JP2002307065A

JP2002307065A - 生活排水の再利用装置

Info

Publication number: JP2002307065A
Application number: JP2001117089A
Authority: JP
Inventors: Takeshi Oguri; 健小栗
Original assignee: Inax Corp
Current assignee: Inax Corp
Priority date: 2001-04-16
Filing date: 2001-04-16
Publication date: 2002-10-22

Abstract

(57)【要約】【課題】生活排水を処理してきわめて清浄な水を供給
し得る生活排水の再利用装置を提供する。【解決手段】家屋１から排出された生活排水を、沈降
電解槽２内で電気分解する。発生した水素を水素貯蔵槽
４内で一旦貯蔵し、必要時に必要量だけ該水素を燃料電
池５に供給し、酸素と反応させて純水及び電力を得る。
得た純水及び電力は家屋１に供給される。沈降電解槽２
の底部に沈殿した沈殿物は、発酵槽６に導入され、該槽
内で発酵される。発酵によって発生したメタン等のガス
は改質槽７で水素に改質された後、水素貯蔵槽４に貯蔵
される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、生活排水を処理し
て再利用する装置に係り、特にきわめて清浄な水を供給
し得る生活排水の再利用装置に関する。また、本発明
は、太陽発電装置や風力発電装置などの自然エネルギー
を安定して利用することも可能とし得る生活排水の再利
用装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】下水処理場や浄化槽で生活排水を浄化す
るにあたり、従来は生物学的な処理を行うのが主流であ
った。しかし、生物学的処理によって浄化された浄化水
は、ＢＯＤ値（生物学的酸素要求量）、ＳＳ値等の成分
は低レベルまで処理されているが、窒素やリン等の栄養
塩類の除去率は低く、中水として水を再利用する際の問
題となっていた。

【０００３】上記窒素やリン等の栄養塩類を除去する方
法としては、嫌気性処理や薬剤処理を行う方法が提案さ
れている。その一例として、特開２０００−２０４６２
９号には、糞尿を嫌気性処理及び薬剤処理によって浄化
する自己完結型水洗式トイレが開示されている。該自己
完結性水洗式トイレにおいては、水洗便器から排出され
た糞尿を含む水洗水が、浄化槽に流入する。浄化槽内は
沈殿槽と脱窒槽とに区分されており、該水洗水は沈殿槽
内で固形物が分離された後、浮遊固形物を分離可能な分
離網を通って脱窒槽に流入する。脱窒槽内は嫌気性環境
になっており、ここで窒素化合物の分解が行われ、その
後分離膜を通って浄化槽外に流出する。流出した濾過処
理水は、ｐＨ調整された後、脱リン装置内で塩化第二鉄
等の脱リン剤によって脱リン処理が行われる。脱リン処
理された処理水は、脱塩装置及びオゾン処理槽によって
脱塩、殺菌等が行われた後、水洗水として再使用され
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、嫌気性
処理や薬剤処理を行う場合、窒素やリン等の栄養塩類は
かなりのレベルまで除去することが可能である。しか
し、これらの栄養塩類を完全に除去することは依然とし
て困難である。

【０００５】本発明は、上記問題点を解決し、生活排水
を処理してきわめて清浄な水を供給し得る生活排水の再
利用装置を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る生活排水の
再利用装置は、生活排水を電気分解して水素を生成させ
る電解装置と、該電解装置からの水素を酸化させて水を
生成させる酸化装置とを備えてなるものである。

【０００７】かかる生活排水の再利用装置にあっては、
生活排水を電気分解して水素と酸素を生成させ、この水
素を酸化させて水を生成させることから、きわめて清浄
な水を得ることができる。

【０００８】この水素を酸化させるための酸化装置とし
ては、燃料電池が好ましい。この燃料電池を採用するこ
とにより、きわめて清浄な水が得られるだけでなく、電
力をも得ることが可能となる。この電力は家庭用又は前
記電解装置用として使用することができる。

【０００９】本発明では、生活排水から分離した汚泥を
発酵処理する発酵装置と、該発酵装置から生じた炭化水
素化合物を改質して水素を生成させる改質器とを備え、
該改質器で生成した水素を前記燃料電池に供給するよう
に構成してもよい。

【００１０】かかる構成とした生活排水の再利用装置に
あっては、発酵によって汚泥中の有機物が分解して汚泥
が減容化すると共に、発酵生成物たる炭化水素化合物の
改質によって生じた水素が燃料電池に供給されるため、
燃料電池によって生成される水及び電力の量が増量す
る。

【００１１】本発明の生活排水の再利用装置は、前記燃
料電池に供給される水素を一時的に貯蔵し得る水素貯蔵
装置を備えてもよい。

【００１２】この水素貯蔵装置を備えた生活排水の再利
用装置にあっては、水又は電力が必要なときに必要な分
だけ水素貯蔵装置から水素を燃料電池に供給すればよ
く、また水や電力が不要なときは生活排水の処理によっ
て発生した水素を該水素貯蔵装置内に貯蔵しておくこと
が可能なため、エネルギー効率が高く、また、電力を安
定して供給することができる。

【００１３】なお、前記電解装置の電源として太陽発電
装置又は風力発電装置を用いてもよい。

【００１４】この場合、太陽発電装置や風力発電装置の
発電量が多いときに、これらの発電電力を利用して水の
電気分解を行い、生じた水素を水素貯蔵槽に貯えておく
こができる。そして、夜間や無風状態のとき等において
電力が必要な場合は、水素を水素貯蔵槽から燃料電池に
供給して発電すればよい。このように自然エネルギーを
水素に変換して貯蔵することで、自然エネルギーを無駄
なく貯蔵でき、且つ日照条件や風力に左右されることな
く必要時に電力を安定に供給できる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態に係
る生活排水の再利用装置について、図面を参照して説明
する。図１は、本発明の実施の形態に係る生活排水の再
利用装置を示す図面である。

【００１６】家屋１からは、生活排水用の配管１１が沈
降電解槽２まで敷設されている。

【００１７】沈降電解槽２内には電気分解用の陽極２ａ
及び陰極２ｂが設けられている。該電極２ａ，２ｂ用電
源としては、家屋１の屋根に設けられた太陽光発電パネ
ルが使用されている。

【００１８】電極２ａ，２ｂとしては、白金を使用する
ことが好ましい。白金は耐蝕性が高く、また逆洗が可能
なため、メンテナンスが容易である。

【００１９】陽極２ａの上部の陽極室には、陽極で発生
した酸素の取出口が設けられている。この酸素は例えば
養魚槽への吹込みに利用してもよいが、大気に放出して
もよい。また、陰極２ｂの上部の陰極室には、陰極２ｂ
で発生した水素の取出用配管１２が接続されている。該
水素用配管１２はポンプ３及び配管１３を介して水素貯
蔵槽４と接続されている。

【００２０】水素貯蔵槽４は、水素供給用配管１４によ
って燃料電池５に接続されている。

【００２１】燃料電池５は、水素と空気とから電力を発
生させる。この燃料電池５には、水素と酸素との反応に
よって発生した純水及び電力を家屋１に供給するための
配管１５及び電線１６が設けられている。

【００２２】前記沈降電解槽２の側壁には処理水排出用
配管２１が接続され、処理水を下水処理場や浄化槽等の
処理系に排出するよう構成されている。また、沈降電解
槽２の底部には、沈殿物を抜き出して発酵槽６に送るた
めの配管１７が接続されている。

【００２３】発酵槽６には、発酵後の沈殿物を処理系に
排出するための配管１８が接続されると共に、発酵過程
で発生したガスを改質槽７に導入するための配管１９が
接続されている。改質槽７は、水素用配管２０によって
水素貯蔵槽４に接続されている。

【００２４】このように構成された生活排水の再利用装
置において、家屋１から排出された生活排水は、配管１
１を通って沈降電解槽２に流入する。

【００２５】沈降電解槽２では、生活排水中の固形物が
沈降分離されると共に、電極２ａ，２ｂ間に電圧が印加
され、生活排水中の水の一部が水素と酸素に電気分解さ
れる。陰極２ｂで発生した水素は、配管１２、ポンプ３
及び配管１３を通って、水素貯蔵槽４に流入し、該水素
貯蔵槽４内で、一旦貯蔵される。

【００２６】該水素貯蔵槽４内の水素は、必要に応じて
燃料電池５に導入され、同じく燃料電池５内に導入され
た空気中の酸素と反応して純水及び電力を発生する。発
生した純水は、配管１５を介して家屋１に供給され、電
力は電線１６を介して家屋１に供給される。

【００２７】なお、前記沈降電解槽２において電気分解
されずに残った生活排水は、該沈降電解槽２内で固形物
を十分に沈降分離した後、下水処理場や浄化槽等の処理
系に排出される。

【００２８】また、沈降電解槽２内で沈降分離された沈
殿物は、配管１７を通って発酵槽６に流入する。発酵槽
６では、沈殿物中の有機物の嫌気性発酵が行われる。発
酵によって有機物が分解された沈殿物は、配管１８を通
って処理系に排出される。一方、発酵の過程で発生した
メタン及びメタノール等の炭化水素化合物のガスは、配
管１９を通って改質槽７内に流入し、改質槽７内で水素
に変換された後、配管２０を通って水素貯蔵槽４内に貯
蔵される。

【００２９】かかる生活排水の再利用装置にあっては、
沈降電解槽２内で生活排水を電気分解して水素と酸素と
し、この水素を燃料電池５内で酸素と反応させて純水を
製造していることから、そのまま飲用することも可能な
きわめて清浄な水を得ることができる。

【００３０】また、純水を製造する手段として燃料電池
を用いているため、純水が得られると共に電力を得るこ
ともできる。

【００３１】さらに、水素貯蔵槽４が設置されているた
め、電気分解によって発生した水素を一旦貯蔵し、純水
が必要なときに必要量だけ燃料電池５に水素を供給して
必要量の純水を得ることができる。

【００３２】さらに、この実施の形態では、発酵槽６を
設けており、該発酵槽内で沈殿物中の有機物が分解され
るため、沈殿物を減容化することができる。また、発酵
によって発生したメタン及びメタノール等が改質槽７内
で改質されて水素に変換され、該水素は純水製造用の水
素として使用されるため、純水製造効率が高くなる。

【００３３】この実施の形態では、沈降電解槽２用の電
源として太陽光発電パネルが使用されているため、化石
燃料や原子力エネルギーによる商用電力を利用せず、き
わめてクリーンである。

【００３４】なお、本実施の形態では、電気分解用の電
力として、太陽光発電によって得られた電力を使用して
いるが、風力発電によって得られた電力を使用してもよ
く、また本実施の形態の燃料電池によって発電された電
力を使用してもよい。

【００３５】この実施の形態では、太陽発電パネルや風
力発電設備の発電量が多いときにこの発電電力を利用し
て水の電気分解を行い、生じた水素を水素貯蔵槽に貯え
ておくことができる。そして、電力が必要な場合は、必
要量だけ水素貯蔵槽から燃料電池に水素を供給して発電
すればよく、日照条件や風力に左右されることなく電力
を安定に供給することが可能である。

【００３６】

【発明の効果】本発明の生活排水の再利用装置による
と、きわめて清浄な水が得られると共に、電力をも得る
ことができる。また、生活排水を電気分解して水素とし
て貯蔵し、必要時に必要量だけ水素を燃料電池に供給し
て純水や電力を得ることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態に係る生活排水の再利用装置を示す
図面である。

【符号の説明】

１家屋２沈降電解槽２ａ陽極２ｂ陰極３ポンプ４水素貯蔵槽５燃料電池６発酵槽７改質槽

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 2D060 AA03 4D059 AA03 BA17 CA07 CA28 4D061 DA08 DB20 EA02 EB19 EB30 FA14 5H027 AA06 BA01 BA11 BA13 DD09

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】生活排水を電気分解して水素を生成させ
る電解装置と、該電解装置からの水素を酸化させて水を生成させる酸化
装置とを備えてなる生活排水の再利用装置。
【請求項２】請求項１において、前記酸化装置は燃料
電池であることを特徴とする生活排水の再利用装置。
【請求項３】請求項２において、生活排水から分離し
た汚泥を発酵処理する発酵装置と、該発酵装置から生じた炭化水素化合物を改質して水素を
生成させる改質器とを備え、該改質器で生成した水素を
前記燃料電池に供給するようにしたことを特徴とする生
活排水の再利用装置。
【請求項４】請求項２又は３において、前記燃料電池
に供給される水素を一時的に貯蔵し得る水素貯蔵装置を
備えたことを特徴とする生活排水の再利用装置。
【請求項５】請求項１ないし４のいずれか1項におい
て、前記電解装置の電源として太陽発電装置又は風力発
電装置を備えたことを特徴とする生活排水の再利用装
置。