JP2002277445A - 積層試料の物理特性の測定方法 - Google Patents

積層試料の物理特性の測定方法

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JP2002277445A JP2001080031A JP2001080031A JP2002277445A JP 2002277445 A JP2002277445 A JP 2002277445A JP 2001080031 A JP2001080031 A JP 2001080031A JP 2001080031 A JP2001080031 A JP 2001080031A JP 2002277445 A JP2002277445 A JP 2002277445A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に透過性膜を有するとともに内部に光
吸収層を有する積層試料に熱励起光を照射し、その光熱
効果を利用して前記積層試料の物理特性を測定する方法
において、透過性膜での光の吸収や化学変化・蛍光、燐
光といった影響を受けること無く、膜中での熱励起波長
と光吸収層の吸収ピーク波長を一致させ、光熱効果を促
進し、高S/N、高感度化が可能な方法を提供するこ
と。 【解決手段】 表面に透過性膜を有するとともに内部に
光吸収層を有する積層試料に熱励起光を照射し、その光
熱効果を利用して前記積層試料の物理特性を測定する方
法において、前記光吸収層の吸収ピーク波長をλ1、前
記透過性膜の屈折率をn1とした場合、λ=λ11±5
0nmで近似される波長を熱励起光源波長とすることを
特徴とする積層試料の物理特性の測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に透過性膜を
有するとともに内部に光吸収層を有する積層試料に熱励
起光を照射し、その光熱効果を利用して前記積層試料の
物理特性を測定する方法、およびこの方法を利用するこ
とができる積層試料の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】機能分離型である積層型電子写真感光体
の感度特性の代替測定法である電荷発生層吸光度の測定
法開発においては、以前から、電荷発生層或いは電荷移
動層を成膜した積層型電子写真感光体に測定光を照射
し、その反射光或いは透過光を測定する方法が検討され
てきた。しかし、これらの手法においては、顔料・拡散
フィラーなど照射光を拡散する強散乱性物質が層中に存
在する場合、吸光だけでなく散乱光に依っても照射光が
減衰し、正確に吸光されたエネルギーを測定する事が困
難であった。この様に、吸光特性を測定する場合には、
吸収だけでなく散乱に依っても照射光は減少してしま
い、反射特性を測定する場合にも同様に、表面の凹凸に
よる散乱光によって正確な測定が妨げられる。
【0003】そこでこの問題の解決の為に、特に電荷発
生層が吸光したエネルギーを光としてでは無く、発生し
た熱に起因して生じる圧力波(音響波)として測定でき
る光熱効果(以下、光音響効果ということがある)を用
いた評価法が検討され、散乱光の影響を受けず、吸光量
が少ない被測定層の測定にも適した光音響信号センシン
グシステムが検討されている。しかし、一般の光音響計
測の場合、光音響効果を利用しこれに伴い発生する音響
波の信号波形等を検出して行う物理特性測定において
は、従来から、積層試料での光音響信号のS/Nが低
い、高感度化が測れないといった問題がある。これは測
定対象である光吸収試料が積層試料であるにも拘らず、
透過性膜中での光の屈折(光速、波長変化)の影響につ
いて考慮がなされていなかった事が一因である。従来の
熱励起光照射方法を用いた計測では、対象とする表面層
が任意の膜厚を有した透過性膜であり、その内部に測定
対象である顔料を含む光吸収層がある場合、光吸収層の
吸収ピークの波長の光を透過性膜外から照射したとして
も、投光された熱励起光は透過性膜中では屈折の為に波
長が短波長化してしまう為、光吸収層のピーク吸収波長
から照射光波長がシフトしてしまっていた。また、アゾ
顔料から構成された光吸収層の場合、単層状態では光音
響信号を検出し難いといった問題が存在している。従っ
て従来は、必要な光音響信号を得る為、よりパワーを大
きくした熱励起光源を用いる必要があった。これは特
に、低パワーの熱励起光源を用いなければならない場合
や微弱吸収差を測定をする場合、問題であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点に着目し、表面に透過性膜を有するとともに内部
に光吸収層を有する積層試料に熱励起光を照射し、その
光熱効果を利用して前記積層試料の物理特性を測定する
方法において、透過性膜での光の吸収や化学変化、蛍
光、燐光といった影響を受けること無く、膜中での熱励
起波長と光吸収層の吸収ピーク波長を一致させ、光熱効
果を促進し、高S/N、高感度化が可能な方法を提供す
る事を目的とする。更に、測定対象が積層型電子写真感
光体の電荷発生層である場合に光熱効果を促進できる積
層試料の作製方法を提供する事を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、表面
に透過性膜を有するとともに内部に光吸収層を有する積
層試料に熱励起光を照射し、その光熱効果を利用して前
記積層試料の物理特性を測定する方法において、前記光
吸収層の吸収ピーク波長をλ1、前記透過性膜の屈折率
をn1とした場合、λ=λ11±50nmで近似される
波長を熱励起光源波長とすることを特徴とする積層試料
の物理特性の測定方法である。請求項2の発明は、熱励
起光源波長が、透過性膜における光吸収が無い波長であ
ることを特徴とする請求項1記載の測定方法である。請
求項3の発明は、請求項1または2に記載の測定方法を
利用するための積層試料の作製方法であって、透過性
膜、光吸収層がそれぞれ積層型電子写真感光体の電荷移
動層、電荷発生層である場合には、感光体基材にもうけ
た光吸収層上に透過性膜を、浸漬塗工法により形成する
ことを特徴とする積層試料の作製方法である。
【0006】一般に、空気中を伝播する光の波長をλ0
とし、その光が屈折率n1の物質(例えばオーバーコー
ト層、例えば電荷移動層)に入射し、その媒質中での光
の波長をλ1とすると、λ0とλの間には、λ1=λ0/n
1という関係が成立する。従って、誘電体(ガラス、液
晶等)の様に、屈折率が1より大きな物質においては、
その物質中での光の波長は空気中に比べて短くなる。こ
のため、本来、膜内部での波長シフトを考慮して光源波
長を選択しなければならないが、従来、提案されている
光音響信号センシングシステムの熱励起光照射方法では
一般にこれらが考慮されておらず、内部吸収層の吸収線
と励起光の発振線が一致せず励起効率が悪かった。本発
明では、上記目的を達成する為、積層型電子写真感光体
透過性膜内での波長シフトを考慮し、内部層である電荷
発生層の吸収線と熱励起光の発振線を界面上で一致させ
る為に、熱励起光光源に対し有効である発振波長範囲及
び光音響効果を促進させる積層試料の作製方法を探索
し、電荷発生層での光音響効果過程の効率化を図り、電
荷発生層からの光音響信号をマイクロホンで充分なダイ
ナミックレンジで検出し、変換された電気信号をデータ
処理する事により吸光度等を計測しようとした事を特徴
とする。
【0007】この場合、波長範囲に関しては、電荷移動
層での光吸収の無い波長を用いる事により透過性膜であ
る電荷移動層或いはオーバーコート層での熱励起光の吸
収損失を防ぎ、更には電荷移動層でのドナー劣化による
ダメージを防ぎ、高S/N・高感度を達成しようとした
事を特徴としている。
【0008】同じく、測定対象である電荷発生層での光
音響効果を推進出来る積層試料の作製方法を示し、高S
/N・高感度を達成しようとした事を特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】電荷移動層やオーバーコート層の
バインダー樹脂として使われているポリカーボネート樹
脂は誘電体(ガラス、液晶等)と同じく屈折率が1以上
(凡そ1.585)で有り、またガラス・水晶など可視光を
通す物質と同じく、光の波長以下の大きさの結晶が規則
正しく並んでいる等方性物質とみなす事が出来る。
【0010】この為、Maxwellの電磁波理論(等方性媒
質中での電磁波伝播)より、真空中での波長は、 λ=2π/k=2π・C/ω …(1) となり、一方、物質媒質中では波長は、 λ1=2π/k1=2π・C1/ω …(2) となる。
【0011】また、屈折率:n1は真空中での光速と物
質中での光速の比で表され、 n1=C/C1 C:真空中での光速 C1:物質中での光速 となる。
【0012】屈折率は、波長に依って異なる値を持って
いるので(1)、(2)式より C=λω/2π の関係があり、光の周波数:ωは、どんな物質の中でも
一定で変化する事は無いので、 n1=C/C1=(λω/2π)/(λ1ω/2π) …(3) となり(3)式より、 λ1=λ/n1 …(4) n1:屈折率 λ:真空中を伝播する光の波長 λ1:媒質中での光の波長 となる。
【0013】これより励起光源の波長をλとすれば、波
長シフトを考慮した波長は(4)式よりλ=λ11と近
似できる。また、熱励起光源波長をλ=λ11の前後で
波長の変化を±50nmとしてもそれ程光音響信号強度変
化は大きくなく、かつ、観測される光音響信号強度も大
きい為、光源波長がλ=λ11の前後の±50nmの範囲
であっても効果は変わらない。
【0014】また、光音響信号検出用の積層試料として
は、アゾ顔料に代表される電荷発生層では、フタロシア
ニン顔料の様に電荷発生層単独では光音響信号発生に必
要なキャリアを殆ど発生できず、電荷移動層との接触の
(界面の)形成が必要となってくる事が検討より判明し
ている。
【0015】熱励起光を照射した時に生じる無電界印加
下でのキャリア発生―再結合−熱発生現象の光音響信号
発生過程においては、浸漬(ディッピング)塗工による
電荷移動層塗布の際に、多量の電荷移動材料が電荷発生
層にしみ込む事により、キャリア発生サイトが生成さ
れ、光キャリア発生効率(即ち、光音響信号発生効率)
が促進される事により電荷発生層単層の場合より信号強
度が大きくなる。
【0016】
【実施例】次に、光音響信号センシングシステムを用い
て積層型電子写真感光体の電荷発生層における吸光度測
定に本発明を適用した実施例について以下に述べる。図
1は、本発明で用いる光音響信号センシングシステムの
構成を示す図であり、図2(a)、(b)、(c)は、積層型電
子写真感光体における波長シフトの説明図である。図2
(a)において、符号20で示す積層型電子写真感光体2
0は、A1基材(ベース材)上に下引き層9、電荷発生
層10および電荷移動層11を、この順に積層したもの
である。そして、電荷発生層10が前記光吸収層、電荷
移動層11が前記透過性膜としてそれぞれ形成されてい
る。また、図2(b)においては、電荷移動層11および
オーバーコート層12が前記透過性膜となっている。こ
こで光源は、レーザー1を熱励起光源とする1系統のレー
ザーで構成され、紫外域を避けた可視領域の波長を発振
している。本実施例では、電荷発生層(選択吸収の有る
有色顔料が主成分)10で光熱変換を発生させる為の励起
光として、電荷移動層11或いはオーバーコート層12(ポ
リカーボネート及び電荷供与体で構成)を透過できる波
長の光を用いる必要が有る。この場合、励起光波長は、
電荷移動層11或いはオーバーコート層12を透過する光で
且つ電荷移動層内のドナー吸収の無い波長、即ち分光透
過スペクトルから予測し紫外域を避けた、発振波長500
〜700nm近傍のレーザーを用いている。この場合の電
荷移動層11或いはオーバーコート層12の透過率は95%以
上である。
【0017】検出用の光源波長を選択する場合、望まし
くは電荷発生層10の吸収線と励起光の発振線が一致して
いる事が好ましいが、光源波長は空気伝播中、及び屈折
率が1より大きい電荷移動層11或いはオーバーコート層
12内では光源波長は短波長側にシフトしてしまい、内部
層である電荷発生層10との界面に光が到達する時には電
荷発生層の吸収ピークから波長がずれてしまう。そこ
で、本実施例では、真空での光速=空気中の光速と仮定
し(空気の屈折率=1.0),電荷移動層の屈折率をn=
1.585と近似し、例えば500nm近傍に吸収を持つ電荷発
生層10に対しては電荷移動層11或いはオーバーコート層
12中での光の短波長化から光源波長を780nmと設定し
ている。この様に、積層型電子写真感光体20において、
電荷移動層11或いはオーバーコート層12中では入射光の
波長が膜の屈折率分だけ短波長になるので、780nm近
傍の光を入れても、実際、電荷移動層11―電荷発生層10
界面に到達する時は500nm近傍の波長になってくると
予想される。この時、電荷移動層11或いはオーバーコー
ト層12膜中の励起光を外から眺めている限り780nm近
傍の光に変わりは無い。電荷移動層11或いはオーバーコ
ート層12膜中に入ると異なった波長に視覚上見える事と
なる。また、光源波長をλ=λ11の前後で波長の変化
を±50nmとしてもそれ程光音響信号強度変化は大きく
なく、かつ、観測される光音響信号強度も大きい為、熱
励起光源波長がλ=λ11の前後の780nm±50nmの
範囲としても良い。
【0018】更に、本測定では、先に述べたように積層
型電子写真感光体の電荷発生層での光音響信号を検出す
る事を目的としている為、熱励起効率向上の意味でも積
層状態での表面層面上での吸収・化学反応とは別に表面
反射を極力少なくする事も望まれてくる。この為、入射
レーザー光を直線偏光としてそのベクトルの振動方向を
垂直波と同方向とする事で、Brewster角(=入射角)に
おける入射レーザー光の多くを表面層内部に屈折誘導さ
せる様にしている。積層型電子写真感光体の場合、例え
ば空気(n0=1.0)と電荷発生層(n1=1.585)の境界面に
対しては、両媒質の屈折率の比からBrewster角が決定で
きる。
【0019】即ち、 tanψB=n1/n0 ψB=tan-1(n1/n0)=tan-1(1.585/1.0) ψB=57.7deg. としている。
【0020】測定手順としてはまず、熱励起光であるレ
ーザー1を発振させて、出射された光線を回転ブレード
式の光強度変調器2により矩形波に強度変調したのち、
ビームエクスパンダ3で所望のビーム径に拡大させる。
ビームエクスパンダ3の焦点位置にはピンホール4を配置
させ、集光スポットのピーク部の周辺に存在する高次回
折光成分を遮光しており、ピンホール通過直後の光強度
分布はピーク部だけが残る形になる。この後、熱励起光
を導光用の光ファイバー6に集光レンズ5を用いて集光す
る。その後、光ファイバー6を介して音響セル7まで導か
れ、偏光子13で調光された後、コンデンサレンズ等によ
り電荷発生層10界面へとフォーカス照射される。用いら
れる偏光子13には、2つの方向の電場に対する吸収の差
を利用して偏光を作る偏光板と方解石などのある種の結
晶が向きによって屈折率が違う複屈折を利用した偏光プ
リズムがあるが、後者の方が奇麗な偏光を作る事が出来
るのでこれを利用すると良い。実施例では、熱励起光の
照射面上でのビーム径はφ50μm、レーザーパワーは200
mWである。
【0021】熱励起光の照射後は、内部層の電荷発生層
10がこの熱励起光を吸収し、光音響信号発生過程、即
ち、被輻射遷移によって原子の振動、熱となり、熱励起
光が断続光として変調されている場合、加熱は変調周波
数と一致して繰り返され、結果として変調周波数に従っ
たガス(空気)の圧力変化を引き起こして波を発生し、
検出器であるマイクロホン14に到達していく。音響信号
検出に関しては、強度変調した熱励起光の周波数帯域が
マイクロホン14の感度帯域に入っていれば検出が可能と
なり、音波の大きさは、励起光の変調周波数やトランス
デューサーである電荷発生層10における顔料に吸収され
たエネルギー量により一義的に決まる。マイクロホン14
としては、一般的に静電容量変化を利用して音圧を測定
する静電容量型マイクロホンが用いられる。本実施例で
は、静電容量型マイクロホンとして(株)リオン:UC-3
1を使用している。マイクロホン14で検出された音響信
号は、その後、プリアンプ15(NF ELECTRONIC INSTRUME
NT:LI-75A)で増幅された後、ロックインアンプ16(NF
ELECTRONICINSTRUMENT:5610B)で熱励起光変調周波数成
分と同じ周波数のものだけが取り出されるようになる。
17は光変調器コントローラで、ロックインアンプ16にホ
モダイン計測の為の参照信号を出している。次いで、ロ
ックインアンプの出力信号は、A/Dコンバータ18を介し
てコンピューター19に入力され、吸光度測定に必要な演
算処理が行われる。
【0022】ここで吸光度が解っている試料で音響信号
を検出しておき、この信号強度を校正値として用いる。
こうする事により、吸光度が未知のCGLに対して吸光度
測定が可能となる。
【0023】一般に光音響法においては、熱励起光が試
料に吸収された場合、再び光を放出(蛍光及び燐光)す
るか或いは光化学変化に消費される以外は、その吸収し
たエネルギー分だけ検出されるので有るから、拡散面を
有する電荷発生層10でも散乱光の影響は必要無く、従っ
て、乾燥硬化した積層型電子写真感光体固体膜などの吸
光度の測定には適している。
【0024】図2において、積層型電子写真感光体20表
面に熱励起光が投光された場合(図2(a)参照)、透過性
膜である電荷移動層11の屈折率は約n1=1.585であるの
で、電荷移動層中での光の速度は(図2(c)参照)C1とな
り、空中(空気中)の速さC0よりも遅くなる。例えばレ
ーザーに汎用のHe-Neレーザーを用いた場合、He-Neレ
ーザーの周波数は474THzでどのような物質のなかでも変
化する事は無いので、(3)式より波長が屈折率の分だ
け小さく(短く)なる。これは、図2(b)のようにオーバ
ーコート層があった場合でも同様である。
【0025】上述したように積層型電子写真感光体20の
内部層である電荷発生層10で光学的な吸収・光熱変換過
程が発生するので、積層型電子写真感光体20の層特性か
ら、透過性膜内での波長シフトを考慮する事によって、
より高S/N、高感度の光音響信号抽出が可能となる。
【0026】
【発明の効果】請求項1の発明は、表面に透過性膜を有
するとともに内部に光吸収層を有する積層試料に熱励起
光を照射し、その光熱効果を利用して前記積層試料の物
理特性を測定する方法において、前記光吸収層の吸収ピ
ーク波長をλ1、前記透過性膜の屈折率をn1とした場
合、λ=λ11±50nmで近似される波長を熱励起光
源波長とすることを特徴としているので、光吸収層の吸
収ピークと熱励起光波長を一致させる事ができ、高S/
N・高感度の光音響信号検出が可能となる。請求項2の
発明は、熱励起光源波長が、透過性膜における光吸収が
無い波長であることを特徴としているので、透過性膜で
の熱励起光の吸収による減衰を防ぎ、高S/N・高感度
の光音響信号検出が可能となる。請求項3の発明は、浸
漬塗工法により光吸収層上に透過性膜を形成し、前記透
過性膜及び光吸収層をそれぞれ積層型電子写真感光体の
電荷移動層および電荷発生層とすることを特徴とする、
請求項1または2に記載の方法に利用するための積層試
料の作製方法であるので、光音響信号発生に大きく寄与
するキャリアの発生を促進させる事ができ、高S/N・
高感度の光音響信号検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる光音響信号センシングシステム
の構成を示す図である。
【図2】積層型電子写真感光体における波長シフトの説
明図である。
【符号の説明】
1 レーザー 2 光強度変調器 3 ビームエクスパンダ 4 ピンホール 5 集光レンズ 6 光ファイバー 7 音響セル 8 Al基材 9 下引き層 10 電荷発生層 11 電荷移動層 12 オーバーコート層 13 偏光子 14 マイクロホン 15 プリアンプ 16 ロックインアンプ 17 光変調器コントローラ 18 A/Dコンバータ 19 コンピューター 20 積層型電子写真感光体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に透過性膜を有するとともに内部に
    光吸収層を有する積層試料に熱励起光を照射し、その光
    熱効果を利用して前記積層試料の物理特性を測定する方
    法において、前記光吸収層の吸収ピーク波長をλ1、前
    記透過性膜の屈折率をn1とした場合、λ=λ11±5
    0nmで近似される波長を熱励起光源波長とすることを
    特徴とする積層試料の物理特性の測定方法。
  2. 【請求項2】 熱励起光源波長が、透過性膜における光
    吸収が無い波長であることを特徴とする請求項1記載の
    測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の測定方法を利
    用するための積層試料の作製方法であって、透過性膜、
    光吸収層がそれぞれ積層型電子写真感光体の電荷移動
    層、電荷発生層である場合には、感光体基材にもうけた
    光吸収層上に透過性膜を、浸漬塗工法により形成するこ
    とを特徴とする積層試料の作製方法。
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