JP2002372528A - 微生物解析システム及び微生物解析プログラム - Google Patents

微生物解析システム及び微生物解析プログラム

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JP2002372528A
JP2002372528A JP2001178292A JP2001178292A JP2002372528A JP 2002372528 A JP2002372528 A JP 2002372528A JP 2001178292 A JP2001178292 A JP 2001178292A JP 2001178292 A JP2001178292 A JP 2001178292A JP 2002372528 A JP2002372528 A JP 2002372528A
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species
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Hiroko Yamada
博子 山田
Yoshio Fujii
純郎 藤井
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RAKAN KK
Mitsui Bussan Plant and Project Corp
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RAKAN KK
Mitsui Bussan Plant and Project Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DNAチップのシグナルを解析して微生物種
の特定を行い、解析結果を送信する微生物解析システム
を提供することを課題とする。 【解決手段】 微生物解析システムは、微生物情報V
I、解析用ソフトウェアSS、微生物関連情報VRを記
憶する記憶手段11、シグナル情報SIを受信するシグ
ナル情報受信手段12、微生物種を特定する解析手段1
3、微生物種に対応する微生物関連情報VRを抽出する
抽出手段14、微生物種にかかる警戒情報AIを発信す
る警戒情報発信手段16、記憶手段11の情報を更新す
る更新手段17、及び解析データSDを返信する解析デ
ータ送信手段15を有する管理サーバ2と、シグナルを
読取る読取手段、シグナル情報を送信するシグナル情報
送信手段、解析データSDを受信する解析データ受信手
段、及び解析データSDを出力するクライアント側出力
制御手段を有するクライアント側端末とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物解析システ
ム及び微生物解析プログラムに関するものであり、特
に、通信ネットワークに接続した管理サーバで、DNA
チップのシグナルを解析し、微生物種を特定する微生物
解析システム及び微生物解析プログラムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば医療分野では、ウィル
ス性疾患や感染症の発生要因となる病原体を患者から採
取した検体から特定し、診断及び治療に役立てることが
行なわれている。一方、食品関連の企業などでは、食中
毒の発生要因となる微生物種の混入の有無を品質検査工
程において検査し、製品(食品)の安全性を確認するこ
とが行なわれている。
【0003】上述の場合、病原体や食中毒の原因となる
微生物種を特定するには、従来は採取した検体から微生
物を単離し、選択培地によって培養したものを顕微鏡な
どで形態観察を行って確認する方法が一般的であった。
しかしながら、近年のDNA解析技術の飛躍的な進歩に
より、検体内に含まれる微生物種をDNA解析によって
特定する検査方法が、医療の臨床検査の現場や、食品製
造の製品検査工程で徐々に導入されるようになってい
る。
【0004】上述のDNA解析を行なうものとして、D
NAチップを利用した技術が近年に入り知られるように
なっている。DNAチップとは、基板上に高密度に整列
化させたプローブ(cDNA、mRNAなど)に対し
て、蛍光色素あるいはアイソトープなどで予め標識した
核酸(ターゲット)をハイブリダイゼーションさせ、D
NAチップ上に形成されたシグナルの発光パターン(位
置)及び強度などをDNAチップ読取装置によって画像
データとして読取り、これに基づいて解析処理を行なう
ものである。このとき、DNAチップは検査対象(医療
分野や食品分野など)に応じて複数種が用意されてお
り、検査担当者はその中から適当なDNAチップを選択
し、検査に使用している。また、DNAチップを解析す
るためのソフトウェアも、各DNAチップに対応したも
のが用意されている。
【0005】DNAチップは、複数のプローブがチップ
表面に固定してあるため、従来は困難であった多数の微
生物種の同時解析、遺伝子発現変動の広範な解析、病態
によって発現変動する遺伝子群の同定、及び遺伝子多型
における個体間のゲノム1塩基の違いを特定することが
可能であるなどの優れた利点を有している。これによ
り、微生物種が特定される他に、疾病関連遺伝子の探索
や薬剤耐性、薬剤選択性などの研究が容易に行え、従来
から行なわれていた選択培地による培養方法と比較し
て、煩雑な作業を簡略化、及び特定にかかる作業時間を
短縮することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特定す
る微生物種に関する情報、及びその微生物種に関連する
付加的な情報は、DNA解析技術の発展とともに、常に
蓄積及び更新がされている。そのため、すぐに情報が古
くなる(いわゆる陳腐化する)場合が多くあった。すな
わち、DNAチップを用いた解析作業を行なうにあたっ
ては、解析精度及び解析効率を高めるために、最新の微
生物種に関するデータ及び情報を取得している必要があ
った。さらに、DNAチップのシグナルを解析し、微生
物種を特定する解析用のソフトウェアも対応する微生物
種の増加に応じて新たに作成されたり、ソフトウェアの
アップグレードが頻繁に行なわれることがあった。
【0007】したがって、微生物種をDNA解析によっ
て特定するために必要となるデータ及びソフトウェア
を、各病院、企業、及び研究機関などで個別に収集、管
理、及び更新などの作業を行なうことは、コストの増大
及び作業者の人的負担を増大させていた。
【0008】さらに、各分野について具体的に説明する
と、病院などの医療機関では、患者から採取した検体に
含まれる病原体を特定し、診断や治療に活用する場合、
上述したコスト的な面などから十分な検査設備や検査ス
タッフが揃えられない場合は、DNAチップによる解析
ができないことが多かった。また、外部の検査機関に解
析を依頼しても病原体を特定し、その解析結果を得るま
でに時間が多くかかり、患者に対して適切な診断や治療
が遅れる場合もあった。
【0009】また、食品を製造する食品製造会社及びス
ーパーなどの小売業などの食品関連分野では、梅雨や夏
季に発生する微生物を原因とする食虫毒に対して十分な
注意を払っていた。万が一、食中毒が発生すると、消費
者に広く流通する食品であるため、人間の健康を害する
可能性が高く大きな社会問題に発展するケースが想定さ
れた。したがって、これらの業種では、食品の安全性を
確認するために出荷前に検査を行なっており、その検査
にDNAチップを用いた微生物種の解析を応用すること
が行なわれるようになってきた。しかしながら、DNA
チップによる解析には、専門的知識を有する熟達したス
タッフが必要であり、人材不足によってDNAチップの
解析技術の恩恵を受けられない場合があった。
【0010】さらに、官公庁の付属機関として設置され
ている公的機関(例えば、医療機関を管轄する厚生労働
省や各都道府県の地域毎に設置された保健所など)は、
食中毒に関連する情報や、病原体やウィルスにかかる感
染症に関する情報を遅滞無く国民(住民)に提供し、適
切な予防の実施の推進を行なう必要があった。しかしな
がら、これらの発生状況などの情報は、散逸的なもので
あり、情報の入手経路や正確性の確認に時間がかかり、
的確な対応が遅れる場合もあった。
【0011】そこで本発明は、上記実情に鑑み、通信ネ
ットワークを介してDNAチップのシグナルを解析して
微生物種の特定を行い、解析結果を送信することのでき
る微生物解析システム及び微生物解析プログラムの提供
をするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1の発明にかかる微生物解析システムは、通
信ネットワークに接続した管理サーバで、DNAチップ
のシグナルを解析し、微生物種を特定する微生物解析シ
ステムであって、前記管理サーバは、前記シグナルに対
応する前記微生物種を示す微生物情報、及び前記シグナ
ルに基づいて前記微生物種を特定するための解析用ソフ
トウェアを記憶する記憶手段と、前記通信ネットワーク
上に送出された前記DNAチップの前記シグナルの強
度、位置、及び解析条件の指定を含むシグナル情報を、
前記通信ネットワークを介して受信するシグナル情報受
信手段と、前記記憶手段に記憶された前記微生物情報及
び前記解析用ソフトウェアを利用して、前記シグナル情
報受信手段によって受信した前記シグナル情報を前記解
析条件に従って解析し、前記微生物種を特定する解析手
段と、前記解析手段によって特定された前記微生物種を
解析データとして、予め指定された送出先に前記通信ネ
ットワークを介して返信する解析データ送信手段とを具
備するものである。
【0013】ここで、DNAチップとは、基板上に調製
された複数のプローブ(cDNA、mRNAなど)を高
密度に配列(アレイ)したものであり、蛍光標識やアイ
ソトープ標識がされた核酸(ターゲット)とハイブリダ
イゼーションさせることによって、各プローブに対応す
る核酸が有る場合、DNAチップ上のプローブ位置に標
識されたシグナルを発現させるものである。また、シグ
ナル情報とは、前述したDNAチップ上に発現したシグ
ナルの発現強度、位置、及び発現パターンなどの情報を
含むものであり、このシグナル情報に基づいてDNA解
析が行なわれる。
【0014】シグナル情報には、DNAチップのハイブ
リダイゼーションの反応条件やシグナルの読取条件に基
づいて指定される解析条件をさらに含み、この解析条件
によって一定の要件下に調整して以後の解析処理が行な
われる。なお、DNAチップは、特定対象となる微生物
種や対象業務分野(医療や食品分野など)に応じて複数
の種類が用意されており、検査の目的や対象にあわせて
適宜選択される。さらに、各DNAチップを解析するた
めの解析用ソフトウェアも複数種類が記憶手段に記憶さ
れている。
【0015】なお、「DNAチップ」という名称は、近
年では広義に解釈される場合が多くなっているが、厳密
には基板上にプローブを整列固定化したものをDNAア
レイ(≒DNAマイクロアレイ、DNAマクロアレイ:
DNAの整列密度によって分類される)と呼称し、基板
上で複数種のオリゴヌクレオチドDNAを直接合成して
作製したものをDNAチップと呼称する狭義の解釈をす
る場合もある。しかしながら、本明細書中では、これら
の狭義の意味におけるDNAアレイ及びDNAチップの
両者の総称したものを「DNAチップ」と定義すること
とする。
【0016】したがって、請求項1の発明の微生物解析
システムによれば、通信ネットワークを介して送出され
たDNAチップのシグナルのシグナル情報を受信し、こ
れを記憶手段に記憶された微生物情報及び対応する解析
用ソフトウェアを利用して解析を行なう。そして、微生
物種名などを特定した解析結果を解析データとして、予
め指定された送出先に送信する。これにより、通信ネッ
トワークを利用してDNAチップの解析作業が行なわれ
るとともに、解析結果を解析データとして返信される。
【0017】請求項2の発明にかかる微生物解析システ
ムは、請求項1の発明の微生物解析システムにおいて、
前記通信ネットワークに接続し、前記DNAチップの前
記シグナル情報を前記管理サーバに送信するクライアン
ト側端末であって、前記クライアント側端末は、前記D
NAチップの前記シグナルを読取る読取手段と、前記読
取手段によって読取った前記シグナルを前記シグナル情
報として、前記通信ネットワークを介して前記管理サー
バに送信するシグナル情報送信手段と、前記管理サーバ
によって解析され、前記微生物種が特定された前記解析
データを、前記通信ネットワークを介して受信する解析
データ受信手段と、前記解析データ受信手段によって受
信した前記解析データを出力するクライアント側出力制
御手段とを具備するものである。
【0018】ここで、DNAチップのシグナルを読取る
ものとしては、例えば、市販のDNAチップ読取装置な
どが挙げられる。DNAチップ読取装置は、CCDカメ
ラ型或いはスキャン型(レーザを利用した非共焦点型ま
たは共焦点型)などの読取方式によって区別され、蛍光
色素あるいはアイソトープによって予め標識された核酸
とのハイブリダイゼーションによって発現したDNAチ
ップ上のシグナルの発現強度及び位置などの情報を画像
データとして読取り可能なものである。
【0019】また、クライアント側出力制御手段とは、
受信した解析データをモニタ画面などに表示あるいはプ
リンタなどで印刷することによって、視覚的に解析デー
タを確認することを可能にするものである。
【0020】したがって、請求項2の発明の微生物解析
システムによれば、請求項1の発明の微生物解析システ
ムの作用に加え、クライアント側端末は、ハイブリダイ
ゼーションが行なわれたDNAチップのシグナルを読取
り、読取った結果をシグナル情報として通信ネットワー
クを介して管理サーバに送信する。そして、管理サーバ
においてシグナル情報の解析が行なわれた後に送信され
る解析データを受信し、これをモニタ画面などに出力表
示する。これにより、クライアント側端末は、通信ネッ
トワークを介してDNAチップのシグナル情報を管理サ
ーバに送信し、管理サーバにおいて解析された結果を解
析データとして受信することが可能となる。つまり、D
NAチップのシグナルを読取るクライアント側端末が離
れた場所に設置されている場合でも、DNAチップの解
析及び微生物種の特定が管理サーバによって行なわれ、
通信ネットワークを介して結果を解析データとして受信
することが可能となる。
【0021】請求項3の発明にかかる微生物解析システ
ムは、請求項1または請求項2に記載の微生物解析シス
テムにおいて、前記管理サーバの前記記憶手段は、前記
微生物種に関する微生物関連情報をさらに記憶し、前記
管理サーバは、前記解析手段によって特定された前記微
生物種に対応する前記微生物関連情報を抽出する抽出手
段をさらに具備し、前記解析データは、特定した前記微
生物種とともに前記抽出手段によって抽出された前記微
生物関連情報を含むものである。
【0022】ここで微生物関連情報とは、例えば、特定
した微生物種が病原体であって、感染症などの病気を発
症させる可能性が有る場合、該病原体に対する薬剤耐
性、感染症の発生状況、潜伏期間、及び治療方法などの
医学関連の有益な情報などである。すなわち、該微生物
関連情報を解析データとともに受信した受信者(この場
合は、医師など)は、該情報を基にして適切な治療を施
すことが可能となる。一方、食品関連分野の場合に、食
中毒の発生の恐れがある微生物種を特定すると、該微生
物種の殺菌及び滅菌の方法や予防手段などの情報が、食
品製造会社などに提供されるものである。すなわち、特
定した微生物種に対応する予防対策が必要である場合の
有用となる参考資料として活用されるものである。
【0023】したがって、請求項3の発明の微生物解析
システムによれば、請求項1または請求項2の発明の微
生物解析システムの作用に加え、特定した微生物種に関
連する微生物関連情報が抽出され、抽出された微生物関
連情報を含んで解析データが送信される。つまり、微生
物種の特定とともに関連する有益な情報の入手が容易に
なる。すなわち、該微生物関連情報に基づいた適切な対
応を採ることが可能となる。
【0024】請求項4の発明にかかる微生物解析システ
ムは、請求項3に記載の微生物解析システムにおいて、
前記微生物関連情報は、前記微生物種の危険度を段階的
に示す危険度情報をさらに含み、前記管理サーバは、前
記解析手段によって特定された前記微生物種の前記危険
度に応じて、前記シグナル情報を送信した前記クライア
ント側端末及び前記微生物種に関係する機関の少なくと
もいずれか一方に、前記通信ネットワークを介して段階
的に警戒情報を発信する警戒情報発信手段をさらに有す
るものである。
【0025】ここで微生物種の中には、特に人体に対す
る危険性や健康に悪影響を与えるものが多く存在してい
る。そこで、食虫毒の原因となる微生物が検出された場
合、該情報を速やかに微生物種に関係する病院や保健所
などの機関、及びシグナル情報を送信したクライアント
側端末に情報を伝達する必要がある。そこで、微生物種
(例えば、大腸菌、ブドウ球菌、及びサルモネラ菌な
ど)の危険度を段階的に分類して、特定された微生物種
の危険度に応じてクライアント側端末及び各機関にそれ
ぞれ警戒情報が発信される。
【0026】したがって、請求項4の発明の微生物解析
システムによれば、請求項3の発明の微生物解析システ
ムの作用に加え、微生物関連情報に微生物種の危険度を
段階的に示す危険度情報をさらに含み、危険度に応じて
クライアント側端末や機関に警戒や注意を与える警戒情
報を発信する。すなわち、特定した微生物種が悪性の病
原体や食中毒の原因となり得るものであった場合、食品
分野などでは食品の製造及び出荷を停止する旨の指示を
出したり、監督官庁や保健所などの公的機関を含む各機
関に警戒を促し、被害の拡大を抑える措置が採られる。
【0027】請求項5の発明にかかる微生物解析システ
ムは、請求項3または請求項4に記載の微生物解析シス
テムにおいて、前記管理サーバは、前記記憶手段に記憶
される前記微生物情報、前記解析用ソフトウェア、及び
前記微生物関連情報の少なくともいずれか一つを更新す
る更新手段をさらに備えるものである。
【0028】したがって、請求項5の発明の微生物解析
システムによれば、請求項3または請求項4の発明の微
生物解析システムの作用に加え、微生物情報、解析用ソ
フトウェア、及び微生物関連情報の少なくともいずれか
一つが更新がされる。すなわち、DNA解析技術の進歩
に対応するために、これらの情報を、ネットワークまた
は管理サーバに直接入力して、情報の更新を行なうこと
により、常に最新の情報及びソフトウェアでシグナルの
解析を行なうことが可能となり、解析結果の信頼度や解
析効率の向上が図られる。
【0029】請求項6の発明にかかる微生物解析システ
ムは、請求項2乃至請求項5のいずれか一つに記載の微
生物解析システムにおいて、前記クライアント側端末
は、医療機関、教育研究機関、公的機関、及び企業の少
なくともいずれか一つに設置されるものである。
【0030】ここで、医療機関とは、病院や診療所など
を含むものであり、教育研究機関とは、大学の医学部や
農学部などの研究室を含むものであり、公的機関とは保
健所や厚生労働省などの出先機関などを含むものであ
り、企業とは、一般の企業のほかに、特に遺伝子関連企
業、農水産業及び畜産業などを含む食品加工製造業、生
鮮食料品を取扱うスーパーなどの小売業などが相当す
る。
【0031】したがって、請求項6の発明の微生物解析
システムによれば、請求項2乃至請求項5のいずれか一
つの発明の微生物解析システムの作用に加え、医療機
関、教育研究機関、公的機関、及び企業の少なくともい
ずれか一つにクライアント側端末が設置されることによ
り、種々の機関及び産業分野においてDNAチップの解
析が可能となる。
【0032】請求項7の発明にかかる微生物解析プログ
ラムは、DNAチップのシグナルに対応する微生物種を
示す微生物情報、及びシグナルに基づいて前記微生物種
を特定するための解析用ソフトウェアを記憶する記憶手
段、通信ネットワーク上に送出された前記DNAチップ
の前記シグナルの強度、位置、及び解析条件の指定を含
むシグナル情報を、前記通信ネットワークを介して受信
するシグナル情報受信手段、前記記憶手段に記憶された
前記微生物情報及び前記解析用ソフトウェアを利用し
て、前記シグナル情報受信手段によって受信した前記シ
グナル情報を前記解析条件に従って解析し、前記微生物
種を特定する解析手段、及び前記解析手段によって特定
された前記微生物種を解析データとして、前記シグナル
情報を送出した送出先に前記通信ネットワークを介して
返信する解析データ送信手段として、前記通信ネットワ
ークに接続した管理サーバを機能させるものである。
【0033】したがって、請求項7の発明の微生物解析
プログラムによれば、実行すると、管理サーバは、DN
Aチップのシグナルに対応する微生物種を示す微生物情
報、及びシグナルに基づいて微生物種を特定するための
解析用ソフトウェアを記憶し、通信ネットワーク上に送
出されたDNAチップのシグナルの強度、位置、及び解
析条件の指定を含むシグナル情報を、通信ネットワーク
を介して受信する。そして、記憶された微生物情報及び
解析用ソフトウェアを利用して、受信したシグナル情報
を解析し、微生物種を特定し、特定された微生物種を解
析データとして、シグナル情報を送出した送出先に通信
ネットワークを介して返信する。
【0034】請求項8の発明にかかる微生物解析プログ
ラムは、請求項7に記載の微生物解析プログラムにおい
て、前記記憶手段は、前記微生物種に関する微生物関連
情報をさらに記憶し、前記解析手段によって特定された
前記微生物種に対応する前記微生物関連情報を抽出する
抽出手段として、前記管理サーバをさらに機能させるも
のである。
【0035】したがって、請求項8の発明の微生物解析
プログラムによれば、請求項7の発明の微生物解析プロ
グラムの作用に加え、実行すると、記憶手段に微生物種
に関する微生物関連情報をさらに記憶している管理サー
バは、特定された微生物種に対応する微生物関連情報を
抽出する。
【0036】請求項9の発明にかかる微生物解析プログ
ラムは、請求項8に記載の微生物解析プログラムにおい
て、前記微生物関連情報は、前記微生物種の危険度を段
階的に示す危険度情報をさらに含み、前記解析手段によ
って特定された前記微生物種の前記危険度に応じて、前
記シグナル情報を送信した前記クライアント側端末及び
前記微生物種に関係する機関の少なくともいずれか一方
に、前記通信ネットワークを介して段階的に警戒情報を
発信する警戒情報発信手段として、前記管理サーバをさ
らに機能させるものである。
【0037】したがって、請求項9の発明の微生物解析
プログラムによれば、請求項8の発明の微生物解析プロ
グラムの作用に加え、実行すると、微生物種の危険度を
段階的に示す危険度情報をさらに含む微生物関連情報を
有する管理サーバは、特定された微生物種の危険度に応
じて、シグナル情報を送信したクライアント側端末及び
微生物種に関係する機関の少なくともいずれか一方に、
通信ネットワークを介して段階的に警戒情報を発信す
る。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
微生物解析システム1について図1乃至図6に基づいて
説明する。図1は本実施形態の微生物解析システム1の
構成を示す説明図であり、図2は微生物解析システム1
における管理サーバ2の機能的構成を示すブロック図で
あり、図3は微生物解析システム1におけるクライアン
ト側端末3の機能的構成を示すブロック図であり、図4
及び図5は微生物解析システム1における管理サーバ2
の処理の流れを示すフローチャートであり、図6は微生
物解析システム1におけるクライアント側端末3の処理
の流れを示すフローチャートである。
【0039】本実施形態の微生物解析システム1は、図
1に示すように、通信回線Lを介してインターネットI
に接続し、DNAチップ4のシグナルSを解析し、微生
物種を特定する管理サーバ2と、病院、大学の研究室、
及び食品製造会社などに設置され、DNAチップ読取装
置5によって読取ったDNAチップ4上のシグナルSを
シグナル情報SIとして送信し、解析結果を解析データ
SDとして受信する複数のクライアント側端末3とから
構成されている。
【0040】ここで、各クライアント側端末3は、予め
管理サーバ2に登録され、識別番号ID及びパスワード
PWが付与されている。すなわち、本実施形態の微生物
解析システム1は、病院や研究機関などのDNAに関連
する解析技術を理解した専門的知識を有するスタッフの
所属する機関や企業にクライアント側端末3が設置さ
れ、不特定多数の一般のインターネット利用者からの管
理サーバ2へのアクセスを拒否することが識別番号ID
及びパスワードPWによって可能となっている。
【0041】さらに、本実施形態の微生物解析システム
1は、管理サーバ2から発信される警戒情報AIを受取
る関係機関6がさらに通信回線Lを介して接続してい
る。ここで、関係機関6とは、保健所などの公共性を有
する施設などのことであり、解析によって危険性の高い
病原体が特定された場合、微生物種による被害の拡大を
未然に防ぐために解析した結果を伝達し、適切な対策を
採ることを可能とするものである。なお、関係機関6に
は、警戒情報AIを受信する端末(図示しない)が設置
されている。
【0042】さらに、具体的に説明すると、本実施形態
の微生物解析システム1における管理サーバ2は、図2
に示すように、機能的構成として、DNAチップ4のシ
グナルSに対応する微生物種を示す微生物情報VI、シ
グナルSに基づいて微生物種を特定するための複数の解
析用ソフトウェアSS、及び微生物種に関連し、該微生
物種の危険度を段階的に示す危険度情報DIを含む微生
物関連情報VRを記憶する記憶手段11と、DNAチッ
プ4のシグナルSの強度、位置、及び解析のための解析
条件の指定を含むシグナル情報SIを受信するシグナル
情報受信手段12と、微生物情報VI及び解析用ソフト
ウェアSSを利用して、受信したシグナル情報SIを解
析し、微生物を特定する解析手段13と、特定された微
生物種に対応する微生物関連情報VRを記憶手段11か
ら抽出する抽出手段14と、特定された微生物及び抽出
した微生物関連情報VRを解析データSDとしてクライ
アント側端末3に送信する解析データ送信手段15と、
特定された微生物種の危険度に応じて、シグナル情報S
Iを送信したクライアント側端末3及び微生物種に関係
する関係機関6に段階的に警戒情報AIを発信する警戒
情報発信手段16と、微生物情報VI、解析用ソフトウ
ェアSS、及び微生物関連情報VRを更新する更新手段
17とを具備している。
【0043】また、管理サーバ2は、予めシグナル情報
SIを送信するクライアント側端末3を登録し、該クラ
イアント側端末に対して識別番号ID及びパスワードP
Wを付与する登録手段18と、クライアント側端末3が
シグナル情報SIを送信する際に、この識別番号ID及
びパスワードPWの入力をクライアント側端末3に要求
し、クライアント側端末3を認証する認証手段19とを
さらに有している。なお、このクライアント側端末3の
登録状態を示す登録情報RIは、記憶手段11に記憶さ
れている。
【0044】さらに、管理サーバ2は、種々のデータを
信号制御して送受信する管理側送信制御手段20及び管
理側受信制御手段21に接続した管理側通信手段22
と、管理サーバ2を操作したり、管理サーバ2に種々の
データの入力をする管理側操作手段23と、種々のデー
タを信号制御して表示及び出力する管理側出力制御手段
24及び管理側出力手段25とを具備している。
【0045】一方、クライアント側端末3は、図3に示
すように、機能的構成として、DNAチップ4のシグナ
ルSを読取る読取手段31と、読取ったシグナルSを解
析条件の指定とともにシグナル情報SIとして管理サー
バ2に送信するシグナル情報送信手段32と、解析さ
れ、微生物種が特定された解析データSDを受信する解
析データ受信手段33と、受信した解析データSDをモ
ニタ画面に出力表示するクライアント側出力制御手段3
4及びクライアント側出力手段35とを具備している。
【0046】また、クライアント側端末3は、シグナル
情報SIを送信する際に管理サーバ2から要求される識
別番号ID及びパスワードPWを入力し、これを送信す
る識別送信手段36をさらに備えている。
【0047】さらに、クライアント側端末3は、種々の
データを信号制御して送受信を行なうクライアント側送
信制御手段37及びクライアント側受信制御手段38に
接続したクライアント側通信手段39と、クライアント
側端末3を操作するクライアント側操作手段40と、種
々のデータを信号制御して印刷出力するクライアント側
印刷制御手段41及びクライアント側印刷手段42とを
具備している。
【0048】ここで、管理サーバ2には、市販のサーバ
が利用され、クライアント側端末3には、読取手段31
である市販のDNAチップ読取装置5に接続したパーソ
ナルコンピュータが利用される。なお、管理サーバ2及
びクライアント側端末3の一般的な構成として、通信手
段22,39としてモデム、出力手段25,35として
モニタディスプレイ、操作手段25,40としてキーボ
ード及びマウス、印刷手段42としてプリンタがそれぞ
れ利用されている。
【0049】次に、本実施形態の微生物解析システム1
における管理サーバ2の処理の流れについて、図4及び
図5のフローチャートに基づいて説明する。なお、図4
及び図5のフローチャートにおけるステップS1からス
テップS18が、本発明における微生物解析プログラム
に相当する。
【0050】はじめに、管理サーバ2は、クライアント
側端末3のDNAチップ読取装置5によって読取られた
DNAチップ4上のシグナルSを含んだシグナル情報S
Iの受信検出の有無を判断する(ステップS1)。シグ
ナル情報SIの受信が検出される場合(ステップS1に
おいてYES)、該シグナル情報SIを送信したクライ
アント側端末3の認証を行なう(ステップS2)。この
とき、具体的には、管理サーバ2によってシグナル情報
SIの送信先のクライアント側端末3に、登録された識
別番号ID及びパスワードPWの入力を要求する旨の表
示及び入力画面が、通信ネットワークを介して送出さ
れ、クライアント側端末3のモニタ画面に表示がされる
(図6のステップT3参照)。一方、シグナル情報SI
の受信が検出されない場合(ステップS1においてN
O)、ステップS1の処理を継続する。
【0051】シグナル情報SIを送信したクライアント
側端末3から識別番号ID及びパスワードPWが入力さ
れ、それを受信した場合(ステップS3においてYE
S)、記憶手段11に記憶されている登録情報RIに基
づいて、入力された識別番号ID及びパスワードPWが
正しいことを確認する(ステップS4)。一方、識別番
号ID及びパスワードPWの入力されず、入力結果の受
信がされない場合(ステップS3においてNO)、ステ
ップS3の処理を継続する。
【0052】識別番号ID及びパスワードPWが正しい
ことが確認された場合(ステップS4においてYE
S)、クライアント側端末3を認証するとともに送信さ
れたシグナル情報SIの受信を完了する(ステップS
5)。一方、クライアント側端末3の登録が確認されな
い場合(ステップS4においてNO)、シグナル情報S
Iの受信を拒否(ステップS6)し、ステップS1の処
理に戻る。このとき、クライアント側端末3のモニタ画
面に、識別番号ID及びパスワードPWの不一致による
受信拒否の通知が行なわれてもよい。
【0053】ステップS5においてシグナル情報SIの
受信を完了すると、次にシグナル情報SIに含まれる解
析条件に基づいて解析用ソフトウェアSSの選択(ステ
ップS7)、及び解析条件の調製(ステップS8)が行
なわれる。そして、記憶手段11に記憶された微生物情
報VI及び解析用ソフトウェアSSを利用して微生物種
を特定する解析処理が行なわれる(ステップS9)。こ
こで、例えばDNAチップ読取装置5の機種間依存性
や、読取り方式及び読取り条件の違い、さらにハイブリ
ダイゼーションの反応条件の相違によって、シグナル情
報SIが一定要件下で統一されていない場合が想定され
る。そこで、DNAチップ4の処理条件、読取条件、及
びDNAチップ読取装置5の機種依存性などの各パラメ
ータを指定した解析条件をシグナル情報SIに含めるこ
とによって、一定要件下で解析処理を行なうことができ
る。
【0054】ステップS9において解析処理が行なわ
れ、微生物種が特定された場合(ステップS10におい
てYES)、特定した微生物種に関連する微生物関連情
報VRを記憶手段11から抽出する(ステップS1
1)。一方、微生物種の特定がなされなかった場合(ス
テップS10においてNO)、すなわち、特定対象とな
る微生物種が検体に存在しなかった場合には、特定微生
物種が無い旨を含む解析データSDをクライアント側端
末3に送信し(ステップS12)、ステップS17の処
理に移る。すなわち、解析処理の結果、病原体や食中毒
などを引起こす可能性のある微生物種が検出されなかっ
た場合(食品関連分野では、食品の安全性が確認された
ことに相当)は、その後の処理をキャンセルし、本実施
形態の微生物解析システム1を終了することができる。
【0055】ステップS11において特定した微生物種
に関連する微生物関連情報VRを抽出した後、該微生物
関連情報VRに含まれる微生物種の危険度を示す危険度
情報DIを判定する(ステップS13)。ここでは、説
明を簡略化するため、危険度を段階的に四つのレベル
(レベル0、レベルA、レベルB、及びレベルC)に分
類して表現したものを例示する。なお、危険度は、レベ
ル0からレベルCに向かうほど高いことを示している。
【0056】すなわち、特定した微生物種の危険性がほ
とんどない場合(=レベル0に相当、ステップS14に
おいてYES)では、微生物関連情報VRを含む解析デ
ータSDがクライアント側端末3に送信される(ステッ
プS15)。この場合、特定した微生物種の危険性がほ
とんどないため、関係機関6への通報は必要なく、シグ
ナル情報SIの送信先のクライアント側端末3に解析デ
ータSDを送信することに留める。一方、微生物種の危
険度が高い場合(=レベルA、レベルB、レベルCに相
当、ステップS14においてNO)、危険度を示す各レ
ベルに応じて関係機関6に、解析データSDとともに警
戒情報AIを発信し、危険性を通報する(ステップS1
6)。
【0057】ここで、危険度のレベルに応じて関係機関
6に警戒情報AIを通報するものとして、食品製造会社
に設置されたクライアント側端末3から送信されたシグ
ナル情報SIから食中毒の発生要因となる微生物種が特
定された場合について例示する。
【0058】特定した微生物種のレベルが、 1)レベルAに相当する場合 すなわち、一定の条件下で保存管理がされていれば、特
に食中毒の発生が起こることはないが、その可能性が否
定されない場合には、注意を喚起する内容の警戒情報A
Iがクライアント側端末3に送信される(危険度低)。
このとき、警戒情報AIは、クライアント側端末3(=
関係機関6に相当)に限定され、食品製造会社内で保存
条件の徹底や、品質保持期限の変更などの対応が行なわ
れる。
【0059】次に、微生物種のレベルが、 2)レベルBに相当する場合 すなわち、食中毒の発生確率がレベルAよりも高い場合
には、対象製品の出荷停止及び回収指示などを含む内容
の警戒情報AIがクライアント側端末3とともに、管轄
する保健所などの公的機関(=関係機関6)に送信され
る(危険度中)。
【0060】さらに、微生物種のレベルが、 3)レベルCに相当する場合 すなわち、食中毒の発生確率が著しく高く、対象製品の
市場からの回収や消費者に対する注意などが必要な場合
には、クライアント側端末3とともに監督官庁及び行政
機関(=関係機関6)に対する警戒情報AIが送信され
る(危険度高)。
【0061】上述したように、危険性が比較的低い場合
は、食品会社の関係者に保存状況を再確認させるなどの
注意喚起だけに留まらせ、危険度のレベルに応じて、警
戒情報AIの送信先を変更及び追加して、情報伝達を速
やかに行ない、被害の拡大を未然に防ぐことが管理サー
バ2からの警戒情報AIの発信によって行なわれる。
【0062】その後、システム終了指示の有無を検出
(ステップS17)し、終了指示が有る場合(ステップ
S17においてYES)、システムを終了する(ステッ
プS18)。一方、システムの終了指示が無い場合(ス
テップS17においてNO)、ステップS1の処理に戻
る。
【0063】次に、本実施形態の微生物解析システム1
におけるクライアント側端末3の処理の流れについて図
6のフローチャートに基づいて説明する。
【0064】はじめに、クライアント側端末3は、蛍光
標識した核酸とハイブリダイゼーションさせることによ
ってDNAチップ4上に発現したシグナルSをDNAチ
ップ読取装置5によって読取る(ステップT1)。な
お、シグナルSをDNAチップ上に発現させるハイブリ
ダイゼーションなどの前段階の処理については、ここで
は詳細な説明は省略する。そして、読取ったシグナルS
及び解析条件の指定を含むシグナル情報SIとして管理
サーバ2に送信する(ステップT2)。このとき、管理
サーバ2からは登録済みのクライアント側端末3である
ことを認証するための識別番号ID及びパスワードPW
の入力を促す要求が行なわれ、クライアント側端末3の
モニタに表示される(ステップT3)。そして、作業者
によって識別番号ID及びパスワードPWの入力が行な
われた後に、クライアント側端末3から識別番号ID及
びパスワードPWが管理サーバ2へ送信される(ステッ
プT4)。管理サーバ2によってクライアント側端末3
の認証が行なわれると送信したシグナル情報SIの受信
が完了する。その後、クライアント側端末3は、管理サ
ーバ2から送信された解析データSDの受信有無を検出
する(ステップT5)。
【0065】解析データSDの受信が検出される場合
(ステップT5においてYES)、受信した解析データ
SDを表示する(ステップT6)。一方、解析データS
Dの受信が検出されない場合(ステップT5においてN
O)、ステップT5の処理を継続する。
【0066】その後、受信した解析データSDを印刷す
る指示の有無を検出(ステップT7)し、印刷指示が有
る場合(ステップT7においてYES)、解析データS
Dをプリンタによって印刷する。一方、印刷指示が無い
場合(ステップT7においてNO)、この処理をキャン
セルし、ステップT9の処理に移る。
【0067】そして、システム指示の有無を検出(ステ
ップT9)し、システム終了指示が有る場合(ステップ
T9においてYES)、システムを終了する(ステップ
T10)。一方、システム終了指示がない場合(ステッ
プT9においてNO)、ステップT1の処理に戻りシス
テムを継続する。
【0068】以上述べたように、本実施形態の微生物解
析システム1では、通信回線Lを介して接続した管理サ
ーバ2及び複数のクライアント側端末3によって、ネッ
トワーク上でDNAチップ4のシグナルSを解析し、微
生物種の特定を行なうことが可能となり、さらにネット
ワークを介してクライアント側端末3が結果を受信する
ことができる。すなわち、従来は、DNAチップ4の読
取処理と、解析処理とを同一箇所で行なうことが一般的
であったが、本実施形態の微生物解析システム1によれ
ば、クライアント側端末3が遠隔地に設置されている場
合でも微生物種の解析を行なうことができる。
【0069】さらに、複数のクライアント側端末3に接
続した管理サーバ2で微生物種の解析を一括して行なう
ことができるため、従来は各端末毎に必要あった微生物
種に関する種々の情報、及び解析用ソフトウェアSSを
管理サーバ2に集約することができる。そのため、これ
らの情報及び解析用ソフトウェアSSの収集、管理、及
び更新にかかる作業を省力化することができる。したが
って、かかるコスト及び人的負担を軽減することが可能
となる。さらに、解析に利用される種々の情報及び解析
用ソフトウェアSSが更新手段によって更新されたもの
であるため、解析の信頼性及び解析速度の向上も期待で
きる。
【0070】また、特定した微生物種に関する微生物関
連情報VRに基づいて、解析データSDにこれらの情報
を付して送信することができるため、解析を依頼したク
ライアント側端末3の使用者は最新の関連情報を容易に
入手することができる。さらに、特定した微生物種が危
険性の高いものであった場合、危険度のレベルによっ
て、段階的に警戒情報AIが発信される。これにより、
食中毒や感染症などの予防対策を速やかにとることがで
き、被害の拡大を防ぐとともに、適切な診療及び治療を
行なうことができる。
【0071】以上、本発明について好適な実施形態を挙
げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定され
るものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸
脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可
能である。
【0072】すなわち、本実施形態の微生物解析システ
ム1における管理サーバ2及びクライアント側端末3の
処理の流れを図4乃至図6のフローチャートに基づいて
説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、
シグナル情報SIの送信及び解析データSDの受信を同
一のクライアント側端末3で行なうものを示したが、こ
れに限定されるものではなく、解析データSDの受信先
を予め指定しておくことも可能である。これにより、例
えば、食品会社などで製造部の品質検査室に設置された
クライアント側端末から送信されたシグナル情報SI
を、出荷指示を決定する管理部門のクライアント側端末
に送信することも可能である。
【0073】さらに、本実施形態の微生物解析システム
1において、クライアント側端末3の設置される場所と
して病院や食品会社を例示したが、これに限定されるも
のではなく、例えば、大学などの教育研究機関や、スー
パーなどの生鮮食料品を取扱う小売業などにも設置する
ことが可能である。さらに、遠隔地(海外など)にクラ
イアント側端末3が設置されている場合でも、時間的及
び地域的な制限を受けないため、早急に解析結果を求め
られる場合でも、従来と比較して短時間で解析データを
送受信することができる。
【0074】また、本実施形態の微生物解析システム1
において、微生物種の危険度を四段階(レベル0〜C)
に分類し、これに応じて警戒情報AIを段階的に送信す
るものを示したが、これに限定されるものではなく、警
戒情報AIの送信先及び各危険度の設定は、システムの
使用状況に合わせて適宜変更することが可能である。
【0075】さらに、本実施形態の微生物解析システム
1において、予め蛍光色素またはアイソトープによって
標識した核酸をハイブリダイゼーションさせて、DNA
チップ4上に形成されるシグナルSをDNAチップ読取
装置5の読取手段31で読取るものを示したが、これに
限定されるものではない。現在では、蛍光色素やアイソ
トープ標識をしない非標識DNA(核酸)を用いたDN
Aチップの解析技術も開発されている。具体的に説明す
ると、縫い込み型インターカレーター及び走査型電気化
学顕微鏡(SECM)を利用して1本鎖DNAと2本鎖
DNAとの差異を検出し、画像化するものである。すな
わち、DNAチップ上に整列化されたプローブに対応す
る核酸がある場合、ハイブリダイゼーションによりDN
Aチップ上に2本鎖DNAが形成される(ハイブリダイ
ズ領域)。一方、プローブに対応する核酸がない場合
は、ハイブリダイゼーションを行ってもDNAチップ上
のプローブは1本鎖のままである。したがって、走査型
電気化学顕微鏡を利用して、このハイブリダイズされた
領域を画像化してシグナルSとするが可能であり、これ
を本発明の微生物解析システムに利用することができ
る。この場合、走査型電気化学顕微鏡がDNA読取チッ
プ5及び読取手段31に相当する。
【0076】
【発明の効果】以上のように、請求項1及び請求項2の
発明の微生物解析システムは、通信ネットワークを介し
て接続した管理サーバ及びクライアント側端末によっ
て、読取ったDNAチップのシグナル情報を解析し、解
析結果を解析データとして送信することができる。これ
により、管理サーバとクライアント側端末とが離れて設
置されている場合でも、時間的及び地域的な制約を受け
ないで、微生物種の特定を行なうことができる。さら
に、管理サーバに解析にかかる種々の情報及び解析用ソ
フトウェアが統括して管理されているために、個々にこ
れらの情報を収集及び管理する場合と比較して、コスト
及び人的労力を飛躍的に軽減することができる。
【0077】請求項3の発明の微生物解析システムは、
請求項1または請求項2の発明の微生物解析システムの
効果に加え、特定した微生物種に対応する微生物関連情
報を付した解析データを送信することによって、解析デ
ータを受信したクライアント側端末の利用者は、かかる
関連情報を容易に入手することができ、調査にかかる時
間を少なくすることができる。
【0078】請求項4の発明の微生物解析システムは、
請求項3の発明の微生物解析システムの効果に加え、微
生物種の危険度を段階的に示す危険度情報に基づいて、
関係する機関に警戒情報を送信することができる。これ
により、微生物種に起因する感染症や食中毒などの人体
に甚大な被害を与える可能性を未然に防止することがで
きる。
【0079】請求項5の発明の微生物解析システムは、
請求項1乃至請求項4のいずれか一つの発明の微生物解
析システムの効果に加え、記憶手段に記憶された情報が
更新されることにより、解析結果の信頼性を高くするこ
とができるとともに、関連分野の最新情報を微生物関連
情報としてクライアント側端末に提供することができ
る。
【0080】請求項6の発明の微生物解析システムは、
請求項2乃至請求項5のいずれか一つの発明の微生物解
析システムの効果に加え、医療、教育、食品製造、及び
公共機関などのあらゆる場所にクライアント側端末を設
置して、種々の分野において本システムの効果を享受す
ることができる。
【0081】請求項7乃至請求項9の発明の微生物解析
プログラムは、実行すると、シグナル情報の解析、微生
物関連情報の抽出、警戒情報の発信、及び解析データの
送信などの機能を管理サーバに与えることができる。こ
れにより、通信ネットワークを介したDNAチップの解
析が行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微生物解析システムの構成を示す説明
図である。
【図2】微生物解析システムにおける管理サーバの機能
的構成を示すブロック図である。
【図3】微生物解析システムにおけるクライアント側端
末の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】微生物解析システムにおける管理サーバの処理
の流れを示すフローチャートである。
【図5】微生物解析システムにおける管理サーバの処理
の流れを示すフローチャートである。
【図6】微生物解析システムにおけるクライアント側端
末の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 微生物解析システム 2 管理サーバ 3 クライアント側端末 4 DNAチップ 5 DNAチップ読取装置 6 関係機関 11 記憶手段 12 シグナル情報受信手段 13 解析手段 14 抽出手段 15 解析データ送信手段 16 警戒情報発信手段 17 更新手段 18 登録手段 19 認証手段 31 読取手段 32 シグナル情報送信手段 33 解析データ受信手段 34 クライアント側出力制御手段 35 クライアント側出力手段(出力手段) AI 警戒情報 DI 危険度情報 I インターネット ID 識別番号 L 通信回線 RI 登録情報 S シグナル SD 解析データ SI シグナル情報 SS 解析用ソフトウェア VI 微生物情報 VR 微生物関連情報
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 純郎 東京都港区芝公園2丁目4番1号 秀和芝 パークビル6階 三井物産プラント株式会 社内 Fターム(参考) 2G045 AA28 CB21 DA12 DA13 FB02 JA01 4B024 AA11 AA19 CA01 HA19 HA20 4B063 QA01 QA13 QQ43 QR32 QR55 QS34 5B075 ND06 PP10 PQ32 PQ40 UU26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信ネットワークに接続した管理サーバ
    で、DNAチップのシグナルを解析し、微生物種を特定
    する微生物解析システムであって、 前記管理サーバは、 前記シグナルに対応する前記微生物種を示す微生物情
    報、及び前記シグナルに基づいて前記微生物種を特定す
    るための解析用ソフトウェアを記憶する記憶手段と、 前記通信ネットワーク上に送出された前記DNAチップ
    の前記シグナルの強度、位置、及び解析条件の指定を含
    むシグナル情報を、前記通信ネットワークを介して受信
    するシグナル情報受信手段と、 前記記憶手段に記憶された前記微生物情報及び前記解析
    用ソフトウェアを利用して、前記シグナル情報受信手段
    によって受信した前記シグナル情報を前記解析条件に従
    って解析し、前記微生物種を特定する解析手段と、 前記解析手段によって特定された前記微生物種を解析デ
    ータとして、予め指定された送出先に前記通信ネットワ
    ークを介して返信する解析データ送信手段とを具備する
    ことを特徴とする微生物解析システム。
  2. 【請求項2】 前記通信ネットワークに接続し、前記D
    NAチップの前記シグナル情報を前記管理サーバに送信
    するクライアント側端末であって、 前記クライアント側端末は、 前記DNAチップの前記シグナルを読取る読取手段と、 前記読取手段によって読取った前記シグナルを前記シグ
    ナル情報として、前記通信ネットワークを介して前記管
    理サーバに送信するシグナル情報送信手段と、 前記管理サーバによって解析され、前記微生物種が特定
    された前記解析データを、前記通信ネットワークを介し
    て受信する解析データ受信手段と、 前記解析データ受信手段によって受信した前記解析デー
    タを出力するクライアント側出力制御手段とを具備する
    ことを特徴とする微生物解析システム。
  3. 【請求項3】 前記管理サーバの前記記憶手段は、前記
    微生物種に関する微生物関連情報をさらに記憶し、 前記管理サーバは、 前記解析手段によって特定された前記微生物種に対応す
    る前記微生物関連情報を抽出する抽出手段をさらに具備
    し、 前記解析データは、特定した前記微生物種とともに前記
    抽出手段によって抽出された前記微生物関連情報を含む
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微生
    物解析システム。
  4. 【請求項4】 前記微生物関連情報は、 前記微生物種の危険度を段階的に示す危険度情報をさら
    に含み、 前記管理サーバは、 前記解析手段によって特定された前記微生物種の前記危
    険度に応じて、前記シグナル情報を送信した前記クライ
    アント側端末及び前記微生物種に関係する機関の少なく
    ともいずれか一方に、前記通信ネットワークを介して警
    戒情報を発信する警戒情報発信手段をさらに有すること
    を特徴とする請求項3に記載の微生物解析システム。
  5. 【請求項5】 前記管理サーバは、 前記記憶手段に記憶される前記微生物情報、前記解析用
    ソフトウェア、及び前記微生物関連情報の少なくともい
    ずれか一つを更新する更新手段をさらに備えることを特
    徴とする請求項3または請求項4に記載の微生物解析シ
    ステム。
  6. 【請求項6】 前記クライアント側端末は、 医療機関、教育研究機関、公的機関、及び企業の少なく
    ともいずれか一つに設置されることを特徴とする請求項
    2乃至請求項5のいずれか一つに記載の微生物解析シス
    テム。
  7. 【請求項7】 DNAチップのシグナルに対応する微生
    物種を示す微生物情報、及びシグナルに基づいて前記微
    生物種を特定するための解析用ソフトウェアを記憶する
    記憶手段、通信ネットワーク上に送出された前記DNA
    チップの前記シグナルの強度、位置、及び解析条件の指
    定を含むシグナル情報を、前記通信ネットワークを介し
    て受信するシグナル情報受信手段、前記記憶手段に記憶
    された前記微生物情報及び前記解析用ソフトウェアを利
    用して、前記シグナル情報受信手段によって受信した前
    記シグナル情報を前記解析条件に従って解析し、前記微
    生物種を特定する解析手段、及び前記解析手段によって
    特定された前記微生物種を解析データとして、予め指定
    された送出先に前記通信ネットワークを介して返信する
    解析データ送信手段として、前記通信ネットワークに接
    続した管理サーバを機能させることを特徴とする微生物
    解析プログラム。
  8. 【請求項8】 前記記憶手段は、前記微生物種に関する
    微生物関連情報をさらに記憶し、前記解析手段によって
    特定された前記微生物種に対応する前記微生物関連情報
    を抽出する抽出手段として、前記管理サーバをさらに機
    能させることを特徴とする請求項7に記載の微生物解析
    プログラム。
  9. 【請求項9】 前記微生物関連情報は、前記微生物種の
    危険度を段階的に示す危険度情報をさらに含み、前記解
    析手段によって特定された前記微生物種の前記危険度に
    応じて、前記シグナル情報を送信した前記クライアント
    側端末及び前記微生物種に関係する機関の少なくともい
    ずれか一方に、前記通信ネットワークを介して段階的に
    警戒情報を発信する警戒情報発信手段として、前記管理
    サーバをさらに機能させることを特徴とする請求項8に
    記載の微生物解析プログラム。
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