JP2002285860A - 出力部分離形ガスタービン - Google Patents

出力部分離形ガスタービン

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JP2002285860A
JP2002285860A JP2001090668A JP2001090668A JP2002285860A JP 2002285860 A JP2002285860 A JP 2002285860A JP 2001090668 A JP2001090668 A JP 2001090668A JP 2001090668 A JP2001090668 A JP 2001090668A JP 2002285860 A JP2002285860 A JP 2002285860A
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turbine
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gas turbine
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Atsushi Yamazawa
篤 山澤
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Niigata Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易且つ安価に行え、熱膨張による不
具合を解消し、しかも、エネルギーロスの軽減が可能に
なる出力部分離形ガスタービンを得る。 【解決手段】 出力部分離形ガスタービン11におい
て、圧縮機17、燃焼器19、及び圧縮機駆動用タービ
ン21からなる空気圧縮部13と、この空気圧縮部13
の回転軸23に対して直交した出力軸25を有し、出力
軸25に出力軸駆動用タービン27が固定され、かつ空
気圧縮部13で得られた圧縮空気の一部を副燃焼器29
で消費させて得た作動ガスによって出力軸駆動用タービ
ン27を駆動させる出力部15とを具備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸が垂直に配
置される竪型ポンプ等を駆動する原動機に用いて好適な
出力部分離形ガスタービンに関し、特に、空気圧縮部と
出力部とを接続するガス通路部の熱膨張による不具合を
解消する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、垂直駆動軸を有する例えば竪型ポ
ンプ等を駆動するには、一般の水平軸を有する原動機で
ある横型ガスタービンで発生させた動力を、笠歯車を介
して垂直軸に変換するか、圧縮機駆動用タービンの軸
と、出力タービンの軸を別個に有し、出力タービンの軸
を垂直に配した二軸ガスタービン(L型ガスタービン)
が用いられていた。
【0003】横型ガスタービンは、高温・高圧の燃焼ガ
スを発生させるガス発生機の回転軸と、この燃焼ガスの
エネルギを回転力として取り出すための出力タービンの
回転軸とが同軸方向に配設される。横型ガスタービンに
おけるガス発生機は、空気を圧縮するための圧縮機、圧
縮された空気に燃料を噴射して燃焼させる燃焼器、及び
圧縮機を回転駆動するための圧縮機駆動タービンからな
る。従って、上記した竪型ポンプを駆動する例の場合に
は、出力タービンの回転軸が笠歯車を介して竪型ポンプ
の駆動軸に連結される。
【0004】一方、二軸ガスタービンとしてのL型ガス
タービンは、図12に示すように、ガス発生機1の回転
軸3と出力タービン5の回転軸7とが直交したものとな
る。そして、燃焼ガスは、ガス発生機1と出力タービン
5との間で図示しないケーシングのガス通路部(スクロ
ール流路部)によって出力タービン5の方向にほぼ90
°流路を変換され、出力タービン5を通過して排気され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、横型ガ
スタービンで発生させた動力を、笠歯車を介して垂直軸
に変換する上記の従来技術では、横型ガスタービンの他
に、笠歯車装置が必要になるため、広い設置スペースが
必要になり、かつ装置コストが増大する問題があった。
【0006】一方、L型ガスタービンを用いた場合に
は、圧縮機駆動用タービンと、出力タービンとの間に、
高温ガスが流れるため、複雑な形状のガス通路部を、鋳
造性の悪い耐熱鋼で製作しなければならず、製作が技術
的に困難になるとともに、装置コストが高価となった。
また、ガス通路部の熱膨張による垂直軸の軸芯ずれに対
処するため、軸芯ずれ吸収のための特殊な装置が必要に
なる不利があった。さらに、ガス通路部を鋳造性の悪い
耐熱鋼で製作すれば、ガス通路部形状の自由度が低くな
り、エネルギーロスの生じる問題も発生した。
【0007】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、製造が容易かつ安価になるとともに、熱膨張による
不具合を解消し、しかも、エネルギーロスの軽減が可能
になる出力部分離形ガスタービンを提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】次に、上記の課題を解決
するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照し
て説明する。この発明の請求項1記載の出力部分離形ガ
スタービン11は、圧縮機17、燃焼器19、及び圧縮
機駆動用タービン21からなる空気圧縮部13と、該空
気圧縮部13の回転軸23に対して直交または傾斜した
出力軸25を有し、該出力軸25に出力軸駆動用タービ
ン27が固定され、かつ前記空気圧縮部13で得られた
圧縮空気の一部を副燃焼器29で消費させて得た作動ガ
スによって該出力軸駆動用タービン27を駆動させる出
力部15と、を具備したことを特徴とする。
【0009】この出力部分離形ガスタービン11では、
圧縮機17、燃焼器19、及び圧縮機駆動用タービン2
1から空気圧縮部13が構成され、この空気圧縮部13
で得られた圧縮空気の一部が出力部15の副燃焼器29
で消費され、これにより得た作動ガスで出力部15の出
力軸駆動用タービン27が駆動される。従って、空気圧
縮部13と出力部15との間には、燃焼器19、圧縮機
駆動用タービン21を通過した高温の排気ガスが通るこ
とがなく、例えば350℃以下程度の比較的低温の圧縮
空気が通ることになる。これにより、空気圧縮部13と
出力部15とのガス通路部が、鋳造性の良好な普通鋳鉄
又は普通鋼によって形成可能になる。また、ガス通路部
の熱膨張量が少なくなり、出力軸25の軸芯ずれ吸収の
ための特別な装置が不要になり、通常のベローズ等を用
いて出力軸25の軸芯ずれが吸収可能になる。さらに、
ガス通路部が特殊な材料(鋳造性の悪い耐熱鋼)で製作
されないので、通路形状の自由度が高まり、エネルギー
ロスの軽減が可能になる。なお、空気圧縮部13と出力
部15とは、ケーシングを別体に形成し、それぞれのケ
ーシングがガス通路部によって接続される構成とされ
る。すなわち、空気圧縮部13と出力部15とは、圧縮
機17と副燃焼器29との間で分離される構造となるた
め、その間を接続するガス通路部には、上記した350
℃以下程度の比較的低温の圧縮空気が通るのみとなる。
このことから、ガス通路部は、鋳造性の良好な普通鋳鉄
又は普通鋼によって形成され可能となる。
【0010】請求項2記載の出力部分離形ガスタービン
11は、前記空気圧縮部13に一つの前記圧縮機17c
が設けられ、該圧縮機17cで得られた圧縮空気の一部
が前記圧縮機駆動用タービン21を駆動させる作動ガス
を得るために前記燃焼器19で消費される一方、該圧縮
空気の残りが前記出力軸駆動用タービン27を駆動させ
る作動ガスを得るために前記副燃焼器29で消費される
ことを特徴とする。
【0011】この出力部分離形ガスタービン11では、
空気圧縮部13に一つの圧縮機17cが設けられ、この
圧縮機17cで得られた圧縮空気の一部が燃焼器19で
消費される一方、その残りが出力部15の副燃焼器29
で消費される。これにより、空気圧縮部13に、燃焼器
19へ圧縮空気を送る燃焼機用圧縮機17aと、副燃焼
機29へ圧縮空気を送る副燃焼機用圧縮機17bの二つ
を設ける必要がなくなり、空気圧縮部13の構造が簡素
になる。
【0012】請求項3記載の出力部分離形ガスタービン
11は、前記空気圧縮部13と、前記出力部15とが別
体で構成され、該空気圧縮部13の圧縮機17と前記出
力部15の副燃焼器29とが、前記圧縮空気を搬送する
高圧空気ダクト31によって接続されることを特徴とす
る。
【0013】この出力部分離形ガスタービン11では、
別体で構成された空気圧縮部13と出力部15との、圧
縮機17cと副燃焼器29とが高圧空気ダクト31によ
って接続され、この高圧空気ダクト31を通って、圧縮
空気が空気圧縮部13から出力部15へと搬送される。
つまり、高圧空気ダクト31により接続されることで、
空気圧縮部13及び出力部15の設置位置や設置距離の
制約が少なくなる。これにより、空気圧縮部13と出力
部15との設置自由度が高まり、設置スペースの有効利
用が可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る出力部分離形
ガスタービンの好適な実施の形態を図面を参照して詳細
に説明する。図1は本発明に係る出力部分離形ガスター
ビンの構成の概略を示す概念図、図2は図1の出力部分
離形ガスタービンの試算のための説明図、図3は図1の
出力部分離形ガスタービンの変形例を示す概念図、図4
は図1の出力部分離形ガスタービンの他の変形例を示す
概念図である。
【0015】本実施の形態による出力部分離形ガスター
ビン11は、主要部が、空気圧縮部13と、出力部15
とに大別して構成される。図1に示すように、空気圧縮
部13は、圧縮機(C)17,燃焼器(CC)19,及
び圧縮機駆動用タービン(T)21からなる。また、こ
の実施の形態では、圧縮機17が、回転軸23上に設け
られた二つの圧縮機17a,17bからなる。
【0016】一方、出力部15は、空気圧縮部13の回
転軸23に対して、本実施の形態では直交する出力軸2
5を有し、この出力軸25に出力軸駆動用タービン
(T)27が固定され、かつ空気圧縮部13で得られた
圧縮空気の一部を消費する副燃焼器(CC)29を備え
て構成される。
【0017】空気圧縮部13の圧縮機17bと、出力部
15の副燃焼器29とは、ガス通路部(図1中矢印P)
によって接続されている。つまり、出力軸25は、空気
圧縮部13の圧縮機17、この実施の形態の場合では圧
縮機17bで得た圧縮空気の一部を副燃焼器29で消費
させ、それによって得た作動ガスを出力軸駆動用タービ
ン27に作用させて駆動されるようになっている。
【0018】空気圧縮部13と出力部15とは、ケーシ
ングが別体で形成され、それぞれのケーシングが上記ガ
ス通路部(P)によって接続される。すなわち、空気圧
縮部13と出力部15とは、圧縮機17と副燃焼器29
との間で分離されているため、その間を接続するガス通
路部Pには、350℃以下程度の比較的低温の圧縮空気
が通るのみとなる。このことから、ガス通路部は、鋳造
性の良好な普通鋳鉄又は普通鋼によって形成される。
【0019】圧縮機17a,17b,燃焼器19,及び
圧縮機駆動用タービン21は、空気圧縮部13の図示し
ないケーシングに収容されている。ケーシングの吸気部
を通して吸引された空気Aは圧縮機17aによって圧縮
されたのち燃焼器19において燃料と混合されて燃焼さ
せられて燃焼ガスとなり、圧縮機駆動用タービン21を
回転させてケーシングから排気ガスEとなって排気され
る。一方、圧縮機17bによって圧縮された圧縮空気A
は、ガス通路部を通って副燃焼器29において燃料と混
合されて燃焼させられて燃焼ガスとなり、出力軸駆動用
タービン27を回転させて出力部15の図示しないケー
シングから排気ガスEとなって排気される。
【0020】出力軸25には出力軸駆動用タービン27
が固定され、出力軸駆動用タービン27は複数のブレー
ドが放射状に配設されたディスク(図示せず)を複数段
配設してなる。出力部15のケーシングの内周面から
は、このディスクと交互に配列された図示しない静翼が
突設されている。
【0021】出力軸25は、出力部15のケーシングを
貫通してケーシング外部の軸受けに回転自在に支持され
ている。出力軸25は、その軸受けより外方で図示しな
いポンプや発電機などの被駆動機器に連結される。
【0022】ここで、出力10000kW、仕事比0.
43の場合について、図2の説明図を参照して試算を行
う。図2の出力軸駆動用タービンT1 は、通常の430
0kW用タービンと同様とする。圧縮機C1 の容量は、
10000−4300=5700kWであり、T2、C
2 は、5700kW用ガスタービンと同じである。
【0023】従って、F1 は4300kW分の燃料、F
2 は5700kW分の燃料であり、合計10000kW
分の燃料で10000kWの出力を得られるので、通常
のガスタービンと同等熱効率である。なお、L型ガスタ
ービンの場合も同じである。
【0024】ここで、圧縮空気(L型ガスタービンでは
燃焼ガス)のガス通路部で2%のエネルギーロスがある
と仮定する。L型ガスタービンの場合は、10000k
W分燃料を供給し、9800kWの出力を得るので、熱
効率は2%低下する。
【0025】一方、図2に示した出力軸駆動用タービン
の場合は、F2 は5700kW、F 1 は4300×0.
98=4214kW分の燃料で9800kWの出力を得
るので、9800/(5700+4214)=0.98
85であり、熱効率の低下は1.15%となり、L型ガ
スタービンより有利となる。
【0026】なお、ガス通路部を流れる流量比は、燃焼
ガスが750℃、圧縮比4、圧縮空気が350℃、圧縮
比7とすると、10000×(750+273)÷4:
4300×(350+273)÷7=2557500:
382700≒6.68:1であり、同一のエネルギー
ロスを見込む場合、図2に示した出力軸駆動用タービン
の方が圧倒的に細く、長いガス通路部Pとすることがで
きる。
【0027】従って、上記の出力部分離形ガスタービン
11によれば、空気圧縮部13で得られた圧縮空気の一
部が出力部15の副燃焼器29で消費され、これにより
得た作動ガスで出力部の出力軸駆動用タービン27が駆
動される。従って、空気圧縮部13と出力部15との間
には、燃焼器19、圧縮機駆動用タービン21を通過し
た直後の高温の排気ガスが通ることがなく、350℃以
下程度の比較的低温の圧縮空気が通ることになる。これ
により、空気圧縮部13と出力部15とのガス通路部
が、鋳造性の良好な普通鋳鉄又は普通鋼によって形成可
能になる。
【0028】また、ガス通路部の熱膨張量が少なくな
り、出力軸25の軸芯ずれ吸収のための特別な装置が不
要になり、通常のベローズ等を用いて出力軸25の軸芯
ずれが吸収可能になる。
【0029】さらに、ガス通路部が特殊な材料(鋳造性
の悪い耐熱鋼)で製作されないので、通路形状の自由度
が高まり、エネルギーロスの軽減が可能になる。
【0030】なお、上記の実施の形態では、空気圧縮部
13に二つの圧縮機17a,17bを設けた場合を例に
説明したが、圧縮機17は、図3に示すように、大容量
のものを一つ設けるものであってもよい。
【0031】すなわち、図3に示す変形例では、空気圧
縮部13に一つの圧縮機17cが設けられ、この圧縮機
17cで得られた圧縮空気の一部が圧縮機駆動用タービ
ン21を駆動させる作動ガスを得るために燃焼器19で
消費される一方、圧縮空気の残りが出力軸駆動用タービ
ン27を駆動させる作動ガスを得るために副燃焼器29
で消費される。
【0032】この変形例による出力部分離形ガスタービ
ンでは、空気圧縮部13に、燃焼器19へ圧縮空気を送
る燃焼機用圧縮機(17a)と、副燃焼器29へ圧縮空
気を送る副燃焼機用圧縮機(17b)との二つを設ける
必要がなくなり、空気圧縮部13の構造が簡素になる。
【0033】また、出力部分離形ガスタービン11は、
図4に示すように、空気圧縮部13と、出力部15とが
別体で構成され、空気圧縮部13の圧縮機17cと、出
力部15の副燃焼器29とが、圧縮空気を搬送する長尺
な高圧空気ダクト(D)31によって接続されるもので
あってもよい。
【0034】この出力部分離形ガスタービンでは、空気
圧縮部13と出力部15とが高圧空気ダクト31により
接続されることで、空気圧縮部13及び出力部15の設
置位置や設置距離の制約が少なくなる。これにより、空
気圧縮部13と出力部15との設置自由度が高まり、設
置スペースの有効利用が可能になる。
【0035】次に、実際のガスタービン要素の性能値を
もとに、この出力部分離形ガスタービンの性能を計算し
てみる。図5は出力部分離形ガスタービンにおける仕事
比の説明図、図6は出力部分離形ガスタービンにおける
圧力比と温度との相関図、図7は出力部分離形ガスター
ビンにおける圧力比と空気流量との相関図、図8は出力
部分離形ガスタービンにおける圧力比と出力との相関
図、図9は出力部分離形ガスタービンにおける圧力比と
総合効率との相関図である。
【0036】まず、単純に計算するために仕事比0.5
のガスタービンを考える。中型ガスタービンの仕事比が
0.43であるので、これを用いる。これは、図5に示
すように、圧縮機17の所容動力を1とすれば、出力軸
駆動用タービン27の発生動力が2ということである。
ガスタービンとしての出力は、差し引き1である。この
出力でガスタービンのものと同形の圧縮機17を駆動す
る。発生した圧縮空気を、同形の副燃焼器29と出力軸
駆動用タービン27からなる出力部15に導けば、ここ
で発生する出力は2である。燃料の消費はもとのガスタ
ービン2台分であるから、これは2台のガスタービンの
並列運転の変形といえる。
【0037】例として大型ガスタービンを圧縮機の駆動
機とすれば、吸気温度40℃にてその軸端出力は490
0kW、熱消費量は955kJ/hである。この出力比
は中型ガスタービンの圧縮機を駆動するのに好適とな
る。このとき、圧力比は8.5、断熱効率は0.83で
あり、空気流量は16.0kg/s、吐出温度は331
℃である。これに燃料を加えて965℃の高温のガスと
し、中型ガスタービンの燃焼器とタービンに導けば、8
450kWの出力が得られる。消費した燃料の熱消費量
は合計で1675kJ/sであるから、総合した熱効率
は0.288であり、もとのガスタービンと同じ水準に
ある。但し、連結用ダクトの損失は考慮しないものとす
る。
【0038】このシステムでは圧縮機の圧力比を任意に
設定することが可能である。図6〜図9に、タービン出
口温度を550℃(図中実線)、タービン入口温度を7
50℃(図中実線)に保った場合の温度,空気流量,出
力,および総合効率を示した。ここでは圧縮機とタービ
ンの断熱効率を、それぞれ80%と90%としている。
【0039】これらの図から、圧力比が4程度であれ
ば、風量の増加、総合熱効率の低下による不利益を補っ
て余りある利点が期待できることが分かる。特に非常用
の用途では、効率低下による不利益は少ない。この利点
として挙げられるものは、 1.タービンが単段のもので済み、構造的にシンプルに
できる。 2.燃焼器の出口温度が800℃程度であるから、この
燃焼器を安価に製作でき、また、NOxの排出量も少な
い。 3.圧縮機の出口温度が200℃程度であるから、この
圧縮機とタービンとの連結ダクトの製作が容易である。 4.低圧の圧縮機であれば、製造も市販品の入手も容易
である。 などである。
【0040】図10は出力部分離形ガスタービンにおけ
る出力部の具体例を示す模式図、図11は地下洪水ポン
プに適用した出力部分離形ガスタービンの配置例を示す
模式図である。本発明に係る出力部分離形ガスタービン
を実際に構成する場合には、既存のガスタービンの構成
をそのまま利用して空気圧縮部と出力部とを形成するこ
とも可能であるが、出力部を竪型とするには軸受の構造
を全く変更せざる得ないため、新規の設計とすることが
好ましい。このような新規設計の場合には、上記したよ
うに、圧力比が低いほど有利となる。図10には出力部
15の例を示してある。この出力部15が図示しない減
速機の上に載置されることになる。構造上では、バラン
スピストンを設けること等の考慮が必要となる。また、
潤滑システムは減速機と共用できるので、新たな負担に
はならない。燃料システムは、基本的に空気流量に比例
するものとすれば簡素なものとなる。
【0041】また、配置上でこの出力部分離形ガスター
ビンの長所は、 1.減速機上の重量を最低限とできること。 2.空気圧縮機とガスタービンのユニットを空気配管が
可能であるかぎり、何処にでも配置できる。 3.このユニット自体は全体の出力の半分に見合うサイ
ズである。 4.出力発生部廻りの空気・ガス量が少ないので、その
ためのスペースを小さくできる。 などである。
【0042】この出力部分離形ガスタービンは、配管工
事を要するが、設置スペースに自由度が増すことから、
このスペースを利用すれば、長い再熱器を設けても温度
レベルが低いので安価に製作可能であり、一体形よりも
燃費を良くすることさえ可能である。地下洪水ポンプ用
途の配置例を図11に示す。なお、図中、51は地下洪
水ポンプ、53は排気筒を示す。この他、本発明に係る
出力部分離形ガスタービンは、類似の大形船のサイドス
ラスタ、Z形推進装置などのような配置にも適用が考え
られる。
【0043】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る出力部分離形ガスタービンによれば、圧縮機、燃焼
器、及び圧縮機駆動用タービンにて空気圧縮部を構成
し、この空気圧縮部で得られた圧縮空気の一部を出力部
の副燃焼器で消費させ、これにより得た作動ガスで出力
部の出力軸駆動用タービンを駆動させるので、空気圧縮
部と出力部との間に流す圧縮空気を例えば350℃以下
程度にでき、空気圧縮部と出力部とのガス通路部を、鋳
造性の良好な普通鋳鉄又は普通鋼によって形成すること
ができる。この結果、ガスタービンの容易かつ安価な製
作が可能になる。また、ガス通路部の熱膨張量が少ない
ので、特別な装置を必要とせず、通常のベローズ等を用
いて出力軸の軸芯ずれを吸収できるようになる。さら
に、ガス通路部を特殊な材料、例えば鋳造性の悪い耐熱
鋼等で製作する必要がないので、通路形状の自由度を高
めることができ、かつエネルギーロスの軽減が図れるよ
うになる。また、通路形状の自由度が高くなることで、
空気圧縮部と出力部とは隔てた位置に配置でき、設置ス
ペースの自由度が向上することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る出力部分離形ガスタービンの構成
の概略を示す概念図である。
【図2】図1の出力部分離形ガスタービンの試算のため
の説明図である。
【図3】図1の出力部分離形ガスタービンの変形例を示
す概念図である。
【図4】図1の出力部分離形ガスタービンの他の変形例
を示す概念図である。
【図5】出力部分離形ガスタービンにおける仕事比の説
明図である。
【図6】出力部分離形ガスタービンにおける圧力比と温
度との相関図である。
【図7】出力部分離形ガスタービンにおける圧力比と空
気流量との相関図である。
【図8】出力部分離形ガスタービンにおける圧力比と出
力との相関図である。
【図9】出力部分離形ガスタービンにおける圧力比と総
合効率との相関図である。
【図10】出力部分離形ガスタービンにおける出力部の
具体例を示す模式図である。
【図11】地下水洪水ポンプに適用した出力部分離形ガ
スタービンの配置例を示す模式図である。
【図12】従来のL型ガスタービンの構成の概略を示す
概念図である。
【符号の説明】
11…出力部分離形ガスタービン 13…空気圧縮部 15…出力部 17…圧縮機 19,29…燃焼器 21…圧縮機駆動用タービン 23…回転軸 25…出力軸 27…出力軸駆動用タービン 29…副燃焼器 31…高圧空気ダクト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、燃焼器、及び圧縮機駆動用ター
    ビンからなる空気圧縮部と、 該空気圧縮部の回転軸に対して直交または傾斜した出力
    軸を有し、該出力軸に出力軸駆動用タービンが固定さ
    れ、かつ前記空気圧縮部で得られた圧縮空気の一部を副
    燃焼器で消費させて得た作動ガスによって該出力軸駆動
    用タービンを駆動させる出力部と、 を具備したことを特徴とする出力部分離形ガスタービ
    ン。
  2. 【請求項2】 前記空気圧縮部に一つの前記圧縮機が設
    けられ、該圧縮機で得られた圧縮空気の一部が前記圧縮
    機駆動用タービンを駆動させる作動ガスを得るために前
    記燃焼器で消費される一方、該圧縮空気の残りが前記出
    力軸駆動用タービンを駆動させる作動ガスを得るために
    前記副燃焼器で消費されることを特徴とする請求項1記
    載の出力部分離形ガスタービン。
  3. 【請求項3】 前記空気圧縮部と、前記出力部とが別体
    で構成され、該空気圧縮部の圧縮機と前記出力部の副燃
    焼器とが、前記圧縮空気を搬送する高圧空気ダクトによ
    って接続されることを特徴とする請求項1又は2記載の
    出力部分離形ガスタービン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016510851A (ja) * 2013-03-05 2016-04-11 インダストリアル タービン カンパニー (ユーケイ) リミテッドIndustrial Turbine Company (UK) Limited 多軸エンジンにおいて再熱燃焼器を用いることによるタービンの容量制御
JP2016510849A (ja) * 2013-03-05 2016-04-11 インダストリアル タービン カンパニー (ユーケイ) リミテッドIndustrial Turbine Company (UK) Limited 再熱および容量整合によるコージェネ熱負荷整合

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JP2016510851A (ja) * 2013-03-05 2016-04-11 インダストリアル タービン カンパニー (ユーケイ) リミテッドIndustrial Turbine Company (UK) Limited 多軸エンジンにおいて再熱燃焼器を用いることによるタービンの容量制御
JP2016510849A (ja) * 2013-03-05 2016-04-11 インダストリアル タービン カンパニー (ユーケイ) リミテッドIndustrial Turbine Company (UK) Limited 再熱および容量整合によるコージェネ熱負荷整合
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