JP2002508768A - 3’−モノリン酸化オリゴヌクレオチド - Google Patents
3’−モノリン酸化オリゴヌクレオチドInfo
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- C07H21/00—Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids
Abstract
(57)【要約】
インビトロおよび細胞内にて、血漿中および細胞内での安定度が非修飾オリゴヌクレオチドよりも明らかに高く、ホスホロチオエート修飾オリゴヌクレオチドよりもわずかに高いことが実証され、細胞に取り込まれる能力が非修飾オリゴヌクレオチドやホスホロチオエート修飾オリゴヌクレオチドよりも高い3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチドを提供する。3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチドは非天然修飾物を含まないために、その代謝分解産物はいかなる毒性および副作用も有しない。それゆえ、治療薬として使用される時、3'モノリン酸化オリゴヌクレオチドはホスホロチオエート修飾オリゴヌクレオチドよりも好都合でかつ安全である。
Description
【発明の詳細な説明】
3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチド 発明の分野
本発明は、修飾オリゴヌクレオチドに関し、特に、毒性や副作用が少なく安定
性も増大した、治療薬として使用され得る3'-OHモノリン酸化オリゴヌクレオ
チドに関する。技術的背景
アンチセンスおよびアンチ遺伝子オリゴヌクレオチド(3重鎖形成オリゴヌク
レオチド)を含むオリゴヌクレオチドは、遺伝子発現のインヒビターとして用い
られている。これらは近年開発された新たな種類の治療的アプローチの典型を示
す(ワグナー、アールダブリュ、ネイチャー(Wagner,RW,Nature)、1994年
、372、333-335;クルーケ、エスティー、アニュ.レヴ.ファーマコル.
トキシカル.(Crook,ST,Annu.Rev.Pharmacol.Toxical.)、1992年、32
、329-376;ヘレン、シー、ユア.ジェイ.キャンサー(Helene,C,Eur.J
.Cancer)、1994年、30A、1721-1726;クルーケ、エスティー、
アンチセンス ヌクレイック アシッズ ドラッグ デヴ.(Crooke,ST,Antise
nse Nucleic Acids Drug Dev.)1996年、6、141-147)。その作用機構
は、ウイルス遺伝子の複製、転写および翻訳の抑制;ヒト体内の有害な遺伝子の
転写および翻訳の抑制;生体内RNase Hの作用を経た標的RNAの分解;
を含む。これらのオリゴヌクレオチドは低い毒性および副作用を有する高い特異
性を呈する治療薬のクラスに属する。現在臨床試験がなされているアンチセンス
のオリゴヌクレオチドの例は、抗HIV剤GEM91(第II相)、抗炎症剤IS
IS2302(第II相)、抗癌剤ISIS3521(第I相)およびISIS51
32(第I相)、AIDS患者に用いられる抗CMV網膜炎剤ISIS2922(
第III相)、慢性骨髄性白血病の治療に用いられるLR-3001(第I相)な
どである(ジェネティック エンジニアリング ニュース(Genetic Engineering
News)、1996年、16、29-34)。
オリゴヌクレオチドはヒトの体内に侵入後、標的器官や細胞を貫通し得る前に
生体内酵素により容易に分解される。それゆえ、それらはその期待される治療能
力を発揮しない(ホーク(Hoke)、ジー.ディー.(G.D.)、ら、ヌクレイック アシ
ッド レス.(Nucleic Acids Res.)、1991年、19、5734-5748)。
そこで、オリゴヌクレオチドの安定度、特に酵素分解に対するその安定度を高め
得ることが明らかに重要となる。これが出来れば、その治療効果が増加し、必要
な投与量が減少するだけでなく、治療にかかるコストや副作用の程度もいくらか
減少するであろう。
オリゴヌクレオチドの安定度を高め、ヒト体内でのその半減期を伸ばすために
、化学的および構造的修飾を含む一連の方法が研究されており、それは多くの刊
行物に報告されているごとくである。例えば、ホスホロチオエートジエステルボ
ンドがホスフェートジエステルボンドに置換する(WO9115500、199
1年);および2つのオリゴヌクレオチドがその3'および3'又は5'および5'
末端を介して結合する(EP464638、1992年);などである。現在、ほ
とんどのアンチセンスのオリゴヌクレオチドはその安定度を高めるために、化学
的修飾(ホスホチオエート修飾法が最も理想的なものの一つであると考えられて
いる)を用いる。しかしながら、そのような物質は天然物ではなく、ヒトの細胞
中で高い程度の「異物性」を示す。加えて、これらの修飾オリゴヌクレオチドの
合成にかかる費用は非修飾オリゴヌクレオチドの合成にかかる費用に比べて高く
、その天然のホスフェート ジエステル対応物よりも化学的に安定度が低い。ホ
スホロチオエート修飾オリゴヌクレオチドは、特異性なく作用し、細胞の他の生
物学的機能を逐行し得ると同時にいくらかの重要な細胞内タンパク質と結合し得
、それにより細胞がシグナルを伝達する能力にも影響を与える。これらのオリゴ
ヌクレオチドは強い免疫原性を示し、体の免疫系を刺激し得る。又、ホスホロチ
オエート ジエステル類似体の生体内代謝産物はヒトの体内で毒性の副作用を引
き起こし得る(ステイン(Stein)、CA、トレンズ イン バイオテクノロジー(T
rends in Biotechnology)、1996年、14、147-149)。本発明はそれ
ゆえ、オリゴヌクレオチドを修飾するより良い方法を開発することを目指す。発明の目的
本発明の目的は、安定度が増し、毒性および副作用が減少したオリゴヌクレオ
チドの例など、3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチドを製造することである。発明の詳細
本発明は、構造式5'd(NNN......NNN)p3'又はオリゴ(dN)-3'P(
N=A、G、C、T;p3'又は3'P=3'モノリン酸基である)を有する3'-モ
ノリン酸化オリゴヌクレオチドを製造する。3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチ
ドは、3'-ホスフェート固体相カラム(グレン リサーチ カンパニー提供の3'
-ホスフェートCPG;正式名称は、2−[2−(4,4'-ジメトキシトリチロキシ
)エチルスルホミル]エチル−サクシノイル長鎖アルキルアミノ-CPGである)上
で391EP DNAシンセサイザー(ABIカンパニー)を用いて合成され、
その後、濃アンモニア溶液中で脱保護を受ける。
酵素分解に対するこれらの3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチドの安定度を試
験した。3'→5'エキソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼに対する非修飾
オリゴヌクレオチド、3'−モノリン酸化オリゴヌクレオチド、ホスホロチオエ
ート修飾オリゴヌクレオチドおよび3'−ホスホロチオエート部分修飾オリゴヌ
クレオチドの安定度の生体内での比較において、ヘビ毒ホスホジエステラーゼを
3'→5'エキソヌクレアーゼの代わりに用い、DNase Iをヒトのエンドヌ
クレアーゼの代わりに用いた。更なる安定度の試験を血漿中および細胞内におい
て行った。結果は、3'-リン酸化オリゴヌクレオチドはヘビ毒ホスホジエステラ
ーゼに抵抗性があり、血漿および細胞内におけるその安定度は3'-非修飾又は3
'-部分修飾ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの安定度よりも明らかに高い
ことを示した。しかし、その安定度はホスホロチオエート修飾オリゴヌクレオチ
ドよりもわずかに高いだけであった。更に、3'-リン酸化は、オリゴヌクレオチ
ドが細胞内に侵入し得る速度に影響を及ぼさず、その速度はホスホロチオエート
修飾オリゴヌクレオチドよりも速かった。これらの結果は3'→5'エキソヌクレ
アーゼが血漿および細胞中に存在する主な酵素であることおよびそれが3'−O
H基質を要することを示す。オリゴヌクレオチド内の3'−OH基がリン酸化さ
れた後では、オリゴヌクレオチドはもはや3'→5'エキソヌクレアーゼの基質と
して作用し得ない。それゆえ、そのようなオリゴヌクレオチドは3'→5'エキソ
ヌクレアーゼの作用に抵抗し得、ヒト血漿中におけるその保有時間は延長され、
そのため、より効率的に標的細胞に輸送され得る。3'-モノリン酸化オリゴ
ヌクレオチドの細胞内における安定度が高められたために、それらは標的遺伝子
の相補的配列に、より効率的に結合し得る。
3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチドは、3'-ホスフェートがホスホモノエス
テラーゼにより切断された後のみ、3'→5'エキソヌクレアーゼにより分解され
得る。血漿および細胞内における3'-モノリン酸化オリゴヌクエオチドの高い安
定度はこれらの部位においてホスホモノエステラーゼ活性が低いことを示す。
加えて、DNAの複製は3'-OH末端を有するプライマーを必要とするので、
3'モノリン酸化オリゴヌクエオチドがDNAに結合するや否やそれらはウイル
スDNAの複製およびRNA逆転写を抑制する。現在使用されているアンチセン
スのオリゴヌクレオチドのほとんどは3'-OH末端を有する修飾ホスホロチオエ
ートオリゴヌクレオチオドであり、それらはウイルスDNAの複製又はRNAの
逆転写を抑制しない。さらに、3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチドは通常の塩
基対形成に影響を及ぼさないので、そのような修飾オリゴヌクレオチドは容易に
かつ特異的に標的DNA又はRNAに結合することが保証され得る。
まとめると、ウイルス又は腫瘍遺伝子などの有害遺伝子のDNA又はRNA中
の特異的配列に従って設計された3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチドは選択的
に標的DNAおよびRNAに結合し得、ウイルスDNAの複製、転写および翻訳
を抑制し得、ヒト体内の有害遺伝子の転写および翻訳を抑制し得る。それらは、
生体内RNase Hを利用して、その結合する標的RNAの分解を引き起こす
ことも出来る。それゆえ、上記のメカニズムと利点のために、3'-モノリン酸化
オリゴヌクレオチドはさらなる生物学的機能さえも有する。更に、B型肝炎ウイ
ルスに対して設計されたアンチセンスのオリゴヌクレオチドに関する研究は、3
'-モノリン酸化オリゴヌクレオチドは非修飾のオリゴヌクレオチドに比べて2倍
以上の程度でB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を抑制し得ることを示した。
本発明の利点
本発明中に記述されている3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチドは、ホスホロ
チオラート化オリゴヌクレオチドよりも安定かつ容易に細胞に取り込まれるとい
う利点を有する。さらに、リン酸基は核酸の天然成分であるので、修飾物として
のその基の使用は異物分子を体内へ導入せず、その分解代謝産物はいずれの毒性
副作用も引き起こさない。それゆえ、このシステムは他の化学的修飾法よりも安
全で、全体的に見通しても、よく用いられているホスホロチオラート化オリゴヌ
クレオチドよりも優れている。3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチドは、標的D
NAおよびRNAに選択的に結合し得、又、ウイルスDNAの複製、転写および
翻訳を抑制する。故に、3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチドは臨床において有
用な薬物になる可能性がある。図の一覧
図1 ヘビ毒ホスホジエステラーゼによる分解に対する4オリゴヌクレオチドの
抵抗性
図2 DNase Iによる分解に対する4オリゴヌクレオチドの抵抗性
図3 40%ヒト血漿内の4オリゴヌクレオチドの安定度
図4 ヒーラ(HeLa)細胞内の4オリゴヌクレオチドの安定度
図5 ヒーラ細胞細胞質内の4オリゴヌクレオチドの濃度
図6 ヒーラ細胞核内の4オリゴヌクレオチドの濃度実施例
実施例 1:3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチドおよび他のオリゴヌ
クレオチドの合成
以下の4オリゴヌクレオチドを391EP DNAシンセサイザー(ABIカ
ンパニー)にて合成した。これらのオリゴヌクレオチドおよびその3'-修飾物の
配列を以下に記載する:
1)3'OH: 5'd(ATAGGGGCAT)3'
2)3'P: 5'd(ATAGGGGCAT)P3'
3)SP: 5'd(A.T.A.G.G.G.G.C.A.G.A)3'
4)3SP: 5'd(TTGAGGATGGAGCCCTGGA.C.C.A)
3'
.はホスホロチオラート化ジエステル結合を示す。
第1のオリゴヌクレオチドは3'-OH基を有する。
第2のオリゴヌクレオチドは3'-モノリン酸基を有する。
第3のオリゴヌクレオチドは全ホスホロチオラート化ジエステル結合を含み、
3'-OH基を有する。
第4のオリゴヌクレオチドは3つのホスホロチオラート化ジエステル結合を含
み、残りの結合は、リン酸化ジエステル結合であり、3'-OH基を有する。
配列2(3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチド)を0.2μモルの3'-リン酸化
固体相カラム(グレン リサーチ カンパニー提供の3'リン酸化CPG、正式名
称は2-[2-(4,4-ジメトキシトリチロキシ)エチルスルホミル]エチル-サクシ
ノイル長鎖アルキルアミノCPGである)上で391EP DNAシンセサイザ
ー(ABIカンパニー)を用いて0.2μモルのサイクルで合成した。配列1(3'-
OHオリゴヌクレオチド)を0.2μモルのdT固体相カラム(グレン リサーチ
カンパニー)上で類似の合成サイクルを用いて合成した。配列3および4をdA
固体相カラム(グレン リサーチ カンパニー)上で、ホスホロチオラート化修飾
が必要とされる場合にチオラート化剤を酸化剤の代わりに用いたことを除く類似
の合成サイクルを用いて合成した(アイヤー(IYer)、RTら、ジェイ.オーグ.ケ
ム.(J.Org.Chem.)、1990年、55、4693−4699)。合成が完了した
後、オリゴヌクレオチド担体を回収し、保護基を除去するために濃アンモニア溶
液を用いて55℃にて15時間処理を施した。生じた溶液を除去し、真空乾燥し
、残存物を200μlの50%ホルムアミドへ溶解した。生成物を7モル/Lの
尿素-20%PAGEにて精製し、バンドをUV下で切断し、塩を除去するため
に2回蒸留のH2Oで透析し、濃縮物を−20℃で貯蔵した。生成物の量をA260
にて決定した。
実施例 2:ヘビ毒ホスホジエステラーゼに対する4オリゴヌクレオチ
ドの安定度
実施例1に記述された4オリゴヌクレオチド(3'OH、3'P、SP、3SP)
をT4ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 PNK)によりおのおの別に5'-32Pで
標識した。50pモルのオリゴヌクレオチドに50μCi[γ-32P]-ATP、2
ユニットのT4 PNK、1μlの10×バッファーおよび2回蒸留したH2O
を加え、10μlにした。混合物を37℃で1時間インキュベートし、標識され
たオリゴヌクレオチドを実施例1のようにPAGEを用いて精製した。非
標識のオリゴヌクレオチドを添加し、終濃度5μモル/Lを得、ヘビ毒ホスホジ
エステラーゼを100μU/mlまで添加し、混合物を10mモル/Lのトリス
-HCl、50mモル/LのMgCl2および0.1%の仔ウシ血清アルブミン(B
SA)を用いてpH8.0まで緩衝処理し、次いで37℃でインキュベートした。
サンプル(5μl)を0、0.5、1、1.5、2、4、8、12および24時間時
に採取し、等量のローディングバッファー(98%ホルムアミド、10mmol
/L EDTA、0.025%のキシレン シアノール FF、0.025%のブ
ロモフェノールブルー)を添加し、溶液を混合し、7モル/Lの尿素-20%PA
GE上で分析した。結果はヘビ毒ホスホジエステラーゼに対する3'P、SPお
よび3SPの抵抗性が幾分似通っていて、それらが全て3'OHよりもかなり抵
抗性があるということを示した。違いは有意であり、図1に示されている。
実施例3: DNase I(エンドヌクレアーゼ)に対する4オリゴヌ
クレオチドの安定度
実施例2のように、32P標識オリゴヌクレオチドのおのおのに非標識オリゴヌ
クレオチドを終濃度5μモルLになるように添加した。DNaseを100U/
mlになるように添加し、混合物を10mmol/Lのトリス-HCl、5mm
ol/LのMgCl2および0.1%のBSAを用いてpH8.0になるように緩
衝処理し、次いで37℃にてインキュベートした。サンプル(5μl)を0、0.
5、1、1.5、2、4、8、12および24時間時に採取し、等量のローディ
ングバッファーを添加し、溶液を混合し、7モル/Lの尿素-20%PAGE上
で分析した。結果は、DNase Iに対する3'Pの安定度はSPよりもわず
かに低いが、3'OHおよび3SPよりもかなり高いということを示した。更に
、3SPはDNase Iの作用に特に感受性がある。図2を参照されたい。
実施例 4: 40%ヒト血漿中での4オリゴヌクレオチドの安定度
実施例2のように、32P-標識オリゴヌクレオチドのおのおのに非オリゴヌク
レオチドを終濃度5μモル/Lとなるように添加した。ヒト血漿を40%になる
ように添加し、混合物を37℃でインキュベートした。サンプル(5μl)を
0、0.5、1、1.5、2、4、8、12および24時間時に採取し、等量のロ
ーディングバッファーを添加し、溶液を混合し、7モル/Lの尿素−20%PA
GE上で分析した。結果は3'Pが最も安定で、24時間のインキュベーション
の後でも、約50%が残っていた。これは他の3つのオリゴヌクレオチドよりも
明らかに勝つており、3'OHがこのシステムの中で最も安定度が低かった。図
3を参照されたい。
実施例 5: 細胞内での4オリゴヌクレオチドの安定度
ヒーラ細胞(2×105)を35mmの培養皿へ接種し、1.5mlの細胞培地(
10%のFCSを含むDMBM)を添加し、細胞を37℃にて5%CO2下で成長
させた。細胞が40%−60%コンフルエンスとなるまで成長した後、培地を廃
棄し、20μlの5'-32P標識3'OH、3'P、SP又は3SPトランスフェク
ション混合物(4μlのリポフェクチンおよび0.2μmol/Lのおのおののオ
リゴヌクレオチドを含む)を添加した。5時間インキュベートした後、トランス
フェクション混合物を廃棄し、10%のFCSを含む2mlのDMBM培地を添
加し、細胞を再び37℃にて5%CO2下でインキュベートした。細胞を5、1
2、24、36、48および72時間後に消化し、遠心分離し、ペレットを酸性
溶液で洗浄し、細胞表面からオリゴヌクレオチドを除去した(ガオ(Gao)WY、ら
、ジェイ.バイオ.ケム.1990年、265、20172−20178;ラッパ
レイネン K(Lappalainen K).ら、バイオケム.バイオフィズ.アクタ.(Biochim
.Biophys.Acta)、1994年、1196、201-208を参照されたい)。次
いで1mlのTES溶液(20mmol/LトリスHClpH8.0、10mmol
/L EDTA、1%SDS)を添加することにより室温で10分間細胞を溶解
した。混合物を有機相(フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール 5
0:48:2)で2回抽出し、2倍量の無水エタノールを添加してDNAを沈殿
させ、沈殿を10μlの蒸留水に溶解した。DNAを7mol/L尿素-15%
PAGE上で分析し、放射能写真撮影し、黒色密度を測定した。5時間の培養後
に残っている全長のオリゴヌクレオチドの量を100%として、様々な培養時間
の後の細胞内に残っている完全長のオリゴヌクレオチドの量を5時間の培養後に
残っている全長のオリゴヌクレオチドの量に対する比率として決
定した。
結果は、ヒーラ細胞において、3P'は3SPや3'OHよりも明らかにより安定
であり、SPは比較的安定であることを示した。図4を参照されたい。
実施例 6: 細胞内の4オリゴヌクレオチドの分布
ヒーラ細胞(5×104)を12穴のプレート内へ接種し、0.5mlの細胞培地
(10%FCSを含むDMBM)を添加し、細胞を37℃で5%CO2下で成長さ
せた。細胞が40%−60%コンフルエンスとなるまで成長した後、培地を廃棄
し、100μlの5'-32P標識3'OH、3'p、SP又は3SPトランスフェク
ション混合物(4μlのリポフェクチンおよび0.2μmol/Lの各オリゴヌク
レオチドを含む)を添加した。標本を3連で調製した。インキュベートの5時間
後、10%FCSを含む400μlのDMBM培地を添加し、細胞を再び37℃
にて5%CO2下でインキュベートした。0、2、4、8、18、24および3
0時間後、細胞培地を廃棄し、細胞を0.5mlPBSで一度洗浄し、100μ
lのトリプシンで6分間分解し、次いで10%FCSを含む100μlのDMB
Mを添加した。細胞数を3回数え、平均数を出し、次いで5000rpmで遠心
分離した。実施例5のように、ペレットを酸性溶液で洗浄し、オリゴヌクレオチ
ドを細胞表面から除去した。細胞質と核を分離し(ウェイントローブ H(Weintr
aub H)、ら、セル.1983年、32、1191-1203)、細胞質および核に
含まれる放射能を測定した。異なる時間に細胞質および核に含まれる3'OH、
3'P、SPおよび3SPを計算し、3標本について、平均を取った。細胞質お
よび核における3'OH、3'P、SPおよび3SPの濃度を図5および6に示す
。試験条件下で、3'OHと3'Pは細胞核にSPや3SPよりも速く侵入し、S
Pは比較的ゆっくりと、3SPは全部の中で最も遅く侵入した。3SPが比較的
長いオリゴヌクレオチドであるのに対し、3'OHおよび3'Pは同じ長さであり
、SPは特に長い核酸を有する。結果から分かるように、3'-モノリン酸化修飾
はオリゴヌクレオチドが細胞に侵入するスピードに影響を及ぼさない。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY,
DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I
T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ
,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,
NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L
S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ
,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL
,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,
BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E
E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU
,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M
D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL
,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,
SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U
Z,VN,YU,ZW
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 構造: 5'd(NNN... ...NNN)p3'又はオリゴ(dN)-3P'(N=A、 G、C、T) により特徴付けられる、3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチドのクラス。 2. 3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチドが標的DNAおよびRNAに結合し 、ウイルスおよび有害遺伝子の複製、転写および翻訳を抑制し、治療薬として使 用され得る、請求項1に記載された3'-モノリン酸化オリゴヌクレオチドの使用 。
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