JP2002292303A - 植毛用パイルの製造方法 - Google Patents

植毛用パイルの製造方法

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JP2002292303A
JP2002292303A JP2001100112A JP2001100112A JP2002292303A JP 2002292303 A JP2002292303 A JP 2002292303A JP 2001100112 A JP2001100112 A JP 2001100112A JP 2001100112 A JP2001100112 A JP 2001100112A JP 2002292303 A JP2002292303 A JP 2002292303A
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Yukihiko Horiba
幸彦 堀場
Hiroaki Shichida
裕章 七田
Yukari Yajima
由香里 矢島
Shinichiro Inoue
新一朗 井上
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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  • Crushing And Pulverization Processes (AREA)
  • Disintegrating Or Milling (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エアバック基布等の端材(はぎれ)の更なる有
価物化の要望に応えるとともにゼロエミッションに寄与
する。 【解決手段】エアバック基布の端材(はぎれ)等の布帛
(フハク)から植毛用パイル(フロック)を製造する方
法。布帛から複数段の粉砕工程、例えば、カッターミル
14による一次粉砕及びスクリーンミル16による二次
粉砕を経てパイル含有粉砕物を調製する。パイル含有粉
砕物から、分級(篩い分け)工程を経て植毛用パイル
(フロック)を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は、布帛(フハク)から植毛用パ
イル(フロック)を製造する方法及びそれを使用した植
毛製品に関する。特に、エアバッグ基布裁断後等の布帛
の端材から製造した場合に、ゼロエミッション(zero e
mission:産業廃棄物ゼロ)達成に寄与するものである。
【0002】ここでは、主としてエアバッグ基布(66
ナイロン製)裁断後の布帛端材(はぎれ)から製造する
場合を例に採り説明する。
【0003】
【背景技術】エアバッグ基布裁断により、多量の端材
(廃材)が発生する。これらの端材は、通常、溶融化し
て射出成形品の成形材料として再利用(リサイクル)し
ていた。しかし、溶融化してリサイクルする成形材料
は、熱エネルギーを必要とするとともに、ポリマーの劣
化をもたらし、適用製品がプラグソケットなどの意匠性
及び機械的強度が余り要求されないものに限定されてい
た。
【0004】なお、本発明者らが知る限りにおいては、
本発明のごとく、布帛を粉砕することにより、植毛用パ
イルとする技術は公知ではない。すなわち、下記文献
において、繊維(布帛ではない)を切断又は粉砕して植
毛用パイルとする技術が開示されているに過ぎない。
【0005】破砕した繊維物質を利用する技術として、
下記のような公知文献が存在する。
【0006】特開昭62−144800号:「破砕し
た繊維物質に高分子凝集剤を含浸し、着磁可能物質、水
とともに混練し、次いで乾燥後粉砕する一方、 磁気を与
えることを特徴とした汚染処理用凝集助剤の製造方
法。」
【0007】特開平4−146266号:「繊維を切
断または粉砕して製造されたパイルにおいて、切断また
は粉砕により発生しているパイル短面の扁平突起部分
を、薬液処理により除去したことを特徴とする分散性を
向上したパイル。」
【0008】特開平11−100510号:「絹フィ
ブロイン繊維を水と共に物理的に微粉砕して得られる絹
フィブロインディスパージョン水。」
【0009】このため、エアバック基布の端材(はぎ
れ)の更なる有価物化が要望されていた。
【0010】
【発明の開示】本発明者らは、上記要望に応えるため
に、鋭意開発に努力をした結果、エアバック基布の端材
(はぎれ)を粉砕して、自動車内装品、ウェザストリッ
プ等の植毛用パイルとしての再利用化が可能であること
を見出して、本発明を完成した。
【0011】本発明の植毛用パイルの製造方法における
一つは、布帛(フハク)から植毛用パイル(フロック)
を製造する方法であって、前記布帛から複数段の粉砕工
程及び分級(篩い分け)工程を経て前記フロックを製造
することを特徴とするものである。
【0012】布帛から複数段の粉砕工程を経たものを、
篩い分けすることにより、無理なく所要の平均値及び分
布幅の植毛用パイルを得ることができる。
【0013】上記粉砕工程は、粉砕工程が、カッターミ
ルによる一次粉砕工程及びスクリーンミルによる二次粉
砕工程を含むことにより、所要の平均値及び分布幅の植
毛用パイルをより確実に得ることができる。
【0014】上記布帛として、廃材(端材)(特に、 エ
アバッグ基布の端材)を使用することが、ゼロエミッシ
ョン(廃棄物ゼロ)達成に寄与する。本発明の植毛用再
生パイルは、 自動車内装品の植毛面の形成に使用でき、
自動車用高分子製品としての共通性を有し、同一工場な
いし同一企業内で製造することが多いためである。
【0015】本発明の植毛用パイルは、パイル長平均値
及びそのバラツキ幅が、パイル長平均値a=0. 6±
0.22mmであり、その標準偏差σの絶対値|σ|=
0.19±0.03mmであることを特徴とする。
【0016】パイル平均長及びバラツキ幅をこのような
条件とすることにより、常態時において植毛面が顕現せ
ず、意匠性よりも耐摩耗性及び触感(手触り等)を要求
される植毛面を形成するのに適している。
【0017】
【発明を実施するための最良の形態】次に、本発明の植
毛用パイルを製造するための、最良の一実施形態につい
て説明をする。
【0018】本実施形態は,基本的には、布帛から複数
段の粉砕工程及び分級(篩い分け)工程を経て植毛用パ
イル(フロック)を製造する方法である。
【0019】ここで、布帛としては,ゼロエミッション
の見地から、エアバッグ基布裁断後等に発生する布帛端
材(はぎれ)を使用する。布帛を形成する繊維として
は、植毛用パイルとすることができるものなら、特に限
定されない。例えば、6ナイロン、66ナイロン、ポリ
エステル等の極性合成繊維から製造した布帛を好適に使
用できる。
【0020】また、繊維(フィラメント)の太さも、植
毛可能な太さなら特に限定されないが、通常、0.11
〜5.7dtex(デシテックス; 1dtexは1dg/1k
m)からなる布帛を使用する。例えば、エアバッグ基布
用布帛に使用する66ナイロンの場合、太さ:3.3〜
6.6dtexである。
【0021】本実施形態の製造方法における粉砕工程の
流れ図(フローシート)の一例を示す。
【0022】基本的には、第一粉砕工程(一次粉砕、粗
粉砕)を行うカッターミル(中砕機)14、第二粉砕工
程(二次粉砕、粉砕/微粉砕)を行うスクリーンミル
(微粉砕機)16、二次粉砕物(パイル)を回収するパ
イル回収装置19を備えた構成である。
【0023】そして、カッターミル14の手前には、布
帛(被砕物)を送り込むベルトコンベア12が配置され
ている。
【0024】スクリーンミル16は、ミル本体17と、
ミル本体17の投入口に接続される一次サイクロン18
とを備えている。この一次サイクロン18は、カッター
ミル14からエア輸送されてくる一次粉砕物をエアから
分離回収してミル本体17に投入するものである。
【0025】パイル回収装置19は、二次サイクロン2
0と、二次サイクロン20の出口に接続される二股のパ
イル排出シュート21と、パイル排出シュート21の各
シュート出口にフレコンをセット可能なフレコン架台2
2、22とを備えている。ここで、二次サイクロン20
は、スクリーンミル16からエア輸送されてくる二次粉
砕物(パイル)をエアから分離回収するものである。な
お、パイル排出シュート21の各シュート部21a、2
1aには、フレコンに対するパイル充填状態を検知する
レベル計24、24が取り付けられている。そして、各
レベル計24からのパイル充填満了の信号により、パイ
ル排出シュート21の分岐部21bには排出するシュー
ト部21aを他方のシュート部21aに切り替える切替
ダンパ(図示せず)が配置されている。
【0026】そして、カッターミル14とスクリーミル
16のサイクロン18との間、及び、スクリーンミル1
6とパイル回収装置本体19の回収器本体20との間に
は、各粉砕物をエア輸送可能に、それぞれ第一・第二ブ
ロアー(送風機)26、27を備えた一次・二次粉砕物
輸送配管28、29が配置されている。
【0027】さらに、パイル回収装置19の二次サイク
ロン20からのエア出口20aは、ダスト回収配管30
に接続されている(図1参照)。なお、カッターミル1
4と接続されている一次サイクロン18のエア出口18
aは屋外へ直接接続されている。カッターミル14から
は粗砕物のみで集塵機を通すような微粉が含まれていな
いためである。
【0028】なお、図例中、31は操作盤である。ま
た、フレコンとは、Flexible Containerの略で、織布等
で形成した折り畳み可能な容器をいう。
【0029】上記カッターミル14は、布帛を約20m
m以下(望ましくは、10〜15mm)のチップ状に粗
砕するものである。ここで、一次粉砕工程は、一段構成
としたが、必要により複数段構成(カッターミル複数
台)としてもよい。
【0030】また、カッターミルを使用するのは、当該
ミルの粉砕は主としてせん断力によるため、他の、圧
縮、衝撃、摩擦による粉砕に比して、布帛を上記大きさ
のチップ状に粉砕可能なためである。
【0031】なお、一次粉砕に使用する粉砕機は、カッ
ターミルと同様の粉砕結果を得ることができれば、カッ
ターミルに限られず、フェザーミル等のせん断(切断)
ミルであってもよい。カッターミルは、せん断(切断)
ミルの一種である。
【0032】二次粉砕を行うスクリーンミルは、布帛か
ら上記一次粉砕機で得たチップ状粉砕物を、さらに、所
定範囲のパイル長(例えば、0.2〜1.1mm)以下
となるように粉砕するものである。
【0033】ここで、スクリーンミル(メッシュミル)
とは、カッティング又は衝撃により粉砕した粉砕物を、
スクリーンを通して排出し、スクリーンを変更すること
により所定長以下の微粉砕物(パイル)を得られるよう
にしたものである。
【0034】そして、スクリーンミル(メッシュミル)
のタイプは、特に限定されないが、本実施形態では、図
2に示すようなカッティング方式の微粉砕機(メッシュ
ミル)を使用する。
【0035】一次粉砕物は、上部から粉砕室に投入さ
れ、回転刃と固定刃との間で発生に発生するせん断力
(こすれ)を受けて微粉砕された後、スクリーンを通過
して排出される。
【0036】当該スクリーンミル(メッシュミル)17
について、図2に基づいて説明する。
【0037】基本的には、ケーシング31内に、大円弧
断面(270°)のスクリーン32と、スクリーン32
内に同心で配置された回転刃33と、スクリーン32の
開口両端位置で対称的に傾斜して配置された固定刃34
とを備えた構成である。回転刃33は、8個の回転刃要
素(ブレード)35がロータ36の外周面に形成された
八角星形の取付座体にボルト37止めされた構成であ
る。固定刃34は、スクリーン32の外方に円弧状隙間
を有するように形成されたスクリーン受け体38の両端
天井部にボルト39止めして形成されている。
【0038】なお、スクリーン受け体38の底部は材料
落下口38aとされ、排出口41を経て回収ケース43
に落下するようになっている。図例中、40はブレード
微調整押え、42はスクリーン押え、44は冷却水路、
である(図2参照)。
【0039】なお、このスクリーミル16は、粉砕物の
出口(排出口41)付近に温度センサーをセットしてお
き、温度又は電流制御で粗粉砕物の供給を自動停止した
り、開始したりするようになっている。温度センサーを
備えているのは、粉砕時において、粉砕物が溶融し、刃
部に溶着したり、粉砕物相互が溶着したりしないように
するためである。
【0040】次に、上記粉砕プラントを使用して、エア
バッグ基布裁断により発生した端材(布帛)から植毛用
パイルを製造する方法について、説明をする。
【0041】まず、基布端材を、ベルトコンベア12を
介してカッターミル14に供給し、切断作用により基布
端材をチップ状に粉砕(粗砕)する。このときの粉砕物
(チップ)の大きさは、長径で、約20mm以下、望ま
しくは10〜15ミリとする。小さすぎると、後工程で
ある二次粉砕工程で得られる二次粉砕物中に植毛用パイ
ルとして再利用可能な長さ(例えば、0.2〜1.1m
m)のパイルを高含量で得がたい。
【0042】そして、当該チップ状粉砕物は、第一ブロ
アー(送風機)26を備えた第一輸送配管28を介し
て、スクリーンミル16に送り込まれる。
【0043】そして、このスクリーンミル16で微粉砕
をする。この微粉砕により、チップ状粉砕物はパイル状
粉砕物となる。このパイル状微粉砕物のパイル長平均値
は、要求される植毛用パイルの長さに応じて異なるが、
自動車内装品用の植毛用パイルとして使用する場合、パ
イル長平均値:0.6±0.4mmとなるまで微粉砕す
る。
【0044】こうして得た植毛用パイルを含む微粉砕物
は、パイル回収装置19でパイル(製品)として回収す
ると共に、微粉砕屑(ダスト)は、集塵機25で回収す
る。
【0045】こうして調製したパイルは、そのまま植毛
に使用してもよいが、パイル長の幅が広すぎるため、通
常、篩い分け(分級)して使用する。上記のごとく、自
動車内装品用の植毛用パイルとして使用するときは、分
級装置を使用して、パイル長の平均値及びそのバラツキ
幅が、パイル長平均値a=0. 6±0.22mmであ
り、その標準偏差絶対値|σ|=0.19±0.03m
mとなるようにして使用する。
【0046】パイル長平均値が上記範囲外、即ち、パイ
ル長が短すぎても長すぎても植毛製品に適用し難く、ま
た、パイル長平均値aが小さすぎる植毛外観が悪くなる
とともに耐摩耗性及び触感(手触り感)も低下する。逆
に、パイル長平均値aが大きすぎると、作業面で植毛の
際、、パイルの分散性が悪くなり、外観が悪くなり、さ
らには、品質面でも、耐光性が低下するものと推定され
る。
【0047】上記分級は、例えば、図3に示すような回
転型篩い装置50において、網目(スリット目)が36
×60μm である篩いを回転(回転速度50rpm)さ
せて、分級を行う。
【0048】回転型篩い装置50は、パイルを投入する
ためのブロアー(図示せず)等と接続されている投入ホ
ース53と、回転篩い本体55と、回転篩い本体55か
ら自重により落下してくるパイルを受け集める受けシュ
ート57、受けシュート57から落下してきたパイルを
回収する回収箱58とからなる。図例中、60は集荷場
所まで搬出する搬出コンベアとを備えた構成である。
【0049】こうして製造した植毛用パイルは、主とし
て、自動車内装品やウェザストリップの植毛面のパイル
(フロック)として使用可能である。
【0050】このとき、パイル長の平均値及びそのバラ
ツキ幅が、パイル長平均値a=0.6±0.22mmで
あり、その標準偏差σの絶対値|σ|=0.19±0.
03mmであることが望ましい。
【0051】当該範囲とすることにより、後述の試験例
で示す如く、バージンパイル(トウを裁断して調製した
パイルで長さ分布幅が狭い:|σ|が0.1以下)と比
較した場合、耐摩耗性及び触感が良好となる。
【0052】そして、 自動車内装品としては、各種ボッ
クス類(グラブボックス、コンソールボックス等)の内
側植毛面のパイルとして使用することが望ましい。上述
のごとく、 本発明の製造方法で調製したパイルは、パイ
ル長のバラツキ幅の小さいものを得ようとすると、 分級
に手間がかかる。このため、 分級に手間のかからないバ
ラツキ幅の大きなものを使用可能な上記ボックス類の内
側植毛面用パイルとして通常使用する。
【0053】
【実施例】次に、本発明の効果を確認するために行った
実施例について説明をする。
【0054】まず、下記使用のエアバッグ基布端材(6
6ナイロン平織、糸太さ:3.3dtex)を、図1に示す
流れ図(フローシート)において、下記仕様の各装置を
用いて、下記条件で順次、一次粉砕(粗粉砕)、二次粉
砕(微粉砕)を行って得た微粉砕物を、前述の回転ふる
い装置(図3)を用いて分級して、実施例に使用する植
毛用パイルを調製した。なお、 二次粉砕に使用するスク
リーンミルにおいて、内部温度を60℃以下に制御する
ため、定格電流値を60Aに制御して運転した。
【0055】一次粉砕・・・ カッターミル(中砕機)「Z
1−420」ホーライ(株)製、粉砕物大きさ:18m
m 二次粉砕・・・ スクリーンミル(図2のカッティング方式
タイプ)「HA8−3070−50E;37kW」ホー
ライ(株)製、回収パイル長さ:0.2〜1.1mm
【0056】なお、 比較例の植毛用パイルは、66ナイ
ロンフィラメント(太さ:3.3dtex)の束(トウ:to
w)を、設定パイル長:0.5mmとなるように裁断し
て調製したものを使用した。
【0057】そして、上記で調製した各植毛用パイルに
ついて、 パイル長の平均とそのバラツキ(標準偏差絶対
値|σ|)を求めた、それらの分布図を図4に示す。
【0058】図4から求めた各結果は下記の如くであ
る。
【0059】実施例パイル…パイル長平均:約0.6m
m、|σ|:約0.19 比較例パイル…パイル長平均:約0.5mm、|σ|:
約0.09 実施例と比較例は、 パイル長の平均値は、 ほぼ同じであ
るが、 標準偏差(σ)において実施例が比較例に比して
格段に大きく、 バラツキが大きいことが分かる。
【0060】また、上記で調製した各植毛用パイルを使
用して、 PP(ポリプロピレン)及びABS樹脂の2種
類基材(120mm□×2mmt )に対して、 プライマ
ー(アクリル樹脂ベースの水系接着剤)を塗布し、下記
条件で静電植毛を行って試験片を調製した。
【0061】植毛条件:汎用の静電植毛装置を用い、電
圧:70kV、電流:0.1mmA以下、湿度:40%
RH(12℃)、そして、 各試験片について、 下記項目
の試験を行った。
【0062】(1)摩耗性1(平面摩耗) 矩形試験片(幅40mm×長さ120mm)を摩耗子
(R10の鋼材に綿帆布6号で被覆したもの)が取り付
けられたフォード摩耗試験機に固定して、試験片表面を
下記条件で摩耗させた後、摩耗状態を目視判定した。判
定は、表1に示す基準で行い3級以上を合格とした。
【0063】試験条件…ストローク:70mm、往復速
度:60±10回/min 、荷重:4.9N、往復移動回
数:2000回、
【0064】
【表1】
【0065】(2)摩耗性2(スクラッチ) 円板試験片(120mmφ)をWC製カッター(断面
4.8mm□、先端2.5mmR)が取り付けられたテ
ーパスクラッチテスタのテーブルに固定し、試験片に荷
重:1.96Nを負荷しながら、試験片表面をゆっくり
1/3〜1/2回転回わして、傷つき状態を目視判定し
た。判定は、表2に示す基準で行い3級以上を合格とし
た。
【0066】
【表2】
【0067】(3)耐光性 矩形試験片(幅50mm×長さ60mm)を、その裏面
にスラブウレタンフォーム(10mmt)添えて、高温
型フェドオメータに取り付け、下記条件で耐光試験を2
00h行った。判定は、表3に示す基準で行い3級以上
を合格とした。
【0068】試験条件…カーボンアーク灯:2kW1
灯、光源/試験片間距離:25 0mm、機内温度:60
±5℃、ブラックパネル温度:83±3℃、湿度:40
±10%RH、
【0069】
【表3】
【0070】これらの結果を表4に示すが、 実施例(リ
サイクルパイル)の植毛面は、 比較例(バージンパイ
ル)に比して摩耗性(平面摩耗・スクラッチとも)明ら
かに有意差をもって優れていた。
【0071】また、耐光性も同等であり、実用的には問
題がないことが分かった。
【0072】
【表4】
【0073】(4)触感(手触り性) 本発明の粉砕パイルがバージンパイルとの触感と同レベ
ル以上であるかを確認することを目的として、25人の
パネラー(20〜50代の男女)が、利き手で触り、バ
ージンパイルによる植毛と比較してどちらがよいかを、
「良い」、「同等」、「悪い」で判定して、「良い」、
「悪い」の人数を数えた。
【0074】その結果は、「良い」…10人、「同等」
…8人、「悪い」…7人であった。この結果から、本発
明の粉砕パイル(実施例)は、少なくともバージンパイ
ル(比較例)と優るとも劣らない手触り性を示すことが
分かる。
【0075】
【発明の効果】本発明の植毛用パイルの製造方法は、上
記構成により、下記のような作用・効果を奏するもので
ある。
【0076】エアバック基布の端材(はぎれ)の更なる
有価物化が要望に応えることができる。即ち、エアバッ
グ基布裁断後等の布帛の端材から製造した場合に、ゼロ
エミッション(zero emission:産業廃棄物ゼロ)達成に
寄与するものである。
【0077】さらに、本発明の植毛用パイルを分級して
所定平均長及びバラツキ幅として植毛製品を調製したと
きは、耐摩耗性及び触感に優れたものが得られる。即
ち、エアバッグの有価物化の促進がより容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の植毛用パイルの製造方法に使用する粉
砕工程流れ図(フローシート)
【図2】本発明の二次粉砕に使用するスクリーンミルの
一例における断面図
【図3】本発明の二次粉砕後の分級に使用する回転篩い
装置の一例を示すモデル断面図
【図4】実施例および比較例の各植毛用パイルの分布図
【符号の説明】
14 カッターミル(中砕機) 16 スクリーンミル(微粉砕機) 19 パイル回収装置
フロントページの続き (72)発明者 矢島 由香里 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 井上 新一朗 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 Fターム(参考) 4D065 CA16 CC01 DD26 EA05 EB11 4D067 DD02 DD08 GA11 GB01 GB03 GB07 4F055 BA30 DA07 EA05 EA07 FA10 GA40

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布帛(フハク)から植毛用パイル(フロ
    ック)を製造する方法であって、前記布帛から複数段の
    粉砕工程、及び分級(篩い分け)工程を経て前記フロッ
    クを製造することを特徴とする植毛用パイルの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記粉砕工程が、カッターミルによる一
    次粉砕工程及びスクリーンミルによる二次粉砕工程を含
    むことを特徴とする請求項1記載の植毛用パイルの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記布帛が廃材(端材)であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の植毛用パイルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記布帛がエアバッグ用基布の端材であ
    ることを特徴とする請求項1、2又は3記載の植毛用パ
    イルの製造方法。
  5. 【請求項5】 パイル長平均値及びそのバラツキ幅が、
    パイル長平均値a=0. 6±0.22mmであり、その
    標準偏差σの絶対値|σ|=0.19±0.03mmで
    あることを特徴とする植毛用パイル。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3又は4記載の製造方法
    により製造されたものであることを特徴とする請求項5
    記載の植毛用パイル。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の植毛用パイルで植毛面が
    形成されていることを特徴とする植毛高分子成形品。
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