JP2002311015A - 水質監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】小規模の浄水設備における水質管理装置の提
供。 【解決手段】水の流入口２と排水口３が形成された水槽
１に、水生生物４を検知するセンサ５をマトリックス状
に配置して水槽中１の水生生物４を検出したセンサ５の
位置データに基づいて、水生生物の挙動を監視する水質
監視装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、上水道設備等の水
質の良好な水を供給する設備に用いられる水質監視装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、農薬や工場廃液が毒物として湖沼
や河川等の水源に流入する事故が頻発しており、水源水
質のリスク管理への関心が高まっている。このような突
発的水質事故に対応するために、上水道への毒性物質の
混入を魚類の反応によって監視する方法が「水道維持管
理指針」に記載されている。

【０００３】上水道への毒性物質の混入を監視する方法
としては、水槽内の魚群をテレビ画像で撮影し、撮影し
た画像から魚群の行動パターンを解析し、この解析結果
から毒物混入を検知する画像解析法がある。

【０００４】また、水槽中の魚の呼吸量を電気信号によ
り計測し、呼吸量の変化により魚の生死を判断して毒物
混入を検知する電位測定法も知られている。

【０００５】更に、魚の行動を画像にとらえ、この画像
から魚の異常行動を解析することにより毒物混入を検知
する画像解析法もある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような魚群或いは魚の画像解析法では、画像解析ソフト
が高価であり、規模の小さい上水道源にまで普及するこ
とが難しいのが現状である。

【０００７】本発明は、このような課題に基づいてなさ
れたものであり、比較的安価であり信頼性の高い水質監
視装置を提供しようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願の請求項１にかかる水質監視装置は、試料とな
る水の流入口と排水口とが形成された水槽の内外の少な
くともいずれかに、水生生物検知用のセンサをマトリッ
クス状に配置したことを特徴とする。

【０００９】また、本願の請求項２の水質監視装置は、
請求項１の水質監視装置において、前記水生生物の挙動
を検知するように、前記センサは前記水槽の側面部に配
置されていることを特徴とする。

【００１０】更に、本願の請求項３の水質監視装置は、
請求項１、２のいずれかの水質監視装置において、水生
生物を検知した光センサの位置データを所定時間毎に保
存する機能を有することを特徴とする。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本願の水質監視装置を図面
を参照にしつつ説明する。図１はこの水質監視装置の模
式図であり、透明で外部から内部の様子を見ることがで
きるアクリル製の水槽１の一方の端部には、試料となる
水の流入口２が形成されている。水槽１の他方の端部に
は水槽１内の水を排水する排水口３が形成されている。
水槽１は水流の方向に沿って細長い平面形状を有してい
る。

【００１２】水槽１の側面部１Ａの外側には、赤外線を
発射して水生生物４から反射する赤外線を検出する反射
型の光センサ５が行列状に配列されている。光センサ５
は図示しないフレームに支持されている。光センサ５の
配列は、水流方向に平行に沿って水平方向に延びるＸ軸
と水槽１の深さ方向に延びるＹ軸とからなる直交座標系
が設定され、そのＸＹ座標系に沿って一定の間隔で配備
される。

【００１３】なお、光センサ５は、水槽１の外側に配置
されているが、水槽１の試料水中に配置するようにして
も良い。その場合に、光センサ５は例えば透明なアクリ
ル板に封入し、光センサ５をマトリックス状に配列・封
入したアクリル板の上端部に給電線を設けて水槽１の外
側から給電し、水槽１の水流方向に平行に向けて配置し
ても良い。

【００１４】各々の光センサ５への給電側は、コントロ
ーラ６の電源部分に接続され、光センサ５の出力端子
は、コントローラ６内部に配備された例えば１６ビット
マイクロコンピュータの入出力端子に接続されている。

【００１５】光センサ５は、この実施の形態では、フォ
トダイオード、フォトトランジスタ等が用いられる。各
光センサ５には、それぞれ前述の直交座標系に沿って例
えば（Ｘ（ｎ），Ｙ（ｎ））という位置を示す番号が付
けられており、各光センサ５の出力端子はマイクロコン
ピュータの入出力端子に接続されている。

【００１６】各光センサ５は、水生生物４を検出したと
きに出力Ｌを出力し、水生生物４を検出しないときは出
力Ｈを出力する。マイクロコンピュータの入出力端子に
は、光センサ５のＨ・Ｌ信号が入力され、各光センサ５
の出力はマイクロコンピュータのＲＡＭに記憶される。
記憶された各センサ５の結果は所定時間毎に外部記憶装
置であるＨＤＤやメモリーカードに蓄積される。この外
部記憶装置に記録された光センサ５のＬＨ信号は、水生
生物の挙動を示す。

【００１７】マイクロコンピュータは、水生生物を検知
した光センサ５の位置の変動が所定時間内において激し
い場合には、水質異常とする監視プログラムを記憶して
いる。この監視プログラムは、所定時間毎に保存した水
生生物の分布データから水質異常を判断し、上水道設備
の弁を閉じるための信号を出力する。

【００１８】この実施の形態では、マイクロコンピュー
タの出力端子の一部は、上水道の弁を開閉するためのシ
ーケンサ７の端子に接続され、水質異常を示す信号がシ
ーケンサ７に入力された場合には、シーケンサ７が上水
道の弁を閉めたり、携帯電話等を介して利用者や管理者
等に水質異常を通知して警告したり、赤ランプを点灯さ
せる。

【００１９】勿論、シーケンサ７を用いずに、マイクロ
コンピュータに入出力インターフェースを設けて上水道
制御弁を開閉制御したり、ＬＡＮその他の伝送路や携帯
電話を介してサイレンを鳴らしたり、赤色ランプを発光
させたり、水質管理のための管理センターのサーバ等に
通報しても良い。

【００２０】なお、水槽に放流する水生生物は、毒物に
敏感な魚種が選択される。例えば、ヒメダカ、たなご、
ヨシエビ、金魚等である。監視対象となる毒物は、例え
ば、シアン、砒素、カドミウム、クロム、ＰＣＢ、農薬
その他であるが、これら例示したものに限るものではな
い。

【００２１】

【発明の効果】本願の請求項１の水質監視装置によれ
ば、水槽の内外の少なくともいずれかに、水生生物を検
知するセンサを設け、センサが水生生物を検知したとき
のＯＮ／ＯＦＦ、又は１／０、又はＨ／Ｌ等の二値的な
出力信号によって、魚の挙動をとらえることができる。
このセンサの検知データは、水生生物の分布パターンと
することができるので、この分布パターンの変化に基づ
いて水生生物の挙動をデータ化することができる。

【００２２】この分布パターンのデータを所定時間毎に
蓄積すると、その時間的変化を、１６ビットや３２ビッ
トのマイクロコンピュータ等によって見ることができる
ので、水質の異常等を低コストで監視することができ
る。

【００２３】本願の請求項２の水質監視装置によれば、
水槽の側面部にマトリックス状に光センサが配置される
ために、水生生物の挙動を監視しやすい。

【００２４】本願の請求項３の水質監視装置によれば、
検知した光センサの位置情報により水生生物の分布状況
を所定時間毎に保存するので、水生生物の分布変化を観
察又は解析することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施の形態にかかる水質監視装置の
構成を示す概略図

【符号の説明】

１ 水槽 ２ 流入口 ３ 排水口 ４ 水生生物 ５ センサ ６ コントローラ ７ シーケンサ

フロントページの続き (72)発明者 横内 洋文 香川県高松市屋島西町2109−８ 株式会社 四国総合研究所内 (72)発明者 永野 尚 香川県高松市屋島西町2109−８ 株式会社 テクノ・クリエイト内 (72)発明者 砂野 修治 香川県高松市屋島西町2109−８ 株式会社 テクノ・クリエイト内 (72)発明者 才谷 明宏 香川県高松市屋島西町2109−８ 株式会社 テクノ・クリエイト内 (72)発明者 松田 繁樹 香川県高松市屋島西町2109−８ 株式会社 テクノ・クリエイト内 (72)発明者 竹田 茂 香川県高松市前田西町6764−２ ホクト環 境システム株式会社内 (72)発明者 大塚 雅広 香川県高松市前田西町6764−２ ホクト環 境システム株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】試料となる水の流入口と排水口とが形成さ
   れた水槽の内外の少なくともいずれかに、水生生物検知
   用のセンサをマトリックス状に配置したことを特徴とす
   る水質監視装置。
2. 【請求項２】請求項１の水質監視装置において、前記水
   生生物の挙動を検知するように、前記センサは前記水槽
   の側面部に配置されていることを特徴とする水質監視装
   置。
3. 【請求項３】請求項１、２のいずれかの水質監視装置に
   おいて、水生生物を検知した光センサの位置データを所
   定時間毎に保存する機能を有することを特徴とする水質
   監視装置。