JP2002508972A - テトラサイクリン−制御可能なエレメントを用いる可能な抗微生物標的としての微生物遺伝子を確認するための自律制御系 - Google Patents

テトラサイクリン−制御可能なエレメントを用いる可能な抗微生物標的としての微生物遺伝子を確認するための自律制御系

Info

Publication number
JP2002508972A
JP2002508972A JP2000540255A JP2000540255A JP2002508972A JP 2002508972 A JP2002508972 A JP 2002508972A JP 2000540255 A JP2000540255 A JP 2000540255A JP 2000540255 A JP2000540255 A JP 2000540255A JP 2002508972 A JP2002508972 A JP 2002508972A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tetracycline
gene
dna molecule
isolated dna
polynucleotide sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000540255A
Other languages
English (en)
Inventor
シェリル・エル・クウィン
チャールズ・ダブリュー・フォード
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pharmacia and Upjohn Co
Original Assignee
Pharmacia and Upjohn Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pharmacia and Upjohn Co filed Critical Pharmacia and Upjohn Co
Publication of JP2002508972A publication Critical patent/JP2002508972A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1034Isolating an individual clone by screening libraries
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/635Externally inducible repressor mediated regulation of gene expression, e.g. tetR inducible by tetracyline
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/87Introduction of foreign genetic material using processes not otherwise provided for, e.g. co-transformation
    • C12N15/90Stable introduction of foreign DNA into chromosome

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 特異的な遺伝子の発現をイン・ビトロ(in vitro)でかつ宿主感染の間に調節して、感染を維持するために必須である細菌遺伝子の同定が促進できるように、遺伝子的に設計した微生物病原体にスクリーニングを設計した。詳細には、テトラサイクリンの存在または不存在に応答する遺伝子調節エレメントを用いて、内因性細菌遺伝子の発現を調節する。通常、テトラサイクリンは動物中に存在しないため、感染動物の食餌にテトラサイクリンを添加するかまたはそこから取り除くことによって、テトラサイクリン−調節微生物遺伝子をイン・ビボ(in vivo)で制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 いずれの微生物遺伝子が抗生物質による阻害につき標的であるかを同定するた
めの方法である。詳細には、細菌のごとき組換え微生物、および細菌のごとき微
生物に感染した動物における自律調節性で、誘導可能な遺伝子発現を供するテト
ラサイクリン−調節系を記載する。
【0002】 発明の背景 微生物病原体における広まった抗生物質耐性の発達は、新たな抗微生物剤に対
する緊急の医学的要望を創出している。存在する抗微生物剤の誘導体に依存する
代わりに、医薬産業は、新たなクラスの化合物を創薬する試行において標的化す
る新規な微生物プロセスを探索している(Knowles,D. J. C.,Trends in Micro
biol.,1997,5:379−383)。
【0003】 動物において感染を維持するために必須の遺伝子、またはイン・ビトロ(in v
itro)での病原体の増殖に必須の遺伝子は、抗生物質開発につき良好な標的であ る。典型的に、“必須の遺伝子”が、良好な抗微生物標的として優先されている
。必須の遺伝子とは、イン・ビトロ(in vitro)で微生物細胞の増殖に必要なも
のであり、DNAジャイレース、リボソーム・サブユニットおよび細胞壁生合成
酵素をコードするもののごとき遺伝子が含まれる。多種のこれらのタンパク質お
よび細胞コンポーネントが必須の遺伝子によってコードされているものとして同
定されている。なぜならば、これらの遺伝子の産物を阻害することを示す古典的
な抗微生物剤が存在するためである(各々、キノロン、テトラサイクリン、およ
び“ベータ”−ラクタム)。条件致死突然変異体の特徴付けから同定された必須
の遺伝子もある。
【0004】 全体の微生物ゲノム配列の入手可能に伴い、現在、必須であると判明し得る、
以前は知られておらず、特徴付けされていなかった多くの遺伝子が存在する。遺
伝子が必須であるかを試験する慣用的なアプローチは、試験遺伝子が欠失してい
るか、または不活性化されている生物の構築を試みることである。欠失または不
活性化した遺伝子を有して生物が生存できる場合には、該遺伝子は必須であると
考えられない(例えば、Stranden,A. M.,Ehlert,K.,Labischinski,H.およ びBerger−Bachi,B.,1997,J. Bacteriol. 179:9−16を参照されたし)。し かしながら、不活性化または欠失した遺伝子を有する突然変異生物を創製できな
いことが、該遺伝子が必須であることを常に意味するとは限らない(例えば、Ok
ada,K.,Minehira,M., Zhu,X., Suzaki, K., Nakagawa,T., Matsuda,H. およびKawamukai,M.による1997,J. Bacteriol. 179:3058−3060)。この結論
の消極的な証拠は、常に確かなものとは限らない。遺伝子欠失または遺伝子不活
性化をなぜ作製することができないかには他の理由が存在し得る。
【0005】 最近、病原性に必要な病原性因子および遺伝子が、抗微生物剤の新規な標的と
して示唆されている。2の広範に読まれ、参照されている技術、シグナチュア・
タグド・ミュータジェネシス(signature tagged mutagenesis)(STM; Hensel,
M., Shea, J. E., Gleeson, C., Jones, M.D., Dalton, E.およびHolden, D.,
1995, Science 269:400-403)およびイン・ビボ(in vivo)発現技術(in vivo e
xpression technology)(IVET; Mahan, M. J., Tobias, J. W., Slauch, J. M.
, Hanna, P. C., Collier, R. J.およびMekalanos, J. J., 1995, PNAS 92:669-
673)により、病原性に必要であるかまたは宿主感染の間に誘導される膨大な数 の細菌遺伝子を科学者が迅速に同定することができる。これらの遺伝子はワクチ
ン用の弱毒株を開発するための良好な標的を示すが、それが抗微生物剤による阻
害に有効な標的を示すか否かは明らかでない。潜在的な遺伝子標的のこの評価に
おける重要な差異は、抗微生物剤を用いて、感染が確立した後に、微生物病原体
を阻害することである。病原因子または病原性因子が感染を成立するためのみに
必要であれば、成立した感染症におけるこれらの阻害は感染症を解消しないであ
ろう。特異的な遺伝子の合成を停止させた後に成立した感染が解消される場合は
、この特異的な遺伝子は感染を維持するために必須である。したがって、それが
増殖に必須であるかを試験する、内因性遺伝子を停止させる方法を開発すること
が有利であろう。かかる方法は、新たなクラスの抗微生物化合物の開発の速度を
速める抗微生物標的の同定を促進するであろう。
【0006】 かかる系に関する多くのアイデアが開示されている(PCT出願PCT/US96/0
7937号、1996年12月19日(19.12.96)に公開された国際公開番号WO 96/40979号
の定義、理論および説明を参照されたし。PCT/US96/07937号は出典明示して本
明細書の一部とみなすが;PCT/US96/07937号に開示されている組換え配列およ
び例は本明細書に取り込まれない)。
【0007】 また、米国特許第5,464,758号はテトラサイクリン−応答性プロモーターの多 くの機構を開示している(1995年11月7日に公開された米国特許第5,464,758号は
一部出典明示して本明細書の一部とみなされ、一般的定義、理論、原理、概念、
テトラサイクリン・オペレーター(tetO)配列に関する一般情報は出典明示し て本明細書の一部とみなすが、米国特許第5,464,758号に開示されている配列は 出典明示して本明細書の一部とみなさない)。ここに、出願人は作動する系を説
明する。
【0008】 発明の概要 本発明は、微生物遺伝子または遺伝子群の特徴付けを許容するプロセスを提供
し、ここに該遺伝子は遺伝子産物をコードし;該遺伝子産物は遺伝子標的であり
;該遺伝子標的は哺乳動物に感染するかまたは哺乳動物において感染を持続する
微生物の能力に重要であり、ここに微生物は:当該遺伝子的に改変された微生物
によって産生される遺伝子産物の量がテトラサイクリン−制御可能なエレメント
(Tetracycline−Controllable Element)またはTCEによって調節または制御
されるように、遺伝子的に改変されて遺伝子改変微生物となり;TCEはテトラ
サイクリンに対する微生物の暴露に応答して遺伝子の機能をモデュレート(modu
late)するその能力を介して、標的遺伝子または遺伝子産物の発現を制御する遺
伝子調節系であって;TCEはテトラサイクリン−制御可能な転写プロモーター
・ポリヌクレオチド配列からなり;ここに、微生物タンパク質またはより一般的
には微生物遺伝子産物をコードするいずれの遺伝子ともし得る該遺伝子は、遺伝
子的に改変した微生物がテトラサイクリンに暴露されるか否かに依存して、より
多いかまたはより少ない量の遺伝子産物を当該遺伝子が産生するようにTCEに
よって調節され;該哺乳動物は少なくとも2またはそれを超える複数の哺乳動物
であり、ここに該哺乳動物を最初にテトラサイクリンに暴露し、ついで遺伝子的
に改変した微生物に感染させ;つづいて:1の群の哺乳動物のうちの少なくとも
1匹または数匹の哺乳動物をテトラサイクリンに暴露し、他の1または群の哺乳
動物をテトラサイクリンに暴露せず;つづいて:テトラサイクリンに暴露した哺
乳動物の感染、微生物レベル、または生理学的症状の程度を、テトラサイクリン
に暴露しなかった哺乳動物の感染、微生物レベル、または生理学的症状のレベル
と比較し;つづいて:哺乳動物に感染するかまたは哺乳動物において感染を持続
する微生物の能力に重要な遺伝子を同定し、ここに、テトラサイクリンに暴露し
なかった哺乳動物と比較してテトラサイクリンに暴露した哺乳動物の比較が2群
の動物の間で、またはこれらの動物の感染レベルの間で意味のある差を示すこと
を特徴とする方法を提供する。
【0009】 本発明の関連する態様において、TCEはテトラサイクリンに対する微生物の
暴露に応答して遺伝子の機能をモデュレートするその能力を介して、標的遺伝子
または遺伝子産物の発現を制御する遺伝子調節系であり、ここにTCEは、レポ
ーター遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列に作動可能に連結したテトラサ
イクリン−制御可能な転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列からなり、該テ
トラサイクリン−制御可能な転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列はレポー
ター遺伝子(RG)および標的遺伝子(TG)をコードするポリヌクレオチド配
列に作動可能に結合し得る原核生物転写プロモーターである。該レポーター遺伝
子はβ−ラクタマーゼとすることができる。微生物は、テトラサイクリン耐性(
または保護)およびリプレッサーDNAカセット(TRRDC)を含むさらなる
遺伝子改変を有することができる。TCE、TRRDC、RGおよびTGはすべ
て同一のDNAカセット上に存在させることができ、これは調節DNAカセット
またはRDCということができるが、TCEを超える他のコンポーネントはRD
C上に存在する必要はない。TRRDCは構造遺伝子tetM、テトラサイクリ
ン耐性遺伝子、構造遺伝子tetR、テトラサイクリン・リプレッサー遺伝子を
含むことができ、それはTCEに作動可能に結合したプロモーターを有すること
ができる。
【0010】 試験する2群の動物間の意味のある差異とは、生存率または微生物のレベル、
または哺乳動物に存在する感染のレベルにおける数学的有意差である。2群の動
物間の意味のある差異は、群の動物の生存率にける数学的有意差である。群の動
物の生存率における有意差は、テトラサイクリンに暴露した動物がテトラサイク
リンに暴露しなかった動物よりも、より低い健康状態、より高い感染率、より低
い生存またはより高いレベルの微生物を有することを示す。該動物は、哺乳動物
とすることができ、好ましくはマウスまたは他のげっ歯類とすることができる。
【0011】 TRRDCのテトラサイクリン耐性遺伝子は、スタフィロコッカス・アウレウ
ス(Staphylococcus aureus)のtetM遺伝子からの配列からなるとすること ができる。TRRDCのテトラサイクリン・リプレッサー遺伝子はTn10トラ
ンスポゾン由来のものとすることができる。 微生物は組換え細菌とすることができる。それは、スタフィロコッカス・アウ
レウス(Staphylococcus aureus)のごときスタフィロコッカス種、あるいはウ イルス、下等真核生物、または酵母さえとすることができる。
【0012】 本発明は、さらに、原核生物染色体中の所定の位置に外因性ポリヌクレオチド
配列を組み込んで、内因性原核生物遺伝子を作動可能に制御するための単離DN
A分子を含み、該DNA分子は組換えエレメント(RE)およびテトラサイクリ
ン−制御可能なエレメント(TCE)を含み、ここに該TCEはREによってそ
の5'末端で挟まれたテトラサイクリン−制御可能な原核生物転写プロモーター ・ポリヌクレオチド配列を含み、該REは単離DNA分子と原核生物染色体との
間の相同性組換えに十分な長さのさらなるポリヌクレオチド配列を含む。
【0013】 この単離DNA分子は、TCEに作動可能に結合されたレポーター遺伝子をコ
ードするポリヌクレオチド配列を有することができる。該レポーター遺伝子はベ
ータ−ラクタマーゼとすることができる。ある種の場合においては、少なくとも
1つの原核生物転写ターミネーター・ポリヌクレオチド配列を、REとTCEと
の間に位置させる。該DNAは、REとTCEとの間に位置する原核生物転写プ
ロモーター・ポリヌクレオチド配列に作動可能に結合された原核生物テトラサイ
クリン耐性タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を有することもできる
。該テトラサイクリン耐性タンパク質は、スタフィロコッカス・アウレウス(St
aphylococcus aureus)のtetM遺伝子由来のものとすることができる。該D NAは、REとTCEとの間に位置するテトラサイクリン−制御可能な原核生物
転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列に作動可能に結合した原核生物テトラ
サイクリン・リプレッサータンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を有す
ることができる。該テトラサイクリン・リプレッサーはTn10トランスポゾン
とすることができ、Tetリプレッサー由来のものとすることができる。Tn1
0トランスポゾンの配列を本明細書中に開示する。関連するベクターおよび細胞
、特に原核生物宿主細胞を記載する。該DNAは、種々の組換えエレメントおよ
びテトラサイクリン−制御可能なエレメント、ベータ−ラクタマーゼのようなレ
ポーター遺伝子を有し、それらの配列は配列表から選択することができる。
【0014】 本明細書におけるDNA分子は、ベータ−ラクタマーゼ(β−ラクタマーゼ)
、特に含まれる配列表からのベータ−ラクタマーゼのごときレポーター遺伝子に
作動可能に結合することができ、該レポーター遺伝子はテトラサイクリン−制御
可能なエレメントに作動可能に結合することができる。 テトラサイクリン耐性タンパク質は、スタフィロコッカス・アウレウス(Stap
hylococcus aureus)のtetM遺伝子由来のものとすることができ、あるいは 記載する種々の配列由来のものとすることができる。テトラサイクリン・リプレ
ッサーは、Tn10トランスポゾン由来のtetR遺伝子としてもよく、幾つか
の配列を記載する。少なくとも1つの原核生物転写ターミネーター配列をテトラ
サイクリン−制御可能なエレメントと1またはそれを超える組換えエレメントと
の間に位置させることができる。原核生物テトラサイクリン耐性タンパク質は、
転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列に作動可能に結合することができる。
テトラサイクリン・リプレッサータンパク質をコードするポリヌクレオチド配列
は、転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列に作動可能に結合することができ
る。本明細書中に記載するDNAは、宿主細胞の形質転換に好適な形態に作製す
ることができる。
【0015】 さらに、本発明は、原核生物中の所定の位置に外因性ポリヌクレオチド配列を
組み込むためのもう1つの異なるタイプの単離DNA分子を含む。この他のタイ
プのDNAは:標的DNA分子中の所定の位置にテトラサイクリン−制御可能な
エレメント(TCE)を含むポリヌクレオチド配列を組み込むための単離DNA
分子として記載することができ、該単離DNA分子は、順次融合した以下のDN
Aエレメント:a)第1の原核生物転写ターミネーター・ポリヌクレオチド配列
;b)第2の原核生物転写ターミネーター・ポリヌクレオチド配列;c)原核生
物テトラサイクリン耐性タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列;d)原
核生物リプレッサータンパク質をコードするポリヌクレオチド配列;e)第1の
テトラサイクリン−制御可能な原核生物転写プロモーター・ポリヌクレオチド配
列;f)第2のテトラサイクリン−制御可能な原核生物転写プロモーター・ポリ
ヌクレオチド配列;およびg)レポータータンパク質をコードするポリヌクレオ
チド配列、を含み;該単離DNA分子は、所定の位置における当該単離DNA分
子と標的DNA分子との間の相同性組換えに十分な長さのさらなるポリヌクレオ
チド配列によって、レポータータンパク質をコードするポリヌクレオチド配列の
反対の末端で挟まれたTCEを含むポリヌクレオチド配列を含む。前記のすべて
の修飾は、このパラグラフに記載したDNA分子にあてはめることができる。こ
のDNA分子は、RDCと呼ぶこともできるDNAカセットとして記載すること
もできる。RDCは必ずしも単一のカセットでなくてもよく、RDCのエレメン
トは多くの異なる方法で作製することができることは注記しておく。RDCのエ
レメントは微生物自体から取ることさえできる。
【0016】 最後に、この系は細菌を用いて詳細に説明しているが、他のタイプの生物にも
適用することができる。当該系をウイルス、真核生物または酵母と共に用いる場
合には、転写プロモーターおよび構造遺伝子は、その生物において該プロモータ
ーおよび遺伝子を活性とするであろうことが当業者に明らかな方法で修飾される
であろう。
【0017】 発明の詳細な説明 定義.本明細書全体を通して、当業者に知られているべきである語句を用いる
。当該分野における経験を有する博士号科学者であれば、本明細書に何が記載さ
れているかがわかるであろう。出典明示して本明細書の一部とみなす文献も多く
の用語を定義している。この明細書に独特である特別な語、句または略語を用い
ている場合もある。これらの特別または独特の語、句または略語は、文脈からそ
れらを読取り、および/またはそれらが直後に記載されており、いずれかの方法
で知ることができる。
【0018】 Cが数字に続いている場合は、摂氏にける温度をいう。該Cはスラッシュ“/
”および数字に続いてもよく、あるいはCは上付き文字“O”および数字、例え ばC/37またはC°37であってもよい。 ベータ−ラクタマーゼまたはβ−ラクタマーゼは、レポーター遺伝子またはタ
ンパク質であり、さらに後記する。 遺伝子産物は、その配列が標題の遺伝子によってコードされているか、または
そのタンパク質から直接生じるいずれのタンパク質、酵素、核酸、リボソームコ
ンポーネント、化合物、糖でさえも意味する。
【0019】 RDCとは、さらに後記する安定な調節DNAカセット(Regulatory DNA Cas
sette)を意味する。 REとは、さらに後記する組換えエレメント(Recombining Element)を意味 する。 TCEとは、さらに後記するテトラサイクリン−制御可能なエレメント(Tetr
acycline−Controllable Element)を意味する。 TRRDCとは、さらに後記するテトラサイクリン耐性(または保護)および
リプレッサーDNAカセット(Tetracycline Resistance (or protection)and
Repressor DNA Cassette(TRRDC))を意味する。 RGとは、レポーター遺伝子を意味し、マーカー遺伝子または酵素と呼ぶこと
もできる。文脈において読み取る場合には、レポーター遺伝子はレポータータン
パク質をいうであろう。
【0020】 tetOとは、さらに後記するテトラサイクリン・オペレーター配列を意味す
る。 ミクロンは、記号“u”または“μ”と省略し得る。 Tn10とは、さらに後記するイー・コリ(E. coli)および他の腸内細菌にテ
トラサイクリン耐性を付与し得る細菌トランスポゾンを意味する。 ここに、本発明者らは、いずれの微生物遺伝子が感染を維持するのに必須であ
るかを同定する方法を記載する。本発明者らは、特異的な遺伝子がイン・ビトロ
(in vitro)でかつ宿主感染の間に調節され得るように、微生物病原体を遺伝子 的に設計するように設計されたスクリーニングを開示する。これを完成するため
に、外因性DNA配列を細菌の染色体に挿入して、標的化遺伝子の野生型発現を
破壊する。ついで、標的化遺伝子の発現を調節カセットが制御するように調節カ
セットを染色体に挿入することによって、標的化遺伝子の発現を調節する。別法
として、該標的化遺伝子をクローン化し、染色体中のどこかほかの場所または染
色体外DNAフラグメント上の調節カセットの制御下に置くこともできる。この
理論は、遺伝子が調節エレメントによって調節および制御されている、および該
調節エレメントが外来の作用に応答するいずれの遺伝子調節系にも適用し得る。
調節エレメントの存在する例は、例えばベータ−ラクタマーゼ、ベータ−ガラク
トシドならびに砂糖(グルコースほか)、アミノ酸(トリプトファンほか)、お
よび化学元素(鉄ほか)のごとき栄養因子のごときによって制御または影響され
る。
【0021】 出願人は、PCT出願PCT/US 96/07937号、1996年12月19日(19.12.96)に 公開された国際公開番号WO 96/40979号の定義、理論および記載を、一部、出典 明示して本明細書の一部とみなす。PCT/US 96/07937号に開示されている組換え 配列および例は本明細書の一部とみなさない。 1995年11月7日に公開された米国特許第5,464,758号は本明細書の一部とみな し、tetオペレーター(tetO)配列に関する一般的な定義、理論、原理、
概念、一般情報は出典明示して本明細書の一部とみなすが、米国特許第5,464,75
8号に開示されている配列は本明細書の一部とみなさない。
【0022】 ここに、本発明者らは、テトラサイクリンの存在または不存在に応答する遺伝
子調節エレメントを詳細に記載する。したがって、テトラサイクリンを使用して
、標的化遺伝子の発現を調節する。通常、テトラサイクリンは動物には存在しな
いため、感染動物の食餌にテトラサイクリンを添加するか、またはそれから取り
除くことによってテトラサイクリン−調節微生物遺伝子をイン・ビボ(in vivo)
で制御することができる。
【0023】 本発明は、抗微生物剤に対する標的として微生物遺伝子産物を評価する方法を
記載する。抗生物質は、感染宿主における微生物の生存に必須の微生物プロセス
を標的化することによって作用する。微生物が哺乳動物に感染している間に遺伝
子を遮断することができるように微生物を遺伝子的に設計することによって、遺
伝子産物が関与するプロセスを阻害する化合物の効果を模倣することができる。
宿主における生存のために微生物により遺伝子産物が要求される場合には、該遺
伝子を止めることは、該遺伝子が関与するいずれかのプロセスを標的化する抗生
物質を投与することによって感染症を治療することに匹敵する。このようにして
、本発明者らは、最初に特異的な化学阻害剤をスクリーニングすることなく、こ
れらの工程を阻害する効果を試験することができる。
【0024】 Microcide Pharmaceuticals,Inc.社に譲渡されたPCT国際公開WO 96/40979
号は、感染の間に微生物の遺伝子を調節することを可能とし得ることを示唆して
いるが、該文献はいかにしてこのことを行い得るかを何ら記載していない。ここ
に本明細書に供する説明は、微生物中の目的の特異的な遺伝子を当該微生物が哺
乳動物に感染している間に調節することができるように、微生物を遺伝子的に設
計する方法を記載する。目的の遺伝子を調節するこの遺伝子的に設計された系は
、テトラサイクリンの存在または不存在によって制御される。本発明においては
、哺乳動物にテトラサイクリンを摂食させる間に、遺伝子的に設計した微生物を
該哺乳動物に感染させることができる。該系は、テトラサイクリンの存在下で遺
伝子が発現するように設計されている。感染が成立したら、食餌からテトラサイ
クリンを取り除き、遺伝子の発現を停止させる。標的が感染に必要な遺伝子また
は遺伝子産物であれば、テトラサイクリンを取り除き、遺伝子を停止させると哺
乳動物から感染症が解消されるであろう。
【0025】 微生物の遺伝子的設計には、TCEを微生物に取り込ませる必要がある。TC
Eとは、テトラサイクリン−制御可能なエレメントを意味し、それはより十分に
後記する。 TCEは、約5または6の異なるエレメントを含み得る決まったDNAユニッ
トまたはDNAカセットの部分に作製することができる。これらのエレメントを
図1の一部としてすべて示す。これらのエレメントには:a)1ないし数個の転
写ターミネーター;b)構造遺伝子tetM;c)構造遺伝子tetR;d)1
ないし数個のプロモーター;e)BlaZについての構造遺伝子によって本明細
書中に例示するレポーターエレメントまたはレポーター遺伝子が含まれ得る。f
)これらの種々のエレメントは、和合性末端を許容する制限サイトを有し、これ
により種々のエレメントのDNAカセットへの連結が許容される。図1に示す全
体のDNAカセットを、調節DNAカセットまたはRDCと呼ぶ。
【0026】 構造遺伝子tetMおよび構造遺伝子tetRが前記のRDCの一部分である
必要はなく、むしろそれは異なるプラスミド上に存在させることができ、さもな
くば微生物によってそれが発現されるが、RDC中のプロモーターによってそれ
が制御される必要はないように該微生物に挿入することができることは注記して
おく。構造遺伝子tetM、構造遺伝子tetRおよびプロモーター配列を、本
明細書中ではテトラサイクリン耐性(または保護)およびリプレッサーDNAカ
セット(TRRDC)という。本明細書中で用いるごとく、テトラサイクリン・
リプレッサー遺伝子を構造遺伝子tetRといい、その関連タンパク質、テトラ
サイクリン・リプレッサータンパク質を構造タンパク質TetRという。本明細
書中で用いるごとく、テトラサイクリン耐性遺伝子を構造遺伝子tetMといい
、その関連タンパク質、テトラサイクリン耐性タンパク質を構造タンパク質Te
tMという。tetRおよびtetM遺伝子の機能、目的および設計ならびに遺
伝子産物は、より十分に後記する。TRRDCのコンポーネントを図1に示す。
3つのエレメント、TRRDC、TCEおよびレポーター遺伝子(RG)をすべ
て図1に示す。
【0027】 転写ターミネーターもTRRDC中に存在させる必要ないが、それは図1に示
すごとく、TRRDC中に存在させ得る。レポーター遺伝子RGは、定量的にア
ッセイし得る遺伝子産物を発現するいずれの遺伝子とすることもできる。ここに
、本発明者らは、BlaZ遺伝子が好ましいレポーター遺伝子となることを見出
した。したがって、図1は、本発明の特定の態様であるとして示す。図1は、単
一のDNAエレメントまたはカセット中の2つの転写プロモーター系を示し、そ
こにおいては、実際に、それらはこのように結合している必要はない。必要なこ
とは、標的遺伝子およびレポーター遺伝子が双方とも同一のプロモーター系によ
って制御されており、この系がテトラサイクリンによって調節されることである
。構造遺伝子tetMおよび構造遺伝子tetRの構造遺伝子は、独立したプラ
スミドのごとき、微生物において機能するいずれの起原からのプロモーターまた
はプロモーター群によって制御され得る。
【0028】 RDCの鍵となるコンポーネントは、標的遺伝子の発現または遺伝子産物の発
現を制御する遺伝子調節系であるTCE(テトラサイクリン−制御可能なエレメ
ント)である。抗微生物処理について標的として評価する標的または遺伝子産物
は転写プロモーターによって制御され、これはついでtetRによってコードさ
れるテトラサイクリン・リプレッサータンパク質によって調節される。テトラサ
イクリンの不存在下においては、tetRコードタンパク質は転写プロモーター
の周囲のテトラサイクリン・オペレーター配列(tetO)に結合し、プロモー
ターからの転写を低下させるかまたは妨害する。テトラサイクリン存在下におい
ては、tetRコードタンパク質はテトラサイクリンに結合し、tetO配列へ
の結合を妨害し、プロモーターからの転写を許容する。(TCE)は標的遺伝子
の転写を許容するプロモーター配列を有し、tetO配列を含む。この例におい
ては、本発明者らはtetR遺伝子をRDC中に含めているが、それを染色体挿
入またはプラスミドベクター上のいずれかとして、独立コンポーネントとして微
生物に取り込ませることができる。
【0029】 ここに示す例におけるテトラサイクリン−制御可能なエレメント(TCE)系
は、テトラサイクリン耐性オペロンの調節エレメントをベースとする。Tn10
は、テトラサイクリン調節系を有するトランスポゾンである。Tn10は、出典
明示して本明細書の一部とみなすHillenおよびWissmann,“Topics in Molecula
r and Structural Biology”in Protein-Nucleic Acid Interaction,Saegerお よびHeinemann編,Macmillan社,London,1989年,Vol.10,pp.143-162に記載さ
れている。Tn10内の耐性−媒介遺伝子の転写は、テトラサイクリン・リプレ
ッサー(TetR)によって負に調節される。テトラサイクリンまたはテトラサ
イクリン・アナログの存在下では、TetRはオペロンのプロモーター領域内に
位置するそのオペレーターに結合せずに、転写が許容される。テトラサイクリン
・オペレーター(tetO)配列に作動可能に融合したプロモーターは、Tet
Rおよび低濃度のテトラサイクリンの存在下で実質的にサイレントである。
【0030】 TetRのそのオペレーター配列に対する特異性(HillenおよびWissmann,“
Topics in Molecular and Structural Biology” in Protein-Nucleic Acid Int
eraction, SeagerおよびHeinemann編, Macmillan社, London, 1989, Vol. 10, p
p. 143-162)ならびにTetRに対するテトラサイクリンの高親和性(Takahash
iら,J. Mol. Biol. 187:341-348 (1986))およびテトラサイクリンのよく研究 された化学的および生理学的特性は、原核生物細胞における誘導可能な発現系に
対して基礎をなす。
【0031】 本発明は、タンパク質をコードする第2のポリヌクレオチド分子にも関し、該
ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのtetオペレーター(tetO)配列に
作動可能に結合した極小プロモーターに作動可能に結合されている。tetO配
列は、例えば(出典明示して本明細書の一部とみなす)HillenおよびWissmann,
“Topics in Molecular and Structural Biology” in Protein-Nucleic Acid I
nteration, SangerおよびHeinemann編, Macmillan社, London, 1989, Vol.10, p
p.143-162に従って得ることができる。本発明の実施において用いることができ る他のtetOは以下に記載する参考文献から得ることができる:Watersら,Nu
cl. Acids Res. 11:6089−6105(1983);Postleら,Nucl. Acids Res. 12:48
49−4863(1984);Ungerら,Gene 31:103−108(1984);Ungerら,Nucl. Aci
ds Res. 12:7693−7703(1984);Tovarら,Mol. Gen. Genet. 215:76−80(1
988);比較および概観についてはProtein−Nucleic Acid Interaction,Seager
およびHeinemann編,Macmillan社,London,1989,Vol. 10,pp.143−162におけ
るHillenおよびWissmannを参照し、記載した系を発現させるためにも用いること
ができる。このパラグラフにおけるすべての参考文献は出典明示して本明細書の
一部とみなす。
【0032】 系を調節するために用いるテトラサイクリンによって微生物が死滅することを
防ぐために、テトラサイクリン耐性を付与するタンパク質をコードする遺伝子も
構築物に付加する。テトラサイクリンは、タンパク質合成に必要な伸長因子を妨
害することによって抗生物質として機能する。テトラサイクリン耐性を付与する
幾つかの遺伝子は、細胞のテトラサイクリンを汲出すことによってか、またはテ
トラサイクリンを化学的に変化させることによって、細胞におけるテトラサイク
リンのレベルに作用するであろう遺伝子産物を発現する。テトラサイクリンはT
CEを調節するために必要であるため、微生物におけるテトラサイクリンのレベ
ルを変化させないテトラサイクリン耐性遺伝子を用いることは重要である。詳細
には、テトラサイクリン耐性遺伝子であるtetM遺伝子を選択して、テトラサ
イクリン保護を微生物に付与する。tetM遺伝子は、テトラサイクリン存在下
で機能し得るもう1つのリボソーム伸長因子であると考えられるタンパク質をコ
ードしている。ここに本発明者らは、tetM遺伝子を付加してRDCを作製す
ることを記載するが、それは、染色体またはプラスミドベクターに挿入すること
によって、微生物に別々に付加することもできる。
【0033】 加えて、レポーター遺伝子を構築物に付加して、RDCの制御下で遺伝子から
発現されたタンパク質の量を測定する簡便な方法を許容する。別法として、該レ
ポーター遺伝子は微生物中に存在させることもできる。本発明者らの場合におい
ては、β−ラクタマーゼをコードする遺伝子BlaZをレポーター遺伝子として
用いる。この遺伝子は、β−ラクタムに対する耐性をそれが付与することにおい
て発現の選抜を許容する。すなわち、この遺伝子を発現する生物は、β−ラクタ
ムの存在下におけるその生存性によって選抜することができる。そのうえ、β−
ラクタマーゼのレベルは、単純な比色アッセイによって定量的にアッセイするこ
ともできる。テトラサイクリンの存在または不存在下におけるβ−ラクタマーゼ
活性のレベルを追跡することによって、本発明者らは、これを用いてTCEの感
度を測定して、最適化されたTCE配列を選択することができる。
【0034】 ついで、TCEを微生物中の標的遺伝子に結合しなければならない。これは、
幾つかの方法でなし得る。本明細書においては、2つの卓越した(promenent) 方法をオプションIおよびオプションIIとして論ずる。他のオプションは、当
業者であれば明らかであろう。 オプションI.TCE単独;tetR、tetMおよびBlaZに結合したT
CE;または全体RDCを染色体に挿入することができる。挿入DNAを挟む組
換えエレメント(RE)は、宿主染色体DNAと十分な配列同一性を有して、染
色体への相同性組換えを許容するように設計されるであろう。RE配列は、カセ
ットが標的遺伝子とその内因性転写プロモーター配列との間に存在するように、
標的挿入に設計する。このようにして、天然制御配列を標的遺伝子から除去し、
標的遺伝子の発現を、挿入されたTCEまたはRDCの一部分としてのTCEに
よって制御する。
【0035】 オプションII.標的遺伝子をTCEに結合させるもう1つの方法には、微生
物中のプラスミドベクター上のTCE(単独か;またはtetR、tetMおよ
びBlaZに連結するか;またはRDCの一部分としてかのいずれか)とレポー
ター遺伝子との間またはレポーター遺伝子の直後への導入が含まれる。このオプ
ションIIの方法においては、不活性化した染色体からの野生型標的遺伝子を有
する微生物を用いる。ついで、該標的遺伝子をTCE含有DNAフラグメントに
連結し、微生物を安定に形質転換するのに好適なプラスミドベクターに挿入する
【0036】 ついで、遺伝子的に設計した微生物を用いて、マウスのごとき哺乳動物の試料
に感染させる。例えば、2群のマウス(A群マウスおよびB群マウスという)を
、微生物に感染させている間に、(おそらくは、その飲料水にテトラサイクリン
を添加することによって)すべてテトラサイクリンで処理する。双方の群のマウ
スにおいて、微生物が当該動物に摂食させたテトラサイクリンに暴露されている
ため、感染微生物中の遺伝子は作動し(on)、機能産物を産生するであろう。つ
いで、B群マウスの飲料水からテトラサイクリンを取り除く。ついで、A群マウ
スおよびB群マウスを時間にわたって比較する。A群マウスはいまだテトラサイ
クリンに暴露されているため、微生物中の標的遺伝子は作動し、A群の感染症に
機能するであろう。しかし、B群マウスにおいては、感染微生物における標的遺
伝子の発現は、テトラサイクリンが取り除かれれば低下するか、または停止さえ
してしまうであろう。機能する遺伝子を有する微生物を有するマウスであるA群
マウスが感染症の徴候を示し続け、病気になり続けおそらくは死にさえする一方
で、同時に遺伝子が停止しており、したがってより少ない遺伝子産物しか産生し
ていない微生物に感染したB群マウスが感染症から回復し得るかまたは改善の徴
候を示し得るか、あるいは少なくとも死なない場合には、制御された遺伝子また
は遺伝子産物が感染症を持続するために微生物に重要であり、抗微生物標的とし
て選択されるであろうことがわかる。このタイプの相異は有意差と考えられよう
。いずれの有意差も2つの群の動物間の意味のある差と考えられよう。有意性は
、よく知られた統計検定を用いて定量化することもできる。意味のある差は、微
生物感染症を評価している当業者によって判定することができよう。
【0037】 B群マウスの食餌からテトラサイクリンを取り除いた後に、A群およびB群の
双方のマウスが病気に罹りつづけるかまたは微生物感染症を患いつづける場合に
は、タンパク質または遺伝子産物を阻害することがおそらくは哺乳動物における
感染症をいかなる場合においても治療しないであろうため、おそらくは該遺伝子
がさらなる抗微生物研究の良好な標的でないことを示している。 これは、当該系をどのように使用するかの1つの例にすぎず、前記の明らかな
変形は当業者に明らかであろう。発明を前記してきたが、著者はここに幾つかの
発明の好ましい具体例を供したい。
【0038】 好ましい具体例 本発明の好ましい具体例は、微生物染色体の所定の位置に外因性のポリヌクレ
オチド配列を組み込んで内因性の原核生物遺伝子を作動可能に制御するためか、
または標的化遺伝子の機能性コピーをそれが作動可能に制御するようにクローン
化した染色体外エレメントとしての単離DNA分子またはDNAカセットに関し
、当該DNA分子はテトラサイクリン−制御可能なエレメント(TCE)を含み
、ここにTCEはテトラサイクリン−制御可能な原核生物転写プロモーターを含
む。微生物染色体に組み込むために、TCEポリヌクレオチド配列は組換えエレ
メント(RE)によってその5'末端で挟まれ、かつ所望により3'末端で挟まれ
てもよく、ここにおいてREは、単離DNA分子と微生物染色体との間における
相同性組換えに十分な長さのさらなるポリヌクレオチド配列を含む。
【0039】 好ましい具体例において、前記にいう単離DNA分子は、TCEに作動可能に
結合されたレポーター遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列をさらに含む。
該レポーター遺伝子は、蛍光マーカー、またはベータ−ガラクトシダーゼもしく
はプロテアーゼのごとき酵素とすることができるが、本明細書において好ましい
レポーター遺伝子はベータ−ラクタマーゼである。
【0040】 もう1つの好ましい具体例において、前記にいう単離DNA分子は、REとT
CEとの間に位置する少なくとも1つの転写ターミネーター・ポリヌクレオチド
配列をさらに含む。 なおもう1つの好ましい具体例において、前記にいう単離DNA分子は、RE
とTCEとの間に位置する転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列に作動可能
に結合した、原核生物テトラサイクリン耐性タンパク質をコードするポリヌクレ
オチド配列をさらに含む。好ましくは、該テトラサイクリン耐性タンパク質はス
タフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)のtetM遺伝子由 来のものである。
【0041】 もう1つの好ましい具体例において、前記にいう単離DNA分子は、REとT
CEとの間に位置するテトラサイクリン−制御可能な原核生物転写プロモーター
・ポリヌクレオチド配列に作動可能に結合した原核生物テトラサイクリン・リプ
レッサータンパク質をコードするポリヌクレオチド配列をさらに含む。好ましく
は、該テトラサイクリン・リプレッサーはトランスポゾンTn10由来のもので
ある(出典明示して本明細書の一部とみなすPostle,K.,Nguyen,T. T.およびB
ertrans,K. P.,1984,Nucleic Acids Research 12:4849−4863を参照された し)。
【0042】 もう1つの好ましい具体例において、前記にいう単離DNA分子は、宿主細胞
の形質転換に好適な形態の組換えベクターである。もう1つの好ましい具体例は
、この組換えベクターで形質転換した宿主細胞を含む。 もう1つの好ましい具体例は、前記にいうDNA分子を含む微生物宿主細胞を
含み、ここに該DNA分子は宿主細胞染色体中の所定の位置に組み込まれる。 本発明のもう1つの好ましい具体例は、標的DNA分子の所定の位置にテトラ
サイクリン−制御可能なエレメント(TCE)を含むポリヌクレオチド配列を組
み込むための単離DNA分子に関し、該単離DNA分子は順次融合した以下のD
NAエレメント:第1の転写ターミネーター・ポリヌクレオチド配列;第2の転
写ターミネーター・ポリヌクレオチド配列;原核生物テトラサイクリン耐性タン
パク質をコードするポリヌクレオチド配列;原核生物リプレッサータンパク質を
コードするポリヌクレオチド配列;第1のテトラサイクリン−制御可能な転写プ
ロモーター・ポリヌクレオチド配列;第2のテトラサイクリン−制御可能な転写
プロモーター・ポリヌクレオチド配列;およびレポータータンパク質をコードす
るポリヌクレオチド配列を含み;該単離DNA分子は、所定の位置における単離
DNA分子と標的DNA分子との間の相同性組換えに十分な長さのさらなるポリ
ヌクレオチド配列によって、レポータータンパク質をコードするポリヌクレオチ
ド配列の反対側の末端で挟まれたTCEを含むポリヌクレオチド配列を含む。好
ましい具体例において、この単離DNA分子を含む組換えベクターは、宿主細胞
の形質転換に好適な形態で存在する。さらなる好ましい具体例において、この単
離DNA分子は、微生物宿主細胞染色体中の所定の位置に組み込まれる。
【0043】 もう1つの好ましい具体例において、DNAは以下の部材:順次以下のもの:
第2のテトラサイクリン−制御可能な転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列
;標的化遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列を含む単離DNA分子;およ
びレポータータンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を有する:原核生物
テトラサイクリン耐性タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列;原核生物
リプレッサータンパク質をコードするポリヌクレオチド配列;第1のテトラサイ
クリン−制御可能な転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列、を含有する微生
物病原体の形質転換に好適な組換えベクターに関する。
【0044】 好ましい具体例は、図1に示し、図1のコンポーネントとして本明細書中に記
載するDNAカセットである。 前記の記載は本発明を完全に説明しているであろうが、合成例および作動モデ
ルの双方の以下の例は説明目的のものであって、本発明の前記の記載に限定され
るものではない。
【0045】 実施例 材料および方法 テトラサイクリン−応答性DNA調節カセットの構築: DNAカセットは、キャンベルタイプの組換えによる特異的サイトでエス・ア
ウレウス(S. aureus)の染色体に相同性組換えによって(出典明示して本明細 書の一部とみなすCampbell,A.,1962,Advan. Genet. 11,45−101を参照され たし)か、自己複製プラスミドのいずれかによってエス・アウレウス(S. aureu
s)に導入するために構築する。染色体組み込み用に、このDNAは、エス・ア ウレウス(S. aureus)の染色体DNAの領域に相同な領域を1または双方の末端 に含む。構築物の残部は、図1に図示する組換えDNAカセットを含む。自律調
節化プラスミド上においては、図1中の組換えDNAカセットはエス・アウレウ
ス(S. aureus)遺伝子をコードするDNAを含むであろう。
【0046】 このカセットの第1のエレメントは、染色体DNAからこのインサートへの転
写リード−スルーならびにカセットから染色体への転写リード−スルーを防ぐよ
うに設計された2つの転写ターミネーターを含む。これらは、テトラサイクリン
に対する耐性を付与するエス・アウレウス(S. aureus)遺伝子、tetMにつ づく。耐性のメカニズムが細胞中のテトラサイクリンの構造または濃度を変化さ
せようではなく、むしろ翻訳においてテトラサイクリンに耐性である別の伸長因
子を供するようであったのでこの遺伝子を選択した(出典明示して本明細書の一
部とみなすNesin,M.,Svec,P.,Lupski,J.R.,Godson,G.N.,Kreisworth,B
.,Kornblum,J.およびProjan,S. J.,Antimicrob. Agents Chemother.,1990
,34:2273−2276を参照されたし)。この遺伝子は、図1に示すごとく左から右
に転写される。別法として、tetMはエス・アウレウス(S. aureus)の染色 体のどこか他の場所に組み入れて、多数の標的化遺伝子試験に有用なバックグラ
ウンド株を提供することができる。イー・コリ(E. coli)のtetリプレッサー
をコードする遺伝子、tetR(出典明示して本明細書の一部とみなすPostle,
K.,Nguyen,T. T.およびBertrand,K. P.,Nuc. Acids. Res.,1984,12:4849
−4863を参照されたし)は、2つの分岐プロモーター(PtetおよびPxyl)および
2つのテトラサイクリン・オペレーター配列(tetO)を含む領域上の近接プ
ロモーターからのtetMとともにオペロンとして転写される。tetリプレッ
サータンパク質は、テトラサイクリン不存在下でtetO配列に結合して、Pxyl からの転写を妨害する。テトラサイクリン存在下においては、tetリプレッサ
ーはテトラサイクリンに結合するがtetO配列には結合せず、Pxylからの転写
が許容される。強力なビイ・ズブチリス(B. subtilis)のプロモーター、Pxyl は図1に示すごとく右への転写の開始を合図して、アンピシリンに対する耐性を
付与するアッセイ可能なマーカー遺伝子であるベータ-ラクタマーゼをコードす るエス・アウレウス(S. aureus)のBlaZの転写を許容する(出典明示して 本明細書の一部とみなすWang,P. Z.およびNovick,R. P.,1987,J. Bacteriol
.,169:1763-1766を参照されたし)。このDNAを染色体に挿入した場合、標 的として試験すべき遺伝子はBlaZとのオペロンで転写され、同様な転写調節
を有するであろう。DNAが自律調節化プラスミドに含まれる場合、該標的遺伝
子をコードするDNAは、標的遺伝子およびBlaZが単一のオペロンでかつ同
様な調節を有して転写されるようにBlaZについで挿入されるであろう。
【0047】 以下のパラグラフでは、各DNAカセットエレメントをどのように作製するか
を説明する。全体的な合成エレメント(1および4)について、DNAオリゴヌ
クレオチドは制限エンドヌクレアーゼを用いた消化によって粘着末端に類似する
双方の末端にオーバーハングするヌクレオチドを残すように設計されている。P
CRによって増幅させたエレメントについて、オリゴヌクレオチドは双方の末端
に制限エンドヌクレアーゼ用のユニークな認識サイトを取り込むように設計され
る。これらの制限サイトは、互いのおよび制限酵素消化プラスミドとの連結を単
純化する。オリゴヌクレオチドは、Genosys Biotechnologies,Inc.社,The Woo
dlands,TXによって合成された。
【0048】 DNAの連結は、T4−DNAリガーゼ(Boehringer Mannheim Biochemicals
社製,Indianapolis,IN)を含むT4-DNAリガーゼ緩衝液(50mMのトリ ス-HCl、pH7.6、10mMのMgCl2、10mMのジチオスライトール 、50μg/mlの牛血清アルブミン)中、14/Cにて一晩行う。一般的に、
PCR反応はTaqポリメラーゼおよびPerkin-Elmer社(Roche Molecular Syst
ems,Inc.社製,Branchburg,NJ)からの反応緩衝液を用いる50μl反応容量 で行う。PCR反応物には、40μMの各dATP、dCTP、dGTPおよび
dTTP;200nMの各プライマー;ならびに1-100ngの染色体DNA またはプラスミドDNAが含ませた。PCR反応物を95/Cにて5分間加熱し
てテンプレートを変性させ、つづいて95/Cにて1分間の加熱、50/Cにて
1分間のプライマー・アニーリングおよび72/Cにて1分間の伸長の30サイ
クルを行った。
【0049】 エレメント1:ターミネーターの構築 双方向性ターミネーター用の配列は、sarAについて(Bayerら,J. Bacter
iol.,1996,178:4563-4570)およびpcrBについて(Iordenescu,S.,Mol.
Gen. Genet.,1993,241:185-192)公開されたエス・アウレウス(S. aureus )の転写ターミネーター由来のものである。このエレメントは、表Iに掲載する
4種のオリゴヌクレオチドからCLQ459、CLQ460、CLQ461およ
びCLQ462として構築した。アニーリングさせる前に、5ピコモルのCLQ
460およびCLQ461を、2mMのATP、100mMのトリス-HCl、 pH7.6、200mMのスペルミジン、10mMのDTT中のT4−ポリヌク レオチドキナーゼ(New England Biolabs社製,Beverly,MA)で37T/Cにて
30分間処理した。85/Cに20分間加熱することによって反応を停止させた
。ついで、90/Cに5分間加熱する前に、キナーゼ処理した(kinased)CL Q460およびCLQ461を等モル量のCLQ462およびCLQ463と各
々混合し、つづいて30分間にわたって室温まで冷却した。2対のアリーリング
したプライマーを等モル量で混合し、50/Cに5分間加熱し、ついで30分間
にわたって室温まで冷却させた。このカセットは、制限酵素KpnIおよびXm
aIですでに消化したpUC18プラスミドと連結する前に前記したごとく連結
した。図2は、このDNAフラグメントのポリヌクレオチド配列を示す。
【0050】 エレメント2:テトラサイクリン耐性の構築 エス・アウレウス(S. aureus)のtetM(Genbank受入れ番号M21136)の構
造遺伝子は、表1に掲載するプライマーCLQ463およびCLQ464を用い
て、前記したPCRによって増幅させた。これらのプライマーは、各々制限酵素
BamHIおよびXmaIに対するユニークな認識サイトを付加する。増幅用の
テンプレートは、Serban Iordenescu社(Public Health Research Institute,N
Y)によって供され、プラスミドpRN6880はNesin,M.,Svec,P.,Lupski
,J. R.,Godson,G. N.,Kreisworth,B.,Kornblum,J.およびProjan, S. J. ,Antimicrob. Agents Chemother.,1990,34:2273-2276によって公開されたプ
ラスミド由来のものである。図3は、このDNAフラグメントのポリヌクレオチ
ド配列を示す。
【0051】 エレメント3:テトラサイクリン・リプレッサーの構築 イー・コリ(E. coli)のtetR(Genbank受入れ番号J1830)は、Tn10を
運搬しているイー・コリ(E. coli)株からプライマーCLQ465およびCLQ
467またはCLQ466およびCLQ467を用いるPCRによって増幅させ
た(Hillen,W.およびSchollmeier,K.,Nucl. Acids Res.,1983,11:525-539
)。プライマーCLQ465およびCLQ467は、各々、制限エンドヌクレア
ーゼSpeIおよびBamHIに対するユニークな認識サイトを取り入れ、この
遺伝子に対する野生型プロモーター配列を含む。プライマーCLQ466がCL
Q467と対をなす場合には、それは、遺伝子の開始コドンの近くに見出される
XbaI制限酵素認識サイトの近くから開始するtetRのより短い領域を増幅
させる。このより短い構築物により、この遺伝子を制御するための非-野生型の リーダーおよびプロモーター配列のクローニングが許容される。PCR反応は、
反応混合物を95/Cに5分間加熱し、95/Cにて1分間、45/Cにて1分
間および72/Cにて1分間の3の連続する工程を通して35回サイクルさせて
行った後に、全細胞を用いて行った。PCR産物は製造業者の指示書に従って、
pT7-Blue-Tベクターキット(Novagen社製,Madison,WI)を用いてクロ
ーン化した。図4Aおよび4Bは、これらのDNAフラグメントのポリヌクレオ
チド配列を示す。
【0052】 エレメント4:転写プロモーターの構築 合成プロモーター領域には、2つの分岐転写開始シグナルが含まれ、これはGe
issendorferおよびHillen(Appl. Microbiol. Biotechnol.,1990,33:657-663
)によって記載されたもの由来のものである。それは、CLQ468、CLQ4
69、CLQ470、CLQ471、CLQ472およびCLQ480として表
1に示すオリゴヌクレオチドから構築した。これらのプライマーをキナーゼ処理
し、アニーリングさせおよび連結する条件は、エレメント1の構築について記載
したのと同様とした。オリゴヌクレオチドCLQ469、CLQ470、CLQ
471およびCLQ472は、CLQ469とCLQ468、CLQ470とC
LQ471およびCLQ472とCLQ480をアニーリングさせる前にキナー
ゼ処理した。このアニーリングの後に、等モル量の各プライマーを互いに連結す
る前に他の2つの対とアニーリングさせ、ついで制限酵素XbaIおよびPst
Iで消化したpUC18とアニーリングさせた。すべての6種のオリゴヌクレオ
チドを用いてプロモーターカセットを構築した場合には、プライマーCLQ46
6およびCLQ467を用いて増幅させたtetR遺伝子をそれに連結し、te
tRは非野生型リーダーおよびプロモーター配列から転写されるであろう。別法
として、(増幅用のPCRプライマーCLQ465およびCLQ467を用いて
)tetR遺伝子からの野生型プロモーターおよびリーダー配列をPCRフラグ
メントに含める場合には、オリゴヌクレオチドCLQ470、CLQ471、C
LQ472およびCLQ473のみで構築した合成プロモーター・エレメントを
それに連結した。図5は、このDNAフラグメントのポリヌクレオチド配列を示
す。
【0053】 エレメント5:レポーター遺伝子の構築 ベータ−ラクタマーゼをコードするエス・アウレウス(S. aureus)のBla Z遺伝子(Genbank受入れ番号M15526)は、表1からのオリゴヌクレオチドCL Q486およびCLQ475(エレメント5a)またはCLQ486およびCL
Q500(エレメント5b)を用いてプラスミドpSA3800(Novick,R.ら
,Cell,1989,59,395-404)からPCR増幅させた。CLQ486は、制限エ ンドヌクレアーゼPstIに対するユニークな制限配列を取り込む。CLQ47
5は制限エンドヌクレアーゼSphIおよびEcoRIに対するユニークな認識
サイトを含む。CLQ500は、制限エンドヌクレアーゼPmeIに対するユニ
ークな認識サイトを含む。PCR産物は、pT7-Blue-Tベクターキット(
Novagen社製,Madison,WI)を用いてクローン化した。図6Aおよび6Bは、こ
れらのDNAフラグメントのポリヌクレオチド配列を示す。
【0054】 すべてのPCRおよび合成DNAエレメントを単一のカセットにアセンブルさ
せた後に、該DNAカセットをエス・アウレウス(S. aureus)のプラスミドに 連結する。染色体に組み込むように設計されたこれらの構築物について、該カセ
ットは相同染色体DNAからなる挿入−方向付け配列(insertion−directing s
equence)にも連結する。該プラスミドはエス・アウレウス(S. aureus)RN4
220、制限マイナス、修飾陽性株を通して継代される(出典明示して本明細書
の一部とみなすPeng,H.−L.,Novick,R. P.,Kreiswirth,B.,Kornblum,J. およびSchlievert,P.,1988,J. Bacteriol.,170,4365−4372を参照されたし
)。RN4220から精製したプラスミドDNAは、天然エス・アウレウス(S.
aureus)のDNA修飾酵素によって修飾し、野生型DNA制限系を有する病原 性エス・アウレウス(S. aureus)株により容易に形質転換する(出典明示して本 明細書の一部とみなすIordenescu,S.およびSurdeanu,M.1976,J. Gen. Micro
biol. 96,277−281を参照されたし)。EcoRI制限酵素消化によって放出さ
れたインサートDNAを精製し、環状化させる。このDNAを病原性エス・アウ
レウス(S. aureus)株に形質転換し、テトラサイクリン耐性につき選抜する。イ ンサートDNAは複製起点を有していないため、それは自律プラスミドとして維
持されず、カセットが染色体に挿入された組換体についてのテトラサイクリン選
抜上で増殖する。サザンブロットまたはPCR分析を用いて、目的の組換え事象
が起こったことを確認する。
【0055】 自律複製プラスミド上の標的遺伝子の調節について、好適なプラスミドベクタ
ーに連結したDNAカセットを修飾用のエス・アウレウス(S. aureus)RN4 220を通して継代させ、ついで無処理でもう1つのエス・アウレウス(S. aur
eus)株に直接形質転換する。この株は、病原性株由来のものとし得るが、標的 遺伝子の内因性コピーの発現が病原性親株から変化するように遺伝子的に設計し
得る。 別法として、テトラサイクリン耐性をコードする遺伝子およびプロモーター配
列を有するテトラサイクリン・リプレッサーは、エス・アウレウス(S. aureus )染色体のもう1つの領域に別々に組換えることもできる。これらの遺伝子は、
調節カセットの他のDNAエレメントに近接している必要はない。転写ターミネ
ーター、テトラサイクリン調節プロモーターおよびβ−ラクタマーゼ・レポータ
ー遺伝子を含むDNAエレメントは、なお、それが野生型−染色体上の標的遺伝
子とその転写調節エレメントとの間で組換えられるように構築することができる
【0056】 ベータ−ラクタマーゼ・レポーター遺伝子は、異なるテトラサイクリン濃度に
おける転写リードスルーの測定を許容する。テトラサイクリン調節がこの系にお
いて予想どおりに作動する場合には、細胞はより低いテトラサイクリン濃度でよ
り少ないベータ−ラクタマーゼおよび試験遺伝子を産生するであろう。理想的に
は、テトラサイクリン不存在下では、検出可能なレベルのβ−ラクタマーゼまた
は試験遺伝子は全く見出されないであろう。試験遺伝子の転写をこのように停止
することができ、試験すべき遺伝子が必須の遺伝子である場合には、細胞はテト
ラサイクリン不存在下で生存しないであろう。遺伝子が必須でなく、この系にお
いてはテトラサイクリンによって調節されるような場合には、抗微生物標的とし
てのその潜在性を動物感染症モデルで試験するであろう。動物感染症は、テトラ
サイクリンを当該動物に摂食させている間に、この遺伝子的に設計した細菌を用
いて成立させる。本発明者らは、テトラサイクリンを感染動物の食餌から取り除
いた場合に感染症の消失を探す。
【0057】 実施例1 第1の例において、外因性トリプトファン:trpDを欠く最小培地上におけ
るエス・アウレウス(S. aureus)増殖に必須である遺伝子、トリプトファン生 合成経路の酵素をコードする遺伝子の調節を制御することによってこのアプロー
チの妥当性を試験する。エス・アウレウス(S. aureus)の染色体DNAからの trpDの構造遺伝子を、PstIエンドヌクレアーゼによる認識用のポリヌク
レオチド配列を各末端に付加する特異的プライマーを用いてPCR増幅させた。
このPCR構築物は、それが図1に図示するように左から右に転写されるように
、プロモーター(エレメント4aおよび4b)とBlaZ構造遺伝子(エレメン
ト5b)との間に連結する。細胞をこの構築物で形質転換した場合、trpD遺
伝子はPxylプロモーターから転写され、形質転換体をテトラサイクリン上の増殖
によって選抜することができる。この例は、調節系に対する正の制御として作用
する。調節エレメントが予想どおりに機能する場合には、テトラサイクリンの存
在によって、ベータ−ラクタマーゼのマーカー遺伝子ならびにtrpDの転写が
許容され、細胞はアンピシリンを含むまたは含まない培地およびトリプトファン
を含むまたは含まない培地上で増殖するであろう。テトラサイクリンの不存在下
では、tetリプレッサーはプロモーターに結合し、ベータ−ラクタマーゼおよ
びtrpDの転写を低下させるであろう。この場合においては、細胞はアンピシ
リンまたはトリプトファンの不存在下で生存するように予想されないであろう。
それが生存する場合には、これらの細胞によって産生されるベータ−ラクタマー
ゼのレベルを異なるテトラサイクリン濃度で測定して、tetリプレッサーで達
成されるリプレッションのレベルを判定することができる。幾分かのリプレッシ
ョンが存在する限り、テトラサイクリンの存在下でこれらの細胞によって成立さ
れた感染症がテトラサイクリンの不存在下でも持続し得るかを調べるためにこの
制御を動物感染症で試験することができる。これは、どのくらいの感受性で当該
系が試験している標的遺伝子に存在するであろうかのインジケーターである。
【0058】 実施例2 第2の例において、カセットを染色体に組み込むことの妥当性を、エス・アウ
レウス(S. aureus)増殖に必須であると予想される遺伝子:伸長因子Tuをコ ードする遺伝子(EF−Tu)、の調節を制御することによって試験する。EF
−Tuはタンパク質翻訳に必要であり、抗生物質に対する証明されている標的で
ある(出典明示して本明細書の一部とみなすSelva,E.,Montanini,N.,Stella
,S.,Soffietini,A.,Gastaksi,L.およびDenaro,M.,1997, J.Antibiot, T
okyo 50,22−26)。表1からのプライマーCLQ455およびCLQ456を 用いて、EF−Tu構造遺伝子からすぐ上流のDNAの領域に対応し、伸長因子
Gの構造遺伝子の3'末端を含むエス・アウレウス(S. aureus)の染色体DNAか
らの1つの320塩基対フラグメントを増幅した(図7A)。表1からのプライ
マーCLQ505およびCLQ506を用いてPCR増幅した第2のフラグメン
トは、EF−Tu構造遺伝子の5'末端に重複する領域に対応する(図7B)。 挿入DNAカセットは、これらのフラグメントを各々エレメント1およびエレメ
ント5aに連結することによって構築した。このDNAフラグメントを用いてエ
ス・アウレウス(S. aureus)細胞を形質転換する場合、該フラグメントは、エス ・アウレウス(S. aureus)の染色体中のEF−Tu遺伝子についての推定リボソ ーム結合サイトの約20bp前の染色体へのインサートの組換えを指示する。染
色体中のDNAフラグメントの挿入は、テトラサイクリンおよびアンピシリン上
の増殖によって選抜する。目的サイトへの組換えは、染色体DNAのサザンブロ
ットまたはPCR分析によって確認することができる。この例は、調節系に対し
ての正の制御として作用する。調節エレメントが予想どおりに機能する場合には
、テトラサイクリンの存在はベータ−ラクタマーゼ・マーカー遺伝子ならびにE
F−Tuの転写を許容し、細胞はアンピシリンを含むかまたは含まない培地上で
増殖するであろう。テトラサイクリンの不存在下においては、tetリプレッサ
ーがプロモーターに結合し、ベータ−ラクタマーゼおよびEF−Tuの転写を妨
害するであろう。この場合においては、細胞はアンピシリンの存在または不存在
下で生存することは予想されないであろう。なぜならば、EF−Tuは必須であ
ると予想されるからである。それが実際に生存する場合には、この細胞によって
産生されるベータ−ラクタマーゼのレベルを異なるテトラサイクリン濃度で測定
して、tetリプレッサーで達成されるリプレッションのレベルを決定すること
ができる。幾分かのリプレッションが存在する限り、この制御を動物感染症にお
いて試験して、テトラサイクリンの存在下でこの細胞によって成立された感染症
がテトラサイクリン不存在下でも持続され得るかを調べることができる。これは
、どのくらいの感受性で当該系が試験している標的遺伝子において存在するであ
ろうかのインジケーターである。
【0059】 実施例3 第3の例においては、DNAカセットを構築して、エス・アウレウス(S. aure
us)のfemA遺伝子(Genbank受入れ番号M23918)を試験することを許容する。
エレメント1、2、3、4および5は実施例2におけるエレメントと同一である
。これらのエレメントを、femA構造遺伝子周辺のエス・アウレウス(S. aur
eus)の染色体DNAに対応する2片のDNAに融合した。この遺伝子は、病原 性因子として同定されている:遺伝子の挿入不活性化がエス・アウレウス(S. au
reus)病原体の病原性を低下させた(Mei−JM;Nourbakhsh−F;Ford−CW;Holde
n−DW,Mol−Microbiol. 1997年10月;26(2):399−407)。表1からのプライマ ーCLQ451およびCLQ452を用いて、femA構造遺伝子のすぐ上流に
存在し、trpAの3'末端を含むエス・アウレウス(S. aureus)の染色体DNA
の1つの369塩基対のフラグメントを増幅させた(図8A)。プライマーCL
Q501およびCLQ502を用いて、femA構造遺伝子の5'末端に重複す るエス・アウレウス(S. aureus)の染色体DNAの第2のフラグメントを増幅さ せた(図8B)。挿入DNAカセット中のエレメント1に第1のフラグメントを
、エレメント5aに第2のフラグメントを連結すると、細胞をこの構築物で形質
転換した場合に、エス・アウレウス(S. aureus)の染色体中のfemAの推定 リボソーム結合サイトの約25bp前の染色体へのインサートの組換えが指示さ
れる。再度、染色体中のDNAフラグメントの挿入は、テトラサイクリンおよび
アンピシリン上の増殖によって選抜する。目的サイトへの組換えは、組換え細胞
から単離したゲノミックDNAのサザンブロットまたはPCR分析によって確認
する。テトラサイクリンの存在下または不存在下におけるベータ−ラクタマーゼ
発現のリプレッションにおける変動は、実施例2において示されたものに類似す
ると予想される。しかしながら、伝えるところによれば、femAはイン・ビト
ロ(in vitro)における細胞の増殖に必須の遺伝子ではなく(Strander,A. M.,
Ehlert,K.,Labischinski,H.およびBerger−Bachi,B.,1997,J. Bacteriol.
179:9−16)、したがって、これらの組換え細胞は、テトラサイクリンの不存 在下でBlaZ末端femAの転写が完全にリプレッションされる場合でさえ増
殖することが予想されるであろう。femAが感染の成立に必須であり、テトラ
サイクリンの不存在がfemAの転写を妨害する場合には、動物がその中にテト
ラサイクリンを有していなければ、これらの細胞は感染を成立できないであろう
。femAが抗微生物剤の良好な標的である場合には、テトラサイクリンの存在
下で成立したこれらの細胞での感染症は、つづくテトラサイクリンの除去で解消
されるであろう。
【0060】 実施例4 第4の例においては、染色体へ挿入するためにDNAカセットを構築して、エ
ス・アウレウス(S. aureus)におけるlgt遺伝子(Genbank受入れ番号U35773
)の試験を許容する。リポタンパク質生合成における翻訳後修飾用の第1の酵素
をコードするlgtは、イー・コリ(E.coli)において(出典明示して本明細書 の一部とみなすGan,K.,Sankaran, K.,Williams,M. G.,Aldea, M.,Rudd,
K.E.,Kushner, S.R.およびWu,H. C.,1995,J. Bacteriol. 177:1879−188
2)およびサルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)において( 出典明示して本明細書の一部とみなすGan, K, Gupta, S. D., Sankaran, K., Sc
hmid, M. B.およびWu, H. C., 1993, J. Biol. Chem. 268:16544-16550)、必須
遺伝子であることが示されている。しかしながら、必須の性質はこれらの細菌中
のlgtの不存在下における未修飾プロ−リポタンパク質蓄積の毒性効果による
ものと考えられ、lgtがエス・アウレウス(S. aureus)において必須遺伝子で あるかまたはそれが感染に必要な遺伝子であるかは未だわかっていない。表1か
らのプライマーCLQ453およびCLQ454を用いて、lgt構造遺伝子に
対する推定リボソーム結合サイトから15bp上流で終了するDNAの領域に対
応するエス・アウレウス(S. aureus)の染色体DNAからの450塩基対フラ グメントをPCR増幅させた(図9A)。表1からのプライマーCLQ503お
よびCLQ504を用いて、lgtの5'末端に重複するエス・アウレウス(S.
aureus)の染色体のもう1つのフラグメントをPCR増幅させた(図9B)。こ
の第1のフラグメントをエレメント1に、第2のフラグメントをエレメント5a
に挿入DNAカセット中で連結させると、この構築物で細胞を形質転換した場合
に、エス・アウレウス(S. aureus)の染色体中のlgtの推定リボソーム結合サ
イトの約25bp前の染色体への該インサートの組換えが指示される。再度、染
色体中のDNAフラグメントの挿入は、テトラサイクリンおよびアンピシリン上
の増殖によって選抜する。目的のサイトへの組換えは、染色体DNAのサザンブ
ロットまたはPCR分析によって確認する。テトラサイクリンの存在下または不
存在下におけるβ-ラクタマーゼ発現のリプレッションにおける変動は、実施例 2において示されたものと同様であると予想される。BlaZの転写がこの構築
物中のテトラサイクリンの不存在によってリプレッションされる場合には、lg
tもリプレッションされ、lgtが必須の遺伝子でない場合にのみ細胞は増殖す
るであろう。それが必須の遺伝子でない場合には、それを動物感染症モデルで試
験して、lgt転写の停止が感染症を解消するかを判定することができる。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】 本発明が前記の説明および例に特に記載した以外にも別の方法で実施できるこ
とは明らかであろう。 本発明の膨大な修飾および変形が前記教示の見地から可能であり、したがって
、これらも本発明の範囲に入る。 本明細書で引用したすべての刊行物の全体的な開示は、出典明示して本明細書
の一部とみなす。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の好ましい具体例の模式図である。図1は3つの結合したDNA
カセットまたはエレメントを示している。示した3つのコンポーネントは、作動
可能に結合させてもさせなくてもよいが、TRRDC(テトラサイクリン耐性(
または保護)およびリプレッサーDNAカセット(Tetracycline Resistance(o
r protection)and Repressor DNA Cassette));TCE(テトラサイクリン−
制御可能なエレメント(Tetracycline-Controllable Element));およびRG (レポーター遺伝子(Reporter Gene))であり、結合させなくてもよいコンポーネ
ントと一緒にしてRDC(調節DNAカセット(Regulatory DNA Cassette)) と呼ぶ。矢印は転写開始部位および転写の向きを表す。2つの八角形は転写ター
ミネーターを表す。ボックスは遺伝子のコード領域を表し、矢印はこれらの遺伝
子の転写の向きを示す。白丸はtetO配列を表し、そこにテトラサイクリン−
リプレッサータンパク質がテトラサイクリンの不存在下で結合する。垂直バーは
制限エンドヌクレアーゼ切断部位を表す。tetRコード領域とBlaZコード
領域との間の切断部位の間の領域がTCE領域である。tetM、tetR、T
CEおよびBlaZを図面中に記載する。図1は、それが3つの転写プロモータ
ー系、TCE、TRRDCおよびRGが単一のDNAエレメントで結合している
ことを示しているため本発明の特定の具体例を示しているが、実際には、そこに
おいてはTRRDCもRGもTCEと同一のDNA構築物中に存在する必要はな
い。
【図2】 図2、配列番号:33は、2つの転写ターミネーター配列を含む調節カセット
の合成DNAフラグメントのヌクレオチド配列である。太字のヌクレオチドはイ
タリックで上方に示す制限エンドヌクレアーゼに対する認識配列を含む。破線矢
印は、転写の間にTのストリングによって推定ステム−ループを形成するρ独立
ターミネーター配列の二回対象の領域を示す。
【図3】 図3、配列番号:34は、テトラサイクリン耐性遺伝子、tetMをコードす
る調節カセットのエレメントについての増幅DNAフラグメントのヌクレオチド
配列である。太字のヌクレオチドはイタリックで上方に示す制限エンドヌクレア
ーゼに対する認識配列を含む。該DNAは、この図に示す上部から下部に転写お
よび翻訳が起こる、該遺伝子に対するコード鎖を表している。
【図4A】 図4A、配列番号:35は、エレメントに対する増幅DNA配列のヌクレオチ
ド配列である。太字のヌクレオチドは、イタリックで上方に示す制限エンドヌク
レアーゼに対する認識配列を含む。該DNAは、この図に示す上部から下部に転
写および翻訳が起こる、該遺伝子に対するコード鎖を表している。
【図4B】 図4B、配列番号:36は、tetR遺伝子の5'非翻訳領域からのさらなる 配列を有する図4Aのヌクレオチド配列である。太字のヌクレオチドは、イタリ
ックで上方に示す制限エンドヌクレアーゼに対する認識配列を含む。該DNAは
、この図に示す上部から下部に転写および翻訳が起こる、該遺伝子に対するコー
ド鎖を表している。
【図5】 図5、配列番号:37は、tetO配列と2の分岐転写プロモーターを含む調
節カセットの合成DNAフラグメントのヌクレオチド配列である。太字のヌクレ
オチドは、イタリックで上方に示す制限エンドヌクレアーゼに対する認識配列を
含む。双方のDNA鎖の太字のヌクレオチドはtetO配列、テトラサイクリン
不存在下におけるtetリプレッサータンパク質に対する推定結合部位を表す。
tetプロモーター(Ptet)よびxylプロモーター(Pxyl)の−35および
−10領域には、各々、下線および上線が引かれている。下部鎖の太字のATG
は、tetRのオープンリーディングフレームの出発コドンを示す。
【図6AおよびB】 図6A(配列番号:38)および図6B(配列番号:39)は、レポーター遺
伝子BlaZをコードする調節カセット用の別の増幅DNAエレメントのヌクレ
オチド配列である。太字のヌクレオチドは、イタリックで上方に示す制限エンド
ヌクレアーゼに対する認識配列を含む。該DNAは、この図の上部から下部に転
写および翻訳が起こる、該DNAの非コード鎖を表している。図6A(配列番号
:38)は、カセットを染色体に組み込む構築に用いる配列を表す。図6B(配
列番号:39)は、レポーター遺伝子を標的遺伝子の下流にクローン化する構築
に用いる配列を表す。
【図7AおよびB】 図7A、配列番号:40は、伸長因子Tu(EF−Tu)の内因性構造遺伝子
に対して上流のスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の 染色体DNAに相同の増幅DNAのヌクレオチド配列である。図7B、配列番号
:41は、EF−Tuの構造遺伝子の5'末端に重複するスタフィロコッカス・ アウレウス(Staphylococcus aureus)の染色体DNAに相同の増幅DNAのヌ クレオチド配列である。太字のヌクレオチドは、イタリックで上方に示す制限エ
ンドヌクレアーゼに対する認識配列を含む。
【図8AおよびB】 図8A、配列番号:42は、femAの内因性構造遺伝子に対して上流のスタ
フィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の染色体DNAに相同 な増幅DNAのヌクレオチド配列である。図8B、配列番号:43は、femA
の構造遺伝子の5'末端に重複するスタフィロコッカス・アウレウス(Staphyloc
occus aureus)の染色体DNAに相同な増幅DNAのヌクレオチド配列である。
太字のヌクレオチドは、イタリックで上方に示す制限エンドヌクレアーゼに対す
る認識配列を含む。
【図9AおよびB】 図9A、配列番号:44は、lgtの内因性構造遺伝子に対して上流のスタフ
ィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の染色体DNAに相同な 増幅DNAのヌクレオチド配列である。図9B、配列番号:45は、lgtの構
造遺伝子の5'末端に重複するスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcu
s aureus)の染色体DNAに相同な増幅DNAのヌクレオチド配列である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/04 C12R 1:445) 1/68 C12N 15/00 ZNAA //(C12N 15/09 ZNA 5/00 A C12R 1:445) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA80 DA05 EA04 FA02 FA07 GA11 GA19 HA12 4B063 QA01 QA18 QQ06 QQ30 QQ98 QR32 QR39 QR60 QR69 QR75 QR80 QS05 QS24 QS28 QS38 4B065 AA53X AA53Y AB01 AC10 AC14 BA02 BA25 BB12 BB28 BB37 CA24 CA31 CA46

Claims (77)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物の遺伝子または遺伝子群を特徴付けできる方法であっ
    て、 ここに該遺伝子が遺伝子産物をコードし; ここに該遺伝子産物が遺伝子標的であり; ここに該遺伝子標的が哺乳動物に感染するかまたはそこに感染を持続させる微
    生物の能力に重要であり、ここに該微生物が: 遺伝子的に改変されて、該遺伝子的に改変された微生物によって産生された該
    遺伝子産物の量がテトラサイクリン−制御可能なエレメントまたはTCEによっ
    て調節され制御されるように、遺伝子改変微生物になり; ここに該TCEが、テトラサイクリンに対する該微生物の暴露に応答して該遺
    伝子の機能をモデュレート(modulate)するその能力を介して、標的遺伝子また
    は遺伝子産物の発現を制御する遺伝子調節系であり、該TCEがテトラサイクリ
    ン−制御可能な転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列からなり; 微生物タンパク質またはより一般的には微生物遺伝子産物をコードするいずれ
    の遺伝子であってもよい該遺伝子が、該遺伝子改変微生物をテトラサイクリンに
    暴露するか否かに応じてより多いか少ないかのいずれかの量の遺伝子産物を当該
    遺伝子が産生するように該TCEによって調節され; 該哺乳動物が、最初にテトラサイクリンに暴露され、該遺伝子改変微生物に感
    染した複数の少なくとも2以上の哺乳動物であり; つづいて: テトラサイクリンに暴露した少なくとも1または1群の哺乳動物およびテトラ
    サイクリンに暴露していない別の1または1群の哺乳動物が存在するように、該
    哺乳動物の一部分に暴露したテトラサイクリンを取り除き; つづいて: テトラサイクリンに暴露されていない哺乳動物の感染症、微生物のレベル、ま
    たは生理学的症状の程度と比較した、テトラサイクリンに暴露された哺乳動物の
    感染症、微生物のレベル、または生理学的症状の程度を比較し; つづいて: 哺乳動物に感染するかまたはそこにおいて感染症を持続する微生物の能力に重
    要な該遺伝子を同定し、ここにテトラサイクリンに暴露されていない哺乳動部と
    比較したテトラサイクリンに暴露された哺乳動物の比較が2群の動物の間に意味
    のある差を示すことを特徴とする該方法。
  2. 【請求項2】 該TCEがテトラサイクリンに対する該微生物の暴露に応答
    して該遺伝子の機能をモデュレートするその能力を介して、標的遺伝子または遺
    伝子産物の発現を制御する遺伝子調節系であって、該TCEがレポーター遺伝子
    をコードするポリヌクレオチド配列に作動可能に結合した、テトラサイクリン−
    制御可能な転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列からなることを特徴とする
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該テトラサイクリン−制御可能な転写プロモーター・ポリヌ
    クレオチド配列が、原核生物転写プロモーターであることを特徴とする請求項2
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 該TCEがテトラサイクリンに対する該微生物の暴露に応答
    して該遺伝子の機能をモデュレートするその能力を介して、標的遺伝子または遺
    伝子産物の発現を制御する遺伝子調節系であって、該TCEがレポーター遺伝子
    (RG)および標的遺伝子(TG)をコードするポリヌクレオチド配列に作動可
    能に結合した、テトラサイクリン−制御可能な転写プロモーター・ポリヌクレオ
    チド配列からなることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 該レポーター遺伝子がβ−ラクタマーゼであることを特徴と
    する請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 該微生物が、請求項1に記載の遺伝子改変に加えて、テトラ
    サイクリン耐性(または保護)およびリプレッサーDNAカセット(TRRDC
    )を含むさらなる遺伝子改変を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 該TCEがテトラサイクリンに対する該微生物の暴露に応答
    して該遺伝子の機能をモデュレートするその能力を介して、標的遺伝子または遺
    伝子産物の発現を制御する遺伝子調節系であって、該TCEがレポーター遺伝子
    および標的遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列に作動可能に結合した、テ
    トラサイクリン−制御可能な転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列からなり
    、 ここにTCE、TRRDC、RGおよびTGがすべて、調節DNAカセットま
    たはRDCということもできる、同一のDNAカセット上に存在することを特徴
    とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 TRRDCが構造遺伝子tetM、構造遺伝子tetRを含
    み、プロモーターがTCEに作動可能に結合されていることを特徴とする請求項
    6記載の方法。
  9. 【請求項9】 該2群の動物間の意味のある差が、哺乳動物に存在する生存
    率または微生物のレベルもしくは感染症のレベルにおける数学的有意差であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 該2群の動物間の意味のある差異が、群の動物の生存率に
    おける数学的有意差であることを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 群の動物の生存率における有意差が、テトラサイクリンに
    暴露された動物がテトラサイクリンに暴露されていない動物よりもより低い健康
    状態、より高い感染率、より低い生存性またはより高いレベルの微生物を有する
    ことを示すことを特徴とする請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 該TRRDCのテトラサイクリン耐性遺伝子が、スタフィ
    ロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)のtetM遺伝子からの配 列からなることを特徴とする請求項7記載の方法。
  13. 【請求項13】 該TRRDCの該テトラサイクリン・リプレッサー遺伝子
    が、Tn10トランスポゾン由来のものであることを特徴とする請求項12記載
    の方法。
  14. 【請求項14】 該Tn10トランスポゾンが、配列番号:35および36
    の配列から選択されることを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 該哺乳動物がマウスであることを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 該組換え細菌がスタフィロコッカス(Staphylococcus)種
    であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】 該スタフィロコッカス種がスタフィロコッカス・アウレウ
    ス(Staphylococcus aureus)であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  18. 【請求項18】 該微生物がウイルスであることを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  19. 【請求項19】 該微生物が下等真核生物であることを特徴とする請求項1
    記載の方法。
  20. 【請求項20】 該微生物が酵母であることを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  21. 【請求項21】 組換えエレメント(RE)およびテトラサイクリン−制御
    可能なエレメント(TCE)を含み、原核生物染色体の所定の位置に外因性ポリ
    ヌクレオチド配列を組み込んで内因性原核生物遺伝子を作動可能に制御するため
    の単離DNA分子であって、ここに該TCEがその5'末端において該REによ って挟まれたテトラサイクリン−制御可能な原核生物転写プロモーター・ポリヌ
    クレオチド配列を含み、該REが当該単離DNA分子と原核生物染色体との間の
    相同性組換えに十分な長さのさらなるポリヌクレオチド配列を含むことを特徴と
    する該単離DNA分子。
  22. 【請求項22】 さらに、該TCEに作動可能に結合したレポーター遺伝子
    をコードするポリヌクレオチド配列を含む請求項21記載の単離DNA分子。
  23. 【請求項23】 該レポーター遺伝子がベータ−ラクタマーゼであることを
    特徴とする請求項22記載の単離DNA分子。
  24. 【請求項24】 さらに、REとTCEとの間に位置する少なくとも1つの
    原核生物転写ターミネーター・ポリヌクレオチド配列を含む請求項21記載の単
    離DNA分子。
  25. 【請求項25】 さらに、REとTCEとの間に位置する原核生物転写プロ
    モーター・ポリヌクレオチド配列に作動可能に結合した原核生物テトラサイクリ
    ン耐性タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を含むことを特徴とする請
    求項21記載の単離DNA分子。
  26. 【請求項26】 該テトラサイクリン耐性タンパク質がスタフィロコッカス
    ・アウレウス(Staphylococcus auresu)のtetM遺伝子由来のものであるこ とを特徴とする請求項25記載の単離DNA分子。
  27. 【請求項27】 さらに、REとTCEとの間に位置するテトラサイクリン
    −制御可能な原核生物転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列に作動可能に結
    合した原核生物テトラサイクリン・リプレッサータンパク質をコードするポリヌ
    クレオチド配列を含むことを特徴とする請求項21記載の単離DNA分子。
  28. 【請求項28】 該テトラサイクリン・リプレッサーがTn10トランスポ
    ゾン由来のtetR遺伝子であることを特徴とする請求項27記載の単離DNA
    分子。
  29. 【請求項29】 宿主細胞の形質転換に好適な形態で請求項21記載の単離
    DNA分子を含む組換えベクター。
  30. 【請求項30】 請求項29記載の組換えベクターを含む宿主。
  31. 【請求項31】 DNA分子が宿主細胞染色体の所定の位置に組み込まれる
    請求項21記載のDNA分子を含む原核生物宿主細胞。
  32. 【請求項32】 該組換えエレメントが配列番号:40、41、42および
    43から選択されるポリヌクレオチドからなることを特徴とする請求項21記載
    の単離DNA分子。
  33. 【請求項33】 該組換えエレメントが配列番号:44および45から選択
    されるポリヌクレオチドからなることを特徴とする請求項21記載の単離DNA
    分子。
  34. 【請求項34】 該テトラサイクリン−制御可能なエレメントがポリヌクレ
    オチド配列番号:37からなることを特徴とする請求項21記載の単離DNA分
    子。
  35. 【請求項35】 さらに、該テトラサイクリン−制御可能なエレメントに作
    動可能に結合したレポーター遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列を含むこ
    とを特徴とする請求項21記載の単離DNA分子。
  36. 【請求項36】 該テトラサイクリン−制御可能なエレメントがポリヌクレ
    オチド配列番号:37からなることを特徴とする請求項21記載の単離DNA分
    子。
  37. 【請求項37】 該レポーター遺伝子がベータ−ラクタマーゼであることを
    特徴とする請求項21記載の単離DNA分子。
  38. 【請求項38】 該レポーター遺伝子が配列番号:38および39から選択
    されるベータ−ラクタマーゼであることを特徴とする請求項21記載の単離DN
    A分子。
  39. 【請求項39】 テトラサイクリン耐性タンパク質がスタフィロコッカス・
    アウレウス(Staphylococcus aureus)のtetM遺伝子由来のものであること を特徴とする請求項21記載の単離DNA分子。
  40. 【請求項40】 テトラサイクリン耐性タンパク質が、配列番号:34から
    選択されるスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)のte tM遺伝子由来のものであることを特徴とする請求項21記載の単離DNA分子
  41. 【請求項41】 テトラサイクリン・リプレッサーが、Tn10トランスポ
    ゾン由来のtetM遺伝子であって、配列番号:35および36から選択される
    ことを特徴とする請求項21記載の単離DNA分子。
  42. 【請求項42】 さらに、テトラサイクリン−制御可能なエレメントと1つ
    の組換えエレメントとの間に位置する少なくとも1つの原核生物転写ターミネー
    ター配列(配列番号:33)を含むポリヌクレオチド配列を含むことを特徴とす
    る請求項21記載の単離DNA分子。
  43. 【請求項43】 さらに、転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列に作動
    可能に結合した原核生物テトラサイクリン耐性タンパク質をコードするポリヌク
    レオチド配列を含むことを特徴とする請求項21記載の単離DNA分子。
  44. 【請求項44】 さらに、転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列に作動
    可能に結合したテトラサイクリン・リプレッサータンパク質をコードするポリヌ
    クレオチド配列を含むことを特徴とする請求項21記載の単離DNA分子。
  45. 【請求項45】 宿主細胞の形質転換に好適な形態で請求項21記載の単離
    DNA分子を含む組換えベクター。
  46. 【請求項46】 順次融合した以下のDNAエレメント: a)第1の原核生物転写ターミネーター・ポリヌクレオチド配列; b)第2の原核生物転写ターミネーター・ポリヌクレオチド配列; c)原核生物テトラサイクリン耐性タンパク質をコードするポリヌクレオチド
    配列; d)原核生物リプレッサータンパク質をコードするポリヌクレオチド配列; e)第1のテトラサイクリン−制御可能な原核生物転写プロモーター・ポリヌ
    クレオチド配列; f)第2のテトラサイクリン−制御可能な原核生物転写プロモーター・ポリヌ
    クレオチド配列;および g)レポータータンパク質をコードするポリヌクレオチド配列 を含み、標的DNA分子の所定の位置にテトラサイクリン−制御可能なエレメン
    ト(TCE)を含むポリヌクレオチド配列を組み込むための単離DNA分子であ
    って;当該単離DNA分子が、所定の位置における単離DNA分子と標的DNA
    分子との間の相同性組換えに十分な長さのさらなるポリヌクレオチド配列によっ
    て該レポータータンパク質をコードするポリヌクレオチド配列の反対側の末端で
    挟まれたTCEを含むポリヌクレオチド配列を含むことを特徴とする単離DNA
    分子。
  47. 【請求項47】 宿主細胞の形質転換に好適な形態で請求項46記載の単離
    DNA分子を含む組換えベクター。
  48. 【請求項48】 DNA分子が宿主細胞染色体の所定の位置に組み込まれて
    いる請求項46記載のDNA分子を含む原核生物宿主細胞。
  49. 【請求項49】 該組換えエレメントが、配列番号:40、41、42およ
    び43から選択されるポリヌクレオチドからなることを特徴とする請求項46記
    載の単離DNA分子。
  50. 【請求項50】 該組換えエレメントが、配列番号:44および45から選
    択されるポリヌクレオチドからなることを特徴とする請求項46記載の単離DN
    A分子。
  51. 【請求項51】 該テトラサイクリン−制御可能なエレメントがポリヌクレ
    オチド配列番号:37からなることを特徴とする請求項46記載の単離DNA分
    子。
  52. 【請求項52】 さらに、該テトラサイクリン−制御可能なエレメントに作
    動可能に結合したレポーター遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列を含むこ
    とを特徴とする請求項46記載の単離DNA分子。
  53. 【請求項53】 該テトラサイクリン−制御可能なエレメントがポリヌクレ
    オチド配列番号:37からなることを特徴とする請求項46記載の単離DNA分
    子。
  54. 【請求項54】 該レポーター遺伝子がベータ−ラクタマーゼであることを
    特徴とする請求項46記載の単離DNA分子。
  55. 【請求項55】 該レポーター遺伝子が配列番号:38および39から選択
    されるベータ−ラクタマーゼであることを特徴とする請求項46記載の単離DN
    A分子。
  56. 【請求項56】 該テトラサイクリン・リプレッサータンパク質がスタフィ
    ロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)のtetM遺伝子由来のも のであることを特徴とする請求項46記載の単離DNA分子。
  57. 【請求項57】 該テトラサイクリン・リプレッサータンパク質が、配列番
    号:34から選択されるスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aur
    eus)のtetM由来のものであることを特徴とする請求項46記載の単離DN A分子。
  58. 【請求項58】 該テトラサイクリン・リプレッサーがTn10トランスポ
    ゾン由来のtetR遺伝子であって、配列番号:35および36から選択される
    ことを特徴とする請求項46記載の単離DNA分子。
  59. 【請求項59】 微生物遺伝子に作動可能に結合したテトラサイクリン−制
    御可能な転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列を含む単離DNA分子。
  60. 【請求項60】 該テトラサイクリン−制御可能なエレメントがポリヌクレ
    オチド配列番号:37からなることを特徴とする請求項59記載の単離DNA分
    子。
  61. 【請求項61】 さらに、該テトラサイクリン−制御可能なエレメントに作
    動可能に結合したレポーター遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列を含むこ
    とを特徴とする請求項60記載の単離DNA分子。
  62. 【請求項62】 該レポーター遺伝子がベータ−ラクタマーゼであることを
    特徴とする請求項61記載の単離DNA分子。
  63. 【請求項63】 該レポーター遺伝子が配列番号:38および39から選択
    されるベータ−ラクタマーゼであることを特徴とする請求項62記載の単離DN
    A分子。
  64. 【請求項64】 さらに、転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列に作動
    可能に結合したテトラサイクリン耐性(または保護)およびリプレッサーDNA
    カセット(TRRDC)をコードするポリヌクレオチド配列を含むことを特徴と
    する請求項59記載の単離DNA分子。
  65. 【請求項65】 さらに、転写プロモーター・ポリヌクレオチド配列に作動
    可能に結合した、原核生物テトラサイクリン耐性(または保護)およびリプレッ
    サーDNAカセット(TRRDC)をコードするポリヌクレオチド配列を含むこ
    とを特徴とする請求項64記載の単離DNA分子。
  66. 【請求項66】 該テトラサイクリン耐性(または保護)およびリプレッサ
    ーDNAカセット(TRRDC)がスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylo
    coccus aureus)のtetM遺伝子由来のものであることを特徴とする請求項6 5記載の単離DNA分子。
  67. 【請求項67】 該テトラサイクリン耐性(または保護)およびリプレッサ
    ーDNAカセット(TRRDC)が配列番号:34からなるスタフィロコッカス
    ・アウレウス(Staphylococcus aureus)のtetM遺伝子由来のものであるこ とを特徴とする請求項66記載の単離DNA分子。
  68. 【請求項68】 該テトラサイクリン耐性(または保護)およびリプレッサ
    ーDNAカセット(TRRDC)がTn10由来のテトラサイクリン・リプレッ
    サーであることを特徴とする請求項67記載の単離DNA分子。
  69. 【請求項69】 該テトラサイクリン耐性(または保護)およびリプレッサ
    ーDNAカセット(TRRDC)が配列番号:35および36のポリヌクレオチ
    ドから選択されるTn10由来のテトラサイクリン・リプレッサーであることを
    特徴とする請求項68記載の単離DNA分子。
  70. 【請求項70】 宿主細胞の形質転換に好適な形態で請求項21記載の単離
    DNA分子を含む組換えベクター。
  71. 【請求項71】 請求項70記載の組換えベクターを含む宿主細胞。
  72. 【請求項72】 宿主細胞の形質転換に好適な形態で請求項46記載の単離
    DNA分子を含む組換えベクター。
  73. 【請求項73】 請求項72記載の組換えベクターを含む宿主細胞。
  74. 【請求項74】 宿主細胞の形質転換に好適な形態で請求項59記載の単離
    DNA分子を含む組換えベクター。
  75. 【請求項75】 請求項74記載の組換えベクターを含む宿主細胞。
  76. 【請求項76】 制御された量のテトラサイクリンまたはテトラサイクリン
    ・アナログを含む培地中で原核生物細胞を培養することを含む内因性原核生物遺
    伝子の発現を調節するための方法。
  77. 【請求項77】 制御された量のテトラサイクリンまたはテトラサイクリン
    ・アナログを含む哺乳動物細胞で原核生物細胞を培養することを含む内因性原核
    生物遺伝子の発現を調節するための方法。
JP2000540255A 1998-01-16 1999-01-12 テトラサイクリン−制御可能なエレメントを用いる可能な抗微生物標的としての微生物遺伝子を確認するための自律制御系 Pending JP2002508972A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US7164098P 1998-01-16 1998-01-16
US60/071,640 1998-01-16
PCT/US1999/000371 WO1999036554A1 (en) 1998-01-16 1999-01-12 An autoregulatory system for validating microbial genes as possible antimicrobial targets using a tetracycline-controllable element

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002508972A true JP2002508972A (ja) 2002-03-26

Family

ID=22102624

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000540255A Pending JP2002508972A (ja) 1998-01-16 1999-01-12 テトラサイクリン−制御可能なエレメントを用いる可能な抗微生物標的としての微生物遺伝子を確認するための自律制御系

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP1049789A1 (ja)
JP (1) JP2002508972A (ja)
AU (1) AU2312699A (ja)
WO (1) WO1999036554A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6475726B1 (en) 1998-01-09 2002-11-05 Cubist Pharmaceuticals, Inc. Method for identifying validated target and assay combinations for drug development
US6436694B1 (en) 1998-01-09 2002-08-20 Cubist Pharmaceuticals, Inc. Regulable gene expression in gram-positive bacteria
US6846625B1 (en) 1998-01-09 2005-01-25 Cubist Pharmaceuticals, Inc. Method for identifying validated target and assay combination for drug development
US6878516B1 (en) 1998-01-16 2005-04-12 Pharmacia & Upjohn Company Autoregulatory system for validating microbial genes as possible antimicrobial targets using a tetracycline-controllable element
WO1999053079A1 (en) * 1998-03-03 1999-10-21 Cubist Pharmaceuticals, Inc. Regulable gene expression in gram-positive bacteria
US20030190740A1 (en) 1998-10-13 2003-10-09 The University Of Georgia Research Foundation, Inc Stabilized bioactive peptides and methods of identification, synthesis, and use
DE69926009D1 (de) 1998-10-13 2005-08-04 Univ Georgia Res Found Stabilisierte bioaktive peptide und methoden zu ihrer identifikation, synthese und verwendung
AU2041901A (en) 1999-11-09 2001-06-06 Elitra Pharmaceuticals, Inc. Genes essential for microbial proliferation and antisense thereto

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5866755A (en) * 1993-06-14 1999-02-02 Basf Aktiengellschaft Animals transgenic for a tetracycline-regulated transcriptional inhibitor
US5464758A (en) * 1993-06-14 1995-11-07 Gossen; Manfred Tight control of gene expression in eucaryotic cells by tetracycline-responsive promoters
DE705334T1 (de) * 1993-06-14 1999-12-30 Basf Ag Strenge kontrolle der genexpression in eukaryotischen zellen durch auf tetrazyklin ansprechende promotoren
US5654168A (en) * 1994-07-01 1997-08-05 Basf Aktiengesellschaft Tetracycline-inducible transcriptional activator and tetracycline-regulated transcription units
EP0830457A1 (en) * 1995-06-07 1998-03-25 Microcide Pharmaceuticals, Inc. Methods for evaluation of antimicrobial targets
US5851796A (en) * 1995-06-07 1998-12-22 Yale University Autoregulatory tetracycline-regulated system for inducible gene expression in eucaryotes

Also Published As

Publication number Publication date
AU2312699A (en) 1999-08-02
WO1999036554A1 (en) 1999-07-22
EP1049789A1 (en) 2000-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2021000092A (ja) 細胞工学のための方法および遺伝システム
Grohmann et al. Conjugative plasmid transfer in gram-positive bacteria
Schnorpfeil et al. Target evaluation of the non‐coding csRNAs reveals a link of the two‐component regulatory system CiaRH to competence control in S treptococcus pneumoniae R 6
Mariscal et al. Tuning gene activity by inducible and targeted regulation of gene expression in minimal bacterial cells
Wang et al. Regulation by hetC of genes required for heterocyst differentiation and cell division in Anabaena sp. strain PCC 7120
Janssen et al. YoeB toxin is activated during thermal stress
US6436694B1 (en) Regulable gene expression in gram-positive bacteria
Peñaloza-Vázquez et al. Characterization of CorR, a transcriptional activator which is required for biosynthesis of the phytotoxin coronatine
CA2223519A1 (en) Methods for evaluation of antimicrobial targets
US20140206064A1 (en) Bacterial methods
Anderson et al. The iron-responsive regulator Irr is required for wild-type expression of the gene encoding the heme transporter BhuA in Brucella abortus 2308
JP2023530967A (ja) 細菌分泌装置を含むadas
JP2002508972A (ja) テトラサイクリン−制御可能なエレメントを用いる可能な抗微生物標的としての微生物遺伝子を確認するための自律制御系
Sallam et al. New vector system for random, single-step integration of multiple copies of DNA into the Rhodococcus genome
US6017730A (en) Method of limiting the survival of genetically engineered microorganisms in their environment
Whitworth et al. Genetic dissection of the light-inducible carQRS promoter region of Myxococcus xanthus
US6878516B1 (en) Autoregulatory system for validating microbial genes as possible antimicrobial targets using a tetracycline-controllable element
Gao et al. Highly effective markerless genetic manipulation of Streptococcus suis using a mutated PheS-based counterselectable marker
US20030027286A1 (en) Bacterial promoters and methods of use
Rogers et al. Envelope stress activates expression of the twin arginine translocation (tat) system in salmonella
AU2004243585B2 (en) Archaeon expression system
JPH05304961A (ja) 大腸菌の中の異種遺伝子の発現のための構成体および方法
Afonina et al. Multiplex CRISPRi-Cas9 silencing of planktonic and stage-specific biofilm genes in Enterococcus faecalis
US6309817B1 (en) Identification of virulence determinants activators in prokaryotic pathogens
US20090075270A1 (en) Products and Methods Relating to the Use of the Endoribonuclease Kid/PemK