JP2002348264A - 選択的殺藻類活性を示す新規ヒドロキシ脂肪酸類縁体 - Google Patents

選択的殺藻類活性を示す新規ヒドロキシ脂肪酸類縁体

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JP2002348264A
JP2002348264A JP2002072325A JP2002072325A JP2002348264A JP 2002348264 A JP2002348264 A JP 2002348264A JP 2002072325 A JP2002072325 A JP 2002072325A JP 2002072325 A JP2002072325 A JP 2002072325A JP 2002348264 A JP2002348264 A JP 2002348264A
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mixture
methanol
solvent
dissolved
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JP2002072325A
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Yoshitaka Kawabata
兆隆 川端
Yoshiichi Shizuri
芳一 志津里
Takashi Tomosawa
孝 友沢
Mutsumi Kawamata
睦 川又
Seizo Ueno
成三 上野
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Taisei Corp
Marine Biotechnology Institute Co Ltd
Original Assignee
Taisei Corp
Marine Biotechnology Institute Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 特に渦鞭毛藻類に強い殺藻効果がある物質で
防除剤としての活用が期待される新規なヒドロキシ脂肪
酸類縁体及び、その化学的合成方法の提供。 【解決手段】 ヒドロキシ脂肪酸類とアミノ酸類との縮
合による化学合成により式(1)のヒドロキシ脂肪酸酸
類縁体を生産する。 XはNRまたは0であり、ここでRは、Hおよび例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル等のアルキル基であ
る。R及びRは置換基である。なお、RとRは結
合して、5員環又は6員環を形成してもよい。(ただ
し、ヒドロキシミリスチン酸ロイシンは除く。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は殺藻剤に有用な新規
ヒドロキシ脂肪類縁体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】赤潮に
よる漁業被害や水質悪化は大きな環境問題となってい
る。特に、近年新種登録された渦鞭毛藻類Heterocapsa
circularisquamaによる赤潮はカキやアコヤ貝の養殖に
多大な被害を及ぼしており、本赤潮の駆除技術が緊急課
題となっている。
【0003】赤潮藻類の防除に有効な物質としては、ジ
クロロフェニルジメチルウレア等の化学合成除草剤が考
えられるが、微細藻類全般に致死作用を示すため、魚貝
類などの餌になる微細藻類なども殺藻してしまう。また
安全性が低くまた、生分解性に関しても問題があると考
えられる。
【0004】一方、われわれが発見した新規化学物質ヒ
ドロキシミリスチン酸ロイシン(構造式を下に示し以
下、HMLと呼ぶ)は特に渦鞭毛藻類に強い殺藻効果があ
る物質で赤潮駆除剤としての活用が期待される。ヒドロ
キシミリスチン酸ロイシンは、細菌の培養によって得る
ことができるが、これらは分離精製を必要とし、現在の
技術水準では大量に収得することは困難である。
【0005】
【化3】
【0006】また、その化学構造に着目し、類縁体を細
菌培養に生産させることも考えられるが、培養によって
より有効な類縁体を得るのは困難であると考えられる。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明者はかかる背景に
のぞみ、そこで、HMLを基本とした類縁体を合成・探査
して、有害渦鞭毛藻類に対して選択的殺藻効果が高く、
他の海生生物(特に、飼料藻類である珪藻類、養殖対象
であるアコヤカイやカキ)には毒性のない新しい赤潮駆
除剤を開発した。すなわち本発明によれば、ヒドロキシ
脂肪酸類縁体、それらの水和物または溶媒和物を有効成
分とする殺藻剤が提供される。本発明の好ましい態様に
よれば下記式(1)
【0008】
【化4】 で表される殺藻剤が提供される。上記一般式で表せる化
合物において、XはNRまたはOであり、Rは、Hおよび
例えば、メチル、エチル、n-プロピル等のアルキル基を
意味する。
【0009】nは5〜12の整数である。R1, R2として種
々の置換基が、挙げられるが好適には例えば、アルキル
基(例えばメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、
n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキ
シル等)、フェナシル、ピリミジニルアルキル基、アミ
ノカルボニルアミノ基、グアノジルプロピル基、アミノ
アルキル基、カルボキシアルキル基およびエステル化さ
れたカルボキシアルキル基(例えば、カルボキシメチ
ル、カルボキシエチル、メトキシカルボニルメチル、エ
トキシカルボニルメチル、グルクロニドカルボニルエチ
ルなど)、イミダゾール基、ピリミジン基があげられ
る。また、R1, R2とも水素原子のものも含むものとす
る。
【0010】そして上記した置換基は、更に、エステル
化又はアミド化(製造例18))されていてもよく、及
び/又は、アルキル基、アルコキシル基、カルボニル
基、フェニル基(製造例12)等により更に置換されて
いてもよい。例えば、アルキルピリミジンの4,6位を
更に置換することもできる(製造例20)。なお、R1
とRは結合して、5員環又は6員環を形成してもよい。
前記式で表せる化合物は、数個の不斉炭素を有してお
り、多数の異性体が存在しており、これらの異性体も本
発明のヒドロキシ脂肪酸類縁体に含まれる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。上記一般式(1)で表される化合物
は下記の方法により製造できる。
【0012】
【化5】 [式中、n,R1およびR2は上記と同じである。X1は、NHR
あるいはOHであり、ここでRは、H及び例えば、メチ
ル、エチル、N−プロピルなどのアルキル基である。
Y2, Y4はカルボン酸の保護基であり、保護基は特に限定
されないが、ベンジルエステル、第三ブチルエステル、
メチルエステル、エチルエステル、フェナシルエステ
ル、トリクロロエステル、パラニトロベンジルエステ
ル、ジフェニルメチルエステル、ベンズヒドリルエステ
ル、パラメトキシベンジルエステルなどが望ましい。ま
た、保護する必要ない場合は水素原子である。Y3は水酸
基の保護基であり、保護基としては特に限定されないt-
ブチル基、ベンジル基、アセチル基、メチル基、テトラ
ヒドロピラニル基、シクロへキシル基などがあげられ
る。また、保護する必要ない場合は水素原子とする。]
【0013】前記式で表せる各化合物は、数個の不斉炭
素を有しており、多数の異性体が存在しており、本発明
のヒドロキシ脂肪酸類縁体及びその製造方法に用いる化
合物式(2)及び(3)には、これら異性体に含まれ
る。また、光学活性体を用意することが望ましい。
【0014】本反応工程は、(2)で表される公知化合物
を適当な活性水素原子を持たない有機溶媒中で縮合剤、
酸性の添加剤とともに公知化合物(3)と20℃〜50℃, 10
〜24時間反応させ適当な方法で脱保護することによっ
て、(1)で得られるヒドロキシ脂肪酸類縁体を得る。
【0015】活性水素原子を持たない有機溶媒としては
クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トル
エン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド等をあげることができる。縮合剤と
しては、例としてジシクロヘキシルカルボジイミド、1-
エチル3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミドがあげ
られる。
【0016】酸性の添加剤は肝要ではないが、添加剤と
しては、アシル尿素の副生およびラセミ化を防ぐ目的で
使われるものとして、ヒドロキシベンゾトリアゾール、
N-ヒドロキシサクシンイミド、3,4-ジヒドロ-3-ヒドロ
キシ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアジンを例としてあげ
ることができる。反応に際しては、化合物(2)に対し
て(3)、縮合剤、添加剤をほぼ等量用いる。また、脱
保護はそれぞれの保護基の特性に応じて、他の化学的部
位を変化させないような緩和な条件を用いる。得られた
化合物は、通常の分離手段、例えばカラムクロマトグラ
フィー、再結晶等により反応混合物から容易に単離精製
することができる。
【0017】本発明化合物を殺藻剤としてそのまま、海
水などに溶解して用いる以外に、遊離形態、任意の水和
物もしくは溶媒和物の形態でも用いられる。溶媒和物を
形成し得る溶媒としては、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、塩化メチレン
等があげられる。本発明で用いられる新規ヒドロキシ脂
肪酸類縁体(HML類)としては、それらを生産するバク
テリア類を抽出、精製したもの及び化学的に合成したも
ののいずれかも用いることができる。
【0018】また賦形剤、結合剤、滑沢剤、その他着色
剤、崩壊剤等を用いることができる。賦形剤としては、
例えば乳糖、デンプン、タルク、ステアリン酸マグネシ
ウム、結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、グリセリン、アルギン酸ナトリウ
ム、アラビアゴム等が挙げられ、結合剤としてはポリビ
ニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロー
ス、アラビアゴム、シェラック、白糖等が挙げられ、滑
沢剤としてはタルク、ステアリン酸マグネシウム等があ
げられる。なおその他、着色剤、崩壊剤も通常公知のも
のを用いることができる。また、塗料などに混ぜて直
接、海中構造物や魚網、貝類の養殖ネットなどに塗布し
てもちいることもできる。
【0019】
【実施例】次に本発明を製造例、実施例、試験例により
具体的に説明する。 <製造例1> 3(S)−ヒドロキシミリスチン酸(L)-ロイ
シン(化合物1)の合成
【0020】
【化6】
【0021】1) L-ロイシン-ベンジルエステル-トシル
酸塩の製造 L-ロイシン(3.3g), トシル酸(5.7g), ベンジルアルコー
ル(15ml)およびトルエン(30 ml)を丸底フラスコに入
れ、還流冷却器をつけたDean-Stark装置を用いて油浴(1
10〜130℃)中で6時間加熱する。丸底フラスコを放冷
し、エーテル(50ml)と石油エーテル(50 ml)とを加えて
結晶化させ、濾取,熱エタノール(30ml)-エーテル(30ml)
より再結晶すると収量8.4 g(85%)で目的物を得た。 2) 3-ヒドロキシミリスチン酸の合成 a) 3-オキソミリスチン酸エチルエステルの製造 2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン(2.26g)を無
水塩化メチレン(30ml)に溶解し0℃に冷却して撹拌す
る。これに無水ピリジン(2.7ml)と塩化n-ドデカノイル
(3.6 ml)を加えて、一時間0℃でつづいて、室温で一時
間撹拌する。反応液は氷水にあけ、2N-HCl(30 ml)を加
えて酸性にしたのちジクロロメタン30mlで二回抽出す
る。ジクロロメタン抽出部は、さらに2N-HCl(30 ml)、
飽和食塩水で洗浄後硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧
下で溶媒を留去する。得られた油状物質をエタノール30
mlに溶解し、3時間加熱還流する。反応液は減圧下で溶
媒を留去した後、n-ヘキサン-酢酸エチル(5:1)で精製し
て生成物 2.8g(収率80%)を得る。
【0022】b) 3-(S)-ヒドロキシミリスチン酸エチ
ルエステルの製造 (S)-BINAP(8mg)とビス(メチルアリル)シクロオクタ-
1,5ジエン-ルテニウムを50mlシュリンク管に入れ減圧で
アルゴン気流に置換して満たす。2mlのアセトンおよび
臭化水素水(0.29Mの0.11ml)を加え、30分間室温で撹
拌する。減圧下で溶媒を留去した後、残さに3-オキソミ
リスチン酸エチルエステル(1g)を加えて、87℃で油浴上
72時間、加熱撹拌する。反応液から減圧で溶媒を留去し
て乾固したのち、n-ヘキサン-酢酸エチル(10:1)で精製
して生成物 0.73g(収率73%)を得る。
【0023】c) 3-(S)-ヒドロキシミリスチン酸の製
造 3-(S)-ヒドロキシミリスチン酸エチルエステル(0.5g)
に1.1NのNaOH( 2ml)とTHF(5.0ml)を加え、20分間撹拌す
る。反応液から、THFを減圧留去し、残さに10%クエン酸
を加えてpH3に調整した後、エーテル(20ml)で2回抽出
して、硫酸マグネシウムで乾燥して、目的物0.41g(収
率93%)を得る。
【0024】3) ロイシンとヒドロキシミリスチン酸の
縮合および精製 L-ロイシン -ベンジルエステル-トシル酸塩と (S)-3-ヒ
ドロキシミリスチン酸およびそれらに対して1.1等量の
ヒドロキシベンゾトリアゾールをDMFに溶解し−20℃に
冷却しつつ1.1等量の1-エチル3-ジメチルアミノプロピ
ルカルボジイミドを滴下する。滴下終了後冷媒槽をはず
し、さらに終夜撹拌して反応を完結させる。
【0025】反応物を酢酸エチルに溶かし、その溶液を
1N HCl、水、5%重曹水、水で洗った後無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させる。溶媒を留去し、メタノールに溶解
し、カーボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反
応液をろ過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗
生成物を80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とす
る逆相高速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カ
プセルパックC18SG120,15mm×250 mm)で得られる標記
化合物1を得た。
【0026】本発明の化合物1の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :357 (3)分子式 :C20H39NO4 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 358.2960
M+H 計算値 358.2957(C20H40NO4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1052, 1406, 1470,1624,2496,2854,2920,2
958, 3420 (6)比旋光度 [α]26 D − 9.1°(c 0.128, MeO
H) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (s, 3H), 0.93 (d,3H), 0.95 (d,3H), 1.25-
1.35, 1.46(2H),1.57(m, 1H),1.67(m,2H), 2.35(m,2H),
3.95(m,1H), 4.38(dd,1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 22.3(q), 23.7(d), 23.8(t), 26.3
(t), 26.9(t), 30.6(t),30.8-30.9(t), 33.2(t), 38.4
(t), 43.0(t), 44.9(t), 54.0(d),70.0(d), 173.9(s),1
78.9(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶
【0027】<製造例2> 3(R)−ヒドロキシミリスチ
ン酸(L)-ロイシン(化合物2)の合成
【0028】
【化7】
【0029】1) D-ロイシン-ベンジルエステル-トシル
酸塩の製造 D-ロイシン(3.3g), トシル酸(5.7g), ベンジルアルコー
ル(15ml)およびトルエン(30 ml)を丸底フラスコに入
れ、還流冷却器をつけたDean-Stark装置を用いて油浴(1
10〜130℃)中で6時間加熱する。丸底フラスコを放冷
し、エーテル(50ml)と石油エーテル(50 ml)とを加えて
結晶化させ、濾取、熱エタノール(30ml)-エーテル(30m
l)より再結晶すると収量8.0 g(81%)で目的物を得た。
【0030】2) 3-ヒドロキシミリスチン酸の合成 a) 3-オキソミリスチン酸エチルエステルの製造 製造例1の合成に基づいて行った。 b) 3-(R)-ヒドロキシミリスチン酸エチルエステル
の製造 (R)-BINAP(8mg)とビス(メチルアリル)シクロオクタ-
1,5ジエン-ルテニウムを50mlシュリンク管に入れ減圧で
アルゴン気流に置換して満たす。2mlのアセトンおよび
臭化水素水(0.29Mの0.11ml)を加え、30分間室温で撹
拌する。減圧下で溶媒を留去した後、残さに3-オキソミ
リスチン酸エチルエステル(1g)を加えて、87℃で油浴上
72時間、加熱撹拌する。反応液から減圧で溶媒を留去し
て乾固したのち、n-ヘキサン-酢酸エチル(10:1)で精製
して生成物 0.75g(収率75%)を得る。
【0031】c) 3-(R)-ヒドロキシミリスチン酸の製
造 3-(R)-ヒドロキシミリスチン酸エチルエステル(0.5g)
に1.1NのNaOH(2ml)とTHF(5.0ml)を加え、20分間撹拌す
る。反応液から、THFを減圧留去し、残さに10%クエン酸
を加えてpH3に調整した後、エーテル(20ml)で2回抽出
して、硫酸マグネシウムで乾燥して、目的物0.40g(収
率89%)を得る。
【0032】3) ロイシンとヒドロキシミリスチン酸の
縮合および精製 D-ロイシン -ベンジルエステル-トシル酸塩と (R)-3-ヒ
ドロキシミリスチン酸およびそれらに対して1.1等量の
ヒドロキシベンゾトリアゾールをDMFに溶解し−20℃に
冷却しつつ1.1等量の1-エチル3-ジメチルアミノプロピ
ルカルボジイミドを滴下する。滴下終了後冷媒槽をはず
し、さらに終夜撹拌して反応を完結させる。
【0033】反応物を酢酸エチルに溶かし、その溶液を
1N HCl、水、5%重曹水、水で洗った後無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させる。溶媒を留去し、メタノールに溶解
し、カーボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反
応液をろ過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗
生成物を80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とす
る逆相高速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カ
プセルパックC18SG120,15mm×250 mm)で得られる標記
化合物2を得た。
【0034】本発明の化合物2の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :357 (3)分子式 :C20H39NO4 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 358.2966
M+H 計算値 358.2957 (C20H40NO4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1052, 1406, 1470,1624,2496,2854,2920,2
958, 3420 (6)比旋光度 [α]26 D 8.9° (c 0.154, MeOH) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (s, 3H), 0.93 (d,3H), 0.95 (d,3H), 1.25-
1.35, 1.46(2H),1.57(m, 1H),1.67(m,2H), 2.35(m,2H),
3.95(m,1H), 4.38(dd,1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 22.3(q), 23.7(d), 23.8(t), 26.3(t),
26.9(t),0.6(t), 30.8-30.9(t), 33.2(t), 38.4(t), 4
3.0(t), 44.9(t),54.0(d), 70.0(d), 173.9(s), 178.9
(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だけナトリウム塩は易溶
【0035】<製造例3> 3-(S)-ヒドロキシデカン酸
(L)-ロイシン(化合物3)の合成
【0036】
【化8】
【0037】1) L-ロイシン-ベンジルエステル-トシル
酸塩の合成 本化合物は、製造例1に基づいて行った。 2) 3-(S)-ヒドロキシデカン酸の合成 a) 3-オキソデカン酸エチルエステルの製造 2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン(2.26g)を無
水塩化メチレン(30ml)に溶解し0℃に冷却して撹拌す
る。これに無水ピリジン(2.7ml)と塩化n-デカン酸 (3.4
ml)を加えて、一時間0℃でつづいて、室温で一時間撹拌
する。反応液は氷水にあけ、2N-HCl(30 ml)を加えて酸
性にしたのちジクロロメタン30mlで二回抽出する。ジク
ロロメタン抽出部は、さらに2N-HCl(30 ml)、飽和食塩
水で洗浄後硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶媒
を留去する。得られた油状物質をエタノール30mlに溶解
し、3時間加熱還流する。反応液は減圧下で溶媒を留去
した後、n-ヘキサン-酢酸エチル(5:1)で精製して生成物
2.7g(収率81%)を得る。
【0038】b) 3-(S)-ヒドロキシデカン酸エチルエ
ステルの製造 (S)-BINAP(8mg)とビス(メチルアリル)シクロオクタ-
1,5ジエン-ルテニウムを50mlシュリンク管に入れ減圧で
アルゴン気流に置換して満たす。2mlのアセトンおよび
臭化水素水(0.29Mの0.11ml)を加え、30分間室温で撹
拌する。減圧下で溶媒を留去した後、残さに3-デカン酸
エチルエステル(1g)を加えて、87℃で油浴上72時間、加
熱撹拌する。反応液から減圧で溶媒を留去して乾固した
のち、n-ヘキサン-酢酸エチル(10:1)で精製して生成物
0.72g(収率72%)を得る。
【0039】c) 3-(S)-ヒドロキシデカン酸の製造 3-(S)-ヒドロキシデカン酸エチルエステル(0.5g)に1.
1NのNaOH( 2ml)とTHF(5.0ml)を加え、20分間撹拌する。
反応液から、THFを減圧留去し、残さに10%クエン酸を加
えてpH3に調整した後、エーテル(20ml)で2回抽出し
て、硫酸マグネシウムで乾燥して、目的物0.45g(収率9
6%)を得る。
【0040】3) 縮合反応および精製 L-ロイシン -ベンジルエステル-トシル酸塩と 3-ヒドロ
キシデカン酸およびそれらに対して1.1等量のヒドロキ
シベンゾトリアゾールをDMFに溶解し−20℃に冷却しつ
つ1.1等量の1-エチル3-ジメチルアミノプロピルカルボ
ジイミドを滴下する。滴下終了後冷媒槽をはずし、さら
に終夜撹拌して反応を完結させる。反応物を酢酸エチル
に溶かし、その溶液を1N HCl、水、5%重曹水、水で洗っ
た後無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。
【0041】溶媒を留去し、メタノールに溶解し、カー
ボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反応液をろ
過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗生成物を
80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とする逆相高
速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カプセルパ
ックC18SG120,15mm×250 mm)で精査して標記化合物3を
得た。
【0042】本発明の化合物3の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :301 (3)分子式 :C16H31NO4 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 302.2
346 M+H+ 計算値 302.2331 (C16H32NO4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1052, 1406, 1470,1624,2496,2854,2920,2
958,3420 (6)比旋光度 [α]26 D −10.6°(c 0.120, MeO
H) (7) 1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (s, 3H), 0.93 (d,3H), 0.95 (d,3H), 1.25-
1.35(s 10H),1.46(2H),1.57(m, 1H),1.67(m,1H), 2.35
(m,2H), 3.95(m,1H),4.38(dd,1H) (8) 13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 22.3(q), 23.7(q), 23.8(t), 26.3(t),
26.9(t),30.6(t),30.8-30.9(t), 33.2(t), 38.4(t), 4
3.0(t), 44.9(t),54.0(d), 70.0(d), 173.9(s), 178.9
(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だけナトリウム塩は易溶
【0043】<製造例4> 3-(S)-ヒドロキシラウリン酸
(L)-ロイシン(化合物4)の合成
【0044】
【化9】
【0045】1) L-ロイシン -ベンジルエステル-トシ
ル酸塩の合成 本化合物は、製造例1で述べた方法によって合成した。 2) 3-(S)-ヒドロキシラウリン酸の合成 a) 3-オキソラウリン酸エチルエステルの製造 2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン(2.26g)を無
水塩化メチレン(30ml)に溶解し0℃に冷却して撹拌す
る。これに無水ピリジン(2.7ml)と塩化n-デカノイル(3.
0ml)を加えて、一時間0℃でつづいて、室温で一時間撹
拌する。反応液は氷水にあけ、2N-HCl(30 ml)を加えて
酸性にしたのちジクロロメタン30mlで二回抽出する。ジ
クロロメタン抽出部は、さらに2N-HCl(30 ml)、飽和食
塩水で洗浄後硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で溶
媒を留去する。得られた油状物質をエタノール30mlに溶
解し、3時間加熱還流する。反応液は減圧下で溶媒を留
去した後、n-ヘキサン-酢酸エチル(5:1)で精製して生成
物 2.7g(収率80%)を得る。
【0046】b) 3-(S)-ヒドロキシラウリン酸エチル
エステルの製造 (S)-BINAP(8mg)とビス(メチルアリル)シクロオクタ-
1,5ジエン-ルテニウムを50mlシュリンク管に入れ減圧で
アルゴン気流に置換して満たす。2mlのアセトンおよび
臭化水素水(0.29Mの0.11ml)を加え、30分間室温で撹
拌する。減圧下で溶媒を留去した後、残さに3-オキソラ
ウリン酸エチルエステル(1g)を加えて、87℃で油浴上72
時間、加熱撹拌する。反応液から減圧で溶媒を留去して
乾固したのち、n-ヘキサン-酢酸エチル(10:1)で精製し
て生成物 0.68g(収率68%)を得る。
【0047】c) 3-(S)-ヒドロキシラウリン酸の製造 3-(S)-ヒドロキシミリスチン酸エチルエステル(0.5g)
に1.1NのNaOH( 2ml)とTHF(5.0ml)を加え、20分間撹拌す
る。反応液から、THFを減圧留去し、残さに10%クエン酸
を加えてpH3に調整した後、エーテル(20ml)で2回抽出
して、硫酸マグネシウムで乾燥して、目的物0.40g(収
率91%)を得る。
【0048】3) 縮合反応および精製 L-ロイシン -ベンジルエステル-トシル酸塩と 3-(s)-ヒ
ドロキシラウリン酸およびそれらに対して1.1等量のヒ
ドロキシベンゾトリアゾールをDMFに溶解し−20℃に冷
却しつつ1.1等量の1-エチル3-ジメチルアミノプロピル
カルボジイミドを滴下する。滴下終了後冷媒槽をはず
し、さらに終夜撹拌して反応を完結させる。反応物を酢
酸エチルに溶かし、その溶液を1N HCl、水、5%重曹水、
水で洗った後無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。
【0049】溶媒を留去し、メタノールに溶解し、カー
ボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反応液をろ
過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗生成物を
80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とする逆相高
速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カプセルパ
ックC18SG120,15mm×250 mm)で精査して標記化合物4を
得た。
【0050】本発明の化合物4の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :329 (3)分子式 :C18H35NO4 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 330.2651 M
+H+ 計算値 330.2644 (C18H36NO4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1248,1388,1468,1566,1650,1738,2920,334
4 (6)比旋光度 [α]26 D −8.8°(c 0.17, MeO
H) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (s, 3H), 0.93 (d,3H), 0.95 (d,3H), 1.25-
1.35 (14H), 1.46(2H),1.57(m, 1H),1.67(m,1H), 2.35
(m,2H), 3.95(m,1H), 4.38(dd,1H) (8) 13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 22.3(q), 23.7(q), 23.8(t), 26.3(t),
26.9(t),30.6(t),30.8-30.9(t), 33.2(t), 38.4(t), 4
3.0(t), 44.9(t),54.0(d), 70.0(d), 173.9(s),178.9
(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶
【0051】<製造例5> 3-(S)-ヒドロキシトリデカン
酸(L)-ロイシン(化合物5)の合成
【0052】
【化10】
【0053】1) L-ロイシン -ベンジルエステル-トシ
ル酸塩の合成 本化合物は、製造例1の合成で述べた方法によって合成
した。 2) 3-(S)-ヒドロキシトリデカン酸の合成 a) 3-オキソトリデカン酸エチルエステルの製造 2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン(2.26g)を無
水塩化メチレン(30ml)に溶解し0℃に冷却して撹拌す
る。これに無水ピリジン(2.7ml)と塩化n-ウンデカン酸
(3.4ml)を加えて、一時間0℃でつづいて、室温で一時間
撹拌する。反応液は氷水にあけ、2N-HCl(30 ml)を加え
て酸性にしたのちジクロロメタン30mlで二回抽出する。
【0054】ジクロロメタン抽出部は、さらに2N-HCl(3
0 ml)、飽和食塩水で洗浄後硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧下で溶媒を留去する。得られた油状物質をエタ
ノール30mlに溶解し、3時間加熱還流する。反応液は減
圧下で溶媒を留去した後、n-ヘキサン-酢酸エチル(5:1)
で精製して生成物 2.4g(収率79%)を得る。
【0055】b) 3-(S)-ヒドロキシトリデカン酸エチ
ルエステルの製造 (S)-BINAP(8mg)とビス(メチルアリル)シクロオクタ-
1,5ジエン-ルテニウムを50mlシュリンク管に入れ減圧で
アルゴン気流に置換して満たす。2mlのアセトンおよび
臭化水素水(0.29Mの0.11ml)を加え、30分間室温で撹
拌する。減圧下で溶媒を留去した後、残さに3-オキソト
リデカン酸エチルエステル(1g)を加えて、87℃で油浴上
72時間、加熱撹拌する。反応液から減圧で溶媒を留去し
て乾固したのち、n-ヘキサン-酢酸エチル(10:1)で精製
して生成物 0.65g(収率65%)を得る。
【0056】c) 3-(S)-ヒドロキシトリデカン酸の製
造 3-(S)-ヒドロキシトリデカン酸エチルエステル(0.5g)
に1.1NのNaOH( 2ml)とTHF(5.0ml)を加え、20分間撹拌す
る。反応液から、THFを減圧留去し、残さに10%クエン酸
を加えてpH3に調整した後、エーテル(20ml)で2回抽出
して、硫酸マグネシウムで乾燥して、目的物0.45g(収
率99%)を得る。3) 縮合反応および精製L-ロイシン -
ベンジルエステル-トシル酸塩と 3-(S)-ヒドロキシトリ
デカン酸およびそれらに対して1.1等量のヒドロキシベ
ンゾトリアゾールをDMFに溶解し−20℃に冷却しつつ1.1
等量の1-エチル3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミ
ドを滴下する。滴下終了後冷媒槽をはずし、さらに終夜
撹拌して反応を完結させる。
【0057】反応物を酢酸エチルに溶かし、その溶液を
1N HCl、水、5%重曹水、水で洗った後無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させる。溶媒を留去し、メタノールに溶解
し、カーボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反
応液をろ過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗
生成物を80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とす
る逆相高速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カ
プセルパックC18SG120,15mm×250 mm)で精査して標記
化合物5を得た。
【0058】本発明の化合物5の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :343 (3)分子式 :C19H37NO4 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 344.2781
M+H 計算値 344.2801 (C19H38NO4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1246,1388,1468,1566,1650,1704,1738,292
0,3346 (6)比旋光度 [α]26 D −9.4°(c 0.14, MeO
H) (7) 1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (s, 3H), 0.93 (d,3H), 0.95 (d,3H), 1.25-
1.35(s, 16H),1.46(2H), 1.57(m, 1H),1.67(m,1H), 2.3
5(m,2H), 3.95(m,1H),4.38(dd,1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 22.3(q), 23.7(q), 23.8(t), 26.3(t),
26.9(t),30.6(t), 30.8-30.9(t), 33.2(t), 38.4(t),
43.0(t), 44.9(t),54.0(d), 70.0(d), 173.9(s),178.9
(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶
【0059】<製造例6> 3-(R)-ヒドロキシパルミチン
酸(D)-ロイシン(化合物6)の合成
【0060】
【化11】
【0061】1)D-ロイシン-ベンジルエステル-トシル
酸塩の製造 D-ロイシン(3.3g), トシル酸(5.7g), ベンジルアルコ
ール(15ml)およびトルエン(30 ml)を丸底フラスコに入
れ、還流冷却器をつけたDean-Stark装置を用いて油浴(1
10〜130℃)中で6時間加熱する。丸底フラスコを放冷
し、エーテル(50ml)と石油エーテル(50 ml)とを加えて
結晶化させ、濾取、熱エタノール(30ml)-エーテル(30m
l)より再結晶すると収量7.8g(78%)で目的物を得た。 2) 3-ヒドロキシパルミチン酸の合成 a) 3-オキソパルミチン酸プロピルエステルの製造 2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン(2.26g)を無
水塩化メチレン(30ml)に溶解し0℃に冷却して撹拌す
る。これに無水ピリジン(2.7ml)と塩化n-ミリストイル
酸(3.8ml)を加えて、一時間0℃でつづいて、室温で一時
間撹拌する。反応液は氷水にあけ、2N-HCl(30 ml)を加
えて酸性にしたのちジクロロメタン30mlで二回抽出す
る。ジクロロメタン抽出部は、さらに2N-HCl(30 ml)、
飽和食塩水で洗浄後硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧
下で溶媒を留去する。得られた油状物質をエタノール30
mlに溶解し、3時間加熱還流する。反応液は減圧下で溶
媒を留去した後、n-ヘキサン-酢酸エチル(5:1)で精製し
て生成物 2.4g(収率82%)を得る。
【0062】b) 3-(R)-ヒドロキシパルミチン酸エチ
ルエステルの製造 (R)-BINAP(8mg)とビス(メチルアリル)シクロオクタ-
1,5ジエン-ルテニウムを50mlシュリンク管に入れ減圧で
アルゴン気流に置換して満たす。2mlのアセトンおよび
臭化水素水(0.29Mの0.11ml)を加え、30分間室温で撹
拌する。減圧下で溶媒を留去した後、残さに3-オキソミ
リスチン酸エチルエステル(1g)を加えて、87℃で油浴上
72時間、加熱撹拌する。反応液から減圧で溶媒を留去し
て乾固したのち、n-ヘキサン-酢酸エチル(15:1)で精製
して生成物 0.71g(収率71%)を得る。
【0063】c) 3-(R)-ヒドロキシパルミチン酸の製
造 3-(R)-ヒドロキシミリスチン酸エチルエステル(0.5g)
に1.1NのNaOH(2ml)とTHF(5.0ml)を加え、20分間撹拌す
る。反応液から、THFを減圧留去し、残さに10%クエン酸
を加えてpH3に調整した後、エーテル(20ml)で2回抽出
して、硫酸マグネシウムで乾燥して、目的物0.40g(収
率89%)を得る。 3) 縮合反応および精製 D-ロイシン -ベンジルエステル-トシル酸塩と 3-(R)-ヒ
ドロキシパルミチン酸およびそれらに対して1.1等量の
ヒドロキシベンゾトリアゾールをDMFに溶解し−20℃に
冷却しつつ1.1等量の1-エチル3-ジメチルアミノプロピ
ルカルボジイミドを滴下する。滴下終了後冷媒槽をはず
し、さらに終夜撹拌して反応を完結させる。
【0064】反応物を酢酸エチルに溶かし、その溶液を
1N HCl、水、5%重曹水、水で洗った後無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させる。溶媒を留去し、メタノールに溶解
し、カーボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反
応液をろ過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗
生成物を80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とす
る逆相高速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カ
プセルパックC18SG120,15mm×250 mm)で精査して標記
化合物6を得た。
【0065】本発明の化合物6の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :385 (3)分子式 :C22H43NO4 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 386.328
1 M+H 計算値 386.3270 (C22H44NO4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1248,1388,1468,1566,1650,1738,2920,334
6 (6)比旋光度 [α]26 D −10.6°(c 0.128, MeOH) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (s, 3H), 0.93 (d,3H), 0.95 (d,3H), 1.25-
1.35(m,22H),1.46(2H), 1.57(m, 1H),1.67(m,1H), 2.35
(m,2H), 3.95(m,1H),4.38(dd,1H) (8) 13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 22.3(q), 23.7(q), 23.8(t), 26.3(t),
26.9(t),30.6(t),30.8-30.9(t), 33.2(t), 38.4(t), 4
3.0(t), 44.9(t),54.0(d), 70.0(d), 173.9(s), 178.9
(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、アセ
トン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には難
溶だがけナトリウム塩は易溶。
【0066】<製造例7> 3-(S)-ヒドロキシミリスチ
ン酸(L)-バリン(化合物7)の合成
【0067】
【化12】
【0068】1) L-バリンベンジルエステル-トシル酸
塩の製造 L-バリン (3.3g), トシル酸(5.7g), ベンジルアルコー
ル(15ml)およびトルエン(30 ml)を丸底フラスコに入
れ、還流冷却器をつけたDean-Stark装置を用いて油浴(1
10〜130℃)中で6時間加熱する。丸底フラスコを放冷
し、エーテル(50ml)と石油エーテル(50 ml)とを加えて
結晶化させ、濾取、熱エタノール(30ml)-エーテル(30m
l)より再結晶すると収量8.5g(80%)で目的物を得た。 2) 3-(S)-ヒドロキシミリスチン酸の合成 製造例1 に述べた方法で合成した。 3) 縮合反応および精製 L-バリン -ベンジルエステル-トシル酸塩と 3-ヒドロキ
シミリスチン酸およびそれらに対して1.1等量のヒドロ
キシベンゾトリアゾールをDMFに溶解し−20℃に冷却し
つつ1.1等量の1-エチル3-ジメチルアミノプロピルカル
ボジイミドを滴下する。滴下終了後冷媒槽をはずし、さ
らに終夜撹拌して反応を完結させる。反応物を酢酸エチ
ルに溶かし、その溶液を1N HCl、水、5%重曹水、水で洗
った後無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。
【0069】溶媒を留去し、メタノールに溶解し、カー
ボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反応液をろ
過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗生成物を
80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とする逆相高
速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カプセルパ
ックC18SG120,15mm×250 mm)で精査して標記化合物7を
得た。
【0070】本発明の化合物7の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :343 (3)分子式 :C19H37NO4 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 344.2830
M+H 計算値 344.2808 (C19H38NO4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1228,1469,1543,1644,1718,2850,2916,330
6 (6)比旋光度 [α]26 D −23.4°(c 0.128, MeOH) (7) 1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (s, 3H), 0.96 (d,3H), 0.97 (d,3H),1.25-
1.35(s, 18H),1.46(2H),2.18(m.2H),2.42(m,2H),3.96
(m,1H), 4.36(dd,1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 13.3 (q), 17.2(q), 18.6(q), 22.6(d), 25.4
(d), 29.4(t),29.6(t), 29.7-32.0(d), 37.0(d), 38.4
(t), 43.0(d), 57.7(t),68.6(d), 173.1(s), 173.5(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶
【0071】<製造例8> 3-(S)-ヒドロキシミリスチ
ン酸(L)-イソロイシン(化合物8)の合成
【0072】
【化13】
【0073】1) L-イソロイシンベンジルエステル-ト
シル酸塩の製造 L-イソロイシン(3.3g), トシル酸(5.7g), ベンジルア
ルコール(15ml)およびトルエン(30 ml)を丸底フラスコ
に入れ、還流冷却器をつけたDean-Stark装置を用いて油
浴(110〜130℃)中で6時間加熱する。丸底フラスコを放
冷し、エーテル(50ml)と石油エーテル(50 ml)とを加え
て結晶化させ、濾取、熱エタノール(30ml)-エーテル(30
ml)より再結晶すると収量8.3 g(84%)で目的物を得た。 2) 3-(S)-ヒドロキシミリスチン酸の合成 製造例1に述べた方法で合成した。 3) 縮合反応および精製 L-イソロイシン -ベンジルエステル-トシル酸塩と 3-
(S)-ヒドロキシミリスチン酸およびそれらに対して1.1
等量のヒドロキシベンゾトリアゾールをDMFに溶解し−2
0℃に冷却しつつ1.1等量の1-エチル3-ジメチルアミノプ
ロピルカルボジイミドを滴下する。滴下終了後冷媒槽を
はずし、さらに終夜撹拌して反応を完結させる。反応物
を酢酸エチルに溶かし、その溶液を1N HCl、水、5%重曹
水、水で洗った後無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。
【0074】溶媒を留去し、メタノールに溶解し、カー
ボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反応液をろ
過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗生成物を
80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とする逆相高
速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カプセルパ
ックC18SG120,15mm×250 mm)で精査して標記化合物8を
得た。
【0075】本発明の化合物8の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :357 (3)分子式 :分子式 :C20H39NO4 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 358.2968 M
+H 計算値 358.2957(C20H40NO4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1202,1462,1550,1649,1718,2850,2917,330
6 (6)比旋光度 [α]26 D −32.6°(c 0.128, MeOH) (7) 1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (s, 3H), 0.96 (d,3H), 0.97 (t,3H), 1.25-
1.35(20H)1.48(2H),1.90(m,1H), 2.40(m,2H), 3.95(m,1
H), 4.39(dd,1H) (8) 13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 10.7(q), 13.3(q), 15.0(q) 22.6(d), 25.2(d), 2
5.4(d),29.4(d), 29.6(d), 29.7(d), 32.0(d), 36.9
(d), 37.0(t),43.2(d), 56.9(t), 68.6(t), 172.9(s),
173.6(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶
【0076】<製造例9> 3-(S)-ヒドロキシミリスチ
ン酸(L)-プロリン(化合物9)の合成
【0077】
【化14】
【0078】1) L-プロリンベンジルエステル-塩酸塩
の製造 L-プロリン (1.1g), 濃塩酸(2ml), ベンジルアルコー
ル(15ml)およびトルエン(30 ml)を丸底フラスコに入
れ、還流冷却器をつけたDean-Stark装置を用いて油浴(1
10〜130℃)中で6時間加熱する。丸底フラスコを放冷
し、エーテル(50ml)と石油エーテル(50 ml)とを加えて
結晶化させ、濾取、熱エタノール(30ml)-エーテル(30m
l)より再結晶すると収量1.8 g(78%)で目的物を得た。 2) 3-(S)-ヒドロキシミリスチン酸の合成 製造例1に述べた方法で合成した。 3) 縮合反応および精製 L-プロリン-ベンジルエステル-トシル酸塩と3-(S)-
ヒドロキシミリスチン酸およびそれらに対して1.1等量
のヒドロキシベンゾトリアゾールをDMFに溶解し−20℃
に冷却しつつ1.1等量の1-エチル3-ジメチルアミノプロ
ピルカルボジイミドを滴下する。滴下終了後冷媒槽をは
ずし、さらに終夜撹拌して反応を完結させる。反応物を
酢酸エチルに溶かし、その溶液を1N HCl、水、5%重曹
水、水で洗った後無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。
【0079】溶媒を留去し、メタノールに溶解し、カー
ボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反応液をろ
過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗生成物を
80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とする逆相高
速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カプセルパ
ックC18SG120,15mm×250 mm)で精査して標記化合物9を
得た。
【0080】本発明の化合物9の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :342 (3)分子式 :C19H36NO4 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 344.2726
M+H 計算値 343.2723(C18H37NO4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1196,1458,1620,1734,2922,3300 (6)比旋光度 [α]26 D +68.6°(c 0.128, MeOH) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (t, 3H), 1.25-1.35(s,18H) 1.48(m,2H), 2.
01(m,1H),2.20(m,2H), 2.52(m,2H), 3.67(m,1H), 4.01
(m,2H), 4.45(dd,1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 20.2(d), 22.5(d), 23.1(d), 23.4
(d), 26.9(t),30.6(t), 30.8-30.9(t), 39.7 (d), 4
2.6(d)0.7(t), 70.0(t),173.9(s), 178.9(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶。
【0081】<製造例10> 3-(S)-ヒドロキシミリス
チン酸(L)-アスパラギン酸(化合物10)の合成
【0082】
【化15】
【0083】1) L-アスパラギン酸エステル-トシル酸
塩の製造 L-アスパラギン酸 (1.3g), トシル酸(5.7g), ベンジル
アルコール(15ml)およびトルエン(30 ml)を丸底フラス
コに入れ、還流冷却器をつけたDean-Stark装置を用いて
油浴(110〜130℃)中で6時間加熱する。丸底フラスコを
放冷し、エーテル(50ml)と石油エーテル(50 ml)とを加
えて結晶化させ、濾取、熱エタノール(30ml)-エーテル
(30ml)より再結晶すると収量3.9 g (81%)で目的物を得
た。 2) 3-(S)-ヒドロキシミリスチン酸の合成 製造例1に述べた方法で合成した。
【0084】3) 縮合反応および精製 L-アスパラギン酸-ベンジルエステル-トシル酸塩と3-
(S)-ヒドロキシミリスチン酸およびそれらに対して
1.1等量のヒドロキシベンゾトリアゾールをDMFに溶解し
−20℃に冷却しつつ1.1等量の1-エチル3-ジメチルアミ
ノプロピルカルボジイミドを滴下する。滴下終了後冷媒
槽をはずし、さらに終夜撹拌して反応を完結させる。反
応物を酢酸エチルに溶かし、その溶液を1N HCl、水、5%
重曹水、水で洗った後無水硫酸マグネシウムで乾燥させ
る。
【0085】溶媒を留去し、メタノールに溶解し、カー
ボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反応液をろ
過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗生成物を
80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とする逆相高
速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カプセルパ
ックC18SG120,15mm×250 mm)で精査して標記化合物10
を得た。
【0086】本発明の化合物10の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :359 (3)分子式 :C18H33NO6 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 360.24
00 M+H 計算値 360.2386 (C18H34NO6) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1223,1469,1548,1609,1734,2851,2920,352
2 (6)比旋光度 [α]26 D +68.6°(c 0.128, MeO
H) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (t, 3H), 1.25-1.35(s,18H) 1.48(m,2H), 2.
20(m,2H),2.72(m,2H), 3.67(m,1H), 4.75(dd,1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 20.2(d), 22.5(d), 23.1(d), 23.4(d),
26.9(d),30.6(d), 36.7 (d), 36.9(d), 42.6(d),52.3
(t), 70.0(t),173.9(s), 178.9(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶
【0087】<製造例11> 3-(R)-ヒドロキシミリスチ
ン酸(L)-アルギニン(化合物11)の合成
【0088】
【化16】
【0089】1) Ng-NO2-L-アルギニンの製造 L-アルギニン塩酸塩(1.0g)の濃硫酸溶液(10ml)に硝
酸アンモニウム(2.0mg)を入れて撹拌する。エーテル
(50ml)と石油エーテル(50 ml)とを加えて結晶化させ、
濾取、熱エタノール(30ml)-エーテル(30ml)より再結晶
すると収量0.83 g(65%)で目的物を得た。 2) 3-(S)-ヒドロキシミリスチン酸の合成 製造例1に述べた方法で合成した。 3) 縮合反応および精製 Ng-NO2-L-アルギニンの製造と3-(S)-ヒドロキシミリ
スチン酸およびそれらに対して1.1等量のヒドロキシベ
ンゾトリアゾールをDMFに溶解し−20℃に冷却しつつ1.1
等量の1-エチル3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミ
ドを滴下する。滴下終了後冷媒槽をはずし、さらに終夜
撹拌して反応を完結させる。
【0090】反応物を酢酸エチルに溶かし、その溶液を
1N HCl、水、5%重曹水、水で洗った後無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させる。溶媒を留去し、メタノールに溶解
し、カーボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反
応液をろ過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗
生成物を80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とす
る逆相高速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カ
プセルパックC18SG120,15mm×250 mm)で精査して標記
化合物11を得た。
【0091】本発明の化合物11の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :400 (3)分子式 :C20H40N4O4 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 401.3127
M+H 計算値 401.3128 (C20H41N4O4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1397,1457,1558,1647,2853,2924,3310 (6)比旋光度 [α]26 D −8.6°(c 0.128, MeOH) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.96 (t, 3H), 1.25-1.35(s,18H) 1.55( m,2H),
2.36(m,1H),3.13(m,2H), 2.65 (2H,m), 3.93(m,1H), 4.
75(dd,1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.0(q), 22.6(d), 25.5(d), 29.4(d), 29.6(d),
29.7(d),32.0(d), 36.9(d), 37.3(d), 40.2 (t), 43.
4(t), 53.8(t),67.6 (t), 163.1(s) 172.7(s), 173.3
(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶
【0092】<製造例12> 3-(R)-ヒドロキシミリスチ
ン酸(L)-フェニルアラニン(化合物12)の合成
【0093】
【化17】 1) L-フェニルアラニンベンジルエステル-トシル酸塩
の製造 L-フェニルアラニン (2.0g), トシル酸(5.7g), ベンジ
ルアルコール(15ml)およびトルエン(30 ml)を丸底フラ
スコに入れ、還流冷却器をつけたDean-Stark装置を用い
て油浴(110〜130℃)中で6時間加熱する。丸底フラスコ
を放冷し、エーテル(50ml)と石油エーテル(50 ml)とを
加えて結晶化させ、濾取、熱エタノール(30ml)-エーテ
ル(30ml)より再結晶すると収量4.5 g (87%)で目的物を
得た。 2) 3-(R)-ヒドロキシミリスチン酸の合成 製造例2に述べた方法で合成した。
【0094】3) 縮合反応および精製 L-フェニルアラニン-ベンジルエステル-トシル酸塩と3-
(R)-ヒドロキシミリスチン酸およびそれらに対して1.
1等量のヒドロキシベンゾトリアゾールをDMFに溶解し−
20℃に冷却しつつ1.1等量の1-エチル3-ジメチルアミノ
プロピルカルボジイミドを滴下する。滴下終了後冷媒槽
をはずし、さらに終夜撹拌して反応を完結させる。反応
物を酢酸エチルに溶かし、その溶液を1N HCl、水、5%重
曹水、水で洗った後無水硫酸マグネシウムで乾燥させ
る。
【0095】溶媒を留去し、メタノールに溶解し、カー
ボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反応液をろ
過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗生成物を
80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とする逆相高
速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カプセルパ
ックC18SG120,15mm×250 mm)で精査して標記化合物12
を得た。
【0096】本発明の化合物12の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :391 (3)分子式 :C23H37NO4 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 392.2777
M+H+ 計算値 392.2801 (C23H38NO4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1269,1469,1542,1644,1746,2918,3377 (6)比旋光度 [α]26 D −28.6°(c 0.128, MeO
H) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.96 (t, 3H), 1.25-1.35(s,18H) 1.48( m,2H),
2.36(m,1H),3.13(m,2H), 3.93(m,1H),), 4.73(dd,1H),
7.25-7.34(m,5H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 13.3 (q), 22.6(d), 25.5(d), 29.4(d), 29.6
(d), 29.7(d),32.0(d), 36.9(d), 37.3(d),43.4(t), 5
3.8(t), 126.6(t), 128.2(t),129.1(t), 137.1(t), 17
2.7(s), 173.3(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがけナトリウム塩は易溶
【0097】<製造例13> 3-(R)-ヒドロキシミリスチ
ン酸(L)-ロイシンメチルエステル(化合物13)の合成
【0098】
【化18】
【0099】1) L-ロイシンメチルエステル塩酸塩の製
造 MeOHを-10℃に冷却し、かきまぜながらSOCl2(2.6ml)を
徐々に加える。10分後L-ロイシン(1.31g, 0.1 mmol),
を加え室温で15時間かき混ぜる。減圧濃縮し、残さにエ
ーテルを加えて結晶化させると2.20g(89%)を得る。 2) 3-(R)-ヒドロキシミリスチン酸の合成 製造例2に述べた方法で合成した。
【0100】3) 縮合反応および精製 L-ロイシンメチルエステル塩酸塩と 3-(R)-ヒドロキ
シミリスチン酸およびそれらに対して1.1等量のヒドロ
キシベンゾトリアゾールをDMFに溶解し−20℃に冷却し
つつ1.1等量の1-エチル3-ジメチルアミノプロピルカル
ボジイミドを滴下する。滴下終了後冷媒槽をはずし、さ
らに終夜撹拌して反応を完結させる。反応物を酢酸エチ
ルに溶かし、その溶液を1N HCl、水、5%重曹水、水で洗
った後無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を留去
し、粗生成物を80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶
媒とする逆相高速液体クロマトグラフィー(カラム:資
生堂カプセルパックC18SG120,15mm×250 mm)で精査し
て標記化合物13を得た。
【0101】本発明の化合物13の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :371 (3)分子式 :C21H41NO4 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 372.3116 M
+H 計算値 372.3114 (C21H42NO4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1466,1542,1645,1741,2850,2919,3312 (6)旋光度 [α]26 D −9.1°(c 0.128, MeOH) (7)H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (s, 3H), 0.93 (d,3H), 0.95 (d,3H), 1.25-
1.35, 1.46(2H),1.57(m, 1H), 1.67(m,2H), 2.35(m,2
H), 3.67 (s, 3H) ,3.95(m,1H),4.38(dd,1H) (8)3C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 22.3(q), 23.7(d), 23.8(t), 26.3(t),
26.9(t),30.6(t), 30.8-30.9(t), 33.2(t), 38.4(t),
43.0(t), 44.9(t),50.4( q), 54.0(d), 70.0(d), 173.
9(s), 178.9(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶
【0102】<製造例14> 3-(S)-ヒドロキシミリスチ
ン酸(L)-リンゴ酸ジメチルエステル(化合物14)の合
【0103】
【化19】
【0104】1) L-リンゴ酸ジメチルエステルの製造 L-リンゴ酸(134mg, 1mmol)をMeOH(3ml)に溶解し、濃
硫酸100μlを加えて4時間加熱還流する。冷却後メタノ
ールを減圧留去し、残さにエーテルを加えて結晶化させ
ると120mg(74%)を得る。 2) 3−(S)-ヒドロキシミリスチン酸メチルエステルの
合成 製造例1で用いた方法を用いた。
【0105】3) 3−(2H−3,4,5,6−テトラ
ヒドロキシピラン−2−イルオキシ)テトラデカン酸メ
チルエステルの合成〔 methyl3-(2H-3,4,5,6-tetrahydr
opyran-2-yloxy)tetradecanoateの合成〕 3-(S)−ヒドロキシミリスチン酸メチルエステル(258
mg, 1mmol)を無水ジクロロメタンに溶解し、3,5-ジヒド
ロピラン(120mg, 1.5mmol), パラトルエンスルホン酸
ピリジニウム(25mg, 0.1mmol)を加えて室温で6時間撹
拌する。反応物からジクロロメタンを減圧留去して、飽
和食塩水に溶解し、エーテルで抽出する。エタノール-
エーテルで再結晶して280mg(82%)を得る。
【0106】4) 3−(2H−3,4,5,6−テトラ
ヒドロキシピラン−2−イルオキシ)テトラデカン酸の
合成〔3-(2H-3,4,5,6-tetrahydropyran-2-yloxy)tetrad
ecanoic acidの合成〕 3−(2H−3,4,5,6−テトラヒドロキシピラン
−2−イルオキシ)テトラデカン酸メチルエステル〔me
thyl 3-(2H-3,4,5,6-tetrahydropyran-2-yloxy)tetrade
canoate 〕 (160mg, 0.5mmol)をTHF(3ml)に溶解し、
NaOHを1.1等量加えて室温で6時間撹拌する。THFを減
圧留去して、酢酸エチルに溶解し飽和食塩水で洗浄す
る。粗抽出物をエタノール-ヘキサンで再結晶して120mg
(78%)を得た。
【0107】5) 縮合反応および精製 3−(2H−3,4,5,6−テトラヒドロキシピラン
−2−イルオキシ)テトラデカン酸〔3-(2H-3,4,5,6-te
trahydropyran-2-yloxy)tetradecanoic acid〕(76mg,
0.25mg)を無水ジクロロメタン(3ml)に溶解し、0℃で1-
エチル3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド 20μl
を加えて一時間撹拌する。それにあらかじめ冷却してお
いたL-リンゴ酸ジメチルエステル(41mg, 0.25mmol)を加
えて6時間0℃で、さらに室温で12時間撹拌する。
【0108】反応物から無水ジクロロメタンを留去し
て、エーテルに溶解後、飽和食塩水で洗浄する。粗抽出
物をシリカゲルカラム(ヘキサン-酢酸エチル=10:1〜5:
1)で精製して、85mg(51%)を得た。これを50%酢酸に溶解
して、室温で2時間撹拌する。生成物をシリカゲルカラ
ム(ヘキサン-酢酸エチル=5:1〜3:1)で精製して標記化
合物14を60mg(72%)得た。
【0109】本発明の化合物14の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :388 (3)分子式 :C20H36O7 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 389.2526
M+H 計算値 389.2539 (C20H37O7) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1170, 1748, 2854,2925 (6)比旋光度 [α]26 D −19.1°(c 0.128, MeOH) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (s, 3H), 0.93 (d,3H), 0.95 (d,3H), 1.25-
1.35, 1.46(2H),1.57(m, 1H),1.67(m,2H), 2.35(m,2H),
3.67 (s,3H) ,3.95(m,1H),4.38(dd,1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 22.3(q), 23.7(d), 23.8(t), 26.3
(t), 26.9(t),30.6(t), 30.8-30.9(t), 33.2(t), 38.4
(t), 43.0(t), 44.9(t),50.4( q), 54.0(d), 70.0(d),
173.9(s), 178.9(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶
【0110】<製造例15> 3-(S)-ヒドロキシミリスチ
ン酸(L)-ロイシン酸(化合物15)の合成
【0111】
【化20】
【0112】1) (2S)−2−ヒドロキシ−4−メチ
ルペンタン酸2−オキソ−2−フェニルエチルエステル
〔2-oxo-2-phenylethyl (2S)-2-hydroxy-4-methylpenta
noate〕の合成 L-ロイシン酸(132mg, 1mmol)をEtOH (3ml)に溶解し、
臭化フェナシル(240mg, 1.2mmol)、炭酸ナトリウム(53m
g, 0.5 mmol), 水(1ml)を加えて4時間加熱還流する。
冷却後メタノールを減圧留去し水で希釈しエーテルを加
えて結晶化させると250mg(85%)を得る。 2) 3−(2H−3,4,5,6−テトラヒドロキシピ
ラン−2−イルオキシ)テトラデカン酸〔3-(2H-3,4,5,
6-tetrahydropyran-2-yloxy)tetradecanoic acid〕の製
造 製造例14に基づいて行った。
【0113】3) 縮合反応および精製 3−(2H−3,4,5,6−テトラヒドロキシピラン
−2−イルオキシ)テトラデカン酸〔3-(2H-3,4,5,6-te
trahydropyran-2-yloxy)tetradecanoic acid〕(76mg,
0.25mmol)を無水ジクロロメタン(3ml)に溶解し、0℃で1
-エチル3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド 20μ
lを加えて一時間撹拌する。それにあらかじめ無水ジク
ロロメタンに溶解し、冷却しておいた2-oxo-2-phenylet
hyl (2S)-2-hydroxy-4-methylpentanoate (62mg, 0.25m
mol)を加えて6時間0℃で、さらに室温で12時間撹拌す
る。
【0114】反応物から無水ジクロロメタンを留去し
て、エーテルに溶解後、飽和食塩水で洗浄する。粗抽出
物をシリカゲルカラム(ヘキサン-酢酸エチル=10:1〜5:
1)で精製して、60mg(43%)を得た。これを90%酢酸に溶解
して、亜鉛粉末5mgを加えて室温で12時間撹拌する。生
成物をシリカゲルカラム(ヘキサン-酢酸エチル=5:1〜
3:1)で精製して標記化合物15を40mg(73%)を得た。
【0115】本発明の化合物15の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :358 (3)分子式 :C20H38O5 (4)質量分析 : 高分解 FABMS 実測値 359.2
764 M+H 計算値 359.2798 (C20H39O5) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1172, 1466, 1744, 2854,2925 (6)比旋光度 [α]26 D +29.9°(c 0.128, MeOH) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (s, 3H), 0.93 (d,3H), 0.95 (d,3H), 1.25-
1.35, 1.46(2H),1.57(m, 1H),1.67(m,2H), 2.35(m,2H),
3.67 (s, 3H), 3.82(s,3H),3.95(m,1H), 4.38(dd,1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 22.3(q), 23.7(d), 23.8(t), 26.3
(t), 26.9(t),30.6(t), 30.8-30.9(t), 33.2(t), 38.4
(t), 43.0(t), 44.9(t),50.4( q), 54.0(d), 70.0(d),
173.9(s), 178.9(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶
【0116】<製造例16> 3-(R)-ヒドロキシミリスチ
ン酸(L)-リジン (化合物16)の合成
【0117】
【化21】
【0118】1) 2−アミノ−6−[(フェニルメトキ
シ)カルボニルアミノ]ヘキサン酸ベンジンエステルの
合成 (benzyl2-amino-6-[(phenylmethoxy)carbonylam
ino]hexanoateの合成) 2−アミノ−6−[(フェニルメトキシ)カルボニルア
ミノ]ヘキサン酸〔2-amino-6-[(phenylmethoxy)carbon
ylamino]hexanoate〕(280mg)を トシル酸(570mg),
ベンジルアルコール(1ml)およびトルエン(5 ml)を丸底
フラスコに入れ、還流冷却器をつけたDean-Stark装置を
用いて油浴(110〜130℃)中で6時間加熱する。丸底フラ
スコを放冷しシリカゲルカラム(クロロホルム:メタノ
ール=5:1) で精製し、296mg (85%)で目的物を得
た。
【0119】2) 3−(S)-ヒドロキシミリスチン酸の合
成 製造例1で用いた方法を用いた。
【0120】3) 縮合反応および精製 2−アミノ−6−[(フェニルメトキシ)カルボニルア
ミノ]ヘキサン酸〔benzyl-2-amino-6-[(phenylmethox
y)carbonylamino]hexanoate〕(92mg)を3-(S)-ヒド
ロキシミリスチン酸(60mg)およびそれらに対して1.1
等量のヒドロキシベンゾトリアゾールをDMFに溶解し−2
0℃に冷却しつつ1-エチル3-ジメチルアミノプロピルカ
ルボジイミドを滴下終了後冷媒槽をはずし、さらに終夜
撹拌して反応を完結させる。反応物を酢酸エチルに溶か
し、その溶液を1N HCl、水、5%重曹水、水で洗った後無
水硫酸マグネシウムで乾燥させる。
【0121】溶媒を留去しメタノールに溶解し、カーボ
ン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反応液をろ過
して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗生成物を80
% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とする逆相高速
液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カプセルパッ
クC18SG120,15mm×250 mm)で得られる標記化合物20を
得た。
【0122】本発明の化合物16の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :372 (3)分子式 :C20H40N2O4 (4)質量分析 : 高分解 FABMS 実測値 373.3
064 M+H 計算値 373.3076 (C20H41N2O4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1172, 1466, 1744, 2854,2925 (6)比旋光度 [α]26 D +29.9°(c 0.128, MeOH) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (s, 3H), 0.93 (d, 3H), 0.95 (d, 3H), 1.2
5-1.35,1.46(2H), 1.57(m, 1H), 1.67(m,2H), 2.35(m,2
H), 2.65(m,2H),3.82(s,3H), 3.95(m,1H), 4.38(dd,1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.0 (q), 22.3(q), 23.7(d), 23.8(t), 26.3(t),
26.9(t),30.6(t), 30.8-30.9(t), 33.2(t), 34.1(t),
38.4(t), 42.3(t),43.0(t), 44.9(t), 50.4( q), 54.0
(d), 70.0(d), 173.9(s), 178.9(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶
【0123】<製造例17> 3-(R)-ヒドロキシミリスチ
ン酸(L)-シトルリン(化合物17)の合成
【0124】
【化22】
【0125】1) Bocシトルリンの合成 シトルリン(175mg)をジオキサン(2ml), 水(2ml)およ
び炭酸水素ナトリウム(106mg)の混合溶液中に溶かし、
氷水で冷却する。ジ-t-ブチルカルボネート(240mg)を
加え、室温で6時間撹拌する。酢酸エチル(10ml)を加
えた後、さらにクエン酸溶液を加えて水層をpH3程度と
し、水層からBocアミノ酸を抽出する。Boc アミノ酸を
エタノール水で結晶して目的物(220mg, 80%)を得る。
【0126】2) 2−アミノ−5−(アミノカルボニル
アミノ)ペンタン酸ベンジルエステルの合成(benzyl 2
-amino-5-(aminocarbonylamino)pentanoate の合成) Bocシトルリン (137mg)を4-ジメチルアミノピリジン(1
0mg)およびベンジルアルコール(56mg)に溶かし、氷浴
中で撹拌する。この溶液に1-エチル-3-[3-(ジメチルア
ミノ)プロピル]カルボジイミド塩酸塩(95mg)を加え0
℃で2時間室温で6時間撹拌する。
【0127】反応混合物を減圧下に濃縮乾固し、残分に
酢酸エチル(10ml)と水(5ml)を加え、酢酸エチル抽出部
を濃縮する。残査にトリフルオロ酢酸5mlを加えて、
室温で一時間放置しトリフルオロ酢酸を減圧下で留去
し、残査をシリカゲルカラム(クロロホルム:メタノー
ル=5:1)で精製して目的物92.4 mg を得る。
【0128】3) 3−(S)-ヒドロキシミリスチン酸の合
成 製造例1で用いた方法を用いた。 4) 縮合反応および精製 2−アミノ−5−(アミノカルボニルアミノ)ペンタン
酸ベンジルエステル〔benzyl 2-amino-5-(aminocarbony
lamino)pentanoate〕(132mg)を3-(S)-ヒドロキシ
ミリスチン酸(120mg)およびそれらに対して1.1等量の
ヒドロキシベンゾトリアゾールをDMFに溶解し−20℃に
冷却しつつ1-エチル3-ジメチルアミノプロピルカルボジ
イミドを滴下終了後冷媒槽をはずし、さらに終夜撹拌し
て反応を完結させる。反応物を酢酸エチルに溶かし、そ
の溶液を1N HCl、水、5%重曹水、水で洗った後無水硫酸
マグネシウムで乾燥させる。
【0129】溶媒を留去しメタノールに溶解し、カーボ
ン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反応液をろ過
して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗生成物を80
% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とする逆相高速
液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カプセルパッ
クC18SG120,15mm×250 mm)で得られる標記化合物22を
得た。
【0130】本発明の化合物17の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :401 (3)分子式 :C20H39N3O5 (4)質量分析 : 高分解 FABMS 実測値 359.2
957 M+H 計算値 402.2968(C20H40N3O5) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1172, 1466, 1744, 2854,2925 (6)比旋光度 [α]26 D +29.9°(c 0.128, MeOH) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (s, 3H), 0.93 (d,3H), 0.95 (d,3H), 1.25-
1.35,1.46(2H), 1.57(2H), 1.67(m,2H), 2.35(m,2H),
3.16 ( 2H),3.95(m,1H), 4.38(dd,1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 22.3(d), 23.7(d), 23.8(t), 25.5(t)
26.3(t),26.9(t), 27.9(t), 30.6(t), 30.8-30.9(t), 3
3.2(t), 38.4(t),3.0(t), 44.6(t), 50.4( q), 54.0
(d), 70.0(d), 162.2 (s), 173.9(s),178.9(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶
【0131】<製造例18> 3-(R)-ヒドロキシミリスチ
ン酸(L)-グルタミン (化合物18)の合成
【0132】
【化23】
【0133】1) Boc-Lグルタミン-ベンジルエステル
の合成 Boc-L-グルタミン(246mg)を4-ジメチルアミノピリジン
(10mg)およびベンジルアルコール(110mg)に溶かし、
氷浴中で攪拌する。この溶液に1-エチル-3-[3-(ジメチ
ルアミノ)プロピル]カルボジイミド塩酸塩(190mg)を
加え0℃で2時間室温で6時間撹拌する。
【0134】反応混合物を減圧下に濃縮乾固し、残分に
酢酸エチル(10ml)と水(5ml)を加え、酢酸エチル抽出部
を濃縮する。残査にトリフルオロ酢酸5mlを加えて、
室温で一時間放置しトリフルオロ酢酸を減圧下で留去
し、残査をシリカゲルカラム(クロロホルム:メタノー
ル=5:1)で精製して目的物92.4 mg を得る。
【0135】2) Lグルタミン-ベンジルエステルの合
成 Boc-Lグルタミン-ベンジルエステルをTFAに溶解し、室
温で1時間攪拌する。TFAを減圧で留去して、乾固して
目的物を得る。(収率90%) 3) 3-(R)-ヒドロキシミリスチン酸の合成 製造例1に述べた方法で合成した。
【0136】4) 縮合反応および精製 L-グルタミン酸-ベンジルエステルと3-(S)-ヒドロキ
シミリスチン酸およびそれらに対して1.1等量のヒドロ
キシベンゾトリアゾールをDMFに溶解し−20℃に冷却し
つつ1.1等量の1-エチル3-ジメチルアミノプロピルカル
ボジイミドを滴下する。滴下終了後冷媒槽をはずし、さ
らに終夜撹拌して反応を完結させる。反応物を酢酸エチ
ルに溶かし、その溶液を1N HCl、水、5%重曹水、水で洗
った後無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。
【0137】溶媒を留去し、メタノールに溶解し、カー
ボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反応液をろ
過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗生成物を
80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とする逆相高
速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カプセルパ
ックC18SG120,15mm×250 mm)で精査して標記化合物18
を得た。
【0138】本発明の化合物18の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :372 (3)分子式 :C19H36N2O5 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 373.27
29 M+H 計算値 373.2702(C19H37N2O5) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1223,1469,1548,1609,1734,2851,2920,352
2 (6)比旋光度 [α]26 D +68.6°(c 0.128, MeO
H) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (t, 3H), 1.25-1.35(s,18H) 1.48(m,2H), 2.
06(2H),2.20(m,2H),2.72(m,2H), 3.67(m,1H), 4.75(d
d,1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 20.2(d), 22.5(d), 23.1(d), 23.4(d),
26.9(d),30.6(d), 36.7 (d), 36.9(d), 42.6(d),52.3
(t), 70.0(t),176.5(s), 178.9(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶
【0139】<製造例19> 3-(R)-ヒドロキシミリスチ
ン酸N−メチル(L)-グルタミン酸 (化合物19)の合成
【0140】
【化24】
【0141】1) N-メチル(L)-グルタミン酸ベンジ
ルエステルの合成 N-メチルグルタミン酸(80mg)をDMFに溶かし、当量の
トリエチルアミンの存在下、臭化ベンジル1.1当量で反
応させる。反応液を氷水中に空けて、酢酸エチルで抽出
し、残査をエタノールで結晶化させ、目的物81mgを得
る。 2) 3-(S)-ヒドロキシミリスチン酸の合成 製造例1に述べた方法で合成した。
【0142】3) 縮合反応および精製 L-N−メチル(L)グルタミン酸-ベンジルエステルと3
-(S)-ヒドロキシミリスチン酸をTHFに溶解し、-3
0℃に冷却し、そこに当量のN-メチルモルホリン、クロ
ロギ酸イソブチルを加えて撹拌する。そこに、L-N−メ
チル(L)グルタミン酸-ベンジルエステルおよびそれ
らに対して2.2当量のN-メチルモルホリンを含んだ、THF
溶液を-30℃に冷やして加える。その後、常温まで、戻
して4時間撹拌する。反応物を酢酸エチルに溶かし、そ
の溶液を1N HCl、水、5%重曹水、水で洗った後無水硫酸
マグネシウムで乾燥させる。
【0143】溶媒を留去し、メタノールに溶解し、カー
ボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反応液をろ
過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗生成物を
80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とする逆相高
速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カプセルパ
ックC18SG120,15mm×250 mm)で精査して標記化合物19
を得た。
【0144】本発明の化合物19の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :387 (3)分子式 :C20H37NO6 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 360.27
04 M+H 計算値 388.2699(C20H38NO6) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1223,1469,1548,1609,1734,2851,2920,352
2 (6)比旋光度 [α]26 D +68.6°(c 0.128, MeO
H) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (t, 3H), 1.25-1.35(s,18H) 1.48(m,2H), 2.
05(2H)2.20(m,2H), 2.72(m,2H),2.90(s,3H), 3.67(m,1
H), 4.75(dd,1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 20.2(d), 22.5(d), 23.1(d), 23.4(d),
26.9(d),30.1(q), 30.6(d), 36.7 (d), 36.9(d), 42.6
(d), 52.3 (t),70.0(t), 173.9(s), 178.9(s)
【0145】<製造例20> 5−[4,6−ジメチルピリミジン−2−イル]アミ
ノ]−2−(3−ヒドロキシテトラデカノイルアミノペ
ンタン酸(化合物20)の合成
【0146】
【化25】
【0147】1) 製造例11で示した、3-(R)-ヒドロ
キシミリスチン酸(L)アルギニン(50mg)を酢酸-DMF
に溶解させ、1%硫酸1ml、アセチルアセトン(20mg)
を加えて室温で6時間攪拌する。反応終了後、氷水に反
応溶液を空け、酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥後、
減圧下で濃縮する。
【0148】粗生成物を80% アセトニトリル-0.1% ODS
を溶出溶媒とする逆相高速液体クロマトグラフィー(カ
ラム:資生堂カプセルパックC18SG120,15mm×250 mm)で
精査して標記化合物20を得た。
【0149】本発明の化合物20の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :464 (3)分子式 :C25H44N4O4 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 465.33
63 M+H 計算値 465.3441 (C25H45N4O4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1223,1469,1548,1609,1734,2851,2920,352
2 (6)比旋光度 [α]26 D +68.6°(c 0.128, MeO
H) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (t, 3H), 1.25-1.35(s,18H) 1.48(m,2H), 1.
52(2H),1.78(2H), 2.20(m,2H), 2.35(s, 6H), 2.72(m,2
H), 3.06(2H),3.67(m,1H), 4.75(dd,1H), 6.28(1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 20.2(d), 22.5(d), 23.1(d), 23.4(d),
26.9(d),30.6(d), 36.7 (d), 36.9(d), 42.6(d),52.3
(t), 70.0(t),173.9(s), 178.9(s)
【0150】<製造例21> 3-(S)-ヒドロキシパルミチ
ン酸(L)-ロイシン(化合物21)の合成
【0151】
【化26】
【0152】1) L-ロイシン-ベンジルエステル-トシル
酸塩の製造 製造例1で用いた方法に従った。 2) 3-ヒドロキシパルミチン酸の合成 a) 3-オキソパルミチン酸プロピルエステルの製造 2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン(2.26g)を無
水塩化メチレン(30ml)に溶解し0℃に冷却して撹拌す
る。これに無水ピリジン(2.7ml)と塩化n-ミリストイル
酸(3..8ml)を加えて、0℃で一時間、つづいて室温で一
時間撹拌する。反応液は氷水にあけ、2N-HCl(30 ml)を
加えて酸性にしたのちジクロロメタン30mlで二回抽出す
る。ジクロロメタン抽出部は、さらに2N-HCl(30 ml)、
飽和食塩水で洗浄後硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧
下で溶媒を留去する。得られた油状物質をエタノール30
mlに溶解し、3時間加熱還流する。反応液は減圧下で溶
媒を留去した後、n-ヘキサン-酢酸エチル(5:1)で精製し
て生成物 2.4g(収率82%)を得る。
【0153】b) 3-(R)-ヒドロキシパルミチン酸エチ
ルエステルの製造 (S)-BINAP(8mg)とビス(メチルアリル)シクロオクタ-
1,5ジエン-ルテニウムを50mlシュリンク管に入れ減圧で
アルゴン気流に置換して満たす。2mlのアセトンおよび
臭化水素水(0.29Mの0.11ml)を加え、30分間室温で撹
拌する。減圧下で溶媒を留去した後、残さに3-オキソミ
リスチン酸エチルエステル(1g)を加えて、87℃で油浴上
72時間、加熱撹拌する。反応液から減圧で溶媒を留去し
て乾固したのち、n-ヘキサン-酢酸エチル(15:1)で精製
して生成物 0.71g(収率71%)を得る。
【0154】c) 3-(R)-ヒドロキシパルミチン酸の製
造 3-(R)-ヒドロキシミリスチン酸エチルエステル(0.5g)
に1.1NのNaOH(2ml)とTHF(5.0ml)を加え、20分間撹拌す
る。反応液から、THFを減圧留去し、残さに10%クエン酸
を加えてpH3に調整した後、エーテル(20ml)で2回抽出
して、硫酸マグネシウムで乾燥して、目的物0.40g(収
率89%)を得る。
【0155】3) 縮合反応および精製 D-ロイシン -ベンジルエステル-トシル酸塩と 3-(R)-ヒ
ドロキシパルミチン酸およびそれらに対して1.1等量の
ヒドロキシベンゾトリアゾールをDMFに溶解し−20℃に
冷却しつつ1.1等量の1-エチル3-ジメチルアミノプロピ
ルカルボジイミドを滴下する。滴下終了後冷媒槽をはず
し、さらに終夜撹拌して反応を完結させる。反応物を酢
酸エチルに溶かし、その溶液を1N HCl、水、5%重曹水、
水で洗った後無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。
【0156】溶媒を留去し、メタノールに溶解し、カー
ボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反応液をろ
過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗生成物を
80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とする逆相高
速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カプセルパ
ックC18SG120,15mm×250 mm)で精査して標記化合物2
1を得た。
【0157】本発明の化合物21の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :385 (3)分子式 :C22H43NO4 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 386.329
1 M+H 計算値 386.3270 (C22H44NO4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1248,1388,1468,1566,1650,1738,2920,334
6 (6)比旋光度 [α]26 D −8.5°(c 0.128, MeOH) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (s, 3H), 0.93 (d,3H), 0.95 (d,3H),1.25-
1.35(m,22H), 1.46(2H), 1.57(m, 1H), 1.67(m,1H),2.3
5(m,2H), 3.95(m,1H), 4.38(dd,1H) (8) 13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 22.3(q), 23.7(q), 23.8(t), 26.3(t),
26.9(t),30.6(t), 30.8-30.9(t), 33.2(t), 38.4(t),
43.0(t), 44.9(t),54.0(d), 70.0(d), 173.9(s), 178.9
(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、アセ
トン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には難
溶だけナトリウム塩は易溶。
【0158】<製造例22> 3-(S)-ヒドロキシミリス
チン酸(L)-グルタミン酸(化合物22)の合成
【0159】
【化27】
【0160】1) L-グルタミン酸エステル-トシル酸塩
の製造 L-グルタミン酸 (1.3g), トシル酸(5.7g), ベンジルア
ルコール(15ml)およびトルエン(30 ml)を丸底フラスコ
に入れ、還流冷却器をつけたDean-Stark装置を用いて油
浴(110〜130℃)中で6時間加熱する。丸底フラスコを放
冷し、エーテル(50ml)と石油エーテル(50 ml)とを加え
て結晶化させ、濾取、熱エタノール(30ml)-エーテル(30
ml)より再結晶すると収量3.9 g (81%)で目的物を得
た。 2) 3-(S)-ヒドロキシミリスチン酸の合成 製造例1に述べた方法で合成した。
【0161】3) 縮合反応および精製 L-グルタミン酸-ベンジルエステル-トシル酸塩と3-
(S)-ヒドロキシミリスチン酸およびそれらに対して
1.1等量のヒドロキシベンゾトリアゾールをDMFに溶解し
−20℃に冷却しつつ1.1等量の1-エチル3-ジメチルアミ
ノプロピルカルボジイミドを滴下する。滴下終了後冷媒
槽をはずし、さらに終夜撹拌して反応を完結させる。反
応物を酢酸エチルに溶かし、その溶液を1N HCl、水、5%
重曹水、水で洗った後無水硫酸マグネシウムで乾燥させ
る。
【0162】溶媒を留去し、メタノールに溶解し、カー
ボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反応液をろ
過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗生成物を
80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とする逆相高
速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カプセルパ
ックC18SG120,15mm×250 mm)で精査して標記化合物2
2を得た。
【0163】本発明の化合物22の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :373 (3)分子式 :C19H35NO6 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 374.24
40 M+H 計算値 374.2542 (C19H36NO6) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1223,1469,1548,1609,1734,2851,2920,352
2 (6)比旋光度 [α]26 D +52.6°(c 0.118, MeO
H) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.90 (t, 3H), 1.25-1.35(s,18H) 1.48(m,2H),2.2
0(m,2H), 2.72(m,2H), 3.67(m,1H), 4.75(dd,1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.5 (q), 20.2(d), 22.5(d), 23.1(d), 23.4(d),
26.9(d),30.6(d), 36.7 (d), 36.9(d), 42.6(d),52.3
(t), 70.0(t),173.9(s), 178.9(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶
【0164】<製造例23> 3-(S)-ヒドロキシミリスチ
ン酸(L)-アルギニン(化合物23)の合成
【0165】
【化28】
【0166】1) Ng-NO2-L-アルギニンの製造 L-アルギニン塩酸塩(1.0g)の濃硫酸溶液(10ml)に硝
酸アンモニウム(2.0mg)を入れて撹拌する。エーテル
(50ml)と石油エーテル(50 ml)とを加えて結晶化させ、
濾取、熱エタノール(30ml)-エーテル(30ml)より再結晶
すると収量0.83 g(65%)で目的物を得た。 2) 3-(S)-ヒドロキシミリスチン酸の合成 製造例1に述べた方法で合成した。
【0167】3) 縮合反応および精製 Ng-NO2-L-アルギニンと3-(S)-ヒドロキシミリスチン
酸およびそれらに対して1.1等量のヒドロキシベンゾト
リアゾールをDMFに溶解し−20℃に冷却しつつ1.1等量の
1-エチル3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミドを滴
下する。滴下終了後冷媒槽をはずし、さらに終夜撹拌し
て反応を完結させる。反応物を酢酸エチルに溶かし、そ
の溶液を1N HCl、水、5%重曹水、水で洗った後無水硫酸
マグネシウムで乾燥させる。
【0168】溶媒を留去し、メタノールに溶解し、カー
ボン黒添加後、水素気流下で終夜撹拌する。反応液をろ
過して、カーボン黒を除き溶媒を留去する。粗生成物を
80% アセトニトリル-0.1% ODSを溶出溶媒とする逆相高
速液体クロマトグラフィー(カラム:資生堂カプセルパ
ックC18SG120,15mm×250 mm)で精査して標記化合物2
3を得た。
【0169】本発明の化合物23の化学的性質 (1)物質の色 :無色 (2)分子量 :400 (3)分子式 :C20H40N4O4 (4)質量分析 :高分解 FABMS 実測値 401.3134
M+H 計算値 401.3128 (C20H41N4O4) (5)赤外線吸収スペクトル(KBr) Vmax(cm-1): 1397,1457,1558,1647,2853,2924,3310 (6)比旋光度 [α]26 D +5.6°(c 0.138, MeOH) (7)1H-NMR (重メタノール中で測定、500 MHz) dppm 0.96 (t, 3H), 1.25-1.35(s,18H) 1.55( m,2H),2.
36(m,1H),3.13(m,2H), 2.65 (2H,m), 3.93(m,1H), 4.75
(dd,1H) (8)13C-NMR (重メタノール中で測定、125MHz) dppm 14.0(q), 22.6(d), 25.5(d), 29.4(d), 29.6(d),
29.7(d),32.0(d), 36.9 (d), 37.3(d), 40.2 (t), 43.
4(t), 53.8(t), 67.6 (t),163.1(s) 172.7(s), 173.3
(s) (9)溶解性 :DMSO, メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶、水には
難溶だがナトリウム塩は易溶
【0170】<殺藻試験>本化合物の微細藻類に対する殺
藻活性試験については特に限定するものではないが、実
施例を示す。微細藻類ヘテロカプサ サーキュラリスク
アマ(Heterocapsa circularisquama),(以下、H.c)
プロロセントラム ミカンス(Prorocentrum micans),
( 以下 Pr.m) スケレトネマ コスタツム(Skeleto
nema costatum)( 以下 S.c)、チートセロス クルビ
セタス(Cheatoceros curvisetus)( 以下Ch.c) は、
海水を基にしてそれに微量の金属、ビタミン類を加えた
滅菌培地(C.Chen at al., J. Antibiotics, 49, 998 1
996.)を用いて、12時間2000lux照射、12時間不照射の
インターバルで一週間培養する。この各30mlの培養液に
10mlの滅菌培地を加えてアッセイに用いる。アルコール
に溶解した各サンプルを96穴プレートに加えて風乾した
後、200μlの微細藻培養液を加えて25℃で2000luxの光
照射(12時間インターバル)で培養する。H.c, およびP
r.mの生死は顕微鏡で判定し、S.cおよびCh.cの判定は肉
眼で色素の脱着を判定する。殺藻活性の試験例を示す。
各化合物は製造例で説明したものに対応している。
【0171】
【表1】
【0172】以上の結果、新規ヒドロキシ脂肪酸類縁体
は優れた殺藻活性を示すことが判明した。化合物によっ
ては、珪藻類を殺藻するものもあるが、渦鞭毛藻類に比
べてその効果は弱い。したがって、アコヤガイやカキの
餌となる珪藻類には低毒性で、アコヤガイやカキを殺す
る渦鞭毛藻類については効果のある選択的、殺藻物質と
して有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】各製造例、試験例における化合物の化学構造式
の対照表を示す表図である。
【図2】各製造例、試験例における化合物の化学構造式
の対照表を示す表図である。図1の続き。
【図3】各製造例、試験例における化合物の化学構造式
の対照表を示す表図である。図2の続き。
【図4】各製造例、試験例における化合物の化学構造式
の対照表を示す表図である。図3の続き。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 47/28 A01N 47/28 Z 47/44 47/44 C07C 67/08 C07C 67/08 231/02 231/02 235/12 235/12 237/22 237/22 273/18 273/18 275/16 275/16 277/08 277/08 279/14 279/14 C07D 207/16 C07D 207/16 239/42 239/42 Z (72)発明者 志津里 芳一 静岡県清水市袖師町1900番 株式会社海洋 バイオテクノロジー研究所清水研究所内 (72)発明者 友沢 孝 神奈川県横浜市戸塚区名瀬町344番の1 大成建設株式会社技術センター内 (72)発明者 川又 睦 神奈川県横浜市戸塚区名瀬町344番の1 大成建設株式会社技術センター内 (72)発明者 上野 成三 神奈川県横浜市戸塚区名瀬町344番の1 大成建設株式会社技術センター内 Fターム(参考) 4C069 AA17 BB02 BB15 BB22 BD02 CC17 4H006 AA01 AA02 AB04 AC53 AC80 BJ50 BN10 BS10 BT12 BU32 BV21 BV22 KA06 4H011 AA02 AD01 BA01 BB06 BB09 BB11 BB14 BC03 DA07 DA13 DC08 DD01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)で示されるヒドロキ
    シ脂肪酸類縁体。 【化1】一般式(1) 上記一般式で表せる化合物において、XはNRまたはOで
    あり、ここでRは、Hおよび例えば、メチル、エチル、
    n-プロピル等のアルキル基である。R1及びR2は置換基
    である。なお、R1とRは結合して、5員環又は6員環
    を形成してもよい。(ただし、ヒドロキシミリスチン酸
    ロイシンは除く。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)の化合物と一般式
    (3)の化合物とを縮合反応させることによる一般式
    (1)で表されるヒドロキシ脂肪酸類縁体の製造方法。 【化2】 なお、上記一般式(1)−(3)において、nは5〜1
    2の整数を、X1は、NHRあるいはOHであり、ここでR
    は、H及び例えば、メチル、エチル、N−プロピルなど
    のアルキル基である。R1,R2はそれぞれ置換基を、Y
    2,Y4はカルボン酸の保護基を、Y3は水酸基の保護基
    を表す。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の一般式(1)で示される
    ヒドロキシ脂肪酸類縁体を含有する殺藻剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103980150A (zh) * 2014-04-12 2014-08-13 烟台恒迪克能源科技有限公司 一种脂肪醇醚烷酰基氨基酸钠的合成方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103980150A (zh) * 2014-04-12 2014-08-13 烟台恒迪克能源科技有限公司 一种脂肪醇醚烷酰基氨基酸钠的合成方法

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