JP2002325743A - Mri用磁気回路構造 - Google Patents
Mri用磁気回路構造Info
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- JP2002325743A JP2002325743A JP2001134904A JP2001134904A JP2002325743A JP 2002325743 A JP2002325743 A JP 2002325743A JP 2001134904 A JP2001134904 A JP 2001134904A JP 2001134904 A JP2001134904 A JP 2001134904A JP 2002325743 A JP2002325743 A JP 2002325743A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 運搬中や振動により開口部ギャップが変化せ
ず、磁場の均一度が変化しない磁気回路構造を提供す
る。 【解決手段】 空隙を隔てて対向する永久磁石3と、該
永久磁石の組み合わせの外側にあって、該永久磁石を支
持するベース継鉄6と、該永久磁石間の距離を一定に保
つように該ベース継鉄間を結び、該ベース継鉄の片側に
設けられた柱状継鉄2と、該柱状継鉄と距離を隔てて、
該ベース継鉄間に設けられた非磁性体柱1とを含むMR
I用磁気回路構造7を提供する。非磁性体柱1は、取り
外し可能であり、これにより運搬中など、磁気回路構造
が振動を受ける状況であっても、開口部ギャップ5を固
定し、磁場均一度などが変化しにくい磁気回路構造を提
供することができる。
ず、磁場の均一度が変化しない磁気回路構造を提供す
る。 【解決手段】 空隙を隔てて対向する永久磁石3と、該
永久磁石の組み合わせの外側にあって、該永久磁石を支
持するベース継鉄6と、該永久磁石間の距離を一定に保
つように該ベース継鉄間を結び、該ベース継鉄の片側に
設けられた柱状継鉄2と、該柱状継鉄と距離を隔てて、
該ベース継鉄間に設けられた非磁性体柱1とを含むMR
I用磁気回路構造7を提供する。非磁性体柱1は、取り
外し可能であり、これにより運搬中など、磁気回路構造
が振動を受ける状況であっても、開口部ギャップ5を固
定し、磁場均一度などが変化しにくい磁気回路構造を提
供することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気回路構造に関する
ものである。特には、本発明は、運搬時に磁場の質の変
化が少ない磁気共鳴イメージング(MRI)用の磁気回
路構造に関する。
ものである。特には、本発明は、運搬時に磁場の質の変
化が少ない磁気共鳴イメージング(MRI)用の磁気回
路構造に関する。
【0002】
【従来技術】磁気共鳴イメージング装置向けの永久磁石
を用いた磁場発生装置は、希土類磁石を用いた磁石対向
型磁気回路が主流となっている。図4、図5、図6に従
来型の磁気回路の平面図、側面図、および正面図をそれ
ぞれ示す。この磁石対向型の従来型の磁気回路10で
は、空隙を隔てて対向する二つの永久磁石3が、これら
の永久磁石からの磁束を通すためのベース継鉄6に支持
されている。そして、対向する二つの永久磁石間の空隙
距離を一定に保つように、このベース継鉄6の間に垂直
に、磁性体の柱をなす柱状継鉄2が設置されている。図
5に示すように、コの字状に設置した柱状継鉄2とベー
ス継鉄6と永久磁石3とにより磁気の閉回路が形成され
る。さらに、空隙側に均一な磁界を発生させるために、
一般に永久磁石の対向する表面上に、軟鉄など軟質磁性
体からなる磁極片4が設けられている。継鉄の材質とし
ては、主に軟鉄であり、永久磁石の材質は例えばNdFeB
系の希土類永久磁石である。このような構造により、従
来型の磁気回路10においては、永久磁石間の空隙に、
均一な磁界空間を形成していた。
を用いた磁場発生装置は、希土類磁石を用いた磁石対向
型磁気回路が主流となっている。図4、図5、図6に従
来型の磁気回路の平面図、側面図、および正面図をそれ
ぞれ示す。この磁石対向型の従来型の磁気回路10で
は、空隙を隔てて対向する二つの永久磁石3が、これら
の永久磁石からの磁束を通すためのベース継鉄6に支持
されている。そして、対向する二つの永久磁石間の空隙
距離を一定に保つように、このベース継鉄6の間に垂直
に、磁性体の柱をなす柱状継鉄2が設置されている。図
5に示すように、コの字状に設置した柱状継鉄2とベー
ス継鉄6と永久磁石3とにより磁気の閉回路が形成され
る。さらに、空隙側に均一な磁界を発生させるために、
一般に永久磁石の対向する表面上に、軟鉄など軟質磁性
体からなる磁極片4が設けられている。継鉄の材質とし
ては、主に軟鉄であり、永久磁石の材質は例えばNdFeB
系の希土類永久磁石である。このような構造により、従
来型の磁気回路10においては、永久磁石間の空隙に、
均一な磁界空間を形成していた。
【0003】このような磁気回路10は、均一磁界空間
へのアクセスが容易なことが特長である。その中でも図
示する従来型の磁気回路10は、柱状継鉄2が側面に1
本設けられており、横から見た場合にコの字型となる継
鉄を用いる。従って、三方向からのアクセスが容易であ
り、被験者が受ける圧迫感も少なく介助もし易いなどの
特長を持つ。ここで開口部とは、コの字型として見た場
合(図5参照)の、柱状継鉄2の無い側を指し、主にこ
の部分から被験者もしくは介護者が撮像空間にアクセス
することができる。
へのアクセスが容易なことが特長である。その中でも図
示する従来型の磁気回路10は、柱状継鉄2が側面に1
本設けられており、横から見た場合にコの字型となる継
鉄を用いる。従って、三方向からのアクセスが容易であ
り、被験者が受ける圧迫感も少なく介助もし易いなどの
特長を持つ。ここで開口部とは、コの字型として見た場
合(図5参照)の、柱状継鉄2の無い側を指し、主にこ
の部分から被験者もしくは介護者が撮像空間にアクセス
することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来型の磁
気回路10の形状では、永久磁石3を組込んだ対向する
二つの磁極間の吸引力を、柱状継鉄2が支えることにな
る。吸引力は磁場強度によって異なるが、一般に約20
0N〜1500Nの力となり、1本の柱でこれを安定し
て支えることは困難なことがある。従って、構造上、開
口部ギャップ5が狭くなったり広くなったりするといっ
た振動を発生するおそれがある。安定した場所に設置さ
れ、固定されてしまえば大きな問題はないが、特に、ト
ラックによる運搬中など、装置に振動が加わる場合に、
開口部ギャップ5が変化することが考えられる。
気回路10の形状では、永久磁石3を組込んだ対向する
二つの磁極間の吸引力を、柱状継鉄2が支えることにな
る。吸引力は磁場強度によって異なるが、一般に約20
0N〜1500Nの力となり、1本の柱でこれを安定し
て支えることは困難なことがある。従って、構造上、開
口部ギャップ5が狭くなったり広くなったりするといっ
た振動を発生するおそれがある。安定した場所に設置さ
れ、固定されてしまえば大きな問題はないが、特に、ト
ラックによる運搬中など、装置に振動が加わる場合に、
開口部ギャップ5が変化することが考えられる。
【0005】開口部ギャップ5の変化は、このような磁
気回路において重要な磁場強度や磁場均一度を変えてし
まうことになり問題となっていた。
気回路において重要な磁場強度や磁場均一度を変えてし
まうことになり問題となっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、空隙を隔てて対向する永久磁石と、該永
久磁石の組み合わせの外側にあって、該永久磁石を支持
するベース継鉄と、該永久磁石間の距離を一定に保つよ
うに該ベース継鉄間を結び、該ベース継鉄の片側に設け
られた柱状継鉄と、該柱状継鉄と距離を隔てて、該ベー
ス継鉄間に設けられた非磁性体柱とを含むMRI用磁気
回路構造を提供する。前記磁気回路構造に、該永久磁石
の対向する面の上に設置された磁極片をさらに含むこと
が好ましく、前記柱状継鉄と、前記非磁性体柱が、前記
ベース継鉄をはさんで互いに反対側に位置することが好
ましい。また、前記ベース継鉄が、ほぼ直方体またはほ
ぼ立方体の形状を有しており、前記非磁性体柱が、前記
永久磁石を支持するベース継鉄の表面の一辺の長さの1
/3以上の距離を前記柱状継鉄から隔てて、該表面の周
縁に設置されることを特徴とする磁気回路構造を提供す
る。これらの磁気回路構造において、前記非磁性体柱が
取り外し可能であることが好ましく、前記非磁性体柱の
断面積が、前記柱状継鉄の断面積の約1%〜20%であ
ることが好ましい。さらに本発明はこのようなMRI用
磁気回路構造の運搬において、運搬中は非磁性体柱を取
り付け、運搬後に該非磁性体柱を取り外すことを特徴と
する磁気回路構造の運搬方法を提供する。
に、本発明は、空隙を隔てて対向する永久磁石と、該永
久磁石の組み合わせの外側にあって、該永久磁石を支持
するベース継鉄と、該永久磁石間の距離を一定に保つよ
うに該ベース継鉄間を結び、該ベース継鉄の片側に設け
られた柱状継鉄と、該柱状継鉄と距離を隔てて、該ベー
ス継鉄間に設けられた非磁性体柱とを含むMRI用磁気
回路構造を提供する。前記磁気回路構造に、該永久磁石
の対向する面の上に設置された磁極片をさらに含むこと
が好ましく、前記柱状継鉄と、前記非磁性体柱が、前記
ベース継鉄をはさんで互いに反対側に位置することが好
ましい。また、前記ベース継鉄が、ほぼ直方体またはほ
ぼ立方体の形状を有しており、前記非磁性体柱が、前記
永久磁石を支持するベース継鉄の表面の一辺の長さの1
/3以上の距離を前記柱状継鉄から隔てて、該表面の周
縁に設置されることを特徴とする磁気回路構造を提供す
る。これらの磁気回路構造において、前記非磁性体柱が
取り外し可能であることが好ましく、前記非磁性体柱の
断面積が、前記柱状継鉄の断面積の約1%〜20%であ
ることが好ましい。さらに本発明はこのようなMRI用
磁気回路構造の運搬において、運搬中は非磁性体柱を取
り付け、運搬後に該非磁性体柱を取り外すことを特徴と
する磁気回路構造の運搬方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の態様】以下に、本発明の実施の態様を、
図を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施
の態様は本発明を限定するものではない。同じ部材には
同じ符号を付して表した。
図を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施
の態様は本発明を限定するものではない。同じ部材には
同じ符号を付して表した。
【0008】本発明は、外部から装置に加わる振動など
に起因する開口部ギャップによる磁場均一度の劣化を防
止する磁気回路構造、およびこの磁気回路構造の運搬方
法を提示するものである。問題となる振動は、継鉄が比
較的不安定なコの字形状であり、運搬などの移動時に可
動性があるために生ずる。従って、運搬中はコの字形状
で無いような形状、つまり外部からの力により変化しに
くい、固定された形状となるようにすることが好まし
い。そこで、開口部に取り外し可能な柱を設ける。この
柱の強度や取り付け方法により、振動を防止または緩和
し、運搬時に発生するギャップの変化による磁場強度や
磁場均一度等の磁場の質の劣化を防止することができる
と考えられる。
に起因する開口部ギャップによる磁場均一度の劣化を防
止する磁気回路構造、およびこの磁気回路構造の運搬方
法を提示するものである。問題となる振動は、継鉄が比
較的不安定なコの字形状であり、運搬などの移動時に可
動性があるために生ずる。従って、運搬中はコの字形状
で無いような形状、つまり外部からの力により変化しに
くい、固定された形状となるようにすることが好まし
い。そこで、開口部に取り外し可能な柱を設ける。この
柱の強度や取り付け方法により、振動を防止または緩和
し、運搬時に発生するギャップの変化による磁場強度や
磁場均一度等の磁場の質の劣化を防止することができる
と考えられる。
【0009】図1に、本発明の磁気回路構造7の側面図
を示す。これは、空隙を隔てて対向する二つの永久磁石
3を、1本の柱状継鉄2によって磁束を通す上下のベー
ス継鉄6内部に配置した磁気回路である。永久磁石は、
その厚み方向に磁化されており、互いに他を引きつける
力が働いている。永久磁石3の空隙側には磁極片4を設
け、磁極片間の空隙に均一な磁場を発生させることがで
きる。本発明は、この磁気回路の一部を構成する柱状継
鉄2の存在しない側、つまり開口部に、ベース継鉄6に
対して垂直に非磁性体柱1を設置し、これによりコの字
型磁気回路の開口部を固定して、振動などの外力を受け
る状況においても、開口部ギャップ5が変化しないよう
にするMRI用磁気回路構造7である。ベース継鉄6
は、おおむね直方体または立方体の形状であってよく、
その角は丸めることができる。
を示す。これは、空隙を隔てて対向する二つの永久磁石
3を、1本の柱状継鉄2によって磁束を通す上下のベー
ス継鉄6内部に配置した磁気回路である。永久磁石は、
その厚み方向に磁化されており、互いに他を引きつける
力が働いている。永久磁石3の空隙側には磁極片4を設
け、磁極片間の空隙に均一な磁場を発生させることがで
きる。本発明は、この磁気回路の一部を構成する柱状継
鉄2の存在しない側、つまり開口部に、ベース継鉄6に
対して垂直に非磁性体柱1を設置し、これによりコの字
型磁気回路の開口部を固定して、振動などの外力を受け
る状況においても、開口部ギャップ5が変化しないよう
にするMRI用磁気回路構造7である。ベース継鉄6
は、おおむね直方体または立方体の形状であってよく、
その角は丸めることができる。
【0010】この非磁性体柱1の大きさ(太さ)として
は、柱を付けたまま磁気回路の使用、つまり撮像などを
行うことも考えると、磁性体の柱状継鉄2の断面積の20
〜1%であることが望ましい。更には10〜1%であるこ
とが好ましい。それよりも大きいと、被験者の撮像空間
へのアクセスに支障が出るためであり、それよりも小さ
いと柱としての強度が得られないためである。
は、柱を付けたまま磁気回路の使用、つまり撮像などを
行うことも考えると、磁性体の柱状継鉄2の断面積の20
〜1%であることが望ましい。更には10〜1%であるこ
とが好ましい。それよりも大きいと、被験者の撮像空間
へのアクセスに支障が出るためであり、それよりも小さ
いと柱としての強度が得られないためである。
【0011】また、非磁性体柱1の形状としては、断面
の形状がI型、H型、L型,T型もしくはパイプ状でも良
く、角柱のほかに円柱等も挙げられるが、これらに限定
されない。非磁性体柱1の設置位置は、設置する柱が一
本である場合には、図2に示すように開口部の中央部に
設置することが好ましいが、この開口部の中央部から端
部(ベース継鉄6と柱状継鉄2とが交わる個所)までの
ベース継鉄6に沿った距離の約70%までの位置に設置
すれば磁場を均一に保持することができる。ベース継鉄
6が、ほぼ直方体の形状をしている場合には、非磁性体
柱1は、柱状継鉄2の設置位置に対し、ベース継鉄6の
長編の長さの1/3以上の距離を隔てて設置することが
好ましい。非磁性体柱1は、外部からの振動に対し、コ
の字型に近い形状をした磁気回路構造の開口部が片持ち
はりの状態となってしまい、大きく振動するのを防ぐた
めに設置するものである。従って、柱状継鉄2からある
程度の距離を隔てて設置し、このような振動を防止す
る。この非磁性体柱1が柱状継鉄2に近すぎると、結局
片持ちはりに近い状態となってしまい、振動が防止しに
くくなる。柱の本数は、均一磁場空間に外部からアクセ
スしやすいようにするため、少ないことが好ましく、最
も好ましくは、一本である。
の形状がI型、H型、L型,T型もしくはパイプ状でも良
く、角柱のほかに円柱等も挙げられるが、これらに限定
されない。非磁性体柱1の設置位置は、設置する柱が一
本である場合には、図2に示すように開口部の中央部に
設置することが好ましいが、この開口部の中央部から端
部(ベース継鉄6と柱状継鉄2とが交わる個所)までの
ベース継鉄6に沿った距離の約70%までの位置に設置
すれば磁場を均一に保持することができる。ベース継鉄
6が、ほぼ直方体の形状をしている場合には、非磁性体
柱1は、柱状継鉄2の設置位置に対し、ベース継鉄6の
長編の長さの1/3以上の距離を隔てて設置することが
好ましい。非磁性体柱1は、外部からの振動に対し、コ
の字型に近い形状をした磁気回路構造の開口部が片持ち
はりの状態となってしまい、大きく振動するのを防ぐた
めに設置するものである。従って、柱状継鉄2からある
程度の距離を隔てて設置し、このような振動を防止す
る。この非磁性体柱1が柱状継鉄2に近すぎると、結局
片持ちはりに近い状態となってしまい、振動が防止しに
くくなる。柱の本数は、均一磁場空間に外部からアクセ
スしやすいようにするため、少ないことが好ましく、最
も好ましくは、一本である。
【0012】非磁性体柱1の材質としては、剛性の非磁
性材料を使用することが好ましい。例えば、ステンレス
や真鍮、アルミや木材等が挙げられるが、これらに限定
されない。
性材料を使用することが好ましい。例えば、ステンレス
や真鍮、アルミや木材等が挙げられるが、これらに限定
されない。
【0013】非磁性体柱1は取り外し可能であることが
好ましい。非磁性体柱1の設置方法は、コの字型の磁気
回路に図3に示すように対向する二つのベース継鉄6に
ネジ8で止める等の方法を用いて設置することができ
る。しかし、これに限定されず、適切な方法で非磁性体
柱1を設置し、開口部ギャップ5を固定できるようにす
る。設置、固定後も取り外し可能な非磁性体柱1を付け
たまま使用しても、柱が非磁性であるため、磁場の強度
及び均一度に影響を与えることは無く、使用上問題は無
い。
好ましい。非磁性体柱1の設置方法は、コの字型の磁気
回路に図3に示すように対向する二つのベース継鉄6に
ネジ8で止める等の方法を用いて設置することができ
る。しかし、これに限定されず、適切な方法で非磁性体
柱1を設置し、開口部ギャップ5を固定できるようにす
る。設置、固定後も取り外し可能な非磁性体柱1を付け
たまま使用しても、柱が非磁性であるため、磁場の強度
及び均一度に影響を与えることは無く、使用上問題は無
い。
【0014】
【実施例】以下に、実施例を用い、本発明をさらに詳し
く説明する。図3に、本実施例で使用した本発明の磁気
回路構造7の側面図を示す。磁気回路の形状は、コの字
型であり、ベース継鉄および柱状継鉄には軟鉄を用い
た。この装置は、長さ1600 mm×幅1200 mm×高さ1300 m
mで重量10トン、開口部ギャップが400mm、磁場強度は0.
2 Tで、撮像空間は直径300mmの空間であった。断面の寸
法が200mm×50mmの取り外し可能なアルミニウムの柱一
本を、M30のネジ4本で開口部の継鉄部に取り付けた。
く説明する。図3に、本実施例で使用した本発明の磁気
回路構造7の側面図を示す。磁気回路の形状は、コの字
型であり、ベース継鉄および柱状継鉄には軟鉄を用い
た。この装置は、長さ1600 mm×幅1200 mm×高さ1300 m
mで重量10トン、開口部ギャップが400mm、磁場強度は0.
2 Tで、撮像空間は直径300mmの空間であった。断面の寸
法が200mm×50mmの取り外し可能なアルミニウムの柱一
本を、M30のネジ4本で開口部の継鉄部に取り付けた。
【0015】この場合、最も磁場均一度に影響を与える
ベース継鉄の振動は柱の無い場合に比べて、両端固定は
りのような振動となる。図7に、この場合の振動を模式
的に表した図を示す。このとき、ベース継鉄6の振動
は、非磁性体柱1と柱状継鉄2とで両端が固定されてい
るため、ベース継鉄6の中心付近で最も大きくふれる。
いっぽう、柱が柱状継鉄のみで、コの字型の形状をして
いる磁気回路では、片持ちはりの振動になる。この場合
の振動を模式的に表した図を図8に示す。この場合、ベ
ース継鉄6は、開口部で最も大きくふれることにより、
たわみも大きくなり、ギャップの変化、ひいては磁場均
一度の変化が発生しやすくなる。この際の開口部のふれ
は、非磁性体柱1があるときの2倍以上にもなる。この
ように、非磁性体柱を設けることで、振動を受けた場合
のベース継鉄の振幅が小さくなり、開口部ギャップの変
化が発生する可能性が小さくなる。
ベース継鉄の振動は柱の無い場合に比べて、両端固定は
りのような振動となる。図7に、この場合の振動を模式
的に表した図を示す。このとき、ベース継鉄6の振動
は、非磁性体柱1と柱状継鉄2とで両端が固定されてい
るため、ベース継鉄6の中心付近で最も大きくふれる。
いっぽう、柱が柱状継鉄のみで、コの字型の形状をして
いる磁気回路では、片持ちはりの振動になる。この場合
の振動を模式的に表した図を図8に示す。この場合、ベ
ース継鉄6は、開口部で最も大きくふれることにより、
たわみも大きくなり、ギャップの変化、ひいては磁場均
一度の変化が発生しやすくなる。この際の開口部のふれ
は、非磁性体柱1があるときの2倍以上にもなる。この
ように、非磁性体柱を設けることで、振動を受けた場合
のベース継鉄の振幅が小さくなり、開口部ギャップの変
化が発生する可能性が小さくなる。
【0016】ギャップの変化による磁場への影響を調べ
るために、実際に運搬して前後の均一度をNMRテスラメ
ータにて撮像空間の表面に相当する位置の磁場強度を測
定することで評価した。先ず運搬前に工場で40ppm、即
ち撮像空間表面の磁場強度の最大値と最小値の差が8×1
0-6Tになるまで調整した。次に、約500km離れたところ
へ通常のトラックで運搬し、設置して、外部環境の変化
を調整して均一度を測定した。その結果、均一度は、43
ppmであった。また、その後で柱を外して測定しても43p
pmで当然のことであるが変わらなかった。このことか
ら、運搬時にギャップの変化により磁界が不均一になる
といった変化が発生していないことが確認できた。
るために、実際に運搬して前後の均一度をNMRテスラメ
ータにて撮像空間の表面に相当する位置の磁場強度を測
定することで評価した。先ず運搬前に工場で40ppm、即
ち撮像空間表面の磁場強度の最大値と最小値の差が8×1
0-6Tになるまで調整した。次に、約500km離れたところ
へ通常のトラックで運搬し、設置して、外部環境の変化
を調整して均一度を測定した。その結果、均一度は、43
ppmであった。また、その後で柱を外して測定しても43p
pmで当然のことであるが変わらなかった。このことか
ら、運搬時にギャップの変化により磁界が不均一になる
といった変化が発生していないことが確認できた。
【0017】比較例として、柱を付けないで同様な輸送
を行った。輸送後の均一度は100ppmであり、本発明の装
置を使用したときに比べ、均一度は悪かった。その不均
一は開口部の磁場が高くなった状態であった。このこと
から、運搬による振動の影響で開口部ギャップが小さく
なったことにより発生した不均一であると考えられる。
を行った。輸送後の均一度は100ppmであり、本発明の装
置を使用したときに比べ、均一度は悪かった。その不均
一は開口部の磁場が高くなった状態であった。このこと
から、運搬による振動の影響で開口部ギャップが小さく
なったことにより発生した不均一であると考えられる。
【0018】このように、本発明の磁気回路構造7を用
いると、運搬時にも開口部ギャップが変わらず、このた
め磁場の均一度も運搬前と変わらないことがわかった。
いると、運搬時にも開口部ギャップが変わらず、このた
め磁場の均一度も運搬前と変わらないことがわかった。
【0019】
【発明の効果】本発明の装置によれば、開口部に取り外
し可能な柱を取り付けることで、それから後にトラック
などの運搬手段に載置しても、運搬中の振動などの外力
に対しても開口部ギャップが変化せず、柱を外せば工場
で調整した磁場強度や磁場均一度を保つことができる。
し可能な柱を取り付けることで、それから後にトラック
などの運搬手段に載置しても、運搬中の振動などの外力
に対しても開口部ギャップが変化せず、柱を外せば工場
で調整した磁場強度や磁場均一度を保つことができる。
【図1】図1は、本発明の磁気回路構造の側面図であ
る。
る。
【図2】図2は、本発明の磁気回路構造の一態様であ
る、ねじにより柱を固定する磁気回路構造の平面図であ
る。
る、ねじにより柱を固定する磁気回路構造の平面図であ
る。
【図3】図3は、本発明の磁気回路構造の一態様であ
る、ねじにより柱を固定する磁気回路構造の側面図であ
る。
る、ねじにより柱を固定する磁気回路構造の側面図であ
る。
【図4】図4は、従来型の磁気回路の平面図である。
【図5】図5は、従来型の磁気回路の側面図である。
【図6】図6は、従来型の磁気回路の正面図である。
【図7】図7は、非磁性体柱を有する磁気回路構造にお
いて振動を受けた場合の、ベース継鉄のふれを模式的に
示す図である。
いて振動を受けた場合の、ベース継鉄のふれを模式的に
示す図である。
【図8】図8は、従来の磁気回路構造において振動を受
けた場合の、ベース継鉄のふれを模式的に示す図であ
る。
けた場合の、ベース継鉄のふれを模式的に示す図であ
る。
1 非磁性体柱 2 柱状継鉄 3 永久磁石 4 磁極片 5 開口部ギャップ 6 ベース継鉄 7 磁気回路構造 8 ネジ 10 従来型の磁気回路
Claims (7)
- 【請求項1】 空隙を隔てて対向する永久磁石と、 該永久磁石の組み合わせの外側にあって、該永久磁石を
支持するベース継鉄と、 該永久磁石間の距離を一定に保つように該ベース継鉄間
を結び、該ベース継鉄の片側に設けられた柱状継鉄と、 該柱状継鉄と距離を隔てて該ベース継鉄間に設けられた
非磁性体柱とを含むMRI用磁気回路構造。 - 【請求項2】 前記永久磁石の対向する面の上に設置さ
れた磁極片をさらに含むことを特徴とする請求項1に記
載の磁気回路構造。 - 【請求項3】 前記柱状継鉄と前記非磁性体柱が、前記
永久磁石をはさんで互いに反対側に位置することを特徴
とする請求項1または2に記載の磁気回路構造。 - 【請求項4】 前記ベース継鉄が、ほぼ直方体またはほ
ぼ立方体の形状を有しており、 前記非磁性体柱が、前記永久磁石を支持するベース継鉄
の表面の一辺の長さの1/3以上の距離を前記柱状継鉄
から隔てて、該表面の周縁に設置されることを特徴とす
る請求項1〜3のいずれかに記載の磁気回路構造。 - 【請求項5】 前記非磁性体柱が取り外し可能であるこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の磁気回
路構造。 - 【請求項6】 前記非磁性体柱の断面積が、前記柱状継
鉄の断面積の約1%〜20%であることを特徴とする請
求項1〜5のいずれかに記載の磁気回路構造。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のMRI
用磁気回路構造の運搬において、運搬中は非磁性体柱を
取り付け、運搬後に該非磁性体柱を取り外すことを特徴
とする磁気回路構造の運搬方法。
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