JP2002500161A - 神経栄養性および鎮痛性のレトロインバースペプチド - Google Patents

神経栄養性および鎮痛性のレトロインバースペプチド

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Abstract

(57)【要約】 【課題】生物学的活性を保持したままで、大きな代謝安定性を示す神経栄養性および鎮痛性のペプチドを提供する。 【解決手段】サポシンCの神経栄養活性領域に由来するレトロインバースペプチドアナログ。このサポシンC由来のペプチド(プロサプチド)は、軸索突起の成長をインビトロで誘導し、プログラム化された細胞死を防止し、ミエリン形成を誘導し、そして鎮痛作用を有する。このペプチドは、中枢神経系および末梢神経系の疾患ならびに痛み管理の処置に有用である。このレトロインバースペプチドは、代謝分解に対して、対応する非インバースペプチドよりも著しく大きな耐性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、神経栄養性および鎮痛性のペプチドならびにその使用方法に関する
。より詳細には、本発明は、サポシンCの神経栄養性ペプチドフラグメントの安
定で活性なレトロインバースアナログに関する。
【0002】
【従来の技術】
(背景技術) 脱髄は、多数の中枢神経系(CNS)疾患に共通した欠陥の1つである。最も
一般的な疾患は多発性硬化症(MS)である。全身的な無力化に至り得る慢性疾
患であるMSは、軸索はほとんど無傷のままであるが、ミエリン鞘に対する損傷
を特徴とする。MSは、若年成人の最も一般的な神経学的疾患である。合衆国で
のMS発生は、約300,000である。現在、抗炎症薬を使用するMSの処置
は、治療的であるというよりも一時的なものである:これらの薬物は、回復を促
進するというよりも炎症を抑えるように作用するので、脱鞘の阻止は非常に限ら
れている(Interferon Therapy of Multiple
Sclerosis、Reder,A.ed.,Marcel Dekker、
New York、1997)。脱鞘を含む他の中枢神経系の疾患には、急性播
種性脳脊髄炎、脳および/または脊髄に対する障害、急性出血性白質脳症、進行
性多中心性白質脳症、異染性白質萎縮症、副腎白質萎縮症、および未熟児の白質
形成異常(脳室周囲の白質軟化)が含まれる。末梢神経系(PNS)もまた脱鞘
し得る:例えば、ギラン−バレー症候群(Pathologic Basis
of Disease、Robbins他編、W.B.Saunders、Ph
iladelphia、1979年、1578頁〜1582頁)、外傷性の損傷
および炎症、または感染性の神経障害などで生じている。糖尿病または化学療法
などから生じる末梢神経の損傷および末梢の神経障害は、最も一般的な末梢の神
経系疾患を含む。
【0003】 ニューロトロフィンおよび神経栄養因子は、ニューロン細胞集団の生存、標的
の神経支配および/または機能に影響し得るタンパク質またはペプチドである(
Barde、Neuron、2:1525〜1534、1989)。インビボお
よびインビトロの両方におけるニューロトロフィンの効力は十分に立証されてい
る。例えば、神経成長因子(NGF)は、前脳のコリン作動性の末梢ニューロン
および感覚ニューロンに対する栄養因子として作用する(Hefti他、Neu
robio.Aging、10:515〜533、1989)。インビボ実験に
より、NGFは、末梢神経に対する自然に生じる損傷および物理的外傷を修復し
得ることが示されている(Rich他、J.Neurocytol.、16:2
61〜268、1987)。脳由来神経栄養因子(BDNF)は、末梢感覚ニュ
ーロン、黒質のドーパミン作動性ニューロン、中枢のコリン作動性ニューロンお
よび網膜神経節に対する栄養因子である(Henderson他、Restor
.Neurol.Neurosci.、5:15〜28、1993)。BDNF
は、正常に生じる細胞死をインビトロおよびインビボの両方で防止することが明
らかにされている(Hofer他、Nature、331:262〜262、1
988)。毛様体神経栄養因子(CNTF)は、ニワトリの胚の毛様体神経節の
生存をインビトロで促進し、そして培養された交感神経の感覚ニューロンおよび
脊髄運動ニューロンの生存を助ける(Ip他、J.Physiol.Paris
、85:123〜130、1991)。
【0004】 プロサポシンは、リソソームのヒドロラーゼによる糖スフィンゴ脂質の加水分
解に必要とされる一群の熱に安定な4つの小さな糖タンパク質の前駆体である(
Kishimoto他、J.Lipid Res.、33:1255〜1267
、1992)。プロサポシンは、リソソームにおいてタンパク質分解的にプロセ
シングされ、サポシンA、B、CおよびDを生成する(O' Brien他、FA
SEB J.、5:301〜308、1991)。O' Brien他(Proc
.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、91:9593〜9596、1
994)、米国特許第5,571,787号およびPCT特許出願公開第WO9
5/03821号は、プロサポシンおよびサポシンCが、軸索突起の成長を刺激
し、そしてミエリン形成の増大を促進することを開示している。さらに、米国特
許第5,571,787号および国際特許公開第WO95/03821号は、ヒ
トサポシンCのアミノ酸8〜29からなる22merペプチド(CEFLVKE
VTKLIDNNKTEKEIL;配列番号1)が、神経芽腫細胞およびマウス
小脳外植片の両方における軸索突起の成長を刺激することを開示している。これ
らの参考文献はまた、(VがYによって置換された)サポシンCの活性な22m
erに含まれる18merペプチド(YKEVTKLIDNNKTEKEIL;
配列番号2)もまた、軸索突起の成長を促進し、そして血液脳関門を通過するこ
とができたことを開示している。O' Brien他(FASEB J.、9:6
81〜685、1995)は、この22merがコリンアセチルトランスフェラ
ーゼ活性を刺激し、そして神経芽腫細胞の細胞死をインビトロで防止したことを
明らかにしている。この活性な軸索突起形成フラグメントは、サポシンCのアミ
ノ末端配列に存在する線状の12merに局在化していた(LIDNNKTEK
EIL;配列番号3)。
【0005】 ペプチドをインビボの治療に使用するための大きな障害は、タンパク質分解的
な分解に対するその感受性である。レトロインバース(retro−inver
so)ペプチドは、配列の方向が逆(レトロ:retro)であり、そして各ア
ミノ酸のキラリティー(DまたはL)が逆転(インバース:inverso)し
ている線状ペプチドの異性体である。いくつかのペプチド結合のみが逆になり、
そして逆になった部分のアミノ酸残基のキラリティーが逆転している線状ペプチ
ドの部分的に改変されたレトロインバース異性体もまたは存在する。そのような
ペプチドの大きな利点は、タンパク質分解的な分解に対する耐性が改善されたこ
とによるその高まったインビボでの活性である(総説に関して、Chorev他
、Trends Biotech.、13:438〜445、1985を参照の
こと)。そのようなレトロインバースアナログは代謝安定性が増大しているが、
その生物学的活性は非常に抑えられていることが多い(Guichard他、P
roc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、91:9765〜976
9、1994)。例えば、Richman他(J.Peptide Prote
in Res.、25:648〜662)は、Gly3 −Phe4 のアミド結合
が改変された線状または環状のleu−エンケファリンのアナログが、元のle
u−エンケファリンの6%〜14%の範囲の活性を有することを明らかにした。
Chorev他(上記)は、ビトロネクチンのそのレセプターに対する結合を阻
害するペプチドのレトロインバース化によって、活性が元の異性体の1/50,
000分に低下したペプチドが得られ、そして活性が元の環状ペプチドの4,0
00倍になった別のペプチドが得られたことを明らかにした。Guichard
他(TIBTECH 14、1996)は、レトロインバース(すべてがD体の
レトロ体)抗原性模倣体は、ランダムコイル形態、ループ形態または環状形態の
ペプチドに存在し得るだけであることを教示している。「らせん状」ペプチドの
場合、適切な機能的模倣体は、らせん性が、抗原性模倣体を評価するために使用
される溶媒条件下で実際に存在しないときにだけ予想される。上記の22mer
(配列番号1)は、天然プロサポシンのらせん領域が隣接する隣り合うアスパラ
ギン残基でのループ体である。このペプチドは、プロサポシンレセプターに結合
したときにらせん状になることが非常に確からしい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
生物学的活性を保持したままで、大きな代謝安定性を示す神経栄養性および鎮
痛性のペプチドが必要とされている。本発明はこのような必要性を解決する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(発明の要旨) 本発明は、神経栄養性サポシンCフラグメントのレトロインバース化ペプチド
が驚くべき高レベルの神経栄養活性を有するという発見を含む。このようなペプ
チドの改変体および置換体もまた、驚くべき活性を有し、そしてインビボで安定
である。任意の特定の候補ペプチドに関する迅速な活性測定を可能にする簡便な
スクリーニングプロトコルが下記に示されている。レトロインバース化ペプチド
はこれまで低い活性を有していたが、本発明は、レトロインバース法がサポシン
Cの神経栄養フラグメントに理想的に適していることを実証する。
【0008】 本発明の1つの実施形態は、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む10
個〜約40個の間のアミノ酸を有するペプチドである。好ましくは、このペプチ
ドは、配列番号5、配列番号7、配列番号8または配列番号11に示される配列
を有する。好ましくは、このペプチドは、アミノ末端またはカルボキシ末端で、
あるいはアミノ末端およびカルボキシ末端の両方で、下記の独立的に選択される
基の1つによって修飾される:CH3 CO、CH3 (CH2n CO、C65
CH2 CO、およびH2 N(CH2n CO(ただし、n=は1〜10)。好都
合なことに、このペプチドは、Asn7またはα−アミノ基でグリコシル化され
る。この好ましい実施形態の1つの局面において、このペプチドの1つまたは複
数のアミド結合は還元されている。この好ましい実施形態の別の局面において、
このペプチドの1つまたは複数の窒素はメチル化されている。好ましくは、この
ペプチドの1つまたは複数のカルボン酸基はエステル化されている。
【0009】 本発明はまた、軸索突起形成を刺激するか、あるいは神経細胞死を防止するた
めの方法を提供する。この方法は、神経細胞を、配列番号12に示されるアミノ
酸配列を含む11個〜約40個の間のアミノ酸を有するペプチドの軸索突起形成
または神経細胞死防止に効果的な量を含む組成物と接触させる工程を含む。好ま
しくは、この神経細胞は神経芽腫細胞である。好ましくは、この神経芽腫細胞は
NS20Y細胞である。この好ましい実施形態の1つの局面において、前記のペ
プチドは、配列番号5、配列番号7、配列番号8または配列番号11に示される
配列を有する。
【0010】 本発明の別の実施形態は、ミエリン形成を刺激するか、または脱髄を防止する
ための方法である。この方法は、神経細胞を、配列番号12に示されるアミノ酸
配列を含む11個〜約40個の間のアミノ酸を有するペプチドのミエリン形成刺
激または脱髄阻害に効果的な量を含む組成物と接触させる工程を含む。好ましく
は、このペプチドは、配列番号5、配列番号7、配列番号8または配列番号11
に示される配列を有する。
【0011】 本発明はまた、痛みの処置を必要とする哺乳動物において痛みを処置するため
の方法を提供する。この方法は、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む1
1個〜約40個の間のアミノ酸を有するペプチドを含む組成物の痛み処置に効果
的な量を前記哺乳動物に投与する工程を含む。好ましくは、このペプチドは、配
列番号5、配列番号7、配列番号8または配列番号11に示される配列を有する
【0012】 本発明はまた、薬学的組成物を提供するものであり、この薬学的組成物は薬学
的に受容可能なキャリアに、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む11個
〜約40個の間のアミノ酸を有するペプチドを含む。好ましくは、この組成物は
制御放出配合物である。あるいは、この組成物はリポソーム形態である。この組
成物はまた、凍結乾燥された形態であり得る。好ましくは、この組成物は単位投
薬形態である。
【0013】 本発明は、ミエリン形成の刺激または脱髄の阻害を必要とする哺乳動物におい
て、ミエリン形成を刺激するか、または脱髄を防止するための方法を提供する。
この方法は、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含み、好ましくは配列番号
5、配列番号7、配列番号8または配列番号11に示される配列を有する10個
〜約40個の間のアミノ酸を有するペプチドのミエリン形成刺激または脱髄阻害
に効果的な量を含む組成物を前記哺乳動物に投与する工程を含む。好ましくは、
この投与工程は、静脈内、肺的、くも膜下内、筋肉内、皮内、皮下、頭蓋内、硬
膜外、局所的および経口的であることを含む。
【0014】 本発明の別の実施形態は、軸索突起形成を刺激するか、または神経細胞死を防
止するためのペプチドであって、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む1
1個〜約40個の間のアミノ酸を有するペプチドの使用である。好ましくは、こ
のペプチドは、配列番号5、配列番号7、配列番号8または配列番号11に示さ
れる配列を有する。
【0015】 本発明はまた、ミエリン形成を刺激するか、または脱髄を防止するためのペプ
チドであって、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む11個〜約40個の
間のアミノ酸を有するペプチドの使用を提供する。好ましくは、このペプチドは
、配列番号5、配列番号7、配列番号8または配列番号11に示される配列を有
する。
【0016】 本発明の別の実施形態は、痛みの処置を必要とする哺乳動物において痛みを処
置するためのペプチドであって、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む1
1個〜約40個の間のアミノ酸を有するペプチドの使用を提供する。好ましくは
、このペプチドは、配列番号5、配列番号7、配列番号8または配列番号11に
示される配列を有する。
【0017】 本発明はまた、ミエリン形成の刺激または脱髄の阻害を必要とする哺乳動物に
おいて、ミエリン形成を刺激するか、または脱髄を防止するためのペプチドであ
って、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む11個〜約40個の間のアミ
ノ酸を有するペプチドの使用を提供する。好ましくは、このペプチドは、配列番
号5、配列番号7、配列番号8または配列番号11に示される配列を有する。
【0018】
【発明の実施の形態】
(好ましい実施形態の詳細な説明) 本発明は、天然のペプチドフラグメントと同様に、サポシンCの活性な神経栄
養性領域を含むレトロインバース化(RI)ペプチドが、軸索突起の成長を刺激
し、そして神経細胞の死を防止するという発見を含む。このペプチドはまた、神
経細胞のミエリン形成の増大を促進する。このような結果は、レトロインバース
アナログが、プロサポシンレセプターへの結合に必要とされる立体配座に関して
、対応するすべてがL型のペプチドと同じ立体配座を取ることは、特に、大きな
割合のらせん構造を含有するレトロインバースペプチドは十分な機能的模倣体と
ならないことが予想されると教示するGuichard他(1996、上記)を
参照して考えられないので驚くべきものである。
【0019】 ヒトサポシンCに含まれ、配列番号3(LIDNNKTEKEIL)に示され
る活性な軸索突起促進領域を含む天然の15mer(TKLIDNNKTEKE
ILD;配列番号10)は、インビボでのタンパク質分解作用に対するその感受
性を減少させるために下記のように改変された:Lys2をD−alaと置換し
てエキソペプチダーゼに対する耐性を増大させ;lys8をalaと置換してト
リプシン消化に対する耐性を増大させ;そしてlys11を欠失してトリプシン
消化に対する耐性を増大させた。さらに、asp15をtyrと置換してヨウ素
化部位とした。従って、得られたペプチドのTX14(A)は、トリプシンまた
はキモトリプシンに対する切断部位を含有しなかった。レトロインバース化され
たTX14(A)(ペプチドD2)は、逆方向にTX14(A)のアミノ酸を含
有した。さらに、すべての残基はDキラリティーを有し、タンパク質分解に対す
る感受性がさらに最小化された。
【0020】 TX14(A)、D2、D4およびD5の各ペプチドはすべて、インビトロで
の軸索突起成長アッセイにて軸索突起形成活性を示した(図1および図3)。実
際、ペプチドD2、すなわち、RIペプチドは、TX14(A)よりもわずかに
大きな活性を有した(図1)。ペプチドD4およびペプチドD5もまた、TX1
4(A)よりも幾分か大きな活性を有した。ペプチドTX14(A)およびペプ
チドD2はまた、培養された神経芽腫細胞の細胞死を同じ程度に防止した(図2
)。別のレトロインバースペプチドのD3(YLEETANNDLLAT;配列
番号11)もまた、インビトロで軸索突起の成長を促進した。
【0021】 重要なことに、実施例5に示されているように、ペプチドD5の全身投与は、
ミエリン再形成プロセスに対する直接的な作用によって、LewisラットのE
AEモデルでの病変重篤度を低下させる。この作用は、マクロファージでの作用
によって炎症を低下させるように作用する現在のMS薬剤の抗炎症効果とは異な
る。配列番号12に示される配列を含む所望するペプチドはいずれも、このモデ
ルで試験して、脱髄を回復させるその能力を測定することができ、あるいは本明
細書中に記載されているそれ以外のアッセイのいずれかで、軸索突起の成長およ
びミエリン形成を促進するその能力を測定することができる。機能の回復は、処
置された動物の歩幅が正常に戻ったことによって明らかにされた。歩幅は、四肢
の弱さの尺度である。
【0022】 配列番号8に示されるRIされた活性な11mer配列を含むか、あるいは下
記の配列番号12に示されるコンセンサス配列を含む完全なRI化サポシンC由
来ペプチドまたは部分的なRI化サポシンC由来ペプチド、およびその神経栄養
性および/またはミエリン栄養性のアナログは、末梢神経系および中枢神経系に
対する毒性障害、外傷性障害、虚血性障害、変性的障害および遺伝的障害の後で
の機能回復を促進する際の重要な治療的応用を有する。さらに、これらのRIペ
プチドは、ミエリン形成を刺激し、そして脱鞘性疾患の影響を中和する。これら
のペプチドは、ニューロンの成長を刺激し、ミエリン形成を促進し、そしてミエ
リン形成性グリア(すなわち、稀突起神経膠細胞(オリゴデンドロサイト))の
ニューロン組織でのプログラム化された細胞死を防止する。本発明のRI化サポ
シンC由来ペプチドはまた、特に、外傷の数日後または数ヶ月後に発症し得る神
経障害的な痛みで、長期間持続するかまたは慢性的であることが多い神経障害的
な痛みを処置するための鎮痛剤として有用である。配列番号8は、下記のように
改変することができるが、依然として神経栄養活性を保持している:Leu1お
よびLeu2は任意のアミノ酸にすることができ;Glu3およびGlu4は任
意の荷電アミノ酸(lys、arg、his、aspまたはglu)にすること
ができ;Thr5は必須であり;Ala6は任意のアミノ酸にすることができ;
Asn7およびAsn8は必須であり;Asp9は任意のアミノ酸であり;そし
てLeu10はロイシンまたはイソロイシンである。これにより、RIペプチド
のD2およびD3の配列とともに、下記のコンセンサス配列(すべてがD型アミ
ノ酸)が得られる: X1234 TX5 NNX678 (配列番号12) ただし、X1 およびX2 は任意のアミノ酸であり;X3 およびX4 は、リシン、
アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸またはグルタミン酸であり;Tはトレ
オニンであり;X5 は任意のアミノ酸であり;Nはアスパラギンであり;X6
任意のアミノ酸であり;X7 は欠失、ロイシンまたはイソロイシンあり;そして
8 はロイシンまたはイソロイシンである。プロサポシンの活性なRIフラグメ
ントは、好ましくは、約10個のアミノ酸〜約40個のアミノ酸を有する。好ま
しくは、プロサポシンから得られる活性なRIフラグメントは、約10個のアミ
ノ酸〜約22個のアミノ酸を有する。
【0023】 本発明の1つの実施形態は、分化した神経細胞または未分化の神経細胞におけ
る軸索突起の成長を、そのような細胞に軸索突起成長を促進するのに効果的な量
にて、配列番号8に示されるRI化された活性な11mer領域を含むRI化サ
ポシンC由来ペプチドまたは配列番号12で規定されるそのアナログを投与する
ことによって促進させる方法である。そのようなアナログは、例えば、1個また
は複数個のリシン残基および/またはアルギニン残基のアラニンまたは別のアミ
ノ酸による置換;1個または複数個のリシン残基および/またはアルギニン残基
の欠失;1個または複数個のチロシン残基および/またはフェニルアラニン残基
の置換、1個または複数個のフェニルアラニン残基の欠失、およびペプチドにお
ける1個または複数個のアミノ酸の保存的置換を含む。リシン/アルギニンおよ
びチロシン/フェニルアラニンの各残基の置換または欠失は、それぞれ、トリプ
シンおよびキモトリプシンによるペプチド分解の感受性を低下させる。
【0024】 本発明における使用のために包含されるこれらのペプチド配列のさらなる変化
体は、マイナーな挿入および欠失を含む。保存的なアミノ酸置換が考慮される。
そのような置換は、例えば、その側鎖の化学的性質にて関連付けられるアミノ酸
ファミリーの中で行われる置換である。アミノ酸のファミリーには、塩基性荷電
アミノ酸(リシン、アルギニン、ヒスチジン);酸性荷電アミノ酸(アスパラギ
ン酸、グルタミン酸);非極性アミノ酸(アラニン、バリン、ロイシン、イソロ
イシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン);非荷電
極性アミノ酸(グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、ト
レオニン、チロシン);および芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトフ
ァンおよびチロシン)が含まれる。特に、ロイシンのイソロイシンもしくはバリ
ンによる孤立的な置換、またはアスパラギン酸のグルタミン酸による孤立的な置
換、またはトレオニンのセリンによる孤立的な置換からなる保存的なアミノ酸置
換、あるいは構造的に関連するアミノ酸による類似したアミノ酸の保存的な置換
は、ペプチドの特性に大きく影響しないことが一般的に認められている。配列番
号12に示される配列、あるいはその挿入、欠失または置換を含むいずれかのR
Iペプチドが軸索突起の成長およびミエリン形成を促進し、脱髄を回復し、そし
て神経細胞の死を防止する能力は、下記に示されている実施例において提供され
るアッセイを使用して測定することができる。
【0025】 様々な標準的な化学的改変によって、ペプチドの安定性、生物活性、および血
液脳関門を通過する能力が改善される。そのような1つの修飾は、脂肪族酸また
は芳香族酸の誘導体による、アミド結合を形成する脂肪族アミノ末端修飾である
。そのような誘導体には、例えば、CH3 CO、CH3 (CH2n CO(n=
1〜10)、C65 CH2 CO、およびH2 N(CH2n CO(n=1〜1
0)が含まれる。別の修飾は、脂肪族または芳香族のアミン/アルコールの誘導
体をアミド/エステル結合によってペプチドに結合させることによるカルボキシ
末端修飾である。そのような誘導体には、上記の誘導体が含まれる。ペプチドは
また、アミノ末端修飾およびカルボキシ末端修飾の両方を含むことができる。こ
の場合、その誘導体は上記の誘導体から独立的に選択される。ペプチドはまた、
グリコシル化することができる:この場合、配列番号12に示されるペプチドの
α−アミノ基またはD−Asn8、あるいはそれらの両方が、グルコースまたは
ガラクトースによって修飾される。考えられる別の修飾においては、選択された
骨格アミド結合が還元される(−NH−CH2 )。他の修飾としては、アミド結
合内の選択された窒素のN−メチル化、およびペプチドでの少なくとも1つの酸
基が芳香族エステルまたは脂肪族エステルとして修飾されたエステルが含まれる
。上記の修飾の任意の組合せもまた包含される。
【0026】 そのようなペプチドのいずれかが、軸索突起の成長を刺激するか、またはオピ
エートレセプターアゴニストとして作用する能力は、下記の実施例1および実施
例2に記載されている手順を使用して当業者によって容易に測定することができ
る。
【0027】 細胞増殖培地における神経栄養活性に必要なRIペプチドの代表的な最少量は
、通常、少なくとも5ng/mlである。インビトロでの使用に関して本発明の
RIペプチドのこの量またはそれ以上の量も包含される。典型的には、これらの
ペプチドは、濃度が0.1μg/ml〜約10μg/mlの範囲にある濃度で使
用される。任意の特定の組織に関して効果的な量は、実施例1に従って決定する
ことができる。
【0028】 神経細胞は、本発明のRIペプチドを細胞に直接投与することによってインビ
トロまたはエクスビボで処置することができる。このような処置は、例えば、特
定の細胞タイプに適切な増殖培地で細胞を培養し、その後、ペプチドを培地に加
えることによって行うことができる。処置され得る細胞が、典型的には脊椎動物
、好ましくは哺乳動物においてインビボである場合、組成物をいくつかの技術の
いずれかによって投与することができる。最も好ましくは、組成物は、ペプチド
の所望する局所的濃度が得られるのに十分な量で血液に直接注射される。本発明
のRIペプチドは、Dペプチド結合のためにインビボでより長く持続する。リシ
ン残基およびアルギニン残基を有さないペプチドの場合、タンパク質分解的な分
解が低減される。
【0029】 より小さなペプチド(すなわち、50mer以下)は、CNS疾患の処置のた
めに血液脳関門を通過して中枢神経系に進入することは非常に確からしい(Ba
nks他、Peptides、13:1289〜1294、1992)。実際、
ペプチドD4の著量が、ラットへの筋肉内注射の後に脳内に存在していた。
【0030】 神経疾患を処置する場合、直接的な頭蓋内注射または脳脊髄液への注射もまた
、所望する局所的濃度のニューロトロフィンが得られるのに十分な量で使用する
ことができる。両方の場合、薬学的に受容可能で注射可能なキャリアが使用され
る。そのようなキャリアには、例えば、リン酸塩緩衝化生理食塩水およびリンゲ
ル液が含まれる。あるいは、組成物は、直接的な局所注射によって、または全身
投与によって末梢神経組織に投与することができる。様々な従来の投与形式が包
含される。これには、静脈内、肺的、筋肉内、皮内、皮下、頭蓋内、硬膜下、く
も膜下、局所的および経口的が含まれる。鎮痛剤として使用される場合、直接的
な静脈内注射による投与が好ましい。
【0031】 本発明の神経栄養性および鎮痛性のペプチド組成物は、患者に投与される日用
量に等しい投薬量での注射可能な組成物または局所的な調製物などの単位投薬形
態に、あるいは制御放出組成物として包装され投与することができる。PBS中
または凍結乾燥形態のいずれかにおいて活性成分の日用量を含有するセプタム密
封バイアルは、単位投薬の例である。好ましい実施形態において、脊椎動物の体
重に基づく本発明のRIペプチドの1日あたりの全身投薬量は、神経疾患の処置
に関して、あるいは鎮痛剤として、約0.01μg/kg〜約10,000μg
/kgの範囲である。より好ましくは、1日あたりの全身投薬量は、約0.1μ
g/kg〜約1,000μg/kgの間である。最も好ましくは、1日あたりの
全身投薬量は、約10μg/kg〜約100μg/kgの間である。局所的に投
与される物質の1日あたりの投薬量は、それよりも約1桁少ない程度である。経
口投与は、胃腸系でのタンパク質分解的な分解に対するペプチドの耐性のために
特に好ましい。
【0032】 本発明の好ましい実施形態の1つにおいて、神経栄養ペプチドは、神経細胞に
、その移植によってインビボで局所的に投与される。例えば、ポリ乳酸、ポリガ
ラクト酸(polygalactic acid)、再生コラーゲン、多重膜リ
ポソーム、および多くの他の従来型デポ剤配合物は、生物学的に活性な神経栄養
性ペプチド組成物と配合することができる生物崩壊性または生分解性の物質を構
成する。このような物質は、移植されたときに徐々に分解して、活性物質を周り
の組織に放出する。生物崩壊性、生分解性および他のデポ剤の配合物の使用は、
本発明において特に考慮される。注入ポンプ、マトリックス閉じ込めシステム、
および経皮送達デバイスとの組合せもまた考慮される。ペプチドはまた、米国特
許第5,529,914号に記載されているようにポリエチレングリコールコン
フォーマル(conformal)コーティング剤内にカプセル化され、その後
移植することができる。
【0033】 本発明の神経栄養ペプチドはまた、ミセルまたはリポソームの中に封入するこ
とができる。リポソーム封入技術はよく知られている。リポソームは、標的化組
織と結合し得るレセプター、リガンドまたは抗体を使用することによって神経組
織などの特定の組織に標的化することができる。このような配合物の調製は、こ
の分野では十分に知られている(Radin他、Meth.、Enzymol.
、98:613〜618、1983)。
【0034】 現在、神経系の構造的完全性の十分な機能的再生および修復を促進し得る薬を
入手することができない。これは、特にCNSの場合にはそうである。神経栄養
因子の使用による末梢神経の再生は本発明の範囲に含まれる。さらに、神経栄養
因子は、神経集団または脳の特定領域の縮退に関連する神経変性疾患の処置にお
いて治療的に有用であり得る。パーキンソン病の主原因は、黒質のドーパミン作
動性ニューロンの縮退である。プロサポシンに対する抗体によって、ヒトの脳切
片における黒質ドーパミン作動性ニューロンが免疫組織学的に染色されるので、
本発明のRIペプチドは、パーキンソン病の処置において治療的に有用であり得
る。網膜の神経障害、すなわち、中高年層において視力喪失に至る眼の神経変性
疾患もまた、本発明のRIペプチドを使用して処置することができる。
【0035】 脳においてニューロン集団を得るためには、神経栄養因子を脳内に投与しなけ
ればならないと長い間考えられていた。なぜなら、これらのタンパク質は、血液
脳関門を通過しないからである。米国特許第5,571,787号は、サポシン
C由来のヨウ素化された神経栄養性の18merフラグメントが血液脳関門を通
過することを開示している。従って、約22個までのアミノ酸を有するRIペプ
チドもまた、この関門を通過し、従って、静脈内投与することができる。運動ニ
ューロンなどの他のニューロン集団もまた、静脈内注射によって処置することが
できるが、脳脊髄液への直接的な注射もまた、代わりの経路として考えられてい
る。
【0036】 細胞は、ミエリン生成を促進させるかまたは脱鞘を防止するために、上記の方
法で、インビボ、エクスビボまたはインビトロで処置することができる。MS、
急性播種性白質脳症、脳および/または脊髄への障害、進行性多中心性白質脳症
、異染性白質萎縮症、副腎白質萎縮症および未熟児の白質形成異常(脳室周囲の
白質軟化)を含む神経繊維の脱鞘をもたらす疾患は、このような疾患により冒さ
れた細胞に本発明の神経栄養性ペプチドを投与することによって、その進行を遅
くすることができ、あるいは止めることができる。
【0037】 本発明の組成物は、神経栄養因子およびミエリン促進物質の効果を研究するた
めの研究用具としてインビトロで使用することができる。しかし、より実用的に
は、それらは、インビトロで神経細胞の増殖を容易にし、そして維持するために
実験室試薬および細胞増殖培地の成分として直ちに使用される。
【0038】 本発明のペプチドは、この分野でよく知られている自動化された固相プロトコ
ルを使用し、アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosyst
ems)430型ペプチド合成機で合成することができる。すべてのペプチドは
、使用前に、バイダック(Vydac)C4カラムでの高速液体クロマトグラフ
ィー(HPLC)によって95%を超える程度に精製された。
【0039】 下記の実施例は、単なる例示であり、本発明の範囲を限定することを意図しな
い。
【0040】 (実施例1) 軸索突起の成長の刺激 NS20Y神経芽腫細胞を、10%のウシ胎児血清(FCS)を含有するDM
EMで増殖させた。細胞を、トリプシンを用いて取り出し、30mmペトリディ
ッシュ内のガラス製カバーガラスの上に置床した。20〜24時間後に、培地を
、0.5%のFCSおよび0ng/ml、0.5ng/ml、1ng/ml、2
ng/ml、4ng/mlまたは8ng/mlのエフェクターペプチドを含有す
る2mlのDMEMと交換した。細胞をさらに24時間培養し、PBSで洗浄し
て、Bouin溶液(飽和ピクリン酸水溶液/ホルマリン/酢酸の15:5:1
)で30分間固定した。固定剤をPBSで除き、軸索突起の成長を位相差顕微鏡
のもとで評価した。細胞直径に等しいか、またはそれよりも長いことが明らかに
認められる1つまたは複数個の軸索突起を示す細胞を陽性と評価した。少なくと
も200個の細胞を各ディッシュの異なる部分で評価して、軸索突起生成細胞の
割合を求めた。アッセイは二連で行った。
【0041】 図1および図3に示すように、TX14(A)(配列番号4)、RI化TX1
4(A)(ペプチドD2;配列番号5)、ラット14mer(配列番号6)、ペ
プチドD4(配列番号7)、およびペプチドD5(配列番号8)はすべて、NS
20Y細胞における軸索突起の成長を誘導した。軸索突起の成長の増大は、0.
5ng/mlもの少量のペプチドを使用しても明らかであった。D2、ラット1
4merおよびTX14(A)は、8ng/mlで同じ程度に軸索突起の成長を
刺激したが、D2は、TX14(A)よりもわずかに効果的であった。このこと
は、これらのRIペプチドが神経栄養活性を有していることを示している。
【0042】 (実施例2) 細胞死の防止 NS20Y細胞を、実施例1に記載されているようにガラス製カバーガラス上
に置床し、0.5%のウシ胎児血清で、2日間、8ng/mlのエフェクターペ
プチドの存在下または非存在下で増殖させた。培地を除き、そして0.2%のト
リパンブルーを含むPBSを各ウエルに加えた。青く染色された死細胞を、倒立
顕微鏡で、各ウエルの4領域において400個の細胞を計数して細胞総数の割合
として評価した。二連での平均誤差は±5%であった。図2に示すように、TX
14(A)およびD2はともに、トリパンブルー陽性(死)細胞の数を約50%
減少させた。このことは、このRIペプチドおよび野生型ペプチドはともに、細
胞死から神経細胞を保護し得ることを示している。
【0043】 (実施例3) エクスビボでの軸索突起成長の促進 後根神経根を成体ラットから摘出して、感覚ニューロンをKuffer他(J
.Neurobiol.25:1267〜1282、1994)の記載に従って
調製した。ニューロンを0.5ng/mlのペプチド15−2またはペプチドD
2で処置した。処置の3日後、最も長く突き出た軸索突起の長さをマイクロメー
ターグリッドで測定した。ペプチドD5で処置したニューロンでの最も長い軸索
突起は、コントロール(非RI)ペプチド(15−2)で処置したニューロンの
軸索突起または未処置のコントロールでのニューロンの軸索突起よりも約3倍長
かった(図4)。48時間の処置後、すべての細胞は、過度な枝分かれが認めら
れた神経栄養因子(NGF)と類似するように応答した。これらの結果は、ペプ
チドD5は感覚ニューロンの分化を促進することを示している。
【0044】 (実施例4) 注射後のペプチドD4の局在化および完全性 ペプチドD4(配列番号7)を製造者の指示(Pierce Chemica
l Co.、Rockford、IL)に従って 125Iで末端のチロシン残基を
ヨウ素化し、そしてPBS中で200μg/kgを成体の雄性Sprague−
Dawleyラットに筋肉内注射した。20分後、ラットに麻酔をし、PBSで
灌流し、そして臓器を摘出して、ガンマーカウンターで計数した。下記の結果は
、cpmをng単位に変換した後の各組織におけるD4の組織1gあたりのng
数を示す(表1)。脳内濃度は、インビトロで求められた神経細胞に必要な神経
栄養用量よりも約20倍高い。
【0045】 別の研究において、脳、肝臓、肺および腎臓の一部を注射の60分後に採取し
て、HPLC分析(バイダックC4カラム)を行い、脳、血液および腎臓におけ
るペプチドの完全性(無傷性)を調べた。ペプチドD4は、これらの臓器におい
て95%が無傷であった。このことは、このペプチドがインビボで60分後も安
定であることを示している。 125I−D4を注射した60分後の脳、血液および
腎臓に存在するペプチドD4の量を図5に示す。16分におけるピークは無傷の
D4であり;分解産物のピークが4分に現れている。これらの結果は、D4がイ
ンビボで安定であり、そして治療効果を発揮するのに十分な量で血液脳関門を通
過することを示している。インビトロ研究によって、15分の暴露が、軸索突起
の成長を誘導し、そして神経細胞を死から救うのに十分であることが明らかにさ
れている。
【0046】
【表1】 ───────────────────────────────── 組織 20分後の1g湿重量あたりの 125I−D4(ng) ───────────────────────────────── 脳 2.7 坐骨神経 379 肺 130 心臓 35 肝臓 19 脾臓 58 腎臓 800 骨格 尿 無傷 血清 無傷 ─────────────────────────────────。
【0047】 (実施例5) ラットモデルにおける脱髄の回復 実験的なアレルギー性脳脊髄炎(EAE)は、ヒトの多発性硬化症(MS)の
ラットモデルである。ラットにおいて、EAEは、外部タンパク質(モルモット
の脊髄)を注射することによって誘導され、そのような注射によって、11日後
に白質の炎症および脱髄が生じる。この脱髄は、活発に脱髄しているヒトのMS
病変において見られる脱髄に類似している(Liu他、Multiple Sc
lerosis、1:2〜9、1995)。
【0048】 EAEは、モルモットの脊髄および完全フロイントアジュバント(CFA)の
エマルションを注射することによってLewisラットにおいて誘起された。弱
くなったことが明らかになった14日目に、D5(配列番号8)による処置(2
00μg/kg筋肉内)を開始して、8日間毎日続けた。6匹のラットには賦形
剤のみを注射した。筋肉の弱さの尺度である歩幅を14日目および22日目に評
価した。さらに、22日目の脊髄における1mm2 あたりの脱髄性病変(プラー
ク)の数および大きさを評価した。最後に、ミエリン分解のマーカーである脳内
コレステロールエステルの量を22日目に評価した。結果を図6〜図11に示す
【0049】 図6に示すように、両群の歩幅は14日目に減少した。これに対して、8日間
の処置を行った後では、D5で処置した動物は正常に戻ったが、賦形剤で処置し
た動物は回復しなかった(p<0.018)。図7に示すように、コレステロー
ルエステル含有量の著しい減少が処置群の脳で認められた。さらに、図8および
図9に示すように、脊髄病変の数は、D5による処置を10日間行った後で70
%減少した。最後に、図10および図11に示すように、病変の平均的な大きさ
は約70%減少した。コントロール動物群および実験動物群の間には体重減少の
差はなかった。これらの結果は、D5による全身的な処置の後での著しい臨床的
で生物学的かつ形態学的なEAEの回復を示している。この作用は、ミエリン修
復に直接作用しない現在のMS薬の抗炎症性効果とは異なる。
【0050】 (実施例6) エクスビボミエリン形成アッセイ 新生児マウスの小脳外植片をSatomi(Zool.Sci.9:127〜
137、1992)に従って調製する。軸索突起の成長およびミエリン形成を、
培養状態において22日間にわたり観測する。この期間中、新生児マウスの小脳
は、ニューロンが正常に分化し、そしてミエリン形成が始まる。D2、D3、D
4、D5、または配列番号12を含む別のペプチドを、外植片を調製した2日後
に添加した(3つのコントロール外植片および3つの処置した外植片)。軸索突
起の成長およびミエリン形成を、ビデオカメラを取り付けた明視野顕微鏡のもと
で評価する。サポシンCを約1μg/ml〜10μg/mlの間の濃度で陽性コ
ントロールとして使用する。ミエリン形成は、D2、D3、D4、D5、または
配列番号12を含む別のペプチドによって、サポシンCの場合と同じような程度
に刺激される。
【0051】 あるいは、ミエリン形成は、下記に記載されるように、ミエリンに専ら存在す
るスルホリピッドへの35Sの取り込みによって評価することができる。
【0052】 (実施例7) 35Sのスルホリピッドへの取り込み 初代のミエリン含有Schwan細胞を、35S−メチオニンおよびD2、D3
、D4、D5、または配列番号12を含む別のペプチドの添加を伴った0.5%
のウシ胎児血清(FBS)を含有する低硫酸塩培地(DMEM)にて48時間イ
ンキュベーションした。サポシンCを陽性コントロールとして使用する。細胞を
PBSで洗浄して集めて、100μlの蒸留水中で超音波処理する。細胞溶解物
の一部をタンパク質分析のために取り、そして残りを5mlのクロロホルム/メ
タノール(2:1、v/v)で抽出する。脂質抽出物をクロマトグラフィー処理
して、記載(Hiraiwa他、Proc.Natl.Acad.Sci.U.
S.A.、94:4778〜4781)に従って抗スルファチドモノクローナル
抗体で免疫染色する。同じような量のスルファチドが、D2、または配列番号1
2を含むペプチド、およびサポシンCによる処置を行った後で認められる。
【0053】 (実施例8) 外傷性虚血性CNS障害におけるRIペプチドの使用 脳または脊髄に対する外傷性障害を有するヒトに、約100μg/mlのペプ
チドD2、ペプチドD3、ペプチドD4、ペプチドD5、または配列番号12を
含む別のペプチドを、滅菌した生理食塩水またはデポ剤形態で全身的な注射によ
って投与する。改善を感覚神経または運動神経の機能(すなわち、四肢の運動性
の増大)の回復によって評価する。処置を、それ以上の改善が生じなくなるまで
続ける。
【0054】 (実施例9) 脱髄性疾患の処置におけるRIペプチドの使用 初期段階のMSを有する患者に、ペプチドD2、ペプチドD3、ペプチドD4
、ペプチドD5、または配列番号12を含む別のペプチドを、実施例8の場合と
同じ用量範囲を使用して全身的な注射によって投与する。投薬を毎日あるいは毎
週繰り返えす。筋肉強度、筋格骨協調およびミエリン形成(MRIにより測定)
の改善を観測する。慢性の再発性MSを有する患者を、再発したときに同じよう
に処置する。
【0055】 (実施例10) Chungモデルラットにおける神経障害痛の緩和 この実施例は、末梢の神経障害痛のChung実験モデルにおけるペプチドD
2、ペプチドD3、ペプチドD4、ペプチドD5、または配列番号12に示す配
列を含む別のペプチドのボーラスくも膜下内注射の効果を明らかにする。4つの
ペプチドをそれぞれ化学的に合成し、精製し、滅菌PBSに溶解して、中性pH
に緩衝化する。Kim他(Pain、50:355〜363、1992)によっ
て以前に記載された手術手順を雄性ラットに行い、異痛性状態を誘導する。脊髄
カテーテルを手術の2週間後に導入する。その5日後、ペプチドを、0.007
μg/ラット、0.07μg/ラットおよび0.7μg/ラットで投与する。次
いで、最低圧力値(threshold pressure)を、校正されたv
on Frey毛を使用して測定する。加えた圧力に応答して動物が肢を引っ込
めるのに要した時間が長いほど、神経障害痛は重症ではない。これらのペプチド
は最低圧力値を著しく増大させる。このことは、神経障害痛の著しい軽減を示す
【0056】 本発明は、詳細な説明において記載されたそのような実施形態のみに限定され
ないことに留意しなければならない。本発明の精神を保持する任意の実施形態は
、本発明の範囲に含まれると見されるものとする。しかし、本発明は、添付の請
求項によって限定されるのみである。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、下記のペプチドを使用するNS20Y神経芽腫の軸索突起成長アッセ
イを示す:TX14(A)ペプチド(TXLIDNNATEEILY;X=D−
アラニン;配列番号4)、レトロインバース化TX14(A)(ペプチドD2;
YLIEETANNDILAT、すべてがD−アミノ酸;配列番号5)、および
サポシンCの活性配列に由来するラット14mer(SELINNATEELL
Y;配列番号6)。
【図2】 図2は、NS20Y神経芽腫細胞を使用する細胞死アッセイを示す。NS20
Y細胞を、エフェクターペプチドの存在下または非存在下の低血清状態で48時
間増殖させた。死細胞をトリパンブルー染色によって同定した。
【図3】 図3は、ペプチドD4(YLLEETANNDLL、すべてがD−アミノ酸;
配列番号7)およびペプチドD5(LLEETANNDLL、すべてがD−アミ
ノ酸;配列番号8)を使用するNS20Y神経芽腫の軸索突起成長アッセイを示
す。
【図4】 図4は、エクスビボの成体ラットの感覚性軸索突起成長に対するペプチドD5
およびペプチド15−2(TXLIDNNKTEKEILY、すべてがD−アミ
ノ酸;配列番号9)の作用を示す。
【図5】 図5は、成体ラットに筋肉内注射した60分後のヨウ素化ペプチドD4のレベ
ルを示すグラフである。
【図6】 図6は、ペプチドD5で処置した動物およびコントロール動物におけるRew
isラットの実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)モデルでの歩幅を示すグラ
フである。
【図7】 図7は、ペプチドD5(200μg/kg)の筋肉内処置を8日間行ったRe
wisラットEAEモデルにおける脳内コレステロールエステル含有量を示すグ
ラフである。
【図8】 図8は、ペプチドD5(200μg/kg)の筋肉内処置を8日間行ったRe
wisラットEAEモデルにおける個々のラットの脊髄での1mm2あたりの脱
鞘病変の数を示すグラフである。
【図9】 図9は、ペプチドD5(200μg/kg)の筋肉内処置を8日間行ったRe
wisラットEAEモデルにおける1mm2 あたりの病変の平均数を示すグラフ
である。
【図10】 図10は、D5(200μg/kg)の筋肉内処置を8日間行ったRewis
ラットEAEモデルにおける個々のラットでの病変の大きさを示すグラフである
【図11】 図11は、D5(200μg/kg)の筋肉内処置を8日間行ったLewis
ラットEAEモデルにおける個々のラットでの病変の平均的な大きさを示すグラ
フである。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成11年12月10日(1999.12.10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ライト,デイビット,イー アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92065、ラモナ、ウッドソン ヴュー レ ーン、 17140 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA07 BA19 BA50 CA18 MA24 MA44 MA52 MA56 MA66 MA70 NA12 ZA022 ZA082 4H045 AA10 AA30 BA16 BA17 BA18 BA19 CA40 EA21 FA51

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む11個〜約40
    個の間のアミノ酸を有するペプチド。
  2. 【請求項2】 前記ペプチドは、配列番号5、配列番号7、配列番号8およ
    び配列番号11に示される配列から選択される配列を有する、請求項1に記載の
    ペプチド。
  3. 【請求項3】 前記ペプチドは、アミノ末端またはカルボキシ末端で、ある
    いはアミノ末端およびカルボキシ末端の両方で、CH3 CO、CH3 (CH2 n CO、C65 CH2 CO、およびH2 N(CH2n CO(ただし、n=1
    〜10)からなる群から独立的に選択される基により修飾される、請求項1に記
    載のペプチド。
  4. 【請求項4】 前記ペプチドは、Asn7またはα−アミノ基でグリコシル
    化されている請求項1に記載のペプチド。
  5. 【請求項5】 前記ペプチドの1つまたは複数のアミド結合が還元されてい
    る、請求項1に記載のペプチド。
  6. 【請求項6】 前記ペプチドの1つまたは複数の窒素がメチル化されている
    、請求項1に記載のペプチド。
  7. 【請求項7】 前記ペプチドの1つまたは複数のカルボン酸基がエステル化
    されている、請求項1に記載のペプチド。
  8. 【請求項8】 軸索突起形成を刺激するか、あるいは神経細胞死を防止する
    ための方法であって、神経細胞を、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む
    11個〜約40個の間のアミノ酸を有するペプチドの軸索突起形成または神経細
    胞死防止に効果的な量を含む組成物と接触させる工程を含む方法。
  9. 【請求項9】 前記神経細胞は神経芽腫細胞である、請求項8に記載の方法
  10. 【請求項10】 前記神経芽腫細胞はNS20Y細胞である、請求項9に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 前記ペプチドは、配列番号5、配列番号7、配列番号8お
    よび配列番号11に示される配列から選択される配列を有する、請求項9に記載
    の方法。
  12. 【請求項12】 ミエリン形成を刺激するか、または脱髄を防止するための
    方法であって、神経細胞を、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む11個
    〜約40個の間のアミノ酸を有するペプチドのミエリン形成刺激または脱髄阻害
    に効果的な量を含む組成物と接触させる工程を含む方法。
  13. 【請求項13】 前記ペプチドは、配列番号5、配列番号7、配列番号8お
    よび配列番号11に示される配列から選択される配列を有する、請求項12に記
    載の方法。
  14. 【請求項14】 痛みの処置を必要とする哺乳動物において痛みを処置する
    ための方法であって、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む11個〜約4
    0個の間のアミノ酸を有するペプチドを含む組成物の痛み処置に効果的な量を前
    記哺乳動物に投与する工程を含む方法。
  15. 【請求項15】 前記ペプチドは、配列番号5、配列番号7、配列番号8お
    よび配列番号11に示される配列から選択される配列を有する、請求項14に記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 前記投与工程は、静脈内、肺的、くも膜下内、筋肉内、皮
    内、皮下、頭蓋内、硬膜外、局所的および経口的からなる群から選択される、請
    求項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】 薬学的に受容可能なキャリアに、配列番号12に示される
    配列を含む11個〜約40個の間のアミノ酸を有するペプチドを含む薬学的組成
    物。
  18. 【請求項18】 制御放出配合物である、請求項17に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 リポソーム形態である、請求項17に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 凍結乾燥された形態である請求項17に記載の組成物。
  21. 【請求項21】 単位投薬形態である、請求項17に記載の組成物。
  22. 【請求項22】 ミエリン形成の刺激または脱髄の阻害を必要とする哺乳動
    物において、ミエリン形成を刺激するか、または脱髄を防止するための方法であ
    って、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む11個〜約40個の間のアミ
    ノ酸を有するペプチドのミエリン形成刺激または脱髄阻害に効果的な量を含む組
    成物を前記哺乳動物に投与する工程を含む方法。
  23. 【請求項23】 前記ペプチドは、配列番号5、配列番号7、配列番号8お
    よび配列番号11に示される配列から選択される配列を有する、請求項22に記
    載の方法。
  24. 【請求項24】 前記投与工程は、静脈内、肺的、くも膜下内、筋肉内、皮
    内、皮下、頭蓋内、硬膜外、局所的および経口的からなる群から選択される、請
    求項22に記載の方法。
  25. 【請求項25】 11個〜約40個の間のアミノ酸を有するペプチドであっ
    て、軸索突起形成を刺激するか、または神経細胞死を防止するための、配列番号
    12に示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
  26. 【請求項26】 前記ペプチドは、配列番号5、配列番号7、配列番号8お
    よび配列番号11に示される配列から選択される配列を有する、請求項25に記
    載のペプチド。
  27. 【請求項27】 11個〜約40個の間のアミノ酸を有するペプチドであっ
    て、ミエリン形成を刺激するか、または脱髄を防止するための、配列番号12に
    示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
  28. 【請求項28】 前記ペプチドは、配列番号5、配列番号7、配列番号8お
    よび配列番号11に示される配列から選択される配列を有する、請求項27に記
    載のペプチド。
  29. 【請求項29】 11個〜約40個の間のアミノ酸を有するペプチドであっ
    て、痛みの処置を必要とする哺乳動物において痛みを処置するための、配列番号
    12に示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
  30. 【請求項30】 前記ペプチドは、配列番号5、配列番号7、配列番号8お
    よび配列番号11に示される配列から選択される配列を有する、請求項29に記
    載の使用。
  31. 【請求項31】 11個〜約40個の間のアミノ酸を有するペプチドであっ
    て、ミエリン形成の刺激または脱髄の阻害を必要とする哺乳動物において、ミエ
    リン形成を刺激するか、または脱髄を防止するための、配列番号12に示される
    アミノ酸配列を含むペプチド。
  32. 【請求項32】 前記ペプチドは、配列番号5、配列番号7、配列番号8お
    よび配列番号11に示される配列から選択される配列を有する、請求項31に記
    載の使用。
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