JP2002503923A - ハンズフリー通話装置における音響的側音減衰を改善する方法 - Google Patents

ハンズフリー通話装置における音響的側音減衰を改善する方法

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JP2002503923A
JP2002503923A JP2000531947A JP2000531947A JP2002503923A JP 2002503923 A JP2002503923 A JP 2002503923A JP 2000531947 A JP2000531947 A JP 2000531947A JP 2000531947 A JP2000531947 A JP 2000531947A JP 2002503923 A JP2002503923 A JP 2002503923A
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シュミット ゲルハルト
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インフィネオン テクノロジース アクチエンゲゼルシャフト
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    • H04M9/00Arrangements for interconnection not involving centralised switching
    • H04M9/08Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic

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  • Signal Processing (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
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  • Interconnected Communication Systems, Intercoms, And Interphones (AREA)

Abstract

(57)【要約】 音響的側音減衰を、部分帯域補償方法に対する適応型制御と、残留エコー抑圧のための全帯域ポストフィルタリングとの組合せに基づいて、レベルバランサ(22)と、部分低域処理部を備えた制御可能な周波数選択性エコー補償部(28)とを有するハンズフリー通信装置で改善する方法であって、周波数選択性エコー補償部(28)から出力された信号にポストフィルタリングを別の周波数選択性フィルタ(30)(ウィーナフィルタリング)で施し、該別の周波数選択性フィルタはウィーナの数式による調整アルゴリズムを有する形式の方法において、ただ1つの制御パラメータ(ステップ幅ベクトル)を、周波数選択性エコー補償部の制御にも、別のフィルタの制御にも使用する。これにより当該方法は、計算コストを非常に低減して実現され、したがって簡単な“市販の”プロセッサに適用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、レベルバランサと、部分帯域処理部を備えた制御可能な周波数選択
性のエコー補償部と、残留エラーポストフィルタリング部とを有する形式のハン
ズフリー通話装置における音響的側音減衰を改善する方法に関する。
【0002】 ハンズフリー通話装置では、スピーカから送出されて、マイクロフォンによっ
て再度受信された、遠隔の加入者の信号を抑圧することがどうしても必要である
。さもないと、不快なエコーによるノイズを受けることになってしまうからであ
る。従来技術では、このエコーの抑圧のために、つまり、音響的な側音減衰のた
めに、通常、通話状況に依存して送信路又は受信路を強く減衰させるレベルバラ
ンサが設けられてきた。しかし、そうすることによって、同時通話(全2重動作
)が実際上不可能となっている。
【0003】 従来技術では、受容可能な程度の同時通話作動特性にも拘わらず、十分な側音
減衰を利用することができるように既に試みられている。このために、レベルバ
ランサに対して付加的に、周波数選択性の制御可能なエコー補償部が設けられて
いる。これに関しては、未だ公開されていない、本件出願人によるドイツ連邦共
和国特許出願第19714966号を指摘することができる。他の方法は、例え
ば、NEC社の宣伝用パンフレット”RefleXionTM Acoustic Echo Canceller on the μPD7701x Fami
ly”,1996、又は、Motorola社のDSP5600xDigita
lprozessors(M.Knox,P.Abbot,Cyox:”A H
ighly Integrated H320 Audiosubsystem using the Motorola DSP5600x Digital
prozessor”)の説明書に記載されている。しかし、この方法も、ビデ
オ会議コネクションの長い信号経過時間乃至GSMコネクションの場合、それと
同時に同時通話ができる必要がある場合には、十分にエコーを抑圧することがで
きない。
【0004】 従って、部分帯域処理を用いた周波数選択エコー補償によって付加的にポスト
フィルタリング(Nachfilterung)することが既に提案されている
。そのようなポストフィルタリングは、例えば、論文”V.Turbin,A.
Gilloire,P.Scalart:Comparison Of Thr
ee Post−Filtering Algorithmus For Re
sidual Acoustic Echo Reduction” ICAS
SP97, International Workshop on Acou
stic Speech and Signal Processing, M
uenchen 1997、又は、R.Martinの論文”An impro
ved Echo−shape Algorithm for Acousti
c Echo Control”、EUSIPCO96,8th Europe
an Signal Processing Conference,Trie
st,Italien,1996から公知である。この技術概念は、従来技術で
は実現困難であるとされてきた。その理由は、部分帯域処理を用いたエコー補償
の場合にも、ポストフィルタリングの場合にも、デジタル信号処理を行う必要が
あり、そのデジタル信号処理のために必要な計算能力は、当時使用可能なプロセ
ッサを以てしては、適切なコストでは達成し得なかったからである。
【0005】 従って、本発明の課題は、部分帯域処理での周波数選択性エコー補償も、慣用
の”市販プロセッサ”での所要のポストフィルタリングも実現することができる
、ハンズフリー通話装置での音響的側音減衰を改善するための方法を提供するこ
とにある。この課題は、請求項1の要件を有する方法により解決される。この方
法の有利な実施例は、従属請求項に記載されている。
【0006】 従って、本発明によると、唯一の制御量、即ち、ステップ幅ベクトルだけが、
周波数選択性エコー補償部の制御にも、別のフィルタの制御にも使用される。有
利には、その際、複数の異なるサンプリングレートを使用することができる。そ
うすることによって、計算コストを一層低減することができる。
【0007】 同様に、有利には、エコー補償部にも別のフィルタにも、適応型フィルタを使
用することができる。
【0008】 エコー補償部は、有利には、周波数部分帯域内でのフィルタバンクを用いて実
行される。
【0009】 有利には、適応の制御にもステップ幅の制御にも、出力に基づく推定と相関に
基づく分析とが使用される。
【0010】 同様に有利には、ステップ幅検出のために、部分帯域内での出力伝達係数を推
定する。
【0011】 同様に有利には、エコー補償部も残留エラーポストフィルタリングも、それら
によって導入されるエコー減衰に対する推定値を送出する。その理由は、この推
定値は、有利には、レベルバランサの減衰の制御のために使用することができる
からである。そうすることによって、レベルバランサによって導入される減衰を
更に低減して、それにより、同時通話時の通話の質を一層改善することができる
【0012】 付加的に、有利には、両通話加入者が同時にアクティブ状態であること(同時
通話)を検出するとよい。その際、例えば、ハンズフリー通話装置の同時通話能
力(全2重動作)を一層改善するために、同時通話時のレベルバランサの全減衰
量を低減することができる。
【0013】 本発明について、以下、図示の実施例を用いて詳細に説明する。その際: 図1は、デジタルコネクションと接続したハンズフリー通話装置の簡略モデルを
示す図、 図2は、本発明のハンズフリー通話装置のブロック接続図、 図3は、エコー伝搬時間に依存するハンズフリー通話装置での要求減衰量に対す
る曲線を示す図、 図4は、本発明の方法の概略図、 図5は、部分帯域補償部の適合部の構造を示す図、 図6は、出力伝達係数に対するモデル図、 図7は、遠隔加入者及びローカル加入者の信号を示す図(この図を用いて、以下
、本発明について説明する)、 図8は、図7の信号の結果得られる励起及び帯域1内での妨害を受けたエラーを
示す図、 図9は、帯域1内での図7,8の条件下での推定された出力伝達係数を示す図、 図10は、図7及び8による条件下での帯域1内での、ステップ幅制御により選
択されたステップ幅を示す図、 図11は、本発明による、減衰量低下の平滑化を示す図、 図12は、エラー信号のポストフィルタリングの詳細図、 図13は、本発明によるステップ幅の平滑化を示す図(部分Aは同じ時定数の場
合、部分Bは異なる時定数の場合)、 図14は、遠隔加入者及びローカル加入者の信号の別の例(後続の図で、処理の
前提になっている)を示す図、 図15は、帯域1内での別のフィルタによる調整経過及び減衰度を示す図、 図16は、帯域1内での別のフィルタによる減衰度を示す図、 図17は、レベルバランサでの減衰値の遷移を示す図、 図18は、全帯域内での励起及び誤差出力を示す図(それぞれ図14による入力
信号特性の場合) である。
【0014】 図1には、デジタルコネクション12に接続されたハンズフリー通話装置10
の簡略モデルが図示されている。ヨーロッパのISDN網で使用されているA−
Lawコーディング乃至デコーディング部は、両左ブロック14,16内に図示
されている。右側には、スピーカ・空間・マイクロフォンシステム18(LRM
システム)が、ローカル通話加入者20であるハンズフリー通話装置のユーザと
一緒に略示されている。
【0015】 スピーカとマイクロフォンとの間の音響的な結合によって、LRMシステムを
介したクロストークが生じる。このクロストークは、遠隔加入者によって障害と
なるエコーとして知覚される。その際、音響波は、スピーカから放射されて、空
間に拡散する。壁や、空間内の対象物での反射によって、複数の拡散路が形成さ
れ、この複数の拡散路によって、スピーカ信号に種々異なる伝搬時間が生じる。
従って、マイクロフォンでのエコー信号は、多数のエコー成分が重畳することに
よって生じ、場合によっては、有効信号n(t)、つまり、ローカル話者の信号
に重畳することがある。
【0016】 加入者間のコネクションも、種々異なった伝送システム間を移行するときにエ
コーを発生することがある。しかし、ネットワーク業者が、直接、クリティカル
な個所に、その種のエコー源に対する特別な手段を講じると、このエコーが気に
ならないようにすることができる。アナログインターフェースを有する電話機で
、平衡回路網が線路インピーダンスに誤整合することによって生じる受話器受け
でのエコーも、デジタルコネクションを使用することによって気にならないよう
にすることができる。
【0017】 図2には、本発明のハンズフリー通話装置が略示されている。中央の要素は、
レベルバランサ22である(図2の左側部分に図示されている)。任意に、2つ
の増幅度制御部24,26(オートマチックゲインコントロール=AGC)を送
信及び受信路内に接続してもよい。レベルバランサ22により、ITU乃至ET
SI勧告によって規定されている最小減衰度にすることができる。この最小減衰
度で、通話状況に依存して送信路及び/又は受信路内の信号伝送を減衰させるこ
とができる。遠隔加入者がアクティブの状態では、受信路はスイッチオフされ、
遠隔加入者の信号は減衰されずにスピーカに出力される。補償器がスイッチオフ
された場合、又は、平衡調整がとれていない場合に生じるエコーは、送信路内に
挿入される減衰作用によって強く低減される。ローカル話者がアクティブである
場合、状況は逆転する。受信路が強く減衰されている間、レベルバランサ22は
、送信路内に減衰作用を挿入せず、ローカル話者の信号は、減衰されずに伝送さ
れる。同時通話時には、レベルバランサの制御は困難となる。この場合には、両
経路(従って加入者信号も)は、それぞれ挿入されるべき減衰作用の半分を受け
るか、又は、最適制御でない場合には、両経路の内の少なくとも一方が減衰され
る。従って、同時通話は、不可能であるか、又は制限的にしか可能でない。
【0018】 ここでは図2の右方に示されている、適応型エコー補償器28を用いて説明を
続ける。これらは、マイクロフォン信号からの遠隔加入者のエコー成分を抽出計
算するために、LRMシステムをデジタル的にシミュレーションする。補償器が
これをどのくらい良好に実行するかに応じて、レベルバランスによって挿入され
る総減衰量を低減することができる。
【0019】 エコー補償は、周波数部分帯域において実現される。この場合個々の帯域幅は
、有利には8kHzのサンプリングレートでは250Hz〜500Hzの間にお
かれ、16kHzのサンプリングレートの場合には500Hz〜1000Hzの
間におかれる。周波数選択性のエコー補償の適用には多くの利点がある。その1
つは、オーバーサンプリングとサブサンプリングの適用によって、システム自体
がマルチレートシステムとして作動可能なことである。これにより、計算コスト
が低減される。別の1つは、部分帯域への分解により、“補償能力”が個々の周
波数領域に別々に異なって分割可能なことである。それにより、“補償能力”の
音声信号への効果的な適合化が達成される。さらにこの部分帯域処理は、総帯域
処理が個々の部分帯域システムと比較される場合には、非相関的作用を有してい
る。このことは、音声信号に対しては適応型フィルタの収束速度を高める。これ
らの利点の他、部分帯域処理の欠点を無視してはならない。個々の周波数領域へ
の信号の分解は、常に伝搬時間に作用し、本発明の有利な方法によれば、8kH
zのサンプリングレートでは32ms、16kHzのサンプリングレートでは1
6msである。しかしながら当該方法はビデオ会議ないしGSM移動電話に対し
ても用いられるものなので、そのような伝搬時間は許容される。
【0020】 ビデオ会議システムでは伝搬時間が、ほとんど画像処理用構成要素によって確
定する。一般的にはローカル加入者に、遠隔加入者の画像と音声を唇の動きに同
期して送出することが試みられるので、音響エコーの伝搬時間は数百msまで高
めることが可能である。図3には、研究の結果が示されており、その中にはどれ
くらいのエコー減衰量が当該エコーの伝搬時間に依存して必要であるかが見つけ
出される。この場合通話品質との充足度がそれぞれ90%、70%、50%ライ
ンで示されている。
【0021】 この研究に基づけば、30ms〜40ms(8kHzのサンプリングレート)
の純粋なオーディオ伝搬時間のもとで35dBのエコー減衰量しか必要でない。
画像と音声とを唇同期して伝送する場合で例えば300msの伝搬時間のもとで
は要求が53dBに高まる。GSM接続においても伝搬時間は100ms以上に
なり得る。それに伴ってビデオ会議システム並びにGSMシステムにおけるエコ
ー補償方法において課せられる要求は、従来方式のハンズフリー電話機における
要求よりも高まる。
【0022】 当該のエコー補償はその能力が制限され、そのように高いエコー減衰度は、使
用可能なハードウエアによって達成できないので、いわゆるポストフィルタ30
が導入されていた。これは、個々の部分帯域のステップ幅を他の検出結果と一緒
に評価し、合成フィルタ出力信号を再度周波数選択性にフィルタリングする。こ
のフィルタ30の調整アルゴリズムはウィーナ方式によるものなので、このポス
トフィルタ30は、以下ではウィーナフィルタとも称する。
【0023】 エコー補償の制御は、複数の段で行われる。出力ベースの全ての制御ユニット
32は、各補償器毎に自律的に動作する。つまり他の周波数領域には依存しない
。それ故図2には、各補償器毎に固有の適応及び制御ユニット32が示されてい
る。スピーカ信号及びマイクロフォン信号の相関分析に基づく制御段は、同時通
話の検知に用いられるので、全ての周波数領域において均等に評価される。さら
なる段が、固定小数点演算によって制限された精度を考慮するので、制御に依存
した適応制御を行う。
【0024】 最終的な同時通話識別は、固有のユニットと別個にも行われる。このユニット
は、レベルバランスの検知器もエコー補償器の検知器もサポートしている。この
ユニットは、同時通話状況においてレベルバランスを行い、挿入すべき総減衰量
を再度低減する(ITU勧告G167)。
【0025】
【外2】
【0026】 これは部分帯域補償の制御にも、ポストフィルタの係数の算出にも用いられる。
この2つの部分手法は、それぞれそこから引き起こされるエコー減衰度を算出し
、この情報をレベルバランサ22に通知する。このレベルバランサ22は、ユー
ザによって設定される総減衰量を低減し、さらに送受信経路に残りの減衰量を挿
入する。
【0027】
【外3】
【0028】 これによって低減される計算コスト(ポストフィルタリングに対して100以下
のサイクル/サンプリングレート)により、これらの2つの手法を安価な“市販 ”信号プロセッサ上で実現可能となり、それと共にハンズフリー通話装置の品質
も高められる。
【0029】 エラーポストフィルタリングためのこれまでの手段では、まず(高コストな)
FFT分析ないしは他の計算コストのかかる計算方式が用いられ、ポストフィル
タリングの制御は、常にエコー補償の制御とは別個にみなされていた。
【0030】 部分帯域処理に必要な周波数帯域分析と合成は、ポリフェーズフィルタバンク
として実現される。
【0031】 まず初めに(とりあえずはウィーナフィルタリング内での後の使用とは無関係
に)ステップ幅制御の説明を行う。これは部分帯域補償の高速でかつ安定した適
応化を保証する。付加的に、達成されたエコー減衰度を推定する方法が提案され
る。これによりレベルバランサ22は、(この推定値に基づいて)総減衰量を低
減し得る。この場合、減衰推定に対しては、達成された減衰が良好に調整された
エコー補償によってなのか、またはスピーカ及びマイクロフォンの音響装置によ
ってなのか、あるいはアナログ増幅器の相応の選択によってなのかは重要ではな
い。
【0032】 部分帯域エコー補償器の適応化は、使用される信号プロセッサに適合するNL
MS方式を用いて行われる。以下の説明は、適応型プロセスの構造を示した図5
に基づく。
【0033】
【外4】
【0034】
【外5】
【0035】
【外6】
【0036】
【外7】
【0037】 ここで既述した近似関数はF(x)で表わされる。
【0038】
【外8】
【0039】
【外9】
【0040】
【外10】
【0041】 前述してきたステップ幅制御は、既述した2つの通話状況ないし補償器の状態
を考慮するものであり、また適応制御に対して課せられる要求を充足するもので
ある。μ番目の部分帯域のステップ幅は以下の式にしたがって調整しなければな
らない。
【0042】
【数1】
【0043】
【外11】
【0044】
【数2】
【0045】
【外12】
【0046】 この減衰の大きさ(励起出力のエラー出力に対する比)は出力伝達係数により
部分帯域で推定される。
【0047】
【数3】
【0048】 ここでこのモデルは、LRMシステムに付加的なノイズ信号、すなわち例えばロ
ーカル話者の活動が存在しないことを前提とする。式3.8ではこの理由からパ
ラメータKES,FTが導入される。このパラメータは、ハンズフリー通話装置が遠 隔加入者の単独通話状態にある時点を含むものである。
【0049】 式3.8で使用され、平滑化された2次励起信号は、ここで推定されたエラー
出力と同じように求められる。
【0050】
【数4】
【0051】 空間変化がない状態では、出力伝達係数は(短時間の)励起出力と比較して非
常に緩慢に変化する。したがって上記の推定の分散を改善するために大きな時定
数を有する再帰的平滑化を使用することができる。ここで大きいとは、出力推定
における時定数と比較してのことである。
【0052】 ローカル加入者がアクティブである場合には、残留エコーの推定が大きく妨害
される。このような場合には、出力伝達係数の推定を新たに行うべきではない。
【0053】
【外13】
【0054】 これまでの考察から、出力伝達係数の検出を2つの部分に分割できることがわ
かる。1つには、この2つのパラメータの2つの出力推定ないし除算の効率的な
計算を既存のハードウェアで行わなければならない。2つには、パラメータKES ,FT が含まれる時点を検出しなければならない。
【0055】 第1の部分問題に対しては非線形の再帰的平滑化が適用された。このフィルタ
の入力信号として、部分帯域信号の実数部の絶対値と虚数部の絶対値との和が選
択された。除算を回避するために、出力伝達係数は対数で計算された。これによ
り除算は減算により置換することができる。
【0056】 第2の部分問題に対しては、いわゆる相関尺度ξ(kr)が使用された。ここ では遠隔加入者とマイクロフォン信号との励起信号が正規化相互相関分析される
。遠隔加入者が単独通話の場合には、2つの信号が強く相関し、相関尺度は値ξ
(kr)≒1を送出する。ローカル通話加入者がアクティブである場合、相関は 減少し、値値ξ(kr)<1が検知される。
【0057】 以下の考察を明りょうにするため、遠隔通話加入者とローカル通話加入者の入
力信号による制御が図7に示されるように検査された。
【0058】 両方の信号に対してアクティブフェーズではガウス分布するホワイトノイズが
選択された。シーケンスの開始時には遠隔加入者の“単独通話”が存在する(フ
ェーズA1)。適応型エコー補償器はこのフェーズで調整でき、約3から4秒後 にその最終調整状態に達する。7.5秒後にローカル加入者が遠隔加入者の話を
遮るようになる(同時通話、領域B1)。そしてローカル加入者が“単独通話” を引き取る(領域C)。10.75秒後に状況が反転する。遠隔加入者がローカ
ル加入者の話を遮り(同時通話、領域B2)、続いて一人で話し続ける(フェー ズA2)。
【0059】 マイクロフォン信号は、励起信号と、既に予調整されたオフィス空間のパルス
応答(8kHzのサンプリングレートにおいて長さ2044の係数)との畳み込
みにより、そして引き続きローカル話者の信号の加算により形成される。
【0060】 図8には、励起信号とエラー信号の平均出力が示されている。適合は以下に説
明するステップ幅制御によって実行された。ここでは、相関評価が領域A1とA2 でだけ制限解除を送出することが前提とされる。図から、フェーズA1の経過中 に達成される約25dBの調整が同時通話の領域およびローカル加入者の単独通
話の領域にわたって維持できることがわかる。
【0061】 μ番目の部分帯域における出力伝達係数を検出するために式3.8に従い、励
起信号および妨害を受けないエラー信号の平均出力を推定しなければならない。
リミットサイクルの問題を回避するため、式3.7ないし式3.9で提案された
ような平滑化を直接実行する際には、ダブルワード精度(32ビット)での計算
が必要である。これと結び付いた必要メモリないし必要な計算能力を低減するた
め、単に絶対値平滑化が実行される。
【0062】
【数5】
【0063】 ローカル加入者が同時通話の際にアクティブであるというクリティカルな場合
を迅速に識別することができるようにするため、エラー信号の平滑化の際に2つ
の異なる時定数(βerおよびβef)を上昇エッジと下降エッジに対して導入する
。時定数βeは次式により形成される。
【0064】
【数6】
【0065】 このようにして得られた推定は、2つの異なる時定数の選択によってその予想価
値を失う。この理由から従来技術では相関係数が導入される。ここでは別の手段
を提案する。励起出力の推定はエラー出力の推定と同じ時定数により行われる。
【0066】
【数7】
【0067】 2つのパラメータを引き続き除算することにより相関関数を省略することがで
きる。絶対値形成はコストの掛からない推定によって次のように近似された。
【0068】
【数8】
【0069】 ここでも補正項を除算形成によってなくすことができる。既に前に述べたように
出力伝達係数は対数計算によってのみ検出され、除算はこれにより2つの対数計
算と1つの減算に還元される。したがって出力伝達係数は次のように推定される
【0070】
【数9】
【0071】 ここでLOG{・・・}により対数計算が行われる。時定数βpは同様に上昇エッジ
と下降エッジに対して異なって選択された。これによりシステム伝搬時間の補償
不能な部分(マイクロフォン信号の人工的遅延)が正当に処理される。この伝搬
時間によって、励起信号の信号出力はエラー信号の信号出力よりも早期に低下す
る。この過程を補正しなければ推定値の低下の推定を各励起フェーズ後に実行す
ることとなる。付加的に同時通話が検知された場合には、時定数が高められる。
使用される同時通話検知器については以下に説明する。時定数βpに対する決定 式は次のとおりである。
【0072】
【数10】
【0073】 ここではKGSによって、上に説明した検知器が同時通話を識別する時点を表す
とする。集合KES,FTは、相関尺度が遠隔加入者の単独通話を識別する時点を示 す。
【0074】 これら近似と、式3.10による正確な計算とを比較することによって、通話
励起時に2dBよりも小さい偏差が得られる。ステップ幅制御部での使用に対し
てこれは十分であり、したがってこの推定方法を出力伝達係数に対して使用した
【0075】
【外14】
【0076】 これまでに計算した量から、個々の帯域のステップ幅αμ (r)(kr)がつぎの式
によって求められる。
【0077】
【数11】
【0078】 ここでLIN{…}は線形化を表す。励起出力値が限界値|χ|min, μを下回る
場合、この励起がバックグラウンドノイズだけからなり、適合化を停止すること
から出発する。
【0079】 図10には第1部分帯域のステップ幅が対数によって示されている。遠隔加入
者の単独通話フェーズ(A1およびA2)では、ステップ幅は約1であり、ローカ
ル加入者の単独通話フェーズ(B1およびB2)では、図8から、妨害されたエラ
ー出力と、妨害のないエラー出力との差分、すなわち約26〜30dBを求める
ことができる。これによればステップ幅は、同時通話フェーズにおいても、予想
された範囲内にある(約−27dB)。
【0080】 上に示したステップ幅制御に対して、出力伝達係数の推定が必要である。この
推定は、遠隔加入者の単独通話時にだけ更新されるべきである。式3.19には
このような理由から集合KES,FTが導入され、これが所望の単独通話が行われる時
点を含まなければならない。強力な再帰的平滑化により、時点を選択する際に一
時的に決定が誤っても、伝達係数が大きく誤って推定されることはない。
【0081】 求めようとする検知器は、単独通話と同時通話との間で、空間変化に依存しな
いで、また入力信号の出力にも依存しないで決定できなければならない。相関尺
度、すなわち上の要求を満たす検知器が使用される。ここではスピーカ信号とマ
イクロフォン信号との間の相互相関が、正規化された形式で評価される。
【0082】 評価に対して2つの信号が、長さL1の推定窓(方形関数)と乗算される。こ のようにして得られた最終的な信号列はつぎの式
【0083】
【数12】
【0084】 にしたがって評価される。強い相関性を有する信号では、これらの推定窓がちょ
うどLRMシステムの伝搬時間だけ相互にシフトされた場合、上記の評価の最大
値に達する。この伝搬時間は未知であり、また例えばスピーカまたはマイクロフ
ォンのずれによって変化するため、最大値がL2個の評価値の列から形成される 。つぎに個々の評価値は、lクロックだけ遅延された励起信号x(k−l)を使 用する。この決定式はつぎのように拡張される。
【0085】
【数13】
【0086】 ここで上の式の分子と分母は、ダブルワードの精度(32ビット)で評価しな
ければならない。計算コストを低減化するために、個々の相関尺度^ξ(k,l)を再
帰的に計算する。
【0087】
【数14】
【0088】 この場合に解除は、求めた相関尺度から得られた最大値が、限界値ξ0よりも 大きい場合に設定される。2つの32ビット値の除算を回避するために、限界値
ξ0を、負でない2のべき乗からなる有限の和
【0089】
【数15】
【0090】 によって近似する。この場合に閾値の比較は、右にシフトした分母値の和と、比
較とに還元することができる。
【0091】
【数16】
【0092】 計算コストをさらに低減化するために、評価を、最も出力の大きな第1部分帯
域においてだけ、かつそこの複素数値信号の実数部によってだけ行う。この帯域
では、通話励起時に最大のSN比が予想され、これによって検知器結果の信頼性
が改善されるはずである。この手段によりサブサンプリングによって、計算はr
個のサンプリングクロック毎にだけ行われる。時点krは、L2個の比較値の1つ
が1相関尺度だけξ0よりも大きい場合、集合KES,FTに取り入れられる。
【0093】 ITU勧告G.167に相応して、ハンズフリー通話装置よってもたらされる
エコー減衰量を、同時通話状況において15dBだけ低減することができる。こ
の理由から以下の考察に基づいて同時通話検知器が開発された。この検知器を使
用して、同時にステップ幅制御部での推定を同時通話の発生時に「より慎重」に
調整することができる。
【0094】 同時通話の検知は2つのステップで行われる。第1のステップでは、遠隔通話
者がアクティブであるか否かがチェックされる。このためにまず第1に、絶対値
を平滑化した、遠隔加入者の励起信号が、閾値|x|lと比較され、第2に、レ ベルバランスアルゴリズムが、遠隔加入者の励起を識別したか否かをチェックす
る。この第2の比較は、レベルバランサが値の大きな減衰値を発生する場合(例
えば空間変化の後)にはつねに必要である。このような状況では、受信経路を強
力に減衰することができる。この場合には、平滑化された受信信号との比較によ
り、信頼性のある結果は得られないであろう。したがって遠隔加入者の励起(A fe =1)は、出力比較またはレベルバランス検知器(変数SR=1)のいずれか
がつぎを識別した場合には、つねに受け入れられる。
【0095】
【数17】
【0096】 この場合、絶対値を平滑化した励起信号は、ステップ幅制御で説明した再帰的
な非線形平滑化と同じように計算される。しかしながらここで注意すべきである
のは、比較的に高いサンプリングレートによって、値の比較的に大きな時定数を
使用しなければならず、したがってリミットサイクルが発生する可能性があるこ
とである。そのためダブルワード精度(32ビット)の計算が必要である。
【0097】
【数18】
【0098】 ここで時定数βxgはつぎのように選択される。
【0099】
【数19】
【0100】 N個のクロック遅延が導入され、これによって第2の検知器段における比較時
に、分析−合成システムの伝搬時間が再調整された。このために付加的なメモリ
は不要である。それは分析フィルタは、いずれにせよ入力信号の最終のN個の信
号値を記憶するからである。
【0101】 第2の段では、ローカル加入者がアクティブであるか否かが検出される。この
ために、妨害を受けていないエラーの推定された出力と、測定可能な妨害を受け
たエラーの出力との比較が行われる。出力推定は再び絶対値の平滑化ないし出力
伝達係数の検出に還元される。エラー信号の平滑化は次式により行われる。
【0102】
【数20】
【0103】 時定数βegは次のように選択される。
【0104】
【数21】
【0105】 妨害を受けていないエラー出力を推定するために(全帯域の)出力伝達係数p EK (k)が検出される。
【0106】
【数22】
【0107】 推定偏差を改善するために、このパラメータも再帰的に平滑化される。伝達係
数の検出は平滑化されたパラメータのみから成るので、この係数にはサブサンプ
リングのみが行われる。
【0108】
【数23】
【0109】 ローカル加入者の励起Alo=1を検知するために、測定されたエラー出力と推
定されたエラー出力との差が求められる。誤った判別を回避するために付加的な
安全閾値pGSが導入された。検知器は、測定されたエラー出力が励起出力および
出力伝達係数から推定されたエラー出力よりも少なくともpGSdBだけ大きい場
合にローカル加入者の励起を識別する。この比較もサブサンプリングされて行わ
れる。
【0110】
【数24】
【0111】
【外15】
【0112】
【数25】
【0113】 時定数krは減衰低下が予め定められた値を上回る場合には集合Kgs内へ取り 入れられる。減衰低下の特性経過の例が図11に示されている。
【0114】 レベルバランサの全減衰量はITU‐T勧告G.167によって定められてお
り、空間およびエコー補償器から成る全システムの減衰量だけ低下することがで
きる。エコー補償が遮断されている場合でも、前述の制御により、スピーカから
マイクロフォンへの音響区間の伝達係数の推定がアナログの増幅を含めて行われ
る。これにより種々のスピーカ増幅率ないし種々の(アナログの)マイクロフォ
ン増幅率に応答することができ、全減衰量を要求された値(ディジタル)に相応
して適合化することができる。同時通話の際には全減衰量は同様にITU‐T勧
告G.167によって比較的小さな値にセットすることができる。このためにも
検知器および相応する移行パラメータが予め調整ないし規定された。レベルバラ
ンサの全減衰量DPW(k)はこれにより(さしあたりポストフィルタリングを考
慮しないで)次のプロセスにしたがって制御される。
【0115】 DPW(k)=D0−DEK(k)−DGS(k) (3.37) 上の式の全ての量はARCOFIレベルバランス方式の要求に相応して対数の形
式で存在している。D0はここでは要求された最大減衰量(例えば45dB)で ある。エコー補償器DEK(k)の減衰量は次の計算式により求められる。
【0116】
【数26】
【0117】 これと同様に同時通話時の減衰低下DGS(k)は次式で示される。
【0118】
【数27】
【0119】 エコー補償プロセスをリアルタイムで実現する際には、適応型フィルタが遠隔
話者の成分をマイクロフォン信号から完全には排除できないことが明らかである
。これには複数の理由があるが、ここではそのうち3つを例として挙げる。
【0120】 a)空間パルス応答は一般的にエコー補償器よりも長く、これにより残留エラー
が残ってしまう。
【0121】 b)使用されるDSPの固定小数点計算はフィルタの最終等化に制限されている
【0122】 c)空間の変化がある場合にNLMSアルゴリズムは適応型フィルタを有限の速
度によってしか追従しない。最終等化が新たに達成されるまでに、エコーが再び
強く認識される。
【0123】 したがってエラー信号e(k)は、ローカル話者n(k)の成分のほかに補償
されていない遠隔話者の成分をも含んでいる。この遠隔話者の成分はすでにこの
明細書の先行の部分で“妨害を受けていない”エラーε(k)と称されていた。
遠隔加入者に対して信号n(k)は信号e(k)の有効成分であり、信号ε(k
)はこの点から考えるとノイズである。
【0124】 次に、信号e(k)のポストフィルタリングが“ノイズ”ε(k)の減衰のた
めにウィーナフィルタの式に基づいて、部分帯域エコー補償器のためのステップ
幅制御とどのように結合できるかを示す。このためにM−1次のトランスバーサ
ルフィルタが合成フィルタリングと関連して導入される。パラメータMはここで
は同時にフィルタバンクの帯域数である。係数は部分帯域レベルで定められ、逆
DFTを用いて時間領域へ変換される。係数の検出は複数回の平滑化のために、
慣性ひいては伝搬時間を有している。係数の検出と係数の使用との間に存在する
、最大位相で設計された合成フィルタリングにより、この伝搬時間を少なくとも
部分的に再び調整することができる。ポストフィルタリングはここでは時間領域
で周波数選択的に行われる。
【0125】 導出の際に簡単な制御パラメータが得られ、この制御パラメータを用いてウィ
ーナフィルタの“影響”を適応型フィルタの補償出力に依存して制御することが
できる。この手段によって挿入された減衰も僅かなコストのみで推定することが
でき、レベルバランサへ“報告”される。
【0126】 次にウィーナフィルタの係数の検出が、M/2+1の減算、長さMの(簡単化
された)逆フーリエ変換、および複数の再帰的平滑化の計算へ還元できることが
示される。減算、逆FFT、および平滑化はこの場合、r個のサンプリング値毎
にだけ行うことができる。したがって計算コストはハンズフリー通話装置の他の
素子と比べてきわめて小さい。
【0127】
【外16】
【0128】 信号e(k)に対しては: e(k)=ε(k)+n(k) が当てはまる。
【0129】 したがってフィルタの周波数特性は次式のように変換される。
【0130】
【数28】
【0131】 遠隔加入者の信号およびローカル加入者の信号n(k)、ε(k)は相関しない
ことが前提となっている。線路入力信号およびマイクロフォン信号のハイパスフ
ィルタリングに起因して、信号n(k)、ε(k)には平均値が存在しないこと
がさらに仮定される。周波数特性はこれにより次式のように簡単化される。
【0132】
【数29】
【0133】
【外17】
【0134】
【数30】
【0135】
【外18】
【0136】
【外19】
【0137】 この方法を実際に使用する場合、少々変形した数式がより良好な結果をもたら
すことが分かっている。雑音低減の公知の方法に類似して、フィルタ周波数特性
の推定される基準点が時間的に平滑化され、かついわゆる過剰推定係数βおよび
最大減衰度Gmin(k)が与えられる。時間的な平滑化はステップ幅に適用され 、かつ上昇エッジ(γr)および下降エッジ(γf)に対して2つの異なった時定
数を有する1次のIIRフィルタによって次のように行われる:
【0138】
【数31】
【0139】 線形平滑化(γr=γf)の場合、減衰量は遠隔加入者の音声パッセージの始め
では最初緩慢に、それから次第に高速に増加されることとなる。音声パッセージ
が終了すると、減衰量は最初高速に、それから次第に緩慢に低減されることとな
る。この関係を明らかにするために、図13に、部分帯域の1つにおける項(1
−α(k))の経過が例示されている。始めは、遠隔加入者の音声休止期間が存
在しているはずなので、項(1−α(k))はこれに応じて1に等しい。音声パ
ッセージの開始によって、ステップ幅α(k)は1の近傍の値にセットされるで
あろうが、簡単にするために、音声シーケンスの終わりまでステップ幅はこの値
にとどまるものとし、引き続いてステップ幅は再びゼロにセットされる。
【0140】
【外20】
【0141】
【外21】
【0142】 それからフィルタ周波数特性は次式
【0143】
【数32】
【0144】 に従って推定される。過剰推定係数βは1より大きく選択されている場合減衰の
導入を加速しかつそれは減衰度を増大する。βに対して有利には1.0と3.0
との間の値が選択される。
【0145】 パラメータGmin(k)によって、フィルタのスペクトル推定値を下方に制限 することができる。このパラメータが例えばゼロに選択されると、フィルタによ
って出力信号をゼロにセットすることができることになる。Gmin(k)=1に セットされると、出力信号は変化しない。従ってパラメータGmin(k)によっ て、ウィーナフィルタの「作用」を制御することができる。リアルタイム実験に
おいて、このパラメータの制御をエコー補償器の調整状態と結びつけると効果的
であることが示された。調整過程の開始時には、エコー補償器によって実現され
る減衰量はまだ非常に小さい。ここではウィーナフィルタが強く介入して、大き
な減衰量(例えばITU勧告による45dBまで)をもたらすことができるよう
にすべきである。ハンズフリー通話装置が存在する空間において、強いバックグ
ランドノイズが存在しているのであれば、ウィーナフィルタによって確かにエコ
ーは抑圧されるが、その場合遠隔加入者はバックグランドノイズの変調のような
ものを知覚する。遠隔加入者の音声休止期間において、雑音は減衰されずに伝送
され、遠隔加入者が話している期間は、(例えば45dBの大きさの)減衰を受
ける。
【0146】 調整過程の開始時には、この種の「効果」は許容でき、レベルバランス方式の
ような「従来の」方法も類似の効果をもたらす。しかし補償器の調整度が増大す
るに従って、この効果は低減されるべきである。この場合もステップ幅制御によ
り適当な制御量、すなわち推定された出力伝達係数DEK(k)が送出される。そ
れ故にパラメータGmin(k)の設定は次のように行われる:
【0147】
【数33】
【0148】 LINによってすでにステップ幅制御で使用された、対数量の線形化が表され
る。パラメータGmax,logによって最大の挿入減衰量(例えば45dB)を設定 することができる。この場合この固定値は、エコー補償器が平均的に実現する減
衰量DEK(k)だけ、並びに同時通話時低下分DGS(k)だけ低減される。ここ
でパラメータDEK(k)およびDGS(k)は、定数Gmax,logと同じように対数 として存在している。算出されたパラメータの0dBへの制限は線形化に整合さ
せるために用いられる。
【0149】 このようにして、ウィーナフィルタを設定するためのすべての制御量および部
分帯域領域におけるフィルタ係数が検出される。このようにして得られたフィル
タのスペクトル推定値は逆DFTを用いて、位相線形フィルタとなるように時間
領域に変換される。この場合、システム関数が実数値であると同時に対称形であ
るという事実を使用することができ、したがってIDFTのコストをほぼ1/4
に低減することができる。
【0150】 信号e(k)の、ウィーナフィルタによる減衰量DW(k)はエコー補償器の 減衰量および同時通話における減衰低下と同じようにインタフェースを介してレ
ベルバランサに通知される。ここで減衰量は、伝送すべきすべての周波数領域に
わたる平均値によって次のように近似される:
【0151】
【数34】
【0152】 ここで“LOG”によって、ステップ幅制御において既に使用された正規化な
いし対数化が表される。これは、インタフェース固有の、レベルバランサとの通
信を考慮するものである。8による除算は3ビット右にシフトすることによって
実現される。それから減衰が最終的にレベルバランサに引き渡される前に、再帰
的な、非線形平滑化が次のように行われる:
【0153】
【数35】
【0154】 上昇および下降エッジに対して異なった時定数を使用することで、推定は「よ
り慎重」に行われることになる。ウィーナフィルタによって減衰が挿入されると
、レベルバランサはその減衰量を比較的緩慢に低減する。従って短時間エラー信
号は要求される45dBより強く減衰される。ウィーナフィルタが逆にその減衰
量を低減する場合には、レベルバランサは残りの減衰量を非常に高速に挿入する
。合成フィルタリングによる時間的な遅延によってこの場合も、設定された上限
値(例えば45dB)より大きい全減衰量が短時間発生することがある。
【0155】 これまでの考察をはっきりとさせるために、ステップ幅制御の段落で説明した
シミュレーションが、今回は上に紹介したウィーナフィルタが拡張された形で繰
り返された。空間パルス応答として、約300msの残響時間を有するオフィス
空間の測定された空間パルス応答が使用された。刺激として、遠隔加入者の側に
おいてもローカル加入者の側においても図14のホワイトノイズが供給された。
【0156】 ウィーナフィルタの影響を明らかに示すために、最大減衰量Gmax,logは60 dBに選択された。領域A1では補償器の初期調整過程が行われる。この領域の 始めでは補償器はまだ調整されておらず、終了時にすべての帯域において最終調
整状態が実現された。このフェーズにおいては同時通話は行われていないので、
ウィーナフィルタは60dBとエコー補償器によって実現される減衰量との間の
差を挿入すべきである。これについては領域A1で部分帯域1での係数(8kH zのサンプリングレートの場合、250〜750Hz)
【0157】
【数36】
【0158】 がウィーナフィルタの前の励起信号およびエラー信号と共に図15に示されてい
る。ここではまずウィーナフィルタの立ち上がり過程がわかる。ローパス平滑化
の慣性のために、減衰は直ちには挿入されない。この作用は、時間領域への変換
とその間に行われる合成フィルタリングによって一部は再度調整される。全帯域
信号(図18参照)ではこのことにより、遠隔通話者の活動の既に開始時に25
dBの減衰量が挿入される。約200ms後に減衰量は、60dBであるその最
終値に上昇する。補償器を上昇的に調整することにより、ウィーナフィルタによ
る減衰量は帯域1で低下し、所期のように約30dBの最終値に達する(最大限
界60dB、補償器による30dBのエコー減衰)。ウィーナフィルタは合成後
に初めて挿入されるから、励起、エラー、ステップ幅、および出力伝達係数の帯
域1における経過は図9および図10に示すようになる。
【0159】 したがって遠隔通話加入者が単独通話する場合(領域A1とA2)に対しては、
挿入すべき減衰Gmin(k)の最大限界量が重要な量である。フィルタの使用に 相応して、全体信号e(k)がそのノイズε(k)から分離される。しかしロー
カル加入者、すなわちe(k)の有効信号はアクティブでないから、全体信号は
ノイズからだけなる。制限を係数G1 (r)(k)の検出の際になくせば、この係数
はゼロにセットされ、これによりノイズが除去される。
【0160】 図16にはこの関係を明確にするため、ウィーナフィルタにより挿入される減
衰量が帯域1で示されている。約60dBである初期値は、調整される最大減衰
量Gmax,logにより決められる。ゼロベクトルによるシミュレーションの開始時 に初期化される補償器はフェーズA1の経過を調整し、これにより挿入すべき減 衰量の上側限界を約30dBに低減する。これに続き同時通話フェーズB1では この上側限界は同時通話検知器により再度15dBだけ上昇され、次にさらに約
15dB減少される。しかしローカル話者の出力は明らかに残留エコーより上に
あるから、この限界には達しない。したがって選択された調整アルゴリズムによ
れば、同時通話フェーズB1ではほとんど減衰が挿入されない。同時通話フェー ズの決定量は、ローカル話者の信号の出力と遠隔話者の残留エコーの出力との比
である。残留エコーの出力は一方では補償器の調整状態に依存する。これが良好
に調整されていればいるほど、ウィーナフィルタの影響はこのパッセージにおい
て小さくなる。
【0161】 後続の通話状況Cでは、ローカル加入者が言葉を引き継ぐ。ステップ幅はこの
状況でゼロにセットされ、これによりウィーナフィルタは通過接続される。パッ
セージB2とA2は上に説明したフェーズに類似のものと見なすことができる。
【0162】 ウィーナフィルタにより挿入される減衰量の推定は異なる時定数により実行さ
れるから、所定のフェーズにおいては“慎重な”推定となる。この事実関係を明
白にするため、図17にはエコー補償器およびウィーナフィルタによる減衰量の
推定経過、並びに同時通話の場合の低下がプロットされている。これら3つのパ
ラメータの和がレベルバランサに引き渡され、これが図17の下部に示されてい
る。この推定は、図18の全体帯域における励起およびエラーの実際の信号経過
と比較することができる。領域B1とB2では、同時通話検知器が両方の加入者側
で活動を検知し、減衰移行が15dBだけ上昇される。この上昇は短い時定数に
より挿入され、同時通話フェーズの終了時に緩慢に再び取り出される。この手段
は短い通話フェーズをブリッジオーバするために挿入された。同時に同時通話の
開始と共にステップ幅が低減され、ウィーナフィルタはその減衰量を減少する。
遠隔加入者の励起がないパッセージ(領域C)ではステップ幅はゼロにセットさ
れる。これによりウィーナフィルタは単に遅延素子としてのみ作用する。
【0163】 これまで説明した方法は、最終的な実現のために再度簡単に変形された。これ
により計算コストをさらに低減することができ、その際に顕著な品質損失はなか
った。
【0164】 部分帯域領域においてフィルタ係数をステップ幅に依存して検出した後、式4
.1に従い減衰の上側限界が検出された。この上側限界は既に達成された減衰に
依存して検出された。既に達成された減衰はそれぞれの帯域における出力伝達係
数により、ないしは同時通話時の減衰により定められる。2つのパラメータはス
テップ幅計算では単に対数的に計算され、記憶された。これらのパラメータを制
限機能で使用するためには8つの線形化が必要である。したがって最大値の検出
は、残りの係数計算全体よりも多くの計算能力を必要とすることとなる。この理
由から、全ての帯域に対して統一的な上側限界が導入された。これも同様に式4
.1に従い、とりわけ全体帯域量により計算される。このようにして得られたポ
ストフィルタリングのリソース需要は、16ビットの固定小数点シグナルプロセ
ッサを使用する場合、1MIPSより格段に小さい。
【0165】 ウィーナフィルタ30が挿入接続される場合、全体減衰量を付加的にウィーナ
フィルタ30の減衰量だけ弱めることができる。レベルバランサの最大偏移は次
式により与えられる。
【0166】
【外22】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、デジタルコネクションと接続したハンズフリー通話装置の簡略モデル
を示す図。
【図2】 図2は、本発明のハンズフリー通話装置のブロック接続図。
【図3】 図3は、エコー伝搬時間に依存するハンズフリー通話装置での要求減衰量に対
する曲線を示す図。
【図4】 図4は、本発明の方法の概略図。
【図5】 図5は、部分帯域補償部の適合部の構造を示す図。
【図6】 図6は、出力伝達係数に対するモデル図。
【図7】 図7は、遠隔加入者及びローカル加入者の信号を示す図。
【図8】 図8は、図7の信号の結果得られる励起及び帯域1内での妨害を受けたエラー
を示す図。
【図9】 図9は、帯域1内での図7,8の条件下での推定された出力伝達係数を示す図
【図10】 図10は、図7及び8による条件下での帯域1内での、ステップ幅制御により
選択されたステップ幅を示す図。
【図11】 図11は、本発明による、減衰量低下の平滑化を示す図。
【図12】 図12は、エラー信号のポストフィルタリングの詳細図。
【図13】 図13は、本発明によるステップ幅の平滑化を示す図(部分Aは同じ時定数の
場合、部分Bは異なる時定数の場合)。
【図14】 図14は、遠隔加入者及びローカル加入者の信号の別の例を示す図。
【図15】 図15は、帯域1内での別のフィルタによる調整経過及び減衰量を示す図。
【図16】 図16は、帯域1内での別のフィルタによる減衰量を示す図。
【図17】 図17は、レベルバランサでの減衰値の遷移を示す図。
【図18】 図18は、全帯域内での励起及び誤差出力を示す図(それぞれ図14による入
力信号特性の場合) である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンズフリー通話装置における音響的側音減衰を改善する方
    法であって、 前記ハンズフリー通話装置は、レベルバランサ(22)と、部分帯域処理部を
    備えた制御可能な周波数選択性のエコー補償部(28)とを有し、 周波数選択性エコー補償器(28)から出力された信号に、ポストフィルタリ
    ングを別の周波数選択性フィルタ(30)(ウィーナフィルタリング)で施し、 該別の周波数選択性フィルタはウィーナの方式による調整アルゴリズムを有す
    る形式の方法において、 【外1】 ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 複数の異なるサンプリングレートを使用する、請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 エコー補償部でも、別のフィルタ(30)に対しても、適応
    型フィルタを使用する、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 エコー補償部(28)をフィルタバンクによって周波数部分
    帯域で実現する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 適応の制御とステップ幅の制御のために、出力に基づく推定
    と相関に基づく分析とを使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 ステップ幅検出のために、出力伝達係数を部分帯域で推定す
    る、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 エコー補償部(28)も、別のフィルタ(30)も、これら
    により行われるエコー減衰に対する推定値を送出する、請求項1から6までのい
    ずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 減衰に対する推定値を、レベルバランサ(22)の減衰の制
    御に使用する、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 2つの通話加入者が同時にアクティブであること(同時通話
    )を検知する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 レベルバランサの全体減衰度を同時通話では低減する、請
    求項9記載の方法。
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