JP2002314797A - 画像処理制御データを含む画像ファイル - Google Patents

画像処理制御データを含む画像ファイル

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JP2002314797A
JP2002314797A JP2001249888A JP2001249888A JP2002314797A JP 2002314797 A JP2002314797 A JP 2002314797A JP 2001249888 A JP2001249888 A JP 2001249888A JP 2001249888 A JP2001249888 A JP 2001249888A JP 2002314797 A JP2002314797 A JP 2002314797A
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Makoto Fujino
真 藤野
Naoki Kuwata
直樹 鍬田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮影装置の色再現特性および撮影意図を反映
した画像処理を施した画像出力を実現する。 【解決手段】 ディジタルスチルカメラで生成した画像
データに、画像処理情報を添付した画像ファイルを生成
する。画像処理情報は、カメラの色再現特性および撮影
意図を踏まえて画像処理の内容を制御するデータであ
る。この画像処理情報を、画像データ内に電子透かしの
技術により埋め込む。プリンタは、画像データから電子
透かし化された画像処理情報を抽出し、これに基づく画
像処理を施した上で印刷を実行する。こうすることで、
撮影時の意図等を反映した印刷を実現することができる
とともに、画像処理情報の改ざん等を回避することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像データと画像
データの画像処理情報とを含む画像ファイルを用いて画
像を出力する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタルスチルカメラ(DS
C)、ディジタルビデオカメラ(DVC)、スキャナ等
の撮像装置によって画像データを生成し、これを、CR
T、LCD、プリンタ、プロジェクタ、テレビ受像器な
どの出力装置で画像出力する方法が普及しつつある。か
かる画像出力では、撮像装置および出力装置の色再現特
性の相違などに起因して、被写体の明るさや色合いが忠
実に再現できない場合がある。従来、色再現のこうした
相違は、画像データのレタッチによって補正されてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかるレタッ
チには、非常に高度な技術が要求されるため、その調整
は困難かつ煩雑であった。画像データの解析により自動
的に色合いやシャープネスなどの補正を行うアプリケー
ションソフトウェアも提案されてはいるが、撮像装置の
特性が反映されないため、その補正は十分とは言えなか
った。また、無用な補正が施されるなどして撮像者の意
図が却って損なわれる場合もあった。
【0004】かかる弊害を回避する方法として、撮像装
置の特性、撮像者の意図などの情報を画像データととも
に出力装置に受け渡し、これらの情報に基づく補正を行
った上で出力させる方法が考えられる。ところが、画像
データとともに受け渡される情報が容易に改ざん等可能
なものであれば、結局、撮影者等の意図が損なわれる可
能性がある。また、撮像装置の特性、撮像者の意図など
の情報は、ノウハウの一種であるため、第三者から秘匿
しておく必要もある。
【0005】本発明は、これらの課題に鑑みてなされた
ものであり、第三者への漏洩、改ざん等の可能性を回避
しつつ、画像データの作成時の特性および意図を反映し
た出力を可能にする技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明で
は、いわゆる電子透かしの技術を用いて画像データ中
に、画像データの作成時の特性および意図を反映を伝達
するために必要な情報を埋め込むものとした。必要な情
報は、例えば、画像データに施されるべき画像処理を特
定する画像処理制御データとすることができる。
【0007】かかる埋め込みを実現する画像データ生成
装置は、例えば、原画像データ入力手段、画像処理制御
データ設定手段、画像データ生成手段を備える。原画像
データ入力手段は、画像処理の対象となるべき原画像デ
ータを入力する。原画像データの入力は、例えば、撮像
装置による撮影、コンピュータグラフィックス等による
生成、既に生成された画像データの入力などの態様が含
まれる。画像処理制御データ設定手段は、この原画像デ
ータに施されるべき画像処理の内容を特定する画像処理
制御データを設定する。画像処理制御データは、画像デ
ータ生成装置内に予め記憶しておいてもよいし、外部か
ら入力してもよい。
【0008】画像データ生成手段は、画像処理制御デー
タを原画像データに電子透かし化して埋め込んだ画像デ
ータを生成する。電子透かしとは、特定のデータを、目
視できない状態で原画像データ中に埋め込む技術をい
う。本発明では、いかなる電子透かし技術を適用しても
構わない。
【0009】本発明による画像データには、画像処理制
御データが含まれている。画像処理装置は、この画像処
理制御データに基づいて画像データに施すべき画像処理
を特定することができ、画像データ生成時の特性、意図
を損なわずに画像処理を行うことができる。また、本発
明では、画像処理制御データが、電子透かし化されて埋
め込まれているため、その内容を第三者から秘匿するこ
とができるとともに、第三者による改ざんを防止するこ
ともできる。
【0010】本発明において、画像処理制御データは、
種々の内容を含めることが可能である。一例として、画
像データが、YCbCr色空間で規定されている場合に
は、画像処理制御データには、少なくともYCbCr色
空間からRGB色空間への色変換に関する情報を含める
ことが望ましい。色空間の変換方法によっては、YCb
Cr色空間で定義されていた色がRGB空間で完全に再
現できないこともあるからである。色変換に関する情報
を含めることにより、変換後も原画像の色を忠実に再現
することが可能となる。色変換に関する情報として、変
換後の色空間を特定可能な名称等を含めても良いし、色
変換に用いられる変換マトリクスを含めてもよい。
【0011】色変換に関する情報は、特に、RGB色空
間が、sRGB色空間よりも色再現範囲が広くなるよう
定義された色空間である場合に、有用性が高い。画像処
理で通常用いられるのはsRGBであり、sRGBより
も広い色再現範囲が要求される場合に、色変換方法等を
特定する必要が生じるからである。
【0012】電子透かし技術は、例えば、画素置換型の
ように原画像データのいずれかのビットプレーンにデー
タを埋め込む方法を採るものとしてもよい。また、画像
データ生成時に、原画像データを周波数空間に変換して
圧縮する場合には、画像処理制御データは、周波数空間
で埋め込むものとしてもよい。この場合には、圧縮によ
って削除される周波数を避けて画像処理制御データを埋
め込むことになる。周波数空間に変換して圧縮する方法
としては、例えば、離散コサイン変換を用いたJPEG
フォーマットが知られており、かかる場合には、画像処
理制御データを、高周波領域に埋め込むことができる。
また、別の方法として、ウェーブレット変換を用いた圧
縮方法も知られており、かかる場合には画像処理制御デ
ータを、低周波領域に埋め込むことができる。
【0013】上述の説明では、原画像データに対して画
像処理制御データを埋め込む場合を示した。本発明は、
この他、原画像データと画像処理制御データとを関連づ
けて格納した画像ファイルを入力し、この画像処理制御
データを原画像データに電子透かし化して埋め込み直す
ものとしてもよい。
【0014】また、本発明は、画像処理制御データが電
子透かし化されて埋め込まれた画像データに基づいて画
像処理を施す画像処理装置として構成することもでき
る。かかる画像処理装置は、画像データから、画像処理
制御データを抽出し、抽出されたデータに基づく画像処
理を実行する。画像データ生成時に用いられた電子透か
しの方法が既知であれば、比較的容易に画像処理制御デ
ータを抽出することができ、画像処理を施すことができ
る。画像処理の対象は、画像処理制御データが含まれた
状態の画像データであってもよいし、画像処理制御デー
タが分離された後の原画像データであってもよい。
【0015】本発明は、上述の画像データ生成装置、画
像処理装置としての態様の他、種々の態様で構成するこ
とができる。例えば、画像データ生成方法、画像処理方
法として構成してもよい。また、画像データ生成装置、
画像処理装置としての機能をコンピュータを用いて実現
するためのコンピュータプログラム、かかるプログラム
を記憶した記憶媒体として構成してもよい。記憶媒体と
しては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気
ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカ
ード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コン
ピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモ
リ)および外部記憶装置等、コンピュータが読取り可能
な種々の媒体を利用できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像ファイル
の生成装置、出力装置、画像処理システムについて以下
の順序にて図面を参照しつつ、いくつかの実施例に基づ
いて説明する。 A.画像処理システムの基本的構成 B.画像ファイル生成装置 C.出力装置 D.画像ファイルの構成 E.画像ファイル生成装置における画像処理 F.出力装置における画像処理
【0017】A.画像処理システムの基本的構成:各実
施例において共通に用いられ得る画像処理システムの基
本的構成について図1を参照して説明する。図1は画像
処理システムの基本的構成の一例を示す説明図である。
【0018】画像処理システムは、画像ファイルを生成
する入力装置、画像ファイル生成装置としてのディジタ
ルスチルカメラ12、ディジタルスチルカメラ12にて
生成された画像ファイルに基づいて画像処理を実行し、
画像を出力する出力装置としてのカラープリンタ20を
備えている。また、カラープリンタ20が画像処理機能
を備えていない一般的なプリンタの場合には、ディジタ
ルスチルカメラ12から画像ファイルを受け取り、必要
な画像処理を行った後、印刷データをカラープリンタ2
0に供給するパーソナルコンピュータPCが画像処理シ
ステムに含まれる。
【0019】さらに、パーソナルコンピュータPC、カ
ラープリンタ20、ディジタルスチルカメラ12とネッ
トワークを介して接続されており、画像データGDを格
納したり、画像ファイルに対する画像処理を実行してパ
ーソナルコンピュータPC等に送り返す機能を有するサ
ーバSVも画像処理システムに含まれ得る。図2を参照
して、ネットワークを介して画像処理が実行される場合
の例示的な構成について説明する。図2は画像ファイル
を生成する入力装置、画像ファイルを出力する出力装
置、画像ファイルの画像処理を実行するサーバにより構
成される例示的な画像処理システムを示す説明図であ
る。
【0020】入力装置としての、ディジタルスチルカメ
ラ12、スキャナSC、ディジタルビデオカメラDVC
は、パーソナルコンピュータPC、ネットワークを経由
してサーバSVに対して画像処理をすべき画像ファイル
を送信する。ディジタルスチルカメラ12等は、ケーブ
ルCVを用いた有線通信によって画像ファイルをパーソ
ナルコンピュータPCに送信する。あるいは、ディジタ
ルスチルカメラ12、スキャナSC、ディジタルビデオ
カメラDVCが無線通信機能を備えている場合には、デ
ィジタルスチルカメラ12、スキャナSC、ディジタル
ビデオカメラDVCは、無線通信WLによって画像ファ
イルをサーバSVに対して直接またはネットワークを介
して送信する。入力装置としての、画像生成機能付きの
携帯端末MBは、主に無線通信WLを介してサーバSV
に対して画像ファイルを送信する。
【0021】サーバSVにおいて画像処理が施された画
像ファイルは、出力装置としての、プリンタ20、CR
Tディスプレイ、LCDディスプレイ等のモニタ(表示
装置)14、プロジェクタ等に送信される。プリンタ2
0、モニタ14に対しては、ネットワーク、パーソナル
コンピュータPCを介して出力すべき画像データが供給
される。プリンタ20、モニタ14とパーソナルコンピ
ュータPCとは、ケーブルCVを介して有線接続されて
いる。あるいは、プリンタ20、モニタ14に無線通信
機能が備えられている場合には、サーバSVから送信さ
れた画像ファイルは、直接またはネットワークを介して
無線通信WLによってプリンタ20、モニタ14に送信
される。なお、サーバSVからプリンタ20に対して画
像ファイルが送信されるときには、CMYKのラスタデ
ータ形式の画像データが送信され、サーバSVからモニ
タ14に対して画像ファイルが送信されるときには、R
GB形式の画像データが送信されることが好ましい。
【0022】B.画像ファイル生成装置 図3を参照して、画像処理システムを構成する画像ファ
イル生成装置としてのディジタルスチルカメラ12の基
本的構成について説明する。図3は、ディジタルスチル
カメラの概略構成を示すブロック図である。ディジタル
スチルカメラ12は、光の情報をディジタルデバイス
(CCDや光電子倍増管)に結像させることにより画像
を取得するカメラであり、図3に示すように光情報を収
集するためのCCD等を備える光学回路121、光学回
路121を制御して画像を取得するための画像取得回路
122、取得したディジタル画像を加工処理するための
画像処理回路123、メモリを備えると共に各回路を制
御する制御回路124を備えている。ディジタルスチル
カメラ12は、取得した画像をディジタルデータとして
記憶装置としてのメモリカードMCに保存する。ディジ
タルスチルカメラ12における画像データの保存形式と
しては、JPEG形式が一般的であるが、この他にもT
IFF形式、GIF形式、BMP形式等の保存形式が用
いられ得る。
【0023】本実施例では、ここで得られる画像データ
は、YCbCrの色空間で定義された画像データであ
る。かかる色空間を用いるのは、JPEGフォーマット
による画像圧縮に適した色空間だからである。但し、デ
ィジタルスチルカメラ12の機種に応じてCCDの電圧
信号からYCbCr空間の画像データを得るまでの処理
が相違する。
【0024】ディジタルスチルカメラ12では、通常、
CCDの電圧信号から一旦、RGBの色空間で定義され
た画像データを得る。色空間は、カメラの機種によっ
て、sRGBまたはNTSCと呼ばれる色空間が使い分
けられている。いずれの空間もRGBの座標系で色を定
義する点では共通しているが、NTSCの方がsRGB
よりも色再現範囲が広い座標系である。sRGBの色空
間については、通常、8ビット(0〜255)の範囲で
定義されるが、この範囲を負値または256以上の値に
拡張した色空間(ここでは「拡張sRGB空間」と称す
る)が用いられる場合もある。撮影時に利用された色空
間の情報は、ディジタルスチルカメラ12の色再現特性
を表す情報として、後述する色空間パラメータに含まれ
て画像データに添付される。但し、本実施例では、拡張
sRGB空間とsRGB空間とは同一座標系であるた
め、同じパラメータで表すものとした。両者を区別して
表すものとしてもよい。
【0025】こうしてRGB色空間で得られた画像を3
×3のマトリックス演算することにより、YCbCr色
空間に変換することができる。このマトリックスは、R
GBの座標系をYCbCrの座標系に変換するものであ
り、撮影時の色空間がsRGB,NTSCのいずれであ
っても共通のマトリックスを用いることができる。
【0026】ディジタルスチルカメラ12はまた、明
度、コントラスト、露出補正量(露出補正値)、ホワイ
トバランス等の個別の画像処理情報(画像処理パラメー
タ)、撮影条件に応じて予め複数の画像処理パラメータ
の値が設定されている撮影モード、画像データGDのレ
イアウト(配置)、出力装置の種類を設定するための選
択・決定ボタン126、撮影画像をプレビューしたり、
選択・決定ボタン126を用いて撮影モード等を設定す
るための液晶ディスプレイ127を備えている。選択・
決定ボタン126および液晶ディスプレイ127を用い
た撮影モード、画像処理パラメータ、レイアウト等の設
定手順については対応する各実施例において後述する。
【0027】本画像処理システムに用いられるディジタ
ルスチルカメラ12は、画像データGDに加えて、選択
・決定ボタン126を用いて設定された画像データの画
像処理情報GCを画像ファイルとしてメモリカードMC
に格納する。すなわち、画像処理パラメータ、レイアウ
ト、撮影モードといった画像処理情報GCが、撮影時に
画像データGDと共に画像ファイルとしてメモリカード
MCに自動的に格納される。なお、画像処理パラメータ
には、ユーザによって設定される上記各パラメータ、情
報の他に、撮影時に自動的に設定された露出時間、ホワ
イトバランス、絞り、シャッタースピード、レンズの焦
点距離等の撮影条件も含まれ得る。各撮影モードに適用
されるパラメータ、およびパラメータ値、レイアウト情
報、出力装置情報等はディジタルスチルカメラ12の制
御回路124内のメモリ上に保有されている。
【0028】ディジタルスチルカメラ12において生成
された画像ファイルは、例えば、ケーブルCV、コンピ
ュータPCを介して、あるいは、ケーブルCVを介して
カラープリンタ20に送出される。あるいは、ディジタ
ルスチルカメラ12にて画像ファイルが格納されたメモ
リカードMCが、メモリカード・スロットに装着された
コンピュータPCを介して、あるいは、メモリカードM
Cをプリンタ20に対して直接、接続することによって
画像ファイルがカラープリンタ20に送出される。ま
た、画像ファイルは、画像ファイルを受け取ったパーソ
ナルコンピュータPCからネットワーク回線を介してサ
ーバSVに送出され、画像処理が実行された後に、サー
バSVからパーソナルコンピュータPCまたはカラープ
リンタ20に送出される。なお、以下の出力装置の説明
では、メモリカードMCがカラープリンタ20に対して
直接、接続される場合に基づいて説明する。
【0029】C.出力装置 図4を参照して画像処理システムを構成する出力装置、
すなわち、カラープリンタ20の概略構成について説明
する。図4はカラープリンタ20の概略構成を示すブロ
ック図である。
【0030】カラープリンタ20は、カラー画像の出力
が可能なプリンタであり、例えば、シアン(C)、マゼ
ンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の
色インクを印刷媒体上に噴射してドットパターンを形成
することによって画像を形成するインクジェット方式の
プリンタである。あるいは、カラートナーを印刷媒体上
に転写・定着させて画像を形成する電子写真方式のプリ
ンタである。色インクには、上記4色に加えて、ライト
シアン(薄いシアン、LC)、ライトマゼンタ(薄いマ
ゼンタ、LM)、ダークイエロ(暗いイエロ、DY)を
用いても良い。
【0031】カラープリンタ20は、図示するように、
キャリッジ21に搭載された印字ヘッド211を駆動し
てインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキ
ャリッジ21をキャリッジモータ22によってプラテン
23の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ24
によって印刷用紙Pを搬送する機構と、制御回路30と
から構成されている。キャリッジ21をプラテン23の
軸方向に往復動させる機構は、プラテン23の軸と並行
に架設されたキャリッジ21を摺動可能に保持する摺動
軸25と、キャリッジモータ22との間に無端の駆動ベ
ルト26を張設するプーリ27と、キャリッジ21の原
点位置を検出する位置検出センサ28等から構成されて
いる。印刷用紙Pを搬送する機構は、プラテン23と、
プラテン23を回転させる紙送りモータ24と、図示し
ない給紙補助ローラと、紙送りモータ24の回転をプラ
テン23および給紙補助ローラに伝えるギヤトレイン
(図示省略)とから構成されている。
【0032】制御回路30は、プリンタの操作パネル2
9と信号をやり取りしつつ、紙送りモータ24やキャリ
ッジモータ22、印字ヘッド211の動きを適切に制御
している。カラープリンタ20に供給された印刷用紙P
は、プラテン23と給紙補助ローラの間に挟み込まれる
ようにセットされ、プラテン23の回転角度に応じて所
定量だけ送られる。
【0033】キャリッジ21にはインクカートリッジ2
12とインクカートリッジ213とが装着される。イン
クカートリッジ212には黒(K)インクが収容され、
インクカートリッジ213には他のインク、すなわち、
シアン(C),マゼンタ(M),イエロ(Y)の3色イ
ンクの他に、ライトシアン(LC),ライトマゼンタ
(LM),ダークイエロ(DY)の合計6色のインクが
収納されている。
【0034】次に図5を参照してカラープリンタ20の
制御回路30の内部構成について説明する。図5は、カ
ラープリンタ20の制御回路30の内部構成を示す説明
図である。図示するように、制御回路30の内部には、
CPU31,PROM32,RAM33,メモリカード
MCからデータを取得するPCMCIAスロット34,
紙送りモータ24やキャリッジモータ22等とデータの
やり取りを行う周辺機器入出力部(PIO)35,タイ
マ36,駆動バッファ37等が設けられている。駆動バ
ッファ37は、インク吐出用ヘッド214ないし220
にドットのオン・オフ信号を供給するバッファとして使
用される。これらは互いにバス38で接続され、相互に
データにやり取りが可能となっている。また、制御回路
30には、所定周波数で駆動波形を出力する発振器3
9、および発振器39からの出力をインク吐出用ヘッド
214ないし220に所定のタイミングで分配する分配
出力器40も設けられている。
【0035】制御回路30は、メモリカードMCから画
像ファイル100を読み出し、付属情報AIを解析し、
解析した制御情報AIに基づいて画像処理を実行する。
制御回路30は、紙送りモータ24やキャリッジモータ
22の動きと同期を採りながら、所定のタイミングでド
ットデータを駆動バッファ37に出力する。
【0036】D.画像ファイルの構成 図6を参照して画像処理システムに用いられ得る画像フ
ァイルGFの内容について説明する。図6は画像ファイ
ルGFの内容の一例を概念的に示す説明図である。画像
ファイルGFは、画像データGDを格納する画像データ
格納領域101と、カラープリンタ20、パーソナルコ
ンピュータPC、サーバSVにおける画像データGDの
画像処理時に参照、適用される画像処理情報GC、レイ
アウト情報、画像データの参照先情報等を格納する画像
処理情報格納領域102を備えている。画像データGD
は、例えば、JPEG形式で格納されている。なお、本
実施例中におけるファイルの構造、データの構造、格納
領域といった用語は、ファイルまたはデータ等が記憶装
置内に格納された状態におけるファイルまたはデータの
イメージを意味するものである。
【0037】本実施例では、画像処理情報GCは、後述
する通り、電子透かし化されて画像データGD内に埋め
込まれる。図中では、説明の便宜上、画像処理情報格納
領域102と画像データ格納領域101とを区別して示
したが、実際のファイル形式上は、前者が後者の領域内
に散在する形となる。
【0038】画像処理情報GCは、ディジタルスチルカ
メラ12等の画像データ生成装置において画像データが
生成されたとき(撮影されたとき)の画質に関連する情
報である、露出時間、ISO感度、絞り、シャッタース
ピード、焦点距離に関するパラメータ、およびユーザに
よって任意に設定される露出補正量、ホワイトバラン
ス、撮影モード、ターゲット色空間等の画像処理パラメ
ータ、撮影モード、出力装置の出力特性に合わせた個別
画像処理パラメータを含む。
【0039】本実施例に係る上記画像ファイルGFは、
ディジタルスチルカメラ12の他、ディジタルビデオカ
メラ、スキャナ等の入力装置(画像ファイル生成装置)
によっても生成され得る。
【0040】図中では、画像データと画像処理情報GC
のみを備える場合を例示したが、露出時間、ISO感
度、絞り、シャッタースピード、焦点距離などの撮影情
報など、画像処理情報の一部については、画像データの
ヘッダ部分等に別途記録するものとしてもよい。かかる
画像ファイルの構成としては、例えば、ディジタルスチ
ルカメラ用画像ファイルフォーマト規格(Exif)な
どが挙げられる。
【0041】制御データは、画像の出力時に画像データ
に施されるべき画像処理の内容を制御するためのデータ
である。本実施例では、制御データは、大きく分類し
て、色空間パラメータ、色補正パラメータの2種類のデ
ータを含んでいる。
【0042】ターゲット色空間は、色空間パラメータに
よって特定される。ここで、色空間パラメータとは、画
像ファイル生成装置における色再現特性を出力装置側に
伝達し、被写体の忠実な色再現を実現するためのデータ
である。このパラメータには、画像ファイル生成装置の
特性に応じたガンマ補正値および色空間変換方法の指定
パラメータが含まれる。色空間変換方法の指定パラメー
タとは、画像ファイル生成装置による色再現範囲の広さ
に応じて画像処理時に用いられる色変換方法を特定する
パラメータである。本実施例では、先に説明した通り、
sRGB、NTSCの色空間を使用している。両者は色
再現範囲が相違しているため、画像処理時に同じ変換方
法を適用すると、一方で色再現範囲が無用に減縮される
可能性がある。そこで、指定パラメータによって、色変
換方法を特定することにより、撮影時の色再現範囲を損
ねない画像処理の実行を図った。指定パラメータは、種
々の形式で設定可能であり、本実施例では、撮影時に使
用された色空間がsRGB、NTSCのいずれであるか
を指定するパラメータとした。色空間の変換に用いられ
る変換マトリクス自体を指定パラメータとしてもよい。
【0043】E.画像ファイル生成装置における画像処
理:図7は実施例における画像データの生成処理のフロ
ーチャートである。ディジタルスチルカメラ12におけ
る処理内容を示した。
【0044】ディジタルスチルカメラ12の制御回路1
24は、撮影に先立ってユーザによって撮影モード、ま
たは、ホワイトバランス、露出補正量等の画像処理情報
GC(画像処理パラメータ)が設定されているか否かを
判定する(ステップS300)。これら画像処理情報G
Cの設定は、選択・設定ボタン126を操作して、液晶
ディスプレイ127上に表示される、既定の撮影モード
の中からユーザが選択することにより、あるいは、液晶
ディスプレイ127上にて、任意の明度、コントラスト
等の画像処理パラメータ値をユーザが設定することによ
り実行される。
【0045】制御回路124は、任意設定の画像処理情
報GCが設定されていると判定した場合には(ステップ
S300:Yes)、撮影要求、例えば、シャッターボ
タンの押し下げに応じて、設定された画像処理情報GC
によって規定されるパラメータ値、および撮影条件から
自動的に設定される画像処理情報GCによって規定され
るパラメータ値を用いて画像データGDを生成すると共
に、画像データGDのサムネイルデータGDSを生成す
る(ステップS310)。これに対して、制御回路12
4は、任意設定の画像処理情報GCが設定されていない
と判定した場合には(ステップS300:No)、撮影
要求に応じて、撮影条件から自動的に設定される画像処
理情報GCによって規定されるパラメータ値を用いて画
像データGDを生成すると共に、画像データGDのサム
ネイルデータGDSを生成する(ステップS320)。
【0046】制御回路124は、画像処理情報を生成し
(ステップS340)、生成した画像処理情報GCを電
子透かし化して画像データGCに埋め込む(ステップS
360)。 制御回路124は、電子透かし化された画
像データGDを含む画像ファイルGFをメモリカードM
Cに格納して本処理ルーチンを終了する。
【0047】図8は電子透かし化の一例を示す説明図で
ある。この方法では、JPEGフォーマットへの変換時
に画像処理情報GCの埋め込みを行う。処理前の画像デ
ータは、図の左側に示す通り、画素ごとに階調値を有す
るデータ(以下、階調データと呼ぶ)である。制御回路
124は、この階調データに対して離散コサイン変換
(DCT変換)を実行する。DCT変換は、階調データ
中のいくつかの画素からなるブロック単位で実行され
る。図中では、破線で区切ったマスが画素を示してお
り、太線で区切った部分がブロックBLを示している。
この例では、図示の便宜上、9つの画素が一つのブロッ
クとなる場合を例示したが、8×8画素をブロックとす
ることが多い。
【0048】DCT変換変換により、階調データは、図
の中央に示すように、周波数空間に変換される。周波数
空間とは、各ブロックBLに対し、左上方向に低周波成
分、右下方向に高周波成分を割り当てた空間である。
【0049】次に、この周波数空間内の各成分を予め設
定された量子化テーブルで除することで、量子化を行
う。これは圧縮の一手順であり、高周波成分ほど大きな
数字で量子化するように量子化テーブルは設定されてい
る。
【0050】本実施例では、この量子化データに対して
画像処理制御情報GCの埋め込みを行う。図中に画像処
理制御情報GCのビット列イメージを示した。一般に高
周波成分のデータは、画像に与える影響が小さいデータ
として知られている。本実施例では、この特性を利用
し、最も周波数が高い成分に画像処理制御情報GCのビ
ット列を埋め込むものとした。量子化データで得られた
成分値に関わらず、最も周波数が高い成分に対応するビ
ットを画像処理制御情報GCのビットに置換することに
よりデータの埋め込みを行うことができる。
【0051】この際、量子化データでは、量子化テーブ
ルの設定により、一つのブロック内で最も周波数が高い
成分がほぼ0となっているため、一つのブロックに対し
ては、1ビット程度しか埋め込むことができない。従っ
て、本実施例では、図示する通り、画像処理情報GCを
複数のブロックに散在させて埋め込む。一般の画像デー
タおよびブロックサイズによれば、最も周波数が高い成
分のみを用いて画像処理情報GCを埋め込むことが可能
であるが、ブロック数が不足する場合には、周波数が高
い側の複数の成分を利用して埋め込むものとしてもよ
い。
【0052】かかる処理の後、ランレングス圧縮、ハフ
マン符号化と呼ばれる圧縮処理を行うことにより、電子
透かしを利用した画像処理情報GCの埋め込みが完了す
る。
【0053】F.カラープリンタ20における画像処
理:図9はカラープリンタ20における画像処理のフロ
ーチャートである。カラープリンタ20の制御回路30
(CPU31)は、スロット34にメモリカードMCが
差し込まれると、メモリカードMCから画像ファイル1
00を読み出し、読み出した画像ファイル100をRA
M33に一時的に格納する(ステップS500)。CP
U31は読み出した画像ファイル100から画像処理情
報GCを検索する(ステップS510)。
【0054】画像処理情報GCは、画像データGDに電
子透かし化されて埋め込まれているため、CPU31
は、電子透かし化されている画像処理情報GCを抽出す
る。本実施例の画像ファイルに対応したカラープリンタ
20にとって、電子透かし化された情報の抽出方法は既
知であるため、抽出は比較的容易に実行可能である。
【0055】図10は画像処理情報GCの抽出方法を示
す説明図である。画像データGDは、ランレングス圧
縮、ハフマン符号化の逆処理により、図の左側に示す量
子化データに復元することができる。CPU31は、こ
の量子化データに対して量子化テーブルを乗じることに
より、周波数空間でのデータを生成する。ここで用いら
れる量子化テーブルは、画像データ生成時に用いられる
量子化テーブルと同じものである(図8参照)。この量
子化テーブルを用いれば、図中の上方に示す通り、画像
処理情報GCを含んだデータを得ることができる。本実
施例では、最も高い周波数成分を利用して画像処理情報
GCを埋め込んでいるから、この成分に相当するビット
列を各ブロックから収集することにより、画像処理情報
GCを抽出することができる。なお、画像処理情報GC
に相当するビットが、画像自体に与える影響を回避する
ため、画像処理情報GCの抽出後は、最も高い周波数成
分を0に置換するものとした。最も高い周波数成分が、
画像に与える影響は比較的小さいため、画像処理情報G
Cを埋め込んだままとしても差し支えない。こうして得
られた周波数空間のデータを逆DCT変換することによ
り、階調データが得られる。
【0056】全ての量子化データについて、上述の処理
を行うものとしても構わないが、本実施例では、画像処
理情報GCの埋め込みの有無によって量子化テーブルを
切り替えるものとした。つまり、図10の下側に示す通
り、画像処理情報GCが埋め込まれていない量子化デー
タについては、最も高い周波数成分が0となるような量
子化テーブルを用いるものとした。このテーブルは、圧
縮時に使用されるテーブルと同じものである。かかる量
子化テーブルを用いることにより、画像データの圧縮率
を向上することができる。
【0057】こうした抽出処理の結果、画像処理情報G
Cが検索・発見された場合には(ステップS520:Y
es)、CPU31は、その内容を解析する(ステップ
S530)。CPU31は、解析した画像処理情報GC
に基づいて画像処理を実行し(ステップS540)、処
理された画像データをハーフトーン処理して、プリント
アウトする(ステップS550)。
【0058】CPU31は、画像処理情報を検索・発見
できなかった場合には(ステップS520:No)、画
像データ生成時における画像処理情報を反映させること
ができないので、カラープリンタ20が予めデフォルト
値として保有している画像処理情報、すなわち、各種パ
ラメータ値をROM32から取得して通常の画像処理を
実行する(ステップS560)。CPU31は、処理し
た画像データをプリントアウトして(ステップS55
0)、本処理ルーチンを終了する。
【0059】図11は画像処理情報GCに基づく画像処
理のフローチャートである。図9のステップS530の
処理を詳述したものである。
【0060】CPU31は、まず、画像データの色空間
を、YCbCr色空間から撮影時のRGB色空間に変換
する(ステップS14)。この変換は、ディジタルスチ
ルカメラ12でRGB空間からYCbCr空間への変換
に使用されたマトリックスの逆マトリックスを用いて行
われる。この変換により、画像データは、撮影時の色空
間、即ちNTSC、sRGB,拡張sRGBのいずれか
に変換される。拡張sRGB色空間に変換された場合に
は、この時点では、負値および256以上の値が含まれ
ることになる。
【0061】次に、CPU31は、画像データのガンマ
補正を施す(ステップS16)。このガンマ補正に用い
られるガンマ値は、ディジタルスチルカメラ12の特性
を表す情報として、画像処理情報GCに含まれている。
【0062】ガンマ補正が完了すると、次に画像データ
の色空間をsRGBよりも広い色再現範囲で定義された
wRGB色空間に変換する処理を行う。NTSC色空間
や拡張sRGB色空間で撮影された画像データを、色再
現範囲が狭いsRGB色空間で処理すると、被写体の色
を忠実に再現できない場合があるからである。かかる観
点から、sRGB空間で撮影された画像データについて
は、以下で説明する処理をスキップするものとしてもよ
い。本実施例では、画像処理情報GCに含まれるカラー
スペース情報は、sRGB空間と拡張sRGB空間とを
区別していないため、sRGB空間で撮影された画像デ
ータについてもwRGB空間への変換処理を行うものと
した。かかる場合でも、拡張sRGB空間では、画像デ
ータに負値または256以上の値が含まれるため、これ
らの階調値の有無によって拡張sRGB空間とsRGB
空間とを識別することは可能である。
【0063】wRGBへの色空間の変換処理は、マトリ
ックス演算によって行われる。先に説明した通り、CP
U31は、sRGB色空間または拡張sRGB色空間で
定義された画像データと、NTSC色空間で定義された
画像データとを扱う。それぞれの色空間からwRGB色
空間に直接変換するマトリックスを定義することも可能
ではあるが、本実施例では、標準的なXYZ色空間を介
して変換を行うものとした。
【0064】即ち、CPU31は、まず、RGB色空間
からXYZ色空間への変換を行う(ステップS18)。
この変換処理は、画像データを定義する色空間によって
相違する。つまり、sRGB色空間または拡張sRGB
色空間用の変換マトリックスTM1と、NTSC色空間
用の変換マトリックスTM2の2種類を予め用意し、こ
れらを使い分けることで撮影時の色空間に応じた変換処
理を実現する。この変換により、個別の色空間で撮影さ
れた画像データが、標準的なXYZ色空間に統一される
ことになる。
【0065】次に、CPU31は、XYZ色空間からw
RGB色空間への変換処理を行う(ステップS20)。
この処理もマトリックス演算である。ここでは撮影時の
色空間に関わらず、単一のマトリックスを用いて変換す
ることができる。演算に使用されるマトリックスは、w
RGB色空間の定義に応じて任意に設定可能である。
【0066】先に説明した通り、sRGB色空間で撮影
された画像データは、それよりも広い色空間に変換する
必要性がないため、ステップS18,S20の処理をス
キップしても構わない。また、sRGB色空間よりも広
い色空間として、例えば、NTSC色空間を利用する場
合、NTSC色空間で撮影された画像データは、ステッ
プS18、S20の処理をスキップしても構わない。こ
のように、ステップS18、S20の処理は、撮影時に
利用された色空間、最終的に用いる色空間の相対的な関
係によって適宜省略することができる。
【0067】色空間の変換処理が完了すると、CPU3
1は、逆ガンマ補正を行う(ステップS22)。ここで
用いられるガンマ値は、出力装置の色再現特性に基づい
て設定された値である。本実施例では、出力装置の機種
等が撮影時に既知であるため、画像データに添付される
画像処理情報GCに予め含められている。
【0068】CPU31は、更に、撮影時の意図を反映
させるため、画像画質の自動調整処理を実行する(ステ
ップS24)。本実施例では、画像処理情報GCに色補
正パラメータとしてコントラスト等の調整パラメータが
含まれている。CPU31は、このパラメータに基づい
て、画質の自動調整を行う。各パラメータに基づく画質
調整方法は、周知であるため、詳細な説明を省略する。
【0069】以上の処理により、ディジタルスチルカメ
ラ12の色再現特性および撮影時の意図を反映した画像
データの補正処理が完了する。CPU31は、RGBの
画像データに対し、色変換処理を行う(ステップS2
6)。RGBの表色系をプリンタで使用されるCMYK
の表色系に変換する処理である。この変換は、両者の色
を対応づける変換用ルックアップテーブル(LUT)を
参照することで行われる。本実施例の場合、wRGB色
空間からCMYKへの変換用のテーブルLUTwが通常
使用されることになる。但し、sRGB空間で定義され
た画像データも取扱可能とするため、画像処理システム
には、sRGB色空間の変換用テーブルLUTsも備
え、画像データが定義されている色空間に応じてこれら
のテーブルを使い分けるものとした。LUTsは、例え
ば、sRGB空間で撮影された画像データについてステ
ップS18、S20の色空間変換処理をスキップした場
合、受信した画像ファイルに対し、画質を調整するため
の処理を一切施すことなく出力する場合などに適用する
ことができる。
【0070】こうしてCMYKの階調値に変換された画
像データは、先に説明したステップS550の処理によ
り、ハーフトーン処理され、印刷される。
【0071】以上で説明した本実施例のシステムによれ
ば、画像処理情報によって画像データに施すべき画像処
理を特定することができ、画像データ生成時の特性、意
図を損なわずに画像処理を行うことができる。また、本
実施例では、画像処理情報が、電子透かし化されて埋め
込まれているため、その内容を第三者から秘匿すること
ができるとともに、第三者による改ざんを防止すること
もできる。
【0072】さらに、画像データGDに対する電子透か
し情報の埋め込みを適切に行うことにより、画像データ
GDが任意の領域を指定されてクリッピングされた場合
にも、クリッピングされた画像データに対して画像処理
情報GCを付帯させることができる。したがって、クリ
ッピングされた画像データに対しても適切な画像処理を
実行することができる。かかる埋め込み方法としては、
例えば、画像データ内に画像処理情報GCを、冗長性を
もたせて埋め込む方法が挙げられる。つまり、画像デー
タ全体としては、同一の画像処理情報GCが複数組得ら
れるように埋め込む方法が挙げられる。
【0073】電子透かし技術は、実施例で例示した方法
には限られない。例えば、画素置換型のように原画像デ
ータのいずれかのビットプレーンにデータを埋め込む方
法を採るものとしてもよい。また、ウェーブレット変換
を用いた画像データの圧縮方法を用いるものとしてもよ
い。かかる場合には画像処理制御データを、低周波領域
側に埋め込むことができる。
【0074】実施例では、ディジタルスチルカメラで撮
影された画像データに対して画像処理情報を埋め込む場
合を例示した。画像データの生成は、コンピュータ等で
行うものとしてもよく、例えば、外部から入力した画像
データに画像処理情報を埋め込むものとしてもよい。ま
た、電子透かし化されていない画像処理情報と画像デー
タとを含む画像ファイルを入力し、画像処理情報を電子
透かし化して埋め込むものとしてもよい。
【0075】実施例では、静止画への適用例を示した
が、本発明は、MPEG等の動画データにも適用可能で
ある。例えば、動画ファイルに画像処理制御データその
他の出力制御データを付加し、動画の全部または一部の
フレームに対して出力制御を行うものとしてもよい。
【0076】以上、本発明の種々の実施例について説明
したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣
旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができるこ
とはいうまでもない。例えば、以上の制御処理はソフト
ウェアで実現する他、ハードウェア的に実現するものと
してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像処理システムの基本的構成の一例を示す説
明図である。
【図2】画像ファイルを生成する入力装置、画像ファイ
ルを出力する出力装置、画像ファイルの画像処理を実行
するサーバにより構成される例示的な画像処理システム
を示す説明図である。
【図3】ディジタルスチルカメラの概略構成を示すブロ
ック図である。
【図4】カラープリンタ20の概略構成を示すブロック
図である。
【図5】カラープリンタ20の制御回路30の内部構成
を示す説明図である。
【図6】画像ファイルGFの内容の一例を概念的に示す
説明図である。
【図7】実施例における画像データの生成処理のフロー
チャートである。
【図8】電子透かし化の一例を示す説明図である。
【図9】カラープリンタ20における画像処理のフロー
チャートである。
【図10】画像処理情報GCの抽出方法を示す説明図で
ある。
【図11】画像処理情報GCに基づく画像処理のフロー
チャートである。
【符号の説明】
12…ディジタルスチルカメラ 14…モニタ(表示装置) 20…カラープリンタ 21…キャリッジ 22…キャリッジモータ 23…プラテン 24…モータ 25…摺動軸 26…駆動ベルト 27…プーリ 28…位置検出センサ 29…操作パネル 30…制御回路 34…スロット 37…駆動バッファ 38…バス 39…発振器 40…分配出力器 100…画像ファイル 101…画像データ格納領域 102…画像処理情報格納領域 121…光学回路 122…画像取得回路 123…画像処理回路 124…制御回路 126…選択・設定ボタン 126…選択・決定ボタン 127…液晶ディスプレイ 211…印字ヘッド 212…インクカートリッジ 213…インクカートリッジ 214…インク吐出用ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/60 B41J 29/00 Z Fターム(参考) 2C061 AP01 AP06 CL10 5B057 BA02 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CC01 CE08 CE17 CE18 CH08 5C076 AA14 AA26 BA06 5C077 LL14 LL19 MP08 PP23 PP32 PP34 PP37 PP49 PQ12 SS06 TT02 TT09 5C079 HB01 HB04 HB05 HB11 LA40 LB02 MA11 MA17 NA03 NA19 PA03 PA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データ生成装置であって、 原画像データを入力する原画像データ入力手段と、 前記原画像データに施されるべき画像処理の内容を特定
    する画像処理制御データを設定する画像処理制御データ
    設定手段と、 前記画像処理制御データを前記原画像データに電子透か
    し化して埋め込んだ画像データを生成する画像データ生
    成手段とを備える画像データ生成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像データ生成装置であ
    って、 前記画像データは、YCbCr色空間で規定されてお
    り、 前記画像処理制御データには、少なくともYCbCr色
    空間からRGB色空間への色変換に関する情報を含む画
    像データ生成装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の画像データ生成装置であ
    って、 前記RGB色空間は、sRGB色空間よりも色再現範囲
    が広くなるよう定義された色空間である画像データ生成
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の画像データ生成装置であ
    って、 前記画像データ生成手段は、前記画像データ生成時に、
    前記原画像データを周波数空間に変換して圧縮する圧縮
    部を備え、 前記画像処理制御データは、前記周波数空間において、
    前記圧縮によって削除される周波数を避けて埋め込まれ
    る画像データ生成装置。
  5. 【請求項5】 画像データ生成装置であって、 原画像データと、該原画像データに施されるべき画像処
    理の内容を特定する画像処理制御データとを関連づけて
    格納した画像ファイルを入力する画像ファイル入力手段
    と、 前記画像処理制御データを前記原画像データに電子透か
    し化して埋め込んだ画像データを生成する画像データ生
    成手段とを備える画像データ生成装置。
  6. 【請求項6】 画像処理装置であって、 画像処理の内容を特定する画像処理制御データが電子透
    かし化されて埋め込まれた画像データを入力する画像デ
    ータ入力手段と、 前記画像データから、前記画像処理制御データを抽出す
    る抽出手段と、 該画像処理制御データに基づく画像処理を実行する画像
    処理手段とを備える画像処理装置。
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