JP2002324702A - 放電ギャップ付き液体抵抗器 - Google Patents

放電ギャップ付き液体抵抗器

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JP2002324702A
JP2002324702A JP2001129029A JP2001129029A JP2002324702A JP 2002324702 A JP2002324702 A JP 2002324702A JP 2001129029 A JP2001129029 A JP 2001129029A JP 2001129029 A JP2001129029 A JP 2001129029A JP 2002324702 A JP2002324702 A JP 2002324702A
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discharge gap
resistor
voltage
liquid
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JP2001129029A
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English (en)
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Masafumi Yashima
政史 八島
Hisashi Goshima
久司 五島
Hiroyuki Shinkai
裕行 新開
Tamotsu Kawakita
有 川北
Kazuhiko Tanaka
和彦 田中
Eiji Oshita
英次 大下
Hideaki Kurisawa
秀昭 栗澤
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Central Research Institute of Electric Power Industry
Nissin Electric Co Ltd
Nissin High Voltage Co Ltd
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Central Research Institute of Electric Power Industry
Nissin Electric Co Ltd
Nissin High Voltage Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通電による気泡発生に起因する液体抵抗器の
性能劣化を防止して、液体抵抗器の長寿命化を可能にす
る。 【解決手段】 この放電ギャップ付き液体抵抗器40
は、液体抵抗器30aと、それに並列接続された放電ギ
ャップ42とを備えている。液体抵抗器30aは、両端
が開いた絶縁容器32と、その両端の蓋をする一対の電
極34と、絶縁容器32内に満たされた電解質溶液36
とを備えている。放電ギャップ42は、一対の相対向す
る電極44を有している。この放電ギャップ付き液体抵
抗器40は、高電圧パルス発生装置の制動抵抗として使
用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば放電ギャ
ップ、コンデンサ、高電圧機器等の負荷に高電圧のパル
ス電圧を印加して、放電ギャップの放電電圧測定や、コ
ンデンサや高電圧機器の絶縁破壊電圧測定等に用いられ
る高電圧パルス発生装置において、回路の局所的な電気
振動を抑制する制動抵抗として用いられる液体抵抗器に
関し、より具体的には、当該液体抵抗器の長寿命化等を
図る手段に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の高電圧パルス発生装置の一例を
負荷と共に図4に示す。
【0003】この高電圧パルス発生装置2は、高電圧
(例えば数百kV〜1MV程度)のパルス電圧VP1を発
生する高電圧パルス発生器4と、当該パルス電圧VP1
波尾部を裁断する電圧裁断ギャップ16とを組み合わせ
て、所望の波形をした高電圧のパルス電圧VP2を発生さ
せ、これを例えば前述したような放電ギャップ等の負荷
24に印加する構成をしている。
【0004】高電圧パルス発生器4は、例えばマルクス
回路であり、簡単に言えば、コンデンサ6(その静電容
量はC)に内部抵抗8(その抵抗値はR)、インダクタ
ンス10(そのインダクタンスはL)および始動スイッ
チ12が直列接続された構成をしている。コンデンサ6
に高電圧を充電(その充電電圧はVS )しておき、始動
スイッチ12をオンするとパルス電圧VP1およびVP2
発生する。
【0005】電圧裁断ギャップ16は、負荷24に印加
するパルス電圧VP2の波尾長を調整するためのものであ
り、所定の電圧で放電してパルス電圧VP2の波尾部を裁
断する。
【0006】この高電圧パルス発生装置2の出力部に
は、回路のインダクタンス成分および静電容量成分によ
って生じる局所的な電気振動を、より具体的にはパルス
電圧V P2の波頭部に生じる電気振動を抑制する制動抵抗
20(その抵抗値はRD )が直列に接続されている。
【0007】負荷24は、通常時(即ち放電ギャップの
放電やその他の負荷の絶縁破壊等による負荷閃絡前)は
開放状態にあり、また高電圧パルス発生装置2の出力部
と大地部間との間に存在する浮遊容量22の静電容量C
S はコンデンサ6の静電容量Cに比べて非常に小さいの
で(C≫CS )、負荷24にはコンデンサ6の充電電圧
S にほぼ等しい波高値のパルス電圧VP2が印加され
る。このパルス電圧VP2の立上り時間は、主として、上
記静電容量CS 、抵抗値RD およびインダクタンスLに
よって定まる。パルス電圧VP2の波尾長は、主として、
上記静電容量C、高電圧パルス発生器4の出力部に並列
接続された放電抵抗14の抵抗値R1 および電圧裁断ギ
ャップ16に直列接続された放電抵抗18の抵抗値R2
によって定まる。
【0008】上記制動抵抗20に印加される電圧VD
波形の一例を図5に示す。始動スイッチ12のオン時t
1 の直後に上記浮遊容量22に充電電流が流れるときに
低いピーク(電圧V1 )が生じ、その後前述したように
コンデンサ6の充電電圧VSにほぼ等しい波高値のパル
ス電圧VP2が負荷24に印加され、この負荷24の閃絡
時t2 の直後に高いピーク(電圧V2 )が生じる。
【0009】より具体的には、始動スイッチオン直後の
電圧V1 は、制動抵抗20を除いた浮遊容量22を含む
高電圧パルス発生装置2の全インピーダンスをZS とす
ると概ね次式で表される。このインピーダンスZS は浮
遊容量22のインピーダンス(=1/ωCS )が非常に
大きくて制動抵抗20の抵抗値RD に比べて非常に大き
いので、電圧V1 はあまり高くならない。
【0010】
【数1】V1 ≒VS ×RD /(ZS +RD
【0011】一方、負荷閃絡直後の電圧V2 は、概ね次
式で表される。上記内部抵抗8の抵抗値Rは制動抵抗2
0の抵抗値RD と同等のオーダーの前後する値(装置の
設計条件によりR>RD の場合とR<RD の場合があ
る)であるので、電圧V2 は高い値になる。即ちV2
1 になる。
【0012】
【数2】V2 ≒VS ×RD /(R+RD
【0013】なお、上記充電電圧VS と電圧V1 および
2 との関係の一例を図2に示す。この図2については
後で更に説明する。
【0014】上記のように、制動抵抗20には、上記電
圧V2 のような高電圧が印加されるので、耐電圧の高い
抵抗が要求される。また、インダクタンスが大きいと、
パルス電圧VP2の立上り時間が長くなることや、回路に
電気振動が発生しやすくなるので、低インダクタンスが
要求される。更に、負荷24が閃絡したときにコンデン
サ6のエネルギーが投入されるので、エネルギー耐量の
大きなものが要求される。
【0015】上記要求を満たすために、制動抵抗20に
は、従来から液体抵抗器が用いられている。その従来例
を図6に示す。
【0016】この液体抵抗器30は、両端が開いた絶縁
容器32と、この絶縁容器32の両端の蓋をする一対の
電極34と、この絶縁容器32内に満たされた電解質溶
液36とを備えている。絶縁容器32は例えば円筒状を
しており、各電極34は例えば円板状をしていて電解質
溶液36に接している。電解質溶液36は、例えば純水
に塩化アンモニウム等の電解質を溶かしたものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記液体抵抗器30に
電流を流すと、電解質溶液36を構成する水の電気分解
によって気泡38が生じ、これが絶縁容器32の内面や
電極34の表面(電解質溶液36に接する表面)に付着
する。図6はその一例を示す。
【0018】この気泡38の発生量は液体抵抗器30
(より具体的にはその電解質溶液36)を通過するクー
ロン量に比例するので、大電流が流れる負荷閃絡時に
は、多量の気泡38が発生する。ちなみに、負荷24が
閃絡しない場合は、前述したように負荷24は開放状態
にあり、前記放電抵抗14および18に電流が流れ、制
動抵抗20には、浮遊容量22へ充電電流が流れるとき
以外には殆ど電流は流れない。従って、気泡38の発生
は僅かである。
【0019】電気分解によって発生する気泡38には耐
電圧の低い水素ガスが多量に含まれている。従って、負
荷閃絡が多発すると、発生気泡量が急増する。液体抵抗
器30は、装置全体の高さを低くする等の理由から、図
6の例のように、大地に沿って横向きに配置している場
合が多く、気泡38が多量に発生するとそれが絶縁容器
32の上側の内面に、両電極34間をつなぐように付着
して、最終的にはこの気泡38を通じて液体抵抗器30
の内部閃絡が生じる。これが生じると、絶縁容器32や
電解質溶液36に損傷や劣化等の悪影響をもたらすの
で、液体抵抗器30の寿命が低下する。
【0020】仮に液体抵抗器30を、電極34が上下に
位置するように縦向きに配置していても、気泡38が多
量に発生すると、その気泡38が上側の電極34と電解
質溶液36との界面を覆って両者間の導電状態が悪化し
て液体抵抗として機能しなくなるので、やはり液体抵抗
器30の寿命が低下する。
【0021】そこでこの発明は、通電による気泡発生に
起因する液体抵抗器の性能劣化を防止して、液体抵抗器
の長寿命化を可能にすることを主たる目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明の放電ギャップ
付き液体抵抗器は、高電圧のパルス電圧を発生してそれ
を負荷に印加する高電圧パルス発生装置の出力部に直列
に接続されて、回路の局所的な電気振動を抑制する制動
抵抗として用いられるものであって、両端が開いた絶縁
容器、当該絶縁容器の両端の蓋をする一対の電極および
当該絶縁容器内に満たされた電解質溶液を有する液体抵
抗器と、一対の電極を有していて前記液体抵抗器に電気
的に並列に接続された放電ギャップとを備えることを特
徴としている。
【0023】上記構成によれば、液体抵抗器に放電ギャ
ップの放電電圧よりも低い電圧が印加されているとき
は、放電ギャップは放電しないので、放電ギャップに影
響されることなく、液体抵抗器としての作用をする。即
ち、制動抵抗としての作用をする。
【0024】液体抵抗器に放電ギャップの放電電圧以上
の電圧が印加されると、放電ギャップは放電し、電流は
液体抵抗器から放電ギャップに転流する。これによっ
て、液体抵抗器に流れる電流を小さく抑えることができ
る。
【0025】このような作用によって、液体抵抗器に大
電流が流れるのを防止して、電解質溶液の電気分解によ
る気泡発生を低減させることができるので、気泡発生に
起因する液体抵抗器の性能劣化を防止して、液体抵抗器
の長寿命化が可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る放電ギャ
ップ付き液体抵抗器の一例を示す断面図である。図6に
示した従来の液体抵抗器と同一または相当する部分には
同一符号を付し、以下においては当該従来例との相違点
を主に説明する。また、高電圧パルス発生装置の回路
は、前述した図4およびその説明を参照するものとす
る。
【0027】この放電ギャップ付き液体抵抗器40は、
液体抵抗器30aと、それに電気的に並列に接続された
放電ギャップ42とを備えている。
【0028】液体抵抗器30aは、両端が開いた絶縁容
器32と、この絶縁容器32の両端の蓋をする一対の電
極34と、この絶縁容器32内に満たされた電解質溶液
36とを備えている。絶縁容器32は例えば円筒状をし
ており、各電極34は例えば円板状をしていて電解質溶
液36に接している。電解質溶液36は、例えば純水に
塩化アンモニウム等の電解質を溶かしたものである。
【0029】放電ギャップ42は、ギャップをあけて相
対向する一対の電極44を有しており、この例では液体
抵抗器30aの絶縁容器32の側面に沿って配置されて
いる。各電極44は、支持導体45を介して、液体抵抗
器30aの各電極34にそれぞれ接続されている。また
この例では、両電極44を、密閉された絶縁容器46内
に収納し、この絶縁容器46内にSF6 ガス等の絶縁ガ
スを封入している。
【0030】この放電ギャップ付き液体抵抗器40は、
高電圧パルス発生装置の制動抵抗として、例えば前記図
4に示した高電圧パルス発生装置2の制動抵抗20とし
て使用される。その場合、装置全体の高さを低くする等
の理由から、この放電ギャップ付き液体抵抗器40は、
より具体的にはその液体抵抗器30aは、その一対の電
極44が大地に沿うように横向きに配置されることが多
い。図1はその状態を示したものである。
【0031】高電圧パルス発生装置2から負荷24にパ
ルス電圧VP2を印加したとき、制動抵抗20として使用
されるこの放電ギャップ付き液体抵抗器40に印加され
る電圧VD の内で、始動スイッチ12のオン直後に印加
される電圧V1 は、負荷24の閃絡直後に印加されるV
2 に比べて小さい。これは図5を参照して前述したとお
りである。放電ギャップ42の放電電圧(これは破壊電
圧とも呼ばれる)VGを、この両電圧V1 およびV2
間に設定しておく。即ち次式の関係に設定しておく。
【0032】
【数3】V1 <VG <V2
【0033】このような放電ギャップ付き液体抵抗器4
0を高電圧パルス発生装置2の制動抵抗20として使用
すると、始動スイッチ12のオン時から負荷24の閃絡
までは、放電ギャップ付き液体抵抗器40に印加される
電圧VD は、放電ギャップ42の放電電圧VG よりも低
いので(即ち最大で上記電圧V1 であるので)、放電ギ
ャップ42は放電しない。従ってこの放電ギャップ付き
液体抵抗器40は、放電ギャップ42に影響されること
なく、その液体抵抗器30aが制動抵抗20としての作
用をする。即ち、この液体抵抗器30aによって、パル
ス電圧VP2の立上り時の回路の局所的な電気振動を抑制
することができる。
【0034】また、負荷24が閃絡しないときには、前
述したように液体抵抗器30aには殆ど電流は流れない
ので、電解質溶液36の電気分解による気泡38の発生
は僅かである。
【0035】負荷24が閃絡すると、放電ギャップ付き
液体抵抗器40に印加される電圧V D は、放電ギャップ
42の放電電圧VG よりも高い上記電圧V2 に上昇しよ
うとするけれども、この電圧VD が放電電圧VG に達し
た時点で放電ギャップ42が放電するので、電流は液体
抵抗器30aから放電ギャップ42に転流する。これに
よって、液体抵抗器30aに流れる電流を小さく抑える
ことができる。より詳しく言えば、放電時の放電ギャッ
プ42のインピーダンスは、液体抵抗器30aの抵抗に
比べて桁違いに小さくなるので、液体抵抗器30aには
殆ど電流は流れない。
【0036】このような作用によって、負荷24の閃絡
時に液体抵抗器30aに大電流が流れるのを防止して、
電解質溶液36の電気分解による気泡38の発生を、従
来の液体抵抗器30に比べて大幅に低減させることがで
きる。その結果、液体抵抗器30aひいては放電ギャッ
プ付き液体抵抗器40の長寿命化が可能になる。
【0037】しかも、放電ギャップ42を設けたことに
よって、液体抵抗器30aには放電ギャップ42の放電
電圧VG より高い電圧は加わらなくなるので、液体抵抗
器30aの耐電圧を低くすることが可能になり、それに
よって液体抵抗器30aを小型化することができる。更
に、放電ギャップ42を設けたことによって、液体抵抗
器30aには大電流が流れなくなって発熱量が少なくな
るので、電解質溶液36の量を少なくすることが可能に
なり、これによって液体抵抗器30aをより小型化する
ことができる。
【0038】また、液体抵抗器30aの小型化によって
当該液体抵抗器30aの低インダクタンス化が可能にな
るので、制動抵抗としての電気振動抑制効果をより高め
ることができる。
【0039】なお、放電ギャップ42の放電電圧V
G は、絶縁容器46内に封入する絶縁ガスのガス圧を変
えることによって調整することができる。液体抵抗器3
0aと放電ギャップ42を一つの密閉された絶縁容器内
に収納して、その中に絶縁ガスを封入して、そのガス圧
を調整しても良い。
【0040】放電ギャップ42のギャップ長(即ち両電
極44間の間隔)を変えることによっても放電電圧VG
を調整することができる。ガス封入を行わない開放型の
放電ギャップ42の場合は、このギャップ長調整を採用
すれば良い。この例のようにガス封入型の放電ギャップ
42の場合は、上記ガス圧調整とギャップ長調整とを併
用しても良い。
【0041】高電圧パルス発生装置2から出力するパル
ス電圧VP2の大きさを可変にする場合は、より具体的に
は高電圧パルス発生装置2の高電圧パルス発生器4を構
成するコンデンサ6の充電電圧VS を可変にする場合
は、それに応じて、放電ギャップ42の放電電圧V
G を、前記数3の関係を満たすものに、上記のような調
整手段によって調整すれば良い。
【0042】この例の放電ギャップ付き液体抵抗器40
では、コンデンサ6の充電電圧VSに応じて、絶縁容器
46内の封入ガス圧を変化させて放電電圧VG を調整す
るようにしている。その特性の一例を図2に示す。いず
れの充電電圧VS においても、前記数3の関係を満たし
ていることが分かる。
【0043】放電ギャップ42を構成する電極44の少
なくとも一方の電極44内またはその近傍に、放射線を
放射する放射線源48を設けても良い。この例では両方
の電極44内に設けているが、一方だけでも良い。この
放射線源48は、例えばコバルト60である。
【0044】このような放射線源48を設けると、それ
から放射される放射線が放電ギャップ42の電極44付
近の気体の電離作用を促進して、電極44付近に電子が
豊富に存在するようになるので、放電電圧VG 以上の電
圧が印加されると、放電ギャップ42は速やかに放電を
開始するようになる。電極44付近に豊富な電子が存在
しない場合は、放電は通常、統計的遅れ時間と呼ばれる
ある幅を持った時間を経て開始される。この時間遅れ
を、放射線源48を設けることによって小さくすること
ができるので、放電ギャップ42の放電動作が高速化す
る。これによって、液体抵抗器30aに大電流が流れる
ことを、より速やかにかつより正確に防止することがで
きるので、液体抵抗器30aの寿命をより長くすること
ができる。
【0045】放射線源48を設ける代わりに、あるいは
それと併用して、放電ギャップ42に(より具体的には
その両電極44の相対向する表面付近に)紫外線を照射
する紫外光源を設けても良い。この紫外光源は、例えば
ハロゲンランプである。
【0046】紫外線照射によっても、電極44付近の気
体の電離作用を促進して電子を豊富に存在させることが
できるので、上記のような紫外光源を設けることによっ
て、放電ギャップ42の放電動作の高速化を図ることが
可能になり、それによって液体抵抗器30aの寿命をよ
り長くすることができる。
【0047】この例の液体抵抗器30aは、その絶縁容
器32の内面33を、一方の(図1では右側の)電極3
4に向かって広がる円錐状に(即ちテーパに)してい
る。この液体抵抗器30aは前述したように横向きに配
置されるので、内面33をこのようにテーパにすると、
絶縁容器32の少なくとも大地に対して上側に位置する
内面33は、右側の電極34に向かって上がる斜面とな
る。テーパにしているのは加工が容易だからであり、少
なくとも上側の内面33が斜面となっていれば良い。
【0048】このようにしておくと、電解質溶液36内
で気泡38が発生しても(この気泡38の発生量はこの
放電ギャップ付き液体抵抗器40では前述したように従
来例に比べて大幅に少ないけれども)、その気泡38は
上側の内面33にまで上昇した後に、矢印Gに示すよう
に、斜めになった内面33に沿って上方へ移動して右側
の電極34の近傍の一箇所に集まる。即ち、右側の電極
34の近傍に片寄って溜まる。それによって、上側の内
面33が水平の場合に比べて、気泡38が両電極34間
をつなぐように溜まる(図6参照)ことを抑制すること
ができるので、気泡38が絶縁容器32の内面33に溜
まることによる液体抵抗器30aの耐電圧低下をより抑
制することができる。従って、液体抵抗器30aの寿命
をより長くすることができる。
【0049】絶縁容器32の形状は、この例のような円
筒状に限られるものではない。四角筒状等の他の形状で
も良い。その場合も、少なくとも上側の内面33が一方
の電極34に向かって上がる斜面となっていれば良い。
天井側の内面33だけを上記のような斜面にしても良
い。この場合も、内面33をテーパにした場合と同様の
上記作用効果を奏する。
【0050】内面33を上記のように斜面にする場合、
電解質溶液36内に界面活性剤を混入しておいても良
い。この界面活性剤は、例えば塩化アンモニウム系のも
のである。このようにすると、気泡38の上述した移動
がより容易になるので、気泡38が絶縁容器32の内面
33に溜まることによる液体抵抗器30aの耐電圧低下
をより効果的に抑制して、液体抵抗器30aの寿命をよ
り一層長くすることができる。
【0051】絶縁容器32の内面33が上がる側の(図
1では右側の)電極34の内部に、この例のように、電
解質溶液36に通じていて当該電解質溶液36内で発生
した気泡38が導かれる空気層50を設けておいても良
い。そのようにすると、上記のようにして右側の電極3
4の近傍まで移動して来た気泡38は、絶縁容器32の
内面33から空気層50へ移動する。従って、絶縁容器
32の内面33に気泡38が溜まるのを防止することが
できる。これによって、絶縁容器32の内面33に気泡
38が溜まることによる液体抵抗器30aの耐電圧低下
をより一層効果的に抑制して、液体抵抗器30aの寿命
をより一層長くすることができる。なお、空気層50は
電極34の内部にあるので、そこに気泡38が溜まって
も、液体抵抗器30aの耐電圧低下をもたらさない。
【0052】上記のような空気層50を設ける場合は、
絶縁容器32の上側の内面33は、上記例のように斜面
にせずに、水平にしておいても良い。その場合でも、上
側の内面33に達した気泡38は、互いに少しずつ押さ
れて横方向へ移動して空気層50に導かれるので、絶縁
容器32の内面33に気泡38が溜まることによる液体
抵抗器30aの耐電圧低下を抑制することができる。従
って、液体抵抗器30aの寿命をより長くすることがで
きる。
【0053】この発明の放電ギャップ付き液体抵抗器4
0の配置の仕方は、上記例のような横向きに限られるも
のではなく、他の向きでも良い。例えば、斜め向きでも
良いし、図3に示す例のように電極34が上下に位置す
る縦向きでも良い。この場合も、液体抵抗器30aの少
なくとも上方に位置する側の電極34の内部に、上記例
と同様の、電解質溶液36に通じていて当該電解質溶液
36内で発生した気泡38が導かれる空気層50を設け
ておいても良い。図3はその一例を示し、上側の電極3
4内に前記のような空気層50を設けている。
【0054】そのようにすれば、上方に位置する電極3
4に達した気泡38は、互いに少しずつ押されて、矢印
Gに示すように、横方向へ移動して空気層50に導かれ
るので、当該電極34と電解質溶液36との界面に気泡
38が溜まることによって当該電極34と電解質溶液3
6との間の導電状態が悪化することを抑制することがで
きる。従って、液体抵抗器30aの寿命をより長くする
ことができる。
【0055】なお、上記のようにして空気層50に溜ま
った気泡38は、この放電ギャップ付き液体抵抗器40
の点検時等に適宜抜き出せば良い。放電ギャップ42を
設けたことによって、前述したように気泡38の発生は
僅かになるので、この抜き出し作業を頻繁に行う必要は
ない。
【0056】また、上記のような放電ギャップ42を、
一つの液体抵抗器30aに対して複数設けても良い。
【0057】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されてい
るので、次のような効果を奏する。
【0058】請求項1記載の発明によれば、放電ギャッ
プによって、液体抵抗器に大電流が流れるのを防止し
て、電解質溶液の電気分解による気泡発生を低減させる
ことができるので、気泡発生に起因する液体抵抗器の性
能劣化を防止して、液体抵抗器の長寿命化が可能にな
る。
【0059】しかも、放電ギャップを設けたことによっ
て、液体抵抗器に放電ギャップの放電電圧より高い電圧
が加わらなくなるので、液体抵抗器の耐電圧を低くする
ことが可能になり、それによって液体抵抗器の小型化が
可能になる。更に、放電ギャップを設けたことによっ
て、液体抵抗器には大電流が流れなくなって発熱量が少
なくなるので、電解質溶液の量を少なくすることが可能
になり、これによって液体抵抗器をより小型化すること
ができる。
【0060】また、液体抵抗器の小型化によって当該液
体抵抗器の低インダクタンス化が可能になるので、制動
抵抗としての電気振動抑制効果をより高めることができ
る。
【0061】請求項2または3に記載の発明によれば、
放電ギャップ付近に電子を豊富に存在させて、放電ギャ
ップの放電動作を高速化することができるので、液体抵
抗器に大電流が流れることをより速やかにかつより正確
に防止することができる。その結果、液体抵抗器の寿命
をより長くすることができる。
【0062】請求項4記載の発明によれば、液体抵抗器
を構成する電解質溶液内で気泡が発生しても、その気泡
を一箇所に集めることができるので、気泡が液体抵抗器
を構成する絶縁容器の内面に溜まることによる液体抵抗
器の耐電圧低下を抑制することができる。その結果、液
体抵抗器の寿命をより長くすることができる。
【0063】請求項5記載の発明によれば、液体抵抗器
を構成する絶縁容器の内面に沿う気泡の移動がより容易
になるので、当該内面に気泡が溜まることによる液体抵
抗器の耐電圧低下をより効果的に抑制することができ
る。その結果、液体抵抗器の寿命をより一層長くするこ
とができる。
【0064】請求項6記載の発明によれば、液体抵抗器
を構成する電解質溶液内で発生した気泡を電極内の空気
層に導くことができるので、液体抵抗器を構成する絶縁
容器の内面に気泡が溜まることによる液体抵抗器の耐電
圧低下をより一層効果的に抑制することができる。その
結果、液体抵抗器の寿命をより一層長くすることができ
る。
【0065】請求項7記載の発明によれば、液体抵抗器
を構成する電解質溶液内で発生した気泡を電極内の空気
層に導くことができるので、液体抵抗器を構成する絶縁
容器の内面に気泡が溜まることによる液体抵抗器の耐電
圧低下や、電極と電解質溶液との界面に気泡が溜まるこ
とによる両者間の導電状態悪化をより一層効果的に抑制
することができる。その結果、液体抵抗器の寿命をより
一層長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る放電ギャップ付き液体抵抗器の
一例を示す断面図である。
【図2】図1中の放電ギャップの動作特性の一例を示す
図である。
【図3】この発明に係る放電ギャップ付き液体抵抗器の
他の例を示す断面図である。
【図4】高電圧パルス発生装置の一例を負荷と共に示す
回路図である。
【図5】図4中の制動抵抗に印加される電圧波形の一例
を示す図である。
【図6】従来の液体抵抗器の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
2 高電圧パルス発生装置 20 制動抵抗 24 負荷 30a 液体抵抗器 32 絶縁容器 34 電極 36 電解質溶液 40 放電ギャップ付き液体抵抗器 42 放電ギャップ 48 放射線源 50 空気層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八島 政史 東京都狛江市岩戸北2−11−1 財団法人 電力中央研究所狛江研究所内 (72)発明者 五島 久司 東京都狛江市岩戸北2−11−1 財団法人 電力中央研究所狛江研究所内 (72)発明者 新開 裕行 東京都狛江市岩戸北2−11−1 財団法人 電力中央研究所狛江研究所内 (72)発明者 川北 有 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 (72)発明者 田中 和彦 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新ハイボルテージ株式会社内 (72)発明者 大下 英次 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新ハイボルテージ株式会社内 (72)発明者 栗澤 秀昭 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新ハイボルテージ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高電圧のパルス電圧を発生してそれを負
    荷に印加する高電圧パルス発生装置の出力部に直列に接
    続されて、回路の局所的な電気振動を抑制する制動抵抗
    として用いられるものであって、 両端が開いた絶縁容器、当該絶縁容器の両端の蓋をする
    一対の電極および当該絶縁容器内に満たされた電解質溶
    液を有する液体抵抗器と、 一対の電極を有していて前記液体抵抗器に電気的に並列
    に接続された放電ギャップとを備えることを特徴とする
    放電ギャップ付き液体抵抗器。
  2. 【請求項2】 前記放電ギャップを構成する電極の少な
    くとも一方の電極内またはその近傍に、放射線を放射す
    る放射線源を有している請求項1記載の放電ギャップ付
    き液体抵抗器。
  3. 【請求項3】 前記放電ギャップに紫外線を照射する紫
    外光源を有している請求項1記載の放電ギャップ付き液
    体抵抗器。
  4. 【請求項4】 前記液体抵抗器は、その一対の電極が大
    地に沿うように横向きに配置されるものであり、この液
    体抵抗器の絶縁容器の少なくとも大地に対して上側に位
    置する内面を、一方の電極に向かって上がる斜面として
    いる請求項1、2または3記載の放電ギャップ付き液体
    抵抗器。
  5. 【請求項5】 前記液体抵抗器を構成する電解質溶液内
    に界面活性剤を混入している請求項4記載の放電ギャッ
    プ付き液体抵抗器。
  6. 【請求項6】 前記液体抵抗器を構成する電極であっ
    て、前記絶縁容器の内面が上がっている側の電極の内部
    に、電解質溶液に通じていて当該電解質溶液内で発生し
    た気泡が導かれる空気層を有している請求項4または5
    記載の放電ギャップ付き液体抵抗器。
  7. 【請求項7】 前記液体抵抗器を構成する電極の内の少
    なくとも一方の内部に、電解質溶液に通じていて当該電
    解質溶液内で発生した気泡が導かれる空気層を有してい
    る請求項1、2または3記載の放電ギャップ付き液体抵
    抗器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103728540A (zh) * 2013-12-27 2014-04-16 国家电网公司 一种弧光放电监测的交、直流耐压试验装置

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