JP2002311153A - 電波式生存者探査装置 - Google Patents

電波式生存者探査装置

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JP2002311153A
JP2002311153A JP2001114021A JP2001114021A JP2002311153A JP 2002311153 A JP2002311153 A JP 2002311153A JP 2001114021 A JP2001114021 A JP 2001114021A JP 2001114021 A JP2001114021 A JP 2001114021A JP 2002311153 A JP2002311153 A JP 2002311153A
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Japan
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survivor
radio wave
distance
wave type
signal
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Ikuo Arai
荒井郁男
Shinji Goto
後藤眞二
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TAU GIKEN KK
Kanagawa Prefecture
Original Assignee
TAU GIKEN KK
Kanagawa Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 瓦礫に埋もれた生存者の位置を瞬時に検出す
る。 【解決手段】 連続波をパルス状に切り出して探査領域
に向けて放射する送信手段(A)と、反射波を受信して
位相検波する受信手段(B)とを備え、位相検波した信
号成分の変化から生存者の身体の微小変位を検出し、生
存者位置を検出するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は瓦礫等の中に埋もれ
た生存者の位置を検出する電波式生存者探査装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】大地震
により建物が崩壊して一瞬にして人間が生き埋めになる
ような大きな災害が世界各地で頻発している。このよう
な災害発生に際しては、生き埋めになった人を一刻も早
く救出する必要があり、そのためには生存者の位置が確
認できなければならない。しかし、現状においては探索
犬などを使って生存者からの微かな声や音等を頼りに生
存者の存在と位置を推定し、救出作業を行っているのが
実情である。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためのものであり、瓦礫等に人が埋もれた可能性の
ある探査領域に向けて電波を発射し、その反射波から生
存者の身体の微小な変位を検出して生存者の位置を瞬時
に検出しようとするものである。
【0004】そのために本発明は、連続波をパルス状に
切り出して探査領域に向けて放射する送信手段と、反射
波を受信して位相検波する受信手段とを備え、位相検波
した信号成分の変化から生存者の身体の微小変位を検出
し、生存者位置を検出することを特徴とする。また、本
発明は、時間軸拡大法を用いることを特徴とする。ま
た、本発明は、周波数軸と距離軸の2元表示により生存
者までの距離を推定することを特徴とする。また、本発
明は、距離軸波形の差分により変位点の検出を行うこと
を特徴とする。また、本発明は、連続波とパルス波の切
り替えが可能であることを特徴とする。また、本発明
は、挿入式アンテナを用いることを特徴とする。また、
本発明は、直交検波により位相検出法にともなう感度の
距離依存性をキャンセルすることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は本発明の電波式探査装置
の概略構成を説明するブロック図である。電波式探査装
置は送信部Aと受信部Bからなり、送信部Aは、例えば
1GHzの連続波を生成する発振器1、受信部Bに1G
Hzの連続波を分配する分配器2、周波数f1の信号で
連続波をパルス状に切り出すパルス化回路部3、増幅器
4、送信アンテナ5、連続波をパルス状に切り出すため
の周波数f1とf2の信号及び外部同期信号を生成する
同期コントロール部6からなっている。
【0006】受信部Bは受信アンテナ7、受信信号を後
述する局部発信信号と混合するミキサ9、混合した信号
の高周波数成分をカットする低域フィルタ(LPF)1
0、増幅器11、局部発振信号(周波数850MHz)
を発信する局部発振器12、局部発振信号をミキサ9に
分配する分配器13、送信部Aの分配器2から分配され
る1GHzの連続波を、周波数f2の信号でパルス状に
切り出すパルス化回路部14、パルス化回路部14から
出力されるパルス状信号と局部発振信号を混合するミキ
サ15、混合した信号の高周波数成分をカットする低域
フィルタ(LPF)16、増幅器17、受信信号と検波
用の送信信号が入力される直交検波器18からなってい
る。なお、図1ではヘテロダイン式の検波方式を示して
いるが、局部発振器12を不要として周波数f2でパル
ス化した基準信号(1GHz)と受信波を直接直交検波
器に入力するようにしてもよい。
【0007】パルス化回路部3、14では、入力した連
続波信号を短いパルス状(例えば10nsec幅のパル
ス)に切り出す。この切り出しはなるべく急峻である必
要があり、例えば高周波用高速ダイオードスイッチを使
用する。またその繰り返し周期は反射波の到達時間を考
慮し、例えば200nsec程度にしておく。自由空間
中の距離換算で片道30mの反射波が到達するまで次の
電波を放射しないのである。片道30m以遠からの反射
波は瓦礫の中では十分減衰し感度がない。連続波とパル
ス状に切り出された連続波の概念を図2に示す。図2
(a)は連続波、図2(b)は切り出された連続波で、
ここでは10nsec幅である。
【0008】f2は、例えば5MHzの繰り返し周波数
とし、送信側f1は、これからわずかに異なる周波数、
例えば5.0005MHzとする。f3はf2とf1の
差、500Hzの外部同期信号である。このようにする
のは、よく知られた時間軸拡大の手法を用いて以後の信
号処理を容易にするためである。なお、高速の計測器を
用いる場合は必ずしもこれらの手法は必要としない。し
かしながら、本発明では、生存者探査という目的から機
器の簡素化のために必須のものである。以下にどのよう
にして時間軸が拡大されるか説明する。なお、説明の簡
略化のため、周波数変換を行わない場合(図1において
局部発振器12を省略)について図3を参照しながら説
明する。
【0009】図3は送信信号と検波用基準信号の切り出
しタイミングの説明図である。
【0010】上記の周波数をもったf1(5.0005
MHz、周期199.8nsec),f2(5MHz、
周期200nsec)では、1サイクル毎に0.02n
seずつタイミングがずれ、これらのパルスがt=0の
時点で同時にスタートしたとすると、次にパルスタイミ
ングが同時になるのはそれぞれの周期をTf2=1/5
000000、Tf1=1/5000500とすると、 (1/Tf2)/(1/Tf1−1/Tf2) =5000000/500 =10000 であって、10000回の繰り返し後、時間にすると2
msec後に一致することになる。これは外部同期信号
の500Hzと同周期である。
【0011】送信部Aのアンテナ5から図2(b)に示
すような幅10nsecのパルス状に切り出した連続波
が放射されると、受信部Bの受信アンテナ7には、次々
と距離の順に反射波が受信されて直交検波器18で検波
される。図3に示すように、切り出しタイミングがt=
0で一致していると、最初の1回目の送信時点では同時
に受信される受信波を検波することになる。次の回では
送信パルスが発射されてから0.02nsec後の受信
波を検波することになる。次の回ではさらに0.02n
sec後の受信波を検波することになる。このように
0.02nsecずつ遅れた幅10nsecのパルス波
で検波が行われるようにする。10000回の繰り返し
後にこの遅れは丁度200nsecになり、再び送信パ
ルス波と検波位置が同時となる。これによって得られた
検波出力信号は200nsecの幅の中に10nsec
の幅でその検波した結果が出力されたものとなる。また
その検波出力信号以外は理想的にはゼロである。
【0012】ここで、直交検波器18について図4によ
り説明する。図1の受信部Bの増幅器11からの受信信
号をer とすると、これが2分されて一方は乗算器21
に被乗数信号として供給され、他方は乗算器22に被乗
数信号として供給される。また、受信部Bの増幅器17
からの出力(送信信号)をecとすると、これも2分さ
れて一方はそのまま乗算器21に乗数信号ec として供
給され、他方は90°移相器23を経て乗算器22に乗
数信号es として供給される。乗算器21、22で同期
検波された出力は、それぞれ低域フィルタ24、25を
通って、直交成分検波出力E1 及びE2 となる。
【0013】ここで、送信信号ec 、受信信号er を、 ec =ac cosωt (1) er =ar cosω(t−τ) (2) ac 、ar :定数 ω:角周波数=2πf τ=遅延時間 として、乗算器21によりec とer を乗算すると、 ec ×er =am cosωtcosω(t−τ) =(1/2) am {cosω(2t−τ)+cosωτ} (3) am =ar ×ac c を90°移相した信号es とer とを乗算器22に
より乗算すると、 es ×er =(1/2) am {sinω(2t−τ)+sinωτ} (4) (3)式及び(4)式において、右辺を展開したときの
第1項は、放射電波の2倍の周波数を持つが、第2項に
おけるωτは、反射体が静止物体の場合は一定であり、
運動体の場合でも、その変化の周波数は第1項に比して
極めて低い。したがって、これら乗算器の出力をそれぞ
れ低域フィルタ24及び25を通すと、(3)式及び
(4)式の右辺第1項に対応する成分が除去されて、検
波出力E1 及びE2 は、 E1 =(1/2)am cosωτ (5) E2 =(1/2)am sinωτ (6) となり、検波出力信号はある距離にある反射体からの反
射波を検波したものに他ならず、反射波の位相情報を検
出できる。
【0014】図5は検波の概念図であり、受信波の一部
を少しずれながら検波する様子を示している。受信波は
r に、Ref(参照波)はec に、出力はLPFを通
過後のE1 またはE2 に対応している。LPFを通して
反射波の位相情報を取り出すと、検波出力は時定数によ
って平滑化され、図5の〜に示すように、200n
secの幅の中に10nsecの幅で順次ずれながら検
波した結果が出力される。送信の繰り返し周期は反射波
の到達時間を考慮して200nsec程度にしており、
これを10000回繰り返すと、200nsec×10
000=2msecにわたって検波出力が得られ、各回
ごとのピークの包絡線は、結局のところ200nsec
の幅を2msecに拡大した検波出力と同等となる。
【0015】図6は検波出力の説明図であり、2mse
cを1つのスパンとして、〜は0.5秒ごとの包絡
線波形を示している。番号〜における個々の包絡線
は200nsecの幅の中の0.2nsecずつずらせ
たそれぞれの検波(図3参照)で得られる信号に対応
し、10000回繰り返してつなぎ合わせることによ
り、2msecのスパンで検波された信号としている。
横軸は時間軸であるとと同時に距離に対応している。こ
うして時間軸を拡大し、かつ各時間に対応した反射波の
位相を距離ごとに分解して検出することができる。ま
た、連続波を検波に使用しても上記に述べた検波用の切
り出し信号を検波出力取り込みゲートのオープン信号と
すればパルス波による検波と同等の効果を得ることがで
き、ゲート回路が付加されることを除けば結果は同じで
ある。そこで、連続波とパルス波の切り替えを可能にし
てもよい。ここでは、図3を用いて送信波、検波用基準
信号の両方をパルス化した場合についてのみ説明する。
【0016】検波後の出力がどのようになるか、説明の
簡略化のため受信された反射波(遅延時間を持つ)と検
波用基準信号のタイミングが揃った瞬間について説明す
る。前述したように、LPF後の出力は(5)、(6)
式で表され、いま(5)式を LPF後の出力=Acosωτ (7) とする。この出力は遅延時間τに変化がなければ一定で
ある。ここで、変化の中心点での遅延時間をτ0 とし、
そこでの遅延時間の変化を十分に微小と仮定して、Δτ
で表現すると、1次近似でつぎのように表せる。AはL
PFを通った後の振幅である。
【0017】 LPF後の出力=Acosω(τ0 +Δτ) ≒A{cosωτ0 −ωΔτsinωτ0 } (8) この結果を高域フィルタ(HPF)に通せば、τ0 やω
は定数なので第1項は消え、第2項のみが残る。sin
ωτ0 も定数であるから、結局(9)式のようにΔτの
変化に応じた出力が得られる。A′はHPF後の振幅で
ある。
【0018】 HPF後の出力=A′ωΔτsinωτ0 (9) また、前述したように、直交検波においては元の基準信
号のほかに、90°位相した信号をも検波器に送ってお
り、この出力は(6)式に示したように、(7)式にお
いてcosωτがsinωτとなるので、このHPF後
の出力は(10)式となる。
【0019】 HPF後の出力=A′ωΔτcosωτ0 (10) ここで、ωΔτの大きさについて考える。ωは周波数を
1GHzとしたから ω=2π×109 (ラジアン/秒) (11) である。τの変位量Δτを考える。例えば、呼吸によっ
て体表が5mm変化するとすれば往復の距離変化は1c
mである。この距離変化の遅延時間に対する影響は光速
3×108 m/秒として、 Δτ=10-2/(3×108 )(秒) (12) であってこの積ω・Δτは次のような大きさになる。
【0020】 ω・Δτ=2π×109 ×10-2/3×108 =2/3π×10-1(ラジアン) (13) 図6において横軸は距離(遅延時間)に対応し、矢印で
生存者の生存位置を示したが、この位置で0.5秒ごと
に得られる検波出力が変化しており、この変化により呼
吸による体表の変化として検出され生存者がいると認識
できる。
【0021】また、上記のτ0 の大きさによって振幅に
大きさの違いが生じる。例えば、式(9)においてωτ
0 がmπ(mは整数)の場合には、|sinωτ0 |=
0であってΔτの変位に応じた出力が得られない。とこ
ろが、同じ位置であっても、|cosωτ0 |=1であ
るから、式(10)の方からΔτの変位を検出可能であ
る。このような感度の距離依存性をキャンセルするため
に直交検波を行うのであり、どちらかまたは両方に適当
な検波出力を得るためである。
【0022】一方、反射波のたとえば先頭位置の変化
(遅延時間の変化)を距離として検出するという、位相
検波によらない方法の場合ではパルスの立ち上がり時間
が変位の分解能を決定する。一般には上記の位相変化か
ら検出する本発明の方法と比較して1/10以下の感度
であるので5mm程度の微小な距離変化を検出すること
はできない。
【0023】図7は本発明の解析回路のブロック図であ
る。直交検波出力をLPF24、25(図4)を通して
平滑化し、A/D変換器30、31でCPU34に取り
込んで蓄積する。A/D変換器はCPU34で制御され
るA/D変換コントロール回路32、33で変換タイミ
ングが制御され、取り込まれたデータは表示装置35に
表示される。f1とf2の切り出しタイミングの一致時
期に同期して2msecを一つのデータブロックとして
連続して信号をA/D変換すれば、図6に示した検波出
力の波形を繰り返し記録することができる。さほど高速
なA/D変換器でなくても数μsec程度の間隔で連続
変換は可能であるから、仮に10μsecの間隔で連続
変化しても200サンプルは取得可能である。
【0024】図6のような波形を表示装置35上に連続
して表示し、生存者がいれば前述したように、図6の矢
印部分のような変化が観測できる。この場合横軸は距離
に対応しており、表示装置上では横軸を距離として表示
できる。ただし、瓦礫中では電波の伝搬速度は自由空間
中と異なるので、媒質に応じた換算が必要である。通常
は土壌の平均的伝搬速度をもとに計算し、換算してお
く。
【0025】以上は検波出力を直接に表示する場合であ
るが、生存者の変位は微小であり変位個所を発見するの
が困難な場合もある。このため、以下に示す差分表示法
を用いると良い。ある瞬間の記録波形をメモリに記憶
し、次の回のデータから記憶されたデータを差し引く。
動かないものの存在位置の波形は不変であるから差分は
理想的には0となり、変化のあるところ(生存者の存在
位置)では、差が0にはならず各回に違った出力が現れ
る。
【0026】図8、図9は約3m離れた位置に被験者が
椅子に座っている状態で、図1、図7の装置を使用して
測定した結果であり、図8はそのときの差分波形、図9
はその変位位置での時間軸波形である。図8の矢印で示
された変位部分には被験者がおり、呼吸はしているがそ
れ以外は体を動かさずじっとしていた。図中の0の位置
が距離軸では0mを表している。被験者の呼吸による変
位のみが大きく変化して強調されている。その変位点の
中央付近に生存者がいるものと推定できる。
【0027】しかしながら、変位があるからといってそ
れが埋没生存者の信号かどうかはわからない。もし生存
者に意識があるならば外部からのマイク等を使った呼び
かけに応答するかどうかを調べればよい。呼びかけに応
じて変位が現れる。すなわち声は出せなくても身体の一
部でも動く部分を動かせば変位として検出でき、その場
合は生存者の存在を確認できる。
【0028】生存者に意識がない場合はこのような呼び
かけには反応がなく、検出可能なのは生存者の呼吸・心
拍のみである。特に呼吸は心拍に比べて体表の変位量が
大きく検出には好都合である。そこで、検出された変位
が呼吸によるものかどうかの判断が必要となる。それに
は前記波形から発見された変位点での時間軸での波形が
どうであるかを調べればよい。人間の呼吸は新生児、乳
児を除けばほぼ0.2Hz〜0.4Hz程度の範囲であ
ると言われている。そこで、この時間的な変化を検出
し、それが0.2〜0.4Hzの範囲にあれば人間の呼
吸の変位である可能性が高い。この表示を次のように行
う。
【0029】前述の全長2msecのデータを10μs
ecごとに取得すれば、それは全部で200(=2×1
-3/10×10-6)サンプルである。これを一定時間
たとえば10秒間メモリに格納する。10秒間では合計
200×500×10個のデータが収集できる。データ
は回数番号(0〜4999)にサンプル番号(0〜19
9)を枝番として付けて2msecごとに、 0−0、0−1、・・・0−199 1−0、1−1、・・・1−199 ・・・ 4999−0、・・・、4999−199 とする。サンプル番号は200nsecの中での位置を
表しているので、同じサンプル番号のデータを回数番号
の順に読んでいけばその時点(同一位置)での時系列波
形が得られる。これをグラフ表示したのが図9である。
この波形を観測するだけでも一定の周期で変位が繰り返
されていることが読み取れ、呼吸に特有な波形であるこ
とが分かる。
【0030】図10は表示器の概念図であり、波形表示
画面の下側に、探索と位置推定の切り替えボタン、カー
ソル移動ボタン、FFT(高速フーリエ変換)ボタン、
差分法表示と時系列表示ボタン、アンテナ1、2用のボ
タン、距離入力ボタン、位置入力ボタン、遠近操作ボタ
ン等が設けられている。時系列波形(時間軸波形)を表
示するためには、カーソル移動ボタンを操作して距離軸
波形(図8)上でカーソルを移動させる。カーソル位置
はサンプル番号に対応しており、画面切替えスイッチを
押すことによって、差分法による距離軸波形と時系列波
形の画面が切り替わり、図9のようにカーソル位置の時
系列波形が表示される。
【0031】図9のような時間軸波形データによって周
波数解析を行うこともできる。例えば先頭から4096
個のデータを使用してFFT演算を行えばこの波形に含
まれる周波数を割り出すことができる。周波数分解能を
上げるにはできるだけ長い時間のデータサンプリングが
望ましいが、それに応じてFFT演算に要する計算量も
増えるため長くとも数十秒程度に抑えるのがよい。
【0032】また、サンプル番号はこれまでの説明のと
おり、反射体の位置を表しており、そこでのスペクトル
分布を表すチャート(周波数軸)をサンプル番号順に並
べていくと周波数軸と距離軸の図11に示すような2元
表示グラフが得られる。生存者が存在する場合は特定の
位置に0.2〜0.4Hzのピークが見出される。その
距離を読み取ることによって生存者までの距離を知るこ
とができる。図11においては、周波数0の付近にもピ
ークが見られるがこれは信号のオフセット(DC)成分
によるものであって無視される。距離が8m付近に0.
4Hz程度の鋭いピークが観察され、生存者の存在が分
かる。このグラフは図7のCPU34で計算され、表示
装置35上に表示される。
【0033】しかしながら、これだけでは生存者の位置
を決定することはできない。3次元での位置を決定する
ためには、例えば、送信アンテナを固定し、受信アンテ
ナを3本以上設置するか、または受信アンテナを移動
し、3か所以上で探査を行う必要がある。
【0034】ここで、レーダ理論によればキャリア周波
数1GHz、パルスの帯域幅100MHzとしたときに
距離分解能は1.5m程度であって、それ以上の精度は
原理的には得られない。また、実際の救助に対しては1
m前後の単位で概略の存在個所が示されれば十分である
と考えられる。さらに救助の際にはなるべく迅速かつ簡
便に使用できることが望ましい。以上の条件を考慮のう
え、2次元での表示、捜索を行えるようにする。その方
法は、 送信アンテナを原点とし、2本の受信アンテナを配置
する。 これまでのべた方法を受信アンテナ1及び受信アンテ
ナ2において実施し、検出物標とそれぞれのアンテナか
らの距離を検出する。 送信アンテナと受信アンテナから検出物標までの各々
の距離の和が検出された距離であるので、その等距離線
(送信アンテナと受信アンテナの位置を焦点とする楕円
となる)を描く。二つの楕円の交点を生存者位置と推定
する。
【0035】この点を図12の画面において説明する
と、表示器の探索・位置推定切換えスイッチを探索側に
入れ、これまで述べた方法によってアンテナ1とアンテ
ナ2から生存者までの距離(送信アンテナと受信アンテ
ナから検出対象までの各距離の和)を推定する。スイッ
チを位置推定側に切り換え、アンテナ1を選択し、位置
入力を選択する。中央が送信アンテナになっているので
実際のアンテナ位置を巻尺等で計測してアンテナ1の位
置を決定する。同様にしてアンテナ2の位置を決定す
る。次に距離入力を選択して、検出した距離を入力す
る。画面上には送信アンテナTxと受信アンテナRx
1、Rx2を焦点とするふたつの楕円が描かれる。その
交点が生存者の推定位置(図の◎)である。ただし、こ
の方法の場合2本の受信アンテナで決定できるのは生存
者の2次元位置である。もし、3次元位置を求めたいと
きはさらに、別の受信アンテナを増設すればよい。
【0036】さらに、このシステムに使用するアンテナ
は瓦礫の中へ挿入できる形になっていることが望まし
く、これは本出願人が提案している特願平8ー1254
75号(特開平9ー304525号公報)て述べている
ような管状の支持部材先端にアンテナ部を形成したもの
を用いるのが望ましい。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、連続波を
パルス状に切り出して探査領域に向けて電波を放射し、
その反射波を位相検波することにより、距離の分解能を
もたせて、高感度で生存者の体表の変化を検出し、その
位置を推定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電波式探査装置の概略構成を説明す
るブロック図である。
【図2】 連続波とパルス状に切り出された連続波を説
明する図である。
【図3】 時間軸拡大法を説明する図である。
【図4】 直交検波器を説明する図である。
【図5】 検波の概念図である。
【図6】 検波出力の説明図である。
【図7】 解析回路のブロック図である。
【図8】 測定した差分波形を示す図である。
【図9】 特定の変位位置での時間軸波形図である。
【図10】 表示器の概念図である。
【図11】 検出波形の2次元スペクトルを示す図であ
る。
【図12】 生存者位置推定を行う画面の例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…発振器1、2、13…分配器、3、14…パルス化
回路部、4、8、11、17…増幅器、5…送信アンテ
ナ、6…同期コントロール部、7…受信アンテナ、9、
15…ミキサ、10、16…LPF、12…局部発信
器、15…直交検波器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤眞二 神奈川県横浜市都筑区佐江戸町181番地 株式会社タウ技研内 Fターム(参考) 2G005 DA04 5J070 AB23 AC02 AH25 AH31 AH34 AH35 AH39 AK13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続波をパルス状に切り出して探査領域
    に向けて放射する送信手段と、反射波を受信して位相検
    波する受信手段とを備え、位相検波した信号成分の変化
    から生存者の身体の微小変位を検出し、生存者位置を検
    出することを特徴とする電波式生存者探査装置。
  2. 【請求項2】 時間軸拡大法を用いることを特徴とする
    請求項1記載の電波式生存者探査装置。
  3. 【請求項3】 周波数軸と距離軸の2元表示により生存
    者までの距離を推定することを特徴とする請求項1記載
    の電波式生存者探査装置。
  4. 【請求項4】 距離軸波形の差分により変位点の検出を
    行うことを特徴とする請求項1記載の電波式生存者探査
    装置。
  5. 【請求項5】 連続波とパルス波の切り替えが可能であ
    ることを特徴とする請求項1記載の電波式生存者探査装
    置。
  6. 【請求項6】 挿入式アンテナを用いることを特徴とす
    る請求項1記載の電波式生存者探査装置。
  7. 【請求項7】 直交検波により位相検出法にともなう感
    度の距離依存性をキャンセルすることを特徴とする請求
    項1記載の電波式生存者探査装置。
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