JP2002511295A - 聴診信号における律動を推定するための方法および装置 - Google Patents

聴診信号における律動を推定するための方法および装置

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バング アンド オルフセン テクノロジー エー/エス
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B7/00Instruments for auscultation
    • A61B7/02Stethoscopes
    • A61B7/04Electric stethoscopes

Abstract

(57)【要約】 例えば電子聴診器に埋め込まれ、推定心拍数をデジタル式に読み出す、聴診信号を処理するための装置。この装置は、聴診信号を受信してバイアスをかけた聴診信号を供給するためのバイアス・プロセッサを備え、前記バイアス・プロセッサは、包絡線検出器と、聴診信号の鼓動周波数を表す信号を算出するための推定装置とを備える。一態様では、バイアスをかけた聴診信号内の、聴診信号内の反復情報と一致する情報を強調する。これは、例えば、バイアスをかけた聴診信号と、バイアスをかけた聴診信号の少なくとも一部との間の一致度を算出することによって、行うことができる。本発明の別の態様では、聴診信号は、A重み付けによってバイアスをかける。好ましくは、この本発明の2つの態様を組み合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、聴診信号を受信するステップと、バイアスをかけた聴診信号を供給
するステップと、この聴診信号の推定される律動を表す信号を算出するステップ
とを備えた聴診信号の処理方法に関する。
【0002】 更に、本発明は、聴診信号を処理するための装置に関し、具体的には、心臓学
において用いるのに適した電子聴診器に関する。
【0003】 近年、医師は、心血管の疾病の診断のためにすばらしい多くの機器を自由に用
いられるようになった。かかる機器の1つは、周知の聴診器であり、心臓および
隣接する大きな血管から発する音を検出するために用いられる。聴診器の導入に
よって、聴診は、心臓の機能的完全性の貴重な情報を臨床家に与える技術へと発
展した。今日では、臨床的な研究によって得られる組み込まれた知識を用いるこ
とによって、聴診信号内に存在する情報を電子的に処理することができる。従っ
て、臨床医を、つまらない作業から解放することができる。かかる作業の1つは
、聴診信号に基づいて鼓動する心臓の心拍数を推定することであろう。
【0004】 聴診信号は、血液をポンプ作用で送出する過程で心臓の収縮および拡張から起
こる特徴的な音、すなわち、血液の加速および減速からの振動によって生じる音
を含む。鼓動する心臓を聴診する場合、それは、聴かれている鼓動振動数ではな
く、特徴的な音である。更に、正常な状態の健康な中年の人々では、特徴的な音
は、多くの場合、それぞれ心臓の収縮および拡張に関連するS1およびS2と示
され、時間的に十分に大きい間隔によって分離されて、これらの特徴的な音を個
別の音として認知することを可能とする。すなわち、特徴的な音は、典型的に、
成人では150ないし200ミリ秒以上によって、子供では約50ミリ秒によっ
て分離されている。通常、特徴的な音は、約15Hzおよび100Hz間に分布
し30ないし40Hzにピークがある連続周波数スペクトルを有する。
【0005】 しかしながら、特徴的な音には、心臓内の異なる種類の振動から発生する音が
重なる場合がある。これらの音は、いわゆる雑音であり、血液の乱れまたは構造
の粗動のような機構によって起こる恐れがある。雑音は、2つの主要なグループ
に分けられる。すなわち、第1のグループは、ランダムな「雑音性の」音から成
り、第2のグループは、連続的な狭帯域周波数スペクトルを有する「音楽的な」
音から成る。人において、「音楽的な」音は、通常、心臓の鼓動振動数に関連す
ることが、経験によって示されている。雑音の周波数スペクトルは、500ない
し2000Hzまでの分布を有する場合がある。
【0006】 また、特徴的な音は、ある時点またはランダムな時点で現れる心臓の偽の収縮
によって妨害されることがある。更に、特徴的な音は、ランダムな時点で現れる
こともあり得る。この現象は、不整脈として既知である。
【0007】 雑音があればそれを含む、鼓動する心臓の音を、例えば患者の胸部上に配置し
た変換器によって聴診する場合、この変換器によって低周波数のランブル雑音が
拾われる。このランブル雑音は、心拍の周波数のすぐ下からDC方向に主に分布
する周波数内容を有する場合がある。
【0008】 深刻な場合には、これらの妨害作用が、聴診信号内の特徴的な音を完全に破壊
するか、または、少なくとも、従来技術の技法を用いて近似的な心拍数でさえ推
定することが不可能となり得る程度まで、聴診信号を妨害する可能性がある。
【0009】 しかしながら、非電子聴診器を用いて訓練した人では、特徴的な心音という形
態の情報は、繰り返しごとに比較的容易に認知することができ、従って、計数は
比較的容易である。これは、人による聴診信号の知覚が、妨害作用またはアーチ
ファクトを減じることにおいて極めて優れており、心拍数を推定するための情報
を提供する聴診信号内の特徴に注目するという事実による。
【0010】 米国特許第4,972,841号は、推定した脈拍数を表示するための脈拍数
ディスプレイを有する電子聴診器を開示する。この聴診器では、変換器が、いわ
ゆるコロトコフ音を電気信号に変換する。コロトコフ音は、血液が血管を流れる
ことが可能となった際にへこんだ血管の壁が振動することによって生成される音
である。電気信号は増幅されてカウンタに供給される。カウンタでは、単位時間
当たりの検出脈拍数を算出し、この結果をデジタルの脈拍数として表示する。
【0011】 しかしながら、この特許は、測定音が予測される通常の心音と大きく異なる場
合がある、人から発せられる心拍数の推定には関連しない。この特許は、心拍数
に関連する聴診信号内の情報と取り違えるかまたは混同される恐れのあるアーチ
ファクトを抑制するように構成された手段を何ら開示していない。
【0012】 米国特許第4,436,096号は、デジタル式の心拍数聴診器を開示する。
変換器が、人の患者の心音を表す電気信号を生成し、この電気信号を受信するた
めにフィルタが接続されている。フィルタは、狭帯域バンド・パス・フィルタで
あり、その通過帯域は、特徴的な心音の周波数、例えば33Hzを中心とする。
フィルタは、これによって、信号対雑音比を向上させるように構成されており、
患者の衣服の上から変換器を使用可能とする。濾波された信号はパルスに変換さ
れ、このパルスはカウンタによって計数され、デジタルの心拍数指示として表示
される。
【0013】 この場合も、この特許は、測定音が予測される通常の心音とは大きく異なる場
合がある、人から発せられる心拍数の推定には関連しない。また、この特許は、
心拍数に関連する聴診信号内の情報と取り違えるまたは混同される恐れのあるア
ーチファクトを抑制するように構成された手段を何ら開示しない。
【0014】 国際出願WO97/00045号は、鼓動する心臓によって生成される音波の
特徴を調べるための聴診器を開示する。この聴診器は、閾値波を確立するための
手段を備えており、この閾値波を超えると、周期的な基準複合体が現れて識別さ
れる。更に、この聴診器は、隣接する基準複合体上の同様の時点の間で経過する
時間を心拍レートの指示として測定する時間測定装置も備えている。
【0015】 この聴診器では、心臓の収縮および拡張から発する心音の間に実質的にノイズ
が存在しないという仮定に基づいて、心拍数を推定する。従って、この聴診器は
、心臓の雑音または不整脈のある人の心拍数の推定に用いるには適していない。
【0016】 心拍数を推定するための他の装置は、聴診信号の包絡線を決定するための手段
を用いる。この包絡線は、聴診信号の絶対値を取り、この絶対値信号を帯域濾波
することによって、決定される。
【0017】 結果として、従来技術には、ある程度の雑音および/または不整脈が聴診信号
に存在する場合に心拍数が誤って推定されるという問題が伴う。
【0018】 このため、本発明の主な目的は、心臓の実際の血液のポンプ式送出による収縮
および拡張から発する心拍数を推定する、より精密かつロバストな心拍数推定を
提供することである。
【0019】 これが達成されるのは、最初の段落で述べた装置において、推定装置が、バイ
アスをかけた聴診信号の少なくとも一部を第1信号として選択し、第1信号とバ
イアスをかけた聴診信号との間の一致度を算出するように構成されていることを
特徴とする場合である。
【0020】 結果として、心拍数に関連する情報と取り違えるまたは混同される恐れのある
聴診信号内のアーチファクトまたはランダム・ノイズを抑制することができる。
これによって、心拍を非常に明確に規定した信号が得られる。
【0021】 聴診信号を処理するための好都合な装置では、推定装置は、相互相関関数を算
出する。この相互相関関数は、一致度が高い大きな信号値を有すると共に一致度
が低い小さな信号値を有する明確に規定された信号を供給する。
【0022】 バイアスをかけた聴診信号の一部が、バイアスをかけた聴診信号の一連のサイ
クルの1つを表す場合、この一部は、いくつかの面で理想的と見なされる基準サ
イクルを表すことができる。
【0023】 聴診信号を処理するための別の好都合な装置では、推定装置は、自己相関関数
を算出する。自己相関関数は、心拍数が所与の時間間隔に渡って比較的安定して
いる場合に、特に有利である。
【0024】 聴診信号の品質は、聴診信号の一致度を表す信号において、以下の3つの項目
の少なくとも1つを検証することによって、確認することができる。
【0025】 a)位置決めされた極値間の時間差は、所定の制限内でなければならない。
【0026】 b)この時間差の平均に比例した最小および最大の時間差は、所定の制限内で
なければならない。
【0027】 c)極値の位置決めにおける相関の結果の大きさは、所定の制限内でなければ
ならない。
【0028】 このように、律動推定の統計データに直接関連する好適な制限によって、好ま
しい品質レベルを規定することができる。
【0029】 バイアス・プロセッサは、聴診信号のA重み付けバージョンまたは聴診信号の
近似的なA重み付けバージョンを算出するためのフィルタを含むことができる。
シミュレーションによって、聴診信号のA重み付けバージョンは、様々な状況に
おいて安定して心拍数を推定するために十分な情報を含むことが示されている。
【0030】 所定の周波数範囲における聴診信号の二重微分に対応する近似によって、聴診
信号のA重み付けバージョンを算出する場合、濾波プロセスに必要な計算上の労
力は最小となる。
【0031】 バイアス・プロセッサは、包絡線検波器によって供給される信号を濾波するた
めの適応バンド・パス・フィルタを備えていても良い。前記バンド・パス・フィ
ルタは、少なくとも、高い通過帯域および低い通過帯域をそれぞれ有し、それら
から選択する。前記適応バンド・パス・フィルタは、バンド・パス・フィルタに
入力される信号の比較的大部分が低周波数である場合は低い通過帯域を選択し、
バンド・パス・フィルタに入力される信号の比較的小部分が低周波数である場合
は高い通過帯域を選択するコントローラを備えている。このため、比較的広い範
囲の周波数に渡って聴診信号内の律動を推定することができる一方で、信号対雑
音比の大きな劣化が回避される、すなわち、バンド・パス・フィルタの比較的狭
い通過帯域を維持することができる。
【0032】 聴診信号は、サンプル・レートで到着するサンプルを含むことができ、この装
置は、サンプル・レートに対応するレートで動作する同期プロセッサを備えるこ
とができ、更に、要求によって開始する時間間隔で動作する非同期プロセッサも
備える。これによって、リアル・タイムで聴診信号の新たなサンプルを取得する
ことができる一方で、聴診信号の前のサンプル値に作用する相関関数を算出する
【0033】 あるいは、本発明の目的が達成されるのは、この装置において、バイアス・プ
ロセッサが、少なくとも対象の周波数範囲について、A重み付けまたは近似的な
A重み付けに対応する周波数応答を有するフィルタを備えることを特徴とする場
合である。
【0034】 結果として、鼓動する心臓の特徴的な音および心拍数に関連する雑音に基づい
て、鼓動する心臓の心拍数を推定することができる。このため、特徴的な音が心
拍数を推定するための十分な情報を与えない場合に、心拍数に関連する雑音に基
づいて心拍数を推定することができる。更に、低周波数ランブル雑音は軽減され
、高周波数成分は強調され、これによって、時間に対する特徴的な音の相対的な
位置決めの明確に規定された情報が得られる。この明確に規定された情報は、心
拍数を電子的に推定するために適している。
【0035】 二重微分に対応した周波数応答を有するフィルタによって聴診信号を濾波する
場合、聴診のA重み付けバージョンを算出するために必要な計算上の労力は軽減
する。
【0036】 対象の周波数範囲は、2000Hz未満の周波数範囲に及ぶ場合がある。特徴
的な心音および心拍数に関連する雑音は、この周波数範囲に位置する周波数成分
を含み、鼓動する心臓の律動を推定するために、この範囲において十分な情報を
与える。
【0037】 更に、本発明は、聴診信号における律動を推定する方法にも関する。
【0038】 本発明を、好適な実施形態に関連付けて、図面を参照しながら、以下で更に十
分に説明する。
【0039】 図1は、近似的なA重み付け聴診信号を算出するバイアス・フィルタによって
聴診信号を処理するためのプロセッサのブロック図を示す。聴診信号は、音響信
号を表す信号であり、鼓動する心臓の音を表す聴診信号を供給するように位置付
けられたある種の変換器によってピックアップすることができる。以下では、聴
診信号をVCGと示し、これは、デジタルまたはアナログの信号とすることがで
きる。
【0040】 このブロック図は、バイアス・プロセッサ106を含む。VCG信号は、バイ
アス・フィルタ101において濾波される。このフィルタの周波数応答は、VC
G信号の近似的なA重み付けに対応する。A重み付けは、可聴周波数範囲すなわ
ち約20ないし20000Hzにおける信号振幅の人による知覚をモデル化する
、人の耳の線形モデルである。A重み付けは、通常、2000Hzの中心周波数
の二次バンド・パス・フィルタとしてモデル化される。A重み付けモデルは、時
間に対するVCG信号の二重微分として近似され、これによって、VCG信号の
A重み付けバージョンすなわちA−VCGが与えられる。この近似は、約20な
いし200Hz間の周波数について有効である。このため、バイアス・フィルタ
101は、二次高域フィルタの傾きとして見ることができる。このフィルタは、
これによって、聴診信号内に存在し得る低周波数のランブル信号を減じる。更に
、フィルタは、特徴的な心音の周波数スペクトルの上部、および最終的に雑音を
強調する。しかしながら、A重み付け信号A−VCGも、特徴的な心音にも最終
的に雑音にも関連しない源から発するノイズを強調し、これによって、信号対雑
音比を大きく劣化させる場合がある。従って、A重み付け信号A−VCGは、フ
ィルタ102によって低域濾波される。低域濾波された信号は、次いで、入力信
号として整流器102に供給される。整流器102は、入力信号の絶対値を算出
し、これによって出力信号を供給する。整流器103からの出力信号は、フィル
タ104によって帯域濾波される。この帯域濾波された信号は、A重み付け信号
A−VCGの包絡線を構成する。このバンド・パス・フィルタは、予想心拍数の
範囲、例えば0.5から3.3HZに対応する通過帯域を有する。更に、バンド
・パス・フィルタの拒絶帯によって、いかなるDC成分も、基本的な心拍周波数
を超えるいかなる周波数成分すなわち比較的高い周波数成分も、減じられる。
【0041】 反復性の明確に規定されたサイクルとして存在する帯域濾波された信号内の情
報は、これによって、心拍数を表す。心拍数は、推定装置105によって推定す
ることができる。推定装置は、帯域濾波された信号の明確に規定された極値のタ
イミングを決定するピーク・ロケータの形態とすれば良い。あるいは、推定装置
は、推定心拍数を表すある周波数を有する方形信号を発生する閾値またはゼロ交
差検出器の形態とすれば良い。推定装置が閾値検出器から成る場合、バイアスさ
れた聴診信号および閾値は、双方とも比較器に入力される。閾値は、一定の値ま
たは適応的な閾値の形態とすることができる。適応的な閾値は、バイアスされた
聴診信号を濾波するロー・パス・フィルタによって供給することができる。
【0042】 図2は、特徴的な心音、雑音、およびランブル雑音の予想周波数スペクトルを
示す。このスペクトルは、粗い近似であり、例示の目的のためのみのものである
。スペクトルの大きさアンペアは、任意の単位であり、周波数F(Hz)の関数
として示す。鼓動する心臓の収縮および拡張に関連する特徴的な心音の周波数ス
ペクトル301は、概略的に示されている。文献では、収縮に関連する音をS1
と示し、拡張に関連する音をS2と示す。S1およびS2の周波数内容の周波数
スペクトルは、主として20および50Hz間に位置付けられているが、上は1
00ないし200Hzまで、下は10Hz未満まで分布する場合がある。
【0043】 しかしながら、雑音の周波数内容は、通常、より高い周波数に分布する。これ
は、周波数応答302によって示されている。「音楽的な」音から成る雑音の周
波数内容は、比較的狭い帯域の周波数範囲306に分布している。この比較的狭
い帯域は、心拍数の推定に使用可能な情報を含む。通常、雑音は、心拍数に関連
する情報を含まない比較的広い帯域205にも関連する。それらの周波数範囲の
絶対数値の定義およびこれらの帯域における聴診信号の大きさは、対象の雑音に
よって異なる。
【0044】 低周波数ランブル雑音の周波数スペクトル304は、通常、特徴的な心音の周
波数スペクトル301に重なる。
【0045】 伝達関数303は、バイアスをかけた聴診信号を算出するためのフィルタに好
適な伝達関数を示す。フィルタは、これによって、特徴的な心音の周波数スペク
トルの上部の周波数成分の振幅および、雑音の周波数スペクトルの周波数成分の
振幅を強調することができる。更に、聴診信号内に存在し得る低周波数ランブル
雑音は軽減される。伝達関数303は、デケード当たり高域40dBの傾きを含
む。この傾きは、近似的なA重み付け関数の一部とすることができ、この場合、
近似は、2000Hzの中心周波数を有する二次バンド・パス・フィルタとして
実施される。
【0046】 図3は、相関器によって聴診信号の鼓動周波数を算出するためのプロセッサの
ブロック図を示す。この実施形態では、受信される聴診信号VCGは、デジタル
信号であり、サンプル周波数fsで到着するデジタル・サンプルを含む。例えば
、fsは4000Hzに等しい。
【0047】 この実施形態は、サンプル周波数と同期したレートでVCGサンプルを処理す
るバイアス・プロセッサ201と、バイアス・プロセッサに対して非同期で動作
することができ、要求された場合に心拍数を表す信号HRを供給する推定装置3
02とを含む。推定装置302は、バイアス・プロセッサ301から、バッファ
303を介して、サンプルの形態のデータを受信する。バッファ303は、循環
バッファまたは先入れ先出し(FIFO)メモリの形態とすれば良い。
【0048】 バイアス・プロセッサ301では、整流器304によって、デジタル聴診信号
VCGを受信し、VCG信号の各絶対値を計算する。次いで、聴診信号の包絡線
を算出するために、フィルタ305によって、絶対値を帯域濾波する。このバン
ド・パス・フィルタは、予想心拍数の範囲、例えば0.5ないし3.3Hzに対
応する通過帯域を有する。更に、バンド・パス・フィルタの拒絶帯によって、い
かなるDC成分も、また、基本的な心拍周波数を超える周波数成分すなわち比較
的高い周波数成分も軽減される。
【0049】 バンド・パス・フィルタからのサンプルは、同じ時点でバッファ303に供給
される。バッファは、例えば5秒の信号シーケンスに対応した多数のサンプル点
のための容量を有する循環バッファとすることができる。バンド・パス・フィル
タから新たなサンプルが到着すると、バッファ内の最も古いサンプルは重ね書き
される。推定装置302が開始すると、バッファからサンプルを取得する。推定
装置は、例えばデジタル表示の更新用の情報を与えるために、ある一定の時点ま
たは不規則な時点で開始することができる。
【0050】 バンド・パス・フィルタによってバッファ303を介して供給された包絡線信
号は、円滑であり、反復性サイクルを含むが、特定の時間間隔の間に1つ以上の
サイクルが存在するか否かを判定することが難しい場合がある。しかしながら、
特定の時間間隔内の正確なサイクル数を判定するために、包絡線信号の情報内容
を強化することができる。これは、包絡線信号自体に対する包絡線信号の一致度
を算出することによって行われる。これは、包絡線信号の大部分のサイクルが、
血液をポンプ式に送出する過程における実際の相互関連する心臓の収縮および拡
張を表すという仮定に基づいている。包絡線信号の一致度は、相関器306が包
絡線信号の自己相関を計算することによって算出される。
【0051】 好適な実施形態では、相関器は、最大の振幅を有する包絡線信号内のサイクル
を選択するための手段を備える。これは、聴診信号内の最大の振幅が、アーチフ
ァクトを含む可能性が最も低い通常の心臓の収縮/拡張によって生じるという有
望な仮定のもとで行われる。選択したサイクルの範囲は、ゼロ未満の最も近い極
小を探すことによって見出される。これによって、ゼロを超える大きさの極小に
なることが回避される。この最小値の検索は、最大の振幅の位置に対して前方向
および後方向の双方に適用される。選択したサイクルを格納し、包絡線信号の残
りと相互相関させる。あるいは、信号自体に対する信号の一致度を算出すること
ができる畳み込みまたはいずれかの他の関数を使用可能である。
【0052】 図4は、相関器およびA重み付けを含むバイアス・フィルタによって聴診信号
の鼓動周波数を算出するためのプロセッサのブロック図を示す。この好適な実施
形態では、全体の性能を向上させるために、A重み付けを含むバイアス・フィル
タおよび相関を結合している。すなわち、心臓の特徴的な音が大きく歪められて
いても、鼓動する心臓の律動を推定することが可能である。
【0053】 聴診信号VCGは、サンプル周波数fsで到着するサンプル値を含むデジタル
信号の形態である。例えば、fs=4000Hzである。聴診信号は分岐されて
いる。第1の分岐は、聴診信号を、整流器または絶対値検出器、ABS406に
供給する。聴診信号の絶対値は、更に、100Hzを超える周波数成分を減じる
ように約3Hzの遮断周波数を有するロー・パス・フィルタ407に供給される
。第2の分岐は、聴診信号を、聴診信号の二重微分を計算するフィルタ401に
供給する。フィルタ401の周波数応答は、2000Hz未満の周波数範囲にお
ける二次高域傾きまたはA重み付け近似に相当する。聴診信号の二重微分は、ロ
ー・パス・フィルタ402に供給され、ここで、フィルタ401において微分に
よって強調された比較的高い周波数ノイズ成分を減衰させる。フィルタ402は
、約100Hzの遮断周波数を有するものとすれば良い。フィルタ402によっ
て低域濾波された信号は、整流器または絶対値検出器、ABS403に供給され
る。聴診信号の絶対値は、更に、ロー・パス・フィルタ407に供給され、10
0Hzを超える周波数成分が減じられる。
【0054】 デシメータDEC405および408は、100Hzを超える周波数成分が減
じられているので、より低いサンプル・レートfsを発生する。これは、例え
ば200Hzとすれば良い。このため、聴診信号の後の信号処理において必要な
計算上の労力を軽減することができる。
【0055】 バンド・パス・フィルタBPF#1およびBPF#2から成るバンド・パス・
フィルタ411は、デシメートされた聴診信号を受信し、帯域濾波された信号を
算出する。バンド・パス・フィルタは、例えば0.5ないし3.3Hzの予想心
拍数範囲に対応する通過帯域を有するものとすれば良い。
【0056】 DC成分および25Hzを超える周波数成分が減じられることを注記しておく
。バンド・パス・フィルタの中心周波数は、律動推定装置の性能を向上させるた
めに、適応的に調節することができる。これについては、後に論じる。
【0057】 このように帯域濾波された信号は、低いサンプル・レートでの聴診信号および
二重微分された聴診信号の包絡線を表す。
【0058】 デシメータDEC412および413は、25Hzを超える周波数成分が減じ
られているので、更に低いサンプル・レートを発生する。これは、例えば50H
zとすれば良い。このため、聴診信号の後の信号処理において必要な計算上の労
力を更に軽減することができる。
【0059】 バンド・パス・フィルタからのサンプルを、同じ時点で、バッファ414およ
び415に供給する。バッファは、例えば5秒の信号シーケンスに対応した多数
のサンプル点のための容量を有する循環バッファとすることができる。推定装置
422が開始すると、バッファからサンプルを取得する。推定装置は、例えばデ
ジタル表示の更新用の情報を供給するために、ある一定の時点または不規則の時
点で開始することができる。
【0060】 バッファ414および415から取得されたサンプルは、オートスケール手段
416および417によってそれぞれスケーリングされる。オートスケール手段
は、ある数のスケーリングされたサンプルにおけるピーク値が1.0の値を取る
ことを保証することによって、受信サンプル値をスケーリングすることができる
。例えば、サンプル数は、バッファ414および415に格納された信号シーケ
ンスに対応し、これは1.0に等しいピーク値に正規化された信号シーケンスで
ある。スケーリングされたサンプルは、加算器418において、等しい重みを加
算される。なぜなら、2つの信号内の情報は等しく重要であるからである。加算
の結果は、和信号として供給される。あるいは、2つの信号に、異なる重みを加
算しても良い。
【0061】 相関器X−Corr419によって、和信号の一致度を算出する。好適な実施
形態では、相関器は、最大の振幅を有する包絡線信号内のサイクルを選択するた
めの手段を備えている。選択されたサイクルの時間範囲は、ゼロ未満の最も近い
極小を検索することによって見出される。これによって、ゼロを超える大きさを
有する極小になることが回避される。この最小値の検索は、最大の振幅の位置に
対して前方向および後ろ方向の双方に適用される。選択したサイクルを格納し、
包絡線信号の残りと相互相関を取る。
【0062】 ピーク・ロケータ420は、相互相関の結果を表す信号における極値を識別す
る。これは、例えば、相互相関の結果の一次導関数を算出し変曲を識別すること
によって実行可能である。好ましくは、ピーク・ロケータは、相互相関の結果を
表す信号における最大値を識別する。
【0063】 好ましくは、品質推定装置421によって、極値の位置決めを処理する。推定
装置は、相互相関の結果が、聴診信号の律動がある場合にこれを推定することに
適しているか否かを決定する。品質推定装置421は、品質を推定するプロセス
において3つのステップを含むことができる。
【0064】 1.2つの極値間の時間差の平均は、所定の制限内でなければならない。
【0065】 2.この時間差の平均に比例した最小および最大の時間差は、所定の制限内でな
ければならない。
【0066】 3.極値の位置決めにおける相互相関の結果の大きさは、所定の制限内でなけれ
ばならない。
【0067】 上述の項目1ないし3の1つ以上に当てはまらない場合、聴診信号内の律動を
推定することが不可能であると判定される。あるいは、上述の項目に当てはまる
場合は、聴診信号内の律動を推定することができる。律動の推定は、単位時間当
たりの相互相関の結果における極値の数を計数し、これを1分当たりの鼓動数と
して表示することによって推定することができる。
【0068】 代替的な実施形態では、相関器306または419は、自己相関関数を算出す
るように構成することができる(すなわち、バッファ303または414、41
5の容量に対応する長さを有する2つの同一の信号を互いに相関させる)。自己
相関関数の算出から得られる信号を用いて、聴診信号の律動を推定し、聴診信号
の品質を調べることができる。聴診信号内の極大を検索することによって、聴診
信号の一次周波数を見出す。この検索は、0.3秒(200bpm)から開始し
、一次周波数は、固定閾値を超える第1の極大として規定される(自己相関にお
ける2秒の制限前に極大が見出されない場合、一次周波数は決定されない)。一
次周波数を承認する前に、以下の項目を確認しなければならない。
【0069】 1.バッファ信号の最後の2秒の平均レベルは固定閾値を超えなければならない
。この確認は、間違った種類の信号(または存在しない信号)に基づいた推定を
防ぐために行われる。
【0070】 2.第1のピークの2倍の時間位置決めされた自己相関におけるピーク(±7.
5%)が存在しなければならない。このチェックは、バッファ信号が周期的か否
かを確認するために行われる。また、このピークは、固定の閾値を超えなければ
ならない。
【0071】 3.N個のピークが、第1のピーク(peak1)の左部に見出された場合、等
しく離間した位置において見出される値の平均=(peak1)/N+1→(N
・peak1)/(N+1)は、固定の閾値未満でなければならない。このチェ
ックは、包絡線が、(N+1)・(一次周波数)に等しい鼓動周波数を有する成
分を含む場合に、低い心拍数推定値を防ぐために行われる。
【0072】 4.この推定は、ある時間間隔に渡って安定していなければならない。一次周波
数が、毎分40の鼓動(bmp)未満であると判定された場合、この推定は、8
倍安定していなければならない(±30%)=1.6秒。一次周波数が、40b
mp以上であると判定された場合、この推定は、4倍安定していなければならな
い(±30%)=0.8秒。このチェックは、推定の妥当性を増すために行われ
る。
【0073】 他の妥当性基準が実行可能であるが、上述の基準は十分に機能すると証明され
ている。
【0074】 図5は、適応バンド・パス・フィルタを示す。このフィルタは、図4に示した
バンド・パス・フィルタ411の代わりに用いることができる。適応フィルタは
、比較的広い周波数範囲に渡って聴診信号における律動の推定に用いることがで
きる一方で、信号対雑音比を大幅に劣化させることを回避する、すなわち、バン
ド・パス・フィルタの比較的狭い通過帯域を維持することができる。
【0075】 バンド・パス・フィルタ512は、2つの入力信号I1およびI2を受信し、
2つの帯域濾波された出力信号O1およびO2を供給する。バンド・パス・フィ
ルタ512は、このため、2つのバンド・パス・フィルタBPF#1およびBP
F#2を備える。フィルタBPF#1およびBPF#2の各々は、比較的低い中
心周波数を有する通過帯域LBおよび比較的高い中心周波数を有する通過帯域H
Bを備える。入力LBまたはHBのいずれかにイネーブル信号を供給することに
よって、通過帯域の1つを選択することができる。この通過帯域の選択は、適応
コントローラ513によって実行される。
【0076】 高域フィルタ501は、バンド・パス・フィルタ512に入力される信号の1
つに対応する入力信号を受信する。高域フィルタ501は、約0.3Hzの遮断
周波数を有し、これによって、適応通過帯域選択に用いられない極めて低い周波
数成分を減じる。フィルタ501は、高域濾波した信号をロー・パス・フィルタ
502に供給する。ロー・パス・フィルタは、約1Hzの遮断周波数を有する。
【0077】 バッファ503および504は、それぞれ、約3秒の持続時間を有する信号シ
ーケンスに対応するサンプル値を格納することができる。平均値検出器505お
よび506によって、バッファに格納されたシーケンスの予想値または平均値が
算出される。平均値検出器505によって算出された平均値は、バンド・パス・
フィルタ512に入力される全信号の平均値を表す。平均値検出器506によっ
て算出される平均値は、バンド・パス・フィルタ512に入力される信号の低周
波数部分すなわち約1Hz未満の平均値を表す。
【0078】 このため、除算装置507は、比較的低周波数である信号の分数A/Bを算出
する。初期状態では、閾値Th.は、値0.45に等しい。この値を、加算器5
08によって、この分数A/Bから減算する。判断状態509では、周波数比A
/Bが閾値より大きいか否かを確認する。これが当てはまる場合(T)、閾値T
h.を0.35に等しくセットし、比較的低い中心周波数を有する通過帯域LB
を選択する。これは、聴診信号がゆっくり鼓動している心臓から発するという仮
定に基づいて行われる。このため、比較的低い中心周波数を有する通過帯域LB
を選択することによって、より高い、余分な周波数成分を減じることができる。
好ましくは、比較的低い中心周波数は約0.7Hzである。
【0079】 あるいは、周波数比A/Bが閾値Th.未満である場合(F)、閾値Th.を
値0.55に等しくセットし、比較的高い中心周波数を有する通過帯域HBを選
択する。これは、聴診信号において低周波数内容が乏しいため、聴診は極めて速
く鼓動している心臓、例えば子供から発する可能性が高いという仮定に基づいて
行われる。比較的高い中心周波数を有する通過帯域HBを選択することによって
、聴診信号の律動が正確に推定される可能性が最大となる。好ましくは、比較的
高い中心周波数は約1.2Hzである。
【0080】 図6は、相関器およびA重み付けを備えるバイアス・フィルタを用いた実施形
態に関連する信号を示す。聴診信号VCGおよびVCG信号の対応する帯域濾波
された包絡線を、時間の関数として示す。更に、A重み付けまたは二重微分した
聴診信号dVCG/dtおよび対応する帯域濾波した包絡線を示す。グラフ
の解釈を考慮すると、帯域濾波した信号の1つのみを用いて心拍数を推定可能で
あることは明らかである。しかしながら、上述のように、信号を加算し、相関器
に対する入力として用いると、より強力な推定が得られる。これは、信号「XC
−I」および「XC−O」によって示されている。
【0081】 図7は、聴診信号の包絡線における情報が不十分である場合の例を示す。聴診
信号VCGおよびVCG信号の対応する帯域濾波した包絡線を、時間の関数とし
て示す。更に、A重み付けまたは二重微分した聴診信号dVCG/dtおよ
び対応する帯域濾波した包絡線を示す。グラフの解釈を考慮すると、二重微分し
た聴診信号dVCG/dtによって最も強力な推定が得られることは明らか
である。しかしながら、聴診信号の大部分について、信号「XC−O」が、最も
強力な全体的推定を与える。
【0082】 図8は、A重み付け聴診信号の包絡線における情報が不十分である場合の例を
示す。聴診信号VCGおよびVCG信号の対応する帯域濾波した包絡線を、時間
の関数として示す。更に、A重み付けまたは二重微分した聴診信号dVCG/
dtおよび対応する帯域濾波した包絡線を示す。グラフの解釈を考慮すると、
帯域濾波したVCG包絡線信号によって最も強力な推定が得られることは明らか
である。しかしながら、この場合も、信号「XC−O」が、最も強力な全体的推
定を与える。
【0083】 本発明は、聴診器またはいずれかの他の機器もしくは装置の一部として具現化
することができる。あるいは、本発明は、コンピュータのメモリ内にロードする
ことができ、それから実行することができるコンピュータ・プログラムまたはコ
ンピュータ・プログラムの一部として具現化することができる。コンピュータ・
プログラムは、いずれかのデータ記憶装置またはデータ伝送媒体によって配布す
ることができる。この記憶媒体は、磁気テープ、光ディスク、コンパクト・ディ
スク(CDまたはCD−ROM)、ミニ・ディスク、ハード・ディスク、フロッ
ピ・ディスク、強誘電体メモリ、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メ
モリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、EPROM、読み出し専用メモリ
(ROM)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ダイナ
ミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、強磁性体メモリ、光記憶装
置、電荷結合デバイス、スマート・カード等とすることができる。伝送媒体は、
例えばローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワ
ーク(WAN)のようなネットワーク、またはこれらの何らかの組み合わせ、例
えばインターネットとすることができる。ネットワークは、有線または無線通信
リンクから成るものとすることができる。ネットワークを介して、本発明のソフ
トウエア実施形態(すなわちプログラム)、またはその部分を、ネットワークを
介してプログラムを転送することによって、配布することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 近似的なA重み付け聴診信号を算出するバイアス・フィルタによって聴診信号
を処理するためのプロセッサのブロック図を示す。
【図2】 特徴的な心音、雑音、およびランブル雑音の予想周波数スペクトルを示す。
【図3】 相関器によって聴診信号の鼓動周波数を算出するためのプロセッサのブロック
図を示す。
【図4】 相関器およびA重み付けを含むバイアス・フィルタによって聴診信号の鼓動周
波数を算出するためのプロセッサのブロック図を示す。
【図5】 適応バンド・パス・フィルタを示す。
【図6】 相関器およびA重み付けを含むバイアス・フィルタを用いた実施形態に関連す
る信号を示す。
【図7】 聴診信号の包絡線内の情報が不十分である例を示す。
【図8】 A重み付け聴診信号の包絡線内の情報が不十分である例を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年4月1日(2000.4.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、聴診信号を処理するための装置に関する。この装置は、聴診信号を
受信すると共にこの聴診信号の包絡線を表す包絡線信号を供給するための手段と
、聴診信号の推定律動を表す信号を算出するための推定装置とを備える。
【0002】 更に、本発明は、聴診信号を処理する方法、コンピュータ読み取り可能媒体に
関し、具体的には、心臓学において用いるのに適した電子聴診器に関する。
【0003】 近年、医師は、心血管の疾病の診断のためにすばらしい多くの機器を自由に用
いられるようになった。かかる機器の1つは、周知の聴診器であり、心臓および
隣接する大きな血管から発する音を検出するために用いられる。聴診器の導入に
よって、聴診は、心臓の機能的完全性の貴重な情報を臨床家に与える技術へと発
展した。今日では、臨床的な研究によって得られる組み込まれた知識を用いるこ
とによって、聴診信号内に存在する情報を電子的に処理することができる。従っ
て、臨床医を、つまらない作業から解放することができる。かかる作業の1つは
、聴診信号に基づいて鼓動する心臓の心拍数を推定することであろう。
【0004】 聴診信号は、血液をポンプ作用で送出する過程で心臓の収縮および拡張から起
こる特徴的な音、すなわち、血液の加速および減速からの振動によって生じる音
を含む。鼓動する心臓を聴診する場合、それは、聴かれている鼓動振動数ではな
く、特徴的な音である。更に、正常な状態の健康な中年の人々では、特徴的な音
は、多くの場合、それぞれ心臓の収縮および拡張に関連するS1およびS2と示
され、時間的に十分に大きい間隔によって分離されて、これらの特徴的な音を個
別の音として認知することを可能とする。すなわち、特徴的な音は、典型的に、
成人では150ないし200ミリ秒以上によって、子供では約50ミリ秒によっ
て分離されている。通常、特徴的な音は、約15Hzおよび100Hz間に分布
し30ないし40Hzにピークがある連続周波数スペクトルを有する。
【0005】 しかしながら、特徴的な音には、心臓内の異なる種類の振動から発生する音が
重なる場合がある。これらの音は、いわゆる雑音であり、血液の乱れまたは構造
の粗動のような機構によって起こる恐れがある。雑音は、2つの主要なグループ
に分けられる。すなわち、第1のグループは、ランダムな「雑音性の」音から成
り、第2のグループは、連続的な狭帯域周波数スペクトルを有する「音楽的な」
音から成る。人において、「音楽的な」音は、通常、心臓の鼓動振動数に関連す
ることが、経験によって示されている。雑音の周波数スペクトルは、500ない
し2000Hzまでの分布を有する場合がある。
【0006】 また、特徴的な音は、ある時点またはランダムな時点で現れる心臓の偽の収縮
によって妨害されることがある。更に、特徴的な音は、ランダムな時点で現れる
こともあり得る。この現象は、不整脈として既知である。
【0007】 雑音があればそれを含む、鼓動する心臓の音を、例えば患者の胸部上に配置し
た変換器によって聴診する場合、この変換器によって低周波数のランブル雑音が
拾われる。このランブル雑音は、心拍の周波数のすぐ下からDC方向に主に分布
する周波数内容を有する場合がある。
【0008】 深刻な場合には、これらの妨害作用が、聴診信号内の特徴的な音を完全に破壊
するか、または、少なくとも、従来技術の技法を用いて近似的な心拍数でさえ推
定することが不可能となり得る程度まで、聴診信号を妨害する可能性がある。
【0009】 しかしながら、非電子聴診器を用いて訓練した人では、特徴的な心音という形
態の情報は、繰り返しごとに比較的容易に認知することができ、従って、計数は
比較的容易である。これは、人による聴診信号の知覚が、妨害作用またはアーチ
ファクトを減じることにおいて極めて優れており、心拍数を推定するための情報
を提供する聴診信号内の特徴に注目するという事実による。
【0010】 米国特許第4,972,841号は、推定した脈拍数を表示するための脈拍数
ディスプレイを有する電子聴診器を開示する。この聴診器では、変換器が、いわ
ゆるコロトコフ音を電気信号に変換する。コロトコフ音は、血液が血管を流れる
ことが可能となった際にへこんだ血管の壁が振動することによって生成される音
である。電気信号は増幅されてカウンタに供給される。カウンタでは、単位時間
当たりの検出脈拍数を算出し、この結果をデジタルの脈拍数として表示する。
【0011】 しかしながら、この特許は、測定音が予測される通常の心音と大きく異なる場
合がある、人から発せられる心拍数の推定には関連しない。この特許は、心拍数
に関連する聴診信号内の情報と取り違えるかまたは混同される恐れのあるアーチ
ファクトを抑制するように構成された手段を何ら開示していない。
【0012】 米国特許第4,436,096号は、デジタル式の心拍数聴診器を開示する。
変換器が、人の患者の心音を表す電気信号を生成し、この電気信号を受信するた
めにフィルタが接続されている。フィルタは、狭帯域バンド・パス・フィルタで
あり、その通過帯域は、特徴的な心音の周波数、例えば33Hzを中心とする。
フィルタは、これによって、信号対雑音比を向上させるように構成されており、
患者の衣服の上から変換器を使用可能とする。濾波された信号はパルスに変換さ
れ、このパルスはカウンタによって計数され、デジタルの心拍数指示として表示
される。
【0013】 この場合も、この特許は、測定音が予測される通常の心音とは大きく異なる場
合がある、人から発せられる心拍数の推定には関連しない。また、この特許は、
心拍数に関連する聴診信号内の情報と取り違えるまたは混同される恐れのあるア
ーチファクトを抑制するように構成された手段を何ら開示しない。
【0014】 国際出願WO97/00045号は、鼓動する心臓によって生成される音波の
特徴を調べるための聴診器を開示する。この聴診器は、閾値波を確立するための
手段を備えており、この閾値波を超えると、周期的な基準複合体が現れて識別さ
れる。更に、この聴診器は、隣接する基準複合体上の同様の時点の間で経過する
時間を心拍レートの指示として測定する時間測定装置も備えている。
【0015】 この聴診器では、心臓の収縮および拡張から発する心音の間に実質的にノイズ
が存在しないという仮定に基づいて、心拍数を推定する。従って、この聴診器は
、心臓の雑音または不整脈のある人の心拍数の推定に用いるには適していない。
【0016】 心拍数を推定するための他の装置は、聴診信号の包絡線を決定するための手段
を用いる。この包絡線は、聴診信号の絶対値を取り、この絶対値信号を帯域濾波
することによって、決定される。
【0017】 結果として、従来技術には、ある程度の雑音および/または不整脈が聴診信号
に存在する場合に心拍数が誤って推定されるという問題が伴う。
【0018】 このため、本発明の主な目的は、心臓の実際の血液のポンプ式送出による収縮
および拡張から発する心拍数を推定する、より精密かつロバストな心拍数推定を
提供することである。
【0019】 これが達成されるのは、最初の段落で述べた装置において、推定装置が、包絡
線信号の一部を選択するように構成された手段を備えており、前記一部が、第1
信号として包絡線信号における一連のサイクルの少なくとも1つを含み、この手
段が、更に、第1信号と包絡線信号との間の一致度を算出するように構成されて
いることを特徴とする場合である。
【0020】 結果として、心拍数に関連する情報と取り違えるまたは混同される恐れのある
聴診信号内のアーチファクトまたはランダム・ノイズを抑制することができる。
これによって、心拍を非常に明確に規定した信号が得られる。
【0021】 聴診信号を処理するための好都合な装置では、推定装置は、相互相関関数を算
出する。この相互相関関数は、一致度が高い大きな信号値を有すると共に一致度
が低い小さな信号値を有する明確に規定された信号を供給する。
【0022】 バイアスをかけた聴診信号の一部が、バイアスをかけた聴診信号の一連のサイ
クルの1つを表す場合、この一部は、いくつかの面で理想的と見なされる基準サ
イクルを表すことができる。
【0023】 聴診信号を処理するための別の好都合な装置では、推定装置は、自己相関関数
を算出する。自己相関関数は、心拍数が所与の時間間隔に渡って比較的安定して
いる場合に、特に有利である。
【0024】 聴診信号の品質は、聴診信号の一致度を表す信号において、以下の3つの項目
の少なくとも1つを検証することによって、確認することができる。
【0025】 a)位置決めされた極値間の時間差は、所定の制限内でなければならない。
【0026】 b)この時間差の平均に比例した最小および最大の時間差は、所定の制限内で
なければならない。
【0027】 c)極値の位置決めにおける相関の結果の大きさは、所定の制限内でなければ
ならない。
【0028】 このように、律動推定の統計データに直接関連する好適な制限によって、好ま
しい品質レベルを規定することができる。
【0029】 バイアス・プロセッサは、聴診信号のA重み付けバージョンまたは聴診信号の
近似的なA重み付けバージョンを算出するためのフィルタを含むことができる。
シミュレーションによって、聴診信号のA重み付けバージョンは、様々な状況に
おいて安定して心拍数を推定するために十分な情報を含むことが示されている。
【0030】 所定の周波数範囲における聴診信号の二重微分に対応する近似によって、聴診
信号のA重み付けバージョンを算出する場合、濾波プロセスに必要な計算上の労
力は最小となる。
【0031】 バイアス・プロセッサは、包絡線信号を濾波するための適応バンド・パス・フ
ィルタを備えていても良く、前記バンド・パス・フィルタは、少なくとも選択可
能な高い通過帯域および低い通過帯域を有し、更に、第1の周波数帯域における
包絡線信号内容の第2の周波数帯域における包絡線信号内容に対する比を算出す
ると共に算出した比に応じて通過帯域を選択するコントローラを備える。このた
め、比較的広い範囲の周波数に渡って聴診信号内の律動を推定することができる
一方で、信号対雑音比の大きな劣化が回避される、すなわち、バンド・パス・フ
ィルタの比較的狭い通過帯域を維持することができる。
【0032】 聴診信号は、サンプル・レートで到着するサンプルを含むことができ、この装
置は、サンプル・レートに対応するレートで動作する同期プロセッサを備えるこ
とができ、更に、要求によって開始する時間間隔で動作する非同期プロセッサも
備える。これによって、リアル・タイムで聴診信号の新たなサンプルを取得する
ことができる一方で、聴診信号の前のサンプル値に作用する相関関数を算出する
【0033】 あるいは、本発明の目的が達成されるのは、この装置において、手段が、A重
み付けまたは近似的なA重み付けに対応する周波数応答を有するフィルタを備え
、このフィルタは、少なくとも対象の周波数範囲について算出された二重微分と
して具現化されることを特徴とする場合である。
【0034】 結果として、鼓動する心臓の特徴的な音および心拍数に関連する雑音に基づい
て、鼓動する心臓の心拍数を推定することができる。このため、特徴的な音が心
拍数を推定するための十分な情報を与えない場合に、心拍数に関連する雑音に基
づいて心拍数を推定することができる。更に、低周波数ランブル雑音は軽減され
、高周波数成分は強調され、これによって、時間に対する特徴的な音の相対的な
位置決めの明確に規定された情報が得られる。この明確に規定された情報は、心
拍数を電子的に推定するために適している。
【0035】 二重微分に対応した周波数応答を有するフィルタによって聴診信号を濾波する
場合、聴診のA重み付けバージョンを算出するために必要な計算上の労力は軽減
する。
【0036】 対象の周波数範囲は、2000Hz未満の周波数範囲に及ぶ場合がある。特徴
的な心音および心拍数に関連する雑音は、この周波数範囲に位置する周波数成分
を含み、鼓動する心臓の律動を推定するために、この範囲において十分な情報を
与える。
【0037】 更に、本発明は、聴診信号における律動を推定する方法にも関する。
【0038】 本発明を、好適な実施形態に関連付けて、図面を参照しながら、以下で更に十
分に説明する。
【0039】 図1は、近似的なA重み付け聴診信号を算出するバイアス・フィルタによって
聴診信号を処理するためのプロセッサのブロック図を示す。聴診信号は、音響信
号を表す信号であり、鼓動する心臓の音を表す聴診信号を供給するように位置付
けられたある種の変換器によってピックアップすることができる。以下では、聴
診信号をVCGと示し、これは、デジタルまたはアナログの信号とすることがで
きる。
【0040】 このブロック図は、バイアス・プロセッサ106を含む。VCG信号は、バイ
アス・フィルタ101において濾波される。このフィルタの周波数応答は、VC
G信号の近似的なA重み付けに対応する。A重み付けは、可聴周波数範囲すなわ
ち約20ないし20000Hzにおける信号振幅の人による知覚をモデル化する
、人の耳の線形モデルである。A重み付けは、通常、2000Hzの中心周波数
の二次バンド・パス・フィルタとしてモデル化される。A重み付けモデルは、時
間に対するVCG信号の二重微分として近似され、これによって、VCG信号の
A重み付けバージョンすなわちA−VCGが与えられる。この近似は、約20な
いし200Hz間の周波数について有効である。このため、バイアス・フィルタ
101は、二次高域フィルタの傾きとして見ることができる。このフィルタは、
これによって、聴診信号内に存在し得る低周波数のランブル信号を減じる。更に
、フィルタは、特徴的な心音の周波数スペクトルの上部、および最終的に雑音を
強調する。しかしながら、A重み付け信号A−VCGも、特徴的な心音にも最終
的に雑音にも関連しない源から発するノイズを強調し、これによって、信号対雑
音比を大きく劣化させる場合がある。従って、A重み付け信号A−VCGは、フ
ィルタ102によって低域濾波される。低域濾波された信号は、次いで、入力信
号として整流器102に供給される。整流器102は、入力信号の絶対値を算出
し、これによって出力信号を供給する。整流器103からの出力信号は、フィル
タ104によって帯域濾波される。この帯域濾波された信号は、A重み付け信号
A−VCGの包絡線を構成する。このバンド・パス・フィルタは、予想心拍数の
範囲、例えば0.5から3.3HZに対応する通過帯域を有する。更に、バンド
・パス・フィルタの拒絶帯によって、いかなるDC成分も、基本的な心拍周波数
を超えるいかなる周波数成分すなわち比較的高い周波数成分も、減じられる。
【0041】 反復性の明確に規定されたサイクルとして存在する帯域濾波された信号内の情
報は、これによって、心拍数を表す。心拍数は、推定装置105によって推定す
ることができる。推定装置は、帯域濾波された信号の明確に規定された極値のタ
イミングを決定するピーク・ロケータの形態とすれば良い。あるいは、推定装置
は、推定心拍数を表すある周波数を有する方形信号を発生する閾値またはゼロ交
差検出器の形態とすれば良い。推定装置が閾値検出器から成る場合、バイアスさ
れた聴診信号および閾値は、双方とも比較器に入力される。閾値は、一定の値ま
たは適応的な閾値の形態とすることができる。適応的な閾値は、バイアスされた
聴診信号を濾波するロー・パス・フィルタによって供給することができる。
【0042】 図2は、特徴的な心音、雑音、およびランブル雑音の予想周波数スペクトルを
示す。このスペクトルは、粗い近似であり、例示の目的のためのみのものである
。スペクトルの大きさアンペアは、任意の単位であり、周波数F(Hz)の関数
として示す。鼓動する心臓の収縮および拡張に関連する特徴的な心音の周波数ス
ペクトル301は、概略的に示されている。文献では、収縮に関連する音をS1
と示し、拡張に関連する音をS2と示す。S1およびS2の周波数内容の周波数
スペクトルは、主として20および50Hz間に位置付けられているが、上は1
00ないし200Hzまで、下は10Hz未満まで分布する場合がある。
【0043】 しかしながら、雑音の周波数内容は、通常、より高い周波数に分布する。これ
は、周波数応答302によって示されている。「音楽的な」音から成る雑音の周
波数内容は、比較的狭い帯域の周波数範囲306に分布している。この比較的狭
い帯域は、心拍数の推定に使用可能な情報を含む。通常、雑音は、心拍数に関連
する情報を含まない比較的広い帯域205にも関連する。それらの周波数範囲の
絶対数値の定義およびこれらの帯域における聴診信号の大きさは、対象の雑音に
よって異なる。
【0044】 低周波数ランブル雑音の周波数スペクトル304は、通常、特徴的な心音の周
波数スペクトル201に重なる。
【0045】 伝達関数203は、バイアスをかけた聴診信号を算出するためのフィルタに好
適な伝達関数を示す。フィルタは、これによって、特徴的な心音の周波数スペク
トルの上部の周波数成分の振幅および、雑音の周波数スペクトルの周波数成分の
振幅を強調することができる。更に、聴診信号内に存在し得る低周波数ランブル
雑音は軽減される。伝達関数303は、デケード当たり高域40dBの傾きを含
む。この傾きは、近似的なA重み付け関数の一部とすることができ、この場合、
近似は、2000Hzの中心周波数を有する二次バンド・パス・フィルタとして
実施される。
【0046】 図3は、相関器によって聴診信号の鼓動周波数を算出するためのプロセッサの
ブロック図を示す。この実施形態では、受信される聴診信号VCGは、デジタル
信号であり、サンプル周波数fsで到着するデジタル・サンプルを含む。例えば
、fsは4000Hzに等しい。
【0047】 この実施形態は、サンプル周波数と同期したレートでVCGサンプルを処理す
るバイアス・プロセッサ201と、バイアス・プロセッサに対して非同期で動作
することができ、要求された場合に心拍数を表す信号HRを供給する推定装置3
02とを含む。推定装置302は、バイアス・プロセッサ301から、バッファ
303を介して、サンプルの形態のデータを受信する。バッファ303は、循環
バッファまたは先入れ先出し(FIFO)メモリの形態とすれば良い。
【0048】 バイアス・プロセッサ301では、整流器304によって、デジタル聴診信号
VCGを受信し、VCG信号の各絶対値を計算する。次いで、聴診信号の包絡線
を算出するために、フィルタ305によって、絶対値を帯域濾波する。このバン
ド・パス・フィルタは、予想心拍数の範囲、例えば0.5ないし3.3Hzに対
応する通過帯域を有する。更に、バンド・パス・フィルタの拒絶帯によって、い
かなるDC成分も、また、基本的な心拍周波数を超える周波数成分すなわち比較
的高い周波数成分も軽減される。
【0049】 バンド・パス・フィルタからのサンプルは、同じ時点でバッファ303に供給
される。バッファは、例えば5秒の信号シーケンスに対応した多数のサンプル点
のための容量を有する循環バッファとすることができる。バンド・パス・フィル
タから新たなサンプルが到着すると、バッファ内の最も古いサンプルは重ね書き
される。推定装置302が開始すると、バッファからサンプルを取得する。推定
装置は、例えばデジタル表示の更新用の情報を与えるために、ある一定の時点ま
たは不規則な時点で開始することができる。
【0050】 バンド・パス・フィルタによってバッファ303を介して供給された包絡線信
号は、円滑であり、反復性サイクルを含むが、特定の時間間隔の間に1つ以上の
サイクルが存在するか否かを判定することが難しい場合がある。しかしながら、
特定の時間間隔内の正確なサイクル数を判定するために、包絡線信号の情報内容
を強化することができる。これは、包絡線信号自体に対する包絡線信号の一致度
を算出することによって行われる。これは、包絡線信号の大部分のサイクルが、
血液をポンプ式に送出する過程における実際の相互関連する心臓の収縮および拡
張を表すという仮定に基づいている。包絡線信号の一致度は、相関器306が包
絡線信号の自己相関を計算することによって算出される。
【0051】 好適な実施形態では、相関器は、最大の振幅を有する包絡線信号内のサイクル
を選択するための手段を備える。これは、聴診信号内の最大の振幅が、アーチフ
ァクトを含む可能性が最も低い通常の心臓の収縮/拡張によって生じるという有
望な仮定のもとで行われる。選択したサイクルの範囲は、ゼロ未満の最も近い極
小を探すことによって見出される。これによって、ゼロを超える大きさの極小に
なることが回避される。この最小値の検索は、最大の振幅の位置に対して前方向
および後方向の双方に適用される。選択したサイクルを格納し、包絡線信号の残
りと相互相関させる。あるいは、信号自体に対する信号の一致度を算出すること
ができる畳み込みまたはいずれかの他の関数を使用可能である。
【0052】 図4は、相関器およびA重み付けを含むバイアス・フィルタによって聴診信号
の鼓動周波数を算出するためのプロセッサのブロック図を示す。この好適な実施
形態では、全体の性能を向上させるために、A重み付けを含むバイアス・フィル
タおよび相関を結合している。すなわち、心臓の特徴的な音が大きく歪められて
いても、鼓動する心臓の律動を推定することが可能である。
【0053】 聴診信号VCGは、サンプル周波数fsで到着するサンプル値を含むデジタル
信号の形態である。例えば、fs=4000Hzである。聴診信号は分岐されて
いる。第1の分岐は、聴診信号を、整流器または絶対値検出器、ABS406に
供給する。聴診信号の絶対値は、更に、100Hzを超える周波数成分を減じる
ように約3Hzの遮断周波数を有するロー・パス・フィルタ407に供給される
。第2の分岐は、聴診信号を、聴診信号の二重微分を計算するフィルタ401に
供給する。フィルタ401の周波数応答は、2000Hz未満の周波数範囲にお
ける二次高域傾きまたはA重み付け近似に相当する。聴診信号の二重微分は、ロ
ー・パス・フィルタ402に供給され、ここで、フィルタ401において微分に
よって強調された比較的高い周波数ノイズ成分を減衰させる。フィルタ402は
、約100Hzの遮断周波数を有するものとすれば良い。フィルタ402によっ
て低域濾波された信号は、整流器または絶対値検出器、ABS403に供給され
る。聴診信号の絶対値は、更に、ロー・パス・フィルタ407に供給され、10
0Hzを超える周波数成分が減じられる。
【0054】 デシメータDEC405および408は、100Hzを超える周波数成分が減
じられているので、より低いサンプル・レートfsを発生する。これは、例え
ば200Hzとすれば良い。このため、聴診信号の後の信号処理において必要な
計算上の労力を軽減することができる。
【0055】 バンド・パス・フィルタBPF#1およびBPF#2から成るバンド・パス・
フィルタ409は、デシメートされた聴診信号を受信し、帯域濾波された信号を
算出する。バンド・パス・フィルタは、例えば0.5ないし3.3Hzの予想心
拍数範囲に対応する通過帯域を有するものとすれば良い。
【0056】 DC成分および25Hzを超える周波数成分が減じられることを注記しておく
。バンド・パス・フィルタの中心周波数は、律動推定装置の性能を向上させるた
めに、適応的に調節することができる。これについては、後に論じる。
【0057】 このように帯域濾波された信号は、低いサンプル・レートでの聴診信号および
二重微分された聴診信号の包絡線を表す。
【0058】 デシメータDEC412および413は、25Hzを超える周波数成分が減じ
られているので、更に低いサンプル・レートを発生する。これは、例えば50H
zとすれば良い。このため、聴診信号の後の信号処理において必要な計算上の労
力を更に軽減することができる。
【0059】 バンド・パス・フィルタからのサンプルを、同じ時点で、バッファ414およ
び415に供給する。バッファは、例えば5秒の信号シーケンスに対応した多数
のサンプル点のための容量を有する循環バッファとすることができる。推定装置
422が開始すると、バッファからサンプルを取得する。推定装置は、例えばデ
ジタル表示の更新用の情報を供給するために、ある一定の時点または不規則の時
点で開始することができる。
【0060】 バッファ414および415から取得されたサンプルは、オートスケール手段
416および417によってそれぞれスケーリングされる。オートスケール手段
は、ある数のスケーリングされたサンプルにおけるピーク値が1.0の値を取る
ことを保証することによって、受信サンプル値をスケーリングすることができる
。例えば、サンプル数は、バッファ414および415に格納された信号シーケ
ンスに対応し、これは1.0に等しいピーク値に正規化された信号シーケンスで
ある。スケーリングされたサンプルは、加算器418において、等しい重みを加
算される。なぜなら、2つの信号内の情報は等しく重要であるからである。加算
の結果は、和信号として供給される。あるいは、2つの信号に、異なる重みを加
算しても良い。
【0061】 相関器X−Corr419によって、和信号の一致度を算出する。好適な実施
形態では、相関器は、最大の振幅を有する包絡線信号内のサイクルを選択するた
めの手段を備えている。選択されたサイクルの時間範囲は、ゼロ未満の最も近い
極小を検索することによって見出される。これによって、ゼロを超える大きさを
有する極小になることが回避される。この最小値の検索は、最大の振幅の位置に
対して前方向および後ろ方向の双方に適用される。選択したサイクルを格納し、
包絡線信号の残りと相互相関を取る。
【0062】 ピーク・ロケータ420は、相互相関の結果を表す信号における極値を識別す
る。これは、例えば、相互相関の結果の一次導関数を算出し変曲を識別すること
によって実行可能である。好ましくは、ピーク・ロケータは、相互相関の結果を
表す信号における最大値を識別する。
【0063】 好ましくは、品質推定装置421によって、極値の位置決めを処理する。推定
装置は、相互相関の結果が、聴診信号の律動がある場合にこれを推定することに
適しているか否かを決定する。品質推定装置421は、品質を推定するプロセス
において3つのステップを含むことができる。
【0064】 1.2つの極値間の時間差の平均は、所定の制限内でなければならない。
【0065】 2.この時間差の平均に比例した最小および最大の時間差は、所定の制限内でな
ければならない。
【0066】 3.極値の位置決めにおける相互相関の結果の大きさは、所定の制限内でなけれ
ばならない。
【0067】 上述の項目1ないし3の1つ以上に当てはまらない場合、聴診信号内の律動を
推定することが不可能であると判定される。あるいは、上述の項目に当てはまる
場合は、聴診信号内の律動を推定することができる。律動の推定は、単位時間当
たりの相互相関の結果における極値の数を計数し、これを1分当たりの鼓動数と
して表示することによって推定することができる。
【0068】 代替的な実施形態では、相関器306または419は、自己相関関数を算出す
るように構成することができる(すなわち、バッファ303または414、41
5の容量に対応する長さを有する2つの同一の信号を互いに相関させる)。自己
相関関数の算出から得られる信号を用いて、聴診信号の律動を推定し、聴診信号
の品質を調べることができる。聴診信号内の極大を検索することによって、聴診
信号の一次周波数を見出す。この検索は、0.3秒(200bpm)から開始し
、一次周波数は、固定閾値を超える第1の極大として規定される(自己相関にお
ける2秒の制限前に極大が見出されない場合、一次周波数は決定されない)。一
次周波数を承認する前に、以下の項目を確認しなければならない。
【0069】 1.バッファ信号の最後の2秒の平均レベルは固定閾値を超えなければならない
。この確認は、間違った種類の信号(または存在しない信号)に基づいた推定を
防ぐために行われる。
【0070】 2.第1のピークの2倍の時間位置決めされた自己相関におけるピーク(±7.
5%)が存在しなければならない。このチェックは、バッファ信号が周期的か否
かを確認するために行われる。また、このピークは、固定の閾値を超えなければ
ならない。
【0071】 3.N個のピークが、第1のピーク(peak1)の左部に見出された場合、等
しく離間した位置において見出される値の平均=(peak1)/N+1→(N
・peak1)/(N+1)は、固定の閾値未満でなければならない。このチェ
ックは、包絡線が、(N+1)・(一次周波数)に等しい鼓動周波数を有する成
分を含む場合に、低い心拍数推定値を防ぐために行われる。
【0072】 4.この推定は、ある時間間隔に渡って安定していなければならない。一次周波
数が、毎分40の鼓動(bmp)未満であると判定された場合、この推定は、8
倍安定していなければならない(±30%)=1.6秒。一次周波数が、40b
mp以上であると判定された場合、この推定は、4倍安定していなければならな
い(±30%)=0.8秒。このチェックは、推定の妥当性を増すために行われ
る。
【0073】 他の妥当性基準が実行可能であるが、上述の基準は十分に機能すると証明され
ている。
【0074】 図5は、適応バンド・パス・フィルタを示す。このフィルタは、図4に示した
バンド・パス・フィルタ411の代わりに用いることができる。適応フィルタは
、比較的広い周波数範囲に渡って聴診信号における律動の推定に用いることがで
きる一方で、信号対雑音比を大幅に劣化させることを回避する、すなわち、バン
ド・パス・フィルタの比較的狭い通過帯域を維持することができる。
【0075】 バンド・パス・フィルタ512は、2つの入力信号I1およびI2を受信し、
2つの帯域濾波された出力信号O1およびO2を供給する。バンド・パス・フィ
ルタ512は、このため、2つのバンド・パス・フィルタBPF#1およびBP
F#2を備える。フィルタBPF#1およびBPF#2の各々は、比較的低い中
心周波数を有する通過帯域LBおよび比較的高い中心周波数を有する通過帯域H
Bを備える。入力LBまたはHBのいずれかにイネーブル信号を供給することに
よって、通過帯域の1つを選択することができる。この通過帯域の選択は、適応
コントローラ513によって実行される。
【0076】 高域フィルタ501は、バンド・パス・フィルタ512に入力される信号の1
つに対応する入力信号を受信する。高域フィルタ501は、約0.3Hzの遮断
周波数を有し、これによって、適応通過帯域選択に用いられない極めて低い周波
数成分を減じる。フィルタ501は、高域濾波した信号をロー・パス・フィルタ
502に供給する。ロー・パス・フィルタは、約1Hzの遮断周波数を有する。
【0077】 バッファ503および504は、それぞれ、約3秒の持続時間を有する信号シ
ーケンスに対応するサンプル値を格納することができる。平均値検出器505お
よび506によって、バッファに格納されたシーケンスの予想値または平均値が
算出される。平均値検出器505によって算出された平均値は、バンド・パス・
フィルタ512に入力される全信号の平均値を表す。平均値検出器506によっ
て算出される平均値は、バンド・パス・フィルタ512に入力される信号の低周
波数部分すなわち約1Hz未満の平均値を表す。
【0078】 このため、除算装置507は、比較的低周波数である信号の分数A/Bを算出
する。初期状態では、閾値Th.は、値0.45に等しい。この値を、加算器5
08によって、この分数A/Bから減算する。判断状態509では、周波数比A
/Bが閾値より大きいか否かを確認する。これが当てはまる場合(T)、閾値T
h.を0.35に等しくセットし、比較的低い中心周波数を有する通過帯域LB
を選択する。これは、聴診信号がゆっくり鼓動している心臓から発するという仮
定に基づいて行われる。このため、比較的低い中心周波数を有する通過帯域LB
を選択することによって、より高い、余分な周波数成分を減じることができる。
好ましくは、比較的低い中心周波数は約0.7Hzである。
【0079】 あるいは、周波数比A/Bが閾値Th.未満である場合(F)、閾値Th.を
値0.55に等しくセットし、比較的高い中心周波数を有する通過帯域HBを選
択する。これは、聴診信号において低周波数内容が乏しいため、聴診は極めて速
く鼓動している心臓、例えば子供から発する可能性が高いという仮定に基づいて
行われる。比較的高い中心周波数を有する通過帯域HBを選択することによって
、聴診信号の律動が正確に推定される可能性が最大となる。好ましくは、比較的
高い中心周波数は約1.2Hzである。
【0080】 図6は、相関器およびA重み付けを備えるバイアス・フィルタを用いた実施形
態に関連する信号を示す。聴診信号VCGおよびVCG信号の対応する帯域濾波
された包絡線を、時間の関数として示す。更に、A重み付けまたは二重微分した
聴診信号dVCG/dtおよび対応する帯域濾波した包絡線を示す。グラフ
の解釈を考慮すると、帯域濾波した信号の1つのみを用いて心拍数を推定可能で
あることは明らかである。しかしながら、上述のように、信号を加算し、相関器
に対する入力として用いると、より強力な推定が得られる。これは、信号「XC
−I」および「XC−O」によって示されている。
【0081】 図7は、聴診信号の包絡線における情報が不十分である場合の例を示す。聴診
信号VCGおよびVCG信号の対応する帯域濾波した包絡線を、時間の関数とし
て示す。更に、A重み付けまたは二重微分した聴診信号dVCG/dtおよ
び対応する帯域濾波した包絡線を示す。グラフの解釈を考慮すると、二重微分し
た聴診信号dVCG/dtによって最も強力な推定が得られることは明らか
である。しかしながら、聴診信号の大部分について、信号「XC−O」が、最も
強力な全体的推定を与える。
【0082】 図8は、A重み付け聴診信号の包絡線における情報が不十分である場合の例を
示す。聴診信号VCGおよびVCG信号の対応する帯域濾波した包絡線を、時間
の関数として示す。更に、A重み付けまたは二重微分した聴診信号dVCG/
dtおよび対応する帯域濾波した包絡線を示す。グラフの解釈を考慮すると、
帯域濾波したVCG包絡線信号によって最も強力な推定が得られることは明らか
である。しかしながら、この場合も、信号「XC−O」が、最も強力な全体的推
定を与える。
【0083】 本発明は、聴診器またはいずれかの他の機器もしくは装置の一部として具現化
することができる。あるいは、本発明は、コンピュータのメモリ内にロードする
ことができ、それから実行することができるコンピュータ・プログラムまたはコ
ンピュータ・プログラムの一部として具現化することができる。コンピュータ・
プログラムは、いずれかのデータ記憶装置またはデータ伝送媒体によって配布す
ることができる。この記憶媒体は、磁気テープ、光ディスク、コンパクト・ディ
スク(CDまたはCD−ROM)、ミニ・ディスク、ハード・ディスク、フロッ
ピ・ディスク、強誘電体メモリ、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メ
モリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、EPROM、読み出し専用メモリ
(ROM)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ダイナ
ミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、強磁性体メモリ、光記憶装
置、電荷結合デバイス、スマート・カード等とすることができる。伝送媒体は、
例えばローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワ
ーク(WAN)のようなネットワーク、またはこれらの何らかの組み合わせ、例
えばインターネットとすることができる。ネットワークは、有線または無線通信
リンクから成るものとすることができる。ネットワークを介して、本発明のソフ
トウエア実施形態(すなわちプログラム)、またはその部分を、ネットワークを
介してプログラムを転送することによって、配布することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 近似的なA重み付け聴診信号を算出するバイアス・フィルタによって聴診信号
を処理するためのプロセッサのブロック図を示す。
【図2】 特徴的な心音、雑音、およびランブル雑音の予想周波数スペクトルを示す。
【図3】 相関器によって聴診信号の鼓動周波数を算出するためのプロセッサのブロック
図を示す。
【図4】 相関器およびA重み付けを含むバイアス・フィルタによって聴診信号の鼓動周
波数を算出するためのプロセッサのブロック図を示す。
【図5】 適応バンド・パス・フィルタを示す。
【図6】 相関器およびA重み付けを含むバイアス・フィルタを用いた実施形態に関連す
る信号を示す。
【図7】 聴診信号の包絡線内の情報が不十分である例を示す。
【図8】 A重み付け聴診信号の包絡線内の情報が不十分である例を示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 聴診信号を処理するための装置であって: 聴診信号を受信し、バイアスをかけた聴診信号を供給するためのバイアス・プ
    ロセッサ(106;301;409)であって、包絡線検出器を備える前記バイ
    アス・プロセッサと; 前記聴診信号の推定律動を表す信号を算出するための推定装置(105;30
    2;410)と; を備えた装置において、 前記推定装置は、前記バイアスをかけた聴診信号の少なくとも一部を第1信号
    として選択し、前記第1信号と前記バイアスをかけた聴診信号との間の一致度を
    算出するように構成されていることを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、前記推定装置は相互相関関
    数を算出することを特徴とする装置。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし2に記載の装置において、前記第1信号は、
    前記バイアスをかけた聴診信号の一連のサイクルの1つを表すことを特徴とする
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の装置において、前記推定装置は、自己相関
    関数を算出することを特徴とする装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4に記載の装置において、前記聴診信号の品
    質は、前記聴診信号の一致度を表す信号において、以下の3つの項目: a)位置決めされた極値間の時間差は、所定の制限内でなければならない; b)前記時間差の平均値に比例した最小および最大の時間差は、所定の制限内
    でなければならない; c)前記極値の位置決めにおける相関の結果の大きさは、所定の制限内でなけ
    ればならない; の少なくとも1つを検証することによって確認されることを特徴とする装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5に記載の装置において、前記バイアス・プ
    ロセッサは、前記聴診信号のA重み付けバージョンまたは前記聴診信号の近似的
    なA重み付けバージョンを算出するためのフィルタ(101;401)を備える
    ことを特徴とする装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の装置において、前記聴診信号の前記A重み
    付けバージョンは、前記聴診信号の二重微分に対応する近似によって算出される
    ことを特徴とする装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7に記載の装置において、前記バイアス・プ
    ロセッサは、前記包絡線検波器によって供給される信号を濾波するための適応バ
    ンド・パス・フィルタ(512)を備え; 前記バンド・パス・フィルタは、少
    なくとも、それぞれ選択可能な高い通過帯域および低い通過帯域を有し; 前記
    適応バンド・パス・フィルタは、前記バンド・パス・フィルタに入力される信号
    の比較的大部分が低周波数である場合は前記低い通過帯域を選択すると共に前記
    バンド・パス・フィルタに入力される信号の比較的小部分が低周波数である場合
    は前記高い通過帯域を選択するコントローラ(513)を備えることを特徴とす
    る装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8に記載の装置において、前記聴診信号は、
    サンプル・レートで到着するサンプルを含み、前記装置は、前記サンプル・レー
    トに対応するレートで動作する同期プロセッサ(301;409)を備え、更に
    、要求によって開始する時間間隔で動作する非同期プロセッサ(302;410
    )も備えることを特徴とする装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9に記載の聴診器であって、聴診信号にお
    ける律動を推定するための手段を備えることを特徴とする聴診器。
  11. 【請求項11】 聴診信号における律動を推定するための装置であって: 聴診信号を受信し、バイアスをかけた聴診信号を供給するためのバイアス・プ
    ロセッサ(106; 301; 409)であって、包絡線検出器を備える前記
    バイアス・プロセッサと; 前記聴診信号の推定律動を表す信号を算出するための推定装置(105;30
    2;410)と; を備える装置において、 前記バイアス・プロセッサは、少なくとも対象の周波数範囲について、A重み
    付けまたは近似的なA重み付けに対応する周波数応答を有するフィルタ(101
    ;401)を備えることを特徴とする装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の装置において、前記聴診信号は、二重
    微分に対応した周波数応答を有するフィルタ(101;401)によって濾波さ
    れることを特徴とする装置。
  13. 【請求項13】 請求項11ないし12に記載の装置において、前記対象の
    周波数範囲は、2000Hz未満の周波数範囲であることを特徴とする装置。
  14. 【請求項14】 聴診信号を処理する方法であって: 聴診信号を受信し、バイアスをかけた聴診信号を供給するステップと; 前記聴診信号の推定律動を表す信号を算出するステップと; を備える方法において、 前記推定律動は、前記バイアスをかけた聴診信号の少なくとも一部を第1信号
    として選択し、前記第1信号と前記バイアスをかけた聴診信号との間の一致度を
    算出することによって算出されることを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の方法において、前記推定装置は相互相
    関関数を算出することを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 請求項14ないし15に記載の方法において、前記バイア
    スをかけた聴診信号の前記一部は、前記バイアスをかけた聴診信号の一連のサイ
    クルの1つを表すことを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 請求項14に記載の方法において、前記推定装置は自己相
    関関数を算出することを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 請求項14ないし17に記載の方法において、前記聴診信
    号の一致度を表す信号において、以下の3つの項目: a)位置決めされた極値間の時間差は、所定の制限内でなければならない; b)前記時間差の平均値に比例した最小および最大の時間差は、所定の制限内
    でなければならない; c)前記極値の位置決めにおける相関の結果の大きさは、所定の制限内でなけ
    ればならない; の少なくとも1つを検証することによって、前記聴診信号の品質を確認すること
    を特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 請求項28ないし33に記載の方法において、前記方法は
    、更に、前記聴診信号のA重み付けバージョンまたは前記聴診信号の近似的なA
    重み付けバージョンを算出するステップを備えることを特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 請求項34に記載の方法において、前記聴診信号の前記A
    重み付けバージョンは、前記聴診信号の二重微分に対応する近似によって算出さ
    れることを特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 請求項14ないし20に記載の方法において、前記方法は
    、更に、バンド・パス・フィルタによって前記バイアスをかけた聴診信号を濾波
    するステップを備え; 前記バンド・パス・フィルタは、少なくとも、それぞれ
    選択可能な高い通過帯域および低い通過帯域を有し; 前記適応バンド・パス・
    フィルタは、前記バンド・パス・フィルタに入力される信号の比較的大部分が低
    周波数である場合は前記低い通過帯域を選択すると共に前記バンド・パス・フィ
    ルタに入力される信号の比較的小部分が低周波数である場合は前記高い通過帯域
    を選択するように制御されることを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 請求項14ないし21に記載の方法において、前記聴診信
    号は、サンプル・レートで到着するサンプルを含み、前記方法は、前記サンプル
    ・レートに対応するレートで実行している同期ステップを備え、更に、要求によ
    って開始する時間間隔で動作する非同期ステップも備えることを特徴とする方法
  23. 【請求項23】 聴診信号における律動を推定するための方法であって: 聴診信号を受信し、バイアスをかけた聴診信号を供給するステップと; 前記聴診信号の推定律動を表す信号を算出するステップと; を備える方法において、 前記推定律動を表す前記信号は、少なくとも対象の周波数範囲について、A重
    み付けまたは近似的なA重み付けに対応する周波数応答を有するフィルタによっ
    て算出されることを特徴とする方法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の方法において、前記周波数応答は二重
    微分によって得られることを特徴とする方法。
  25. 【請求項25】 請求項14ないし24に記載の方法において、前記対象の
    周波数範囲は、2000Hz未満の周波数範囲であることを特徴とする方法。
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