JP2002286860A - 地下水シミュレーション装置および地下水シミュレーションの物質輸送パラメータ決定方法 - Google Patents

地下水シミュレーション装置および地下水シミュレーションの物質輸送パラメータ決定方法

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JP2002286860A
JP2002286860A JP2001086223A JP2001086223A JP2002286860A JP 2002286860 A JP2002286860 A JP 2002286860A JP 2001086223 A JP2001086223 A JP 2001086223A JP 2001086223 A JP2001086223 A JP 2001086223A JP 2002286860 A JP2002286860 A JP 2002286860A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】少ないシミュレーションで精度よく物質輸送パ
ラメータを見付けることができるようにする。 【解決手段】移流分散遅延モデルの要素である対象物質
の流れ方向分散係数aL及び遅延係数RdのうちRdは所
望の固定値r0を用いると共にaLは複数種を用いこれら
複数種それぞれでの物質の濃度分布又は特定地点の濃度
を経過時間対応に算出する物質輸送解析手段10と、所要
経過時間mを置いて解析対象地での実測にて得た地下水
中の物質の濃度分布或いは特定地点の物質濃度を実測値
情報として用いこれと物質輸送解析手段の算出結果とを
比較して算出結果のうち実測値情報に対する類似度が高
い算出結果を選定し当該算出結果の取得に用いた流れ方
向分散係数を流れ方向分散係数として決定し該算出結果
の該当する経過時間nと実測での経過時間mから遅延係
数をr0×m/nとして求める手段10を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下水中の物質の
能動分布変化をシミュレーションする技術に係わり、特
に地下水に混入する汚染物質の移動・拡散機構を把握す
るための物質輸送パラメータを算出する地下水シミュレ
ーション装置および地下水シミュレーションの物質輸送
パラメータ決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば産業廃棄物貯蔵施設や廃液貯留
施設などからの汚染物質浸透による地下水汚染の浄化処
理を実施しようとする場合、対象地域内の汚染状況と地
下水の動きなどを調べて、どのように作業を進めるかを
決める必要がある。
【0003】そのためには、地下水汚染の進行経過の解
析や地下水浄化の将来予測を行わねばならないが、従来
における地下水汚染の進行経過の解析や地下水浄化の将
来予測には、コンピュータを用いた数値シミュレーショ
ンが利用されている。
【0004】そして、例えば、揚水井戸による地下水浄
化システムを構築あるいは改良することを計画している
場合に、地下水浄化予測シミュレーションは、浄化進展
を予測したり、最適な井戸配置を決めるための有力な手
段となっている。
【0005】地下水シミュレーションを行うシミュレー
ション装置は図10のような構成である。
【0006】すなわち、図において1はプロセッサ(C
PU)であり、2はキーボードやポインティングデバイ
ス(マウスやトラックボールなど)の入力装置、3は表
示装置で、CPU1による演算処理結果の表示やメニュ
ー画面表示、あるいは入力装置2によるコマンド入力や
データ入力の結果の表示などを行うディスプレイであ
る。4および5はそれぞれ記憶装置であって、CPU1
の実行する解析プログラムやその解析プログラムの実行
により得られた解析結果の格納、演算処理の作業領域な
どに利用される。6は外部記憶装置であり、7はプリン
タ装置である。
【0007】CPU1に実行させる解析プログラムの持
つ解析プロセスは図11に示すように、地下水流れ解析
AnlAと地下水中の物質移動解析AnlBの2つの部
分に大きく分けられる。
【0008】地下水流れ解析AnlAは、ある土地の所
望地点に、ある流量で地下水を汲み上げたり、水を注入
したりする井戸を配置してなる浄化システム構成を採っ
た場合における地下水の流れのシミュレーションを行う
ためのものであって、その基本方程式は式(1)に示す
如きである。ここでは簡略な2次元解析の式を示す。
【0009】
【数1】
【0010】ここで、x,yは座標、hは水頭、Txxは
透水量係数(=帯水層厚さb×透水係数)、Qは井戸流
量、Sは貯留係数である。
【0011】従来においては、この地下水流れ解析An
lAを実施するに当たり、流れ・物質輸送共通設定(解
析領域、節点・要素作成、浄化システム構成(井戸配
置、井戸流量)、帯水層パラメータ(透水係数、帯水層
厚、有効間隙率など)の設定)を行い(ステップS
1)、次に流れ解析条件設定(水頭境界条件、計算条件
設定(定常・非定常など))を行い(ステップS2)、
これらに基づいて式(1)の演算を行う。これにより、
地下水流れ解析をする。
【0012】すなわち、地下水流れ解析AnlAによる
地下水流れシミュレーションは、現地で実際に観測して
得られる地下水面の勾配や帯水層の厚さ、透水係数、貯
留係数など帯水層パラメータを用い、解析対象とする地
域について、適宜、井戸を配置すると地下水はどう流れ
るかを演算して解析する。
【0013】また、地下水中の物質移動解析AnlB
は、地下水による物質輸送シミュレーションであって、
地下水中の物質の移動をシミュレーションするものであ
り、地下水流れシミュレーションで得られた地下水の流
れの下で、地下水中の汚染物質がどのように移動するか
を演算して解析する。この物質移動解析AnlBに用い
られるのが、物質輸送の基本方程式である。当該物質輸
送の基本方程式は良く知られているように、式(2)及
び式(3)に示される如きのものであって、これらは移
流分散遅延モデルと呼ばれる。
【0014】
【数2】
【0015】ここでは,説明を簡略にするため,地下水
流れの方向がx軸方向に一致する場合の2次元解析の式
を示した。
【0016】上記式(2)において、cは物質の濃度、
φは有効間隙率で、土の隙間の割合であり、bは帯水層
厚さで、地下水は深さのある程度決まったところに存在
するがその地下水の存在する位置での地下水の分布する
厚みである。また、Dxxはx軸方向つまり流れ方向の水
理分散係数、そして、Dyyはy軸方向つまり流れに垂直
な方向の水理分散係数であって、これらはいずれも物質
と土の持つ性質との影響を受けてその物質の分散してい
く大きさを表すものであり、これを方向成分別に表した
水理分散係数である。また、u,vは地下水の持つ流速ベ
クトルのx成分とy成分で、Rdは遅延係数であって、土
にくっついたり、離れたりすることにより、地下水の流
れよりも遅くなる前記物質の流れの遅れを示す数、cw
は井戸から流入させる物質の濃度を示す。このcwはシミ
ュレーションする上で井戸から汚染物質を流し込んだ場
合の様子をみるために計算式上、設けた要素である。
【0017】上記式(3)は、地下水流れの方向がx軸
方向に一致する場合の水理分散係数を地下水の流れ方向
とその垂直方向とに分けてその内容を表したもので、x
軸方向での水理分散係数Dxxは地下水の流れ方向での水
理分散係数の内容であり、y軸方向の水理分散係数Dyy
は地下水の流れ方向と垂直方向での水理分散係数の内容
である。
【0018】そして、aLは地下水の流れ方向分散係数
であって、地下水の流れ方向に対する物質の分散を示す
ものであり、aTは垂直方向の分散係数であって、地下
水の流れに垂直な方向での物質の分散を示すものであ
る。また、Dmは物質の分子拡散定数であって、濃度差
があると物質は濃い方から薄い方に拡散する性質を持つ
ので、その拡散の傾向を定数として与えるものである。
Vは流速ベクトルの大きさで、地下水の持つ流速のベク
トルの大きさである。
【0019】この式(2)と(3)により地下水中の物
質の移動が計算できる。
【0020】従来においては、地下水中の物質の移動を
シミュレーションする物質輸送シミュレーション(上記
地下水中の物質移動解析AnlB)は、地下水流れシミ
ュレーションで得られた流れのもとで、地下水中の汚染
物質の移動を、式(2)及び式(3)に示される物質輸
送の基本方程式にて解析する。
【0021】ここでは、物質輸送解析の条件(分散係
数、遅延係数などの物質輸送パラメータおよび初期濃度
分布)を設定し(ステップS3)、この設定した条件を
用い、地下水流れシミュレーションで得られた流れのも
とで、地下水中の汚染物質の移動を解析する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】従来方法の場合、上記
の式(2)及び式(3)からわかるように、地下水によ
る物質輸送を解析するには、種々のパラメータが必要と
なる。そして、パラメータは実測により得ることになる
が、それでも分散係数aL,aT、遅延係数Rdと云った
物質輸送パラメータについては、ものにより変動し、ま
た、測り方により変動するので正しい値が見付けにく
い。
【0023】これら分散係数や遅延係数Rdと云った物
質輸送パラメータは、一般には汚染物質の種類や帯水層
の土壌によって変化する各々独立のパラメータであっ
て、互いの関連性は全くないパラメータである。そし
て、これらの物質輸送パラメータの中で特に寄与が大き
いのは、流れ方向分散係数aLと遅延係数Rdである。従
って、以下では、影響の大なるこの2つの物質輸送パラ
メータに限って考えることとし、また、分散係数は流れ
方向分散係数aLを表すことにする。
【0024】ここで、これら2種の物質輸送パラメータ
を算出するには、室内実験で行う方法と、現場のデータ
を使う方法とがある。しかし、室内実験では現場の土質
の不均一性などを再現するのが困難であり、従って、得
られた結果が現場には適用できない問題があり、現場の
データが不可欠である。故に現場のデータ、すなわち、
実測値から求めるようにせざるを得ない。
【0025】現場の実際のデータを解析して流れ方向分
散係数aLと遅延係数Rdを得るには、次のような方法を
用いる。
【0026】いま、ある浄化システムにおいて初期状態
での地下水汚染物質の濃度分布と、ある期間浄化運転を
した後の地下水汚染物質の濃度分布、およびいくつかの
観測井戸での地下水汚染物質濃度の時間変化が観測され
ているとする。
【0027】また、地下水の流れ解析に必要な帯水層パ
ラメータは得られており、現場の地下水の流れは解析可
能であるとする。
【0028】そして、最初に観測された地下水の汚染物
質についての濃度分布を初期状態とし、解析した地下水
流れのもとで、物質輸送パラメータをある値と仮定して
物質輸送シミュレーションを行うと、その値のもとにお
ける濃度分布(地下水の汚染物質に対する濃度分布)の
時間変化、あるいは観測井戸での汚染物質の濃度変化を
計算することができる。このときに、物質輸送パラメー
タを種々変化させてシミュレーションを行うと、それぞ
れで違った濃度分布の変化となる。
【0029】そこで、物質輸送パラメータを種々変化さ
せてシミュレーションを繰り返えせば、得られた結果の
中には、観測された濃度分布の時間変化や観測井戸での
濃度変化を最も良く再現する物質輸送パラメータの組み
合わせが存在していると考えることができる。そして、
観測された濃度分布の時間変化や観測井戸での濃度変化
を最も良く再現する物質輸送パラメータの組み合わせを
見付けることができれば、その物質輸送パラメータを用
いてシミュレーションすることで、対象の浄化システム
での濃度分布の時間変化や観測井戸での濃度変化の様子
を再現でき、地下水に混入する汚染物質の移動・拡散機
構を解析できる。しかも、これが旨くいけば、実際の観
測値は少なくて良いことになる。
【0030】しかしながら、実際にこのようなシミュレ
ーション作業を行うとし、例えば、流れ方向分散係数を
10段階、遅延係数も10段階変化させたとすると、こ
れらのパラメータ間には関連がないから、合計10×1
0=100回ものシミュレーションが必要になる。従っ
て、物質輸送パラメータを種々変化させてシミュレーシ
ョンを繰り返えすと言っても、それには非常に手間と時
間がかかることになる。
【0031】一方、観測により得られた汚染物質の濃度
分布データは、十分であることは稀であり、むしろ不十
分なことの方が多い。地下水の場合、溶け込んでいる汚
染物質の濃度分布が変化するには数ヶ月以上かかること
が多く、長期にわたって観測を続けるには手間と費用が
掛かる他、多数の観測井戸のデータを集めるには対象地
域内に多数の観測井戸を掘り、その各観測井戸で測定を
続ける必要があることから、これもまた手間と費用が掛
かることになる。
【0032】従って、現実の要求としては、少ない観測
値とシミュレーションにより、地下水の汚染物質に対す
る濃度分布の時間変化、あるいは観測井戸での汚染物質
の濃度変化を計算しなければならないことになる。
【0033】しかし、この場合、観測誤差が大きな問題
となってくる。例えば、実測による地下水汚染物質の濃
度分布データが初期状態と、6ヶ月後の2つしかないよ
うな場合を考えてみる。この場合に、シミュレーション
については、流れ方向分散係数を10段階、遅延係数を
10段階変化させたとして、10×10=100回のシ
ミュレーションを行ったとする。
【0034】しかし、これら100個の解析結果の中に
は似通った濃度分布変化を与える組み合わせがいくつも
あることが考えられ、このことを考えると、どれが最も
再現性が良いのかを判定するのは難しい。
【0035】しかも、似通った組み合わせの中から、い
ずれかを観測された濃度分布の時間変化や観測井戸での
濃度変化を最も良く再現する物質輸送パラメータの組み
合わせとして選択したとしても、その選択が正しいとい
う保証はないから、最終的に選択した物質輸送パラメー
タにあいまいさが残る。たとえ、流れ方向分散係数およ
び遅延係数を、それぞれ10段階でなく更にそれ以上に
増やして膨大な種類のシミュレーションを行ったとして
も、最終的に選択した物質輸送パラメータにあいまいさ
が残る点は変わりない。
【0036】そのため、十分な量の観測結果と観測点を
確保できない限り、いくら多くのシミュレーションを行
ってみても地下水に混入する汚染物質の移動・拡散機構
を、精度良く把握することはできないばかりでなく、シ
ミュレーション自体も無駄となってしまう。
【0037】現実を考えると、コストや手間を無視する
ことは出来ないから、十分な量の観測結果と観測点を確
保することは無理であり、従って、できるだけ少ない観
測結果と観測点を用い、できるだけ少ないシミュレーシ
ョンによって、精度良く物質輸送パラメータを求めるこ
とができて、地下水に混入する汚染物質の移動・拡散機
構を精度良く把握できるようにする技術の確立が急務で
ある。
【0038】従って、本発明の目的とするところは、上
記の問題を解決すべく、できるだけ少ない観測結果と観
測点を用い、且つ、できるだけ少ないシミュレーション
によって精度よく物質輸送パラメータを見付けることが
できるようにして、地下水に混入する汚染物質の移動・
拡散機構を精度良く把握できるようシミュレーションす
ることができるようにした地下水シミュレーション装置
ならびにシミュレーション方法を提供することにある。
【0039】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次のように構成する。すなわち、地下水の
流れの解析を行う地下水流れ解析処理と、この地下水流
れ解析処理にて得られる流れの条件下で移流分散遅延モ
デルにより流れ方向分散係数と遅延係数を物質輸送パラ
メータとして地下水中の物質移動解析とを行うシミュレ
ーション装置において、前記移流分散遅延モデルの要素
である地下水中の対象物質の地下水流れ方向に対する分
散を表す流れ方向分散係数aLおよび地下水の流れに対
する地下水中の対象物質の移動の遅れを表す遅延係数R
dのうち、前記遅延係数Rdは所望の固定値r0を用いる
と共に、流れ方向分散係数aLは複数種を用い、これら
複数種それぞれにおける前記物質の濃度分布または特定
地点の濃度を経過時間対応に算出する物質輸送解析手段
と、所要の経過時間mをおいて解析対象地での実測によ
り得られた物質の濃度分布を実測値情報として用い、こ
の実測値情報と前記物質輸送解析手段の算出結果とを比
較して、前記算出した結果のうち、前記実測値情報に対
する類似度が高い算出結果を選定し、当該算出結果の取
得にあたって用いた流れ方向分散係数を以て流れ方向分
散係数として決定し、かつ、この算出結果の該当する経
過時間nと、前記実測での経過時間mから遅延係数をr0
×m/nとして決定する遅延係数決定手段と、を具備す
ることを特徴とする。
【0040】また、前記遅延係数Rdとして用いる所望
の固定値r0は“1”とする。
【0041】このような構成において、前記移流分散遅
延モデルの要素である地下水中の対象物質の地下水流れ
方向に対する分散を表す流れ方向分散係数aL および地
下水の流れに対する地下水中の対象物質の移動の遅れを
表す遅延係数Rdのうち、前記遅延係数は所望の固定値
r0に定めると共に、流れ方向分散係数は変更してそれ
ぞれにおける時間経過に伴う前記物質の濃度分布または
特定地点の濃度を得るべく、経過時間別にそれぞれ算出
する。そして、解析対象地において所要の経過時間mを
置いて実測することにより得られた地下水中の物質の濃
度分布あるいは特定地点の物質の濃度と前記算出結果と
を比較して、前記算出した結果のうち、前記実測値に最
も良く一致する算出結果を選定し、当該算出結果の取得
にあたって用いた流れ方向分散係数を以て流れ方向分散
係数aLとして決定し、かつ、この算出結果の該当する
経過時間nと、前記実測での経過時間mから遅延係数を
r0×m/nとして算出する。
【0042】このようにして、決定された流れ方向分散
係数aLと遅延係数Rdを用いてシミュレーションを行
う。
【0043】流れ方向分散係数aLと遅延係数Rdは地下
水中の物質移動解析を行う場合での要素として寄与の大
きい重要度の高い要素であるが、これらは物により変動
し、また、測り方によって変動して正しい値が見付け難
い。
【0044】そこで、二つの変数をそれぞれ変えながら
最適値を探すこととなるが、実際上、それは大変である
ので、本発明では、前記2つの要素のうち、一方を固定
して他方の最適値を探すようにした。
【0045】一方が固定ならば最適値を探すのは1変数
のみの探索であるので2変数の探索より遙かに楽であ
る。そして、2つの要素のうち、変数とした場合に濃度
分布に変化が表れるのは流れ方向分散係数aLであるか
ら、流れ方向分散係数aLを変数とし、遅延係数Rdは固
定値とした。すなわち、遅延係数を変えても濃度分布の
変化は見えず、流れ方向分散係数aLを変えないと濃度
分布の変化が見えない。そこで、流れ方向分散係数aL
を変数とし、遅延係数Rdは固定値とした。
【0046】従って、例えば、解析対象地での地下への
物質浸透による地下水の前記物質の濃度分布変化シミュ
レーションをする場合などにおいて、流れ方向分散係数
および遅延係数を精度良く且つ迅速に決定することがで
きるようになり、精度の高いシミュレーションが行える
ようになる。
【0047】また、遅延係数Rdを“1”とすると、計
算が単純化されるので処理が簡単化され、迅速にできる
ようになる効果がある。
【0048】また、本発明は、地下への物質浸透による
地下水の前記物質の濃度分布変化をシミュレーションす
るに当たり、地下水の流れの解析を行う地下水流れ解析
処理と、この地下水流れ解析処理にて得られる流れの条
件下で移流分散遅延モデルにより地下水中の物質移動解
析を行う地下水シミュレーションに用いる物質輸送パラ
メータ決定方法として、前記移流分散遅延モデルの要素
である地下水中の対象物質の地下水流れ方向に対する分
散を表す流れ方向分散係数および地下水の流れに対する
地下水中の対象物質の移動の遅れを表す遅延係数Rdの
うち、前記遅延係数は所望の固定値r0に定めると共
に、流れ方向分散係数は変更してそれぞれにおける前記
物質の濃度分布または特定地点の濃度を経過時間対応に
算出し、解析対象地において所要の経過時間mをおいて
実測することにより得られた対象物質の濃度分布あるい
は特定地点での対象物質の濃度の実測値情報と比較し
て、前記算出した結果のうち、前記実測値情報に対する
類似度が高い算出結果を選定し、且つ、当該算出結果の
取得にあたって用いた流れ方向分散係数を以て流れ方向
分散係数として決定し、かつ、この算出結果の該当する
経過時間nと、前記実測での経過時間mから遅延係数を
r0×m/nとして決定するようにした。そして、これら
決定した流れ方向分散係数および遅延係数をシミュレー
ションに用いるようにした。
【0049】流れ方向分散係数aLと遅延係数Rdは地下
水中の物質移動解析を行う場合での要素として寄与の大
きい重要度の高い要素であるが、これらは物により変動
し、また、測り方によって変動して正しい値が見付け難
い。
【0050】そこで、本発明では、前記2つの要素のう
ち、一方を固定して他方の最適値を探すようにした。一
方が固定ならば最適値を探すのは1変数のみの探索であ
るので2変数の探索より遙かに楽である。そして、2つ
の要素のうち、変数とした場合に濃度分布に変化が表れ
るのは流れ方向分散係数aLであるから、流れ方向分散
係数aLを変数とし、遅延係数Rdは固定値とした。
【0051】従って、流れ方向分散係数および遅延係数
を精度良く且つ迅速に決定することができるようにな
り、精度の高いシミュレーションが行えるようになるな
ど、優れた効果の期待できる物質輸送パラメータの決定
方法を提供できる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0053】(第1の実施の形態)産業廃棄物貯蔵施設
や廃液貯留施設などからの汚染物質浸透による地下水汚
染の浄化処理を実施しようとする場合、対象地域内の汚
染状況と地下水の動きなどを調べて、どのように作業を
進めるかを決める必要があり、そのためには、地下水汚
染の進行経過の解析や地下水浄化の将来予測を行わねば
ならないが、それには以下に説明する実施の形態におい
ても、地下水流れ解析AnlAと地下水中の物質移動解
析AnlBとを用いるようにする。
【0054】そして、地下水流れ解析AnlAによる地
下水流れシミュレーションには、現地で実際に観測して
得られた地下水面の勾配や帯水層の厚さ、透水係数、貯
留係数などの帯水層パラメータを用い、解析対象とする
地域について、適宜、井戸を配置し、境界条件を設定し
て解析を行う。
【0055】また、地下水中の物質の移動をシミュレー
ションするには地下水中の物質移動解析AnlBによ
り、地下水による物質輸送のシミュレーションをすれば
良い。そして、この物質輸送シミュレーションは、上記
地下水流れシミュレーションで得られた流れの下で地下
水中の汚染物質の移動を解析するが、物質輸送の解析に
用いられる基本方程式は式(2)及び式(3)に示され
る如きである。
【0056】地中に染み込んだ汚染物質が地下水に溶け
込んで分散していく様子をシミュレートするのであるか
ら、ここで重要なのは分散係数と遅延係数である。
【0057】すなわち、ある浄化システムにおいて初期
状態と、ある期間にわたり浄化運転をした後の地下水汚
染物質の濃度分布、およびいくつかの観測井戸での地下
水汚染物質濃度の時間変化が観測されているとし、ま
た、地下水の流れ解析に必要な帯水層パラメータは得ら
れており、現場の地下水の流れは解析可能であるとす
る。
【0058】そして、最初に観測された地下水の汚染物
質についての濃度分布を初期状態とし、解析した地下水
流れのもとで、物質輸送パラメータをある値と仮定して
物質輸送シミュレーションを行うと、地下水の汚染物質
に対する濃度分布の時間変化、あるいは観測井戸での汚
染物質の濃度変化を計算することができる。このとき
に、物質輸送パラメータを変化させると、違った濃度分
布の変化となる。
【0059】そこで、この作業を繰り返すことにより、
得られた結果の中から観測された濃度分布の時間変化や
観測井戸での濃度変化を最も良く再現する物質輸送パラ
メータの組み合わせを求めることになるが、実際にこの
ような作業を行う場合、例えば、流れ方向分散係数を1
0段階、遅延係数も10段階変化させたとすると、合計
10×10=100回ものシミュレーションが必要にな
る。
【0060】上記の式(2)および式(3)からわかる
ように、地下水による物質輸送を解析するには、分散係
数、遅延係数などのパラメータ(物質輸送パラメータ)
が必要になり、しかも、これらの物質輸送パラメータ
は、一般には汚染物質の種類や帯水層の土壌によって変
化する各々独立したパラメータである。そして、これら
のパラメータの中で特に寄与が大きいのは、流れ方向分
散係数aLと遅延係数Rdである。
【0061】現場の状況にマッチしたこれら流れ方向分
散係数aLと遅延係数Rdの二種の物質輸送パラメータを
求めることができれば精度の高いシミュレーションを行
うことができるわけであるが、流れ方向分散係数aL
遅延係数Rdの二種とは言え、種々の組み合わせを検証
していたのでは大変である。
【0062】そこで、本実施の形態においては、遅延係
数Rdを固定値とし、流れ方向分散係数aLを変数として
扱うことで、少ない組み合わせで流れ方向分散係数aL
と遅延係数Rdの二種のパラメータの最適値を見つけ出
すことができるようにする。具体的には次の如く実現す
る。
【0063】すなわち、本発明の第1の実施の形態は、
少ない組み合わせで流れ方向分散係数aLと遅延係数Rd
の二種のパラメータの最適値を見つけ出すことができる
ようにするために、一方を固定値にした上で、系統的に
流れ方向分散係数と遅延係数を算出することにより、合
理的に最適値を見付ける方法を提供する。
【0064】地下水シミュレーションを行う本発明のシ
ミュレーション装置は図1のような構成である。
【0065】すなわち、図において10はプロセッサ
(CPU)であり、2はキーボードやポインティングデ
バイス(マウスやトラックボールなど)の入力装置、3
は表示装置で、CPU10による演算処理結果の表示や
メニュー画面表示、あるいは入力装置2によるコマンド
入力やデータ入力の結果の表示などを行うディスプレイ
である。4および5はそれぞれ記憶装置であって、CP
U10の実行する解析プログラムやその解析プログラム
の実行により得られた解析結果の格納、演算処理の作業
領域などに利用される。6は外部記憶装置であり、7は
プリンタ装置である。
【0066】CPU10に実行させる解析プログラムの
持つ解析プロセスは従来同様、図11に示すように、地
下水流れ解析AnlAと地下水中の物質移動解析Anl
Bの2つの部分に大きく分けられる。
【0067】地下水流れ解析AnlAは、地下水の流れ
のシミュレーションを行うためのものであって、その基
本方程式は式(1)に示す如きである。
【0068】本実施の形態においても従来と同様、この
地下水流れ解析AnlAを実施するに当たり、操作者は
入力装置2を操作して、実測に基づいて取得した流れ・
物質輸送共通設定(解析領域、節点・要素作成、浄化シ
ステム構成(井戸配置、井戸流量)、帯水層パラメータ
(透水係数、帯水層厚、有効間隙率など)の設定)を行
い、次に流れ解析条件設定(水頭境界条件、計算条件設
定(定常・非定常など))を行う。そして、CPU10
は、これらの設定値に基づいて式(1)の演算を行っ
て、地下水流れシミュレーションをする。
【0069】すなわち、地下水流れ解析AnlAによる
地下水流れシミュレーションは、現地(解析対象地)で
実際に観測して得られる地下水面の勾配や帯水層の厚
さ、透水係数、貯留係数など帯水層パラメータを用い、
解析対象とする地域について、適宜、井戸を配置し、境
界条件を設定して行う。
【0070】また、地下水中の物質移動解析AnlB
は、地下水による物質輸送シミュレーションであって、
地下水中の物質の移動をシミュレーションするものであ
り、地下水流れシミュレーションで得られた流れの下で
式(2)及び式(3)による移流分散遅延モデルを演算
して地下水中の汚染物質の移動を解析する。
【0071】上記式(3)は、地下水の流れのx方向で
の水理分散係数の内容であり、aLは地下水の流れ方向
分散係数、aTは垂直方向の分散係数であって、地下水
の垂直な方向での分散係数である。また、Dmは物質の
分子拡散定数、Vは流速ベクトルの大きさで、地下水の
持つ流速のベクトルの大きさである。
【0072】ここで必要なのは、現地の実態にマッチし
た分散係数aと遅延係数Rdである。これを求めるに
当たり、本発明では遅延係数Rdを固定化し、分散係数
をいろいろに変えてシミュレーションした結果か
ら、実測値における経過日数(初期状態と定めた時点か
らの変化をみるために実測を行った時点までの経過時
間)とそのときの地下水の物質濃度値が近い値を示した
モデルを以て解とし、そのモデルの持つ分散係数a
遅延係数Rdを最適解として採用するようにする。
【0073】遅延係数Rdは式(2)からわかるよう
に、時間の経過をRd倍にする性質がある。例えば、遅
延係数Rd=1のときにおける経過時間10日後の濃度
分布は、Rd=10のときにおける経過時間100日後
の濃度分布に等しくなる。この性質を利用すると、観測
されたある期間後の濃度分布、あるいは観測井戸での濃
度変化は、遅延係数Rd=1での解析結果から算出でき
る。第1の実施の形態ではこの性質を利用する。
【0074】その処理手順は図2のフローチャートに示
した如きであり、図1のCPU10により、以下の処理
を実行させることで解を得る。具体的には次の解析例で
説明する。
【0075】流れ解析は、まず、変数としての所望の分
散係数aを設定する(ステップS11)。操作者は入
力装置2を操作して所望の分散係数を入力することで行
う。このとき、操作者は遅延係数Rdについては所望の
固定値に設定するものとする。
【0076】入力が終わるとCPU10は、物質輸送解
析を実施する(ステップS12)。具体的には、初期濃
度分布に観測結果を使用し、遅延係数Rdを所望の値r0
に固定して時間変化解析を行う。
【0077】次に、CPU10は、観測された濃度分布
と井戸の濃度変化を比較し(ステップS13)、最も一
致する計算期間を算出する(ステップS14)。そし
て、CPU10は観測期間と計算期間の比に、固定値r
0を掛けて遅延係数Rdを算出する(ステップS15)。
そして、算出結果を比較し、観測期間と最も良く一致す
るものを以て分散係数aLと遅延係数Rdを決定する(ス
テップS16)。この決定結果はCPU10より表示装
置3に送られ結果が表示され、また、必要に応じてプリ
ンタ装置7に送られてプリントされ、また、外部記憶装
置6に記憶される。
【0078】具体例を示す。ここでは、流れ方向分散係
数を5[m]、遅延係数Rdを10とした場合の解析結
果を観測データに見立てて、これらのパラメータを算出
してみることにする。
【0079】図3が解析対象地での地下水物質の初期濃
度分布であり、合わせて揚水井戸および観測井戸それぞ
れの位置を示した。この場合での初期濃度分布は、解析
対象地においての仮定による分布であり、単純化してx
方向については距離が−30[m]から+30[m]ま
での範囲、そして、y方向については距離が−20
[m]から+20[m]までの範囲の矩形敷地内では濃
度が“100”(ただし、任意単位)、そして、その外側
であってx方向が−40[m]から+40[m]まで
と、y方向が−30[m]から+30[m]までの矩形
敷地内では濃度が“50”、さらにその外側では濃度が
“0”であるものとした。
【0080】また、揚水流量は各揚水井戸当たり2[m
3/H]とした。この条件で各揚水井戸から地下水を汲み
上げ続けたとして、その後の濃度分布を計算してみると
180日後の濃度分布は図4のようになった。これを実際
の観測結果と対比するわけである。
【0081】濃度が“100”を示している上述のx方向
距離が−30[m]から+30[m]までの範囲、そし
て、y方向距離が−20[m]から+20[m]の範
囲」の矩形敷地内に互いに距離を置いて6本の揚水井戸
(黒丸記号で示す)を配置し、また当該矩形敷地の濃度
境界線位置2箇所に、揚水井戸から距離を置いて観測井
戸(白抜き方形の記号で示す)を設置した。
【0082】これらのうち、符号Y1,Y2を付して示し
た揚水井戸と符号M1,M2を付して示した観測井戸にお
ける物質濃度を実測によるものとシミュレーションによ
るものとを求めてみる。
【0083】揚水井戸Y1,Y2を含め、6本の揚水井戸
は地下水を汲み上げるための井戸であり、観測井戸M
1,M2はその地点での地下水の物質濃度を測定するため
に設けた井戸であり、図5における“観測結果”の項に
示した数値はそれぞれでの実測値であり、図5における
“計算結果”の項に示した数値はシミュレーション結果
である。
【0084】すなわち、シミュレーションについてはこ
こでは図2に示した処理手順に従い、また、用いる遅延
係数RdとしてはRd=1に固定した上で、分散係数a
を2[m],5[m],8[m]と変えて経過時間1日
毎の物質の濃度を解析する。そして、その中で実際の観
測結果に近いものを抜き出したのが図5の“計算結果”
の項に示した数値である。
【0085】なお、ここでは分散係数aを2[m],
8[m]としてシミュレーションしたものについては、
揚水井戸Y1,Y2と観測井戸M1,M2とで一致する時間
がずれたため、どちらかに合う時点を併記した。
【0086】初期状態よりスタートして、日数180
[日]経過後において得られた実際の観測結果は図5に
示すように、分散係数aが5[m]、遅延係数Rdが
10、そして、揚水井戸Y1,Y2では濃度が“43”と
“74”を示し、そして観測井戸M1,M2では濃度は
“53“と“45”を示すと云うものであった(濃度に
ついてはいずれも単位は任意単位)。
【0087】一方、計算結果は、分散係数aを2
[m]、そして遅延係数Rdを“1”とした場合に、一
つは、日数21日経過後において揚水井戸Y1,Y2では
濃度が“41”と“73”を示し、そして観測井戸M
1,M2では濃度は“48“と“39”を示し(“計算結
果(A)”のケース)、もう一つは、日数18日経過後
において揚水井戸Y1,Y2では濃度が“47”と“7
8”を示し、そして観測井戸M1,M2では濃度は“78
“と“53”を示し(“計算結果(B)”のケース)、
また、分散係数aを5[m]、そして遅延係数Rdを
“1”とした場合に、日数18日経過後において揚水井
戸Y1,Y2では濃度が“43”と“74”を示し、そし
て観測井戸M1,M2では濃度は“54“と“46”を示
し(“計算結果(C)”のケース)、分散係数を8m、
そして遅延係数Rdを“1”とした場合に、一つは、日
数16日経過後において揚水井戸Y1,Y2では濃度が
“44”と“74”を示し、そして観測井戸M1,M2で
は濃度は“57“と“49”を示し(“計算結果
(D)”のケース)、もう一つは、日数19日経過後に
おいて揚水井戸Y1,Y2では濃度が“39”と“69”
を示し、そして観測井戸M1,M2では濃度は“53“と
“45”を示した(“計算結果(E)”のケース)。
【0088】図5から、計算結果が観測結果に最も近い
値を示したものは“計算結果(C)”のケースであり、
これより分散係数Rdを5[m]にとれば、経過日数1
8日での計算結果で実際の観測結果に良くフィットする
ことがわかる。そして、実際の観測期間は180日であ
ったから、遅延係数Rdは180/18=10と算出さ
れる。
【0089】以上の手順により、実際の観測結果とシミ
ュレーション結果とから流れ方向分散係数と遅延係数を
求めることができる。
【0090】ここでは簡単のため、遅延係数Rdの固定
値を“1”としたが、一般的には“1”に限る必要はな
く、任意の値“r0”としてよい。この場合、遅延係数
Rdは実際の観測期間(初期状態から観測を実行した時
点までの経過期間(すなわち、経過時間))をm、観測
結果に最も近い計算結果を示した計算に適用された経過
日数(すなわち、経過期間,経過時間)をnとして、r
0×m/nから算出される。
【0091】以上は、一般的な地下水汚染のシミュレー
ションであったが、次に具体的に汚染物質を特定してそ
の場合の流れ方向分散係数aと遅延係数Rdのとり得
る数値例を説明する。
【0092】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
形態は、地下水の塩素系揮発性有機溶媒汚染について、
分散係数と遅延係数の範囲が限定できるようにした例で
ある。
【0093】これまでに複数の塩素系揮発性有機溶媒に
よる汚染浄化について、現場の観測データを元に物質輸
送パラメータを算出してきた。この結果、流れ方向分散
係数aLとしては2[m(メートル)]から8[m]、
遅延係数Rdは2から15の範囲にあることを見出し
た。
【0094】その根拠を、実際の汚染現場のデータを使
用した解析作業により得られた図6,図7により説明す
る。ただし、ここでは、説明のため、従来方法を使用
し、分散係数aと遅延係数Rdの全ての組み合わせに
ついて解析した例を示した。
【0095】図6,図7は観測された濃度分布を再現で
きる流れ方向分散係数aLと遅延係数Rdの範囲を調べた
結果である。範囲としてはaLが“0.5”[m]から
“10”[m]までの8種類、また、Rdについては
“1”から“16”までの10種類とした。そして、こ
れらのうち、図6はトリクロルエチレン汚染の現場SP
1での、そして、図7はシス1,2ジクロルエチレン汚染
の現場SP2での解析結果を示してある。
【0096】図中のアルファベット文字A,B,Cはラ
ンク付けの判定結果を示したものであり、この3レベル
の判定は次のように行った。
【0097】各現場の10〜20カ所の観測地点につい
て、初期濃度とある浄化期間経過後の濃度を実際に観測
した。そして、図6,図7に示した流れ方向分散係数a
Lと遅延係数Rdの範囲の全ての組み合わせについて、初
期濃度分布を元にある浄化期間後の観測地点の濃度をシ
ミュレーションで求め、これを実際の濃度観測値と比較
した。
【0098】各観測地点の濃度観測値と計算値の差の2
乗の和を求めた。これが小さいほど計算結果が観測結果
に近くなる。従って、小さい順に1番目と2番目をAラ
ンクとし、3番目,4番目,5番目をBランクとし、そ
れ以外をCランクとした。
【0099】通常の観測値には誤差があるため、求める
分散係数と遅延係数の組み合わせはBランク以上にある
と推定される。
【0100】ここで、Aランク,およびBランクの評価
のある領域をみると、図6,図7から流れ方向分散係数
Lが“2”[m]から“8”[m]の範囲、遅延係数
Rdは“2”から“15”の範囲にあることがわかる。
結果を示してはいないが、トリクロルエチレン汚染およ
びシス1,2ジクロルエチレン汚染については、他の現場
での解析でも分散係数と遅延係数の組み合わせが、これ
らの範囲内にあるという結果が得られている。
【0101】以上のことから、トリクロルエチレン、シ
ス1,2ジクロルエチレンなど塩素系有機溶剤では、移流
分散遅延モデルにより地下水中の物質移動解析を行う場
合に用いる流れ方向分散係数aLとしては最適解が
“2”[m]から“8”[m]の範囲に、そして、遅延
係数Rdとしては最適解が“2”から“15”の範囲に
あると推定された。
【0102】塩素系有機溶剤汚染についてのシミュレー
ションにおいて、分散係数と遅延係数の組み合わせの範
囲が絞られたことにより、余分な範囲の計算を行う必要
がなくなり、無駄なく流れ方向分散係数、遅延係数が算
出できるようになる。さらに、上記の第1の実施の形態
で用いた方法である遅延係数を固定して分散係数を算出
する方法を利用すれば、より迅速に正しい分散係数、遅
延係数が算出できるようになる。
【0103】次に、流れ方向分散係数,遅延係数を更に
短時間に効率良く見付けることができるようにした例を
第3の実施形態として説明する。
【0104】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
形態は、短期間の浄化試験で精度良く分散係数と遅延係
数を算出できる試験浄化システムを提供することであ
る。地下水の汚染浄化には汚染敷地内に揚水井戸と注入
井戸を設置し、揚水井戸から汚染地下水を汲み上げると
共に、注入井戸から浄水を地下に注水すると云った手法
で実施する。本格的な浄化システムを設置する前にシミ
ュレーションなどで最適なシステムを見出すために、試
験浄化システムを設置して、観測データを得、シミュレ
ーションに使用するパラメータを得るが、試験浄化シス
テムと云っても費用がかかる。
【0105】そして、試験浄化システムとしてどの位置
にこれらの井戸を何本設置して運転するかが課題とな
り、良い観測データを得ることなどを総合的に判断して
個々の事情に見合う最適な試験浄化システムを構築する
ことが課題となる。
【0106】本発明では信頼性を以て効率的なシミュレ
ーションを行うことができ、最適解を求めることできる
ようにする手法を追求してきたが、観測期間の短縮もコ
ストダウンのためには重要な要素である。しかし、例え
ば、第1の実施の形態での解析例においては、180日
後の観測データを用いた例を示したが、これをもっと短
縮したいところである。
【0107】地下水汚染は一般に狭い範囲にとどまるこ
とは考えにくいので、広い範囲を考える必要があり、汚
染された土地が広い場合には、信頼性の高い実測値を得
るには必然的に長い経過時間を採る必要がある。
【0108】そこで、この相反する要求を、井戸構成を
工夫することで、精度を損なうことなく、観測に要する
期間を短縮できるようにする技術を示す。
【0109】すなわち、地下水の汚染物質の濃度分布
が、ある程度一様な領域に、1つの揚水井戸Wdrを設
け、この揚水井戸Wdrを囲んで複数の注入井戸Winを設
ける構成とした試験浄化システムとする。揚水井戸Wdr
は地下水を汲み上げるための井戸であり、注入井戸Win
は地下に水を注入するために設けた井戸である。
【0110】注入井戸Winからは汲み上げた汚染地下水
を清浄化した水、または別途用意した清浄な水を揚水井
戸Wdrでの揚水量と同量、注入する。この際、各注入井
戸Winにおける注入量は、どの注入井戸Winでも均等に
なるように割り振る。
【0111】注入井戸Winが8個の場合の例を図8に示
す。図8では、揚水井戸Wdrは黒丸印で示してあり、注
入井戸Winは白丸印で示してある。図8に示すような、
井戸配置では、井戸による地下水流れは注入井戸Winで
囲まれた領域に制限されるため、領域外の影響を受け難
く、また領域が狭いため、汚染物質の濃度変化が1週間
程度で観測できるという特徴がある。
【0112】このような試験浄化システムで浄化試験を
行い、シミュレーションに反映させるようにすれば、物
質輸送パラメータである分散係数、遅延係数を、一層短
期間で算出することができるようになる。
【0113】図3に示した如きの井戸配置で実際の観測
を行い、図4のような濃度分布の観測値を得て、第1の
実施の形態における手法でシミュレーションを行い、分
散係数,遅延係数を算出して得られた図5のような結果
から第1の実施の形態における手法で解となる分散係数
と遅延係数を求めると、迅速に分散係数,遅延係数を算
出することができた。
【0114】そして、ここで算出したパラメータ(分散
係数,遅延係数)を用いて,浄化効率の検討を行った結
果が図9である。図9(a)、(b)、(c)は揚水井
戸Wdrを初期濃度分布において濃度値100の領域に6
井戸、分散配置し、この6井戸で揚水を続けて180日
後(図9(b)参照)および360日後(図9(c)参
照)の濃度分布状態をシミュレーションしたものであ
る。
【0115】また、図9(d)、(e)、(f)は揚水
井戸Wdrを初期濃度分布において濃度値100の領域に
6井戸分散配置し、さらにこの6井戸の近傍にそれぞれ
注入井戸Winを配置して揚水井戸からの揚水と注入井戸
からの浄水注入を続けて180日後(図9(e)参照)
および360日後(図9(f)参照)の濃度分布状態を
シミュレーションしたものである。
【0116】6井戸を分散配置した揚水井戸Wdrから汚
染地下水を揚水し、揚水井戸Wdrの周囲にそれぞれ配置
した注入井戸からそれぞれ浄水を地下に注入すること
で、浄化促進を狙った浄化システムを想定したものであ
る。
【0117】図8の構成の試験浄化システムを構築し
て、揚水井戸Wdrから汚染地下水を揚水し、揚水井戸W
drの周囲にの注入井戸からそれぞれ浄水を地下に注入す
るかたちで運転して初期状態からの経過時間1週間程度
で実測したデータを元に、第1の実施の形態で説明した
手法により、対象物質の流れ方向分散係数aL及び遅延
係数Rdを決定し、これを用いてシミュレーションを行
うことで得られたシミュレーション結果は十分信頼性が
高い。
【0118】従って、本発明による分散係数,遅延係数
の最適解取得手法を用いて分散係数,遅延係数の最適解
を求め、これを用いて上記想定の浄化システムのシミュ
レーションを行った結果、得られた図9の如き濃度変化
の様子の解析結果は、実測データの測定期間が1週間と
短いものであっても、信頼性が十分であるから、図9の
2形式の浄化システムの比較結果から、揚水井戸だけの
構成の浄化システムより、注入井戸を併用する構成を採
用すると浄化効率が格段に向上するものであることがわ
かる。
【0119】なお、本は明は上述した実施形態に限定さ
れるものではなく、種々変形して実施可能である。ま
た、本発明において、上記実施形態には種々の段階の発
明が含まれており、開示される複数の構成要件における
適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るもの
である。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾
つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとす
る課題の乱で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、
発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つ
が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が
発明として抽出され得る。
【0120】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、より迅速にかつ精度よく、物質輸送パラメータを算
出・決定することができて、地下水に混入する汚染物質
の移動・拡散機構を精度良く把握できるようにシミュレ
ーションすることができる地下水シミュレーション装置
ならびに地下水シミュレーションの物質輸送パラメータ
決定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステム構成例を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る分散係数、遅
延係数算出フローを示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を説明するための井
戸配置例と初期濃度分布を示す図である。
【図4】図3の状態から180日経過後の濃度分布を示
す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態を説明するための図
であって、揚水井戸、観測井戸の180日後の実測値と
計算結果を示す図である。
【図6】本発明を説明するための図であって、観測され
た濃度分布を再現できる流れ方向分散係数aLと遅延係
数Rdの範囲を調べた結果を示す図である。
【図7】本発明を説明するための図であって、観測され
た濃度分布を再現できる流れ方向分散係数aLと遅延係
数Rdの範囲を調べた結果を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態を説明するための図
である。
【図9】本発明の第3の実施の形態を説明するための図
である。
【図10】従来システムの構成例を示すブロック図であ
る。
【図11】地下水シミュレーションを説明するための図
である。
【符号の説明】
2…入力装置 3…表示装置 4,5…記憶装置 6…外部記憶装置 7…プリンタ装置 10…プロセッサ(CPU)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 19/00 110 G06F 19/00 110

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地下水の流れの解析を行う地下水流れ解析
    処理と、この地下水流れ解析処理にて得られる流れの条
    件下で移流分散遅延モデルにより流れ方向分散係数を物
    質輸送パラメータとして地下水中の物質移動解析とを行
    う地下水シミュレーション装置において、 前記移流分散遅延モデルの要素である地下水中の対象物
    質の地下水流れ方向に対する分散を表す流れ方向分散係
    数aLおよび地下水の流れに対する地下水中の対象物質
    の移動の遅れを表す遅延係数Rdのうち、前記遅延係数
    Rdは所望の固定値r0を用いると共に、流れ方向分散係
    数aLは複数種を用い、これら複数種それぞれにおける
    前記物質の濃度分布または特定地点の濃度を経過時間対
    応に算出する物質輸送解析手段と、 所要の経過時間mをおいて解析対象地での実測により得
    られた物質の濃度分布を実測値情報として用い、この実
    測値情報と前記物質輸送解析手段の算出結果とを比較し
    て、前記算出した結果のうち、前記実測値情報に対する
    類似度が高い算出結果を選定し、当該算出結果の取得に
    あたって用いた流れ方向分散係数を以て流れ方向分散係
    数として決定し、かつ、この算出結果の該当する経過時
    間nと、前記実測での経過時間mから遅延係数をr0×m
    /nとして決定する遅延係数決定手段と、を具備するこ
    とを特徴とする地下水シミュレーション装置。
  2. 【請求項2】前記遅延係数Rdとして用いる所望の固定
    値r0は“1”であることを特徴とする請求項1記載の
    地下水シミュレーション装置。
  3. 【請求項3】前記対象物質が塩素系有機溶媒のときは、
    前記流れ方向分散係数は2[m]から8[m]の範囲と
    し、前記遅延係数は2から15の範囲とすることを特徴
    とする請求項1記載の地下水シミュレーション装置。
  4. 【請求項4】前記対象物質の地下水中における濃度分布
    を実測するに当たり、解析対象地域内において地下水汲
    み上げ用として1つの揚水井戸を設けると共に、この揚
    水井戸を囲んで複数の注入井戸を設け、これら注入井戸
    には清浄水を注入する井戸配置を適用してシミュレーシ
    ョンすることを特徴とする請求項1記載の地下水シミュ
    レーション装置。
  5. 【請求項5】地下水の流れの解析を行う地下水流れ解析
    処理と、この地下水流れ解析処理にて得られる流れの条
    件下で移流分散遅延モデルにより流れ方向分散係数と遅
    延係数を物質輸送パラメータとして地下水中の物質移動
    解析とを行う地下水シミュレーションに用いる物質輸送
    パラメータ決定方法において、 前記移流分散遅延モデルの要素である地下水中の対象物
    質の地下水流れ方向に対する分散を表す流れ方向分散係
    数および地下水の流れに対する地下水中の対象物質の移
    動の遅れを表す遅延係数Rdのうち、前記遅延係数は所
    望の固定値r0に定めると共に、流れ方向分散係数は変
    更してそれぞれにおける前記物質の濃度分布または特定
    地点の濃度を経過時間対応に算出し、解析対象地におい
    て所要の経過時間mをおいて実測することにより得られ
    た対象物質の濃度分布の実測値情報と比較して、前記算
    出した結果のうち、前記実測値情報に対する類似度が高
    い算出結果を選定し、且つ、当該算出結果の取得にあた
    って用いた流れ方向分散係数を以て流れ方向分散係数と
    して決定し、かつ、この算出結果の該当する経過時間n
    と、前記実測での経過時間mから遅延係数をr0×m/n
    とすることにより決定し、これら決定した流れ方向分散
    係数および遅延係数をシミュレーションに用いるように
    することを特徴とする地下水シミュレーションの輸送パ
    ラメータ決定方法。
  6. 【請求項6】前記遅延係数Rdとして用いる所望の固定
    値r0は“1”であることを特徴とする請求項5記載の
    地下水シミュレーションの物質輸送パラメータ決定方
    法。
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