JP2002278938A - 個人識別方法、個人識別装置、個人識別プログラム、及び個人認証システム - Google Patents

個人識別方法、個人識別装置、個人識別プログラム、及び個人認証システム

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JP2002278938A
JP2002278938A JP2001081645A JP2001081645A JP2002278938A JP 2002278938 A JP2002278938 A JP 2002278938A JP 2001081645 A JP2001081645 A JP 2001081645A JP 2001081645 A JP2001081645 A JP 2001081645A JP 2002278938 A JP2002278938 A JP 2002278938A
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JP2001081645A
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Inventor
Kensuke Ito
健介 伊藤
Tadashi Shimizu
正 清水
Kaoru Yasukawa
薫 安川
So Sugino
創 杉野
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成り済まし詐称が不可能であり、また極めて
偽造が困難であり、利用者の心理的な抵抗感もなく、か
つ利用時に身体を拘束することがなく、さらに心理状態
や健康状態に影響を受けることも少ない人体からの情報
を利用した個人識別方法、個人識別装置、個人識別プロ
グラム、及び個人認証システムを提供する。 【解決手段】 クリックの際に指が置かれるボタン位置
の電気抵抗の変化を特徴情報として検出する測定センサ
と、クリックの際にマウス16の上面を覆う掌の三次元
形状の変動を特徴情報として検出する三次元物体識別装
置とをマウス16に設け、PC内に保存されたファイル
のアクセス権の認証に、クリック動作による手の動きの
特徴量を検出して、予め登録されている個人辞書と照合
し、同一人物と判定された場合に、スクリーンセーバー
の解除や、ファイルのオープンや、文書のオープンが可
能となるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、個人識別方法、個
人識別装置、個人識別プログラム、及び個人認証システ
ムに掛かり、特に、体の少なくとも一部の動きを反映す
る特徴を個人識別情報として用いて個人を識別する個人
識別方法、個人識別装置、個人識別プログラム、及び個
人認証システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、個人識別装置としては指紋や
虹彩、網膜、手形、顔等の人体の変動しない特徴を鍵と
して利用する方式や、声紋、署名といった時間的に変動
する特性を鍵として利用する方法が知られている。
【0003】一般に、指紋や虹彩、網膜、手形、顔等の
人体の特徴を鍵として利用する場合は、予め鍵として定
めた人体の特徴部分をデジタルカメラなどで計測して登
録されているものと同一であるかを識別する。また、声
紋や署名のように時間的に変化する情報を用いる場合も
同様に、入力された音声情報や文字情報をデジタル化し
て、登録されたデジタル情報と同一であるかを識別す
る。
【0004】また、特開平10−269182号公報の
「利用者認証方法および利用者認証システム」には、キー
ボードやマウスのボタン操作の癖を個人の識別に利用し
てより高精度の個人識別を行なうシステムが提案されて
いる。この特開平10−269182号公報には、キー
ボードやマウスのボタン操作の癖に基いて得られるパタ
ーンにより個人を識別することが提案されている。
【0005】すなわち、特開平10−269182号公
報では、予め定めたパスワードの押圧時にキーボードの
オン、オフのタイミングを計測したり、マウスボタンを
複数回クリックしたときのオン、オフのタイミングを計
測し、得られたタイミングを2値化してパターン化した
ものを個人情報として格納し、入力されたタイミングパ
ターンと登録されたタイミングパターンとを比較して個
人を識別している。
【0006】このようなキーボード操作の癖を個人の識
別に利用する方法は、例えば商品BIOPASSWOR
D ( HYPERLINK http://www.biopassword.com) http://
www.biopassword.com.)などに利用されている。さら
に、個人を識別するための別の方法として個人の歩行パ
ターンを利用して識別する方法も提案されている。
【0007】ところで、コンピュータのアクセス管理等
においては、上記のような個人識別方法を利用して、利
用者の識別を最初のログイン時やネットワークに接続す
るときなどに行い、利用者が登録された本人又は登録さ
れた複数の中の1人であることを識別することが一般的
に行なわれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、コンピュータのアクセス管理に用いようとす
る場合、入れ替わりによる成り済まし詐称を防ぐ事がで
きない。すなわち、一般に、コンピュータのアクセス管
理においては、利用者が登録された本人又は登録された
複数の中の1人であることを識別すると、ロックを解除
し、それ以降のチェックは行わない。
【0009】すなわち、指紋、虹彩、網膜、手形、顔な
どの人体の特徴を鍵として利用する場合であっても、キ
ーボードの操作パターンを鍵として利用する場合であっ
ても、最初のログイン時やネットワークに接続する時な
どにそれらの計測対象を確認するだけであって、確認後
は通常繰り返し計測されることはない。
【0010】そのため、本人の離席時や、計測対象の偽
造等何らかの方法でアクセス権を取得した場合には、詐
称者は自由に機密情報に触れることができてしまう恐れ
がある。
【0011】また、声紋や署名のように時間的に変化す
る情報を用いる場合でも、通常コンピュータ等の端末を
操作している間中、声を出し続けたりペンを使い続けた
りすることはないため、同じ問題を抱えている。
【0012】すなわち、上記のような人体の特徴を鍵と
して利用する個人識別方法は、もともと多数の候補の中
から1つを識別する目的で発展したものであり、多数の
候補の中から1つを識別する能力には長けているが、経
時的に利用者が登録された本人又は登録された複数の中
の1人であることを識別するには適していない。
【0013】また、上記の方法では、人体の特徴を鍵と
して利用するという性質上、鍵に相当する識別対象は常
に同じものとなるために偽造され易く、偽造による詐称
を完全には防ぐ事ができない、という基本的な問題もあ
る。
【0014】例えば、指紋、手形、顔を利用する方法で
は、外観を利用しているため比較的容易に複製される危
険が大きい。虹彩を利用する方法もカメラで虹彩パター
ンを読み取るため、同様な方法によって盗み取られる可
能性がある。
【0015】網膜を利用する方法は偽造し難いが、しか
し形状を利用する方法である限りなんらかの方法で盗み
取られる危険は付きまとう。声紋は録音によって盗み取
られる危険がある。また署名も、利用する人は常に安定
に署名できるように十分な訓練を積む結果、やはり盗み
取られる可能性がある。
【0016】更に、これらの計測対象は一旦盗み取られ
たり偽造されると、本人は指紋などの計測対象を取りか
えることができないため、盗み取られた本人は生涯その
計測対象を個人識別に利用することができなくなってし
まうという別の問題もある。
【0017】また、これらの方法はそれぞれ以下のよう
な問題も抱えている。指紋を利用する方法では、犯罪捜
査のイメージがあるため利用者の心理的な抵抗感が高
く、一般に普及させるためにはイメージの払拭という技
術以前の困難な問題を抱えている。網膜の血管のパター
ンを用いる方法では、検出のため光を目に照射する必要
があり、利用者の心理的な負担が大きいという問題があ
る。
【0018】顔の形状を利用する方法では姿勢や照明条
件を一定の範囲内に抑える必要があり、安定性に欠け
る。声紋や署名は利用者の心理状態や健康状態の影響を
受け易く安定性に欠ける。さらに指紋や顔、手形等では
眼鏡や指輪などの装飾品や、化粧、薬品などによる表面
変化、汚染などによって利用できない場合がある。
【0019】また、キーボードの操作パターンから個人
を識別する方法はパスワードの入力の様な十分に安定し
たタイピングパターンにしか利用することができない。
また当然のことながら、この方法では一回のボタン操作
からは何の情報を得ることもできない。
【0020】さらにダブルクリックはもとよりパスワー
ド入力のような少ない回数のキー操作のタイミングパタ
ーンだけでは情報が少なく、多くの人を正確に区別する
ことはできない。さらに、文書作成やプログラミング等
の操作時など限られた操作時にしか利用できない。かつ
タイピングの習熟度による変動や心理状態、健康状態に
よる変動も大きい。
【0021】さらに、個人識別方法の別の1つとして、
歩行パターンから個人を識別する方法が提案されている
が、この方法は建物等への入退出管理には利用できる
が、コンピュータのアクセス管理には利用できない。
【0022】以上のことから本発明は、入れ替わりによ
る成り済まし詐称が不可能であり、また極めて偽造が困
難であり、利用者の心理的な抵抗感もなく、心理状態や
健康状態に影響を受けることも少ない人体からの情報を
利用した個人識別方法、個人識別装置、個人識別プログ
ラム、及び個人認証システムを提供することを目的とす
る。また、パソコンや携帯電話などの情報端末機器の不
正使用防止上の信頼性を高めるとともに、正当な利用者
の利便性を損なわない個人識別方法、個人識別装置、個
人識別プログラム、及び個人認証システムを提供するこ
とを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明の個人識別方法は、身体の少
なくとも一部の動き及び形状の少なくとも一方を反映
し、かつ、不確定な変動要素によって一測定毎に異なる
大きさの誤差を含み個人毎に特定の傾向を表わす個人識
別用特徴量を、同一の個人に対して複数回測定し、得ら
れた複数の個人識別用特徴量に基づいて前記同一の個人
を特定するための個人識別用データを生成し、識別対象
の個人に対して複数回測定して得られた複数の個人識別
用特徴量と前記個人識別用データとの統計学的距離に応
じて前記識別対象の個人を識別することを特徴とする。
【0024】また、請求項16に記載の発明の個人識別
装置は、上記請求項1に記載の発明を実現するための個
人識別装置であり、身体の少なくとも一部の動き及び形
状の少なくとも一方を反映し、かつ、不確定な変動要素
によって一測定毎に異なる大きさの誤差を含み個人毎に
特定の傾向を表わす個人識別用特徴量を測定する特徴量
測定手段と、同一の個人に対して複数回測定して得られ
た複数の個人識別用特徴量に基づいて生成された個人識
別用データを記憶する記憶手段と、識別対象の個人に対
して複数回測定して得られた複数の個人識別用特徴量と
前記個人識別用データとの統計学的距離に応じて前記識
別対象の個人を識別する個人識別手段と、を備えてい
る。
【0025】本発明では個人を識別するために、個人識
別用特徴量を計測している。この個人識別用特徴量は、
身体の少なくとも一部の動き及び形状の少なくとも一方
を反映し、かつ、不確定な変動要素によって一測定毎に
異なる大きさの誤差を含み個人毎に特定の傾向を表わす
ものであり、例えば、マウスをクリックするときの指の
動きや押圧力や接触面積の変化、マウスを握ったときの
手の形や握り圧、キーボードを操作するときの打鍵間隔
や打鍵キーに対する打鍵圧などが挙げられる。
【0026】これらの情報は、各個人毎に異なる癖など
の後天的な特徴情報である。このような特徴情報は、同
じ種類の特徴量を同一の個人が複数回測定しても常に同
じにならないが、各個人毎に独特の傾向があり、測定回
数が増加するにつれてその傾向が現れて個人の同定がか
なり高い確率で可能となる情報である。
【0027】本発明では、このような個人識別用特徴量
を同一の個人に対して複数回測定して得られた複数の個
人識別用特徴量に基づいて前記同一の個人を特定するた
めの個人識別用データを生成している。
【0028】個人識別用データは個人の傾向を表わすデ
ータであり、例えば、中心とばらつき具合とを組み合わ
せた統計学的な集合データとして個人識別用に記憶され
る。この個人識別用データは、できるだけ多くの個人識
別用特徴量に基づいて作成するほど、より正確な個人の
傾向が得られて、他人との差異をより明確に出すことが
できる。このような個人識別用データは、請求項16の
発明では、特徴量測定手段により複数測定された個人識
別用特徴量に基づいて生成する。
【0029】個人の識別を行う際には、本発明では、識
別対象の個人により個人識別用特徴量を複数回測定し
て、得られた複数の個人識別用特徴量と前記個人識別用
データとの統計学的距離に応じて前記識別対象の個人を
識別する。
【0030】個人の識別を行う際には、識別対象の個人
により個人識別用特徴量を複数回測定する。このとき測
定する個人識別用特徴量は少なくとも2つあればよい
が、できるだけ多くを用いると好ましい。
【0031】これは、個人識別用特徴量が不確定な変動
要素によって一測定毎に異なる大きさの誤差を含むため
に、個人識別のために用いる個人識別用特徴量が少ない
と同一の個人であっても他人と判断されて排除される確
率が高くなる。特に、個人識別用特徴量が1つである場
合はこの傾向が顕著に表れやすい。したがって、本発明
では、複数の個人識別用特徴量を用い、これら複数の個
人識別用特徴量と前記個人識別用データとの統計学的距
離に応じて前記識別対象の個人を識別するようにしてい
る。個人識別用特徴量の数は2つ以上の複数であればよ
いが、先に述べた理由により、なるべく多いほうが個人
識別用データとのずれ量の大きさが正確になるので好ま
しい。統計学的距離は、例えば、マハラノビスの距離な
どを用いることができる。
【0032】個人識別の閾値は、一定としてもよいが、
請求項2に記載したように個人識別用特徴量の数に応じ
て変えるようにしてもよい。すなわち、請求項2に記載
の発明は、請求項1に記載の個人識別方法において、前
記統計学的距離の閾値は、識別対象の個人により入力さ
れる個人識別用特徴量の数に応じて設定されていること
を特徴とする。
【0033】また、請求項17に記載の発明は、上記請
求項2に記載の発明を実現するための個人識別装置であ
り、請求項16に記載の個人識別装置において、前記記
憶手段は、識別対象の個人により入力された動作に基づ
いて測定した個人識別特徴量の数に応じて閾値を記憶し
ており、前記個人識別手段は、前記識別対象の個人によ
る個人識別用特徴量の数に応じて前記記憶手段から対応
する閾値を読み出して個人識別を行うことを特徴として
いる。
【0034】すなわち、個人識別用特徴量の数が多けれ
ば多いほどその個人識別用特徴量を測定された個人の傾
向がより顕著に表れる。そのため、例えば、個人識別用
特徴量の数が少ない場合は、個人識別の閾値を低くして
判断基準をゆるめ、個人識別用特徴量の数が多い場合
は、閾値を高くして個人識別の基準を厳しくするなどの
ように、識別する対象の個人識別用特徴量の数に合わせ
て基準を変えることにより、より精度の高い個人の識別
を行うことができる。
【0035】また、例えば、予め定めた回数毎に異なる
本人拒否率の値R%毎(但し、Rは正の数)、あるいは
他人受入率の値D%(但し、Dは正の数)を与える夫々
の統計学的距離(すなわち、参照する個人識別データの
中心からの距離)Lを閾値距離(複数の閾値)とし、判断
基準をゆるめるときは本人拒否率の値R%が低くなるよ
うに、又は、他人受入率の値D%が高くなるように統計
学的距離Lを設定し、判断基準を厳しくするときは本人
拒否率の値R%が高くなるように、又は、他人受入率の
値D%が低くなるように閾値距離Lを設定する構成する
と好ましい。
【0036】なお、個人識別用データとの統計学的距離
の出し方及び個人識別の仕方としては、請求項3に記載
の発明のように、前記複数の個人識別用特徴量を平均し
た平均特徴量と前記個人識別用データとの統計学的距離
を求め、該統計学的距離が所定の閾値以下である場合に
同一の個人であると判定するようにできる。
【0037】また、請求項18に記載の発明は、上記請
求項3に記載の発明を実現するための個人識別装置であ
り、請求項16又は請求項17に記載の個人識別装置に
おいて、前記個人識別手段が、前記複数の個人識別用特
徴量を平均して得た平均特徴量と前記個人識別用データ
との統計学的距離を求め、該統計学的距離が所定の閾値
距離以下である場合に同一の個人であると判定する。
【0038】また、別の個人識別用データとの統計学的
距離の出し方及び個人識別の仕方としては、請求項4に
記載の発明のように、前記複数の個人識別用特徴量の各
々と前記個人識別用データとの統計学的距離を求め、得
られた複数の統計学的距離のうち予め定めた数の統計学
的距離が、所定の閾値距離以下である場合に同一の個人
であると判定する構成とできる。
【0039】また、請求項19に記載の発明は、上記請
求項4に記載の発明を実現するための個人識別装置であ
り、請求項16又は請求項17に記載の個人識別装置に
おいて、前記個人識別手段は、前記複数の個人識別用特
徴量の各々と前記個人識別用データとの統計学的距離を
求め、得られた複数の統計学的距離のうち予め定めた数
の統計学的距離が、所定の閾値以下である場合に同一の
個人であると判定する。
【0040】この場合、複数の統計学的距離の全てが所
定の閾値以下である場合に同一の個人であると判定する
ようにしても良いし、例えば、8割以上等のように所定
の割合以上が所定の閾値以下である場合に同一の個人で
あると判定するように構成できる。勿論、この判断基準
は、固定的にせず、目的とする個人識別の精度に合わせ
て変更可能である。また、所定の閾値も目的とする個人
識別の精度に合わせて変更可能である。
【0041】例えば、予め定められた所定の回数提示さ
れた動作を測定することにより得られる個人識別用特徴
量毎に、個人識別データを記憶手段に記憶しておき、得
られた個人識別用特徴量の数に対応する個人識別データ
を読み出して個人識別用特徴量の夫々の統計学的距離を
算出する。
【0042】算出された統計学的距離が予め定めた閾値
距離以内となる回数をn1、閾値距離よりも大きくなる
回数をn2としたとき、n1≧n2あるいはn1>n2
(この場合、n1=n2であれば再試行を促すように設
定する)の条件を満たせば、本人であると判定するよう
に構成できる。
【0043】また、予め定められた数m(m≦n1+n
2)とし、n1≧m、n1>m、n2≦m、及びn2<
mのいずれかの条件を満たせば、本人であると判定する
ようにも構成できる。さらに、或る定められた割合をP
(0≦P≦1)としたとき、n1/(n1+n2)≧P、
又はn2/(n1+n2)≦Pの条件を満たせば、本人
であると判定するようにも構成できる。
【0044】さらに別の個人識別用データとの統計学的
距離の出し方及び個人識別の仕方としては、請求項5に
記載したように、前記複数の個人識別用特徴量の各々と
前記個人識別用データとの統計学的距離を求め、得られ
た複数の統計学的距離の平均が所定の閾値距離以下であ
る場合に同一の個人であると判定するようにできる。
【0045】また、請求項20に記載の発明は、上記請
求項5に記載の発明を実現するための個人識別装置であ
り、請求項16又は請求項17に記載の個人識別装置に
おいて、前記個人識別手段は、前記複数の個人識別用特
徴量の各々と前記個人識別用データとの統計学的距離を
求め、得られた複数の統計学的距離の平均が所定の閾値
距離以下である場合に同一の個人であると判定する。こ
の場合の所定の閾値距離も目的とする個人識別の精度に
合わせて変更可能である。
【0046】また、識別対象の個人の識別を行うために
用いる個人識別用特徴量は、請求項6に記載のように、
個人識別の必要が生じた時点から後に測定された特徴量
であってもよいし、請求項7に記載のように、個人識別
の必要が生じた時点よりも前の動作の中から抽出された
特徴量とするようにしてもよい。
【0047】すなわち、請求項6に記載の発明では、個
人識別の必要が生じたときに、識別対象の個人に対する
個人識別特徴量を新たに測定して、得られた個人識別特
徴量を用いて同一の個人であるかを判定する。また、請
求項7に記載の発明では、個人識別の必要が生じたとき
に、必要が生じる前までの動作を行った個人が識別対象
の個人であると判断して、必要が生じる前までの動作か
ら個人識別特徴量を抽出して、得られた個人識別特徴量
を用いて同一の個人であるかを判定する。
【0048】請求項21に記載の発明は、上記請求項6
に記載の発明を実現するための個人識別装置であり、請
求項16から請求項20のいずれかに記載の個人識別装
置において、前記個人識別手段は、個人識別の必要が生
じた時点から後の個人識別用特徴量を抽出するための動
作に基づいて測定した個人識別用特徴量を用いて識別を
行うことを特徴とする。
【0049】この場合、個人識別手段は、利用者に個人
識別のための動作を複数回行うように注意を促す構成と
するよい。この注意により個人識別のための動作が複数
回行われると個人識別手段が複数回行われた動作から個
人識別用特徴量を測定し、得られた個人識別用特徴量に
基づいて個人識別用データを作成した個人と同一人物で
あるかの判定を行う。
【0050】また、請求項22に記載の発明は、上記請
求項7に記載の発明を実現するための個人識別装置であ
り、請求項16から請求項20のいずれかに記載の個人
識別装置において、前記個人識別手段は、個人識別の必
要が生じた時点よりも前の動作の中から個人識別用特徴
量を抽出して識別を行うことを特徴とする。この場合、
個人識別手段は、個人識別の必要が生じた時点で、この
時点の前までに行われた複数回の動作の中から個人識別
用特徴量の抽出対象となる動作を抽出し、抽出した動作
から個人識別用特徴量を測定して得られた個人識別用特
徴量に基づいて個人識別用データを作成した個人と同一
人物であるかの判定を行う。
【0051】なお、本発明で述べる個人識別の必要が生
じたときとは、例えば、パーソナルコンピュータにおい
て、ファイルやホルダを開くとき、アプリケーションの
実行指示を出したとき、ネットワークに接続するとき等
のように利用者が新たな処理を行うとき、又は機密性の
高い領域に入る必要があるときなどの利用者の認証が必
要とされる時点である。
【0052】なお、請求項7に記載の個人識別方法にお
いて、請求項8に記載したように、他人と判定された場
合に、新規に個人識別用特徴量の抽出対象となる動作の
入力を指示し、この指示によって行われた動作に基づい
て個人識別用特徴量を測定し、得られた個人識別用特徴
量に基づいて個人の識別を行う。すなわち、請求項8に
記載の発明では、抽出した動作の中に他人による動作が
混ざるなどの不適当な動作が含まれるなどのように何ら
かの事情で同一の個人であるにもかかわらず、同一の個
人でないと誤判断された場合であっても、新規に個人識
別用特徴量の抽出対象となる動作の入力を指示して入力
された動作に基づく個人識別特徴量を測定するため、よ
り正確に個人の識別を行うことができる。
【0053】また、請求項23に記載の発明は、上記請
求項8に記載の発明を実現するための個人識別装置であ
り、請求項22に記載の個人識別装置において、前記個
人識別手段は、他人と判定した場合に、個人識別用特徴
量の抽出対象となる動作の入力を指示して新規に入力さ
れた動作に基づいて測定した個人識別特徴量を用いて識
別を行う。
【0054】さらに、請求項9に記載の発明では、請求
項6から請求項8のいずれか1項に記載の個人識別方法
において、個人識別用特徴量の抽出対象となる動作が所
定時間間隔以内に繰り返して行われない場合に、新規に
前記動作の入力を指示し、入力された前記動作に基づい
て測定した個人識別特徴量を用いて個人を識別すること
を特徴としている。
【0055】また、請求項24に記載の発明は、上記請
求項9に記載の発明を実現するための個人識別装置であ
り、請求項21から請求項23のいずれか1項に記載の
個人識別装置において、前記個人識別手段は、個人識別
用特徴量の抽出対象となる動作が所定時間間隔以内に繰
り返して行われない場合に、新規に前記動作の入力を指
示し、入力された前記動作に基づいて測定した個人識別
特徴量を用いて個人識別を行う。
【0056】個人識別のために行われる繰り返し動作が
所定時間間隔以上となると他人が入れ替っている可能性
が出てくる。この場合、繰り返し動作のうちの殆どが同
一の本人による動作であれば、他人が入れ替わっていて
も同一の個人として認証される恐れが出てくる。そのた
め、本発明では、個人識別用特徴量の抽出対象となる動
作が所定時間間隔以内に繰り返して行われない場合に
は、他人が入れ替わっている可能性大と判断して、新た
に個人識別用特徴量の抽出対象となる動作が入力される
ように指示を出し、新規に入力された動作に基づいて測
定された個人識別用特徴量を用いて個人識別を行う。こ
れにより、個人識別の精度を上げることができる。
【0057】なお、所定時間間隔は、行う動作に応じて
適宜選択できるが、少なくとも同一人物が同じ動作を連
続して行う場合には十分な時間間隔であるが他人が入れ
替わって同じ動作を行うには短い時間間隔である。
【0058】また、個人識別のために行われる繰り返し
動作に基づいて測定された個人識別特徴量のうち、連続
して測定された2つの個人識別特徴量の差があまりにも
大きい場合には、他人が入れ替っている可能性が出てく
る。
【0059】そのため、請求項10に記載の発明では、
請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の個人識別
方法において、前記複数の個人識別用特徴量のうち、連
続して入力された動作に基づいて測定した個人識別特徴
量の差が予め定めた差よりも大きく、かつ、後から入力
された動作に基づいて測定した個人識別特徴量に近い個
人識別用特徴量がさらに連続して入力された場合、新規
に個人識別用特徴量の抽出対象となる動作の入力を指示
して個人を識別することを特徴としている。
【0060】また、請求項25に記載の発明は、上記請
求項10に記載の発明を実現するための個人識別装置で
あり、請求項21から請求項24のいずれか1項に記載
の個人識別装置において、前記複数の個人識別用特徴量
のうち、連続して入力された動作に基づいて測定した個
人識別特徴量の差が予め定めた差よりも大きく、かつ、
後から入力された動作に基づいて測定した個人識別特徴
量に近い個人識別用特徴量がさらに連続して入力された
場合、前記個人識別手段は、個人識別用特徴量の抽出対
象となる動作の入力を指示して新規に入力された動作に
基づいて測定した個人識別特徴量を用いて識別を行う。
【0061】すなわち、本発明では、個人識別のために
行われる繰り返し動作に基づいて測定された個人識別特
徴量のうち、連続して測定された2つの個人識別特徴量
の差が予め定めた差よりも大きく、かつ、後から入力さ
れた動作に基づいて測定した個人識別特徴量に近い個人
識別用特徴量がさらに連続して入力された場合、他人が
入れ替わっている可能性大と判断して、新たに個人識別
用特徴量の抽出対象となる動作が入力されるように指示
を出し、新規に入力された動作に基づいて測定された個
人識別用特徴量を用いて個人識別を行う。これにより、
個人識別の精度を上げることができる。
【0062】また、1回の個人識別では同一の個人であ
っても他人と判定する可能性が大きい。この可能性は、
識別対象の個人により入力される前記動作の数が多くな
ればなるほど小さくなるが、同一の個人であっても他人
と判定する可能性はある。
【0063】そのため、請求項11に記載の発明は、請
求項1から請求項10のいずれか1項に記載の個人識別
方法において、他人と判定された場合に、新たに入力指
示する動作の繰り返し数を増加させて測定される個人識
別用特徴量の数を増加させることを特徴としている。
【0064】また、請求項26に記載の発明は、上記請
求項11に記載の発明を実現するための個人識別装置で
あり、請求項16から請求項25のいずれか1項に記載
の個人識別装置において、前記個人識別手段は、他人と
判定した場合に、入力指示する動作の繰り返し数を増加
させて測定される個人識別用特徴量の数を増加させ、前
回の識別よりも多い個人識別用特徴量を用いて識別を行
う。
【0065】すなわち、本発明では、最初の個人識別で
は他人と判定されたが再度個人識別を行う場合に、入力
指示する動作の数を増加させることで前回の個人識別よ
りも識別対象の個人の傾向をより反映した個人識別特徴
量に基づいて個人識別を行う。これにより、同一の個人
であるにもかかわらず他人と判定されて排除されるのを
高い確率で防ぐことができる。
【0066】また、請求項12に記載の発明は、請求項
1から請求項11に記載の個人識別方法において、同一
の個人であると判定された場合に、判定に用いた個人識
別用特徴量を前記個人識別用データに加えることを特徴
としている。
【0067】また、請求項27に記載の発明は、上記請
求項12に記載の発明を実現するための個人識別装置で
あり、請求項16から請求項25のいずれか1項に記載
の個人識別装置において、前記個人識別手段は、同一の
個人であると判定した場合に、判定に用いた個人識別用
特徴量を前記個人識別用データに加えることを特徴とし
ている。
【0068】すなわち、個人識別に用いる個人識別用デ
ータは、個人識別用データの基となる個人識別用特徴量
が多ければ多いほどその個人の傾向が顕著となり、他人
との差異を明確にできる。そのため、同一の個人である
と判定された識別対象の個人の個人識別用特徴量を個人
識別用データに加えることにより、個人識別用データの
基となる個人識別用特徴量の数が増え、判定精度をあげ
ることができる。
【0069】請求項13に記載の発明は、請求項1から
請求項12に記載の個人識別方法において、個人識別の
重要度合に応じて前記識別対象の個人による個人識別用
特徴量の数を変えることを特徴としている。
【0070】また、請求項28に記載の発明は、上記請
求項13に記載の発明を実現するための個人識別装置で
あり、請求項16から請求項27のいずれか1項に記載
の個人識別装置において、前記個人識別手段は、個人識
別の重要度合に応じて前記識別対象の個人による個人識
別用特徴量の数を変えることを特徴とする。
【0071】個人識別の必要は、例えば、1つのパソコ
ンを複数の人間で使用する場合のプライバシーなどにお
ける観点から生じる場合や、機密文書を閲覧する場合、
さらに、ビルなどの入退室時、機械や装置の操作などの
ように、様々な場面で生じることが考えられる。
【0072】一方、個人識別の精度を上げるためには、
識別対象の個人に対してより多くの動作を繰り返させる
必要がある。個人識別のために必要な動作の繰り返し数
が多くなると個人識別のために時間がかかるだけでな
く、識別される側に煩わしさを与えてしまう。そのた
め、本発明では個人識別の重要度合に応じて前記識別対
象の個人による個人識別用特徴量の数を変えている。例
えば、個人識別の重要度合があまり高くない場合では、
さほど確実な個人識別精度が要求されないので、個人識
別の時間を短く、かつ、識別される側に煩わしさを与え
ることのないように、個人識別のために必要な動作数を
少なくする。また、逆に、個人識別の重要度合が高い場
合では、時間が掛かって識別される側に煩わしさを与え
ても、より確実な個人識別が要求されるので、個人識別
のために必要な動作数を多くする。
【0073】このように、人識別の重要度合に応じて前
記識別対象の個人による個人識別用特徴量の数を変える
ことによって、目的に合わせた個人識別レベルを設定す
ることが可能である。
【0074】請求項14に記載の発明は、請求項1から
請求項13のいずれか1項に記載の個人識別方法におい
て、複数の前記個人識別用データと、識別対象の個人に
対して複数回測定して得られた複数の個人識別用特徴量
との統計学的距離を比較し、複数の前記個人識別用デー
タの中から最も近い統計学的距離の個人識別用データを
選択して識別することを特徴としている。
【0075】また、請求項29に記載の発明は、上記請
求項14に記載の発明を実現するための個人識別装置で
あり、請求項16から請求項28のいずれか1項に記載
の個人識別装置において、前記記憶手段は、複数個人の
夫々についての前記個人識別用データを記憶しており、
前記個人識別手段は、前記記憶手段に記憶された複数の
前記個人識別用データと、識別対象の個人により入力さ
れた複数の個人識別用特徴量との統計学的距離とをそれ
ぞれ比較し、複数個人の個人識別用データの中から最も
近い統計学的距離の個人識別用データを選択して識別す
ることを特徴とする。
【0076】本発明では、複数の個人識別用データの中
から近い個人識別用データを選択して選択された個人識
別用データと識別対象の個人とにおいて個人識別を行
う。このとき選択する個人識別用データは1つでも複数
でも良く、選択した個人識別用データと識別対象の個人
による繰り返し動作に基づく複数の識別用特徴量とを用
いることにより、効率的に個人識別を行うことができ
る。
【0077】また、以上述べた全ての発明における個人
識別用特徴量とは、例えば、請求項15に記載したよう
に、装置や機械の一部或いは全体を握ったり覆ったりす
る手等身体の予め定めた部分と接触又は近接する身体の
少なくとも一部に光を照射して得られる反射光の強度情
報等の身体形状を反映する情報、予め定めた部分を押圧
するときの身体の少なくとも一部の時間的な変形を反映
する情報等の身体の一部の時間的な変形を反映する情
報、キーボード操作のパターン情報、瞬目パターン情
報、脈波パターン情報、音声パターン情報、及び、筆跡
パターン情報の少なくとも1つを用いることができる。
勿論、これらを組み合わせて1つの個人識別用特徴量と
することもできる。
【0078】このような個人識別用特徴量を測定する特
徴量測定手段としては、例えば、請求項30に記載した
ように、被押圧面を押圧したときの指と被押圧面との接
触状態の変化を反映した特徴量、被押圧面を押圧したと
きの指と被押圧面との押圧状態の変化を反映した特徴
量、及び異なる個所の被押圧面を連続して押圧したとき
の時間差を反映した特徴量の少なくとも1つを検出する
構成とすることができる。
【0079】なお、上記請求項16から請求項30のい
ずれか1項に記載の個人識別装置は、請求項31に記載
のように、身体の少なくとも一部の動き及び形状の少な
くとも一方を反映し、かつ、不確定な変動要素によって
一測定毎に異なる大きさの誤差を含み個人毎に特定の傾
向を表わす個人識別用特徴量を、同一の個人に対して複
数回測定し、得られた複数の個人識別用特徴量に基づい
て前記同一の個人を特定するための個人識別用データを
生成し、識別対象の個人に対して複数回測定して得られ
た複数の個人識別用特徴量と前記個人識別用データとの
統計学的距離に応じて前記識別対象の個人を識別する個
人識別プログラムに基いて処理を行っている。この個人
識別プログラムは個人識別装置内の記録媒体の所定の記
録領域に記録されたものである。なお、個人識別プログ
ラムを個人識別装置とは別体の記録媒体に記憶させ、該
記録媒体からインストールしてもよい。
【0080】また、上記請求項16から請求項30に記
載の個人識別装置は、請求項32に記載のように、複数
の前記個人識別用データと、識別対象の個人に対して複
数回測定して得られた複数の個人識別用特徴量との統計
学的距離を比較し、複数の前記個人識別用データの中か
ら最も近い統計学的距離の個人識別用データを選択して
識別することを特徴とする個人識別プログラムに基いて
処理を行うようにすることもできる。この個人識別プロ
グラムは個人識別装置内の記録媒体の所定の記録領域に
記録されたものである。勿論、上記請求項31と同様に
個人識別プログラムを個人識別装置とは別体の記録媒体
に記憶させ、該記録媒体からインストールしてもよい。
【0081】また、請求項33に記載の発明の個人認証
システムは、互いに直接又は間接的に接続される複数の
領域での個人認証システムであって、前記領域同士を接
続する部分に、前記請求項16から請求項30のいずれ
か1項に記載の個人識別装置を備え、特定の領域から選
択された他の領域への移動時に、前記個人識別装置によ
り個人識別を行い、同一の個人であると判定されたとき
に移動可能とすることを特徴とする。
【0082】すなわち、請求項33に記載の発明は、パ
ソコンのファイル構造や建物内の複数の部屋を通り抜け
る構造の建物などのように目的の領域に到達するために
は、いくつもの領域を通過する必要ががある構成におい
て、1つの領域から他の領域へ移動する際に、個人識別
装置により個人識別を行い、同一の個人であると判定さ
れたときに移動可能とするよう構成している。これによ
り、他人の入れ替わりや進入を早めに発見することが可
能である。なお、この際、好ましくは、前回までの動作
の中から個人識別用特徴量を測定するように構成するこ
とにより、個人識別のための動作が識別対象者に意識さ
れることがないので機密性の観点からも好ましい。
【0083】このような個人認証システムを適用可能な
装置としては、例えば、パーソナルコンピュータ(周辺
機器、マウスやキーボード等)、移動通信に用いられる
移動端末(携帯電話、PHS、携帯端末等)、玩具、家電
製品、リモコン、自動車・自転車・オートバイ・航空機・船
舶・電車等のドアや操舵装置(ステアリング)、腕時計、
銃、建物や部屋の入口ドア、工作機械の操作盤、及びプ
ラントの操作盤等が挙げられる。
【0084】また、請求項34に記載の発明は、請求項
33に記載の個人認証システムにおいて、特定の領域か
ら選択された他の領域への移動が複数回なされ、該移動
の度に個人識別を行う場合、新たに特定の領域から選択
された他の領域への移動するための個人識別の際に、前
回までの個人識別に用いた全ての個人照合特徴量を識別
対象の個人照合特徴量として加えることを特徴とする。
【0085】前回までの個人識別に用いた全ての個人照
合特徴量を識別対象の個人照合特徴量として加えること
により、識別対象の個人の傾向をより反映することとな
る。そのため、例えば、パソコンなどの操作において途
中から他人が入れ替わった場合は突然傾向の変わった特
徴量が測定されることとなるので顕著に差異が現れ、判
定精度を上げることができる。また、別の例としては、
建物の入室の場合などにおいて最初は誤判定により入室
許可が下りたとしても繰り返し個人識別を行うことによ
り、得られる個人識別用特徴量の数が多くなり、個人の
傾向をより反映したものとなるので誤判定の確率が個人
識別を行うほど低くなり、建物内に入りこめたとしても
判定を繰り返すうちに他人と判定される確率が高くな
る。
【0086】また、請求項35に記載の発明の個人認証
システムは、請求項16から請求項30のいずれか1項
に記載の個人識別装置を備えた個人認証システムであっ
て、前記個人識別装置により識別対象の個人が同一の個
人と判定された場合に、施錠を解除して操作可能とする
施錠機構を備えている。
【0087】これにより、施錠機構は個人識別装置によ
り識別対象の個人が同一の個人と判定された場合に施錠
を解除するため、他人と判定された場合は施錠されたま
まであり、他人を排除することができる。
【0088】例えば、個人認証システムを適用する装置
の記憶手段に、利用者の個人識別データを記憶させてお
く。利用者がこの装置を利用する際には、特徴量測定手
段に対して特徴量を測定させるための動作を繰り返し提
示させる。これにより、特徴量測定手段は、提示された
動作から複数の特徴量を測定し、個人識別手段により同
一の個人であると識別されると、これら装置や機械の使
用がその利用者に許可されて、例えば、装置や機械の電
源の投入可否、発信や特定の動作の可否、装置や機械の
他の記憶手段に格納した情報へのアクセス権付与の可
否、装置や機械にネットワークを通じて接続される他の
装置や機械に格納された情報へのアクセス権付与の可
否、ネットワークへの接続の可否、等のアクセスが可能
とされる。
【0089】なお、例えば、装置や機械の電源の投入可
否、発信や特定の動作の可否、装置や機械の他の記憶手
段に格納した情報へのアクセス権付与の可否、装置や機
械にネットワークを通じて接続される他の装置や機械に
格納された情報へのアクセス権付与の可否、ネットワー
クへの接続の可否、等のアクセスの度に個人識別を行う
ように構成することにより、より高い精度で他人を排除
することができる。
【0090】さらに、好ましくは、利用者の個人識別デ
ータとIDナンバー(利用者識別番号又はパスワード)と
の組み合せにより個人の識別を行うように構成すること
により、より個人認識精度を上げることが可能となる。
【0091】なお、これらの情報や装置とに対するアク
セス制限の設定及び解除は、情報や装置別に利用者が自
由に行えるように構成してもよい。
【0092】
【発明の実施の形態】以下、図1から図19を参照して
本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0093】(第1の実施の形態)以下、図面を参照し
て、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ま
ず、個人識別装置10について説明する。図1に示すよ
うに、本実施の形態に係る個人識別装置10は本装置全
体の動作を制御する制御部12、オペレータ(ユーザ)
からの各種情報等の入力に使用するキーボード14及び
マウス16、文字情報や画像情報等の各種情報を表示す
るディスプレイ18を含んで構成されている。
【0094】制御部12はCPU(中央演算処理装置)
22を備えており、CPU22には、後述する各種テー
ブル等が記憶されるハードディスク20、各種プログラ
ムやパラメータ等が記憶されたROM24、及びCPU
22による各種プログラムの実行時におけるワークエリ
ア等として用いられるRAM26が接続されている。ま
た、CPU22には、キーボード14、マウス16、及
びディスプレイ18が各々接続されている。なお、本実
施の形態では、ROM24には、CD−ROMに記録さ
れた個人を識別する個人識別プログラム(詳細は後述)
がインストールされている。なお、CD−ROMは本発
明の記録媒体に相当する。
【0095】このように、本実施の形態に係る個人識別
装置10は、汎用のパーソナル・コンピュータ(以下、
PCと称す。)で構成されており、PC内に保存された
ファイルのアクセス権の認証に本発明の個人識別方法及
び個人認証システムを適用した一例である。すなわち、
本実施の形態に係る個人識別装置10ではCPU22に
より所定プログラムを実行することによって、当該PC
のユーザ(本発明の「個人」に相当)を識別することが
できるように構成されている。なお、個人識別装置10
には、OSとしてWindows98が搭載されてい
る。
【0096】また、本実施の形態で用いるマウス16に
は、図2に示すように、クリックの際に指が置かれるボ
タン位置の電気抵抗の変化を特徴情報として検出する測
定センサ40と、クリックの際にマウスの上面を覆う掌
に発光素子50によって光を照射し受光素子52により
反射光を受光することにより、掌形状の三次元変動を特
徴情報として検出する三次元物体識別装置とが設けられ
ている。なお、測定センサ40及び三次元物体識別装置
は本発明の特徴量測定手段に相当し、特徴情報は本発明
の個人識別用特徴量に相当する。
【0097】測定センサ40は、指と被押圧面との接触
面積の変化に応じて電気抵抗が変化する部材より構成さ
れており、測定検出部30を構成する。測定検出部30
は、図3に示すように、測定センサ40(測定部)、第1
定電圧源42、I−Vコンバータ回路44(検出部)とか
ら構成されている。(図3)測定センサ40は、例え
ば、図4に示すように、クリックの際に指腹面により押
圧されるマウスのボタン上に、第1電極46a、第1抵
抗層48a、第2抵抗層48b、及び第2電極46bを
順に積層形成して構成されている。
【0098】測定センサ40を構成する第1電極46a
及び第2電極46bは、例えば、メッキ法によって厚さ
0.1μmから30μm程度に形成されたCu、Au及
びNiのうちから選択された1種類または複数種類より
なる合金等の良導電性金属薄膜(但し、CuまたはNi
であれば、厚さ10μmから30μm程度が好ましく、
Auであれば厚さ0.1μmから3μm程度が好まし
い。)や、Pt、Pb等の薄膜を成膜後エッチングによ
ってパターンニングした厚さ1μmから10μm程度の
金属薄膜により構成できる。また、第1抵抗層48a及
び第2抵抗層48bは、ボタンを操作する時に違和感を
感じさせない薄さで、かつ割れ、欠け、塑性変形等を起
こさない強度を持つように形成されている。
【0099】抵抗層の材質としては、例えば、金属、導
電化処理された樹脂、黒鉛や無定形炭素成形物等を用い
ることができる。具体的には、例えば、アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン三元共重合体(ABS)、また
はポリカーボネート(PC)、または、ポリプロピレン
(PP)等の有機粘結剤に黒鉛を分散し、厚さ100μm
〜1000μm、抵抗率102Ωcm〜104Ωcmとな
るように成形したフィルム状成形物が好適である。ま
た、厚さ50μm〜500μmのポリエステルフィルム
等の耐熱性高分子フィルム表面に、酸化すずを添加した
酸化インジウムを蒸着後、酸化処理して得られる抵抗率
102〜106Ωcmのフィルム等も用いることができ
る。
【0100】このような構成の測定センサ40の第1電
極46aと第2電極46bとには第1定電圧源42が接
続され、第1電極46aと第2電極46b間に定電圧が
印加されている。また、第1電極46aはI−Vコンバ
ータ回路44に接続され、第2電極46bは接地されて
いる。
【0101】第1電極46aに接続されたI−Vコンバ
ータ回路44は、第1電極46aと第2電極46b間の
電気抵抗値の変化を電圧の変化として検出しており、図
3に示すように、オペアアンプ82、抵抗Rf81、コ
ンデンサ83、定電圧源85bとを含んでいる。
【0102】第1電極46aはオペアアンプ82の非反
転入力端に接続されており、オペアアンプ82の出力端
は抵抗Rf81と、コンデンサ83を並列に介して該オ
ペアアンプ82の出力端に接続されている。一方、オペ
アアンプ82の反転入力端には第2定電圧源85bが接
続され、第1定電圧源42と同じ大きさの定電圧が印加
されている。
【0103】第1抵抗層48aと第2抵抗層48bとの
間の界面は接触抵抗により電気的に非接続状態となって
おり、指による押圧動作によりかかる圧力の大きさに応
じて接触面積が増大して接触抵抗が変化し第1電極46
aと第2電極46bとを電気的に接続する。
【0104】即ち、ボタンを押し始め、クリックし、ボ
タンから指を離す動作に応じて、測定センサ40を押圧
する押圧力が変化し、この押圧力の変化に対応して、第
1抵抗層48a及び第2抵抗層48b間の接触圧力が変
化する。この接触圧力の変化に対応して、第1抵抗層4
8aと第2抵抗層48bとの間の電気抵抗は次第に減少
し、クリック時にピークに達し、その後次第に増加し安
定状態に至るという変化を示す。即ち、押圧力の変化に
対応して第1電極46aと第2電極46bとの間を流れ
る電流量が変化し、I−Vコンバータ回路44により変
換された電圧値も同様な傾向を示すこととなる。
【0105】このように、電気抵抗の変化は、指腹とボ
タン上や内部に設けられた電極との接触面積の変化や接
触圧の変化、或いは電極と指腹が接触する構造では発汗
による指の導電性の変化などが反映する情報であり、接
触面積の変化や接触圧変化の情報には、ボタン操作時の
強弱や速さといった後天的な癖と、指腹の柔らかさ、指
腹の形状などの先天的な個人差の両方の情報が含まれ、
発汗状態は、発汗量の個人差とその時々の心理状態を反
映している。すなわち、電気抵抗の変化を検出すること
により、マウス16のボタンをクリックした個人毎の癖
などの傾向を検出することができる。
【0106】この測定センサ40としては、本実施の形
態で述べた構成の他に、例えば、特開2000−300
543に開示されているような種々の構成ものを適用す
ることができる。
【0107】マウス16がクリックされたときの電気抵
抗の変化はI−Vコンバータ回路44の出力としては、
個人識別装置が組み込まれたにPC本体に出力される。
個人識別装置は、図5に示すように、大別して、測定検
出部30、信号処理部34、A/D変換部36、タイミ
ング制御部38、FIFO(First In First Out)メモリ
33、RAM26、ROM24、判定結果信号出力部3
7、CPU(制御部)100とを備え、測定検出部30、
信号処理部34、A/D変換部36、FIFO(First I
n First Out)メモリ33とが直列して接続されており、
FIFOメモリ33、RAM26、ROM24、判定結
果信号出力部37、CPU(制御部)22がバス27を介
して接続された構成である。また、FIFOメモリ33
とCPU22とには、それぞれタイミング制御部38が
接続されており、タイミング制御部38は、マウスボタ
ン部16aの出力タイミングを検出してこれらFIFO
メモリ33とCPU22とに出力している。
【0108】I−Vコンバータ回路44からの出力は一
旦信号処理部34に入力され、ノイズ除去などの所定の
信号処理が施された後、A/D変換部36に出力され
る。A/D変換部36は、入力された1回のクリックに
よる振幅波形信号をAD変換して量子化し、複数次元の
ベクトルとする。
【0109】一般に、一回のシングルクリックにかかる
時間は0.4秒〜0.7秒程度、一回のダブルクリック
にかかる時間は0.5秒〜0.8秒程度であるので、サ
ンプリング時間間隔は100ms以下であれば十分であ
るが、電圧のピーク位置(或いはボトム位置)をより正確
に見つけるためには、サンプリングの時間間隔を出来る
だけ短くした方が望ましい。そのため、本第1の実施の
形態のA/D変換部36では、サンプリング時間間隔を
12.5ms(80Hz)としている。
【0110】A/D変換部36の出力は、全て先だし先
読みメモリであるFIFO(FirstIn First Out)メモリ
33に記憶される。FIFOメモリ33には、タイミン
グ制御部38が接続されており、このタイミング制御部
38は、図示はしないが、クリック動作によりマウスか
ら出力される電気信号が入力されるように構成されてい
る。
【0111】タイミング制御部38は、マウスのクリッ
ク動作によりアクセスされるファイルが、例えば、最重
要機密に属するファイルや、個人のプライベート情報を
格納したファイル等のように第3者に閲覧されるのを防
止する必要があるファイルをアクセスしたときや、クリ
ックされる度毎や、または予め定めた所定時間経過した
後の最初のクリック時等のクリックタイミングをFIF
Oメモリ33とバス27を介して後述するCPU22と
に出力する。
【0112】クリックタイミングは、1回のクリックに
よる振幅波形信号において、最も高い電圧値を示すピー
ク位置(或いは最も低い電圧値を示すボトム位置)でのタ
イミングである。FIFOメモリ33は、図6(A)及
び図6(B)に示すように、ボタンが押圧され始めたと
きを規準として前に12.5ms(80Hz)毎にサンプ
リングした20点の電圧値、つまり振幅値を1組として
出力する。なお、クリック時の波形ベクトルの要素はサ
ンプリング時間毎の特徴量抽出点における振幅値(電圧)
であり、特徴量抽出点の数はベクトルの次元となるの
で、本実施の形態では、20次元のベクトルが得られる
ことになる。
【0113】FIFOメモリ33から出力された1組の
特徴量はバス27を介してRAM26に記憶される。記
憶された特徴量は個人の登録を行なう場合と、照合識別
処理を行う場合とに応じてバス27を介して接続された
CPU22によりRAM26から読み出され、それぞれ
に対応した処理が施される。
【0114】また、三次元物体識別装置32は、3次元
物体1に光を照射する少なくとも1つ以上の発光素子5
0と、3次元物体1からの反射光を受光して反射光に応
じた検出信号を出力する少なくとも1つ以上の受光素子
52とを備え、手などで反射された発光素子50からの
光を受光素子52で受光して得られた光強度に基づいて
反射面の三次元形状を検出する構成である。なお、発光
素子50および受光素子52の数はそれぞれ2〜10程
度の範囲に設定することが望ましい。勿論、発光素子5
0と受光素子52との数は必ずしも一致させる必要はな
い。
【0115】本実施の形態では、三次元物体識別装置3
2の特徴量測定部として、4つの発光素子50と4つの受
光素子52とを備えている。複数の発光素子50をそれ
ぞれ異なる位置に配置すると、方向、距離が違う複数の
光線が3次元物体1に照射されることとなる。そのた
め、受光素子52において受光される反射光量を、それ
ぞれの発光素子50から発光された光に対応する反射光
量に分離することにより、3次元物体の形状等で規定さ
れる複数種類の反射光量を得ることができ、3次元物体
の識別精度を向上させることができる。
【0116】また、複数の受光素子3をそれぞれ異なる
位置に配置すると、3次元物体1からの反射光を異なっ
た方向、距離で検出することができるので、3次元物体
の形状等で規定される複数の反射光量を得ることがで
き、3次元物体の識別精度を向上させることができる。
さらに、複数の発光素子50および複数の受光素子をそ
れぞれ異なる位置に配置すると、複数の発光素子50お
よび複数の受光素子52の組み合わせによるさらに多く
の反射光量を得ることができ、3次元物体の識別精度を
さらに向上させることができる。
【0117】このような発光素子50としては、発光ダ
イオード、半導体レーザーあるいは白熱電球等を使うこ
とができるが、消費電力が少ない、十分な光量を得られ
る、放射光に広がりがある、光を変調するために十分な
応答速度を持っている、安価であるという点から発光ダ
イオードが最も適している。発光素子50が放出する光
としては可視光線、赤外線を用いることができるが、赤
外線(例えば、波長800nm〜900nm)を用いる
と人間の目に見えにくく、人間に違和感を与えないとい
う点で有効である。
【0118】また、受光素子52としては、フォトダイ
オード、フォトトランジスタ、硫化カドミューム素子あ
るいはCCD等を用いることができるが、フォトダイオ
ードあるいはフォトトランジスタが感度、応答速度、お
よび価格等の点で適している。なお、発光素子50で赤
外線を照射させる場合には、可視光線を遮断し、発光素
子50で照射させる光と同じ波長の光を通過させるフィ
ルタを、受光素子3の受光部分に取り付けることで、照
明等の外光による影響をさらに抑制して、実質的な感度
を向上させることができ、識別処理の識別精度を向上さ
せることができる。
【0119】ここで、本3次元物体識別装置32により
3次元物体を識別するために使用する受光素子52で受
光される反射光の光量(以下、反射光量という)につい
て説明する。受光素子52における反射光量は、発光素
子50の位置、3次元物体1の表面の質と形状、受光素
子52の位置によって決まる。
【0120】したがって、3次元物体1の質と形状が同
一であり、発光素子50、受光素子52、および3次元
物体1の位置関係が一定であれば、受光素子52で受光
される反射光量は常に一定になる。また、3次元物体1
の質あるいは形状が変われば、一般には反射光量は変わ
るので、反射光量を3次元物体が同一であるか否か等の
識別に利用することができる。
【0121】図2には、発光素子50としてLEDを用
いた場合の点灯波形と、受光素子52にPTrを用いた
場合の検出波形とが示されている。この受光素子52に
よる検出波形は、個人によって異なる波形となるだけだ
なく、同一のユーザによっても誤差が生じる波形であ
る。そのため、個人登録を行う場合は、それぞれのユー
ザ毎にたとえば、100回などの纏まった回数同じ動作
を行わせることにより、個人認証用の辞書(個人識別デ
ータ)を作成する。なお、この三次元物体識別装置32
は、特開2000−146538に開示されている構成
ものを適用することができる。
【0122】ここで、本実施の形態の個人識別装置にお
ける処理の流れを説明する。上述したように、オペレー
タ(ユーザ)によってマウスがクリックされたときに、
測定検出部30により計測された電気抵抗の変化の状態
を表わす特徴情報と、三次元物体識別装置32によりマ
ウスのクリックに伴って変形する掌の形を反映した特徴
情報とは、それぞれCPU22に出力される。
【0123】CPU22はROM24に記録された個人
識別プログラムに応じて個人を認証の対象として登録す
る処理(個人登録)と個人識別処理(照合処理)のいずれ
か一方の処理を実行する。
【0124】個人登録は、例えば、ランダムに3人のユ
ーザを選択し、それぞれのユーザが100回シングルク
リックした場合、一人につき100組の電気抵抗の変化
の状態を表わす特徴量が得られる。これをグラフ化する
と図7(A)、図7(B)及び図7(C)のようにな
る。また、このとき、一人につき100組の受光素子5
2による検出波形も得られる。これらを解析して特徴量
としてグラフ化すると、例えば、図8(A)、図8
(B)及び図8(C)のように、個人毎に傾向がかなり
異なる情報となる。CPU22は個人毎の100組の情
報に基いて特徴ベクトルと特徴行列とを演算する。
【0125】すなわち、100組の情報を各次元毎に平
均化し、得られたものを特徴ベクトルとして個人毎の識
別データと共に格納すると共に、100組の情報から分
散共分散行列(又は相関行列)を演算して得られたもの
を特徴行列とし、特徴ベクトルと同様に個人毎の識別番
号と共にRAM26に記憶する。この処理は、受光素子
52による検出波形情報についても同様に行う。
【0126】本実施の形態では、電気抵抗の変化の状態
を表わす特徴情報の特徴ベクトルと特徴行列及び掌の形
を反映した特徴情報の特徴ベクトルと特徴行列とを個人
毎の識別番号と共に格納していれば良いが、後述する識
別の際に用いる閾値距離は登録者毎、又は個人認証用の
辞書(個人識別データ)の基となった情報の数毎に異な
る場合もあるので、この場合では個人毎に定められる閾
値距離及びも特徴ベクトル及び特徴行列と同様に個人認
証用の辞書(個人識別データ)の基となった情報の数
も、個人毎の識別番号と共にRAM26に記憶してい
る。
【0127】また、照合識別処理は、ROM41に記憶
された照合識別プログラムに基づく処理であり、バス2
7を介してタイミング制御部38のタイミング出力がC
PU22に入力されて、CPU22がタイミング制御部
38のタイミング出力を検知すると実行される。照合識
別処理は、登録されたユーザと入力を実行するユーザと
が同一人物であるかを判定する照合処理と登録された多
数のユーザの中から一人のユーザを選択する識別処理と
を含んでいる。また、この照合識別処理はユーザにより
設定可能であり、所望の文書やファイルに自由に設定す
ることができる。また、1つの文書又はファイルに照合
識別処理を行う設定を施した場合に、下層のファイルに
行くにしたがって個人識別の精度を厳しくするように設
定することも可能である。さらに、1つの文書又はファ
イルに照合識別処理を行う設定を施した場合に、同じ層
の全てのファイルに対して同様の個人識別の精度で照合
識別処理を行うよう設定することもできる。
【0128】照合識別処理に含まれる照合処理は、入力
された個人名に応じた識別番号と共にRAM26に記憶
された特徴ベクトルと特徴行列(以後、個人データと称
す)及びその個人に対応した閾値距離とを読出し、読み
出した個人データと入力された特徴量とを比較して該当
するかの判定を行なう。このとき、CPU22は、ユー
ザに複数回繰り返してクリックを行う様にディスプレイ
18に指示を出す。
【0129】CPU22は、入力された掌型とクリック
それぞれの未知の波形ベクトルと、RAM26から読み
出した個人データとのマハラノビス距離を演算し、得ら
れた距離が適切に設定した閾値距離より近い距離であれ
ば、同一の個人と判定する。
【0130】このとき用いる閾値距離は、入力された掌
型とクリックそれぞれの未知の波形ベクトルの数に応じ
て決定された閾値距離である。例えば、図9に本人拒否
率(FRR)を10%としたときの他人受け入れ率(F
AR)と照合に用いるデータ数(サンプル数)との関係
を示す。この値は、掌型とクリック特徴ベクトルの、そ
れぞれの複数データの算術平均をとり、掌型とクリック
それぞれのテンプレートからの距離と出現頻度から計算
されるそれぞれFRR5%時のFARの積(AND)を
算出して得られた値である。(なお、それぞれFRR5
%のときの積(AND)ではFRRは10%くらいにな
る。また、積(AND)をとるとFARは小さくなる
が、FRRは大きくなる。そのため、ここでは、積(A
ND)をとってその時のFRRが10%になるように、
それぞれのFRRは約5%のときをとっている。)図9
から明確なように、本人拒否率が同じであっても参照す
るデータ数が多いほど他人受入率を低く抑えることがで
きる。この場合、例えば、セキュリティレベルの低いス
クリーンセーバの解除では参照する過去データ数を5回
とし、この時の閾値を他人受入率4%の距離とし、セキ
ュリティレベルのやや高い特定のフォルダの参照する過
去データ数を10回とし、この時の閾値を他人受入率2
%の距離とし、更にセキュリティレベルの高いフォルダ
内の特定の文書へのアクセスに要する過去データ数を2
0回とし、この時の閾値を他人受入率0.5%の距離に
設定しても良い。
【0131】このように機密の程度に応じた閾値を設定
することで、より厳しくアクセス管理したい情報の場合
は、本人拒否による誤りの不利益を甘受し、一方見せた
くないレベルの情報管理では利便性を重視し他人受入の
誤りを甘くする等と言うように、実用上の利便を図りな
がら情報セキュリティを実現することが可能となる。
【0132】尚、これらの複数データは照合開始直近の
データを遡って用いてもその都度要求しても良い。PC
操作中の過去情報に遡った身体的特徴データを利用する
ということは、詐称を試みる者にとっては継続的に騙し
続けなければならずそれは通常極めて困難である。
【0133】また、識別処理は、RAM26に記憶され
た全ての個人データ及びその個人に対応した閾値距離と
を読出し、読み出した全ての個人データと入力された特
徴量とを比較して読み出した全ての個人データの中に該
当者がいるかの判定を行なう。
【0134】具体的には、入力された特徴量に基いた未
知の波形ベクトルと、RAM26から読み出した全ての
個人データとのマハラノビス距離を演算し、最も近い距
離にある個人データを登録した人物が該当者であると判
定する。但し、前記未知の波形ベクトルと個人データと
の距離が前記閾値距離よりも遠い場合は、該当者なしと
判定する。また、前記未知の波形ベクトルと複数の個人
データとの距離が前記閾値距離以下となった場合は、複
数の個人データを抽出し、抽出した複数の個人データに
おいて照合処理を再度行うように入力指示を出す構成と
することもできる。
【0135】計算する距離としては、マハラノビスの距
離が最も好ましい。マハラノビスの距離は、前述したよ
うに、未知の利用者の波形ベクトルと登録された特徴ベ
クトル(平均ベクトル)と、特徴行列(分散共分散行列、
又は相関行列)の逆行列から計算されるので、本実施の
形態では、個人データとして特徴ベクトル(平均ベクト
ル)と、特徴行列(分散共分散行列、又は相関行列)を記
憶する構成としている。
【0136】なお、マハラノビス距離の他にその他の統
計学上の判定分析やクラスター分析等で用いられる距
離、例えば、市街地距離、ユークリッドの距離、標準化
ユークリッド距離、ミンコフスキーの距離等のその他の
統計学上の距離を使うこともできる。
【0137】CPU22による個人識別結果は、バス2
7を介して判定結果信号出力部37に出力される。判定
結果信号出力部37はCPU22による判定結果を信号
変換して、例えば、CRT35に出力してスクリーンセ
ーバーをかけて登録のない第3者による読み取りを阻止
したり、入力部からのすべての指示を無視するようにコ
ンピュータ本体におけるプログラム処理を設定する等の
ようにコンピュータ本体でのプログラム処理に反映させ
る。なお、次のクリック動作に基く照合識別処理におい
て適合すると判断した場合はこれらの設定を全て解除し
て、作業を再開できるようにする。
【0138】また、ROM41には照合識別プログラム
が記憶されている。このプログラムは、パソコンに電源
が投入されると読み出され、実行される。
【0139】ここで、照合識別プログラムについて図1
0のフローチャートを参照しながら説明する。まず、ス
テップ100では、特徴量が入力されたかを判断する。
この特徴量は、例えば、ユーザがログオンするとき、ユ
ーザがマウスをクリックしたとき、ユーザが重要機密指
定されたファイルを開くとき、及び、一定時間が経過し
たとき毎等のタイミングで入力される。
【0140】ステップ100において特徴量が入力され
たと判断すると、ステップ102に移行して個人名が入
力されたかを判断する。ステップ102において個人名
が入力されたと判断すると照合処理を行い、ステップ1
02において個人名が入力されていないと判断すると識
別処理を行う。
【0141】即ち、ステップ102において個人名が入
力されたと判断するとステップ106に移行してRAM
40から個人名に対応する識別データを呼出し、識別デ
ータと共に記憶された個人データを読み込んで一旦記憶
する。次のステップ108においては入力された特徴量
と、記憶した個人データとのマハラノビス距離を求め
る。
【0142】次のステップ110では、マハラノビス距
離が閾値距離よりも短いという条件を満たすかを判断
し、満たす場合はステップ112に移行して適合処理
(後述する)して本ルーチンを終了する。また、満たさ
ない場合は、ステップ114に移行して不適合処理(後
述する)して本ルーチンを終了する。
【0143】一方、ステップ102において個人名が入
力されていないと判断するとステップ116に移行して
RAM40に登録されている全ての識別データを呼出
し、各々識別データと共に記憶された個人データを読み
込んで一旦記憶する。
【0144】次のステップ118においては入力された
特徴量と、記憶した全ての個人データとのマハラノビス
距離を求める。
【0145】次のステップ120では、各個人データ毎
に得られたマハラノビス距離が全て閾値距離よりも短い
という条件を満たすかを判断する。ステップ120にお
いて、各個人データ毎に得られたマハラノビス距離が全
て閾値距離よりも短いという条件を満たすものがある場
合は、次のステップ122に移行して、条件を満たすも
のが1つかを判断する。
【0146】条件を満たすものが1つである場合は、ス
テップ124に移行して条件を満たすものが1つの個人
データが適合すると判断して適合処理(後述する)を行
い、本ルーチンを終了する。また、ステップ122にお
いて条件を満たすものが1つでない(すなわち複数あ
る)場合は、ステップ126に移行して最もマハラノビ
ス距離が近い個人データが適合すると判断して適合処理
(後述する)を行い、本ルーチンを終了する。
【0147】また、ステップ120において、各個人デ
ータ毎に得られたマハラノビス距離が全て閾値距離より
も短いという条件を満たさない場合は、ステップ114
に移行して不適合処理(後述する)を行い、本ルーチン
を終了する。
【0148】なお、適合処理は、現在行っている処理ま
たはこれから行おうとしている処理を継続させると共
に、識別(または照合)判定に用いた特徴量を新たに該
当する個人の個人データに取り込んで、新たな個人デー
タ(すなわち、特徴ベクトル、特徴行列)を演算し直
し、格納する処理である。
【0149】また、不適合処理は、スクリーンセーバー
をかけて登録のない第3者による読み取りを阻止した
り、入力部からのすべての指示を無視するようにコンピ
ュータ本体におけるプログラム処理を設定する等のよう
にコンピュータ本体でのプログラム処理に反映させる処
理である。
【0150】以上のようにデータを処理することで、ボ
タン操作時の指の動き、例えばクリック時の指腹とボタ
ンとの接触状態変化から個人の特徴を捕らえて定期的及
び予め指定したファイルを開くたびなどのタイミングで
現在使用しているユーザが登録されたユーザであるかの
照合識別を行うことができる。
【0151】次に、上述した個人識別装置10を任意の
ファイルへのアクセス時に個人識別を行うシステムに応
用した場合について以下に説明する。
【0152】本実施の形態では、図11に示すように、
Windowsシステムにおいて、WindowsAPI(Application Pr
ogram Interface)で提供されるフック関数を利用しファ
イルアクセスを監視し、任意のファイルのアクセスをプ
ログラムで検出できるファイルアクセス監視手段と、前
記ファイルアクセス監視手段によって、ファイルまたは
フォルダに対するアクセス要求が捕えられると、そのフ
ァイルまたはフォルダに対するセキュリティレベルを読
取りまたは付与するセキュリティレベル設定手段と、を
備えている。
【0153】なお、セキュリティレベルはWindows OSに
予め備わっていてプロパティで設定できる「読取り専
用」や「隠しファイル」と同じように扱える情報であ
る。また、セキュリティ設定手段によって、デスクトッ
プ画面に現われるファイルまたはフォルダにはその重要
度に応じて利用者が予めセキュリティレベルを定められ
る。セキュリティレベルは0が一番弱く、利用者がログ
インしてからログアウトするまで何ら追加の認証作業な
しでアクセス可能であり、数値が増えるほどアクセスす
るためにより多くの認証作業が要求される。
【0154】セキュリティレベルの設定は、同時に複数
のファイルまたはフォルダに同じ値を設定できるし、個
々に値を設定することもできる。利用者の設定の手間を
省くために、あるフォルダのセキュリティレベルが設定
されると、そのフォルダと同じ階層にあるファイルには
同じ値のセキュリティレベルが既定値として付与され、
更に下層のフォルダにはより高いセキュリティレベルが
既定値として付与され、この設定がこれ以上は下層のフ
ォルダが無くなるまで再帰的かつ自動的に設定される再
帰的自動的セキュリティ付与手段も提供されるが、この
手段を使う使わないは利用者が決められるように構成で
きる。
【0155】CPUは、ファイルアクセス監視手段によ
って、ファイルまたはフォルダに対するアクセス要求が
捕えられて、セキュリティレベル設定手段によりそのフ
ァイルまたはフォルダに対するセキュリティレベルが読
取りまたは付与されると、現時点から過去に遡りそのセ
キュリティレベルに応じた回数分だけの過去の操作デー
タを記憶手段から読み出して判別手段で利用者本人であ
るかどうかを判別し認証する。過去の操作データが必要
とされるセキュリティレベルに達していない場合や、達
していても時間的に分断されていると判断される場合
は、予め定められたある時間内に必要とされる過去の操
作データの個数が揃うまでは認証を保留してアクセス権
を付与しないこともできる。
【0156】過去の複数回分のデータは平均を取ってか
ら登録済データと比較してもよいし、一回毎に登録済デ
ータと比較してその比較結果の平均を取って良い。セキ
ュリティレベルがより高いファイルまたはフォルダのア
クセスには、単に平均を取るだけではなく、過去複数回
分の時間変動を見ても良い。例えば、はじめは本人のデ
ータと類似度が高く途中から急に低くなった場合は、た
とえ閾値を満たしていても他人が成り済した可能性があ
ると判断することもできる。
【0157】マウスを操作する利用者に関するデータす
なわち掌型データやクリックデータは1クリック毎に検
出手段より数値データとして検出され記憶手段によりPC
内部のメモリーに記憶される。
【0158】メモリーはリングバッファになっていてメ
モリーの記憶容量の上限を越えて新しいデータを記憶す
るときには最も古いデータの領域に新しいデータが上書
き記憶される。リングバッファの記憶容量は認証に過去
何回分のデータを使うかにより決定されている。
【0159】図11(A)において、スクリーンセーバ
ーが起動している状態で、ユーザが、例えば、10回な
ど予め個人認証を行うために設定された回数マウスをク
リックすることにより、上述した個人識別プログラムが
起動する。このときのスクリーンセーバー解除処理の制
御フローについて図12を参照して説明する。
【0160】図12のステップ200では認証回数n
(但し、nは任意の正の整数)を1に設定する。次のス
テップ202では、クリック動作あるかを判断する。あ
ると判断された場合はステップ204に移行して上述の
図10で説明した個人識別処理を行う。
【0161】次のステップ206では、予め登録された
個人と認証されたかを判断し、判断が肯定されるとステ
ップ208に移行してスクリーンセーバーの解除を行
い、本ルーチンを終了する。また、ステップ206で判
断が否定されると、ステップ210に移行して認証回数
nがa回目(但し、aは任意の正の整数)であるかを判
断し、判断が否定されるとステップ214にてnをイン
クリメントしてから、ステップ216において個人認証
用のクリック動作を行うように指示を出し、ステップ2
04に戻って上述した処理を繰り返す。ステップ210
で判断が肯定されると、ステップ212に移行し、スク
リーンセーバーを継続するとともに、キーボードなどの
他の入力部からの操作も全て無視するように設定して本
ルーチンを終了する。
【0162】また、図11(A)から図11(D)のよ
うに、ファイル又は文書をオープンする場合も同様に、
ユーザが、例えば、10回など予め個人認証を行うため
に設定された回数マウスをクリックすることにより、上
述した個人識別プログラムが起動し、個人認証の確認が
取れてからファイル又は文書がオープンされる。このと
きのファイル又は文書をオープンする処理の制御フロー
について図13を参照して説明する。
【0163】図13のステップ300では認証回数n
(但し、nは任意の正の整数)を1に設定する。次のス
テップ302では、ファイルアイコン又は文書アイコン
に対するクリック動作あるかを判断する。あると判断さ
れた場合はステップ304に移行して上述の図10で説
明した個人識別処理を行う。
【0164】次のステップ306では、予め登録された
個人と認証されたかを判断し、判断が肯定されるとステ
ップ308に移行してファイル又は文書をオープンし、
本ルーチンを終了する。また、ステップ306で判断が
否定されると、ステップ310に移行して認証回数nが
a回目(但し、aは任意の正の整数)であるかを判断
し、判断が否定されるとステップ314にてnをインク
リメントしてから、ステップ316において個人認証用
のクリック動作を行うように指示を出し、ステップ30
4に戻って上述した処理を繰り返す。ステップ310で
判断が肯定されると、ステップ312で認証できないた
めファイルオープン又は文書がオーブンできない等の警
告をディスプレイに表示して本ルーチンを終了する。
【0165】なお、文書やファイルの他に、ハイパーテ
キスト形式等のように、他のファイルやフォルダサイト
へ飛ぶためのリンクも応用することができる。
【0166】また、図11(E)のように、キーボード
に文書を入力中も継続してユーザの認証を行うようにし
ている。キーボードによる自由打鍵でのデータに基づい
た場合であっても、例えば、図14に示すように、5人
のユーザ毎にそれぞれ異なる傾向を表わす特徴量を検出
することができる。
【0167】図14には、被験者Aがユーザである場合
の、ファジイ推論によって得られたスコアの時系列変化
の実験結果例が示されている。このキーボードによる個
人認証については特開2000−343452に記載さ
れたものを適用することができるのでここでは詳細な説
明は省略する。
【0168】なお、図14の横軸は有効データ出現頻度
(打鍵時間差が1000ms以上である場合と、打鍵時
間差が100ms以下でかつ同一キーを連続して打鍵し
た場合とを除いた打鍵時間差の出現頻度)であり、縦軸
はスコアである。また、ここでは、特徴値としてファジ
イ推論実行時から遡って5000回分の打鍵時間差の移
動平均を適用している。図14に示すように、どの時点
でも被験者Aに対するスコアが最も高く、100%識別
できることが分かる。
【0169】そのため、例えば、図15に示すように、
ユーザによる自由打鍵時の2つのキーを打鍵するまでの
時間差を打鍵されたキーの位置と共に継続的に記録して
おき、所定時間毎に認証を行うように構成したり、継続
的な認証を行って急に傾向が変わったときに使用を禁止
させたり、個人認証のためのクリック動作を行うように
ユーザに促して個人識別を行うように構成することもで
きる。
【0170】また、図16に示すように、パスワード入
力画面に切り換えて、予め定めたパスワードの入力と共
にパスワードの入力による打鍵時の特徴量とを抽出して
登録された個人であるかの認証を行う様に構成すること
もできる。図16には、数字テンプレートを表示する場
合であるが、パスワードを入力するように促す文章を表
示してもよい。勿論、パスワードは数字に限らず各種文
字や数字と各種文字との組み合せであってもよい。
【0171】このように、ファイルや文書などに離籍時
などに他人に見られたくない機密度に応じて、閾値を個
別に設定。重要なものは多くの「握り掌」「クリック」情報
から判別する。何十にも鍵をかけることができる。
【0172】なお、以上の実施の形態では、スクリーン
セーバーの解除、ファイルや文書のオープン時に本発明
の個人識別装置を用いて個人識別方法を適用して登録さ
れていない第3者による閲覧を防止するように構成した
場合について述べたが、図17に示すように、例えば、
家族で1台のPCを使用する場合のように各ユーザ毎の
環境を呼び出すために本発明の個人識別装置を適用する
こともできる。
【0173】この場合、ユーザはマウスを数回クリック
するだけ、又は任意のキー操作を行うだけで自分専用の
使用環境を呼び出すことが可能である。勿論、特定の個
人しか認証しないため、プライバシーも尊重できると言
う利点もある。
【0174】さらに、図18に示すように、オンライン
ショッピングやオンライントレードなどにも本発明は適
用できる。図18は、ユーザがユーザー名とパスワード
を入れることで特定の取引系サイトにログインし、各種
発注作業を行った後に、カード番号とパスワードを入
れ、このときのキーの打鍵操作やマウスのクリック動作
により個人認証を行う。この場合、ユーザは、予め認証
局に個人データを登録しておき、ショッピングや取引の
際に認証局に登録されたデータを用いて認証を行う構成
とすると好ましい。
【0175】すなわち、電子商取引等で、「対話」してい
る時の「握り掌」「クリック」情報を採取して、「対話」して
いる人が本人であることを継続的に判定する。「対話」が
進むと「握り掌」「クリック」情報が多くなり、より厳しい
閾値で本人かどうかの照合をとる。この場合、好ましく
は最後の課金の認証時はパスワードを併用するように構
成するとよい。
【0176】(第2の実施の形態)また、第2の実施の形
態は、本発明を携帯電話に適用した一例である。本第2
の実施の形態の携帯電話には、携帯電話を握ったときの
手に(複数のパターンに変調された)光を照射し、反射光
の強度を読み取ることで手の形状(握った形)を反映する
三次元物体情報、を読み取る三次元物体識別装置32
(複数の発光素子と複数の受光素子からなる)が組み込ま
れている。この三次元物体識別装置32は、上述の第1
の実施の形態と同様に、特開2000−146538に
記載されたものを適用できるので、ここでは詳細な説明
は省略する。
【0177】三次元物体情報は、例えば、ユーザが発信
ボタンを操作する瞬間に採取する。例えば、4つの発光
素子と4つのと受光素子とを設けていれば、16次元の
三次元物体データが得られる。この際、手の形を安定に
するために携帯電話の筐体に握りの形をデザインしても
良い。
【0178】また、本実施の形態の携帯電話は、発信ボ
タンの表面に感圧フィルムが貼付されており、発信時の
ボタンを押す指圧の時間変化を読み取る装置も組み込ま
れている。この装置は、上述の第1の実施の形態と同様
に、特開2000−300543に記載されたものを適
用できるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0179】なお、本実施の形態の携帯電話では、例え
ば、10ms毎に発信ボタン操作時の発信ボタン上の感
圧フィルムの電気抵抗変化を(電圧値として)読み、得ら
れたデータをFIFOメモリにこの値を格納する。発信
ボタンが操作されると、発信信号が出された(格納され
た)200ms前からのデータから500msの間の電
気抵抗値(電圧値)を個人識別用の特徴情報とする。この
ようにして50次元の個人識別用の特徴情報を得る。
(通常一回の発信ボタン操作(クリック)にかかる時間は
約500msである。) なお、指の押す位置を安定にす
るために発信ボタンの形をデザインしても良い。
【0180】また、携帯電話には正当な使用者によって
予め個人辞書が登録されている。この個人辞書は、個人
識別時の次元数より多い回数、例えば、100回の繰り返
しボタン押圧動作によって採取された三次元物体情報及
び個人識別用の特徴情報に基づいて統計学的な中心とば
らつき具合とが計算されたものである。
【0181】さらに、この携帯電話の記録媒体には予め
準備された使用者本人以外の複数(例えば、500人)の
人から同一タイプの携帯電話を用いて複数回(例えば、
50回)採取した複数の人毎の三次元物体情報及び個人
識別用の特徴情報の全データ(この例では500×50
0=25,000回分のデータ)が格納されている。
【0182】このデータは言わば世の中の色々な人の代
表者である。次いで携帯電話使用者はさらに50回、携
帯電話を握って発信ボタンを押す操作を繰り返し新たな
データを与える。始めに計算したテンプレート(登録辞
書)から、新たに得た使用者本人の各データ(50回)
と、その他の人の25.000回のデータそれぞれのマ
ハラノビス距離を計算する。 これにより、図19のグ
ラフが得られる。
【0183】例えば、他人受入率=20%となる距離を
閾値とすると、図19では、他人受入率=20%となる
距離は、図のAの部分であり、この部分は、斜線部の発
生回数(面積)の、他人の全回数(面積)に対する割合に相
当する。なお、図19において他人を示す曲線は十分な
数のサンプルを採取してあれば、世の中の代表と見なせ
る。
【0184】このときの本人拒否率は10%である。す
なわち、図19では、図のBの部分であり、この斜線部
Bの発生回数(面積)の、本人の全回数(面積)に対する割
合に相当する。
【0185】すなわち、個人識別プログラムにおいて、
この距離以内であれば「本人」と見なし、この距離より遠
ければ「他人」と見なす照合を行う。
【0186】なお、複数のセキュリティレベルを設定
し、例えば、セキュリティレベル1では、1回の発信ボ
タンを押す操作から得た三次元物体情報及び個人識別用
の特徴情報に基づいて、この閾値以内の距離であれば登
録してある使用者本人とみなし、1)携帯電話機内の記憶
媒体に記憶してある電話番号、2)電話、文字メッセー
ジ、データ通信などの接続発信、を許可する。
【0187】セキュリティレベル2では、例えば、連続
する過去2回の発信ボタンを押す操作から得た三次元物
体情報及び個人識別用の特徴情報が何れもこの閾値の距
離以内であることを許可条件とする。この場合の他人受
入率は4%(20%×20%)、本人拒否率は19%(1
00%−90%×90%)となる。このとき1回の発信
ボタンを押す操作から得た三次元物体情報及び個人識別
用の特徴情報での他人受入率を30%(このときの本人
拒否率6%となる)の距離を閾値としても良い。(このと
き連続する2回の他人受入率は9%、本人拒否率は1
1.6%となる)セキュリティレベル3では、例えば、
連続する過去3回の発信ボタンを押す操作から得た三次
元物体情報及び個人識別用の特徴情報が何れもこの閾値
の距離以内であることを許可条件とする。この時の他人
受入率は0.8%、本人拒否率は34.5%となる。セ
キュリティレベル3は明らかにセキュリティレベル1、
及びセキュリティレベル2に比べてセキュリティレベル
は高い。
【0188】これら情報アクセスはセキュリティレベル
1ではアクセス毎に課金するが、セキュリティレベル2
では月額(認証サービス)利用料を払うことによって毎回
課金なしに何回でも利用できるように設定することも可
能である。
【0189】さらに、不特定多数の中から人数を絞り込
む手段として本発明の個人識別方法を適用することもで
きる。例えば、セキュリティレベル3(又はセキュリテ
ィレベル3以上)をクリアした人であれば、セキュリテ
ィレベル1及びセキュリティレベル2で提供されるサー
ビスに加えて専用のサービスである「会員の部屋」への接
続が許可されるように構成できる。
【0190】この「会員の部屋」では各種の生活・情報系
のコンテンツ(ニュース、株価情報、タウン情報等)やエ
ンタテイメント系(ゲーム、キャラクター配信等)、デー
タベース系(店情報、駅情報、辞書等)のセキュリティレ
ベル2で接続可能な部屋よりもより充実した内容のコン
テンツが提供される。また、セキュリティレベル2では
提供されなかった取引き系(バンキング、トレード、エ
アライン予約、生命保険情報、チケット予約等)への接
続も許可される。
【0191】認証に失敗した場合、各セキュリティレベ
ルに対応する回数の再試行が許されるように設定しても
よい。再試行の場合、繰り返し再試行毎に閾値をより厳
しく設定しても良い。例えば、セキュリティレベル2で
あれば、各データ毎の閾値を他人受入率15%にする。
(この場合セキュリティレベル2では他人受入率は2.
3%(15%×15%)となる。)一般に他人受入率をP
1、本人拒否率をP2としたときのn回試行時の他人受
入率はP1n、本人拒否率は1−(1−P2)nとなる。
【0192】これらセキュリティレベルの設定は接続サ
ービス毎に異なるように設定することができる。例え
ば、通常の電話をかける時や、記憶してある電話番号を
調べる時はセキュリティレベル1のような比較的弱いセ
キュリティレベルで保護し、「特別会員の部屋」に接続す
る時はセキュリティレベル3が適応されるように設定が
できる。また自宅や良くかける電話番号や、110番、
119番等についてはこのような接続制限を一切かけず
に繋ぐように、個別に設定することが可能である。こう
すれば、紛失時に拾得者が連絡のために自宅に電話した
り、緊急時に誰でも対応できる。尚、拾得者が他人の電
話で、正当な利用者が良く利用する電話番号に電話する
ようなことは通常考え難く、セキュリティの観点からこ
のような設定は不合理ではない。また、何らかの事情で
認証不能となった場合の対応として、サービスセンター
等の特定の所には認証(照合)なしで接続可能としてお
く。万一認証不能となった場合にはサービスセンターに
電話し、携帯電話登録時の個人情報(名前、住所等)と口
頭で照合をとることで本人であることを確認し、遠隔操
作で一時的に本人認証装置を停止することができる。あ
るいは、本人認証装置の停止は、予め登録した暗証番号
によっても可能とする。
【0193】さらに、使用者がこの握り手及びボタン操
作情報認証の少なくとも一方の認証を繰り返し使用する
ことで、認証成功毎にその時のデータをメモリーに格納
しておき、例えば認証成功回数が500回に達すると、
この新たに得たデータを用いてテンプレート(個人辞書)
を再計算し、これを新たな参照用のテンプレートとして
もよい。このように構成することにより、携帯電話を使
用すればするほどより厳しい閾値で本人かどうかの照合
をとることが可能となり、個人認証精度があがるという
利点がある。
【0194】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、パ
ソコンや携帯電話などの情報端末機器の不正使用防止上
の信頼性を高めるとともに、正当な利用者の利便性を損
なわ図に個人識別を行うことができる、と言う効果があ
る。
【0195】また、入れ替わりによる成り済まし詐称が
不可能であり、また極めて偽造が困難であり、利用者の
心理的な抵抗感もなく、心理状態や健康状態に影響を受
けることも少ない個人識別を行うことができる、と言う
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係る個人識別装置の外観を示す
斜視図である。
【図2】 実施の形態に係る個人識別装置のマウスの外
観を示す斜視図、LEDの点灯波形の一例を示すグラ
フ、及び、PTrの検出波形の一例を示すグラフであ
る。
【図3】 測定検出部の概略構成を説明する電気ブロッ
ク図である。
【図4】 測定センサの概略構成図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態の個人識別装置の
概略構成を示すブロック図である。
【図6】 図6(A)はシングルクリックしたときの電圧
波形を示すグラフであり、図6(B)はダブルクリック
したときの電圧波形を示すグラフである。
【図7】 3人の人物のそれぞれに対して、同一人物に
より100回シングルクリックされたときの100組の
電気抵抗の変化の状態を表わす特徴量をグラフ化した図
である。
【図8】 3人の人物のそれぞれに対して、同一人物に
より100回シングルクリックされたときの100組の
受光素子による検出波形のグラフである。
【図9】 図9に本人拒否率(FRR)を10%とした
ときの他人受け入れ率(FAR)と照合に用いるデータ
数(サンプル数)との関係を示すグラフである。
【図10】 照合識別プログラムを示すフローチャート
である。
【図11】 Windowsシステムに本実施の形態の個人識
別方法を適用した場合の説明図である。
【図12】 スクリーンセーバー解除処理の制御フロー
である。
【図13】 ファイル又は文書をオープンする処理の制
御フローである。
【図14】 被験者Aがユーザである場合の、本実施の
形態に係る個人識別処理におけるファジイ推論によって
得られたスコアの時系列変化の実験結果例を示す線図で
ある。
【図15】 ユーザによる自由打鍵時の2つのキーを打
鍵するまでの時間差を打鍵されたキーの位置と共に継続
的に記録した場合の一例を示す説明図である。
【図16】 パスワード入力画面の一例を示す説明図で
ある。
【図17】 家族で1台のPCを使用する場合のように
各ユーザ毎の環境を呼び出す場合の概念を示す説明図で
ある。
【図18】 オンラインショッピングやオンライントレ
ードなどに適用した場合の概念を示す説明図である。
【図19】 登録した使用者からのマハラノビス距離を
示すグラフである。
【符号の説明】
10 個人識別装置 12 制御部 14 キーボード 16 マウス 16a マウスボタン部 18 ディスプレイ 20 ハードディスク 27 バス 30 測定検出部 32 三次元物体識別装置 33 メモリ 34 信号処理部 36 変換部 37 判定結果信号出力部 38 タイミング制御部 40 測定センサ 42 定電圧源 44 コンバータ回路 46a 第1電極 46b 第2電極 48a 第1抵抗層 48b 第2抵抗層 50 発光素子 52 受光素子 82 オペアアンプ 83 コンデンサ 85b 定電圧源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安川 薫 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 杉野 創 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 Fターム(参考) 5B085 AE25

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 身体の少なくとも一部の動き及び形状の
    少なくとも一方を反映し、かつ、不確定な変動要素によ
    って一測定毎に異なる大きさの誤差を含み個人毎に特定
    の傾向を表わす個人識別用特徴量を、同一の個人に対し
    て複数回測定し、得られた複数の個人識別用特徴量に基
    づいて前記同一の個人を特定するための個人識別用デー
    タを生成し、 識別対象の個人により個人識別用特徴量を複数回測定
    し、得られた複数の個人識別用特徴量と前記個人識別用
    データとの統計学的距離に応じて前記識別対象の個人を
    識別することを特徴とする個人識別方法。
  2. 【請求項2】 前記統計学的距離の閾値は、識別対象の
    個人に対する測定により得られる個人識別用特徴量の数
    に応じて設定されていることを特徴とする請求項1に記
    載の個人識別方法。
  3. 【請求項3】 前記複数の個人識別用特徴量を平均した
    平均特徴量と前記個人識別用データとの統計学的距離を
    求め、該統計学的距離が所定の閾値以下である場合に同
    一の個人であると判定することを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の個人識別方法。
  4. 【請求項4】 前記複数の個人識別用特徴量の各々と前
    記個人識別用データとの統計学的距離を求め、得られた
    複数の統計学的距離のうち予め定めた数の統計学的距離
    が、所定の閾値以下である場合に同一の個人であると判
    定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    個人識別方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の個人識別用特徴量の各々と前
    記個人識別用データとの統計学的距離を求め、得られた
    複数の統計学的距離の平均が所定の閾値距離以下である
    場合に同一の個人であると判定することを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の個人識別方法。
  6. 【請求項6】 前記複数の個人識別用特徴量は、個人識
    別の必要が生じた時点から後に測定された特徴量である
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項
    に記載の個人識別方法。
  7. 【請求項7】 前記複数の個人識別用特徴量は、個人識
    別の必要が生じた時点よりも前の動作の中から抽出され
    た特徴量であることを特徴とする請求項1から請求項5
    のいずれか1項に記載の個人識別方法。
  8. 【請求項8】 他人と判定された場合に、新規に個人識
    別用特徴量の抽出対象となる動作の入力を指示し、この
    指示によって入力された動作に基づいて個人識別用特徴
    量を測定し、得られた個人識別用特徴量に基づいて個人
    を識別することを特徴とする請求項7に記載の個人識別
    方法。
  9. 【請求項9】 個人識別用特徴量の抽出対象となる動作
    が所定時間間隔以内に繰り返して行われない場合に、新
    規に前記動作の入力を指示し、入力された前記動作に基
    づいて測定した個人識別特徴量を用いて個人を識別する
    ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項
    に記載の個人識別方法。
  10. 【請求項10】 前記複数の個人識別用特徴量のうち、
    連続して入力された動作に基づいて測定した個人識別特
    徴量の差が予め定めた差よりも大きく、かつ、後から入
    力された動作に基づいて測定した個人識別特徴量に近い
    個人識別用特徴量がさらに連続して入力された場合、新
    規に個人識別用特徴量の抽出対象となる動作の入力を指
    示して個人を識別することを特徴とする請求項6から請
    求項9のいずれか1項に記載の個人識別方法。
  11. 【請求項11】 他人と判定された場合に、新たに入力
    指示する動作の繰り返し数を増加させて測定される個人
    識別用特徴量の数を増加させることを特徴とする請求項
    1から請求項10のいずれか1項に記載の個人識別方
    法。
  12. 【請求項12】 同一の個人であると判定された場合
    に、判定に用いた個人識別用特徴量を前記個人識別用デ
    ータに加えることを特徴とする請求項1から請求項11
    に記載の個人識別方法。
  13. 【請求項13】 個人識別の重要度合に応じて前記識別
    対象の個人による個人識別用特徴量の数を変えることを
    特徴とする請求項1から請求項12に記載の個人識別方
    法。
  14. 【請求項14】 複数の前記個人識別用データと、識別
    対象の個人に対して複数回測定して得られた複数の個人
    識別用特徴量との統計学的距離を比較し、複数の前記個
    人識別用データの中から最も近い統計学的距離の個人識
    別用データを選択して識別することを特徴とする請求項
    1から請求項13のいずれか1項に記載の個人識別方
    法。
  15. 【請求項15】 前記個人識別用特徴量は、 予め定めた部分と接触又は近接する身体の少なくとも一
    部に光を照射して得られる反射光の強度情報、予め定め
    た部分を押圧するときの身体の少なくとも一部の時間的
    な変形を反映する情報、キーボード操作のパターン情
    報、瞬目パターン情報、脈波パターン情報、音声パター
    ン情報、及び、筆跡パターン情報の少なくとも1つであ
    る請求項1から請求項14に記載の個人識別方法。
  16. 【請求項16】 身体の少なくとも一部の動き及び形状
    の少なくとも一方を反映し、かつ、不確定な変動要素に
    よって一測定毎に異なる大きさの誤差を含み個人毎に特
    定の傾向を表わす個人識別用特徴量を測定する特徴量測
    定手段と、 同一の個人に対して複数回測定して得られた複数の個人
    識別用特徴量に基づいて生成された個人識別用データを
    記憶する記憶手段と、 識別対象の個人に対して複数回測定して得られた複数の
    個人識別用特徴量と前記個人識別用データとの統計学的
    距離に応じて前記識別対象の個人を識別する個人識別手
    段と、 を備えた個人識別装置。
  17. 【請求項17】 前記記憶手段は、識別対象の個人によ
    り入力された動作に基づいて測定した個人識別特徴量の
    数に応じて閾値を記憶しており、 前記個人識別手段は、前記識別対象の個人による個人識
    別用特徴量の数に応じて前記記憶手段から対応する閾値
    を読み出して個人識別を行うことを特徴とする請求項1
    6に記載の個人識別装置。
  18. 【請求項18】 前記個人識別手段は、前記複数の個人
    識別用特徴量を平均して得た平均特徴量と前記個人識別
    用データとの統計学的距離を求め、該統計学的距離が所
    定の閾値以下である場合に同一の個人であると判定する
    ことを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の個
    人識別装置。
  19. 【請求項19】 前記個人識別手段は、前記複数の個人
    識別用特徴量の各々と前記個人識別用データとの統計学
    的距離を求め、得られた複数の統計学的距離のうち予め
    定めた数の統計学的距離が、所定の閾値以下である場合
    に同一の個人であると判定することを特徴とする請求項
    16又は請求項17に記載の個人識別装置。
  20. 【請求項20】 前記個人識別手段は、前記複数の個人
    識別用特徴量の各々と前記個人識別用データとの統計学
    的距離を求め、得られた複数の統計学的距離の平均が所
    定の閾値距離以下である場合に同一の個人であると判定
    することを特徴とする請求項16又は請求項17に記載
    の個人識別装置。
  21. 【請求項21】 前記個人識別手段は、個人識別の後の
    個人識別用特徴量を抽出するための動作に基づいて測定
    した個人識別用特徴量を用いて識別を行うことを特徴と
    する請求項16から請求項20のいずれかに記載の個人
    識別装置。
  22. 【請求項22】 前記個人識別手段は、個人識別の必要
    が生じた時点よりも前の動作の中から個人識別用特徴量
    を抽出して識別を行うことを特徴とする請求項16から
    請求項20のいずれかに記載の個人識別装置。
  23. 【請求項23】 前記個人識別手段は、他人と判定した
    場合に、個人識別用特徴量の抽出対象となる動作の入力
    を指示して新規に入力された動作に基づいて測定した個
    人識別特徴量を用いて識別を行うことを特徴とする請求
    項22に記載の個人識別装置。
  24. 【請求項24】 前記個人識別手段は、個人識別用特徴
    量の抽出対象となる動作が所定時間間隔以内に繰り返し
    て行われない場合に、新規に前記動作の入力を指示し、
    入力された前記動作に基づいて測定した個人識別特徴量
    を用いて識別を行うことを特徴とする請求項21から請
    求項23のいずれか1項に記載の個人識別装置。
  25. 【請求項25】 前記複数の個人識別用特徴量のうち、
    連続して入力された動作に基づいて測定した個人識別特
    徴量の差が予め定めた差よりも大きく、かつ、後から入
    力された動作に基づいて測定した個人識別特徴量に近い
    個人識別用特徴量がさらに連続して入力された場合、 前記個人識別手段は、個人識別用特徴量の抽出対象とな
    る動作の入力を指示して新規に入力された動作に基づい
    て測定した個人識別特徴量を用いて識別を行うことを特
    徴とする請求項21から請求項24のいずれか1項に記
    載の個人識別装置。
  26. 【請求項26】 前記個人識別手段は、他人と判定した
    場合に、入力指示する動作の繰り返し数を増加させて測
    定される個人識別用特徴量の数を増加させ、前回の識別
    よりも多い個人識別用特徴量を用いて識別を行うことを
    特徴とする請求項16から請求項25のいずれか1項に
    記載の個人識別装置。
  27. 【請求項27】 前記個人識別手段は、同一の個人であ
    ると判定した場合に、判定に用いた個人識別用特徴量を
    前記個人識別用データに加えることを特徴とする請求項
    16から請求項25のいずれか1項に記載の個人識別装
    置。
  28. 【請求項28】 前記個人識別手段は、個人識別の重要
    度合に応じて前記識別対象の個人による個人識別用特徴
    量の数を変えることを特徴とする請求項16から請求項
    27のいずれか1項に記載の個人識別装置。
  29. 【請求項29】 前記記憶手段は、複数個人の夫々につ
    いての前記個人識別用データを記憶しており、 前記個人識別手段は、前記記憶手段に記憶された複数の
    前記個人識別用データと、識別対象の個人により入力さ
    れた複数の個人識別用特徴量との統計学的距離とをそれ
    ぞれ比較し、複数個人の個人識別用データの中から最も
    近い統計学的距離の個人識別用データを選択して識別す
    ることを特徴とする請求項16から請求項28のいずれ
    か1項に記載の個人識別装置。
  30. 【請求項30】 前記特徴量測定手段は、 被押圧面を押圧したときの指と被押圧面との接触状態の
    変化を反映した特徴量、被押圧面を押圧したときの指と
    被押圧面との押圧状態の変化を反映した特徴量、及び異
    なる個所の被押圧面を連続して押圧したときの時間差を
    反映した特徴量の少なくとも1つを検出する構成である
    ことを特徴とする請求項16から請求項29のいずれか
    1項に記載の個人識別装置。
  31. 【請求項31】 身体の少なくとも一部の動き及び形状
    の少なくとも一方を反映し、かつ、不確定な変動要素に
    よって一測定毎に異なる大きさの誤差を含み個人毎に特
    定の傾向を表わす個人識別用特徴量を、同一の個人に対
    して複数回測定し、得られた複数の個人識別用特徴量に
    基づいて前記同一の個人を特定するための個人識別用デ
    ータを生成し、 識別対象の個人に対して複数回測定して得られた複数の
    個人識別用特徴量と前記個人識別用データとの統計学的
    距離に応じて前記識別対象の個人を識別することを特徴
    とする個人識別プログラム。
  32. 【請求項32】 請求項31に記載の個人識別プログラ
    ムにおいて、複数の前記個人識別用データと、識別対象
    の個人に対して複数回測定して得られた複数の個人識別
    用特徴量との統計学的距離を比較し、複数の前記個人識
    別用データの中から最も近い統計学的距離の個人識別用
    データを選択して識別することを特徴とする個人識別プ
    ログラム。
  33. 【請求項33】 互いに直接又は間接的に接続される複
    数の領域での個人認証システムであって、 前記領域同士を接続する部分に、前記請求項16から請
    求項30のいずれか1項に記載の個人識別装置を備え、 特定の領域から選択された他の領域への移動時に、前記
    個人識別装置により個人識別を行い、同一の個人である
    と判定されたときに移動可能とすることを特徴とする個
    人認証システム。
  34. 【請求項34】 特定の領域から選択された他の領域へ
    の移動が複数回なされ、該移動の度に個人識別を行う場
    合、 新たに特定の領域から選択された他の領域への移動する
    ための個人識別の際に、前回までの個人識別に用いた全
    ての個人照合特徴量を識別対象の個人照合特徴量として
    加えることを特徴とする請求項33に記載の個人認証シ
    ステム。
  35. 【請求項35】 請求項16から請求項30のいずれか
    1項に記載の個人識別装置を備えた個人認証システムで
    あって、 前記個人識別装置により識別対象の個人が同一の個人と
    判定された場合に、施錠を解除して操作可能とする施錠
    機構を備えた個人認証システム。
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