JP2002506634A - 凍結乾燥した精子を注入した卵母細胞からの正常な子孫の発育 - Google Patents

凍結乾燥した精子を注入した卵母細胞からの正常な子孫の発育

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ヤナギマチ、リューゾー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】 本発明は、その頭部(核)が卵母細胞を受精させて生きた子孫を創出することができる少なくとも一つの再生された精子を得るための精子の凍結乾燥法を提供する。凍結乾燥され、室温、真空下で保存された精子の運動能は、水で戻したときに復活しない。それらの形質膜は破壊され、それらは従来の意味において全て「死んでいる」。しかしながら、顕微手術によってそれらを卵母細胞中に注入すると、それらの核は雄性前核に変化し、正常な胎芽への発育に関与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】
本発明は、精子の凍結乾燥、再生した被凍結乾燥精子による卵母細胞の受精、
及びこれから得られた生きた子孫の発育に関する。
【0002】 凍結保存剤の使用によって精子を上手く凍結保存し、凍結した精子を長期間に
わたって保存できるようになって、畜産及びヒトの生殖医学に劇的な改善がもた
らされた。凍結保存された精子を凍結融すると、多くの場合、それらの運動能を
取り戻して、新鮮な精子とほぼ同程度に効率良く受精することが分かっている。
【0003】 ウシ及びヒトの精子を凍結保存するためには、液体窒素(−196℃)中での
精子の長期保存が慣例的に使用されてきた。しかし、従来の精子保存は、液体窒
素を絶えず供給する必要があるため、長期間保存すると極めてコストが高くなる
。さらに、液体窒素(あるいはドライアイスでさえ)容易に入手し得ない発展途
上国のように、世界の地域の中には液体窒素中に精子を保存することが不便及び
/又は高価なことがあり得る。従来の方法で凍結された精子の輸送は、大きな液
体窒素タンクの輸送又は液体窒素若しくはドライアイスを含有する特殊な運送用
容器の使用が必要であり得る点でも問題がある。このため、液体窒素中への保存
を必要とせずに精子を保存する多くの試みがなされてきた。例えば、受精能を有
する精子を室温で、又は普通の冷蔵庫中で、凍結乾燥状態にて保存することがで
きれば、維持及び運送コストの減少は莫大なものとなり得るであろう。
【0004】 精子を凍結乾燥する初めての報告された試みは1949年であると考えられて
おり、家禽の精子1mLを20〜30%のグリセロールを含有する等量のリンゲ
ル溶液と混合し、蒸留フラスコ中に薄い層として広げ、90%の水を除去するこ
とによって「凍結乾燥した」。室温に戻してから二時間以内に該調製物を水で戻
すと、50%に及ぶ精子が運動能を取り戻すと報告された。しかしながら、水で
戻された精子の受精能は全く調べられなかった。
【0005】 凍結乾燥精子を用いて生きた子孫を作り出すその後の試みは、上手くいなかっ
た。例えば、凍結乾燥直後に再生され、50%の精子運動能を示した雄ウシの精
子を用いて雌ウシを人工授精すると、生きた仔ウシが生まれたことが報告されて
いる。凍結乾燥精子を用いた受精によって、12匹の正常なウサギの仔が得られ
たことも報告されている。しかしながら、これらの結果は何れも創始者によって
も反復できず、本分野に従事する他の者によって再現し、確認することもできな
かった。
【0006】 正常な被凍結融解精子の特性及び受精能の研究から、精子が正常な胎芽の発育
を維持するために、精子が従来的意味で「生きている」(すなわち、元通りの形
質膜を有している)必要はないことが知られている。例えば、細胞質内への精子
注入(ICSI;intracytoplasmic sperm injec
tion)技法では、運動能を有するヒト精子が選択される。それらは、それら
の尾部が激しく磨耗することによって、卵母細胞中に注入される直前に不動化し
(「殺される」)、形質膜への損傷をもたらす。精子の不動化は、ICSIによ
る受精の成功率を著しく増大することが報告されている。凍結保護剤なしにマウ
スの精子を溶媒中に懸濁した後すぐに、液体窒素で凍結すると、生/死細胞染色
による判定によれば、100%の精子が「死亡した」が、それでも、卵母細胞中
に融解された精子の頭部をマイクロインジェクトすると、正常な胎芽の発育が起
こることも報告された。また、全く凍結保護剤を用いずに凍結融解することによ
って殺された精子を卵母細胞中にマイクロインジェクトした後、二匹の正常な仔
ウシが生まれたという報告もある。
【0007】 ハムスターの卵母細胞中に凍結乾燥したハムスター及びヒトの精子の頭部を注
入することにより、正常な外見の前核を形成できることが知られているが、この
ような精子の頭部が正常な胎芽の発育を維持することができるかどうかは定かで
ない。さらに、精子を凍結し、それぞれ、30%、7%、及び0.5%未満の水
分含量に乾燥させると、運動能の喪失、先体の損傷、及び酵素の放出が起こるこ
とが実証された。6%以下の水分になるように脱水することによって、精子内の
細胞タンパク質が変化するという証拠も得られた。
【0008】 このように、凍結乾燥精子が、室温、又は普通の冷蔵庫の温度、又はそれ以下
で長期間が保存される間、それらの受精能を保持する確実且つ再現性のある精子
の凍結乾燥法が必要とされている。さらに、レシピエント卵母細胞を受精し、正
常な生きた子孫をもたらすために、水で戻した凍結乾燥された精子を用いた精子
注入法が必要とされている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本願は、1998年に3月20日に出願された米国仮特許出願第60/078
,925号及び1998年6月19日に出願された第60/089,938号の
利益を主張する1998年10月23日に出願された米国特許出願第09/17
7,391号の利益を主張する。
【0010】 米国政府は、本発明に支払済み実施権を有し、限定された状況において、国立
衛生研究所、公衆衛生局によって与えられた契約第R01−HD−03402に
規定された適切な期間、特許権者をして他者に実施許諾せしめる権利を有する。
【0011】 (発明の概要) 本発明は、その頭部(核)が卵母細胞を受精させて生きた子孫を創出すること
ができる少なくとも一つの精子を得るための精子の凍結乾燥法を提供する。本発
明の方法は、(a)生きた精子を採集する工程;(b)懸濁溶媒中に精子を懸濁
する工程;(c)精子の懸濁物を凍結する工程;及び(d)前記精子の懸濁物を
1%未満、好ましくは0.01%未満、さらに好ましくは0.001%、とりわ
け0.00001%未満の水分レベルに乾燥する工程を備える。該方法は、さら
に、精子の凍結乾燥懸濁物を水で戻す工程であって、少なくとも一つの水で戻さ
れた精子の頭部が遺伝的な完全性を保持し、卵母細胞を受精させて生きた子孫を
創出できる工程をさらに備え得る。以下で論述されているように、該方法は、さ
らに水で戻す前に凍結乾燥された精子を保存する工程を備え得る。
【0012】 生きた子孫を得るためには、水で戻された精子の少なくとも頭部(核)を分離
した卵母細胞中に挿入して受精卵を形成させる。精子の頭部は、マイクロインジ
ェクション、好ましくは圧電駆動されたマイクロインジェクションによって卵母
細胞中に挿入される。好ましくは、核の挿入は、水で戻してから一時間以内に起
こる。続いて、受精卵を胎芽に発育させ、フォスターマザーの子宮に着床させ、
ここで、受精卵は生きた子孫に発育する。
【0013】 幾つかの種(例えば、ヒトを含む多くの真獣類の哺乳動物)では、受精卵の正
常な胎芽への発育には、精子の核に付随した父方の中心体の挿入も必要とする。
中心体は、通常、精子頭部の後部末端か、又は頭部と尾部を分離したときには、
精子尾部の前部末端の何れかに付着している。このため、本発明の実施態様では
、他の精子からの精子随伴中心体が、精子頭部と同時にされ得、又は精子尾部の
同時又は連続的挿入によって挿入され得る。あるいは、精子の核及び中心体の挿
入は、水で戻した精子全体を卵母細胞中に挿入することによって達成され得る。
【0014】 本発明の方法によって凍結乾燥された精子は、少なくとも3ヶ月、より好まし
くは少なくとも1年、周囲の温度(例えば、室温)から冷蔵庫の温度(例えば、
約4℃)にわたる温度で、それらの遺伝的な完全性又は受精能を失わずに保存さ
れ得ることを発見した。このように、本発明の方法によって調製した凍結乾燥さ
れた精子は、周囲の温度又は冷蔵庫の温度で、世界のほぼ全ての場所に運送する
間に、それらの能力を保持することができ、液体窒素又はドライアイスが容易に
入手できない場所において、周囲の温度又は冷蔵庫の温度で、短期間の保存にも
耐え得る。好ましくは、凍結乾燥精子の長期(例えば、不定)保存は、4℃未満
(例えば、−20℃以下)の温度で行なわれる。
【0015】 本発明の方法は、ウニ、ロブスター、アワビ、甲殻類等のような無脊椎動物、
魚、両生類、爬虫類、鳥類、及び全ての哺乳類のような脊椎動物を含む(これら
に限定されない)無脊椎動物種と脊椎動物種の両者の精子を凍結保存するために
使用し得る。
【0016】 (発明の詳細な記述) 哺乳動物での正常な受精では、受精する精子が雌の生殖管を上行し、卵母細胞
の衣を通過した後、卵母細胞と融合する。精子と卵母細胞との融合は、卵母細胞
の活性化を引き起こす。活性化された卵母細胞は、減数分裂を再開し、卵母細胞
の染色体は雌性前核に転換する。しばらくしてから、卵母細胞中の精子の核は凝
縮状態を脱して雄性前核に変わる。完全に発育した雌性及び雄性前核は、続いて
接合し、これらの前核からの染色体が混じり合う。生じた接合体は、生きた子孫
にまで発育する。
【0017】 本発明は、水で戻したときに、単離された卵母細胞を受精させて生きた子孫を
創出し得る精子を凍結乾燥する方法を提供する。本発明の方法によって得た凍結
された精子は、たとえ、水で戻したときにそれらが動きを失い、従来の意味にお
いて「死んでいて」も、それらの遺伝的な能力及び生殖能力を保持している。本
発明の精子の精子全体又は分離された精子頭部(すなわち、核を含む頭部の成分
を全て含む)、又は膜除去された精子(demembranated sper
m)又は精子頭部(すなわち、核及び核周囲物質を保持しているが、形質膜を欠
いている)を卵母細胞中に直接注入すると、正常な受精と胎芽の発育が起こり、
生きた子孫を得ることができる。好ましくは、精子頭部(核)は、卵母細胞の細
胞質中に直接挿入される。精子頭部の挿入は、マイクロインジェクション、好ま
しくは圧電駆動マイクロインジェクションによる。以下でさらに論述されている
ように、幾つかの種の受精した卵母細胞の胎芽への発育は、精子中心体の同時又
は順次の注入を必要とし得る。中心体が凍結乾燥工程を生き延びることができな
ければ、卵母細胞中に挿入するために未凍結の精子から中止体を採取してもよい
【0018】 受精能を有する凍結乾燥精子を調製し、インビトロでの受精操作においてそれ
らを使用するための本発明の方法の各工程及びサブ工程を、ここでさらに詳しく
述べる。 精子の調製 本発明の凍結乾燥法を通じて、できるだけ多くの凍結乾燥精子がそれらの遺伝
的完全性を保持できるようにするために、本発明の方法では、生理的に成熟した
精子を使用することが好ましい。成熟した精子では、DNAは、プロタミンと呼
ばれる塩基性タンパク質を伴っている。哺乳動物では、プロタミンは、ジスルフ
ィド結合によって著しくクロスリンクしている。これは精子の核を安定化し、物
理的及び化学的な破壊に対する著しい抵抗力を精子に与えている。核のプロタミ
ンのクロスリンクは、主として、精子が精巣上体を通過して輸送される間に起こ
る。このため、精巣上体中及び射精された(精液)中の哺乳類の精子は、一般的
には、精巣中のそれよりも生理的に成熟しており、少なくとも哺乳類では、本発
明の方法において好適である。
【0019】 無脊椎動物と脊椎動物からの成熟した精子は、当業者に公知の方法によって採
集される。例えば、マウス、ゴールデン(シリアン)ハムスター、モルモット、
ウサギなどの齧歯類の成熟した精子は、精巣上体尾から採集し得るのに対して、
ヒト、ブタ、ウマ、雄ウシ、ヤギ、家禽などのような他の種では、成熟した精子
は、受精能を有する雄の射精直後の精液から単離され得る。魚(例えば、ソード
テール、Xiphophorus helleri)、及びウニ(Tripne
ustes gratilla)のような無脊椎動物の精子は、成熟した雄の精
巣から採集され得る。
【0020】 精巣上体尾から精子を得る方法の一例は以下のとおりである。成熟した雄のマ
ウス(およそ生後八週齢以上)から精巣上体尾を取り出す。精巣上体尾の表面か
ら血液と脂肪組織を除去する。続いて、それを圧縮して精子の濃い塊を放出させ
る。一滴(約2μL)の精子塊を1.5mLのポリプロピレン遠心管チューブの
底に置き、0.5mLの暖かい生理的溶媒(例えば、CZB溶媒、リン酸緩衝化
生理食塩水、又は等張の生理食塩水)を重層する。37℃で約10〜20分後、
上清から運動能のある精子を採集し得る。
【0021】 精液から精子を得る方法の一例は以下の通りである。射精直後のヒトの精液を
室温(約25℃)で約30分間液状化せしめる。続いて、約10mLの生理食塩
水で精液を希釈し、約二層のティッシュペーパーを通過させて濾過し、破片を除
去する。続いて、400×gで約10分間、濾液を遠心し、凍結乾燥工程のため
に所望の濃度で生理的溶液の中に沈降した精子を再懸濁させる。
【0022】 精巣から精子を得る方法の一例は以下のとおりである。切除した精巣を赤血球
溶血緩衝液(例えば、155mM NHCl、10mM KHCO、2mM
EDTA,pH 7.2−7.4)の中に置き、鋭い鋏を用いて切り刻み、約
二層のティッシュペーパーを通して濾過し、破片を除去する。続いて、濾液を遠
心し(例えば700×g、5分)、凍結乾燥工程のために予め、沈殿物を所望の
濃度で生理的溶液中に再懸濁する。
【0023】 用いた精子の調製法にかかわらず、回収された精子の50%以上が運動能を有
しているはずである。
【0024】 凍結乾燥工程のために予め、このように回収した精子を以下で記載する生理的
溶媒中に懸濁する。あるいは、凍結乾燥する前に、膜除去した精子頭部を得るた
めに、精子にさらなるプロセシングを行なってもよい。 膜除去された精子頭部の調製 膜除去された精子頭部とは、形質膜、内先体膜、及び外先体膜を含む全ての膜
を欠如しているが、核及び前核物質は保持している界面活性剤抽出した頭部であ
る。例えば、精子頭部は、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)存在下、又は不存
在下で、トリトンX−100で処理することによって膜除去し得る。トリトンX
−100は、非変性条件下で、膜の成分を除去するために広く使用されている周
知の非イオン性界面活性剤である。SDSは、膜タンパク質を含む様々なタンパ
ク質を可溶化するために使用される陰イオン性界面活性剤である。マウスでは、
トリトンX−100を用いることによって膜除去された精子頭部は、卵母細胞を
活性化することができ、正常な胎芽に発育させることが示された。
【0025】 精子頭部を膜除去する方法の一例は以下のとおりである。上述のように調製さ
れた精子の懸濁物を分取したものに音波処理を加える。例えば、精巣上体尾、精
巣、又は精液から上記のように採集した精子を5mLのBM緩衝液(75mM
NaCl、24mM EDTA、 及び50mM Tris−HCl、pH7.
2)に懸濁し、バイオソニック(Biosonik)音波処理装置(Bronw
ill、 Scientific、 Rochester、NY)の70〜80
%の出力で30秒間音波処理し得る。この処理によって、95%以上の精子の頭
部が切断される。精子頭部を膜除去するために、音波処理された精子の懸濁物を
700×gで5分間遠心し、BM緩衝液を用いて沈殿物を洗浄した後、NIM溶
媒中1%のトリトンX−100で、5分間室温にて処理する(NIM溶媒は、1
23.0mM KCl、2.6mM NaCl、7.8mM NaHPO
1.4mM KHPO、3mM NaEDTAからなり、7.2のpHを
有する)。続いて、NIM溶媒で頭部を完全にリンスし、凍結乾燥工程のために
予め精子懸濁溶媒中に再懸濁する。 精子懸濁溶媒 凍結乾燥の準備として、正常な条件下で、少なくとも精子の核の完全性を維持
するのに十分な生理的溶液中に精子(又は膜除去された精子頭部)を懸濁する。
該溶液は、少なくとも適切な浸透圧とpHを有する平衡塩溶液であるべきである
。全ての動物種の精子の生存を維持することができる単一の溶媒は存在しない。
例えば、ウニの精子に適した溶液は、約1、000ミリosmolの浸透圧と約
8.2のpH値を有する海水である。しかしながら、海水は、哺乳類の精子を即
座に殺すであろう。哺乳類の精子は、約300ミリosmolの浸透圧と7.0
〜7.6のpHを有する溶液を必要とする。しかしながら、このような溶液は、
ウニの精子を殺すであろう。
【0026】 このように、精子の懸濁溶媒は、対象とする種に応じて、当業者に周知の基準
に従って選別しなければならない。このような選別は、過度の実験なしに行い得
る。精子が注入によって首尾良く卵母細胞を受精させるには、膜が保持されてい
なくてもよいので(それらは、「死んだ」ものであり得る)、懸濁溶媒中にグリ
セロールなどの凍結保護剤が絶対に必要というわけではない。 パッケージング 精子の懸濁物は、スクリューキャップされたガラスアンプル又はプラスチック
の凍結チューブ(凍結バイアル)を含む(これらに限定されない)様々な異なる
容器に収容し得、又は、懸濁物は、凍結乾燥工程後に、プラスチックのストロー
中に吸いこめませ、粉末密閉材により、熱により、又はナイロン栓を用いてこれ
を密閉し得る。各パッケージ中の精子懸濁物の容量は重要ではない。典型的には
、2mLのアンプルに、約50〜100μLの容量を使用し得る。 精子の凍結乾燥 精子の懸濁物は、公知の手段によって、ゆっくり、又は素早く凍結し得る。例
えば、懸濁物は、本分野で周知の方法によって、液体窒素蒸気中、又は機械(電
気)フリーザーの冷却した空気中で凍結させ得る。冷却と凍結は、手動の静的な
又は段階的な方式によって、又は電気的に自動化され、プログラムされた液体窒
素供給システを用いて達成され得る。様々な凍結速度(例えば、1〜25℃/分
)を利用し得る。例えば、凍結工程は、−196℃で10分間実施し得る。
【0027】 ストロー、アンプル、又は凍結チューブ中の懸濁物を上手く蒸気凍結させる際
に様々な修飾を使用することができる。液体窒素冷却器を用いることによって、
シガーチューブ(cigar tube)の入った金属容器(小缶)、又はスト
ローの入った他のホルダー、又はアンプル若しくはクリオチューブの入ったホル
ダー若しくはラックを液体窒素蒸気中に直接置くことができる。
【0028】 真空下での凍結精子懸濁物の乾燥は、当業者に公知の様々な異なるシステムに
よって達成され得る。例えば、公知の装置は、VirTisモデル10−020
(VirTis Co.,Gardiner,NY)である。懸濁物は、1%未
満の水分レベルまで乾燥される。しかしながら、水分レベルは、好ましくは0.
01%、より好ましくは0.001%、とりわけ0.00001%未満である。
凍結乾燥された精子を入れた容器は、好ましくは、真空密閉するか、窒素又はア
ルゴンのような不活性ガスの存在下で密閉する。 保存 凍結乾燥精子は、好ましくは、暗所で保存するか、又はアルミホイルなどでラ
ップして保存する。長期間保存する場合には、−20℃未満の温度で容器を保存
することが好ましいであろう。同様に凍結乾燥した細菌、真菌等のように、凍結
乾燥された精子の核は、これらの保存条件下で、それらの遺伝的完全性を無限に
保持するであろうと予想される。しかしながら、前記容器は、凍結乾燥された精
子の核が卵母細胞を受精させる能力を損なわずに、3ヶ月を超える期間、周囲の
温度(例えば、室温)又は普通の冷蔵庫の温度(約4℃)で保存することができ
る。それ故、凍結乾燥精子は、特殊な条件又はかさばる容器を必要とせずに運搬
することができる。 凍結乾燥精子を水で戻す 凍結乾燥精子調製物は、好ましくは、凍結乾燥前の精子懸濁物の最初の容量と
同じ容量の純水を加えることによって水で戻される。一度水で戻した後は、0.
9%生理食塩水、又はCZB溶媒(下記参照)のような任意の生理的塩溶液を希
釈のために使用できる。希釈の容量は重要でない。水で戻した最終の溶媒中での
精子の濃度は、以下に記載されているように卵母細胞中に精子を注入するために
、各精子又は各精子頭部の回収が十分容易な濃度であるべきである。
【0029】 精子頭部を注入した後の卵母細胞の活性化及び正常な受精の発生率は、精子を
水に戻した後の時間が増加するにつれて減少するようである。水で戻す工程と注
入との間の許容される時間間隔は種によって異なり得るが、一例として、マウス
の精子におけるこの時間は、好ましくは一時間未満である。 水で戻し、凍結乾燥精子の顕微鏡観察 凍結乾燥し、水で戻した精子は運動能を持たない。精子の生存は、従来の意味
における精子の生死を区別できる任意の染色法を用いることによって評価し得る
。本発明に使用するのに適した市販の生存試験キットは、Molecular
Probes,Eugene,Oregonから入手できるLive/dead
FertiLightであり、これは、ヨウ化プロピジウム/SYBR 14
で染色した後、UV顕微鏡下で、蛍光パターンに従って、形質膜が保持された(
生きた)細胞と形質膜が損傷した(死んだ)細胞とを識別する。形質膜が保持さ
れた「生きた」精子の核は、緑の蛍光を発するのに対して、「死んだ」精子の核
は明るい橙赤色の蛍光を発する。観察した精子は、従来の意味において全て「死
んでいる」と思われる。
【0030】 図2Aは、水に戻した直後の代表的な凍結乾燥したマウスの精子の顕微鏡写真
である。幾つかの精子の頭部と尾部は分離している。尾部が壊れた、又は尾部を
喪失した精子の割合は、保存中に、どの程度やさしく、又は乱暴に乾燥した標本
を扱ったかに応じて変わり得る。尾部を有する、又は尾部を有しない精子は、以
下に記載した注入操作で使用される。
【0031】 新鮮な(凍結乾燥していない)生きた精子と本発明の方法によって凍結乾燥し
、水で戻された精子の差が、それぞれ図2Bと2Cに示されている。これらの図
は各々、精子頭部の前部領域にわたる縦断切片を表している。凍結乾燥し、水で
戻した精子は核(n)、外中心体膜(oa)の一部、及び内中心体膜(ia)の
一部を保有しているが、形質膜(p)と中心体(ac)の内容物は共に消失して
いる。 レシピエント卵母細胞 レシピエント卵母細胞は、例えば、性腺刺激ホルモン(例えば、ウマ及びヒト
絨毛性性腺刺激ホルモンの連続投与)の注入によって動物に排卵又は過剰排卵を
誘発させ、排卵予想時刻の直ぐ後(例えば、ヒトの絨毛性性腺刺激ホルモンをマ
ウスに注入してから13〜15時間後)に卵管の卵子を外科的に採取することに
より取得し得る。あるいは、当業者に公知であるように、卵巣の卵母細胞を採集
し、培地で培養して成熟させてもよい。好ましい培地の例は、マウスの卵母細胞
についてDowns,S.M. and A.M. Mastropolo,
Develop.Biol.162:154−168,1994に記載されてい
るような、ウシ血清アルブミン(BSA)を補充した改変イーグル培地(MEM
)である。 インビトロ受精を成功させるのに必要な精子の成分 マウスでは、分離した精子頭部を卵母細胞に注入することによって正常な受精
を達成することができ、形質膜及び中心体膜及び尾部の全成分は、正常な体芽の
発育に不可欠でないことが知られている。
【0032】 マウス、及びおそらくは、多くの一般的な実験用齧歯類は、正常な受精に精子
の中心体が必要でなく、正常な受精の間、精子の首に当たる領域にある精子中心
体が受精後に卵母細胞中で退化してしまうという点で「例外的」である。
【0033】 これに対して、ウシ及びヒトを含む他の多くの真獣類の哺乳動物では、精子の
中心体は、雄性前核と雌性前核の融合に不可欠な微小管の形成、及び胎芽の発育
中におけるその後の卵割において中心的な役割を果たす。それ故、これらの種で
は、精子の核(頭部)と中心体の両者を卵母細胞に導入することが、正常な子孫
を得るのに不可欠なようである。現時点では、全ての種の精子の中心体が凍結乾
燥から生き残ることができるかどうかは分からない。もし生き残れないのであれ
ば、未凍結の精子から得た中心体を凍結乾燥精子の頭部と共に卵母細胞中に注入
して、正常な胎芽の発育を確保しなければならない。しかしながら、過剰な数の
中心体の導入は、異常な前核の発育及び異常な胎芽の発育をもたらすであろう。
【0034】 頭部と尾部が分離されたときには、中心体は、通常、精子頭部の後部末端か、
精子尾部の前部末端の何れかに付着している。このため、精子の中心体は、精子
頭部と同時に卵母細胞中に挿入され得るか、又は精子尾部の同時又は連続挿入に
よって挿入され得る。あるいは、精子の核と中心体の挿入は、水で戻した精子全
体を卵母細胞中に挿入することによって達成され得る。 レシピエント卵母細胞中への精子の核の挿入 精子全体をレシピエント卵母細胞の細胞質中に注入することができるが、精子
が大きい種では、分離した精子頭部(核)を、マイクロインジェクション手法に
よってレシピエント卵母細胞の細胞質中に直接注入することが好ましい。水で戻
した精子頭部又は水で戻した膜除去された精子頭部のレシピエント卵母細胞中へ
の好適なマイクロインジェクション法では、圧電駆動されたマイクロピペットが
用いられる。
【0035】 適切な圧電駆動ユニットは、Prime Tech社(つくば、茨城県、日本
)からPiezo Micromanipulator/Piezo Impa
ct Drive Unitの名前で売られている。該ユニットは、高度に制御
された迅速な態様で、(注入)ピペットホルダーを極めて短い距離(およそ0.
5μm)だけ前進させるために圧電効果を利用している。各パルスの強度及び持
続時間は、コントロールユニットによって変化させ、制御することができる。
【0036】 卵母細胞に注入する場合、単一の精子を、まず尾部から、売り手の指示書に従
い、圧電駆動されたユニットに収納された約5μmの内径を有する短い平坦なチ
ップを有する注入ピペット吸引する。精子の頭部と尾部は、首の領域に単一、又
はニ〜三回の圧電パルスを与えることによって分離する。続いて、頭部をピペッ
トの中に深く吸いこむ。
【0037】 精子頭部(核)の注入を通じて、卵母細胞は、従来の固定用ピペットによって
固定される。選択された精子頭部を含有する注入ピペットの先端を卵母細胞の透
明帯の近くに接触するようにし、(コントローラーのセッティング目盛、強度1
−5、速度4−6を使用して)数個の圧電パルスを与えて、内部が軽い陰圧に維
持されるようにピペットを進める。ピペットの先端が透明帯を通過したときに、
卵黄周囲腔に生じた栓帯(zona plug)を排出し、ピペットの先端近く
まで、精子頭部を推し進める。次に、ピペットの先端を形質膜に並置させ、(卵
母細胞の反対側の方に)前進させ、固定用ピペットを卵母細胞の皮質の反対側に
ほぼ到達させる。卵母細胞の形質膜は、この時点で、注射針の先端の周りに深く
陥入している。一乃至二回の圧電パルスを与えると(強度1−2、速度1)、卵
細胞膜はピペット先端部で破裂し(卵細胞膜の急速な弛緩が指標となる)、これ
は明瞭に見えるであろう。次に、付随する溶媒が最少量(約6pL)になるよう
に、精子頭部を卵細胞質の中に排出する。続いて、新しく導入した頭部が卵母細
胞の細胞質中に残るようにピペットをゆっくり引き抜き、該方法は、典型的には
、これ以外時間は培養条件を維持した10〜15個の卵母細胞のバッチの中で、
手早く行う。
【0038】 精子頭部を注入するために、従来の注入ピペットを利用する他のマイクロイン
ジェクションの変法を使用してもよい。ハムスターの卵母細胞中に精子頭部を注
入するための、従来のピペットを用いた適切なマイクロインジェクション法の例
が、Yanagida,K.,Yanagimachi,R.,Perreau
lt,S.D. and R.G.Kleinfeld,Biology of
Reproduction 44,440−447(1991)に記載されて
おり、この開示のこのような方法に関連する部分は、参照文献として本明細書に
組み込まれる。
【0039】 精子頭部/膜除去された精子頭部のマイクロインジェクションは幾つかの利点
を与える。第一に、マイクロインジェクションによる精子頭部の輸送は、サイズ
、形態などに関わらず、広範な種類の精子に適用することができる。第二に、マ
イクロインジェクションは、精子頭部の注入時に、注意深くコントロールされた
、卵母細胞へのさらなる物質の(ドナー精子頭部との)同時注入を可能とする。
これらは、以下に例示されている。第三に、精子頭部の挿入が圧電駆動されたマ
イクロインジェクションによる本発明の実施態様では、試料の迅速且つ効率的な
プロセシングが与えられ、それにより、操作中に起こる精子と卵母細胞への外傷
が抑制される。幾つかの種(例えば、マウス)の卵母細胞には、従来の針を用い
たマイクロインジェクションは好ましくないのに対して、圧電駆動されたマイク
ロインジェクションは高い成功率を与える。 受精した卵母細胞の活性化 単一の損なわれていないマウスの精子又はその分離した頭部を注入することに
よって、マウスの卵母細胞が活性化され得ることが知られている。分離した精子
尾部は、卵母細胞を活性化することができない。活性な精子由来の卵母細胞活性
化因子は、典型的には、球型精子細胞の精子への転換中に出現する。マウスの卵
母細胞は、ハムスター、ウサギ、ブタ、ヒト、および魚等の異なる種の精子を注
入することによっても活性化されるので、これらの因子の作用は高度に種特異的
ではない。このような活性化因子の一つは、中心体の赤道セグメント領域に存在
する33kDaのタンパク質であることが報告されている。オッシリン(osc
illin)と呼ばれるこのタンパク質は、単に凍結融解することによって、成
熟した(ハムスター)精子から容易に抽出できる。オッシリンの他に、成熟した
精子は、容易に抽出できないが、トリトンX−100及びSDSで精子を連続処
理することによって取得し得る他の活性化因子を有しているようである。容易に
抽出できるオッシリンと凍結/融解で抽出されない因子が生物学的に、及び化学
的に同一であるかどうかは分かっていない。
【0040】 トリトンX−100の存在下で音波処理した精子頭部は、核と核周囲物質以外
の全ての成分を失っていることが知られている。しかし、卵細胞中に顕微外科的
に注入すると、(核と核周囲物質を有するが、形質膜を持たない)トリトンX−
100処理した精子頭部は、正常な精子と同程度の効率で卵母細胞を活性化する
ことができる。
【0041】 以下の例に記載されているように、凍結乾燥精子頭部の注入後も生き延びる卵
母細胞の大部分は正常に活性化され、受精するので、少なくともマウスでは、精
子由来の卵母細胞活性化分子は凍結乾燥に対して耐性であるに違いない。
【0042】 もし、他の種において、精子頭部の注入が卵母細胞を活性化する役割を果たし
ていなければ、電気的活性化、一以上の卵母細胞活性化物質の注入、又は一以上
の卵母細胞活性化物質を含有する溶媒への卵母細胞の移動のような処女生殖手段
によって活性化を起こし得る。活性化刺激(又は活性化刺激の組合せ)を与え得
る試薬には、精子頭部の注入後、又は注入と同時にマイクロインジェクションに
よって導入され得る精子細胞質活性化因子、およびある種の薬学的化合物(例え
ば、Ca2+、及び他のシグナル伝達モジュレーター)が含まれるがこれらに限
定されない。幾つかの活性化刺激は、Ca2+放出の刺激物質(例えば、カフェ
イン、A23187及びイオノマイシンのようなCa2+イオノフォア、及びエ
タノール)、リン蛋白質シグナリングのモジュレーター(例えば、2−アミノプ
リン、スタウロスポリン、及びスフィンゴシン)、タンパク質合成の阻害剤(例
えば、A23187、シクロヘキシミド)、6−ジメチルアミノプリン、又は上
記の組合せ(例えば、6−ジメチルアミノプリン及びイオノマイシン)を含む一
つ又はサブセットの活性化化合物群を含有する溶媒に受精した卵母細胞を移した
後に与えられる。本発明の一態様では、マウスの卵母細胞の活性化は、2〜10
mM Sr2+を含有する無Ca2+CZB溶媒中で、1〜6時間培養すること
によって達成される。 生きた胎児と子孫を得るための胎芽の発育 前核形成後に、2−8細胞段階又は桑実胚/胚盤胞段階に達するまで、胚芽を
インビトロで培養し得、この時点で、胎芽はフォスターマザーの卵管又は子宮に
移植され得る。 生物学的に興味のある物質の精子頭部との同時注入 本発明のある態様では、卵母細胞への精子頭部のマクロインジェクションは、
精子頭部の注入前、注入中、又は注入後に、胚芽の発育結果を変化させ得る一以
上の物質を卵母細胞に導入することができる。例えば、リボ核酸(RNA)又は
デオキシリボ核酸(DNA)は、精子頭部の注入前又は注入後のマイクロインジ
ェクションによって卵母細胞中に導入し得る。例えば、必要なシス活性シグナル
を有する組換えDNAを注入すれば、固有の又は同時注入された転写因子によっ
て組換えDNA上に存在する配列を転写し、発育阻害因子に対する拮抗作用を有
する又は胎芽の発育に対する正の効果を有するコードされたタンパク質を引き続
き発現し得る。さらに、転写物は、発育阻害タンパク質をコードするmRNAに
対するアンチセンス活性を有し得る。あるいは、アンチセンス制御は、卵母細胞
中で予め転写することなく、それらの核酸標的と直接相互作用することによって
、阻害的な効果を発揮することができる核酸(又はそれらの誘導体)を注入する
ことによって達成され得る。
【0043】 本発明の方法によって導入された組換えDNA(直鎖またはそれ以外)は、狭
い発育時の発現プロフィールから広い発育時の発現プロフィールまで任意のプロ
フィールを示し得るプロモーターの調節下で、一以上の発現された機能的遺伝子
を含有する機能的レプリコンを含み得る。例えば、プロモーターが初期の接合体
のみで活性な場合には、プロモーターは、即座に、しかし短い発現を誘導し得る
。導入されたDNAは、胎芽の発育中のある時点で失われるか、又は一以上のゲ
ノム座に組み込まれ、得られたトランスジェニック個体が生きている間安定に複
製されるかの何れかであり得る。ある態様では、テロメラーゼ又はスーパーオキ
シドジスムターゼのような「抗老化」候補タンパク質をコードするDNA構築物
が、マイクロインジェクションによって卵母細胞中に導入され得る。あるいは、
このようなタンパク質は、直接注入してもよい。 以下の例は、本発明の方法、および再生した凍結乾燥精子を注入した卵母細胞
からの生きた子孫の発育を示している。特に、該例は、室温(約25℃)又は冷
蔵庫(約4℃)中の何れかに保存した被再生凍結乾燥マウス精子の頭部(核)を
注入したマウス卵母細胞からの正常なマウスの発育を示している。凍結乾燥前の
精子懸濁溶媒は、以下に記載されているようにCZB又はDMEMの何れかであ
った。
【0044】 ここに記載した例は、当業者であれば本発明の態様の他の例を容易に認識し得
るように、本発明の方法で使用し得る動物種からの卵母細胞と精子、精子懸濁溶
媒、凍結プロトコール、保存条件、水で戻すための溶媒などの一例を意図したも
のにすぎず、限定を意図したものではない。 溶媒と試薬 全ての無機化合物と有機化合物は、特に記載していなければ、Sigma C
hemical Co.(St.Louisu,MO)から購入した。
【0045】 採取した卵母細胞は、精子の注入前には、CZB溶媒(Chatot,et
al.,1989.J.Reprod.Fert.86,679−688)に保
存される。CZB溶媒は、81.6mM NaCl,4.8mM KCl,1.7
mMCaCl,1.2mM MgSO,1.8mMKHPO,25.1
mM NaHCO,0.1mM NaEDTA,31mM 乳酸ナトリウム
0.3mMピルビン酸ナトリウム、7U/mLペニシリンG,5U/mLストレ
プトマイシン硫酸,及び4mg/mLウシ血清アルブミンを含む。卵管からの卵
母細胞の採集、その後の処理、及び微小操作(micromanipulati
on)は、20mM Hepes,減少した量のNaHCO(5mM)、及び
3mg/mLのウシ血清アルブミンを含有する修正CZBであった。この溶媒は
、本明細書では、Hepes−CZBと称する。PVAは、BSAよりも注入ピ
ペットの壁の粘着性をより長い時間にわたって低く保ち、複数の精子頭部/卵母
細胞輸送のために単一のピペットを繰り返して使用する間有益であったので、マ
イクロインジェクション用には、Hepes−CZB中のBSAは0.1mg/
mLのポリビニルアルコール(PVA,冷水に可溶、平均分子量10×10
に置きかえることが好ましかった。
【0046】 凍結乾燥前に精子を懸濁するために二つの異なる精子懸濁溶媒:(1)4mg
/mLのBSAを含有するエチレンジアミン四酢酸(EDTA)抜きのCZB溶
媒;及び(2)10%(v/v)のウシ胎児血清(Hyclone,Logan
,UT)を補充したダルベッコの修正イーグル溶媒(DMEM)を用いた。
【0047】 この目的に「最良の」精子懸濁溶媒が何かを調べるために予備的な実験を行い
、まず、CZB溶媒中に新鮮な精子を懸濁した後、遠心し、以下に列記した溶媒
のうちの一つに再懸濁し、続いてすぐに精子を凍結乾燥した。テストした精子懸
濁溶媒は、(a)蒸留水、(b)蒸留水中の34%スクロース、(c)180m
g/mLのラフィノース+5mg/mLのBSA、(d)5mg/mLのBSA
を加えた0.9%NaCl、(e)1mg/mLのグルコース+5mg/mLの
BSAを加えた0.9%NaCl、及び(f)無乳酸及び無カルシウムCZBを
含んでいた。最後の溶媒(f)のみが、凍結乾燥中に精子の核を発育可能に保つ
能力において、通常のCZBと同様に好適であることが示された。 動物 これらの例で使用した動物は、ハワイ大学の実験動物局のガイドライン、及び
実験室資源国立研究評議会協会の実験動物の飼育と使用に関する委員会によって
作成されたガイドライン(DHEW発行番号[NIH]80−23、1985年
に改訂)に適合していた。動物の取り扱いと処置のプロトコールは、ハワイ大学
の動物の飼育と使用委員会によって調査され、承認された。 例1 精子の調製 凍結乾燥精子の核が卵母細胞への注入後に生きた子孫に発育に関与する能力に対
する精子懸濁溶媒、保存温度、及び保存期間の影響を調べるために、以下に記載
され、表1に示されているように、四つの異なる凍結乾燥精子の調製物を作成し
た。各調製物毎に、成熟したB6D2F1雄マウスの二つの精巣上体尾を使用し
た。各精巣上体に指で圧力を加えながら、鋭い鉗子を用いてその遠位部分をパン
クさせた。精巣上体から滲み出た濃い精子塊を、上述した二つのテスト溶媒のう
ちの一つCZB又はDMEM1mLを含む1.5mLのポリプロピレンチューブ
の中に移した。37.5℃で30分間インキュベートした後、溶媒の上部0.3
−0.5mLをチューブから除去した。該懸濁物中の精子(およそ3−10×1
/mL)の90%以上は、活発に運動していた。 例2 精子の凍結乾燥 精子懸濁物を分取したもの(100μL)を2mLのアンプル(Wheato
n Scientific,Millville,NJ,カタログ番号6515
06)の中に入れ、これを液体窒素中に直接投入した。10分後、凍結乾燥シス
テム(モデル10−020,VirTis Co.,Gardner,NY)に
装着した予め冷却された(−50℃)凍結フラスコの中にアンプルを置いた。内
圧は約1ミリTorrであった。約12時間後に、前記システムが気体乾燥瓶(
Fisher Scientific,Pittsburgh,PAカタログ番
号09−204)を経由して供給されたアルゴンで充満した後、フラスコをシス
テムから取り出した。各アンプルを真空ポンプに接続し、99%を超える気体が
そこから排出された後に縁を密閉した。アンプルを個別にアルミホイルでくるん
で、室温(約25℃)で、又は4℃で暗所に保存した。
【0048】 上述のように調製した、凍結乾燥したマウス精子のアンプルが、図1に示され
ている。各アンプルの底の白い粉末が精子を含有する乾燥したCZB溶媒である
。 例3 凍結乾燥精子を水で戻す 上述のように調製した凍結乾燥精子を含有するアンプルを開封して、再生した
精子懸濁物を形成するために100μLの蒸留水をアンプルに加えた。続いて、
5μLの精子懸濁物を、12%(w/v)のポリビニルピロリドン(平均分子量
360,000)を含有する50μLのHepes−CZBと完全に混合した。
水に戻した精子を顕微鏡で観察し、元のままの頭部と尾部を有する精子のみをさ
らなる操作のために選別した。 例4 凍結乾燥精子の運送 本発明の方法に従って調製した凍結乾燥精子を外国に運送でき、水に戻したと
きに卵母細胞を受精させる能力をまだ保持しているかどうかを確かめるために実
験を行った。この実験では、ハワイのホノルルから出発した日本への三週間の旅
の間、ニ乃至三の凍結乾燥した精巣上体精子のアンプルを携帯した。凍結乾燥す
る前に、精子はCZB溶媒に懸濁した。旅の間中、アンプルをアルミホイルにく
るんで、ボール紙の箱に保存したことを除いて、精子を保存するための特別な用
心はしなかった。周囲の温度は、5℃と30℃の間を変動した。それらがホノル
ルに帰還してから一週間後に、精子を水で戻し、本発明の方法に利用した。 例5 卵母細胞の調製 7.5国際単位(IU)の妊娠した雌馬の血清性腺刺激ホルモンを各マウスに
投与した後、48時間後に7.5IUのヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)
を投与することにより、成熟したB6D2F1(C57BL/6×DBA/2)
の雌に過剰排卵を誘発させた。hCG投与から14時間後に、卵丘−卵母細胞複
合体を卵管から採集し、Hepes―CZB溶媒中のウシ精巣ヒアルロニダーゼ
(300USP U/mL;ICN Biochemicals,Costa
Mesa,CA)で、3分間処理して丘細胞を分散させた。精子の核を注入する
前に、卵母細胞をリンスし、最大4時間、37℃で、空気中5%COの雰囲気
で、CZB溶媒に保存した。 例6 精子の核の卵母細胞へのマイクロインジェクション 調製した卵母細胞中への精子頭部の注入では、プラスチックの皿(100mm
×15mm;Falcon Plastics,Oxnard,CA,カタログ
番号1001)のカバー(深さ10mm)を利用することによってマイクロイン
ジェクションチャンバーを準備した。二つの丸い液滴と一つの伸長した液滴から
なる列を皿の中央線に沿って置いた。第一の液滴(2μL;直径2mm)はピペ
ット洗浄用(12%[w/v]PVP、平均分子量360,000ダルトンを含
有するHepes−CZB)であった。第二の液滴(2μL;直径2mm)は、
上述のように調製した、CZB又はDMEM中の水で戻した凍結乾燥精子の懸濁
物であった。第三の伸長した液滴(6μL;幅2mm、長さ6mm)は、卵母細
胞用のHepes−CZB溶媒であった。これらの各液滴をミネラルオイル(S
quibb and sons)で覆った。倒立顕微鏡干渉コントラスト光学の
ステージに前記皿を置いた。
【0049】 卵母細胞中への精子の核のマイクロインジェクションは、Prime Tec
h社(つくば、茨城県、日本)のPiezo Micromanipulato
rモデルMB−Uを利用して、先述した圧電マイクロインジェクター法によって
達成された。このユニットは、一度に極めて速い速度で極めて短い距離(例えば
、0.5μm)だけピペットホルダーを進ませるために、圧電効果を使用してい
る。パルスの強度と速度は、コントローラーによって制御された。
【0050】 上述のように調製した卵母細胞中に注入するために、まず尾部から、圧電ピペ
ット駆動ユニットに装着された注入用ピペット(チップの先端が内径(I.D.
)約5μM)の中に、単一の精子を吸引した。首の領域に単一の又はニ乃至三回
の圧電パルスを与えることによって、精子の頭部と尾部を分離した。パルスの強
度と速度(周波数)は、コントローラーPMAS−CT01(コントローラーの
セッティング目盛:強度2、速度1)によって制御された。続いて、ピペットの
中に頭部を深く吸い込み、注入用ピペットの近位末端に少量(約0.5μL)の
水銀を置いた。
【0051】 しばらくの間、成熟した受精していない卵母細胞をHepes−CZB溶媒中
顕微鏡のステージ上に置いた。該卵母細胞は、固定用ピペットによって固定され
、注入用ピペットの先端を透明帯の三時の位置に近接して接触させた。幾つかの
圧電パルス(強度1−2、速度1−2)を与えて、ピペットに軽い陰圧がかかる
までピペットを進めた。ピペットの先端が透明帯を通過すると、ピペット中の透
明帯の円筒状細片が卵黄周囲腔の中に排出された。精子の頭部が注入用ピペット
の先端付近にくるまで精子の頭部を押し進めた後、ピペットの先端が卵母細胞の
皮質の反対側にほぼ達するまでピペットを機械的に進めた。一又は二回の圧電パ
ルス(強度1−2、速度1)を与えることによって卵細胞膜をパンクさせ、最少
量(約6pL)の精子懸濁溶媒を伴うように、精子の頭部を卵質の中に排出した
。できるだけ多くの溶媒が回収された後、卵細胞質の中に精子の頭部が残るよう
にピペットを穏やかに引き抜き、全ての注入は、精子を水で戻してから一時間以
内に、室温(23−27℃)でHepes−CZB中において行った。各卵母細
胞には、一つの精子頭部を注入した。該方法によって、10−15分以内に約5
−20の卵母細胞をマイクロインジェクトした。 例7 卵母細胞の調査及び胎芽の移植 精子頭部を注入された卵母細胞を空気中の5%CO下、37℃でCZB中で
インキュベートし、倒立顕微鏡を用いて5〜6時間後に観察した。二つの異なる
前核と第二の極体を有する卵母細胞が正常に受精すると考え、CZB中で四日間
培養した。桑実胚又は胚盤胞段階に達した卵母細胞を、子宮内膜の胎芽発育段階
とシンクロナイズさせるために、三日前に、精管切除を施したCD−1雄と交配
したレシピエントCD−1雌(アルビノ)の子宮角に移した。平均八個の数の桑
実胚/胚盤胞を各角に移した。雌を分娩させ、それらの(黒、茶、又は灰色の毛
皮を有する)代理子孫を生ませた。幾つかの成熟した雄及び雌の子孫をランダム
に選別して、それらの稔性を調べるために交配した。 結果 水で戻した凍結乾燥精子の顕微鏡観察 水で戻した精子の顕微鏡観察によって、100%の精子が運動能を持たないこ
とが示された。精子の生存は、UV顕微鏡下での蛍光染色パターンに従って、形
質膜が損傷していない(生きた)細胞と形質膜が損傷した(死んだ)細胞を識別
する市販の細胞生存試験キット(Live/dead FertiLight,
Molecular Probes,Eugene,Oregon)を用いて評
価した。損傷されていない形質膜を有する「生きた」精子の核は、緑色の蛍光を
発したのに対して、「死んだ」精子の核は、明るい橙赤色の蛍光を発した。凍結
乾燥し、水で戻した後に、四匹の雄から得た10,000以上の精子を調べた。
この試験による評価では、調べた精子は全て「死んでいた」。 凍結乾燥精子の頭部を注入したマウス卵母細胞の発育 表1に示されているように、1353の卵母細胞のうち1,236の卵母細胞
(91.4%)は、注入顕微手術後も生存し、生存したもののうち、1,157
(93.6%)は、最初の精子懸濁溶媒(CZB又はDMEM)、保存温度(2
5℃又は4℃)、及び保存期間(1日、ニ週間、1ヶ月、又は3ヶ月)にかかわ
らず精子の核によって活性化され、正常に受精した。
【0052】 これらの例におけるアンプルの最長保存期間は、4℃で3ヶ月であった。三つ
の実験では、三匹の雌から得た57の卵母細胞に3ヶ月保存した精子を注入した
。注入した卵母細胞のうち95%は、顕微手術後も生存し、それらのすべてが正
常に受精した。受精卵の91%は、インビトロで桑実胚/胚盤胞まで発育した。
三匹のフォスターマザーに移植された46個の胎芽のうち14個(30%)が正
常な成体まで発育した。
【0053】 CZB懸濁した精子頭部を注入し、凍結乾燥され、25℃又は4℃で1日又は
二週間保存され、水で戻された受精卵の大部分(90−93%)は、インビトロ
で桑実胚/胚盤胞まで発育し、フォスターマザーに移植すると、これらのうち2
5−34個(20%−29%)が正常な子孫に発育した。水で戻す前に1ヶ月間
25℃で保存されたCZB懸濁凍結保存精子を注入した受精卵が桑実胚/胚盤胞
まで発育する割合はより少なかったが(76%)、フォスターマザーに移植する
と、これらのうち16個(18%)が正常な子孫に発育した。CZB懸濁精子頭
部を注入され、凍結乾燥され、4℃で3ヶ月間保存した受精卵から得た32個の
被移植胎芽のうち9個(28%)が正常な子孫に発育した。要約すれば、CZB
懸濁凍結乾燥精子を利用すると、顕微手術後も生存し、正常に受精した664個
の卵母細胞から発育した562個の胎芽を移植すると合計143体の生きた子孫
が得られ、全体の成功率は、21.5%であった。
【0054】 DMEM懸濁精子頭部を注入され、凍結乾燥され、25℃で1日〜1ヶ月又は
4℃で最長3ヶ月保存した受精卵も大部分(79%−91%)は、インビトロで
桑実胚/胚盤胞まで発育した。要約すれば、顕微手術後も生存し、正常に受精し
た493個の卵母細胞から発育した326個の胎芽を移植すると合計92体の生
きた子孫が得られ、全体の成功率は、18.7%であった。
【0055】 図1bに示されているように、全ての子孫は正常に育った。それらの性比は約
1:1であった。12の実験群の各々から、二匹の完全に成長した雌と二匹の雄
をランダムに選択し、交配した。全てが稔性を有していることが証明され、正常
な大きさの仔(8〜12匹)が得られた。 凍結乾燥精子の運搬の受精能に対する影響 日本へ、そして日本から運搬され、ホノルルに戻ってきたときに再生した精子
のうち、ランダムに選別した29の精子を各別に卵母細胞に注入した。23匹の
卵母細胞(79%)が生き残り、正常に受精した。19匹(83%)が、インビ
トロで桑実胚/胚盤胞に発育した。フォスターマザーに移植した後、3個(16
%)が出産予定日に達した。3匹(雌が2匹、雄が1匹)は全て稔性のある成体
に成長した。
【0056】 以上の例では、マウスの精子が凍結乾燥後も遺伝的完全性を保持し得ることを
実証した。無脊椎動物と脊椎動物を含む他の種の精子が、これと異なる挙動をす
ると考える理由は全くない。
【0057】 本明細書では、好適な態様を参照しながら本発明を記載してきたが、これは、
本発明を開示した具体的形態に限定することを意図したものではないことを理解
しなければならない。それとは逆に、本発明の精神及び範囲には、全ての変形及
び代替形態が含まれることを意図したものである。
【表1】
【図面の簡単な説明】
本特許出願は、少なくとも一つのカラー図面を含んでいる。本特許のカラー図
面のコピーは、必要な料金を支払って請求すれば米国特許庁から入手できるであ
ろう。
【図1】 凍結乾燥されたマウスの精子を含有する真空密封されたアンプルの写真。各ア
ンプルの底部にある白い粉末は、精子を含有する乾燥したCZB溶媒である。
【図2】 水で戻した直後の凍結乾燥したマウスの精子の顕微鏡写真(図2A)。尾部が
ない、又は壊れた尾部を有する精子頭部の割合は、乾燥した試料を保存中にどの
程度やさしく、又は乱暴に扱うかによって変化する。 凍結されていない正常な精子頭部の前部領域にわたる縦断切片を示す電子顕微
鏡写真(図2B)。 水で戻した後の凍結乾燥された精子頭部の前部領域にわたる縦断及び水平切片
図を示す電子顕微鏡写真(図2C)。形質膜(p)、及び先体(ac)の内容物
は消失している。(ia)=内先体膜、(oa)=外先体膜、(n)=核。
【図3】 CD−1(アルビノ)のフォスターマザーから生まれた三匹の幼い(黒)マウ
スの写真。これらの子供は、凍結乾燥後1ヶ月間室温で保存されたB6D2F1
精子を注入したB6D2F1卵母細胞から発育した。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年7月4日(2000.7.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 15/00 A61D 7/02 B (31)優先権主張番号 09/177,391 (32)優先日 平成10年10月23日(1998.10.23) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ヤナギマチ、リューゾー アメリカ合衆国、ハワイ州 96822 ホノ ルル、ワード・アベニュー・17ダブリュ、 1425 Fターム(参考) 4B065 AA90X AA91X AA93X BC50 BD11 BD14 4C087 AA01 BB16 BB18 BB25 BB29 BB31 BB32 BB33 BB60 BB61 CA04 NA10 ZC61 4H011 CA01 CB08 CD06 CD11 CD12

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水で戻した後に、卵母細胞を受精させることができ、受精し
    た前記卵母細胞が生きた子孫に発育することを特徴とした凍結乾燥精子
  2. 【請求項2】 前記精子が頭部と尾部を共に有する請求項1の凍結乾燥精子
  3. 【請求項3】 前記精子が分離した頭部を有する請求項1の凍結乾燥精子。
  4. 【請求項4】 前記精子頭部が核と前核物質を含む膜除去された頭部である
    請求項1の凍結乾燥精子。
  5. 【請求項5】 前記受精した卵母細胞がさらに精子の中心体を含む請求項1
    の凍結乾燥精子。
  6. 【請求項6】 前記精子が無脊椎動物に由来する請求項1の凍結乾燥精子。
  7. 【請求項7】 前記精子がウニ、ロブスター、アワビ、又は甲殻類に由来す
    る請求項6の凍結乾燥精子。
  8. 【請求項8】 前記精子が脊椎動物に由来する請求項1の凍結乾燥精子。
  9. 【請求項9】 前記精子が魚、両性動物、爬虫類動物、鳥、又は哺乳動物に
    由来する請求項8の凍結乾燥精子。
  10. 【請求項10】 前記精子がヒトに由来する請求項8の凍結乾燥精子。
  11. 【請求項11】 前記精子がマウスに由来する請求項8の凍結乾燥精子。
  12. 【請求項12】 前記受精した卵母細胞が精子以外にドナー由来の外来核酸
    配列をさらに有する請求項1の凍結乾燥精子。
  13. 【請求項13】 卵母細胞を受精させて生きた子孫を創出することができる
    精子を得るための精子の凍結乾燥法であって、 生きた精子を採集する工程; 生理的懸濁溶媒中に前記精子を懸濁する工程; 精子の懸濁物を凍結する工程;及び 凍結した精子の懸濁物を乾燥して水分レベルを1%未満にする工程 を備えた方法。
  14. 【請求項14】 凍結乾燥精子の懸濁物を水で戻す工程をさらに備え、少な
    くとも一つの水で戻した精子が卵母細胞を受精させて生きた子孫を創出させるこ
    とができる請求項13の方法。
  15. 【請求項15】 前記水分レベルが0.01%未満である請求項13の方法
  16. 【請求項16】 前記水分レベルが0.001%未満である請求項13の方
    法。
  17. 【請求項17】 前記水分レベルが0.00001%未満である請求項13
    の方法。
  18. 【請求項18】 凍結工程の前に精子の膜を除去して膜除去された精子頭部
    を形成せしめる工程をさらに備えた請求項13の方法。
  19. 【請求項19】 前記精子が脊椎動物に由来する請求項13の方法。
  20. 【請求項20】 前記精子が魚、両性動物、爬虫類動物、鳥、又は哺乳動物
    に由来する請求項19の方法。
  21. 【請求項21】 前記精子がヒトに由来する請求項19の方法。
  22. 【請求項22】 前記精子がマウスに由来する請求項19の方法。
  23. 【請求項23】 前記精子が無脊椎動物に由来する請求項13の方法。
  24. 【請求項24】 前記精子がウニ、ロブスター、アワビ、又は甲殻類に由来
    する請求項23の方法。
  25. 【請求項25】 凍結工程が−196℃で10分間行われる請求項13の方
    法。
  26. 【請求項26】 水で戻す工程の前に一定の時間、凍結乾燥精子を保存する
    工程をさらに供えた請求項13の方法。
  27. 【請求項27】 前記凍結乾燥精子が周囲の温度で保存される請求項26の
    方法。
  28. 【請求項28】 前記凍結乾燥精子が約4℃で保存される請求項26の方法
  29. 【請求項29】 前記凍結乾燥精子が−20℃以下で保存される請求項26
    の方法。
  30. 【請求項30】 保存時間が3ヶ月を超えない請求項26の方法。
  31. 【請求項31】 保存時間が約1年を超えない請求項26の方法。
  32. 【請求項32】 保存時間が1年を超える請求項26の方法。
  33. 【請求項33】 請求項13の方法によって得た凍結乾燥精子を含むアンプ
    ル。
  34. 【請求項34】 水で戻した被凍結乾燥精子で受精した卵母細胞からの生き
    た哺乳動物の子孫を得る方法であって、 水で戻した被凍結乾燥精子を単離する工程; 単離された卵母細胞に前記精子を挿入して受精した卵母細胞を形成せしめる工
    程;及び 前記受精した卵母細胞を生きた子孫に発育させる工程 を備えた方法。
  35. 【請求項35】 前記単離工程が(1)生きた精子を採集するサブ工程;(
    2)前記精子を生理的懸濁溶媒に懸濁するサブ工程;(3)精子の懸濁物を凍結
    するサブ工程;(4)1%未満の水分レベルになるように凍結した精子の懸濁物
    を乾燥するサブ工程;及び(5)凍結乾燥精子の懸濁物を水で戻すサブ工程を備
    えた請求項34の方法。
  36. 【請求項36】 精子を挿入する工程が、さらに精子尾部から精子頭部を分
    離し、該精子頭部を卵母細胞中に挿入するサブ工程を備えた請求項34の方法。
  37. 【請求項37】 前記挿入工程が圧電駆動されたマイクロインジェクション
    によって達成される請求項34の方法。
  38. 【請求項38】 前記水で戻した被凍結乾燥精子が膜除去された精子頭部を
    含む請求項34の方法。
  39. 【請求項39】 前記挿入工程が精子中心体を挿入するサブ工程をさらに含
    む請求項34の方法。
  40. 【請求項40】 卵母細胞中に精子を挿入する工程が、卵母細胞中に非精子
    由来の核酸配列を挿入するサブ工程をさらに含む請求項34の方法。
  41. 【請求項41】 前記卵母細胞を生きた子孫に発育せしめる工程が、前記受
    精した卵母細胞を胎芽に発育せしめるサブ工程、及び該胎芽をフォスターマザー
    に移植し」、該フォスターマザーが生きた子孫を出生するサブ工程を備えた請求
    項34に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記精子が脊椎動物に由来する請求項34の方法。
  43. 【請求項43】 前記精子が魚、両性動物、爬虫類動物、鳥、又は哺乳動物
    に由来する請求項42の方法。
  44. 【請求項44】 前記精子がヒトに由来する請求項42の方法。
  45. 【請求項45】 前記精子がマウスに由来する請求項42の方法。
  46. 【請求項46】 前記精子が無脊椎動物に由来する請求項34の方法。
  47. 【請求項47】 前記精子がウニ、ロブスター、アワビ、又は甲殻類に由来
    する請求項46の方法。
  48. 【請求項48】 前記水分レベルが0.01%未満である請求項34の方法
  49. 【請求項49】 前記水分レベルが0.001%未満である請求項35の方
    法。
  50. 【請求項50】 前記水分レベルが0.00001%未満である請求項35
    の方法。
  51. 【請求項51】 前記精子が水で戻してから1乃至約60分後に注入される
    請求項35の方法。
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