JP2002273627A - 微細軸成形方法及び装置 - Google Patents

微細軸成形方法及び装置

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JP2002273627A JP2001072313A JP2001072313A JP2002273627A JP 2002273627 A JP2002273627 A JP 2002273627A JP 2001072313 A JP2001072313 A JP 2001072313A JP 2001072313 A JP2001072313 A JP 2001072313A JP 2002273627 A JP2002273627 A JP 2002273627A
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克司 古谷
Yoshiro Ito
義郎 伊藤
Akihiro Goto
昭弘 後藤
Nagao Saito
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細軸の成形を安定的かつ効率的に行うこと
ができる実用的な微細軸成形方法及び装置を得る。 【解決手段】 マイナス極性の細線電極6とプラス極性
の電極7とを位置決め手段により相対位置決めし、細線
電極6と電極7との極間に加工電力供給手段10により
加工電力を供給することにより放電を発生させ、細線電
極6に微細形状軸を成形する微細軸成形方法及び装置に
おいて、細線電極6に加工液4aを付着させる加工液付
着手段を備え、気中にて微細軸の成形を行う。微細軸の
成形を安定的かつ効率的に行うことができ、微細軸成形
コストを低減することができる。また、成形した微細軸
をそのまま放電加工用電極として使用して微細穴加工を
行う等の工程の自動化を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、微細形状の軸を
成形する微細軸成形方法及び装置の改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】放電加工は金型等の加工技術として確固
たる地位を築いており、自動車産業、家電産業、半導体
産業等の金型加工の分野において多用されてきた。
【0003】図7は、放電加工のメカニズムの説明図で
あり、図において、1は電極、2は被加工物、3はアー
ク柱、4は加工液、5は放電加工により生成された加工
屑である。以下の(a)乃至(e)のサイクル(図7の
(a)乃至(e)に対応)を繰り返しながら被加工物2
の放電による除去加工が進行する。即ち、(a)放電の
発生によるアーク柱3の形成、(b)放電の熱エネルギ
による局部的溶融及び加工液4の気化、(c)加工液4
の気化爆発力の発生、(d)溶融部(加工屑5)の飛
散、(e)加工液による冷却、凝固、極間の絶縁回復、
である。これらのサイクルを高い頻度で繰り返し、被加
工物の加工が進行する。
【0004】放電加工は、前記放電加工のメカニズムに
より、主に総型電極を転写する形彫放電加工又はワイヤ
電極を用いて被加工物を加工するワイヤ放電加工を行う
ものである。しかし、局所的な高温状態及び高圧状態等
の環境を容易に作り出せることを利用して、放電加工技
術をベースとした新しい技術開発がなされてきている。
【0005】図8は、このような新しい技術として位置
付けられるものであり、例えば1999年精密工学会秋
季大会学術講演論文集の408頁及び1999年度電気
加工学会全国大会講演論文集49乃至52頁において開
示された、従来の微細軸成形方法の説明図である。図8
において、4は加工液(油)、6はタングステン細線電
極、7は鋼材の平板電極、8は定盤、9は加工液4を貯
留する加工槽、10は細線電極6と平板電極7に電圧を
印加して放電を発生させる加工電力供給手段である。
【0006】細線電極6は、その直径が0.1mm程度
のものであり、図示しない保持手段により保持されてい
る。また、平板電極7は、加工槽9内において定盤8上
に載置され、加工液4に浸漬されている。細線電極6と
平板電極7は、図示しない位置決め手段により相対位置
決めが可能となるように構成されている。細線電極6と
平板電極7は、加工液4中において、所定距離を隔てて
対向して設置され、加工電力供給手段10により細線電
極6と平板電極7との極間に単発の放電を発生させる。
このときの細線電極6及び平板電極7の極性は、細線電
極6がマイナス、平板電極7がプラスに設定されてい
る。図9は加工条件の例を示したものであり、この放電
により細線電極6は溶融し、放電の際の電磁力及び静電
気力等の影響で、溶融した部分が電極上方(図中Z方
向)に押され、細線電極6先端部分は図10に示すよう
な例えば直径が数十μm程度の微細形状に成形される。
この方法は、瞬時にして微細形状の軸を成形することが
できる画期的な微細軸成形方法であり、今後、マイクロ
マシーニング又は測定用プローブ等への適用が期待され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図8のような微細軸成
形方法では、直径数10μm以下の極微細形状の軸を成
形する方法であるため、放電による加工液の気化爆発力
のばらつき等により不良品となる割合が高く、安定した
微細軸の成形が困難であるという問題があった。例え
ば、加工液中にて微細軸の成形を行った場合において、
微細軸部分の長さが所望の値よりも短くなる不良、ある
いは微細軸部分の屈曲等の不良が、数10%程度の割合
で発生する。これは、微細軸成形の歩留まりが悪く、コ
ストが上昇するだけでなく、例えば、微細形状の電極を
成形した後、この電極を使用して直ちに放電加工を行う
ような工程においてに、自動化実現への障害になるもの
である。
【0008】また、この方法は電極の成形はパルス状の
放電1発分の時間、即ち、数100μsという短時間で
できるという利点があるが、このような加工のための、
両電極のセッティング等に長い時間がかかるため、前記
歩留まりの悪さと合わせて、微細軸成形の量産化が図れ
ないという問題点があった。
【0009】この発明は、前記のような課題を解決する
ためになされたものであり、微細軸の成形を安定的かつ
効率的に行うことができる実用的な微細軸成形方法及び
装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る微細軸成
形方法は、マイナス極性の細線電極及びこの細線電極に
対向するプラス極性の電極の極間に放電を発生させるこ
とにより、前記細線電極に微細形状軸を成形する微細軸
成形方法において、前記細線電極及び前記細線電極に対
向する電極の少なくとも一方に加工液を付着させて、気
中にて微細軸の成形を行うものである。
【0011】また、この発明に係る微細軸成形方法は、
マイナス極性の細線電極及びこの細線電極に対向するプ
ラス極性の電極の極間に放電を発生させることにより、
前記細線電極に微細形状軸を成形する微細軸成形方法に
おいて、前記細線電極を加工層内の加工液に浸漬する第
1の工程と、前記細線電極を加工層から取り出す第2の
工程と、前記細線電極と前記電極とを位置決めする第3
の工程と、気中にて微細軸の成形を行う第4の工程から
なるものである。
【0012】また、この発明に係る微細軸成形方法は、
前記細線電極を複数個使用して、前記電極との間の放電
により前記複数の細線電極に微細形状軸を同時に成形す
るものである。
【0013】また、この発明に係る微細軸成形方法は、
前記加工液が油又は冷却能力が油と同等の油以外の液体
であるものである。
【0014】また、この発明に係る微細軸成形方法は、
一端固定一端自由に支持された細線電極に加工液を付着
させ、この細線電極に縦振動又は横振動を付与しなが
ら、放電、レーザ又は高周波加熱等の細線電極溶融手段
により前記細線電極の先端部分を溶融し、この溶融部に
発生する前記振動による前記細線電極の自由端から固定
端方向への作用力により、気中にて微細軸の成形を行う
ものである。
【0015】この発明に係る微細軸成形装置は、マイナ
ス極性の細線電極及びこの細線電極に対向するプラス極
性の電極とを位置決め手段により相対位置決めし、前記
細線電極及び前記細線電極に対向する電極の極間に加工
電力供給手段により加工電力を供給することにより放電
を発生させ、前記細線電極に微細形状軸を成形する微細
軸成形装置において、前記細線電極及び前記細線電極に
対向する電極の少なくとも一方に加工液を付着させる加
工液付着手段を備え、気中にて微細軸の成形を行うもの
である。
【0016】また、この発明に係る微細軸成形装置は、
マイナス極性の細線電極及びこの細線電極に対向するプ
ラス極性の電極とを位置決め手段により相対位置決め
し、前記細線電極及び前記細線電極に対向する電極の極
間に加工電力供給手段により加工電力を供給することに
より放電を発生させ、前記細線電極に微細形状軸を成形
する微細軸成形装置において、加工液を貯留する加工液
付着用貯留槽と、前記細線電極の前記加工液付着用加工
層への出し入れを行う移動手段とを備えたものである。
【0017】また、この発明に係る微細軸成形装置は、
マイナス極性の細線電極及びこの細線電極に対向するプ
ラス極性の電極とを位置決め手段により相対位置決め
し、前記細線電極及び前記細線電極に対向する電極との
極間に加工電力供給手段により加工電力を供給すること
により放電を発生させ、前記細線電極に微細形状軸を成
形する微細軸成形装置において、加工液を貯留する加工
液付着用貯留槽と、前記細線電極の前記加工液付着用加
工層への出し入れ、及び、前記細線電極及び前記細線電
極に対向する電極との相対位置決めを行う位置決め手段
とを備えたものである。
【0018】また、この発明に係る微細軸成形装置は、
前記細線電極を複数個保持できる保持手段を備えたもの
である。
【0019】また、この発明に係る微細軸成形装置は、
前記加工液が油又は冷却能力が油と同等の油以外の液体
であるものである。
【0020】また、この発明に係る微細軸成形装置は、
保持手段により一端を固定支持され、加工液が付着した
細線電極と、前記細線電極に縦振動又は横振動を付与す
る振動付与手段と、前記振動付与手段を前記細線電極の
自由端の振幅が大きくなるよう制御する制御手段と、前
記細線電極の先端部分を溶融する放電、レーザ又は高周
波加熱等の細線電極溶融手段とを備えたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明
の実施の形態1に係る微細軸成形方法を示す説明図であ
り、図において、4aは加工液(油)、6はタングステ
ン細線電極、7は鋼材の平板電極、10は細線電極6と
平板電極7に電圧を印加して放電を発生させる加工電力
供給手段であり、加工液4aは細線電極6の表面に付着
している。細線電極6は、その直径が0.1mm程度の
ものであり、図示しない保持手段により保持されてい
る。また、細線電極6と平板電極7は、図示しない位置
決め手段により相対位置決めが可能となるように構成さ
れている。この位置決め手段は、放電加工機に通常用い
られるサーボモータ及びボールねじ又はリニアモータ等
による直線駆動手段により構成することができる。
【0022】細線電極6への加工液4aの付着は、例え
ば塗布又はスプレーによる吹き付け等様々な加工液付着
手段により行うことができ、細線電極6の表面に加工液
4aの被膜が形成されていればよい。
【0023】細線電極6と平板電極7は、所定距離を隔
てて対向して設置され、加工電力供給手段10により細
線電極6と平板電極7との極間に単発の放電を発生させ
る。このときの細線電極6及び平板電極7の極性は、細
線電極6がマイナス、平板電極7がプラスに設定されて
いる。
【0024】また、図1の構成は、図8のような従来の
構成と異なり、細線電極6と平板電極7が加工液4に浸
漬されておらず、細線電極6と平板電極7との極間は気
体雰囲気となっている。このような状態で、例えば図2
の加工条件で加工電力供給手段10により前記極間に単
発の放電を発生させる。このような加工により、例えば
従来技術の図10と同様の微細形状の電極を成形するこ
とができる。また、不良率を極端に低下させることがで
き、略100%の割合で良品を成形することができる。
【0025】従来の加工液中での微細軸成形時の不良率
の高さ等の問題点の原因は、加工液中での放電を利用し
ている点にあると考えられる。即ち、加工液が放電によ
る発熱により気化爆発し、この気化爆発力により細線電
極の微細形状部分の変形等が生じたものと推察できる。
また、細線電極への加工液の付着を行わずに気中での放
電を行った場合では、微細形状は全く成形できなかっ
た。即ち、加工液による冷却効果が細線電極の微細形状
の成形に重要な役割を果たしていることがわかる。これ
らに対して、この発明による、細線電極に加工液の被膜
を形成して行う微細軸成形方法では、極間雰囲気が気体
であるため細線電極に形成された微細軸が加工液の気化
爆発力の影響をほとんど受けないと共に、細線電極に付
着した加工液の冷却効果のため、前記のように不良率が
極端に低下し、微細軸の成形を安定的かつ効率的に行う
ことができるものと考えられる。
【0026】微細軸の成形メカニズムは、まだ解明され
ていない点も多いが、発明者らの研究により、前記のよ
うに加工液の冷却作用が重要な役割をもっていることが
わかっている。加工液として用いた油の冷却能力が微細
形状を成形するために必要な冷却能力に適合しており、
この発明の契機となった実験結果が得られたと考えられ
る。例えば、油と同程度の冷却能力を持った液体を細線
電極表面に付着させても微細形状を成形することができ
ることを確認している。一例として、水を50℃程度の
温度にすると冷却能力が油と同程度になるが、50℃程
度の水を細線電極表面に塗布した状態で放電を発生させ
た場合においても、油を細線電極表面に塗布した場合と
同様に微細軸の成形を安定的かつ効率的に行うことがで
きた。
【0027】以上のように、この発明によれば、微細軸
成形の歩留りが高く、略100%の割合で良品を成形す
ることができるため、微細軸成形コストを低減すること
ができる。また、成形した微細軸をそのまま放電加工用
電極として使用して微細穴加工を行う等の工程の自動化
を実現することができる。
【0028】また、この発明によれば、従来の加工液中
での微細軸成形における両電極のセッティング時の加工
液の出し入れ時間が不要になるため、段取り作業時間を
短縮することができ、微細軸成形の生産性を向上するこ
とができる。
【0029】以上の説明においては、図1のように細線
電極6と平板電極7を一対として用いて微細軸を成形す
る場合を示したが、図3に示すように、細線電極6を複
数設置してもよい。このように設置した複数の細線電極
6と平板電極7との間で放電を発生させることにより、
同時に多数の微細軸を成形することができる。
【0030】また、以上の説明においては、細線電極6
のみに加工液4aを付着させる場合を示したが、平板電
極7に加工液4aを付着させてもよい。細線電極6及び
平板電極7の少なくとも一方に加工液4aを付着させる
ことにより、図1又は図3の構成による場合と同様の作
用効果を奏する。
【0031】実施の形態2.図4は、この発明の実施の
形態2に係る微細軸成形装置を示す説明図であり、実施
の形態1の図1と同一符号は同一又は相当部分を示して
いる。また、図4は、実施の形態1で示した塗布等によ
る加工液付着手段と別の構成の加工液付着手段の具体例
を示したものである。図4において、4は加工液
(油)、11は加工液4を貯留する加工液付着用貯留槽
である。
【0032】図4の(a)のように、図示しない移動手
段により細線電極6を加工液付着用貯留槽11内に移動
させ、加工液4中に細線電極6を浸して、その表面に加
工液4aを付着させる。その後、前記移動手段により細
線電極6を加工液付着用加工層11から取り出し、図4
の(b)に示すように、平板電極7に対向した所定位置
まで移動させる。次に、実施の形態1と同様の図示しな
い位置決め手段により、細線電極6と平板電極7との相
対位置決めを行い、加工電力供給手段による電力供給に
より細線電極6と平板電極7との極間に放電を発生させ
て微細軸を成形する。
【0033】前記移動手段は、前記位置決め手段を併用
してもよいし、前記位置決め手段と別に設けてもよい。
この移動手段は、エアシリンダ等の流体アクチュエー
タ、サーボモータ及びボールねじ又はリニアモータ等に
よる直線駆動手段により構成することができる。前記移
動手段を前記位置決め手段と別に構成する場合には、細
線電極6を保持する図示しない保持手段を、前記移動手
段及び前記位置決め手段に設置し、細線電極の受け渡し
を行うように構成すればよい。
【0034】以上のような方法により細線電極6に加工
液4aの被膜を形成することにより、微細軸成形の自動
化を図ることができる。
【0035】また、細線電極6を保持する図示しない保
持手段を細線電極の自動着脱を可能に構成することによ
り、微細軸成形を連続して行うことができる。
【0036】実施の形態3.図5は、この発明の実施の
形態3に係る微細軸成形装置の構成図であり、実施の形
態1の図1と同一符号は同一又は相当部分を示してい
る。図5において、12は振動付与手段、13は振動付
与手段12を制御する制御手段である。細線電極6は図
示しない保持手段により一端を固定支持され、振動付与
手段12によりこの固定端に振動が付与される。振動付
与手段としては、例えば電磁式又は圧電式等の加振器を
用いることができる。
【0037】図6は、振動付与手段により細線電極6に
振動を付与する方法の一例を示す説明図であり、細線電
極6に付着させる加工液4aは省略している。図6は、
細線電極6にY方向の横振動を付与した場合を示してお
り、自由端である細線電極6の先端は図中Aのように振
幅が大きくなる。このような状態で、細線電極6と平板
電極7との間に放電を発生させると、細線電極6の先端
及びその近傍が溶融し、振動付与手段12により付与さ
れた振動による自由端から固定端方向への作用力によ
り、前記溶融部は自由端から固定端に向かって移動し
(図中矢印B)、内部の中心軸に沿って溶け残った固体
細線部が露出する。この露出部は極めて細い細線とな
り、このような方法により微細軸を成形することができ
る。
【0038】細線電極6が所定の振動モードとなるよう
に加振するには、細線電極6の固有振動数を考慮して加
振する必要があるが、細線電極の固有振動数及び所望の
振動モード等の条件設定は制御手段13で行うことがで
き、この制御手段により振動付与手段12を制御して細
線電極に所望の振動を付与する。
【0039】以上の説明においては、一端固定他端自由
の場合の横振動の一次モードとなるように、細線電極6
の固有振動数を考慮して制御手段13により振動付与手
段12を制御したが、一次モードに限定されるものでは
なく、2次モード等先端の振幅が大きい振動モードであ
ればよい。このような細線電極6への振動の付与によ
り、細線電極6の表面溶融部を振動の腹から節へ移動さ
せるような方向への作用力が発生するため、細線電極6
を極めて細い軸に成形することができる。
【0040】また、以上の説明においては、細線電極6
にY方向の横振動を付与する場合を説明したが、X方向
の横振動と合成してもよい。
【0041】また、以上の説明においては、細線電極6
に横振動を付与する場合を説明したが、縦振動を付与し
てもよい。
【0042】また、以上の説明においては、放電により
細線電極6の先端及びその近傍を溶融する場合を説明し
たが、例えばレーザ又は高周波加熱等の他の細線電極溶
融手段を用いてもよい。
【0043】
【発明の効果】この発明によれば、微細軸の成形を安定
的かつ効率的に行うことができ、微細軸成形コストを低
減することができる実用的な微細軸成形方法及び装置を
得ることができる。
【0044】また、成形した微細軸をそのまま放電加工
用電極として使用して微細穴加工を行う等の工程の自動
化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る微細軸成形方
法を示す説明図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る微細軸成形方
法の加工条件の例を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る微細軸成形方
法を示す説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に係る微細軸成形装
置を示す説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態3に係る微細軸成形装
置の構成図である。
【図6】 振動付与手段により細線電極に振動を付与す
る方法の一例を示す説明図である。
【図7】 放電加工のメカニズムの説明図である。
【図8】 従来の微細軸成形方法の説明図である。
【図9】 従来の微細軸成形方法の加工条件の例を示す
図である。
【図10】 従来の微細軸成形方法により成形された細
線電極の先端部分の形状の例を示す図である。
【符号の説明】
4a 加工液、6 細線電極、7 平板電極、10 加
工電力供給手段、11加工液付着用貯留槽、12 振動
付与手段、13 制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武沢 英樹 愛知県名古屋市緑区鳴海町三高根87 三高 根ハイツ105号 (72)発明者 古谷 克司 愛知県名古屋市天白区天白町島田黒石3837 −3−23 (72)発明者 伊藤 義郎 新潟県長岡市学校町1−4−28 長岡住宅 2−202 (72)発明者 後藤 昭弘 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 齋藤 長男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3C059 AA01 DA02 DB05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイナス極性の細線電極及びこの細線電
    極に対向するプラス極性の電極の極間に放電を発生させ
    ることにより、前記細線電極に微細形状軸を成形する微
    細軸成形方法において、 前記細線電極及び前記細線電極に対向する電極の少なく
    とも一方に加工液を付着させて、気中にて微細軸の成形
    を行うことを特徴とする微細軸成形方法。
  2. 【請求項2】 マイナス極性の細線電極及びこの細線電
    極に対向するプラス極性の電極の極間に放電を発生させ
    ることにより、前記細線電極に微細形状軸を成形する微
    細軸成形方法において、 前記細線電極を加工層内の加工液に浸漬する第1の工程
    と、 前記細線電極を加工層から取り出す第2の工程と、 前記細線電極と前記電極とを位置決めする第3の工程
    と、 気中にて微細軸の成形を行う第4の工程からなることを
    特徴とする微細軸成形方法。
  3. 【請求項3】 前記細線電極を複数個使用して、前記電
    極との間の放電により前記複数の細線電極に微細形状軸
    を同時に成形することを特徴とする請求項1又は2記載
    の微細軸成形方法。
  4. 【請求項4】 前記加工液が油又は冷却能力が油と同等
    の油以外の液体であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の微細軸成形方法。
  5. 【請求項5】 一端固定一端自由に支持された細線電極
    に加工液を付着させ、この細線電極に縦振動又は横振動
    を付与しながら、放電、レーザ又は高周波加熱等の細線
    電極溶融手段により前記細線電極の先端部分を溶融し、
    この溶融部に発生する前記振動による前記細線電極の自
    由端から固定端方向への作用力により、気中にて微細軸
    の成形を行うことを特徴とする微細軸成形方法。
  6. 【請求項6】 マイナス極性の細線電極及びこの細線電
    極に対向するプラス極性の電極とを位置決め手段により
    相対位置決めし、前記細線電極及び前記細線電極に対向
    する電極の極間に加工電力供給手段により加工電力を供
    給することにより放電を発生させ、前記細線電極に微細
    形状軸を成形する微細軸成形装置において、 前記細線電極及び前記細線電極に対向する電極の少なく
    とも一方に加工液を付着させる加工液付着手段を備え、
    気中にて微細軸の成形を行うことを特徴とする微細軸成
    形装置。
  7. 【請求項7】 マイナス極性の細線電極及びこの細線電
    極に対向するプラス極性の電極とを位置決め手段により
    相対位置決めし、前記細線電極及び前記細線電極に対向
    する電極の極間に加工電力供給手段により加工電力を供
    給することにより放電を発生させ、前記細線電極に微細
    形状軸を成形する微細軸成形装置において、 加工液を貯留する加工液付着用貯留槽と、 前記細線電極の前記加工液付着用加工層への出し入れを
    行う移動手段とを備えたことを特徴とする微細軸成形装
    置。
  8. 【請求項8】 マイナス極性の細線電極及びこの細線電
    極に対向するプラス極性の電極とを位置決め手段により
    相対位置決めし、前記細線電極及び前記細線電極に対向
    する電極との極間に加工電力供給手段により加工電力を
    供給することにより放電を発生させ、前記細線電極に微
    細形状軸を成形する微細軸成形装置において、 加工液を貯留する加工液付着用貯留槽と、 前記細線電極の前記加工液付着用加工層への出し入れ、
    及び、前記細線電極及び前記細線電極に対向する電極と
    の相対位置決めを行う位置決め手段とを備えたことを特
    徴とする微細軸成形装置。
  9. 【請求項9】 前記細線電極を複数個保持できる保持手
    段を備えたことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに
    記載の微細軸成形装置。
  10. 【請求項10】 前記加工液が油又は冷却能力が油と同
    等の油以外の液体であることを特徴とする請求項6〜9
    のいずれかに記載の微細軸成形装置。
  11. 【請求項11】 保持手段により一端を固定支持され、
    加工液が付着した細線電極と、 前記細線電極に縦振動又は横振動を付与する振動付与手
    段と、 前記振動付与手段を前記細線電極の自由端の振幅が大き
    くなるよう制御する制御手段と、 前記細線電極の先端部分を溶融する放電、レーザ又は高
    周波加熱等の細線電極溶融手段とを備えたことを特徴と
    する微細軸成形装置。
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