JP2002346856A - 抜管工具 - Google Patents

抜管工具

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JP2002346856A
JP2002346856A JP2001149634A JP2001149634A JP2002346856A JP 2002346856 A JP2002346856 A JP 2002346856A JP 2001149634 A JP2001149634 A JP 2001149634A JP 2001149634 A JP2001149634 A JP 2001149634A JP 2002346856 A JP2002346856 A JP 2002346856A
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tube
contact area
pipe
collar
collar portion
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JP2001149634A
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English (en)
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Hideaki Okajima
英昭 岡島
Eiji Mori
栄次 森
Toshiharu Tanaka
敏晴 田中
Katsuyuki Teranushi
勝之 寺主
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Sugino Machine Ltd
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Sugino Machine Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スケールを除去することなく、また、管板に
損傷を与えることなく管板から管が引き抜けるようにす
るための接触面積拡大部のカラーを設けた抜管工具を提
供することを課題とする。 【解決手段】 管内面に刃が食い込み係合された係合部
材をロッドにより引き抜く引き抜き手段と、前記管を支
持する管板の管周囲部と前記引き抜き手段との間に介設
されて、前記ロッドの進退移動を許容しながら両者に前
記引き抜き手段の引き抜き反力を作用させるカラーとを
有する抜管工具において、前記カラー部の先端部は、先
端外周部から管板の隣接する管周囲部に延びてこれに当
接する接触面積拡大部を備えたことを特徴とする抜管工
具である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器や復水
器、凝縮器等の構造物に嵌合によって取り付けられた管
を引き抜くための抜管工具に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電所、原子力発電所や、化学プラ
ント等に設備されている熱交換器、復水器あるいはボイ
ラ等には、内部に流体が流動する多数の管が取り付けら
れている。これらの管は、通常は鋼管及び銅管等の金属
管で構成されているため、表面には長期の使用による老
朽化によってはスケールの付着や腐食または破損が生じ
る。このため、専用の抜管工具により管を引き抜き、交
換など、定期的なメンテナンスが実施される。
【0003】図4乃至図7は、従来の抜管工具を示す。
図4は、抜管工具20の外観を示す正面図であり、抜管
工具20とコントロールユニット(図8参照)より構成
される。図4に示すように、抜管工具20の本体は、油
圧シリンダ23で構成されており、油圧シリンダ23の
ピストン(後記する)にロッド25が連結され、ロッド
25に管を引き抜くための係合部材26が取り付けられ
ている。油圧シリンダの先端部には抜管ヘッド22が取
り付けられ、抜管ヘッド22の先端部に反力受けとして
のカラー部21が設けられている。また、前記油圧シリ
ンダ23には、往復動を切り替えるための油圧ユニット
(図示せず)に油圧ホース24,24を介して接続され
ている。
【0004】図5は、前記抜管工具20の内部を示す1
部切欠断面図を示しており、引き抜こうとする管30に
係合部材26を挿入した状態を示す。図5に示すよう
に、ロッド25は油圧シリンダ23内に往復移動自在に
収容されているピストン23aの先端軸心部に連結され
ていて、ピストン23aと一体に移動する。ロッド25
の前部には係合部材26の拡径寸法を微調整するための
アジャストナット32とその緩み止めのロックナット3
3が螺着されており、アジャストナット32により管3
0への食い込み過ぎを防ぐとともに、好適な食い込み量
を調整することができる。なお、縮径ブロック31は、
管30の引き抜き作業が終了し、管30と係合部材26
との係合を解除する際の、拡径した係合部材26を縮径
するためのブロックである。図6(d)は、図5の係合
部のD−D断面であり、図6(e)は、同じく図5の係
合部のE−E断面である。図6(d)、(e)に示すよ
うに、係合部材26は上下に移動可能で拡径、縮径する
コレット26a,26bと、このコレット26a,26
bを径方向に沿わせて案内するためのロッド25のテー
パ部25aと溝部25bとから構成されている。
【0005】また、図5において、前記係合部材26を
管30の内面に係合させて管30の引き抜きを可能とす
るための係合機構の第1ステップとして、アダプタ28
は、ロッド25の後退により一緒に動こうとする摺動抵
抗(摩擦力)はボールプランジャ27内のコイルバネの
付勢力(阻止力)を有するボールにより軸方向の後退が
阻止されて同位置に保持される。コレット26a,26
bは一旦ロッド25が引かれると、アジャストナット3
2の端面32aがコレット26a,26bの端面26c
が当接するまで拡径して、コレット26a,26bが管
30の内面に係合し、管30の内面に食い付くことにな
る。第2ステップとして、アジャストナット32の端面
32aがコレット26a,26bの端面26cに当接す
ると、油圧シリンダ23の推力がボールプランジャ27
内のコイルバネの付勢力よりも圧倒的に勝るため、アダ
プタ28は、ボールを乗り越えて後退し、コレット26
a,26b等の係合部材26が管30の内面に係合して
管30を引き抜くことになる。
【0006】したがって、従来の抜管工具では、ロッド
25が油圧シリンダ23に近づく方向(後退方向)に移
動されると、係合部材26は、アダプタ28が軸方向の
現位置を保持しているため、ロッド25のテーパ部25
aの案内により、係合部材26のコレット26a、26
bが面接触され、径方向にスライドされて、管30の内
面にコレット26a、26b(図6(d)参照)の外周
部に設けた多数の鋸歯状を有する刃が食い込むため、強
固なクランプができる。さらに、抜管方向に移動させる
ことにより、確実に抜管を行うことができる。また、抜
管作業が終了すると、ロッド25が前進方向に移動さ
れ、ロッド25と連動して動く縮径用ブロック31によ
り係合部材26を管30の内面から離れる方向に押され
て、係合部材26を管30の内面から強制的に引き離す
ので、コレット26a、26bが管30の内面に食い込
んだままの状態になるのを防止することができる。これ
により、クランプを解除することができ、繰り返しの作
業がスムーズに行われて作業性の向上に寄与する。
【0007】図6は、従来の抜管工具20を使用して管
を抜き取る工程を示す説明図である。図6(a)は、引
き抜こうとする管30に抜管工具20の係合部材26を
挿入した状態を示す断面図である。係合部材26のコレ
ット26a、26bをアンクランプ状態(油圧シリンダ
23のピストン前進、ロッド25前進)にして、コレッ
ト径を最小径にして、その状態で引き抜こうとする管3
0に係合部材26が挿入され、引き抜く際に反力を受け
る円筒状のカラー部21の先端は、管板面29aに当接
される。次に、図6(b)に示すように、油圧シリンダ
23の駆動(ピストン後退)によるロッド25の後退に
より、係合部材26の爪径が拡張され、管の内面にコレ
ット26a、26bを食い込ませて係合する。油圧シリ
ンダ23のピストン23aを後退させ、ロッド25を後
退させることにより、図5に示すアダプタ28がボール
プランジャ27の働きによって、係合部材26の爪径b
の拡張が先行され、管30の内面に食い込まれて係合す
る。図6(c)は、油圧シリンダをさらに後退させて管
を引き抜いている状態の断面図である。図6(c)で
は、アダプタ28の鍔の山形部がボールプランジャ27
(図5参照)を乗り越えることにより、油圧シリンダは
後退を続け、管30と一体化した係合部材26とが矢印
aの方向に引き抜かれる。こうした抜管作業を迅速に行
うための抜管工具として、本発明者等が先に提案した抜
管装置、例えば特開2000−288845号が知られ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示すように、従来の抜管工具20では、引き抜き力の反
力を受けるカラー部21の先端部と、管板29とが当接
する管板面29aの接触面積は、管30,30…の配置
形態と管30の管端部外形d1により制約されるため、
カラー部21の外径d4と内径d5の寸法が充分に取れ
ないときは、管板面29aに対する単位面積当たりの押
圧力(以下、面圧という)が増大し、その結果、管板面
29aに座屈や亀裂、凹凸等の損傷が発生し、抜管工具
20が適用できない場合があった。また、管板面29a
に経時的なスケールが発生し、表面に凹凸が生ずると、
管板に対するカラーの接触面積は1段と小さくなり、凹
凸部で局部的に面圧が上昇するため、作業前にきれいに
除去する必要があり、作業能率の低下が問題であった。
例えば、従来のカラー部21の接触面積は2.0cm2
であり、管を引き抜く際の油圧シリンダの推力は30K
Nであるため、面圧は150MPaに達し、管板面29
aに局部的な座屈や亀裂等の損傷を発生させていた。
【0009】そこで、本発明は、前記課題を解決するた
めに創案されたもので、スケールを除去することなく、
また、管板に損傷を与えることなく管板から管が引き抜
けるようにするため、接触面積拡大部のカラーを設けた
抜管工具を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
前記課題を解決するために創案されたものであり、管内
面に刃が食い込み係合された係合部材をロッドにより引
き抜く引き抜き手段と、前記管を支持する管板の管周囲
部と前記引き抜き手段との間に介設されて、前記ロッド
の進退移動を許容しながら両者に引き抜き手段の引き抜
き反力を作用させるカラー部とを有する抜管工具におい
て、前記カラー部の先端部は、先端の外周部から隣接す
る管の周囲部に延びて管板に当接する接触面積拡大部を
備えた抜管工具を提供するものである。
【0011】すなわち、カラー部を円筒状に形成し、カ
ラーの先端面を引き抜こうとする管と、この管を中心と
して管の回りに配置されている管との間のリング状の管
周囲部に、カラー部を着座させて管を引き抜く構成で
は、カラー部の着座面積を拡大することができないが、
引き抜こうとする管の外側に配置されている管と管との
間には一定の隙間があり、しかも、これら管と管との間
の管板の管周囲部が引き抜こうとする管の回りの管周囲
部と同一平面内で連続している。従って、これらの管周
囲部を利用すれば、管板に対するカラー部の面圧を下
げ、面圧の高さに起因する管板の損傷を防止することが
可能となる。そこで、請求項1記載の発明では、前記カ
ラー部にその先端外周部から隣接する管の周囲部に延び
て管板に当接する接触面積拡大部を設け、この接触面積
の拡大により管板に対するカラー部の面圧を下げて、管
を引き抜く際の管板の損傷を防止している。ここで、接
触面積拡大部は、その平面的な形態は自由であるが、引
き抜こうとする管の外側の管と管との間のスペースを利
用できる。且つ、管板に対して倒れを防止できれば、管
板の許容面圧(単位面積当りの圧力)は、最小の大きさ
とすることがきる。
【0012】請求項2に記載された発明は、請求項1に
記載の発明において、前記カラー部の接触面積拡大部と
前記管板との接触面に、管板との片当たりを吸収する緩
衝体を取り付けた抜管工具を提供するものである。
【0013】このように構成すると、前記管板の表面の
凹凸が緩衝体によって吸収され、管板に対するカラー部
及び接触面積拡大部の傾きが防止される。このため、カ
ラー部及び接触面積拡大部の片当たりに起因した面圧の
増大による管板の損傷が防止される。よって、管板のス
ケールを除去作業が不要となり、抜管作業の作業能率が
向上する。
【0014】請求項3に記載された発明は、請求項1ま
たは2に記載の抜管工具であって、前記接触面積拡大部
は、前記抜管工具のカラー部先端に着脱自在に取り付け
られたことを特徴とする。
【0015】すなわち、管板に取り付けられている管の
外径、ピッチは標準化されてはいるが、一つではない。
このため、請求項3に記載された発明では、前記接触面
積拡大部を前記抜管工具のカラー部先端に着脱自在とし
てこのような場合に対応する。
【0016】請求項4記載の発明は、管内面に係合され
た係合部材をロッドにより引き抜く引き抜き手段と、前
記管を支持する管板の管周囲部と前記引き抜き手段との
間に介設されて、前記ロットの進退移動を許容しながら
両者に前記引き抜き手段の引き抜き反力を作用させるカ
ラー部とを有する抜管工具において、前記カラー部の先
端部に隣接する複数の管の管端を覆い、これら管の管端
及び管板に当接して接触面積を拡大する接触面積拡大部
を設けて、このカラー部の接触面積拡大部と前記管端及
び管板との接触面との間に凹凸を吸収する緩衝体を介設
した抜管工具を提供するものである。
【0017】このようにすると、緩衝体により管板の凹
凸が吸収され、また管の管端に対する荷重が吸収される
ため、請求項2記載の発明と同様に、管板と隣接する管
の管端に損傷を与えることなく管を引き抜くことが可能
となる。また、管板のスケールを除去する作業が不要と
なり、抜管作業の作業能率が向上する。また、請求項2
記載の発明と比較すると構成が簡単となるため安価に提
供することができる。
【0018】請求項5に記載された発明は、請求項4に
記載の抜管工具において、前記接触面積拡大部は、前記
抜管工具のカラー部先端に着脱自在に取り付けられたこ
とを特徴とする。
【0019】すなわち、接触面積拡大部をカラー部先端
に取り付けるようにすると、工具の管理が便利なものと
なる。また、交換により、管の配置の違った構造物にも
対応できる。さらに、一体化した場合と比較して安価に
製造でき、メンテナンスも容易となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態の抜管
工具は、カラー部を除く他の構成が従来技術で説明した
抜管工具と同じであるため、以下の実施形態では、カラ
ー部の構造について説明し、他の構成は省略するものと
する。
【0021】(第1実施の形態)図1(a)は、本発明
に係るカラー部21の先端部の接触面積拡大部を示す正
面図であり、図1(b)は、カラー部21内の係合部材
を省略したA−A断面図である。図1(a)に示すよう
に、管板2には千鳥又は三角配置状に複数の管3,3…
が配置される。複数の管3,3…は三角状に配置され、
それぞれ管板2の嵌合穴に対して一体に嵌合されてい
る。管板2の材質は、例えば、ネパール黄銅であり、許
容面圧は88MPaである。図中、中央の管3は、6本
の隣接する管3a,3b,3c,3d,3e,3fに囲
まれている。各々が構成する三角形の1辺を、33.3
mmとしたとき、各管3,3…の直径d2は25.4m
mとなり、管板2の側面まで延び、略ラッパ形に拡径さ
れた管端部の外径d1は、29mmとなる。
【0022】前記カラー部21には、その先端外周部
に、接触面積拡大部5の5a,5b,5c,5d,5
e,5fが設けられる。接触面積拡大部5の5a,5
b,5c,5d,5e,5fは、カラー部21の外周面
から外側に延びて、引き抜こうとする管とその外側に配
置されている管と管の間の管周囲部(以下、外側管周囲
部という。)に延びて外側の管と管との隙間を埋めるよ
うに形成されていて、引き抜こうとする管の外側で、且
つ引き抜こうとする管の外側に配置されている管より内
側のリング状の隙間内に位置するリング状の管周囲部
(以下、中心側管周囲部という。)に着座されたとき、
接触面積拡大部5が各外側管周囲部に着座するように形
成されている。もちろん、接触面積拡大部5は、中心側
管周囲部に対してカラー部が傾きなく着座されるように
するために、管端側の端面が同一平面を構成するように
設けられる。
【0023】このように、カラー部21の先端部には、
接触面積拡大部5の5a,5b,5c,5d,5e,5
fが設けられ、管板2とカラー部21の先端面と管板2
との接触面積は、接触面積拡大部5の5a,5b,5
c,5d,5e,5fを設けていないときとくらべて、
2.0cm2の2倍の4.2cm2まで増加し、管板2に
対するカラー部21全体としての面圧は、管板の許容面
圧(88MPa)以下の72MPaとなる。この結果、
管板2に損傷を与えにくい状態で、管板2から管3が引
き抜かれる。
【0024】また、この実施の形態において、接触面積
拡大部5は、図1(b)に示すように、カラー部21か
ら分割する一方、接触面積拡大部5の側面にはネジ穴を
設けて小ネジ13により、カラー部21と一体化しても
よい。このようにすると、カラー部の管理が容易化さ
れ、また、交換により管の配置の違った構造物にも対応
することができる。さらに、一体化とする場合と比較し
て安価に製造でき、メンテナンスも容易となる。さら
に、管板2に対する前記カラー部21及び接触面積拡大
部5a,5b,5c,5d,5e,5fの接触面に対し
て、スケールなどに起因した管板2の表面の凹凸を吸収
すべく緩衝体(後述する)を設けたときは、管板2に対
するカラー部21及び接触面積拡大部の傾きにかかわり
なく、カラー部21及び接触面積拡大部5a,5b,5
c,5d,5e,5fの片当たりに起因する面圧の異常
な増大による管板2の損傷が防止される。
【0025】(第2実施の形態)図2(a)は、本発明
に係る第2実施の形態の抜管工具を示す正面図であり、
図2(b)は、そのB−B断面図である。図2(a)に
示すように、管板2の管3の配置は、前記第1実施の形
態と同様であるが、各管3,3…の管端部に略ラッパ形
の広がりはなく、管板2の側面まで延びた各管3,3…
の外径d2は25.4mmとなっている。このため、管
板2に対するカラー部21の接触面積は、第1実施の形
態と比べて幾分広くなっているが、面圧による損傷を防
止できるまでの広さはない。このため、カラー部21に
接触面積を拡大するための接触面積拡大部6が設けられ
る。前記接触面積拡大部6は、カラー部21の先端部の
外周面に設けられていて、引き抜こうとする管3を中心
に据えたとき、中心側管周囲部と外側管周囲部とに着座
するように、且つ、引き抜こうとする管3の外側に位置
する管の周囲部を円周方向に沿って取り囲むように形成
される。
【0026】すなわち、この第2実施の形態に係る接触
面積拡大部6は、引き抜こうとする管3の外側の管のみ
ならず、その外側の管と、その外側の管のまた外側の管
との隙間ならびに、外側の管同士の周方向隙間を全て埋
めるように形成され、結果として、各管端との干渉を避
けるための逃げ穴を形成している。なお、図示例では、
必要な接触面積を充分に確保できるのに小判形に形成さ
れるが、この形状に限定されるものではない。また、接
触面積拡大部6の端面に、緩衝体7を取り付けたとき
は、スケールがあって凹凸面を有する管板面であって
も、この緩衝体7が凹凸を吸収するので、管板に対する
カラー部及び接触面積拡大部6の傾きが防止される。な
お、緩衝体7はゴム弾性を発揮する弾性体であり、例え
ば、厚み6mmのウレタンゴム板、あるいはクロロプレ
ンが好適である。さらに、図2(b)に示すように、接
触面積拡大部6をカラー部21から分割する一方、接触
面積拡大部6にネジ穴を設けて、小ネジ13により固定
できる構造としたときは、接触面積拡大部6の端面に係
合させるためのピン11を設けて緩衝体7の係合穴12
に係合するようにして構成してもよい。よって、この実
施の形態にあっても、管板2に損傷を与えることなく、
管板2から管3を引き抜くことができる。
【0027】(第3実施の形態)図3(a)は、本発明
に係る第3実施の形態の抜管工具を示す正面図であり、
図3(b)は、そのC−C断面図である。図3(a)に
示すように、管板2の管3の配置と管端形状は、前記第
1の実施の形態と同様であるが、接触面積拡大部の形状
が異なる。本発明の接触面積拡大部8は、外周形状が小
判型を有し、穴8aのほかに穴はなく、複数の管端を覆
うようにカラー部21の外周部を拡張したプレート状の
接触面積拡大部を設け、その端面には、同形状の輪郭を
有する緩衝体9を設けている。緩衝体9は、係合部材を
管3の内面に係合させて管3を引き抜く際の穴8aが設
けられ、弾性変形により各管端の突出部を直接吸収して
管板2に当接する。本発明の抜管工具である接触面積拡
大部8により、接触面積を大幅に拡大できるため、管板
2に損傷を与えることなく、管板2から管3を引き抜く
ことが可能となる。図3(b)に示すように、接触面積
拡大部8がカラー部21から分割したときは、前記した
ように小ネジ13により固定してもよい。
【0028】(第4実施の形態)図8は、第4実施の形
態による抜管工具を示す全体構成図である。このタイプ
の抜管工具は、コレットの拡径により管の内面にコレッ
トを係合させ、コレットと一体化した管とコレット毎管
を引き抜くようにした抜管工具とは異なり、芯軸(以
下、「矢」という)を、管にねじ込み、矢を引き抜くこ
とにより、管を引き抜くことができる(特開平7−29
9673号公報等)。
【0029】図8に示すように、この抜管工具は、可搬
シリンダユニット100と、コントロールユニット20
0より構成され、可搬シリンダユニット100は、芯軸
(矢)95の他に、第1、第2のコレットチャック(図
示せず)を備えている。また、可搬シリンダユニット1
00は、中心軸に沿った貫通穴102を有し、芯軸
(矢)95およびそれに連結された管がこの貫通穴10
2を通過して引き抜かれる。シリンダユニット100
は、支持構体101の先端に、前記管板と当設するカラ
ー103を着脱可能に備えており、内部には一対の油圧
シリンダ装置(図示せず)がタンデム配置で組み込んだ
可搬ユニットとして構成されている。そして、各油圧シ
リンダ装置のピストンロッドには、芯軸95並びに管の
外形に適合する第1、第2のコレットチャックが装着さ
れていて、前記管を引き抜く際にシリンダ装置のピスト
ンロッドにクランプされ、一体化される。芯軸(矢)9
5は、抜管対象の管とほぼ同外形の例えば炭素鋼からな
り、先細りのテーパ状先端部の外周面には、引き抜き方
向へ逆歯となるように鋸歯状の係合ねじ溝96が形成さ
れ、後端部には管へのねじ込み係合用の四角部97が設
けられている。
【0030】このため、芯軸(矢)95の先端がテーパ
状した係合ねじ溝96を管の管端に挿入し、後端部の四
角部97をインパクトレンチ等で回して管の内面に係合
ねじ溝96がねじ込むと、係合ねじ溝96が、タップ加
工のように管の内面にねじを削りながら食い込む。次
に、ねじ込まれた芯軸(矢)95からインパクトレンチ
を取りはずし、芯軸(矢)95に可搬シリンダユニット
100を装着する。このときは、中空構造をもつ貫通穴
102に芯軸(矢)95を通し、これを2つのコレット
チャック間に装着する。この状態で2つのコレットチャ
ックの開閉と2つの油圧シリンダ装置の継続的なサイク
ルの繰り返しにより、管は引き抜かれる。この引き抜き
動作による引き抜き力は、最大30,000kgにもな
る。このため、反力を受けるカラー部103の先端部と
管板との当接面にかかる押圧力によって、管板に座屈や
亀裂、凹凸等の損傷が発生する。そこで、抜管工具10
0のカラー部103の接触面積を拡大して、管板の損傷
を防止する。
【0031】図9(a)は、第4実施の形態による抜管
工具を示す正面図であり、図9(b)は、そのD−D断
面図である。図9(a)において、接触面積拡大部8b
と緩衝体9b、管板2の管3の配置と管端形状は、前記
第3の実施の形態と同様である。図9(b)に示すよう
に、例えば、支持構体101に着脱可能に備えたカラー
部103(図8参照)に、接触面積を拡大するための接
触面積拡大部8bと緩衝体9bを設けている。このた
め、接触面積が大幅に拡大される。この結果、第1実施
の形態と同様に、接触面積拡大部8bと緩衝体9bとが
管3を引き抜く際の反力を受けることにより、管板2に
損傷を与えることなく、管板2から管3を引き抜くこと
が可能となる。なお、接触面積拡大部8bと緩衝体9b
の形態は、前記第1の実施の形態で説明した接触面積拡
大部5dや第2の実施の形態で説明した接触面積拡大部
6と緩衝体7であってもよい。
【0032】なお、カラー部21又は支持構体101
と、接触面積拡大部5,6,8,8bとの結合方法は、
本実施の形態に限られるものではなく、例えば、螺着、
磁着、接着でも構わない。また、本発明が対象とする抜
管工具を別の表現で言い表すとすれば、拡径により管の
内面に当接し縮径により管の内面から離脱すべく拡縮自
在に形成されたコレットと、該コレットに係離自在に形
成され係合時に該コレットを径方向に拡径するコレット
拡径部材と、該コレット拡径部材を係脱位置に作動する
ロッドと、該ロッドを油圧により作動する工具本体と、
前記管を支持する管板の管周囲部に当接され前記工具本
体の抜き取り反力を付勢する円筒状のカラー部とを有す
ることになる。
【0033】
【発明の効果】以上の構成と作用からなる請求項1に記
載の発明によれば、前記カラー部の先端部の外周形状
を、隣接する管と管との隙間(スペース)を有効利用す
る形で拡張し、接触面積拡大部を設けたことにより、管
板に対するカラー部の接触面積を増加できることから、
面圧の低減ができることから、管板の当接面に局部的な
座屈や亀裂等の損傷を発生させることが防止できる。
【0034】請求項2に記載の発明によれば、前記カラ
ー部の先端部には、カラーの外周部を拡張した接触面積
拡大部のカラーを設け、接触面積拡大部のカラーの端面
には、管端径および管配置に合わせて成形した緩衝体を
取り付けたことにより、反力を受けるカラーの先端部の
接触面積が確保できるので、管板に対するカラー部の面
圧の低減が可能であり、管板の当接面に局部的な座屈や
亀裂等の損傷を発生させることが防止できる。また、管
板面にスケールによる凹凸があっても接触面積の増大に
よって面圧の上昇が防止できることから、スケールの除
去作業が不要となるため、抜管作業が効率よくできると
共に、面圧の低減により管板に損傷を与えることなく、
管を引き抜くことが可能である。
【0035】請求項3に記載の発明によれば、前記抜管
工具のカラー部先端に小ネジにより簡単に着脱できるよ
うにすることにより、管の配置の違った構造物にもカラ
ー交換により対応でき、さらに、抜管工具のカラー部の
製作を容易にするとともに、抜管工具の製作費が安価に
できる。
【0036】請求項4に記載の発明によれば、前記カラ
ー部の先端部には、複数の管端を覆うようにカラーの外
周部を拡張した接触面積拡大部のカラーを設け、カラー
の端面には、隣接する複数の管端を覆うように当接する
緩衝体を取り付けたことにより、カラー部の先端部の接
触面積を増大させ、管板に対するカラー部の面圧を下げ
ることができることから、管板の当接面に局部的な座屈
や亀裂等の損傷を発生させることがない。また、管の配
置の違った構造物でもカラー交換することなく対応でき
るため、作業能率の向上ができる。
【0037】請求項5に記載の発明によれば、前記抜管
工具のカラー部先端に小ネジにより簡単に着脱できるよ
うにすることにより、管の配置の違った構造物にも接触
面積拡大部のカラー交換を必要とせずに対応できるた
め、対応が簡単で柔軟性があり、しかも安価にできる。
また、緩衝体の着脱が容易にできるため、メンテナンス
が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示し、(a)は、本
発明に係るカラー部の先端部の接触面積拡大部を示す正
面図であり、(b)は、そのA−A断面図である。
【図2】本発明の第2実施の形態を示し、(a)は、本
発明に係るカラー部の先端部の接触面積拡大部と緩衝体
を示す正面図であり、(b)は、そのB−B断面図であ
る。
【図3】本発明の第3実施の形態を示し、(a)は、本
発明に係るカラー部の先端部の接触面積拡大部と緩衝体
を示す正面図であり、(b)は、そのC−C断面図であ
る。
【図4】従来の抜管工具の全体構成を示す正面図であ
る。
【図5】従来の抜管工具のカラー部内の係合部材を示す
1部切欠の断面図である。
【図6】従来の抜管工具を使った抜管作業の工程を示す
説明図である。図6(a)は、抜管工具の係合部材を引
き抜こうとする管に挿入した状態の説明図である。図6
(b)は、コレットの爪径を拡張し、管の内面に係合さ
せた状態の説明図である。図6(c)は、油圧シリンダ
を作動させて管を引き抜いている状態の説明図である。
【図7】(a)は、従来の抜管工具に係るカラーの形状
を示す正面図である。(b)は、そのD−D断面図であ
る。
【図8】本発明の第4実施の形態として、芯軸(矢)を
使用して係合する抜管工具の全体構成図である。
【図9】図9(a)は、本発明に係る第4実施の形態の
抜管工具を示す正面図であり、図9(b)は、そのD−
D断面図である。
【符号の説明】
2 管板 3 管 5,6,8,8b 接触面積拡大部 7,9 緩衝体 11 ピン 12 ピン穴 13 小ネジ 20 抜管工具 21 カラー部 22 抜管ヘッド 23 油圧シリンダ 23a ピストン 24 油圧ホース 25 ロッド 25a テーパ部 25b 溝部 26 係合部材 26a、26b コレット 27 ボールプランジャ 28 アダプタ 29 管板 29a 管板面 30 管 31 縮径用ブロック 32 アジャストナット 33 ロックナット
フロントページの続き (72)発明者 田中 敏晴 富山県魚津市本江2410番地 株式会社スギ ノマシン内 (72)発明者 寺主 勝之 富山県魚津市本江2410番地 株式会社スギ ノマシン内 Fターム(参考) 3C030 BA01 CA03 CA18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管内面に刃が食い込み係合された係合部
    材をロッドにより引き抜く引き抜き手段と、前記管を支
    持する管板の管周囲部と前記引き抜き手段との間に介設
    されて、前記ロッドの進退移動を許容しながら両者に前
    記引き抜き手段の引き抜き反力を作用させるカラー部と
    を有する抜管工具において、 前記カラー部の先端部は、先端の外周部から隣接する管
    の周囲部に延びて管板に当接する接触面積拡大部を備え
    たことを特徴とする抜管工具。
  2. 【請求項2】 前記カラー部の接触面積拡大部と前記管
    板との接触面に、管板との片当たりを吸収する緩衝体を
    取り付けたことを特徴とする請求項1記載の抜管工具。
  3. 【請求項3】 前記接触面積拡大部は、前記抜管工具の
    カラー部先端に着脱自在に取り付けられたことを特徴と
    する請求項1または2に記載の抜管工具。
  4. 【請求項4】 管内面に係合された係合部材をロッドに
    より引き抜く引き抜き手段と、前記管を支持する管板の
    管周囲部と前記引き抜き手段との間に介設されて、前記
    ロットの進退移動を許容しながら両者に前記引き抜き手
    段の引き抜き反力を作用させるカラー部とを有する抜管
    工具において、 前記カラー部の先端部に隣接する複数の管の管端を覆
    い、これら管の管端及び管板に当接して接触面積を拡大
    する接触面積拡大部を設けて、このカラー部の接触面積
    拡大部と前記管端及び管板との接触面との間に凹凸を吸
    収する緩衝体を介設したことを特徴とする抜管工具。
  5. 【請求項5】前記接触面積拡大部は、前記抜管工具のカ
    ラー部先端に着脱自在に取り付けられたことを特徴とす
    る請求項4記載の抜管工具。
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