JP2002323862A - 画面表示装置用前面板およびそれを有する携帯用電子機器端末 - Google Patents

画面表示装置用前面板およびそれを有する携帯用電子機器端末

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JP2002323862A
JP2002323862A JP2002014177A JP2002014177A JP2002323862A JP 2002323862 A JP2002323862 A JP 2002323862A JP 2002014177 A JP2002014177 A JP 2002014177A JP 2002014177 A JP2002014177 A JP 2002014177A JP 2002323862 A JP2002323862 A JP 2002323862A
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screen display
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sio
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JP2002014177A
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Masanori Yamamoto
正典 山本
Osamu Kawada
理 河田
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】主に携帯用電子機器端末用に、反射防止膜層の
耐久性に優れ、人体から発せられる汗などの分泌物が付
着された状態で皮膚や布などによって擦過されても、蒸
着膜(反射防止膜)が鱗片上に剥離しにくく、かつ画面
表示装置が見やすい画面表示装置用前面板を提供する。 【解決手段】耐汗摩耗性に優れ、全光線透過率が50%
以上であり、かつ視感反射率が3%以下である画面表示
装置用前面板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可視光域を反射防止
するための画面表示装置用前面板に関する。さらに詳し
くはパソコンや各種コンピューター、携帯電話、デジタ
ルカメラなどの画面表示部の前面に装着され、可視光域
を反射防止するための画面表示装置用前面板に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック成形体は極めて優れた耐衝
撃性及び透明性を有し、かつ軽量であり、染色も容易で
あることから、近年大幅に需要が増加している。しか
し、プラスチック光学製品は無機ガラスに比べて表面硬
度が低く、傷が付き易いという欠点がある。前者の傷付
き易さの欠点を改良しようとする試みは既に数多く提案
されている。例えばプラスチック基材表面にSiO2
どの無機物を真空蒸着により被覆する方法(特開昭58
−204031号公報)や、プラスチック基材の表面に
ポリオルガノシラン系ハードコート膜やアクリル系ハー
ドコート膜を設ける方法(USP3,986,997、
USP4,211,823、特開昭57−168922
号公報、特開昭59−38262号公報、特開昭59−
51908号公報、特開昭59−51954号公報、特
開昭59−78240号公報、特開昭59−89368
号公報、特開昭59−102964号公報、特開昭59
−109528号公報、特開昭59−120663号公
報、特開昭59−155437号公報、特開昭59−1
74629号公報、特開昭59−193969号公報、
特開昭59−204669号公報など)が開示されてい
る。これらの従来技術はいずれも基材の上のハードコー
ト層を高硬度化することによって、プラスチック光学製
品の傷付き易さ(耐摩耗性)を向上させてきたが、近年
需要が急増している携帯電話やデジタルカメラなどの携
帯用電子機器端末の前面板として使用される場合、耐久
性に難がある、すなわち人体から発せられる汗などの分
泌物が付着された状態で皮膚や布などによって擦過され
ることにより、蒸着膜(反射防止膜)が鱗片上に剥離し
てくる場合があるという問題点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題点
を改良し、人体から発せられる汗などの分泌物が付着さ
れた状態で皮膚や布などによって擦過されても、蒸着膜
(反射防止膜)が鱗片上に剥離しにくくした画面表示装
置用前面板を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するた
め、本発明の画面表示装置用前面板は下記の構成からな
る。すなわち、「(1)耐汗摩耗性に優れ、全光線透過
率が50%以上であり、かつ視感反射率が3%以下であ
る画面表示装置用前面板、(2)全光線透過率が90%
以上であり、かつ視感反射率が1%以下である、前記
(1)に記載の画面表示装置用前面板、(3)画面表示
装置用前面板の基板の少なくとも一つの面に3層以上の
反射防止層を有し、この反射防止層が、基板から外側に
向かって中屈折率層、中屈折率層より屈折率が高い高屈
折率層、そして中屈折率層より屈折率が低い低屈折率層
の順に構成されている、前記(1)または(2)に記載
の画面表示装置用前面板、(4)画面表示装置用前面板
の基板と反射防止層の間にハードコート層が形成されて
いる、前記(3)に記載の画面表示装置用前面板、
(5)ハードコート層がアクリル系樹脂である、前記
(4)に記載の画面表示装置用前面板、(6)反射防止
層の中屈折率層が複数の層からなり、その基板側の第1
層がSiOx膜層(x=1〜2.5)である、前記
(3)〜(5)のいずれかに記載の画面表示装置用前面
板、(7)基板側の第1層がSiO2膜層である、前記
(6)に記載の画面表示装置用前面板、(8)中屈折率
層が基板側から数えてSiO2膜層、ZrO2膜層、Si
2膜層の3層からなり、高屈折率層が基板側から数え
てTiO2膜層、ITO膜層の2層からなり、低屈折率
層がSiO2膜層からなる、前記(3)〜(7)のいず
れかに記載の画面表示装置用前面板、(9)中屈折率層
が基板側から数えてSi02膜層、ITO膜層、SiO2
膜層の3層からなり、高屈折率層がITO膜層からな
り、低屈折率層がSiO2膜層からなる、前記(3)〜
(7)のいずれかに記載の画面表示装置用前面板、(1
0)中屈折率層が基板側から数えてSiO2膜層、Zr
2膜層、SiO2膜層の3層からなり、高屈折率層がT
iO2膜層からなり、低屈折率層がSiO2膜層からな
る、前記(3)〜(7)のいずれかに記載の画面表示装
置用前面板、(11)画面表示装置用前面板の少なくと
も一つの面に撥水加工が施されている、前記(1)〜
(10)のいずれかに記載の画面表示装置用前面板、
(12)該画面表示装置が液晶表示装置である、前記
(1)〜(11)のいずれかに記載の画面表示装置用前
面板、(13)前記(1)〜(12)のいずれかに記載
の画面表示装置用前面板が搭載されてなる携帯用電子機
器端末」である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の画面表示装置表示用前面
板は耐汗摩耗性に優れ、全光線透過率が50%以上であ
り、かつ視感反射率が3%以下であることが必要であ
る。
【0006】本発明において、画面表示装置用前面板に
用いられる基体としては、ガラス平板やプラスチック平
板、あるいはプラスチックシート、フィルムなどが好ま
しく用いられる。特に割れない、軽い、加工しやすい、
扱いやすいなどの面でプラスチック製が好ましく用いら
れる。ここでいうプラスチックとは特に限定されない
が、ポリメタクリル酸系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂
などが好ましく挙げられる。
【0007】本発明の画面表示装置用前面板の可視光線
透過率は、画面表示装置であるCRTなどの輝度の点か
ら、50%以上であることが必要であり、全光線透過率
が50%未満であると、画面が暗くなり過ぎ、見づらく
なる。また、画面表示装置が液晶表示装置などのように
輝度が低いものの場合、全光線透過率は90%以上であ
ることが好ましい。輝度の低いものの場合、可視光線透
過率が90%以上にすることによって、画面が暗くなり
過ぎることを抑制できる。
【0008】本発明において全光線透過率はスガ試験機
(株)製直読ヘーズコンピュータ(HGM−2DP)を
用い、測定した。
【0009】本発明の視感反射率は、画面表示前面板か
らの外光反射、写り込みを抑え、画面を見易くし、眼精
疲労を抑制するという点から、3%以下であることが必
要であり、好ましくは1%以下である。
【0010】本発明にいう視感反射率とは可視光である
約380〜780nmにおける波長の反射率に比視感度
をかけ合わせ積分させたものをさらに比視感度の積分値
で割った値である。具体的測定方法は以下のとおりであ
る。分光反射率を測定し(日立製作所(株)製自記分光
光度計U−3410)、10nmごとに380〜780
nmの範囲で、その波長における反射率を読み取り、そ
の波長における比視感度とかけ合わせたものを積算し、
さらに比視感度の積分値で割ることによって求める。
【0011】光が眼に入ったときの明るさの感覚は、波
長により、また個人により異なっている。多くの実験デ
ータにより標準の観測者が国際的に決められていて、一
定の明るさの感覚を生ずるのに必要な単色光(波長λ)
のエネルギーの逆数をその波長λの視感度K(λ)とい
う。最大視感度Kmは波長555nmの光に対して得ら
れ、Km=683lm/Wである。また、K(λ)とK
mの比を比視感度という(「ユーザーエンジニアのため
の光測定器ガイド(増補改訂版)」、オプトロニクス
社、p8,9、1998参照)。本発明では、比視感度
の非常に高い500〜600nmの光の反射率を特に低
く抑え、人間が画面表示装置の前面板の反射を気にしな
くなる反射率以下とする。分光反射率特性で500〜6
00nmの反射率を2%以下さらに好ましくは1%以下
に抑えることができる。
【0012】本発明の画面表示装置表示用前面板は耐汗
摩耗性に優れていることが必要である。本発明でいう耐
汗摩耗性に優れるとは、常温(25℃)で、同時に成人
4人の額にそれぞれ4cm角の試料片を貼り付け、1時
間経過した後、額から取り外し、額に接していた面にガ
ーゼを置き、1kgf/cm2の加重でそのガーゼを直
線的に3cmの距離を3往復させ、反射防止膜の剥離、
あるいは干渉色変化がないかを目視で確認し、反射防止
膜の剥離、あるいは干渉色変化がなければ、再度額に貼
り付け、反射防止膜の剥離、あるいは干渉色変化がある
まで同様の作業を繰り返し、累積の額貼り付け時間が5
0時間以上、反射防止膜の剥離、あるいは干渉色変化が
ないことである。さらに100時間以上経過しても反射
防止膜の剥離、あるいは干渉色変化がないことが好まし
い。また、この測定法以外の簡易的な測定法として、
7.5cm角の試料片にJIS-L-1047に記載のB法アルカ
リ人工汗液を5倍に濃縮した液を2,3滴垂らし、30〜4
0mm角の布地にて2kgf/cm2の荷重で往復運動を繰
り返し行い、反射防止膜の表面状態を目視にて観察する
という評価方法がある。評価指標としては往復運動が2
000回以上往復運動を繰り返しても反射防止膜が剥離
あるいは干渉色変化しないことが好ましい。より好まし
くは8000回以上往復運動を繰り返しても反射防止膜
が剥離あるいは干渉色変化しないことである。この条件
を満たすことにより、人体から発せられる汗などの分泌
物が付着された状態で皮膚や布などによって擦過されて
も、反射防止膜が鱗片上に剥離しにくくなる。
【0013】また、この測定方法に用いる30〜40m
m角の布地としては、総繊度が111デシテックス、2
4フィラメントのポリエステル加工糸と30番手の綿1
00%紡績糸とを28本/インチのゲージの丸編み機で
モックミラノ・リブの組織で交編した布地が好適に用い
られる。
【0014】本発明で画面表示装置の前面板の片面ある
いは両面に可視光反射防止膜を施すことによって可視光
における反射率を効率よく抑えることができる。反射防
止の観点から、画面表示装置用前面板の基板の少なくと
も一つの面に3層以上の反射防止層を有し、基板から外
側に向かって中屈折率層、第1層より屈折率が高い高屈
折率層、そして中屈折率層より屈折率が低い低屈折率層
からなっいることが好ましい。この構成にすることで、
比視感度の非常に高い500〜600nmの光の反射率
を特に低く抑えることができる。
【0015】本発明における低屈折率層とよばれる薄膜
の物質としては、たとえば、SiO 2、MgF2、AlF
3、BaF2、LiF、Na3AlF6、Na5Al314
NaF、SrF2などが挙げられ、これら物質単体ある
いはこれらの物質を1種類以上含む混合物が挙げられ
る。なかでもSiO2、MgF2 が好ましく用いられ
る。これらの物質からなる薄膜を2層以上重ね合わせて
低屈折率層としても良い。
【0016】本発明における高屈折率層とよばれる薄膜
の物質としては、ZrO2、TiO2、SiO、Y23
Yb23、Sb23、Sb25、SnO2、In23
ITO、Ta25、CeO2、MgO、HfO2、Pr2
3、Pr611、Bi23、Cr23、Eu23、Fe2
3、La23、MoO3、Nd23、PbO、Sm
2 3、Sc23、ZnO、CaF2、SmF3、ZnS、
Ge、Siなどが挙げられ、これら物質単体あるいはこ
れらの物質を1種類以上含む混合物が挙げられる。なか
でもZrO2、TiO2、Ta25、ZnO、ITO、S
nO2、Y23、MgOが好ましく用いられる。これら
の物質からなる薄膜を2層以上重ね合わせて高屈折率層
としても良い。なお、本発明でITOとは、酸化インジ
ウムと酸化錫の混合物をいい、混合比は酸化インジウム
対酸化錫で90〜95対10〜5が好ましい。
【0017】本発明における中屈折率層とよばれる薄膜
の物質としては、Al23、WO3、CeF3、La
3、NdF3、PbF2、MgOなどが挙げられ、これ
ら物質単体あるいはこれらの物質を1種類以上含む混合
物が挙げられる。なかでもAl23が好ましく用いられ
る。中屈折率層の場合はしばしば、高屈折率物質と低屈
折率物質とを混合して用いたり、等価膜化して用いたり
する。等価膜とは、たとえば、Al23のある膜をZr
2とSiO2の膜の組み合わせで光学的に等価に置き換
えることなどをいう。すなわち、高屈折率層を構成する
薄膜と低屈折率層を構成する薄膜を組み合わせて2層以
上重ね合わせて中屈折率層としても良い。
【0018】本発明において、好ましい反射防止膜の構
成は、「中屈折率層が基板側から数えてSiO2膜層、
ZrO2膜層、SiO2膜層の3層からなり、高屈折率層
が基板側から数えてTiO2膜層、ITO膜層の2層か
らなり、低屈折率層がSiO2膜層からなるもの」、
「中屈折率層が基板側から数えてSiO2膜層、ITO
膜層、SiO2膜層の3層からなり、高屈折率層がIT
O膜層からなり、低屈折率層がSiO2膜層からなるも
の」、「中屈折率層が基板側から数えてSiO2膜層、
ZrO2膜層、SiO2膜層の3層からなり、高屈折率層
がTiO2膜層からなり、低屈折率層がSiO2膜層から
なるもの」の3種が挙げられる。
【0019】このような構成とすることで、SiO2
ZrO2、TiO2のような一般的で安価な蒸着物質を使
って、広範囲の波長域に渡って外光からの反射を低く抑
えることができ、視感反射率を低減できる。また、IT
Oを使用することで、導電性を付与でき、電界カット、
静電気防止などの機能を追加できる。
【0020】本発明における画面表示装置用前面板の基
体がプラスチック製である場合には傷付き防止のための
ハードコートを施すことが好ましく用いられる。ハード
コートとしては、熱キュア型のオルガノポリシロキサン
系ハードコートまたは紫外線硬化型のアクリル系ハード
コートなどが好ましい。特に、汎用的に使用され、低コ
ストであるという点からアクリル系樹脂のハードコート
を好適に用いることができる。さらに好ましくは、基材
の屈折率と同等な屈折率を有するハードコートにする
と、干渉縞が見えにくい画面表示装置用前面板となる。
【0021】本発明において、手垢などの汚れを防止す
るために反射防止膜の最表層に撥水加工することが好ま
しく用いられる。撥水加工としては、ウェット法、真空
蒸着法などが挙げられ、この中では反射防止加工を真空
蒸着法で行う場合は生産効率の点から真空蒸着法で加工
を行うことが好ましい。
【0022】本発明における画面表示装置用前面板はパ
ソコンや各種コンピューター、通信機器、携帯電話、デ
ジタルカメラなど、画面表示部分のある機器であればど
のようなものにも用いることができるが、見やすさと耐
汗摩耗性の両立という観点から、日常携帯して使用され
る携帯用電子機器端末、すなわち携帯電話、携帯用テレ
ビケーム、電子手帳、さらにはビデオカメラやデジタル
カメラに用いることが好ましい。とりわけ、使用頻度と
いう観点から携帯電話に好ましく用いられる。
【0023】
【実施例】(実施例1)基体としてメタクリル系樹脂に
アクリル系ハードコートが施された透明な平板シート
(三菱レイヨン製MR−200(板サイズ:365mm
×285mm、板厚:1mm))を使用した。次に図1
に示した真空蒸着装置(特開平8−136710:光学
薄膜付き基板の製造装置)を用いて表1に示した構成の
反射防止膜を基体の両面に設け、さらにその反射防止膜
が設けられた該基体の一方の面に撥水膜(オプトロン製
OF−110)を設け、画面表示装置用前面板を得た。
【0024】その具体的方法としては、(1)予熱室、
加熱室で基板温度が80℃になるようにマイクロヒータ
とハロゲンランプで基板を加熱した後、前処理として、
第1蒸着室のプラズマ発生型イオン銃(シンクロン
(株)製RIS型イオン銃)を用いて加速電圧500
V、加速電流100mAにて酸素イオンを加速して、基
板の通過域に照射しながら、基板をさらすように移動さ
せた。(2)表1に示した構成の反射防止膜を第1蒸着
室でEB蒸着法によって設け、さらに、第2蒸着室で該
反射防止膜の上に撥水膜(オプトロン製OF−110)
を抵抗加熱法によって設けた。反射防止膜を構成してい
るITO層を成膜する際には酸素を導入して第1蒸着室
の圧力を7.0×10−2Paとし、さらにプラズマ発生型イ
オン銃を用いて酸素をイオン化した後、酸素イオンを加
速し、基板がさらされる方向に照射した。また、TiO2層
を成膜する際には酸素を導入して第1蒸着室の圧力を2.
0×10−2Paとした。前処理およびZrO2層、SiO2層を成
膜する際は特に酸素導入は行わず、第1蒸着室の圧力は
0.8〜2.0Pa程度であった。このようにして得られた画面
表示装置用前面板の全光線透過率および視感反射率を測
定したところ、全光線透過率は99%、視感反射率は
0.9%であった。また、耐汗摩耗性を評価した結果、
累積の額貼り付け時間が100時間以上経過しても、反
射防止膜の剥離及び干渉色変化は認められなかった。さ
らに、アルカリ人工汗液を用いた方法においても往復運
動8,000回まで反射防止膜の剥離および干渉色変化
は認められなかった。 (実施例2)実施例1と同様に、基体としてメタクリル
系樹脂にアクリル系ハードコートが施された透明な平板
シートを使用した。次に真空蒸着装置を用いて真空度5
×10-3Pa以下、基板温度65℃±10℃の条件で表
1に示した構成の反射防止膜を基体の両面に設け、さら
にその反射防止膜が設けられた該基体の一方の面に撥水
膜を設け、画面表示装置用前面板を得た。その前面板の
全光線透過率および視感反射率を測定したところ、全光
線透過率は96%、視感反射率は0.9%であった。ま
た、耐汗摩耗性を評価した結果、累積の額貼り付け時間
が100時間以上経過しても、反射防止膜の剥離及び干
渉色変化は認められなかった。さらに、アルカリ人工汗
液を用いた方法においても往復運動8,000回まで反
射防止膜の剥離および干渉色変化は認められなかった。 (実施例3)実施例1と同様に、基体としてメタクリル
系樹脂にアクリル系ハードコートが施された透明な平板
シートを使用した。次に真空蒸着装置を用いて真空度5
×10-3Pa以下、基板温度65℃±10℃の条件で表
1に示した構成の反射防止膜を基体の両面に設け、さら
にその反射防止膜が設けられた該基体の一方の面に撥水
膜を設け、画面表示装置用前面板を得た。その前面板の
全光線透過率および視感反射率を測定したところ、全光
線透過率は99%、視感反射率は0.8%であった。ま
た、耐汗摩耗性を評価した結果、累積の額貼り付け時間
が100時間以上経過しても、反射防止膜の剥離及び干
渉色変化は認められなかった。さらに、アルカリ人工汗
液を用いた方法においても往復運動8,000回まで反
射防止膜の剥離および干渉色変化は認められなかった。 (比較例1)実施例1と同様に、基体としてメタクリル
系樹脂にアクリル系ハードコートが施された透明な平板
シートを使用した。次に真空蒸着装置を用いて真空度5
×10-3Pa以下、基板温度65℃±10℃の条件で表
1に示した構成の反射防止膜を基体の両面に設け、さら
にその反射防止膜が設けられた該基体の一方の面に撥水
膜を設け、画面表示装置用前面板を得た。その前面板の
全光線透過率および視感反射率を測定したところ、全光
線透過率は98%、視感反射率は0.8%であったが、
累積額貼り付け時間が20時間を経過した時点で蒸着膜
(反射防止膜)の剥離及び干渉色変化が認められた。ま
た、アルカリ人工汗液を用いた方法においては往復運動
1,000回で反射防止膜の剥離が認められた。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、体から発せられる汗な
どの分泌物が付着された状態で皮膚や布などによって擦
過されても、反射防止膜が鱗片上に剥離しにくくした画
面表示装置用前面板を提供できる。前述の通り特に人体
との接触機会の多い携帯電話やデジタルカメラなどの携
帯用電子機器端末の画面表示装置用前面板に好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画面表示装置用前面板を製造する装置
の一例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C23C 14/06 C23C 14/06 P 14/08 14/08 N C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4F006 AA22 AA36 AB24 BA02 CA05 DA03 4F100 AA20A AA20B AA21A AA27B AA33A AK25D AT00E BA05 BA10A BA10C BA10E BA26 GB90 JB06 JK06 JK12D JN01 JN06 JN06A JN06B JN06C JN18A JN18B JN18C YY00 4K029 AA11 AA24 BA43 BA46 BA48 BA50 BB02 BC08 BD00 BD03 CA01 CA02 FA05 5G435 AA07 AA14 DD12 FF14 HH03 LL07

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐汗摩耗性に優れ、全光線透過率が50%
    以上であり、かつ視感反射率が3%以下である画面表示
    装置用前面板。
  2. 【請求項2】全光線透過率が90%以上であり、かつ視
    感反射率が1%以下である、請求項1に記載の画面表示
    装置用前面板。
  3. 【請求項3】画面表示装置用前面板の基板の少なくとも
    一つの面に3層以上の反射防止層を有し、この反射防止
    層が、基板から外側に向かって中屈折率層、中屈折率層
    より屈折率が高い高屈折率層、そして、中屈折率層より
    屈折率が低い低屈折率層の順に構成されている、請求項
    1または2に記載の画面表示装置用前面板。
  4. 【請求項4】画面表示装置用前面板の基板と反射防止層
    との間にハードコート層が形成されている、請求項3に
    記載の画面表示装置用前面板。
  5. 【請求項5】ハードコート層がアクリル系樹脂である、
    請求項4に記載の画面表示装置用前面板。
  6. 【請求項6】反射防止層の中屈折率層が複数の層からな
    り、その基板側の第1層がSiOx膜層(x=1〜2.
    5)である、請求項3〜5のいずれかに記載の画面表示
    装置用前面板。
  7. 【請求項7】基板側の第1層がSiO2膜層である、請
    求項6に記載の画面表示装置用前面板。
  8. 【請求項8】中屈折率層が、基板側から数えてSiO2
    膜層、ZrO2膜層、SiO2膜層の3層からなり、高屈
    折率層が基板側から数えてTiO2膜層、ITO膜層の
    2層からなり、低屈折率層がSiO2膜層からなる、請
    求項3〜7のいずれかに記載の画面表示装置用前面板。
  9. 【請求項9】中屈折率層が基板側から数えてSiO2
    層、ITO膜層、SiO2膜層の3層からなり、高屈折
    率層がITO膜層からなり、低屈折率層がSiO2膜層
    からなる、請求項3〜7のいずれかに記載の画面表示装
    置用前面板。
  10. 【請求項10】中屈折率層が基板側から数えてSiO2
    膜層、ZrO2膜層、SiO2膜層の3層からなり、高屈
    折率層がTiO2膜層からなり、低屈折率層がSiO2
    層からなる、請求項3〜7のいずれかに記載の画面表示
    装置用前面板。
  11. 【請求項11】画面表示装置用前面板の少なくとも一つ
    の面に撥水加工が施されている、請求項1〜10のいず
    れかに記載の画面表示装置用前面板。
  12. 【請求項12】画面表示装置が液晶表示装置である、請
    求項1〜11のいずれかに記載の画面表示装置用前面
    板。
  13. 【請求項13】請求項1〜12のいずれかに記載の画面
    表示装置用前面板を有する携帯用電子機器端末。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007212948A (ja) * 2006-02-13 2007-08-23 Mitsubishi Electric Corp 反射防止膜形成方法及び、反射防止膜付き基板

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