JP2002338968A - オイルサンド油の回収方法 - Google Patents

オイルサンド油の回収方法

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JP2002338968A JP2001141472A JP2001141472A JP2002338968A JP 2002338968 A JP2002338968 A JP 2002338968A JP 2001141472 A JP2001141472 A JP 2001141472A JP 2001141472 A JP2001141472 A JP 2001141472A JP 2002338968 A JP2002338968 A JP 2002338968A
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野 晴 元 水
Toshiki Wakabayashi
林 俊 樹 若
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SAGD法において、坑井間距離を拡大して
積算油生産量を増大させるとともに、ブレークスルー期
間を短縮して油生産の遅延を防止する経済性に優れたオ
イルサンド油の回収方法を提供すること。 【解決手段】 地表面からオイルサンド層へ、水平坑井
を掘削するサーフェースSAGD法において、圧入井よ
り水蒸気圧入を行う前に、界面活性剤を圧入するオイル
サンド油の回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オイルサンド油の
回収方法に関し、さらに詳しくは、サーフェース水蒸気
支援重力排油法(SAGD法)において、圧入井と生産
井との水蒸気によるブレークスルーに要する時間の短縮
と、積算油生産量の増大とを両立させるために、水蒸気
圧入に先立って界面活性剤を圧入するオイルサンド油の
回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オイルサンドは、カナダおよびベネズエ
ラにて多量に産出される石油を含有する砂または砂岩で
あり、石油資源の枯渇に伴い原油に代わる燃料油供給源
として注目されるようになった。このものは、沸点が2
00℃以上であって、APIが8〜16の重質炭化水素
が、粒度10〜200メッシュの珪砂の表面に付着して
おり、炭化水素の含有量が10%以上のものが資源的に
有効性があるとされている。
【0003】従来、上記オイルサンドよりオイルサンド
油を採油する種々の方法が知られている。例えば、特開
昭55−133484号公報には、オイルサンドにサイ
クロデキストリン、もしくは、それを含有する澱粉分解
物を添加し、オイルサンド中の石油を包接化合物化する
ことにより、石油のみを分離・採取する採油法が開示さ
れている。しかしながら、この方法は、包接化合物を形
成後、この水不溶性包接化合物を遠心分離その他の方法
で分別し、これを温湯に投入するか、あるいは水蒸気蒸
留して石油を採取するものであり、操作が煩雑である上
に、石油の抽出効率が低いという欠点を有する。
【0004】また、特開昭55−164289号公報に
は、処理タンク内のオイルサンドに火焔ジェットを噴射
させ、気化分離した油分と水分、およびそれから分離し
た固形物さらに、火焔ジェットバーナの排ガスを、ダク
トを通してサイクロンに導き、該サイクロンで固形成分
を捕集し、油分、水分、排ガスは、さらにコンデンサに
導き、該コンデンサで油分と水分を別個に採取するオイ
ルサンド油の採取方法が開示されている。この方法は、
簡便な方法であるものの、常に爆発の危険が伴うという
欠点を有する。
【0005】さらに、特開昭57−128787号公報
には、不活性ガスと、水蒸気分圧が90%以下の水蒸気
との混合物であって、加熱されたガス状溶媒を予め調製
し、抽出器に供給して、該ガス状溶媒とオイルサンドと
を、300〜800℃、10kg/cm2以下の送入圧
下で接触させることによりオイルサンドの油分を抽出す
る方法が開示されている。しかしながら、この方法は、
不活性ガスを用いることによりコストの上昇を招くとと
もに、プロセスが複雑になるという欠点を有する。
【0006】従って、オイルサンドの経済的な原位置採
取技術の中では、水蒸気支援重力排油法(Steam
Assisted Gravity Drainage
Method、以下、SAGD法と略す。)が最も注
目を集め、その商業化が進められている。しかしなが
ら、該方法は、油生産速度に影響を及ぼす水蒸気チャン
バーの形成がうまく進行せず、特に上方への進展速度が
低下して、SAGD法全体の長期的な経済性に大きな影
響を与えている。
【0007】さらに、SAGD法においては、初期のオ
イルサンド層の加熱に約6ヶ月を必要とし、この期間
は、蒸気の循環が行われるのみで生産が行われないリー
ディング期間となる。よって、積算油生産量を増大させ
るために、水蒸気チャンバーの面積をいかに最大にする
か、および上記リーディング期間をいかに短縮するか
が、すなわち、いかに坑井間距離を拡大させ、しかもブ
レークスルーを早めるかという点が、SAGD法の最大
の問題点であり、従来から研究されてきた。
【0008】多くの研究の中から、SAGD法における
早期のブレークスルーの実現と、油生産速度の増加を図
るために、改良法として、生産井から間欠的に水蒸気圧
入を行うSAGD−ISSLW法が提案されている。こ
の方法は、上部の水蒸気圧入井の他に、下部の生産井に
も水蒸気の圧入機能を付加して、サイクリックな水蒸気
刺激を与えるプロセスであり、水蒸気圧入方向を変化さ
せることが可能であり全方向への水蒸気チャンバーの拡
大が期待できるなど、一定の成果が実験にて確認されて
いる。また、水蒸気の他に溶媒ガスを用いるSAGD法
なども提案されているが、未だ実験段階である。
【0009】すなわち、坑井間距離を拡大した場合に
は、油生産量は増大するものの、反面ブレークスルー期
間が長くなり、油生産に遅延を生ずる。従って、SAG
D法においては、坑井間距離を拡大することにより油生
産量を増大させ、かつブレークスルー期間を短縮する方
法の出現が切望されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、SA
GD法において、水蒸気チャンバーの面積を最大化し、
すなわち坑井間距離を拡大して積算油生産量を増大させ
るとともに、ブレークスルー期間を短縮して油生産の遅
延を防止する経済性に優れたオイルサンド油の採取方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、SAGD法にお
いて、水蒸気圧入を行う前に、界面活性剤、特にオイル
サンド層にダメージを与えない特定の界面活性剤を圧入
することにより早期のブレークスルーが実現することに
着目し、これに基づき坑井間距離を長くすることにより
広範囲に水蒸気チャンバーを拡大し油生産を増大し得る
ことを見出し、本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
地表面からオイルサンド層へ、水平坑井を掘削するサー
フェース水蒸気支援重力排油法(SAGD法)におい
て、圧入井より水蒸気圧入を行う前に、界面活性剤を圧
入するオイルサンド油の回収方法が提供される。また、
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、上
記界面活性剤が、水溶性であって、かつ、無機物である
オイルサンド油の回収方法が提供される。
【0013】さらに、本発明の第3の発明によれば、第
1または第2の発明において、上記界面活性剤が、珪酸
塩に苛性アルカリを添加してPHを9以上14以下に調
整した、変性珪酸塩の混合水溶液であるオイルサンド油
の回収方法が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のオイルサンド油の
回収方法について、より詳細に説明する。 1.界面活性剤 本発明のSAGD法によるオイルサンド油の回収方法に
おいて、水蒸気圧入に先立って圧入される界面活性剤
は、特に限定されないものの、オイルサンド層にダメー
ジを与えない水溶性、かつ、無機物である界面活性剤を
用いることが好ましい。
【0015】特に、水溶性の無機物である上記界面活性
剤が、珪酸塩に苛性アルカリを添加してPHを9以上1
4以下に調整した、変性珪酸塩の混合水溶液であること
が好ましい。 (i)珪酸塩 本発明の好ましい界面活性剤の一成分として用いられる
珪酸塩は、特に限定されるものではなく、例えば、珪酸
リチウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸ベリリ
ウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸バリウ
ム、珪酸カドミウム、珪酸マンガン、珪酸鉄、珪酸コバ
ルト、珪酸カルシウムナトリウムおよび珪酸マグネシウ
ムカルシウムなどが挙げられる。
【0016】この中では、珪酸のアルカリ金属塩であ
る、珪酸リチウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムを用
いることがより好ましく、特に、珪酸ナトリウムを用い
ることが望ましい。 (ii)苛性アルカリ 本発明の好ましい界面活性剤の、他の成分として用いら
れる苛性アルカリとしては、水酸化ナトリウムおよび水
酸化カリウムなどが挙げられるが、この中では、水酸化
ナトリウムを使用することがより好ましい。
【0017】本発明の界面活性剤においては、上記珪酸
塩に上記苛性アルカリを添加して、そのPHを9以上、
かつ14以下に調整することにより、変性珪酸塩の混合
水溶液を調製する。また、本発明の上記界面活性剤の水
溶液濃度は、特に限定されない。 2.実験 本発明のSAGD法によるオイルサンド油の回収方法に
ついて、実験を行うことによりその効果を確認した。
【0018】以下に本発明のオイルサンド油の回収方法
をシミュレートした実験装置および方法について説明す
る。図1に示すように、実フィールドのオイルサンド層
と比較して、高浸透率であって、かつ低粘性である2次
元縮尺油層モデルを用いた実験装置を製作した。この実
験装置に対応する数値解析モデルを構築した上で、シミ
ュレーションを行った。
【0019】すなわち、坑井間隔を、従来の坑井間隔よ
り拡大したモデルに対応するグリッドシステムを作成
し、パラメーターには、使用した界面活性剤の吸着量お
よび熱物性などの実際の試料と同様の特性を与えた。本
実験における界面活性剤の圧入方法としては、水蒸気圧
入の前段階において上部坑井を80℃に加熱して、圧入
し、それを水蒸気によって、油層中に浸透させる形態を
とった。
【0020】数値シミュレーターである“STARS”
においてマッチングを行う場合、吸着(adsorpt
ion)とフォーム(foam)形成に関するキーワー
ドが重要な役割を果たしている。すなわち、ラングミュ
ア(Langmuir)の吸着曲線は、一般的に、図2
に示すような形で表され、図3に示す本発明の界面活性
剤である変性珪酸ナトリウム(MSS)水溶液の吸着曲
線と同一型であるから、Langmuirの吸着モデル
を用いた。該界面活性剤の吸着量は、界面活性剤水溶液
の濃度に対する電気伝導率を、導電計を用いて測定し、
その測定値に基づき吸着量を算出し、吸着曲線を得た。
【0021】また、“STARS”においては、界面活
性剤などを用いるケミカル攻法において、投入された化
学物質が反応中に泡状の流体となって、油層内の流体に
何らかの化学的効果を与えるキーワードの設定が可能で
あるが、このキーワードとしてフォームを用いること
で、流体の相対浸透率のエンドポイントを変えることが
可能となり、マッチングを行う上で有効な手段となる。
【0022】また、本実験における油層モデルは、物性
の明らかなガラスビーズおよび高粘性モーターオイルを
耐熱アクリル板にサンドイッチした構造とし、そのサイ
ズを、縦30cm、横30cm、厚さ4.5mmとし
て、坑井間距離を10cmおよび18cmとした。本実
験の装置は、主として水蒸気発生圧入部、2次元油層モ
デル部および産出流体計測部の3部分からなる。すなわ
ち、水蒸気発生部にて水蒸気を発生させ、温度と圧力を
調整した水蒸気を、2次元油層モデルに圧入する構成と
なっており、この2次元油層モデルは、水蒸気圧入井と
流体生産井を有する。上記のそれぞれの坑井に、熱電
対、圧力変換器を設置して坑井内部の状況を計測し、圧
力および生産量を制御するシステムとした。
【0023】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は実施例により何ら限定されるものでは
ない。珪酸ナトリウムに、水酸化ナトリウムを添加し
て、変性珪酸ナトリウム(MSS)からなる本発明の界
面活性剤原液を調製した。
【0024】該界面活性剤原液とともに、水にて20重
量%および8重量%に希釈した界面活性剤の水溶液も併
せて調製した。上記3種類の界面活性剤について、油お
よび水の生産速度のシミュレーションによる計算並びに
水蒸気チャンバー形状の計算を行い、その結果を実験結
果と比較した。
【0025】図4から図11にかけて、時間に対する油
および水の生産速度、並びに油および水の積算生産量を
示した。これらは、いずれも坑井間隔を10cmとした
実験モデルについて得られた結果である。すなわち、図
4は、上記3種類の界面活性剤を用いたケースおよび界
面活性剤を用いなかったケースにつき、その油生産速度
への影響を実験結果に基づきプロットした図である。ま
た、図5は、同様のケースについての、数値シミュレー
ション計算結果をプロットした図である。
【0026】また、図6および図7は、上記の油生産速
度である図4および図5をそれぞれ、時間に対して積算
した油の生産量を示す図である。さらに、図8は、上記
3種類の界面活性剤を用いたケースおよび界面活性剤を
用いなかったケースにつき、その水生産速度への影響を
実験結果に基づきプロットした図であり、図9は、同様
のケースについての、数値シミュレーション計算結果を
プロットした図である。
【0027】また、図10および図11は、上記の水生
産速度である図8および図9をそれぞれ、時間に対して
積算した水の生産量を示す図である。図6の実験結果に
基づく油の積算生産量のグラフより、界面活性剤の初期
濃度が高いほどブレークスルー時間が短く、また、それ
とは逆に、界面活性剤の初期濃度が高いほど積算油生産
量が低いことが分かる。一方、図7の数値シミュレーシ
ョン計算結果に基づくグラフでは、界面活性剤の初期濃
度の差異によるブレークスルー時間の差が上記実験結果
ほど顕著に表れていない。しかしながら、最終的な油生
産量については、実験結果と同様の傾向を示しているこ
とが分かる。すなわち、圧入した界面活性剤の濃度差に
基づく最大吸着レベルは、それぞれ異なり、油の剥離作
用に影響を及ぼすため、実験結果におけるブレークスル
ー時間には、それによる差が表れたものと考えられる。
【0028】一方、数値シミュレーション計算結果で
は、設定された吸着レベルから表面張力の減少する割合
が決定され、油の剥離作用に影響を及ぼしている。しか
しながら、界面活性剤のある濃度以上においては、表面
張力は安定な状態となりうる。この濃度は、本発明の界
面活性剤である変性珪酸ナトリウム(MSS)水溶液の
吸着曲線より20重量%前後であると推測される。従っ
て、数値シミュレーション計算結果において、該界面活
性剤20重量%水溶液と、原液(100重量%溶液)と
のブレークスルー時間に差異が生じなかったものと考え
られる。
【0029】また、8重量%および20重量%の低濃度
の界面活性剤水溶液を圧入した場合には、積算油生産量
の増加に伴い、水蒸気チャンバーの形状が原液(100
重量%溶液)圧入の場合と比較して拡大している(図示
せず)。これは、吸着レベルが、界面活性剤の低濃度水
溶液の方が、原液と比べて低いため、水蒸気チャンバー
内に残留する界面活性剤成分の割合が低下し、従ってチ
ャンバー界面での凝縮水の相対浸透率が上昇し、油層へ
の熱移動がよりスムーズに行われたためと推測される。
【0030】さらに、数値モデル計算結果のPH分布の
比較(図示せず)においては、界面活性剤の低濃度溶液
を圧入した水蒸気チャンバー内のPH値が、原液圧入の
それと比較して低いことが確認された。前記のように坑
井間隔が増加するに伴いブレークスルー時間が長くなる
ものの、油生産速度が増加するという結果が報告されて
いる。従って、坑井間隔を増加させた場合のデメリット
であるブレークスルー時間の遅れを修正することが可能
であれば、経済的で生産能力の高い採油法になりうる。
そのため、本発明の界面活性剤の早期ブレークスルー効
果を利用して、坑井間隔を10cmより18cmに拡げ
た実験モデルを作成し、実験および数値シミュレーショ
ンを行い、その妥当性を検討した。
【0031】図12および図13に、通常のSAGD法
と、本発明の界面活性剤を圧入したSAGD法との、経
過時間に伴う水蒸気チャンバー形状変化の比較を示し
た。通常のSAGD法よりも、本発明の界面活性剤を圧
入したSAGD法の方が、また、坑井間隔が10cmで
ある前記の実験結果(図示せず)よりも、坑井間隔を1
8cmに拡大した実験結果の方が、それぞれ水蒸気チャ
ンバーの形状が拡大していることが分かる。
【0032】また、ブレークスルー時間が540分経過
した後の油層内温度および水飽和率(図示せず)から、
水蒸気チャンバーの拡大に伴う、凝縮水の油層内全域へ
の広がりが観察される。また、図14から図17にかけ
ては、坑井間隔を18cmに拡大した実験結果とシミュ
レーション計算結果とを、油および水の生産速度、並び
に積算油および積算水生産量について比較したグラフを
示した。
【0033】図15の積算油生産量のグラフより、界面
活性剤を注入したことによるブレークスルー時間の短縮
が確認できる。このブレークスルー時間の短縮率は、積
算油生産量の増加率とともに、通常のSAGD法と比較
して15%程度の向上が観察された。
【0034】
【発明の効果】本発明の水蒸気圧入に先立って、界面活
性剤を油層に圧入するサーフェースSAGD法におい
て、数値シミュレーションモデルを構築し、その実用可
能性を調べた。その結果、数値モデルにおいて、適切な
界面活性剤の圧入条件を考慮することにより、実験結果
と同様の早期のブレークスルーと油生産速度の増加が確
認された。すなわち、“STARS”において設定し
た、Langmuirの吸着モデルと、フォームの効果
は、油層内での界面活性剤の挙動を再現するための有効
な手法となることが判明した。
【0035】また、サーフェースSAGD法において、
水蒸気の圧入に先立って界面活性剤を圧入することによ
り、フィールドでの水蒸気圧入前に行われる、4〜6ヶ
月程度の水蒸気循環によるオイルサンド層の予熱作業を
大幅に短縮することが可能となる。さらに、本発明のオ
イルサンド油の回収方法は、坑井間距離を増加させるこ
とが可能となり、水蒸気チャンバーの拡大が期待される
ので、経済的に優れた採油技術になりうるものと考えら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実験装置のシステム図である。
【図2】Langmuirの吸着曲線を示す図である。
【図3】本発明の変性珪酸ナトリウム(MSS)水溶液
の吸着曲線を示す図である。
【図4】本発明の実験結果に基づく、変性珪酸ナトリウ
ム(MSS)水溶液の初期濃度の差異による油生産速度
に及ぼす影響を示す図である。
【図5】本発明の数値シミュレーション計算結果に基づ
く、変性珪酸ナトリウム(MSS)水溶液の初期濃度の
差異による油生産速度に及ぼす影響を示す図である。
【図6】本発明の実験結果に基づく、変性珪酸ナトリウ
ム(MSS)水溶液の初期濃度の差異による積算油生産
量に及ぼす影響を示す図である。
【図7】本発明の数値シミュレーション計算結果に基づ
く、変性珪酸ナトリウム(MSS)水溶液の初期濃度の
差異による積算油生産量に及ぼす影響を示す図である。
【図8】本発明の実験結果に基づく、変性珪酸ナトリウ
ム(MSS)水溶液の初期濃度の差異による水生産速度
に及ぼす影響を示す図である。
【図9】本発明の数値シミュレーション計算結果に基づ
く、変性珪酸ナトリウム(MSS)水溶液の初期濃度の
差異による水生産速度に及ぼす影響を示す図である。
【図10】本発明の実験結果に基づく、変性珪酸ナトリ
ウム(MSS)水溶液の初期濃度の差異による積算水生
産量に及ぼす影響を示す図である。
【図11】本発明の数値シミュレーション計算結果に基
づく、変性珪酸ナトリウム(MSS)水溶液の初期濃度
の差異による積算水生産量に及ぼす影響を示す図であ
る。
【図12】通常のSAGD法による、坑井間距離18c
mのモデルにおける、水蒸気チャンバー形状の経時変化
を示す図である。(実験結果と数値シミュレーション計
算結果との比較)
【図13】本発明の変性珪酸ナトリウム(MSS)水溶
液を圧入するSAGD法による、坑井間距離18cmの
モデルにおける、水蒸気チャンバー形状の経時変化を示
す図である。(実験結果と数値シミュレーション計算結
果との比較)
【図14】坑井間距離18cmのモデルにおける、変性
珪酸ナトリウム(MSS)水溶液圧入の有無による油生
産速度に及ぼす影響を示す図である。(実験結果と数値
シミュレーション計算結果との比較)
【図15】坑井間距離18cmのモデルにおける、変性
珪酸ナトリウム(MSS)水溶液圧入の有無による積算
油生産量に及ぼす影響を示す図である。(実験結果と数
値シミュレーション計算結果との比較)
【図16】坑井間距離18cmのモデルにおける、変性
珪酸ナトリウム(MSS)水溶液圧入の有無による水生
産速度に及ぼす影響を示す図である。(実験結果と数値
シミュレーション計算結果との比較)
【図17】坑井間距離18cmのモデルにおける、変性
珪酸ナトリウム(MSS)水溶液圧入の有無による積算
水生産量に及ぼす影響を示す図である。(実験結果と数
値シミュレーション計算結果との比較)
【符号の説明】
10 水蒸気発生装置 11 水蒸気圧入量測定用電子天秤 12 水蒸気圧入圧コントロールバルブ 13 コントローラ(水蒸気圧入圧、水蒸気温度およ
び生産井バルブ開度) 14 ポンプ 15 アキュムレータ 20 8mmビデオカメラ 30 サーモカメラ 40 ビデオデッキ 50 画像処理用パソコン 60 画像処理用モニター 70 計測用パソコン(GPIBインターフェース) 80 データロガー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地表面からオイルサンド層へ、水平坑井
    を掘削するサーフェース水蒸気支援重力排油法(SAG
    D法)において、圧入井より水蒸気圧入を行う前に、界
    面活性剤を圧入することを特徴とするオイルサンド油の
    回収方法。
  2. 【請求項2】 上記界面活性剤が、水溶性であって、か
    つ、無機物であることを特徴とする請求項1に記載のオ
    イルサンド油の回収方法。
  3. 【請求項3】 上記界面活性剤が、珪酸塩に苛性アルカ
    リを添加してPHを9以上14以下に調整した、変性珪
    酸塩の混合水溶液であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のオイルサンド油の回収方法。
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