JP2002502583A - ヒト血液細菌 - Google Patents

ヒト血液細菌

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JP2002502583A JP2000519605A JP2000519605A JP2002502583A JP 2002502583 A JP2002502583 A JP 2002502583A JP 2000519605 A JP2000519605 A JP 2000519605A JP 2000519605 A JP2000519605 A JP 2000519605A JP 2002502583 A JP2002502583 A JP 2002502583A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は新たに同定したヒト血液細菌(HBB)を報告し、それに対する特性化、培養および診断の方法論および該細菌を原因とする病態生理学的症状を治療する方法を提供する。該細菌は非常に低値ですべてのヒトの血流に明らかに存在し、直接または間接的に数種の疾患、例えば、慢性疲労症候群、多発性硬化症および他の「自己免疫」疾患に関係していると思われる。工学的に調製したHBBの用途も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
(発明の背景)参照関連出願 本発明は1997年11月6日に出願し、現在放棄した米国仮特許出願第60
/064,472号の特恵を主張する。発明の分野 本発明は一般的に細菌学およびヒト病理学に関する。より詳しくは、本発明は
ヒト血液中に存在する細菌、その特性、そのための培養と診断方法論、およびそ
の細菌を原因とする病態生理学的状態の治療に関する。関連技術の説明 感染作因はヒト疾患の主原因であり、世界的にも主要な死因である。細菌感染
は他分類の感染性生物よりもより致死的原因である。感染性生物を介しての唯一
主たる死因は今なお結核であり、細菌のマイコバクテリウム・ツベルキュロシス
(Mycobacterium tuberculosis;結核菌)が原因で ある;しかし、感染性作因を原因とする疾患または障害の多くは先進国および未
開発国双方に存在する。 感染性障害の例は慢性疲労症候群および線維筋肉痛などの症状を包含する。こ
れらの障害は約1,000,000人のアメリカ人に影響を及ぼしている。これ
ら症状の原因は知られておらず、また有効な治療法も知られていない。また、決
定的な実験室的診断試験法もない。疫学的証拠は感染性作因が原因であると示唆
する;しかし、原因と目される感染性作因は同定されていない。 多発性硬化症は、凡そ400,000人のアメリカ人に様々な程度の障害を生
じ、時に死を招く。多発性硬化症は未知原因の死であり、非常に多様であって、
ある患者では最少の障害であるが、他は殆ど全身の障害を伴う。慢性疲労症候群
に関しては、決定的な実験室的診断試験法がなく、臨床診断は一群の症候とテス
トにもとづく。疫学データは多発性硬化症が潜在的な感染原因をもち、その感染
原因が症候の進展までに数年を必要とすることを示唆している。 それと思われるもう一つの群の疾患は「自己免疫」の範疇のものであり、例え
ば、紅斑性狼瘡および関節リウマチなどである。これら比較的共通した疾患は多
くの場合手足が動かなくなるものであり、これら疾患の潜在的原因は未知である
。関節リウマチは致死例が稀であるが、紅斑性狼瘡は有意な死亡率をもつ。これ
らの症状に対する実験室的診断試験法は満足すべきものではあるが、決定的試験
法はなく、したがって、臨床症状と相関し併用し得る種々試験法が必要である。
様々な医療が、症候をある程度まで制御し、この病気の進行を遅延させるために
利用し得るが、治癒に至る治療法はない。関節リウマチに対する治療選択の一つ
としてある種の抗生物質が現在受け入れられているが、特定の感染原因について
は証明されていない。 このように、先行技術は、本明細書に記載したヒト血液からの特異細菌の同定
および特性化、それを培養する方法、および個体血液中の細菌の存在が増加する
ことから来る疾患の診断と治療方法に欠けている。本発明は積年の本技術におけ
るニーズと要望を満たすものである。 (発明の要約) 本発明の一つの目的は本明細書に記載のヒト血液細菌(HBB)用培養系を提
供することである。この培養系研究法の一つは、サンプルからHBBを単離し;
塩、少なくとも1種類の糖、およびラクトアルブミン水解物を含んでなる培地を
添加し;前記HBBを該HBBの増殖を可能とする温度で培養する;各工程を含
むことを特徴とするHBBの培養方法を提供することにある。 本発明の一態様においては、サンプルからHBBを単離し;CaCl、Mg
Cl(無水)、KCl、NaCl、NaHPO(一塩基性)、ラクトアル
ブミン水解物、酵母抽出物、ラクトース、塩化マンガン、および炭酸水素ナトリ
ウム、トリスおよびHEPESからなる群から選択されるバッファーを含んでな
る培地を添加し;前記HBBを該HBBの増殖を可能とする温度で培養する;各
工程を含むことを特徴とするHBBの培養方法が提供される。好適な態様におい
て、当該培地はさらにアラキドン酸ナトリウムおよびリポキシダーゼを含む。 本発明のさらに他の態様においては、サンプルからHBBを単離し;CaCl 、MgCl(無水)、KCl、NaCl、NaHPO(一塩基性)、ラ
クトアルブミン水解物、酵母抽出物、ラクトース、塩化マンガン、およびグルコ
ース、フルクトースおよびスクローズからなる群から選択される糖を含んでなる
培地を添加し;前記HBBを該HBBの増殖を可能とする温度で培養する;各工
程を含むことを特徴とするヒトHBBの培養方法が提供される。 本発明の他の目的は、個体の血液においてヒト血液細菌(HBB)存在の増加
から生じる該個体の病態生理学的状態を診断する方法を提供することにある。さ
らに、本方法は病態生理学的状態の進展する危険のある個体を同定するために、
または疾患治療の進行をモニターするために使用することができる。本方法では
HBBと反応し得る抗体およびHBBゲノムと二重ラセンを形成し得るポリヌク
レオチドを使用する。感染は種々の技法、特に核酸ハイブリッド形成およびイム
ノアッセイにより検出し得る。 本発明の他の態様においては、個体の血液においてHBB存在の平衡異常から
生じる該個体の病態生理学的状態を診断する方法であって、当該血液中のHBB
を定量し;テスト個体からの計数と健常状態にあることの判明している対照個体
の係数とを比較する;各工程を含むことを特徴とする方法が提供される。ここで
、テスト個体からの計数が対照個体からの計数よりも大きい場合、該テスト個体
はその血中HBBの異常レベルにあるとする。さもなくば、テスト個体はHBB
正常レベルとする。好ましくは、対照個体からの計数は、培地Oまたは修飾RP
MI培地中でのその血液の増殖1週間後に、400/HPF(ハイ・パワー・フ
ィールド)を超えないものである。これを決定する方法は、固体または液体培養
による定量、ELISAアッセイ、フローサイトメトリー、TAQマン、ウエス
タンブロットハイブリッド形成、抗体ベーステスト、およびPCRと切片上ハイ
ブリッド形成などの核酸プローブベーステストからなる群から選択される技術を
包含するが、これらに限定されるものではない。とりわけ、切片上ハイブリッド
形成のためのプローブは、配列番号19および配列番号20からなる群から選択
される。PCRに使用するプライマーは配列番号7〜18からなる群から選択さ
れる。 本発明のさらなる目的は、個体血液中の細菌の増加から生じる病態生理学的状
態を治療することである。本発明の一態様において、個体血液中のHBB存在が
平衡異常であることから生じる病態生理学的状態を治療する方法であって、当該
個体に治療有効量の、ペニシリンG、ペニシリンV、プリマキン、オーグメンチ
ン、ジクロキサシリン、シプロフロキサシン、イソニアジド、第三世代セファロ
スポリン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、クロロキン、ヒドロキシク
ロロキン、ミノサイクリン、およびドキシサイクリンからなる群から選択される
少なくとも1種の抗生物質を投与する工程を含むことを特徴とする方法が提供さ
れる。好適な態様において、該抗生物質は、治療有効量の、プロベシド、ニスタ
チン、ニゾラール、ジフルカン、ステロイド、ビタミンB6、ビタミンC、葉酸
、ビタミンE、ニアシン、クロム、亜鉛、フルフヒドリル化合物、ステロイドお
よびイブプロフェンからなる群から選択される少なくとも1種の物質とともに投
与する。 本発明のさらに他の態様においては、HBBまたはその成分から生成されるワ
クチンが提供される。 本発明のなおさらに他の態様においては、毒性代謝物が血漿または血清中に蓄
積している疾患をもつ個体の治療方法であって、該個体に工学的に調製したHB
Bを投与することによる方法が提供される。好ましくは、該工学的に調製したH
BBは、ホルモン、成長調節因子、抗腫瘍抗原、抗体、インターロイキンおよび
他の治療抗原からなる群から選択される治療遺伝子産物を発現する。 本発明のさらに他の企画は、この新規なヒト血液細菌を特性化することである
。本発明の一態様においては、配列番号1で示される16S rRNA配列を有 する正常個体血液中のヒト血液細菌が提供される。本発明の他の態様においては
、配列番号2で示される16S rRNA配列を有する罹患した個体血液中のヒ ト血液細菌が提供される。好ましくは、該個体は、慢性疲労症候群、多発性硬化
症、紅斑性狼瘡、関節リウマチおよび線維筋肉痛からなる群から選択される疾患
を有する。本発明のさらに他の態様においては、配列番号3で示される23S rRNA配列を有する正常個体血液中のヒト血液細菌が提供される。本発明のな
おさらなる他の態様においては、配列番号4で示される23S rRNA配列を 有する罹患した個体血液中のヒト血液細菌が提供される。好ましくは、該個体は
、慢性疲労症候群、多発性硬化症、紅斑性狼瘡、関節リウマチおよび線維筋肉痛
からなる群から選択される疾患を有する。本発明のなおさらなる他の態様におい
ては、配列番号5に示される遺伝子間スペーサー領域配列を有するヒト血液細菌
が提供される。好ましくは、遺伝子間スペーサー領域に特異的なプライマーは、
配列番号15または配列番号16に示される配列を有する。本発明のなおさらな
る他の態様においては、配列番号6に示される薬物耐性タンパク質遺伝子配列を
有するヒト血液細菌が提供される。 本発明の他のさらなる局面、特徴および利点は、現時点で好適な本発明の態様
についての以下の記載から明らかとなろう。これらの態様は開示の目的で提供さ
れる。 (図面の説明) 上述の本発明の特徴、利点および目的、並びに明らかとなるであろう他の事項
が達成され、詳細に理解され得るように、上記に簡単に要約した本発明のさらな
る個々の説明は、添付の図面において説明されるその確かな態様を参照すること
により行う。これらの図面は本明細書の一部を形成する。しかし、注意すべきこ
とは、添付の図面は本発明の好適な態様を説明するものであって、その範囲を限
定するものと考えるべきではないことである。 図1は1週間増殖後の培地L中血清からの培養物を示す。比較的多数の細菌が
存在し、その外見は球菌から短桿菌にわたる。殆どが単離されるが、菌体のいく
つかの集塊が認められる。倍率は凡そ600×、位相差。 図2は培地L中血清からの培養物の顕微鏡写真である。図1とは対照的に、非
常に低い濃度の細菌が存在する。この培養物では非定型形が優勢であり、そのサ
イズおよび光屈折性は顕著に多様である。多くは球状であり、多くは出芽様分裂
を示す。殆どは位相暗部(phase−dark)であるが、あるものは位相明
示(phase−bright)封入体を含み、結晶様位相明示体も存在する。
背景は赤血球細胞のゴーストを含み、その大きさは一定で、コントラストは弱い
。倍率は凡そ600×、位相差。 図3は慢性疲労症候群の患者から単離したヒト血液細菌の透過型電子顕微鏡写
真である。1個の菌体が示されているが、波状の外膜をもつグラム陰性壁構造を
示している。核様体が中心に見られるが、そこには恐らく粘液物質に相当するあ
る種の細胞外物質がある。倍率は凡そ150,000×。 図4は慢性疲労症候群の患者から単離したヒト血液細菌の透過型電子顕微鏡写
真である。2個の菌体が示されており、その一方は図3に掲げた菌体に類似の特
徴を示し、他方は透明な液胞と、毛、接合管、または糸状ファージに相当する表
面の突起を示している。両方とも小さな密集した封入体を含む。恐らく粘液物質
に相当するある種の細胞外物質がある。倍率は凡そ75,000×。 図5は多発性硬化症患者の培養物から単離したヒト血液細菌を示す。該細菌は
メチロバクテリウム−特異ローダミン標識プローブとハイブリッド形成している
。該プローブは明瞭に分裂した二倍体桿菌に結合している。倍率は凡そ1,25
0×。 図6は図5に示したものと同じ顕微鏡視野の写真である。二倍体桿菌が4', 6'−ジアミジノ−2−フェニルインドール・2HCl(DAPI)での対比染 色により陽性であることを示す。DAPIは核酸にのみ結合し、細菌の存在を確
認する。倍率は凡そ1,250×。 (発明の詳細な説明) 本明細書にて使用する場合、用語「ヒト血液細菌」または「HBB」とは、本
明細書記載の培養系で増殖し得る実質的にすべてのヒトの血液に存在する本明細
書記載の細菌をいう。HBBレベルの上昇は特定疾患、例えば、慢性疲労症候群
、多発性硬化症および他の自己免疫疾患などの存在または進展の可能性を示して
いる。さらに、血中HBBの存在の上昇とこれら疾患の症候の消退または完全な
消失との間には100%の相関がある。 本明細書にて使用する場合、用語「抗生物質」とは細菌の増殖を選択的に阻害
するか、またはそれを完全に殺滅する化学物質または薬物をいう。本明細書にて
使用する場合、用語「自己免疫疾患」とは、宿主身体の特異成分に対し向けられ
、宿主が惹き起こす免疫反応により特徴づけられる疾患をいう。本明細書にて使
用する場合、用語「細菌増殖」とは、細菌が2個またはそれ以上の子孫に分裂し
た結果として細菌数が増加することをいう。本明細書にて使用する場合、用語「
細菌培養物」とは、生体外で栄養物質の混合物内または混合物上で増殖している
細菌の収集物をいう。本明細書にて使用する場合、用語「滲出液」または「粘液
」とは、粘性において半固体である細菌産生の複合体物質をいう。本明細書にて
使用する場合、疾患の治療に関連する用語「改善された」とは、特定の疾患を特
徴づける報告された症候の重症度または他の客観的な徴候の減少をいう。 本発明は個体血液中に存在する細菌の増加から生じる個体の病態生理学的状態
の診断に有用なヒト血液細菌(HBB)の培養方法を目的とする。さらに、本発
明の方法はかかる病態生理学的状態の進展する危険のある個体を同定するために
、または治療の進行をモニターするために使用することができると期待される。
さらに、抗生物質により、または遺伝子工学を介してヒト血液細菌を制御しよう
とする本発明の方法は、個体血液中に存在する細菌の増加から生じる病態生理学
的状態治療するために使用してもよい。 本発明によると、その技術技量の範囲内で通常の分子生物学、微生物学、およ
び組換えDNAの技法を採用することが可能である。かかる技法は文献中にあま
ねく説明されている。例えば、以下の文献参照:「分子生物学における最新のプ
ロトコール」、1〜3巻(オウスベル(Ausubel)ら編纂、1994〜1
997、ジョン・ウイリー・アンド・サンズ);サムブルーク、フリッシュおよ
びマニアティス(Sambrook,Fritsch & Maniatis)「
分子クローニング:実験室マニュアル」(1989);「DNAクローニング:
実際的な研究法」、I巻およびII巻(グローバー(D.N.Glover)編
集、1985);「オリゴヌクレオチドの合成」(ゲイツ(M.J.Gait)
編集、1984);「核酸のハイブリッド形成」(ヘイムスおよびヒギンズ(B
.D.Hames & S.J.Higgins)編集、1985);「転写と翻
訳」(ヘイムスおよびヒギンズ(B.D.Hames & S.J.Higgin
s)編集、1984);「動物細胞培養」(フレッシュニー(R.I.Fres
hney)編集、1986);「固相化細胞および酵素」(IRLプレス、19
86);および「免疫学における最新のプロトコール」、1〜3巻(オウスベル
(Ausubel)ら編纂、1994〜1997、ジョン・ウイリー・アンド・
サンズ)。 「DNA分子」とは、デオキシリボヌクレオチド(アデニン、グアニン、チミ
ン、またはシトシン)が一本鎖型または二本鎖型に重合化した形状をいう。この
用語は分子の一次および二次構造についてのみいい、特定の三次構造に限定する
ものではない。このように、この用語は、特に、線状のDNA分子(例えば、制
限フラグメント)、ウイルス、プラスミド、および染色体に見出される二本鎖D
NAを包含する。本明細書において構造を考察するに際しては、DNAの非転写
鎖に沿って5'から3'方向の配列のみを提示する(すなわち、mRNAに相同の
配列をもつ鎖)。 DNA「コーディング配列」は二重鎖DNA配列であり、生体内で適切な調節
配列の制御下に置かれたときには転写されてポリペプチドに翻訳される。コーデ
ィング配列の境界は、5'(アミノ)末端の開始コドンと3'(カルボキシル)末
端の翻訳終止コドンが決定する。コーディング配列は原核の配列、真核のmRN
AからのcDNA,真核(例えば、哺乳動物)のDNAからのゲノムDNA配列
、および場合によっては合成DNA配列を包含するが、これらに限定されるもの
ではない。ポリアデニル化シグナルと転写終結配列は通常コーディング配列の3
'に位置している。 本明細書にて使用する場合、用語「オリゴヌクレオチド」または「プローブ」
とは、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドから構成される分子を
いう。オリゴヌクレオチドまたはプローブの確かなサイズは多くの因子に依存す
るが、その因子は結果としてオリゴヌクレオチドの最終機能と用途に依存する。
生物サンプル中にHBBが存在することを検出するための診断テストは、ポリヌ
クレオチドプローブにより実施することができる。かかるポリヌクレオチドプロ
ーブはHBBゲノムの配列にもとづき調製することができる。プローブの鎖長は
決定的ではないが、通常少なくとも約12塩基、さらに常套的には少なくとも約
16塩基からなり、プローブが細菌ゲノムの一部分に実質的に相補的であるよう
にする;しかし、該プローブはHBBゲノムと完全に相補的である必要はない。
該プローブは適切な合成技術により合成的に調製可能であり、多くの場合、検出
可能な標識を含んでいる。通常、合成配列は、大量のプローブを得るために、共
通の一般に利用し得るクローニングベクターと適切な宿主内で伸長される。伸長
されたベクターはそれ自体プローブとして使用するために標識してもよいし、あ
るいは相補鎖を含むより短いフラグメントを切り出し、標識してもよい。診断テ
スト用のヌクレオチドプローブの調製法および利用法は上記に掲載の文献および
米国特許4,358,535(ファルコウ(Falkow)ら)に記載されてい
る。 本明細書にて使用する場合、用語「プライマー」とは、オリゴヌクレオチドを
いい、それが精製された制限消化物として自然界に存在するものなのか、あるい
は合成的に産生されたのものであるのかにかかわらず、プライマー伸長産物(核
酸鎖に相補的である)の合成を誘発する、すなわち、ヌクレオチドとDNAポリ
メラーゼなどの誘発剤の存在下に、適切な温度とpHで誘発する条件下に置かれ
たときに、合成の開始点として作用し得るものである。該プライマーは一本鎖で
あっても二本鎖であってもよいが、誘発剤の存在下に所望の伸長産物合成を呼び
起こすのに十分な長さがなければならない。プライマーの確かな長さは多くの因
子に依存するが、例えば、温度、プライマーの起源および使用法などである。例
えば、診断への応用は標的とする配列の複雑さに依存し、該オリゴヌクレオチド
プライマーは典型的には15〜25またはそれ以上のヌクレオチドを含むが、含
有するヌクレオチドはもっと少なくてもよい。 ここでのプライマーは特定の標的DNA配列の異なる鎖に「実質的に」相補的
であるように選択する。このことが意味するのは、プライマーがそれぞれの鎖と
ハイブリッド形成するために十分に相補的でなければならないということである
。それ故、プライマー配列は鋳型の確実な配列を反映している必要がない。例え
ば、非相補配列ヌクレオチドフラグメントはプライマーの5'末端に結合し得る ものであり、プライマー配列の残りの部分は該鎖に相補的である。あるいは、非
相補的塩基またはより長い配列はプライマーに散在し得るが、ただし、プライマ
ー配列は該配列と十分な相補性を有するか、またはそれとハイブリッド形成し、
それによって伸長産物合成のための鋳型を形成する。 DNA構築物の「非相同」領域はより大きな分子内のDNAの同定可能な区分
であり、該区分は天然の当該より大きな分子と会合して見出されることはない。
このように、非相同領域が哺乳動物遺伝子をエンコードする場合、該遺伝子は起
源となる菌体のゲノムにおいて、哺乳動物のゲノムDNAに隣接しないDNAが
通常隣接している。もう一つの例では、コーディング配列は、コーディング配列
それ自体天然に見出されない構築物である(例えば、ゲノムコーディング配列が
イントロン、または本来の遺伝子とは異なるコドンを有する合成配列を含むcD
NA)。対立遺伝子の多様性または自然に起こる突然変異事象は本明細書に定義
のDNA非相同領域を生じさせるものではない。 本発明方法の検出および診断に用いるポリペプチドは、ハプテン性または抗原
性であり、少なくとも6個のアミノ酸を含み、通常、天然HBBタンパク質の一
つ内に隣接して見出される少なくとも12個以上のアミノ酸を含む。ポリペプチ
ドは一般にHBBに特徴的である少なくとも1個のエピトープ部位、好ましくは
Bおよび/またはT細胞と会合するエピトープに相当する。これに関連する用語
「特徴的」とは、該エピトープ部位が合理的な保証をもつ生理サンプル中のHB
Bの免疫的検出を可能とすることを意味する。通常望ましいことは、エピトープ
部位がHBB以外の細菌とは免疫学的に異なることである。該HBBポリペプチ
ドは天然のものであってもよい;すなわち、天然起源から単離される全HBBタ
ンパク質またはそのフラグメントを含む;または該ポリペプチドは合成品であっ
てもよい。天然のポリペプチドは単離して、技術上既知の技法によりアフィニテ
ィカラムを調製するのに用いてもよい。かかる技法は、例えば、ハドソンおよび
ヘイ(Hudson and Hay)の「実用免疫学」第8章、ブラックウエル
・サイエンティフィック出版、オックスフォード(1980)に教示がある。 天然HBBタンパク質と免疫学的に交差反応性である合成ポリペプチドは、2
つの一般方法により製造することができる。第一の方法では、アミノ酸数が約8
0より少ないポリペプチドをメリフィールド固相合成法により合成し得るが、そ
の際、アミノ酸が成長していく鎖に連続的に結合する。もう一つの方法は、HB
Bゲノムの所望部分をエンコードする組換えDNA分子の培養細胞での発現から
なる。HBBゲノムの当該部分はそれ自体天然または合成品であってもよく、通
常の技法により単離した細菌から入手し得る天然遺伝子をもつものである。 本発明の検出および診断方法に有用であるために、該ポリペプチドは実質的に
純粋な形態で得る。該タンパク質は免疫吸着アフィニティカラムにより以下に記
載の抗体を使用して精製することができる。十分な量のHBBポリペプチドを入
手したならば、HBBに特異的なポリクローナル抗体は生体外または生体内技法
により産生させることができる。生体外技法は生体外でリンパ球を抗原ポリペプ
チドに暴露することからなり、一方、生体内技法では該ポリペプチドを多様な脊
椎動物に注射することを要する。適切な脊椎動物は非ヒトであり、マウス、ラッ
ト、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ロバなどである。約30個以上のアミノ酸、通常は
約50個以上のアミノ酸をもつポリペプチドは、直接免疫原として作用する。も
しポリペプチドが約10kDより小さい、特に約6kD以下であるならば、所望
の免疫応答を引き出すために、該ペプチドをより大きな分子に結合させることが
必要となる。該免疫原を次いで動物に注射し、その動物は定期的に採血して、力
価と特異性が上昇するまで採血を継続する。注射は筋肉内、皮下になされるが、
不完全フロイントアジュバントなどのアジュバントを通常採用する。 要すれば、所望の特異性をもつ抗体を産生し得る不死化細胞系を調製すること
によりモノクローナル抗体を入手することができる。かかる不死化細胞系は種々
の方法で生産することができる。通常は、小型の脊椎動物、例えば、マウスを上
記方法により所望の抗原で高度免疫化する。次いで、脊椎動物は通常最終免疫の
数日後に致死させ、脾臓を取出し、そして脾臓細胞を不死化する。現在、もっと
も一般的な技法は、コーラーおよびミルシュタイン(Kohler and Mi
lstein)がEur.J.Immunol.、6:511〜19(1976
)に初めて記載したように、骨髄腫細胞融合パートナーとの融合である。他の技
法としてはEBV形質転換、癌遺伝子での形質転換、およびレトロウイルスでの
形質転換、または細胞系の安定な維持とモノクローナル抗体の産生を提供する他
の方法を包含する。 融合パートナーとの融合を採用する場合、融合の様式は重要でなく、種々の技
法を採用し得る。一般には、脾臓と骨髄腫細胞を、非イオン性界面活性剤、通常
、ポリエチレングリコール、および他の添加物、例えば、ダルベッコ修飾イーグ
ル培地などの存在下に、数分間結合させる。融合の終末点で、非イオン性界面活
性剤を細胞の洗浄により除去する。融合した細胞は小型の培養ウエル中(通常マ
イクロタイタープレート中、比較的低密度で、約5×10細胞/ウエル)、骨
髄腫細胞には致死性であるがハイブリッド細胞の増殖は支持するように選ばれた
選択的培地に即座に分配する。通常、骨髄腫細胞系は突然変異させて感受性とす
るが、その培地は未融合骨髄腫細胞の増殖を阻害するのに十分な濃度のHATを
含む。十分な時間、通常、約1週間ないし2週間後、ハイブリッドのコロニーを
観察し、高度に陽性のウエルを含むプレートを同定する。1ウエル当たり1コロ
ニーのみを含むプレートとウエルを選択し、これらウエルからの上清につきHB
Bまたは特定のHBBタンパク質に対し結合活性をテストする。陽性ハイブリド
ーマを同定した後、該細胞系は生存可能な培養物として維持することができる。 抗体に対する所望の用途に従い、ハイブリドーマをさらにスクリーニングする
ことが望ましい。免疫診断アッセイに使用するには、本発明HBBポリペプチド
の抗原生部位に対し非常に高い特異性と親和性をもつ抗体が望ましい。かくして
、所望のハイブリドーマが選択された時点で、増殖しているコロニーの上清から
モノクローナル抗体を単離するとよい。得られる抗体の収率は通常低い、しかし
、種々の技法、例えば、脊椎動物宿主の腹腔内にハイブリドーマ細胞系を注射す
るなどにより上昇させることが可能である。殆どの抗体は腹水または血液から収
獲する。タンパク質および他の汚染物はモノクローナル抗体から使用に先立ち常
套技法、例えば、クロマトグラフィー、ゲル濾過、沈殿または抽出などにより除
去する。あるいは、抗体鎖をエンコードするcDNAを既知方法により入手し、
宿主細胞を該cDNA含有ベクターで形質転換して、抗−HBB抗体を組換え法
により産生させることができる。 本発明のポリペプチドおよび抗体は、HBBの検出のために修飾してもしなく
ても用いることができる。多くの場合、該ポリペプチドと抗体は検出可能なシグ
ナルを与える第二の物質と、ポリペプチドとの共有結合により、または非共有結
合により結合して標識化する。多様な標識と接合技法が既知であり、科学文献、
特許文献双方に広範に報告されている。標識のいくつかは放射性核種、酵素、基
質、補助因子、インヒビター、蛍光体、化学発光体、磁気粒子などを包含する。 上記のように調製される抗体およびポリペプチドは、生理的標本、特に、血液
、血清、および脳脊髄液を包含する体液サンプル中のHBBおよび抗−HBB抗
体を検出するための様々な免疫学的技法に使用することができる。該サンプルの
性質によって、イムノアッセイおよび免疫組織化学的染色技法の両方を使用する
ことができる。液相イムノアッセイおよびウエスタンブロット分析が血中および
CFS中のHBBの検出に使用することができる。タンパク質結合アッセイに抗
体を使用することは十分に確立されている。多くの競合的および非競合的タンパ
ク質結合アッセイについては科学文献および特許文献に記載されており、膨大な
数の、かかるアッセイ法が市販品として入手可能である。血液またはCFSから
のHBBの存在を検出する方法の詳細については、実験の部に述べられている。
さらに、血中HBBに対する抗体の存在を検出するための固相酵素免疫測定法(
ELISA)についての一般的プロトコールは実施例9にも述べられている。 特に期待されることは、製薬組成物が本発明の新たに工学的に調製したHBB
を用い調製することができることである。かかる場合に、該製薬組成物は新たに
工学的に調製したHBBと医薬的に許容し得る担体を含んでなる。さらに期待さ
れることは、技術上既知の種々抗生物質を使用して、HBBと関連する自己免疫
疾患の症状と他の疾患を治療し得ることである。分子薬理学の当業者は余分の実
験をせずとも、現行発明のHBBまたは本発明疾患治療法に使用される抗生物質
の適切な投与量および投与経路を容易に決定することができよう。生体内治療に
用いる場合、工学的に調製したHBBまたは抗生物質はその有効量、すなわち、
自己免疫疾患治療の場合には、血流中の細菌を減少させるかまたは除去する量を
患者または動物に投与する。用量および投与処方は、疾患の性質、感染の段階、
特定の薬理作因物質の特性、例えば、その治療指数、患者、患者の経歴および他
の因子に依存する。スケジュールは有効性を最適化するように継続し、治療のマ
イナス効果に対しバランスをとるようにする。参照文献:レミントンの薬剤科学
、17版(1990)、マーク出版(株)、イーストン、ペンシルヴェニア;お
よびグッドマンとギルマンの「治療における薬理学の基礎」8版(1990)、
パーガモン・プレス。 抗生物質での治療では一般に非経口投与としないが、その理由はHBBの増殖
サイクルが非常に遅く、また胞子または胞子様状態で存在する可能性があるから
である。胞子様状態で存在するとき、抗生物質での治療は、より典型的な抗生物
質での治療に比較して、長期間にわたり実施しなければならないという必要性が
ある。長期間にわたる非経口投与は不便である;特に長時間にわたる静脈内投与
は感染、塞栓症、および他の合併症の非常に高い危険性をもつ。 本発明の工学的に調製したHBBは非経口的に投与してもよい。非経口投与の
ためには、工学的に調製したHBBは、もっとも一般的には、医薬的に許容し得
る非経口用媒体と会合させて、単位投与注射用の形態(溶液、懸濁液、乳化液)
に製剤化する。かかる媒体は、好ましくは非毒性であり、非治療的である。かか
る媒体の例は、水、食塩水、リンゲル溶液、デキストロース溶液、および5%ヒ
ト血清アルブミンなどである。固定油およびオレイン酸エチルなどの非水系媒体
も使用し得る。リポソームは担体として使用してもよい。媒体は少量の添加物、
例えば、等張性および化学的安定性を上昇させる物質、例えば、バッファーおよ
び保存剤などを含んでいてもよい。 本発明は新たに同定・特性化されたヒト血液細菌(HBB)について報告する
。該細菌はすべてのヒトの血流中に極少数(血液塗抹試験により認知するにはあ
まりに少ない)存在するが、血液の直接観察では認められている。HBBの可能
性があるとする散発性の観察はあったが、HBBが成功裏に培養され、また技術
的に特性化されることはなかった。細菌は直接または間接的に幾つかの疾患と関
係していると思われる。それは略確実に慢性疲労症候群の潜在的(間接的)原因
である。さらにそれはまた多発性硬化症と他の「自己免疫」疾患とも関連がある
。 HBBのもっとも顕著な特徴の一つは、その非常に低い、制限された増殖であ
る。1培養フラスコ当たりの10ないし10レベルの細菌が、1週間の増殖
後に血清1mlから回収することができる。培養前の血液サンプル中の菌数は、
正確にはなお未知であるが、少なくとも1ないし2オーダーの低い数値である。
遅い増殖が特性化を制限し、実験遂行には通常の細菌学的研究におけるよりも、
数日から1ヵ月というより長い時間を必要とする。 血液の培養は抗凝固処理した全血を、細菌増殖用の様々な栄養を与える複合培
地に接種することにより通常実施する。異なる細菌の培養には一般に異なる培地
と培養条件を必要とする;それにもかかわらず、血液から培養される殆どの細菌
は、急速な増殖速度をもち、栄養物が供給される限り実質的に制限なく増殖し、
その結果、非常に高い菌数が結果として達成される。血液標本はほんの1週間培
養するのが常套である。しかし、HBBはこの方法で培養することができない。
その理由は増殖が遅く、増殖の最終レベルが制限されるからである――多数の赤
血球細胞の存在下では、細菌を同定するのに十分な増殖が達成されない。さらに
、殆どの通常の培地はHBBに必要な栄養物を供給せず、積極的に増殖を阻害す
る物質を含んでいる。さらに、HBBが血清から回収され得るという観察は、菌
体が一般に血餅中に捕捉されるという直感的な知識に反する。本発明に至らしめ
る実験に使用した培地の実際の組成は、数年にも及ぶ(典型的には各実験を1ヵ
月以上続ける)長期一連の試行錯誤実験から開発されたものである。単一のもっ
とも重要な培地成分、ラクトアルブミン水解物は時に細菌培地成分として使用さ
れるが、これは比較的異常なことである。 本発明に利用された本明細書記載の技法は、標準的な細菌学的技法を用いて実
施したが、培養と化学分析には長時間を要した。実験を増殖について比較する場
合、添加物を加えないコンロール実験を実験培養と並行して実施した。生化学的
テストのために、未接種培地をコントロールとして使用した。 以下の実験は本発明の種々の態様を説明する目的で提示するものであり、如何
なる様式でも本発明を制限する意味はない。 (実施例) 実施例1特性化 HBBは「無菌の」ヒト起源、すなわち、ヒト血液および脳脊髄液(CSF)
から回収されているだけである。HBBの増殖が非常に遅いために、他の菌体は
非無菌起源での培養でHBBよりも急速に増殖してしまうと予測される。血液か
らHBBを培養するためには、血液を血餅として収縮させ、HBB含有血清を抜
出させる。該細菌の顕著な特徴は、それが血餅中に取込まれないということであ
る。HBBを単離するもっとも簡単でもっとも再現性のある研究法は、分離用ゲ
ルを容れた無菌真空容器型の血餅管を使用することである。次いで血清を遠沈し
細菌を得るか、あるいは血清を培養するために無菌法で吸引した。あるいは、血
液を、分離用ゲルを容れていない無菌真空容器型の血餅管に引込み、血餅とし、
収縮させて、培養に先立ち、血餅管を回転させて菌体を再懸濁させる。赤血球細
胞を沈殿させ、細胞層上の細胞不含血清を培養用として吸引する。脳脊髄液は腰
椎穿刺により密封無菌管に容れ培養することができる。 感染の程度は相当に変化しているが、HBBは個体の血流から単離することが
できる。それは少なくとも21人の正常被験者、75人以上の「慢性疲労症候群
」被験者、および100人以上の多発性硬化症の被験者から採取されている。正
常母集団と慢性疲労症候群および多発性硬化症の集団間での細菌レベルには幾分
重なり合う部分があるが、細菌の上昇レベルとこれら疾患の活性症候の存在間に
は相関関係がある。それは多発性硬化症の患者の脳脊髄液から採取されている。 HBBが常時血流中に存在するという事実は、第一に身体がそれに対する有効
な防御力を欠いているということ、また第二にその増殖に重要な何かが量的制限
に役立っていて、その過剰増殖を妨げていることを意味する。 実施例2培養法 培地Lまたは培地Oを用い、あるいは1/2強度の培地Oまたは修飾もしくは
未修飾のRPMI−1640細胞培養培地を用い、T−25細胞培養フラスコ中
、ブロス培養にて所定の培養を実施した。標準的には血清1mlを培地9mlに
添加した。比例して量を増加した血清および培地を容れたより大きなフラスコを
用いて多量の細菌を産生させる。活性調節因子を幾つかのフラスコに10×以上
の濃度(1ml以下の添加に相当する)で添加した。活性調節因子の効果を試験
する場合には、コントロールのフラスコは活性調節因子を添加せずに同様に調製
した。培養後、通常、経時的に幾つかの時点で顕微鏡下にレベルを観察した(倒
立相顕微鏡下、視野当たりの菌体数を大まかにまたは実数として観察する)。 多角的比較を直ちに実施する際には、12穴または24穴の細胞培養プレート
、殆どの場合には後者により実施した。後者では一般に、10×以上の濃度(0
.1ml以下)で活性調節因子を加えた各ウエルに、血清接種培地1mlを加え
た。ウエル・プレートについて比較する際、未添加のコントロール・ウエルを含
めた。培養後、通常、経時的に幾つかの時点で顕微鏡(倒立相顕微鏡)下にレベ
ルを観察した。ウエル・プレート培養は、抗生物質感受性テストにも使用した。 成形体にアガロースを添加した固形培地は特定の研究に用いられているが、一
般にそれはあまり十分とは言えない。細菌は1.5%アガロースを貫通する;2
%およびそれ以上では、細菌は表面上に止まるが、表面上を移動するためにコロ
ニーは形成されない。この型の培地は、カービイ−バウエル(Kirby−Ba
uer)技法により抗生物質の感受性を決定する試行に使用されているのみであ
る。通常の細菌用寒天は、アガロースとは反対に、増殖を強く阻害するが、通常
の培地では細菌を単離し得ないことを一部説明している。 実施例3培養条件 細菌は絶対的好気性であり、COを必要としていない。HBBは33〜37
℃近辺で最適増殖もち温度寛容であるが、冷凍下に長時間生存し、培養では50
℃までの温度に抵抗する;しかし、高温、低温の両温度でHBBの増殖は遅延す
る(1)。HBBは数週間冷凍した真空容器型の血餅管内血清から成功裏に回収
することができる。典型的には、2〜3週間の培養において良好なHBB増殖が
あり、次いで増殖が遅くなり、事実上停止して、ある場合には退行変性を伴う。
HBBの継代培養はさらに増殖を促進する;しかし、この過程は2〜3回の継代
培養後に終了する。HBBの増殖速度は殆どの細菌と比較して非常におそく、一
般に2倍となる時間は2〜3日から1週間を要する。HBBは密封した培養フラ
スコ中、約1年間まで生存し得るが、もし培養系を改変して増殖を促すならば、
退行変性が恐らく進展する。 HBBは明らかに代謝的に不活性な状態に入るが、それは真性胞子状態である
と思われる。血液からの菌体の収率は個体と個体の健康状態により変化するが、
一般に、血清1mlは培地OまたはLによる1週間の増殖後、10ないし10 個の菌体を生じる;約9mlの培地によるコーニングT−25(商標)フラス
コ中でハイパワーフィールド当たり約25→1000個の細菌に相当する。 患者数人からの血清は現地の細菌リファレンスラボラトリーに提出した;そこ
では患者サンプルからの細菌株を増殖するために一般に用いられる種々の培地上
、好気的にも嫌気的にも増殖は達成されなかったが、同じ血清は上記の培地中で
良好に増殖する。 実施例4増殖要件および活性調節因子 細菌増殖にはラクトアルブミンと酵素抽出物を必要とする。細菌の分裂は脳−
心臓注入液により僅かに阻害されるが、より長い桿菌を生じる。明らかに糖を必
要とし、以下の糖が増殖を支持することが決定されている:グルコース、スクロ
ース、フルクトース、ラクトース、デキストラン、ラフィノース、およびメイリ
ボース。グルコース、スクロース、およびフルクトースの組み合わせ、および/
またはラクトースとグルコースの組み合わせはテストした被験者100%にHB
Bの単離を可能とした(>300単離物)。ピルビン酸エステルを増殖培地に添
加すると、固有運動性の増大とともに、より長い桿菌を生じ、細菌が産生する粘
液の量を増大する。対照的に、ピルビン酸エステルは、赤熱光に暴露するとき、
そして特にガス透過性栓をしたフラスコ中にあるとき、1/2強度培地Oまたは
RPMI−1640中での増殖を促進する。酵母抽出物が供給するビタミン要求
以外に既知のものはない。テストした単離物においてメトトレキセートによる阻
害はないと思われる。 増殖には単純な塩を必要とし、増殖は数種の微量金属イオン、例えば、マンガ
ン(1μg/ml、最適)、銅、スズ、鉄、水銀、および銀などにより促進され
る。増殖は亜鉛によって阻害されると思われるが、酒石酸スズ(14μg/ml
)、エチルへキサン酸スズ(14μg/ml)、カプロン酸スズ(<14μg/
ml)、またはジラウリル酸ジブチルスズ(1.4μg/ml)により促進され
るか、または促進される可能性がある。増殖は過酸化水素および(酸化)アラキ
ドン酸(2〜10μg/ml)によっても促進される可能性がある。 エトキシチタニウム(1/14飽和)、ベンゾフェノン(1/14飽和)、ジ
フェニルアミン(1/14飽和)、テトラエチルメチレンジアミン(14μg/
ml)、ホルホリン(1.4μg/ml)およびユビキノン(Q10)(1/5
飽和)により僅かな促進があると思われる。ピコリン酸クロム、銀プロティネー
ト、アマンタジン、沃化カリウム、ピコリン酸、ホウ砂(14μg/ml)、ジ
クロロフェニレンジアミン(1/14飽和)、スペルミン(7〜10μg/ml
)、塩化ジルコニウム(1.4μg/ml)、ブトキシチタニウム(1/14飽
和)、レサズリン(14μg/ml)、メチレン・ブルー(14μg/ml)、
フルオレセイン(14μg/ml)、L−カルニチン(2μg/ml)、ホスホ
リルエタノールアミン(3μg/ml)、オロト酸(4μg/ml)、システイ
ン(20μg/ml)、亜硫酸ナトリウム(20μg/ml)、N−アセチルシ
ステイン(20μg/ml)、硫酸アンモニウム(20mg/ml)、2−メル
カプトエタノール(10μg/ml)、ジチオトレートール(10μg/ml)
、タウリン(20μg/ml)などによる促進または阻害は、殆ど観察されない
か、または全く観察されなかった。培地Lまたは培地Oおよび通常の太陽光また
は蛍光を用いたときには、光レベル(1)の効果は観察されなかったが、赤熱光
または特殊の青色白熱光または特殊の青色系蛍光により、特に1/2強度培地O
またはRPMI−1640で増殖の促進が観察される。効果は、ガス透過性栓を
したフラスコを用いるときに上昇する。テストした分離株の一つはサブロー・デ
キストロース培地(ディフコ)斜面上、室温にて6ヵ月にわたり非常にゆっくり
と増殖した。ディフコ嫌気性培養系では嫌気性増殖が観察されなかったが、一方
で300以上の分離株がCOなしに良好に増殖した。 HBBは適度にpH耐容性であり、5.8〜9.0のテスト範囲で増殖し、株
ごとに変わる最適pHをもつことが判明している。硫化ナトリウム(20μg/
ml)、N−アセチルシステイン、メルカプトエタノール、またはジチオトレイ
トールなどの有意な影響はない。システイン(20μg/ml)はある種分離株
の増殖を阻害するように思われ、メチオニン(20μg/ml)も阻害するがあ
まり首尾一貫性がないように思われる。硫酸アンモニウムまたはタウリンは増殖
に影響しない。ある種の増殖促進がアルコールを添加した際に観察された(3.
3%エタノール、3.3%n−ブタノール、1.67%イソアミルアルコール)
。さらに、細胞壁前駆体、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルラクトサミ
ン、ムラミン酸、N−アセチルムラミン酸、ジアミノピメリン酸などの添加によ
る細胞壁欠陥型の減少には影響しないが、これらの幾つか、特にN−アセチルラ
クトサミンにより、幾分培養増殖の促進が観察された。酸化阻害剤、例えば、ア
ジド、シアニドおよびジニトロフェノールなどは増殖に殆ど影響がない。 実施例5培 地 多数の処方がテストされており、幾つかの処方を、当初の成功した単離および
引続く実験に用いた培地をもとに用いる。以下の処方(培地Lという)が開発さ
れており、より良好な遂行結果を与えることが見出されている;1Lの三橋−マ
ラモロシュ(Maramorosch)昆虫細胞培地(シグマ)またはその成分
マイナスグルコース;すなわち、CaCl:0.15102g;MgCl
無水):0.04695g;KCl:0.2g;NaCl:7.0g;NaH PO(一塩基性):0.1739g;ラクトアルブミン水解物:6.5g;酵
母抽出物:5.0g;ラクトース:10g;塩化マンガン:1mg;プラス炭酸
水素ナトリウムまたは他のバッファー、例えば、トリスまたはHEPES。これ
らの成分に水1Lを加え、そして攪拌しながら少量のキサントンとフェノチアジ
ン粉末を添加すべきである。増殖はアラキドン酸ナトリウムとリポキシダーゼ(
シグマ、大豆起源)を添加することにより改善することができる。溶解後、培地
をpH7.5に調整すべきであるが、異なる分離株により最適pHは僅かに異な
る。pH調整した培地は滅菌濾過またはオートクレーブにかけ、4℃に貯蔵する
。この培地は4℃で少なくとも6ヶ月間、培養中のHBB増殖と維持を可能とす
る。代わり得る培地は培地Oというが、これは上記培地L中の糖をグルコース4
g、フルクトース4g、スクロース4gと置換え、バッファー、キサントン、フ
ェノチアジン、アラキドン酸およびリポキシダーゼを除いてある。培地Lは一般
にHBBのよりよい増殖を可能とするが、ある種の株では培地Oの方がよい。 培地Lまたは培地Oを水で半分の濃度に希釈すると、場合により、よりよい増
殖を可能とし、膨潤してサイズが大きくなるために菌体の目視可能性を上昇させ
る。しかし、これらの希釈培地を用いると沈殿形成の問題が生じてきた。水の代
りに正常食塩液で培地を希釈すると沈殿は減少するが、それを完全には除去しな
いことが見出された。もう一つの代替培地はRPMMI−1640細胞培地、並
びに数種の関連培地、例えば、ダルベッコ培地、イスコーブ培地およびマッコイ
培地などである。赤熱光下での増殖に際し5〜10mMのピルビン酸を添加する
とより大きな増殖が達成される。 実施例6物理的特性 形態学:位相差顕微鏡によると、HBBは極端に多形性であることが判明して
いる(1)。分裂しない場合(すなわち、血液を直接観測するような比較的静的
条件下)、HBBは長い、柔軟性の、ときに蛇行状の桿状菌であり、15ミクロ
ン以上の長さがあるように見える。桿状菌の末端はときに膨れて見える。分裂に
際し、該細菌は非常に短く、一般には球菌となる(図1)。細胞直径はライフサ
イクルの間に変化し、活発に増殖しているときにはより小さくなる傾向がある。
最小のとき、それらは40×の対物レンズでかろうじて分析することができる。
HBBはグラム不定であるが、抗酸性ではない。通常の染色法では、莢膜も鞭毛
も観察されないが(1)、ヒス(Hiss)染色では、多糖または多糖に富む物
質(粘液)であろうと推定される細胞外物質を呈示する。色素は含んでいないと
思われる。核酸の存在は固定菌体をアクリジンオレンジ、4,6−ジアミジノ−
2−フェニルインドールまたはバック−ライト染色(モレキュラー・プローブ・
インク)で染色し、蛍光顕微鏡で観測することにより確認されている。バック−
ライト染色は菌体の生存度も確認する。多様な分離株の透過型電子顕微鏡(1)
はグラム陰性壁構造を鮮明に示し、波状の外膜(図3)をもち、多分S−層をも
ち、内膜と外膜の間に染色可能な粒状物質をもち、鞭毛または外筒は存在せず、
明瞭に呈示された核様体と数タイプの封入体をもち、恐らくポリ−ベータヒドロ
キシブチレートを意味する明瞭な脂質様封入体と、現時点でこれ以上特性化され
ていない高電子密度封入体を含んでいる。何枚かの顕微鏡写真は毛、接合管、ま
たは糸状ファージに相当する表面の糸状突起を示している(図4)。細胞外物質
は恐らく多糖または糖タンパク質に相当すると見られるが、真の莢膜は見えなか
った。胞子様状態が存在すると思われるが、電子顕微鏡では真の胞子が証明され
なかった。RPMI−1640中で増殖した培養物では、細菌のあるものが細胞
壁を欠くように見える一方、1/2強度培地Oでは、壁の厚さが特定の分離株で
異なり、ある場合には正常のものよりも厚い。 細胞壁欠損の形状であると思われるものは、ときに培養で顕著であり、膨潤し
た球菌が異常に出芽したものであると思われ、出芽している酵母ないし大型の球
状体に似ている。HBBが欠損形を形成する傾向は、一部はHBBを単離した患
者に依存し、一部は引続く培養条件に依存する。欠損形は患者の栄養状態が変化
するにつれ、あるいは抗生物質が投与された場合、患者ごとに経時的に変化する
が、このことは欠損形が栄養学的制限の関数的な性質のものであることを示唆し
ている。 屈折性の封入体がHBB内にしばしば存在するが、これは光学顕微鏡、特に位
相差顕微鏡により観察される。これらの封入体もまた、細胞壁欠損形のように、
培養条件および患者起源に依存する。封入体は未だ十分には特性化されていない
。レフレル(Loeffler)メチレンブルーおよびトルイジンブルーでの染
色はある種の異染性を示す(2)。アルコール性またはグリコール性スダンブラ
ック染色(3)は、封入体がポリベータヒドロキシブチレートおよびピロリン酸
の双方を包含すると示唆する。細胞外結晶はときに両錐柱体、酸溶解性であって
、蓚酸カルシウムであることおよび細胞内封入体のあるものが蓚酸カルシウムで
あろうことを示唆しているように見える。ウイルツおよびコンクリン(Wirt
z and Conklin)染色(2)により証明されるように、明瞭な胞子形
成がある。真の莢膜は結晶紫色−硫酸銅染色(2)によっては認められない。細
胞壁欠損形は多くの場合、とりわけ大型の高度屈折性封入体を含む。大型の球形
高度屈折形のあるものは、位相差顕微鏡で観察した場合、厚い壁をもつように見
えるが、これも再度胞子形成を示唆する。胞子様状態を示唆する他の証拠は、相
対熱と放射線に対する抵抗性(例えば、50℃で7日間)、および2年間新たな
培地を添加することなくインキュベーター中に保存してあったフラスコから継代
培養し得る生存菌体の耐久性である。 大量の細胞外「粘液」または滲出液が、ある培養条件下で産生される。滲出液
は繊維性の網目構造を形成し、それが菌体を全く不明瞭なものとしている。この
物質が一緒になってHBB細胞を細菌塊に結合している。 HBB細胞は、ときには酵母様の形態をとるが、実験ではこの酵母様細胞が細
胞壁欠損の細菌であって、酵母ではないことを示唆する。例えば、サブロウ培地
では酵母様の形態の増殖がなく(7種の分離株、室温6ヵ月)、アンホテリシン
B、ミコナゾール、クロトリマゾール、ウンデシル酸ナトリウム、安息香酸ナト
リウム、プロピオン酸ナトリウム、またはニスタチンなどによる抑制はない。菌
糸の形成はないと思われる。さらに、1.2ミクロンの膜フィルターによる濾過
直後の培養物には菌体が存在しないが、引続く培養後には「元に戻る」。さらに
、「酵母様」細胞は不均一に存在し、血液からのHBB分離株すべてに同定し得
るが、その数は多様である。さらに、典型的な細菌と酵母様形状の間には明瞭な
遷移型がある。カルコフルオア・ホワイト(0.01%水溶液)での染色は弱く
、一致しない;同様に、過ヨウ素酸−シッフ染色およびメテナミン銀では乏しい
染色しか得られない(3〜4)。 運動性:培養中HBBの運動性は一部培養条件に依存する。増殖は制限される
が、活性はピルビン酸により促進されるような条件下、または血液から新鮮に単
離された場合、桿菌は連続的に活性に屈曲している――明確には、通常の鞭毛を
もつか、またはスピロヘータをもって見える運動性のタイプではない。運動性は
ピルビン酸により促進されると思われる。HBBは1.5%アガロース、培地O
を相当な距離、活発に貫通するのでコロニーを成長させることができない。寒天
濃度を高くすると、HBBが寒天表面に拡散するようになる。この拡散は滑走す
る運動の可能性を示している。糖衣と結合したこの活発な運動性の事実は、HB
Bが血液からの単離の際に何故血餅に取込まれないのかを説明している。 バック−ライト染色(モレキュラー・プローブ・インク)により生存菌体を生
体染色して観察される二三の培養物は、僅かな割合の菌体に、異なるタイプの運
動性があることを示している。これらは鞭毛をもつと予測されるタイプの非常に
素早い動きを示す。鞭毛の存在は電子顕微鏡により確認されていないが、細菌が
適切な条件下で鞭毛を生じることは可能である。 実施例7化学反応 同定し得る化学反応は驚くほど少ないと思われる。糖が明らかに使用されてい
るにかかわらず、非常に僅かのpHシフトが経時的に起こり、そのシフトも僅か
な酸性または僅かな塩基性である。矛盾なく証明されている唯一の反応は馬尿酸
エステルの水解、比較的非特異性のホスファターゼ/DNアーゼ活性および酢酸
エステル・エステラーゼである。青色の変化は塩化金の存在下に生じるが、その
化学は未知である;弱い褐色の変化は硝酸銀で見られる。HBBは細胞外滲出液
またはゲルを造る。滲出液は大部分または全体が複雑な炭水化物からなると思わ
れる。細胞外物質は生体内HBBの病原性に非常に重要であること、そしてHB
Bとともに観察され、HBBと関係する疾患に至る免疫反応のあるものは、HB
B菌体に対するよりもむしろ滲出液に対して適当であることが推定される。ある
いは、滲出液は補体や抗体などの血清因子から細菌を保護している可能性もある
。 産生される滲出液の量は培地の組成により、あるいは組成に依存して強く影響
される。現行の培地処方(LおよびO)は粘液の産生を減少させるように設計さ
れている。当初の粗製の培地では、遠沈した培養物は容量で10%以上のこのゲ
ルからなる。LおよびO培地では、HBBの古い培養物はゲルの薄層を展開し、
それが細胞を閉じ込め、細胞を培養フラスコに接着させる。シアル酸に結合する
レクチンは、コムギ胚芽アグルチニン、いぬえんじゅ(Maackia amu rensis)I、およびにわとこ(Sambucus nigra)を含め、 この物質と細菌に結合することが観察されている;しかし、他の糖に結合する殆
どのレクチンは、いぬえんじゅ(Maacckia)II、大豆、ドリコス・ビ
フロリス(Dolichos bifloris;いんげんまめ)、ピーナッツ ・アグルチニン、つるなしいんげんまめ(Phaseolus vulgari s)ロイコアグルチニンおよびエリスロアグルチニン、スクシニル化コムギ胚芽
アグルチニン、えんじゅ(Sophora japonicum)、バンデイレ ア(グリフォニア)シンプリシフォリア(Bandeirea(Griffon
ia)simplicifolia)IおよびII、エリスリナ・クリスタガリ
(Erythrina cristagalli)、えんどう(Pisum sa
tiva)、ひよこまめ(Lens culinaris)、ようしゅちょうせ んあさがお(Datura stramonium)、ジャカリン(Jacal in)、とまと(Lycopersicon esculentum)、じゃが いも(Solanum tuberosum)、およびそらまめ(Vicia v
illosa)などを含め、結合するように思われない。 以下のデータは観察された化学反応を要約する。長時間にわたり有意な酸また
は塩基の産生はなかった(>40分離株);FeClの添加により色変化はな
かった(数種のアミノ酸の脱アミノ化は陰性(9株));ホーゲス−プロスカオ
エル弱陽性(8株中7株);ウレアーゼ脱アミノ化(ネッスラー試薬により):
微陽性(8株中7株);エスクリンは水解されず(9株);馬尿酸エステル水解
(9株);硝酸エステル還元されず(9株);ONPG水解されず(2mg/m
l)(4株);p−ニトロフェニル酢酸エステル(1/6飽和)水解(4株)、
弱い反応はコントロールでも見られた;o−ニトロフェニルカプリン酸エステル
(1/6飽和)水解されず(4株);p−ニトロフェニルリン酸(2mg/ml
)水解(4株);ビス−p−ニトロフェニルリン酸(2mg/ml)水解(4株
);DNA−メチルグリーン(50μg/ml)水解(4株);p−ニトロフェ
ニルホスホリルコリン(2mg/ml)水解(4株);オキシダーゼ陽性(5株
中3株、相対的に弱い);カタラーゼ(2株中2株、弱いが陽性);および塩化
トリフェニルテトラゾリウム(500μg/ml)とは反応せず(10分離株)
。 実施例8抗生物質感受性 抗生物質感受性はHBBで特徴的な問題である;非常に単純に、HBBは殆ど
すべてに耐性であり、治療処方の開発を極端に困難にする。ある株はペニシリン
GまたはVに比較的感受性であるように見えるが、クラブラン酸含有オーグメン
チンを生体内で補うと、ベータ−ラクタマーゼの誘導によると思われるが、さら
により感受性となる。幾つかの陽性臨床結果がペニシリン、プロベネシド、およ
びオーグメンチンの併用で観察されている;オーグメンチンはベータ−ラクタマ
ーゼ・インヒビターを提供するために加える。アモキシシリンには感受性が弱く
、また一般にオキサシリン群に感受性が弱い;しかし、場合により分離株はオキ
サシリンまたはクロキサシリンにより高い感受性を示す。ある株はシプロフロキ
サシンに感受性である。シプロについては比較的少ないテストしか実施していな
いが、HBBは一様にアミノグリコシド、サルファ剤、およびトリメトプリムに
耐性を示した。HBBはエリスロマイシンに耐性であるが、一部の株はクラリス
ロマイシンおよび/またはアジスロマイシンに感受性を示す。さらに、HBBは
殆どのセファロスポリンに抵抗すると思われるが、二三の分離株は第三世代のセ
ファロスポリンにのみ感受性を示す。二三のHBB株はドキシサイクリン/ミノ
サイクリンに対し限られた感受性を示した。 興味深い特徴として、ある分離株はイソニアジドに感受性であるが、HBBが
マイコバクテリアであると考える理由はなく、イソニアジドが正常に使用される
唯一の細菌である。イソニアジドの感受性はHBB中のカタラーゼ/ペルオキシ
ダーゼ様酵素への薬物結合に関係しており、結核菌で示されているのと同様であ
る;このように、結核菌のカタラーゼ/ペルオキシダーゼに類似の、HBBと会
合した重要な酸化酵素が存在する可能性がある。 スルフヒドリル剤は場合によりHBBの増殖を阻害し、重要な酸化的特徴の示
唆と矛盾しないが、同様に金属イオンの要求とも一致する。HBBに有効である
ことが判明している抗生物質で患者を治療しても、血流から菌体を除くことはな
い;しかし、血中HBBのレベルは一部患者で抑制することができる。これらH
BBの抑制レベルは病態生理学的症候の抑制と相関する。データからは、抗生物
質の感受性が単一の現象ではなく、他の因子、例えば、栄養的因子が役割を果た
すことは明らかである。 HBBの抗生物質耐性は非無菌部位からの選択的単離のために活用することが
できる。さらに、HBBはテストしたすべての界面活性剤に抵抗する;すなわち
、0.1%ウシ胆汁、0.1%Brij−35、0.1%n−ラウリルサルコシ
ン、0.1%NP−40、0.1%トリトンX、0.1%トゥイーン−20など
は、0.1%SDSを例外として、細胞融解を惹起する。さらに、HBBは1:
1000塩化ベンザルコニウム飽和ヘキサクロロフェンと0.05%サポニンに
抵抗する。 以下のデータは観察された抗生物質と抗カビ剤の感受性を要約する:アミカシ
ン(2μg/ml)−効果なし(1分離株);5−アミノサリチル酸(20μg
/ml)−効果なし(4分離株);アンホプテリシン(0.25μg/ml)−
効果なし(1分離株);アゾスロマイシン(0.25μg/ml)−効果なし(
6分離株)、感受性(7分離株);セファレキシン(2μg/ml)−効果なし
(1分離株);セファドロキシル(4μg/ml)−効果なし(1分離株);セ
フィキシム(2μg/ml)−効果なし(8分離株)、感受性(5分離株);シ
プロフロキサシン(1〜2μg/ml)−効果なし(5分離株)、部分的感受性
(1分離株)、感受性(1分離株);クリンダマイシン(2.5μg/ml)−
効果なし(1分離株);クロトリマゾール(1/10飽和)−効果なし(1分離
株);クロキサシリン(2μg/ml)−効果なし(16分離株)、感受性(5
分離株)、増殖促進(6分離株);ダプソン(1/20飽和)−効果なし(1分
離株);フラゾリドン(1/20飽和)−効果なし(1分離株);ゲンタマイシ
ン(2μg/ml)−効果なし(1分離株);イソニアジド(2μg/ml)−
効果なし(24分離株)、感受性(5分離株)、増殖促進(6分離株);ミコナ
ゾール(1/10飽和)−効果なし(1分離株);ミノサイクリン(1〜2μg
/ml)−効果なし(29分離株)、感受性(12分離株)、増殖促進(4分離
株);ナリジクス酸(4μg/ml)−効果なし(1分離株);ニスタチン(飽
和)−効果なし(1分離株);オフロキサシン(1/20飽和)−効果なし(1
分離株);ペニシリンV(1〜2μg/ml)−効果なし(27分離株)、感受
性(17分離株)、増殖促進(4分離株);プリマキン(2μg/ml)−効果
なし(31分離株)、感受性(15分離株)、増殖促進(1分離株);キナクリ
ン(2μg/ml)−効果なし(1分離株);リファンピシン(1/200〜1
/10飽和)−効果なし(18分離株)、感受性(7分離株);安息香酸ナトリ
ウム(50μg/ml)−効果なし(1分離株);プロピオン酸ナトリウム(5
0〜250μg/ml)−効果なし(2分離株);ウンデシル酸ナトリウム(5
0μg/ml)−効果なし(1分離株);スペクチノマイシン(4μg/ml)
−(1分離株);サルファメトキサゾール−効果なし(1分離株);サルファピ
リジン(1/10飽和)−効果なし(6分離株)、効果なし(1分離株);サル
ファサラジン(1/10飽和)−効果なし(6分離株)、効果なし(1分離株)
;トルナフテート(2μg/ml)−効果なし(1分離株);トリメトプリム(
1/20飽和)−効果なし(1分離株);バンコマイシン(2μg/ml)−効
果なし(1分離株)。 実施例9配列分析および分類 全16S rRNA遺伝子(Rb16S rRNA:配列番号1および58 1 6S rRNA:配列番号2)、23S rRNA遺伝子の大部分(Rb23S rRNA:配列番号3および58 23S rRNA:配列番号4)および16S
と23Sの間の遺伝子間スペーサー領域の大部分(配列番号5)を収集した。推
定多剤耐性タンパク質をエンコードする遺伝子の予備的配列データも示す(配列
番号6)。これらのデータは1/2 O培地または修飾RPMI培地を用いて培 養した細胞から単離したDNAから入手した。 16S配列データについては、DNAを普遍的16S rRNAおよび文献検 索から設計された特異プライマーを用い増幅した(GAGTTTGATCCTG
GCTCAGAACGAACGCTGG、配列番号7;およびCATCGGCA
TCCCCTTGGACGCCGACCTAGTG、配列番号8)。1208塩
基対(bp)の16S配列はコントロールサンプルから入手し、両方向に重ね合
わせて完成させた(配列番号1)。異なる分離株はメチロバクテリウムの異なる
株と直線整列するDNAを産生する。メチロバクテリウムは水および土壌などの
多くの起源から単離された塩素抵抗性ピンク着色細菌である。このグラム陰性桿
菌は、生理学的特性にもとづき多くのシュードモナス属として同定されたが、再
分類されたものである。最近は、臨床標本から単離された多くのメチロバクテリ
ウムが存在している。 現在開示されているRb 16S rRNA配列に比較してもっとも広汎な相同
性(99%)をもつ株は、5塩基のみが異なるメチロバクテリウム・オルガノフ
ィリウムである(1189bpの内1184bpが同一である)。1208bp
の残り19bpはジェンバンクからの公開配列には見出されない。異なる患者か
ら配列決定した他の株は類似していたが、メチロバクテリウム・オルガノフィリ
ウムに一致しなかった。これらの配列は株05、株15および株73に似ている
。一患者から得られた第二の16S rRNA配列(すなわち、58 16S r RNA、配列番号2)は1502bpを含み、メチロバクテリウム・エスピー(
株F05)にもっとも似ている。メチロバクテリウム・エスピー(株F05)に
ついての公開配列は1405bpの長さであり、現在開示した58 16S rR
NA配列よりも約100bp短いが、その場合でもHBBの58 16S rRN
Aの配列は、株F05に99%同一である(1403bpの内1398bpが一
致する)。16S rRNA遺伝子に対する2つの配列、Rbおよび58は互い に4%異なり、1167から1208に異なる塩基をもつ。 コントロールサンプルと患者間のこの株変異の意味は未だ確立されていない。
ある株は病原性であり、他はそうでないというこも可能である。配列決定したH
BBがこれら掲載した株の修飾型であるか否かは未知である。しかし、HBBは
ATCCから入手した株と形態学的に、また増殖要件の見地から異なっていると
思われる。HBBが血流中で生存し得るという事実は、野生株を幾分修飾する必
要があるということであろう。ゲノムを分析すると、病原性の島または他の伝染
可能な遺伝子要素の存在を示す。これらの要素は、微生物の進化の間に、HBB
創造に導く遺伝子の水平移動によってメチロバクテリウムが獲得したものであろ
う。 これまで得られた23S rRNA配列は2542bpを含む(Rb 23S rRNA:配列番号3)。その鎖長の約3/4が双方向に配列決定されているが
、その配列が重なることなしに隣接している領域がある。この配列はロドシュー
ドモナス・パルストリスの23S rRNA遺伝子に約90%類似しているが、 これは23S遺伝子上の公開データをもつもっとも密接に関連するアルファ・プ
ロテオバクテリウムである。コントロールサンプルRb 23S rRNA(配列
番号3)からの、および患者サンプル58 23S rRNA(配列番号4)から
の配列データが得られた。23S rRNAに対する2つの配列Rbおよび58 は互いに5%異なり(1996bpの内1903bpが同一である)、6つのギ
ャップをもつ。23S rRNAのPCR反応に使用するプライマー対を構築し た:CCGAATGGGGVAACCC(配列番号9)およびTCGACCAA
GAGRRGCTTT(配列番号10);TAGCTGGTTCTCYYCGA
A(配列番号11)およびGGCATTGAAGCCCTCTTCC(配列番号
12);AAACCGACACAGGTRG(配列番号13)およびCGACT
TYCGTAGATTC(配列番号14)(ルードゥイッヒ(Ludwig)ら
)。 16Sと23S遺伝子間に見出される遺伝子間スペーサー領域(IGS)はコ
ントロールサンプルから入手し、2つの上記配列(ACGGTAGGGTCAG
CGAC、配列番号15、およびCCTCCCAGCTTCCACCC、配列番
号16)から設計されたプライマーを用いて配列決定した(Rb IGS:配列 番号5)。それは多くのIGS遺伝子に対し整列が不十分な836bpを含む。
もっとも密接に関係しているもう一つのアルファ−プロテオバクテリウム、ブラ
ディリゾビウム・ヤポニクムとデータベース上非常に僅かな相同性しかない。細
菌ゲノムの領域は種間で十分に保存されておらず、PCRおよび切片上のハイブ
リッド形成を含むDNAベース診断薬用の非常に特異的なプライマーを設計する
ためには十分な機会を与えるべきである。 メチロバクテリウム遺伝子ファミリーに特異的なPCRプライマーのセットか
ら生成した配列はコントロールサンプルから入手した(すなわち、薬剤耐性タン
パク質遺伝子、配列番号6)。使用したプライマーはATGTCCTGCGTG
TCTGCA(配列番号17)およびGTACTAGTCCAGCGTGTC(
配列番号18)。この配列はデータベース内のいずれの既知配列とも調和しない
が、タンパク質に翻訳されると、ブラディリゾビウム・ヤポニクムからの多剤耐
性タンパク質と密接に調和する。 16S rRNA配列(配列番号1)はメチロバクテリウム属のメンバーとし て該細菌を確立する。この属の報告されたメンバーは、メチル化合物、例えば、
メタノール、ホルムアルデヒド、ギ酸エステル、メチルアミンなどから炭素源を
提供する培地上で増殖することができる。それらは炭素源において通性であり、
糖と多様な窒素源を利用することができる。HBBの有意な増殖は、規定された
メチロバクテリウム種の連続培養に使用する種々の培地を用いては得られていな
い。1/2強度培地OまたはRPMIに種々のメチル化合物、例えば、メタノー
ル、酢酸メチル、トリメチルアミンおよびリン酸トリメチルなどを添加しても、
増殖は最少であるか、促進することはない。メチロバクテリウムは稀な事例とし
て免疫抑制したヒトについて報告されているが、通常、ヒトまたは哺乳動物起源
からは単離されない。代りに、水域などの環境起源から通常単離される。このよ
うに、HBBは既知いずれのメチロバクテリウム分離株とも有意に相違する。 HBBの株の差異については殆ど知られていない。異なる患者からは矛盾のな
い形態学的差異があると思われる。抗原性特性については検討していない。抗生
物質感受性パターンは、ある種の抗生物質感受性がある種診断でより頻度が高い
可能性のあることを示唆する。 実施例10切片上ハイブリッド形成 切片上ハイブリッド形成はメチロバクテリウムのRb 16S rRNAに特異
的なプローブを用いて実施した。2つのプローブを合成した(TCGCAGTT
CCACCAAC、配列番号19、およびCTGTGGTTGAGCCACA、
配列番号20)が、その各々を5'末端上、蛍光色素、ローダミンで標識する。 すべての細菌種に結合するように設計した普遍的プローブのセットからの2つの
他のプローブを蛍光色素フルオレセインで標識した。HBB培養からの細胞とハ
イブリッド形成した場合、細菌はRb 16S rRNAからのプローブに結合し
、蛍光橙色となったが、これは細胞がローダミン標識プローブと結合したことを
示している(図5)。大腸菌をコントロール細菌として使用したが、メチロバク
テリウム特異プローブには結合しなかった。第三の色素、4',6'−ジアミジノ
−2−フェニルインドール・2HCl(DAPI)を使用し、DNAを含むすべ
ての細胞を検出した(図6)。これらの結果はPCRの配列決定結果と一致し、
HBBがメチロバクテリウムに密接に関連していることを示す。 実施例11臨床徴候 HBBの存在または増大と自己免疫疾患の臨床症候との相関性、および患者の
抗生物質処方を開始したことの結果を探究するために実験を実施した。80人の
患者を診察し、その内66人が臨床評価を可能とするのに十分な期間、抗生物質
を服用した。臨床評価は原則として報告された症候にもとづいたが、数名の多発
性硬化症の患者については改善された機能の客観的証拠もあった。患者はすべて
HBBレベルを決めるために繰り返し培養した。抗生物質治療処方は、一連の試
験的培養において実施された抗生物質の感受性、および菌体の既知性質にもとづ
いたが、その非常に遅い増殖速度に取り組むには、明らかに長期間の連続治療を
必要とする。この研究法は他の細菌感染に対する通常の治療処方とは異なる。被
験者も研究者も盲検とはせず、未治療またはプラシーボ治療のコントロール群は
置かなかった。 抗生物質での治療は以下の3種の抗生物質処方の1種以上から構成した:(1
)ペニシリンV、500mg、1日4回、プラス プロベネシド、500mg、 1日4回、プラス オーグメンチン、500mg、1日4回;(2)シプロフロ キサシン、500mg、1日3回;または(3)イソニアジド、100mg、1
日3回。大部分の患者が2つの処方を同時に併用して服用した。さらに、もしあ
る処方が有効と思われない、あるいは治療期間にわたり有効性が下降するならば
、場合によりその患者は異なる処方に変更した。3処方のいずれもが他の2処方
よりも有意にすぐれているとも劣っているとも思われなかった。 追跡が適切であった66人の患者は診断により以下のように要約される:慢性 疲労症候群 :患者全41人;改善患者30人;患者11人は改善しなかった。H
BBの減少レベルは改善した患者すべてに認められ、改善しなかった患者ではH
BBが減少しなかった。多発性硬化症(定型例):患者全7人;改善患者4人;
患者3人は改善しなかった。改善しなかった患者4人の内2人は顕著な機能改善
を認めたが、例えば、以前には車椅子を必要としていた患者が、ステッキで歩行
可能であった。改善した患者の内3人にHBBレベルの減少があり、残りの改善
した患者では培養追跡が不十分であった。改善しなかった患者ではHBBの減少
がなかった。非定型多発性硬化症:患者1人につきテストしたが、抗生物質耐性
が発現するまでの5ヵ月間、顕著に客観的に改善された(抵抗性は感受性テスト
により後に文献的に証明された)。改善の期間中、HBBのレベルは減少してい
たが、再発に際し、HBBは顕著に増加した。境界線診断(慢性疲労症候群また は多発性硬化症いずれかについて) :患者3人につきテストした。患者3人すべ
てが改善したが、HBBのレベルも減少していた。線維筋肉痛(純系または慢性 疲労と関連) :患者3人をテストした。すべての患者が改善し、対応して、血中
のHBBレベルが減少した。関節炎(リウマチ性またはその他):患者5人をテ
ストした;4人が改善し、1人は改善しなかった。改善患者すべてがその血中H
BBレベルの減少を示し、非改善患者ではHBBレベルの減少がなかった。ベー チェット症候群 :患者1人をテストしたが、改善はせず、この患者の血中HBB
レベルも減少しなかった。 これら患者治療の著しい特徴は、患者の臨床的改善と患者の血流中HBBレベ
ル減少の間に100%の相関性があることであった。このことは抗生物質での治
療から得られる改善についても同様であった――これらの疾病が先行技術では細
菌性の原因と関連性のない場合であっても同様であった。 この研究に続いて、研究室の援助が患者を治療する多くの医師に提供された。
結果は同様であったが、ただし、応答する多発性硬化症の患者の割合は小規模の
初期群に見られたレベルよりも低いと思われた。さらに、慢性疲労症候群の患者
をペニシリンおよびプロベネシドで治療している1人の協力者は、約100人の
患者が症候から完全に寛解していると報告している。これは約20%の治癒率に
相関する。 明らかに、この症候の改善は血流中のHBB減少と相関する。長期間の追跡が
示すところによると、当初研究の応答患者の幾人かについて、抗生物質の耐性が
発生したが、各患者は全体として治療により利益を得た。後に、研究では重要な
現象、すなわち、多くの場合抗生物質耐性が存在するとき、該抗生物質は事実上
細菌の増殖を促進することを証明している。この効果に対するメカニズムは未知
であるが、効果は培養物および患者の両方に繰り返し見られる。耐性が存在する
場合のHBBの増加は症候の増大と相関する。 実施例12HBB関連疾患の治療 大部分の治療情報は非制御患者の治験から主として明らかになった;しかし、
生体外感受性テストは常套的に実施されている。他方、当業者は、医薬製剤すべ
てでそうであるように、生体外と生体内の結果が完全には相関せず、投与処方は
疾患の性質、感染の段階、特定の薬理作用因子(例えば、その治療指数、患者、
患者の履歴および他の因子)に依存することを認識している。処方またはスケジ
ュールは有効性を最適化するために継続し、治療のマイナス効果に対してバラン
スをとる。この時点で見込みのある薬剤に対し感受性テストを常套的に実施する
;この実践はさらなるテストで継続すべきことが勧められるが、その理由は分離
株が耐性である抗生物質で治療したとき、患者は不利な治療結果を受けるからで
ある。 数種の治療処方は徹底的にテストし、生体外でのテストのときと、患者での生
体内治験双方での値を示した。これらの処方は実質的に少数の患者において、二
三ヶ月で慢性疲労症候群の患者の症候から事実上完全軽快とした。これらの治験
において、多くの患者は症候の有意な改善を経験したが、少なくとも二三ヶ月の
テスト期間にわたり、症候からの完全軽快は経験しなかった。さらに、少数患者
での長期間テストデータがあるが、そのデータが示唆するのは、例え菌体が残っ
ているとしても、抗生物質の中止後にも長期間の治癒があり得ることである。多
くの患者は時間とともに抗生物質耐性を生じ、患者の一部はまったく反応しない
――恐らく抗生物質を凌駕するこれら患者の抗生物質耐性の結果または細菌増殖
速度の結果である。 多発性硬化症患者の50%未満が治療に対し陽性に反応した。さらに、完全な
回復は、治療前にある種の神経系損傷が生じる可能性があるので期待できず、ま
た逆転させることもできない;しかし、患者の約20%が明確な運動機能の改善
に至った。反応する個体が無期限に改善されたままでいるのか、あるいは疾患の
進行は治療の中止後に変化するのかは未だ決定されていないが、数人の患者は数
年もの間、機能改善のレベルに維持されている。 HBBについては、「真の」治癒(すなわち、すべての細菌の除去)は入手し
得る抗生物質により達成されていない;そして実際にはHBBが人類すべてにあ
るレベルで存在すると思われるので、そうある必要はないであろう。しかし、治
癒が起こり、および/または免疫系が回復するのを可能とするのに十分な長期間
HBBを制御することは明らかに可能である。 以下の抗生物質についてこれまでに評価し得ることが示されている;しかし、
本発明は以下の治療処方に限定されるべきではなく、その理由は薬理学の専門家
が、代わり得るホストを認識し得るからである:ペニシリンとプロベンシド:臨
床応答および培養テストは、反応がペニシリンG/ペニシリンVでのスペクトル
が最善であることを示唆する。臨床応答および不応答はHBBがペニシリナーゼ
または一般的なベータ−ラクタマーゼを適当な遅速で誘発することを物語る。こ
のように、ペニシリン単独では殆どの患者で持続した反応に有効ではないが、多
くの患者で短期の応答がある。ペニシリナーゼはオーグメンチン(クラブリン;
アモキシシリン+クラブラン酸)またはペニシリナーゼ耐性ペニシリンの同時投
与により阻害することができる。成人に対する現行の推奨法は経口ペニシリンV
500〜1000mg、オーグメンチン500mg、およびプロベネシド500
mgの併用であり、これらすべてを1日4回服用する。2〜3の患者はジクロキ
サシリンで改善したが、HBB分離株の大多数はこの群のペニシリンに僅かな感
受性しか示さない。 上記ペニシリンとプロベンシドに替わり得る療法は、シプロフロキサシン1〜
2グラム/日の分割投与である。殆どの成人患者に対し提案された投与量は50
0mg、1日3回である。この処方にプロベネシドを加える効果はテストしてい
ない;プロベンシドは分泌を減少させ、CNSの透過を増大させる。もしプロベ
ネシドを投与するならば、凡そ500mgのレベルで毎日3回ないし4回投与す
る。プロベネシドはシプロフロキサシンの血中レベルを僅かに上昇させ、脳脊髄
液(CSF)レベルを上昇させると思われるので、もしプロベネシドを使用する
なら、シプロフロキサシンの投与量は多分250mg、1日に3回または4回に
減ずることができる。回数を少なくして用量を増量する効果、例えば、750m
gを1日2回の効果はテストしていない。理論的には、HBBに対して継続的に
血中レベルを維持するためには、投与用量を減らして回数を増やすのがよりよい
。最低の用量では、シプロフロキサシンの投与は少なくとも2ヵ月間継続すべき
であり、継続してHBBレベルと臨床応答を評価する。かかる治療は非常に高価
であり、小児には禁忌である。シプロフロキサシンに耐容性のない患者では、同
じ群の他の薬物が実行可能な代替品となり得る。 さらに第三の治療代替法は、イソニアジド100mgの1日3回投与である。
HBBが何故マイコバクテリウムに関係のないイソニアジドに場合により感受性
となるのか明瞭ではない。しかし、この例外は、イソニアジドが安価であり、十
分に耐容性であるので有利である。イソニアジドはビタミンB6(ピリドキシン
)と一緒に投与しなければならないが、その理由はイソニアジドが生体内でビタ
ミンに結合し、末梢神経障害をもつビタミン欠乏症に導き得るからである。第三
世代のセファロスポリンは代替品であると思われる;しかし、HBBは第一およ
び第二世代セファロスポリンに耐性である。現在、感受性テストはセフィキシム
で実施されており、通常の最大耐容用量が推奨される。CNS透過性は信頼でき
ず、少なくともこの点で、第三世代セファロスポリンは他の薬物よりもあまり有
効ではないと思われる。さらに、幾つかのデータは第三世代セファロスポリンが
実際に培養において増殖を促進する可能性のあることを示している。 アジスロマイシンとクラリスロマイシンはさらなる代替抗生物質である。HB
Bはエリスロマイシンに耐性である。データはアジスロマイシンとクラリスロマ
イシンでの治療結果に限定されるので、生体内投与量は確立されていない。クラ
リスロマイシンは培養ではより有効であるように見えるが、生体内では、アジス
ロマイシンの組織透過能力が重要であるように思われる。しかし、第三世代セフ
ァロスポリンでのように、これまで集められた幾つかのデータは、アジスロマイ
シンとクラリスロマイシンが多くの場合、増殖を促進することを示唆している。
クロロキンとヒドロキシクロロキンでの治療では、二三の分離株で相乗効果があ
るように思われる。ミノサイクリンまたはドキシサイクリンは代替抗生物質であ
る;しかし、これら薬物に対する感受性は上掲の薬物に対するよりもあまり一般
的ではなく、ミノサイクリンまたはドキシサイクリンは細菌を殺さず、その増殖
を遅くすることさえしない。用量は確立されていない;しかし、通常の最大耐容
用量が推奨される。 他の薬物に対する散発的感受性が認識されているが、これまでの結果は一般的
使用と十分に両立しているようには見えない;しかし、常套の実験がさらなる有
効な抗生物質の同定に至らしめるであろうと思われる。アミノグリコシドとサル
ファ剤−トリメトプリムは培養においてHBBに有効ではない。長期間の治療を
必要とするために、経口投与し得ない薬物は検討していない。さらに、栄養調節
剤を抗生物質と併用することは、一般に結果を改善する可能性がある。 経験則として、療法は最少2ヵ月間継続すべきであり、定常的にHBBレベル
と臨床応答をモニターする。大多数の患者、とりわけMS患者にとっては、恐ら
く長期の治療が必要とされる。治療は菌体がいわゆる「休止形態」または恐らく
真の胞子となり、通常の治療スケジュールにおいて、抗生物質に対し耐性である
細胞壁欠損型とするという事実により複雑であるが、そのことが長期にわたり連
続、高投与量の抗生物質を要求する。数ヶ月後、改善が一定となった後に、薬物
を注意深く中止することが推奨される。如何なる治療処方においても、技術上既
知であって公開された薬物の危険性、並びに生体外の感受性、臨床耐容性および
経済的配慮を念頭に置くべきである。 治療の長期効果における因子は、患者の免疫系効力の回復によると思われる。
症候は多分HBBまたはその産物に向けられた免疫反応の結果である。上記の処
方とその他は恐らくカンジダを過剰増殖させることになる。これらの酵母は通常
、経口のニスタチン500,000U、1日3回または4回、ニゾラール200
mg1日1回、またはジフルカン100mg1日1回により制御し得る。ニスタ
チン単独はGI路を治療し、殆どの男性に対し適切であり、単一で2〜3週間処
方する必要がある。ニゾラールは全身的な効力を生じ、女性に対し提案される。
ジフルカンはニゾラールに対する一つの代替品であり、安全であって、恐らくよ
り有効であるが、より高価でもある。 殆どの応答患者は治療の最初の2〜3日または2〜3週間で顕著なヤリッシュ
・ヘルクスハイマー反応を示すことが判明した。理論的に、ヤリッシュ・ヘルク
スハイマー反応は、菌体の急速な死が内容物を放出し、それが短期の過敏応答を
刺激することによるが、恐らく抗生物質感受性の徴候である。この反応は薬物に
よる反応または療法に対する不利な応答と見間違えるべきではない。患者はもし
ステロイド剤を2〜3日間同時投与するならば、より快適になることが見出され
ている。実際、ステロイド剤は細菌の増殖を促進する化合物の産生を阻害する可
能性があるので、それがさらなる利益となる。治療の初期段階では、抑制が問題
となり、二三の患者は筋肉の痙攣を訴えている。 すべての薬物はアレルギー反応を生じる可能性があり、HBBレベルの高い数
人の患者は、薬物アレルギー発生率が通常のよりもかなり高い。シプロフロキサ
シンは肝不全または骨髄不全などの稀ではあるが劇症の反応に関係し、脱水によ
り腎臓に問題となる。シプロフロキサシンは光過敏性を生じ、小児の軟骨壊死を
起こし、この理由で小児には禁忌である;成人でも長期使用は軟骨に障害を起こ
す危険がある。 プロベネシドは腎臓に問題のある患者には、脱水の問題があるため禁忌である
。同様に、イソニアジドは稀な劇症肝炎または非常に稀な骨髄不全を、多くの場
合老齢患者に起こす。GIの訴えはどの抗生物質でもしばしば見られ、劇症であ
るため療法の変更を必要とする。偽膜性小腸結腸炎は可能性がとても低い。CB
Cおよび肝臓、肝機能および腎機能は定期的に、当初は3〜4週ごとに、そして
逆行する症候がある場合には必ずモニターすべきである。二三の患者では予測不
能の症候、例えば、胸痛および頻脈などを示した。二三の患者に存在する低い程
度の心筋症が抗生物質で再発悪化する場合があると思われる。プロプラノロール
はこれらの症候の治癒に役立ち、同様に一部患者が経験する頭痛を和らげる。療
法に十分に耐容性ではない一部の患者は、薬物の低用量から始めて用量を次第に
増量していく処方により正の応答を示した。複数の薬物を与えるとき、もし薬物
を連続的に開始するならば、不利なそして正の薬物反応を同定することが役に立
つ。もし患者が理に適った治験(1〜2ヵ月)後に応答しないならば、またはも
し患者の症状が下降するならば、処方を中止すべきである。患者が治療の1ヵ月
以上まで応答しない稀な事例もあったが、これまでの研究では、患者は治療の数
週間以内に圧倒的多数応答することが示されている。 進行中の炎症および/またはストレスはアラキドン酸誘導体の放出に一部関連
して、HBBの増殖を促進する。NSAIDは限られた役割をもつ;特に症候の
改善と細菌レベルの一部減少を生み出すイブプロフェン。ストレスと他の感染症
の制御は治療の補佐役となる。HBBによる主要な感染部位は口、特に歯肉であ
ると思われる。多くの患者は歯科の問題、特に膿瘍および歯根管などの後間もな
く始まる症候の履歴、または歯科の問題が進展するときの再発の履歴を呈する。
重要なのは、患者には潜伏している歯の感染症がないこと、また存在するいずれ
の問題も正されていることを確かめるために調査することである。 HBBはすべての「正常な」人に存在し、非特異的症候をもつ人または多くの
臨床的障害、例えば、慢性疲労と免疫機能不全症候群(CFIDS),線維筋肉
痛、および数種の自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症、紅斑性狼瘡、および関
節リウマチの一つをもつ個体でレベルが増大しているように思われる。適切な抗
生物質処方にもとづき患者のHBBカウントが減少していることと症候の有意な
改善との間には明確な正の相関がある。 多くの患者にとって、抗生物質療法が適切ではないかも知れないし、あるいは
可能ではないかも知れないが、栄養的な手段で細菌のレベルを部分的に制御する
ことが可能である。一般に知られているように、病気の人は良好な栄養を維持す
るよう試みるべきである。以下の指針の一部はCFIDSの文献において以前に
なされた示唆である;そして多くが培養での直接実験から誘導された。 多くの患者は高用量のビタミンが気分そう快とすることを観察している。細菌
が体外から供給したビタミンに依存しているという証拠はない;したがって、そ
れらを摂取しないという理由はない。通常レベルよりも高いレベルのビタミンB
、とりわけ、ビタミンB6および葉酸、ビタミンC、および可能ならばビタミン
Eなどを含む良質の複合ビタミン剤が推奨される。ビタミンAとDは通常レベル
よりも有意に高いレベルで毒性を生じ、それ故、過剰は避けるべきであるが、あ
る程度補給することは好ましい。勿論、ビタミンB、ビタミンCおよびビタミン
Eを大過剰含めた用量は毒性となるので、どのビタミンをどれくらい摂取すべき
かには限度がある。複数のミネラルをもつビタミンは、以下に検討するミネラル
のあるものに問題がある故、避けるべきことを勧める。患者の一部はビタミンB
12の注射により症候に改善のあることを報告している。ニアシン(またはニコ
チン酸;ニアシンアミドでもニコチンアミドでもない)、B6(ピリドキシン)
、B12および葉酸の補給は、システイン(シスチン)補給剤を用いている人に
とりわけ重要である。 CFIDSの文献は硫酸マグネシウムと経口亜鉛補給剤を注射することにより
改善のあることを示唆する。本発明の研究において得られた結果は、マグネシウ
ムレベルの増加が細菌の増殖に殆ど影響のないことを物語っている。多分、マグ
ネシウムの報告されている効果は症候に対する二次的影響によるものである。経
口マグネシウムを補給することはひとつの可能性ではあるが、その用量は、とり
わけ、もしそのマグネシウムがカルシウムと併用して摂取されないならば、モニ
ターすべきである。マグネシウム化合物は下剤であり、その経口用量は1回に2
00〜300ミリグラム以上である。 テストが告げるところでは、HBBの増殖は、銅、マンガン、スズ、鉄および
可能ならば他の金属、例えば、アルミニウム、銀および水銀の化合物により増殖
されが、その示唆することは、これらのミネラルを含有するミネラル補給剤、並
びにこれらのミネラルが高い食物は避けるべきであるということである。銅と鉄
はもっとも有意義でありそうである。一般のストレスと炎症過程は両方ともとり
わけ細菌の増殖を促進する。炎症は白血球から数種の銅とマンガン含有酵素の放
出に至り、血中銅レベルを上昇させる。炎症、ストレス、およびある種のホルモ
ンはすべて銅の血中レベルを上昇させるが、その殆どは特定のタンパク質に結合
している;このように、銅含量の高い食事、特に、エビ、イセエビ、カニ、ザリ
ガニ、およびレバーなどの摂取を減ずることが指示されている。他方、亜鉛の摂
取増大が推奨されるが、その理由は亜鉛が培養中のこれらの細菌増殖を抑制し、
増大した亜鉛摂取が問題であると指摘されている他のミネラルの一部と競合する
からである。亜鉛はまた、一般に免疫系に有益な影響をもち、それが亜鉛を最初
に推奨した理由である。推奨量は平均的成人に対し硫酸亜鉛または等価の亜鉛化
合物として1日亜鉛25mgである。それを超える量は過剰投与となり得る。亜
鉛の過剰投与は、利用可能な銅の過剰還元が、身体の細胞にエネルギーの大部分
を供給する酵素産生の身体能力を阻害するため、貧血および衰弱を誘発する。さ
らに、亜鉛は赤血球中のヘモグロビンに鉄を取り込むのを阻害する。さらに、亜
鉛レベルは、血中の鉄レベル同様、厳密にモニターすべきである。鉄レベルをモ
ニターするもう一つの理由は、鉄が細菌の増殖を促進する可能性があるというこ
とである。全身の鉄貯蔵に対する最良の試験法は血清フェリチンであり、鉄レベ
ルは正常範囲の低域に維持すべきことが推奨される。 CFIDS文献に有益であると示唆されているもう一つの微量金属はクロムで
ある。テストの結果はクロムが細菌の増殖を阻害しないとし、事実、クロムはあ
る種株を恐らく刺激することを示していた。さらに、多くのCFIDS患者が砂
糖を欲しがり、食後数時間、疲労が増大した。クロムはこの状態に拮抗する。亜
鉛の増大が恐らくクロムの吸収に拮抗するため、亜鉛とともにクロムを1日10
0〜200mgの用量で補給することが多分必要である。クロムはまた動脈硬化
症の危険をも減少させる。 さらに、CFIDS文献は、ある種のイオウ含有化合物が有益であることを示
唆している。とりわけニンニクに言及しているが、一人の患者が大量を食し、そ
れが彼の症候に役立つと確信した。ニンニクに特徴的な臭気を与えている化合物
はこれらイオウ含有化合物の一種である。これらの化合物は体内で銅を含む数種
の金属と反応し、それ故に、亜鉛を補っている可能性がある。活性化合物が実質
的な臭気をもつ;しかし、脱臭したニンニクの粉末および油状物は活性なイオウ
化合物を欠いている可能性がある。タマネギと他のニンニク関連物も同じ利点を
もつ可能性がある。 スルフヒドリル試薬の効果に関する実験は、他の化合物が少なくともニンニク
程度の価値をもつ可能性のあることを示唆するが、ある種のスルフヒドリル化合
物が場合により禁忌であることをも示唆している。タンパク質の塩基性構成ブロ
ックの一つであるアミノ酸、l−システイン(シスチン)の効果が研究されてい
る。食餌中のシステインの量は様々な代謝相互作用を通して他のアミノ酸の利用
能に影響を及ぼす。システインを増量すると培養中の一部HBB株の増殖を明ら
かに抑制するが、他の株を刺激する。システインは殆どすべてのタンパク質の少
数派成分であるが、二三の起源にのみ大量に存在する。毎日500mg/日のシ
ステイン(シスチン)補給が示唆される(より高くなく)が、それらの患者にお
いてのみその分離株が培養においてシステインによる阻害を示す。さらに、シス
テイン(シスチン)は亜鉛、カルシウム、またはマグネシウム補給剤と同時に摂
取すべきではなく、その理由はそれが金属の一つの吸収を阻害するかも知れない
からである。稀な個体では、腎臓にシスチンを処理する問題があり、システイン
が尿中に結晶化してくるほどの高量で排泄される。かくして、補給剤が腎臓結石
の形成に至らしめることがある。シスチン尿症と診断された人は補給量を摂取す
べきではないし、補給剤の治療を受けた後には顕微鏡での尿分析を勧める。良好
な水分補給の維持がこの潜在的問題に役立つだろう。 CFIDS文献はタウリンが有益であろうことを示唆する。これまでのテスト
において、タウリンは培養に影響しない。体内ではシステインがタウリンに変換
される。タウリンはシステインの崩壊を阻害している可能性がある。 HBBの増殖は何故か炎症過程に直接結びついている。ストレスがあり、病ん
でいる患者、あるいは活性な炎症過程を有する患者からの細菌分離株は、多数の
菌体を示すのみならず、培養中、時間経過とともに低下はするが非常に強い増殖
能力をもつ菌体を呈示する。細菌の増殖は明らかに炎症の一部として産生される
不飽和脂肪酸誘導体の利用能により影響される。 HBB増殖のために重要な物質は、多分、炎症過程一次産物の一つとして放出
されるアラキドン酸として知られる不飽和脂肪酸から誘導される。アラキドン酸
は体内の正常な必須の成分であり、食餌から直接誘導されるか、または他の不飽
和オメガ−6脂肪酸から体内で合成される。多くの抗炎症剤、例えば、アスピリ
ンおよびその同族体はアラキドン酸が炎症の有効な仲介物であるある種化合物に
変換されるのを阻止する。残念ながら、これらの薬物は可能な変換の一部をブロ
ックするがすべてではなく、このクラスの殆どの薬物は投与してもHBBまたは
患者の症候に十分な効果を生じない。 ステロイド類は遊離アラキドン酸の放出を部分的にブロックする。ステロイド
は様々な「自己免疫」疾患、例えば、紅斑性狼瘡、関節リウマチ、および多発性
硬化症などの治療に長い間使用されており、これら疾患はすべてHBBに関連し
ている。しかし、ステロイドは完全治癒するのではなく、その使用と関連した多
くの合併症と副作用があり、またアラキドン酸への変換を完全に阻止するもので
もない。ステロイドの有益な効果は単に炎症を抑制するというよりもむしろ、細
菌の増殖抑制に直接関係する。 イブプロフェンはこの過程を部分的にブロックし、長期使用の危険性を配慮し
て適度のレベルでの使用を考慮すべきである。いずれにしても明らかなことは、
治療における最初の考慮は、体内に存在する治療可能な炎症過程を制御すること
、またその起源が何であれ、一般に感染と炎症を制御することである。これは一
般的なストレスの制御を包含する。CFIDSおよびMSの患者が、物理的また
は精神的ストレスまたは病気の起こったときに、一般に悪化する傾向のあること
は文献によく記載されている。 体内での放出に利用し得るアラキドン酸の量を減量させるようにすることの可
能な他の食餌調節法は、脂肪酸の食餌摂取量を制限することである。一般に、脂
肪の摂取は減量すべきであり、特に、殆どの調理用油とマーガリンの摂取を減ら
すべきである。さらに、CFIDS文献は、カルニチンを補給することが患者の
一部に役立つと示唆している。カルニチンは脂肪酸の代謝において一つの役割を
果たし、その結果、アラキドン酸の利用能に影響する。現時点で、カルニチン補
給剤は推奨されない。 テストした患者の大部分は入手し得る抗生物質に対し、部分的にまたは完全に
耐性である。一般に、これらの患者は最高レベルの細菌を有し、培養において最
大の増殖能力を示す。細菌の増殖を減速する栄養物摂取の取扱いは、ビタミン類
(増強したビタミンB、CおよびEであって、AおよびDではない)、亜鉛25
〜50mg/日、クロム100〜200mcg/日、シスチン500mg/日な
どのスルフヒドリル化合物およびニンニクなどの食餌での補給、非オメガ−6不
飽和脂肪酸(少なくとも1日あたり5000mg)の適切な起源、不所望食物、
特に高レベルの銅とオメガ−6不飽和脂肪酸を含む食物の除去、および鉄レベル
の低減にもとづいており、これらの治療不能患者の一部を応答個体に変えること
が可能であり、あるいは少なくとも彼らの臨床的問題の厳しさを減ずる。 実施例13検出および診断 HBBを定量して疾患を診断し、抗生物質治療方針の有効性を評価することが
できる。これらの手法は技術上既知のものであり、抗体およびDNAプローブの
使用、ウエスタンおよびサザーンブロット、PCR、およびそのための診断キッ
トを包含する。まず、菌体は培養することにより定量することができる。これは
増殖後、顕微鏡視野内の菌体を計測することにより首尾よく実施されている。も
し単離したコロニーを増殖する細菌を固定化する手段が見つかるならば、計測は
より正確になるだろう。定量値を用いて治療の進行状況を追跡し、HBBレベル
と特異的疾患症候群とを相関させる。定量値はまた、抗生物質治療での増殖レベ
ルを治療なしの増殖レベルに比較して、抗生物質感受性の測定に使用する。かか
る抗生物質感受性の測定は抗生剤の臨床的選択の基礎を確立する。 さらに、ELISAは少なくとも2つの目的を念頭において実施する――すな
わち、血清抗体検出のためのELISAおよび菌体定量のためのELISAであ
る。ELISAを実施するには、全体の、未処理または分裂させたHBB,また
は精製によりまたは組換え手技により調製した1以上のHBB特異成分を使用す
る。かかる成分はプレートのウエルに、または他の固相支持体に結合させる。血
清の希釈液を固相支持体に結合した固定成分とともに培養する。固相を洗浄し、
最終的に酵素につながり、血清中の抗体(免疫グロブリン)に結合する1以上の
二次試薬と培養する。固相支持体を酵素基質で処理し、検出可能で定量し得る反
応を生じさせ、分光光度計または同様の機器でそれを読みとる。 定量のためには、固相支持体を組換え成分含有の崩壊した細菌または細菌成分
でコートし、修飾しまたは修飾せずに、血清と培養し、次いで標識した抗−ヒト
免疫グロブリンと培養する。酵素反応は定量し得る産物を生成する。一般の抗体
レベル、または特定の疾患の実体と相関する特異細菌成分に対する抗体のレベル
を用いて、その臨床的表示にもとづき現在定義されている実体に対しての診断を
確立する。血清抗体を検出するには、固相支持体を特異抗細菌抗体でコートして
、血清と培養する。これにより細菌を固相に結合する。プレートを標識した抗細
菌抗体と培養し、酵素反応により定量可能な産物を生成させる。 多くの方法でポリクローナルおよびモノクローナル抗体が用いられる。抗体は
様々な方法で標識化し、組織中の菌体の同定に、また体液(血液を含む)中の菌
体を直接定量することに使用するが、例えば、より速く、より正確な定量を可能
とするレーザー・フロー・サイトメトリーを介して行う。 技術上周知のさらなる技法はウエスタンブロットの利用である。この手法では
崩壊した細菌をSDS−PAGEなどのシステムにて電気泳動し、再現可能な方
法で細菌タンパク質の成分を分離する。タンパク質を適切な支持体、例えば、二
トロセルロースまたはナイロン膜上にブロットし、血清と培養する。標識した抗
ヒト免疫グロブリンをブロットと反応させ、酵素反応により血清結合領域に可視
化した産物を生成させる。反応のパターンは特異的な診断と相関することが期待
される。 特異的なDNAまたはRNA配列に向けられたプローブにもとづくテストは、
定性および定量の両方に使用することができる。DNAまたはRNAプローブは
標識して、上記抗体の使用と同様に、サンプルから抽出した核酸と直接ハイブリ
ッド形成させる。PCRなどのDNA増幅方法を用い、テストの感度を上げ、極
少数の菌体の存在を同定する。サザーンおよびノーザンブロットを常套的に使用
し、プローブを自動化スクリーニング用の固相に結合させてもよい。特異プロー
ブと突然変異分析を用いて特定の疾患との関連性をもつ可能性のある特異株を同
定する。最後に、上記いずれかの方法を通常用の診断キットに収める。 実施例14工学的に調製したHBBの使用 全HBB細菌またはその成分は、該細菌を十分に免疫原たり得るように修飾し
て、ワクチンの創製にも使用する。ワクチン同様、実施例13の手法はクローン
化または修飾した(工学的に調製した)タンパク質、DNAまたはRNAを用い
て採用する。技術上知られているように、ある修飾が特定の状況下で特定の利点
をもつ。修飾した菌体を用い、体内の病原性株を、病気を引起す反応を誘発しな
い株と置換え、様々な遺伝子または遺伝子産物(タンパク質)を個体に送達する
――ウイルスと会合した免疫原性タンパク質用の、欠損の分かっている遺伝子ま
たはワクチン成分の両方。 さらに、HBBは治療的に重要な遺伝子産物用の遺伝子を含み、発現するよう
に工学的に調製する;該遺伝子産物とはこれらに限定されるものではないが、ホ
ルモン、成長調節因子、抗腫瘍性抗原、抗体、他の治療的抗原、およびインター
ロイキンなどである。そうするには、HBBを工学的に調製して、転写し、翻訳
し、非相同タンパク質に処理加工する。HBBはまた、例えば、血清または血漿
グルコース、アラニン、および種々のホルモンなどのヒト・エフェクターに応答
するように工学的に調製する。特に、毒性の代謝産物が血漿または血清中に蓄積
しているような疾患は工学的に調製したHBBにより非常に有効に治療される。
さらに、治療的にそうすることが有効である場合には、自殺遺伝子をHBBに挿
入して、その結果細菌が破壊されるようにしてもよい。HBBの免疫学的使用に
おけるもう一つのさらなる面は、細胞表面に選択した抗原を生成するようにHB
Bを工学的に調製し、免疫系を連続的に増強するようにすることである。 以下の文献を本明細書に引用した。 1. Gerhardt, ed in chief, Methods of General and Molecular Bacteriology
, American Society for Microbiology 1994. 2. Sonnenwirth, et al., Gradwohl's Clinical Laboratory Methods and Diag
nosis, eighth edition. C. V. Mosby Co. 1980. 3. Lennette, Edwin H., ed in chief, Manual of Clinical Microbiology, 3r
d ed. American Society for Microbiology, 1980. 4. Prophet, et al., eds. Laboratory Methods in Histotechnology. Americ
an Registry of Pathology 1992. 5. Hacker, et al., Molecular Micro (1997) 23 (6) 1089-1097, Nucleic Aci
d Techniques in Bacterial Systematics, 1991, J. Wiley and Sons. 6. Clinical and Pathogenic Microbiology, Howard, B. (Ed.) 1994, A. C. V
. Mosby-Year Book, Inc. 7. Ludwig, et al., 1992, System. Appl. Microbiol. 15: 487-501. 本明細書に引用した特許または出版物はいずれも本発明が関わる当業者のレベ
ルを示唆している。さらに、これらの特許および出版物は同じ範囲で本明細書に
参照により取込み、各個の出版物は特定して個々に参照により取込まれているこ
とを表示したものとする。 当業者は本発明が本発明に本来的な対象、目的および利点と同様、記載した対
象を実施し、その目的と利点を得るために上手く適合させ得ることを容易に認識
するであろう。本実施例は、本明細書記載の方法、手法、治療、分子、および特
定化合物とともに、現時点での好適な態様の代表であり、模範であって、本発明
の範囲を限定することを意図するものではない。その点での変更および他の用途
を当業者は思いつくであろうが、それらは特許請求の範囲に定義された本発明の
意図の範囲内に包含されるものである。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 1週間増殖後の培地L中血清からの培養物を示す。
【図2】 培地L中血清からの培養物の顕微鏡写真である。
【図3】 慢性疲労症候群の患者から単離したヒト血液細菌の透過型電子顕微鏡写真であ
る。
【図4】 慢性疲労症候群の患者から単離したヒト血液細菌の透過型電子顕微鏡写真であ
る。
【図5】 多発性硬化症患者の培養物から単離したヒト血液細菌を示す。
【図6】 図5に示したものと同じ顕微鏡視野の写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/47 A61K 31/4709 4C086 31/4709 31/65 4C206 31/65 31/7036 31/7036 31/704 31/704 31/7048 31/7048 31/7052 31/7052 39/00 39/00 A61P 31/04 A61P 31/04 C07H 21/04 C07H 21/04 C12N 1/20 A C12N 1/20 C12Q 1/06 C12Q 1/06 1/68 A 1/68 C12N 15/00 ZNAA Fターム(参考) 4B024 AA13 CA03 HA19 4B063 QA01 QA18 QQ03 QR08 QR55 QR62 QS02 QS25 QS34 4B065 AA01X BA23 BB10 BB21 BB24 CA45 CA46 4C057 MM04 4C085 AA03 BA07 CC07 EE01 4C086 AA01 AA02 BA09 BA18 BC17 BC18 BC29 BC38 BC50 BC60 CB09 CC04 CC09 DA08 DA29 EA13 GA02 GA07 GA12 HA03 HA08 MA02 MA03 MA04 NA14 ZA02 ZA89 ZA94 ZB15 ZB35 ZC21 4C206 AA01 AA02 DA24 JA43 MA02 MA03 MA04 ZA02 ZA89 ZA94 ZB15 ZB35 ZC21

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプルからヒト血液細菌を単離し; CaCl、MgCl(無水)、KCl、NaCl、NaHPO(一塩
    基性)、ラクトアルブミン水解物、酵母抽出物、ラクトース、塩化マンガン、お
    よび炭酸水素ナトリウム、トリスおよびHEPESからなる群から選択されるバ
    ッファーを含んでなる培地を添加し; 前記ヒト血液細菌を該ヒト血液細菌の増殖を可能とする温度で培養する; 各工程を含むことを特徴とするヒト血液細菌の培養方法。
  2. 【請求項2】 前記培地がさらにアラキドン酸ナトリウムおよびリポキシダ
    ーゼを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 サンプルからHBBを単離し; CaCl、MgCl(無水)、KCl、NaCl、NaHPO(一塩
    基性)、ラクトアルブミン水解物、酵母抽出物、ラクトース、塩化マンガン、お
    よびグルコース、フルクトースおよびスクローズからなる群から選択される糖を
    含んでなる培地を添加し; 前記ヒト血液細菌を該ヒト血液細菌の増殖を可能とする温度で培養する; 各工程を含むことを特徴とするヒト血液細菌の培養方法。
  4. 【請求項4】 個体の血液においてヒト血液細菌存在の平衡異常から生じる
    該個体の病態生理学的状態を診断する方法であって、 前記血液中のヒト血液細菌を定量し; テスト個体からの計数を健常状態にあることの判明している対照の個体から得
    られる係数と比較する; 各工程を含み、ここで、前記テスト個体からの計数が前記対照の個体からの計数
    よりも大きい場合に、該テスト個体は前記ヒト血液細菌の異常レベルにあるとし
    、前記テスト個体からの計数が前記対照の個体からの計数を超えない場合に、該
    テスト個体は前記ヒト血液細菌の正常レベルにあるとすることを特徴とする方法
  5. 【請求項5】 前記対照の個体からの計数が、培地OまたはRPMI培地中
    での該対照の個体からの血液の増殖1週間後に、400/HPF(ハイ・パワー
    ・フィールド)を超えないものであることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記計数が、固体または液体培養による定量、ELISAア
    ッセイ、フローサイトメトリー、TAQマン、ウエスタンブロットハイブリッド
    形成、抗体ベーステストおよび核酸プローブベーステストからなる群から選択さ
    れる技術の実施により定量されるものであることを特徴とする請求項4記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記核酸プローブベーステストが切片上ハイブリッド形成お
    よびPCRからなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項6記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 前記切片上ハイブリッド形成に使用するプローブが配列番号
    19および配列番号20からなる群から選択されるものであることを特徴とする
    請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記PCRに使用するプライマーが、ヒト血液細菌遺伝子間
    スペーサー領域に特異的なプライマー、ヒト血液細菌16S rRNAに特異的 なプライマー、ヒト血液細菌23S rRNAに特異的なプライマーおよびヒト 血液細菌薬剤耐性タンパク質遺伝子に特異的なプライマーからなる群から選択さ
    れるものであることを特徴とする請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記ヒト血液細菌遺伝子間スペーサー領域に特異的なプラ
    イマーが、配列番号15および配列番号16からなる群から選択されるものであ
    ることを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記ヒト血液細菌16S rRNAに特異的なプライマー が、配列番号7および配列番号8からなる群から選択されるものであることを特
    徴とする請求項9記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記ヒト血液細菌23S rRNAに特異的なプライマー が、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13お
    よび配列番号14からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項
    9記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記ヒト血液細菌薬剤耐性タンパク質遺伝子に特異的なプ
    ライマーが、配列番号17および配列番号18からなる群から選択されるもので
    あることを特徴とする請求項9記載の方法。
  14. 【請求項14】 個体におけるヒト血液細菌関連疾患の治療をモニターする
    方法であって、治療の各種段階において該個体血中のヒト血液細菌の定量を実施
    する工程を含み、ここで、該ヒト血液細菌の該定量における減少は治療が有効で
    あることを示し、また、該ヒト血液細菌の該定量における増加は治療が無効であ
    ることを示すことを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 前記定量が、固体または液体培養による定量、ELISA
    アッセイ、フローサイトメトリー、TAQマン、ウエスタンブロットハイブリッ
    ド形成、抗体ベーステストおよび核酸プローブベーステストからなる群から選択
    される技術の実施により決定されるものであることを特徴とする請求項14記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 前記核酸プローブベーステストが切片上ハイブリッド形成
    およびPCRからなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項15
    記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記疾患が、慢性疲労症候群、多発性硬化症、紅斑性狼瘡
    、関節リウマチおよび線維筋肉痛からなる群から選択されるものであることを特
    徴とする請求項14記載の方法。
  18. 【請求項18】 血液中にヒト血液細菌をもつ個体の病態生理学的状態を治
    療する方法であって、該個体に治療有効量の、ペニシリンG、ペニシリンV、プ
    ロベネシド、オーグメンチン、ジクロキサシリン、シプロフロキサシン、イソニ
    アジド、第三世代セファロスポリン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、
    クロロキン、ヒドロキシクロロキン、ミノサイクリン、ドキシサイクリンおよび
    プリマキンからなる群から選択される少なくとも1種の抗生物質を投与する工程
    を含むことを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 前記抗生物質を、治療有効量の、ニスタチン、ニゾラール
    、ジフルカン、ステロイド、ビタミンB6、ビタミンC、葉酸、ビタミンE、ニ
    アシン、クロム、亜鉛、フルフヒドリル化合物、ステロイドおよびイブプロフェ
    ンからなる群から選択される少なくとも1種の物質とともに投与する工程を含む
    ことを特徴とする請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 サンプルからヒト血液細菌を単離し; 塩、少なくとも1種類の糖、およびラクトアルブミン水解物を含んでなる培地
    を添加し; 前記ヒト血液細菌を該ヒト血液細菌の増殖を可能とする温度で培養する; 各工程を含むことを特徴とするヒト血液細菌の培養方法。
  21. 【請求項21】 ヒト血液細菌またはその成分から生成されるワクチン。
  22. 【請求項22】 疾患にかかった個体に工学的に調製したHBBを投与する
    工程を含むことを特徴とする疾患にかかった個体の治療方法。
  23. 【請求項23】 前記疾患が前記個体の血漿または血清中に蓄積している毒
    性代謝物の症状をもつことを特徴とする請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記工学的に調製したHHBが、ホルモン、成長調節因子
    、抗腫瘍抗原、抗体およびインターロイキンからなる群から選択される治療遺伝
    子産物を発現することを特徴とする請求項22記載の方法。
  25. 【請求項25】 配列番号1および3からなる群から選択される配列をもつ
    、正常個体血液中のヒト血液細菌をエンコードするDNA。
  26. 【請求項26】 配列番号2および4からなる群から選択される配列をもつ
    、罹患個体血液中のヒト血液細菌をエンコードするDNA。
  27. 【請求項27】 前記個体が、慢性疲労症候群、多発性硬化症、紅斑性狼瘡
    、関節リウマチおよび線維筋肉痛からなる群から選択される疾患をもつことを特
    徴とする請求項26記載のDNA。
  28. 【請求項28】 配列番号5に示される遺伝子間スペーサー領域配列を有す
    るヒト血液細菌をエンコードするDNA。
  29. 【請求項29】 遺伝子間スペーサー領域に特異的なプライマーが、配列番
    号15または配列番号16に示される配列を有することを特徴とする請求項28
    記載のヒト血液細菌。
  30. 【請求項30】 配列番号6に示される薬物耐性タンパク質遺伝子配列を有
    するヒト血液細菌をエンコードするDNA。
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