JP2002328084A - イオン濃度計測装置 - Google Patents

イオン濃度計測装置

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JP2002328084A
JP2002328084A JP2001135068A JP2001135068A JP2002328084A JP 2002328084 A JP2002328084 A JP 2002328084A JP 2001135068 A JP2001135068 A JP 2001135068A JP 2001135068 A JP2001135068 A JP 2001135068A JP 2002328084 A JP2002328084 A JP 2002328084A
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Kiyoshi Wadatsumi
清 弘原海
Ryuichi Haraguchi
竜一 原口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ある範囲の粒子径のみを対象に、正又は負イ
オン粒子のイオン濃度の計測が可能な小型かつ軽量なイ
オン濃度計測装置を提供する。 【解決手段】 一端から空気を吸い込んで気流流れ方向
を湾曲させた後に他端から放出する気流管路1と、この
気流管路1内の電界を形成するためにこの気流管路1に
対して電圧を印加する電圧印加部11と、前記電界内での
クーロン力及び気流流れ方向の湾曲による遠心力とのバ
ランスに従って分別したイオン別かつ粒子径別の総粒子
数を測定する粒子計数部13と、気流管路1内の気流を形
成する気流形成部15とからなるイオン濃度計測装置であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気中のイオン粒
子、特に地震発生前に発生する大量の正イオン粒子を測
定するのに適したイオン濃度計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地震発生前には、様々な予兆現象が観測
されることが知られている。空気中のイオン濃度の変化
も前記予兆現象の一つである。こうした地震発生前のイ
オン濃度の変化から地震予知を試みることは当然考えら
れ、例えば、特開平11-174158号「地震前兆現象の検出
方法とその装置」等が提案されている。この特開平11-1
74158号は、温度及び湿度の時系列表示から地震の短期
前兆現象(予兆現象)を明確にすることを基本とし、これ
に空気正負電荷密度、イオン比、空中電位の観測値を加
味する検出方法で、地震予知を試みている。このイオン
計測には、温度及び湿度を計測するセンサー、センサー
測定値の時刻選択及び入力切換表示用ソフト、前記ソフ
トに他所データを入力するキーボード、そしてソフト出
力を表示する表示器を備えた検出装置を用いる。
【0003】ここで、イオン濃度計測装置が正しく目的
のイオン濃度を計測できることが重要となる。上記特開
平11-174158号にも、正負電荷濃度をイオン粒子の流径
大、中、小に分けて、計6種類の計測データが得られる
イオン濃度計測装置を例示している。また、地震予知に
限らず、空気中のイオン濃度が問題となる場面は少なく
ないため(例えば半導体工場等)、例えば特公平03-04907
0号「多点式気体吸引イオン自動分析装置」には汎用的
なイオン濃度計測装置が示されている。
【0004】この特公平03-049070号のイオン濃度測定
装置は、筒状シールド電極の前端に複数の離隔点からの
気体の取り入れを可能にし、かつ空気状態により適宜フ
ィルターを着脱自在にした気体取込機構を設け、筒状シ
ールド電極内には印加電極および集電極をそれぞれ絶縁
物を介して同心状に支持させ、集電極に接続する導線は
印加電極より可及的離間させて外部へ引き出し、印加電
極は極性変更可能で、電圧の自動制御並びに測定時間の
設定を可能にして電源に接続し、筒状シールド電極の後
端はゴム資材等よりなる振動吸収管を介して吸引機構に
接続した構成である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】地震発生前に見られる
空気中のイオン濃度の変化を子細に観察すれば、正負電
荷のすべて粒子が一様に変化するのではなく、主として
正イオン大粒子のみが大きく変化することが分かる。こ
れは、活断層から発生したラドン(226Ra→α崩壊→222R
n)が数日の半減期を経て最終的には210Pbとなり、空気
中の粒子と結びついて正エアロゾルを形成するためであ
る。確かに、その他の要因によって空気中の正イオン濃
度は増減するが、地震前には前記210Pbに起因するエア
ロゾルの増加が著しい。よって、このエアロゾル、すな
わち正イオン大粒子の変化を計測すれば、地震予知が可
能となる。
【0006】特開平11-174158号では、気温及び湿度の
経時的変化に、6種類のイオン濃度の変化を組み合わせ
て地震予知を試みているが、上述の通り、計測対象は正
イオン大粒子だけでよい。これから、正イオン大粒子の
みを対象としたイオン濃度計測装置が好ましいことが分
かる。なぜなら、装置構成が簡素化することで製造コス
トが抑制できるほか、装置の小型化が実現でき、可般性
を備えることができる等の利点が生まれるからである。
特開平11-174158号では、こうした観点の示唆がなく、
新たに装置構成を考えなければならない。
【0007】これに対し、特公平03-049070号は、具体
的なイオン濃度測定装置の構造について触れており、参
考になりうる。しかし、基本的には、吸引した空気中の
粒子の運動と、電気的な吸引力との組合せによって、集
電極へ吸着するイオン粒子の種類を分別するもので、正
イオン大粒子のみを計測できるかどうかが判然としな
い。また、複数のイオンの種類、粒子径のイオン濃度を
計測しようとして、勢い装置構成が複雑になってしまっ
ている。そこで、ある範囲の粒子径のみを対象に、正又
は負イオン粒子のイオン濃度の計測が可能な小型かつ軽
量なイオン濃度計測装置を開発することを目的に、検討
した。
【0008】
【課題を解決するための手段】検討の結果開発したもの
が、空気中に含まれる粒子のうちイオン別かつ粒子径別
に分別した粒子のイオン濃度を計測する装置であって、
一端から空気を吸い込んで気流流れ方向を湾曲させた後
に他端から放出する気流管路と、この気流管路内の電界
を形成するためにこの気流管路に対して電圧を印加する
電圧印加部と、前記電界を通過して流路幅方向に分別し
た粒子の特定流路幅範囲における総粒子数を計数する粒
子計数部と、気流管路内の気流を形成する気流形成部と
からなり、粒子の流路幅方向の分別は粒子毎のイオン別
かつ粒子径別であり、この分別は電圧印加部による電界
内でのクーロン力と、気流流れ方向の湾曲による遠心力
とのバランスを利用するイオン濃度計測装置である。
【0009】本発明の計測装置は、単位時間当たりに計
数した総粒子数を、前記単位時間当たりに吸い込んだ空
気の量で徐算することで、単位体積当たりの粒子数、す
なわちイオン濃度を求める。このため、気流形成部は定
量の吸入や送風が可能な装置が好ましく、例えば気流管
路一端から空気を送り込む、又は気流管路他端から空気
を吸い込むポンプや、気流管路他端から空気を吸い込む
エジェクタを用いる。ポンプの場合には、ポンプの作動
による振動が気流管路や粒子計数部に影響を与えないよ
うに、振動を吸収するフレキシブルパイプ等でポンプと
気流管路とを結ぶとよい。
【0010】本発明の特徴は、電界内でのクーロン力
と、気流流れ方向の湾曲に従う遠心力とを併用して粒子
の分別している点にある。ここで、各粒子は等質で電荷
量は等しく、質量は粒子径に略比例すると仮定する。ク
ーロン力は粒子径に関係なく電荷量に比例するが、遠心
力は粒子径に比例して大きくなる。そして、各粒子は前
記クーロン力及び遠心力それぞれによるベクトル和(実
際には気流流れ方向のベクトルもある)に従う。例え
ば、気流流れ方向の湾曲外周に正電極、内周に接地電極
を設けて電界を加えた場合、正イオン大粒子はクーロン
力と遠心力とが平衡して、気流幅方向中央付近を移動し
ていく。しかし、正イオン小粒子はクーロン力が遠心力
に勝って内周へ、負イオン大小粒子はクーロン力及び遠
心力によって外周へ、それぞれずれていく。こうして、
正イオン大粒子のみを気流幅方向中央付近に分別でき
る。また、無帯電粒子は遠心力のみに従って外周へと寄
り、気流幅方向中央付近の正イオン大粒子から分離でき
る。
【0011】本発明に言う大粒子及び小粒子は、粒子径
の大小に応じた相対的な呼称であり、必ずしも粒子径の
境界が明確に定められているわけではない。概ね、粒子
径0.007〜0.03μmの範囲、好ましくは0.01〜0.025μmの
範囲に相当するものを大粒子と呼んでいる。また、前記
下限より小さな粒子径を有するものを小粒子と呼んでい
る。逆に、前記上限より大きな粒子径を有するものは、
多くが測定対象とならないその他の粒子又は無帯電粒子
(いわゆるゴミ)である。
【0012】具体的には、気流管路は空気取込口、空気
整流部、イオン分別部、イオン吸着部及び空気排出口か
ら構成し、空気整流部は空気取込口から取込んだ気流を
層流に整える整流板を設けた管路、イオン分別部は円弧
状に曲がり、半径方向の電界を形成する正負分離電極板
を内外周に設けた管路、イオン吸着部は気流幅方向中央
付近に気流流れ方向に延びる正負吸着電極板を設けた管
路からなり、正負吸着電極板より下流に空気排出口を設
け、電圧印加部が正負分離電極板に電圧を印加し、粒子
計数部が正又は負吸着電極板に吸着した総粒子数をこの
総粒子数に比例する電気量として測定して算出する。こ
こで、イオン吸着部は正負吸着電極板を挟んでこの正負
吸着電極板と異極性の正負補助吸着電極板を内外周に設
けた管路であると、内周に沿って流れる正イオン小粒子
は負補助吸着電極板に吸着して独立した測定対象となる
し、外周に沿って流れる負イオン粒子は正補助吸着電極
板に吸着し、除去できる。
【0013】また、測定した電気量から総粒子数を算出
する粒子計数部は、(a)電流測定機能部及び総粒子数算
出部からなり、電流測定機能部は正又は負吸着電極板に
吸着する粒子によって流れる電流を測定し、総粒子数算
出部は前記電流値を時間積分して単位時間当たりの総電
荷量を求め、この総電荷量を粒子の単位電荷量で徐算し
て単位時間当たりの総粒子数を計数する、又は(b)電位
測定機能部は正又は負吸着電極板に吸着する粒子によっ
て加わる電位を測定し、総粒子数算出部は前記電位値を
正又は負吸着電極板から定まる静電容量値とかけ合わせ
て単位時間当たりの総電荷量を求め、この総電荷量を粒
子の単位電荷量で徐算して単位時間当たりの総粒子数を
計数する構成を例示できる。
【0014】クーロン力と遠心力とを併用した粒子の分
別を確実にするには、分別に先立って各粒子の運動が一
様であるほうが好ましい。空気整流部は、整流板による
強制により、空気取込口から無造作に空気を取込んで
も、イオン分別部に至るまでに気流を層流に整える。イ
オン分別部における円弧状の曲がりは、前記曲がりに沿
って流れる気流の各粒子に遠心力を与えるものであり、
クーロン力を前記遠心力のベクトル方向に一致させるた
め、正負分離電極板を内外周に割り当てて半径方向に電
界を形成するように電圧を印加するとよい。気流幅方向
中央付近に正イオンを集めるには、外周に正分離電極
板、内周に負分離電極板(通常接地電極板)を割り当てる
とよい。
【0015】気流管路内の気流におけるクーロン力と遠
心力とのバランスを重視すれば、(1)気流管路の空気整
流部、イオン分別部及びイオン吸着部が同一水平面内に
並べるとよい。気流管路全域にわたって等しく重力が働
き、クーロン力及び遠心力は水平方向に働くようにし
て、重力による影響を避けることができる。しかし、厳
密にいえば、気流管路内の上方及び下方の粒子の運動が
異なる可能性がある。このため、気流管路内における粒
子に対する重力の影響を等しくするには、(2)気流管路
の空気整流部、イオン分別部及びイオン吸着部が同一垂
直面内に並び、空気整流部及びイオン吸着部は略垂直方
向管路、イオン分別部は略半円弧状管路であり、空気整
流部から下方に向けた気流流れ方向をイオン分別部で上
下反転させてイオン吸着部から上方に向けるようにす
る。ここで、遠心力に対して重力が影響しているので、
イオン分別部の曲率は重力を加味して設計するとよい。
【0016】気流管路に対して継続的に空気を取込む
と、イオン吸着部にはイオン粒子が蓄積していく。微少
量の測定よりも一定量以上のイオン粒子を蓄積して測定
するほうが測定が容易であるが、イオン粒子を蓄積した
ままにしておくと、測定部位(例えば正イオン粒子に対
する負吸着電極板)の汚れを招き、測定誤差を発生させ
る。そこで、粒子計数部は、測定機能部、測定タイミン
グ設定部及びリセット部とからなり、測定機能部は測定
タイミング部が指定する測定タイミング毎に蓄積した総
粒子数を計数し、リセット部は前記測定後に粒子を解放
又は電気的中和して電気量をリセットし、再び測定タイ
ミングまで粒子の経時的な蓄積を開始する。測定を容易
にするために一定量のイオン粒子を蓄積しながら、測定
後に総電荷量をリセットすることで、測定部位の汚れを
抑え、測定誤差の発生を防止する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図を参照しながら説明する。図1は本発明に基づくイオ
ン濃度計測装置の一例を示す構成図、図2は気流管路1
の構造を表す図1中A−A断面図、図3は略半円弧状管
路からなるイオン分別部2における正イオン大粒子3の
運動を示す部分断面図、図4は同イオン分別部2におけ
る正イオン小粒子4の運動を示す部分断面図、図5は負
イオン粒子5,6の運動を示す部分断面図、図6はイオ
ン吸着部7における粒子3,4,5,6の吸着態様を示す
部分断面図であり、図7はΔtの測定タイミング間隔で
総電荷量をリセットしながら測定を繰り返している状態
を表すグラフである。本例の計測装置は、気流管路1の
空気整流部8、イオン分別部2及びイオン吸着部7が同
一垂直面内に並ぶ縦型の構成である。
【0018】本例の計測装置は、図1に見られるよう
に、空気取込口9、空気整流部8、イオン分別部2、イ
オン吸着部7及び空気排出口10からなる縦型の気流管路
1と、イオン分別部2及びイオン吸着部7に+Vの正電
圧を印加する電圧印加部11と、イオン吸着部7の負吸着
電極板12に吸着、蓄積する正イオン大粒子の総粒子数を
計数する粒子計数部13と、空気排出口10に接続した吸引
ポンプからなる気流形成部14とから構成する。図1から
明らかなように、装置本体となる気流管路1に対して、
電圧印加部11(外部電源)、粒子計数部13及び気流形成部
14(吸引ポンプ)を接続する構成であり、電圧印加部11、
粒子計数部13及び気流形成部14は従来公知の装置を用い
ることができる。
【0019】気流管路1は、図2に見られるように、2
枚の大形テフロン(登録商標)板(絶縁素材)からなる上
下面16,17の間に帯状テフロン板を挟み、内外周(後述イ
オン分別部2における半径方向内側に連続する側を内
周、同半径方向外側に連続する側を外周とする)側の各
側壁18,19を構成した側面視略U字状管路である。空気
吸入口9は、蛇腹状のフレキシブルパイプで構成してお
り、気流管路1の気流流れ方向に対する外気の変動の影
響を少なくできるようにしている。同様に、空気排出口
9にもフレキシブルパイプを用い、吸引ポンプの振動が
気流管路1、特にイオン吸着部7の測定に影響を与えな
いようにしている。
【0020】空気整流部8は、気流流れ方向に延びるテ
フロン板からなる整流板20を、内外周側壁18,19の間に
等間隔で並べて構成している。本発明が求める層流は、
風洞実験等に求められるほど厳密ではなく、下流にある
イオン分別部2やイオン吸着部7の作用を妨げるような
乱流の除去が目的であるため、このような簡易な整流板
20の配置のみで十分である。また、空気整流部8の管路
長についても、特に限定はない。
【0021】イオン分別部2は、クーロン力と遠心力と
のバランスにより、イオン別及び粒子径別に空気中の粒
子3,4,5,6を気流幅方向に振り分ける。具体的に
は、空気整流部8に続けて反転する略半円弧状管路を構
成し、外周側壁19外面に正分離電極板21、内周側壁18外
面に負分離電極板(接地電極)22を設け、半径方向内向き
に正電界を加える。各電極板21,22を各側壁19,18外面に
設けるのは、絶縁するためである。こうした構造のイオ
ン分別部2では、正イオン粒子3,4は内周側へ向かう
クーロン力(図3及び図4中半径方向実践矢印)、負イオ
ン粒子5,6は外周側へ向かうクーロン力(図5中半径方
向実践矢印)を受ける。しかし、遠心力(各図中半径方向
破線矢印)は等しく外周側に向けて加わるため、各粒子
3,4,5,6はイオン別及び粒子径別(質量別)に気流幅
方向に変位する。
【0022】例えば、正イオン大粒子3について、気流
幅方向の略中央付近でクーロン力−遠心力≒0(クーロ
ン力≒遠心力)となるようにイオン分別部2の曲率又は
印加電圧+Vを決定しておくと、図3に見られるよう
に、正イオン大粒子3は気流幅方向の略中央に集まって
くる。また、このように正イオン大粒子3が気流幅方向
の略中央に集まるようにイオン分別部2の曲率又は印加
電圧+Vを定めておくと、遠心力が相対的に小さくなる
正イオン小粒子4は、図4に見られるように、クーロン
力−遠心力>0となって、内周側へと偏っていく。対し
て、負イオン粒子5,6はクーロン力と遠心力との方向
が同じになるため、図5に見られるように、−クーロン
力−遠心力<0となって、内周側へと偏っていく。こう
して、イオン分別部2を通過した気流は、内周側に正イ
オン小粒子4、気流幅方向の中央付近に正イオン大粒子
3、そして外周側に負イオン粒子5,6が多く分布する
空気の流れとなる。
【0023】イオン吸着部7は、空気整流部8の整流板
20に代えて、気流幅方向中央付近に気流流れ方向に延び
る正負吸着電極板12,23を設けた管路である。本例の場
合、正イオン大粒子3のイオン濃度を測定するため、図
1及び図2に見られるように、負吸着電極板12(接地電
極、測定タイミング間隔では非接地)を正吸着電極板23,
23で挟んだ3枚の電極板を設けている。イオン分別部2
より気流幅方向略中央へ流れ込む正イオン大粒子3は、
図6に見られるように、左右の正吸着電極板23,23の正
電位に反発し、クーロン力によって中央の負吸着電極板
12に吸着する。本発明では、前記負吸着電極板12に吸着
し、蓄積する正イオン大粒子3による総電荷量を電圧と
して測定し、空気中の正イオン大粒子3のイオン濃度を
測定する。仮に負イオン粒子5,6が気流幅方向略中央
へ流れ込んできた場合には、正吸着電極板23に吸着す
る。
【0024】また、本例では、更に左右の正吸着電極板
23,23に対応して、内外周側壁18,19に負補助吸着電極板
24,24を設けている。内周側壁18内面に設けた負補助吸
着電極板24には正イオン小粒子4が吸着し、外周側壁19
外面に設けた負補助吸着電極板24に向けて負イオン粒子
5,6が引き寄せられる。それぞれに吸着した粒子を計
数すれば、正イオン小粒子4又は負イオン粒子5,6の
イオン濃度を測定できる(図1中正イオン小粒子を計数
する粒子計数部13を仮想線表示)し、各負補助吸着電極
板24を接地電極とすれば、正イオン小粒子4又は負イオ
ン粒子5,6は電荷を放出し、空気排出口10から廃棄で
きる。
【0025】粒子計数部13は、イオン吸着部7における
気流幅方向中央に配した負吸着電極板12に吸着し、蓄積
する正イオン大粒子3により上昇した電位Vを測定し、
総電荷量Q=正負吸着電極板の静電容量C×電位Vから
総粒子数算出部30が総電荷量を算出する。具体的には、
電圧計から構成する電圧測定機能部25と、電圧測定機能
部25の電圧値を入力として総粒子数を計算する総粒子数
算出部30と、前記電圧測定機能部25とアース部26とを切
り替えるスイッチ27からなるリセット部28と、電圧測定
機能部25の測定及びリセット部28のスイッチ27の切替を
制御する測定タイミング設定部29とからなる。図1では
一体構成であるが、例えば単なる電圧計(測定機能部)、
パソコン(総粒子算出部)、タイマー(測定タイミング設
定部)及びスイッチ(リセット部)で構成し、測定タイミ
ングに合わせてコパソコンが電圧計の測定値をサンプリ
ングし、自動的に計算してもよい。
【0026】計測装置を始動すると、イオン吸着部7の
負吸着電極板12には逐次正イオン大粒子3が吸着し始め
(図6参照)、経時的に蓄積して、零電位から正電位へと
上昇していく。そして、予め測定タイミング設定部29で
指定した測定タイミングT1,T2,T3,…に従って、この測
定タイミングT1,T2,T3,…で電圧測定機能部25が電圧と
して上昇した電位を測定する。測定後、リセット部28の
スイッチ27がアース部26に切り替り、負吸着電極板12に
蓄積した電荷は放出され、零電位に復帰する。同時に、
総粒子数算出部30が測定値(電圧値)から総電荷量を計算
し、更に粒子の単位電荷量で徐算して、Δt当たりの総
粒子数を算出する。本発明では、気流形成部によるΔt
当たりの空気量がわかっているので、前記総粒子数を空
気量で徐算すれば、最終目的であるイオン濃度を求める
ことができ、ここまでの演算を総粒子数算出部30に担わ
せることができる。前記手順を、図7に見られるよう
に、測定タイミングT1,T2,T3,…毎に繰り返すことによ
り、測定タイミング間隔Δtで経時的な正イオン大粒子
3のイオン濃度の変化を計測できることになる。本例で
は、測定タイミング間隔Δt一定の場合であるが、不定
期な測定タイミング間隔としたり、測定タイミングT1,T
2,T3,…を特定時間に設定してもよい。
【0027】図示は省略するが、粒子計数部が電流測定
機能部にした場合、測定タイミング設定部やリセット部
は不要であり、負吸着電極板に吸着した正イオン大粒子
に逐次電子を与えるように流れる電流を常時測定するこ
とになる。電流は、単位時間当たりの電荷量であるか
ら、電流を時間積分すれば、総電荷量を容易に得ること
ができる。後は、上記同様、総粒子数計数部が、総電荷
量/粒子の単位電荷量から総粒子数を求めることがで
き、更に単位時間当たりの空気量で前記総粒子数を徐算
すれば、イオン濃度が算出できる。正負吸着電極板に基
づく戦電容量の算出が不要な点は容易である利点があ
る。
【0028】このように正イオン大粒子の経時的なイオ
ン濃度の変化を測定することは、地震予知に好ましい。
地震の短期前兆現象(予兆現象)として増加する正イオン
大粒子の、前記イオン濃度の変化を捉えることができる
からである。本発明の特徴は、こうした地震予知に適し
た正イオン大粒子のイオン濃度のみを対象に測定できる
点にある。また、装置構成が簡単であり、全体としてコ
ンパクトにまとめることができる。
【0029】例えば粒子計数部の測定値(生データ)又は
イオン濃度値(加工データ)をコンピュータで管理し、通
信回線を通じて送信すれば、データ解析点から離れた遠
隔の計測点でのイオン濃度監視が可能となる。測定値
(生データ)又はイオン濃度値(加工データ)をそのまま携
帯電話等でデータ解析点へ送信するようにしてもよい。
また、こうした遠隔の計測点を複数設ければ、複数点か
らのイオン濃度の変化情報から、より正確な地震予知も
可能となる。こうした遠隔の計測点を設置できるのも、
本発明の計測装置がコンパクトであり、バッテリ等によ
る作動や自動計測が容易にできる効果に基づく。
【0030】
【発明の効果】本発明により、ある範囲の粒子径のみを
対象に、正又は負イオン粒子のイオン濃度の計測が可能
な小型かつ軽量なイオン濃度計測装置を提供できるよう
になる。これまでの計測装置では、様々なイオン別又は
粒子径別の粒子を一度に測定しようとしていたので、勢
い装置構成が複雑となり、かえって特定粒子のイオン濃
度の測定を難しくしていた。本発明は、逆に特定粒子の
イオン濃度を測定することに機能を絞ることにより、装
置の簡素化と軽量化とを実現した。
【0031】しかし、本発明の計測装置は、上記例示の
ように正イオン大粒子のみを計測できるわけではなく、
正負吸着電極板を挟んで内外周側壁に別途電極を設ける
ことで、正イオン小粒子や負イオン粒子のイオン濃度を
測定できる。また、上記例示とは逆極性又は正負補助吸
着電極板の位置関係を逆にすることにより、イオン分別
部では気流幅方向中央に負イオン大粒子を集め、内周側
には負イオン小粒子、外周側には正イオン粒子を集める
ことができ、負イオン粒子のイオン濃度を詳しく測定で
きる。また、正負吸着電極板の数を増やすと、気流幅方
向に分布する粒子を更に細かく等級分け(例えば大、
中、小粒子)して、それぞれ個別にイオン濃度を測定す
ることも可能となる。
【0032】粒子径のいずれの範囲を大粒子、小粒子と
するかは必ずしも明確ではないが、本発明が目的とした
正イオン大粒子のイオン濃度、そして前記イオン濃度の
変化を捉えるのであれば、本発明の計測装置における粒
子の分別で十分である。むしろ装置の簡素化及び軽量化
を実現し、総じて製造コストを低減することによる計測
点の数を増やすことができ、地震予知目的をよりよく達
成できる効果等をもたらす利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくイオン濃度計測装置の一例を示
す構成図である。
【図2】気流管路の構造を表す図1中A−A断面図であ
る。
【図3】略半円弧状管路からなるイオン分別部における
正イオン大粒子の運動を示す部分断面図である。
【図4】同イオン分別部における正イオン小粒子の運動
を示す部分断面図である。
【図5】負イオン粒子の運動を示す部分断面図である。
【図6】イオン吸着部における粒子の吸着態様を示す部
分断面図である。
【図7】Δtの測定タイミング間隔で総電荷量をリセッ
トしながら測定を繰り返している状態を表すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 気流管路 2 イオン分別部 7 イオン吸着部 8 空気整流部 9 空気取込口 10 空気排出口 11 電圧印加部 12 負吸着電極板 13 粒子計数部 14 気流形成部 18 内周側壁 19 外周側壁 20 整流板 21 正分離電極板 22 負分離電極板(接地電極) 23 正吸着電極板 24 負補助吸着電極板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原口 竜一 岡山県岡山市中井町1丁目5−46

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気中に含まれる粒子のうちイオン別か
    つ粒子径別に分別した粒子のイオン濃度を計測する装置
    であって、一端から空気を吸い込んで気流流れ方向を湾
    曲させた後に他端から放出する気流管路と、該気流管路
    内の電界を形成するために該気流管路に対して電圧を印
    加する電圧印加部と、前記電界を通過して流路幅方向に
    分別した粒子の特定流路幅範囲における総粒子数を計数
    する粒子計数部と、気流管路内の気流を形成する気流形
    成部とからなり、粒子の流路幅方向の分別は粒子毎のイ
    オン別かつ粒子径別であり、該分別は電圧印加部による
    電界内でのクーロン力と、気流流れ方向の湾曲による遠
    心力とのバランスを利用してなるイオン濃度計測装置。
  2. 【請求項2】 気流管路は空気取込口、空気整流部、イ
    オン分別部、イオン吸着部及び空気排出口から構成し、
    空気整流部は空気取込口から取込んだ気流を層流に整え
    る整流板を設けた管路、イオン分別部は円弧状に曲が
    り、半径方向の電界を形成する正負分離電極板を内外周
    に設けた管路、イオン吸着部は気流幅方向中央付近に気
    流流れ方向に延びる正負吸着電極板を設けた管路からな
    り、正負吸着電極板より下流に空気排出口を設け、電圧
    印加部が正負分離電極板に電圧を印加し、粒子計数部が
    正又は負吸着電極板に吸着した総粒子数を該総粒子数に
    比例する電気量として測定して算出する請求項1記載の
    イオン濃度計測装置。
  3. 【請求項3】 イオン吸着部は、正負吸着電極板を挟ん
    で該正負吸着電極板と異極性の正負補助吸着電極板を内
    外周に設けた管路である請求項2記載のイオン濃度計測
    装置。
  4. 【請求項4】 粒子計数部は、電流測定機能部及び総粒
    子数算出部からなり、電流測定機能部は正又は負吸着電
    極板に吸着する粒子によって流れる電流を測定し、総粒
    子数算出部は前記電流値を時間積分して単位時間当たり
    の総電荷量を求め、該総電荷量を粒子の単位電荷量で徐
    算して単位時間当たりの総粒子数を計数する請求項2記
    載のイオン濃度計測装置。
  5. 【請求項5】 粒子計数部は、電位測定機能部及び総粒
    子数算出部からなり、電流測定機能部は正又は負吸着電
    極板に吸着する粒子によって加わる電位を測定し、総粒
    子数算出部は前記電位値を正又は負吸着電極板から定ま
    る静電容量値とかけ合わせて単位時間当たりの総電荷量
    を求め、該総電荷量を粒子の単位電荷量で徐算して単位
    時間当たりの総粒子数を計数する請求項2記載のイオン
    濃度計測装置。
  6. 【請求項6】 気流管路の空気整流部、イオン分別部及
    びイオン吸着部が同一水平面内に並んでいる請求項2記
    載のイオン濃度計測装置。
  7. 【請求項7】 気流管路の空気整流部、イオン分別部及
    びイオン吸着部が同一垂直面内に並び、空気整流部及び
    イオン吸着部は略垂直方向管路、イオン分別部は略半円
    弧状管路であり、空気整流部から下方に向けた気流流れ
    方向をイオン分別部で上下反転させてイオン吸着部から
    上方に向ける請求項2記載のイオン濃度計測装置。
  8. 【請求項8】 粒子計数部は、測定機能部、測定タイミ
    ング設定部及びリセット部とからなり、測定機能部は測
    定タイミング部が指定する測定タイミング毎に蓄積した
    総粒子数を計数し、リセット部は前記測定後に粒子を解
    放又は電気的中和して電気量をリセットし、再び測定タ
    イミングまで粒子の経時的な蓄積を開始する請求項1記
    載のイオン濃度計測装置。
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