JP2002508766A - 心不全の治療方法 - Google Patents

心不全の治療方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は心不全の治療方法を提供する。本方法は、筋変力作用陽性剤とβ−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストを特定の様式で投与することを含む。

Description

【発明の詳細な説明】 心不全の治療方法 発明の分野 本発明は心不全の治療方法に関する。より詳細には、本発明は、筋変力作用陽 性剤とβ−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストを用いる心不全の治療 方法に関する。 発明の背景 心臓異常又は心臓機能不全を徴候とする種々のヒトの疾患や状態は、心不全に 至りうる。心不全は、身体の代謝組織の要求と同量の速度で血液を心臓が送るこ とができない生理的に病理的な状態である。心臓が機能不全になり始めると、心 臓機能調節の生理的機構が働き、心拍数と収縮性が増大する。 心臓機能の調節を荷う機構のうちで最重要な機構は、アドレナリン作動性経路 である。正常の心臓においては、これらの経路は、循環の必要性に応じて心臓機 能を急速に増加又は減少させることによって、心臓のポンプ性能が増大した循環 の必要性を満たすことを可能とする役割を大きく果たす。これらの経路の細胞作 用は、アドレナリン作動性レセプターと言われる一ファミリのレセプターによっ て仲介される。2種のβ−アドレナリン作動性レセプターサブタイプ、β1とβ2 がある。それらは、刺激されると、G−タンパク質共役シグナル伝達カスケード を開始させ、ポンプ性能の即時的刺激が起る。図1参照。 心臓が機能不全になり始めると、アドレナリン作動性活性は、交換神経活性の 増大、前シナプスのノルエピエンフリン放出の促進、そして最後に、神経のノル エピネフリン再吸収の減少によって刺激される。循環エピネフリンの増大も心臓 β−アドレナリン作動性レセプターを、特に心不全の初期相において、刺激する 。 心不全において、β−アドレナリン作動性機構によるポンプ性能の即時的刺激 は次に、心臓機能を安定化させる、又は増大させる2つの更なる手段によって補 助される。これらは血漿体積の増大と心筋細胞の肥大である。血漿体積の増大は 前負荷を増大させ、そして、心筋細胞の肥大により、心筋細胞はより収縮性の要 素となる。これらの更なる心臓機能を仲介する細胞下機構は、心筋細胞経路のう ちで、β−アドレナリン作動性レセプター経路とα1−アドレナリン作動性レセ プター経路を含む。 機能不全の心室心筋において、高いレベルの同族のアゴニストに曝されると、 アドレナリン作動性レセプターの調節的変化が起る。特に、β1−アドレナリン 作動性レセプターはレセプタータンパク質のダウン−レギュレーション又は消失 を示し、また、シグナル伝達応答と部分的に共役しなくなりうる。β2−アドレ ナリン作動性レセプターはダウン−レギュレーションしないが、シグナル伝達応 答とは弱く非共役になる。α1−アドレナリン作動性レセプターは僅かにアプ− レギュレーションを起こし、シグナル伝達応答とは部分的に非共役となる。アド レナリン作動性レセプターの発現とシグナル伝達におけるこれらの変化により、 部分的に心筋細胞が慢性刺激を受けないようになる。もっとも、幾分かのアドレ ナリン作動性機能は残る。しかし、アゴニストへの曝露の増大は、残りのアドレ ナリン作動性シグナル伝達機能を慢性的に刺激しつづけ、アドレナリン作動性シ ステムの調節効果の折衷に至る。従って、要求に応じて心臓機能を急速に、かつ かなり、増加させる、又は減少させるアドレナリン作動性システムの主要な機能 的能力は折衷され、一方、心臓機能への慢性刺激の有害影響は残る。 β−アドレナリン作動性レセプター機能を阻害し、アドレナリン作動性経路を 介する慢性心筋刺激の有害な影響を取り除く多数の化合物が同定され、用いられ てきている。しばしばβ−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト、β− アドレナリン作動性アンタゴニスト又はβ−ブロッカーと言われるこれらの化合 物は、β−アドレナリン作動性レセプターと相互作用し、それによって、内因性 アゴニストによる細胞のシグナル伝達を阻害又は防止する。レセプターサブタイ プ特異性、アドレナリン作動性レセプター発現に対する効果、及びアドレナリン 作動性レセプターシグナル伝達に対する効果などの種々の点で、β−アドレナリ ン作動性アンタゴニストは、互いに異なりうる。 β−アドレナリン作動性アンタゴニストは、心不全の患者に使用するための重 要な治療上の道具であるが、これらの薬剤は、徐脈、心筋抑制、呼吸困難、易疲 労性、流体保持、及び心不全の悪化などの副作用を引き起こす。β−アドレナリ ン作動性アンタゴニストの望ましくない副作用を起こす特徴は論争されており、 よく理解されていない。Kelly and Smith,Heart Disease:A Textbook Of Cardio vascular Medicine,16章488頁(5版,Braunwald編,1997)参照。 研究されてきた心不全の別の治療は、筋変力作用陽性剤の使用である。筋変力 作用陽性剤は心筋収縮性を強め、収縮機能調節に関与するシグナル伝達経路の第 2メッセンジャーを介しそれらの効果を発揮する(図1に図示)。表1は、種々の 筋変力作用陽性剤の筋変力作用陽性応答の仲介に関与する第2メッセンジャーを 記載する。表1に示すように、筋変力作用陽性剤は、細胞効果を仲介する限られ た数の第2メッセンジャーのみを使用し、ある種のものは2つ以上の第2メッセ ンジャーを使用する。表2は、3つの最も普通に観察される第2メッセンジャー と、心拍数、心臓収縮性、及び血管拡張の増大などの心臓と血管平滑筋における 重要なプロセスに対する効果を記載する。表2に示すように、細胞内第2メッセ ンジャーであるサイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)のみが血管拡張と 筋変力作用陽性効果を生じさせることができる。サイクリックAMPはまた心拍 数の増加、即ち心不全薬物療法に対する大きな逆効果を生じさせる。更に、全て の筋変力作用陽性第2メッセンジャーは通常、投与量と連関した不整脈発生の危 険性を有する。 表1.種々のクラスの筋変力作用陽性剤によって用いられる第2メッセンジャー表2.心臓血管系応答に対する第2メッセンジャーの効果 1970年代後期と1980年代前期において、心臓病学者や医師による筋変 力作用陽性剤の可能性を高度に認めることは、機能不全の心臓の特徴である心筋 収縮における本質的な欠陥を薬理的に逆転することによって、心不全プロセスを 治療できるという直感的な信念に基づいていた。心不全は長さ−張力関係におけ る下向き/右向きシフトを特徴とし、筋変力作用陽性剤は、この関係を上向き、 かっ左向きにシフトさせるので[Katz,J.Am.Coll.Cardiol.,1,42-51(1983)]、こ の型の治療が機能不全の心臓を助けるのは論理的であるようである。不幸にも、 この考えは、キサモテロール、及び見込みのある無作為化ミルリノン生存評価( PROMISE)試験によって反証された。これらはそれぞれ、β−アドレナリ ン作動性レセプター部分的アゴニスト(キサモテロール)とホスホジエステラー ゼ阻害剤(ミルリノン)は、心不全の患者の死亡率を増加させることを示した。 The Xamoterol in Severe Heart Failure Study Group,Lancet,336,1-6(1990); Packerら,for the PROMISE Study Group,N.Engl.J.Med.,325,1468-1475(1991)。 PROMISE試験によって、筋変力作用陽性剤治療は外来の心不全に対する答 えであるという単純なパラダイムは終止符をうった。特に、心不全分野における 影響力のあるオピニオンリーダーたちは、筋変力作用陽性機構を介し作用する薬 剤は全て、心不全の自然歴に有害な影響を与えるようであるということを確信を もって論議した。Packer,Lancet,340,92-95(1992)。 進行した後期段階の心不全において、β−アドレナリン作動性アンタゴニスト は使用できない。利用できる唯一の治療はしばしば静脈内筋変力作用陽性剤であ る。静脈内筋変力作用剤を注射される患者は通常、気分が良くなり、短時間血行 力学が改善されるが、この治療は高価であり、死亡率を増加させる可能性をもつ 。経口形態の筋変力作用陽性剤を含む筋変力作用陽性剤治療の他の使用は、上記 の死亡率の増加のために捨て去られた。 筋変力作用陽性剤の副作用の多くは、アンジオテンシン転換酵素(ACE)阻 害剤やβ−アドレナリン作動性アンタゴニストのような神経ホルモン活性化のア ンタゴニストによる同時治療によって理論的に改善されうるということが示唆さ れた。Bristow and Lowes,Coronary Artery Disease,5,112-118(1994)。ACE 阻害剤による実際の結果が組み合わされた。同書。2つの小さな非制御の研究に よって、筋変力作用陽性剤とβ−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト の使用に対する予備的な支持が得られる。Galieら,Cardiovasc.Drugs Ther.,7,3 37-347(1993);Gilbertら,Clin Res.,40,259A(1992)。しかし、これらの研 究の結果は研究で用いられた特定の条件に限定され、外挿されることはできない 。Galieら,Cardiovasc.Drugs Ther.,Vol.7,pp.307-347(1993)。また、この治療 が有用であると考えることができる前に、より大きな制御された研究が必要であ る。Bristow and Lowes,Coronary Artery Disease,5,112-118(1994)。 慢性心不全は、医学的治療にも関わらず高程度の罹病率と死亡率を有する進行 性疾患症候群である。心臓移植は結果を改善できるが、器官ドナーの供給の限定 により、心臓移植から利益が得られうる患者の5%未満にこの治療は制限される 。慢性心不全に対する医学的治療の効果は、穏やかな、又は中程度の心不全の患 者に対するACE阻害剤によって観察された小さな効果(死亡率の減少15〜2 0%)に大きく限定されている。心不全、特に進行した後期段階の心不全に対す るより効果的な医薬治療の必要性があるのは明白である。 発明の概要 本発明は心不全の治療方法を提供する。本方法は、心不全の患者が血行力学的 かつ臨床的に安定するまで、該患者に有効量の筋変力作用陽性剤を投与すること を含む。次いで、β−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストを該患者に 投与する。その投与は、低投与量で始め、有効投与量まで徐々に増加させる。筋 変力作用陽性剤とβ−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストの両方の有 効投与量の投与は無期限に続けることができる。しかし、好ましくは、筋変力作 用陽性剤とβ−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストを最低2ケ月併用 して投与した後、筋変力作用陽性剤の投与量は、患者の血行力学的かつ臨床的安 定性を減少させない最小可能投与量まで徐々に減少させ、最適には投与を全く止 める。 図面の簡単な説明 図1は、収縮機能を調節するのに関与するシグナル伝達機構を示す心筋細胞の 図である。この図は、種々のレセプターアゴニストに対するサイクリックアデノ シン一リン酸(cAMP)依存性経路及びcAMP非依存性経路を示す。Gs, 刺激性Gタンパク質;Gi,阻害性Gタンパク質;C,アデニリルシクラーゼ; PDE,ホスホジエステラーゼ。Gsはアデニリルシクラーゼの刺激を仲介し、 それによって、細胞内cAMPの上昇を引き起こし、代わって今度はcAMPが 、筋細胞膜中のCa++チャネルを通る心筋細胞内へのCa++流入を刺激し、筋小 胞体によるCa++取入れを加速する。Giはアデニリルシクラーゼの阻害を仲介 し、Ca++移動に対して反対の効果を有する。 図2は、PROMISE試験におけるNew York Heart AssociationクラスIVの プラセボ処置患者及びコンセンサス試験におけるエナラプリル処置患者に対する 、エノキシモン(enoximone)かつメトプロロール(metoprolol)(本研究)処置患 者の生存機能曲線の比較を示す。 図3は、プラセボ、ベスナリノン(vesnarinone)、又はベスナリノンとメトプ ロロールの併用で処置されたNYHAクラスIII−V心不全患者の生存確率の時間に 対するグラフである。 本発明の現在好適である実施の形態の詳細な説明 本発明は心不全の治療方法を提供する。心不全の診断方法は当業界周知である 。Heart Disease:A Textbook Of Cardiovascular Medicine(Braunwald編,5版,19 97)参照。心不全の症状は、呼吸の短さ、作業や運動ができないこと、足や足首 のむくみ、チアノーゼ呼吸性鬱血、及び絶え間ない咳を含む。左(又は右)心室 排出画分の減少、即ち、心臓ポンプ効率の程度の減少は、心不全の最も信頼でき る診断指標である。超音波心臓検査法は通常、チャンバーの大きさと壁の厚さの 増大、種々の動きの異常、左心室拡張、及び肥大などの心不全の他の診断指標を 検出するために用いられる。 本発明の方法は、進行した後期段階の心不全の治療に特に有用であることが知 見された。後期段階の心不全は診断として、心室排出画分のかなりの減少を特徴 とする。それは臨床的に、New York Heart Association[NYHA]機能クラス IVを特徴とする。同書、12頁。患者は、不快無しに如何なる肉体的活動もでき ない。心不全又は狭心症の症状は安静時にさえ存在しうる。肉体的活動を行うと きには不快さが増大する。他のNYHA心不全分類は、NYHAクラスIは無症 状、NYHAクラスIIは日常的運動で有症状、NYHAクラスIIIは日常的運動 よりも小さい運動で有症状、というものである。同書。 如何なる筋変力作用陽性剤も、心臓グリコシドとβ−アドレナリン作動性レセ プターアゴニストを除いて、本発明の実施で使用できる。β−アゴニストは、本 発明の方法で使用されるβ−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストと競 合するであろう。更に、マルチセンター試験において、部分的β−アゴニストで あるキサモテロールは、148%をも死亡率を増大させることが知見された。Br istow and Lowes,Coronary Artery Disease,5,112-118(1994)参照。対照的に、 ホスホジエステラーゼ阻害剤ミルリノンは、24%だけ死亡率を増加させた。同 書。 筋変力作用陽性剤は第2メッセンジャーcAMPを介し作用するのが好ましい 。というのは、cAMPだけが、筋変力作用陽性効果と同様に血管拡張を引き起 こすからである(表1と2参照)。しかし、血管拡張は望ましいが、強力な血管拡 張は避けるべきである。 cAMPを介し作用する薬剤の主要な問題は、陽性の変時性効果である。心拍 数の増加は、数クラスの薬剤の生存効果と逆連関する。それらの薬剤は、アンジ オテンシン転換酵素(ACE)阻害剤、ベスナリノン、ミルリノン、フロセクイ ナン、及びプロスタサイクリンなどである。しかし、本発明の実施において、心 拍数の増加は、β−アドレナリン作動性アンタゴニストの使用によって、小さく なるか、又は完全に無くなる。 より強力な筋変力作用剤に対し、より弱い筋変力作用剤が好ましい。非不全と 不全のヒト心臓から得られた分離された右心室肉柱における7個の別々の薬剤に よって得られた最大の筋変力作用応答の比較によると、キノリノン化合物OPC −8490とOPC−18790、及びキノリンであるフロセクイナンは弱い筋 変力作用剤であり、ナトリウムチャネルアゴニストBDF−9148とホスホジ エステラーゼ阻害剤エノキシモンとミルリノンは中程度に強力であり、完全かつ 非選択的アゴニストであるイソプロテレノールは、最大の強力な筋変力作用応答 を与える。Bristow and Lowes,Coronary Artery Disease,5,112-118(1994)。 筋変力作用陽性剤の有効な投与形態、投与型、及び投与量は、経験的に決定で き、このような決定は当業界の技術の範囲内である。投与量は、使用する特定の 薬剤の活性、心不全の程度、投与経路、排泄速度、治療期間、患者に投与されて いる他の薬剤の種類、患者の年齢と体格、及び医学分野で周知の同様の因子によ り変わることは当業者に理解される。 筋変力作用陽性剤の最小有効投与量を用いるべきである。より小さい投与量の 筋変力作用陽性剤は、より大きい投与量と比べてより小さな死亡率しか生じさせ ないことが知見された。Bristow and Lowes,Coronary Artery Disease,5,112-11 8(1994);Gilbertら,Am.J.Cardiol.,60,57C-62C(1987);Leeら,J.Thorac.Cardio vasc.Surg.,102,246-258(1991);Schleman,for the Enoximone Study Group,Cir culation,84(suppl.II),11243(1991);Uretskyら,Circulation,82,774-780(1990 );Kuboら,Circulation,85,942-949(1992);Feldmanら,N.Engl.J.Med.,329,149 -155(1993)。本明細書で使用する筋変力作用剤の“最小有効投与量”は、有効な 治療効果を生じさせるのに有効な最小投 与量のことである。 好ましくは、筋変力作用治療は、安静時に最小の効果を引き起こすか、又は効 果を生じさせないが、運動時などの要求の増大時により大きい筋変力作用陽性応 答を引き起こすべきである。ホスホジエステラーゼ阻害剤は独特にこの機能を行 うことができる。というのは、運動時にアドレナリン作動性シグナル伝達の増大 を伴う、これらの薬剤によって生じたcAMPレベルの増大は、より大きな筋変 力作用効果を引き起こす。従って、ホスホジエステラーゼ阻害剤は正しい投与量 で、安静時に殆ど、又は全く筋変力作用効果を持たないが、運動時に切れ味鋭い 効果を有する。この機能は、同時のβ−アドレナリン作動性レセプター遮断によ って高められる。 筋変力作用陽性剤の投与の適切な型は、経口、鼻内、局所、経皮、直腸、及び 非経口経路などであるが、それらに限定されない。好適な非経口経路は、皮下、 皮膚内、静脈内、筋肉内、及び腹腔内経路などであるが、それらに限定されない 。 筋変力作用陽性剤は経口投与されるのが好ましい。上記のように、進行した、 後期段階の心不全患者はしばしば、静脈内筋変力作用陽性剤、典型的にはβ−ア ゴニストであるドブタミンで治療される。患者が静脈内筋変力作用陽性剤治療を 受けているならば、本発明による経口筋変力作用剤の投与量が有効投与量まで徐 々に増加するにつれ、患者への静脈内筋変力作用剤の投与量を徐々に減らすのが 好ましい。 本発明の方法において、筋変力作用陽性剤は、心不全の患者が血行力学的にか つ臨床的に安定するまで、患者に投与される。患者が血行力学的かつ臨床的に安 定になる時間は典型的には約2〜6週である。この期間、患者が肉体的に回復す るのが進行するように、筋変力作用陽性剤と他の心不全治療薬、例えば、利尿剤 、 ACE阻害剤やジゴキシンなどを最適レベルに調整する。 理想的な筋変力作用陽性剤はないが、筋変力作用陽性剤はホスホジエステラー ゼ阻害剤であることが好ましい。ホスホジエステラーゼ阻害剤は中程度の筋変力 作用剤であり、正しい投与量では、安静時に最小の効果をもたらすか、又は効果 をもたらさないが、運動時などの要求の増大時により大きな筋変力作用陽性応答 を生じさせる。ホスホジエステラーゼ阻害剤はcAMPを介してのみ作用するの で、筋変力作用効果と同様に血管拡張を引き起こす。最終的に、データが利用で きる限り、ホスホジエステラーゼ阻害剤は、他の筋変力作用陽性剤よりも増大し た死亡率を減少させる。 筋変力作用陽性剤はホスホジエステラーゼ阻害剤エノキシモンであるのが最適 である。エノキシモンの提案された一日投与量は約1〜3mg/kg/日であり 、好ましくは3回か4回に分割して投与される。しかし、該薬剤の総一日投与量 は、正常な医学判定の範囲内で主治医によって決定される。 本発明の方法において、β−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストは 、筋変力作用陽性剤の副作用を克服するために用いられる。例えば、cAMP生 産は、アドレナリン作動性レセプターからノルエピネフリンを取り除くことによ って少なくなるので、そのことによって、効果を発揮するためにcAMPの生産 に依存する筋変力作用陽性剤の作用は減少する。β−ブロッカーが心臓アドレナ リン作動性高駆動物とレセプターに対し激しく競合するとき、即ち、心筋細胞が 筋変力作用剤の支持を必要とするとき、cAMPの利用性の増大は断続的にのみ 起るはずである。β遮断剤によって全体的にアドレナリン作動性活性化の副作用 を減少させ、筋変力作用陽性剤の筋変力作用を更に利用すること、特に、神経伝 達物質放出が増大するとき、例えば運動時に断続的に利用するが可能であろう。 要するに、β−ブロッカーと筋変力作用陽性剤の併用は、心不全において、より 良 好な血行力学的性質を提供し、異常な心臓アドレナリン作動性ニューロエフェク ター機構を正常化する。 本明細書で使用する“β−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト”は 、内因性β−アドレナリン作動性レセプターアゴニスト(例えば、エピネフリン やノルエピネフリン)の効果を少なくとも部分的に遮断する化合物である。多く のβ−アドレナリン作動性アンタゴニストはまた、α−アドレナリン作動性レセ プターに結合でき、調節効果を有する。従って、本明細書で使用するβ−アドレ ナリン作動性レセプターアンタゴニストは、α−とβ−アドレナリン作動性レセ プターに結合できるアドレナリン作動性レセプターアンタゴニストを含む。 2つのβ−アドレナリン作動性レセプターサブタイプβ1とβ2は、刺激性グア ニンヌクレオチド−結合タンパク質(Gs)によって、心筋細胞の細胞表面膜上 で、エフェクター酵素、アデニリルシクラーゼと共役する。図1参照。アゴニス トがβ1又はβ2レセプターと結合するとき、Gsのαサブユニット(αGs)は 、グアノシン三リン酸(GTP)に対する結合アフィニティを増加するが、その ときグアノシンニリン酸(GDP)よりもGTPと優先的に結合する。αGs− GTP複合体はアデニリルシクラーゼ活性化の強力な刺激源である。アデニリル シクラーゼはアデノシン三リン酸(ATP)からcAMPを産生する。サイクリ ックAMPは典型的には、cAMP依存性タンパク質キナーゼA(PKA)を活 性化することによって、細胞内で効果を発揮する。代わって今度は、PKAが種 々の標的タンパク質をリン酸化し、それによって、標的タンパク質の活性を調節 する。サイクリックAMPは、筋細胞膜の遅いCa2+チャネルを通るカルシウム の流れを増大させ、小胞体によるCa2+取り込みと放出を増大させることによっ て筋変力作用陽性活性と変時性活性を発揮する。更に、β1−アドレナリン作動 性レセプターはGsを介し、cAMP非依存性経路による遅いCa2+チャネル流 入と共役する。これらの経路の活性化により、ミオシンATPase活性が増大 し、 そのために心臓ポンプ性能が増大する。 非結合アドレナリン作動性レセプターは低レベルの固有活性を有するようであ る。即ち、ある一定時に、細胞上で全アドレナリン作動性レセプターのうち小さ な割合が活性コンフォメーションである。活性コンフォメーションはより豊富な 不活性コンフォメーションと平衡にある。活性コンフォメーションのレセプター は、アゴニスト非存在下でさえ、シグナル伝達を開始させる。また、アゴニスト はレセプターの活性コンフォメーションに結合し、それを安定化し、平衡を活性 シグナル伝達コンフォメーションの方にシフトさせる。 アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストは、種々の機構を介し効果を発 揮する。ある種のアドレナリン作動性レセプターアンタゴニストは中立アンタゴ ニストとして作用する。中立アンタゴニストは、レセプターの活性と不活性のコ ンフォメーションに等しく結合する。従って、中立アンタゴニストは、アドレナ リン作動性レセプターの固有活性に効果を全く有しない。 アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストの別のクラスは、ネガティブア ンタゴニストであり、逆アゴニストとも言われる。逆アゴニストは、アドレナリ ン作動性レセプターの固有活性を阻害する。恐らく、不活性コンフォメーション に優先的に結合し、平衡を、シグナル伝達を開始させないレセプターコンフォメ ーションの方にシフトさせることによって阻害する。 他のアドレナリン作動性レセプターアンタゴニストは、固有の交感神経興奮性 活性として知られる特徴を示す。固有の交感神経興奮性活性を有するアンタゴニ ストは、部分的な、又は弱いアゴニストである。それらは、アドレナリン作動性 レセプターを活性コンフォメーションの方にほどほどにシフトさせるが、それら の結合は、より強力な内因性アゴニストの作用を遮断する。 多数のアドレナリン作動性レセプターアンタゴニストは公知である(例えば、 Heart Disease:A Textbook Of Cardiovascular Medicine,486-488頁,610-613頁, 853頁(5版,Braunwald編,1997)。それらの許容は下記のように評価できる。更な るアドレナリン作動性レセプターアンタゴニストは、当業界周知の種々の方法に よって同定できる。例えば、化合物はβ−アドレナリン作動性レセプターアンタ ゴニストであるかどうかを決定するために、125I−ヨードシアノピンドロール (ICYP)との競合結合実験を用いることができる。125I−ヨードシアノピ ンドロール(ICYP)は、β−アドレナリン作動性レセプターレセプターと選 択的に結合する化合物である。適切な条件は、Bristowら,Circulation,84,1024 -1039(1991);Chidiacら,Molec.Pharmacol.,45,490-99(1994)に記載されている 。アゴニストとの競合結合実験も、アンタゴニストを同定するために使用できる (上記アンタゴニストの記載を参照)。β1又はβ2アドレナリン作動性レセプター への結合は、幾つかの方法で区別できる。その方法は、例えば、公知のβ1又は β2特異的リガンドを用いる、又は好ましくは、β1又はβ2の一方のみのアドレ ナリン作動性レセプターを発現するように形質転換された組換え細胞を用いる競 合結合実験である(例えば、Tateら,Eur.J.Biochem.,196,357-361;Samamaら,Mol ec.Pharmacol.,45,390-94(1994);Chldiacら,Molec.Pharmacol.,45,490-99(1994) ;Yoshikawaら,Eur.HeartJ.,17(Supp.B),8-16(1996))。アドレナリン作動性レセ プターに結合する化合物は、機能アッセイ、例えばアデニリルシクラーゼ活性( 下記参照)によって、アンタゴニストであることを確認されるべきである。 本発明で使用される好適なβ−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト は、固有の交感神経興奮性活性をもたないか、それが小さいものである。好まし くは、低い逆アゴニスト活性を有するものである。本明細書で使用する低い逆ア ゴニスト活性を有するアドレナリン作動性レセプターアンタゴニストは、逆アゴ ニスト活性が50%未満、好ましくは約40%未満、より一層好ましくは約30 % 未満である。低い固有の交感神経興奮性活性を有するアドレナリン作動性レセプ ターアンタゴニストは、固有の交感神経興奮性活性が約30%未満、より好まし くは約20%未満、より一層好ましくは約10%未満である。 低い固有の交感神経興奮性活性と低い逆アゴニスト活性を有するアドレナリン 作動性レセプターアンタゴニストは、共係属中の出願第09/047,755号 に記載されているように同定されることができる。該出願の名称は“Method For Identifying Adrenergic Receptor Antagonists Having Good Tolerability” で、1998年3月25日に出願され、1997年4月3日出願の仮出願第60/043,906号の 優先権が主張されている。該出願の完全な開示は、引用により本明細書に含まれ るものとする。要約すると、基礎量のアドレナリン作動性レセプターシグナル伝 達活性を測定する。基礎量のシグナル伝達活性は、非結合アドレナリン作動性レ セプターの測定可能な固有のシグナル伝達活性のレベルであるか、又は特定量の 公知のアゴニストによる特定のレセプター(例えば、β1−アドレナリン作動性 レセプター)の刺激によって達成される活性のレベルのようなレセプターシグナ ル伝達活性の明確なレベルである。アドレナリン作動性レセプターのシグナル伝 達活性は、アドレナリン作動性レセプターのシグナル伝達によって開始される細 胞応答を測定することによって定量化することができる。例えば、アドレナリン 作動性レセプターと連関するアデニリルシクラーゼ活性、又はアドレナリン作動 性レセプターによって提供される心臓収縮性の支持、又はアドレナリン作動性レ セプターと連関するタンパク質キナーゼAのリン酸化のレベルを測定できる。ア デニリルシクラーゼ活性、心臓収縮性の支持、及びタンパク質キナーゼAのリン 酸化のレベルの測定方法は当業界公知である。例えば、Samamaら,Molec.Pharmac ol.,45,390-94(1994);Chldiacら,Molec.Pharmacol.,45,490-99(1994);Tateら,E ur.J.Biochem.,196,357-361(1991);Methods In Enzymology,volume 200,“Pro tein Phosphorylation,Part A”(Hunter and Lefton編,1991)を参照。逆アゴニ スト活性を有するアドレナリン作動性レセプ ターアンタゴニストは、例えば、基礎量のアデニリルシクラーゼ活性と比較して アデニリルシクラーゼ活性を減少させる能力、心臓収縮性支持の基礎量レベルと 比較してアドレナリン作動性レセプターによる心臓収縮性支持を阻害する能力、 及び/又はタンパク質キナーゼAのリン酸化の基礎量レベルと比較してアドレナ リン作動性レセプターと連関するタンパク質キナーゼAのリン酸化のレベルを減 少させる能力などによって、同定できる。固有の交感神経興奮性活性を有するア ドレナリン作動性レセプターアンタゴニストは、例えば、基礎量のアデニリルシ クラーゼ活性と比較してアデニリルシクラーゼ活性を増加させる能力、心臓収縮 性支持の基礎量レベルと比較してアドレナリン作動性レセプターによる心臓収縮 性支持を増加させる能力、及び/又はタンパク質キナーゼAのリン酸化の基礎量 レベルと比較してアドレナリン作動性レセプターと連関するタンパク質キナーゼ Aのリン酸化のレベルを増加させる能力などによって、同定できる。上記説明か ら分かるように、基礎量のアドレナリン作動性レセプターシグナル伝達活性、逆 アゴニスト活性、及び固有の交感神経興奮性活性は全て、単一アッセイで測定で きるので便利である。例えば、アデニリルシクラーゼ活性を測定できる。本発明 で有用なアドレナリン作動性レセプターアンタゴニストは、基礎量のアデニリル シクラーゼ活性と比較してアデニリルシクラーゼにおいて約50%以下の減少と 約30%未満の増加しか引き起こさない。 低い固有の交感神経興奮性活性と低い逆アゴニスト活性を有するアドレナリン 作動性レセプターアンタゴニストは、アドレナリン作動性レセプターアンタゴニ ストを投与する患者(即ち、アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストが患 者によって十分に許容される)に限定された副作用しかもたらさない。逆アゴニ スト活性と固有の交感神経興奮性活性が小さいほど、副作用の減少が大きい。副 作用は、アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストの薬理活性によって直接 的に、又は間接的に引き起こされる望ましくない影響又は状態である。これらの 副作用は、徐脈、心筋抑制、呼吸困難、低血圧、鬱血性心不全、喘息の悪化、慢 性閉塞性肺疾患の悪化、間欠性跛行、レイノー現象、鬱病、低血糖の危険性の増 大(インシュリン依存性糖尿病患者で)、易疲労性、不安性鮮明夢、不眠症、性 機能障害、又は流体保持などである。このような副作用の減少は、患者が経験す る異なる副作用の数、患者が経験する特定の副作用の程度の減少、又は患者が経 験する特定の副作用の発生の減少を指す。 好ましくは、本発明で使用されるβ−アドレナリン作動性アンタゴニストはメ トプロロール、カルベディロール、又はブシンドロールである。最適にはβ−ア ドレナリン作動性アンタゴニストはメトプロロールである。 β−アドレナリン作動性アンタゴニストの有効な投与形態、投与型、及び投与 量は、経験的に決定でき、このような決定は当業界の技術の範囲内である。投与 量は、使用する特定の薬剤の活性、心不全の程度、投与経路、排泄速度、治療期 間、患者に投与されている他の薬剤の種類、患者の年齢と体格、及び医学分野で 周知の同様の因子により変わることは当業者に理解される。 投与の適切な型は、経口、鼻内、局所、経皮、直腸、及び非経口経路などであ るが、それらに限定されない。好適な非経口経路は、皮下、皮膚内、静脈内、筋 肉内、及び腹腔内経路などであるが、それらに限定されない。経口投与が好まし い。 本発明の方法において、β−アドレナリン作動性アンタゴニストの低投与量の 投与は、筋変力作用陽性剤を投与される患者が血行力学的かつ臨床的に安定した 後、始められる。β−アドレナリン作動性アンタゴニストの量は、有効投与量が 達成されるまで徐々に増加させる。β−アドレナリン作動性アンタゴニストの有 効一日投与量は、治療効果を生じさせるのに有効な最小投与量である薬剤の量で あり、かつ患者の血行力学的安定性と臨床的安定性を維持する薬剤の量である。 メトプロロールの提案された一日投与量は約100〜200mg/日であり、カ ルベディロールの提案された一日投与量は約50mg/日であり、ブシンドロー ルの提案された一日投与量は約100mg/日である。しかし、上記の、又は他 のβ−アドレナリン作動性アンタゴニストの総一日投与量は、正常な医学判定の 範囲内で主治医によって決定される。所望ならば、有効一日投与量は、2回、3 回、4回、5回、6回以上に分けて投与できる、即ち一日を通し適当な間隔で分 離して投与できる。 一般的に、β−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストの初めの投与の “低投与量”は、期待される最終有効投与量の約5〜10%である。従って、メ トプロロールの提案された低投与量は約5〜20mg/日、カルベディロールの 提案された低投与量は約2.5〜5.0mg/日、ブシンドロールの提案された 低投与量は約5〜10mg/日である。 β−ブロッカーと筋変力作用陽性剤の十分に有効な投与量の併用による治療は 、無期限に続けることができる。しかし、好ましくは、筋変力作用陽性剤の投与 量は、患者の血行力学的かつ臨床的安定性を小さくしない最小可能投与量まで徐 々に減少させる。可能ならば、筋変力作用陽性剤の投与は全く止める。 筋変力作用陽性剤の投与量を減少させる試みは、患者が安定するまで、好まし くは、左心室排出画分の改善によって評価される心筋機能の改善も示すまで、始 めるべきではない。一般的には、筋変力作用陽性剤とβ−アドレナリン作動性レ セプターアンタゴニストは最低2ケ月併用して投与されるべきであり、その後、 筋変力作用陽性剤の投与量を減少させる試みがなされる。 筋変力作用陽性剤を止めることは好ましくは、患者への筋変力作用陽性剤の投 与を完全に止めるまで、筋変力作用陽性剤を一週につき50%ずつ減少させるこ とによって達成される。臨床的悪化は普通であるが、それが起るのならば、筋変 力作用陽性剤は、臨床的安定性と連関する以前の投与量に戻すべきである。 患者の大部分は、筋変力作用陽性剤とβ−アドレナリン作動性アンタゴニスト の併用で良好である。しかし、約1/3については、筋変力作用剤を止めること ができる。 以下の実験結果を例示のために記載する。実験結果は、本発明の範囲を制限す るものではない。 実施例 実施例1:エノキシモンとメトプロロールの併用による心不全の治療 A.患者集団 重度の収縮期機能不全を有する末期段階の難治性心不全の患者らであって、静 脈内(i.v.)筋変力作用陽性剤治療を受けているか、又は受けておらず、心不全 代償不全のために入院しており、又は最近入院した前記患者らを、本研究では被 験者とした。研究集団の個体群統計学的詳細とベースラインデータは表3に示す 。ベースラインとは、下記の治療を始める前の患者の状態を指す。 表3.ベースライン及び個体群統計学的データB.治療 1.フェーズ1:筋変力作用陽性剤の経口投与による安定化 筋変力作用陽性剤であるエノキシモンを経口投与した。3回又は4回の分割投 与で1.0−2.0mg/kg/日(例えば、0.25mg/kg q.i.d.)の投与量 で始める。その経口筋変力作用剤の投与量を増加するにつれ、i.v.筋変力作用剤 の投与を中止した(投与しているならば)。i.v.筋変力作用剤は典型的にはβ−ア ドレナリン作動性レセプターアゴニストであるドブタミンであった。患者に対し i.v.筋変力作用剤の投与を完全に止め、血行力学的かつ臨床的に安定したとき( 正常の精神、及び安定で満足のいく腎肺機能)、患者を段々に歩かせ、最終的に は病院から退院させた。 2.フェーズ2:外来患者セッティングにおける経口心不全薬の調整 次の2〜6週間、患者が肉体的に段々と回復するにつれ、利尿剤、ACE阻害 剤、ジゴキシン及びエノキシモンを含む経口心不全薬を最適レベルに調整した。 3.フェーズ3:経口β−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト( β−ブロッカー)治療の設定 患者が安定すると、エノキシモンに加えてβ−アドレナリン作動性レセプター アンタゴニストであるメトプロロールの低投与量(6.25mg/日)での経口投与を 始めた。次いで、メトプロロールを標準的有効投与量(典型的には、100−2 00mg/日、1日につき1回、2回又は3回投与)に上昇させた。メトプロロ ールとエノキシモンの十分な投与量の併用による治療を2〜4月間続けた。 4.フェーズ4:筋変力作用陽性剤の投与中止の試み 心筋機能において安定で、かつ改善を示した患者(LVEF改善≧5EFユニ ット)において、エノキシモンの投与を中止し、メトプロロールだけによる治療 を続ける試みを行った。このことは、エノキシモン投与量を1週につき50%減 らし、最終的に患者に対しエノキシモン投与を中止することによって行った。臨 床的悪化は普通のことであるが、悪化が起ったときには、臨床的安定性と連関す る以前の投与量までエノキシモンを戻した。患者の大部分は、エノキシモンとメ トプロロールの併用で良好であったが、約1/3については、エノキシモン投与 を中止した。 5.フェーズ5:長期間治療 メトプロロールだけ、又はエノキシモンとメトプロロールの併用による治療を 無期限に、又は心臓移植が可能になるまで続けた。 C.治療結果 SASソフトウエア(SAS Institute,Cary,NC)を、全ての統計学的解析に用 いた。全ての試験は2サイドで行い、有意レベルは0.05と設定した。適切な 場合、データは、平均±平均の標準誤差(SEM)として表した。対のデータ( ベースライン及び治療)を対のt−試験で解析し、又は対の差異の分布が正規で なければ、サイン試験で解析した。 生存曲線と信頼区間は保険統計法で算定した。移植を受ける患者の生存データ は移植の時点で削除した。コンセンサス試験とPROMISE試験の生存曲線は 、発行済データ[The CONSENSUS Trial Study Group.Results of the Cooperati ve North Scandinavian Enalapril Survival Study(CONSENSUS).N.Engl.J.Med., 316,1429-35(1987);Packerら,for the PROMISE Study Research Group,N.Engl. J.Med.,325,1468-75(1991)]から算定した。対数ランク試験を用いて、それらを 、本研究の患者の生存データと比較した(図2参照)。 1.治療許容度 本研究で治療した患者30人のうち、29人(96%)が筋変力作用陽性剤で あるエノキシモンを許容した。i.v.筋変力作用剤の投与を受けていた18人の患 者全ては、経口治療のためにi.v.投与を中止した。 24人の患者(80%)がβ−ブロッカーであるメトプロロールを許容した。 5人は許容せず、患者1人は、β−ブロッカー治療を開始できる前に心臓移植を 受けた。エノキシモンとメトプロロールの併用で治療された患者23人のうち、 11人(48%)についてはβ−ブロッカーの投与を中止し、12人(52%) は、併用で臨床的により安定であった。併用の平均治療期問は9.4±1.8月 であった。追跡調査(移植まで)の平均の長さは20.9±3.9月であった。 これらの患者で使用されたエノキシモンの平均投与量は189±13mg/日 であり、メトプロロールの平均投与量は113±9mg/日であった。 2.心拍数と左心室(LV)機能に対する効果 下記の表4から分かるように、筋変力作用陽性剤とβ−ブロッカーの併用は、 ベースラインレベルと比較して、LV機能の改善と心拍数の顕著な減少と連関す る。LV機能の改善と心拍数の顕著な減少は両方とも、次なる臨床結果を予測す る観点から好ましい効果である。両方の変化は統計的に有意であった。 表4.左心室機能と心拍数に対する効果 3.心不全症状と入院に対する効果 筋変力作用陽性剤であるエノキシモンとβ−遮断剤であるメトプロロールの併 用によって、New York Heart Association(NYHA)機能分類で評価した症状が小 さくなった(表5参照)。表5に示すように、治療開始前の入院年数と比較して、 併用によってまた、入院年数が少なくなる傾向であった。 表5.入院とHYHAに対する効果 4.臨床結果 治療患者30人について追跡調査の最後(平均20.9±3.9月)での臨床結果を 表6に示す。 表6.臨床結果 5.他の治療との比較 本研究の上記結果を、後期段階の心不全の他の治療を用いて得られた結果と比 較した。特に、コンセンサス試験におけるエナラプリル治療のクラスIV患者(N.E ngl.J.Med.1987,316:1429-35)と、PROMISE試験におけるプラセボ群(標 準的治療)クラスIV患者(N.Engl.J.Med.1991,325:1468-75)と比較した。 本研究での患者の算定生存率は、6月で96%(88−100%)、1年で81 %(64−98%)、2年で69%(49−90%)であった(括弧内は95%信 頼区間)。これらの結果は、コンセンサス試験におけるエナラプリル治療クラスI V患者(およその保険統計学上の1年生存率=54%)の場合よりも有意に良好 であった(p=0.01)。コンセンサス試験では、エナラプリル(ACE阻害剤 )はプラセボより有意に良好であると知見されていた。 同様に、本研究の結果は、PROMISE試験の標準的治療クラスIV患者(お よその保険統計学上の1年生存率=61%)の場合よりも有意に良好であった(p =0.03)。PROMISE試験では、標準的治療はミルリノンよりも有意に 良好であると知見されていた。図2は3つの研究における算定生存曲線を示す。 4つの論文で、別の比較が検討された。 これらの4つの論文で報告された研究結果と本研究の結果との比較により、以 下の観察がなされた。 a)本研究において、ベースラインで、NYHAクラス(平均=4.0)は、他の 研究(それぞれ、平均=3.4,2.8,3.4,3.2)よりかなり悪かった。 b)本研究のベースラインで、心拍数(平均=101)は、心拍数が測定された他 の研究(Baimら,77及びPackerら,84)よりかなり悪かった。本研究における心 拍数は大きく改善されたが、Baimらの研究での心拍数は悪化した。 c)本研究において患者の入院の割合が改善される傾向を有した(患者1人当た り1年当たり2.3から1.0へ)。Packerらの研究とCowleyらの研究における患者の 割合も改善された。他の2つの研究では、割合は記載されていない。 d)本研究のLVEFは、18から28へ(p=0.01)かなり改善された。 その改善は、LVEFが報告された他の研究におけるよりもずっと大きかった。 e)全ての研究について、追跡調査の平均長さを補正すると、本研究の死亡率は 他の研究におけるよりも小さく、保険統計上の生存率は他の研究におけるよりも 良好である。本研究の患者のベースライン状態はより悪いけれども(上記a)参 照)。 実施例2:ベスナリノンとメトプロロールの併用による心不全の治療 ベスナリノンは別の筋変力作用陽性剤であるが、エノキシモンとは作用機構が 異なる。穏やかなホスホジエステラーゼ阻害に加えて、ベスナリノンはまた、ナ トリウムチャネルの開口を延長することによって、カリウム電流を減少させ、細 胞内ナトリウムを増加させる。Feldmanら,New Eng.J.Med.,329,149-155(1993);T iaraら,“Model and mechanism of action of 3,4-dihydro-6-[4-(3,4-dimethox ybenzoyl)-1-piperzainyl]-2(1H)-quinolinone(OPC-8212),anovel positive ino tropic drug,on the dog heart,”Arzneim-Forsch Drug Res.,34(I):3a,1984参 照。8人のNYHAクラスIII-IV心不全患者を、本質的に実施例1に記載のようにベ スナリノンとメトプロロールで治療した。プラセボ又はベスナリノン単独を投与 された臨床試験(VEST試験)の他のNYHAクラスIII-IV心不全患者を対照とし て用いた。最終投与量はプラセボ(VEST試験)で60mg/日、ベスナリノ ン(VEST試験)で60mg/日、併用では(本研究)ベスナリノン60mg /日とメトプロロール100mg/日であった。 結果を図3に示す。図3から分かるように、VEST試験では、ベスナリノン 治療は、ブラセボと比較して死亡率の増大と連関していた(p=0.01)。しか し、ベスナリノンとメトプロロールで治療した患者では、生存は良好である傾向 を有した(ベスナリノンに対しp=0.08)。8人の代わりに、22人の患者が ベスナリノンとメトプロロールの併用で治療されたならば、p値は0.05であ ろう。それは、小さなサンプルサイズが統計的有意性の達成を妨害したことを示 す。 一緒に考え合わせて、エノキシモンとベスナリノンの両方のデータは、筋変力 作用陽性剤治療へβ−遮断を加えることは、筋変力作用陽性剤のみによる治療と 比較して、実行可能であり、死亡率などの有害事象が減少する。 本発明の種々の実施態様を詳細に説明したが、これらの実施態様の改変や適合 が当業者によってなされるのは明白である。しかし、このような改変や適合は、 請求の範囲に記載の本発明の範囲内であることを理解すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 A61P 43/00 111 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 心不全の治療方法において、 心不全の患者が血行力学的かつ臨床的に安定するまで、有効量の筋変力作用陽性 剤を前記患者に投与すること; 次いで、低投与量のβ−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストを前記患 者に投与すること; 前記β−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストの投与量を有効投与量ま で徐々に増加させること;及び 前記筋変力作用陽性剤と前記β−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト の両方の有効投与量を投与することを続けること; を特徴とする方法。 2. 筋変力作用陽性剤は経口投与されることを特徴とする請求項1に記載の方 法。 3. 筋変力作用陽性剤はエノキシモンであることを特徴とする請求項1に記載 の方法。 4. エノキシモンは経口投与されることを特徴とする請求項3に記載の方法。 5. エノキシモンは、1日に3−4回の投与で投与量約1−3mg/kg/日 で投与されることを特徴とする請求項4に記載の方法。 6. β−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストは経口投与されること を特徴とする請求項1に記載の方法。 7. β−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストはメトプロロールであ ることを特徴とする請求項1に記載の方法。 8. メトプロロールは経口投与されることを特徴とする請求項7に記載の方法 。 9. メトプロロールの低投与量は約5−10mg/日であり、メトプロロール の有効投与量は約100−200mg/日であることを特徴とする請求項8に記 載の方法。 10. β−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストはメトプロロールで あることを特徴とする請求項3に記載の方法。 11. エノキシモンとメトプロロールは経口投与されることを特徴とする請求 項10に記載の方法。 12. エノキシモンは、1日3−4回投与で投与量約1−3mg/kg/日で 投与され、メトプロロールの低投与量は約5−10mg/日であり、メトプロロ ールの有効投与量は約100−200mg/日であることを特徴とする請求項1 1に記載の方法。 13. 心不全は進行した後期段階の慢性心不全であることを特徴とする請求項 1に記載の方法。 14. 筋変力作用陽性剤とβ−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト を併用して最低2月投与した後、患者の血行力学的かつ臨床的安定性を減少させ ない最小可能投与量まで筋変力作用陽性剤の投与量を徐々に減少させることを更 に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 15. 筋変力作用陽性剤の使用を中止することを特徴とする請求項14に記載 の方法。
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