JP2002355820A - ハイポイド歯車のリード解析方法、ハイポイド歯車のリード解析プログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体、ハイポイド歯車のリード解析装置、ハイポイド歯車の成形金型製造方法及びハイポイド歯車の離型方法 - Google Patents

ハイポイド歯車のリード解析方法、ハイポイド歯車のリード解析プログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体、ハイポイド歯車のリード解析装置、ハイポイド歯車の成形金型製造方法及びハイポイド歯車の離型方法

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JP2002355820A JP2001165182A JP2001165182A JP2002355820A JP 2002355820 A JP2002355820 A JP 2002355820A JP 2001165182 A JP2001165182 A JP 2001165182A JP 2001165182 A JP2001165182 A JP 2001165182A JP 2002355820 A JP2002355820 A JP 2002355820A
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勝巳 三瓶
Shiyuntarou Yagishita
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Yoshiki Yokoo
芳樹 横尾
Heiichi Hasegawa
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Norio Maeda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハイポイド歯車の成形金型とハイポイド歯車と
が干渉せずにねじり回転することができる適正な非干渉
リードを解析することができる方法、装置及びこの方法
を実現するためプログラムを記録したコンピュータ読み
取り可能な記録媒体、更に精度の高いハイポイド歯車の
金型製造方法、ハイポイド歯車の成形金型とハイポイド
歯車とが干渉することなく離型する離型方法を提供する
ことにある。 【解決手段】ハイポイド歯車と成形金型とが干渉するこ
とのない適正な非干渉リードを発見することによって上
記課題を解決した。歯面の形状モデルから歯面の内径側
から外径側までの加速面側リード範囲及び減速面側リー
ド範囲を抽出して、このリード範囲から加速面及び減速
面のいずれとも干渉しない非干渉リード範囲を算出し、
そこから適正な非干渉リードを選択した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイポイド歯車の
リード解析方法、ハイポイド歯車のリード解析プログラ
ムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体、ハ
イポイド歯車のリード解析装置、ハイポイド歯車の成形
金型製造方法及びハイポイド歯車の離型方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハイポイド歯車は、図2に示すような形
状をした歯車である。このハイポイド歯車の歯面には加
速面と減速面とがあり、加速面が垂直方法(中心軸)に
対してアンダーカットとなっていることが多いことに特
徴がある。そのためにハイポイド歯車を鍛造によって製
造するためにハイポイド歯車の成形金型を製作する場合
には加工電極等の加工工具を成形金型用のワークに対し
てねじり回転させる必要がある。また鍛造されたハイポ
イド歯車を成形金型から離型したりする場合において
も、はやりハイポイド歯車を成形金型からねじり回転さ
せながら離型する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ハイポイド歯車は、内
径側から外径側へ進むについて歯面の圧力角が変化する
という特徴を有している。このため鍛造されたハイポイ
ド歯車を成形金型から相対的にねじり回転させて成形金
型から離型する場合、また加工電極等の加工工具を成形
金型の素材に対して相対的にねじり回転させてハイポイ
ド歯車の成形金型を製造する場合において、このねじり
回転の大きさは、従来から試行錯誤によって行われてき
た。
【0004】例えば冷間鍛造においてハイポイド歯車の
精度を向上させようとしても、成形金型から鍛造された
ハイポイド歯車を離型することを試行錯誤によって行わ
れており、干渉によりかじり・キズ・ダレ等を生じさせ
ることなく離型することが困難な状況にあった。そのた
めに鍛造品の精度を向上させることができなかった。
【0005】また仕上げのための仕上げ削り代の精度が
悪いためにアンバランスになったりしていた。また将来
的にハイポイド歯車の鍛造品の仕上げ加工の廃止まで視
野に入れた場合に、ハイポイド歯車の鍛造品の精度が低
いままでは製品精度を満足できないことが予想される。
【0006】また加工電極等の加工工具を用いて成形金
型を製造する場合においても、加工電極等を型素材に対
してどの程度ねじり回転させればよいか分からないた
め、成形金型を製造する場合も精度の高い成形金型を作
ることが困難な状況にあった。
【0007】本発明の発明者らはこのように試行錯誤で
ねじり回転せざるを得ないのは、離型及び加工の際に、
ねじり回転のための具体的な数値が未だかつて算出され
たことがないからだと考えた。
【0008】そこで本発明の目的は、ハイポイド歯車の
成形金型とハイポイド歯車とが干渉せずにねじり回転す
ることができる適正な非干渉リードを解析することがで
きる方法、その方法を実現するためのプログラムを記録
したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、及びハイポ
イド歯車の成形金型とハイポイド歯車とが干渉せずにね
じり回転することができる適正な非干渉リードを算出す
ることができる装置を提供することにある。
【0009】また本発明の目的は、精度の高いハイポイ
ド歯車の金型製造方法を提供することにある。
【0010】更に本発明の目的は、ハイポイド歯車の成
形金型とハイポイド歯車とが干渉することなく離型する
離型方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果ハイポイド歯車の成形金型から鍛造されたハイポ
イド歯車をねじり回転させながら離型する場合に、ハイ
ポイド歯車の歯が成形金型の内面と干渉することがない
リード、即ち非干渉リードが存在することを発見した。
【0012】即ち本発明者らは、ハイポイド歯車の場合
には、加速面側の歯面及び減速面側の歯面についてそれ
ぞれ加速面側リード及び減速面側リードが存在している
ことに着目した。そしてこの加速面側リード及び減速面
側リードそれぞれについて、中心軸からの距離との関係
でそのリードの大きさを測定すると、ハイポイド歯車の
中心軸からの距離(以下適宜「半径」という)に応じて
変化し、加速面側リード及び減速面側リードについて、
それぞれリード範囲が存在することを認識した。
【0013】更に本発明者らは、ハイポイド歯車の特定
の半径における歯面の加速面側リード及び減速面側リー
ドについて検討を重ねて、減速面側の歯面にも干渉せ
ず、加速面側の歯面にも干渉しないリードの範囲即ち非
干渉リード範囲が存在することを認識した。即ちハイポ
イド歯車と成形金型とが噛み合わされている状態を想定
すると、ハイポイド歯車をハイポイド歯車の加速面側リ
ードより小さいリードでねじり回転させればハイポイド
歯車の加速面と成形金型とは干渉しないし、また減速面
側リードより大きいリードでねじり回転させればやはり
ハイポイド歯車の減速面と成形金型とは干渉しないこと
を認識した。
【0014】そこで本発明者らは、ハイポイド歯車の歯
面の半径の全ての位置において減速面側の歯面にも加速
面側の歯面にも干渉しない非干渉リードの範囲は、先に
考察した減速面側リード範囲と加速面側リード範囲の間
に存在すると認識するに至った。そしてこの非干渉リー
ドの範囲から作業上の誤差等を考慮しても最も干渉する
ことのない適正な非干渉リードを選択すればよいと考え
た。
【0015】また本発明者らは、このようにして得られ
た非干渉リードを用いれば精度の高いハイポイド歯車を
作ることができる金型を製造することができると考え
た。またこの非干渉リードを用いることにより鍛造され
たハイポイド歯車をかじりを生じさせることなく、成形
金型から離型させることができると考えた。
【0016】(1)そこで本発明者らは、第1の発明と
して、ハイポイド歯車と該ハイポイド歯車の成形金型と
が干渉することなく離型する非干渉リードを3次元CA
D装置を用いて解析するハイポイド歯車のリード解析方
法であって、前記ハイポイド歯車の所定の諸元データを
入力する入力ステップと、入力された前記諸元データに
基づいて前記ハイポイド歯車の歯面の形状モデルを作成
する形状モデル作成ステップと、前記歯面の前記形状モ
デルから前記歯面の内径側から外径側までの加速面側リ
ード範囲及び減速面側リード範囲を抽出するリード範囲
抽出ステップと、前記加速面側リード範囲と前記減速面
側リード範囲とから前記歯面の加速面及び減速面のいず
れとも干渉しない非干渉リード範囲を算出し、該非干渉
リード範囲から適正な非干渉リードを選択する非干渉リ
ード選択ステップとを含むことを特徴とするハイポイド
歯車のリード解析方法を発明した。
【0017】この第1の発明は、ハイポイド歯車と該ハ
イポイド歯車の成形金型とが干渉することなく離型する
適正な非干渉リードを3次元CAD装置を用いて解析す
るハイポイド歯車のリード解析方法である。
【0018】本発明のハイポイド歯車のリード解析方法
における入力ステップは、ハイポイド歯車の所定の諸元
データを入力する3次元CADに入力するステップであ
る。このように3次元CAD装置にハイポイド歯車の所
定の諸元データを入力することによって、3次元CAD
装置においてハイポイド歯車の歯面の形状モデルを作成
することが可能となる。ここで入力する諸元データは、
適正な非干渉リードを解析する対象となるハイポイド歯
車の諸元データである。
【0019】形状モデル作成ステップは、入力ステップ
において入力された諸元データに基づいてハイポイド歯
車の歯面の形状モデルを作成するステップである。この
ように3次元CAD装置においてハイポイド歯車の歯面
の形状モデルを作成することによってハイポイド歯車の
歯面の形状を解析することが可能となる。即ち歯面の加
速面側リード及び減速面側リードを算出することが可能
となる。
【0020】リード範囲抽出ステップは、形状モデル作
成ステップにおいて作成された歯面の形状モデルから歯
面の内径側から外径側までの加速面側リード範囲及び減
速面側リード範囲を抽出するステップである。3次元C
AD装置にハイポイド歯車の歯面の形状モデルが作成さ
れていることから、この形状モデルを解析して内径側か
ら外径側までの歯面の加速面及び減速面のそれぞれのリ
ードの範囲を抽出するステップである。
【0021】この抽出された加速面側リード範囲及び減
速面側リード範囲を分析することによって、ハイポイド
歯車とその成形金型が干渉せずに離型することができる
リード範囲即ち非干渉リード範囲を求めることが可能と
なる。即ちハイポイド歯車の歯面の位置において、加速
面側リードより小さく、減速面側リードよりも大きいリ
ード範囲を求めることによって非干渉リード範囲を抽出
することが可能となる。加速面はアンダーカット形状を
しており、ハイポイド歯車をその成形金型から非干渉で
離型するためにはハイポイド歯車をその成形金型に対し
てねじり回転させる際のそのリードはハイポイド歯車の
加速面リードより小さくする必要があり、またその減速
面側リードよりも大きくする必要があるからである。
【0022】この加速面側リード範囲及び減速面側リー
ド範囲を抽出するリード範囲抽出ステップは、以下のス
テップによって実現することができる。即ち形状モデル
の中心軸と同軸上に形状モデルと交差する半径の異なる
円筒サーフェースモデルを所定の個数作成する円筒モデ
ル作成ステップと、所定の個数の円筒サーフェースモデ
ルが歯面の形状モデルと交差する交線から構成される歯
面のワイヤフレームモデルを所定の個数作成する交線作
成ステップと、所定の個数のワイヤフレームモデルから
形状モデルの歯面の加速面側圧力角及び減速面側圧力角
を所定の個数算出する圧力角算出ステップと、所定の個
数の加速面側圧力角及び減速面側圧力角から形状モデル
の中心軸からの距離と加速面側圧力角及び減速面側圧力
角との関係を表す近似直線を導出する近似直線導出ステ
ップと、近似直線から加速面側リード範囲及び減速面側
リード範囲を演算するリード範囲演算ステップである。
【0023】円筒モデル作成ステップは、歯面の形状モ
デルの中心軸と同軸上に形状モデルと交差する半径の異
なる円筒サーフェースモデルを所定の個数作成するステ
ップである。形状モデルの中心軸と同軸上に円筒サーフ
ェースモデルを作成することによって、3次元CAD装
置において、形状モデルをその中心軸を中心にして同心
円上に円筒サーフェースモデルで切断することが可能と
なる。この場合作成される円筒サーフェースモデルの個
数によって、加速面側リード範囲及び減速面側リード範
囲を算出する基礎となる加速面側圧力角及び減速面側圧
力角の個数が決まることになる。従って加速面側リード
範囲及び減速面側リード範囲を算出するの基礎となる加
速面側圧力角及び減速面側圧力角の個数と同数の円筒サ
ーフェースモデルを作成することになる。この場合半径
の異なる所定の個数の円筒サーフェースモデルは、解析
される適正な非干渉リードの精度を考慮すれば多い方が
好ましいが、一般に3〜50の個数の円筒サーフェース
モデルを作成すればよい。好ましくは10〜30の個数
の円筒サーフェースモデルを作成すればよい。
【0024】交線作成ステップは、所定の個数の円筒サ
ーフェースモデルが歯面の形状モデルと交差する交線か
ら構成される歯面のワイヤフレームモデルを所定の個数
作成するステップである。
【0025】この交線作成ステップによって、円筒サー
フェースモデルが形状モデルを切断した場合の切断面の
形状を円筒サーフェースモデルと形状モデルとの交線と
して得ることが可能となる。この交線は歯面のワイヤフ
レームモデルとして構成することができる。なおこの交
線作成ステップは、異なる半径を有する所定の個数の円
筒サーフェースモデルによって形状モデルを切断するの
で、切断面の形状を表すワイヤフレームモデルも中心軸
からの距離が異なるワイヤフレームモデルを所定の個数
得ることができる。
【0026】圧力角算出ステップは、所定の個数のワイ
ヤフレームモデルから形状モデルの歯面の加速面側圧力
角及び減速面側圧力角を所定の個数算出するステップで
ある。加速面側圧力角及び減速面側圧力角を得ることに
よって、加速面及び減速面の圧力角の変化を導出するこ
とが可能となる。
【0027】なお加速面側圧力角及び減速面側圧力角は
ワイヤフレームモデルの加速面及び減速面を表す直線と
形状モデルの中心軸との角度から算出することができ
る。
【0028】近似直線導出ステップは、所定の個数の加
速面側圧力角及び減速面側圧力角から形状モデルの中心
軸からの距離と加速面側圧力角及び減速面側圧力角との
関係を表す近似直線を導出するステップである。このよ
うに所定の個数の加速面側圧力角及び減速面側圧力角か
ら歯面の内径側から外径側までの加速面及び減速面の圧
力角の変化を形状モデルの中心軸からの距離即ち半径と
の関係で近似直線化することが可能となる。
【0029】リード範囲演算ステップは、近似直線から
加速面側リード範囲及び減速面側リード範囲を演算する
ステップである。このように加速面側圧力角及び減速面
側圧力角の圧力角と半径との関係を表す近似直線から半
径との関係で加速面側リード範囲及び減速面側リード範
囲を演算することができる。
【0030】またリード範囲抽出ステップは、異なった
構成で実現することができる。即ち歯面の形状モデルの
中心軸と同軸上に形状モデルと交差する半径の異なる円
筒サーフェースモデルを所定の個数作成する円筒モデル
作成ステップと、所定の個数の円筒サーフェースモデル
が歯面の形状モデルと交差する交線から構成される歯面
のワイヤフレームモデルを所定の個数作成する交線作成
ステップと、所定の個数のワイヤフレームモデルから形
状モデルの歯面の加速面側圧力角及び減速面側圧力角を
所定の個数算出する圧力角算出ステップと、加速面側圧
力角及び減速面側圧力角から歯面の加速面側リード及び
減速面側リードを所定の個数演算するリード演算ステッ
プと、所定の個数の加速面側リード及び減速面側リード
から加速面側リード範囲と減速面側リード範囲とを導出
するリード範囲導出ステップである。
【0031】円筒モデル作成ステップ、交線作成ステッ
プ及び圧力角算出ステップは既に述べた同一の名称のス
テップと同一であるので説明はその部分に譲る。
【0032】この構成では、圧力角算出ステップで算出
された加速面側圧力角及び減速面側圧力角から近似直線
が導出されるのではなく、加速面側圧力角に対応する加
速面側リード及び減速面側圧力角に対応する減速面側リ
ードが演算されることになる。
【0033】即ちリード演算ステップは、加速面側圧力
角及び減速面側圧力角から歯面の加速面側リード及び減
速面側リードを所定の個数演算するステップである。こ
のリード演算ステップによって、加速面側リード範囲と
減速面側リード範囲を算出する基礎となる所定の個数の
加速面側リードと減速面側リードを得ることができる。
なお加速面側圧力角及び前記減速面側圧力角はワイヤフ
レームモデルと形状モデルの中心軸との角度から算出す
ることができる。
【0034】リード範囲導出ステップは、所定の個数の
加速面側リード及び減速面側リードから加速面側リード
範囲及び減速面側リード範囲とを導出するステップであ
る。このリード範囲導出ステップによって導出された加
速面側リード範囲及び減速面側リード範囲からハイポイ
ド歯車をねじり回転させる場合に成形金型と干渉を生じ
させない非干渉リード範囲を導くことが可能となる。
【0035】次に非干渉リード選択ステップは、非干渉
リード範囲から適正な非干渉リードを選択するステップ
である。非干渉リード範囲は幅があり、そこで作業上の
誤差を考慮して非干渉リード範囲から最も干渉しない非
干渉リードを適正な非干渉リードとして選択するステッ
プである。
【0036】この非干渉リード選択ステップは、形状モ
デルから歯面の一歯分のデジタル上でのモックアップモ
デルを作成し、非干渉リード範囲からモックアップモデ
ルが形状モデルの歯面の加速面及び減速面から均一幅で
抜けるリードを非干渉リードとして選択して実現するこ
とができる。両方の面から均一幅で抜けるので最も干渉
しない非干渉リードと考えることができる。
【0037】ここで得られた非干渉リードによって、ハ
イポイド歯車とその成形金型は干渉することなく離型す
ることが可能となる。またこの非干渉リードで加工工具
を成形金型の素材に相対的にねじり回転させることによ
って、精度の高いハイポイド歯車の成形金型を製造する
ことが可能となる。
【0038】(2)また本発明者らは、第2の発明とし
て、ハイポイド歯車と該ハイポイド歯車の成形金型とが
干渉することなく離型する非干渉リードを3次元CAD
装置を用いて解析するハイポイド歯車のリード解析プロ
グラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体
であって、前記3次元CAD装置に、前記ハイポイド歯
車の所定の諸元データを入力する入力ステップと、入力
された前記諸元データに基づいて前記ハイポイド歯車の
歯面の形状モデルを作成する形状モデル作成ステップ
と、前記歯面の前記形状モデルから前記歯面の内径側か
ら外径側までの加速面側リード範囲及び減速面側リード
範囲を抽出するリード範囲抽出ステップと、前記加速面
側リード範囲と前記減速面側リード範囲とから前記歯面
の加速面及び減速面のいずれとも干渉しない非干渉リー
ド範囲を算出し、該非干渉リード範囲から適正な非干渉
リードを選択する非干渉リード選択ステップとを実行さ
せるハイポイド歯車のリード解析プログラムを記録した
コンピュータ読みとり可能な記録媒体を発明した。
【0039】この第2の発明は、ハイポイド歯車とハイ
ポイド歯車の成形金型とが干渉することなく離型する非
干渉リードを3次元CAD装置を用いて解析するハイポ
イド歯車のリード解析プログラムを記録したコンピュー
タ読みとり可能な記録媒体である。
【0040】ここで本発明のハイポイド歯車のリード解
析プログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記
録媒体におけるハイポイド歯車のリード解析プログラム
とは、3次元CAD装置に、第1の発明のハイポイド歯
車のリード解析方法を実行させるプログラムである。従
ってこのプログラムによって実行される内容即ちステッ
プは、第1の発明において実行されるステップと同一で
ある。従ってこれらのステップについての説明は、第1
の発明についてした説明に譲ることにする。
【0041】本発明のハイポイド歯車のリード解析プロ
グラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
からハイポイド歯車のリード解析プログラムを3次元C
AD装置にローディング(搭載)し、この3次元CAD
装置を用いて第1の発明のハイポイド歯車のリード解析
方法を実行することができる。この場合ハイポイド歯車
のリード解析プログラムを搭載した3次元CAD装置
は、ハイポイド歯車のリードを解析することができるハ
イポイド歯車のリード解析装置として用いることができ
る。
【0042】(3)そこで本発明者らは、第3の発明と
して、ハイポイド歯車と該ハイポイド歯車の成形金型と
が干渉することなく離型する適正な非干渉リードを3次
元CAD装置を用いて解析するハイポイド歯車のリード
解析装置であって、前記ハイポイド歯車の所定の諸元デ
ータを入力する入力手段と、入力された前記諸元データ
に基づいて前記ハイポイド歯車の歯面の形状モデルを作
成する形状モデル作成手段と、前記歯面の前記形状モデ
ルから前記歯面の内径側から外径側までの加速面側リー
ド範囲及び減速面側リード範囲を抽出するリード範囲抽
出手段と、前記加速面側リード範囲と前記減速面側リー
ド範囲とから前記歯面の加速面及び減速面のいずれとも
干渉しない非干渉リード範囲を算出し、該非干渉リード
範囲から適正な非干渉リードを選択する非干渉リード選
択手段とを含むことを特徴とするハイポイド歯車のリー
ド解析装置を発明した。
【0043】この第3の発明は、ハイポイド歯車と該ハ
イポイド歯車の成形金型とが干渉することなく離型する
適正な非干渉リードを3次元CAD装置を用いて解析す
るハイポイド歯車のリード解析装置である。
【0044】上述したように、第2の発明のハイポイド
歯車のリード解析プログラムを記録したコンピュータ読
みとり可能な記録媒体におけるハイポイド歯車のリード
解析プログラムを3次元CAD装置にローディング(搭
載)することによって、ハイポイド歯車のリード解析プ
ログラムを搭載した3次元CAD装置は、ハイポイド歯
車のリードを解析することができるハイポイド歯車のリ
ード解析装置として用いることができる。
【0045】この場合ハイポイド歯車のリード解析プロ
グラムを搭載した3次元CAD装置は第1の発明のハイ
ポイド歯車のリード解析方法における各ステップを実現
する手段として機能することになる。即ち入力手段は入
力ステップを実現する手段であり、形状モデル作成手段
は形状モデルステップを実現する手段であり、リード範
囲抽出手段はリード範囲抽出ステップを実現する手段で
あり、非干渉リード選択手段は非干渉リード選択ステッ
プを実現する手段である。従って各手段が実現するステ
ップについての説明は第1の発明においてした説明に譲
る。
【0046】(4)また本発明者らは、第4の発明とし
て、ハイポイド歯車と該ハイポイド歯車の成形金型とが
干渉することなく離型する適正な非干渉リードを用いた
ハイポイド歯車の成形金型製造方法であって、前記適正
な非干渉リードを解析するリード解析ステップと該リー
ド解析ステップによって得られた前記適正な非干渉リー
ドを用いてハイポイド歯車の成形金型を加工する加工ス
テップとを含み、前記リード解析ステップは、3次元C
AD装置を用いて実行され、前記ハイポイド歯車の所定
の諸元データを入力する入力ステップと、入力された前
記諸元データに基づいて前記ハイポイド歯車の歯面の形
状モデルを作成する形状モデル作成ステップと、前記歯
面の前記形状モデルから前記歯面の内径側から外径側ま
での加速面側リード範囲及び減速面側リード範囲を抽出
するリード範囲抽出ステップと、前記加速面側リード範
囲と前記減速面側リード範囲とから前記歯面の加速面及
び減速面のいずれとも干渉しない非干渉リード範囲を算
出し、該非干渉リード範囲から前記適正な非干渉リード
を選択する非干渉リード選択ステップとを含むことを特
徴とするハイポイド歯車の成形金型製造方法を発明し
た。
【0047】この第4の発明は、ハイポイド歯車と該ハ
イポイド歯車の成形金型とが干渉することなく離型する
適正な非干渉リードを用いたハイポイド歯車の成形金型
製造方法であって、適正な非干渉リードを解析するリー
ド解析ステップとリード解析ステップによって得られた
適正な非干渉リードを用いてハイポイド歯車用成形金型
を加工する加工ステップとを含む。
【0048】リード解析ステップは、第1の発明のハイ
ポイド歯車のリード解析方法と同一である。即ち本発明
のハイポイド歯車の成形金型製造法は、第1の発明のハ
イポイド歯車のリード解析方法を発明の一部として含む
ものである。従ってこの非干渉リード解析ステップの説
明は、第1の発明のハイポイド歯車のリード解析方法の
説明に譲る。なおリード解析ステップにおけるハイポイ
ド歯車は、成形金型によって成形されるハイポイド歯車
の原型となるハイポイド歯車である。
【0049】加工ステップは、リード解析ステップで解
析された適正な非干渉リードを用いてワークからハイポ
イド歯車を加工するステップである。この加工ステップ
は、型彫り加工において、加工電極を適正な非干渉リー
ドに従って相対的にねじり回転させて金型素材から成形
金型を加工して実現することができる。ここで「相対的
に」としたのは、加工電極と金型素材との関係でねじり
回転が行われればよいのであって、必ずしも加工電極の
みをねじり回転させるという意味ではない。
【0050】またこの加工ステップは、適正な非干渉リ
ードをNC旋盤にプログラムして、適切な非干渉リード
に従って金型素材から前記成形金型を加工して実現する
こともできる。
【0051】このような適正な非干渉リードを用いるこ
とによって、精度の高いハイポイド歯車を成形すること
ができる成形金型を金型素材から製造することができ
る。
【0052】(5)更に本発明者らは、第5の発明とし
て、鍛造されたハイポイド歯車を該ハイポイド歯車の成
形金型から相対的にねじり回転させながら離型させる形
成方法であって、前記ハイポイド歯車と前記ハイポイド
歯車の前記成形金型とが干渉することなく離型する適正
な非干渉リードを3次元CAD装置を用いて解析するリ
ード解析ステップと、前記リード解析ステップによって
得られた前記適正な非干渉リードに従って前記ハイポイ
ド歯車を相対的にねじり回転させて前記成形金型から離
型させる離型ステップとを含み、前記リード解析ステッ
プは、3次元CAD装置を用いて実行され、前記ハイポ
イド歯車の所定の諸元データを入力する入力ステップ
と、入力された前記諸元データに基づいて前記ハイポイ
ド歯車の歯面の形状モデルを作成する形状モデル作成ス
テップと、前記歯面の前記形状モデルから前記歯面の内
径側から外径側までの加速面側リード範囲及び減速面側
リード範囲を抽出するリード範囲抽出ステップと、前記
加速面側リード範囲と前記減速面側リード範囲とから前
記歯面の加速面及び減速面のいずれとも干渉しない非干
渉リード範囲を算出し、該非干渉リード範囲から前記適
正な非干渉リードを選択する非干渉リード選択ステップ
とを含むことを特徴とするハイポイド歯車の離型方法を
発明した。
【0053】この第5の発明は、鍛造されたハイポイド
歯車をハイポイド歯車の成形金型から相対的にねじり回
転させながら離型させる形成方法であって、ハイポイド
歯車とハイポイド歯車の成形金型とが干渉することなく
離型する適正な非干渉リードを3次元CAD装置を用い
て解析するリード解析ステップとリード解析ステップに
よって得られた適正な非干渉リードに従ってハイポイド
歯車を相対的にねじり回転させて前記成形金型から離型
させる離型ステップとを含む。ここで「相対的に」とし
たのは、ハイポイド歯車と成形金型との関係において相
対的にねじり回転が生じていればよいのであって、ハイ
ポイド歯車のみをねじり回転させるというという意味で
はない。
【0054】リード解析ステップは、第1の発明のハイ
ポイド歯車のリード解析方法と同一である。即ち本発明
のハイポイド歯車の離型方法は、第1の発明のハイポイ
ド歯車のリード解析方法を発明の一部として含むもので
ある。従ってこの非干渉リード解析ステップの説明は、
第1の発明のハイポイド歯車のリード解析方法の説明に
譲る。なおリード解析ステップにおけるハイポイド歯車
は、成形金型によって成形されるハイポイド歯車の原型
となるハイポイド歯車である。
【0055】離型ステップは、リード解析ステップによ
って得られた適正な非干渉リードに従ってハイポイド歯
車を相対的にねじり回転させて成形金型から離型させる
ステップである。この離型ステップは、ノックアウトピ
ンを適正な非干渉リードに従ってねじり回転して実現す
ることができる。
【0056】このように適正な非干渉リードを用いるこ
とによって、かじり・キズ・ダレ等を生じさせることな
く、鍛造されたハイポイド歯車をその成形金型から離型
することが可能となる。このとき成形された歯面は型精
度から著しく低下することはない。
【0057】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本実施形態の
ハイポイド歯車のリード解析方法は、上述したようにハ
イポイド歯車と該ハイポイド歯車の成形金型とが干渉す
ることなく離型する適正な非干渉リードを3次元CAD
装置を用いて解析するハイポイド歯車のリード解析方法
であって、ハイポイド歯車の所定の諸元データを入力す
る入力ステップと、入力された諸元データに基づいてハ
イポイド歯車の歯面の形状モデルを作成する形状モデル
作成ステップと、歯面の形状モデルから歯面の内径側か
ら外径側までの加速面側リード範囲及び減速面側リード
範囲を抽出するリード範囲抽出ステップと、加速面側リ
ード範囲と減速面側リード範囲とから歯面の加速面及び
減速面のいずれとも干渉しない非干渉リード範囲を算出
し、非干渉リード範囲から適正な非干渉リードを選択す
る非干渉リード選択ステップとを含むことを特徴とする
ハイポイド歯車のリード解析方法である。
【0058】このハイポイド歯車のリード解析方法は3
次元CAD装置において実現される。従ってこのハイポ
イド歯車のリード解析方法を実現する3次元CAD装置
は、本発明のハイポイド歯車のリード解析装置というこ
とができる。
【0059】なお上述したようにハイポイド歯車のリー
ド解析装置は、本発明のハイポイド歯車のリード解析方
法を3次元CAD装置に実行させるハイポイド歯車のリ
ード解析プログラムを搭載した装置である。従って本実
施形態は、本発明のハイポイド歯車のリード解析プログ
ラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体に
記録されたハイポイド歯車のリード解析プログラムを3
次元CAD装置で実行させた実施形態でもある。
【0060】ここで図1に本実施形態の各ステップを示
す。
【0061】まず入力ステップとして、ハイポイド歯車
の所定の諸元データを座標値に変換して3次元CAD装
置に入力する。この場合の座標値データは、実際のハイ
ポイド歯車を測定したり、理論計算することで得ること
ができる。
【0062】3次元CAD装置では入力された座標値か
らハイポイド歯車の歯面の形状モデルを作成することが
できる。また座標値データの数が多ければ、それだけ精
度の高い形状モデルを作成することができる。
【0063】形状作成ステップにおいて、3次元CAD
に座標値として入力された諸元データに基づいてハイポ
イド歯車の歯面の形状モデルを作成する。入力された座
標値をワイヤで結んで歯面のワイヤフレームモデルを作
成する。次にこの歯面のワイヤフレームモデルからサー
フェースモデルを構成する。この場合まず一歯分の歯面
についてのサーフェースモデルを作成しておくことがで
きる。次にこの一歯分の歯面のサーフェースモデルから
ソリッドモデルを作成する。次にこの一歯分の歯面のソ
リッドモデルをハイポイド歯車の歯数分だけ展開して歯
面の形状モデルを作成することができる。図2に作成さ
れたハイポイド歯車の歯面の形状モデルAを示す。
【0064】リード範囲抽出ステップにおいて、歯面の
形状モデルから歯面の内径側から外径側までの加速面側
リード範囲及び減速面側リード範囲を抽出する。このリ
ード範囲抽出ステップは、歯面の形状モデルの中心軸と
同軸上に形状モデルと交差する半径の異なる円筒サーフ
ェースモデルを所定の個数作成する円筒モデル作成ステ
ップと所定の個数の円筒サーフェースモデルが歯面の形
状モデルと交差する交線から構成される歯面のワイヤフ
レームモデルを所定の個数作成する交線作成ステップと
所定の個数のワイヤフレームモデルから形状モデルの歯
面の加速面側圧力角及び減速面側圧力角を所定の個数算
出する圧力角算出ステップと、所定の個数の加速面側圧
力角及び減速面側圧力角から形状モデルの中心軸からの
距離と加速面側圧力角及び減速面側圧力角との関係を表
す近似直線を導出する近似直線導出ステップと、近似直
線から加速面側リード範囲及び減速面側リード範囲を演
算するリード範囲演算ステップとで実現することができ
る。
【0065】まず円筒モデル作成ステップにおいて、形
状モデルの中心軸と同軸上に形状モデルと交差する半径
の異なる円筒サーフェースモデルを所定の個数作成す
る。
【0066】形状モデルの中心軸と同軸上に形状モデル
と交差する半径の異なる円筒サーフェースモデルを所定
の個数作成することによって、形状モデルを中心軸を中
心にして同心円上に切断することが可能となる。このよ
うに切断することによって、中心軸から異なった距離に
ある所定の個数の歯面の切断面を得ることが可能とな
る。図3に3次元CAD装置上に、形状モデルAの中心
軸と同軸上に形状モデルAと交差する円筒サーフェース
モデルBを作成した図を示す。
【0067】円筒サーフェースモデルは、加速面側リー
ド範囲及び減速面側リード範囲を求めることができるよ
うに、適切な個数を作成することができる。またこの円
筒サーフェースモデルは、歯面の内径側から外径側まで
の加速面側リード及び減速面側リードを求めるために形
成するものであるから、歯面の内径側から外径側まで分
散して作成しておくことができる。例えば歯面の内径
側、外径側、中央部等5箇所程度で作成することができ
る。
【0068】次に交線作成ステップにおいて、所定の個
数の円筒サーフェースモデルが歯面の形状モデルと交差
する交線から構成される歯面のワイヤフレームモデルを
所定の個数作成する。歯面の形状モデルと交差する交線
が円筒サーフェースモデルによって切断された切断面の
輪郭である。この交線を歯面のワイヤフレームモデルと
して構成する。図4に図3のXで示した箇所におけるワ
イヤフレームモデルCを示す。図4のワイヤフレームモ
デルCから、ハイポイドギアの歯面には減速面Lと加速
面Sとがあり、加速面Sはアンダーカットとなっている
ことが分かる。
【0069】この交線作成ステップにおいて作成される
ワイヤフレームモデルは所定の個数であって、半径の異
なる位置で切断された歯面の切断面のワイヤフレームモ
デルである。半径の異なる位置で切断された切断面であ
るので、切断面の形状は異なっており、一般に外径に近
づけば近づくほど加速面及び減速面の圧力角の絶対値は
大きくなっている。
【0070】圧力角算出ステップにおいて、所定の個数
のワイヤフレームモデルから形状モデルの歯面の加速面
側圧力角及び減速面側圧力角を所定の個数算出する。
【0071】ワイヤフレームモデルから加速面側圧力角
及び減速面側圧力角は、ワイヤフレームの加速面及び減
速面を表す線と形状モデルの中心軸との角度を求めて算
出することができる。
【0072】近似直線導出ステップにおいて、所定の個
数の加速面側圧力角及び減速面側圧力角から形状モデル
の中心軸からの距離と加速面側圧力角及び減速面側圧力
角との関係を表す近似直線を導出する。
【0073】近似直線の導出は、加速面側圧力角と中心
軸からの距離即ち半径との関係を最小2乗近似で線形直
線化して導出することができる。
【0074】図5に示すグラフは、歯面の内径側、外径
側及び中央部等の5箇所で交差するように作成された5
つの円筒サーフェースモデルと形状モデルとの交線のワ
イヤフレームモデルから算出した加速面側圧力角と減速
面側圧力角を、形状モデルの中心軸からの距離即ち半径
との関係で最小2乗近似で線形直線化することによって
得た近似直線を示す図である。図5(a)は減速面側圧
力角と半径との関係を表す近似直線を示す図であり、図
5(b)は加速面側圧力角と半径との関係を表す近似直
線を示す図である。これらのグラフから内径側から外径
側へ進むにつれて、加速面側圧力角及び減速面側圧力角
の絶対値はいずれもが大きくなっていることが分かる。
【0075】リード範囲演算ステップにおいて、近似直
線から加速面側リード範囲及び減速面側リード範囲を演
算する。このリード範囲を得ることによって、非干渉リ
ード範囲を算出することが可能となる。
【0076】図6に図5に示した近似直線から演算され
た加速面側リード及び減速面側リードそれぞれについ
て、形状モデルの中心軸からの距離即ち半径との関係で
示す。図6(a)は加速面側リード範囲を半径との関係
で示した図であり、図6(b)は減速面側リード範囲を
半径との関係で示した図である。ここから加速面側リー
ド範囲及び減速面側リード範囲を求めることができる。
【0077】これらのグラフから加速面側リード及び減
速面側リードとも外径側に進むにつれて小さくなってい
ることが分かる。
【0078】非干渉リード選択ステップにおいて、加速
面側リード範囲と減速面側リード範囲とから歯面の加速
面及び減速面のいずれとも干渉しない非干渉リード範囲
を算出し、非干渉リード範囲から適正な非干渉リードを
選択する。非干渉リード範囲の算出とは、ハイポイド歯
車をねじり回転させた場合に、加速面と減速面との双方
とも干渉しないリード範囲を算出することである。この
ように適正な非干渉リードを選択することによって、非
干渉リードを得ることができる。
【0079】これは加速面側リード範囲と減速面側リー
ド範囲のいずれとも交わらないリード範囲を求めること
で得ることができる。これは3次元CADにおいて次の
ような手順で求めることができる。
【0080】まず歯面の形状モデルを任意のリードでね
じり回転させて適当な距離だけ移動させる。その際にど
の程度干渉するか調べる。そして加速面の一番外径側で
干渉が生じないリードを求める。ここで加速面側リード
についてはこの位置でのリードが最も小さい。従ってこ
のリードより小さいリードを考える。次に減速面側リー
ド範囲を考慮して、この減速面側リードの範囲に入らな
いリードを求める。そしてこのリード範囲を非干渉リー
ド範囲とすることができる。
【0081】非干渉リード選択ステップにおいて、この
ように算出された非干渉リード範囲から適正な非干渉リ
ードを選択する。この場合形状モデルから歯面の一歯分
のデジタルモックアップモデルを作成し、非干渉リード
範囲からモックアップモデルが形状モデルの歯面の加速
面及び減速面から均一幅で抜けるリードを適正な非干渉
リードとして選択することができる。均一の幅で抜くこ
とができれば、作業上の誤差を考慮しても最も干渉する
ことがない適正な非干渉リードということができる。図
7(a)にモックアップモデルDが歯面と干渉すること
なく抜けていく様子を示し、図7(b)にモックアップ
モデルDが歯面と干渉している様子を示す。
【0082】また他の方法で適正な非干渉リードを選択
することも可能である。
【0083】本実施形態ではリード範囲算出ステップ
は、円筒モデル作成ステップ、交線作成ステップ、圧力
角算出ステップ、近似直線導出ステップ及びリード範囲
演算ステップで構成した。
【0084】但し上述したようにリード範囲算出ステッ
プは、他の構成で実現することももできる。例えば円筒
モデル作成ステップ、交線作成ステップ、圧力角算出ス
テップ、リード算出ステップ及びリード範囲導出ステッ
プで構成することも可能である。この場合には、圧力角
算出ステップまでは同一のステップである。またリード
範囲算出ステップを他の構成で実現することも可能であ
る。
【0085】なお本発明のハイポイド歯車のリード解析
プログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録
媒体は、上述の各ステップを3次元CAD装置に実行さ
せるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な
記録媒体である。また本発明のハイポイド歯車のリード
解析装置は、上述の各ステップを3次元CAD装置に実
行させるプログラムを搭載した3次元CAD装置であ
る。従って実行される各ステップは同一であるので、説
明は省略する。
【0086】(第2の実施形態)本実施形態のハイポイ
ド歯車の金型製造方法は、ハイポイド歯車とハイポイド
歯車の成形金型とが干渉することなく離型する適正な非
干渉リードを用いたハイポイド歯車の成形金型を製造す
る製造方法であって、適正な非干渉リードを解析するリ
ード解析ステップとリード解析ステップによって得られ
た適正な非干渉リードを用いてハイポイド歯車の成形金
型を加工する加工ステップとを含み、リード解析ステッ
プは、3次元CAD装置を用いて実行され、ハイポイド
歯車の所定の諸元データを入力する入力ステップと、入
力された諸元データに基づいてハイポイド歯車の歯面の
形状モデルを作成する形状モデル作成ステップと、歯面
の形状モデルから歯面の内径側から外径側までの加速面
側リード範囲及び減速面側リード範囲を抽出するリード
範囲抽出ステップと、加速面側リード範囲と減速面側リ
ード範囲とから前記歯面の加速面及び減速面のいずれと
も干渉しない非干渉リード範囲を算出し、非干渉リード
範囲から適正な非干渉リードを選択する非干渉リード選
択ステップとを含むことを特徴とするハイポイド歯車の
金型製造方法である。
【0087】本実施形態のリード解析ステップは、第1
の実施形態において説明したハイポイド歯車のリード解
析方法と同一であるので、説明は省略する。なおリード
解析ステップにおけるハイポイド歯車は、成形金型によ
って成形されるハイポイド歯車の原型となるハイポイド
歯車である。
【0088】加工ステップは、リード解析ステップで解
析された適正な非干渉リードを用いてワークからハイポ
イド歯車を加工するステップである。この加工ステップ
は、型彫り加工において、加工電極を適正な非干渉リー
ドに従って相対的にねじり回転させて金型素材から成形
金型を加工して実現することができるし、また適正な非
干渉リードをNC旋盤にプログラムして、適切な非干渉
リードに従って金型素材から前記成形金型を加工して実
現することもできる。
【0089】加工電極を用いて成形金型を製造する場合
には、NC制御装置に非干渉リード解析ステップで得ら
れた適正な非干渉リードをプログラミングし、成形金型
の素材に対して加工電極を適正な非干渉リードで相対的
にねじり回転させて、成形金型を製造することができ
る。
【0090】適正な非干渉リードをNC旋盤にプログラ
ムして、適切な非干渉リードに従って金型素材から前記
成形金型を加工して実現する場合には、NC旋盤の切り
刃に対して切削される成形金型の素材が適切な非干渉リ
ードで相対的にねじり回転させて成形金型を製造するこ
とができる。この場合、加工する刃具の形状と加工され
るハイポイドギアの歯丈の関係から刃具の適切な接触角
が必要となる。
【0091】本実施形態によって精度の高いハイポイド
歯車を鍛造で成形することができるハイポイド歯車の成
形金型を製造することができる。
【0092】(第3の実施形態)本実施形態のハイポイ
ド歯車の離型方法は、鍛造されたハイポイド歯車をハイ
ポイド歯車の成形金型から相対的にねじり回転させなが
ら離型させる形成方法であって、ハイポイド歯車と前記
ハイポイド歯車の成形金型とが干渉することなく離型す
る適正な非干渉リードを3次元CAD装置を用いて解析
するリード解析ステップと前記リード解析ステップによ
って得られた前記適正な非干渉リードに従って前記ハイ
ポイド歯車を相対的にねじり回転させて前記成形金型か
ら離型させる離型ステップとを含み、リード解析ステッ
プは、3次元CAD装置を用いて実行され、ハイポイド
歯車の所定の諸元データを入力する入力ステップと、入
力された諸元データに基づいてハイポイド歯車の歯面の
形状モデルを作成する形状モデル作成ステップと、歯面
の前記形状モデルから前記歯面の内径側から外径側まで
の加速面側リード範囲及び減速面側リード範囲を抽出す
るリード範囲抽出ステップと、加速面側リード範囲と減
速面側リード範囲とから歯面の加速面及び減速面のいず
れとも干渉しない非干渉リード範囲を算出し、非干渉リ
ード範囲から前記適正な非干渉リードを選択する非干渉
リード選択ステップとを含むことを特徴とするハイポイ
ド歯車の離型方法である。
【0093】本実施形態のリード解析ステップは、第1
の実施形態において説明したハイポイド歯車のリード解
析方法と同一であるので、説明は省略する。なおリード
解析ステップにおけるハイポイド歯車は、成形金型によ
って成形されるハイポイド歯車の原型となるハイポイド
歯車である。
【0094】離型ステップは、リード解析ステップによ
って得られた適正な非干渉リードに従ってハイポイド歯
車を相対的にねじり回転させて成形金型から離型させる
ステップである。この離型ステップは、ノックアウトピ
ンを用いて適正な非干渉リードに従ってねじり回転して
実現することができる。図8にこの離型方法を実現する
離型装置の概略を模式的に示す。この離型装置100
は、リード付きホルダー20、リード付きノックアウト
ピン30及び親ノックアウトピン40等を用いて構成す
ることができる。リード付きノックアウトピン30に
は、リード解析ステップで得られた適正な非干渉リード
に沿った溝31が切られている。リード付きホルダー2
0はこの溝に嵌合する突起21を有している。図8にお
いて、親ノックアウトピン40がリード付きノックアウ
トピンを上昇させるとリード付きノックアウトピンはリ
ード付きホルダー20の突起21と嵌合した溝31を有
しているので、適正な非干渉リードでねじり回転しなが
ら上昇する。従ってワークであるハイポイド歯車10も
適正な非干渉リードでねじり回転しながら上昇する。こ
のようにして図示しない成形金型と干渉することなくハ
イポイド歯車10を成形金型から離型することができ
る。
【0095】なお親ノックアウトピン30は図示しない
ギアードモータを内蔵することができる。このギアード
モータを内蔵することによって親ノックアウトピン30
は適正な非干渉リード分ねじり回転するように設定する
ことができ、より確実に適正な非干渉リードでハイポイ
ド歯車10をねじり回転させて離型することができる。
【0096】本実施形態によってハイポイド歯車を成形
金型から干渉することなく離型することができる。その
結果ハイポイド歯車のかじり等を生じさせることがなく
なる。
【0097】
【発明の効果】本発明のハイポイド歯車のリード解析方
法によって、ハイポイド歯車とハイポイド歯車の成形金
型とが干渉することなく離型する適正な非干渉リードを
得ることができる。
【0098】本発明のハイポイド歯車のリード解析プロ
グラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体
のハイポイド歯車のリード解析プログラムを3次元CA
D装置に搭載することによって、本発明のハイポイド歯
車のリード解析方法を実行することができ、ハイポイド
歯車とハイポイド歯車の成形金型とが干渉することなく
離型する適正な非干渉リードを得ることができる。
【0099】本発明のハイポイド歯車のリード解析装置
によって、ハイポイド歯車とハイポイド歯車の成形金型
とが干渉することなく離型する適正な非干渉リードを得
ることができる。
【0100】本発明のハイポイド歯車の成形金型製造方
法は、精度の高いハイポイド歯車を製造することができ
る成形金型を製造することができる。
【0101】本発明のハイポイド歯車の離型方法は、か
じり・キズ・ダレ等を生じさせることなくハイポイド歯
車を離型することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態で実行される各ステップを示し
た図である。
【図2】 形状モデル作成ステップで作成されたハイポ
イド歯車の歯面の形状モデルを示した図である。
【図3】 形状モデルの中心軸と同軸上に形状モデルと
交差する円筒サーフェースモデルを作成した図である。
【図4】 図3のAで示した箇所におけるワイヤフレー
ムモデルを示す図である。
【図5】 図5(a)は加速面側圧力角と中心軸からの
距離との関係を表した近似直線を示す図であり、図5
(b)は減速面側圧力角と中心軸からの距離との関係を
表す近似直線を示す図である。
【図6】 図6(a)は加速面側リード範囲を中心軸か
らの距離との関係で示した図であり、図6(b)は減速
面側リード範囲を中心軸からの距離との関係で示した図
である。
【図7】 図7(a)はモックアップモデルが歯面と干
渉せずに、歯面から抜けていく様子を示した図である。
図7(b)はモックアップモデルが歯面と干渉している
様子を示す図である。
【図8】 離型装置の概略を模式的に示した図である。
【符号の説明】
A:ハイポイド歯車の歯面の形状モデル B:円筒サーフェースモデル C:ワイヤフレームモデル D:モックアップモデル L:減速面 S:加速面 10: ハイポイド歯車 20:リード付きホルダー 21:突起 30:リード付きノックアウトピン 31:溝 40:親ノックアウトピン 100:離型装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三瓶 勝巳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 柳下 俊大郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 横尾 芳樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 長谷川 平一 滋賀県草津市野路町1350番地 株式会社メ タルアート内 (72)発明者 前田 規雄 滋賀県草津市野路町1350番地 株式会社メ タルアート内 Fターム(参考) 3J030 AC03 AC10 BA10 BB06 BC06 4F202 AH12 AM23 CA30 CB01 CK32 CK53 CK73 5B046 AA05 FA07 JA07 (54)【発明の名称】 ハイポイド歯車のリード解析方法、ハイポイド歯車のリード解析プログラムを記録したコンピュ ータ読みとり可能な記録媒体、ハイポイド歯車のリード解析装置、ハイポイド歯車の成形金型製 造方法及びハイポイド歯車の離型方法

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイポイド歯車と該ハイポイド歯車の成
    形金型とが干渉することなく離型する適正な非干渉リー
    ドを3次元CAD装置を用いて解析するハイポイド歯車
    のリード解析方法であって、 前記ハイポイド歯車の所定の諸元データを入力する入力
    ステップと、 入力された前記諸元データに基づいて前記ハイポイド歯
    車の歯面の形状モデルを作成する形状モデル作成ステッ
    プと、 前記歯面の前記形状モデルから前記歯面の内径側から外
    径側までの加速面側リード範囲及び減速面側リード範囲
    を抽出するリード範囲抽出ステップと、 前記加速面側リード範囲と前記減速面側リード範囲とか
    ら前記歯面の加速面及び減速面のいずれとも干渉しない
    非干渉リード範囲を算出し、該非干渉リード範囲から適
    正な非干渉リードを選択する非干渉リード選択ステップ
    とを含むことを特徴とするハイポイド歯車のリード解析
    方法。
  2. 【請求項2】 前記リード範囲抽出ステップは、 前記形状モデルの中心軸と同軸上に前記形状モデルと交
    差する半径の異なる円筒サーフェースモデルを所定の個
    数作成する円筒モデル作成ステップと、 前記所定の個数の前記円筒サーフェースモデルが前記歯
    面の前記形状モデルと交差する交線から構成される前記
    歯面のワイヤフレームモデルを前記所定の個数作成する
    交線作成ステップと、 前記所定の個数の前記ワイヤフレームモデルから前記形
    状モデルの前記歯面の加速面側圧力角及び減速面側圧力
    角を前記所定の個数算出する圧力角算出ステップと、 所定の個数の前記加速面側圧力角及び前記減速面側圧力
    角から前記形状モデルの中心軸からの距離と前記加速面
    側圧力角及び前記減速面側圧力角との関係を表す近似直
    線を導出する近似直線導出ステップと、 前記近似直線から前記加速面側リード範囲及び前記減速
    面側リード範囲を演算するリード範囲演算ステップとを
    有する請求項1記載のハイポイド歯車のリード解析方
    法。
  3. 【請求項3】 前記所定の個数とは3〜50である請求
    項2記載のハイポイド歯車のリード解析方法。
  4. 【請求項4】 前記圧力角算出ステップは、前記ワイヤ
    フレームモデルと前記形状モデルの中心軸との角度から
    前記加速面側圧力角及び前記減速面側圧力角を算出する
    請求項2又は3記載のハイポイド歯車のリード解析方
    法。
  5. 【請求項5】 前記リード範囲抽出ステップは、 前記形状モデルの中心軸と同軸上に前記形状モデルと交
    差する半径の異なる円筒サーフェースモデルを所定の個
    数作成する円筒モデル作成ステップと、 前記所定の個数の前記円筒サーフェースモデルが前記歯
    面の前記形状モデルと交差する交線から構成される前記
    歯面のワイヤフレームモデルを前記所定の個数作成する
    交線作成ステップと、 前記所定の個数の前記ワイヤフレームモデルから前記形
    状モデルの前記歯面の加速面側圧力角及び減速面側圧力
    角を前記所定の個数算出する圧力角算出ステップと、 所定の個数の前記加速面側圧力角及び前記減速面側圧力
    角から前記歯面の加速面側リード及び減速面側リードを
    前記所定の個数算出するリード算出ステップと、 前記所定の個数の前記加速面側リード及び前記減速面側
    リードから前記加速面側リード範囲及び前記減速面側リ
    ード範囲を導出するリード範囲導出ステップとを有する
    請求項1記載のハイポイド歯車のリード解析方法。
  6. 【請求項6】 前記非干渉リード算出ステップにおい
    て、前記形状モデルから前記歯面の一歯分のモックアッ
    プモデルを作成し、前記非干渉リード範囲から該モック
    アップモデルが前記形状モデルの前記歯面の加速面及び
    減速面から均一幅で抜けるリードを前記適正な非干渉リ
    ードとして選択する請求項1、2、3、4又は5記載の
    ハイポイド歯車のリード解析方法。
  7. 【請求項7】 ハイポイド歯車と該ハイポイド歯車の成
    形金型とが干渉することなく離型する適正な非干渉リー
    ドを3次元CAD装置を用いて解析するハイポイド歯車
    のリード解析プログラムを記録したコンピュータ読みと
    り可能な記録媒体であって、 前記3次元CAD装置に、 前記ハイポイド歯車の所定の諸元データを入力する入力
    ステップと、 入力された前記諸元データに基づいて前記ハイポイド歯
    車の歯面の形状モデルを作成する形状モデル作成ステッ
    プと、 前記歯面の前記形状モデルから前記歯面の内径側から外
    径側までの加速面側リード範囲及び減速面側リード範囲
    を抽出するリード範囲抽出ステップと、 前記加速面側リード範囲と前記減速面側リード範囲とか
    ら前記歯面の加速面及び減速面のいずれとも干渉しない
    非干渉リード範囲を算出し、該非干渉リード範囲から適
    正な非干渉リードを選択する非干渉リード選択ステップ
    とを実行させるハイポイド歯車のリード解析プログラム
    を記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体。
  8. 【請求項8】 ハイポイド歯車と該ハイポイド歯車の成
    形金型とが干渉することなく離型する適正な非干渉リー
    ドを3次元CAD装置を用いて解析するハイポイド歯車
    のリード解析装置であって、 前記ハイポイド歯車の所定の諸元データを入力する入力
    手段と、 入力された前記諸元データに基づいて前記ハイポイド歯
    車の歯面の形状モデルを作成する形状モデル作成手段
    と、 前記歯面の前記形状モデルから前記歯面の内径側から外
    径側までの加速面側リード範囲及び減速面側リード範囲
    を抽出するリード範囲抽出手段と、 前記加速面側リード範囲と前記減速面側リード範囲とか
    ら前記歯面の加速面及び減速面のいずれとも干渉しない
    非干渉リード範囲を算出し、該非干渉リード範囲から適
    正な非干渉リードを選択する非干渉リード選択ステップ
    とを含むことを特徴とするハイポイド歯車のリード解析
    装置。
  9. 【請求項9】 ハイポイド歯車と該ハイポイド歯車の成
    形金型とが干渉することなく離型する適正な非干渉リー
    ドを用いたハイポイド歯車の成形金型を製造する製造方
    法であって、 前記適正な非干渉リードを解析するリード解析ステップ
    と該リード解析ステップによって得られた前記適正な非
    干渉リードを用いてハイポイド歯車の成形金型を加工す
    る加工ステップとを含み、 前記リード解析ステップは、3次元CAD装置を用いて
    実行され、 前記ハイポイド歯車の所定の諸元データを入力する入力
    ステップと、 入力された前記諸元データに基づいて前記ハイポイド歯
    車の歯面の形状モデルを作成する形状モデル作成ステッ
    プと、 前記歯面の前記形状モデルから前記歯面の内径側から外
    径側までの加速面側リード範囲及び減速面側リード範囲
    を抽出するリード範囲抽出ステップと、 前記加速面側リード範囲と前記減速面側リード範囲とか
    ら前記歯面の加速面及び減速面のいずれとも干渉しない
    非干渉リード範囲を算出し、該非干渉リード範囲から前
    記適正な非干渉リードを選択する非干渉リード選択ステ
    ップとを含むことを特徴とするハイポイド歯車の金型製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記金型加工ステップは、型彫り加工
    において加工電極を前記適正な非干渉リードに従って相
    対的にねじり回転させて金型素材から前記成形金型を加
    工する請求項9記載のハイポイド歯車の金型製造方法。
  11. 【請求項11】 前記金型加工ステップは、前記適正な
    非干渉リードをNC旋盤にプログラムして、前記適切な
    非干渉リードに従って金型素材から前記成形金型を加工
    する請求項8記載のハイポイド歯車の金型製造方法。
  12. 【請求項12】 鍛造されたハイポイド歯車を該ハイポ
    イド歯車の成形金型から相対的にねじり回転させながら
    離型させる形成方法であって、 前記ハイポイド歯車と前記ハイポイド歯車の成形金型と
    が干渉することなく離型する適正な非干渉リードを3次
    元CAD装置を用いて解析するリード解析ステップと前
    記リード解析ステップによって得られた前記適正な非干
    渉リードに従って前記ハイポイド歯車を相対的にねじり
    回転させて前記成形金型から離型させる離型ステップと
    を含み、 前記リード解析ステップは、3次元CAD装置を用いて
    実行され、 前記ハイポイド歯車の所定の諸元データを入力する入力
    ステップと、 入力された前記諸元データに基づいて前記ハイポイド歯
    車の歯面の形状モデルを作成する形状モデル作成ステッ
    プと、 前記歯面の前記形状モデルから前記歯面の内径側から外
    径側までの加速面側リード範囲及び減速面側リード範囲
    を抽出するリード範囲抽出ステップと、 前記加速面側リード範囲と前記減速面側リード範囲とか
    ら前記歯面の加速面及び減速面のいずれとも干渉しない
    非干渉リード範囲を算出し、該非干渉リード範囲から前
    記適正な非干渉リードを選択する非干渉リード選択ステ
    ップとを含むことを特徴とするハイポイド歯車の離型方
    法。
  13. 【請求項13】 前記離型ステップは、ノックアウトピ
    ンを前記適正な非干渉リードに従ってねじり回転させる
    請求項12記載のハイポイド歯車の離型方法。
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