JP2002306635A - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

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JP2002306635A
JP2002306635A JP2002105535A JP2002105535A JP2002306635A JP 2002306635 A JP2002306635 A JP 2002306635A JP 2002105535 A JP2002105535 A JP 2002105535A JP 2002105535 A JP2002105535 A JP 2002105535A JP 2002306635 A JP2002306635 A JP 2002306635A
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dimples
dimple
land
hexagonal
golf ball
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Kenji Inaba
健嗣 稲葉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直進性、方向性、コントロール性、安定性及
び飛距離性のいずれについても向上させることができる
新規なゴルフボールを提供する。 【構成】 球表面のランド6が略一定幅で、ランド全体
が略ハニカム網形状になることにより周期特性を改善し
たゴルフボール1である。例えば、球表面を仮想区画線
2によって八つの球面正三角形エリア3に区画し、仮想
区画線2上に、隣合う六角形ディンプル4の辺同志が略
一定幅のランド6をおいて略平行に並ぶように複数の六
角形ディンプル6を列状に配設するとともに、エリア3
内に、隣合う六角形ディンプル4,5の辺同志が略一定
幅のランド6をおいて略平行に並ぶように複数の六角形
ディンプル5を稠密に配設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新しいディンプル・ラ
ンド理論に基づくゴルフボールに関するものである。な
お、本明細書において「ランド」とは、球表面にディン
プルを設けたときにディンプル間に残る陸部分をいう。
【0002】
【従来の技術】ゴルフボールの球表面にディンプルを形
成すると飛距離が伸びることが発見されて以来、ディン
プルに関して多くの研究がなされてきた。そして、これ
までの研究では、ディンプルが飛距離を伸ばす理論につ
いて、次のように説明されている。 (1)バックスピンのかかったボールは、ベルヌーイの
定理による上下方の気圧差により揚力が生じるが、ディ
ンプルは上方の空気流を早くして気圧をさらに低下さ
せ、揚力を増加させる。 (2)ディンプルはボール背後への空気の回り込みを助
け、ボール背後の気圧の低下を防ぐため、ボールを後方
へ引っ張る空気の力が減少する。
【0003】このディンプル理論の根底には、「ディン
プルは空気との接触面積を増加させて空気流への影響力
を増大する」という考え方があり、この考え方に基づい
て、ディンプルの形状、大きさ、深さ、数、配置等が検
討されてきたものと思われる。そして、次のようなディ
ンプルが知られている。
【0004】 円形ディンプル:古くから多用されて
おり、現在のゴルフボールのほとんどには円形ディンプ
ルが形成されている。 四角形のディンプル:19世紀のガッティボールの
時代には正方形ディンプルが存在した。実開昭60−8
1562号公報にも正方形ディンプルが示されている。
実開昭58−131859号公報には菱形ディンプルが
示されている。 五角形のディンプル:特開平5−96026号には
正五角形ディンプルが示されている。 六角形のディンプル:カナダ特許第1005480
号には六角形のディンプルが示されている。しかし、稠
密配列ではなく、しかもランドは幅が不均一で非常に広
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者の考
察によると、これまでに研究されてきたディンプル理論
は既に一定のレベルに達しているとは思われるが、完璧
とは言い難く、まだまだ空気力学的に解明されるべき点
は多く残されている。具体的には、前記の「ディンプル
は空気との接触面積を増加させて空気流への影響力を増
大する」という考え方自体に対する疑問である。この考
え方に立脚している限り、ゴルフボールの方向性、直進
性、安定性及び飛距離性のいずれについても、現在のレ
ベルを越えていくことは難しいと思われる。
【0006】本発明の目的は、上記課題を解決し、全く
新しいディンプル・ランド理論に基づくことにより、直
進性、方向性、コントロール性、安定性及び飛距離性の
いずれについても向上させることができ、本発明者も愛
するゴルフの競技としての楽しさ、面白さに刺激を与え
ることができる新規なゴルフボールを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のゴルフボールにおいては、球表面の少なく
とも一部の範囲に、隣合う六角形ディンプルの辺同志が
略一定幅のランドをおいて略平行に並ぶように複数の六
角形ディンプルを稠密に配設するという手段をとった。
つまり、一つの六角形ディンプルの周りに六個の六角形
ディンプルを配設するかたちになる。ここで、六角形デ
ィンプル及びランドを配設する「球表面の少なくとも一
部の範囲」は、たとえ球表面の1%の範囲であっても従
来例と比べれば効果があるが、効果が明瞭に現われる点
で好ましくは球表面の20%以上の範囲、効果が顕著に
なる点でさらに好ましくは球表面の50%以上の範囲で
ある。
【0008】六角形ディンプルの配設の仕方に関しては
前記条件以外の限定を受けないが、球表面のできる限り
多くの範囲に、六角形ディンプルを稠密にかつ均一に配
設することが望ましい。そのためには、例えば、球表面
を仮想区画線によって複数のエリアに区画し、仮想区画
線上の少なくとも一部の範囲に、隣合う六角形ディンプ
ルの辺同志が略一定幅のランドをおいて略平行に並ぶよ
うに複数の六角形ディンプルを列状に配設するととも
に、全てのエリア内の少なくとも一部の範囲に、隣合う
六角形ディンプルの辺同志が略一定幅のランドをおいて
略平行に並ぶように複数の六角形ディンプルを稠密に配
設するとよい。各「少なくとも一部の範囲」について
は、前記と同じである。さらに、仮想区画線上の六角形
ディンプルとエリア内の六角形ディンプルの辺同志も略
一定幅のランドをおいて略平行に並ぶとよい。
【0009】ここで、六角形ディンプルの形状は正六角
形が理想的であり、また正六角形に近いほど好ましい
が、各内角が90〜150度位の範囲に収まるような六
角形であればよい。また、隣合う六角形ディンプルの辺
同志は正確に平行に並ぶことが好ましいが、平行から相
対的に10度位ずれた略平行でもよい。
【0010】また、ランドの合計面積は、ゴルフボール
の仮想球表面積(ディンプルが無いと仮想したときの球
表面積をいう。本明細書において同じ。)の40%以下
にするのが好ましいが、さらに好ましくは30%以下で
あり、特にプロや上級アマチュア向けのゴルフボールの
ように飛距離性を高めたいときには20%以下にするこ
とが重要である。
【0011】ランドの幅は、0.0〜2.5mm位の範
囲から適宜設定できるが、ランドの合計面積を小さくす
るために好ましくは0.1〜1.5mmの範囲、特にプ
ロや上級アマチュア向けのゴルフボールのように飛距離
性を高めたいときには0.2〜1.0mmの範囲から設
定する。なお、ランドの幅が0.0mmとは、隣合う六
角形ディンプル同志が辺を共有するように配設された場
合をいう。但し、その場合でも、現実に形成されるディ
ンプルの辺及び角にはアールが不可避的に付くから、そ
のアール分の幅・面積のランドはあることになる。
【0012】さらに、六角形ディンプルの内縁部に、六
角形ディンプルの最深部より浅い少なくとも一段のディ
ンプル内段部を隆起形成することもできる。このディン
プル内段部の内縁は略円形であることが好ましい。六角
形ディンプルの縁からディンプル内段部の内縁までの面
積は、六角形ディンプルの面積の8〜50%位にするの
が適当であるが、好ましくは15〜40%位である。
【0013】
【作用】(1)空気との摩擦の減少作用について 本発明は、「物体と流体との摩擦は、物体の流体接触面
積と略比例する。」という考え方と、「マグナス効果
は、流体の流れと回転する物体との間に摩擦があって初
めて流体の流速に影響を及ぼし、流体圧力に差を生じさ
せるものである。」という公理とに基づいて発明された
ものであり、ランドの合計面積を小さくすることを根底
にしている。
【0014】本発明のゴルフボールでは、球表面の少な
くとも一部の範囲に、隣合う六角形ディンプルの辺同志
が略一定幅のランドをおいて略平行に並ぶように複数の
六角形ディンプルを稠密に配設したので、そのランドの
幅を、例えば従来の円形ディンプル間のランドの最狭部
と同じにしても、ランドの合計面積を従来より大幅に小
さくすることができる。
【0015】図1〜図3は、上記ランドの面積を説明す
るものである。まず、図1は球表面に形成されたディン
プルとディンプル間に残ったランドとを示し、円形ディ
ンプル51が形成された従来例(a)のランド52に対
し、六角形ディンプル5が形成された本発明(b)は、
ランド6の合計面積が小さいことがよく分かる。図2は
二つのディンプルに挟まれたランド部位を拡大して示し
ている。従来例(a)のランド52は、その最狭部の幅
を仮に0.5mmとしても、最狭部から離れるにつれて
円形ディンプル51に沿って円弧状に拡幅してしまう。
これに対し、本発明(b)のランド6は、その幅を仮に
0.5mmで一定とすると、従来例(a)より二点鎖線
部分だけ面積を小さくできる。図3は三つのディンプル
に挟まれたランド部位を示している。従来例(a)のラ
ンド52は略三角形状で、大きな面積を持つ。これに対
し、本発明(b)のランド6は三叉路状で、従来例
(a)より二点鎖線部分だけ面積を小さくできる。
【0016】そして、本発明者による新ディンプル・ラ
ンド理論では、「ゴルフボールが高速で回転するとき、
周りの空気はランドとのみ直接接触し、ディンプルとは
直接接触しない(その臨界回転数はボールの飛行速度と
ディンプルの大きさや深さによって異なり、ボールの飛
行速度が速くディンプルが大きいほど臨界回転数は高く
なる。)。」と考えるのである。本理論は、従来のディ
ンプル理論を越えた画期的な理論である。
【0017】図4は回転するゴルフボール1の表面部の
断面を拡大表示したものである。ここでは分りやすくす
るために、ゴルフボール1が回転するのではなく、空気
20がゴルフボール1の周りを回転していると考える。
そして、ゴルフボール1が高速で回転するときには、同
図(a)に示すように、周りの空気20はランド6には
接触するが、その勢いによってディンプル5には入り込
まず(つまり接触せず)、ディンプル5の上方をまたい
で通る、と説明できる。同図(b)については後述す
る。
【0018】従って、前記の通り本発明によってランド
6の合計面積を小さくできるということは、空気20と
の接触面積を小さくでき、空気20との摩擦も小さくで
きることを意味する。よって、本発明のゴルフボール1
は、摩擦を失うことによっていわば空回りに近い状態で
空気中を回転することになり、周りの粘性をもつ空気2
0への影響力が減少し、空気20はダランベールの背理
に近い状態で素直に流れ出して抗力が減少するととも
に、マグナス効果による気圧差の働きが小さくなるた
め、ゴルフボールの直進性、方向性、コントロール性、
安定性及び飛距離性の全てが向上する。また、本発明の
ゴルフボール1は飛行中に回転数が低下しにくいため、
上記作用は長時間持続する。つまり「ディンプルは空気
との接触面積を減少させて空気流への影響力を低下させ
る。」という結論であり、これは従来のディンプル理論
とは正反対の内容である。
【0019】図5は上記作用を説明するもので、バック
スピン回転しながら飛ぶゴルフボールと周りの空気の流
れとを示している。円形ディンプルの従来例(a)で
は、周りの空気20がゴルフボール50との大きな摩擦
に影響され、その流速は相対的にゴルフボールの上方で
早く、下方で遅くなる。従って、マグナス効果により、
気圧は相対的にゴルフボール50の上方で低く、下方で
高くなるため、ゴルフボール50には上向きの揚力Lが
生まれる。これに対し、本発明(b)では、前記の通り
周りの空気20との摩擦を小さくできるので、粘性をも
つ空気20への影響力が減少し、ゴルフボール1の上方
と下方とにおける流速の差が従来例(a)より縮まる。
従って、摩擦による前記揚力Lと抗力とを小さくでき、
いわゆるふけ上がりを抑えて、コントロール性、飛距離
性を向上できる。
【0020】これは、ゴルフボール1が横回転しながら
飛ぶときにも同じことがいえ、回転方向側すなわち左方
又は右方への球筋のそれを抑えて、直進性、方向性、コ
ントロール性を向上できる。
【0021】(2)周期特性の改善作用について 本明細書でいう周期特性とは、ゴルフボールの任意の切
断面においてディンプル及びランドがディンプル→ラン
ド→ディンプル→ランド→……と周期的に現れ、その周
期とディンプル及びランドの幅が、どの切断面をとって
も均一に近い性質をいう。従来例のゴルフボールは、前
記の通り円形ディンプル間のランドが円弧状に広がり、
切断位置によってランドの幅が異なることから、周期特
性が理想的とはいえない。これに対し、本発明のゴルフ
ボールは、ランドが略一定幅で、しかもランド全体が略
ハニカム網形状になるので、周期特性が改善される。そ
して、回転方向が特定されないゴルフボールは、あらゆ
る方向の均一性が要求されるが、本発明では周期特性の
改善によってこの均一性を満足でき、安定性を向上でき
る。
【0022】図6は上記周期特性を説明するもので、
(a)は円形ディンプル51が形成された従来例、
(b)は六角形ディンプルが稠密に配設された本発明、
(c)は四角形ディンプル53が形成された比較例をそ
れぞれ示している。従来例(a)では、いずれの切断線
A〜Eで切断しても、必ず円形ディンプル51及びラン
ド52が周期的に現れるが、それらの間隔と幅は均一で
はない。つまり、切断線Aではランド52の幅が狭い
が、切断線B,Dではランド52の幅が広い。これに対
し、本発明(b)では、勿論いずれの切断線A〜Eで切
断しても、必ず六角形ディンプル5及びランド6が周期
的に現れるとともに、それらの間隔と幅は、円形ディン
プルのレベルを越えて、常に均一に近い。つまり、切断
線Dを除くいずれの切断線A,B,C,Eでも、ランド
6の幅は略一定で狭い。なお、比較例(c)では、切断
線Cで切断したときに、ランド54が永遠に続いてしま
い、周期特性の観点で、上記3種類の中では最も望まし
くない。
【0023】(3)ディンプル内段部の作用について さらに、本発明者による新ディンプル・ランド理論で
は、「ゴルフボールが低速で回転するとき、周りの空気
はランドと接触するだけでなく、ディンプル内にも入り
込んで接触する(その臨界回転数はボールの飛行速度と
ディンプルの大きさや深さによって異なり、ボールの飛
行速度が遅くディンプルが小さいほど臨界回転数は低く
なる。)。」と考えるのである。従って、たとえ本発明
によってランドの合計面積を小さくしても、打ち出され
たゴルフボールの勢いと回転数が飛行中に低下したとき
には、図4(b)に示すように、周りの空気20はディ
ンプル5内にも入り込んで接触面積が大きくなり、空気
との摩擦が大きくなるため、上記作用が低下してくる。
【0024】しかし、図7(a)(b)(c)に示すよ
うに、六角形ディンプル5の内縁部に、六角形ディンプ
ル5の最深部より浅い少なくとも一段のディンプル内段
部11を隆起形成した場合には、上記作用を持続でき
る。なぜなら、ゴルフボール1の回転数が低下したとき
に、周りの空気20は六角形ディンプル5内に入り込も
うとするが、まずディンプル内段部11に当たってしま
うため、それより深くには入り込まないからである。い
わば、ディンプル内段部11が第二のランドとして作用
し、六角形ディンプル5の実効径がディンプル内段部1
1の内縁径と等価になる。従って、空気との接触面積
は、ランドの合計面積とディンプル内段部の合計面積と
の和にしかならず、空気との摩擦はさほど大きくならな
い。よって、上記作用は多少弱くはなるものの、さらに
回転数が低下するまで長く持続し、直進性、方向性及び
飛距離性がさらに向上する。要するに、六角形ディンプ
ル5の寸法で決まる第一の臨界回転数と、ディンプル内
段部11の内縁径で決まる第二の臨界回転数(第一の臨
界回転数より低い)、という二段の臨界回転数を持つこ
とになるのである。
【0025】なお、最近になり、円形ディンプルの最深
部にさらに小さい円形ディンプルを凹設する二重ディン
プルの技術が開発されている(つまりディンプル内容積
は増加する)が、上記ディンプル内段部11は六角形デ
ィンプル5の内縁部に隆起形成したかたち(つまりディ
ンプル内容積は減少する)ものであって、全く別の思想
である。
【0026】また、このように隆起形成したディンプル
内段部11は、ランド6を補強してランド6の傷付きを
防止する作用も発揮する。つまり、本発明のランド6は
略一定幅であり、特にその幅を極めて細くした場合に
は、傷付きやすくなる可能性もある。ディンプル内段部
11は、この問題も補完するのである。
【0027】ところで、六角形ディンプルは厳密にいう
と、対辺間距離と対角間距離とが僅に相違する。また、
球表面の全ての六角形ディンプルを正六角形にすること
は非常に難しく、一部の六角形ディンプルは多少いびつ
な形状になって、ある方向の寸法が他の方向より大きく
なることもある。これらの僅な不均一性は、周期特性を
多少低下させる。
【0028】しかし、図7(a)に示すように、ディン
プル内段部11の内縁を略円形にすれば、上記の僅な不
均一性を改善し、臨界回転数とも深く関係する周期特性
をさらに良好にできる。また、このときのディンプル内
段部11より内側のディンプル面は円形に伴って完全な
球面とすることもできる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を具体化したゴルフボールの実
施例について、図面を参照して説明する。まず、図8〜
図11に示す実施例のゴルフボール1においては、ま
ず、図8に示すように、球表面を互いに直交する三つの
大円よりなる仮想区画線2によって、八つの球面正三角
形エリア3に区画する。この仮想区画線2は、球表面に
内接する正八面体(図示略)の各辺を球表面に投影した
ものともいえる。そして、図9に示すように、仮想区画
線2上に、隣合う六角形ディンプル4の辺同志が略一定
幅のランド6をおいて略平行に並ぶように多数の六角形
ディンプル4を一列に配設する。
【0030】但し、図9及び図10(a)に示すよう
に、仮想区画線2同志の交点Pには四角形ディンプル7
を配設し、その四辺と四方の各六角形ディンプル4の辺
とを略平行に並ぶようにする。なお、四方のディンプル
を、図10(b)のように五角形ディンプル8に代えた
り、図10(c)のように六角形ディンプル9と五角形
ディンプル10との組み合せに代えたりしてもよい。三
つの仮想区画線2上に配設した六角形ディンプル4の総
数は108個、同じく四角形ディンプル7の総数は6個
である。この場合、仮想区画線2上の90%以上の範囲
に六角形ディンプル4を配設したことになる。
【0031】次に、全ての球面正三角形エリア3内の全
範囲に、隣合う六角形ディンプル4,5の辺同志が略一
定幅のランド6をおいて略平行に並ぶように多数の六角
形ディンプル5を稠密に配設する。一つのエリア3内に
配設した六角形ディンプル5の数は36個、よって全エ
リア3の六角形ディンプル5の総数は288個である。
【0032】そして、仮想区画線2上のディンプル4,
7とエリア3内のディンプル5とを合算すると、六角形
ディンプル4,5の総数は396個、四角形ディンプル
7の総数は6個であるから、球表面の95%以上の範囲
に六角形ディンプル4,5を配設したことになる。この
結果、ランド6全体は略ハニカム網形状となり、特にラ
ンド6の幅を例えば0.5mmと狭くすれば、非常に細
い略ハニカム網形状となる。
【0033】なお、図11に示すように、本実施例の六
角形ディンプル4,5の底部形状は浅い六角錐状の凹部
であるが、最深部は球面状になっている。
【0034】本実施例の仮想区画線の変更例として次の
ものを例示でき、その仮想区画線上及びエリア内に多数
の六角形ディンプルを配設してもよい。
【0035】(1)一つの大円よりなる仮想区画線。つ
まり、球表面を二つの半球面エリアに区画したもの。
【0036】(2)球表面に内接、外接又は中接(稜が
球に接する)するあらゆる多面体の各辺を球表面に投影
した仮想区画線。多面体としては次のものを例示でき
る。
【0037】 正多面体(正四面体、正六面体、正十
二面体、正二十面体) 図12は、この正二十面体の各辺を球表面に投影した仮
想区画線2によって、球表面を二十の球面三角形エリア
3に区画したゴルフボール1を示している。そして、前
記実施例と同様に、仮想区画線2上には多数の六角形デ
ィンプル4をランド6をおいて一列に配設し、仮想区画
線2同志の交点Pには五角形ディンプル7を配設し、球
面正三角形エリア3内には多数の六角形ディンプル5を
ランド6をおいて稠密に配設したものである。
【0038】 半正多面体(切頭四面体、切頭六面
体、切頭八面体、切頭十二面体、切頭二十面体、立方八
面体、十二〜二十面体、切頭立方八面体、切頭十二・二
十面体、菱形立方八面体、菱形十二〜二十面体、ねじれ
立方体、ねじれ十二面体、各種点型半正多面体)
【0039】 デルタ多面体(デルタ六面体、デルタ
十面体、デルタ十二面体、デルタ十四面体、デルタ十六
面体) 等面菱形多面体(鋭角平行六面体、鈍角平行六面
体、菱形十二面体、菱形二十面体、菱形三十面体) ジォデシック多面体(ジォデシック二十四面体、ジ
ォデシック四十八面体、ジォデシック百二十面体)
【0040】上に例示した仮想区画線は球表面において
幾つかの交点を持つが、その一つの交点から何本の仮想
区画線が延びるかによって、次のように分類することも
できる。
【0041】(a) 図13及び図14は、一つの交点P又
はその近傍から三本の仮想区画線2が延び(前記正四面
体、正六面体、正十二面体等)、その仮想区画線2上に
六角形ディンプル4を配設した例を示す。 (b) 一つの交点Pから四本の仮想区画線が延びる例とし
ては、図9に示した前記第一実施例を例示できる。 (c) 図15は、一つの交点から五本の仮想区画線2が延
び(前記正二十面体等)、その仮想区画線上に六角形デ
ィンプル4を配設した例を示す。 (d) 図16及び図17は、一つの交点P又はその近傍か
ら六本の仮想区画線2が延び(前記ジォデシック二十四
面体等)、その仮想区画線2上に六角形ディンプル4を
配設した例を示す。
【0042】なお、上記各図において、仮想区画線によ
る交点Pの周りの分割角度は均一であるが、この分割角
度は多面体によっては不均一になる。
【0043】また、本実施例及びその変更例において、
図18に示すように、仮想区画線2上に六角形ディンプ
ル4を二列に配設することもできる。
【0044】なお、上記変更例の各種仮想区画線で球表
面を複数のエリアに区画したとき、そのエリアの形状に
よっては、エリア内の全範囲に六角形ディンプルばかり
を稠密に配設することが困難な場合がある。その場合
は、できる限り多くの範囲に六角形ディンプルを配設
し、残りの範囲に必要最少限の六角形以外の多角形ディ
ンプル又は円形ディンプルを配設すればよい。この意味
では、エリアの形状が三角形又六角形であれば、そのエ
リア内の全範囲に六角形ディンプルばかりを稠密に配設
できるので、最も好ましい。
【0045】本実施例及びその変更例のように、球表面
を仮想区画線2によって複数のエリア3に区画し、その
仮想区画線2上及びエリア3内に多数の六角形ディンプ
ル4,5を配設するという手段をとることにより、球表
面に六角形ディンプル4,5を均一に配設することが容
易になり、ランド6全体を完全なハニカム網形状に近付
けることができる。
【0046】なお、前出の図1(a)のように、円形デ
ィンプル51を形成した従来例のゴルフボールにおいて
も、一個の円形ディンプル51の周りに六個の円形ディ
ンプル51が配設されている場合が多い。そこで、三つ
の円形ディンプル51に挟まれたランド52の中心に点
をとり、その点と隣りの同様の点とを線分で結んでい
き、その線分を略一定幅のランド6とすることにより、
本発明を具体化することもできる。
【0047】次に、本実施例の六角形ディンプル4,5
の発展例として、図19〜図22に示すように、六角形
ディンプル4,5の内縁部に、六角形ディンプル4,5
の最深部より浅い一段又は二段のディンプル内段部11
を隆起形成したものを例示できる。なお、前記の通り六
角形ディンプルを配設できない範囲に配設した六角形以
外の多角形ディンプル又は円形ディンプルにも、ディン
プル内段部を隆起形成できる。
【0048】図19はディンプル内段部11の内縁形状
及び面積が異なる例を示している。(a)のディンプル
内段部11の内縁は、六角形ディンプル4,5の内接円
であり、ディンプル内段部11の面積は六角形ディンプ
ル4,5の面積の約9.3%である。(b)のディンプ
ル内段部11の内縁は(a)の内接円より小さい円形で
あり、ディンプル内段部11の面積は六角形ディンプル
4,5の面積の約25%である。(c)のディンプル内
段部11の内縁は六角形であり、ディンプル内段部11
の面積は六角形ディンプル4,5の面積の約40%であ
る。
【0049】図20はディンプル内段部11の断面形状
が異なる例を示している。(a)のディンプル内段部1
1はその下部スロープがなだらかである。(b)のディ
ンプル内段部11はその下部スロープが垂立に近い。
(c)のディンプル内段部11は、その下部スロープが
アンダーカットになっている。これらのうち(c)が最
もディンプル内容積を減らさない点で好ましいが、成形
用金型の加工制の点では(a)(b)が好ましい。
【0050】図21は二段のディンプル内段部11,1
2を形成した例を示している。すなわち、ディンプル内
段部11の内側に、ディンプル内段部11よりは深く六
角形ディンプル4,5の最深部よりは浅いディンプル内
段部12を形成したものである。本発展例によれば、六
角形ディンプル4,5の寸法で決まる第一の臨界回転数
と、ディンプル内段部11の内縁径で決まる第二の臨界
回転数(第一の臨界回転数より低い)と、ディンプル内
段部12の内縁径で決まる第三の臨界回転数(第二の臨
界回転数より低い)という、三段の臨界回転数を持つこ
とになる。なお、三段以上のディンプル内段部を細かく
設定し、四段の臨界回転数を持たせることもできる。
【0051】図22はディンプル内段部を凸条(平面円
環状又は平面六角環状)にした例を示している。(a)
のディンプル内段部11は一段の凸条、(b)のディン
プル内段部11,12は二段の凸条である。また、
(c)は面状のディンプル内段部11と凸条のディンプ
ル内段部12との組み合わせ、(d)は面状のディンプ
ル内段部11と凸条のディンプル内段部12,13との
組み合わせを示している。この凸条の頂上の幅はランド
と同じように、0.0〜1.5mmと細い方が好まし
い。
【0052】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱
しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
【0053】(1)ディンプルの寸法及び仮想区画線上
又はエリア内のディンプル数、並びにランドの幅及び合
計面積は、ヘッドスピードの速い人、遅い人、ゴルファ
ーが望む球筋、その他のファクターに応じて適宜変更で
きる。例えば、ディンプルの寸法は大きい方がヘッドス
ピードの速い人向きであり、その場合、ディンプルの総
数は少なくなり、前記周期特性における周期が長くな
る。
【0054】(2)本発明は、ラージサイズ,スモール
サイズ等の大きさや、スリーピース,ツーピース,ワン
ピース,糸巻,コア等の内部構造や、ボールカバーの素
材等に左右されないで具体化できる。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のゴルフボー
ルは、全く新しいディンプル・ランド理論に基づくこと
により、直進性、方向性、コントロール性、安定性及び
飛距離性のいずれについても向上させることができ、本
発明者も愛するゴルフの競技としてのゴルフの楽しさ、
面白さに刺激を与えることができるという優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】球表面のディンプルとランドとを示し、(a)
は従来例の部分正面図、(b)は本発明例の部分正面図
である。
【図2】二つのディンプルに挟まれたランド部位を示
し、(a)は従来例の拡大正面図、(b)は本発明例の
拡大正面図である。
【図3】三つのディンプルに挟まれたランド部位を示
し、(a)は従来例の拡大正面図、(b)は本発明例の
拡大正面図である。
【図4】回転するゴルフボールの表面部を示し、(a)
は高速回転時の拡大断面図、(b)は低速回転時の拡大
断面図である。
【図5】バックスピン回転しながら飛ぶゴルフボールと
周りの空気の流れとを示し、(a)は従来例の説明図、
(b)は本発明例の説明図である。
【図6】周期特性を説明するもので、(a)は従来例の
説明図、(b)は本発明例の説明図、(c)は比較例の
説明図である。
【図7】ディンプル内段部を隆起形成した六角形ディン
プルを示し、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)
は斜視図である。
【図8】本発明の実施例のゴルフボールにおいて仮想区
画線による球表面の区画の仕方を示す説明図である。
【図9】同実施例のゴルフボールを示す正面図である。
【図10】同実施例の仮想区画線同志の交点付近を示す
部分正面図である。
【図11】同実施例の六角形ディンプルとランドとを示
す部分斜視図である。
【図12】同実施例の別例のゴルフボールを示す正面図
である。
【図13】同実施例の変更例であって、一つの交点又は
その近傍から三本の仮想区画線が延びる変更例の説明図
である。
【図14】同じく交点の近傍から三本の仮想区画線が延
びる変更例の説明図である。
【図15】同じく交点から五本の仮想区画線が延びる変
更例の説明図である。
【図16】同じく交点から六本の仮想区画線が延びる変
更例の説明図である。
【図17】同じく交点の近傍から六本の仮想区画線が延
びる変更例の説明図である。
【図18】同じく仮想区画線上に六角形ディンプルを二
列に配設する変更例の説明図である。
【図19】同じくディンプル内段部の内縁形状及び面積
が異なる三つの発展例を示す部分平面図である。
【図20】同じくディンプル内段部の断面形状が異なる
三つの発展例を示す部分断面図である。
【図21】二段のディンプル内段部を形成した発展例を
示し、(a)は部分平面図、(b)は部分断面図であ
る。
【図22】凸条のディンプル内段部を形成した四つの発
展例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 ゴルフボール 2 仮想区画線 3 球面正三角形エリア 4,5 六角形ディンプル 6 ランド 11,12,13 ディンプル内段部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球表面のランドが略一定幅で、ランド全
    体が略ハニカム網形状になることにより周期特性を改善
    したことを特徴とするゴルフボール。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008023066A (ja) * 2006-07-21 2008-02-07 Sri Sports Ltd ツーピースゴルフボール

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