JP2002313163A - 電力ケーブルの製造装置 - Google Patents

電力ケーブルの製造装置

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JP2002313163A
JP2002313163A JP2001112471A JP2001112471A JP2002313163A JP 2002313163 A JP2002313163 A JP 2002313163A JP 2001112471 A JP2001112471 A JP 2001112471A JP 2001112471 A JP2001112471 A JP 2001112471A JP 2002313163 A JP2002313163 A JP 2002313163A
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JP
Japan
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coating layer
cable
extruded
thickness
long die
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JP2001112471A
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English (en)
Inventor
Shinji Kojima
新治 小島
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロスヘッドで導体上に押出被覆層を形成
し、これをロングダイで架橋する過程において生じた押
出被覆層の偏肉を精度よく速やかに検出して、偏肉によ
り不良品となるケーブルの長さを可及的に短くし、無駄
を少なくして生産性を向上させる。 【解決手段】 押出機1から押し出された架橋性成形材
料を導体4上に被覆して押出被覆層5を形成するクロス
ヘッド2と、クロスヘッド2から押し出された押出被覆
層5を有するケーブル3を内周面に密接させながら横方
向に挿通させ、押出被覆層5を加熱して架橋する横型の
ロングダイ11と、ロングダイ11で押出被覆層5が架
橋されたケーブル3を挿通させ、押出被覆層5を冷却す
る冷却管12とを備えた電力ケーブルの製造装置におい
て、ロングダイ11側にケーブル3の押出被覆層5の肉
厚を測定する超音波センサ22を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋性成形材料
(例えば、架橋性ポリエチレン材料)を導体上に押出被
覆して形成された押出被覆層を、横型のロングダイで加
熱して架橋する電力ケーブルの製造装置に関するものあ
る。
【0002】
【従来の技術】架橋性成形材料(例えば、架橋性ポリエ
チレン材料)を導体上に押出被覆して形成された押出被
覆層を加熱して架橋する電力ケーブルの製造装置には、
大きく分けて縦型と横型のものがある。
【0003】縦型の製造装置では、図4に示すように、
内部半導電層押出機1a、絶縁層押出機1b及び外部半
導電層押出機1cからなる押出機1から架橋性成形材料
(例えば、架橋性ポリエチレン材料)を押し出して導体
4上に3層同時に押出被覆して押出被覆層5を形成する
クロスヘッド2を上方に設け、クロスヘッド2の垂直下
方(又は、図示しないが斜め下方)に、摺動式のスプラ
イスボックス7を介して直管状(又は、図示しないがカ
テナリー状)の架橋管6を配設し、更にその下方に冷却
管(図示省略)を配設し、クロスヘッド2から押し出さ
れた押出被覆層5を有するケーブル3を架橋管6内に挿
通させ、ケーブル3の押出被覆層5(前記3層の場合
は、内部半導電層、絶縁層及び外部半導電層)を加熱す
ることにより架橋し、更に冷却管内に挿通させて冷却す
るようにしたものである。
【0004】また、前記ケーブル3は、導体4が押出被
覆層5の中心に配置されていないと、この押出被覆層5
の厚さに偏り、即ち、偏肉が生じて絶縁特性が悪化す
る。そこで、クロスヘッド2から押し出されたケーブル
3の押出被覆層5の偏肉有無等をチェックするため、前
記スプライスボックス7内に、例えば、X線式肉厚測定
器8(製品名EX−RAY:独・SIKORA社製)を
設け、押出被覆層5の各層の円周方向における肉厚を測
定し、偏肉が生じている場合には、クロスヘッド2の偏
肉調整ボルト(図示省略)を回して各層の偏肉がなくな
るように、即ち、円周方向における肉厚が同じになるよ
うに調整してケーブル3の押出しを行っている。なお、
9はスプライスボックス7の上端に取り付けたシールチ
ップで、クロスヘッド2とスプライスボックス7の隙間
から架橋管6内の加圧雰囲気ガス(窒素ガス等の加熱媒
体)が漏洩するのを防止するものである。また、10は
架橋管6に取り付けられ、ケーブルの3押出被覆層5を
輻射加熱するための電気ヒータである。
【0005】一方、横型の製造装置では、図5に示すよ
うに、内部半導電層押出機1a、絶縁層押出機1b及び
外部半導電層押出機1cからなる押出機1から押し出さ
れた架橋性成形材料(例えば、架橋性ポリエチレン材
料)を導体4上に3層同時に被覆して押出被覆層5を形
成するクロスヘッド2と、クロスヘッド2から押し出さ
れた押出被覆層5を有するケーブル3を内周面に密接さ
せながら横方向に挿通させ、押出被覆層5を加熱して架
橋する横型のロングダイ11と、ロングダイ11の後方
に配設され、ロングダイ11で押出被覆層5が架橋され
たケーブル3を挿通させ、押出被覆層5を冷却する冷却
管12とを備えている。
【0006】また、この製造装置においても、クロスヘ
ッド2から押し出されたケーブル3の押出被覆層5の偏
肉有無等をチェックするため、図6に示すように、ロン
グダイ11と冷却管12との間に、ケーブル3を内周面
に密接させながら横方向に挿通させる、X線を透過し易
い材料、例えば、アルミニウム合金やベリリウム材料で
形成された検出筒体13を配設し、その外側に前記X線
式肉厚測定器8(製品名EX−RAY:独・SIKOR
A社製)を設けて、押出被覆層5の各層の円周方向にお
ける肉厚を測定し、偏肉が生じている場合には、クロス
ヘッド2の偏肉調整ボルト(図示省略)を回して各層の
偏肉がなくなるように、即ち、円周方向における肉厚が
同じになるように調整してケーブル3の押出しを行って
いる。
【0007】なお、図5において、14は導体4のサプ
ライスタンド、15はメータリングキャプスタン、16
はメータリングキャタピラで、両機15、16で導体4
及びケーブル3の走行速度及び張力を制御している。1
7は例えば誘導加熱式の導体余熱機、18はロングダイ
11を通電加熱してロングダイ11を挿通するケーブル
3の押出被覆層5を架橋する温度に加熱するための通電
クランプである。ロングダイ11の加熱はその外周にバ
ンドヒータ(図示省略)を設け、該ヒータを通電するこ
と等により行ってもよい。また、19はエンドシールボ
ックス、20は押出、架橋処理の施されたケーブル3を
巻き取る巻取スタンドである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記縦型の製造装置で
は、ケーブル3をクロスヘッド2から垂直下方又は斜め
下方に降下させて押出被覆層5を架橋するので、押出被
覆層5の偏肉が生じにくい。また、クロスヘッド2に近
いスプライスボックス7内にX線式肉厚測定器8を設け
てケーブル3の押出被覆層5の偏肉有無等をチェックす
るため、クロスヘッド2で押出被覆層5の偏肉が生じて
から、クロスヘッド2で押出被覆層5の偏肉調整をする
までの時間遅れが小さく、押出被覆層5の偏肉発生後比
較的早い段階で押出被覆層5の偏肉調整を行うことがで
きる。従って、押出被覆層5の偏肉により不良品となっ
て無駄になるケーブルの長さが比較的短く、損害が小さ
い。
【0009】これに対して、前記横型の製造装置では、
クロスヘッド2から押し出されたケーブル3をロングダ
イ11に横方向に挿通させるので、縦型のものよりも、
クロスヘッド2内で押出被覆層5の偏肉が生じ易い。ま
た、クロスヘッド2に近い方のロングダイ11内におい
ては、押出被覆層5がまだ未架橋状態にあって柔らかい
ため、導体4がクロスヘッド2を出た後、ロングダイ1
1に入り、その中を挿通する間に、押出被覆層5内を下
方に沈降し、ロングダイ11内でも押出被覆層5が偏肉
を生じる恐れがある。更に、一般に十数m以上の長さを
有する長尺のロングダイ11の後方にX線式肉厚測定器
8を設けてケーブル3の押出被覆層5の偏肉有無等をチ
ェックするため、クロスヘッド2やロングダイ11で押
出被覆層5の偏肉が生じてから、該ヘッド2で押出被覆
層5の偏肉調整をするまでの時間遅れが縦型のものより
も大きくなり、押出被覆層5の偏肉発生後速やかに押出
被覆層の偏肉調整を行うことが難しい。このため、クロ
スヘッド2からロングダイ11を経て後方のX線式肉厚
測定器8に至るまでの長尺なケーブル3が不良品となっ
て無駄になり易く、損害が大きくなるという問題があっ
た。
【0010】このような問題を解消するために、前記ロ
ングダイ11側、特にクロスヘッド2に近い方のロング
ダイ11側に前記X線式肉厚測定器8を設けて押出被覆
層5の肉厚を測定し、その偏肉有無等を検出することも
考えられる。ところが、ロングダイ11は250℃以上
の高温度に長時間加熱されても、熱変形せず所定の寸法
精度を維持できるように、通常、機械的強度が大きく耐
久性に富むステンレス鋼等の鋼材で構成されている。こ
のため、X線がロングダイ11の管壁を透過しにくく、
押出被覆層5に到達するまでの間に大きく減衰し、押出
被覆層5の肉厚を精度よく測定することが困難となり、
偏肉有無等を正確に検出することができなくなる問題が
生じる。また、X線発生装置の容量を大きくして、X線
強度を大きくすることも考えられるが、設備が大型にな
り、高価になるほか、人体に及ぼす影響も大きくなる問
題が生じる。
【0011】本発明は上記の課題を解決し、クロスヘッ
ドで導体上に押出被覆層を形成し、これをロングダイで
架橋する過程において生じた押出被覆層の偏肉を精度よ
く速やかに検出して、偏肉により不良品となるケーブル
の長さを可及的に短くし、無駄を少なくして生産性を向
上させることができる電力ケーブルの製造装置を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載された電力ケーブルの製造
装置は、押出機から押し出された架橋性成形材料を導体
上に被覆して押出被覆層を形成するクロスヘッドと、ク
ロスヘッドから押し出された押出被覆層を有するケーブ
ルを内周面に密接させながら横方向に挿通させ、押出被
覆層を加熱して架橋する横型のロングダイと、ロングダ
イで押出被覆層が架橋されたケーブルを挿通させ、押出
被覆層を冷却する冷却管とを備えたものにおいて、ロン
グダイ側にケーブルの押出被覆層の肉厚を測定する超音
波センサを設けたものである。また、請求項3に記載さ
れた電力ケーブルの製造装置は、クロスヘッドとロング
ダイとをクロスヘッドより押し出されたケーブルを密接
させながら挿通させる管状アダプタにより連結し、その
管状アダプタ側にケーブルの押出被覆層の肉厚を測定す
る超音波センサを設けたものである。
【0013】上記のように、ロングダイ側又は管状アダ
プタ側にケーブルの押出被覆層の肉厚を測定する超音波
センサを設けたので、押出被覆層の肉厚測定のために超
音波センサから発射させた入射波(超音波)をロングダ
イの管壁で遮断されることなく内側の押出被覆層5中へ
容易に入射させることができる。また、クロスヘッドか
ら押し出された押出被覆層を有するケーブルがロングダ
イの後端部まで挿通しないうちに、押出被覆層の肉厚を
測定して偏肉有無等を検出することができる。従って、
ケーブルの押出被覆層が偏肉を生じてから、クロスヘッ
ドで押出被覆層の偏肉調整をするまでの時間遅れが小さ
くなり、押出被覆層の偏肉発生後比較的早い段階で押出
被覆層の偏肉調整を行うことができ、押出被覆層の偏肉
により不良品となるケーブルの長さを短くし、無駄を少
なくして生産性を向上させることができる。
【0014】また、本発明の請求項2に記載されたもの
は、請求項1に記載された電力ケーブルの製造装置にお
いて、前記ロングダイ側にあって、ケーブルの押出被覆
層中における導体の沈降量の増加が鈍化又は停止するロ
ングダイ長さ方向の位置付近に前記超音波センサを設け
たものである。
【0015】このようなロングダイ側の位置付近に超音
波センサを設けてケーブルの押出被覆層の肉厚を測定す
ると、該肉厚測定後、測定個所の導体が更に沈降するこ
とが殆どなく、押出被覆層中における導体の位置が比較
的安定した状態で押出被覆層の肉厚を測定し偏肉有無等
を検出することが可能になる。従って、ロングダイにお
ける押出被覆層の肉厚測定精度、即ち、偏肉検出精度が
より向上し、不良品となるケーブル長をより短くするこ
とができるほか、全長にわたりより偏肉の少ない電力ケ
ーブルを製造することができるので好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
より説明する。図1は本発明の一実施形態の主要構成を
示す一部欠截断面概要図である。なお、図5、図6に基
づき説明した従来の技術と同一構成、機能を有するもの
には同一の符号を使用している。本実施形態の電力ケー
ブルの製造装置は、内部半導電層押出機1a、絶縁層押
出機1b及び外部半導電層押出機1cからなる押出機1
から押し出された架橋性成形材料(例えば、架橋性ポリ
エチレン材料)を導体4上に3層同時に被覆して押出被
覆層5を形成するクロスヘッド2と、クロスヘッド2か
ら押し出された押出被覆層5を有するケーブル3(例え
ば、CVケーブル)を内周面に密接させながら横方向に
挿通させ、押出被覆層5を加熱して架橋する横型のロン
グダイ11と、ロングダイ11の後方に配設され、ロン
グダイ11で押出被覆層5が架橋されたケーブル3を挿
通させ、押出被覆層5を冷却する冷却管12とを備えて
いる。
【0017】更に詳細に説明すると、ロングダイ11、
冷却管12及び管状アダプタ21は機械的強度と耐久性
に優れたステンレス鋼等の鋼材で構成され、クロスヘッ
ド2とロングダイ11とは、じかに、若しくはクロスヘ
ッド2より押し出されたケーブル3を密接させながら挿
通させる管状アダプタ21で連結され、またロングダイ
11と冷却管12とはフランジ結合により連結されてい
る。
【0018】次に、18はロングダイ11を通電加熱し
てロングダイ11を挿通するケーブル3の押出被覆層5
を架橋する温度、例えば、架橋性成形材料が架橋性ポリ
エチレン材料の場合には、220〜250℃の温度に加
熱するための通電クランプであり、ロングダイ11の両
端近傍の外側に取り付けられている。なお、ロングダイ
11の加熱はその外周にバンドヒータ(図示省略)を設
けて該ヒータを通電すること等により行ってもよく、ロ
ングダイ自体の直接通電加熱だけに限定されない。
【0019】また、図示省略するが、管状アダプタ21
には、ロングダイ11内のケーブル3が密接する内周面
とケーブル(押出被覆層)外表面との界面に潤滑剤を供
給して、界面の摩擦抵抗を減らし、ケーブル3をロング
ダイ11の内周面に密接させながら円滑に挿通させて、
押出被覆層の表面に傷やしわ等が生じるのを防止するた
めの潤滑剤供給機が必要に応じて取り付けられる。な
お、必要に応じて潤滑剤供給機を設ける場合、管状アダ
プタ21がない場合には、ロングダイ11の入口(クロ
スヘッド2側)に直接設けられる。
【0020】22はケーブル3の押出被覆層5の肉厚を
測定する超音波センサであり、ロングダイ11側の外側
に設けられる。超音波センサ22は、高温下でも使用可
能なように、例えば、石川島検査計測(株)製MNLの
ものを使用する。超音波センサ22を使用すると、押出
被覆層5の肉厚測定のために超音波センサ22から発射
させた入射波(超音波)をロングダイ11の管壁で遮断
されることなく内側の押出被覆層5中へ容易に入射させ
ることができ、ケーブル3の押出被覆層5の肉厚を精度
よく測定することができる。
【0021】超音波センサ22は、例えば、図2に示す
ように、ロングダイ11の半径方向の外側に、且つ、円
周方向へ90度間隔をおいて配置された4個の送受波器
22a、22b、22c、22dで構成されている。こ
のような構成の超音波センサ22を使用して、ケーブル
3の押出被覆層5の肉厚を測定する原理を説明する。
【0022】例えば、送受波器22aから、超音波パル
スである入射波をロングダイ22に向けて垂直下方に発
射させる。そうすると、ロングダイ11の管壁を通過し
た入射波は、先ずロングダイ11を挿通するケーブル3
の押出被覆層5の外表面で反射する。その外表面で反射
した反射波は再びロングダイ11の管壁を通過して送受
波器22aに戻る。送受波器22aで入射波を発射し、
押出被覆層5の外表面からの反射波を検知するまでに要
した時間をtとする。
【0023】更に、ロングダイ11から発射した入射波
は押出被覆層5を通過して導体4の外表面で反射する。
その反射波も送受波器22aに戻る。送受波器22aで
入射波を発射し、導体4の外表面からの反射波を検知す
るまでに要した時間をTとする。
【0024】時間Tは入射波が更に押出被覆層5を通過
し導体4の外表面で反射して戻るので時間tより長くな
る。その時間差(T−t)は、送受波器22aから発射
された入射波が押出被覆層5を通過する伝播速度をV、
図2において、測定すべき押出被覆層5の上側肉厚をL
aとすると、次式のようにあらわされる。
【0025】
【数1】T−t=2La/V
【0026】上式を書き換えると、La=(T−t)V
/2となる。従って、既知の前記伝播速度Vと送受波器
22aで検知した時間差(T−t)の数値を上式に代入
し、演算機構23で演算処理することにより、押出被覆
層5の上側肉厚Laを容易に測定することができる。
【0027】前記と同様にして、図2に示す押出被覆層
5の左側肉厚Lbは送受波器22bにより、下側肉厚L
cは送受波器22cにより、右側肉厚Ldは送受波器2
2dによりそれぞれ測定することができる。
【0028】前記超音波センサ22を構成する送受波器
22a〜22dで押出被覆層5の周方向の各肉厚La〜
Ldを測定し、各測定値が同じ場合には、押出被覆層5
が偏肉を生じていないと認識することができる。これに
対して、例えば、導体が下方に沈降すると、上側肉厚L
aの測定値が肉厚Lcの測定値より大きくなるので、押
出被覆層5aが図2で上側に偏肉を生じていると認識す
ることができる。更に、左側肉厚Lbの測定値が右側肉
厚Ldの測定値より大きくなる場合には、押出被覆層5
が図2で左側に偏肉を生じていると認識することができ
る。このようにして、押出被覆層5の周方向の上側肉厚
La〜右側肉厚Ldを測定することにより、押出被覆層
5が偏肉を生じているか否か、偏肉を生じている場合に
は、どの方向にどの程度偏肉を生じているかといった偏
肉有無及び偏肉状態を容易に検出することができる。
【0029】また、前記押出被覆層5は,図2に示すよ
うに、内部半導電層5a、絶縁層5b及び外部半導電層
5cの3層構造になっており、内外部半導電層5a、5
cと絶縁層5bの材質の相違により、入射波の伝播速度
が異なるので、各層の肉厚を測定することも可能であ
る。そこで、各層の肉厚を測定することにより偏肉有無
等を検出して、各層毎に偏肉調整を行うこともできる。
【0030】前記超音波センサ22を構成する送受波器
22a〜22dによって、押出被覆層5の周方向の肉厚
を測定し、これに基づき押出被覆層5が偏肉を生じてい
ることを検出したら、制御手段24により、偏肉状態、
即ち、偏肉の方向及び偏肉量に応じて、クロスヘッド2
に設けた1又は複数の偏肉調整ボルト(図示省略)を所
定量回転させ、偏肉調整を行う。
【0031】超音波センサ22はロングダイ11側であ
れば、長さ方向のどの位置に設けても良いが、ケーブル
3の押出被覆層5が偏肉を生じてから、クロスヘッドで
押出被覆層の偏肉調整をするまでの時間遅れを小さく
し、押出被覆層5の偏肉発生後比較的早い段階で押出被
覆層5の偏肉調整を行い、押出被覆層5の偏肉により不
良品となるケーブル3の長さを短くするために、クロス
ヘッド2に近い側に設けることが望ましい。
【0032】しかし、クロスヘッド2に極めて近いロン
グダイ11の入口付近の個所では、押出被覆層5がまだ
未架橋状態にあって柔らかいため、銅導体のような大重
量の導体4がクロスヘッド2を出た後、ロングダイ11
に入り、その中を挿通する間に、押出被覆層5内を下方
に沈降し易い。導体沈降測定実験によると、クロスヘッ
ド2の出口からロングダイ22の長さ方向の所定位置ま
での距離(m)と導体4の押出被覆層5中における沈降
量(mm)との関係は下記表1に示す通りである。
【0033】
【表1】
【0034】上記表によると、ケーブル3の押出被覆層
5の厚さ、導体4のサイズにもよるが、クロスヘッド2
の出口からの距離が3mの位置で導体4の沈降量の増加
が鈍化し、上記距離が4m付近の位置で導体4の沈降量
の増加が停止し、それ以降のロングダイ長さ方向の位置
では導体4の沈降量が一定になり、押出被覆層5中にお
ける導体4の位置が安定することが分かる。そこで、潤
滑剤供給機が取り付けられた管状アダプタ21の長さが
例えば1mの場合には、ロングダイ11のクロスヘッド
2側入口から冷却管12に向けて2〜3m入った個所付
近に超音波センサ22を設けて押出被覆層5の肉厚を測
定すると、測定部分の導体が更に沈降することがないか
ら、前記肉厚の測定精度、即ち、偏肉有無等の検出精度
をより高めることができる。そして、押出被覆層5の偏
肉が生じてから、クロスヘッド2で押出被覆層の偏肉調
整をするまでの時間遅れが小さくなり、押出被覆層の偏
肉発生後比較的早い段階で押出被覆層の偏肉調整を行う
ことができ、押出被覆層の偏肉により不良品となるケー
ブルの長さも短くすることができるので、最適である。
【0035】ちなみに、押出被覆層5の偏肉が生じてか
ら偏肉調整をするまでの時間遅れと、その間に偏肉で不
良となるケーブル3の長さを求めると、154kV−2
000sqのケーブル3の場合、ロングダイ11の長さ
が20m、冷却管12の長さが80m、線速1.0m/
min程度であるから、超音波センサ22をクロスヘッ
ド2から4m離れたロングダイ11側に設けた場合、前
記時間遅れは4分と非常に小さく、不良となるケーブル
長は僅か4mと非常に短くなる。これに対して、従来の
製造装置のように、ロングダイ11の後方にX線式肉厚
測定器8を設けて、押出被覆層5の肉厚を測定し、偏肉
が生じていることを検出した場合の前記時間遅れは管状
アダプタ21を設けない場合でも20分と大きく、不良
となるケーブル長は20mと長くなり、製造の無駄が多
く生産性を低下させる。
【0036】超音波センサ22は、図示するものでは、
4個の送受波器22a〜22dからなるもので構成した
が、この個数に限定されるものではなく増減変更して用
いてもよい。また、固定型ではなく、1個又は複数の送
受波器をロングダイ11の中心軸線の回りに回転スキャ
ンさせてケーブル3の押出被覆層5の肉厚を測定するよ
うにしてもよい。更に、送波器と受波器に分けて配置
し、送受波器から入射波を発射し、送受波器で反射波を
検知するようにしてもよい。
【0037】本実施形態の製造装置においても、図示省
略するが、図5に示すものと同様に、導体4のサプライ
スタンド14、メータリングキャプスタン15、メータ
リングキャタピラ16、誘導加熱式の導体余熱機17、
ロングダイ11を通電加熱するための通電クランプ1
8、エンドシールボックス19及び押出、架橋処理の施
されたケーブル3を巻き取る巻取スタンド20を備えて
いる。そして、サプライスタンド14から送り出された
導体4を導体余熱機17で余熱した後、クロスヘッド2
に導入し、該ヘッド2で導体4上に押出被覆層5を形成
し、得られたケーブルをロングダイ11に挿通させて押
出被覆層5を架橋し、冷却管12で冷却し、巻取スタン
ド20で巻き取ってケーブルを製造する。
【0038】図3に示すものは、本発明の他の実施形態
の主要構成を示す一部断面概要図である。この実施形態
では、前記超音波センサ22をクロスヘッド2とロング
ダイ11とを連結する前記管状アダプタ21側の外側に
設けたものである。超音波センサ22を管状アダプタ2
1側に設けた場合でも、前記ロングダイ11側に設けた
場合と同様な効果が得られる。
【0039】ところで、この実施形態のものでは、クロ
スヘッド2とロングダイ11間で超音波センサ22によ
りケーブル3の押出被覆層5の肉厚を測定した後、ケー
ブル3をロングダイ11に挿通させたとき、ロングダイ
11の入口側で押出被覆層5中を導体5が下方に沈降す
る恐れがある。そこで、この実施形態のものを使用する
場合には、導体の沈降対策をしておくことが望ましい。
沈降対策としては、例えば、予め導体の沈降量を見越し
て、ロングダイ11の入口側をクロスヘッド2の出口側
より若干下方に偏位させて配設したり、反対にクロスヘ
ッド2側を上方に偏位させて配設したり、ロングダイ1
1の入口側を下方へ凸状のカテナリー状に形成しておく
こと等がある。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電力ケー
ブルの製造装置によると、ロングダイ側、又は、クロス
ヘッドとロングダイとを連結する管状アダプタ側にケー
ブルの押出被覆層の肉厚を測定する超音波センサを設け
たので、ケーブルの押出被覆層が偏肉を生じてから、ク
ロスヘッドで押出被覆層の偏肉調整をするまでの時間遅
れが小さくなり、押出被覆層の偏肉発生後比較的早い段
階で押出被覆層の偏肉調整を行うことができ、押出被覆
層の偏肉により不良品となるケーブルの長さを短くし、
無駄を少なくして生産性を向上させることができる。
【0041】また、前記超音波センサを、前記ロングダ
イ側にあって、ケーブルの押出被覆層中における導体の
沈降量の増加が鈍化又は停止するロングダイ長さ方向の
位置付近に設けることにより、導体の位置が比較的安定
した状態で押出被覆層の肉厚を測定し偏肉有無等を検出
することが可能になり、従って、押出被覆層の測定制
度、即ち、偏肉検出精度がより向上し、不良品となるケ
ーブル長をより短くすることができるほか、全長にわた
りより偏肉の少ない電力ケーブルを製造することができ
るので、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の主要構成を示す一部欠截
断面概要図である。
【図2】超音波センサでケーブルの押出被覆層の肉厚を
測定している状態を示す説明図である。
【図3】本発明の他の実施形態の主要構成を示す一部断
面概要図である。
【図4】従来の電力ケーブルの製造装置の主要構成を示
す一部断面概要図である。
【図5】従来の電力ケーブルの製造装置の他の例を示す
概要図である。
【図6】図5の製造装置において、X線式肉厚測定器が
配設されている個所の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 押出機 1a 内部半導電層押出機 1b 絶縁層押出機 1c 外部半導電層押出機 2 クロスヘッド 3 ケーブル 4 導体 5 押出被覆層 5a 内部半導電層 5b 絶縁層 5c 外部半導電層 11 ロングダイ 12 冷却管 18 通電クランプ 21 管状アダプタ 22 超音波センサ 22a 送受波器 22b 送受波器 22c 送受波器 22d 送受波器 23 演算機構 24 制御手段 La 押出被覆層の上側肉厚 Lb 押出被覆層の左側肉厚 Lc 押出被覆層の下側肉厚 Ld 押出被覆層の右側肉厚

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機から押し出された架橋性成形材料
    を導体上に被覆して押出被覆層を形成するクロスヘッド
    と、クロスヘッドから押し出された押出被覆層を有する
    ケーブルを内周面に密接させながら横方向に挿通させ、
    押出被覆層を加熱して架橋する横型のロングダイと、ロ
    ングダイで押出被覆層が架橋されたケーブルを挿通さ
    せ、押出被覆層を冷却する冷却管とを備えた電力ケーブ
    ルの製造装置において、ロングダイ側にケーブルの押出
    被覆層の肉厚を測定する超音波センサを設けたことを特
    徴とする電力ケーブルの製造装置。
  2. 【請求項2】 前記ロングダイ側にあって、ケーブルの
    押出被覆層中における導体の沈降量の増加が鈍化又は停
    止するロングダイ長さ方向の位置付近に前記超音波セン
    サを設けたことを特徴とする請求項1記載の電力ケーブ
    ルの製造装置。
  3. 【請求項3】 押出機から押し出された架橋性成形材料
    を導体上に被覆して押出被覆層を形成するクロスヘッド
    と、クロスヘッドから押し出された押出被覆層を有する
    ケーブルを内周面に密接させながら横方向に挿通させ、
    押出被覆層を加熱して架橋する横型のロングダイと、ロ
    ングダイで押出被覆層が架橋されたケーブルを挿通さ
    せ、押出被覆層を冷却する冷却管とを備えた電力ケーブ
    ルの製造装置において、クロスヘッドとロングダイとを
    クロスヘッドより押し出されたケーブルを密接させなが
    ら挿通させる管状アダプタにより連結し、その管状アダ
    プタ側にケーブルの押出被覆層の肉厚を測定する超音波
    センサを設けたことを特徴とする電力ケーブルの製造装
    置。
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