JP2002353723A - レドーム付パラボラアンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】使用周波数の波長に対してアンテナ口径がそれ
程大きくない場合でも、価格が安く、受風荷重の少ない
高性能なＦ／Ｂ特性を有するレドーム付パラボラアンテ
ナを提供する。 【解決手段】回転放物面を持つ反射鏡１の焦点に放射器
２を配置すると共に、反射鏡１の前面に円筒形遮蔽板４
を設け、その前端部にコニカルレドーム３を装着する。
上記円筒形遮蔽板４にコニカルレドーム３を取り付ける
場合、円筒形遮蔽板４の前端部に形成されたフランジ部
１０と、コニカルレドーム３の基部外周縁に形成された
フランジ部１１とをボルト等により固定する。また、上
記フランジ部１０、１１の外周に円筒形の再放射遮蔽板
２３を装着し、コニカルレドーム３のフランジ部１１及
び補強部からの電波の再放射を遮蔽する。再放射遮蔽板
２３の高さＨは、要求されるＦ／Ｂ特性により適宜に設
定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、反射鏡、放射器及
び反射鏡からなり、通信／放送用に使用されるレドーム
付パラボラアンテナに関する。

【０００２】

【従来の技術】パラボラアンテナは、近年大容量通信用
に使用されることから指向性の高性能化が要求されてい
る。特に、Ｆ／Ｂ特性（アンテナの主ビームに対する背
面の指向性減衰量を示し、主ビームからの離隔は１１０
度〜１７０度が一般的な領域となっている。）として高
性能のものが要求される。例えば６．５ＧＨｚ帯２ｍφ
レドーム付パラボラアンテナの場合、従来のＦ／Ｂ要求
性能は５４ｄＢ程度であったが、近年の大容量通信用で
は６５ｄＢが要求される。また、これらのパラボラアン
テナは、製品の長期間使用、受風荷重の低減からレドー
ム付を使用するのが一般的である。

【０００３】代表的なレドーム付パラボラアンテナとし
て図７にコニカルレドーム（サンドイッチタイプ）付パ
ラボラアンテナ、図８にシートレドーム付パラボラアン
テナの構成を示す。

【０００４】図７に示すコニカルレドーム付パラボラア
ンテナは、回転放物面を持つ反射鏡１の焦点に放射器２
を配置すると共に、反射鏡１の前面にコニカルレドーム
３を装着した構成となっている。

【０００５】また、図８に示すシートレドーム付パラボ
ラアンテナは、回転放物面を持つ反射鏡１の焦点に放射
器２を配置すると共に、反射鏡１の前面に円筒形遮蔽板
４を設け、その前端開口面にシートレドーム５を装着し
た構成となっている。なお、上記円筒形遮蔽板４は、前
端を傾斜させて形成している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記レドーム付パラボ
ラアンテナで、高性能Ｆ／Ｂ特性を実現する方法は、使
用周波数の波長に対してアンテナ口径が相当大きい場合
はコニカルレドーム３を使用し、使用周波数の波長に対
してアンテナ口径がさほど大きくない場合はシートレド
ーム５を使用しているのが現状である。具体例として
６．５ＧＨｚ帯３ｍφパラボラアンテナではコニカルレ
ドーム３を使用し、６．５ＧＨｚ帯２ｍφパラボラアン
テナではシートレドーム５を使用している。しかしなが
ら、シートレドーム付パラボラアンテナは、その構成か
ら価格が高く、また、受風荷重が大きくなるという欠点
を持っている。

【０００７】次に、使用周波数に対してアンテナ口径が
それ程大きくないレドーム付パラボラアンテナにおい
て、コニカルドームを用いると、高性能なＦ／Ｂ特性
（６５ｄＢ）を実現できない原因を６．５ＧＨｚ帯２ｍ
φコニカルドーム付パラボラアンテナの例で説明する。

【０００８】図７に示した構成のコニカルドーム付パラ
ボラアンテナにおいて、６．５ＧＨｚ帯２ｍφに設定す
ると、そのＦ／Ｂ特性（主ビームからの離隔が１１０度
〜１７０度の範囲）は、最悪値５５ｄＢ程度であり、大
容量通信用で要求される６５ｄＢは満足できない。

【０００９】上記コニカルドーム付パラボラアンテナに
おいて、Ｆ／Ｂ特性を改善する手段として、図９に示す
ように反射鏡１の前面に円筒形遮蔽板４を設け、その円
筒形遮蔽板４の前面にコニカルレドーム３を取り付ける
ことが考えられる。

【００１０】上記円筒形遮蔽板４にコニカルレドーム３
を取り付ける場合、図１０に示すように円筒形遮蔽板４
の前端部外周縁に沿って形成されたフランジ部１０と、
コニカルレドーム（サンドイッチタイプ）３の基部外周
縁に沿って形成されたフランジ部１１とをボルト等（図
示せず）により固定している。上記コニカルレドーム３
は、例えば硬質ウレタンを繊維強化樹脂（ＦＲＰ＋樹
脂）で包んだサンドイッチタイプのものが使用される。
また、コニカルレドーム３には、フランジ部１１に近接
する部分に補強部１２を設けている。上記フランジ部１
１及び補強部１２は、例えば繊維強化樹脂により構成さ
れる。上記補強部１２は、コニカルレドーム３の強度保
持に必要である。

【００１１】図１１は、上記図９に示したコニカルドー
ム付パラボラアンテナのＦ／Ｂ特性を示したものであ
る。なお、図１１は横軸に主ビームから離隔（度）を取
り、縦軸に相対レベル（ｄＢ）を取って示した。上記図
１１から分かるようにＦ／Ｂ特性の最悪値は６１ｄＢ程
度と改善されるものの、１００度〜１１０度付近にリッ
プルＡが発生し、大容量通信用で要求される６５ｄＢは
満足できない上記１００度〜１１０度付近に発生するリ
ップルＡは、コニカルレドーム３のフランジ部１１及び
補強部１２からの再放射によることが実験により確認さ
れている。

【００１２】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたもので、コニカルレドームのフランジ部及び補強部
からの再放射による影響を除くことができ、使用周波数
の波長に対してアンテナ口径がそれ程大きくない場合で
も、価格が安く、受風荷重の少ない高性能なＦ／Ｂ特性
を有するレドーム付パラボラアンテナを提供することを
目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明に係るレドーム付
パラボラアンテナは、放射器を備えた反射鏡と、前記反
射鏡の前面に設けられる円筒形の第１の遮蔽板と、この
第１の遮蔽板の前端にフランジにより取り付けられるレ
ドームと、前記レドームのフランジ部分に設けられる円
筒形の第２の遮蔽板とを具備したことを特徴とする。

【００１４】上記のようにレドームの外周に遮蔽板を設
けることにより、レドームのフランジ部、補強部等から
再放射される電波を遮蔽することができ、高性能なＦ／
Ｂ特性を実現できると共に、低価格で且つ受風荷重を少
なくすることができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態を説明する。 （第１実施形態）この実施形態は、本発明を例えば６．
５ＧＨｚ帯２ｍφコニカルレドーム付パラボラアンテナ
に実施した場合の例を示したもので、図１（ａ）はレド
ーム付パラボラアンテナの正面図、図１（ｂ）は同図
（ａ）の断面図である。図２は、図１（ｂ）におけるＡ
部を拡大して示したものである。

【００１６】本発明の第１実施形態に係るレドーム付パ
ラボラアンテナは、図１（ａ）、（ｂ）に示すように、
回転放物面を持つ反射鏡１の焦点に放射器２を配置する
と共に、反射鏡１の前面に円筒形遮蔽板４を設け、その
前端開口面にコニカルレドーム３を装着している。上記
反射鏡１に円筒形遮蔽板４を取り付ける場合、反射鏡１
の外周縁に沿って設けられたフランジ部２１と円筒形遮
蔽板４の基部外周縁に沿って設けられたフランジ部２２
とをボルト等（図示せず）により固定している。

【００１７】また、上記円筒形遮蔽板４にコニカルレド
ーム３を取り付ける場合、図２に示すように円筒形遮蔽
板４の前端部外周縁に沿って形成されたフランジ部１０
と、コニカルレドーム（サンドイッチタイプ）３の基部
外周縁に沿って形成されたフランジ部１１とをボルト等
（図示せず）により固定している。コニカルレドーム３
には、フランジ部１１に近接する部分に補強部１２を設
けている。また、上記コニカルレドーム３におけるフラ
ンジ部１１は、外径を円筒形遮蔽板４に設けたフランジ
部１０の外径より少し小さく形成し、その部分に円筒形
の再放射遮蔽板２３を装着する。この再放射遮蔽板２３
は、例えばアルミニウム等の金属板あるいは金属メッシ
ュを使用し、円筒形遮蔽板４に溶接する等の手段によっ
て固着する。上記再放射遮蔽板２３は、コニカルレドー
ム３のフランジ部１１及び補強部１２からの電波の再放
射を遮断するためのもので、その高さＨは例えば１λ〜
１０λの範囲で、要求されるＦ／Ｂ特性により適宜に設
定される。

【００１８】図３は、上記第１実施形態において、６．
５ＧＨｚ帯２ｍφコニカルレドーム付パラボラアンテナ
を構成し、再放射遮蔽板２３の高さＨを４λに設定した
場合のＦ／Ｂ特性を示したものである。本実施形態に係
るコニカルレドーム付パラボラアンテナによれば、図１
１に示した従来のコニカルレドーム付パラボラアンテナ
のＦ／Ｂ特性との比較から明らかなように、コニカルレ
ドーム３のフランジ部１１及び補強部１２からの再放射
による１００度〜１１０度付近のリップルを遮蔽して約
６８ｄＢ（主ビームからの離隔が１１０度〜１７０度範
囲）と大容量通信用で要求される６５ｄＢを十分に満足
している。

【００１９】（第２実施形態）図４は、本発明の第２実
施形態に係るコニカルレドーム付パラボラアンテナを示
す断面図である。この第２実施形態に係るコニカルレド
ーム付パラボラアンテナは、反射鏡１に設けられたフラ
ンジ部２１の外周に沿って円筒形の再放射遮蔽板２３を
装着すると共に、この再放射遮蔽板２３の内側中間部に
コニカルレドーム３のフランジ部１１を装着したもので
ある。上記コニカルレドーム３のフランジ部１１は、例
えばＬ形部材等を利用して再放射遮蔽板２３に取り付け
られる。上記第２実施形態における再放射遮蔽板２３
は、第１実施形態における円筒形遮蔽板４の機能を兼ね
ており、その高さは第１実施形態の場合より高く設定さ
れている。

【００２０】上記再放射遮蔽板２３は、コニカルレドー
ム３のフランジ部１１より下の部分が円筒形遮蔽板４の
作用を有し、フランジ部１１より上に突出した部分が上
記フランジ部１１及び補強部１２からの再放射を遮蔽す
る作用を有している。

【００２１】上記第２実施形態によれば、再放射遮蔽板
２３に円筒形遮蔽板４の機能を持たせることができ、構
成を簡易化しながら第１実施形態と同様の効果を得るこ
とができる。

【００２２】（第３実施形態）図５は、本発明の第３実
施形態に係るコニカルレドーム付パラボラアンテナを示
す断面図である。この第３実施形態に係るコニカルレド
ーム付パラボラアンテナは、反射鏡１のフランジ部２１
に円筒形遮蔽板４のフランジ部１１をボルト等により取
り付けると共に、上記フランジ部１０、１１の外周に沿
って円筒形の再放射遮蔽板２３を設けたものである。

【００２３】上記第３実施形態によれば、再放射遮蔽板
２３の高さを十分に高く例えば４λ〜１０λ程度に設定
することにより、円筒形遮蔽板４の機能を持たせること
ができると共に、コニカルレドーム３のフランジ部１１
及び補強部１２からの再放射を遮蔽する機能を持たせる
ことができる。

【００２４】（第４実施形態）図６（ａ）は、本発明の
第４実施形態に係るコニカルレドーム付パラボラアンテ
ナを示す正面図、図６（ｂ）は同図（ａ）の断面図であ
る。この第４実施形態に係るコニカルレドーム付パラボ
ラアンテナは、第１実施形態における円筒形の再放射遮
蔽板２３を複数例えば２つの再放射遮蔽板２３ａ、２３
ｂに分割して設けた場合の例を示したものである。上記
のように分割した再放射遮蔽板２３ａ、２３ｂを設ける
ことにより、水平方向のＦ／Ｂ特性を改善することがで
きる。

【００２５】なお、上記実施形態では、コニカルレドー
ム３について示したが、コニカルレドーム３と同様なフ
ランジ部または補強部１２を持つ類似したレドーム、例
えば半円形（半球形）レドームにおいても、同様な効果
を発揮することができる。

【００２６】

【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、コ
ニカルレドームまたは類似構造レドームを備えたパラボ
ラアンテナにおいて、レドームの外周に遮蔽板を設け、
レドームのフランジ部、補強部等からの再放射を遮蔽す
るようにしたので、使用周波数の波長に対してアンテナ
口径がそれ程大きくない場合でも、高性能なＦ／Ｂ特性
を実現できると共に、低価格で且つ受風荷重の少ないレ
ドーム付パラボラアンテナを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明の第１実施形態に係るコニカル
レドーム付パラボラアンテナの正面図、（ｂ）は同断面
図。

【図２】同実施形態における要部を拡大して示す図。

【図３】同実施形態におけるコニカルレドーム付パラボ
ラアンテナのＦ／Ｂ特性図。

【図４】本発明の第２実施形態に係るコニカルレドーム
付パラボラアンテナの概略構成を示す断面図。

【図５】本発明の第３実施形態に係るコニカルレドーム
付パラボラアンテナの概略構成を示す断面図。

【図６】（ａ）は本発明の第４実施形態に係るコニカル
レドーム付パラボラアンテナの正面図、（ｂ）は同断面
図。

【図７】従来のコニカルレドーム付パラボラアンテナの
概略構成を示す断面図。

【図８】従来のシートレドーム付パラボラアンテナの概
略構成を示す断面図。

【図９】従来のコニカルレドーム付パラボラアンテナの
Ｆ／Ｂ特性を改善したレドーム付パラボラアンテナの概
略構成を示す断面図。

【図１０】図９に示すレドーム付パラボラアンテナの要
部を拡大して示す図。

【図１１】図９に示したコニカルレドーム付パラボラア
ンテナのＦ／Ｂ特性図。

【符号の説明】

１ 反射鏡 ２ 放射器 ３ コニカルレドーム ４ 円筒形遮蔽板 ５ シートレドーム １０ 円筒形遮蔽板のフランジ部 １１ コニカルレドームのフランジ部 １２ コニカルレドームの補強部 ２１ 反射鏡の外周縁に設けられるフランジ部 ２２ 遮蔽板の基部外周縁に設けられるフランジ部 ２３ 再放射遮蔽板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠原 浩 東京都中野区東中野三丁目14番20号 株式 会社日立国際電気内 Ｆターム(参考） 5J020 AA03 BA09 BD03 DA03 5J046 AA04 AA15 RA03

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 放射器を備えた反射鏡と、前記反射鏡の
   前面に設けられる円筒形の第１の遮蔽板と、この第１の
   遮蔽板の前端にフランジにより取り付けられるレドーム
   と、前記レドームのフランジ部分に設けられる円筒形の
   第２の遮蔽板とを具備したことを特徴とするレドーム付
   パラボラアンテナ。
2. 【請求項２】 前記円筒形の第２の遮蔽板を複数に分割
   して形成したことを特徴とする請求項１記載のレドーム
   付パラボラアンテナ。
3. 【請求項３】 放射器を備えた反射鏡と、前記反射鏡の
   前面に設けられる円筒形の遮蔽板と、この遮蔽板の内側
   中間部にフランジにより取り付けられるレドームとを具
   備したことを特徴とするレドーム付パラボラアンテナ。
4. 【請求項４】 放射器を備えた反射鏡と、前記反射鏡の
   前面にフランジにより取り付けられるレドームと、前記
   レドームのフランジの外周に設けられる円筒形の遮蔽板
   とを具備したことを特徴とするレドーム付パラボラアン
   テナ。
5. 【請求項５】 前記レドームは、コニカルレドームによ
   り構成したことを特徴とする請求項１ないし４何れか記
   載のレドーム付パラボラアンテナ。
6. 【請求項６】 前記レドームは、半円形レドームにより
   構成したことを特徴とする請求項１ないし４何れか記載
   のレドーム付パラボラアンテナ。