JP2002502261A - 植物細胞における導入遺伝子の発現の変動性を減少させる方法 - Google Patents

植物細胞における導入遺伝子の発現の変動性を減少させる方法

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JP2002502261A JP50269299A JP50269299A JP2002502261A JP 2002502261 A JP2002502261 A JP 2002502261A JP 50269299 A JP50269299 A JP 50269299A JP 50269299 A JP50269299 A JP 50269299A JP 2002502261 A JP2002502261 A JP 2002502261A
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Abstract

(57)【要約】 植物と植物細胞における外来DNAの遺伝子サイレンシングを減少させ、発現を増加させ、変動性を減少させる方法であって、再生可能な植物細胞を供給するステップと、次いで発現カセットを含むDNA構造体を用いて前記植物細胞を形質転換するステップとからなる方法。かかる構造体は、5’から3’方向に、第一の基質付着領域、転写開始領域、前記転写開始領域の下流に位置しそれと機能的に結合している構造遺伝子と第二の基質付着領域から成り、前記第一と第二の基質付着領域は異なることを特徴とする遺伝子である。

Description

【発明の詳細な説明】 植物細胞における導入遺伝子の発現の変動性を減少させる方法 技術分野 本発明は、遺伝子組み替え植物において、遺伝子発現の変動性を減少させる方 法、その発現を増加させる方法、または、遺伝子サイレンシング(gene silencin g)を減少させる方法に関する。 背景技術 農業におけるバイオテクノロジー、特に植物バイオテクノロジーは、バイオテ クノロジー技術の応用の主な分野の1つとして認められている。植物細胞を形質 転換して、形質転換された細胞から完全な植物を再生するシステムが存在し、構 造遺伝子と遺伝子調節領域の同定が続けられているが、遺伝子工学によって得ら れる害虫に対する抵抗性や乾燥に対する抵抗性のような特性を有する植物に対す るニーズは今なお強い。 植物における外来遺伝子の発現に伴う問題は、独立した形質転換体において、 同一遺伝子の発現におけるクローンの変動性(variability)であり、すなわち、 “位置効果”変動性と呼ばれる問題である。この問題を回避する満足の行く完全 な方法は未だ開発されていないため、この問題の解決が望まれている。 L.Mlynarova,“Approaching the Lower Limits of Transgene Variability” ,The Plant Cell 8,1589-1599(1996)では、タバコに関してのみ記載されて いるが、単子葉植物については、報告も示唆もされていない。更に、Mlynarova は、F1世代の自家受粉により生産されるF2世代にのみ関心を示している。 また、表題が“Method for Increasing Expression and Reducing Expression Variability of Foreign Genes in Plant Cells”である、国際公報第WO94/079 02 号のPCT出願(1994年4月14日公開)には、“2つの基質付着領域(mat rix attachment region)が利用される場合、それらが同じ場合も、異なる場合も よい。”と記載されている(5ページの13−15行)。 発明の概要 本発明は、植物と植物細胞において、外来DNAの遺伝子サイレンシングを減少 させる方法、その発現を増加させる方法、変動性を減少させる方法の少なくとも 1つの方法であり、それは、再生可能な植物細胞を供給するステップと、発現カ セットを含んでなるDNA構造体を有する前記植物細胞を形質転換するステップと からなる。上記DNA構造体は、5’から3’方向に、第一の基質付着領域(matri x attachment region)と、転写開始領域と、この転写開始領域の下流に位置し それと機能的に結合している構造遺伝子と第二の基質付着領域とからなり、かか る第一とかかる第二の基質付着領域とが異なることを特徴とする構造体である。 上記好ましい実施態様において、その中の外来遺伝子の発現のサイレンシング を減少させる方法、その発現を増加させる方法、その発現の変動性を減少させる 方法の少なくとも1つの方法は、(a)再生可能な植物細胞、好ましくは単子葉 植物細胞を供給するステップと、(b)5’から3’方向に、転写開始領域と、 この転写開始領域の下流に位置しそれと機能的に結合している構造遺伝子と、構 造遺伝子の5’方向に位置する第一の基質付着領域と構造遺伝子の3’方向に位 置する第二の基質付着領域とからなり、発現カセットを含んでなるDNA構造体を 有する上記植物細胞を形質転換し、形質転換植物細胞を生産するステップと、次 に(c)前記形質転換植物細胞から植物を増殖させ、最初の世代の遺伝子組み替 え植物を供給するステップと、(d)前記初代の遺伝子組み替え植物を有性増殖 させ、前記形質転換植物細胞の中にある外来遺伝子の発現のサイレンシングを減 少させた次世代の遺伝子組み替え植物を供給するステップとからなる。好ましい 実施態様として、この植物が単子葉植物であること、次世代以後の遺伝子組み替 えが、上記発現カセットを含む片親とそれを含まない片親とのハイブリッドであ ることにある。 本発明の第二の特徴としては、DNA構造体に発現カセットを含むことになる。 かかる構造体が5’から3’方向に、転写開始領域と、この転写開始領域の下流 に位置しそれと機能的に結合している構造遺伝子と、この構造遺伝子の5’方向 に位置する第一のMAR(matrix attachment region)とその3’方向に位置す る第二のMARとから成り、第一のMARと第二のMARが互いに異なることを 特徴とする構造体である。 本発明の第三の特徴としては、上記DNA構造体が植物形質転換ベクターにより 導入されることにある。 本発明の第四の特徴としては、植物細胞が上記DNA構造体を含むことにある。 本発明の第五の特徴としては、遺伝子組み換え植物が上記異種DNA構造体を含 む形質転換植物細胞からなることにある。 本発明の前記とその他の特徴と目的が、下記とおり本明細書にて説明される。 発明の詳細な説明 本発明は、多種多様の植物の細胞を用いて実施できる。本明細書において用い る“植物”という単語は、単子葉植物と双子葉植物の両者および被子植物と裸子 植物の両者を含む維管束植物を意味する。本発明では、単子葉植物が好ましい。 本明細書において用いる“機能的に結合されている”という言葉の意味は、一 本鎖DNA分子の上に、一方のDNA配列がその機能が他方のDNA配列の機能により影 響されるようにかかる他方のDNA配列と結合されている意味である。従って、転 写開始領域が構造遺伝子の発現に影響を与えることができる場合に(即ち、構造 遺伝子が転写開始領域の転写調節下にある場合)、この転写開始領域は構造遺伝 子と機能的に結合されていることになる。この場合には、転写開始領域が構造遺 伝子の“上流”にあるといい、逆に言えば、構造遺伝子が転写開始領域の“下流 ” にあると言える。 本発明のDNA構造体または“発現カセット”は、転写の5’から3’方向に、 転写開始領域、この転写開始領域の下流に位置しそれと機能的に結合している構 造遺伝子、(i)転写開始領域の5’方向に、(ii)構造遺伝子の3’方向に 、または(iii)転写開始領域の5’方向と構造遺伝子の3’方向の両方の方 向のいずれかに位置するMAR、および、任意のRNAポリメラーゼの停止シグナ ルとポリアデニラーゼのポリアデニル化シグナルを含む終止配列(例えば、nos 転写終結区)を含んでなることが好ましい。また、プロモーターは、形質転換さ れる細胞内で機能できなくてはならない配列であり、終止領域は、プロモーター 領域と同じく由来する遺伝子でも、異なって由来する遺伝子でもよい。 本発明を実施するために使用される基質付着領域(MARs、足場付着領域( scaffold attachment regions)または“SARs”とも呼ばれる)は、適切で あればその由来は問わない。一般に、(植物、動物、酵母を含む)あらゆる真核 生物のMARが使用されうる。例えば、G.AllenらのThe Plant Cell 5、603-61 3(1993)、M.Eva LuderusらのCell 70,949-959(1992)、G.HallらのProc.Natl .Acad.Sci.USA88,9320-9324(1991)を参照されたい。例えば、P.Breyneの The Plant Cell 4,463-471(1992)において、動物のMARが植物において機能 すること、また、酵母のMARが植物において機能することも明らかにされてい る。植物のMARは、上記と下記に明示されている植物を含む適切な植物の全て から得ることができ、動物のMARは、哺乳動物(例えば、イヌ、ネコ)、鳥( 例えば、ニワトリ、シチメンチョウ)等を含む適切な動物の全てから得ることが でき、MARは、菌類(例えば、Saccharomyces cereviceae)のようなその他の 真核生物からも得ることができる。2つの基質付着領域が使用される場合、これ らは同じのものでも異なっているものでもよい。MARの長さは、SARとして の機能性が保持されている限り重要ではなく、400から1000塩基対長が一般的で ある。 また、周知の技術によりMARは同定と分離されうる。例えば、表題が“Method for Increasing Expression and Reducing Expression Variability of Foreig n Genes in Plant Cells”である、国際公報第WO94/07902号(1994年4月1 4日公開)PCT出願を参照されたい。 上記同様、本発明の第一の基質付着領域と第二の基質付着領域は異なっている ことが好ましい。実施態様の1つにおいて、第二の基質付着領域は第一の基質付 着領域と同じヌクレオチド配列を持っており、上記第一基質付着領域と反対の方 向でDNAの中に配置されている。別の実施態様において、第二の基質付着領域は 、上記基質付着領域と異なるヌクレオチド配列を持っている。異なる基質付着領 域は、当業者により容易に認識される多少の非相同性を含んでいるが、その程度 の差でも利用は可能である。相同性の差は、公知の技術に従って、配列または断 片のハイブリッド形成の欠失により決定可能である。例えば、SambrookらのMole cular Cloning、Cold Spring Harbor Laboratory Press版(1989)を参照された い。例えば、このような配列のハイブリッド形成は、標準ハイブリッド形成分析 において、低い緊縮条件、中等度の緊縮条件、または緊縮条件下(例えば、それ ぞれ、37℃の5Xデンハード溶液の35〜40%ホルムアルデヒド、0.5%SDSと1X SSPEの洗浄緊縮性によって表される条件,42℃の5Xデンハード溶液の40〜45 %ホルムアルデヒド、0.5%SDSとIXSSPEの洗浄緊縮性によって表される条件、お よび、42℃の5Xデンハード溶液の50%ホルムアルデヒド、0.5%SDSと1XSSPE の洗浄緊縮性によって表される条件)でも、本明細書に開示されているトランス 作用因子に対するDNAコード抵抗性に対しても実施可能である。J.SambrookらのM olecular Cloning、A Laboratory Manual第二版(1989)Cold Spring Harbor La boratoryを参照されたい。一般に、互いに異なるMARは相同性が約98%、95% 、90%、80%、または70%または60%さえも超えることはなく、あるいはそれ以 下である。即ち、配列の類似性はある範囲で変動可能で、配列類似性は約60%、 70%、 80%を超えず、また約90%、95%、または98%を超えず、あるいはそれより低い 配列類似性を有する。 上記転写開始領域は、RNAポリメラーゼ結合部位(プロモーター)を含んでお り、形質転換される宿主植物由来のものでも、その領域が宿主植物において機能 するならば、別の供給源由来のものでもよい。その他の供給源には、ノパリン、 オクタピン、マノピンの生合成のための転写開始領域またはその他のオピンの転 写開始領域のようなアグロバクテリウムT−DNA遺伝子(Agrobacterium T-DNA g enes)、ユビキチンプロモーター、根にある特異的なプロモーターのような植物 の転写開始領域(例えば、Conklingらの米国特許第5,459,252号とAdvanced Tech nologiesの国際公報第WO91/13992号を参照されたい)、ウイルスの転写開始領域 (宿主に特異的なウイルスを含む)、または、一部または全体を合成した転写開 始領域が含まれる。転写開始領域と転写終止領域が、植物(例えば、米国特許第 4,962,028号を参照されたい)とウイルス(カリフラワーモザイクウイルスプロ モーター(cauliflower mosaic virus promoter)のようなCaMV35S等)から分離 された種々のプロモーターを含んでいることは公知である(例えば、GreveのJ.M ol.Appl.Genet.1,499-511(1983)とSalomonらのEMBO J.3,141-146(1984)と GarfinkelらのCell 27,143-153(1983)とBarkerらのPlant Mol.Biol.2,235-3 50(1983))。 上記転写開始領域は、RNAポリメラーゼ結合部位に加えて、転写を調節する領 域を含み、この場合、調節とは、例えば、化学的または物理的抑制あるいは誘導 (例えば、代謝産物、光またはその他の物理化学的因子に基づく調節、例えば、 線虫反応性プロモーターを開示している国際公報第WO93/06710号を参照されたい )、または、細胞分化(例えば、植物の葉、根、種子等に関連する、根にある特 異的なプロモーターを開示している米国特許第5,459,252号を参照されたい)に 基づく調節が含まれる。従って、転写開始領域またはそのような領域の調節部 分は、そのように調節される適切な遺伝子から得られる。例えば、1,5-リブロー ス2リン酸カルボキシラーゼ遺伝子(1,5-ribulose biphosphate carboxylase g enes)は、光により誘導され、転写開始に使用できる。ストレス、温度、傷、病 原体の作用等により誘導されるその他の遺伝子が公知である。 本明細書に用いる“構造遺伝子”という言葉は、蛋白質、ポリペプチド、また はその一部をコードするDNA断片からなる遺伝子の部分を意味し、恐らくリボソ ーム結合部位または転写開始コドンもしくはその両方を含むが、転写開始領域を 含まない。この言葉は、細胞内に天然に見いだされるが、人為的人工的に導入さ れた構造遺伝子のコピーをも意味することがある。この構造遺伝子は、単独で、 あるいは、機能的に結合された転写開始領域と組み合わせた状態で植物細胞内に 導入され、かかる植物細胞内に、通常では見いだされない蛋白質をコードする。 この場合では、この構造遺伝子は非相同構造遺伝子と呼ばれる。植物種において 発現できるため、本発明の転写開始領域と機能的に結合される遺伝子は、染色体 遺伝子、cDNA、合成遺伝子またはそれらの組み合わせから得ることができる。全 ての構造遺伝子を利用できる。構造遺伝子は、グリホスフェート抵抗性のような 所望の特性を植物に導入するための酵素をコードでき、植物に害虫抵抗性を付与 するために、Bacillus thuringiensis蛋白質(またはその断片)をコードでき、 植物にウイルス抵抗性を付与するために植物ウイルス蛋白質またはその断片をコ ードできる。本明細書で用いる“構造遺伝子”という言葉は、植物細胞内の特定 のmRNAに結合し、その翻訳を低下調節するアンチセンスをコードするDNAを包含 するものをも意味している。例えば、Shewmakerらの米国特許第5,107,065号を参 照されたい。 本発明の方法において有用な発現カセットは、少なくとも1つの複製系を有す るDNA構造体内に供給されうる。好ましくは、Co1E1、pSC101、pACYC184等の大腸 菌において機能する複製系を有するのが一般的である。この方法においては、各 操作後の段階において、得られたDNA構造体をクローニングし、配列決定し、操 作に適切性を決定することができる。更に、大腸菌の複製系のみならず、pRK290 のとうなP−1非交換プラスミドの複製系のような、広範にわたる宿主の複製系 を利用できる。複製系に加えて、少なくとも1つのマーカーがしばしば存在する が、それは1種類以上の宿主において有用であるマーカーがあれば、個々の宿主 に有用である異なるマーカーもある。即ち、原核生物宿主に合わせて選択して利 用されるマーカーもあれば、真核生物宿主、特に植物宿主に合わせて選択して利 用されるマーカーもある。マーカーは、抗生物質、毒素、重金属等の殺生物剤に 対して防御作用を有したり、例えば、栄養要求性宿主に原栄養生物性を付与する ことにより相補性を提供したり、新しい化合物を生産することにより確認できる 表現型を供給したりすることができる。利用できる遺伝子の例として、ネオマイ シンホスホトランスフェラーゼ(NPTII)、ヒグロマイシンホスホトランスフェ ラーゼ(HPT)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、ニ トリラーゼ、ゲンタマイシン耐性遺伝子が挙げられる。植物宿主場合には、適切 なマーカーの具体例として、インジゴ生産を提供するβ-グルクロニダーゼ、可 視光線生産を提供するルシフェラーゼ、カナマイシン耐性またはG418耐性を 提供するNPTII、ヒグロマイシン耐性を提供するHPT、グリホセート耐性を提供す る突然変異aroA遺伝子があるが、これらには限定されない。 種々の構造体、発現カセット、マーカー等を含む種々の断片は、適切な複製系 の制限酵素による切断と特定の構造体または断片の利用可能な部位への挿入によ り連続的に導入される。その結合とクローニング後、DNA構造体は更なる操作の ために分離される。これらの技術の全てが、SambrookらのMolecular Cloning、A Laboratory Manual(第二版、1989)(Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spr ing Harbor,NY)により示されているように、諸文献に広く例示されている。 本明細書に用いる遺伝子組み替え植物とは、少なくとも幾つかの細胞が異種DN A 構造体を用いて安定した形質転換されている植物を意味する。本明細書に用いる 異種DNA構造体とは、人為的に細胞または細胞の祖先に導入されたDNAを意味する 。このようなDNAは、形質転換される細胞に通常には発見できない遺伝子またはD NAを含む場合もあれば、形質転換される細胞に含まれる遺伝子またはDNAを含む 場合もある。後者の場合、細胞は、追加した目的のDNA配列または遺伝子、ある いは、その複数のコピーを含むように形質転換される。 本発明のDNA構造体により植物組織を形質転換するために利用できるベクター には、アグロバクテリウムベクター(Agrobacterium vectors)と非アグロバク テリウムベクター(特に弾道ベクター(ballistic vectors))と、DNAを介して 形質転換するのに適したベクターが含まれる。本発明では、アグロバクテリウム ベクターが好ましい。 本発明のDNA構造体を有する植物細胞の弾道形質転換に適切な微粒子は、本発 明の形質転換細胞の生成に有用である。微粒子は植物細胞の中に押し込まれ、形 質転換植物細胞が生成される。形質転換細胞が植物細胞である場合、この形質転 換細胞から植物に再生させることは、この分野における周知の技術に従えばでき る。適切な弾道細胞形質転換の方法と装置であればどれでも、本発明の実施に利 用されうる。この装置と手順の具体例が、Stompらの米国特許第5,122,466号とSa nfordとWolfの米国特許第4,945,050号に開示されている(ここではその全体を引 用することにより本明細書の一部をなすものとする)。弾道形質転換法を使用す る場合、発現カセットは、形質転換される細胞の中に複製可能なプラスミドの中 に組み入れることができる。このような系における利用に適した微粒子の例には 、1〜5μmの金の球を含む。DNA構造体は、沈殿のような適切な技術の全てによ り微粒子に沈積させられる。このような弾道形質転換技術は、外来遺伝子を種々 の植物種に導入するのに有用であり、特に単子葉植物の形質転換に有用である。 本発明の実施に利用できるベクターには、アグロバクテリウムベクターが挙げ られる。多くのアグロバクテイルムベクターが公知である。例えば、Andersonの 米国特許第4,536,475号、Schliperootらの米国特許第4,693,977号、Sederoffら の米国特許第4,886,937号、Offringaらの米国特許第5,501,967号、T.HallらのEP O出願第0122791号、R.FraleyらのProc.Natl.Acad.Sci.USA84:4803(1983)、L .Herrera-EstrellaらのEMBO J.2:987(1983)、G.HelmerらのBio/Technology2: 520(1984)、N.MuraiらのScience 222:476(1983)を参照されたい。一般に、 このようなベクターは少なくとも1つの腫瘍誘導(または“Ti”)プラスミドを 有するアグロバクテリウムであり、典型的には、Agrobacterium tumefaciensか らなる。アグロバクテリウムがAgrobacterium rhizogenesである場合、このプラ スミドは根誘導(または“Ri”)プラスミドとしても知られている。Ti(または Ri)プラスミドは、植物がアグロバクテリアに感染した時に、宿主植物の細胞に 転移される“T-DNA”と呼ばれるDNAを含む。アグロバクテリウムベクターにおい て、T-DNAは、“発現カセット”を、あるいは、形質転換植物細胞において発現 されるような1以上の目的の遺伝子を関連する調節配列と共に含むように遺伝子 工学技術により修飾される。アグロバクテリウムは、“バイナリ”ベクター系の ように、複数のプラスミドを含むことができる。このようなアグロバクテリウム ベクターは、種々の植物に外来遺伝子を導入するのに有用であり、特に双子葉植 物の形質転換に有用である。 アグロバクテリウムベクターと微粒弾丸衝撃法との併用もこの分野においては 公知である(例えば、D.Bidneyのヨーロッパ特許第486233号と第4862334号を参 照されたい)。この分野において公知の手順に従って、植物細胞原形質体のDNA を介する形質転換と、その後の形質転換原形質体からの植物の再生により、本発 明のDNA構造体を用いて遺伝子組み替え植物が生成されうる。 器官形成または胚形成のいずれでも、その後のクローン増殖が可能な植物組織 は全て、本発明のベクターにより形質転換できる。本明細書に用いる“器官形成 ” という言葉は、苗条と根が分裂組織中心から連続して発生する過程を意味し、本 明細書に用いる“胚形成”という言葉は、体細胞または配偶子から苗条と根が( 連続的でなく)協調して同時に発生する過程を意味する。選択される特定の組織 は、形質転換される特定の種に利用でき、それに最も適したクローン増殖系に応 じて変わる。組織標的の例として、葉の円盤状組織、花粉、胚、子葉、胚軸、癒 傷組織、既存の分裂組織(例えば、頂端分裂組織、腋芽と根の分裂組織)および 誘導された分裂組織(例えば、子葉分裂組織と胚軸分裂組織)が含まれる。 本発明の植物は種々の形態を取り得る。その植物は、形質転換細胞と非形質転 換細胞のキメラであること、クローン形質転換体であること(例えば、形質転換 された全ての細胞が転写カセットを含む)、形質転換組織と非形質転換組織の接 ぎ木であること(例えば、柑橘種において、接ぎ穂に接ぎ木された形質転換され た根株)が可能である。遺伝子組み替え植物は、クローン増殖または従来の品種 改良技術などの種々の方法により繁殖させることが可能である。例えば、第一世 代(即ちT1)の遺伝子組み替え植物は、自家受精し、同型第二世代(すなわち T2)の遺伝子組み替え植物(ここでいう“次世代”は第二世代またはその以後 の世代を意味する)を生じ、T2植物が従来の品種改良技術により更に繁殖させ ることができる。同じ発現カセットを持たない植物と遺伝子組み替え植物を交配 させてハイブリッド植物を生産する場合に、上記植物のどちらかが雄性または雌 性であってもよい。優性的に選択可能なマーカー(例えば、nptII)は、遺伝子 組み替え植物に繁殖を補助するために、転写カセットと結合することができる。 本明細書に記載されているような植物に成長する種子を提供するため、従来の技 術に従って、本発明の成熟植物から種子を収集することができる。 本発明の実施に利用できる植物として以下が挙げられるが、これらに限定され ない。これは、タバコ(Nicotina tabacum)、ジャガイモ(Solanum tuberosum )、ダイズ(glycine max)、ピーナッツ(Arachis hypogaea)、ワタ(Gossypi um hirsutum)、サツマイモ(Ipomoea batatus)、タピオカノキ(Manihot esculen ta)、コーヒー(Cofea spp)、ココナッツ(Cocos nucifera)、パイナップル (Ananas comosus)、ミカンノキ(Citrus spp.)、ココア(Theobroma cacao) 、茶(Camellia sinensis)、バナナ(Musa種.)、アボガド(Persea americana )、イチジク(Ficus casica)、バンジロウ(Psidium guajava)、マンゴー(M angifera indica)、オリーブ(Olea europaea)、パパイヤ(Carica papaya) 、カシュー(Anacardium occidentale)、マカデミア(Macadamia integrifolia )、アーモンド(Prunus amygdalus)、テンサイ(Beta vulgaris)、トウモロ コシ(Zea mays、メイズとしても知られる)、コムギ、オートムギ、ライムギ、 カラスムギ、コメ、野菜、観賞植物と針葉樹である。また、野菜には、トマト( Lycopersicon esculentum)、レタス(例えば、Lactuea sativa)、緑莢インゲ ン(Phaseolus vulgaris)、ライマメ(Phaseolus limensis)、エンドウ(Pisum s pp.)およびキュウリ(C.sativus)、カンタローブ(C.cantalupensis)、マスクメ ロン(C.melo)等のCucumis属の仲間が含まれる。緩衝植物には、アザレア(Rhod odendron種)、アジサイ(Macrophylla hydrangea)、ハイビスカス(Hibiscus r osasanensis)、バラ(Rosa種)、チューリップ(Tulipa種)、ラッパズイセン (Narcisus種)、ペチュニア(Petunia hybrida)、カーネーション(dianthus caryophyllus)、ポインセチア(Euphorbia pulcherima)、キクが含まれる。本 発明の実施に使用できる裸子植物には、テーダマツ(Pinus taeda)、カリブマ ツ(Pinus elliotii)、ポンデローサマツ(Pinus ponderosa)、北米マツ(Pin us contrta)、モントレーマツ(Pinus radiata)、ベイマツ(Pseudotsuga men ziesii)、西アメリカツガ(Tsuga canadensis);アラスカヒノキ(Picea glauc a)、セコイア(Sequoia sempervirens)、ヨーロッパモミ(Abies amabillis) およびバルサムノキ(Abies balsamea)等のモミ、および、ウェスタンレッドヒ マラヤスギ(Thuja plicata)とアラスカイエローヒマラヤスギ(Chamaecyparis nootkatensis)等のヒマラヤスギ等が含まれる。 前記の例は本発明の実例であり、本発明を限定するものではない。以下の請求 項とその同等物は本発明の内容に含まれる。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. (a)再生可能な単子葉植物細胞を供給するステップと、 (b)5’から3’方向に、転写開始領域と、この転写開始領域の下流に位置し それと機能的に結合している構造遺伝子と、この構造遺伝子の5’方向に位置す る第一の基質付着領域とこの構造遺伝子の3’方向に位置する第二の基質付着領 域とからなる、発現カセットを含むDNA構造体を用いて、前記植物細胞を形質転 換し、形質転換植物細胞を生産するステップと、 (c)前記形質転換植物細胞から植物を増殖させ、最初の世代の遺伝子組み替え 植物を供給するステップと、 (d)前記最初の世代の遺伝子組み替え植物を有性増殖させ、前記形質転換植物 細胞の中にある外来遺伝子の発現のサイレンシングを減少させた次世代の遺伝子 組み替え植物を供給するステップと からなる、外来遺伝子の発現のサイレンシングを減少させることを特徴とする方 法。 2. 前記次世代の遺伝子組み替え植物が、前記構造遺伝子と同型接合体であ るハイブリッド植物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 3. 前記最初の世代の遺伝子組み替え植物が、前記ハイブリッド植物の雄親 であることを特徴とする請求項2に記載の方法。 4. 前記最初の世代の遺伝子組み替え植物が、前記ハイブリッド植物の雌親 であることを特徴とする請求項2に記載の方法。 5. 前記第二の基質付着領域が、前記第一の基質付着領域と同じヌクレオチ ド配列を持っており、前記第一の基質付着領域と反対の方向でDNAの中に配置さ れていることをを特徴とする請求項1に記載の方法。 6. 前記第二の基質付着領域が、前記第一の基質付着領域と異なるヌクレオ チド配列を持っていることを特徴とする請求項1に記載の方法。 7. 前記形質転換ステップが、アグロバクテリウムを介する形質転換ステッ プであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 8. 請求項1の方法により生産される植物。 9. 請求項1の方法により生産されるハイブリッド植物。 10. 請求項1の方法により生産される植物に成長する種子。
JP50269299A 1997-06-03 1998-06-02 植物細胞における導入遺伝子の発現の変動性を減少させる方法 Pending JP2002502261A (ja)

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