JP2002327988A - 誘導加熱溶解炉 - Google Patents

誘導加熱溶解炉

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JP2002327988A
JP2002327988A JP2001130749A JP2001130749A JP2002327988A JP 2002327988 A JP2002327988 A JP 2002327988A JP 2001130749 A JP2001130749 A JP 2001130749A JP 2001130749 A JP2001130749 A JP 2001130749A JP 2002327988 A JP2002327988 A JP 2002327988A
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賢人 中嶋
Atsushi Okuno
敦 奥野
Masanori Tsuda
正徳 津田
Yasuhiro Nakai
泰弘 中井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大重量の被溶解金属20であっても、大型化
することなく低コストで簡単且つ短時間でルツボ1から
取り出す。 【解決手段】 複数の導電性セグメント8を円周方向に
相互に絶縁して配列することにより底面側から上面側に
かけて開口径を拡大させるように形成された側面壁と、
開閉可能な底面壁とを有したルツボ1と、側面壁の外周
側に配置され、ルツボ1に収容された被溶解金属20を
誘導加熱する誘導加熱コイル11と、ルツボ1内の被溶
解金属20を底面側から押し上げる押上機構46とを有
した構成にされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導加熱により金
属を溶解する誘導加熱溶解炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、誘導加熱溶解炉は、互いに電気的
に絶縁された縦割り状の導電性セグメントを円周方向に
配列することにより形成された容器状のルツボと、ルツ
ボの周囲に配置された誘導加熱コイルと、これらルツボ
やコイルを収容し、所定の真空度等の溶解雰囲気を形成
可能な真空タンクと、ルツボを傾動させるルツボ傾動機
構とを備えている。
【0003】上記のように構成された誘導加熱溶解炉に
より所望の金属を製造する場合には、先ず、ルツボに被
溶解金属を投入した後、真空タンク内を減圧し、所望の
溶解雰囲気とする。そして、誘導加熱コイルに交流電力
を供給することにより被溶解金属を誘導加熱して溶解
し、所定時間が経過して所望の純度や成分となったとき
に、通常は鋳型に出湯される。しかしながら、適当な鋳
型材がない等の理由で鋳造ができない場合や溶解中にト
ラブルが発生した場合等は、被溶解金属をルツボ内で凝
固させている。この場合、凝固した被溶解金属が充分に
冷えた後、真空タンクの扉を開け、ルツボを90℃以上
に傾動し、ルツボから被溶解金属を滑り出させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、被溶解金属を一度の処理(1バッチ)で
多量に得ようとすると、被溶解金属およびルツボが大重
量化するため、ルツボを傾動した際に、これらの重量に
耐える必要があるが、溶解効率等の理由からルツボの強
度を大きくすることは難しく、大型化には限界があっ
た。さらに重量物である被溶解金属の取り出し作業をル
ツボから滑り出させて行うため、被溶解金属を破損させ
ないように受け止めることが必要になると共に、重量物
が動くため、受け損なって落下させたり手が挟まれる等
の事故が起こる危険性があり、取り扱いが困難化すると
いう問題もある。
【0005】そこで、大重量の被溶解金属を取り出す場
合には、ルツボに収容された被溶解金属の上面に穴部を
形成する共に、この穴部に懸吊部材を取り付け、懸吊部
材を上昇させることによって、被溶解金属をルツボから
引き上げる方法が採用されることがある。ところが、こ
の方法では、被溶解金属に穴部を形成する作業と、穴部
に懸吊部材を取り付ける作業とが必要となって作業性が
悪く、取り出しに長時間を要するという問題がある。
【0006】従って、本発明は、大重量の被溶解金属で
あっても、簡単且つ短時間で安全にルツボから取り出す
ことができる誘導加熱溶解炉を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明の誘導加熱溶解炉は、複数の導電性
セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列することに
より底面側から上面側にかけて開口径を拡大させるよう
に形成された側面壁と、開閉可能な底面壁とを有したル
ツボと、前記側面壁の外周側に配置され、前記ルツボに
収容された被溶解金属を誘導加熱する誘導加熱コイル
と、前記ルツボ内の被溶解金属を底面側から押し上げる
押上機構とを有することを特徴としている。
【0008】上記の構成によれば、被溶解金属が大重量
となっても、押上機構で被溶解金属のみを押し上げてル
ツボから取り外すことができるため、従来のようにルツ
ボを傾動させて取り出す場合よりも、ルツボ側壁の強度
が小さくて済む。この結果、ルツボ側壁を薄くできるた
め、溶解効率を向上させることが可能になる。さらに、
被溶解金属は押し上げられた位置で静止しているため、
滑り出てくる被溶解金属を受け損なって落下させたり、
受け止め時の衝撃で被溶解金属が破損する等の危険をお
かすことなく安全に取り扱うことが可能となり、簡単か
つ短時間で被溶解金属をルツボから取り出すことができ
る。
【0009】請求項2の発明は、請求項1に記載の誘導
加熱溶解炉であって、前記ルツボの側面壁は、複数の傾
斜角度および曲面の組み合わせからなることを特徴とし
ている。
【0010】上記の構成によれば、被溶解金属を最も取
り出し易い状態にルツボを形成することができる共に、
ルツボの底面壁に磁束を効果的に集合させることによっ
て、スカルの発生量を最小限に抑制することができる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1または2に記
載の誘導加熱溶解炉であって、前記押上機構で押し上げ
られた被溶解金属を保持する搬送機構を有することを特
徴としている。
【0012】上記の構成によれば、被溶解金属が人手で
搬送できない程度に大重量化しても、搬送機構により容
易かつ安全に搬送することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図4に基づいて以下に説明する。本実施の形態に係る誘
導加熱溶解炉は、図1に示すように、被溶解金属20を
収容するルツボ1を有している。ルツボ1は、純銅の熱
伝導率(389W/m・k)よりも小さな熱伝導率(3
22W/m・k)のクロム銅により形成されており、ル
ツボ1の機械的強度を高めていると共に、被溶解金属2
0の単位時間当たりの抜熱量を純銅の場合よりも低減し
ている。尚、ルツボ1は、純銅の他、純銅の熱伝導率よ
りも小さな熱伝導率のジルコニウム銅やベリリウム銅、
クロムジルコニウム銅、テルル銅等の金属材料を用いる
ことができる。また、被溶解金属20としては、純銅や
銅合金の他、金や銀、アルミニウム、これら各金属の合
金等の大きな熱伝導率を有した金属を挙げることができ
ると共に、鉄やコバルト、チタン、ニッケル、ジルコニ
ウム、ハフニウム、クロム、ニオブ、タンタル、モリブ
デン、ウラン、希土類金属、トリウム、これらの合金等
を挙げることができる。
【0014】上記のルツボ1は、ルツボ1の底面壁を構
成するように形成された円盤状の底部材2と、ルツボ1
の側面壁を構成するように、底部材2の円周方向に沿っ
て配設された複数の導電性セグメント8とを有してい
る。導電性セグメント8は、図4に示すように、鉛直方
向に立設された側壁部9と、側壁部9の下端部から外周
方向に曲折され、フランジ部材4上にボルト6により締
結される取付部10とを有している。側壁部9の被溶解
金属20側に位置する内側面は、下部側の側壁鉛直面9
aと上部側の側壁傾斜面9bとで構成されている。側壁
鉛直面9aは、底部材2の側面に摺動自在に当接するよ
うに形成されている。一方、側壁傾斜面9bは、側壁鉛
直面9aから上端にかけて厚みが薄くなるように傾斜さ
れている。これにより、導電性セグメント8は、底部材
2の側面に沿って円周方向に配置されたときに、底部材
2から上端面にかけて径を拡大した逆円錐形状の側面壁
を有したルツボ1を形成するようになっている。
【0015】上記の導電性セグメント8は、隣接するセ
グメント8・8同士が互いに電気的に絶縁状態にされて
いる。また、各導電性セグメント8における幅方向の中
心部には、上端部を残して縦方向にスリット8aが形成
されている。スリット8aは、導電性セグメント8を縦
方向に二分割しており、導電性セグメント8の側壁部9
と取付部10とは、スリット8aを介して互いに電気的
に絶縁状態にされている。尚、導電性セグメント8は、
所定の強度を維持できる範囲内で側壁部9の横断面積を
減少させるようにスリット8aの幅が内側から外側にか
けて階段状に拡大されていても良く、この場合には、側
壁部9の誘導加熱による損失を減少させることができ
る。
【0016】また、各導電性セグメント8の内部には、
図3に示すように、冷却水路8bと連通路8cとが形成
されている。冷却水路8bは、スリット8aで二分割さ
れた一方の側壁部9と他方の側壁部9とにそれぞれ形成
されている。また、連通路8cは、導電性セグメント8
の上端部に形成されており、両側壁部9・9における冷
却水路8b・8bの上端部同士を連通している。また、
各冷却水路8bの下端は、フランジ部材4の冷却水路4
bおよび架台7の冷却水路7aに連通されている。これ
らの冷却水路8b・4b・7aは、冷却水を流通させる
ことによって、導電性セグメント8を含むルツボ1の全
体を所定の温度(被溶解金属20との反応温度)以下に
冷却している。
【0017】上記のように構成されたルツボ1の外周側
には、誘導加熱コイル11が巻回されている。誘導加熱
コイル11には、図示しない溶解用電源が接続されてい
る。溶解用電源は、交流電力を誘導加熱コイル11に供
給してルツボ1の内壁面に沿った交番磁場を生成させ、
この交番磁場をルツボ1に収容された被溶解金属20に
浸透させて誘導加熱する。
【0018】また、ルツボ1は、環状のフランジ部材4
を介して架台7に支持されている。架台7は、ルツボ1
の下方に形成された凹形状の支持部7bを備えている。
支持部7bには、中間押上機構12が着脱可能に設けら
れている。中間押上機構12は、底部材2の底面に連結
された第1押上盤13と、支持部7bと底部材2との間
に配置され、支持部7bに対して締結可能にされた第2
押上盤14と、支持部7bの下方に配置された第3押上
盤15と、これら第1〜第3押上盤13〜15の中心部
に鉛直方向に貫設された棒状部材16とを有している。
第1〜第3押上盤13〜15は、中間押上機構12がル
ツボ1内を昇降自在に移動できるように、底部材2より
も小さな径に設定されている。また、棒状部材16およ
び第1押上盤13には、図示しない冷却水路が形成され
ており、この冷却水路は、底部材2の図示しない冷却水
路に連通され、底部材2を冷却可能にしている。
【0019】上記のルツボ1は、図1に示すように、真
空容器32内に設けられている。真空容器32は、ルツ
ボ1を収容する箱型形状の収容体33と、収容体33の
一方の側面壁を構成する蓋体34とを備えている。収容
体33の他方の側面壁には、排気穴33aが形成されて
いる。排気穴33aは、電磁バルブ37aおよび圧力調
整器37bからなる圧力調整機構37を介して真空ポン
プ39に接続されている。さらに、排気穴33aには、
バルブ37cを介して不活性ガスが導入可能にされてい
る。
【0020】一方、収容体33の一方の側面壁を構成す
る蓋体34は、収容体33に対して着脱可能にされてい
ると共に、図示しないパッキン等のシール部材を介して
収容体33に圧接されることにより気密状態にされてい
る。蓋体34の内壁面には、架台7の一端部が連結され
ている。また、蓋体34と架台7とは、支持板42によ
り架台7の水平度を維持するように補強されている。こ
れにより、ルツボ1は、真空容器32内において蓋体3
4で片持ち支持された状態にされている。
【0021】また、蓋体34の外壁面には、蓋体34を
鉛直方向に支持する立設支持部材43が設けられてい
る。立設支持部材43は、下端部が台車44に連結され
ている。台車44は、真空容器32から外部方向に水平
配置されたレール45上を走行可能にされており、図1
の真空容器32に蓋体34を密接させる処理位置と、図
2の真空容器32から蓋体34を切り離した被溶解金属
20の取り出し位置とに移動される。
【0022】また、立設支持部材43および台車44の
中心部には、台車44が収容体33から後退したとき
に、押上機構46を通過させるように図示しない切欠部
が形成されている。押上機構46は、図2に示すよう
に、油圧式や水圧式、空圧式、電動式等のシリンダ装置
からなっており、ロッド部材46aを鉛直方向に進退移
動可能になっている。そして、押上機構46は、台車4
4が取り出し位置に位置決めされたときに、ルツボ1の
底部材2および中間押上機構12の下方に位置するよう
に配置されており、ロッド部材46aを上昇させること
によって、図示二点鎖線で示すように中間押上機構12
を介して底部材2を持ち上げて凝固した被溶解金属20
を装着高さ位置に上昇させるようになっている。
【0023】また、上記の装着高さ位置の上方には、搬
送機構40が設けられている。搬送機構40は、装着高
さ位置に上昇された被溶解金属20の側面を保持するバ
ンド部材47と、バンド部材47を昇降させる昇降装置
48と、昇降装置48を水平方向に移動させるように配
置されたレール部材49とを有している。そして、この
ように構成された搬送機構40は、装着高さ位置に上昇
された被溶解金属20をバンド部材47で保持しながら
上昇させることにより被溶解金属20を底部材2から切
り離し、レール部材49で水平方向に搬送して図示しな
い載置台に載置する。
【0024】上記の構成において、誘導加熱溶解炉の動
作を説明する。先ず、真空容器32の蓋体34が収容体
33から切り離され、台車44により蓋体34が後退さ
れることによって、ルツボ1が真空容器32内から搬出
されて取り出し位置に移動される。そして、搬送機構4
0が図示しない退避位置に移動された後、塊状や粉状の
被溶解金属20がルツボ1に投入される。1バッチ分の
被溶解金属20の投入が完了すると、台車44が収容体
33方向に前進されることによって、ルツボ1が真空容
器32内に搬入されると共に、蓋体34が収容体33の
一方面に接合される。そして、図1に示すように、蓋体
34と収容体33とが図示しないボルト等により締結さ
れて気密状態に接合されることによって、ルツボ1が密
閉状態の真空容器32内にセットされる。
【0025】次に、真空容器32内の減圧が開始される
と共に、側壁部9の冷却水路8bに冷却水が供給される
ことによりルツボ1が冷却される。この後、圧力が圧力
調整機構37により例えば1.0×10-4 Pa以下の
所定圧力にまで減圧されたときに、図示しない溶解用電
源から誘導加熱コイル11に対して交流電力が供給され
る。誘導加熱コイル11に交流電力が供給されると、誘
導加熱コイル11の周囲に交番磁場が生成されることに
なり、誘導加熱コイル11の内周側における交番磁場
は、縦方向に分割された導電性セグメント8を介してル
ツボ1の内側に透過し、被溶解金属20を誘導加熱す
る。
【0026】これにより、図3に示すように、被溶解金
属20は、溶融温度に昇温した表面側から溶解を開始し
て溶湯20bとなり、ルツボ1の底面壁に向かって流れ
落ちる。そして、溶湯20bがルツボ1の底部材2に到
達したときに、底部材2により冷却されて凝固し、皿状
のスカル20aを形成する。そして、スカル20aが所
定以上の厚みとなってルツボ1による冷却能力よりも誘
導加熱による加熱能力が上回ると、スカル20a上に溶
湯20bとして滞留していくことになる。溶湯20bの
滞留量が増加すると、溶湯20bが交番磁場と誘導電流
との相互作用および重力の作用を受けることによって、
周辺部から中央部にかけて盛り上がったドーム形状の外
形を呈しながら撹拌されることになる。また、このよう
な溶湯20bの形成時において、被溶解金属20のスカ
ル20aと接触する内面側が反応温度以下に冷却されて
いるため、ルツボ1の不純物がスカル20aを介して溶
湯20bに移行することもない。さらに、ルツボ1の傾
斜された内壁面がルツボ1の底部側に磁束を集合させる
ように作用することによって、スカル20aの生成を最
小限に抑制している。
【0027】次に、被溶解金属20の溶解を開始してか
ら所定時間が経過すると、誘導加熱コイル11への電力
供給が停止され、ルツボ1により溶湯20bが積極的に
冷却される。そして、溶湯20bが凝固して被溶解金属
20が固化状態になると、真空容器32内が大気圧状態
に戻される。この後、蓋体34と収容体33との締結が
解除され、台車44が真空容器32に対して後退される
ことによって、蓋体34が収容体33から離隔される。
【0028】台車44が後退されることによって、図2
に示すように、ルツボ1が取り出し位置に移動される
と、押上機構46がロッド部材46aを上昇させる。そ
して、ロッド部材46aの先端部で中間押上機構12を
介して底部材2が押し上げられることによって、図示二
点鎖線で示すように、底部材2と共に固化状態の被溶解
金属20が上昇される。この際、ルツボ1の内壁面が底
面から上面にかけて開口径を拡大させるように傾斜され
ているため、被溶解金属20がルツボ1から容易に抜き
取られる。
【0029】被溶解金属20が装着高さ位置にまで上昇
されると、搬送機構40のバンド部材47が被溶解金属
20の側面に巻回されることによって、被溶解金属20
がバンド部材47で保持される。そして、昇降装置48
によりバンド部材47が上昇されることによって、被溶
解金属20が底部材2から引き剥がされる。この後、バ
ンド部材47に保持された被溶解金属20が搬送され、
図示しない載置台に衝撃を与えないように緩やかに下降
されながら載置される。一方、被溶解金属20を引き剥
がされた底部材2は、押上機構46により下降され、ル
ツボ1の底面壁としてセットされる。そして、次ロット
分の被溶解金属20がルツボ1に投入され、上述と同様
の動作により被溶解金属20の溶解が行われる。
【0030】以上のように、本実施形態の誘導加熱溶解
炉は、複数の導電性セグメント8を円周方向に相互に絶
縁して配列することにより底面側から上面側にかけて開
口径を拡大させるように形成された側面壁と、開閉可能
な底面壁とを有したルツボ1と、側面壁の外周側に配置
され、ルツボ1に収容された被溶解金属20を誘導加熱
する誘導加熱コイル11と、ルツボ1内の被溶解金属2
0を底面側から押し上げる押上機構46とを有した構成
にされている。これにより、被溶解金属20が大重量と
なっても、押上機構46で被溶解金属20のみを押し上
げてルツボ1から取り外すことができるため、従来のよ
うにルツボ1を傾動させて取り外す場合よりも、被溶解
金属20を取り外すための機構を小型化および低コスト
化することが可能になっていると共に、簡単且つ短時間
で被溶解金属20をルツボ1から取り出すことができる
ようになっている。
【0031】以上、本発明を好適な実施の形態に基づい
て説明したが、本発明はその趣旨を超えない範囲におい
て変更が可能である。即ち、例えば本実施形態において
は、ルツボ1の側面壁が一つの傾斜角度に設定された平
面からなっているが、複数の傾斜角度および曲面の組み
合わせからなっていても良い。そして、この場合には、
被溶解金属20を最も取り出し易い状態にルツボ1を形
成することができる共に、ルツボ1の底面壁に磁束を効
果的に集合させることによって、スカル20aの発生量
を最小限に抑制することができる。
【0032】また、本実施形態における押上機構46
は、真空容器32の外部に設けられているが、これに限
定されるものではなく、蓋体34に連結されたり、ルツ
ボ1に連結されて真空容器32内にルツボ1と共に搬入
されるようになっていても良い。また、本実施形態にお
ける押上機構46は、油圧式等のシリンダ装置により形
成されているが、人力を駆動源とするものであっても良
い。さらに、搬送機構は、吊るす以外に例えば横からア
ーム(ロボットアーム等)を伸ばしてインゴットをチャ
ッキングして搬送しても良い。
【0033】
【発明の効果】請求項1の発明の誘導加熱溶解炉は、複
数の導電性セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列
することにより底面側から上面側にかけて開口径を拡大
させるように形成された側面壁と、開閉可能な底面壁と
を有したルツボと、前記側面壁の外周側に配置され、前
記ルツボに収容された被溶解金属を誘導加熱する誘導加
熱コイルと、前記ルツボ内の被溶解金属を底面側から押
し上げる押上機構とを有する構成である。
【0034】上記の構成によれば、被溶解金属が大重量
となっても、押上機構で被溶解金属のみを押し上げてル
ツボから取り外すことができるため、従来のようにルツ
ボを傾動させて取り出す場合よりも、ルツボ側壁の強度
が小さくて済む。この結果、ルツボ側壁を薄くできるた
め、溶解効率を向上させることが可能になる。さらに、
被溶解金属は押し上げられた位置で静止しているため、
滑り出てくる被溶解金属を受け損なって落下させたり、
受け止め時の衝撃で被溶解金属が破損する等の危険をお
かすことなく安全に取り扱うことが可能となり、簡単か
つ短時間で被溶解金属をルツボから取り出すことができ
る。
【0035】請求項2の発明は、請求項1に記載の誘導
加熱溶解炉であって、前記ルツボの側面壁は、複数の傾
斜角度および曲面の組み合わせからなる構成である。
【0036】上記の構成によれば、被溶解金属を最も取
り出し易い状態にルツボを形成することができる共に、
ルツボの底面壁に磁束を効果的に集合させることによっ
て、スカルの発生量を最小限に抑制することができる。
【0037】請求項3の発明は、請求項1または2に記
載の誘導加熱溶解炉であって、前記押上機構で押し上げ
られた被溶解金属を保持する搬送機構を有する構成であ
る。
【0038】上記の構成によれば、被溶解金属が人手で
搬送できない程度に大重量化しても、搬送機構により容
易かつ安全に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被溶解金属を溶解する状態を示す説明図であ
る。
【図2】被溶解金属をルツボから取り外す状態を示す説
明図である。
【図3】ルツボの一部を破断して示す概略構成図であ
る。
【図4】導電性セグメントの要部斜視図である。
【符号の説明】
1 ルツボ 2 底部材 3 円筒部 4 フランジ部材 6 ボルト部材 7 架台 8 導電性セグメント 9 側壁部 10 取付部 11 誘導加熱コイル 12 中間押上機構 13 第1押上盤 14 第2押上盤 15 第3押上盤 16 棒状部材 20 被溶解金属 32 真空容器 33 収容体 34 蓋体 37 圧力調整機構 40 搬送機構 42 支持板 43 立設支持部材 44 台車 45 レール 46 押上機構 47 バンド部材 48 昇降装置 49 レール部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 6/24 H05B 6/24 (72)発明者 津田 正徳 三重県伊勢市竹ヶ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢事業所内 (72)発明者 中井 泰弘 三重県伊勢市竹ヶ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢事業所内 Fターム(参考) 3K059 AB07 AB19 AB20 AD01 4K046 AA01 BA01 BA02 BA03 CA01 CB02 CB03 CB06 CC01 CD02 CD20 CE09 DA07 4K051 AA06 AB03 AB05 BB01 MA08 MA10 4K063 AA04 AA12 BA02 BA03 CA02 CA09 FA34 FA36 FA38 FA39

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の導電性セグメントを円周方向に相
    互に絶縁して配列することにより底面側から上面側にか
    けて開口径を拡大させるように形成された側面壁と、開
    閉可能な底面壁とを有したルツボと、 前記側面壁の外周側に配置され、前記ルツボに収容され
    た被溶解金属を誘導加熱する誘導加熱コイルと、 前記ルツボ内の被溶解金属を底面側から押し上げる押上
    機構とを有することを特徴とする誘導加熱溶解炉。
  2. 【請求項2】 前記ルツボの側面壁は、複数の傾斜角度
    および曲面の組み合わせからなることを特徴とする請求
    項1に記載の誘導加熱溶解炉。
  3. 【請求項3】 前記押上機構で押し上げられた被溶解金
    属を保持する搬送機構を有することを特徴とする請求項
    1または2に記載の誘導加熱溶解炉。
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