JP2002275490A - 改善された耐摩耗特性を有するオートマテイックトランスミッション流体 - Google Patents

改善された耐摩耗特性を有するオートマテイックトランスミッション流体

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JP2002275490A
JP2002275490A JP2002026902A JP2002026902A JP2002275490A JP 2002275490 A JP2002275490 A JP 2002275490A JP 2002026902 A JP2002026902 A JP 2002026902A JP 2002026902 A JP2002026902 A JP 2002026902A JP 2002275490 A JP2002275490 A JP 2002275490A
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Sanjay Srinivasan
サンジヤイ・スリニバサン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 改善された抗摩耗性及び極圧性能を示すトラ
ンスミッション流体。 【解決手段】 少なくとも0.05重量%のジアルキル
チアジアゾール及び硫化脂肪、硫化脂肪酸、硫化脂肪酸
エステル、約0.15重量%までの金属−含有洗浄剤及
び/又はそれらの混合物を含有するオートマテイックト
ランスミッション流体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願の相互参照 関連出願は存在しない。
【0002】合衆国の資金支出による研究に関する言及 本研究は合衆国政府のいずれの機関による資金提供も受
けていない。
【0003】発明の背景 1.発明の分野 本発明は増強された性能特性、より特定的には改善され
た耐摩耗性能及び極圧性能を有するオイルをベースとす
るオートマテイックトランスミッション流体(flui
d)組成物に関連する。
【0004】2.先行技術の記述 エチルコーポレーションに付与された米国特許第557
8236号は増強された性能特性を有するパワートラン
スミッション流体を開示する。そこに開示されたパワー
トランスミッション流体組成物はとりわけ約0.001
乃至約0.1%の油溶性ホウ素含有量、約0.005乃
至約0.2%の油溶性燐含有量及び0乃至約100pp
mの油溶性金属添加剤含有量を有する。
【0005】米国特許第5578236号は約55N乃
至約125Nの範囲の少なくとも約50重量%の水素処
理(hydrotreated)鉱物油、約5乃至約4
0重量%の100℃で約2乃至約6cStの粘度を有す
る水素化ポリα−オレフィンオリゴマー、約5乃至約2
0重量%のアクリル粘度指数向上剤、シール膨潤剤(s
ealswell agent)、無灰分散剤、油溶性
摩擦調整剤(friction modifier)、
及び発泡防止剤、銅腐食防止剤(チアジアゾールを含
む)、錆び防止剤及び酸化防止剤から選択される防止剤
を含んでなる。完成された組成物はASTM D−52
75のFISSTにおいて40サイクル行った後−40
℃で13000cP又はそれ未満のブルックフィールド
粘度、150℃で少なくとも2.6mPa.sのAST
M D−4683粘度、及び100℃で少なくとも6.
8cStの粘度を有する。しかしながら開示された組成
物は好ましくは硫化された成分を含有しない。
【0006】米国特許第5441656号(これもエチ
ルコーポレーションに付与されている)はオートマテイ
ックトランスミッションの連続スリップトルクコンバー
タークラッチにおける振動問題を克服するためのオート
マテイックトランスミッション流体を開示する。同第5
441656号特許のオートマテイックトランスミッシ
ョン流体(ATF)は、他の制限の外にN−脂肪族ヒド
ロカルビル置換基がアセチレン不飽和を含有せずそして
約14乃至約40個の範囲の炭素原子を有するN−脂肪
族ヒドロカルビル置換ジエタノールアミン、及びN−脂
肪族ヒドロカルビル置換基が約14乃至約20個の範囲
の炭素原子を有する少なくとも一つの直鎖脂肪族ヒドロ
カルビル基であるN−脂肪族ヒドロカルビル置換トリメ
チレンジアミンを含有する摩擦調整剤成分を含む。従来
の銅腐食防止剤(チアジアゾールを含む)及び他の任意
の成分(例えば、滑剤、染料、4点降下剤等)も含有す
ることができる。
【0007】米国特許第5344579号、第5372
735号及び第5578236号は良好な耐振動特性を
示すオートマテイックトランスミッション用流体組成物
を開示する。
【0008】様々なオートマテイックトランスミッショ
ン用流体を開示する他の米国特許には第4795583
号、第4855074号、第4857214号、第50
89156号、第5126064号、第5164103
号、第5171466号、第5198133号、第52
56324号、第5360562号、第5387346
号、第5387352号、第5389273号、第54
39606号、第5505868号、第5652201
号、第5703023号、第5817605号、第58
51962号、第5891786号及び第597285
1号がある。上記のそれぞれが参照のために編入され
る。
【0009】これらの参考文献はしかしながら硫化脂
肪、硫化脂肪酸、硫化脂肪酸エステル及び/又はこれら
の混合物と少なくとも0.05%の無灰ジアルキルチア
ジアゾール腐食防止剤の組み合わせを含んでなる本発明
の成分の組み合わせについて教示も示唆もしていない。
【0010】商業的にはオートマテイックトランスミッ
ション用流体に、特に極圧添加剤、耐摩耗剤、抗酸化剤
系、腐食防止剤系、金属不活性化剤、防錆び剤、摩擦調
整剤、分散剤、洗浄剤、発泡防止剤、及び粘度指数向上
剤を含んでなる様々な添加剤パッケージを添加すること
が知られている。しかしながらすべての添加剤が互いに
予測可能に又は良好に相互作用をするわけではない。
【0011】本発明の簡単な要約 本発明は硫化脂肪、硫化脂肪酸、硫化脂肪酸エステル及
び/又はこれらの混合物、及び無灰ジアルキルチアジア
ゾールを含有することによるオートマテイックトランス
ミッション用流体の耐摩耗及び極圧性能の改善に関連す
る。他の任意の成分、例えば摩擦調整剤、抗酸化剤、分
散剤、及び粘度指数向上剤によりオートマテイックトラ
ンスミッションに導入された場合に改善された耐摩耗及
び極圧性能を与える完全に配合されたトランスミッショ
ン流体組成物が与えられる。
【0012】本発明の詳細な記述 消費者の厳格な要求に直面する乗物では今日全ての乗物
のシステムにおいて耐久性と性能が要求される。もっと
も重要なシステムの一つは自動車のエンジンにより発生
された動力を車輪に伝達するパワートランスミッション
システム(トランスミッション)である。それは乗物に
おいて最も複雑なシステムの一つであり、それはまた整
備、修理又は交換に最も高価なものの一つである。トラ
ンスミッションは通常とりわけパレル(plates)
を備えたクラッチ、トルクコンバーター、及びギヤの比
率を変化させることにより車輪に伝達させる動力を変化
させるための複数のギヤを含む。
【0013】識別力のある消費者は主として高性能でメ
インテナンスに手のかからない(整備の間に長く走行で
きる)そして予想される寿命の長い乗物を望む。しかし
ながら新しいトランスミッション技術の到来によりかつ
ては認められていた古い性能基準は今日受け入れ難いも
のとなって来ている。
【0014】例えば、自動車製造業者による様々な電子
制御コンバータークラッチ(ECCC)設計を組込んだ
オートマテイックトランスミッションの発展のための世
界的な活動がある。これらの発展はアメリカ合衆国にお
ける法人平均燃料経済(Corporate Aver
age Fuel Economy)(CAFE)要求
の増大が予想されることにより加速されている。ECC
Cの設計により得られるべき燃料経済性が改善がもたら
される。
【0015】ECCCトランスミッション並びに無段変
速(continuously variable)ト
ランスミッショ(CVT)を備えた乗物の時代の到来及
び空力性能の優れた車体の設計の進歩によりより高いエ
ネルギー密度とより高い作動温度で作動する傾向にある
より小さなトランスミッションを備えた乗用車が必要と
される結果となる。このような変化は潤滑剤供給者にと
って高いトルク及び摩擦耐久性を含む新しくそしてユニ
ークな性能特性を有するオートマテイックトランスミッ
ション用流体を配合する必要を喚起する。
【0016】結果として多くのOEM業者(origi
nal equipment manufacture
rs(OEM))が耐摩耗の領域において十分な性能を
維持しながらECCC、CVT、並びに他の設計の要求
を満足させることができる摩擦特性を備えたオートマテ
イックトランスミッション用流体を探求している。
【0017】オートマテイックトランスミッションに伴
う摩耗問題を克服する、特にトランスミッション流体の
寿命及び耐久性を延長させるためのOEM自動車設計者
及び供給者の要求を充足させるための効果的な方法のた
めの需要が存在する。
【0018】本発明はその寿命の間良好な耐摩耗性能を
示すオートマテイックトランスミッション流体を提供す
ることにより耐久性及び耐摩耗性(極圧)問題を克服す
るものである。
【0019】本発明に従うとより驚くべきことに低い処
理割合(treat rates)において改善された
摩耗性能を有するATFが与えられる。その具体例の一
つにおいてはそれは効果量の少なくとも一つの硫化脂
肪、例えば硫化脂肪酸エステル、無灰ジアルキルチアジ
アゾール、及び0.10重量%未満の金属−含有洗浄剤
を含有する。
【0020】好適な硫化脂肪にはSUL−PERMTM
ランドの製品が含まれる。フェロコーポレーションのケ
イルケミカル部門から市販されている硫化脂肪酸エステ
ル−ポリアルカノールアミドタイプ生成物であるSUL
PERM60〜93、9.5%の硫黄及び100°Fで
2000SUSの粘度、210°Fで210SUSの粘
度、77°Fで比重0.9844の特性を有するフェロ
コーポレーションのケイルケミカル部門により示される
製品であるSUL−PERM10E、ホーネットブラザ
ー社から供給され、8.5乃至9.5重量%の硫黄含有
量、フラッシュ温度150℃、100℃で粘度30〜4
0cSt、15℃で0.97g/mlの密度及びグラム
当り5乃至9.5mgKOHの酸度を有すると示されて
いるEPオイルGE−10である。同様に好適な製品は
エルコの製品、例えばElco46368である。
【0021】本発明に従った腐食防止剤には無灰ジアル
キルチアジアゾールが含まれる。好適な化合物の例示に
はビス−t−ドデシルチオチアジアゾール、2,5−ビ
ス(ヒドロカルビルチオ)−1,3,4−チアジアゾー
ル、及び2,5−ビス−(ヒドロカルビルジチオ)−
1,3,4−チアジアゾールである。市販のジアルキル
チアジアゾールの一つにバージニア州リッチモンドにあ
るエチルコーポレーションの製品であるHiTEC(R)
4313がある。チアジアゾールは好ましくはジアルキ
ルであり、ここでそれぞれのアルキル基は独立して約9
個乃至約18個の炭素原子を有するヒドロカルビル基で
ある。
【0022】金属−含有洗浄剤は好ましくは周期律表の
2A族の金属、例えばBe、Mg、Ca、Sr、Ba、
又はRaを含有するものであり、より好ましくはMg又
はCaを含有する洗浄剤、例えばカルシウムフェナー
ト、カルシウムスルホネート、マグネシウムフェナー
ト、又はマグネシウムスルホネートである。特に好まし
くは硫化アルキルフェナートの低塩基性水酸化カルシウ
ム塩、例えばシェブロンのオロナイト部門により製造さ
れているOLOA216Cである。
【0023】一つの具体例において本発明の流体はAS
TM D5182−97(これは参照のために本明細書
に編入される)に述べられている150℃でのFZG試
験において11ステージの通過(stage pas
s)を示すオートマテイックトランスミッション流体の
配合に使用される。
【0024】本発明の他の具体例においてオートマテイ
ックトランスミッションにおける摩耗性能を改善させる
方法及び良好な安定性を提供する方法が記述される。
【0025】該方法は(1)主たる量のベースオイル及
び(2)必須成分として少なくとも下記の成分(A)、
成分(B)、及び成分(C)を含んでなる少量の添加剤
組成物を含んでなるオートマテイックトランスミッショ
ン流体をオートマテイックトランスミッションに添加し
そして作動させることを含んでなる。
【0026】上記の成分及び下記に列挙される成分は時
折機能に関連して言及されるがその機能は同一成分によ
り提供される他の機能の内の一つであるかもしれずそし
てその機能は必須の限定的なものとして解釈されるべき
でない。 成分(A)無灰ジアルキルチアジアゾール 成分(A)は無灰ジアルキルチアジアゾールである。市
販の無灰ジアルキルチアジアゾールの一例はエチルコー
ポレーションから販売されているHiTEC(R )431
3腐食防止剤である。
【0027】本発明の実施に好適なジアルキルチアジア
ゾールは下記一般式(I)
【0028】
【化2】
【0029】式中、R1は6乃至18個の炭素原子を有
するヒドロカルビル置換基であり、R2は6乃至18個
の炭素原子を有するヒドロカルビル置換基であり、そし
てR1と同一又は異なっていてもよい、のものである。
好ましくはR1及びR2は約9〜12個の炭素原子を有
し、そして最も好ましくはR1及びR2はそれぞれ9個の
炭素原子を有する。
【0030】モノアルキルチアジアゾールと式(I)の
ジアルキルチアジアゾールの混合物もまた本発明の範囲
内で使用することができる。このようなモノアルキルチ
アジアゾールは置換基R1及びR2のいずれかがHである
場合起る。しかしながら完全に配合された流体組成物の
少なくとも0.05重量%がジアルキルチアジアゾール
を含んでなり、より好ましくは少なくとも約0.10重
量%である。ここで好適な範囲は約0.05重量%乃至
約1.00重量%であり、そしてより好ましくは約0.
10乃至約0.75重量%である。 成分(B)−硫化脂肪 成分(B)は硫化脂肪、例えば硫化脂肪酸エステルから
選択される硫黄源を含んでなる。これらの成分はまた潤
滑剤及び極圧剤(EP)としての機能も有する。
【0031】様々な生成物が高硫黄ドナーとして利用可
能であり、例えばBASE101硫化ラードオイル、B
ASE107硫化ラードオイル、BASE10L硫化脂
肪化合物、BASE12SE硫化メチルエステル、BA
SE14L硫化脂肪化合物、BASE401硫化炭化水
素、BASE44硫化オレイン酸、BASEA92硫化
脂肪化合物、SUL−PERM(R)110硫化鯨油代替
物、SUL−PERM( R)18硫化鯨油代替物、及びS
UL−PERM(R)307硫化鯨油代替物がある。特に
好ましいものは10%の硫黄を含有する硫化脂肪酸エス
テルであるSUL−PERM(R)10−Eである。上記
製品のそれぞれフェロコーポレーションのケイルケミカ
ル部門から市販されている。
【0032】ここで好ましい具体例においては硫黄含有
成分は最終の流体において0.10重量%乃至約1.0
0重量%の量で、より好ましくは約0.25重量%乃至
約0.75重量%の量で存在する。 成分(C)−金属含有洗浄剤 少量のある特定の金属を含有する洗浄剤、例えばカルシ
ウム硫化フェナート(phenate)及びカルシウム
スルホネートが本発明の実施に使用される。しかしなが
ら、もし油溶性フェナート、又はスルホネートが使用さ
れた場合、それは完成された流体が約250ppm以下
の金属、好ましくは約100ppm以下の金属、そして
最も好ましくは約50ppm以下の金属を含有するよう
な割合であるべきである。これらの硫化フェナートは好
ましくは化学量論量のカルシウムを含有する中性の塩で
あり、そしていずれの場合にも全塩基数(total
base number)(TBN)が約200mgK
OH/グラム以下であるべきである。
【0033】特に好適な洗浄剤は低−塩基性カルシウム
フェナート、例えばシェブロンのオロナイト部門から市
販されるOLOA216Cである。OLOA216Cは
150の名目(nominal)TBNを有する硫化ア
ルキルフェナートの水酸化カルシウム塩であると言われ
ている。
【0034】最終の流体において洗浄剤は0.01〜
0.10重量%、より好ましくは約0.03重量%乃至
約0.07重量%、最も好ましくは約0.05重量%の
量で存在することができる。
【0035】以上の必須成分に加えて、本発明は必要に
より以下の追加的成分もまた含有してもよい。 成分(D)−分散剤 成分(D)は少なくとも一つの油溶性の燐又はホウ素含
有無灰分散剤を含んでなる。燐又はホウ素含有無灰分散
剤は塩基性窒素及び/又は少なくとも一つの水酸基を分
子中に有する無灰分散剤、例えばスクシンイミド分散
剤、琥珀酸エステル分散剤、琥珀酸エステル−アミド分
散剤、マンニッヒ塩基分散剤、ヒドロカルビルポリアミ
ン分散剤、又は重合体ポリアミン分散剤を燐化又はホウ
素化することにより生成することができる。
【0036】琥珀酸基が少なくとも30個の炭素原子を
有するヒドロカルビル置換基を含有するポリアミンスク
シンイミドが例えば米国特許第3172892号、第3
202678号、第3216936号、第321966
6号、第3254025号、第3272746号及び第
4234435号に記述されている。アルケニルスクシ
ンイミドを従来法、例えばアルケニル琥珀酸無水物、
酸、酸−エステル、酸ハライド又は低級アルキルエステ
ルを少なくとも一つの第一級アミノ基を含有するポリア
ミンとともに加熱することにより生成することができ
る。アルケニル琥珀酸無水物はオレフィンとマレイン酸
無水物の混合物を例えば約180℃乃至約220℃に加
熱することにより容易に製造することができる。オレフ
ィンは好ましくは低級モノオレフィン例えばエチレン、
プロピレン、1−ブテン、イソブテン等及びそれらの混
合物のポリマー又はコポリマーである。より好ましいア
ルケニル基源はゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)の数平均分子量が10000まで又はそれ
以上の、好ましくは約500乃至約2500、そして最
も好ましくは約800乃至約1200の範囲のポリイソ
ブテンからのものである。
【0037】本明細書で使用される「スクシンイミド」
という用語は一以上のポリアミン反応物と炭化水素置換
琥珀酸、又は無水物(又は琥珀酸アシル化剤等)の間の
反応による完全な反応生成物を包含するものを意味し、
そして生成物が第一級アミノ基と無水物部分の反応に起
因するこのタイプのイミド結合に加えてアミド、アミジ
ン、及び/又は塩結合(linkage)を有すること
ができる化合物を包含することを企図する。
【0038】2〜20個の炭素原子及び2〜6個の水酸
基を有する多価アルコールの琥珀酸エステル及びジエス
テルを燐含有無灰分散剤の生成に使用することができ
る。代表的な例が米国特許第3331776号、第33
81022号及び第3522179号に記載される。こ
れらのエステルのアルケニル琥珀酸部分は上述のスクシ
ンイミドのアルケニル琥珀酸部分に対応する。
【0039】ホスホリル化(phosphorylat
ed)無灰分散剤を製造するのに好適なアルケニル琥珀
酸エステル−アミド部分は米国特許第3184474
号、第3576743号、第3632511号、第38
04763号、第3836471号、第3862981
号、第3936480号、第3948800号、第39
50341号、第3957854号、第3957855
号、第3991098号、第4071548号、及び第
4173540号に記載されている。
【0040】ホスホリル化することができるヒドロカル
ビルポリアミン分散剤は一般に平均で少なくとも約40
個の炭素原子を含有する脂肪族又は脂環式ハライド(又
はその混合物)を一以上のアミン、好ましくはポリアル
キレンポリアミンと反応させることにより製造すること
ができる。このようなヒドロカルビルポリアミン分散剤
の例は米国特許第3275554号、第3394576
号、第3438757号、第3454555号、第35
65804号、第3671511号及び第382130
2号に記載されている。
【0041】一般にヒドロカルビル置換ポリアミンは分
子中に塩基性窒素を含有する高分子量ヒドロカルビルN
−置換ポリアミンである。ヒドロカルビル基は典型的に
はGPCにより決定された約750〜10000の範
囲、より通常的には約1000〜5000の範囲の数平
均分子量を有しそして好適なポリオレフィンから誘導さ
れる。好適なヒドロカルビル−置換アミン又はポリアミ
ンは塩化ポリイソブテテニル及び2乃至12個のアミン
窒素原子及び2乃至約40個の炭素原子を有するポリア
ミンから製造される。
【0042】ホスホリル化無灰分散剤を製造するのに使
用することができるマンニッヒポリアミン分散剤は典型
的には環上に長鎖のアルキル置換基を有するアルキルフ
ェノールと1乃至約7個の炭素原子を有する1以上の脂
肪族アルデヒド(特にホルムアルデヒド及びその誘導
体)、及びポリアミン(特にポリアルケニルポリアミ
ン)の反応生成物である。マンニッヒ縮合生成物の例及
びそれらの製造方法は米国特許第2459112号、第
2962442号、第2984550号、第30360
03号、第3166516号、第3236770号、第
3368972号、第3413347号、第34428
08号、第3448047号、第3454497号、第
3459661号、第3493520号、第35396
33号、第3558743号、第3586629号、3
591598号、第3600372号、第363451
5号、第3649229号、第3697574号、第3
703536号、第3704308号、第372527
7号、第3725480号、第3726882号、第3
736357号、第3751365号、第375695
3号、第3793202号、第3798165号、第3
798247号、第3803039号、第387201
9号、第3904595号、第3957746号、第3
980569号、第3985802号、第400608
9号、第4011380号、第4025451号、第4
058468号、第4083699号、第409085
4号、第4354950号及び第4485023号に記
載されている。
【0043】マンニッヒポリアミン分散剤の製造に好適
な炭化水素源は実質的に飽和している石油留分及びオレ
フィンポリマー、好ましくは2乃至約6個の炭素原子を
有するモノ−オレフィンのポリマーから誘導されたもの
である。炭化水素源は分散剤に実質的な油溶性を付与す
るために一般に少なくとも約40個そして好ましくは少
なくとも約50個の炭素原子を含有する。GPC数平均
分子量が約600乃至約5000のオレフィンポリマー
が容易な反応性及び低いコストのために好適である。し
かしながらより高い分子量のポリマーも使用することが
できる。特に好適な炭化水素減はイソブチレンポリマー
である。
【0044】本使用のために好適なマンニッヒ塩基分散
剤は約1モルの長鎖の炭化水素置換フェノールと約1乃
至2.5モルのホルムアルデヒド及び約0.5乃至2モ
ルのポリアルキレンポリアミンを縮合させることにより
製造されるマンニッヒ塩基無灰分散剤である。
【0045】ホスホリル化無灰分散剤の製造のために好
適な重合体のポリアミン分散剤は塩基性アミン基及び油
溶性基(例えば少なくとも約8個の炭化水素を有するペ
ンダントアルキル基)を含有するポリマーである。この
ような材料は様々なモノマー、例えばデシルメタクリレ
ート、ビニルデシルエーテル又は比較的高分子量のオレ
フィンとアミノアルキルアクリレート及びアミノアルキ
ルアクリクアミドから生成するインターポリマーにより
例示される。重合体のポリアミン分散剤の例は米国特許
第3329658号、第3449250号、第3493
520号、第3519565号、第3666730号、
第3687849号及び第3702300号に記載され
ている。
【0046】上述の様々なタイプの無灰分散剤を米国特
許第3184411号、第3342735号、第340
3102号、第3502607号、第3511780
号、第3513093号、第3513093号、第46
15826号、第4648980号、第4857214
号及び第5198133号に記載される方法によりホス
ホリル化することができる。
【0047】他の好適な具体例において本発明の分散剤
又は燐−含有分散剤は又ホウ素化することができる。
【0048】上記の様々なタイプの無灰分散剤のホウ素
化のために使用することができる方法は米国特許第30
87936号、第3254025号、第3281428
号、第3282955号、第2284409号、第22
84410号、第3338832号、第3344069
号、第3533945号、第3658836号、第37
03536号、第3718663号、第4455243
号及び第4652387号に記載される。
【0049】無灰分散剤をホスホリル化及びホウ素化す
るための好適な方法は上記米国特許第4857214号
及び第5198133号に記載されるものである。
【0050】「活性成分基準(active ingr
edient basis)」(即ちそれらに伴う不純
物、希釈剤及び溶媒を除外する)でのホスホリル化無灰
分散剤の量は一般に約0.5乃至約7.5重量%(wt
%)の範囲で、典型的には約0.5乃至約5.0重量%
の範囲、好ましくは約0.5乃至約4.0重量%の範
囲、最も好ましくは約1.0乃至約3.0重量%の範囲
である。
【0051】本発明の好適な具体例において無灰分散剤
は米国特許第5972851号に記載されるN/P比率
を有し、該特許は参考のために本明細書に編入される。
この好適例において本発明の任意の成分は窒素の燐に対
する質量比が約3:1乃至約10:1の間の分散剤であ
る。好適例の分散剤は少なくとも二つの方法で製造する
ことができる。一つの方法において無灰分散剤は窒素の
燐に対する質量比が約3:1乃至約10:1の間になる
までホスホリル化される。他の具体例においてホスホリ
ル化分散剤と非−ホスホリル化分散剤は分散剤の全窒素
の燐に対する質量比が約3:1乃至約10:1の間にな
るように混合される。
【0052】全体として分散剤は好ましくは約1.00
重量%乃至約15.00重量%、より好ましくは約1.
00重量%乃至約8.00重量%の量で最終の流体中に
存在する。 成分(E)−抗酸化剤 本発明の組成物は一以上の抗酸化剤、例えばフェノール
性抗酸化剤、ヒンダードフェノール抗酸化剤、その他の
硫化オレフィン(additional sulfur
ized olefine)、芳香族アミン抗酸化剤、
第二級芳香族アミン抗酸化剤、硫化フェノール抗酸化
剤、油溶性銅化合物、燐含有抗酸化剤(例えば、有機ホ
スファイト)、及びそれらの混合物である。
【0053】好適な例示的化合物には2,6−ジ−t−
ブチルフェノール、t−ブチル化フェノールの液状混合
物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、混合メチレン架橋ポリアルキ
ルフェノール、4,4’−チオビス(2−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、N,N’−ジ−sec−ブチ
ル−p−フェニレンジアミン、4−イソプロピルアミノ
ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、及
びフェニル−β−ナフチルアミンが含まれる。
【0054】特に好適な抗酸化剤にはジフェニルアミン
由来の抗酸化剤、例えばNaugalube(R)438
−Lが含まれる。
【0055】アミン抗酸化剤の種類には油溶性芳香族第
二級アミン、芳香族第二級モノアミン等が好適である。
好適な芳香族第二級モノアミンにはそれぞれ約16個の
炭素原子を有する1乃至2個のアルキル置換基を含有す
るジフェニルアミン、アルキルジフェニルアミン、フェ
ニル−α−ナフチルアミン、フェニル−γ−ナフチルア
ミン、それぞれが約16個までの炭素原子を有する1乃
至2個のアルキル又はアラルキル基を含有するアルキル
−又はアラルキル置換フェニル−α−ナフチルアミン、
それぞれが約16個までの炭素原子を有する1乃至2個
のアルキル又はアラルキル基を含有するアルキル−又は
アラルキル置換フェニル−β−ナフチルアミン、グッド
イヤーから商品名「Wingstay100」の名前
で、そしてユニロイヤルからも市販されているアルキル
化p−フェニレンジアミン及び類似の化合物が含まれ
る。
【0056】市販の製品であるNaugalube48
3Lで具現化されている芳香族アミン抗酸化剤の好適な
タイプは一般式 R1−−C6H4−−NH−−C6H4−−R2 式中、R1は8乃至12個の炭素原子(より好ましくは
8又は9個の炭素原子)を有するアルキル基(好ましく
は分枝したアルキル基)であり、そしてR2は水素原子
又は8乃至12個の炭素原子(より好ましくは8又は9
個の炭素原子)を有するアルキル基(好ましくは分枝し
たアルキル基)である、のアルキル化ジフェニルアミン
である。最も好ましくは、R1及びR2は同一である。特
に好適なものは4,4’−ジノニル化ジフェニルアミン
を含有するノニル化ジフェニルアミン、ノニル基が分枝
しているビス(4−ノニルフェニル)(アミン)であ
る。
【0057】フェノール抗酸化剤の種類として好適な化
合物にはオルト−アルキル化フェノール化合物、例えば
2−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフ
ェノール、4−メチル−2、6−ジ−t−ブチルフェノ
ール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、及び
それらの様々な類似物及び同等物又はそれらの混合物、
米国特許第6096695号に記載されるような一以上
の部分的に硫化されたフェノール化合物(その開示は参
照のため本明細書に編入される)、米国特許第3211
652号に記載されるようなメチレン−架橋アルキルフ
ェノール(その開示は参照のため本明細書に編入され
る)、が含まれる。
【0058】抗酸化剤は必要により完全に配合された最
終の発明品である潤滑組成物中に約0.00乃至約5.
00重量%、より好ましくは約0.01重量%乃至約
1.00重量%含有することができる。 成分(F)−摩擦調整剤 本発明の組成物は必要により一以上の摩擦調整剤を含有
することができる。これらは典型的には脂肪アミン、又
はエトキシル化脂肪アミン、脂肪族脂肪酸アミド、エト
キシル化脂肪族エーテルアミン、脂肪族カルボン酸、グ
リセロールエステル、脂肪族カルボン酸エステル−アミ
ド、脂肪族ホスホネート、脂肪族ホスフェート、脂肪族
チオホスホネート、脂肪族チオホスフェート、脂肪イミ
ダゾリン、脂肪第3アミン等であり、ここで脂肪族基は
化合物に適切な油溶性を付与するために通常約8個より
多くの炭素原子を含有する。同様にまた好適なものは一
以上の脂肪族琥珀酸又は無水物をアンモニア又は他の第
一級アミンと反応させることにより生成する脂肪族置換
スクシンイミドである。
【0059】摩擦調整剤の好適な群の一つはN−脂肪族
ヒドロカルビル置換基がアセチレン性不飽和を含有せず
そして約14乃至約20個の炭素原子を有する少なくと
も一つの直鎖脂肪族ヒドロカルビル基であるN−脂肪族
ヒドロカルビル−置換ジエタノールアミンである。
【0060】本発明の実施に特に好適な市販の摩擦調整
剤のいくつかは両方ともアクゾノベルケミカル社から市
販されているエトキシル化牛脂ジアミンであるEtho
meen T−12及びエトキシル化ココアルキルアミ
ンであるEthomeenC−12である。
【0061】特に好適な摩擦調整剤システムはN−脂肪
族ヒドロカルビル置換基がアセチレン性不飽和を含有せ
ずそして約14乃至約20個の炭素原子を有する少なく
とも一つの直鎖脂肪族ヒドロカルビル基である、少なく
とも一つのN−脂肪族ヒドロカルビル置換ジエタノール
アミン及び少なくとも一つのN−脂肪族ヒドロカルビル
置換トリメチレンジアミンの組合せからなる。この摩擦
調整剤システムに関するさらなる詳細は米国特許第53
72735号及び第5441656号に記載され、これ
らは参照のために本明細書に編入される。
【0062】他の特に好適な摩擦調整剤システムは
(i)ヒドロキシアルキル基が、同一又は異っていても
よいが、それぞれ2乃至約4個の炭素原子を有し、そし
て脂肪族基が約10個乃至約25個の炭素原子を有する
非環式ヒドロカルビル基であるジ(ヒドロキシアルキ
ル)脂肪族第3アミン及び(ii)ヒドロキシアルキル基
が2乃至約4個の炭素原子を有し、そして脂肪族基が約
10個乃至約25個の炭素原子を有する非環式ヒドロカ
ルビル基である少なくとも一つのヒドロキシアルキル脂
肪族イミダゾリンの組合せをベースとする。この摩擦調
整剤についてのさらなる詳細は米国特許第534457
9号に記載され、同特許は参照のために本明細書に編入
される。
【0063】成分(i)であるジ(ヒドロキシアルキ
ル)脂肪族第3アミンは二つのヒドロキシアルキル基及
び10個乃至25個の炭素原子、そして好ましくは13
乃至19個の炭素原子を有する一つの非環状脂肪族ヒド
ロカルビル基が結合する窒素原子を有する。これらの第
3アミンのヒドロカルビル基は同一又は異っていること
ができるがしかしそれぞれが2乃至4個の炭素原子を有
する。ヒドロキシ基はヒドロキシアルキル基のいずれの
位置にあることができるがしかし好ましくはベータ位に
ある。好ましくは成分(i)の二つのヒドロキシアルキ
ルは同一でありそして最も好ましくは2−ヒドロキシエ
チル基である。これらの第3アミンの脂肪族基は直鎖で
も又は分枝していてもよくそして飽和していても又はオ
レフィン性不飽和であってもよくそしてもし不飽和であ
る場合はそれは典型的には1乃至3個のオレフィン性二
重結合を有する。成分(i)は単一のタイプの脂肪族基
であるか又は平均の炭素原子数が10乃至25個の前述
の範囲内に収まる異った脂肪族基を有する化合物の混合
物であることができる。
【0064】以上から成分(i)は上述の構造的基準を
充足する単一の化合物又は化合物の混合物であることが
できることが明らかであろう。
【0065】本発明の実施のための使用に適する成分
(ii)のヒドロキシアルキル脂肪族イミダゾリンはイミ
ダゾリン環の1の位置に2乃至4個の炭素原子を有する
ヒドロキシアルキル基及び環の隣接する2の位置に10
乃至25個の炭素原子を有する非環式ヒドロカルビル基
を有することを特徴とする。ヒドロキシアルキル基のヒ
ドロキシル基はそのいずれの位置にあってもよいが、そ
れは好ましくはβ−炭素原子上、例えば2−ヒドロキシ
エチル、2−ヒドロキシプロピル又は2−ヒドロキシブ
チル基であることが好ましい。典型的には脂肪族基は飽
和又はオレフィン性不飽和ヒドロカルビル基であり、そ
してオレフィン性不飽和である場合は脂肪族基は1、2
又は3個のこのような二重結合を有することができる。
成分(ii)は単一の実質的に純粋な化合物であっても又
脂肪族基が平均して10乃至25個の炭素原子を有する
化合物の混合物であってもよい。好ましくは脂肪族基は
15乃至19個、又は平均して15乃至19個の炭素原
子を有する。最も好ましくは脂肪族基は17個の炭素原
子又は平均して17個の炭素原子を有する。脂肪族基は
直鎖又は分枝鎖基であってもよいがしかし実質的に直鎖
基が好ましい。特に好ましい化合物は1−ヒドロキシエ
チル−2−ヘプタデセニルイミダゾリンである。本発明
の使用に好適な市販のイミダゾリンをベースとする摩擦
調整剤の一つはロンザケミカルから市販されているUn
amineOである。
【0066】かくして成分(ii)は上述の構造的基準を
充足する単一の化合物又は化合物の混合物であることが
できることが明らかであるであろう。
【0067】本発明の使用のために好適なものは又様々
なアルカノールアミドである。特に好適な市販のアルカ
ノールアミドの一つはシャー(Scher)ケミカル社
から市販のラウラミドジエタノールアミンであるSch
ercomid SLMLである。
【0068】一般的に言うと完全に配合された本発明の
最終組成物は必要により活性成分基準で約1.25重量
%までの、そして好ましくは活性成分基準で約0.05
乃至約1重量%の一以上の摩擦調整剤を含むであろう。 成分(G)−防錆び剤 様々な既知の防錆び剤又は添加剤がトランスミッション
流体の使用のために知られており、そして本発明の流体
の使用に適している。特に好適なものはアルキルポリオ
キシアルキレンエーテル、例えばMazawet(R)
7、C−8酸、例えばNeofat(R)8、オキシアル
キルアミン、例えばTomah PA−14、3−デシ
ルオキシピロピルアミン、及びポリオキシプロピレン−
ポリオキシエチレンブロックコポリマー、例えばPlu
ronic(R)L−81である。
【0069】上記防錆び剤の混合物が特に好適である。
防錆び剤は好ましくは少量で、例えば約0.01乃至約
0.10重量%、好ましくは約0.03乃至約0.07
重量%使用される。 成分(H)−発泡防止剤 発泡防止剤(anti−foam agents)もま
た本発明の流体に添加することができる。様々な薬剤が
このような使用のために知られている。特に好適なもの
はエチルアクリレートとヘキシルエチルアクリレートの
コポリマー、例えばソルテイア(Solutia)から
市販されているPC−1244である。同ように好適な
ものにシリコン流体、例えば4%DCFがある。発泡防
止剤の混合物が特に好適である。
【0070】それらは高い活性レベルにあるので発泡防
止剤は一般に少量、約0.00〜約0.05重量%、よ
り好ましくは約0.01重量%存在する。 成分(I)−希釈剤 もし添加剤が添加剤パッケージ濃縮物として与えられる
ならば、好適なキャリヤー希釈剤が添加剤パッケージの
混合、溶解、及び輸送を容易にするために添加される。
希釈剤オイルはベースオイル及び添加剤パッケージと相
溶性である必要がある。それは用途によって非常に幅広
く変化させることができるにも拘わらず、一般に希釈剤
は濃縮物中に5〜20%の量で存在する。一般的に言う
と輸送コスト及び処理の割合を減少させることからより
少ない量の希釈剤を使用することが好ましい。 成分(J)−ベースオイル 本発明の組成物が濃縮物の形で製造されるならば、溶解
性及び相溶性が維持されるように注意を払いながらベー
スオイルを省略することが可能であり、そして適当な濃
縮物を製造するために上記任意のそして必須の成分のそ
れぞれの重量%について適当な調整を行うことができ
る。しかしながらもし完全に配合された流体が製造され
る場合には次にベースオイルは必須の成分となる。
【0071】本発明のオートマテイックトランスミッシ
ョン流体を配合する際に使用されるベースオイルは本用
途のために必要な粘度特性を有するいずれの好適な天然
又は合成オイルであることができる。天然オイルには動
物性オイル及び植物性オイル(例えば、ヒマ油、ラード
油等)、液体の石油及び水素精製された(hydror
efined)、苛酷な水素処理された(severe
ly hydrotreated)、イソ脱蝋された
(iso−dewaxed)、溶媒−処理された又は酸
−処理されたパラフィン性、ナフテン性及びパラフィン
−ナフテン混合タイプの鉱物潤滑油が含まれる。石炭又
はシェールに由来する潤滑粘度のオイルもまたベースオ
イルとして有用である。
【0072】本発明の使用に好適な合成潤滑油には通常
使用される合成炭化水素オイルのいずれのナンバー(n
umber)のものもまた含まれ、限定するものではな
いがそれらには、ポリ−α−オレフィン、合成エステ
ル、アルキル化芳香族、末端ヒドロキシル基がエステル
化、エーテル化等により改質されているアルキレンオキ
シドポリマー、インターポリマー、コポリマー及びそれ
らの誘導体、ジカルボン酸のエステル及びシリコンベー
スオイルが含まれる。かくしてベースオイルは完全に天
然オイル、例えば好適な粘度の鉱物油から構成されてい
てもよく又完全に合成油例えば好適な粘度のポリ−α−
オレフィンオリゴマーから構成されていてもよい。
【0073】同様にベースオイルは混合物がオートマテ
イックトランスミッション流体の生成に使用するために
必要とされる特性を有する限り天然及び/又は合成ベー
スオイルの混合物であることができる。通常ベースオイ
ルは100℃で3乃至8センチストークス(cSt)の
動粘度を有するべきである。本発明の実施に使用される
好適なオートマテイックトランスミッション流体は10
0℃で少なくとも3.0cStの動粘度そして−40℃
で20000cP以下のブルックフィールド粘度を有す
るように粘度指数向上剤を用いないで配合されることが
できる。
【0074】好適なベースストックオイルには好ましく
は当業者には知られているようにI、II、及びIIIグル
ープ(group I、II、III)ベースオイルが含ま
れる。本発明の潤滑剤組成物の最終用途に従って、ある
場合にはIグループが好ましく、そして他の場合にはII
グループ又はIIIグループが好適である。
【0075】Iグループのベースストックは90%未満
の飽和(ASTM D2007に従って測定)及び/又
は0.03%より多くの硫黄(ASTM D2622、
D4294、D4927、又はD3120により測定)
及び80以上120未満の粘度指数(ASTM D22
70により測定)を有する。
【0076】IIグループのベースストックは上記試験方
法を使用して90%以上の飽和及び0.03%以下の硫
黄そして80より大きくそして120未満の粘度指数を
有する。II+グループのオイルもまた使用することがで
きる。これらはVIスペクトルの上端においてVI、例えば
約120を有するオイルである。
【0077】IIIグループのベースオイルは90%以上
の飽和及び0.03以下の硫黄を含有しそして上記試験
方法を用いて120以上の粘度指数を有する。
【0078】他の具体例においてトランスミッション流
体は5%未満のポリ−α−オレフィン(PAO)を含有
し、そしてより好ましくはPAOを含有しない。
【0079】ベースオイルは通常他の全ての添加剤を考
慮された後に完全に配合されたオイルが100重量%に
なるような残余を構成する。 成分(K)−粘度指数向上剤 本発明の組成物は必要により、しかし好ましくは、粘度
指数向上剤(VII)を含有する。好適なVIIには、限定す
るものではないが、オレフィンコポリマーVII、ポリア
ルキルメタクリレートVII及びスチレン−マレイン酸エ
ステルVIIが含まれる。これらの中でポリアルキルメタ
クリレートVIIが特に好ましい。粘度指数向上剤は不活
性溶媒、典型的には通常は苛酷に(severely)
精製された鉱物油である鉱物油溶媒中の溶液の形態で供
給される。受け取ったばかりの粘度指数向上剤溶液はし
ばしば200℃以上の沸点及び25℃で1より小さい比
重を有する。好ましくは粘度指数向上剤はASTM D
5275のFISST(燃料噴射剪断安定性試験(Fu
el Injection Shear Stabil
ity Test))において40サイクルの後に10
0℃で完成された組成物が少なくとも5そしてより好ま
しくは少なくとも6.8cStの動粘度を有するような
十分な剪断安定性を有する。
【0080】活性成分基準(即ち、供給される粘度指数
向上剤に伴う不活性希釈剤又は溶媒の重量を除いて)
で、本発明の完成された流体組成物は通常約0乃至約1
5重量%の重合体の粘度指数向上剤を含有する。本範囲
からの多少の乖離はある特定の場面での必要又は所望に
より猶予されている。
【0081】成分(K)として使用するための好適な材
料にはスチレン−マレイン酸エステルVII、例えばルブ
リゾール社(Lubrizol Corporatio
n)から市販されるLUBRIZOL(R)3702、L
UBRIZOL(R)3706及びLUBRIZOL(R)
715、ポリアルキルメタクリレートVII、例えばロー
ム社(ダームシュタート、ドイツ国)から商品名VIS
COPLEX(R)5543、VISCOPLEX(R)55
48、VISCOPLEX(R)5549、VISCOP
LEX(R)5550、VISCOPLEX(R)5551及
びVISCOPLEX(R)5151で市販されているも
の、ロームアンドハース社(ペンシルバニア州フィラデ
ルフィア)からACRYLOID(R)1277、ACR
YLOID( R)1265及びACRYLOID(R)126
9の商品名で市販されているもの、そしてエチルコーポ
レーション(リッチモンド、バージニア州)から商品名
のHiTEC(R)5710粘度指数向上剤、及びエチル
コーポレーションからのオレフィンコポリマーVII、例
えばHiTEC(R)5747VII、HiTEC(R)575
1VII、HiTEC(R)5770VIIそしてシェルケミカ
ル社からのSHELLVIS(R)200である。前述の
製品の混合物もまた分散剤並びに分散剤/抗酸化剤VII
としてもまた使用することができる。
【0082】好ましくは粘度指数向上剤は約25乃至約
80重量%の範囲のポリマー含有量及び約0乃至約0.
5重量%の範囲の窒素含有量を有する炭化水素溶液をし
て供給されるであろう。このような製品はASTM試験
法D−3945Aを用いて好ましくは約75以下、好ま
しくは50以下そして最も好ましくは35以下の永久剪
断安定性インデックスを示す。
【0083】特に好適なものは分散剤ポリアルキルメタ
クリレート粘度指数向上剤例えばHiTEC(R)57
38、又は非分散剤ポリアルキルメタクリレート粘度指
数向上剤例えばHiTEC(R)5739であり、両方
ともバージニア州リッチモンドのエチルコーポレーショ
ンの製品である。特に好適なものは分散剤及び非分散剤
粘度指数向上剤の混合物である。
【0084】量的には粘度指数向上剤は0〜25重量
%、好ましくは5〜20重量%の量で存在する。 成分(L)−染料 流体に識別力のあるユニークな特性を付与するために着
色剤を添加することは好ましい。一般にアゾ類の染料、
例えばアメリカ織物化学者及び着色者会(Americ
an Association of Textile
Chemists and Colorists)及
び染色者及び着色者学会(Society of Dy
ers and Colorists)(英国)の「カ
ラーインデックス」(それらは本明細書に参照のために
編入される)に記述されるようにC.I.溶媒レッド2
4又はC.I.溶媒レッド164が使用される。オート
マテイックトランスミッション流体のためにはオートメ
ート(Automate)レッド染料が特に好適であ
る。染料は非常に少量、200〜300ppmの量で完
成されたオイル中に存在する。 成分(M)−シール膨潤剤 本発明のオートマテイックトランスミッション流体はさ
らにシール膨潤剤(seal swell agent
s)を含有することができる。シール膨潤剤、例えばエ
ステル、スルホン、アルコール、アルキルベンゼン、置
換スルホラン、芳香族化合物又は鉱物油はエンジン及び
オートマテイックトランスミッション中にシール材とし
て弾性材料が使用された場合に弾性材料の膨潤を起こ
す。
【0085】アルコール−タイプのシール膨潤剤は一般
に低揮発性線状アルキルアルコール、例えばデシルアル
コール、トリデシルアルコール及びテトラデシルアルコ
ールがある。
【0086】シール膨潤剤として有用なアルキルベンゼ
ンにはドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ジノ
ニル−ベンゼン、ジ(2−エチルヘキシル)ベンゼン等
である。
【0087】置換スルホラン(例えば、米国特許第40
29588号に記載されるもの、同特許は参照のために
本明細書に編入される)は同様に本発明の組成物におい
てシール膨潤剤として有用である。
【0088】本発明においてシール膨潤剤として有用な
鉱物油には高いナフテン又は芳香族含有量を有する低粘
度鉱物油が含まれる。
【0089】芳香族シール膨潤剤には市販のエクソンア
ロマテイック200NDシール膨潤剤が含まれる。
【0090】鉱物油シール膨潤剤の市販の例にはエクソ
(R)ネクトン(R)−37(FN1380)及びエクソン
(R)ミネラルシールオイル(FN3200)が含まれ
る。
【0091】本発明のAFT中に使用された場合、シー
ル膨潤剤はAFTの全重量を基準として典型的には約1
乃至約30重量%、好ましくは約1乃至約20重量%、
最も好ましくは約1乃至約10重量%の量を構成する。 成分(N)−追加的な腐食防止剤 本発明のオートマテイックトランスミッション流体はさ
らに追加して腐食防止剤を含有してもよい。他の好適な
追加的な銅腐食防止剤にはエーテルアミン、ポリエトキ
シル化化合物、例えばエトキシル化アミン、エトキシル
化フェノール及びエトキシル化アルコール、イミダゾリ
ン等が含まれる。
【0092】チアゾール、トリアゾール及びチアジアゾ
ールも又本発明において使用することができる。例とし
てはベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、オクチ
ルトリアゾール、デシルトリアゾール、ドデシルトリア
ゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2,5−ジ
メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカ
プト−5−ヒドロカルビルチオ−1,3,4−チアジア
ゾール、及び2−メルカプト−5−ヒドロカルビルジチ
オ−1,3,4−チアジアゾールが含まれる。好適な化
合物は1,3,4−チアジアゾール、数多くの製品が市
販されている2−ヒドロカルビルジチオ−5−メルカプ
ト−1,3,4−ジチアジアゾールである。これらは最
終の配合物を基準として0.00乃至0.50重量%、
より好ましくは約0.01乃至約0.10重量%の量で
存在することができる。 成分(O)−耐摩耗/極圧添加剤 本発明のオートマテイックトランスミッション流体はさ
らに耐摩耗/極圧添加剤を含有することができる。
【0093】最終の流体において所望の燐含有量が燐−
含有無灰分散剤(又はホウ素−及び燐−含有無灰分散
剤)の使用により完全に供給されない場合、燐含有量の
残りの量は好ましくは一以上の燐含有エステル又は酸−
エステル、例えば油溶性有機ホスファイト、油溶性有機
酸ホスファイト、油溶性有機ホスフェート、油溶性有機
酸ホスフェート、油溶性ホスホアミデートを組成物中に
組込むことにより供給される。例としてはトリヒドロカ
ルビルホスフェート、トリヒドロカルビルホスファイ
ト、ジヒドロカルビルホスフェート、ジヒドロカルビル
ホスホネート又はジヒドロカルビルホスファイト又はそ
れらの混合物、モノヒドロカルビルホスフェート、モノ
ヒドロカルビルホスファイト、及び以上のいずれのニ以
上の混合物がある。有機酸ホスフェートの油溶性アミン
塩は本発明の流体に使用するための補助燐含有添加剤の
好適なカテゴリーである。前述の化合物のいずれかの硫
黄−含有類似物もまた使用することができるがしかしあ
まり好適ではない。最も好適な市販の補助的な燐添加剤
はチバ−ガイギ社からIrgalube(R)349とし
て市販されているアミンホスフェート耐摩耗/極圧添加
剤である。
【0094】極圧/耐摩耗添加剤は最終の完全に配合さ
れた流体中に好ましくは0.00乃至約1.00重量
%、より好ましくは約0.25乃至約1.00重量%の
量で存在する。
【0095】前述の任意の添加剤のいずれかを選択する
際に選択された化合物が添加剤パッケージ及び最終のA
TF組成物中に可溶でありそして安定的に分散可能であ
り、組成物の他の成分と相溶性がありそして最終の組成
物全体において必要とされそして少なくとも望まれる組
成物の性能、例えば摩擦、粘度及び/又は剪断安定特
性、を顕著に損なうことがないことを確かめることが重
要である。
【0096】一般に補助的な添加剤成分はオイル中にベ
ースとなる流体の性能の特徴や特性を改善するために十
分である少ない量で用いられる。量はかくして使用され
るベース流体の粘度特性、完成された流体に所望される
粘度特性、完成された流体が企図する使用条件、及び完
成された流体において望まれる性能特性といった要因に
従って変化するであろう。しかしながら一般的に言うと
ベース流体中の追加的な成分(活性成分)の下記の濃度
(別に指摘しない限り重量%)が例示される。
【0097】 成分 典型的範囲 好適範囲 D 1.00〜15.00 1.00〜8.00 E 0.1〜5.00 0.25〜3.00 F ≦1.25 0.05〜1.00 G ≦0.02 0.01〜0.10 H ≦0.05 0.005〜0.02 I ≦25 5.00〜20.00 (濃縮物中) (濃縮物中) J 残余量 残余量 K 0.00〜25.00 5.00〜20.00 L 0〜400ppm 200〜300ppm M 1.00〜30.00 5.00〜15.00 N 0.00〜0.50 0.01〜0.10 O 0.00〜1.00 0.25〜1.00 使用される個々の成分を別々にベース流体に混和するこ
とが可能であり又所望により様々な予備的な組合せによ
り混和することも可能であることが理解されよう。通常
このような混合段階の特定の順序は重要ではない。さら
にこのような成分は希釈剤中の個々の溶液の形態で混合
することが可能である。しかしながら、混合操作が簡単
になり混合ミスの蓋然性が低下しそして全体としての濃
縮物により付与される相溶性及び溶解性という利点を利
用することができるため、濃縮物の形態を使用して添加
剤成分を混合することが好ましい。。
【0098】添加剤濃縮物はかくしてすべての添加剤成
分及び所望によりいくらかのベースオイル成分を、上述
の濃度と一致する最終の流体混合物が得られるような割
合で含有するように配合することができる。ほとんどの
場合添加剤濃縮物は濃縮物の取扱及び混合を容易にする
ために一以上の希釈剤、例えば軽質鉱物油を含有するで
あろう。かくして溶媒が低温及び高温及びフラッシュ点
特性及び最終のパワートランスミッション流体組成物の
性能と抵触する量で存在しない限り約50重量%までの
一以上の希釈剤又は溶媒を含有する濃縮物を使用するこ
とができる。この関連で本発明に従って使用される添加
剤成分は、このような成分から配合された添加剤濃縮物
又はパッケージがASTM D−92試験法を使用して
170℃以上のフラッシュ点、そして好ましくは少なく
とも180℃のフラッシュ点を有するように選択されそ
して配分されるべきである。
【0099】
【実施例】本発明の実施における使用のために好適な例
示的組成物が以下の実施例において提示され、ここで全
ての部及びパーセンテージは他に断らない限り重量によ
り表される。
【0100】実施例において製造された流体は次にFZ
G試験として一般に知られている試験を受けた。試験は
FZGギアリグ(rig)試験機で行われた。本試験で
あるIP(Institute of Petrole
um)334/79(本明細書中に参照のために編入さ
れる)は潤滑性を測定し、そして試験中において二つの
鋼鉄製のスピンギアが一連の75分間のステージで共に
回転する。ギア間の比較トルク(relative t
orque)がそれぞれのステージの後にある決まった
量増加しそしてギアはある特定の時間共に作動させた後
にそれらは摩耗及び損傷について検査される。この試験
の結果は最終の合格ステージ(passstage)と
最終の不合格ステージ(fail stage)の限界
点(terms)として示される。試験は技術的にAS
TM D5182−97と等価である。この試験はある
選択された温度、通常90℃及び150℃で行うことが
できる。
【0101】かくして本発明の一つの具体例では(1)
主たる量のベースオイル及び(2)(A)流体を基準と
して少なくとも0.25重量%、好ましくは0.05重
量%の無灰ジアルキルチアジアゾール及び(B)硫化脂
肪、硫化脂肪酸、硫化脂肪酸エステル又はこれらの混合
物を含んでなる少量の添加剤を含有するオートマテイッ
クトランスミッション流体を含んでなる。
【0102】
【表1】
【0103】提示されたデータを考察することにより本
発明の組成物は平均で11ステージを超えるステージを
通過するというFZG試験において優れた性能を示すこ
とは明らかである。
【0104】かくして示されたデータから明らかなとお
りここでFZG摩耗試験を11ステージを超えて一貫し
て合格するのに十分な優れたFZG摩耗特性を示すパワ
ートランスミッション流体を配合することが可能とな
る。
【0105】本発明は実施において相当な変化を受け
る。従って本発明は上述の特定の例示に限定されるもの
ではない。むしろ本発明は法の許容する等価物を包含す
る、付随するクレームの精神と視野の範囲内に存する。
【0106】特許権者はいずれの開示された具体例を公
衆に供与する意図はなくそしていずれの開示された修正
又は変更が文字通りにはクレームの範囲内に収まらない
程度であってもそれらは均等の法理の下本発明の一部を
なすものと思慮される。
【0107】本発明の主な構成と態様は以下の通りであ
る。
【0108】1.(1)主たる量のベースオイル及び (2)(A)流体を基準として少なくとも0.05重量
%の無灰ジアルキルチアジアゾール (B)硫化脂肪、硫化脂肪酸、硫化脂肪酸エステル又は
これらの混合物、及び (C)流体を基準として約0.15重量%までの金属−
含有洗浄剤 を含んでなる少量の添加剤を含んでなるオートマテイッ
クトランスミッション流体。
【0109】2.成分(A)が下記式
【0110】
【化3】
【0111】式中、R1は6乃至18個の炭素原子を有
するヒドロカルビル置換基であり、そしてR2は6乃至
18個の炭素原子を有するヒドロカルビル置換基であり
そしてR1と同一又は異っている、の化合物である1記
載のオートマテイックトランスミッション流体。
【0112】3.R1及びR2が約9乃至12個の炭素原
子を有する2記載のオートマテイックトランスミッショ
ン流体。
【0113】4.R1及びR2が同一でそれぞれ9個の炭
素原子を有する3記載のオートマテイックトランスミッ
ション流体。
【0114】5.成分(B)が少なくとも一つの硫化脂
肪酸エステルを含んでなる1記載のオートマテイックト
ランスミッション流体。
【0115】6.成分(C)が少なくとも一つのカルシ
ウム含有洗浄剤を含んでなる1記載のオートマテイック
トランスミッション流体。
【0116】7.成分(A)がトランスミッション流体
を基準として0.05乃至約0.75重量%の量で存在
する1記載のオートマテイックトランスミッション流
体。
【0117】8.成分(A)がトランスミッション流体
を基準として0.075乃至約0.25重量%の量で存
在する7記載のオートマテイックトランスミッション流
体。
【0118】9.成分(A)がトランスミッション流体
を基準として約0.10重量%の量で存在する7記載の
オートマテイックトランスミッション流体。
【0119】10.成分(B)がトランスミッション流
体を基準として約0.10乃至約1.00重量%の量で
存在する1記載のオートマテイックトランスミッション
流体。
【0120】11.成分(B)がトランスミッション流
体を基準として約0.25乃至約0.75重量%の量で
存在する1記載のオートマテイックトランスミッション
流体。
【0121】12.成分(B)がトランスミッション流
体を基準として約0.50重量%の量で存在する1記載
のオートマテイックトランスミッション流体。
【0122】13.さらに発泡防止剤、腐食防止剤、錆
び防止剤及び抗酸化剤からなる群から選択される少なく
とも一つの防止剤を含んでなる1記載のオートマテイッ
クトランスミッション流体。
【0123】14.さらに少なくとも一つの粘度指数向
上剤、分散剤、又は摩擦調整剤を含んでなる1記載のオ
ートマテイックトランスミッション流体。
【0124】15.粘度指数向上剤の混合物が存在する
14記載のオートマテイックトランスミッション流体。
【0125】16.少なくとも一つの分散剤が存在し、
そしてその少なくとも一つの分散剤が全窒素の燐に対す
る質量比が約3:1及び約10:1の間である14記載
のオートマテイックトランスミッション流体。
【0126】17.(1)主たる量のベースオイル及び (2)(A)流体を基準として少なくとも0.05重量
%の無灰ジアルキルチアジアゾール (B)硫化脂肪酸エステル (C)約0.15%までの金属含有洗浄剤 (D)全窒素の燐に対する質量比が約3:1乃至約1
0:1の間の分散剤 (E)ジフェニルアミン抗酸化剤、及び (K)(i)非分散剤ポリメタクリレート、及び(ii)
分散剤ポリメタクリレートを含んでなる混合粘度指数向
上剤系 を含んでなる少量の添加剤組成物を含んでなるオートマ
テイックトランスミッション流体組成物。
【0127】18.シール膨潤剤、発泡防止剤、滑剤、
及び染料からなる群から選択される少なくとも一つの添
加剤をさらに含んでなる16記載のオートマテイックト
ランスミッション流体。
【0128】19. オートマテイックトランスミッシ
ョンの抗摩耗性及び極圧性能を改善する方法であって、
該オートマテイックトランスミッションに17記載のオ
ートマテイックトランスミッション流体を添加しそして
作動させることを含んでなる方法。
【0129】20.良好な抗摩耗性及び極圧性能及び安
定性を示し、(1)主たる量のベースオイル及び(2)
(A)少なくとも0.10重量%のジアルキルチアジア
ゾール、(B)少なくとも0.10重量%の少なくとも
一つの硫化脂肪酸エステル、及び(C)約0.15重量
%までの金属−含有洗浄剤を含んでなる少量の添加剤組
成物を組み合わせることにより得られるオートマテイッ
クトランスミッション流組成物。
【0130】21.シール膨潤剤、発泡防止剤、滑剤、
及び染料からなる群から選択される少なくとも一つの添
加剤をさらに含んでなる19記載のオートマテイックト
ランスミッション流体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 135/36 C10M 135/36 137/00 137/00 139/00 139/00 A 145/14 145/14 159/20 159/20 159/22 159/22 159/24 159/24 // C10N 40:04 C10N 40:04 Fターム(参考) 4H104 BE07C BG01C BG04C BG19C BH20C BJ05C CB08C DA02A DB05C DB06C DB07C LA03 PA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)主たる量のベースオイル及び (2)(A)流体を基準として少なくとも0.05重量
    %の無灰ジアルキルチアジアゾール (B)硫化脂肪、硫化脂肪酸、硫化脂肪酸エステル又は
    これらの混合物、及び (C)流体を基準として約0.15重量%までの金属−
    含有洗浄剤を含んでなる少量の添加剤を含んでなるオー
    トマテイックトランスミッション流体。
  2. 【請求項2】 成分(A)が下記式 【化1】 式中、R1は6乃至18個の炭素原子を有するヒドロカ
    ルビル置換基であり、そしてR2は6乃至18個の炭素
    原子を有するヒドロカルビル置換基でありそしてR1
    同一又は異っている、 の化合物である請求項1記載のオートマテイックトラン
    スミッション流体。
  3. 【請求項3】 (1)主たる量のベースオイル及び (2)(A)流体を基準として少なくとも0.05重量
    %のジアルキルチアジアゾール (B)硫化脂肪酸エステル (C)約0.15重量%までの金属含有洗浄剤 (D)全窒素の燐に対する質量比が約3:1乃至約1
    0:1の間の分散剤 (E)ジフェニルアミン抗酸化剤、及び (K)(i)非分散剤ポリメタクリレート、及び(ii)
    分散剤ポリメタクリレートを含んでなる混合粘度指数向
    上剤系を含んでなる少量の添加剤組成物、を含んでなる
    オートマテイックトランスミッション流体組成物。
  4. 【請求項4】 良好な抗摩耗性及び極圧性能及び安定性
    を示し、 (1)主たる量のベースオイル及び(2)(A)少なく
    とも0.10重量%のジアルキルチアジアゾール、 (B)少なくとも0.10重量%の少なくとも一つの硫
    化脂肪酸エステル、及び (C)約0.15重量%までの金属−含有洗浄剤 を含んでなる少量の添加剤組成物を組合せることにより
    得られるオートマテイックトランスミッション流体組成
    物。
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