 用である。免疫応答は典型的に、抗体の発現、大量のサイトカインの産生、およ び/または細胞表面受容体の発現によって現れる。したがって、阻害性ペプチド による免疫応答の阻害は、抗体産生、例えばκ軽鎖ポリペプチドなどの抗体成分 ペプチドの産生などの阻害;サイトカイン、例えばインターロイキン−1、イン ターロイキン−2、インターロイキン−4、インターロイキン−6、インターロ イキン−10、腫瘍壊死因子、もしくは顆粒球−マクロファージコロニー刺激因 子などのサイトカイン産生の阻害;および/またはインターロイキン−2受容体 、gp39、CD49、CD45、CD80、CD86、ICAM、ELAM、 主要組織適合性遺伝子複合体(“MHC”)群IIもしくはVCAMなどの細胞表 面 受容体の発現における阻害の形態をとりうる。クラーク(Clark)らによるネイ チャー(Nature)367:425(1994)。 それらの免疫抑制活性によって、本発明のポリペプチド阻害物質は広範囲の免 疫疾患の治療に有用であり、自己免疫疾患、例えば関節リウマチ、多発性硬化症 、幼年性糖尿病、全身系エリトマトーデス(SLE)、自己免疫ぶどう膜網膜炎 、自己免疫血管炎、水庖性天疱瘡、重症筋無力症、自己免疫性甲状腺炎もしくは 橋本甲状腺炎、シェーグレン症候群、肉芽腫精巣炎、自己免疫卵巣炎、クローン 病、サイコイドーシス、リウマチ性心臓炎、強直性脊椎炎、グレーヴス病、およ び自己免疫血小板減少性紫斑病の治療などが挙げられるが、これらのものに限定 されるわけではない(ポール(Paul)W.E.による、基礎免疫学(Fundamental I mmunology)、3版、ラベンプレス、ニューヨーク、30章、p.1033〜1097(199 3);およびコーヘン(Cohen)らによる、自己免疫疾患モデル(Autoimmune Dis ease Models)、ガイドブック、アカデミックプレス(1994)参照)。 同様に、本発明のポリペプチド阻害物質は、既にアレルゲンで感作した被験者 において過敏症の状態が開始し、もしくは過敏症反応を引き起こす可能性のある アレルゲンへの応答によって現れる身体的症候を治療するのに有用である。該身 体的症候としては、例えば喘息、関節膨張、じんましんなどが挙げられる。加え て、免疫抑制性のため、本発明のポリペプチド阻害物質は敗血症の治療および、 敗血症ショック、リポ多糖類(LPS)などの細胞外バクテリア由来の内毒素の 存在が原因で特定のサイトカインの産生を制御できないために起こる潜在的な致 死容態の予防に有用である。 その上、多くのウイルス、例えばヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、 レトロウイルスなどは宿主細胞の核輸送機構を使用しているので、阻害性ポリペ プチドは抗ウイルス剤として有用である。加えて、腫瘍形成および腫瘍細胞の増 殖はがん遺伝子の発現を媒介してがんタンパクを作ると思われるため、その多く は核にまで輸送される転写因子である。ミラー(Miller)(1996)らにより上述の通 り、ポリペプチド阻害物質もしくはその誘導体は腫瘍成長を抑制するのに使用可 能である。 要求される阻害物質としては、細胞質膜を通して細胞にまで阻害物質を運ぶこ とができる、アンテナペディアホメオドメイン、FGF、HIV Tatもしく はHsc70などのポリペプチド由来のシグナル配列からなるアミノ酸およびそ の誘導体もしくは擬似体の配列が挙げられる。好ましいシグナル配列としては、 細胞質膜を通して細胞にまで阻害物質を運ぶことができる、RQIKIWFQN RRMKWKK(SEQ ID NO:7)、AAVALLPAVLLALLA(SEQ ID N O:8)、AAVALLPAVLLALLAP(SEQ ID NO:4)、CFITKAL GISYGRKKRRQRRRPPQGSQTH(SEQ ID NO:9)など、もしく はその誘導体もしくは擬似体が挙げられる。 候補的(candidate)シグナル配列に関して、例えば細胞質中にまで外因性の 検出可能な標識化タンパクの局在化を追跡することで、細胞膜を横切るタンパク の輸送を方向づけることが可能な能力を試験した。リンらにより(1995、上述) 、放射線標識化タンパクの使用が記載されている。アダム(Adam)らにより記載の 方法(1990、上述)によって蛍光タンパクに結合させたNLSペプチドを用いて 、インビトロでの核ペプチドの移入を測定可能である。 ポリペプチド阻害物質はさらに少なくとも2個のNLSからなる。該NLSは シグナル配列ポリペプチドのN−末端、C−末端、N−およびC−末端両方、シ グナル配列ポリペプチドのアミノ酸配列に沿って局在化しているアミノ酸の側鎖 、もしくはそれらのいずれの組合せに対しても共有結合可能である。シグナル配 列ポリペプチドは1番目と2番目のNLSによって、そのアミノ−およびカルボ キシ−末端で相互置換可能にフランクしているものが好ましい。1番目および2 番目のNLSは同一であっても相違していてもよい。NLSの議論およびNLS の表については、ボウリカス(Boulikas)(真核遺伝子発現の批評総説(Crit. Rev.Eukaryotic Gene Expression)3:193-227(1993))およびそこで引用した 文献が挙げられる。 NLSを同定するためのアプローチとしては、 (1)DNAセグメントをコード化した−候補的NLSと細胞質タンパクをコー ド化した遺伝子間での遺伝子融合実験(例えば、シルバー(Silver)らによる米 国科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.)81:5951(1984); モーランド(Moreland)らによる分子細胞生物学(Mol.Cell.Biol.)7:4048( 1987);およびピカード(Picard)らによるEMBO J.6:3333(1987)参照) ;(2)合成NLSペプチドに共役した無核タンパクの核移入(例えば、ゴルド ファルブ(Goldfarb)らによるネイチャー322:641(1986);マークランド(Mar kland)らによる分子細胞生物学7:4255(1987);およびチェルスキー(Chelsky) らによる分子細胞生物学9:2487(1989)参照);および(3)細胞質保持を生じ る、核タンパクの特定セグメントの部位特定突然変異誘発(例えば、グリーンス パン(Greenspan)らによるウイルス学のジャーナル(J.Virol.)62:3020(198 8);ファン エテン(van Etten)らによる細胞(Cell)58:669(1989);およ びボウルコス(Boulukos)らによる分子細胞生物学9:5718(1989)参照)。 NLSは、SV40T抗原由来のPKKKRKV(SEQ ID NO:10)およびK KKRKVC(SEQ ID NO:11)(カルデロン(Kalderon)らによる、細胞39:4 99(1984)参照)、酵母菌ヒストンH2B由来のGKKRSKA(SEQ ID NO:1 2)(モーランドらによる、分子細胞生物学7:4048(1987)参照)、アデノウイ ルスE1A由来のKRPRP(SEQ ID NO:13)(リオンス(Lyons)らによる 、分子細胞生物学7:2451(1987)参照)、トリ細網内皮症レトロウイルスT鎖の v−rel発癌遺伝子由来のGNKAKRQRST(SEQ ID NO:14)(ギルモ ア(Gilmore)らによる、ウイルス学のジャーナル62:703(1988)参照)、ヒト c-myc発癌タンパク由来のGGAAKRVKLD(SEQ ID NO:15)(チェ ルスキーらによる分子細胞生物学9:2487(1989)参照)、マウスc-ab1(IV) 遺伝子産物由来のSALIKKKKKMAP(SEQ ID NO:16)(ファンエテン らによる、細胞58:669(1989)参照)、ヒトもしくはラットアンドロゲン受容体 由来のRKLKKLGN(SEQ ID NO:17)(ガイオション−マンテル(Guiocho n-Mantel)らによる、細胞57:1147(1989))、タンパクp53由来のPQPK KKP(SEQ ID NO:18)(ダンク(Dang)らによる、生体化学のジャーナル(J .Biol.Chem)264:18019(1989)参照)、ウイルスJun由来のASKSRKR KL(SEQ ID NO:19)、AP−1複合体の輸送因子(チダ(Chida)らによる、 米国科学アカデミー紀要89:4290(1992)参照)、ヒト免 疫欠損ウイルスマトリックスタンパク由来のKKKYK(SEQ ID NO:20)および KKKYKC(SEQ ID NO:21)(ブックリンスキー(Bukrinsky)による、ネイチ ャー365:666(1993))、ヒト免疫欠損ウイルスマトリックス2タンパク由来の KSKKK(SEQ ID NO:22)(ブックリンスキーによる(1993)、上述)、ヒトc -myc発ガンタンパク由来のAKRVKL(SEQ ID NO:6)およびKRVKLC (SEQ ID NO:23)(チェルスキーらによる(1989)、上述)、およびNLSとし て有効なそれらの誘導体および擬似体、であることが好ましい。 本発明のポリペプチド阻害物質は、該分野で公知の従来の技法、例えば、固相 ペプチド合成といった化学合成により製造可能である。そういった方法は該分野 の当業者にとって公知である。一般的に、これらの方法は該分野でよく知られた 、固相もしくは液相合成法を用いるものである。例えば、固相ペプチド合成技法 については、J.M.スチュワート(Stewart)およびJ.D.ヤング(Young)による 固相ペプチド合成(Solid Pase Peptide Synthesis)、2版、ピエルス(Pierce )化学社、ロックフォード、IL(1984)、並びにG.バラニー(Barany)およびR.B .メリフィールドによるペプチド(The Peptide):分析、合成、バイオロジー(A nalysis,Synthesis,Biology)、監修E.E.グロス(Gross)およびJ.マイエ ンホファー(Meienhofer)、2巻、アカデミックプレス、ニューヨーク(1980)、 p3-254;および古典的な溶液合成については、M.ボダンスキー(Bodansky)に よる、ペプチド合成の原理(Principles of Peptide Synthesis)、スプリンガ ー(Springer)-ベルラック(Verlag)、ベルリン(Berlin)(1984)およびE.グ ロスおよびJ.マイエンホファー監修、ペプチド:分析、合成、バイオロジー上 述1巻参照。 一般に、これらの方法は1個以上のアミノ酸もしくは適当に保護したアミノ酸 の伸張ペプチド鎖への連続付加からなる。通常、1番目のアミノ酸のアミノもし くはカルボキシ基を適当な保護基によって保護する。次いで、保護したもしくは 誘導化したアミノ酸を、アミド結合を形成するのに適当な条件下、内部の固体支 持体に結合させたり、あるいは適当に保護した相補(アミノもしくはカルボキシ ル)基を有する配列中に次のアミノ酸を加えることで溶液中利用可能である。次 いで、この新たに加えたアミノ酸残基から保護基を除去し、次いで次のアミノ酸 (適当に保護した)を加える。目的のアミノ酸を全部適当な配列で結合させた後 、残りの保護基および固体支持体を連続してもしくは同時に除去し、最終のポリ ペプチドを得る。本一般的な製法を簡単な改良することで、一度に伸張鎖へ1個 以上のアミノ酸を加えることが可能となり、例えば保護トリペプチドを適当に保 護したジペプチドとカップリングさせる(キラル中心がラヤミ化しない条件下で )ことで脱保護後、ペンタペプチドを得ることが可能となる。 典型的な脱保護基としては、t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、9-フル オレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、ベンキシルオキシカルボニル(Cbz) 、p-トルエンスルホニル(Tos);2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(B zl)、ビフェニル−イソプロピルオキシカルボキシカルボニル、シクロヘキシ ル、イソプロピル、アセチル、o-ニトロフェニルスルホニルなどが挙げられる 。これらのうち、BocおよびFmocが好ましい。 典型的な固体支持体としては、一般的に架橋高分子物質である。これらのもの としては、ジビニルベンゼン架橋スチレン基本骨格高分子、例えばジビニルベン ゼン−ヒドロキシメチルスチレン共重合体、ジビニルベンゼン−クロロメチルス チレン共重合体およびジビニルベンゼン−ベンズヒドリルアミノポリスチレン共 重合体が挙げられる。ジビニルベンゼン−ベンズヒドリルアミノポリスチレン共 重合体は、本明細書中p-メチル−ベンズヒドリルアミンを用いて例示する通り 、末端アミド官能基をペプチド鎖(ここで、該鎖を支持体から切断する際に官能 基が鎖によって保持される)に直接導入できる利点を供する。 好ましい方法の1つとして、従来の固相化学合成、例えばアミドペプチド形の 合成を許容する樹脂並びに、標準溶媒および試薬と共にt-Bocアミノ酸誘導 体(ペニンシュラ(Peninsula)研究所製)を用いた応用バイオシステム(Appli ed Biosystems)社(ABI)製430Aペプチド合成機でポリペプチドを製造する 方法がある。L-もしくはD-アミノ酸含有ポリペプチドを本様式で製造可能であ る。ポリペプチド成分は定量的アミノ酸分析によって確認し、各ペプチドの特定 配列を配列分析によって決定した。 別法として、目的のポリペプチドをATG開始コドンと共にコード化したDN Aを合成することによる組換えDNA技法によって、ポリペプチドを製造可能で ある。 一旦、目的のポリペプチドに対するコード配列が合成もしくは単離されると、 発現に適当などんなベクター中にもクローン可能である。莫大なクローニングベ クターが当該技術分野の当業者によって知られており、適当なクローニングベク ターを選別することは選択の問題である。クローニング用組換えDNAベクター およびそれらを輸送可能な宿主細胞に関する実施例としては、バクテリオファー ジλ(大腸菌)、pBR322(大腸菌)、pACYC177(大腸菌)、pK T230(グラム陰性バクテリア)、pGV1106(グラム陰性バクテリア) 、pLAFR1(グラム陰性バクテリア)、pME290(非−大腸菌グラム陰 性バクテリア)、pHV14(大腸菌および枯草菌)、pBD9(バチルス)、 pIJ61(ストレプトミセス)、pUC6(ストレプトミセス)、YIp5( サッカロミセス)、YCp19(サッカロミセス)および牛のパピローマウイル ス(哺乳類細胞)が挙げられる。一般的には、DNAクローニング:I&II巻、上 述;サムブルックらによる上述;B.パーバル(Perbal)、上述参照。バクロウ イルス系などの昆虫細胞発現系はまた、当該技術分野の当業者によって使用可能 かつ公知であり、また例えば、サマーズ(Summers)およびスミス(Smith)らによ るテキサス農業実験局(Texas Agricultural Experiment Station)ブレチン番 号1555(1987)に記載されている。バクロウイルス/昆虫細胞発現系に 関する物質および方法は、なかんずく、インビトロゲン(Invitrogen)、サンデ ィエゴCA(“マックスバック(MaxBac)”キット)から、キットの形で商業的 に入手可能である。 遺伝子は、プロモーター、リボソーム結合部位(バクテリア発現用)および、 任意にオペレーター(正確には、“コントロール”要素として本明細書では参照 )の制御下に置かれ、その結果目的のポリペプチドをコード化するDNA配列は 本発現構成成分を含有したベクターによって形質変換された宿主細胞中のRNA にまで転写される。該コード配列は、シグナルペプチドもしくはリーダー配列を 含んでいてもいなくてもよい。宿主生物から発現したポリペプチドの選別を引き 起こすコード配列に、異種リーダー配列を加えることが可能である。リーダー配 列を翻訳後プロセッシングにおいて、宿主によって除去することが可能である。 例えば、米国特許番号4,431,739;4,425,437;4,338,397を参照。 他の調節配列をまた、宿主細胞の成長に対応するタンパク配列の発現を調節す ることができるよう設計可能である。該調節配列は該分野の当業者にとって公知 であり、調節化合物の存在をはじめとした、例えば化学的もしくは物理的刺激に 対するして応答する際に遺伝子の発現をオンオフするものが挙げられる。 他のタイプの調節要素としてはまた、ベクター内、例えばエンハンサー配列内に 存在する場合がある。 制御配列および他の調節配列は、ベクター、例えば上記に記載のクローニング ベクターなどへの挿入に優先してコード配列にリゲート可能である。別法として 、コード配列をコントロール配列および適当な制限部位を既に含んだ発現ベクタ ー内に直接クローン化することも可能である。 時には、適当な配向を持つコントロール配列に結合することができるようコー ド配列を修飾;例えば、適度な読み枠を維持することも必要となる。関心のある ポリペプチドの突然変異物質もしくは類縁体を産生するのが望ましいこともある 。突然変異物質もしくは類似体は、タンパクをコード化した配列の一部の欠損、 配列の挿入、および/または該配列中の1個以上のヌクレオチドの置換によって 製造可能である。部位特定突然変異誘発などのヌクレオチド配列を修飾する技法 は、該分野の当業者にとってよく知られている。例えば、サンブロックらによる 、上述;DNAクローニング、IおよびII巻、上述;核酸ハイブリダイゼーション 、上述参照。 次いで、発現ベクターを適当な宿主細胞に形質変換するのに使用する。多くの 哺乳類の細胞系が該分野で知られており、アメリカン・タイプ・カルチャー・コ レクションから入手可能な不死化(immortalized)細胞系が挙げられ、例えば中 国ハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒーラ細胞、子ハムスター腎臓(BHK)細胞 、猿腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞系癌腫細胞(例えば、HEP G2)、マ ーディン−ダービー(Madin-Darby)牛腎臓(“MDBK”)細胞、併せて他の ものは挙げられるが、これらに限定されるものではない。同様に、バクテリア性 宿主、たとえば大腸菌、枯草菌および連鎖球菌sppを、本発現構成物と共に使 用可能である。本発明に有効な酵母菌としては、なかんずくサッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ガンジダ アルビアンス(Candida albicans)、ガンジダ マルトーサ(Candida maltosa)、ハンセヌラ ポリモ ルファ(Hansenula polymorpha)、クリーベロマイセス フラジリス(Kluyvero myces fragilis)、クリーベロマイセス ラクティス(Kluyveromyces lactis) 、ピヒア ギレリモンディー(Pichia guillerimondii)、ピヒア パストロリ ス(Pichia pastroris)、シゾサッカロミセス ポムベ(Shizosaccharomyces p ombe)およびヤロウィア リポリティカ(Yarrowia lipolytica)が挙げられる 。バクロウイルス発現ベクターと共に使用する昆虫細胞としては、なかんずく、 ネッタイシマ蚊、オートグラファ・カリフォルニア、カイコ、キイロショウジョ ウバエ、スポンドプテラ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)およびトリ コプラシアniが挙げられる。該タンパクはまたトリパノソーマ中で発現可能で ある。 選んだ発現系および宿主に基づき、本発明のタンパクが発現する条件下で、上 記に記載の発現ベクターにより形質変換される宿主細胞を成長させることで本発 明のタンパクは産出される。次いで、該タンパクを宿主細胞から単離し、精製し た。発現系が成長培地中にタンパクを分泌する場合、該タンパクを培地から直接 に精製可能である。タンパクが分泌されない場合、細胞ライゼートから単離可能 である。適当な成長条件および回収方法の選択は該技術分野の範囲内である。一 旦精製すれば、タンパクのアミノ酸配列を決定、すなわちエドマン分解の反復繰 り返し、続いてHPLCによるアミノ酸分析により決定可能である。アミノ酸シ ークエンシングの他の方法もまた当技術分野において公知である。 上記に説明した通り、上記に記載のペプチド阻害物質を構造的にまた機能的に 模倣したペプチド擬似体を本明細書中で使用していることは明らかであり、また 以下の戦略および方法を用いることで生じさせることも可能となろう。一般的に 、L−アミノ酸をD−アミノ酸によって組織的に置換すること、もしくはD−ア ミノ酸からなるポリペプチド阻害物質の場合D−アミノ酸をL−アミノ酸に組織 的に置換すること、側鎖部分をメチル基もしくは異なる電気的特性(ホルビー( Hruby)らによる、生化学ジャーナル(Biochem.J.)268:249−262(1990)参 照)を有する擬類似基によって変換すること、およびアミド結合が置換された 上記に記載のポリペプチド阻害物質においてペプチド結合を組織的に置換するこ とで得られる情報により、擬似体は設計可能となる。例えば、アミド結合代用品 (surrogate)を含有した類縁体はペプチド構造および機能の面、例えば基本骨 格の回転自由、分子内および分子間水素結合パターン、局所的および総分極の修 飾および、経口バイオアベイラビリティーの点で開発するのに使用可能である。 局所的に立体配座を束縛することもまた、核輸送の候補的ポリペプチド擬似阻 害物質の活性に必須条件な立体配座を決定するために導入可能である。例えば、 β,β−二置換アミノ酸をまた、ペプチド活性における立体配座の束縛の効果を 試すのに使用可能である(マニッヒ(Mannig)らによる医化学のジャーナル25:4 08-414(1982);モスベルグ(Mosberg)らによる米国アカデミー紀要106:506-512 (1983);ペルトン(Pelton)らによる米国アカデミー紀要82:236-239(1985) )。 該擬似体としては、Ψ[CH2S]、Ψ[CH2NH]、Ψ[CSNH2]、Ψ[NHC O]、Ψ[COCH2]およびΨ[(E)または(Z)CH=CH]などのイソステリ ックアミド結合が挙げられる(総説として、スパトーラ(Spatola)による(198 3)、“アミノ酸、ペプチドおよびタンパクの化学および生化学(Chemistry and Biochemistry of Amino Acids,Peptides and Proteins)”中、VII巻、(ウエ インスタイン(Weinsteinら)、マルセルデッカー、ニューヨーク、267−357) 。基質結合の加水分解反応に関連する四面体遷移状態を模倣した構造もまた存在 可能であり、ヒドロキシメチレン、フルオロケトン分子およびホスホルアミデイ ト遷移状態擬似体(ベールマイヤー(Buhlmayer)らによる、医化学のジャーナ ル31:1839(1988);シャム(Sham)らによる、FEBSレター220:299(1988) ;マットホウス(Matthews)化学研究の説明(Acc.Chem.Res.)21:333(1988) )が挙げられる。特定の立体配座状態、例えば1-アミノシクロペンタンカルボン 酸(シクロロイシン)およびβ,β−シクロペンタメチレン−β−メルカプトプ ロピオン酸のαα’-およびββ’-置換環状アミノ酸にアミノ酸残基を束縛する 目的で、環状アミノ酸類縁体を使用可能である(ホルビー(Hruby)らによる(1 990)、上述)。 該擬似体はまた、阻害性ペプチドの二級構造--つまりアミノ酸残基の3 次元的配向をタンパクの公知の二級立体配座に習って作る(model)ことが可能 な構造--の擬似体を包含してもよく、例えば、フェノキサチン(phenoxatin)環 系などのβ−ターン擬似体およびエピインドリジオン(epindolidione)構造な どのβ−シート擬似体が挙げられる。α-ヘリックス誘起テンプレートの設計、 合成および立体配座分析が記載されている(ケンプ(Kemp)らによるテトラヘド ロン・レター(Tetrahedron Lett.)29:4931(1988);ケンプ(Kemp)らによる テトラヘドロン・レター29:4935(1988))。同様に、ペプトイド(Peptoids)が 本明細書中に使用されている。ペプトイドは、N−置換アミノ酸のオリゴマーで あり(シモンらによる(1972)、上述)、また新規な分子の化学的に異種なライ ブラリーの発生用モチーフとして使用可能であり、次いで核輸送阻害性活性を調 べることも可能である。モノマーとしては、t−ブチルを基本とした側鎖および 9−フルオレニルメトキシ−カルボニルα-アミン保護を含んでいてもよい。該 ペプトイドモノマーのオリゴマー化は、例えばそのままでベンゾトリアゾール− 1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェイト もしくは、ブロモトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェイ トによって活性化され得る。他の工程は、α−(9−フルオレニルメトキシカル ボニル)アミノ酸を用いた従来のペプチド合成と同一である。オリゴペプトイド は対応する阻害性ポリペプチドに匹敵する活性を有するものと同定されており、 したがって核輸送の阻害性物質として有用である(シモンらによる(1992)、上 述参照)。 核輸送阻害性活性を示すペプチドリガンドを、生体発現系を用いて開発するこ とができる(クリスチャンらによる、分子生物学のジャーナル227:711-8(1992 );デヴリン(Devlin)らによる科学(Science)249:404-406;クウィルラ(Cwir la)らによる、米国科学アカデミー紀要87:6378-6382(1990)参照)。そういっ たシステムを使用することにより、ランダムなペプチド配列の大量ライブラリを 産生、および目的の生化学活性を有するペプチド配列のこれらのライブラリーを スクリーニング可能となる。該ライブラリーは、ランダムなペプチド配列をコー ド化する合成DNAを大腸菌発現ベクター中へクローン化することで産生可能と なる。繊維状ファージシステムにおいては、外来ペプチド配列を感染フ ァージの表面で発現可能である(スミスによる、サイエンス228:1315-1317(198 5);パームレイ(Parmley)らによる遺伝子(Gene)73:305-318(1988)参照 )。 例えば、ライブラリーは適当なファージに縮重コード配列(NNK)n(ここで 、NはデオキシヌクレオチドG、A、Tの等量混合物を表し、またC、KはGお よびTの等量混合物を表し、nはペプチド生成物に必要とされるアミノ酸残基の 数を表す)を含有した合成DNAフラグメントをリゲートすることで作ることが できる。ファージは阻害性活性を発現するためにスクリーニングされる。阻害性 活性を発現するこれらのものをクローン化し、また核輸送を阻害するための能力 を評価できる発現ポリペプチドのアミノ酸配列を決定するために、配列決定した それらのDNAを増殖することも可能である。 ポリペプチド阻害物質の大量ライブラリはまた、米国特許番号4,708,871に記 載の通り、重複ペプチドの同時合成によってゲイセン(Geysen)に構築すること も可能である。固体支持体はまた、一般的にポリエチレンもしくはポリプロピレ ンロッドであり、その上部は担体上にポリマー鎖を生み出すために、少なくとも 1の官能基を含有するビニルポリマーを重合したグラフトである。該官能基は反 応して1級もしくは2級のアミン基を提供するものであり、従来の固相ペプチド 化学の方法を用いて目的の合成ペプチドを作り上げる目的で、適当な次数でアミ ノ酸残基と連続して反応可能なものである。 一旦合成されもしくは他で産生されると、候補的ポリペプチドもしくはポリペ プチド擬似体の阻害活性を、NF-κBの核輸送を誘起する−リポ多糖類を阻害 するために、例えばリンらにより(1995)上述に記載の方法によるマウス内皮細 胞を用いて候補の能力を評価することにより調べることが可能である。 阻害性ポリペプチドは、自己免疫疾患およびウイルス感染を治療するために、 もしくは移植拒絶反応を抑制するために医薬組成物として使用可能である。加え て、ポリペプチドは腫瘍成長を抑制するために癌組織に投与可能である。本発明 の阻害性ポリペプチドは様々な服用形態で治療成分中に処方可能であり、例えば 液剤もしくは懸濁剤、錠剤、丸剤、散剤、坐剤、高分子マイクロカプセルもしく は微小胞、ルポソームおよび注射液剤もしくは注入液剤が挙げられるが、これら に限定されるものではない。好ましい形態は投与様式および標的である特定の癌 の型に依存する。組成物はまた好ましくは、医薬的に許容し得るベヒクル、担体 または、該分野でよく知られているヒト血清アルブミン、イオン交換剤、アルミ ナ、レシチンなどのアジュバント、ホスフェイト、グリシン、ソルビン酸、ソル ビン酸カリウムなどの緩衝物質および塩もしくは硫酸プロタミンなどの電解質が 挙げられる。適当なビヒクルは、例えば水、食塩水、デキストロース、グリセロ ール、エタノールなどおよびそれらの組合せである。そういつた組成物を製造す る実際の方法は公知であり、あるいは該分野の当業者にとって明らかである。例 えば、レミントンの医薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)、マッ ク(Mack)出版社、イーストン、ペンシルベニア、18版、1990参照。 上記の組成物は従来のデリバリー様式、例えば静脈内、腹腔内、経口、リンパ 管内、または皮下投与を用いて投与可能であるが、これらに限定されるものでは ない。問題の腫瘍もしくは炎症部位への局所投与、例えば関節への直接注入もま た本発明の範囲内での使用である。 治療学的に有効な服用量は容易に該分野の技術者によって決定可能であり、疾 患の激しさや経過、患者の健康および治療に対する応答、並びに治療をする医師 への信頼に依存する。 C.実験項 以下に、本発明の実施に関する特定の実施形態の実施例を挙げる.該実施例は 例示的な目的でのみ供し、またとにかく本発明の範囲を限定するものではない。 使用する数字(例えば、量、温度など)について正確さを求めるよう努力は払 っているが、いくつかの実験的誤差および偏りは当然許容されるべきである。 実験法 ペプチド製造:一般的に、ポリペプチドは段階的に固相合成法を用いて製造し 、逆相カラム(C18)での高速液体クロマトグラフィー(溶出液:10%〜60 %アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸、直線勾配)を用いて精製した( メリフィールド(Merrifield)によるJ.Am.Chem.Soc.85:2149-2154お よびリンらによる生物化学27:5640−5645(1988)に記載)。 本明細書で記載のペプチドとは、Fmocアミノ酸を用いたギルソン(Gilson )AMS-422多段階ペプチド合成機で製造した。ゴーセポール(Gausephal) らによるペプチド研究(Peptide Res.):315-320(1992)。ペプチドを樹脂 から切断し、トリフルオロ酢酸/水/チオアニソール/エタンジチオール(100 :5:5:2.5)を用いて2時間反応させ、脱保護した。該ペプチドをエーテルか ら沈降させ、ギ酸に再度溶解し、水で希釈、凍結乾燥した。精製は、逆相高速液 体クロマトグラフィー(溶出液:アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸の 勾配)を用いて精製した。全合成ペプチドをバイオ−イオン(Bio-Ion)20装 置での質量分析で確認し、期待した分子量を得た。 マウス70Z/3プレ−B白血病細胞(ATCC T1D-158)、H9ヒト白血病T細胞 (ATCC CRL-8543)、ジャーカットヒト白血病T-細胞(ATCC T1B-152)およびT HP−1ヒト単核細胞(ATCC T1B-202)は、アメリカン・タイプ・カルチャー・ コレクションから入手した。 κIg、CD45、CD40およびインターロイキン−2受容体の発現を、標準 酵素結合イムノソルベント検定法(“ELISA s”)(コリガン(Coligan)らによ る免疫学における現代のプロトコール(Current Protocols in Immunology)、 ウイリー(Wiley)&ソンズ(Sons)、p2.10(1991))を用いて、あるいは細胞 表面マーカーを測定するためにFACS染色(ラッフ(Raff)による、免疫学( Imunology)19:637(1970)に記載)によりアッセイした。細胞表面マーカーを 形成する抗体はパーミンゲン(Pharmingen)社より得た。 TNF-α、IL-6、IL-8およびIL−10の量については、ゲンザイム (Genzyme)、続いて業者紹介より得たエリザキットを用いて決定した。 HIV−1 M1 p24レベルを、スミスガル(Smithgall)らによって記載 された(エイズ研究とヒトレトロウイルス(AIDS RES.and Human Retrovirus)11 :885(1995)に記載)方法を用いてアッセイした。プロウイルスDNA内容物 (gag)は、スミスガルら(上述、1995)により記載のポリメラーゼ連鎖反応 分析を用いて測定した。 2−LTRサークルは、厳密に言えばHIV−1 DNAの核形態であり、こ の発現により、ウイルスゲノムの核局在化をブクリンスキー(Bukrinsky)らに よる記載(サイエンス254:423(1991))の通りに測定できることが分かる。 実施例1 κIG軽鎖発現のSV40MEMポリペプチドによる阻害 本実験を、繊維芽成長因子由来のシグナルペプチドの疎水性領域およびSV4 0ラージT抗原NLSからなる、ポリペプチドPKKKRKVAAVALLPA VLLALLAPKKKRKVC(SEQ ID NO:1)(“SV40MEM”ポリペ プチド)が、免疫抑制活性を有することを示す目的で遂行する。SV40MEM ポリペプチドの影響を、2個の別のポリペプチド、KKKYKAAVALLPA VLLALLAKKKYKC(SEQ ID NO:2)(“HIV−1MEM”ポリペプ チド)(このものは、HIV−1マトリックス タンパク由来のNLSによって リンクされたFGFの膜輸送ドメインからなる)と、AKRVKLAAVALL PAVLLALLAKRVKLC(SEQ ID NO:3)(“C−MYCMEM”ポリ ペプチド、チェルスキーらによる上述(1989)、およびダンクらによる上述(19 88))(このものは、ヒトc-myc発癌タンパク由来のNLSからなる)を、 マウス70Z/3プレ−B細胞を用いて比較した。 マウス70Z/3細胞(ATCC TID-158)は、B−細胞分化上の化合物の影響を 分析するためのモデル細胞系である。S.typhosa LPS(Difco )もしくはγ−インターフェロンに対する応答の際、これらの細胞は表面κ免疫 グロブリンマイナスからκIGプラスに分化する。 図1Aに示すとおり、SV40MEMポリペプチドは、SV40MEMポリペ プチドで1時間前処理後、S.typhosa LPS(Difco)に対する 応答の際、κ軽鎖発現の約75%〜80%の阻害性を引き起こした。CD45も しくはインターロイキン−2受容体の発現の場合には、SV40MEMの影響は 全くなかった。最大の阻害性の影響は、SV40MEMで3時間前処理した場合 であった。SV40MEMポリペプチドの本阻害性の影響は、LPSの濃度が増 加するにつれて克服された。 図1Bは、HIV−1 MEMポリペプチドのL−アミノ酸形態およびAKR VKLAAVALLPAVLLALLAKRVKLC(SEQ ID NO:3)と比較し た、SV40MEMポリペプチドのD−アミノ酸形態の場合における服用量−応 答データを示す。これらのデータは、3個のポリペプチドがほとんど同じ位有効 であるが、後者の2個のポリペプチドはκIG軽鎖産生を阻害する際の能力は、 SV40MEMほどではないことを示す。図1cは、LPSの濃度が増加するに つれて、SV40MEMの阻害性影響を克服することが可能であることを示す。 実施例2 サイトカイン産生のSV40MEMポリペプチドによる阻害 THP−1コントロール細胞を収集、洗浄およびRPMI 1640(10% 胎児子牛血清、濃度:2.56×106細胞/ml)中にセットした。リン酸緩衝 塩水(“PBS”)または、2個の別個のポリペプチドSV40MEMもしくは SV40(SV40ラージT抗原NLS配列のみを有するペプチド)の一方を、 濃度:10μMもしくは20μMで細胞に加えた。次いで、細胞を0.1ml/ 穴で96穴プレート中に塗り広げた。次いで、プレートを、37℃、5%CO2 雰囲気下で2時間インキュベートした。インキュベートの開始に続き、LPSの 培地もしくは滴定を容量0.1mlの範囲内で各穴に加えた。従って、ポリペプ チドの最終的な濃度は、5μMもしくは10μMであった。LPSに刺激を5時 間続けた後、上澄みを取り、TNF-αおよびIL−8レベルをエリザ法により 決定した。加えて、PBSもしくはポリペプチドで処理するが、LPSでインキ ュベートしていない細胞を、細胞の生存力を決定するために上澄みの除去と同時 に除去し、ポリペプチドとさらに7時間接触させた。図2に示すデーターから、 Sv40ポリペプチドはTNF−α産生において全く影響がないが、該SV40 MEMポリペプチドは服用量に依存する様式でTNF−α産生を阻害することを 示しているのは明らかである。同様の結果は、IL−8の産生に関しても得られ る(データーは示さない)。 実施例3 κIG軽鎖発現の、SV40MEMポリペプチドによる阻害と他の阻害性ポリペ プチドによる阻害の比較 本実験を、70Z/3 B-細胞内のκ軽鎖発現における、SV40MEMポリ ペプチドの阻害性影響とポリペプチドAAVALLPAVLLALLAPVQR KRQKLMP(SEQ ID NO:5)(“NF−κBMEM”ポリペプチド)の阻害 性影響とを比較するために実施した。 70Z/3細胞を、(1)FGFシグナル配列AAVALLPAVLLALL AP(SEQ ID N:4)(“MEM”ペプチド)のみを含有したペプチド;(2)シ グナル配列のカルボキシ末端上、FGFシグナル配列およびNF−κB p50 のNLSを有するポリペプチド、いわゆるNF−κBMEMポリペプチド; (3)L−アミノ酸からなるSV40MEMポリペプチド;(4)D−アミノ酸 からなるSV40MEMポリペプチド;で2時間前処理(0〜50μM間)した 。次いで、該細胞を実施例2に記載の通りLPSでインキュベートし、κ軽鎖発 現の発現をアッセイした。 図3中のデータはSV40MEMのL−およびD−アミノ酸形態がLPS−刺 激κIG発現を阻害する点で、同じ位強力でありかつ有効であることを示す。加 えて、該データは両SV40MEMのL−およびD−アミノ酸形態が、一本鎖N LS配列を有するNF−κBMEMポリペプチドよりもより強力でありかつより 有効であることを示す。SV40MEMポリペプチドの両L−およびD−アミノ 酸形態に対するEC50は0.7μMであり、一方、一本鎖NLS配列を有するN F−κBMEMポリペプチドの場合は32μMであった。 実施例4 サイトカイン産生の、SV40MEMポリペプチドによる阻害と他の阻害性ポリ ペプチドによる阻害の比較 本実験を、サイトカイン産生のLPS誘発における、SV40MEMポリペプ チドの阻害性影響と、他の阻害性ポリペプチドの阻害影響とを比較するために実 施した。THP-1コントロール細胞(ATCC 9/95ストック)を収集、洗浄し、 実施例Bに記載の通り、RPMI 1640、胎児の子牛血清(10%)中に置 いた。該細胞をPBSもしくは(1)FGFシグナル配列、(2)シグナル配列 のカルボキシ末端上にFHGシグナル配列およびNF-κB p50のNLSを有 するポリペプチド、(3)L−アミノ酸からなるSV40MEMポリペプチド、 (4)D−アミノ酸からなるSV40MEMポリペプチドを用いて、最終濃度5 μMで2時間ィンキュベートした。次いで、該細胞を0.1ml/穴で96−穴 プレート中に塗り広げた。次いでそのプレートを2時間、37℃、5%CO2雰 囲気下インキュベートした。インキュベートの開始に続いて、培地もしくはLP Sの1滴を各穴に容量0.01ml/穴で加えた。LPSの刺激を5時間続けた 後、上澄み液を取り、TNF−αレベルをエリザ法により決定した。図4Aに示 したデータには、SV40MEMポリペプチドのL−もしくはD−アミノ酸形態 のみが著しく、LPSにより誘起されたTNF−α発現を阻害し;例えば、FG Fシグナル配列ペプチドからなるポリペプチド、またNF−κB NLSがTN F−α発現を著しく阻害しないことを示唆する。高LPS濃度で、SV40ME MポリペプチドのL−もしくはD−アミノ酸形態でインキュベートした細胞中で さえも、TNF−αを誘発した。同様な結果が、LPS−誘発IL−8産生の場 合でも得られた(図4B)。 実施例5 CD40発現におけるSV40MEMポリペプチドの影響 LPSで活性化する前に、70Z/3マウスB−細胞をSV40MEMポリペプ チドで3時間処理した。LPSで活性化後、CD40発現において基底レベルの 約4倍の増加が見られた。SV40MEMポリペプチドは、CD40の本アップ (up)−調節を阻害した(図5参照)。これらの結果は、SV40MEMポリペプ チドがインビボでのB−細胞応答を阻害する際に有効であることを示唆する。 実施例6 HIV−1 MEMポリペプチドによる、HIV−1 M1の一次単離を有する末 梢血液単核細胞の感染の阻害 PBMCsを得、洗浄、培養し、またHIV−1(ドブロブスキー(Dubrobvsk y)らによりMol.Med.1:217-230に記載)で感染させた。血清反応陰 性供与体由来のPBMCsを集め、負の選択によりCD8+T細胞を減少させた 。該細胞を、ウィー(Wee)らにより実験医学ジャーナル(J.Exp.Med.)177:219 (1993)に記載の方法にしたがって製造した抗−CD3モノクローナル抗体を用 いて活性化し、HIV−1 MEMポリペプチドを用いて3時間インキュベート した。次いで、該細胞を阻害物質の存在下、HIV−感染供与体から集めたPB MCから単離したM1ウイルスと共に2時間インキュベートした。該ウイルスを 洗浄して除き、培養を適当な阻害物質で補足し、7日間インキュベートした。ウ イルスの産生を培養上澄み液のp24レベルを測定することによって決定し(図 6B)、細胞増殖におけるポリペプチドの影響と対比し(図6A)、ウイルス負 荷をプロウイルスDNA内容物(gag)のポリメラーゼ連鎖反応分析を用いて 決定した(図6c)。MEMペプチドはHIV−1 MEMポリペプチドのFG F膜輸送部を表す。該HIV−1 MEMポリペプチドは、未処理だが活性化し た培養の場合と比べて、ウイルス負荷およびウイルス産生を著しく減少させた。 実施例7 HIVM1ウイルスを有するT細胞の、HIV−1 MEMポリペプチドによる感 染の阻害 H9およびジャーカット細胞を、HIV−M1ウルスを加える前に、HIV− 1 MEMポリペプチド(2μM)もしくはコントロールMEMペプチドと共に4 時間インキュベートした。細胞を3日間収集、続いて感染させ、またHIV−1 DNAのレベルをポリメラーゼ連鎖反応により評価した。図7に示すとおり、 未処理およびMEMペプチドで処理した−培養と比較して、HIV−1 DNA の低レベルによって決定する際、該HIV−1 MEMポリペプチドは両細胞系 の感染を阻害した。 実施例8 HIVゲノムの核輸送の減少に基づく、ウイルス感染の減少 ジャーカット細胞をSV40MEMポリペプチドと共に3時間、HIVLAIと 共に1〜2時間インキュベートした。該ウイルスを洗浄して除き、該培養を適当 な阻害物質(SV40MEM、0.1μMおよび1.0pM;NF−κBMEM、 10μM)で補足した。24時間後、細胞を集め、溶解し、gag配列(図8A 参照)および2-LTRサークル(図8B参照)のポリメラーゼ連鎖反応分析に よりHIV−1 DNAを評価した。gag配列のアッセイの場合、全試料にお いて達成した固定のシグナルより、ウイルスをインターナリゼーションした全培 養は相対的に同程度であり、また細胞質中でウイルスcDNAの形成を許容する ことが分かった。2−LTRサークルのレベル間の相違により、SV40MEM はウイルスゲノムの核までの輸送を阻害する。したがって、該ポリペプチドはウ イルスが細胞に侵入するのに影響を及ぼすのではなく、予想通り特に標的の核輸 送に影響を及ぼす。NF−κBMEMペプチドは該ウイルスゲノムの核へのウイ ルスインターナリゼーションもしくは輸送には全く影響がないことを示した。 実施例9 70Z/3マウスB−細胞白血病細胞の増殖におけるSV40MEMの影響 マウス70Z/3B−細胞をD−アミノ酸から製造したSV40MEM(0、0. 2、0.5、1もしくは2μM)で処理した。0の日では、コントロールおよび処理し た細胞の濃度は全く同一であった。ペプチドに48時間被曝後、処理した細胞を 再び計数し、コントロール細胞と比較した。図9には、マウス白血病細胞系の増 殖が、試験したD-SV40MEMの最低濃度(0.2μM)によって阻害され、 また試験した最大濃度(2μM)によって90%阻害されることを示す。 実施例10 RAJIヒトB−細胞白血病細胞の増殖におけるSV40MEMの影響 ヒトRAJI B−細胞をD−アミノ酸から製造したSV40MEM(0、5、1 0もしくは25μM)で処理した。0の日では、コントロールおよび処理した細胞 の細胞濃度は全く同一であった。ペプチドに48時間被曝後、処理した細胞を再 び計数し、コントロール細胞と比較した。図10には、マウス白血病細胞系の増 殖が、試験したD−SV40MEMの最低濃度(5μM)によって阻害され、ま た試験した最大濃度(25μM)によって95%阻害されることを示す。 実施例11 マウス羊赤血球細胞アッセイにおけるSV40MEMポリペプチドのインビボ免 疫抑制の影響 雌性バルブシーマウス(年齢:6〜8週)を随意、食料および水に近づけたソ ーン単位中5グループで収容した。マウスは0日に1×108羊(sheep)赤血球( “SRBCs”)を静脈内(IV)注射することにより免疫感作させた。次いで 、該マウスを5のグループに分け、コントロール溶液もしくは阻害性ペプチドを 様々な薬容量で、IV注射または24ゲージ栄養補給チューブおよび経路を持つ ガバージュによる経口(“PO”)で投与した。 SV40MEMポリペプチドを以下のスケジュール:0、1、2および3日に 5mg/kgのIV投与;0、1、2、3および4日に1mg/kgのPO投与で静脈 内(IV)もしくは経口(PO)投与した。14日後、マウスは眼窩洞から出血 し、抗−SRBC抗体のレベルをエリザ法により血清中で測定した。要するに、 イムロン2プレート(ダイナテック)をSRBC膜抗原(分析生化学(Anal.Bi ochem.)82:362-371(1978))に、カルボナート/炭酸水素緩衝溶液(0.05 M、pH9.6、5μg/ml)で被覆(coat)し、2〜8℃で終夜インキュベー トした。プレートを蒸留水で1:10に希釈した試料希釈濃縮物(ジェネティッ ク システム、レッドモンド、WA)を用いて室温で1時間遮断した。該プレー トを、リン酸緩衝塩水および0.05%ツイーン(Tween)-20(“PBS/ツ イーン”)中で洗浄した。血清試料を試料希釈物中で希釈し、室温で1時間イン キュベートした。PBS/ツイーン中該プレートを洗浄後、ヤギ(goat)抗−マ ウスIgG1−ホースラディシュペルオキシダーゼ−共役(“IgG1−HRP”)抗 体(サザンバイオテクノロジー、バーミンガムAL)を1:5000希釈液で加 え、室温で1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、基質として3,3', 5,5'-テトラメチルベンジジン(“TMB”)(ジェネティックシステム)を 用いて、共有結合を検出した。TMBを加え、室温で15分間インキュベートし た。3N H2SO4を加えて反応を停止させた。吸光度(4 5nm)を、マイクロタイタープレート記録計(バイオテック計器)を用いて複製 試料から記録した。 図11Aおよび図11B中に表した結果は、SV40MEMポリペプチドをI VもしくはPOで受容したマウスにおける総IgGレベルにおいては全く影響は ないが、該ポリペプチドはIVもしくはPO投与されると、特定の抗−SRBC 応答を阻害する。 実施例12 マウスの抗−ヘモシアニン応答における、BMS205820ポリペプチドによる阻害 と他の阻害性ポリペプチドによる阻害との比較 雌性バルブシーマウス(年齢:8週間)を、キーホールリムペット(keyholel impet)(メガチュラクレヌラタ(Megathura crenulata))ヘモシアニン(パシ フィックバイオ−マリーンラボラトリー、ベニス、CA)25μgを0日にアジ ュバントなしで腹腔内投与することで感作した。マウスを5個のグループに分け 、阻害性ペプチドC−MYCMEMおよびBMS205820(PKKKRKVAAV ALLPAVLLALLAPKKKRKV)(SEQ ID NO:24)(このものは、該 ポリペプチドがC−末端システインを欠損している点を除いてSV40MEMと 同一である)を、0日に5mg/kg投与し、続いて隔日に同一濃度の薬用量を 続いて5回投与した。コントロールマウスをキメラL6抗体(“Chi L6” )の服用量:200μgで1回処理した。14日後、該マウスは眼窩洞から出血 し、そこで抗-KLH抗体のレベルを実施例11に記載の通り、エリザ法により 血清中で測定した。 BMS205820およびC−MYCMEMポリペプチドの両方が、特定の抗-KL H応答を阻害した(図12参照)。 実施例13 抗−CD3−処理ジャーカットT−細胞中、SV40MEMポリペプチドによる 断片化の刺激 ジャーカットT−細胞をSV40MEMおよび抗−CD3で24時間インキュ ベートすることにより、該細胞の85%以上の断片化が起こった。SV40ME M、抗−CD3単独どちらの場合も著しい断片化は起きなかった。 実施例14 SV40MEMポリペプチドによるIκB分解の阻害 IκBは、NF−κB核輸送の阻害物質である。細胞は適当なプロ炎症性刺激 、例えばサイトカインもしくはLPSによって活性化されると、IκBは分解す る。このことによりNF−κB中のNLSの非マスキングを引き起こし、その結 果NF−κBは核にまで輸送可能となる。本実験は、マウス70Z/3細胞中の IκB分解におけるSV40MEMの影響を明らかにする目的で行なう。 マウス70Z/3細胞(5×107細胞)を、SV40MEMポリペプチド(2μ M)もしくはPBSを用いてインキュベートした。細胞の2個の群をさらに一部 分にまで細分化し、LPS(100ng/ml)を用いて0、15、30、60も しくは120分間活性化した。該細胞をライジング緩衝液(200μL)(20 mM N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N'-(2−エタンスルホン酸) (“HEPES”)、pH7.2、20mM NaCl、2.5mM MgCl2、0. 1%ノニルフェノキシポリエトキシエタノール(“NP−40”))中溶解した 。IκBのカルボキシ末端に直列(direct)した抗体(サンタクルツ(Santa Cr uz)コーポレイテッド、サンタクルツ、CA)を業者の指示にしたがって用い、 ウエスタン分析によりIκBの存在を分析するまで該溶菌液を凍結した。 コントロール細胞をLPSで活性化した15分後、IκBの分解は懸著であっ た。SV40MEMペプチドで前処理した細胞中では、IκBの分解は顕著では なかった。 実施例15 敗血症ショックを治療するためのBMS 205820の可能性 これらの実施例はBMS 205820が敗血症ショックの治療に有効であることを 示すものである。敗血症ショックの致死モデルを以下の通り使用する。 A.200mgリポ多糖類(LPS)、敗血症ショックの原因的物質を注入する前 の1および3時間時に、バルブシーマウスに対し、BMS 205820もしくはPB S(5mg/kg)を静脈内投与して前処理した。LPSを腹腔内投与した。LPS 注射後直ぐ、併せてLPS注射24時間後、マウスに対してさらにポリペプチド を注射した。マウスは典型的に、LPS注射後48時間以内に死亡した。表1か ら明らかなとおり、2個の分離実験において、BMS 205820の投与によりLP S注射後7日間生存しているマウスの数は著しく増加した。 表1 LPS注射後7日間生存しているマウスのフラクション 実験 LPS+PBS LPS+BMS 205820 1 0/10 6/10 2 2/10 10/10 B.バルブシーを表2に指示した時間時に、LPS(200μg)続いてBM S 205820ポリペプチドで処理した。BMSポリペプチドを静脈内投与し、LP Sを腹腔内投与した。群AのマウスをLPS投与後指示した時間時にポリペプチ ド/PBS(5mg/kg)中で処理した。群BのマウスについてLPS処理の3時 間後さらにポリペプチドを受容させた。 表2で明らかなとおり、BMS 205820は特にポリペプチドの服用量を2倍投 与すると、LPSに応答する際、死を阻害するのに有効であった。 表2 敗血症ショックの致死モデルにおけるBMS 205820での遅延処理の影響処理 生存フラクション 群A 群B 無し 0/5 2/5 T=0 5/5 5/5 T=30分 1/5 5/5 T=1時間 2/5 5/5 T=1.5時間 1/5 4/5 T=2時間 0/5 0/5 実施例16 BMS 205820ポリペプチドによる、インビボでのサイトカイン産生の阻害 これらの実験により、BMS 205820ポリペプチドがサイトカイン産生をモジ ュレートする事が可能であることが示される。特に、敗血症ショックの非致死モ デルを使用した。バルブシーマウスに対し、LPS(1μg)および同時にBMS 2 05820ポリペプチド/PBS(3mg/kg)の1回服用量で処理した。TNF−α、 IL-6およびIL-10レベルをエリザ法により、血清中で測定した。 図13Aに示すとおり、BMS 205820ポリペプチドはTNF-αの産生におい て著しい阻害を引き起こし、これは敗血症症候の主要な一因である。IL−6レ ベルはわずかに影響を受けるだけであり(図13B)、一方、IL−10産生は 大きく増加した(図13C)。IL−10での該影響は本サイトカインが免疫抑 制であるため利点があり、また敗血症ショックのモデルにおいて有効であること が明らかになった。 実施例17 BMS 205820およびC−MYCMEMを用いたCD14へのLPS結合の阻害 本実験は、BMS 205820およびC−MYCMEM(“BMS 214572”ポリペ プチド)が細胞表面受容体、CD14の両方へのLPS結合を阻害し、また該ポ リペプチド阻害物質が敗血症の治療において有効であると立証可能であると示す ものである。 96−穴プレートをヤギ−抗ヒトIGで被覆し、溶解性CD−14を加え、お よび該プレートを4℃で終夜インキュベートした。BMSポリペプチド、C−M YCMEMポリペプチド、一本鎖SV40ラージT−抗原NLSを含有したSV 40 NLSポリペプチド、輸送配列(AKRVKL(SEQ ID NO:6))を持たない c-mycNLS、コントロールの非−NLSポリペプチド、377Gもしくは PBSを該プレートに加え、該プレートを5分間インキュベートした。次いで、 大腸菌AO16をプレートに加え、該プレートを4℃で2時間インキュベートした。 プレートを洗浄し、LPSをマウス抗−大腸菌LPS(0.5μg/ml)、続いてヤ ギ抗−マウスホースラッディシュペロキシダーゼにより検出した。 図14では実験の結果を示す。BMS 205820およびC−MYCMEMの両方 がLPSに結合し、またCD14に結合するのをブロックすることができた。c −myc NLSはCD14へのLPSの結合をブロックしなかった。 LPSは敗血症ショックの原因的物質である。したがって、CD14へのLP Sの結合をブロックすることによって、本明細書に記載のNLSポリペプチドは インビボで、敗血症ショックを予防しもしくは低下するよう作用し得る。本結果 は予期しないものであった。特定の理論に基づいて結合しない場合、正に荷電し たNLSポリペプチドがLPS上の負に荷電した領域に結合することはありうる 。 実施例18 喘息を治療するためのBMS 205820の可能性 本実験では、BMS 205820ポリペプチドが喘息の治療に有効であることを示 す。BMS 205820ポリペプチドを喘息のマウスモデル(レンズ(Renz)らによる 、J.Allergy Clin.Path.89:1127-1138(1992))で試験した。図15Aに示す 通り、バルブシーマウスにオバルブミンをミョウバンアジュバントとして様々な 時期に腹腔内投与した。引き続き、図15Aに示すとおり、オバルブミンの肺へ の噴霧療法による治療を行なった。マウスをまた指示された時期に、BMS 205 820ポリペプチド/PBS(3mg/kg)で治療した。マウスを18日目に殺し、 好酸球の存在をアッセイした。図15Bで明らかなとおり、BMS 205820ポリ ペプチドは肺への該好酸球の侵潤、喘息状態の測定を著しく阻害した。 以上、細胞系タンパクの核輸送の阻害物質について開示する。課題発明の好ま しい実施態様については幾分詳細に記載しているが、付加した請求の範囲によっ て定義する本発明の精神および範囲から逸脱しないならば、明らかにバリエーシ ョンが可能であると理解するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 7/06 C07K 14/00 7/08 C12N 15/00 ZNAA 14/00 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ブレイク,ジェイムズ アメリカ合衆国98109―3192ワシントン州 シアトル、ゲイラー・ストリート・ナンバ ー243、201番 (72)発明者 ハファー,オマー・ケイ アメリカ合衆国98119ワシントン州シアト ル、エリオット・アベニュー・ウエスト 101番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.細胞系タンパクの核輸送を阻害することのできるポリペプチドであって、 (1)細胞質膜を通して細胞にまでポリペプチドを運ぶことのできるシグナル配 列ペプチド;および (2)少なくとも2個の核局在化配列(NLSs) からなる単離ポリペプチド。 2.シグナル配列が1番目と2番目のNLSによって、アミノ−およびカルボキ シ−末端で相互変換可能にフランクする、請求の範囲1に記載のポリペプチド。 3.シグナル配列ペプチドがアンテナペディア ホメオドメインシグナル配列ペ プチド、繊維芽細胞成長因子シグナル配列ペプチド、ヒト免疫不全ウイルス(H IV)Tatシグナル配列ペプチドまたは、Hsc70シグナル配列ペプチドで ある請求の範囲1もしくは2に記載のポリペプチド。 4.シグナル配列ペプチドがアンテナペディア ホメオドメインシグナル配列ペ プチドである、請求の範囲3に記載のポリペプチド。 5.シグナル配列ペプチドがアミノ酸配列RQIKIWFQNRRMKWKK( SEQ ID NO:7)からなる、請求の範囲4に記載のポリペプチド。 6.シグナル配列ポリペプチドが繊維芽細胞成長因子シグナル配列ペプチドであ る、請求の範囲3に記載のポリペプチド。 7.シグナル配列ペプチドがアミノ酸配列AAVALLPAVLLALLA(SE Q ID NO:8)からなる、請求の範囲6に記載のポリペプチド。 8.シグナル配列ペプチドがHIV Tatシグナル配列ペプチドである、請求 の範囲3に記載のポリペプチド。 9.シグナル配列ペプチドがアミノ酸配列CFITKALGISYGRKKRR QRRRPPQGSQTH(SEQ ID NO:9)からなる、請求の範囲8に記載のポ リペプチド。 10.1番目及び2番目のNLSが同一もしくは相違しており、および群:PK KKRKV(SEQ ID NO:10)、KKKRKVC(SEQ ID NO:11)、GKKR SKA(SEQ ID NO:12)、KRPRP(SEQ ID NO:13)、GNKAKR QRST(SEQ ID NO:14)、GGAAKRVKLD(SEQ ID NO:15)、SA LIKKKKKMAP(SEQ ID NO:16)、RKLKKLGN(SEQ ID NO:17 )、PQPKKKP(SEQ ID NO:18)、ASKSRKRKL(SEQ ID NO:19 )、KKKYK(SEQ ID NO:20)、KKKYKC(SEQ ID NO:21)、KSK KK(SEQ ID NO:22)、KRVKLC(SEQ ID NO:23)およびAKRVKL (SEQ ID NO:6) から選ばれるアミノ酸配列からなるペプチドである、請求の範囲1もしくは2に 記載のポリペプチド。 11.1番目及び2番目のNLSが同一もしくは相違しており、および群:PK KKRKV(SEQ ID NO:10)、KKKRKVC(SEQ ID NO:11)、GKKR SKA(SEQ ID NO:12)、KRPRP(SEQ ID NO:13)、GNKAKRQR ST(SEQ ID NO:14)、GGAAKRVKLD(SEQ ID NO:15)、SALI KKKKKMAP(SEQ ID NO:16)、RKLKKLGN(SEQ ID NO:17)、 PQPKKKP(SEQ ID NO:18)、ASKSRKRKL(SEQ ID NO:19)、 KKKYK(SEQ ID NO:20)、KKKYKC(SEQ ID NO:21)、KSKKK (SEQ ID NO:22)、KRVKLC(SEQ ID NO:23)およびAKRVKL(SE Q ID NO:6) から選ばれるアミノ酸配列からなるペプチドである、請求の範囲7に記載のポリ ペプチド。 12.1番目及び2番目のNLSがアミノ酸配列PKKKRKV(SEQ ID NO:1 0)からなる、請求の範囲11に記載のポリペプチド。 13.1番目及び2番目のNLSが、アミノ酸配列:それぞれPKKKRKV( SEQ ID NO:10)およびKKKPKVC(SEQ ID NO:11)、それぞれKKKY K(SEQ ID NO:20)およびKKKYKC(SEQ ID NO:21)、またはそれぞれ AKRVKL(SEQ ID NO:6)およびKRVKLC(SEQ ID NO:23)からなる 、請求の範囲11に記載のポリペプチド。 14.アミノ酸配列PKKKRKVAAVALLPAVLLALLAPKKKR KV(SEQ ID NO:24)からなる、請求の範囲12に記載のポリペプチド。 15.アミノ酸配列がPKKKRKVAAVALLPAVLLALLAPKKK RKVC(SEQ ID NO:1)からなる、請求の範囲13に記載のポリペプチド。 16.細胞系タンパクが転写因子である、請求の範囲1〜15のいずれかに記載 のポリペプチド。 17.転写因子がNF−κBである、請求の範囲16に記載のポリペプチド。 18.細胞系タンパクの核輸送を阻害するために、核局在化配列(NLS)から なる外因性ポリペプチドを無傷の細胞に導入する方法であって、 (a)請求の範囲1〜17のいずれかに記載のポリペプチドを提供し;および (b)外因性ポリペプチドを細胞に導入するのに有効な期間、ポリペプチドと細 胞を接触させる、 ことからなる方法。 19.請求の範囲1〜17のいずれかに記載のポリペプチドの免疫抑制に有効な 量を被験者に投与することからなる、被験者における免疫応答を抑制する方法。 20.請求の範囲1〜17のいずれかに記載のポリペプチドの抗ウイルスに有効 な量を個体に投与することからなる、被験者におけるウイルス感染を治療しもし くは予防する方法。 21.細胞系タンパクが転写因子であり、また阻害物質が請求の範囲1〜17に 記載のいずれかのポリペプチドからなる、細胞系タンパクの核輸送の阻害物質と 標的細胞を接触させることからなる細胞系遺伝子の発現を転写的にモジュレート する方法。 22.被験者における免疫応答を抑制するのに有用な組成物の製品として、請求 の範囲1〜17のいずれかに記載のポリペプチドを使用する方法。 23.被験者におけるウイルス感染を治療または予防するのに有用な組成物の製 品として、請求の範囲1〜17のいずれかに記載のポリペプチドを使用する方法 。 24.細胞系遺伝子の発現を転写的にモジュレートするのに有効な組成物の製品 として、請求の範囲1〜17のいずれかに記載のポリペプチドを使用する方法。
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