JP2002322393A - インクジェット記録用インクセットおよび記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インクセットおよび記録方法

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JP2002322393A
JP2002322393A JP2001126125A JP2001126125A JP2002322393A JP 2002322393 A JP2002322393 A JP 2002322393A JP 2001126125 A JP2001126125 A JP 2001126125A JP 2001126125 A JP2001126125 A JP 2001126125A JP 2002322393 A JP2002322393 A JP 2002322393A
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ink
pigment
water
jet recording
weight
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JP2001126125A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Nakaya
浩明 中弥
Takanori Kamoto
貴則 加本
Kiyoto Motoyama
清人 本山
Ichiro Fujii
一郎 藤井
Masa Nakamura
雅 中村
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色の混合(ブリード)を実質的に低減した、
カラーインク組成物および/または黒色インク組成物か
らなる複数のインク組成物を組み合わせたインクセット
を提供することを課題とする。 【解決手段】 pH感応性の自己分散型顔料が分散され
た第1のインクと、第1のインクに分散された顔料が析
出するpHに調整された、第1のインクと異なる色の水
溶性染料を含む第2のインクとからなることを特徴とす
るインクジェット記録用インクセットにより、上記の課
題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リントに使用されるインクジェット記録用インクセット
およびそれを用いた記録方法に関する。さらに詳しく
は、本発明は、色の混合(ブリード、color bleed)を
実質的に低減した、黒色インク組成物および/またはカ
ラーインク組成物からなる複数のインク組成物を組み合
わせたインクセットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からインクジェット記録用インクと
して、各種の水溶性染料を水および水溶性有機溶媒から
なる混合溶媒に溶解し、必要に応じて各種の添加剤を添
加したものが主に使用されている。インクジェット記録
用インクはその記録方式の特異性から、筆記具用などの
一般のインクに比べると、多くの特性において一層厳密
な条件が要求される。例えば、インク特性とインク組成
の観点から種々の改善・検討が行われている。
【0003】インクジェット記録用インクに関しては、
主に(1)紙上での滲み、ブリードがなく、高解像度、
高濃度で均一な画像が得られること、(2)ノズル先端
でのインク乾燥による目詰まりが発生せず、常に吐出応
答性、吐出安定性が良好であること、(3)紙上におい
てインクの速乾性が良好であること、(4)熱インクジ
ェット記録方式においては、ヒーター上への焦げつき
(Kogation)の発生がないこと、および(5)長期保存
安定性が良いことの5つの観点から検討され、これらの
条件を満足すべく多くの提案がなされている。しかしな
がら、上記の条件は互いに相反関係にあることが多く、
一方を満足させようとすると、他方に悪影響を及ぼす場
合が多々あり、上記の条件を同時に満足させることは困
難である。
【0004】さらに、最近のインクジェット記録方式で
は、高集積高精細のノズルを有するヘッドの作製技術が
進展し、これに伴い微小インク滴の吐出により1200
dpi相当以上の高解像度の画像を高速印刷するのに適
するインクが求められている。このようにインクの要求
性能はより厳しいものであり、インクの開発・改良は困
難を極めており、求められる性能の全てを満足するイン
クは未だ開発されていないのが現状である。
【0005】このような状況の中で、インク組成や記録
方法の改良と併せて、2色間のインクの滲みやブリード
・混色を抑制する方法が種々提案されている。
【0006】特開平7−1837号公報には、pH感応
性分散剤と顔料を含む第1のインクと、顔料を析出させ
るのに適切なpHを有する第2のインクとを順次プリン
トして、顔料を析出させ、2色間のインクの混合による
滲みやブリードを軽減するプリント方法が提案されてい
る。しかし、このような顔料を分散剤で分散させた従来
からのインクでは、顔料の色濃度を高くすることが困難
であり、分散させたインクは粘度が高くなり易く、ヘッ
ドのノズルが目詰まりを生じ易い、また、インク中に沈
殿が生じ易いという問題がある。
【0007】また、上記のプリント方法は、カルボキシ
ル基を有するpH感応性分散剤の溶解度がpHによって
変化することを利用するもので、pHが低下するとカル
ボキシル基がプロトン化され、染料インクおよび/また
は顔料分散液の溶解度が低下し、顔料が析出して、イン
クの混合やブリ−ドを抑制している。しかし、直接顔料
が凝集・沈殿を起こす場合と比較して、2色間のインク
の混合やブリ−ドを抑制する働きが十分ではないという
問題もある。
【0008】特開平6−106735号公報および特開
平6−106841号公報には、多価金属塩などの沈殿
剤を含むカラー染料インクと、この沈殿剤との作用によ
って沈殿・凝集する顔料ブラックインクとを組合せて使
用することにより、画像濃度が高く、ブリードのない高
品質な画像を得るプリント方法が提案されている。ま
た、特開平8−209049号公報には、ゲル化形成種
として多価金属塩および/または酸を含む第1のインク
と、ゲル化開始種として特定の樹脂などを含む第2のイ
ンクとの記録により、第1のインクと第2のインクとを
反応させてゲルを形成することによりブリードを軽減す
るプリント方法が提案されている。
【0009】さらに、特開平10−6493号公報に
は、負に帯電した分散剤と顔料を含む顔料ベースのイン
クと、陽イオン界面活性剤を含む染料ベ−スのインクと
の記録により、イオン的に安定な界面を形成し2色間の
ブリードを軽減するプリント方法が提案されている。し
かしながら、上記のプリント方法では、沈殿剤と反応し
ない染料を選定する必要があり、使用できる染料が限定
される。また、pHの変化によって染料と沈殿剤とが反
応し、この反応生成物によりノズルの目詰まりが生じ、
安定な吐出が得られ難いという問題がある。また、イン
クが長期保存に適さないという問題もある。
【0010】特開平10−36724号公報には、ポリ
ビニルアルコールなどのポリマーを含有する第1のイン
クと、前記ポリマーと混和しないで水相分離を生じる低
分子量ポリマーを含有する第2インクとの記録により、
ポリマー間で相分離を生じさせて、2色間のインクの混
合を抑制するプリント方法が提案されている。しかしな
がら、上記のプリント方法では、第1のインクと第2の
インクにポリマーを使用するため、インク自体の粘度が
高くなり、ノズルの目詰まりが生じ易いという問題点が
ある。
【0011】米国特許US6036759号公報および
その優先権主張出願である特開平11−349878号
公報には、アニオン性の自己分散型顔料を含む黒インク
と、カチオン界面活性剤やカチオン塩などのカチオン源
を含むカラーインクとの記録により、アニオン性顔料を
カチオン源と反応・沈殿させて、ブリードを軽減するプ
リント方法が提案されている。上記のプリント方法で
は、2色間のインクの混合やブリードを効果的に抑制で
きるが、カチオン源と反応しない染料を選定する必要が
あり、使用できる染料が限定される。また、pHの変化
によって染料と沈殿剤とが反応し、この反応生成物によ
りノズルの目詰まりが生じ、安定な吐出が得られ難いと
いう問題がある。また、インクが長期保存に適さないと
いう問題もある。
【0012】特開平5−202328号公報および特開
平9−207424号公報には、記録媒体に多価金属塩
反応液を適用(付着)した後に、カルボキシル基を有す
る有機染料を含むインク組成物、または顔料と樹脂エマ
ルジョンとを含むインク組成物を適用(付着)すること
からなる印刷画像を形成する記録方法が提案されてい
る。上記のプリント方法では、カラーブリードが防止で
き、高濃度の印字が実現できるが、無色の多価金属塩反
応液が必要となるので、装置やドライバーが複雑にな
り、インクとしてコスト高になるという問題点がある。
【0013】以上のように、インク組成や記録方法の改
良と併せて、2色間のインクの混合やブリードを抑制す
る方法が種々提案されているが、目詰まりにより吐出が
不安定になる問題、低湿下においてノズル先端でインク
の固着が発生する問題、および耐光性・耐水性の問題
を、同時にかつ十分に解決する手法が見出されていない
のが現状である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、色の混合
(ブリード)を実質的に低減した、カラーインク組成物
および/または黒色インク組成物からなる複数のインク
組成物を組み合わせたインクセットを提供することを課
題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を行った結果、pH感応性の自
己分散型顔料が分散された第1のインクと、第1のイン
クに分散された顔料が析出するpHに調整された、第1
のインクと異なる色の水溶性染料を含む第2のインクと
からなるインクジェット記録用インクセットを被記録材
上に吐出し画像を記録すると、異なる色のインクが被記
録材上で接触した際に生じるpH変化により、pH感応
性の自己分散型顔料が沈殿・凝集し、インクの混色・滲
みが低減された画像が得られることを見出し、本発明を
完成するに到った。
【0016】かくして、本発明によれば、pH感応性の
自己分散型顔料が分散された第1のインクと、第1のイ
ンクに分散された顔料が析出するpHに調整された、第
1のインクと異なる色の水溶性染料を含む第2のインク
とからなることを特徴とするインクジェット記録用イン
クセットが提供される。
【0017】また、本発明によれば、上記のインクジェ
ット記録用インクセットを用いることを特徴とするイン
クジェット記録方法が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の第1のインクは、pH感
応性の自己分散型顔料が分散されてなる。第1のインク
の着色剤(「色材」ともいう)であるpH感応性の自己
分散型顔料は、自己分散性とpH感応性の機能を有する
顔料であれば、特に限定されない。このような顔料とし
ては、顔料表面に少なくとも1つのカルボキシル基が存
在する顔料(好ましくは、カーボンブラック)、具体的
には、表面処理などより、自己分散性とpH感応性の機
能を付与された顔料が好適に用いられる。このような顔
料としては、Cabot社から上市されているカーボン
ブラック(商品名:Cab−0−jet・300)など
がある。
【0019】顔料表面に存在するカルボキシル基は陰イ
オンであり、陰イオン同士の反発によって顔料が自己分
散する。また、第1のインク中においてカルボキシル基
は、インクのpHが8〜10のとき、陰イオンとして安
定に存在する。
【0020】本発明の第2のインクは、第1のインクに
分散された顔料が析出するpHに調整されてなる。被記
録媒体上に吐出された第1のインクが、第2のインクと
同被記録媒体上で接触することにより、第1のインクに
含まれるpH感応性の自己分散型顔料の有するカルボキ
シル基のプロトン化が進み、カルボキシル基と顔料のカ
ーボンブラックとの間で沈殿・凝集が生じる。この沈殿
・凝集によってインクの混合が低減され、色滲みのない
画像が得られる。第2のインクは、第1のインクよりも
低いpHに調整されてなるのが好ましく、具体的にはp
H4〜6に調整されてなるのが好ましい。
【0021】第1のインクは、上記の顔料、水溶性有機
溶剤、結着剤、pH調整剤、物性調整剤、水などからな
る。水溶性有機溶剤は、インクの湿潤性を高めて、イン
クジェットのノズル先で目詰まりさせないようにする湿
潤剤として、およびインクが被記録材上に記録された際
にインクの溶媒を被記録材の内部に浸透させてインクの
乾燥性を高める浸透剤として機能する。
【0022】第1のインクに使用される水溶性有機溶剤
としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、
n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチ
ルアルコール、tert-ブチルアルコールなどの低級アル
キルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミドなどのアミド類;アセトン、ジアセトンアル
コールなどのケトンまたはケトアルコール類;テトラヒ
ドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリア
ルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリ
コール、1,2,6-へキサントリオール、チオジエタノール
(グリコール)、へキシレングリコール、ジエチレングリ
コールなどのアルキレングリコール類;エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノブチルエーテルなどのアルキレングリコールエーテ
ル類;グリセリン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリ
ドン、トリメチロールプロパン、1,3-ジメチル-2-イミ
ダゾリジノンなどが挙げられる。これらの水溶性有機溶
剤は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いる
ことができる。
【0023】第1のインクに使用される結着剤として
は、水溶性の樹脂であれば特に限定されない。例えば、
ゼラチン、カゼインなどのタンパク質、アラビアゴムな
どの天然ゴム、サボニンなどのグルコキシド、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメ
チルセルロースなどのセルロース誘導体、リグニンスル
ホン酸塩、セラミックなどの天然高分子、ポリアクリル
酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物塩、ビニルナフタ
レン−アクリル酸共重合物塩、スチレン−マレイン酸共
重合物塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物塩、
β-ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウ
ム塩、ポリリン酸などの陰イオン性高分子、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリ
コールなどの非イオン性高分子が挙げられる。具体的に
は、ジョンソン社製のスチレン−アクリル酸−αメチル
スチレン共重合体(商品名:ジョンクリル67)が好適
に用いられる。これらの結着剤は、1種を単独で、また
は2種以上を混合して用いることができる。
【0024】第1のインクは、pHを8〜10に調製す
ることにより、カルボキシル基が陰イオンとして安定に
存在し、顔料の分散性が良好になり、沈殿・凝集のない
保存安定性に優れたインクとなる。そのため、トリエタ
ノールアミンなどのアミン類をpH調整剤として使用す
るのが好ましい。インクがpH10より高い強アルカリ
である場合には、プリンター装置やインク容器を腐食さ
せる危険性があり、また人体にも危険であるので、イン
クのpHは10を超えないように調整するのが好まし
い。
【0025】第1のインクに使用される物性調整剤とし
ては、表面張力調整剤が挙げられる。表面張力調整剤と
しては、ノニオン系界面活性剤が使用され、具体的に
は、ユニオンカーバイド社製のポリオキシエチレンアル
キルエーテル(商品名:タージトール)、エアープロダ
クツ社製のポリオキシアセチレングリコール(商品名:
サーフィノール)などのノニオン界面活性剤が好適に用
いられる。
【0026】第1のインクにおける各成分の含有量は次
のとおりである。pH感応性の自己分散型顔料の含有量
は、1〜10重量%が好ましく、1〜7重量%がより好
ましい。水溶性有機溶剤の含有量は、1〜30重量%が
好ましく、10〜25重量%がより好ましい。結着剤の
含有量は、0.5〜3重量%が好ましく、1〜2重量%
がより好ましい。pH調整剤の含有量は、0.01〜3
重量%が好ましく、0.1〜1重量%がより好ましい。
表面張力調整剤としての界面活性剤の含有量は、0.0
1〜5重量%が好ましく、0.1〜2重量%がより好ま
しい。以上の各成分の残部を水とすればよいが、水の含
有量は、60重量%以上が好ましく、70重量%以上が
より好ましい。
【0027】第2のインクは、染料、有機溶剤、pH調
整剤、物性調整剤、水などからなる。
【0028】第2のインクの着色剤としては、水溶性染
料、特に酸性染料、反応性染料および直接染料が特に好
ましい。このような着色剤を例示する。なお、括弧内の
数字は染料のC.I.番号である。C.I.アシッドイエ
ロー(3、7、17、23、29、42および99);
C.I.アシッドレッド(1、4、8、13、14、1
5、18、21、26、35、37、52、92および
257);C.I.アシッドブルー(1、7、9、23
4、236および251);C.I.ダイレクトイエロー
(1、8、11、12、24、26、27、33、3
9、44、50、58、85、86、88、98、10
0、110および132;C.I.ダイレクトレッド
(1、2、4、9、11、13、17、20、23、2
4、28、31、33、37、39、44、62、8
1、83、99および227;C.I.ダイレクトブルー
(1、2、6、8、15、22、25、71、76、7
8、86、98、108、120、192、193、1
94、195、196、199、200、201、20
2、203、207、236、237;リアクティブレ
ッド(4、31、56、141、148および180な
どが挙げられる。
【0029】これらの染料は、1種を単独で、または2
種以上を混合して用いることができる。2種以上の染料
を混合して用いた場合には、シアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラックの4原色以外の赤、青、緑などに調色され
たカスタムカラーのインクを得ることができる。
【0030】本発明の好ましい態様の1つとして、第1
のインクがブラックインクであり、第2のインクがイエ
ロー、シアンおよびマゼンタの3色のインクであるイン
クジェット記録用インクセットが挙げられる。
【0031】有機溶剤は、主溶媒である水への染料の溶
解を促進する溶解剤として機能する。第2のインクに使
用される有機溶剤としては、例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど
のアルキレングリコール類;チオジグリコール;エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール
メチルエーテルなどのアルキレングリコールエーテル
類;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、シクロヘ
キシルピロリドン、スクシンイミド、尿素、トリエタノ
ールアミンなどの塩基性溶媒;エタノール、イソプロピ
ルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール
などのアルコール類;グリセリン、トリメチロールプロ
パン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどが挙げら
れる。これらの有機溶剤は、1種を単独で、または2種
以上を混合して用いることができる。
【0032】第2のインクは、第1のインクに含まれる
pH感応性の自己分散型顔料の沈殿・凝集を誘発するた
めに、pHを4〜6に調整する必要がある。第2のイン
クの着色剤として水溶性の酸性染料を使用することによ
りインクのpHを4〜6の範囲に調整することができる
が、場合によっては、pH調整剤として、酢酸、炭酸、
クエン酸、亜リン酸、リン酸などの弱酸などを添加し
て、インクのpHを調整してもよい。インクがpH4よ
り低い強酸である場合には、プリンター装置やインク容
器を腐食させる危険性があり、また人体にも危険である
ので、インクのpHは4未満にならないように調整する
のが好ましい。
【0033】第2のインクに使用される物性調整剤とし
ては、表面張力調整剤が挙げられる。表面張力調整剤と
しては、第1のインクと同様のものが挙げられる。
【0034】第2のインクにおける各成分の含有量は次
のとおりである。水溶性染料の含有量は、0.5〜7重
量%が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。有機溶
剤の含有量は、画像の滲みが発生しない量にすることが
必要であり、1〜15重量%が好ましく、3〜10重量
%がより好ましい。pH調整剤の含有量は、0.01〜
3重量%が好ましく、0.1〜1重量%がより好まし
い。表面張力調整剤としての界面活性剤の含有量は、
0.01〜5重量%が好ましく、0.1〜2重量%がよ
り好ましい。以上の各成分の残部を水とすればよいが、
水の含有量は、60重量%以上が好ましく、70重量%
以上がより好ましい。
【0035】第1のインクおよび第2のインクは、必要
に応じて殺菌剤、防腐剤(防カビ剤)、粘度調整剤およ
び導電剤などの添加剤を含んでいてもよい。また、本発
明のインクセットを、熱エネルギーの作用によってイン
クを吐出させるタイプのインクジェット記録に適用する
場合には、例えば、比熱、熱膨張係数、熱伝導率などの
熱的な物性値を調整するための添加剤を含んでいてもよ
い。
【0036】本発明の好ましい態様の1つとして、第1
のインクが、1〜7重量%のpH感応性の自己分散型カ
ーボン・ブラック、1〜30重量%の水溶性有機溶媒、
0.5〜2重量%の結着剤および水を含むpH8〜10
のインクであり、第2のインクが、水溶性染料と水を含
むpH4〜6のインクであるインクジェット記録用イン
クセットが挙げられる。
【0037】本発明のインクセットの各インクは、例え
ば、イオン交換水に顔料または染料を添加し、室温で撹
拌して顔料または染料を溶解させた後、水溶性有機溶剤
または有機溶剤を順次添加し、最後に界面活性剤を添加
し、室温で撹拌した後、所望の大きさ(例えば、0.4
5μm)のフィルターで濾過することにより得られる。
【0038】本発明のインクセットにおける各インクの
諸物性は、適宜制御することができるが、本発明の好ま
しい態様によれば、インクの表面張力(25℃)は、2
5×10-3〜50×10-3N/mが好ましい。また、イ
ンクの粘度(25℃)は、1×10-2Pa・s以下が好
ましく、5×10-3Pa・s以下がより好ましい。イン
クの表面張力および粘度を上記の範囲に調整することに
より、本発明のインクセットを用いて普通紙などに記録
した場合における、インクの滲み、記録物の乾燥性およ
び浸透性の問題が解決し、かつインクジェット用ヘッド
とインクとの良好なマッチングが得られる。
【0039】本発明によれば、上記のインクジェット記
録用インクセットを用いることを特徴とするインクジェ
ット記録方法が提供される。ここで、インクジェット記
録とは、公知の記録方法が挙げられる。
【0040】
【実施例】本発明を実施例および比較例に基づいてさら
に具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が
限定されるものではない。
【0041】以下の処方でインク組成物を調製した。表
1に示す配合量(重量%)の色材、結着剤、有機溶剤、
pH調整剤、界面活性剤、多価金属塩をイオン交換水に
添加し、合計量を100重量%にして、これらを充分に
混合・溶解し、0.45μmのフィルターで加圧濾過し、
脱気処理して、各インク組成物を調製した。また、実施
例のインク組成物と比較するために、pHをアルカリ側
に調整したインク組成物および多価金属塩を含むインク
組成物を同時に調製した。得られたインク組成物につい
て、粘度(×10-3Pa・s)、表面張力(×10-3
/m)およびpHの物性を測定した。得られた結果を表
1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】調製したインク組成物のうち、黒インク、
イエロー1、マゼンタ1およびシアン1の4色を組み合
わせて、インクセットとして、ブリード評価、環境変化
下での吐出テストおよび長期保存テストを行った(実施
例)。また、比較として、黒インク、イエロー2、マゼ
ンタ2およびシアン2の4色を組み合わせたインクセッ
ト(比較例1)および黒インク、イエロー3、マゼンタ
3およびシアン3の4色を組み合わせたインクセット
(比較例2)についても、上記と同様にして、ブリード
評価、環境変化下での吐出テストおよび長期保存テスト
を行った。
【0044】(1)ブリード評価 インクセットをインクジェットプリンター(シャープ株
式会社製、商品名:AJ−2000LE)のカートリッ
ジに詰め、下記の条件で図1に示すブリード評価用パタ
ーンを普通紙に記録した。図1中、1はシアン、2はマ
ゼンタ、3はイエロー、5はブラック(黒)を示す。 (環境条件) 温度および湿度:25℃、50%RHおよび20℃、5
0%RH (インクの吐出条件) 液滴体積:12pl 吐出周波数:12kHz
【0045】30人のパネラーが顕微鏡などで記録結果
を観察し、下記の評価基準で採点したものを平均して評
価結果とした。得られた結果を表2に示す。 (評価基準) 5点:インクの飛散り・混色がほとんどなく、ドットお
よび2色間のエッジが極めてシャープである。 4点:インクの飛散り・混色が多少見られるが、ドット
および2色間のエッジがシャープである。 3点:インクの飛散り・混色、ドットおよび2色間のエ
ッジのぼやけなどが平均的である。 2点:ほぼ全ドットにインクの飛散り・混色が見られ、
ドットおよび2色間のエッジが少しぼやけている。 1点:全ドットにインクの飛散り・混色が見られ、ドッ
トおよび2色間のエッジがはっきりしない。
【0046】図2(a)および(b)は、評価基準を示
す模式図である。図2(a)は、インクの飛散り・混色
がほとんどない理想的な記録サンプルであり、これに近
い記録を評価5点とする。また、図2(b)は、全ドッ
トにインクの飛散り・混色が見られる記録サンプルであ
り、これに近い記録を評価1点とする。図2中、1〜3
は図1と同様であり、4はシアン、マゼンタまたはイエ
ローを示す。
【0047】(2)環境変化下での吐出テスト インクセットを下記の雰囲気で所定時間放置後、(1)
のブリード評価と同様の条件でブリード評価用パターン
を普通紙に記録し、下記の基準で評価した。 (環境条件) 温度および湿度:10℃、15%RHおよび30℃、8
5%RH (評価基準) ○:12時間放置で印字可能である。 △:1時間放置で印字可能である。 ×:1時間放置で印字不可能である。
【0048】(3)長期保存テスト インクセットを下記の雰囲気で所定日数(90日)放置
後、各インク組成物の沈殿の有無を目視観察し、下記の
基準で評価した。 (環境条件) 温度および湿度:60℃、60%RH (評価基準) ○:沈殿が全く認められない。 △:インクに濁りが認められる。 ×:沈殿が認められる。
【0049】以上の評価結果および総合評価を、用いた
インクセットの構成と共に表2に示す。なお、総合評価
の基準は次のとおりである。 ◎:ブリード評価が4.0以上で、吐出テストと長期保
存テストが共に○ ×:ブリード評価が3.0以下あるいは、吐出テストあ
るいは長期保存テストが×
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、普通紙上で滲み、ブリ
ード・混色がなく、1200dpi相当以上の高解像度
の画像記録が可能なインクジェット記録用インクセット
およびそれを用いた記録方法を提供することができる。
また、本発明によれば、ノズル先端でのインク乾燥によ
る目詰まりが発生せず、常に吐出応答性、吐出安定性が
良好なインクジェット記録用インクセットを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いたブリード評価用パターンを示す
模式図である。
【図2】実施例で用いたブリードの評価基準を示す模式
図である。
【符号の説明】
1 シアン 2 マゼンタ 3 イエロー 4 シアン、マゼンタまたはイエロー 5 ブラック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本山 清人 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 藤井 一郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 中村 雅 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2C056 FC01 2H086 BA01 BA02 BA55 BA59 BA60 4J039 AD03 AD09 BA04 BA19 BC07 BC10 BC13 BC19 BC35 BE01 BE02 BE03 BE04 BE06 BE12 BE22 BE28 BE30 CA06 EA15 EA16 EA17 EA19 EA48 GA24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 pH感応性の自己分散型顔料が分散され
    た第1のインクと、第1のインクに分散された顔料が析
    出するpHに調整された、第1のインクと異なる色の水
    溶性染料を含む第2のインクとからなることを特徴とす
    るインクジェット記録用インクセット。
  2. 【請求項2】 pH感応性の自己分散型顔料の表面にカ
    ルボキシル基が存在することからなる請求項1に記載の
    インクジェット記録用インクセット。
  3. 【請求項3】 pH感応性の自己分散型顔料が、自己分
    散性とpH感応性の機能を付与されたカーボン・ブラッ
    クである請求項1または2に記載のインクジェット記録
    用インクセット。
  4. 【請求項4】 第2のインクが、第1のインクよりも低
    いpHに調整されてなる請求項1〜3のいずれか1つに
    記載のインクジェット記録用インクセット。
  5. 【請求項5】 第2のインクが、酢酸、炭酸、クエン
    酸、亜リン酸およびリン酸から選択される弱酸を含む請
    求項1〜4のいずれか1つに記載のインクジェット記録
    用インクセット。
  6. 【請求項6】 第1のインクが、1〜7重量%のpH感
    応性の自己分散型カーボン・ブラック、1〜30重量%
    の水溶性有機溶媒、0.5〜2重量%の結着剤および水
    を含むpH8〜10のインクであり、第2のインクが、
    水溶性染料と水を含むpH4〜6のインクである請求項
    1〜5のいずれか1つに記載のインクジェット記録用イ
    ンクセット。
  7. 【請求項7】 第1のインクが、ブラックインクであ
    り、第2のインクが、イエロー、シアンおよびマゼンタ
    の3色よりなる群から選択される少なくとも1色のイン
    クである請求項1〜6のいずれか1つに記載のインクジ
    ェット記録用インクセット。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1つに記載のイ
    ンクジェット記録用インクセットを用いることを特徴と
    するインクジェット記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7407537B2 (en) 2004-06-18 2008-08-05 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink set for ink-jet recording, method for producing the same, and the ink-jet printer

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US7407537B2 (en) 2004-06-18 2008-08-05 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink set for ink-jet recording, method for producing the same, and the ink-jet printer

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