JP2002502028A - 分子結合現象を検出するための方法及び装置 - Google Patents

分子結合現象を検出するための方法及び装置

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JP2002502028A
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Abstract

(57)【要約】 1又は複数の分子構造の固有の誘電特性を利用する分子結合現象及びその他の環境効果を検出するためのシステム及び方法を提供する。分子結合層をシグナル経路伝いにカップリングさせる。検査シグナルをこのシグナル経路伝いに伝搬し、これによりこの検査シグナルはこの分子結合層にカップリングし、そして応答してシグナル応答を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 生物医療科学の事実上全分野が化学及び生化学反応の検定並びに特定の被検物
の存在及び量の決定のためのシステムを必要とする。この必要性は生化学経路を
地図化し、そしてその役割を疾患過程に関連付ける基礎科学研究室から、患者の
臨床学的に関連する被検物のレベルを日常的に追跡する臨床診療所に至るまで及
んでいる。その他の分野には医薬の研究、軍事的用途、獣医学、食品学、及び環
境用途が挙げられる。どのケースでも、特定の被検物又は被検物の群の存在及び
量の決定が要される。
【0002】 化学、生化学、バイオテクノロジー、分子生物学、その他の分野における分析
のため、往々にして1又は複数種の分子構造の存在が検出され、そして構造間の
結合が測定されている。注目の分子構造には、典型的には、限定することなく、
細胞、抗体、抗原、代謝物、タンパク質、薬剤、小分子、タンパク質、酵素、核
酸、並びにその他のリガンド及び被検物が挙げられる。医薬においては、例えば
、細胞構成物、例えばレセプターもしくはサイトカイン、又は抗体もしくは抗原
であって、様々な疾患過程のためのマーカーを担い、生理学的流体の中にもとか
ら存在しているか、又はその素の中に導入されたものの存在を決定するのは極め
て有用である。更に、DNA及びRNA分析は診断、遺伝子検査、並びに研究、
農業及び医薬的開発において極めて有用である。分子性細胞生物学の急速進歩並
びに正常及び疾患系の理解を理由に、蛍光物質又は放射性同位元素等のラベルを
必要とせず、定量且つ定性的であり、注目の分子に特異的であり、感度が高く、
しかも比較的簡単に実施できる検査方法のニーズが高まりつつある。
【0003】 かかる分野の需要に合う数多くの方法がここ数年開発されている。例えば、酵
素連結免疫収着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、様
々な蛍光アッセイ、マススペクトル、比色アッセイ、ゲル電気泳動、並びにより
特殊なアッセイのホスト。これらのアッセイ技術のほとんどが特殊な準備、詳し
くはラベルの付加又は検査すべき試料の多労な精製及び増幅を必要とする。リガ
ンドと抗リガンドとの間での結合現象を検出するため、結合の有無又は程度に関
連する検出可能シグナルが必要とされる。通常、シグナルは注目のリガンド又は
抗リガンドのいずれかに接合したラベルにより供与される。検出可能なシグナル
を供与し、そしてそのために適切なラベルが存在する物理又は化学的効果には、
放射能、蛍光、化学発光、リン光及び酵素活性等、様々なものが挙げられる。ラ
ベルは分光学、放射能学、又は光学追跡方法により検出できる。残念ながら、た
いていの場合、特定のアッセイに必要な分子の一つ又は全てをラベルすることは
困難又は不可能な場合さえもある。また、ラベルの存在は2分子間の分子認識を
、立体効果等の様々な理由により不能にしてしまうこともある。更に、このよう
なラベルアプローチのいずれも結合現象の正確な状態を決定せず、従って例えば
レセプターに対する活性部位結合を非不活性部位結合、例えばアロステリック結
合を区別できず、それ故現況の検出方法を介して機能的情報を得ることはできな
い。従って、ラベルの必要性を排除し、しかも機能的情報を供与するような結合
現象を検出する方法は上記のアプローチを著しく進歩せしめるであろう。
【0004】 生化学系を研究するためのその他のアプローチは組織試料及び細胞系の如き所
定のクラスの生物系を特性決定する様々なタイプの誘電測定値を利用する。19
50年代においては、その時期において公知の物質の誘電特性の測定のための標
準技術を利用し、生物学的組織の誘電特性を測定する実験が行われていた。それ
以来、このような測定を実施するための様々なアプローチは周波数変域測定、及
び時間変域技術、例えば時間変域誘電スペクトルを含むようになった。このよう
なアプローチにおいて、実験は通常、様々なタイプの同軸伝送ライン、又は物質
の誘電特性決定に典型的に利用されているその他の伝送ライン及び構造を利用し
て実施された。これには広域にわたる生物系の誘電特性の用途及び関係を調べる
研究が含まれる。その関心は哺乳動物種の様々な器官から、細胞膜及びオルガネ
ラ効果を含む細胞及びサブ細胞系に及んでいる。最近、分子系の誘電特性の変化
の検出の改善のため、上記の技術の小型化が試まれている(例えば、米国特許第
5,653,939;5,627,322及び5,846,708号参照のこと
)。典型的には、これらは生物学的試料(組織、細胞系又は分子系)を電気回路
トポロジーのシャント又は一連の素子として利用する。この形態は、検出戦略に
おいて有用な周波数に対するいくつかの実体的な制約、及び検出する分子系の感
度に対する著しい制約等、いくつかの欠点を有する。
【0005】 一般に、ほとんどのアッセイシステムの特異性及び感度の領域において制約が
存在する。細胞塊及び非特異的結合は往々にしてアッセイをノイジーにしてしま
い、そして有用な情報の枠粋を困難又は不可能にしてしまう。前述の通り、一部
のシステムは注目の被検物全てにラベルを付加する、又は正確な光学測定を実施
するには複雑すぎる。更に、前述の通り、このような検出技術のほとんどが結合
現象の役割についての情報を供しない。従って、ラベル抜きで、リアルタイムで
、被検物の存在又は程度、所定の系内で実際に起きている結合現象の機能及びタ
イプを直接モニターできる実用的且つ経済的な可能実施可能なアッセイは著しい
進歩であろう。
【0006】 より詳しくは、生物医療産業は、様々な水性系又はその他の流体系生理学的シ
ステム、例えば核酸結合、タンパク質間相互作用、小分子結合、並びにその他の
注目の化合物に極めて幅広く適用できる改良された概して基礎的な技術を必要と
する。理想的には、このアッセイは高度に特異的なプローブ、例えば特異的抗体
及び正確に相補性の核酸プローブを必要とせず;天然環境、例えば全血、細胞質
ゾル混合物、及びその他の天然系において有効であり;分子の天然特性を測定す
ることにより機能し、そして結合現象を実際にモニターするための追加のラベル
又はトレーサーを必要とせず;一部の用途にとって、結合現象の性質、例えば所
定の化合物が特定の薬剤レセプターに対して作動因子又は拮抗因子として働くか
どうかについての所望の情報を供し、そして結合現象が起きたかどうかの指標と
なる単なるマーカーとして機能するものではない;べきであろう。多くの用途に
とって、それは高度に小型化可能であり、且つ高度に平行式であるべきであり、
これにより複雑な生化学経路を地図化できるか、又は極めて少量及び莫大な量の
コンビナトリアル化合物が薬剤スクリーニングプロトコールに利用できるように
なる。多くの用途において、更には複雑な一連の反応をリアルタイムでモニター
できるようにすべきであり、これにより正確な動力学及び親和力情報がほぼ直ち
に得られるようになりうる。おそらく最も重要には、ほとんどの商業用途にとっ
て、それは安価で使い易く、サンプル準備工程が少なく、生産可能なエレクトロ
ニックス及びディスポーザブル部品、例えばアッセイのために使用でき、その後
廃棄でき、しかも多種多様なアッセイ用途に高度に適用可能なバイオアッセイ用
表層チップであるべきである。
【0007】 その他の産業が検出、同定又は追加の分析のために似た要件を有することに注
目すべきである。ほとんどの用途は生物学的分子の利用を包含するが、特異的な
結合性パートナーが入手できるなら、又はその分子自体が下記の表層に付加でき
るなら、事実上全ての分子が検出できる。 本発明は上記の及びそれ以外の多くのニーズを満たす。
【0008】 発明の概要 本発明は1又は複数の結合分子構造体及び局部環境の固有誘電特性を利用する
分子結合現象及びその他の環境作用を検出する、そして更には局部環境、特に生
物系内の分子状物質の存在及び濃度並びに物理特性を同定するためのシステム及
び方法を提供する。
【0009】 本発明の第一の態様において、分子結合現象を検出する方法はシグナル経路、
及びそのシグナル経路伝いに形成される分子結合層を同意する工程を含む。検査
シグナルをシグナル経路伝いに伝搬し、そしてこの分子結合層に結合させる。こ
のカップリングに応答して、このシグナルは応答を供し、それは分子結合現象及
び分子結合層それ自体の双方の指標となる。
【0010】 本発明の第二の態様において、未知のリガンドの分類を決定するための方法を
紹介する。この方法は、N通りの対応のリガンドサブ構造に対する結合のための
N通りの対応の抗リガンドを有する第一分子結合層にカップリングされたシグナ
ル経路を用意する工程を含んで成る。次に、いくつかの未知のリガンドを含む溶
液を前記分子結合層に適用する。応答して、第二分子結合層がこのシグナル経路
伝いに形成される。その第二分子結合層はN通りのリガンドを有する。N通りの
対応の検査シグナルをN通りの対応のリガンドに伝搬する。既知のリガンド分類
を規定するN通りのシグナル応答が供される。最後に、各々の検査シグナルはN
通りのリガンド/抗リガンド複合体にカップリングし、そして応答して前記N通
りのサブ構造の各々の存在の指標となるN通りの対応の測定応答値が示され、そ
の結果所定の数の前記N通りの既知のシグナル応答が所定の範囲内でこのN通り
の測定応答値に相関するなら、そのリガンドは既知の分類に属することとなる。
【0011】 本発明の第三の態様において、未知の分子結合現象を同定するための方法を紹
介する。この方法はシグナル経路を用意し、このシグナル経路の上に第一リガン
ドを含む第一溶液を適用し、そして応答してこのシグナル経路伝いに第一分子結
合層を形成し、これによりこの第一分子層は第一リガンドを含むこととなり、そ
してこの第一経路及び第一溶液伝いに配されることとなる。第一検査シグナルを
このシグナル経路伝いに伝搬し、ここでその部分は連続伝送ラインを含んで成る
分子結合層を含み、これによりこのシグナルはこの分子結合層にカップリングし
、そして応答して第一シグナル応答を示す。既知の分子結合現象に対応する既知
のシグナル応答を供させ、そしてこの第一シグナル応答をこの既知のシグナル応
答と対比し、もしこの第一シグナル応答が所定の範囲内で既知のシグナル応答と
相関するなら、その未知の分子結合現象は既知の分子結合現象を含んで成ること
となる。
【0012】 本発明の第四の態様において、溶液中のリガンドの未知の濃度を定量するため
の方法を紹介する。この方法は少なくとも一の抗リガンドを有する第一分子結合
層にカップリングされたシグナル経路を用意し、この分子結合層の上に既知の濃
度のリガンドを有する溶液を適用し、そしてこのシグナル経路伝いに検査シグナ
ルを伝搬する工程を含む。次に、第一シグナル応答を測定し、そして外挿アルゴ
リズムを作製する。次に第二検査シグナルを伝搬し、そして第二シグナル応答を
測定する。この第二シグナル応答を次にこのアルゴリズムと相関させる。
【0013】 本発明の第五の態様において、溶液中のリガンドの存在を検出するための生物
電気インターフェースを提供する。この生物電気インターフェースはシグナル経
路、リガンドを供与するための溶液及び分子結合層を含む。この分子結合層はリ
ガンドを含み、そしてシグナル経路及び溶液伝いにカップリングされている。
【0014】 本発明の第六の態様において、検査シグナルを用い、分子結合層に係る1又は
複数の特性、例えばリガンドの存在を検出するためのバイオアッセイ装置を提供
する。この装置は検査シグナルの連絡のための第一ポート及び第二ポート、並び
にその間の導性領域を有するシグナル経路を含む。このバイオアッセイ装置は更
に、リガンドを有することがあり、且つシグナル経路にカップリングされた分子
結合層を含む。このバイオアッセイ装置は更に前記分子結合層にカップリングさ
れた溶液を含んでよく、それはこのリガンドを分子結合層へと輸送しうる。
【0015】 本発明の第七の態様において、分子結合現象を検出するためのシステムを紹介
する。このシステムは検査シグナルをランチングするためのシグナルソース、当
該シグナルソースにカップリングされたバイオアッセイ装置、及びこのバイオア
ッセイ装置にカップリングされた第二検出器を含む。このバイオアッセイ装置は
シグナル経路と、リガンド及び抗リガンドを含むことがあり、且つ溶液及びこの
シグナル経路にカップリングされうる分子結合層とを含む。検査シグナルをこの
分子結合層の領域全体を通じて連続であるこのシグナル経路伝いに伝搬させ、そ
してこの分子結合層にカップリングさせ、そして応答して前記分子結合現象の存
在の指標となるシグナル応答を示させる。
【0016】 一の観点において、本発明は構造の特性、例えば誘電特性、構造特性、結合現
象、等を決定するための典型的には約1MHz 〜1000GHz の電磁線と分子結合
層内の分子構造体との相互作用の利用にある。また、本発明は分子結合層がカッ
プリングされ、その中の被検物が検出されるシグナル経路を有する生物電気イン
ターフェース上の検査シグナルを利用する。
【0017】 本発明の特性及び利点は以下の図面及び詳細な説明を参照することで一層理解
できるであろう。
【0018】 発明の詳細な説明目次 I.用語の定義 II.序文 A.バイオ−アッセイシステム B.本システムの化学的性質 III .バイオ−アッセイ装置 A.装置の構造 B.結合表面の化学的性質 C.生物−電気インターフェース D.特定の態様 IV.測定方法論 A.一般的概観 B.分子結合現象の検出 C.誘電特性における変化の検出 D.分子結合現象の同定 E.結合分子構造のクラスの同定 F.濃度定量 G.バイオ−アッセイ装置の自己較正 V.測定系 A.周波数測定系 B.時間変域測定系 C.誘電緩和測定系 VI.実施例 VII .応用
【0019】 I.用語の定義 本明細書で使用するとき、生物学的な“結合パートナー”又は“リガンド/抗
リガンド”又は“リガンド/抗リガンド複合体”の用語は、結合複合体、例えば
抗体−抗原、レクチン−炭水化物、核酸−核酸、ビオチン−アビジンなどを形成
するために、他の分子を特異的に認識(例えば結合)する分子を言及する。生物
学的な結合パートナーは単分子の対に制限される必要がない。従って、例えば、
単一リガンド又は2又は複数の“抗リガンド”の調和的な作用によって結合する
ことができる。
【0020】 本明細書で使用するとき、“リガンド”又は“被検物”又は“マーカー”の用
語は検出されるあらゆる分子を言及する。特異的に又は非特異的にリガンドと結
合する抗リガンドとの、その相互作用を通して、あるいはリガンドの特有の誘電
特性によって、それは検出される。リガンドのいくつかの部分の認識のために、
特異的に又は非特異的に前記リガンドに結合する別の分子(すなわち抗リガンド
)が存在するあらゆる分子として、リガンドは一般に定義される。例えば、抗リ
ガンドは抗体であることがあり、そしてリガンドは抗体に特異的に結合する抗原
の様な分子であることがある。この文書の目的のために、抗原が前記の表面に結
合し、そして抗体が検出される分子に結合する現象において、前記抗体はリガン
ドになり、そして前記抗原は抗リガンドである。本リガンドはまた、細胞、細胞
膜、細胞小器官及びその合成的な類似体から成ることがある。
【0021】 この発明の実施のために適当なリガンドは、限定しないが、抗体(抗体/エピ
トープ複合体を形成する)、抗原、核酸(例えば天然又は合成のDNA,RNA
,gDNA,cDNA,mRNA,tRNAなど)、レクチン、糖類(例えばレ
クチン/糖複合体を形成する)、糖タンパク質、受容体及びそれらの同じ性質の
リガンド(例えば増殖因子及びそれらの会合受容体、サイトカイン及びそれらの
会合受容体、シグナル受容体など)、薬剤候補などの小分子(天然物又はコンビ
ナトリアルライブラリーで構築され、そして/保存された合成類似体のどちらか
に由来)、代謝産物、薬物の濫用及びそれらの代謝副産物、ビタミン並びに他の
天然及び合成の化合物の様な補因子、酸素及び生理学的な体液において見出され
る他の気体、細胞、細胞の構成物、細胞膜及び会合する構造物、植物源及び動物
源において見出される他の天然の生成物、他の部分的な又は完全な合成生成物な
どを含む。
【0022】 本明細書で使用するとき、“抗リガンド”の用語は別の分子(すなわちリガン
ド)と特異的に又は非特異的に結合する分子を言及する。抗リガンドはまた、そ
れが特異的に結合するリガンドとの、その相互作用を通して、又はそれ自身の特
有の誘導特性によって検出される。本明細書で使用するとき、通常、抗リガンド
は単独で又は前記表層上に固定化される結合対の部分として、前記表層上に固定
化される。いくつかの態様において、抗リガンドはシグナル経路の又は導電性の
表層上の分子から成ることがある。あるいは、一度抗リガンドがリガンドに結合
すると、生じた抗リガンド/リガンド複合体は、次の結合の目的のための抗リガ
ンドになるとみなすことができる。
【0023】 本明細書で使用するとき、“特異的に結合”の用語は、タンパク質又はポリペ
プチド、核酸、あるいはレセプター又は本明細書に記載の他の結合パートナーを
言及する場合、タンパク質及び/又は他の生物製剤の異種集団中の注目の同じ性
質のリガンドを決定する結合反応を言及する。従って、指定の条件下(例えば抗
体の場合のイムノアッセイ条件)、特定のリガンド又は抗体は、その特定の“標
的”に結合し(例えばホルモンはそのレセプターに特異的に結合する)、そして
試料中に存在する他のタンパク質に、あるいは生物体又は生物体に由来する試料
においてリガンド又は抗体が接触しうる他のタンパク質に、有意な量で結合しな
い。同様に、核酸はあらかじめ選択した条件下で互いにハイブリダイズしうる。
【0024】 本明細書で使用するとき、“単離した”“精製した”又は“生物学的に純粋な
”の用語は、天然の状態で見出されるとき、通常付随する成分を実質的に又は本
質的に含まない材料を言及する。
【0025】 本明細書で使用するとき、“核酸”の用語は一本鎖又は二本鎖の形態のどちら
かにおける、デオキシヌクレオチド又はリボヌクレオチドのポリマーを言及し、
そして特別の事情が無い限り、天然のヌクレオチドと同様の挙動で機能できる、
天然のヌクレオチドの知られている類似体を含む。
【0026】 本明細書で使用するとき、“ポリペプチド”、“ペプチド”及び“タンパク質
”の用語は、アミノ酸残基のポリマーを言及するために、交換可能で使用される
。前記用語を、1又は複数のアミノ酸残基が天然アミノ酸に対応する人工的な化
学的類似体であるアミノ酸のポリマー、及び天然アミノ酸ポリマーに適用する。
【0027】 本明細書で使用するとき、“抗体”の用語は1又は複数のポリペプチドから成
るタンパク質を言及し、これはイムノグロブリン遺伝子又はイムノグロブリン遺
伝子のフラグメントによって実質的によってコードされる。認識されたイムノグ
ロブリン遺伝子は、カッパー、ラムダ、ガンマ、デルタ、イプシロン及びミュー
の定常領域遺伝子、並びに無数のイムノグロブリン可変領域遺伝子を含む。軽鎖
はカッパー又はラムダのどちらかとして類似される。重鎖はガンマ、ミュー、ア
ルファ、デルタ又はイプシロンとして分類され、次にこれは、イムノグロブリン
のクラス、IgG,IgM,IgA,IgD及びIgEをそれぞれ定義する。
【0028】 典型的なイムノグロブリン(抗体)の構造単位は、四量体を含んで成ることが
知られている。各四量体はポリペプチド鎖の2つの同一の対から成り、各対は1
つの“軽”鎖(約25kD)及び1つの“重”鎖(約50〜70kD)を有している
。各鎖のN末端は、主に抗原の認識を担う、約100〜110又はそれ以上のア
ミノ酸の可変領域を規定している。可変軽鎖(VL)及び可変重鎖(VH)の用
語は、それぞれ軽鎖及び重鎖を言及する。
【0029】 抗体は、インタクトイムノグロブリンとして、又は様々なペプチダーゼでの分
解によって生成した、多くの十分に特性決定されたフラグメントとして存在する
。従って、例えばペプシンは、ヒンジ領域におけるジスルフィド結合より下方に
おいて抗体を分解してF(ab)′2 を生成し、ここでF(ab)′2 は、それ
自身がジスルフィド結合によってVH−CH1に結合した軽鎖であるFab二量
体である。F(ab)′2 を、ヒンジ領域内のジスルフィド結合を開裂するおだ
やかな条件下還元することができ、それによってF(ab)′2 二量体はFab
′単量体に変換する。Fab′単量体は本質的にヒンジ領域の一部を有するFa
bである(他の抗体フラグメントのより詳細な記述のために、Fandamertal Immu
nology, W.E. Paul. ed. Raven Press, N.Y. (1993) を参照のこと)。様々な抗
体フラグメントはインタクト抗体の分解によって定義されるが、その様なFab
′フラグメントが化学的に、又は組換えDNA方法論を利用することによって、
そのどちらかでde novo合成されうることを当業者は正しく認識するだろ
う。従って、本明細書で使用するときの、抗体の用語は、抗体全体の修飾によっ
て生成した、又は組換えDNA方法論を用いてde novo合成した、そのど
ちらかの抗体フラグメントもまた含む。好ましい抗体は、一本鎖抗体、より好ま
しくは一本鎖Fv(scFv)抗体を含み、ここで可変重鎖及び可変軽鎖は供に
結合し(直接的に、又はペプチドリンカーを通して)、つながったポリペプチド
を形成する。
【0030】 一本鎖Fv(“scFv”又は“scFv”)ポリペプチドは共有結合したV
H::VLのヘテロ二量体であり、これは直接的に、又はペプチドをコードする
リンカーによって、そのどちらかによって結合したVH及びVLをコードする配
列を含む、核酸から発現することができる。Huston等の、Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA, 85 : 5879-5883 (1988) 。自然に凝集し、しかし化学的に独立し
た、抗体V領域由来の軽及び重ポリペプチド鎖を、scFv分子に変換するため
の多くの構造は、抗原結合部位の構造に実質的に類似する、三次元構造に折りた
たまれるだろう。例えば米国特許第5,091,513号及び第5,132,4
05号及び第4,956,778号を参照のこと。
【0031】 “抗原結合部位”又は“結合部分”は、抗原結合に関与するイムノグロブリン
分子の部分を言及する。抗原結合部位は、重(“H”)鎖及び軽(“L”)鎖の
、N末端の可変(“V”)領域のアミノ酸残基によって形成する。重鎖及び軽鎖
のV領域内で高度に分岐した3つのストレッチは“超可変領域”として言及され
、これは“骨格領域”又は“FR”として知られる保存性の高い隣接し合うスト
レッチの間に挿入されている。従って“FR”の用語は、イムノグロブリンにお
ける超可変領域の間、及びそれの近接に、天然に見出される。抗体分子において
、軽鎖の3つの超可変領域及び重鎖の3つの超可変領域は、抗原結合“表面”を
形成するために、三次元空間において互いに関係して配列する。この表面は、標
的抗原の認識及び結合を媒介する。重鎖及び軽鎖の各々の3つの超可変領域は、
“相補性決定領域”又は“CDR”として言及され、そして例えばKabat等
のSequences of proteins of immunological interest, 4th ed. U.S. Dept. He
alth and Human Services, Public Health Services, Bethesda. MD (1987)によ
って特徴づけられている。
【0032】 本明細書で使用するとき、“免疫結合”及び免疫結合特性”の用語は、イムノ
グロブリン分子と、前記イムノグロブリンに特異的な抗原との間に起こる、非共
有結合を言及する。本明細書で使用するとき、生物学的試料は、注目の被検物の
ためにアッセイされるべき、健康な及び/又は病気の状態における、生物学的な
組織又は体液の試料である。その様な試料は、限定しないが、唾液、羊水、血液
、血液細胞(例えば白血球)、組織又は精製した針生検試料、尿、腹膜水、及び
胸膜水、あるいはそれらに由来の細胞を含む。生物学的試料はまた、組織学的目
的のために採収される冷凍切片な、組織の切片を含むことがある。前記試料はヒ
トの患者から典型的に採収されるが、前記アッセイを、あらゆる哺乳類、例えば
イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、ブタ由来の試料における注目の被検物を検出するた
めに使用することができる。前記試料は、所望ならば、適当な緩衝溶液中での希
釈又は濃縮によって必要なだけ前処理されることがある。好ましくは生理学的な
pHにおける、リン酸、トリスなどの様々な緩衝液の1つを使用する、多くの標準
的な緩衝水溶液のいずれかを使用することが出来る。
【0033】 本明細書で使用するとき、“シグナル経路”はDC静電場を含む、あらゆる有
用な周波数の電磁シグナルを支持することが可能な生物電気インターフェース伝
いの伝送媒体を言及する。完全でないシグナル経路のリストは、導電及び誘電導
波管構造、横方向電磁的(TEM)伝送ラインの様な複合的導体伝送媒体、四重
極及び八重極の回線の様なTE,TM又はTEMモード伝搬を支持する、3又は
それ以上の導電素子を有する伝送回線、例えばクアドロポール及びオクツポール
ライン、カップリングした導波管、カップリングするか又はしないことがある共
振キャビティー構造、他の非形式構造物、例えば線、プリント回路、並びに他の
分布回路及び集中インピーダンス導電構造物などを含む。本シグナル経路はシグ
ナル面、接地面、又は両構造の組合わせを含んで成る。典型的に本シグナル経路
は、MBLの表層に非直交である方向に沿って形成される。シグナル経路が導電
層又は領域から成る態様において、導電領域はその領域を超えて連続的に広がる
。シグナル経路が非金属、すなわち導波管である態様において、シグナル経路は
最少量のシグナル損失を有する経路として、又は3mhos/m超の導電性を有する
として定義される。 本明細書で使用するとき、“分子結合層”又は“MBL”の用語は、生物−電
気インターフェースに沿ったシグナル経路にカップリングした少なくとも1つの
分子構造(すなわち被検物、抗リガンド、又はリガンド/抗リガンド対など)を
有する層を言及する。本分子結合層は、1又は複数のリガンド、抗リガンド、リ
ガンド/抗リガンド複合体、リンカー、重合体及び他の材料のマトリックス、あ
るいは本明細書に記載の他の分子構造物から成ることがある。更に、本分子結合
層は極度に多様であることがあり、そして1又は複数の結合基を有することがあ
る、マトリックス層及び/又は絶縁層を含む1又は複数の成分を含むことがある
。本MBLは、リガンドがシグナル経路から物理的に分離している場合、直接的
若しくは間接的な物理的連結を介すか、又は電磁的結合を介すかのどちらかによ
って、信号経路にカップリングする。本MBLは、全て当業界における標準的な
慣行に従い、例えばチオールリンカー、ビオチン化した金属などによって誘導化
した表面から成ることがある。 本明細書で使用するとき、“結合現象”は最低2つの分子構造、例えばリガン
ド及び抗リガンドの間の相互作用又は会合を言及する。前記の2つの分子構造が
直接的又は間接的に物理的な接触をする場合、あるいは前記の2つの構造が物理
的に分離するが、それらの間で電磁的にカップリングする場合、前記相互作用は
起こりうる。医学的な文脈における、関心のある結合イベントの例は、限定しな
いが、リガンド/受容体、抗原/抗体、酵素/基質、DNA/DNA、DNA/
RNA、RNA/RNA、核酸の誤対合、相補的核酸及び核酸/タンパク質を含
む。あるいは、“結合現象”の用語はシグナル経路に結合する、本明細書に記載
の単一の分子又は分子的構造、例えばリガンド、又は抗リガンド/リガンド複合
体を言及する。この場合におけるシグナル経路は、第2の分子的構造である。
【0034】 本明細書で使用するとき、“リガンド/抗リガンド複合体”の用語は、抗リガ
ンドに結合したリガンドを言及する。前記結合は特異的又は非特異であることが
あり、そして前記結合は典型的に共有結合、水素結合、免疫学的結合、ファンデ
ルワールスカ、又は他の結合の型である。
【0035】 本明細書で使用するとき、“カップリング”の用語は、直接的又は間接的な物
理的接続を介して、又はシグナルカップリングのあらゆる形態、例えば静電的又
は電磁的カップリングを介してのどちらかによる、2つの構造の間のエネルギー
の転移を言及する。
【0036】 本明細書で使用するとき、“検査信号”の用語は、電磁スペクトル内で定義さ
れたあらゆる有用な周波数におけるシグナル伝搬を言及する。例えば、本検査信
号の周波数は1MHz 又はそれ以上、例えば5MHz ,10MHz ,20MHz ,45MH
z ,100MHz ,500MHz ,1GHz ,5GHz ,10GHz ,30GHz ,50GHz
,100GHz ,500GHz ,1000GHz 及びそれらの間にわたる周波数である
【0037】 本明細書で使用するとき、“酵素”の用語は、他の化合物又は“基質”におけ
る化学反応の活性化エネルギーを低下するために、触媒として働くタンパク質を
言及し、反応における最終生成物は意味しない。
【0038】 本明細書で使用するとき、“溶液”の用語は、リガンドが属する材料を含む。
完全でない溶液のリストは、固体、液体又は気体の状態における材料を含む。固
体の溶液は、炭水化物、タンパク質、オリゴヌクレオチド、あるいは代わりに、
有機性多量体材料、例えばナイロン、レーヨン、ダクロン、ポリプロピレン、テ
フロン、ネオプレン、デルリンなどを含む、天然又は合成の分子を含むことがあ
る。液体の溶液は、水性、有機性又は他の主要な成分を含むもの、ゲル、ガス、
及び懸濁液を含む。例示的な溶液はセルロース、デキストラン誘導体、d−PB
Sの水溶液、トリス緩衝液、脱イオン水、血液、生理的緩衝液、髄液、尿、唾液
、水、有機溶媒を含む。前記の溶液は、リガンド及び/又は抗リガンドを、結合
表面に適用する材料を言及するために、ここで使用する。前記溶液は解析される
べき試料を含む。 本明細書で使用するとき、“連結基”又は“リンカー”の用語は、バイオアッ
セイ装置上にあらゆる2つの成分を付着するために使用する、化学的構造物を言
及する。従って、本連結基は、一方の成分と結合する第1の連結部分、例えば導
電表面を有し、そして別の成物と結合する第2の連結部分、例えばマトリックス
又は抗リガンドを有する。
【0039】 本明細書で使用するとき、“バイオアッセイ装置”は、分子結合層が形成され
る構造物を言及する。本バイオアッセイ装置は、領域がくぼんだ表面、又は密閉
的に封入した囲いから成ることがあり、これらの全ては任意の特定の大きさ又は
形状であってよい。
【0040】 本明細書で使用するとき、“バイオアッセイシステム”は、バイオアッセイ装
置を電磁的に探り、そして検出するために必要な構成部分との関係で上述したバ
イオアッセイ装置を言及する。これらの構成部分は、限定しないが、シグナル経
路、基材、電子装置、例えばシグナル発生器、オシロスコープ、並びにバイオア
ッセイ装置からのシグナルを探り、そして検出するために必要なベクトル解析器
、電磁的シグナルを探り、そして検出することができ、そしてデータなどを解析
することができるマイクロチップ及びマイクロプロセッサーを含む。
【0041】 本明細書で使用するとき、“共振”及び“共鳴”の用語は、周波数の関数とし
て、素速く変化する誘電応答を一般に言及する。
【0042】 本明細書で使用するとき、“生物−電気的インターフェース”はシグナル信号
の伝搬を支持するためのシグナル経路と、分子結合層の間のインターフェース構
造を言及する。
【0043】 本明細書で使用するとき、“マトリックス”又は“結合マトリックス”の用語
は、スペーサーとして、又は結合に利用できる表面積を増すために、又は増大し
た結合のための分子の配向を最適化するために、あるいはバイオアッセイ装置を
最適化するためのあらゆる他の結合特性を向上させるために使用される、バイオ
アッセイチップ上の材料の層を言及する。マトリックス層はデキストランの様な
炭水化物、ポリアミノ酸、架橋及び非架橋のタンパク質などから成ることができ
る。
【0044】 II.序文 A.バイオ−アッセイシステム 本発明は、多くの分子が示す固有の誘電特性を基に、膨大な数の分子を識別す
ることができる所見を利用する。これらを識別する誘導特性は結合した分子構造
にシグナルをカップリングすることによって観察することができる。固有の誘電
特性は、それに固有のシグナル応答を与えるシグナルを変調する。そして独特の
信号応答は、リガンド及び、分子結合層を構成する他の分子を検出し、そして同
定するために使用することができる。
【0045】 図1.Aは、本発明に従うバイオアッセイシステム100の1つの態様を図解
する。システム100は、2つの導体、シグナル面、接地面、回路トポロジーに
おいて例示され、それはマイクロストリップ中の集中又は分布素子回路、ストリ
ップライン、共面導波管、スロットライン又は同軸システムを含む多数のアーキ
テクチャーにおいて具現化されうる。更に、電子工学業界の者は、本システムが
シグナル導体導波管システム、あるいは3又はそれ以上の導体システムに容易に
変更されうることを、容易に認識するだろう。
【0046】 例示した様に、システム100はシグナルソース110、伝送ライン120、
接地面130、バイオアッセイ装置150、及びシグナル検出器160を含む。
例示した態様はバイオアッセイ装置150に結合した2つの伝送ライン120を
例示するが、代わりの態様において、単独伝送ラインがバイオアッセイ装置にカ
ップリングすることができ、あるいは更なる代わりとして、3又はそれ以上の伝
送ラインがバイオアッセイ装置150にカップリングすることができる。伝送ラ
イン120は、実施の際の所望の周波数以上の、信号の伝搬を支持することがで
きる材料から作られる。伝送ライン120は、金の様な導電層として表され、従
来の写真平板の、又は半導体の処理技術を用いて、基板、例えばアルミナ、ダイ
アモンド、サファイア、ポリイミド、又はガラス上に据えられる。
【0047】 更にシステム100は、伝送ライン120にカップリングしたバイオアッセイ
装置150を含む。バイオアッセイ装置150は、導電層153が配列される支
持基材151を含む。導電層153は、検査信号の伝搬を支持するためのインタ
ーフェースを形成する。支持基材151は、いずれかの絶縁性材料、例えばガラ
ス、アルミナ、ダイアモンド、サファイア、シリコン、ヒ化ガリウム又は半導体
処理において使用される他の絶縁性材料から成る。
【0048】 分子結合層(MBL)156は、インターフェース伝送ライン153の1又は
複数の領域にカップリングする。カップリングが、例示した様なインターフェー
ス伝送ライン153とMBL156の間の直接的な接続を介してか、又は更に以
下に記載した様な、シグナルカップリングを通して起こりうることを電子工学の
業界の者は認識するだろう。
【0049】 MBL156は主に1又は複数のリガンドから成るが、本明細書に記載の他の
分子及び構造物もまた含まれることがある。MBL156はわずかに1つの結合
リガンド層から成ることができ、例えば1次結合の場合であり、あるいはそれは
2,3,4,5又はそれ以上の結合リガンド層から成ることができ、例えば2次
又は高度な結合イベントが起こる場合である。複合的なリガンド層は異なる結合
表面155で、同一のインターフェース伝送ライン153を超えて起こることが
できる。
【0050】 例示した態様において、誘電基材158は溶液157と接地面159との間に
位置する。例示した態様において、誘電層158及び接地面159は、バイオア
ッセイ装置150内に位置するが、代わりの態様において、1又は複数のものが
外側に位置することがある。更に、MBL156及び溶液157の配置を交換し
ていずれか一方を接地面へと近づけるか、又はこのような層配置の他に、インタ
ーフェース伝送ライン153の近位に配置してよい。
【0051】 システム100は、検査シグナルを伝送ライン120へ、及びバイオアッセイ
装置150の方へ送り出す信号ソース110を含む。シグナル検出器160は、
生じるシグナル(反射したか又は送信したかのどちらか、あるいはその両方)を
検出するために伝送経路に沿って位置する。シグナルがバイオアッセイ装置15
0のインターフェース伝送ライン153に沿って伝搬するとき、MBL156の
誘電特性は検査シグナルを変調する。次に、変調したシグナルを回復することが
でき、そして以下で更に記述する、バイオアッセイ装置内で起こる分子の結合現
象を検出及び同定するために使用することができる。
【0052】 本発明の代わりの態様において、本明細書に記載のリガンド、抗リガンド/リ
ガンド複合体又は他の分子構造の検出及び同定は、それがインターフェース伝送
ライン153から物理的に分離される場合に可能である。この態様において、前
記リガンドは独立しているが、インターフェース伝送ライン153に電気的に又
は電磁的にカップリングしている。インターフェース伝送ライン153と、つり
下げられたリガンドとの間のカップリングは、インターフェース伝送ライン15
3に沿って伝搬し、その結果、検出されそして/あるいは同定される検査シグナ
ルの応答を変えるであろう。インターフェース伝送ライン153と、つり下げら
れたリガンドとの間の最大の分離は、インターフェース伝送ライン153と前記
リガンドとの間の媒体の有効な誘電定数、総カップリング領域、シグナル検出器
の感度、溶液中の前記リガンドの濃度、及び所望の検出時間、これらの様な因子
によって決定される。分離の距離は、典型的におよそ10-1m,10-2m,10 -3 m,10-4m,10-5m,10-6m,10-7m,10-8m,10-9m,10-1 0 m又はそれらの間のいずれかの範囲である。
【0053】 細胞を基にしたアッセイの如き、いくつかの態様において、MBLは溶液を通
してシグナル経路に、電磁的にカップリングすることができる。従って細胞、並
びに特に細胞膜及び膜を基にした構造は前記シグナルにカップリングすることが
できる。
【0054】 図1Bは、共振マイクロストリップ回路170の配置を含んで成るバイオアッ
セイシステムの第2の態様を図解する。各々の共振回路170は、開路スタブ1
76で終わる伝送ライン172から成る。回路設計業界の者は、他の共振構造を
集中素子、分配素子、又は両方の回路トポロジーの組合わせにおいて適用するこ
とができることを認識するだろう。
【0055】 図1Cは、1つの共振回路170の断面図を図解する。開路スタブ176は、
共振回路170の生物電気インターフェースを形成し、そして図1A中に示した
生物電気インターフェースと厳密に平行である。特に開路スタブ176は、誘電
層176上に据えられたインターフェース伝送ライン176aから成り、そして
接地面176cの上に位置する。
【0056】 この態様において、MBL176dは、伝送ライン176aに、直接的な接続
を介してカップリングする。MBL176dは特異的又は非特異的方法において
、インターフェース伝送ラインに沿って結合することができる。上文の様に、問
題の分子構造物はつり下げられることがあるが、結合イベントの検出及び同定の
情報を提供するために、インターフェース伝送ライン176aに電気的にカップ
リングするか、又は電磁的にカップリングすることがある。
【0057】 インターフェース伝送ライン176aの大きさは、考慮すべき事柄、例えば所
望の測定時間(大きい面積は、より早い検出時間をもたらす)、所望の共振周波
数fres 、より高い効率を達成するための、又は結合現象を強調するために不連
続性を引き起こすための所定のインピーダンス整合条件、及び全体の配置を形成
する工程によって影響を受ける。例えば、従来のマイクロ波写真平板を使用する
ならば、結合表面の領域は、比較的厚い誘電層、例えばアルミナ、ダイアモンド
、サファイア、ジュリオド又は他の従来の基板材料を用いて10-12 〜10-62 に及ぶことがある。あるいは、半導体処理を用いるならば、結合表面の領域
は、比較的薄い、ヒ化ガリウム又はシリコンの誘電層を用いて10-62 〜10 -12 2 に及ぶことがある。
【0058】 従来のマイクロ波設計技術又はCAD道具、例えばMicrowave Sp
iceTM,EEsof TouchstoneTM及びLibraTMを用いて、伝
送ライン172の長さ及びインピーダンス、インターフェース伝送ライン176
aの大きさ、並びに誘電層176bの厚さ及び誘電定数は、所望の共振周波数点
res で、共振シグナル応答を示す、共振構造などを選択することができる。前
記の所望の共振周波数fres の点は典型的に、関心の分子が、それらの誘電特性
において劇的な変化を示し、その測定がそれらの検出を可能にする、それ以上の
周波数範囲である。あるいは、前記の共振周波数点fres を、シグナル検出の最
も幅広い範囲を見込むための、所望の試験周波数範囲の中心として定義すること
ができる。例示した態様において、前記の共振周波数fres は10MHz ,20MH
z ,45MHz ,100MHz ,500MHz ,1GHz ,5GHz ,10GHz ,30GHz
,50GHz ,100GHz ,500GHz ,1,000GHz 又はそれらの間にわたる
周波数を含む。
【0059】 測定の間、溶液176eは1又は複数の開路スタブ172の上に適用される。
MBL176dは、溶液内の1又は複数の分子がインターフェース伝送ライン1
76aに結合するときに形成する。この場合において、前記のMBL176d及
び溶液は、更に以下に記述するプラスチック回路として電気的にふるまい、これ
はその最初の共振周波数点の上又は下へと共振周波数点fesのシフトを引き起こ
す。周波数におけるこのシフトは検出することができ、そして分子の結合現象の
発生を指摘するために使用される。前記のシグナル応答はまた、以下に記載する
、結合分子構造の同定を確かめるための、広範なスペクトルを超えて質問される
ことがある。各々の共振回路170を、異なる分子構造に結合するために製作す
ることができ、そして各共振回路170をアドレスで呼び出せる様に作ることが
でき、それによって同一の溶液内の多数の分子構造物の、同時の検出及び同定を
可能にする。代わりの態様において、各共振回路170を、異なる共振周波数を
示すために設計することができ、この場合において、全ての共振回路170は、
分子の結合を決定するために、連続的な周波数スペクトルを超えて質問されるこ
とがある。
【0060】 B.本システムの化学的性質 本システムの化学はバイオアッセイ装置内、及び特に導電層(図1A〜1Cに
おけるインターフェース伝送ライン)に沿って、一般に起こる。導電層は、高周
波数の検査シグナルの伝搬を支持するために導電的である形態を有する材料から
製作される。導電的な表面は、所望の試験周波数範囲に勝る適切な導電性を示し
、しかも上述の分子の結合の良い質を有する材料から構築される。その様な材料
は、限定しないが、金、酸化インジウムスズ(ITO)、銅、銀、亜鉛、スズ、
アンチモン、ガリウム、カドミウム、クロム、マンガン、コバルト、イリジウム
、プラチナ、水銀、チタン、アルミニウム、鉛、鉄、タングステン、ニッケル、
タンタル、レニウム、オスミウム、タリウム又はそれらの合金を含む。導電層は
また、化学的に不純又は純粋なカーボン、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウ
ム、ヒ化イジウム−ガリウムなどを含む、構造において結晶又は非結晶のどちら
かであることができる半導体材料から形成されることがある。導電性の材料はま
た、特に導電性であるポリマー、例えばポリアセチレン、ポリチオフェンなどか
ら形成されることがある。導電層は、適用が必要である場合に、厚いか又は深さ
においてわずかに数個の分子層であることがある。導電層は蒸発した薄い金属層
又はヒ化ガリウムのエピキシャル層又は知られた半導体処理技術を通して導電性
を与えられた他の半導体材料から成ることがある。更に、導電層は公知の方法か
ら誘導されることがあり、例えばKumar等の“Patterned Self-Assembled M
onolayer and Mesoscale Phenomena”, Accounts of Chemical Research,28 :
219-226 (1995) を参照せよ。
【0061】 更に、導電層は分子の結合を容易にするために、導電性である形態を有する材
料から製作される。リガンドは直接的に、他の分子構造物を通すか、又は結合の
ための両方の配置を通して間接的に導電層に結合することができる。導電層に結
合することができる分子の範囲は、限定しないが、タンパク質、核酸、小分子、
糖類、脂質、及び他の関心のある分子を含む。前記の化学的性質は、前記表面に
付着した分子のただ唯一の化学種、前記表面に付着した異なる化学種の完全な配
置、又は前記表面及び溶液中の関心のリガンドに間接的に付着した化学種の間で
の複数の結合現象を含む。
【0062】 導電層にリガンドが付着することに関連する典型的な化学的性質は、リガンド
の性質及びそれに結合するいずれかの抗リガンド、並びにアッセイにおけるそれ
らの機能に通常依存する。前記表面上で起こりうる相互作用の可能な型のリスト
は、限定しないが:タンパク質/タンパク質相互作用、DNA/タンパク質相互
作用、RNA/タンパク質相互作用、核酸のハイブリダイゼーション、例えば塩
基対の誤対合解析、RNA/RNA相互作用、tRNA相互作用、酵素/基質相
互作用、抗原/抗体相互作用、小分子/タンパク質相互作用、薬剤/受容体相互
作用、膜/受容体相互作用、固相のリガンドにおける立体配座の変化、タンパク
質/糖類相互作用、及び脂質/タンパク質相互作用を含む。 実際の表面の化学的性質を、1次結合及び2次結合として、1つの態様内に記
載することができる。分子の結合の、付加的な層もまた起こりうる。1次結合は
、導電的な表面への抗リガンドの付着を言及し、これはリンカー分子の補助を通
して起こることができる。2次結合は、リガンドの、MBL内の他の分子である
ことがある抗リガンドへの結合、又は導電的な表面自身への間接的な結合を言及
する。典型的に、前記の結合は、固定化された固相の抗リガンドに結合する液相
のリガンドを含む。例えば1次結合は、バイオアッセイ装置の導電層への特異的
な抗体の付着であることがあり、そして2次結合は、抗体への、試料溶液中の特
異的な抗原の結合を含むであろう。あるいは、2次結合は導電的な表面へのタン
パク質の直接的な付着であることがあり、例えば金の導電層に直接的に付着する
タンパク質のアミン末端である。
【0063】 前述の結合は、1又は複数の導電層の領域に沿って、分子結合層(MBL)1
80の形態を生じ、この1つの態様を図1Dに図解する。この態様において、M
BL180は第1リンカー181、絶縁体182、第2リンカー183、マトリ
ックス184、第3リンカー185、抗リガンド層186、及びリガンド層18
7から任意に成る。
【0064】 第1リンカー181は絶縁層182と導電層(示していない)との間の接着を
提供する。第1リンカー181はチオール、アミン、アミドなどの分子、あるい
はクロム又はチタンのような金属から成る。絶縁層182は、導電層と、MBL
180と、溶液(示さない)との間の障壁を提供する。絶縁層182は、MBL
及び/又は溶液にさらすことによる、導電層の構造的な劣化を防ぐための、密閉
的な障壁を提供することができる。あるいは、又は更に、DC、又は測定と抵触
しうるMBL及び/又は溶液への導電層からの低周波数エネルギーの流れを阻害
するために、絶縁層182は電気的に非導電性材料から成ることがある。前記絶
縁層はポリイミド、アルミナ、サファイア、非導電性ポリマー、半導体絶縁性材
料、例えば二酸化ケイ素又はヒ化ガリウム、あるいは密閉性の及び/又は電気的
に絶縁の特性を提供する他の材料を含む。前記絶縁層はまた空気、又は別の気体
物質から成ることがあり、この場合、リンカー181は除去されるであろう。
【0065】 第2リンカー183は絶縁層182とマトリックス184との間の接着を提供
し、そして第1リンカー1481と同一又は類似の分子から成る。マトリックス
層184はポリマー層から成ることがあり、しかし任意に炭水化物、タンパク質
、ポリアミノ酸層などでもある。第3リンカー185は、抗リガンド186にマ
トリックス層を接着するために適当な分子から成り、そして第1の及び/又は第
2のリンカー、181及び183のいずれかと同一又は類似の分子から成ること
がある。
【0066】 抗リガンド186は、溶液内でリガンド187に特異的又は非特異的に結合す
るために、そして/あるいは溶液の物理的特性、例えば温度、pH、イオン強度な
どを測定するために使用される。抗リガンドは、リガンド187に特異的又は非
特異的に結合する分子、又は分子構造物から成る。例えば、リガンドが抗原から
成る場合、抗リガンド186は抗体から成るであろう。リガンド187は、抗リ
ガンド186に特異的又は非特異的に結合する分子、又は分子構造物から成る。
【0067】 一般に、MBLは一体化シグナル経路に沿う電磁的検査シグナルと、本明細書
に記載した様に測れる程度に相互作用することが十分であろう。従って、変化す
る誘電特性を示す、本質的にあらゆるMBL組成物を解析することができる。多
くの態様において、MBLは、厚さが約1〜5Åと1cmの間に及ぶだろう。単純
な分子の結合現象にとって、前記の範囲は通常約10Å〜10,000Å、典型
的に100Å〜5,000Å、又は500Å〜1,000Åであろう。より大き
な相互作用(例えば細胞)において、MBLは1μm〜100μm、好ましくは
5μm〜50μmに及ぶだろう。絶縁体、マトリックスなどと供に、前記のサイ
ズはかなり高い値に及ぶだろう。
【0068】 図1Dの態様は、MBLの配置の可能性全てを網羅することを意図していない
。当業者は、特定の適用に述べた様に、MBLを作製する非常に多くの組合わせ
を設計できることを認識するだろう。第1、第2及び第3のリンカー181,1
83,185、絶縁層182、及びマトリックス層184が条件を満たしていな
い場合、MBLは抗リガンド186及びリガンド187から成る。また更に、第
1リンカー181及び絶縁層182は除かれることがある。1又は複数の前述の
層を除き、又は追加の層を加える、他の代わりの態様は当業者にとって自明であ
る。
【0069】 更に、場所ごとにまとまり、又は無作為に層を成すことができ、又は特定の配
置の形式に依存して分布する異種の分子からMBLは成ることがある。例えば、
図1Eは空間的に分かれた、4つの異なる抗リガンド190,191,192及
び193を有する、MBL180の平面図を図解する。図1Fは、4つの異なる
抗リガンド190,191,192及び193が無作為にくまなく分布した、M
BL180を図解する。別の態様において、図1Gは、シグナル経路153にカ
ップリングした溶液157において、細胞194を含むMBL180の断面図を
例示する。別の態様において、膜結合構造(示さない)を持つ細胞膜195は、
シグナル経路にカップリングした溶液157中にある。前記の層は、例えばリン
カー、マトリックス、抗リガンド、リガンド及び1又は複数の絶縁層を含むこと
ができる。いくつかの態様において、イオンの輸送、サイズ又は電荷の選択を調
節するか、あるいは抗リガンド又は他の分子構造物の接着を支持する様な、1又
は複数の膜を適用することができる。
【0070】 電気的にMBLは、単離され、そして結合現の環境変化、例えばpH変化、温度
、イオン強度などの存在下の、結合分子の構造的及び立体配置的な特性、並びに
その中での変化を部分的に特定できる、独特な誘電特性を示す。
【0071】 溶媒和性媒体(溶液)の局所的な構造と一緒の、結合した分子の構造の誘電特
性はまた、第1の又は他の高次元な結合によって引き起こされる分子内及び分子
間の結合の変化、並びに導電層近くの溶媒和性媒体の移動に寄因しうることがで
きる。
【0072】 一度導電層が提供されると、供に働くためのシステムを選択する目的のための
、生物及び化学の文献に当業者は一般に精通しているであろう。生物学的システ
ムへの、一般的な導入のため、Current Protocols in Molecular Biology, F.M.
Ausubel et al., eds., Current Protocols, a joint venture between Greene
Publishing Associates, Inc, and John Wiley & Sons, Inc. (through 1997 S
upplement) (Ausubel) ; Watson et al. (1987) Molecular Biology of the Ge ne. Fourth Edition , The Benjamin/Cummings Publishing CO., Menlo Park, CA
; Alberts et al. (1989) Molecular Biology of the Cell, Second Edition G
arland Publishing, NY ; The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, Mere
k & Co., Rathway, NJを参照せよ。生物試薬及び実験装置の製造会社由来の製品
の情報もまた、生物学的システムのアッセイにおける有用な情報を提供する。そ
の様な製造会社は、例えばSIGMA chemical company (Saint Louis, MO), R & D
systems (Minneapolis, MN), Pharmacia LKB Biotechnology (Piscataway, NJ),
CLONTECH Laboratories, Inc. (Palo Alto, CA), Aldrich Chemical Company (
Milwaukee, WI), GIBCO BRL Life Technologies, Inc, (Gaithersberg, MD), Fl
uka Chemica-Biochemika Analytika (Fluka Chemie AG, Buchs, Switzerland. A
pplied Biosytems (Foster City, CA)、及び当業者に知られた、多くの他の製造
会社を含む。
【0073】 生物学的試料は、公知の技術、例えば静脈穿刺、腰椎穿刺、体液試料、例えば
唾液又は尿、あるいは生検などを用いて、患者から得ることができる。生物学的
材料がヒト由来ではなく、例えば商業的に関連のある家畜であるとき、血液及び
組織の試料は都合のよいことに、家畜処理工場より得られる。同様に、本発明で
使用される植物材料は、都合の良いことに農業又は園芸の供給源又は天産物の他
の供給源より得ることができる。あるいは、生物学的試料は、組織及び/又は血
液が保存されているセル又は血液バンクから、あるいはin vitroの供給
源、例えば細胞培養から得ることができる。生物学的材料の供給源として使用す
るための、細胞培養を確立するための技術は当業者に公知である。 Freshney, C ulture of Animal Cells. a Manual of Basic Technigue, Third Edition , Wile
y-Liss, NY (1994) は細胞培養の概論を提供する。
【0074】 本発明を数多くの態様において実施することができる。いくつかを以下に詳述
し、付加的な態様及び適用を適用の欄において詳述する。
【0075】 1つの態様において、本発明はシグナル経路に結合する分子構造物を検出する
ために使用する。この態様において、シグナルはシグナル経路に沿って伝搬する
。それが伝搬する場合、それは結合構造物にカップリングし、そして変調する。
変調した応答の解析は結合を示唆する。 別の態様において、本発明を2次結合を同定するために使用することができる
。例えば、1次結合は、導電的な表面への抗体の付着であることがある。2次結
合は溶液中での固定化抗体と、その抗原の間の結合の測定を含むことがある。1
次結合が先の段落において記載した様に検出された後に、その抗体を含む溶液を
バイオアッセイ装置に加え、再び応答を測定する。変化は、結合現象が起こった
ことを示唆するであろう。
【0076】 1つの観点において、本発明はリガンド、例えばタンパク質を1次結合段階に
おいて同定するために使用されることがある。較正時において、数多くの知られ
たタンパク質の応答を決定することができ、そして保存することができる。アッ
セイ表面に未知のタンパク質が付着した後、本システムの誘電特性を測定するこ
とができ、そして本シグナルの誘電特性を、前記の表面上のタンパク質を同定す
るために使用することができる。各タンパク質の指紋応答が保存されるので、未
知の応答を保存した応答と比較することができ、パターン認識を未知のタンパク
質を同定するために使用することができる。
【0077】 別の態様において、本発明を配列形式において使用することができる。本装置
は各々が特異的な抗リガンドに結合した、複数の、アドレスで呼び出せる部位を
有するだろう。本装置に溶液を輸送した後、各部位における結合の応答が測定さ
れ、そして特徴づけられるだろう。アドレスで呼び出せる各部位では、独特な核
酸が抗リガンドとして付着する。前記試料をさらした状態で、相補的な配列が適
当な部位に結合するだろう。各部位での応答は、配列が結合したかどうかを示唆
するだろう。その様な測定はまた、結合した配列が、抗リガンドと完全な対合で
あるかどうか、あるいは1又は複数の誤対合があるかどうかを示唆するだろう。
この態様はまた、タンパク質及びタンパク質のクラスを同定するために使用され
ることがある。 別の態様において、この発明は、次に、特定の被検物又はリガンドの未知の濃
度を決定するために使用するであろう標準曲線又は滴定曲線を生成するために使
用されることがある。例えば、抗体は本装置に接着することがある。本装置はリ
ガンドの、いくつかの異なる濃度、及び測定した各濃度のための応答にさらされ
ることがある。その様な曲線はまた、線量反応曲線として、当業者に知られてい
る。未知の試料は本装置にさらされることがあり、そしてその応答が測定される
。その応答は、未知の試料におけるリガンドの濃度を決定するために標準曲線と
比較することができる。
【0078】 別の態様において、この発明は、老化及び他の安定性の問題による損失のため
、内部で自己較正するために使用することができる。例えば、抗体−抗原系と供
に、この発明は、未知のものをさらす前に、1次的な応答を測定することによっ
て、前記表面上の活性な抗体の量を測定させる。前記の1次的応答の量は、本装
置にとどまる活性な抗体の量を反映する定数によって、2次的な応答、抗原結合
を調節するために使用される。
【0079】III .バイオ−アッセイ装置 A.装置の構造 構造的に、本バイオ−アッセイ装置はシグナル経路及び生物電気インターフェ
ースを含む。前記シグナル経路は単一入力/出力シグナルポート;1つの入力シ
グナルポート経路及び1つの出力ポート経路、複数の入力及び/又は出力信号ポ
ート経路から成ることができる。シグナル経路を、導電性電線、伝送ライン、導
波管構造、共振キャビティー、又は所望の周波数範囲を超える検査シグナルの伝
搬を支持する、他の伝送媒体のいずれかなどの多くの異なる構成物において実現
することができる。可能な態様のために、R.E. Collins Foundations for Micro wave Engineering , McGraw-Hill Publishing Co., 1966 ; and S. March, Micro wave Transmission Lines and Their Phvsical Realizations. Les Besser and
Associates, Inc., 1986を参照せよ。更に、本バイオ−アッセイ装置はまた、様
々な異なる配置において実現することができる。限定的でない配置は、従来の製
造技術、従来のエッチング及び写真平板、又は半導体の処理技術を用いて、大幅
に小型化した構造物を含む。
【0080】 図2Aは断面図において示した様なバイオ−アッセイ装置の1つの態様を図解
する。バイオ−アッセイ装置230は頂上板231、接触端子237、及び底面
板239から成る。頂上板231は、配置されたインターフェース伝送ライン2
33を有する底面を含む。誘電基板240及び接地面250はバイオ−アッセイ
装置の外部に位置する。頂上板231及び/又は誘電基板240は、ガラスの様
な絶縁性材料から作られ、これは好ましくは従来の写真平板又は金スパッタ、エ
ッチング又は化学蒸着(CVD)処理に適合する。他の材料、例えばアルミナ、
珪素、ヒ化ガリウム又は他の絶縁性材料を代わりに使用することができる。
【0081】 図2Aに図解した様に、インターフェース伝送ライン233の底面は分子結合
層234と接触している。図解した様に、MBLは、異なる層又は型の、結合し
た分子構造物、及び溶液内で生じた分子構造物から成ることがある。代わりの態
様において、MBL234はインターフェース伝送ライン233の小さな又は大
きな部分にわたることがあり、そして示した様な結合した異なる分子構造物から
成ることができる。MBLは抗リガンド/リガンド構造物単独、又は図1Dに示
した様な、リンカー、マトリックス、及び絶縁層の様々な中間物から成ることが
ある。条件を満たす場合、絶縁層182(図1D)は、空気、ポリイミド、アル
ミナ、ダイアモンド、サファイア、又は半導体絶縁性材料、例えば二酸化ケイ素
若しくはヒ化ガリウム、あるいは非導電性材料、更に他の従来の絶縁性材料から
成ることがある。前記絶縁層の厚さ及び誘電定数は、MBL234及びインター
フェース伝送ライン233が信号の伝送の間、供にきつくカップリングする程度
のものである。絶縁層182の厚さは、10-1m,10-2m,10-3m,10-4 m,10-5m,10-6m,10-7m,10-8m,10-9m,10-10 m、又はそ
れ以下の厚さであり、あるいはそれらの間にある値であることができ、これは要
求されるカップリングの量、絶縁層の誘電定数、及びカップリング領域の総計に
依存する。カップリングは、多層の、同一平面上の、又は導波管の回路トポロジ
ーにおいて、並んで及びオフセットにカップリングした配置を含む多くの異なる
配置を通して達成することができる。条件を満たす絶縁層は、溶液媒体からイン
ターフェース伝送ラインを密封的に封入するために、及び/又は分子の結合現象
の発生を出来る限り中断する溶液への、DC若しくは低周波数電流の流れを防ぐ
ために有利であることができる。
【0082】 インターフェース伝送ライン233は、シグナル伝搬を支持することが可能な
、そしてMBL234と結合することが可能な材料から成る。前記材料はMBL
の構成に依存して変化するが、ものによって金、酸化インジウムスズ(ITO)
、銅、銀、亜鉛、スズ、アンチモン、ガリウム、カドミウム、クロム、マンガン
、コバルト、イリジウム、プラチナ、水銀、チタン、アルミニウム、鉛、鉄、タ
ングステン、ニッケル、タンタル、レニウム、オスミウム、タリウム又はそれら
の合金を含むだろう。あるいは、インターフェース伝送ライン233は、1又は
複数の標的分子(リガンド)との結合を形成するための、1又は複数の分子構造
物(抗リガンド)(これはMBL234の一部を形成する)を含むことがある。
インターフェース伝送ラインを含んで成る材料はまた、リンカーの付着を増大す
るために、及びシグナル伝搬を支持するために、選択されることがある。インタ
ーフェース伝送ライン233を形成するために使用することができる他の材料は
、当業者に容易に理解されるだろう。
【0083】 前記リガンドは溶液260、例えばダルベッコリン酸緩衝塩溶液(d−PBS
)などを用いるMBL234に輸送されうる。関心のタンパク質、核酸、又は他
のリガンドを、様々な技術を用いて、例えばウィッキング、ピペッティング、デ
ィッピング、ドロッピング、直接接触、又は毛細管作用を通して結合表面に適用
することができる。
【0084】 特定の態様において、インターフェース伝送ライン233は、低いシグナル損
失及び外部の伝送ライン270への近接インピーダンス整合(close im
pedance matching)を提供するために設計される。小さいシグ
ナル損失は、導電性材料、例えば金、銅、アルミニウム、酸化スズインジウム(
ITO)又は上述した導電性材料から、インターフェース伝送ライン233を製
作することによって達成される。近接インピーダンス整合は、基板、溶液、及び
MBLの、相対的な誘電特性に依存して、外部の伝送ライン270の幅に近くに
おいてインターフェース伝送ライン233の幅を定めることで達成される。イン
ターフェース伝送ライン232と、外部の伝送ライン270との間のシグナル連
絡は、接触端末237を経由して提供される。上文で説明した様に、MBL23
4及び溶液媒体260はどちらか一方が接地面250の近位に配置されていてよ
く、又はこのような層位置の他に、インターフェース伝送ライン232の近位に
配置されていてよい。
【0085】 集中素子形態、分布形態、又は両者の組合わせにおける追加のアナログ及び/
又はデジタル回路構成が、バイオ−アッセイ装置の入力及び/又は出力ポートに
おいて含まれることがある。例えば、インピーダンス整合回路及び/又は緩衝増
幅器回路を、入力ポートにおいて採用してよい。代わりに、又は更に、インピー
ダンス整合回路及び1又は複数の出力増幅器は出力シグナルを更に増幅させるた
めに用いられることがある。電子回路の業界の者は、他の型の条件付き回路が、
同様に代わりの態様において使用されることがあることを認識するだろう。
【0086】 図2Bはバイオ−アッセイ装置の第2の態様を図解する。この態様において、
底面板239の頂上側の表面上で形成するインターフェース伝送ライン233の
上のスペースを、溶液が占める。インターフェース伝送ライン233の頂上面側
は、MBL234が付着する結合表面を形成する。誘電層240はインターフェ
ース伝送ライン233と、接地面250との間に位置する。接触端末237は外
部の伝送ライン270にシグナル経路を提供する。インターフェース伝送ライン
、頂上板、底面板、接触端末、及び誘電層は、上述した様な材料及び方法から形
成することができる。MBLもまた、図1Dにおいて上述した様に形成すること
ができ、その変形型も同様である。更に、MBL234及び溶液媒体260はい
ずれか一方を接地面250の近くに配置し、あるいはこれらの層の位置に加えて
、インターフェース伝送ライン233の近位に配置することができる。
【0087】 更なる構造的な態様は、伝送ライン、導波管、及び共振キャビティーの複数の
素子を有するバイオ−アッセイ装置を含み、ここでMBLは、検出の特異性及び
感度を増幅する様な方法において、1又は複数の回線又はキャビティーの素子に
接着することができる。その様な構造の例は、平行に配置したシグナル結合物、
共振キャビティー又は導波管を含み、これらに沿って、素子上に結合したMBL
は、結合構造のない別の平行素子として比較して、シグナル伝搬特性を変え、か
くて複合シグナルのモード特性変え、直ちに検出可能な出力シグナル特性を生じ
る。後者のこれらの効果は、周波数、周波数安定性、及び極めて高い精度をもっ
て周波数のごく小さい変化を測定する公知の技術を利用する。
【0088】 B.結合表面の化学的性質 図3は生物−電気インターフェースの導電層に沿って発生する結合表面の化学
の、1つの態様を図解する。生物電気インターフェースは基板320、導電層3
30、MBL340、及び溶液350を含む。基板320は、誘電層又は、アル
ミナ、ダイアモンド、サファイア、プラスチック、ガラスなどを含む、本明細書
に記載の基板材料のいずれかであることができ、そして導電層320への構造的
な支持を提供することができる。代わりの態様において、基板320は除かれ、
そして構造的な支持が絶縁層342を経由して提供される。
【0089】 導電層330は上述した様な、所望の周波数以上のシグナル伝搬を増大し、M
BL340の結合を増大する材料及び形態から成る。2つの導体回路トポロジー
において、導電層330はシグナル又は接地面から成ることがある。しかしなが
ら、どちらかの場合において、第2の導電層(シグナル面又は接地面のいずれか
であり、示していない)は基板320の下方(図2Bの配置)、又は溶液350
から取り出された少なくとも1つの基板の層(図2Aの反対の配置)のいずれか
に位置する。あるいは、導電層は、これらの高さの両方に位置することがある。
【0090】 溶液350は、MBL340のリガンドの流れを許すため、MBL340にカ
ップリングする。溶液350からMBL340へのリガンドの流れは直接的又は
非直接的であることがある。溶液は移動媒体のいずれか、例えば気体、液体、又
は固相の材料から成り、いくつかの例は、水性d−PBS、トリス緩衝液、リン
酸緩衝液などである。
【0091】 生物電気インターフェースに沿って、MBLは溶液の少なくとも1つの部分と
、シグナル経路との間に位置し、その様なMBLは、その部分に沿って、溶液よ
りシグナル経路に一層近接である。図3の態様において、MBL340は溶液3
50と導電層330との間に位置し、後者により近い(図2Aに示した)。1つ
の態様において、溶液はシグナル面と接地面との間に位置する(図2Bに示した
)第2の態様において溶液はシグナル−接地面領域の外側に位置する。
【0092】 導電性表面へのMBLの結合に関与する典型的な化学的性質は、MBLの性質
及び内容、アッセイにおけるその機能に通常依存するだろう。MBLは本明細書
に記載した様なリガンド、リガンド/抗リガンド複合体、又は他の分子構造物か
ら成ることができる。典型的にリガンドは可能な限り表面に近く、機能的に損わ
れておらず、抗リガンドの表面密度は、最も大きな誘電効果を提供するのに十分
な大きさであるが、例えば立体障害又は近くの分子により固定化した抗リガンド
の活性のある結合部位を物理的に妨害することによって、結合の機能を損わない
程度の大きさである。
【0093】 リガンドは直接的に又は図3に示した様な中間構造物で、導電層320に特異
的又は非特異的に、結合することができる。特異的な結合を望むならば、リンカ
ーを、結合を容易にするために、例えば導電層320が溶液にさらされる様に結
合するために任意に使用することができる。 結合層を稠密に詰めることを確実にするために、チオール基、Fab、又はプ
ロテインAの様なタンパク質は、導電層320に沿う、抗体又は他の抗リガンド
の結合を容易にするために使用することができる。これらの及び類似の物質を、
写真平板、半導体処理、又は他の従来の適用技術を含む、多くの方法において、
導電層320に適用することができる。
【0094】 更に、いくつかのリガンド及び抗リガンドを複数の方法において、結合するこ
とができる。これらのリガンドは統計的に有意な形態を典型的に持ち、又は部位
特異的な方法において結合するために操作されることがある。いくつかの抗リガ
ンドは、部位特異的な方法において、前記表面に任意に結合する。例えば、オリ
ゴヌクレオチドは1つの末端で結合することができる。一般に抗リガンドは、抗
リガンドの機能を損わない方法、例えば、好ましくは、表面変性を最小化する濃
度において付着するであろう。
【0095】 結合表面での抗リガンドの濃度は特異的な検体に依存して変化することがある
。例えば、タンパク質のための典型的な濃度は、107 /cm2 ,108 /cm2
109 /cm2 ,1010/cm2 ,1011/cm2 ,1012/cm2 ,1013/cm2 ,1
14/cm2 ,1015/cm2 、又はそれらの間の濃度である。核酸のための典型的
な濃度は107 /cm2 ,108 /cm2 ,109 /cm2 ,1010/cm2 ,1011
cm2 ,1012/cm2 ,1013/cm2 ,1014/cm2 ,1015/cm2 ,1016/cm 2 ,1017/cm2 ,1018/cm2 ,1019/cm2 ,1020/cm2 、又はそれらの
間の濃度である。血液全体における検体のための典型的な濃度は、55M,25
M,10M,1M,0.5M,10-1M,10-2M,10-3M,10-4M,10 -5 M,10-6M,10-7M,10-8M,10-9M,10-10 M,10-11 M,1
-12 M,10-13 M,10-14 M,10-15 M,10-16 M,10-17 M,1
-18 M、又はそれらの間の濃度で変動する。
【0096】 生物電気インターフェースを通すシグナルの伝送を変えるために、十分なリガ
ンドをMBL内に付着するべきである。結合表面に付着しているリガンドの量は
、1,10,102 ,103 ,104 ,105 ,106 ,107 ,108 ,10 9 ,1010,1011,1012,1013、又はそれ以上のリガンド、及び導電層の
表面積に依存する、それらの間のいずれかの数から成る。前記シグナル応答がバ
イオ−アッセイの装置又はチップ上の配置とは異なる、固有の誘電特性によって
決定されるので、前記リガンドを導電層に沿う、あらかじめ定めた領域に適用す
る必要がない。MBLは、1010cm2 〜1024cm2 、典型的に1015cm2 〜10 20 cm2 にあり、より小さな分子のための表面密度を一般に有するだろう。前記リ
ガンド層は、1層程度の厚さであることができるが、2,3,4,5又は10あ
るいはそれ以上の層が任意に使用される。
【0097】 一旦リガンドが導電層に結合すると、本システムの化学的性質及び/又は構造
的な生物学的性質が効果を示す。リガンドの誘電特性が結合構造物の特性である
シグナル応答をもたらし、それによって結合現象の検出、及び構造物における関
心の他の特性の検出を可能にする。結合現象によって提供される固有の応答は固
定化抗リガンド、その標的リガンド、及び近くの分子(例えば水及び遊離イオン
)の再配置に依存するだろう。前記表面に結合できる分子の範囲は、限定しない
が、タンパク質、核酸、小分子、糖類、脂質、及び他の関心の分子のいずれかを
含む。
【0098】 典型的に、MBLの分子は水溶液、d−PBS、トリス、血液、生理的緩衝液
、髄液、尿、汗、唾液、他の体性分泌物、有機溶媒などから成ることができる溶
液内に配置される。他の溶液は気体、懸濁液、ゲル、並びに有機性の及び無機性
の化合物を含むことができる。
【0099】 2次的な結合反応は、バイオ−アッセイ装置のMBLで起こる。溶液における
リガンドは、結合層の抗リガンドと接触する様に、バイオ−アッセイ装置内で輸
送される。溶液における前記リガンドの濃度は変化し、そして10-1M,10-2 M,10-3M,10-4M,10-5M,10-6M,10-7M,10-8M,10-9
,10-10 M,10-11 M,10-12 M,10-13 M,10-14 M,10-15
,10-16 M,10-17 M,10-18 M,10-19 M,10-20 Mから成ること
ができる。結合の様な相互作用が、リガンドと抗リガンドとの間で起こるとき、
前記リガンドは結合現象の化学平衡特性によって指示される様に、任意に結合層
の一部に成る。
【0100】 MBLは結合リガンドを含み、そして溶液の分子もまた含むことがある。前記
の結合リガンドは、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸、及び本明細書で論じた
他の分子の全てを含む、いずれかの分子であることができる。更にMBLは結合
表面層への抗リガンドの結合を保護するためにリンカーを含むことがある。 更に、リガンドとの抗リガンドとの相互作用は、抗リガンドのみが付着した結
合層の特徴的な誘電特性を変化させる。例えば、抗リガンドAが結合層を形成す
る抗リガンドであるならば、伝送ラインに沿って伝搬する検査シグナルの誘電応
答は、抗リガンドAの構造の特性を反映するだろう。リガンドBが抗リガンドA
に結合するとき、結合層の構造及び/又は誘電特性は、BへのAの結合により変
化するだろう。Aの構造は、Bがそれに結合したときに変化することがあり、そ
れによって異なるシグナル応答を提供する。結合の相互作用によるシグナルにお
ける変化は、Bに対するAの結合の特徴であるだろう。従って、結合の相互作用
の存在は、前記シグナルの変化から決定することができる。
【0101】 更に、結合の型あるいは結合での、構造的な及び/又は配置の変化についての
情報を、相互作用により変化したシグナル応答の一部を注目することによって得
ることができる。リガンドBを、抗リガンドAへのその結合におけるシグナルの
変化によって任意に検出し、そして同定する。抗リガンドAへのリガンドBの結
合は抗リガンドA及びその近接における、構造の変化、又は分子構造若しくは周
りの溶液における他の変化を引き起こす。これらの変化はMBLの誘電特性を変
え、それによって信号経路に沿う、試験信号伝搬の信号応答を変える。試験信号
における変化は、リガンドBの結合イベントを検出するために使用することがで
き、特定の変化はリガンドBを同定するために使用することができる。知られて
いる分子の構造と機能との間の関係において、例えば酵素、抗体、受容体などの
場合において、結合したリガンドの機能を、そのスペクトルの同定から推測する
ことができる。
【0102】 1つの態様において、抗リガンドの1つの型を、MBLを形成するために結合
表面に適用することができ、リガンドは2つの分子の間の結合イベントを検出す
るためにMBLを通過して適用される。別の態様において、抗リガンドは混合物
であることができ、そして結合層伝いに適用されるリガンドは知られている検体
又は抗体である。前記のシグナル応答における特異的な変化を検出することによ
って、抗リガンドと相互作用する特定のリガンドは、リガンド又は抗リガンドに
おいて導入される、構造的な及び他の変化、及びそれらに由来するスペクトル応
答により検出することができる。その様な態様は、各々の特定の抗リガンドの空
間的な分離を必要としないが、むしろスペクトルの応答に由来する特異性の所望
のレベルを導き、その結果、与えられる結合の相互作用は、起こった結合現象の
アッセイの一部を注目することよりもむしろ、電磁的な応答を見ることによって
決定される。
【0103】 別の態様において、抗リガンドは、結合層上の既知の分子であることができ、
そしてリガンドは未知の混合物、例えば血液全ての試料としてバイオ−アッセイ
装置伝いに適用される。この場合において、特定のリガンド、例えば血液中の抗
体の存在は、シグナルがバイオ−アッセイ装置に流されることによって生じるス
ペクトルにおける特定のシグナル及びピークの存在又は不在によって検出される
。あるいは、リガンドの結合での、抗リガンド又はリガンドにおけるスペクトル
の変化により、それを検出することができる。その様な態様は、前記シグナルが
結合現象の性質についての情報を含むため、結合の化学的性質単独よりも検出の
特異性を増大する。従って、特異的結合は、非特異的結合以上に識別することが
でき、そして検出の全体の特異性は、化学的性質のみの特異性より、大幅に向上
することができる。
【0104】 バイオ−アッセイ装置の使用を通して形成した検出のシステムは、検出がリア
ルタイム内で任意に起こり、そして多くの試料を直ちに解析することができるの
で、大量検出システムを提供する。応答期間はナノ秒規模でモニターされる。前
記の分子が互いに結合するとすぐに検出が起こる。低濃度、又は低い結合親和性
による分子間の結合現象を測定するために、より多くの時間が任意に要求される
。拡散速度によって、実際の時間が任意に制約される。これらの潜在的な制約と
は別に、幾千もの化合物がとても速く、例えば1時間以内に本システムを通して
任意に流される。例えば、チップ製造技術を用いることで、10,000のチャ
ンネル装置(新たな微流体工学のいくつかを用いる)が可能となり、そして、小
容量及びそれによる短い拡散時間、並びに反応の開始のみを測定する運動測定値
と供に、1時間あたり1000万の試料が任意に測定される。知られた濃度によ
り、結合親和性が運動性単独から、任意に算出され、そしてそれにより前記装置
は非常に速い時間規模で調べることができ、そして親和性が算出され、そして/
あるいは運動曲線の傾きから見積もることがある。運動性及び親和性のための参
考文献は、あらゆる標準的な生化学又は化学のテキスト、例えば Mathews and v
an Holde, Biochemistry, Bejamin Cummings, New York, 1990において見出すこ
とができる。 C.生物−電気的インターフェース 本生物電気インターフェースは、MBL及びシグナル経路がそれに沿って形成
される構造である。上述した様に、シグナル経路は導電性又は誘電性の導波管構
造、2つの導体構造、例えば従来のシグナル/接地面構造、又は当業界で知られ
ている3又はそれ以上の導体構造から成ることができる。一般に、シグナル経路
の導電性領域の厚さは最小の信号損失を提供するために設計される。例えば、金
の伝送ラインの典型的な厚さは0.1〜1000μm程度の、好ましくは約1〜
10μmである。
【0105】 前記シグナル経路は、MBLに対して非直交である方向に沿って形成される。
1つの態様において、MBLが形成する表面上の接線に検査シグナルは平行に伝
搬する。他の態様において、検査シグナルはMBLの結合表面に対して±1°,
±2°,±3°,±4°,±5°,±10°,±15°,±20°,±30°,
±40°,±45°,±50°,±60°,±70°,±80°、又は±85°
の角度、又はそれらの間のいずれかで伝搬することができる。第1の態様におい
て、本シグナル経路は2つの導体構造における伝送ラインから成り、そしてシグ
ナル経路の方向は、電磁気の業界において知られているポインチングベクトルに
よって定められる。第2の態様において、生物電気的インターフェース領域に沿
って連続的に伸びる、導電性の領域又は層から本伝送ラインは成ることができる
。第3の態様において、所望の作用周波数範囲にわたり生物電気インターフェー
ス伝いにてシグナル損失の最低の量を有する経路として、本シグナル経路を定義
することができる。第4の態様にいて、3mhos/m超のa.c.導電率を有する、す
なわち食塩水溶液を超える、典型的には5mhos/m超の、しかし理想的に100
〜1000mhos/mの範囲内、及びそれ以上の導電率を有するとして、本シグナ
ル経路と定義することができる。 生物−電気的インターフェースの運転は、前記インターフェースのための等価
回路モデルを開発することで、より理解することができる。提示した等価回路モ
デルを2つの導体回路トポロジーにおいて示すが、回路設計業界の者は、それぞ
れが単一の導体導波管トポロジー、共振回路トポロジー、及び3又はそれ以上の
導体を持つ回路トポロジーにおてい実行することができることを直ちに認識する
だろう。
【0106】 図4Aは、図2Aに示した生物電気インターフェース構造のための、等価回路
モデル420の1つの態様を図解する。回路設計業界の者は、図解した回路モデ
ルが完全ではないこと、及び他の等価回路モデルが図2Aの生物−電気的インタ
ーフェースに由来することがあることを認識するだろう。
【0107】 図解した前記等価の回路モデルは、直列ブロック422a,424a、及び4
26aを含み、これは全て図2Aに示した様に、インターフェース伝送ライン2
32,MBL234、及び溶液260の直列電気的効果をそれぞれ表す。インタ
ーフェース伝送ライン、MBL、並びに溶液回路ブロック422a,424a、
及び426aは、前記インターフェース伝送ライン、前記MBL、及び前記溶液
がそれぞれ、前記インターフェースに沿って、可能な縦のシグナル経路を提供す
るので、平行にカップリングしている。前記のMBL及び溶液が接地面に、きわ
めて近接に位置する場合の代わりの態様において、等価回路モデル420のイン
ターフェース伝送ライン及び接地面は交換される。前記のMBL及び溶液が、イ
ンターフェース伝送ライン及び接地面の両方に、きわめて近く位置する場合の態
様において、図2Aは等価回路の上半分を表し、同一の溶液及びMBLを使用す
るならば、その下半分は同一である。
【0108】 等価回路モデル420は、更に分路(シャント)回路ブロック422b,42
4b、及び426bを含み、これは図2Aに示した誘電層240,MBL234
、及び溶液260をそれぞれ表わす。分路ブロック422b,424b、及び4
26bの直列配向は、MBL、溶液、及び誘電層を通してインターフェース伝送
ラインから、接地面、図2Aに示した配置へと直列的に起こる、これらの各エレ
メントの物理的な配置から生じる。
【0109】 図4Bは、図4Aに示した等価回路モデルに相当する回路430の1つの態様
を図解する。回路設計の業界の者は、他の回路配置が可能であることを、直ちに
認識するだろう。直列回路ブロック422a,424a、及び426aのそれぞ
れが、直列にカップリングした抵抗器及び誘導子から成る。分路回路ブロック4
22b,424b、及び426bそれぞれが平行−カップリングの抵抗器及びコ
ンデンサーから成る。直列抵抗器Rt,Rm,Rsは、インターフェース伝送ラ
イン、MBL、及び溶液の固有抵抗のインダクタンスをそれぞれ表す。分路抵抗
器Rm′,Rs′,Rdは、MBL、溶液、及び誘電層の固有抵抗それぞれ表す
。直列誘導子Lt,Lm,Lsは、インターフェース伝送ライン、MBL、及び
溶液をそれぞれ表わす。分路コンデンサーCm,Cs,Cdは、MBL234、
溶液260、及び誘電層240のキャパシタンスをそれぞれ表わす。集合的に、
前述した抵抗器、誘導子、及びコンデンサーは出力信号Voに入力信号Viを変
換する回路430を定義する。
【0110】 MBLの誘電特性は、これらの層のそれぞれに相当する回路素子の価値を主に
決定する。例えば、図4Bに図解した態様において、MBLの磁化率は分路キャ
パシタンスCmの値を主に定義する。更に、MBLの分散特性は、分路抵抗性R
m′を主に定義する。Cm及びRm′の値は、生物−電気的インターフェースの
シグナル応答の有意な値を定義する。従って、生物−電気的インターフェースの
シグナル応答は、MBLの誘電特性の強い特徴であり、以下に記載する、分子結
合現象の検出及び同定のために使用することができる。
【0111】 溶液260が水溶液である場合の態様において、それに関係する誘電特性は、
インターフェース伝送ラインに沿うシグナル伝搬に不利である。具体的に、水及
び他の高度に水溶性の溶液、例えば全血液は、相対的に高い抵抗Rs及び相対的
に低い抵抗Rs′、並びにスペクトルのある領域における電磁的放射に関する吸
収特性を示す。これらのパラメーターの大きさが、インターフェース伝送ライン
に沿う、非常に高いシグナル損失を生じる。本発明のインターフェース伝送ライ
ンと、溶液との間の位置は、絶縁形態を提供するか、又は他にシグナル及び溶液
のカップリングを調節し、それによってシグナル損失を調節し、そしてシグナル
伝搬の他のパラメーターを変化させる。
【0112】 図4Cは、図2Bに示した生物−電気的インターフェース構造のための、等価
回路モデル450の1つの態様を図解する。回路設計の業界の者は、図解した回
路モデルが外部に存在しないこと、及び他の等価回路モデルが図2Bの生物−電
気的インターフェース由来であることがあることを認識するだろう。
【0113】 図解した等価回路モデル450は直列の、及び分路の回路ブロック452a及
び452bを含み、これらは電気的にインターフェース伝送ラインを表す。等価
回路モデル450はまた、MBL回路ブロック454と、それに直列にカップリ
ングした溶液回路ブロック456を含み、これは電気的にMBL及び溶液を表わ
す。上文で説明した様に、直列及び分路ブロック452a及び452bの配置は
、従来の伝送ライン構造を規定する。更に、MBL及び溶液の回路ブロック45
4及び456の直列的な配列は、インターフェース伝送ラインから、MBLを通
して、溶液へと伸びる信号界線分に由来し、この配置を図2Bに示す。代わりの
回路モデルは、代わりに接地面にきわめて近接している、又はそれらの位置に加
えて、インターフェース伝送ラインに近い、MBL及び溶液を使用する上文のバ
イオ−アッセイ装置であることができる。
【0114】 図4Dは、図4Cに示した等価回路モデルに相当する回路470の1つの態様
を図解する。回路設計の業界の者は、他の回路配置が可能であることを容易に認
識するだろう。直列及び分路の回路ブロック452a及び452bは、集合的に
インターフェース伝送ラインのための従来のモデルを表す。MBL回路ブロック
454は、インターフェース伝送ラインと、溶液回路ブロックとの間にカップリ
ングし、そして、1つの態様において、平行にカップリングしたコンデンサーC
m、抵抗器Rm及び誘導子Lmから成る。集合的に、前述した抵抗器、誘導子、
及びコンデンサーは、入力シグナルViを出力シグナルVoへ変換する回路47
0を規定する。
【0115】 上文で説明した様に、MBL及び溶液の誘電特性は各電気的な素子の値に作用
するだろう。特に、MBLの磁化率及び他の誘電特性は、Lmの値を強力に規定
し;そしてMBLの分散特性並びに導電性及び他の誘電特性は、Rmの値を有意
に決定するだろう。従って、生物電気インターフェースのシグナル応答は、MB
Lの誘電特性の強力な特徴であり、そして以下で更に記述するように、分子の結
合現象を検出及び同定するために使用することができる。
【0116】 D.特定の態様 図5A〜5Gは、2つの導体回路トポロジーにおいて使用される生物電気イン
ターフェースの特定の態様を図解する。回路設計の業界の者は、それぞれが単一
の導体導波管トポロジー、及び3又はそれ以上の導体回路トポロジーにおいて使
用されうることを容易に認識するだろう。 各態様はシグナル面520、誘電層530、及び接地面550から成る。シグ
ナル面520、接地面550又はその両方にカップリングするのは、MBL51
5及び溶液510である。各態様において、MBL515はインターフェース伝
送ライン520と直接接解するか、又はそれにカップリングするかのどちらかで
あることができる。シグナル面520がMBL515と直接接触する場合、シグ
ナルの伝搬を支持し、そしてタンパク質、核酸、炭水化物、酵素など、リガンド
を接着する、その両方が可能な材料からそれらは形成される。その様な材料は、
限定しないが、金、ITO、銅、銀、亜鉛、スズ、アンチモン、ガリウム、カド
ミウム、クロム、マンガン、コバルト、イリジウム、プラチナ、水銀、チタニウ
ム、アルミニウム、鉛、鉄、タングステン、ニッケル、タンタル、レニウム、オ
スミウム、タリウム、又はそれらの合金を含む。使用することができる他の材料
は当業者に容易に理解されるだろう。
【0117】 誘電層530は、空気、ポリイミド、テフロン、網状絶縁性材料、例えば二酸
化ケイ素又はヒ化ガリウム、あるいは他の絶縁性材料から成ることができる。誘
電層530の厚さ及び誘電定数は、当業界で知られた、所望の伝送ラインインピ
ーダンスを提供するために選択される。溶液510はあらゆる輸送媒体、例えば
ダルベッコリン酸緩衝塩溶液(d−PBS)であり、これは目的の分子構造物を
提供する。関心のタンパク質、核酸、又は他のリガンドは、ウィッキング、ピペ
ッティング、又は毛細管作用を通してなど、様々な技術を用いて生物−電気的イ
ンターフェースに付着することができる。
【0118】 図5A及び5Bは、マイクロストリップ回路トポロジーにおいて表わされるイ
ンターフェースの断面図を図解し、ここで溶液510、及びMBL515は、イ
ンターフェース伝送ライン520の上下及び下方にそれぞれ位置する。図5C及
び5Dは、溶液510及びMBL515が、それぞれ接地面550の上方及び下
方に位置するインターフェースの断面図を例示する。
【0119】 図5Eは共面導波管トポロジーにおいて表されるインターフェースの断面図を
図解する。この態様において、溶液510及びMBL515は、インターフェー
ス伝送ライン530の上方に位置している。あるいは、溶液510及びMBL5
15は、インターフェース伝送ライン530の下方に、又は、1若しくは複数の
共面接地面550の上方若しくは下方に位置することができる。図5下はストリ
ップ線路回路トポロジーにおいて表されるインターフェースの断面を図解する。
この配置において、溶液510及びMBL515は、インターフェース伝送ライ
ン530の上方に位置する。他の態様において、これらの層は代わりに、又は更
にインターフェース伝送ライン530の下方、あるいは1又は複数の接地面55
0の上方又は下方に位置することができる。
【0120】 図5Gは同軸回路トポロジーにおいて使用される、生物−電気インターフェー
スの1つの態様を図解する。キャビティー570を有する第1絶縁体530aは
、インターフェース中心導体530の周りの境界線を示す。MBL515はイン
ターフェース中心導体530の覆われていない部分に最も近接して位置している
。第2絶縁体540bは、外部導体550と第1絶縁体540aの間に提供され
、そして溶液510が存在するキャビティー570を形成する、外部導体550
の周りの境界線を示す。第1及び第2絶縁体530a及び530bの、半径及び
誘電特性は、同一は異なる値であることができ、そしてそれぞれ、所望の回線イ
ンピーダンス及び試験信号の周波数範囲以上の、必要な測定感受性を提供するた
めに選択される。代わりの態様において、MBL515は外部導体550のきわ
めて近接に位置する。この態様において、第2絶縁体530bはMBLを、前記
外部導体にきわめて近接して形成させるためのキャビティーを含み、そして前記
の第1絶縁体は、中心導体320を完全に制限する。更に代わりとして、MBL
515及び溶液外部導体の外側に位置することができる。
【0121】 生物−電気的インターフェースは適用に依存する様々な形状において製造され
ることがあり、例えば正方形、長円、方形、三角形、円形、又はそれらの一部で
あり、あるいは不規則な幾何学的形状、例えば皮下注射針の穴に合うものである
。生物−電気的インターフェースのサイズは適用に依存して変化し、そしておよ
そ10m2 ,1m2 ,10-12 ,10-22 ,10-32 ,10-42 ,10 -52 ,10-62 ,10-72 ,10-82 ,10-92 ,10-10 2 ,1
-11 2 ,10-12 2 、又はそれらの間のいずれかで変動するサイズを有す
るだろう。生物電気インターフェースを針の穴程度に小さいものに合うように製
造することができる。前記インターフェースは他の診断上の適用、例えばプロテ
オミクスに適応するために、択一的に改良されることがある。生物電気インター
フェースのサイズ又は形状は、シグナル伝搬及びそれらに沿う分子結合が可能で
あることだけを必要とする。
【0122】 V.測定方法論 A.一般概念 本発明の測定方法論は、莫大な数の分子がその固有の誘電特性、例えば分散効
果、共振効果及び当該分子の周囲の溶液に対する効果に基づき別のものと区別で
きるという観点を利用する。本発明において、検査シグナルがMBLにカップリ
ングすると、このMBLは検査シグナルのエネルギーと相互作用し、固有のシグ
ナルの応答を供する。この固有のシグナル応答がMBLを構成する分子を検出及
び同定するために利用されうる。
【0123】 当業者はほとんどの分子が周波数が変わると誘電特性の変動を示すことを理解
するであろう。例えば、ある分子は1又は複数の電磁スペクトル領域において周
波数の関数としてその誘電特性における劇的な変化を示しうる。この分子が劇的
な誘電変化を示す周波数バンドは往々にして分子の分散レジム(regime)
と称する。このようなレジムにわたり、分子の誘電定数、誘電率、ダイポール及
び/又はマルチポールモーメント、並びに感受性は周波数の関数として劇的に変
化するであろう。このような数値は往々にして複雑であり、シグナル応答におい
て生ずる大きさの変化及び位相変化の双方に起因する実体部分及び虚像部分の双
方を有する。この分散レジムは様々な周波数、RF、マイクロ波、ミリメーター
波、遠赤外及び赤外周波数等に及んでいる。
【0124】 分子の誘電特性は検査シグナルを分子にカップリングさせ、そして得られるシ
グナルを観察することにより観察できる。検査シグナルがこの分子の分散レジム
内の周波数、特に共振周波数において分子を励起すると、この分子はシグナルと
強く相互作用し、そして得られるシグナルはその実測増幅及び位相において劇的
な変動を示し、かくして固有のシグナル応答が生ずる。この応答を結合した分子
構造体の検出及び同定に利用することができる。更に、ほとんどの分子は同じ又
は異なる周波数バンドで様々な誘電特性を示すであろうため、各々は分子構造を
同定するのに利用できる固有のシグナル応答を発生せしめる。
【0125】 分子結合現象の検出及び同定は誘電特性を分子レベルにおいて検出及び測定す
ることにより成し遂げることができる。分子レベルでの誘電特性は分子のマルチ
ポールモーメントにより規定でき、そのポテンシャルエネルギーは当業界に公知
の通りの無限数列として表わすことができる:
【数1】
【0126】 この無限数列は多重項から成り、各々は電気電場、磁場又は電磁場の存在下で
の分子の誘電特性の度合いの変化を表わす。第一項はモノポールモーメントと称
され、そして分子上の総電荷により生ずる静電ポテンシャルエネルギーのスカラ
量を表わす。第二項又は「ダイポールモーメント」はベクトル量であり、3通り
の自由度から成る。第三項又は「クアドロポールモーメント」は第二ランクのテ
ンソルであり、そして9通りの自由度にわたる分子応答を表わす。一般に、N番
目の項は第N−1ランクのテンソルであり、3N-1 通りの自由度を有するが、対
称性が自由度の総数を小さくしうる。理解できる通り、高次元のモーメントは分
子の誘電特性についての一層詳細な情報を供し、それ故分子の固有誘電徴候をよ
り多く供する。なぜならポテンシャルの勾配が電場を供するからである:
【数2】
【0127】 高次元のモーメントの馬力は距離の関数として急降下し、それ故その要因を測
定することは難しい。例えば、ダイポールモーメントに基づく場はr-3で低下し
、そしてクアドロポールモーメントに基づく場はr-4で低下する。かくして、こ
のアプローチは結合分子と検査シグナル経路との間での近似並びにそれらの間で
の低シグナル損失を要する。分子結合現象の検出は強いシグナル吸収溶液、例え
ば全血試料又はイオン溶液内で往々にして起こるため、結合現象とシグナル経路
との間でのシグナル損失はかなり大きくなり、そして高次元モーメントの検出は
極めて困難となる。
【0128】 更に、各々のマルチポール項は様々な態様で電場にカップリングする。これは
まず所定の静電システムのエネルギーを探すことにより実証される:
【数3】 静電ポテンシャルをTaylor数列で展開する:
【数4】
【0129】
【数5】 であるため、
【数6】
【0130】 更に、外部場の場合、∇・E=0のため、
【数7】 となる。
【0131】 これを上記のエネルギー式に挿入すると、
【数8】 となる。
【0132】 これは各々のマルチポール項がどのように質問場(interrogatin
g field)と相互作用するかを示す。総電荷qとポテンシャル;ダイポー
ルpと電場;クアドロポールQijと電場勾配、等。これは、高次元マルチポー
ルモーメントの検出による2番目の困難性を示す。高次元モーメントをカップリ
ングさせるのに十分な場勾配を達成することはバルク試料では困難である。
【0133】 本発明は前述の生物電気インターフェースを含ませることにより上記の障害を
解消する。このインターフェースはシグナル経路伝いにカップリングされたMB
Lを含む。このMBLは非常に薄く、且つ高度に不均質な層(誘電性の観点から
)から成り、かくして電磁的なプロービングされる構造との必須の近似性及び高
次元のマルチポールモーメントにカップリングされるのに十分な場勾配を供する
。このような量は、分子の誘電特性の大いに向上した調査を担うより高次元なモ
ーメントの検出を可能にする。MBLをシグナル及び/又は接地面により近づけ
て配置することは、その上で伝搬されるシグナルが溶液の中へと吸収されること
から孤立させ、それ故シグナル損失を小さくし、そして結合現象をより正確に検
出及び同定するためにより高度の検査周波数を利用することを可能にする。この
ようにして、本発明は分子のダイポール及び他の高次元なマルチポールモーメン
トに由来する要因を含む回復又はシグナル応答の度合を著しく高める。
【0134】 本発明の記載のバイオアッセイ装置を利用し、MBLに係る数多くの特性が検
出されうる。図6Aは本方法の一の態様を示す。まず、工程602においてMB
Lがシグナル経路伝いに形成されてカップリングされる。記載の通り、MBLは
リガンド、抗リガンド/リガンド複合体等から成っていてよく、そしてシグナル
経路と直接もしくは間接的に物理接触しているか、又は電磁気的にカップリング
されている。このシグナル経路は二導体送伝トポロジーでシグナル面又は接地面
から成っていてよい。
【0135】 次に、工程604において、検査シグナルをシグナル経路伝いに伝搬する。こ
の検査シグナルは任意の周波数、例えば10MHz のシグナル周波数又は45MHz
〜20GHz の周波数域の任意の時間変動シグナルであってよい。次に、工程60
6において、検査シグナルはMBLにカップリングし、そして応答してこのカッ
プリングに対するシグナル応答を発生する。次にこのシグナル応答を回収し、そ
して分子結合層の1又は複数の特性としての情報を提供する。
【0136】 このバイオアッセイ装置はMBLの莫大な数の特性、例えば分子結合現象、リ
ガンド濃度、MBLの誘電特性の変化、検出される結合現象の分類、等の検出及
び特定についての情報を供するのに利用できうる。更に、このバイオアッセイ装
置は使用現場での品質管理及び精度に有用な自己較正能力を含む。記載の方法及
び構造により、改良及び更なる用途は当業者に明らかとなるであろう。
【0137】 溶液中の分子のダイポール、クアドロポール及び高次元マルチポールモーメン
トを検出及び測定する能力は数多くの理由により当業界における有意な進歩を担
う。最初に、数多くの注目の生物医療分子、例えばタンパク質は著しく異なる構
造を有し、それ故異なるマルチポールモーメントを有する。かくして、一定の分
子についてのマルチポールモーメントの同定は固有である当該分子の特性を示し
、それ故この分子の同定を可能にする。第二に、構造及び機能は生物医療関連の
多くの分子、例えばタンパク質に密接に関係する。従って、一定の分子のその機
能に直接関係する特性を検出する能力とは、その機能が活性全体のためにモニタ
ーされうることを意味する。第三に、局部的な生理環境は往々にして一定の分子
の構造及び機能において重要な役割を果たし、従って上記の物理特性を検出する
能力とは、その分子が一定のシステムにおける変化を測定することを目的とする
モニター及びプローブとして利用できうることを意味する。従って、分子及び細
胞システムについての複雑且つ情報性の特性を検出可能な電子データーフォーマ
ットに翻訳する能力により、本明細書において論ずる分野における新たな可能性
が出現する。
【0138】 B.結合分子構造の検出 本明細書に記載のバイオアッセイ装置はシグナル経路伝いで生ずる分子結合現
象の検出を可能にする。検出可能な結合現象には一次、二次及び高次元結合現象
が含まれる。例えば、予め存在するMBLがない二導体生物電気インターフェー
スでは、導性層の分子がリガンドに対する結合のための抗リガンドを構成し、リ
ガンドがMBLを形成するであろう。別の態様において、抗リガンド及びリガン
ドの双方がMBLの中に含まれている。この態様では、図1Dに示すように、M
BLはリンカー、マトリックス分子、絶縁層又は各々の組合せを介してシグナル
経路表層に付加されている。
【0139】 図6Aはこの工程の一の態様を示す。まず工程602において、シグナル経路
は所望の作動周波数でのシグナルの伝搬を助けることのできる材料から形成され
る。このシグナル経路は本明細書に記載のバイオアッセイ装置のいずれかにおけ
る単一のポート経路、二ポート経路、又はマルチポール経路から成っていてよい
。更に、このシグナル経路は伝送ライン、共振キャビティ又は導波管構造として
具現化できうる。
【0140】 次に工程604において、対象の分子又は分子構造体を含む溶液を用意する。
工程606では、リガンドから成るMBLを溶液から形成させ、そしてこのシグ
ナル経路の少なくとも一部と溶液との間にカップリングさせる。次に工程608
において、検査シグナルをシグナル経路伝いに伝搬させる。他方、この検査シグ
ナルを溶液の適用の際にランチングさせ、結合現象の結果として生ずるシグナル
応答をリアルタイムで観察できるようにする。工程610では、検査シグナルを
伝搬し、MBLにカップリングさせ、そしてリガンドの存在を示すシグナル応答
を発生させる。次に工程612及び614において、検査シグナルを回収し、そ
の応答はリガンドの検出を示す。
【0141】 MBLの誘電特性は任意の数のシグナル応答の誘導に寄与し得、各々は分子結
合の指標となりうる。例えば、MBLの分散特性は周波数で劇的に変動しうる。
この場合、検査シグナル応答は、分子結合現象が結合表層伝いにおいて生ずると
増幅度及び/又は位相応答において大きな変化を示し、それ故結合表層伝いの分
子結合現象の検出のための手段を司る。
【0142】 別の態様において、MBLの誘電緩和特性は入力シグナルのパルス時間の関数
として変動するであろう。この場合、検査シグナルは特定のパルス時間での又は
その付近での吸収されたパワー値の変化、又は位相もしくは増幅度の如き検査シ
グナルのいくつかのその他のパラメーターの変化を示すであろう。吸収されたパ
ワー又はその他のパラメーターの変化を観察することにより、結合表層伝いの結
合現象が検出されうる。その他の量、例えば特徴的なインピーダンス、伝搬速度
、増幅度、位相、分散、損失、誘電率、成受性、周波数及び誘電定数も分子結合
現象の考えられるインジケーターである。
【0143】 上記の方法はシグナル経路伝いの直接又は間接的な抗リガンド又はリガンドの
一次結合の検出に利用できうる。同様に、図6Aの方法は抗リガンドに対するリ
ガンドの二次結合の検出のためのも利用できうる。図6Aはシグナル経路伝いに
生ずる一次又は二次結合現象の検出に制約されない。事実、シグナル経路伝いに
又は溶液中に懸濁されて生ずる三次及び高次元結合現象もこの方法を利用して検
出できる。
【0144】 図6Bはシグナル経路伝いに生ずる二次及び高次元結合現象を検出するための
第二の方法を示す。最初に、工程602において、一次結合現象を検出し、そし
てシグナル応答を測定する。その一の態様を工程602〜612に示した。次い
で工程622において、一次結合現象シグナル応答を保存し、そして基底応答と
して利用する。次に工程624において、第二分子溶液をこのバイオアッセイ装
置に加え、そして結合表層の上で循環させる。次に工程626において、図6A
の工程608〜612を繰り返して第二シグナル応答を得る。次に工程628に
おいて、この第二シグナル応答及び基底応答を対比させる。わずかな変化又は変
化なしは2つのシグナル応答が極めて近いことを示し、MBLの構造及び誘電特
性は新しい溶液内の分子の添加によって改変されていないことを示唆する。この
場合、二次結合は有意に起きていない(工程630)。もしその対比が所定域外
の変化をもたらしたなら、MBLの構造及び/又は誘電特性は改変しており、そ
れ故二次結合現象が示唆される(工程632)。二次結合現象を示唆するのに利
用される量は上記の量、例えば増幅度、位相、周波数、分散、損失、誘電率、成
受性、インピーダンス、伝搬速度、誘電定数及びその他の因子を追随するであろ
う。三次又は高次元結合現象がこのアプローチにより検出されうる。
【0145】 二次又は高次元結合現象を検出する別の方法は特定の一次結合現象の予備知識
を必要としない。この態様において、このバイオアッセイ装置はアッセイ開発段
階において既知のパラメーターで作動するようにデザインされており、従って例
えば使用現場においてたとえこのようなパラメーターのいずれかの予め規定され
た変化が検出されようとも、1又は複数の結合現象が起きたかどうかはわかるよ
うになる。この態様において、一次結合現象の予備測定は必要ではなく、なぜな
ら作製時又は設計時において初期特性決定が既になされているからである。
【0146】 二次結合現象は一次結合分子の構造の変化を検出することによっても成し遂げ
られうる。分子が結合すると、それは未結合状態と比べてその分子構造内でのコ
ンホメーション又はその他の変化を受ける。このような変化は一次結合分子の誘
電特性に影響を及ぼし、また周囲の溶液の変化を誘導する。その変化は上記の図
6Bの工程620〜628を利用して検出できる。一次結合分子の誘電特性の変
化を指標するようにモニターできうる量には、前述の量、例えば増幅度、位相、
周波数、分散、損失、誘電率、成受性、インピーダンス、伝搬速度、誘電定数及
びその他の因子が挙げられる。
【0147】 C.分子結合層の誘導特性の変化の検出 本明細書に記載のバイオアッセイ装置は温度、pH、イオン強度等の変化の結合
としてのMBLの誘電変化の測定にも利用できる。
【0148】 図6Cはこの方法の典型的な態様を示す。この方法は結合現象を同定するため
の開示方法に密接に追随するが、但しこの方法はMBLの誘電特性の変化の検出
及び定量を可能にする。
【0149】 この方法は初期誘電特性を有する溶液をこのバイオアッセイ装置に加えると工
程641から始まり、シグナル応答を測定して記録する。一の態様において、こ
の工程は工程602〜612に従って実施する。所定の時間又は操作の後、ここ
でも一の態様では工程602〜612に従い第二測定を行い、そして第二シグナ
ル応答を記録する(工程642)。工程643で、第一と第二シグナルとの対比
を行い、2つのシグナルが所定の範囲内で相関するかを決定する。もしそうなら
、この溶液の特性は任意の誘電変化を受けていないものと認められる(工程64
4)。
【0150】 もしシグナル応答が所定の範囲内で相関しないなら、この溶液の1又は複数の
誘電特性が変化を受けたものと認められる(工程645)。任意的に、誘電特性
の変化は以下のようにして定量化できうる。工程646において、第二シグナル
を保存し、そして既知のシグナル応答と相関させる。最も相関する応答がこの溶
液の誘電特性を特定し、そしてこの第一シグナル応答を誘電特性の初期値と相関
させることができ、その差が特定された誘電特性を変化させる値の決定のために
利用できうる(工程647)。
【0151】 D.結合分子構造の同定 記載のバイオアッセイ装置を利用して、既知のリガンドを特性決定し、次いで
未知のリガンド構成を有する溶液中のそれを同定することが可能となる。図6D
はこの方法の一の態様を示す。まず工程652において、大量の分子構造を測定
し、そしてその応答を下記の1又は複数の測定システムを利用して保存する。一
の態様において、この工程は工程602〜612に従って実施する。各々の保存
した応答は溶液内にある単一のリガンド又は同溶液内にある多重リガンドに対応
しうる。次に工程654において、測定を未知の溶液で行う。一の態様において
、この工程は工程602〜612に従って実施する。次に工程656において、
この溶液のシグナル応答を保存されたシグナル応答と対比させ、それとの相関度
を決定する。工程658において、未知の応答と最大の相関性を示す保存応答を
選択することにより同定する。対比は1又は複数のデータ点を利用して実施して
1又は複数の保存応答間での相関を決定し、そしてそれは相関を決定するための
パターン認識ソフトウェア又は類似の手段の利用を包含しうる。この方法は一次
、二次又は高次元の結合分子構造体の同定に利用されうる。
【0152】 E.結合分子構造体のクラスの同定 既知の分子サブ構造、例えば似かよったクラスのタンパク質に共通するドメイ
ンもしくはその他の構造相同性又は核酸における配列相同性を特性決定すること
も可能である。一の態様において、この方法は図6Dに示すように進めるが、工
程652で、N個の分子サブ構造を測定し、そしてその応答を保存する。各々の
貯蔵したシグナル応答は1又は複数のサブ構造に対応しうる。この方法を工程6
54,656及び658に記載の通りにして、十分な数の構造が検出され、そし
て未知の化合物と同定するために特性決定できるまで続ける。十分な数の相関が
認められたら、未知の分子構造を分類することが可能となる。
【0153】 図6Eは未知のリガンドを分類することができうるその他の方法を示す。この
方法は未知の化合物上の構造モチーフへの結合を検出することにより未知のリガ
ンドを同定する。まず、工程660において複数のアドレス可能なアレーを有す
るバイオアッセイ装置を用意する。各々のアレーは特定のリガンドサブ構造の抗
リガンドを有する。次に工程662において、特定のサブ構造の存在をその対応
の抗リガンドへの各々の結合、しかる後の特性決定により検出する。一の態様に
おいて、この工程は工程602〜612に従って実施する。次に、工程664に
おいて、各々の結合現象を親和、動力及びスペクトル応答の如き量の同定により
特性決定する。工程666において、既知と未知の応答との間での相関を行う。
未知の応答が既知の応答と相関するなら、このリガンドは既知の応答に対応する
リガンドとして同定される。このサブ構造が相関及び非相関応答の両者を示すな
ら、相関した応答を未知のリガンドのより上位概念的な分類の構築のために利用
されうる。この方法は任意の分子構造、例えば同一クラス内にある又はよく認め
られる構造相同性を有するタンパク質の同定に利用されうる。
【0154】 所定の未知の化合物の高度なスペクトル分析が構造及び機能についての検討に
誘導されることが可能であり、なぜなら既知の構造との対比を行い、そして外挿
が所定のレベルの分類を誘導されるからである。
【0155】 A.特異的、対、非特異的結合 特異的リガンド結合は非特異的結合とは結合現象のスペクトルフィンガープリ
ントにより区別できる。注目の所定の結合現象、例えば抗原に対する抗体結合は
まず注目のリガンドだけを含む精製溶液及びMBL上のこのリガンドに特異的な
抗リガンドで特性決定される。幅広いスペクトル研究を行い、いつこのスペクト
ル内で最大の応答が認められるかを調べる。次いでこのアッセイを専用の用途に
おいて一般的である溶液、例えば全血で繰り返し非特異的な結合が応答に対して
どのような効果を及ぼすかを決定する。かくて、特異的な結合の決定因子である
様々な点が見つかり、また非特異的な結合の決定因子である独立の組の点が見つ
かる。これら多点の小集団を実際のアッセイ用途のために選定する。特異的な結
合による応答と非特異的な結合による応答とを対比することにより、特異的な結
合の程度が決定できうる。
【0156】 B.一定のリガンドの特性決定 往々にして、一定の分子の所定の性質を決定することが所望される。その例に
は、タンパク質が属するクラスの決定又は一定の遺伝子もしくは他の核酸配列が
どのタイプの多形態であるかの決定が挙げられる。これは様々な方法で行うこと
ができうる。タンパク質は往々にして構造相同体の数及びタイプ、又は同一もし
くは類似のタンパク質クラスに見い出せるサブ構造により分類される。例えば、
G−プロテインは一般に細胞膜に見い出され、そして細胞外環境と細胞内環境と
の間のシグナル変換経路を媒介し、常に細胞膜を7回横断する構造を有する。か
かる構造は事実上Gプロテインに限定される。その他のタンパク質のクラスは似
たような構造相同性を有し、そしてそのため、一のクラスのタンパク質をこのよ
うな相同性に基づき別のクラスのものと区別することのできる任意の方法は多く
の生物医療研究分野において経済的に有用である。所定の分子の誘電特性がその
分子の電荷分布の幾何学形態により結合的に決定できるとすると、そして更にほ
とんどのタンパク質が固有の構造又は幾何学形態を有するとすると、各々のタン
パク質はそのタンパク質の誘電特性を測定することにより固有に測定できうる。
かくして、単純な誘電特徴、例えば本発明により構築されるものが、所定のタン
パク質の固有の同定を担うことがあり、そして更にはタンパク質のいくつかの予
め公知のタンパク質のクラスへの分類を可能にしうる。バイオアッセイ装置上で
一定のタンパク質の特定のサブ構造に特異的な一群の抗リガンドを利用すること
により更に細かい分類をこの分類方法論に付与することができうる。例えば、特
定のサブ構造、例えばドメインに特異的な抗体の群が前記サブ構造の有無の決定
のために利用されうる。かくして、任意の一定のタンパク質は所定のサブ構造の
有無及びタンパク質の誘電特性自体の双方により特性決定されうる。この分類戦
略に対する更なる細かい分類の付与は上記の特性に対する温度、pH、イオン強度
及びその他の環境的効果を見つけることを含みうる。
【0157】 核酸も似たような態様に従って特性決定できうる。例えば、一定の遺伝子は所
定の塩基対配列を有することで知られる。往々にして自然にはこの配列における
変化は少ないであろう。例えば、多くの細胞膜内の塩化物イオン輸送チャンネル
をコードする遺伝子において、一般に単一塩基対突然変異又は変化がある。かか
る変化はヒトにおいていわゆる嚢胞性線維症なる疾患を招く。従って、一定の核
酸配列を小さな変化について特性決定することは極めて重要である。かかる変化
は往々にして多形性と称され、そしてかかる多形性は現在各々の既知の多形態に
対する相補鎖の形成により検出されている。一定の遺伝子は何百又は何千もの多
形態のどれかを形成しうるため、各々の多形態に対する相補鎖を構築するのは大
変な作業である。本明細書に記載の発明を利用することで、非相補性結合又はハ
イブリダイゼーションは先の段落に記載と同じ数多くの物理特性を測定すること
により検出及び区別できうる:ハイブリダイゼーション現象の誘電特性を特性決
定し、そして既知のデーターと相関させ、これにより生じたハイブリダイゼーシ
ョンのタイプは完全に又は不完全に決定できる。かくして、一定の核酸配列から
成る抗リガンドにより、何百もの様々な多形態が(リガンドとして)結合現象の
特性決定により検出できうる。当業者は更なる改良、例えばハイブリダイゼーシ
ョンプロセスの変化のためのストリンジェンシー条件の改良、又は温度を変えて
融点を決定すること等を行うことが可能であることを理解するであろう。それら
はハイブリダイゼーションプロセスの性質の別のインジケーターを担う。
【0158】 所定の結合現象がレセプターをオンもしくはオフにするか、又は似たようにし
て、いく通りかのその他のアロステリック効果を形成するかを調べるため、薬剤
−レセプター相互作用を特性決定できうる。例えば、所定のレセプターを抗リガ
ンドとして用いてよく、そして既知の作動因子を第一リガンドとして用いてよい
。次いでその相互作用を誘電応答に従って特性決定し、そしてこの応答を保存す
る。次に、薬剤候補のためにスクリーニングする化合物を前記レセプターとの結
合特性との観点で観察する。結合して似たような誘電応答を生み出す分子はレセ
プターに対して既知の作動因子と似かよった効果を有することがわかり、それ故
作動因子である蓋然性がはるかに高くなるであろう。この態様は事実上全てのタ
イプの注目の標的−レセプター結合現象を特性決定するのに利用でき、そして結
合現象が起きたか否かだけを決定する現状の検出戦略に勝る顕著な改善を示す。
当業者は本発明を適用できる数多くのその他の結合現象があることを容易に理解
するであろう。
【0159】 上記の方法に利用されうるサブ構造の例には:タンパク質の第二及び第三構造
、例えばアルファーヘリックス、ベーターシート、トリプルヘリックス、ドメイ
ン、バレル構造、ベーターターン及び第四構造において見い出せる様々な対称群
、例えばC2 対称、C3 対称、C4 対称、D2 対称、立方対称及び20面対称〔
G. Rose (1979), Heirarchic Organization of Domains in Globular Proteins,
J. Mol. Biol. 134 : 447-470〕。分析できうる核酸のサブ構造とは:配列相同
性及び配列多形性、DNAのA,B及びZ形態、一本鎖及び二本鎖形態、スーパ
ーコイル形態、アンチコドンループ、Dループ並びにtRNA及びtRNA分子
の様々なクラスにおけるTψCループが挙げられる〔W. Saenger (1984) Princi
ples of Nucleic Acid Structure. Springer-Verlag, New York ; 及びP. Schim
mel, D. Soll and J. Abelson (編)(1979) Transfer RNA. Cold Spring Harbo
r Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.〕。
【0160】 F.濃度の定量 本明細書に記載のバイオアッセイ装置はリガンドの濃度を定量するためにも利
用できうる。図6Fはこの方法の一の態様を示す。この場合、この装置は事前較
正されておらず(工程679)、まず工程670において、測定被検物に対する
適当な結合特性、例えば結合親和か又は反応速度を有する抗リガンドを選定する
。このような特性は抗リガンドの平衡定数がその直線作用領域の中央付近にくる
ように選定する。単一の抗リガンドの利用では濃度の範囲が広すぎる用途の場合
、異なる親和力及び/又は直線作用範囲を有する複数のリガンドを使用し、これ
によりはるかに広い範囲にわたる濃度についての値が得られる。
【0161】 次に工程672及び674において、抗リガンドをバイオアッセイ装置又はチ
ップに付加し、そしてこの装置を測定システムに接続する。工程674において
、応答が最大特異性についての特性決定を必要とするかの決定を下す。もしそう
なら、被検物の結合力が最大の結合力となる周波数を決定する(工程675a)
、非特異的結合力が最大の効果を有する領域を決定する(工程675b)、及び
被検物結合力に基づく固有応答を決定する(工程675c)スペクトル分析を実
施する。特性決定が必要でないなら、又は必要なら、その完了後、この装置を較
正にかける。この工程は既知の濃度のリガンドをバイオアッセイ装置に供給し、
そして得られる応答を測定する一の態様で実施する(工程676a)。他方、較
正のためにより多くのデーター点が必要なら(工程676b)、異なる濃度を有
する試料を選定し(工程676c)、そしてこの濃度に対する応答を測定してよ
い(工程676a)。一の態様においてこの測定は工程602〜612に従って
行う。次いで工程677において、上記の応答由来の較正点を記録することによ
り外挿アルゴリズムを作製する。次に工程678において、未知のリガンド濃度
の試料を測定する。この工程は未知の試料をバイオアッセイ装置に供給し、力価
検定アルゴリズムに対する応答を換算し、そしてそれからリガンド濃度を決定す
ることによる一の態様で成し遂げられる。
【0162】 所定のバイオアッセイ装置が事前較正されているか、又は設計により較正され
ている場合、必要とされる唯一の工程はリガンド又は被検物を表層に適用し、そ
して応答を測定することにある。かかるバイオアッセイ装置は様々な態様で具現
化されうる。例えば、いくつかの回路パラメーター、例えばインピダンス又は共
振回路の特徴的な周波数を結合現象が起きるときに所定通りに変化するように設
計してよく、そしてパラメーター変化の値は用量応答性を有するよう更に設計し
てよい。かくして、かかる回路パラメーターの測定は、適当なアルゴリズムを介
して分析すると、所定の被検物又はリガンドの濃度についての定量値を供するで
あろう。
【0163】 G.バイオアッセイ装置の自己較正 記載のバイオアッセイ装置は自己診断能力、それ故現場使用品質管理及び保障
を有する。一定の目的とする用途の場合、特定の抗リガンド(第一結合物質)は
溶液中の注目の一定のリガンド(第二結合物質)に対する抗リガンドとして働く
であろう。この第一結合物質は作製時に付加してよく、そして第二結合物質は現
場で付加してもよい。かくして、作製時の変動(特に第一物質の付加)は装置の
その特異的なリガンドへの結合能力の変動を及ぼすであろう。しかしながら、結
合するリガンドの量は抗リガンドの結合量と正比例し、それ故その二者の比率測
定が可能となる。
【0164】 図6Gはこの方法の一の態様を示す。最初に工程680において、シグナル経
路伝いに様々な濃度の適当な抗体を結合させることにより分子結合表層を形成し
、そしてこれらの濃度各々についての得られる応答を特性決定し、各濃度につい
てのいくつかの値「x」を得る。次に、行程682において、このリガンドにつ
いて似たような力価曲線をいく通りかの異なるリガンド濃度についての抗体/リ
ガンド結合応答を測定することにより作製し、そしてリガンド力価曲線を事前決
定しておく。次に、工程684において、スケール係数Aを抗体結合のリガンド
結合に対する応答の比をとることにより作製する。使用時に、未較正のアッセイ
をまず試験し(工程686)、結合抗体量「x」及びそれから得られるスケール
係数「y」を決定する。次いでリガンドをアッセイに適用し、そして応答を測定
し(工程689)、そして応答及び所定の力価曲線をスケール係数「y〕により
スケール化し(工程690)、未知濃度を決定する。
【0165】 図6Fの工程は溶液中のリガンドの量を定量できるように改良してもよい。こ
の改良において、バイオアッセイ装置の結合表層は所定の親和力及びリガンド特
異性を有する抗リガンドを含む。この溶液を次にこの装置に適用し、そして応答
を測定する。このシグナル応答は結合したリガンドの量に比例するであろう。か
くして、任意の所定のリガンドの力価検定は適当な直線作用範囲で抗リガンドを
選定することにより実施できる(その平衡定数が数log 単位の所望の濃度範囲内
にある範囲を検定する)。上記と同じ比率分析を、内部コントロール及び較正が
信頼性の確保のために必要とされる丈夫で精密な定量アッセイを作り出すために
適用してよい。
【0166】 記載の方法は各々多種多様な態様(即ち、ソフトウェア、ハードウェア又は双
方の組合せ)及び様々なシステムで実施できうる。一の態様において、記載の方
法はソフトウェアプログラムとして実施できる。
【0167】 図7Aは記載の方法各々を実施するために設計されたソフトウェアプログラム
を実行するためのコンピューターシステム710の例である。コンピューターシ
ステム710はモニター714、スクリーン712、キャビネット718及びキ
ーボード734を含む。マウス(図示せず)、ライトペン又はその他のI/Oイ
ンターフェース、例えばバーチャルリアリティーインターフェースもI/Oコマ
ンドの提供用に含ませてよい。キャビネット718にはCD−ROMドライブ7
16、ハードドライブ(図示せず)又はデジタルデーターを保存及び検索するの
に利用されうるその他の保存データー媒体、及び本方法の組込まれたソフトウェ
アプログラム等が収納されている。CD−ROM716は脱着式媒体として示し
ているが、その他の脱着式タンジブル媒体、例えばフロッピーディスク、テープ
及びフラッシュメモリを使用してよい。キャビネット718には馴れ親しまれて
いるコンピューターコンポネント(図示せず)、例えばプロセッサー、メモリー
等も収納されている。
【0168】 図7Bは記載の方法の組込まれたソフトウェアプログラムを実行するのに利用
されている典型的なコンピューターシステム710の簡略システムブロックダイ
アグラムを示す。図7Aに示すように、コンピューター710はI/Oコントロ
ーラー724と任意的に相互作用するモニター714を含む。コンピューターシ
ステム710は更にサブシステム、例えばシステムメモリー726、セントラル
プロセッサー728、スピーカー730、脱着式ディスク732、キーボード7
34、固定ディスク736及びネットワークインターフェース738を含む。記
載の方法に利用するのに適当なその他のコンピューターシステムは追加の又は少
ないサブシステムを含みうる。例えば、その他のコンピューターシステムはデジ
タルデーターの処理のための複数のプロセッサー728(即ち、マルチプロセッ
サーシステム)を含みうる。矢印、例えば740はコンピューターシステム71
0のシステムバスアーキテクチャーを示す。しかしながら、これらの矢印740
はサブシステムをリンクするのを司る任意のインターコネクションスキームの代
表例である。例えば、セントラルプロセッサー728をシステムメモリー726
に接続するのにローカルバスを使用してよい。図7Bに示すコンピューターシス
テム710は本発明に利用するのに適当なコンピューターシステムの一例にすぎ
ない。本発明に利用するのに適当なサブシステムのその他の形態は当業者に容易
に明らかとなるであろう。
【0169】 V.測定システム 様々な測定システムが上記の方法を実施するために利用できうる。図8〜10
は考えられる測定システムの3つの例を示す:周波数変域検査システム、時間変
域(time domain)検査システム及び誘電緩和測定システム。
【0170】 A.周波数測定システム 図8Aは本発明に係る周波数測定システムの一の態様を示す。このシステム8
00はバイオアッセイ装置入力852にカップリングされたシグナルソース81
0及びバイオアッセイ装置出力858にカップリングされたシグナル検出器89
0を含む。任意的に、追加のシグナルソースをバイオアッセイ装置出力858に
カップリングしてよく、そして追加のシグナル検出器を検査回路入力852にカ
ップリングし、完全な2ポート測定能力を供してよい。このシステムはシグナル
検出器が反射シグナルを受容するためにシグナル経路にカップリングされた1ポ
ート検査システムへと改良してよい。特定の態様において、上記の周波数測定シ
ステムはネットワーク分析器、例えばHewlett−Packard Com
pany由来のモデルNo. 8510Cから成る。その他の高周波数測定システム
、例えばスカラネットワーク分析器を使用してよく、それは伝送及び反射シグナ
ルに基づくシグナル情報を供する。
【0171】 上記の方法論に従って測定を行った。まず、入射シグナル860を検査回路に
対してランチングし、そして伝送並びに/又は反射シグナル870及び890の
それぞれを次に回収する。得られるシグナル応答を固有の周波数応答又は「スペ
クトルフィンガープリント」の形態でとり、その2つの例を図8B及び8Cに示
す。図8Bは共振が周波数fres において生ずる一のタイプの周波数応答である
。ここで、応答870は急降下及び急上昇し、この周波数で出力ポートに達する
エネルギーはほとんどない又は有意でないことを示唆する。共振は周波数fstar t からfstopにわたって変化するMBLの誘電特性及びインピダンスにより生ず
る。異なるリガンドは異なる周波数点において共振するであろう。更に、一部の
リガンドは測定バンドfstart からfstopにわたる複数の共振周波点を示しうる
。リガンドが一旦一又は複数の固有の共振点を有するものとして特性決定された
ら、このデーターは未知の溶液中のリガンドの存在を同定するために利用できう
る。この特性決定はマルチポールモーメント及び共振周波数の実験データーから
又は理論計算から確認できる。更に、第二結合現象の存在を検出するとき、この
データーはいつ被検物が1又は複数の固有の共振点における変化によりリガンド
に結合するかを示唆しうる。
【0172】 図8Cは分子構造を検出又は同定するために利用できるその他のタイプの周波
数応答を示す。この場合、周波数応答は概して単調な上昇又は下降トレンドを示
し、若干増幅変動がある。応答の傾き及び/又は増幅変動は結合分子の検出及び
/又は固有の特性決定に利用されうる。かくして、この記載の態様で、共振周波
数点、傾き、トレンド及び検査シグナル位相の変動が分子結合現象の固有の同定
のために利用できうる。この周波数応答は入力ポート852、出力ポート858
、又は双方のポートにおいて測定され、結合分子構造が固有に同定されうる。
【0173】 図9は本発明に係る周波数測定システムの第二の典型的な態様を示す。検査中
のバイオアッセイ装置920は中央コンダクター921、キャビティー922a
を有する第一絶縁体922、第二絶縁体923、及び外部導体924を有する同
軸トポロジー(図5に示す)から成る。溶液926はキャビティー922aを占
める。むろん、その他の回路トポロジーの装置も検査できうる。
【0174】 溶液926をキャビティー922aに入れたら、この溶液926内の分子は中
央導体921の近位にてMBL921aを形成する。測定の間、シグナルソース
910は入射検査シグナル912を中央導体921にランチングする。MBL9
22aは入射検査シグナル912を調節し、そして反射検査シグナル932はリ
ガンドを同定するために利用できる固有のシグナル応答を供する。1−ポート同
軸形態は例えば皮下針構造として具現化されうる。
【0175】 B.時間変域測定システム 図10は本発明に係る時間変域測定システム1000の一の態様を示す。この
システムは検査回路入力1022にカップリングされたパルスソース1002及
び検出器1004を含む。 別の態様において、追加のパルスソース及び検出器が
出力ポート1028にカップリングされていてよく、完全な2−ポート測定能力
が供される。更に他に、このシステムは反射シグナルを受容するためのシグナル
経路にシグナル検出器がカップリングされた1−ポート検査システムを含んで成
りうる。特定の態様において、時間変域測定システムはTektronix C
orporation製の時間変域反射測定器、例えばモデルNo. 11801か
ら成る。その他の高周波数測定システム、例えば伝送及び反射シグナルパルスに
基づくシグナル情報を供する時間変域測定モードを有するネットワーク分析器を
更に使用してよい。
【0176】 時間変域測定システムにおいて入力検査シグナル1060は時間変域パルスか
ら成り、その反射部分は経時的に示されうるものである。本態様において、入射
パルス1060はアッセイ表層にしっかりとカップリングされた伝送ラインの一
部に向ってランチングする。MBLの誘電特性により、入射パルス1060の一
部は検出器1004に向って反射される。反射パルス1070はMBLの誘電特
性に特徴的な固有の形状及び/又はタイムディレーを示し、それはリガンド、抗
リガンド及び周囲の溶液の誘電特性により著しく規定される。かくして、反射パ
ルス1070のパルス形状及びディレーはリガンドの特性決定及び同定に利用で
きる。この時間変域検査システムは独立して使用するか、又は高周波数検査シス
テムと一緒に使用して、1又は複数の未知のリガンドを同定できうる。
【0177】 C.誘電緩和測定システム 当業界に周知の通り、リガンドの誘電緩和周波数は、電場を分子に適用したと
きに分子レベルの誘電特性が変化する速度である。リガンドの誘電特性に従い、
誘電緩和周波数は主に各分子に固有の構造及び結合幾何により規定される。従っ
て、一旦測定できたら、リガンドの誘電緩和周波数をその同定のために利用でき
る。
【0178】 誘電緩和周波数はリガンドが周波数でのパワーを吸収する速度を測定すること
により定量できる。図11はこの測定を行うためのシステム110の一の態様を
示す。この測定システム1100は図10に示す時間変域測定システム1100
と似ており、そして検査固定入力1122にカップリングされたパルスソース1
102及び検出器1104を含む。追加のパルスソース及び検出器が出力ポート
1128にカップリングされ、完全2−ポート測定能力を供してよい。特定の態
様において、時間変域測定システムは時間変域反射測定計、例えばTektro
nix Corporation製のモデルNo. 11801から成る。その他の
高周波数測定システム、例えば伝送及び反射シグナルパルスに基づくシグナル情
報を供する時間変域測定モードを有するネットワーク分析器を更に利用してよい
【0179】 入力検査シグナル1160は独立のパルス群から成り、各々の群は2以上の入
射パルス及び異なるパルスインターバルを有する。パルス群1162及び116
4は結合層にしっかりとカップリングされた伝送ラインの一部に向ってライチン
グする。パルス群1162が誘電緩和時間と実質的に同等なインターバルを有す
るなら(緩和周波数の往復)、MBLは以降のパルスにおいてしだいに弱まって
いくエネルギを吸収するようになるであろう。シグナル吸収の低下は入力ポート
1122又は出力ポート1128において反射応答1170で測定されうる。別
の測定量として、残留シグナルパワーを入力ポート1122又は出力ポート11
28において測定できうる。
【0180】 シグナル吸収の変化速度及び変化の起こるパルスインターバルをプロットし、
そして未知の結合分子の特性決定及び同定に使用できる。このシステムの特性は
独立して、又は上記の時間及び/もしくは周波数変域検査システムと一緒に使用
してよい。
【0181】 上記のシステム全てにおいて、当業者はかかるシステムをマイクロ波モノリシ
ック集積回路(MMIC)等の技術を利用してチップレベルにまでスケールダウ
ンできることを容易に理解するであろう。かかるミニチュア化システムは何百、
何千又は何万もの化合物を同時に検出及び測定することのできる高度に平行なシ
ステムにまで容易に拡張できる。このようなシステムは、結合現象自体により、
例えば特徴的なインピダンス、それ故伝送及び/又は反射係数を変え、又はかか
る回路のバンドパス特性を変え、そしてこれをオン/オフゲートとして利用する
ことによりスイッチされる「論理ゲート」を生み出すように構築できる。
【0182】 VI.実施例 A.実施例1:表層に対するリガンド結合の検出 ウレアーゼのITD表層に対する一次結合は図2Aに示すバイオアッセイ装置
で実証された。このバイオアッセイ装置の結合表層は化学蒸着(CVD)を介し
てITO沈着処理したカバーガラスを含んで成る。このITO伝送ラインを微細
な破砕又は亀裂がその中に含まれてないよう慎重に調べた。伝送ラインをTDR
モジュールの付いたTektronix 11801シグナル分析器で測定し、
そして32Ωの広域バンド対照インピダンスを有することが認められた。ライン
の長さは約2.6nsecであり、その結合表層は34Ωのインピダンス、及び約2
00psecの長さを有することが見い出された。上部と下部プレートとの距離は1
0mil であり、そしてチャンバーは長さ1/2″であった。側壁は使用しなかっ
た;その代わり、上部及び下部プレートの毛細管作用が溶液を固定した。
【0183】 次に、このバイオアッセイ装置をd−PBSの溶液で満たした。このバイオア
ッセイ装置を充填させておいて、基底伝送損失(S21)及びはね返り損失(S11 )S−パラメーターの測定を45MHz 〜1GHz の検査周波数域で行った。測定は
Hewlett−Packard Company由来のネットワーク分析器モ
デルNo. HP8510Bを利用して行い、保存した。次に、ウレアーゼを10:
1の過剰容量で加えた。伝送損失及びはね返り損失S−パラメーターの測定を繰
り返し、そして基底測定値と対比させた。
【0184】 表1は100MHz 及び1GHz についてのこれらの値を示し、そしてはね返り損
失及び伝送損失測定応答を図12A及び12Bに示す。このデーターはバイオア
ッセイ検査固定装置がd−PBS充填チップ及びd−PBS+タンパク質充填装
置間で100MHz 及び1GHz のそれぞれにおいて−0.5dB及び−0.42dBの
はね返り損失(S11)変化を示すことを示唆する。この固定装置は100MHz 及
び1GHz のそれぞれにおいて+0.325dB及び+0.450dBの伝送損失変化
(S21)を示した。
【0185】 シグナル応答がバルク効果(溶液中のタンパク質)によるのか、又は結合表層
へのタンパク質結合によるのかを決定するため、各々の応答を記載し、そしてタ
ンパク質溶液を25:1の過剰容量(2mlのd−PBS、対、0.075mlのチ
ャンバーサイズ)でフラッシングした。このバイオアッセイ装置を次に前述の通
りにして45MHz 〜1GHz で再測定した。
【0186】 表1の最後の2行を対比させることでわかる通り、タンパク質をバイオアッセ
イ装置からフラッシングする効果ははね返り損失及び送伝損失測定に対して最小
の効果を有した。このことは、実測効果が事実上バイオアッセイ装置内での結合
表層へのウレアーゼ結合によることを示唆した。一般に、リガンドを含む溶液の
リガンドを含まない溶液による置換は応答をほとんど又は全く変化させないこと
に注目すべきである。 表1 ウレアーゼの一次結合の効果 ────────────────────────────────── 周波数 溶液中のタンパク質 d−PBSフラッシュ後11 100MHz −500 milli-dB −475 milli-dB 1GHz −420 milli-dB −200 milli-dB S21 100MHz +325 milli-dB +300 milli-dB 1GHz +450 milli-dB +400 milli-dB ──────────────────────────────────
【0187】 B.実施例2:一次結合を介するコラゲナーゼ及びリゾチームの同定 上記の実施例1に記載のものと類似の且つ似たようにして調製及び特性決定し
たバイオアッセイ装置を利用し、我々は1〜10GHz の周波数域にわたり種々の
タンパク質の種々の応答を調べる一連の実験を実施した。各々の実験のために同
一の装置を利用したが(装置間での組立における微妙な違いを排除するため)、
各々のタンパク質の適用毎にSDSでよく洗った。図12C及び12Dはコラゲ
ナーゼ及びリゾチーム試料の一次結合効果の伝送損失測定を示す。いずれの場合
も、シグナルパターンはリガンドを固有に検出及び同定するのに利用できる山と
谷のパターンを示した。特に、コラゲナーゼ試料の周波数応答は5GHz 付近で強
力な正のピークを示した。リゾチーム試料の応答は5GHz 付近で比較的平らな応
答を、そして8GHz 付近で強い正のピークを示した。調べたその他の数多くのタ
ンパク質各々については、応答は各タンパク質に固有であり、そして群内の未知
のタンパク質の同定を容易にした。むろん、更なるスペクトル点を対比させ、そ
して分析してこれら及びその他の分子物質を区別することができうる。応答は未
知の試料の同定のために保存して後に再呼出してよい。更に、強度の弱いピーク
を特定のリガンドについてのパターンを決定するためにまとめて調べてよい。
【0188】 C.実施例3:二次結合の検出:デキストランに対するコンカナバリンA 本用途は上記の実施例1に記載のものに類似し、且つ似たようにして調製及び
特性決定したバイオアッセイ装置を利用しての二次結合検出の例を提供する。コ
ンカナバリンA(con−A)はジャックビーンに見い出せうるグルコース結合
タンパク質であり、そして一次結合抗リガンドとして利用した。ここで利用する
con−AはSigma Chemical Companyから入手した。グ
ルコース多糖であるデキストランをcon−Aの結合のためのリガンドとして用
い、特異性を実証するためのデキストラン結合をもとにもどす競合手段としてグ
ルコースを用いた(デキストラン及びグルコースもSigma Chemica
l Companyより入手した)。
【0189】 伝送ラインは実施例1に記載のものと同じとし、見かけ上32Ωの対照インピ
ダンス、並びに80ΩのDC抵抗及び34Ωの見かけ上TDRインピダンスを有
するITOカバーガラスを有する。約15μMの濃度のcon−A溶液をバイオ
アッセイ装置に直接入れ、そして平衡に到達させた。目視検査による確認に従い
、蒸発損失はチャンバーを乾かしてしまわなかった。システムをフラッシングし
て安定化させた後、デキストランを加えてcon−Aに結合させた。シグナル変
化が検出されたら、このチャンバーを10mg/mlのd−PBSでフラッシングし
、そしてシグナル応答の2回目の測定をした。1GHz での効果を図12Eに示す
。未結合応答を基底応答として用いた。示す通り、結合した応答は未結合応答よ
りも0.25dB小さいようであった。結合特異性は結合デキストランをグルコー
スで競合追い出し、次いでd−PBSフラッシングによりグルコースを遊離させ
ることにより確認した。後者の工程はデキストランを装置に加える前に得られる
基底値にまでシグナルをもどし、かくして結合現象の特異性が実証された。
【0190】 D.実施例4:小分子結合の検出 上記の実施例1に記載のものと類似の、且つ似たようにして調製及び特性決定
したバイオアッセイ装置を利用し、このバイオアッセイ検査固定装置及びネット
ワーク分析器設備が、大型分子に対する小分子結合も本発明に従って検出しうる
ことを実証する。バイオアッセイ装置に高めの周波数で調べるため、この装置を
Faradayボックスの中に再現良く、且つ慎重に入れ、それを外的要因から
遮断した。これは装置を20GHz の周波数まで調べられることを可能にする。ま
ず、con−Aをバイオアッセイ装置に加え、そして生物電気インターフェース
に結合させた。伝送損失測定を行い、保存し、そして図12Fに示すように基底
応答1252として用いた。
【0191】 次に、10mg/mlのグルコース濃度をこのバイオアッセイ装置に加え、そして
con−A抗リガンドに対する結合に用いた。伝送損失測定を行い、そして基底
応答1252に対してプロットして小分子結合によるシグナル応答の変化を決定
した。
【0192】 図12Fからわかる通り、con−Aに対するグルコースの結合に相当する結
合応答1254は基底測定側1252から区別できる。詳しくは、結合応答12
54は基底応答1252では観察できない2本の大きなピークを16〜20GHz
に示す。実測シグナル応答1252と1254との差はグルコースがcon−A
抗リガンドに結合したときの検出の基礎を担う。その後d−PBSバッファーだ
けでフラッシングし、そして応答は結合グルコースがcon−Aから解離すると
復帰した。むき出しのチップ(即ち、抗リガンドとしてのcon−Aなし)に対
するグルコースの効果を調べる独立の実験は、グルコース単独が上記の周波数ス
ペクトルでは電磁質問に対する応答に対してあるにしてもわずかな効果しかない
ことを示し、従って示している結果がcon−Aに対するグルコース結合の効果
に専らよることを示している。
【0193】 この実験をアビジンに対するビオチン結合で繰り返した。アビジンをこのバイ
オアッセイ装置に抗リガンドとして加え、そして送伝損失測定を行い、保存し、
そして基底応答1262として利用した。次に、1μMの濃度のビオチンを加え
、そして送伝損失測定を基底測定値に対して行った。その結果を図12Gに示す
【0194】 アビジンに結合したビオチンに対応する結合応答1264は14〜16GHz で
深く落ち込み、そして20GHz 付近で大きなピークとなる。基底応答(未結合ア
ビジンを示す)と結合応答1264(結合アビジンを示す)との差は劇的であり
、そして結合アビジン分子の検出に利用できる。
【0195】 E.実施例5:力価の定量 これらの実験は抗リガンドに対するリガンド結合に基づくシグナル変化の度合
いが占領されている部位の関数であることを実証する。上記の実施例1に記載の
ものと類似の、且つ似たようにして調製及び特性決定したバイオアッセイ装置を
利用する検査システムをcon−Aに対するデキストラン、競合インヒビターと
してのグルコースと共に使用した。con−Aの結合定数を中心に一連の希釈系
列を作った。抗リガンドとしてのデキストランをcon−Aに、100%結合が
起こるように結合させた。デキストランを競合追い出しするために一連の競合グ
ルコース濃度を、分子結合表層上のデキストラン濃度が相応して減少するように
利用した。
【0196】 上記の標準の伝送ライン形態を使用した。con−Aを分子結合層に結合させ
、そしてこのシステムを安定化させた。このバイオアッセイ装置をd−PBSで
フラッシングし、そして1GHz でのデーターを得た。この競合力価検定の結果を
図12Hに示す。この結果はグルコース濃度が0から15mg/dlへと上昇する際
にどのようにシグナルが変化するかを示す。デキストランが放出され、そしてグ
ルコースが結合するcon−Aのシグナルは変化する(これは事実上、デキスト
ランの要求量(avidity)を測定する)。
【0197】 表2は一定の選定濃度についてのグルコース濃度の関数としての伝送損失の変
化の程度を示す。 表2 ──────────────────────────── デキストラン完全結合 +320 milli-dB ──────────────────────────── 1mg/mlのグルコース +280 milli-dB ──────────────────────────── 1.33mg/mlのグルコース +275 milli-dB ──────────────────────────── 2mg/mlのグルコース +240 milli-dB ──────────────────────────── 5mg/mlのグルコース +115 milli-dB ──────────────────────────── 10mg/mlのグルコース −5 milli-dB ────────────────────────────
【0198】 簡単なグルコース滴定をcon−Aのスペクトルの共振点においても実施した
。図12Iはこの共振点でのグルコース濃度の関数としてのはね返り損失の変化
を示し、二つの効果が実証される:第一に、グルコースはリガンドとしての用量
依存性効果を有し、それは抗リガンド(この場合、con−A)に対してそれが
有する効果を基礎とする。第二に、スペクトルの中には、他の領域と比べリガン
ド/抗リガンド結合現象に対してはるかに高感度な応答を示す領域がある。
【0199】 濃度を1ピコモル(10-15 モル)以下にするデキストラン溶液の一連の系列
希釈はこのような低い濃度でさえも、結合を示す有意なシグナル応答が認められ
ることを示した。シグナルの蓄積にかかる時間は数分から10分に至り、しかし
ながらその応答は高濃度でのデキストランの検出の特徴を有した。
【0200】 F.実施例6:核酸の検出 核酸を検出する能力を実証するため、金表層に付加された抗リガンドとしての
ポリリジンを使用するバイオアッセイ装置を作製した。金表層を除き実施例1に
記載のものと類似の、且つ似たようにして調製及び特性決定したバイオアッセイ
装置を用い、仔牛胸腺DNAの高濃度溶液(約20μM)をd−PBSバッファ
ーの中に調製した。ポリリジンをバイオアッセイ装置に載せ、そして伝送損失応
答を測定した。この応答を経時的に安定性について検定し、そして保存した。次
いでチャンバーをバッファーでフラッシングし、その応答を再びフラッシングに
よる変化及びその後の安定性について検定し、そしてその応答を基底応答として
保存した。
【0201】 次いでDNAを含む溶液をバイオアッセイ装置の中に入れ、そして応答変化を
得られる応答を基底値から差し引くを介して測定し、そして安定性について観察
した。このバイオアッセイ装置をバッファーでフラッシングしてバルク中のDN
Aを除去し、バイオアッセイ装置表層上にDNA/ポリリジン複合体だけを残し
た。得られる変化を図12Jに示す。
【0202】 G.実施例7:pH及び塩度の効果 シグナルにおけるpH及び塩度の効果を2通りの異なる実験で測定した。pHの効
果を調べるため、3.90〜9.80に範囲する一連のバッファーのpHを測定し
た。各々のバッファーの60Hzの導電率を測定し、遊離イオンの変化について補
正した。次に、100MHz ,1GHz 及び10GHz での伝送損失応答を測定した。
その結果を図12Kに示す。
【0203】 溶液のイオン濃度を変えたときの効果を検討するために似たような実験を実施
した。単純なd−PBSから始めるいくつかの溶液を作製し、そして様々な量の
塩化ナトリウムを加えた。次いで60Hzの導電率を測定して記録し、そしてその
サンプルをバイオアッセイ装置の中に系列的に入れ、そして伝送応答を100MH
z ,1GHz 及び10GHz において測定した。これらの結果を図12Lにおいてプ
ロットした。
【0204】 これらのプロットの双方が示す通り、一定の環境的変化は実測パラメーターの
変化をもたらす。
【0205】 H.実施例8:全血の検出 トロポニン−I(TN−I)の検出を、未処理ヒト全血で行い、混雑な環境内
での検出能力を確認した。未処理ヒト血液をクエン酸ナトリウムで処理して凝血
を阻止した。TN−Iのエピトープに対応する抗TN−I抗体を較正の目的のた
めに利用した。このバイオアッセイ装置のインターフェース伝送ラインを抗TN
−I Ab(抗リガンド)でコーティングした。血液試料を10ng/mlの濃度の
TN−Iでスパイクし、そして第二の同一の血液試料はコントロールとしてスパ
イクしておかなかった。
【0206】 この実験は、装置に抗TN−I Ab抗リガンドを付加し;次いでスパイクに
かけていない試料を装置伝いに流し;試料チャンバーを数回フラッシングしてノ
イズ交換が何であるかを調べ;しかる後に試料をスパイクする(それはノイズフ
ロアーを確立するため数回交換を行うこともある);から成る。いずれの場合も
、伝送損失の変化を測定した。検定として、抗TN−I Ab抗リガンドを装置
から取り出した。この実験を次にコントロールとして繰り返し、2種類の血液試
料(TN−Iスパイク以外は同一と仮定)の任意のその他の特性が変化を担うか
を検討した。以下の表は1GHz でのプローブシグナルについてのこの実験の結果
を示す。 スパイクなし試料 スパイク試料 ────────────────────────────── コントロール <20 milli-dB <20 milli-dB 抗−TN−I <20 milli-dB +275 milli-dB ──────────────────────────────
【0207】 第二系列の実験においては、10種類の血液試料を診療所から入手し、ヘパリ
ンで抗凝血処理する以外は未処理とした。この試料の一つを2部に分け、そして
その一方を先の段落に記載の通りにしてTN−I抗原でスパイクした。次いでバ
イオアッセイ装置を表層上の抗−TN−I抗体で調製した。各試料をこのバイオ
アッセイ装置に順次流し、その後のためにスパイク試料を保存しておいた。先の
実験のように1GHz で調べたこれらの試料各々の応答を図12Mに示す。スパイ
クした試料は他の(スパイクしていない)試料とは明確に区別できた。
【0208】 I.実施例9:分子のクアドロポールモーメントの検出 全表層に対するアビジンの結合の効果を、分子のクアドロポールモーメントの
検出可能性を検討するために調べた。アビジンは四量体であり、これは未結合状
態での分子の対称性により未結合状態では極めて小さいダイポールモーメントを
有する。図Nはプロットにおいて示す特徴的なピークを有するアビジン結合の結
果を示す。これらのピークは、図12Gに示すように、ビオチンの結合により生
ずるピークよりも著しく小さかった。
【0209】 VII .用途 本発明の方法及びシステムは様々な用途に利用でき、その例を本明細書に記載
する。
【0210】 本発明はリガンドと抗リガンドとの間での結合レベルを定量するために利用で
き、それ故酵素の活性に対するその他の分子の効果の検討のために利用できる。
例えば、溶液中のその他の分子は結合レベルを下降又は上昇することがあり、従
って酵素のインヒビター又はインデューサーの同定が検討できうる。
【0211】 感染性病原体(ウィルス、細菌、菌類、等)又は癌性腫瘍の存在は、病原体、
腫瘍細胞、又は病原体もしくは腫瘍の成分、例えばタンパク質、細胞膜、細胞抽
出物、腫瘍マーカー、例えばCEAもしくはPSA、その他の抗原性エピトープ
等に対する抗リガンドの結合をモニターすることにより検査できる。例えば、本
発明はバイオアッセイ装置上の抗体により、患者の血液内の病原又は腫瘍マーカ
ーの結合を検出することにより病原体又は腫瘍を検査することができる。更に、
例えば患者血液由来の抗体のウィルスタンパク質、例えばHIVタンパク質への
結合は患者のウィルスに対する曝露のモニターのための一般的な検査である。そ
の他の一般例は前立腺癌の進行のためのマーカーとしての患者血液中の前立腺特
異的抗原(PSA)の定量である。
【0212】 更に、膜及び非膜レセプター等の薬剤レセプター相互作用、並びに薬剤結合の
結果としてのレセプターコンホメーション変化が本発明により決定できる。別の
観点において、本発明は脂質相互作用についての情報、例えば脂質に対するリポ
タンパク質結合及び脂質とのリポソーム相互作用についての情報を提供する。
【0213】 別の態様において、本発明の技術は核酸試料をスクリーニングするための遺伝
子チップ並びにタンパク質の分類及び理解のためのタンパク質(proteom
ic)チップの提供に利用できうる。かかるチップは各々の結合現象の親和力、
反応速度及び固有誘電特性と同時に測定する本発明の固有能力を利用でき、そし
てチップ上の多数のアドレス可能な検査部位においてこれらの測定を行うことが
できる。正確なアドレス方法は用途に応じるが、一般戦略は下記の通りである:
変数Keq,KA 及びω=(ω1,ω2,ω3,…)によりベクトル空間を規定す
る。ここでこれらの変数は平衡定数、反応速度定数、及び誘電特性を調べるN通
りの周波数の基礎的なセットである。これにより、N+2次元空間が規定でき、
その中で全ての結合現象をマッピングすることができる。注目の結合現象のスペ
クトルを示す対照分子の群、例えば様々な核酸配列を有するオリゴヌクレオチド
の群又はタンパク質ドメインもしくはその他のタンパク質サブ構造に特異的な抗
体の選択群を選定し、そしてチップ上のアドレス可能な点に付着させる。特定の
分子種又は物質群をチップに導入し、そして各アドレスを上記のベクトル空間(
又はその適当なサブセット)の中の各点の値について調べる。各物質はベクトル
空間内のアドレスにより示されることができる。システムの複雑さはベクトル空
間のサイズ及び表層上の様々な固定化リガンドの総数に依存するであろう。
【0214】 上記の例として、4通りの周波数で分析する2種類の核酸プローブを含んで成
る単純なシステムを考慮する;そして更に、これらの周波数各々は10通りの増
幅に分類できる。かかるシステムは可能として1億通りのアドレスを有するであ
ろう(第一多形態について104 通り、そして第二多形態について104 通り)
。このシステムの中に配される未知のものは式〔(1,5,3,7)(4,8,
6,7)〕の固有のアドレスにより表わされ、ここで最初の4つの数字は4つの
選定の周波数においての第一プローブのスペクトル応答を表わし、そして後の4
つの数字は4つの選定の周波数においての第二プローブのスペクトル応答を表わ
す。従って、2種類のプローブ及び4通りの周波数だけで、1億通りの固有のア
ドレスが作製できる。
【0215】 針の腔口の中のミニチュアバイオアッセイ装置を供する「スマートニードル」
IVアッセイも本発明の技術を利用するために行うことができる。この態様は緊急
施設及びその他の現場環境において利用するための安価で安全な医療診断装置を
供与するのに利用できる。利用の例には:急性症状、例えば心臓発作、感染病、
例えば細菌性髄膜炎、又は新生/周産期のグループB段階感染症、凝固障害、胎
児及び新生児の集中治療時の酸素付加;現場での慢性症状の診断、例えば看護人
提供所及び遠隔地での診断;が挙げられる。
【0216】 多数の生物学的結合パートナーを抱えるバイオアッセイ装置は試料中の多数の
被検物の同時アッセイを可能にする。更に、単独の被検物から多種多様な生物学
的結合パートナーの物質の測定は非特異的結合のためのコントロールを伺る。検
査試料中の様々な被検物の結合度の対比は様々な被検物の相対的増加又は減少の
評価を可能にする。
【0217】 本発明のバイオアッセイ装置は事実上全ての被検物をin vivo又はex
vivoで検出するのに利用できる。好適な態様においてはこの被検物は生物
学的分子でありうるが、特異的な結合パートナーが得られるか又は被検物のその
他の特性を本明細書に記載の本発明のいずれかの態様で測定できる限り、そのよ
うに限定する必要はない。適当な被検物には生物学的材料の中又はそれを処理し
た材料の中に見い出せる事実上全ての被検物が挙げられる。好適には水性溶液の
中に懸濁又は溶解できうる事実上全ての被検物が本発明の方法を利用して検出で
きる。注目の被検物の例には1)抗体、例えばHIV(2)、ヘリコバクター・
ピロリ(Helicobacter pylori)、肝炎(例えばA,B及び
C型肝炎)、麻疹及び風疹に対する抗体;2)乱用薬剤及びその代謝副産物、例
えばコチニン、コカイン、ベンゾルエクゴニン、ベンゾジアザズピン、テトラヒ
ドロカンナビノール、ニコチン、エタノール;3)治療薬、例えばセオフィリン
、フェニトイン、アセトアミノフェン、リチウム、ジアゼパム、ノルトリプチリ
ン、セコバルビタール、フェノバルビタール等;4)ホルモン及び成長因子、例
えばテストテロン、エストラジオール、17−ヒドロキシプロゲステロン、プロ
ゲンテロン、タイロキシン、甲状腺刺激ホルモン、小胞刺激ホルモン、黄体ホル
モン、アルファー形質転換成長因子、上皮成長因子、インスリン様成長因子I及
びII、成長ホルモン放出阻害因子及び性ホルモン結合グロブリン;並びに5)そ
の他の被検物、例えばグルコース、コレステロール、カフェイン、コルチコステ
ロイド結合グロブリン、DHEA結合糖タンパク質、等が挙げられる。
【0218】 上記の通り、適当な被検物には、限定することなく、タンパク質、糖タンパク
質、抗原、抗体、核酸、糖類、炭水化物、レチクン、等が挙げられる。しかしな
がら、大型の多量分子物体、例えば細胞、細胞膜及びその他の細胞構成物も本発
明の方法により検出及び/又は定量できる。従って、特徴的な表層マーカー(例
えば、レセプター、レチクン等)を有する微生物(例えば細菌、真菌、藻類、等
)が検出及び/又は定量できる(例えば、動物又は植物由来の生物学的試料中で
)。同様は、特徴的なマーカーを有する細胞タイプ(例えば、特定の組織の細胞
特徴)である(例えばIL−13レセプターを過剰発現する腫瘍細胞:例えば米
国特許第5,614,191号参照)。かくして、特定の病理、特に特定の分化
状態(又はその欠如)の指標となる細胞又は特定の組織タイプが検出及び/又は
定量できる。
【0219】 生物学的結合パートナー(リガンド又は抗リガンド)エフェクター分子の「チ ップ」表層への接合 一の態様において、生物学的結合パートナー(リガンド又は抗リガンド)を基
礎表層(例えば、生物電気インターフェース)に化学的に接合する。分子を化学
的に接合する手段は当業者の周知である(例えば、抗体の抗癌剤、ラベル、例え
ば放射性ラベル、酵素等への接合について記載するMonoclonal Antibodics : Pr
inciples and Applications, Birch and Lennox 編、John Wiley & Sons, Inc.
N.Y. (1995) の第4章を参照のこと)。
【0220】 表層に結合パートナー(例えば、タンパク質、抗体、糖タンパク質、核酸、レ
クチン、糖、炭水化物、等)を付加する手順は結合パートナーの化学構造に従っ
て変わるであろう。ポリペプチドは一般に様々な官能基、例えばカルボン酸(C
OOH)又は遊離アミン(−NH2 )基を含み、それはそれを結合せしめる表層
又はリンカー上の適当な官能基との反応に有用である。同様に、その他の生物学
的分子、例えば核酸、糖類、炭水化物は全て連結のために適当な箇所となる様々
な官能基(例えば、OH,NH2 ,COOH,S、等)を含む。
【0221】 他方、ターゲッティング分子及び/又はエフェクター分子を、更なる反応性官
能基の曝露又は付加のために誘電化してよい。誘電化は任意の様々なリンカー分
子、例えばPierce Chemical Company, Rockford Illinoisより入手できるものの
付加を包含しうる。
【0222】 本明細書に記載の「リンカー」を基礎(例えば装置又は器具)表層に生物学的
結合パートナー(例えばリガンド又は抗リガンド)の接続のために利用してよい
。このリンカーは生物学的結合パートナー及び基礎表層の両者との共有結合の形
成が可能である。適当なリンカーは当業者に周知のものであり、そして限定する
ことなく直鎖又は枝分れした炭素リンカー、複素環炭素リンカー、又はペプチド
リンカーが挙げられる。
【0223】 表層上の基と反応性である1個の官能基及び結合パートナーと反応性である別
の官能基を有する二価リンカーが所望のコンジュゲートの形成に利用できうる。
他方、誘導化は結合パートナー及び/又は基材の化学処理を包含しうる。例えば
、シリカ又はガラス基材をシラン処理して官能基を構築してよい。同様に、タン
パク質又は糖タンパク質を、例えばタンパク質抗体に付加された糖成分を過ヨウ
素酸物でグリコール切断して遊離のアルデヒド基を構築することにより、誘導化
してよい。抗体又はタンパク質もしくは糖タンパク質上の遊離のアルデヒド基は
、表層上の遊離のアミン又はヒドラジン基と反応して、それに結合パートナーを
結合せしめうる(米国特許第4,671,958号を参照)。ポリペプチド、例
えば抗体又は抗体フラグメント上でのスルフヒドリル基の構築のための手順も公
知である(米国特許第4,659,839号参照)。
【0224】 様々な生物学的分子を様々な金属、ガラス、プラスチック等の基材への付加の
ための多くの手順及びリンカー分子が当業者に周知である。例えば、ヨーロッパ
特許出願第188,256号;米国特許第4,671,958、4,659,8
39、4,414,148、4,699,784、4,680,338、4,5
69,789及び4,589,071号;並びにBorlinghaus ら(1987) Cancer
Res. 47 : 4071-4075参照のこと。抗体、タンパク質及び糖タンパク質を接合す
る方法は免疫毒素の分野に豊富にあり、そして例えば「Monoclonal Antibody-To
xin Conjugates : Aiming the Magic Bullet」Thorpeら、Monoclonal Antibodie
s in Clinical Medicine, Academic Press, pp. 168-190 (1982), Waldmann, Sc
ience, 252 : 1657 (1991);米国特許第4,545,985及び4,894,4
43号に見い出せうる。
【0225】核酸結合パートナーの利用 結合パートナーが核酸のとき(例えば、DNA、RNA、ペプチド核酸、等)
、特異的結合は「ストリンジェント条件」下で達成されるのが好ましく、条件が
よりストリンジェントになるほど、ハイブリダイゼーションはより特異的となる
【0226】 任意のプローブ/標的の組合せのためのストリンジェント条件の選択は当業者
により日常的に成し遂げられる。更に、ストリンジェンシーは所望のレベルの特
異性が得られるまで条件のストリンジェンシーを徐々に高めることにより(例え
ば、塩を増やす、温度を上昇させる、等)経験的に決定できる。
【0227】 ストリンジェント条件の「起点」は周知である。例えば、所望の核酸は相補核
酸プローブと50%のホルムアルデヒドで42℃のハイブリダイゼーション及び
洗浄条件下でハイブリダイズするであろう。その他のストリンジェントハイブリ
ダイゼーション条件も選定できうる。一般に、ストリンジェント条件は規定のイ
オン強度及びpHでの特異的な配列についての熱的融点(Tm )よりも約5℃低く
なるように選定される。Tm は標的配列の50%が完全対合プローブとハイブリ
ダイズする温度(規定のイオン強度及びpHで)である。典型的には、ストリンジ
ェント条件は塩濃度が少なくとも0.02モラーであり、pH7であり、そして温
度が少なくとも約60℃であるものをいうであろう。その他の要因、例えばとり
わけ相補鎖の基本組成及び大きさ、有機溶媒の存在及び塩基誤対合の程度がハイ
ブリダイゼーションのストリンジェンシーに有意に影響を及ぼしうるため、パラ
メーターの組合せの方が任意の一つの絶対値よりも重要である。核酸のハイブリ
ダイゼーションの詳しいガイドはAnsubel ら、Current Protocols in Molecula r Biology current Protocols (Greene Publishing Associates, IncとJohn Wil
ey & Sons, Inc. とのジョイントベンチャー)(1998) にある。
【0228】 結合パートナーとして利用するためのオリゴヌクレオチドは例えばBeaucage,
S.L. and Carruthers, M.H., 1981, Tetrahedron Lett., 22 (20) : 1859-1862
によりはじめて発表された固相ホスホラミジットトリエステル法に従い、Needma
n-Van Devanter, D.R.ら1984, Nacleic Acids Res., 12 : 6159-6168に記載の自
動合成装置を利用し、化学的に合成できる。オリゴヌクレオチドの精製は自然ア
クリルアミドゲル電気泳動又は陰イオン交換HPLCのいずれかによる(Pearso
n, J.D. and Regnier, F.E. (1983) J. Chrom. 255 : 137-149。合成オリゴヌク
レオチドの配列はMaxam, A.M. and Gibert, W. (1980), Methods Enzymol. 65 :
499-560 の化学分解法を利用して確認できる。
【0229】 当該バイオアッセイ装置は様々な用途、例えば大量の分子の生物学的活性につ
いてのスクリーニング又は生物学的試料の特定の1もしくは複数の成分の有無も
しくは濃度についてのスクリーニング、を有するであろう。生物学的活性をスク
リーニングするため、例えば結合層を1又は複数種のレセプター、例えば抗体又
はまるごとの細胞に曝露する。結合層抗リガンドとリガンドとの相互作用を検出
することにより、存在及び濃度は決定できうる。この技術の特定の利点はこの相
互作用の検出にラベルを必要としない点にある。個々の分子の固有の特性をその
存在及び量、非存在、又は他の分子との相互作用を検出するために利用する。
【0230】 バイオアッセイ装置又はチップについてのその他の考えられる用途には診断が
挙げられ、それにおいては特定のレセプターに対する様々な抗体を用いて結合層
を形成し、そして例えば血液が免疫不全についてスクリーニングされるであろう
。このバイオアッセイ装置は任意的に皮下組織用針中腔に合うように作製してよ
い。結合層上の予め適用された抗リガンドに対する結合のためにごく微量の血液
試料で足りるであろう。診断アッセイを、病原体、例えばウィルス又は細菌から
、代謝活性、例えばグルコース濃度又は脂質レベル、肝臓酵素、電解質、凝血因
子、特異的抗体、例えばANA(リウマチ様疾患に利用)及びアレルギー反応抗
体、動脈血液酵素付加、薬物乱用、等に至るまで、臨床関連被検物の全域にわた
り測定するために行うことができる。
【0231】 この能力において利用されるバイオアッセイ装置は安価なディスポーザブルチ
ップであってよく、なぜならそれらは簡単に作製でき、そして半導体加工に制約
されないからである。例えば、これらのチップは安価な材料、例えばプラスチッ
ク又はガラス基材上で任意的に作製できる。これらのチップを次に以下に記載の
装置の中に任意的に入れ、そしてこのバイオアッセイ装置にシグナルを伝搬して
血液中のリガンドに基づく結合相互作用を検出する。実際には、ラベルの不要な
検出に有用な無数の生物学及び化学的用途のための様々な結合層を含む多種多様
な形状及び大きさのバイオアッセイ装置を作製できる。
【0232】 未知の及び特性決定されていないタンパク質は未知のタンパク質上の構造モチ
ーフに対する結合を検出することにより分類及び/又は同定できうる。例えば、
同じ又は類似のクラスの中のタンパク質は構造相同性を有する;即ち、一定のタ
ンパク質のクラス内にはドメインの如きサブ構造が共通する。多数のアドレス可
能なアレーを有するチップを作製することにより(各々のアレーは特定のサブ構
造に対する抗リガンドを有する)、未知の分子性物質は下記の通りに分類及び/
又は同定できる:特定のサブ構造の存在は各々のその対応の抗リガンドに対する
結合により検出される。これらのサブ構造結合現象の各々は例えば親和力、反応
速度及びスペクトル応答の如き性質により特性決定される。次いで未知の分子物
質の応答と既知のタンパク質由来のデーターとの相関を調べる。完全なフィット
がない場合、未知化合物の構造詳細のほとんどは、NMRスペクトルで有機分子
について行うようにして分断してまとめあげることができる。
【0233】 別の態様において、この技術は核酸の検出のための遺伝子チップの開発に利用
できうる。遺伝子チップは試料中の相補性核酸の検出のために利用される核酸の
列(アレー)である。遺伝子チップ上の独立のDNA分子への結合により測定さ
れる相補性DNAの存在が所望の結果である。相補結合が生じない場合、親和力
、融点又はその他のストリンジェンシー条件及び直接スペクトル応答の如き物理
量の測定、並びに従前の実測データーとの相関を調べることを介し部分ハイブリ
ダイゼーションで検出及び特性決定ができる。このようにして、核酸配列の形態
の単一の抗リガンドは多形態全体について、各々の多形態についての個別の配列
を必要とすることなく検出されうる。例えば、数百通りの核酸配列だけで何万通
りもの多形態を検出できる。
【0234】 遺伝子チップは薬剤標的の同定、細菌同定、ゲノタイピング及びその他の診断
ニーズのために設計できうる。この技術は典型的にはプローブとして必須核酸の
基材上への付加及びその基材に対する相補性核酸の結合の測定方法を必要とする
。通常、試料の核酸は最も一般的には蛍光プローブでラベルすることも必要とす
る。この技術は試料DNAのラベリング及びそれに付随する問題を解消する。遺
伝子チップは薬剤標的同定、分子診断、並びに生物兵器剤の検出及び同定におけ
る特定のニーズのために開発されうる。作製して利用できるその他のタイプの装
置はイムノアッセイ装置、薬剤発見装置、及び毒性検査装置、分析装置、等であ
る。
【0235】 本明細書に記載の発明は、一次スクリーニング工程から患者分類及び治療追跡
に至るまで、新たな薬剤の開発の数多くの観点のためにも利用できうる。薬剤発
見の一次段階では、本発明の標的同定、バリデーション及び大量スクリーニング
(HTS)の促進のために利用できる。標的レセプターはバイオアッセイ装置上
の抗リガンドであってよく、そして既知の作動因子、拮抗因子又はアロステリッ
クエフェクターの作用を特性決定することにより、大量スクリーニング手順のた
めの一次標的を迅速に同定及びバクデーションできる。HTS工程では、何十万
もの化合物をどれが標的に結合するかを決定するために検査できる。本明細書に
記載の発明はミニチュア化してよく、これにより高度に平行のスクリーニングプ
ラットホームを具現化できる。そのプラットホームは数百から数千の化合物を同
時にスクリーニングでき、且つ同時に結合(例えば作動因子又は拮抗因子)、親
和力、反応速度、等の効果を同時に決定できる。更に、かかるミニチュアシステ
ムは非常に少量の化合物で足り、それ故コンビナトリアルライブラリーから当該
化合物を入手する価格を大いに節約する。バイオアッセイ装置の利用を介して形
成される検出システムは大量検出システムを供し、なぜなら検出は任意的にリア
ルタイムで行われ、そして多くの試料をすばやく分析できるからである。応答時
間はナノ秒のタイムスケールで任意的にモニターできる。分子が互いと結合する
や否や、検出が行われる。低い濃度又は弱い結合親和力を有する分子間での結合
現象の測定では任意的により長い時間が必要とされる。実際の時間は拡散速度に
より任意的に制約される。このような潜在的な制約を除けば、数千の化合物をシ
ステムに非常にすばやく、例えば1時間かけて任意的に流す。例えば、チップ作
製技術により、10,000チャンネルの装置(出現しはじめているいくつかの
マイクロ流体技術を利用して)が考えられ、そして少量、それ故短い拡散時間、
及び反応の開始時だけを測定する反応速度により、1時間当り数千の試料が任意
的に測定される。既知の濃度により、結合親和力は任意的に反応速度だけで計算
でき、それ故この装置は非常に早いタイムスケールで調べることができ、そして
親和力は反応速度曲線の傾きから計算及び/又は推定できる。反応速度及び親和
力についての参考文献はあらゆる標準の生化学又は化学論文、例えば Mathews a
nd van Holde, Biochemistry, Benjamin Cummings, New York, 1990 にある。
【0236】 本発明は細胞ベースアッセイにまで簡単に広げることができ、なぜなら検出は
試料の精製及び増幅を必要としないことがあるからである。このようなクラスの
用途では、細胞系は外的発現を検出することにより、又は細胞を溶解して細胞質
ゾル構成物を遊離させ、そして1もしくは複数種の注目の被検物の存在を検出す
ることにより、様々な変化についてモニターされうる。
【0237】 本発明は「ラボラトリー・オン・ア・チップ(チップ上の診療所)」用途に適
用することもできうる。ミニチュア化のし易さを理由に、数千又は数万のアドレ
ス可能なバイオアッセイ装置が中に含まれている非常に小型のチップが具現化さ
れうる。検出器はある種の「論理ゲート」として具現化し得、それにおいては特
定のリガンド又は被検物の存在はゲートをオンにるか又はオフにし、所定の用途
に適当なものとする。かかるゲートは結合現象を、オフとオン、1又は0等に対
応する二通りの可能な状態の一方へと割り当てられうる。電磁シグナルへと翻訳
される様々な態様へと具現化されうる。この二通りの状態は結合及び未結合に対
応する共振キャビティーもしくは導波管の周波数の通り、又は結合及び未結合に
対応する送伝ラインもしくは導波管における増幅度化、又は特定の回路のバンド
パスの変化、等であってよい。
【0238】 本発明は開示の態様に限定されない。例えば、当業者は上記のバイオアッセイ
装置のシグナル経路が送伝ラインに限定されないことを理解するであろう。その
他の伝送媒体、例えば導性又は誘電導波管も代わって利用されうる。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 本発明に係るバイオアッセイ装置の第一の態様を示す。
【図1B】 本発明に係るバイオアッセイ装置の第二の態様を示す。
【図1C】 図1Bに示すバイオアッセイシステムの断面図を示す。
【図1D】 本発明に係る分子結合層の第一の態様を示す。
【図1E】 本発明に係る立体的に独立した多数の抗リガンドを有する分子結合層の一態様
を示す。
【図1F】 本発明に係る多数のクラスの抗リガンドを有する分子結合層の一態様を示す。
【図1G】 本発明に係る1又は複数種の細胞を含んで成る分子結合層を示す。
【図1H】 本発明に係る細胞膜及び膜一体化構造を含んで成る分子結合層を示す。
【図2A】 本発明に係るバイオアッセイ装置の第一の態様を示す。
【図2B】 本発明に係るバイオアッセイ装置の第二の態様を示す。
【図3】 生物電気インターフェースの導性層伝いで起こる結合表層化学の一の態様を示
す。
【図4A】 図2Aに示す生物電気インターフェース構造についての等価回路モデルの一の
態様を示す。
【図4B】 図4Aに示す等価回路モデルに対応する回路の一態様を示す。
【図4C】 図2Bに示す生物電気インターフェース構造についての等価回路モデルの一態
様を示す。
【図4D】 図4Cに示す等価回路モデルに対応する回路の一の態様を示す。
【図5A】 本発明に係る2つの導性回路トポロジーにおいて実行される生物電気インター
フェースの特定の態様を示す。
【図5B】 本発明に係る2つの導性回路トポロジーにおいて実行される生物電気インター
フェースの特定の態様を示す。
【図5C】 本発明に係る2つの導性回路トポロジーにおいて実行される生物電気インター
フェースの特定の態様を示す。
【図5D】 本発明に係る2つの導性回路トポロジーにおいて実行される生物電気インター
フェースの特定の態様を示す。
【図5E】 本発明に係る2つの導性回路トポロジーにおいて実行される生物電気インター
フェースの特定の態様を示す。
【図5F】 本発明に係る2つの導性回路トポロジーにおいて実行される生物電気インター
フェースの特定の態様を示す。
【図5G】 本発明に係る2つの導性回路トポロジーにおいて実行される生物電気インター
フェースの特定の態様を示す。
【図6A】 本発明に係る分子結合現象を検出するための方法の一態様を示す。
【図6B】 本発明に係る二次元及び高次元結合現象を検出するための方法の一態様を示す
【図6C】 本発明に係る分子結合層の誘電変化を測定するための方法の一態様を示す。
【図6D】 本発明に係る未知の溶液中のリガンドを同定するための方法の一態様を示す。
【図6E】 本発明に係るリガンドのクラスを同定するための方法の一態様を示す。
【図6F】 本発明に係る溶液のリガンド濃度を定量するための方法の一態様を示す。
【図6G】 本発明に係るバイオアッセイ装置の自己診断能力を供するための方法の一態様
を示す。
【図7A】 図6A〜Gに示す方法各々を実施するために設計されたソフトウェアプログラ
ムを実行するためのコンピューターシステムの一態様を示す。
【図8A】 本発明に係る周波数測定システムの一態様を示す。
【図8B】 本発明に係る分子構造を検出又は同定するのに利用できる第一周波数実測応答
を示す。
【図8C】 本発明に係る分子構造を検出又は同定するのに利用できる第二周波数実測応答
を示す。
【図9】 本発明に係る周波数測定システムの第二の態様を示す。
【図10】 本発明に係る時間変域測定システムの第一の態様を示す。
【図11】 本発明に係る誘電緩和測定システムの一態様を示す。
【図12A】 ウレアーゼのITO表層に対する第一結合のはね返り損失及び送伝損失測定値
のそれぞれを示す。
【図12B】 ウレアーゼのITO表層に対する第一結合のはね返り損失及び送伝損失測定値
のそれぞれを示す。
【図12C】 コラゲナーゼ及びリゾチームの第一結合効果の送伝損失測定値を示す。
【図12D】 コラゲナーゼ及びリゾチームの第一結合効果の送伝損失測定値を示す。
【図12E】 結合及び未結合デキストランの送伝損失応答を示す。
【図12F】 グルコースに結合した及び結合していないcon−Aの応答を示す。
【図12G】 アビシン応答に対するビオチン/アビジンの送伝損失を示す。
【図12H】 デキストランとグルコースとの間での競合滴定の結果を示す。
【図12I】 共振時のグルコース濃度の関数としてのcon−Aのはね返り損失を示す。
【図12J】 ポリリジン応答に対するDNA/ポリリジン複合体の送伝損失を示す。
【図12K】 100MHz ,1GHz 及び10GHz での一連のバッファーについてのpHの関数と
しての送伝損失応答の変化を示す。
【図12L】 100MHz ,1GHz 及び10GHz での一連のバッファーについてのイオン濃度
の関数としての送伝損失応答の変化を示す。
【図12M】 複雑な環境における検出能力を示す1GHz で調べた全血の10通りの試料につ
いての送伝損失応答を示す。
【図12N】 クアドロポールモーメント検出を示すアビジン結合の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (64)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子結合層に係る1又は複数の特性を検出するための方法で
    あって、 シグナル経路の表層伝いにカップリングされた分子結合層を用意し;そして 当該シグナル経路伝いに検査シグナルを伝搬する; 工程を含んで成り、ここで当該検査シグナルは前記分子結合層にカップリング
    し、そして応答してシグナル応答を示すものである、方法。
  2. 【請求項2】 前記シグナル反応を測定する工程を更に含んで成る、請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記シグナル経路の表層が誘導化されている、請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 前記分子結合層がリガンドに結合して抗リガンドを含んで成
    る、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記分子結合層に被検物を添加する工程を更に含んで成り、
    ここで当該添加された被検物は前記分子結合層と相互作用する、請求項1記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 前記添加工程を前記検査シグナルの伝搬の工程の前に行う、
    請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記被検物が溶液内に入っている、請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記溶液が生物流体試料を含んで成る、請求項7記載の方法
  9. 【請求項9】 前記シグナル経路が第二の電磁カップリングされたオリジナ
    ル経路を含んで成る、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 リガンドと抗リガンドとの間での1又は複数の分子結合現
    象を検出するための方法であって、 シグナル経路の一部を第一リガンドを含む第一溶液に曝露させ、ここで当該曝
    露されたシグナル経路部分は第一分子結合層を含んで成り、ここで当該曝露され
    たシグナル経路部分は連続伝送ラインを含んで成り;そして 前記シグナル経路伝いに第一検出シグナルを伝搬し、ここで当該検出シグナル
    は前記分子結合層にカップリングし、そして前記第一リガンドと前記抗リガンド
    との間での前記結合現象の検出の指標となる第一シグナル応答を示す、 工程を含んで成る方法。
  11. 【請求項11】 更に: 前記シグナル経路の一部を第二リガンドを含む第二溶液に曝露し;そして 第二検査シグナルを前記シグナル経路伝いに伝搬し、ここで前記検査シグナル
    は前記分子結合層にカップリングし、そして前記第二リガンドと前記抗リガンド
    との間での前記結合現象の検出の指標となる第二シグナル応答を示す、 工程を含んで成る、請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記抗リガンドが抗体である、請求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】 分子結合層に係る1又は複数の特性を検出するための方法
    であって: シグナル経路の表層伝いにカップリングされた分子結合層を用意し;そして 前記シグナル経路伝いに検査シグナルを伝搬し、ここで前記シグナル経路の前
    記表層の接面(tangent)は前記検査シグナルのシグナル伝搬方向に対し
    て直交するものではなく、 ここで前記検査シグナルは前記分子結合層にカップリングし、そして応答して
    、シグナル応答を示す、 工程を含んで成る方法。
  14. 【請求項14】 分子結合層に係る1又は複数の特性を検出するための装置
    であって: 入力シグナルポート、出力シグナルポート及びその間にある連続導性領域を有
    するシグナル経路;並びに 前記シグナル経路にカップリングされた前記分子結合層; を含んで成る装置。
  15. 【請求項15】 前記入力シグナルポート及び前記出力シグナルポートが同
    一の物理的なポートを含んで成る、請求項14記載の装置。
  16. 【請求項16】 前記入力シグナルポート及び前記出力シグナルポートが二
    つの物理的に独立したポートを含んで成る、請求項14記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記分子結合層がリガンド/抗リガンド複合体を含んで成
    る、請求項14記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記分子結合層が誘導化導性層を含んで成る、請求項14
    記載の装置。
  19. 【請求項19】 前記シグナル経路伝いの溶液を保持するための保持用構造
    体を更に含んで成る、請求項14記載の装置。
  20. 【請求項20】 前記検査シグナルが1MHz 超の周波数で伝搬される、請求
    項14記載の装置。
  21. 【請求項21】 前記シグナル経路が伝送ライン構造体を含んで成る、請求
    項14記載の装置。
  22. 【請求項22】 前記シグナル経路が共振キャビティーを含んで成る、請求
    項14記載の装置。
  23. 【請求項23】 リガンドと抗リガンドとの間での1又は複数の分子結合現
    象を検出するための方法であって: シグナル経路の一部の上に第一溶液及び第一リガンドを適用し、ここで前記抗
    リガンドを含んで成る第一分子結合層が前記シグナル経路の前記部分の表層伝い
    に予め形成されており、前記分子結合層は前記溶液よりも前記シグナル経路に近
    位に配されており;そして 前記シグナル経路伝いに検査シグナルを伝搬し、ここで前記シグナル経路は前
    記表層伝いに連続な経路を含んで成り、ここで前記検査シグナルはリガンド/抗
    リガンド複合体を含んで成る前記分子結合層にカップリングし、そして第一シグ
    ナル応答を示す、 工程を含んで成る方法。
  24. 【請求項24】 リガンドと抗リガンドとの間での1又は複数の分子結合現
    象を検出するための方法であって: シグナル経路の上に溶液及びリガンドを適用し、ここで前記抗リガンドを含ん
    で成る分子結合層は前記シグナル経路の少なくとも一部の少なくとも表層伝いに
    予め形成されており;そして 前記シグナル経路伝いに検査シグナルを伝搬し、ここで前記検査シグナルはリ
    ガンド/抗リガンド複合体を含んで成る前記分子結合層にカップリングし、そし
    て第一シグナル応答を示す; 工程を含んで成る方法。
  25. 【請求項25】 更に: 前記第一シグナル応答を保存し; 前記シグナル経路の前記部分の上にリガンド又は抗リガンドを含む第二溶液を
    適用し; 前記シグナル経路伝いに第二分子結合層を形成し、ここで当該第二分子層は前
    記リガンド及び前記抗リガンドを含んで成り; 前記導性表層伝いに第二検査シグナルを伝搬し、ここで前記第二検査シグナル
    は前記分子結合層にカップリングし、そして応答して第二シグナル応答を示し、
    ここで当該第二シグナル応答は前記第一シグナル応答により補正されていないも
    のである; 工程を含んで成る請求項24記載の方法。
  26. 【請求項26】 更に: 前記シグナル経路伝いに第二検査シグナルを伝搬して第二シグナル応答を得; 前記第一シグナル応答とこの第二シグナル応答とを対比させ;そして 前記第二応答が前記第一応答と所定の範囲内で相関しないなら、前記溶液の前
    記誘電特性が決定される; 工程を含んで成る、請求項24記載の方法。
  27. 【請求項27】 更に: 前記第一シグナル応答を第一の既知の誘電特性に相関させ;そして 前記第一誘電特性値を前記第二の既知の誘電特性値から除する、 工程を含んで成る請求項26記載の方法。
  28. 【請求項28】 未知のリガンドの分類を決定するための方法であって、 第一分子結合層にカップリングされたシグナル経路を用意し、ここで当該分子
    結合層はN通りの対応リガンドサブ構造に対する結合のためのN通りの対応抗リ
    ガンドを含んで成り; 前記分子結合層の上に複数種の未知のリガンドを含む溶液を適用し; それに応答して、前記シグナル経路伝いに第二分子結合層を形成させ、ここで
    当該第二分子結合層は前記N通りの抗リガンドを含んで成り、 N通りの検査シグナルを前記N通りの抗リガンドに伝搬し; N通りの既知のシグナル応答を供させ、ここで当該N通りの既知の応答は既知
    のリガンド分類を規定し; ここで前記N通りの検査シグナルの各々は前記N通りの抗リガンドにカップリ
    ングし、そして応答して、前記N通りのサブ構造の各々の存在の指標となるN通
    りの対応の測定応答値を示し; ここで前記N通りの既知のシグナル応答のうちの所定の数が所定の範囲内で前
    記N通りの測定応答値と相関するなら、前記未知のリガンドが前記既知の分類に
    属していることが決定される; 工程を含んで成る方法。
  29. 【請求項29】 未知の分子結合現象を同定する方法であって、 シグナルを経路を用意し; 前記シグナル経路の上に第一リガンドを含む第一溶液を適用し; それに応答して、前記シグナル経路伝いに第一分子結合層を形成させ、ここで
    当該第一分子層は前記第一リガンドを含んで成り、ここで前記第一分子結合層は
    前記シグナル経路の表層伝いにカップリングし; 第一検査シグナルを前記シグナル経路伝いに伝搬し、ここで前記第一検査シグ
    ナルは前記分子結合層に結合し、そして応答して第一シグナル応答を示し; 既知の分子結合現象に対応する既知のシグナル応答を供させ; 前記第一シグナル応答を前記既知のシグナル応答と対比させ、ここで前記第一
    シグナル応答が所定の範囲内で前記既知のシグナル応答と相関するなら、前記未
    知の結合現象は前記既知の分子結合現象を含んで成るものである、 工程を含んで成る方法。
  30. 【請求項30】 溶液中のリガンドの未知の濃度を定量するための方法であ
    って: 第一分子結合層にカップリングされた第一経路を用意し、ここで当該結合層は
    少なくとも一の抗リガンドを含んで成り; 前記分子結合層の上に既知濃度のリガンドを有する溶液を適用して伝搬された
    検査シグナルから第一シグナル応答を得; 前記適用工程を1又は複数の異なる既知の濃度で繰り返し; 前記シグナルを既知濃度と相関させ; 伝搬された検査シグナルに対する第二シグナル応答を測定し;そして 前記第二シグナル応答を前記アルゴリズムと相関させる; 工程を含んで成る方法。
  31. 【請求項31】 リガンド又は抗リガンドの存在を検出するための装置であ
    って: 連続導性領域を含んで成るシグナル経路; 前記連続導性領域の少なくとも一部にカップリングした分子結合層、ここで当
    該分子結合層は前記リガンド又は抗リガンドを含んで成る;及び 前記分子結合層にカップリングされた溶液; を含んで成る装置。
  32. 【請求項32】 溶液中のリガンドの存在を検出するための生物電気インタ
    ーフェースであって: 連続導性領域を含んで成るシグナル経路; 前記リガンドを供与する溶液;並びに 前記シグナル経路及び溶液伝いにカップリングされた分子結合層、ここで当該
    分子結合層は前記リガンドを含んで成る; を含んで成る生物電気インターフェース。
  33. 【請求項33】 更に: 接地面;並びに 前記接地面と前記溶液との間にカップリングされた誘電層; を含んで成る、請求項32記載の生物電気インターフェース。
  34. 【請求項34】 前記分子結合層が前記伝送経路と前記溶液との間にカップ
    リングされたシャント回路として作動する、請求項32記載の生物電気インター
    フェース。
  35. 【請求項35】 前記溶液が前記シャントMBL回路と前記接地面との間に
    カップリングされたシャント回路として作動する、請求項32記載の生物電気イ
    ンターフェース。
  36. 【請求項36】 前記分子結合層に前記シグナル経路伝いにカップリングさ
    れた一式のR−L回路の電気的特性が含まれる、請求項35記載の生物電気イン
    ターフェース。
  37. 【請求項37】 前記溶液に前記シグナル経路伝いにカップリングされた一
    式のR−L回路の電気的特性が含まれる、請求項36記載の生物電気インターフ
    ェース。
  38. 【請求項38】 更に: 接地面;並びに 前記シグナル経路と前記接地面との間にカップリングされた誘電層; を含んで成る、請求項32記載の生物電気インターフェース。
  39. 【請求項39】 前記分子結合層が前記シグナル経路にカップリングされた
    シャント回路として作動する、請求項38記載の生物電気インターフェース。
  40. 【請求項40】 前記溶液に前記分子結合層にカップリングされた平行L−
    R−C回路の電気的特性が含まれる、請求項39記載の生物電気インターフェー
    ス。
  41. 【請求項41】 前記分子結合層が接地面に近位している、請求項32記載
    の生物電気インターフェース。
  42. 【請求項42】 前記分子結合層が前記シグナル及び接地面の双方に近位し
    ている、請求項32記載の生物電気インターフェース。
  43. 【請求項43】 前記分子結合層が導波管の一部に近位している、請求項3
    2記載の生物電気インターフェース。
  44. 【請求項44】 前記分子結合層がマイクロストリップの一部に近位してい
    る、請求項32記載の生物電気インターフェース。
  45. 【請求項45】 前記分子結合層が共振キャビティーの一部に近位し、且つ
    組込まれている、請求項32記載の生物電気インターフェース。
  46. 【請求項46】 前記シグナル経路が入力オリジナル経路及び出力シグナル
    経路を含んで成る、請求項32記載の生物電気インターフェース。
  47. 【請求項47】 検査シグナルを利用してリガンドの存在を検出するための
    装置であって: 連続導性領域を含んで成り、且つ第一ポート及び第二ポートをその間での前記
    検査シグナルの連絡のために有するシグナル経路; 前記シグナル経路にカップリングされた分子結合層、ここで当該分子結合層は
    前記リガンドを含んで成る;並びに 前記リガンドを前記分子結合層に伝送するための前記分子結合層にカップリン
    グされた溶液; を含んで成る装置。
  48. 【請求項48】 前記溶液が生物流体である、請求項47記載の装置。
  49. 【請求項49】 前記流体が血液である、請求項48記載の装置。
  50. 【請求項50】 分子結合現象を検出するためのシステムであって: 検査シグナルをランチングさせるためのシグナルソース; 前記シグナルソースにカップリングされたバイオアッセイ装置、ここでこの装
    置は: 連続導性領域を含んで成るシグナル経路; 前記分子結合現象を生成するためのリガンドを含む溶液;及び 前記リガンドを含んで成る第一分子結合層; を含んで成る;並びに 前記シグナル経路にカップリングされたシグナル検出器; を含んで成り、ここで前記検査シグナルは前記シグナル経路伝いに伝搬されて
    前記リガンドを含んで成る前記分子結合層にカップリングし、そして応答してシ
    グナル応答を示し、ここで当該シグナル応答は前記分子結合現象の存在の指標と
    なる;システム。
  51. 【請求項51】 前記検査シグナルが周波数変動シグナルを含んで成り、そ
    して前記シグナル応答が前記検査シグナルの伝送損失S21周波数応答を含んで成
    る、請求項50記載の検査システム。
  52. 【請求項52】 前記検査シグナルが周波数変動シグナルを含んで成り、こ
    こで前記シグナル応答が戻り損失S11周波数応答を含んで成る、請求項50記載
    の検査システム。
  53. 【請求項53】 前記検査シグナルが共振応答である周波数変動シグナルを
    含んで成る、請求項51又は52記載の検査システム。
  54. 【請求項54】 前記検査シグナルが非共振応答である周波数変動シグナル
    を含んで成る、請求項51又は52記載の検査システム。
  55. 【請求項55】 前記検査シグナルが純周波数又は周波数変動シグナルを含
    んで成り、そして前記シグナル応答が1又は複数の前記周波数におけるシフトを
    含んで成る、請求項51又は52記載の検査システム。
  56. 【請求項56】 前記検査シグナルが時間変域(time domain)
    波形を含んで成り、そして前記シグナル応答が時間変域波形を含んで成る、請求
    項50記載の検査システム。
  57. 【請求項57】 前記検査シグナルが時間変域波形を含んで成り、そして前
    記シグナル応答がはね返り(reflected)時間変域波形を含んで成る、
    請求項50記載の検査システム。
  58. 【請求項58】 前記検査シグナルが変動パルスインターバルの時間変域波
    形を含んで成り、そして前記シグナル応答がはね返り時間変域波形を含んで成る
    、請求項50記載の検査システム。
  59. 【請求項59】 シグナル経路伝いにカップリングされた分子結合層を有す
    るバイオアッセイ装置に利用するためのコンピューター制御分子結合現象検出シ
    ステム内の当該分子結合層に係る1又は複数の特性を検出するためのコンピュー
    タープログラム製品であって、 前記シグナル経路伝いに検査シグナルを伝搬することを前記システムに指示す
    るようプロセッサーに指令するコード、ここで当該検査シグナルは前記分子結合
    層にカップリングし、そして応答してシグナル応答を供する;及び 前記コードを保存するためのコンピューターリーダブル保存媒体; を含んで成る、コンピュータープログラム製品。
  60. 【請求項60】 前記シグナル応答を測定することを前記システムに指示さ
    せるよう前記プロセッサーに指令するコードを更に含んで成る請求項59記載の
    コンピュータープログラム製品。
  61. 【請求項61】 シグナル経路伝いにカップリングされた分子結合層を有す
    るバイオアッセイ装置に利用するためのコンピューター制御分子結合現象検出シ
    ステム内のリガンドと抗リガンドとの間の1又は複数の分子結合現象を検出する
    ためのコンピュータープログラム製品であって: 前記シグナル経路の一部伝いに第一溶液を適用することを前記システムに指示
    させるようプロセッサーを指令するコード;及び 前記シグナル経路伝いに第一検査シグナルを伝搬することを前記システムに指
    示させるよう前記プロセッサーを指令するコード、ここで前記検査シグナルは前
    記分子結合層にカップリングして前記リガンドと前記抗リガンドとの間での前記
    結合現象の検出の指標となる第一シグナル応答を供与する;並びに 前記コードを保存するためのコンピューターリーダブル保存媒体; を含んで成るコンピュータープログラム製品。
  62. 【請求項62】 更に: 前記シグナル経路の一部を第二リガンドを含む第二溶液に曝露することを前記
    システムに指示させるよう前記プロセッサーを指令するコード;及び 前記シグナル経路伝いに第二検査シグナルを伝搬することを前記システムに指
    示させるよう前記プロセッサーを指令するコード、ここで前記検査シグナルは前
    記分子結合層にカップリングし、そして前記第二リガンドと前記抗リガンドとの
    間での前記結合現象の検出の指標となる第二シグナル応答を供与する; を含んで成る、請求項61記載のコンピュータープログラム製品。
  63. 【請求項63】 N通りの対応リガンドサブ構造に対する結合のためのN通
    りの抗リガンドを含んで成る分子結合層にカップリングされた連続導性領域を含
    んで成るシグナル経路を有するバイオアッセイ装置に利用するためのコンピュー
    ター制御分子結合現象検出システム内の溶液中に含まれている未知のリガンドの
    分類を決定するためのコンピュータープログラム製品であって: 前記分子結合層の上に複数種の前記未知のリガンドを含む前記溶液を適用する
    ことを前記システムに指示させるようにプロセッサーを指令するコード、ここで
    前記シグナル経路伝いに第二分子結合層が形成され、ここで当該第二分子結合層
    は前記N通りの抗リガンドを含んで成る; N通りの検査シグナルを前記N通りの抗リガンドに伝搬することを前記システ
    ムに指示させるよう前記プロセッサーを指令するコード; N通りの既知のシグナル応答を供与することを前記システムに指示させるよう
    前記プロセッサーを指令するコード、ここで当該N通りの応答は既知のリガンド
    分類を規定し、ここで前記N通りの検査シグナルの各々は前記N通りの抗リガン
    ドにカップリングし、そして応答して前記N通りのサブ構造の各々の存在の指標
    となるN通りの対応測定応答値を供する; 前記N通りのシグナル応答うちの所定の数が所定の範囲内で前記N通りの測定
    応答値と相関するかを決定することを前記システムに指示させるよう前記プロセ
    ッサーを指令するコード;並びに 前記コードを保存するためのコンピューターリーダブル保存媒体; を含んで成るコンピュータープログラム製品。
  64. 【請求項64】 シグナル伝いにカップリングされた分子結合層を有するバ
    イオアッセイ装置に利用するためのコンピューター制御分子結合現象検出システ
    ム内の溶液中の未知の濃度のリガンドを定量するためのコンピュータープログラ
    ム製品であって: 前記分子結合層の上に既知の濃度のリガンドを有する溶液を適用することで伝
    搬検査シグナルから第一シグナル応答を得ることを前記システムに指示させるよ
    うプロセッサーを指令するコード; 前記適用工程を1又は複数種の既知の濃度で繰り返すことを前記システムに指
    示させるよう前記プロセッサーを指令するコード; 前記シグナルを既知の濃度に相関させることを前記システムに指示させるよう
    前記プロセッサーを指令するコード; 伝搬検査シグナルに対する第二シグナル応答を測定することを前記システムに
    指示させるよう前記プロセッサーを指令するコード; 当該第二シグナル応答を前記アルゴリズムに相関させることを前記システムに
    指示させるよう前記プロセッサーを指令するコード;及び 前記コードを保存するためのコンピューターリーダブル保存媒体; を含んで成るコンピュータープログラム製品。
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