JP2002273581A - 短パルス波長可変ラマンレーザーによる物質の加工方法 - Google Patents

短パルス波長可変ラマンレーザーによる物質の加工方法

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JP2002273581A JP2001076026A JP2001076026A JP2002273581A JP 2002273581 A JP2002273581 A JP 2002273581A JP 2001076026 A JP2001076026 A JP 2001076026A JP 2001076026 A JP2001076026 A JP 2001076026A JP 2002273581 A JP2002273581 A JP 2002273581A
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light
raman
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Takashi Arisawa
孝 有澤
Kyoichi Deki
恭一 出来
Fumiaki Matsuoka
史哲 松岡
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 物質に応じた吸収波長(あるいは多光子吸収
波長)の短パルスレーザー光を用いて効率よく精度の高
い加工又は計測を行う技術を提供する。 【解決手段】被加工物に、空間集中(高品質ラマンレー
ザー光)、時間集中(短パルスラマンレーザー光)、吸
収集中(波長可変ラマンレーザー光)の特性を生かして
高密度に光エネルギーを収集し瞬時に固体をガス化する
ことにより加工物に熱影響を与えずに精密加工を施した
り、皮膚内部の状況を観察する場合の医療技術やガラス
などの透明体の内部加工を行う。レーザーとしてはビー
ム質のよい短パルスラマンレーザーが使用され、対象物
質の吸収波長に対応した波長を、ラマン媒質等を用いる
ことにより、対象物質に光を効率的に集中させて吸収さ
せることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明では、被加工又は被計
測物質の光学特性に対応した吸収波長を有する短パルス
レーザー光を用いて、加工物質に熱影響やクラック等を
発生させることなく、物質の表面又は内部を効率よく精
度高く加工又は計測を行うことができる。本発明は、具
体的には、表面若しくは薄膜の加工技術、ガラス等の透
明体の表面若しくは内部加工技術、又は生体組織表面下
内部の状況を観察する場合の医療技術等において利用さ
れる。
【0002】特に、本発明においては、短パルスレーザ
ー光として短パルスラマンレーザー光を使用するが、本
発明のレーザーにおいては、加工又は計測対象物質の吸
収に対応した波長あるいはパルス幅を、ラマン媒質の種
類、ラマンポンプレーザー波長、及びラマン光の高調波
等を用いること等により容易にしかもコンパクトに可変
することができる。
【0003】本発明は、レーザー光を可能な限り集中、
集光し、高い輝度として加工や計測に用いるものであ
る。対象物質に高い強度で光を集中させるために、従来
はレーザービーム品質を高め、空間的に集中する工夫を
行ってきたが、本発明では、(時間的集中)×(空間的
集中)×(波長的集中)を総合して集中度を高める。こ
のうち時間的集中はサブピコーヒコ秒の短パルスによ
り、空間集中はラマン光の持つ良好な空間モードによ
り、また波長的集中は物質に一光子あるいは多光子でほ
ぼ共鳴的に光を効果的に吸収させることにより達成す
る。
【0004】こうした操作により加工対象物に投入する
熱量をできるだけ小さな値に限定し、即ち小型レーザー
で高効率加工等を行うとするものである。短パルスラマ
ンレーザーはこれらの全てを兼ね備えた性能を実現でき
る。
【0005】
【従来の技術】短パルス、高ピーク強度、高繰り返し、
波長可変を満足し、なおかつコンパクトで産業分野で加
工技術に利用出来るレーザーは、短パルスラマンレーザ
ーが開発されるまでは存在しなかった。また、対象物質
に対して最適のレーザーの波長やパルス幅を調整するこ
とにより計測や加工及び治療などに大きな熱影響を残さ
ずに活用するには、従来のレーザーでは以下のような問
題点があった。
【0006】(1)通常用いられているCPA(Chi
rped Pulse Amplification)
方式では、レーザー媒質は広い波長幅を有しているもの
の、システムが大型で複雑であり、レーザービームのパ
ルス波形、空間モード、偏光、分散等を精密に調整する
必要もあるために、レーザー光の波長やパルス幅を自由
に変更したり、長時間運転したりすることが困難であ
る。
【0007】(2)白色短パルスレーザー光を用いて増
幅するOPA(Optical Parametric
Amplification)は、波長可変の短パル
スレーザーであるが、パルスエネルギーは小さく、加工
などに利用することは出来ない。
【0008】従って、従来レーザーを短パルスレーザー
加工に適用する場合には以下のような問題点がある。す
なわち、増幅したチタンサファイアレーザーを用いて加
工を行う場合には十分な強度が得られるが、発振波長が
限られるので、波長を被加工物質の吸収帯に一致させる
(共鳴)ことは困難である。このように吸収帯に合致さ
せないまま加工を行う場合には、共鳴の場合よりもはる
かに強いパルスを用いることとなり、パルス前端はまず
物質に強いシュタルク広がりを発生させ、ひき続くパル
スにより電子がレーザー電場によって駆動されることと
なる。
【0009】これによって多光子吸収が発生し、高いエ
ネルギー状態となり、多価イオンプラズマとなるためク
ーロン力による物質破壊が生じ、これがアブレーション
を引き起こす。もし、吸収帯のエネルギーが小さい(長
い波長)時には以下の式で示すように、1個の光子の吸
収により加工することができる。 ΔE〜hν(1光子でほぼ共鳴) ΔE≠hν(1光子で非共鳴) ここに、ΔEは被加工物質等の吸収エネルギー、νはレ
ーザー光子1個の振動数、hはプランクの定数(hν:
光子のエネルギー)である。
【0010】しかしながら、吸収帯のエネルギーが大き
い(短い波長)時には以下のように多数の光子の吸収
(多光子吸収)により加工することになる。 ΔE=nhν(n光子でほぼ共鳴) ΔE≠nhν(n光子で非共鳴) 多光子吸収過程においては、物質の吸収帯のエネルギー
とレーザーの多光子波長(nhν)とが大きくずれてい
れば、パルスの後端の極めて高いレーザー光が導入され
る時点において初めに加工の反応が生じるため、レーザ
ーパルス前端は利用できなくなる。これは、パルス幅が
短いだけに深刻な問題である。
【0011】このように、波長が大きくずれている場合
には物質との相互作用は、パルス照射中盤の強いシュタ
ルク広がりの裾から開始されるので、短パルスの前端が
加工に寄与しないことになり、レーザー光がむだになる
ばかりか不要な光により被加工物にクラックスが生じた
り、熱的な悪影響加工にはいたらないが、被加工物をむ
だに加熱することとなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した欠点を解決で
きる計測用及び加工用レーザーとしては短パルスラマン
レーザーを用いる方法に限られる。短パルスラマンレー
ザーは以下の特徴を持つ。
【0013】(1)加工に必要となる最適のパルス幅
(ピコ秒〜サブピコ秒)がポンプレーザーの集光条件を
変化させるだけで、あるいは結晶の種類を変えることに
より大きく変更することが可能となる。ラマンレーザー
パルスはラマン閾値を越える高い集光部分の形状(長
さ)によって発生するために、レンズやラマン媒質の形
などにより容易にかつコンパクトにパルス幅を変化でき
る。
【0014】(2)波長可変は以下のいずれかの手法あ
るいは組み合わせた方法により容易にかつコンパクトで
可能となる。 ・ラマン結晶種類の交換による波長、パルス幅の選択 ・ポンプレーザーの波長の選択 ・ラマンレーザー光の非線形変換(元の波長の1/2、
1/3、1/4等の波長とする高調波発生、任意の2つ
の光のエネルギーを足し合わせる和周波発生、任意の2
つの光のエネルギー差をとる差周波発生等)による幅広
い波長の選択
【0015】(3)上記変換の際に、ポンプビームと同
軸でラマンレーザー光が得られるためにラマン結晶交換
などの調整が容易である。
【0016】(4)ラマン光の発生原理から、ラマン光
は、高い光強度部分に生ずる非線形効果により発生し、
レーザー媒質のように加熱されないので、自動的に良好
な波面を有し、しかも発振器で得られる高品質の光をラ
マンレーザー増幅器で増幅するため、非熱的な加工に必
要なTW/cm2以上の高い強度での高品質な集光が容
易である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、レーザーによ
る加工又は計測技術において、次の点を目的として開発
されたものである。
【0018】(1)非加工物質に最適の波長及びパルス
幅を有する短パルスレーザー(短パルスラマンレーザー
により実現可能)による高効率非熱的高速加工又は高速
計測。
【0019】(2)波面の平坦なことを特徴とするラマ
ンレーザーにより可能となる極微小集光を利用した加
工。
【0020】(3)多光子効果がビーム中心部で強く起
こるためにみかけのビーム径よりも小さな集光が実現で
きる微細加工。
【0021】そこで、上記目的を達成するために以下の
データを集積し、最適なスペクトル計測及び加工技術を
開発した。
【0022】(1)加工プロセス レーザー強度やパルス幅などのパラメータを変化させて
加工プロセスが以下のように展開することを解明した。
これらのプロセスはレーザーのパルス幅、エネルギー、
波長、材料の熱伝導度等により大きく変わる。
【0023】1) レーザー光の加工面表面への到達 レーザー光の前端はまだ強くないが、加工物表面に到達
すると材料表面には分極が誘起されたり、表面電子がレ
ーザー電界を感じて激しく運動するようになる。共鳴的
吸収のない場合には表面より反射が生じる。
【0024】2) 吸収の開始 物質が共鳴吸収帯を持っている場合には最外殻の電子が
共鳴的に感じて運動を開始し、これが次々高い強度に成
長するレーザー電場により揺すられ、周囲の原子と衝突
しながらイオン化が進む。このときに共鳴吸収から外れ
た波長を用いるとパルスが強い強度まで達して初めて外
殻電子が動き始めるためにパルスの前端は有効に吸収さ
れずに全体としてはより強いエネルギーのパルスを用い
なければならなくなる。
【0025】3) レーザー方向進行方向への加熱 短パルスレーザーはサブピコ、ピコ秒級であるため10
0μm級の長さにわたりレーザー光が集光して加熱され
る。このため、通常のナノ秒以上のパルス幅を有するレ
ーザー加工に対して局部的な加熱が進行し、余分な部分
への熱的影響を小さく押さえることが可能となる。
【0026】4) 内殻電子への影響 電界の高まりとともに最外殻電子から内殻電子へと電場
が浸透して行く。この場合、最初に共鳴的に吸収が起き
ると電子がはぎ取られ、更に内部へと電界がしみこんで
行くが、共鳴吸収がない場合には電子の遮蔽を除去する
ためにより高いレーザー電界強度が必要となる。
【0027】5) 電子駆動の終了 レーザーパルスにより電子が駆動され、電子はレーザー
ビーム照射部分よりも外まで加速される。加速の度合は
レーザーパルスエネルギーに依存する。レーザーパルス
の停止により電子の外部電場による駆動はなくなる。
【0028】6) レーザー入射方向と直角方向への加
熱 電子のエネルギーはピコ秒程度の短い時間で格子に移さ
れる結果、材料の温度が上昇を始める。温度上昇が融点
に達すると熔融し、沸点に達すると気化し、更に衝突を
繰り返してプラズマを生成する。固体内部に加速された
電子はさらなる衝突を続け、レーザー照射領域以外にも
熱影響を及ぼす。従って、共鳴吸収のない場合にはより
高いパルスエネルギーが加わるので、電子のレーザー電
場による加速も進み加熱領域が広がる。この様にして加
工部分の周辺には熱影響部分が発生し、それによってさ
らにその周辺に機械的なクラックが発生する。こうした
悪影響部分を小さくするには加工に取って必要最小限の
レーザーエネルギーを集中的に与えることが効果的であ
る。
【0029】7) プラズマの拡散及び加熱 プラズマ中の高いエネルギーの電子は拡散しながら原子
と衝突し、更なる電離を引き起す。プラズマの拡散が十
分に進むと断熱的に逆に冷却が生じ、再結合が起きて元
の中性原子に戻ろうとする。
【0030】8) 固体内部の冷却 温度が固体内を十分に拡散すると冷却が進む。
【0031】(2) 共鳴効果を含む場合と含まない場
合との比較 2つの物質について比較する。 A) 多光子効果などにより吸収が効果的に生ずる物質 B) 多光子効果が見られず吸収しにくい物質 物質における上記加工プロセスを考えると、A)の方が
エネルギーの吸収が早くレーザーエネルギーが照射部分
の加工のために有効に利用されるが、B)の場合には物
質内電子を加工部分をはずれた外の部分にまで加速する
こととなる。このため、短パルスで物質に効率よく吸収
できる波長を有する波長可変のレーザーが効果的である
と言える。もちろん直接短波長のレーザーを用いて加工
することによりこうした効果は極めて顕著になる。ただ
し、多光子吸収でない場合には表面も内部も同様に加工
が進むために透明体の内部のみの加工は出来なくなる。
【0032】(3)最適波長を実現するためのラマン媒
質の選定、高調波の発生(表1に示す)
【0033】(4)最適パルス幅を実現するためのラマ
ンポンプレーザーの集光 本発明においては、上述した短パルスラマンレーザーの
特徴を利用するために、以下のような工夫を行ってい
る。
【0034】(1)パルス幅の変更 図1では、通常型の短パルスレーザーシステムを図の上
部に示し、ラマンレーザー(結晶)及びその発振原理を
図の下部に示す。図2に示すように、ラマンレーザー光
1のパルス幅は、通常型の短パルスレーザーシステムか
らのポンプレーザー光2をラマン結晶3に集光させる
と、結晶中でラマン閾値を越える部分でラマン光が発生
し、増幅が後方散乱(後方ラマン光4)として発生す
る。また、最短パルス幅はフォノン寿命により規制され
ている。それ故、短焦点の光学系を用いたり、フォノン
寿命の短い結晶を用いると短パルスラマンレーザー光が
発生する。もちろん最短パルスラマンレーザーはラマン
結晶の性質であるフォノン寿命より短くすることはでき
ないが、それよりも長いパルスは、光学系あるいは結晶
の長さを調整することにより決定される。
【0035】(2)最適吸収波長の選定 1)一光子過程を利用する場合の最適吸収波長の選定 一光子過程は、レーザーの波長が直接対象物質の吸収帯
(ΔEのエネルギー差)と一致する場合である。こうし
た光を照射すると、まず光の物質への吸収が始まる。物
質の遷移エネルギーと光の波長がうまく整合すれば電子
に共鳴的にエネルギーを移譲出来ることになる。この場
合、波長がずれているとそのずれの部分に相当するシュ
タルク広がりを発生させるような高強度レーザー場が与
えられる場合には、それだけの強度に達した後に電子に
エネルギーを移譲できる。低いレーザー場で共鳴エネル
ギーからずれている場合には、物質中でのシュタルク広
がりのすそ野のわずかの吸収によりエネルギーの移譲が
開始される。
【0036】このような過程から最初に物質内部の電子
に大量のエネルギーを移譲できないと短パルスレーザー
の場合には、パルスが短いだけに有効な加工が困難とな
る。そこで最適波長による光吸収が重要となる。短パル
スラマンレーザーの場合にはラマン光を利用できるため
に、ラマン媒質を選定することにより種々の波長が選定
できる。
【0037】2)多光子吸収過程を利用する場合の最適
吸収波長の選定 多光子吸収過程は、二個以上の同じ光子を吸収する過程
を言う。分かりやすく説明するために、原子を照射ター
ゲットとする場合を考える。(γJ)の状態から遷移マ
トリックスをDとして(γ’J’)に遷移する場合には
その原子の双極子モーメントμは下式で示される。 μ=<γJ│D│γ’J’> 一方、電場強度εはφを光子フラックスとすると以下の
ようになる。 ε=(2πφ/c)1/2
【0038】ACシュタルク広がりΩは関与する多数
(この場合はn個)の実在エネルギーレベル間の遷移マ
トリックスをμとすると以下のようになる。
【式1】
【0039】このシフト量がエネルギー遷移値のミスマ
ッチと同程度になれば強い遷移が生じる。レーザー強度
場εが高い場においてこのような大きなシフトを発生さ
せることが出来る。固体の場合には場によるシュタルク
広がりが存在するため、上述した単一分子や原子に比べ
複雑であるが、ほぼ同様の見積もりが可能である。
【0040】ミスマッチが大きければ上式により過大な
レーザー光が必要となる為、共鳴波長を選定することに
より高効率で対象物質に熱負荷を与えないような過程が
実現できる。
【0041】実際の物質は複雑であり、照射条件などに
より複雑に変わるので、ここでは解析的に説明するため
に単純な孤立原子として簡単な1光子遷移を考える。上
準位の密度Nは、N0:全個数、ΩR=2εD/h:ラビ
周波数、ε:電界強度、D:双極子モーメント、△:デ
チューニング(共鳴エネルギーとレーザー励起エネルギ
ーのずれ)として、以下のようになる。 N=(N0ΩR 2/(△2+ΩR 2))(1−cos(△2
ΩR 2)1/2t)/2
【0042】この式よりNを大きくするには、△をΩR
程度にする必要がある。逆に△が大きいとレーザー出力
を大きくしてラビ周波数を大きくする必要があることに
なる。原子のように双極子モーメントが大きいもので
は、1W/cm2程度の照射強度でΩR=10MHz程度
である。通常のレーザーではGW/cm2の強度である
が、本発明の短パルスラマンレーザーではTW/cm2
程度の強度が得られる。つまり通常のレーザー強度での
ラビ周波数は100GHz程度であり、短パルスラマン
レーザーのラビ周波数は100THz程度となる。これ
は短パルスレーザーの方が多光子遷移を起こしやすいこ
とを意味する。その比率を上式の係数のΩ R 2/(△2
ΩR 2)を用いて概算して実験と比較する。
【0043】図2に示すようなスペクトルを有するガラ
スを加工する場合、通常レーザー(YAGレーザー)は
1060nmの波長であり、本発明で使用した短パルス
ラマンレーザーの波長は1200nmである。ギャップ
エネルギーは4eV程度(300nm程度)である。通
常レーザーでは3光子でギャップエネルギーに近付くの
で、△=300nm−1060nm/3=1000TH
z−852THz=148THzのデチューニングが、
又、短パルスラマンレーザーでは4光子で、△=300
nm−1200nm/4=0共鳴となるが、これは多光
子遷移での共鳴条件となる。
【0044】したがって、通常レーザーでは、ΩR 2
(△2+ΩR 2)の値は4.5×10-6と極めて小さいの
に対して、短パルスラマンレーザーではほぼ1となる。
もちろんこれは最高強度での計算であるが、パルス初期
に低出力の部分では、通常レーザーと短パルスラマンレ
ーザーとの違いはますます大きくなる。このように波長
が多光子吸収波長に合致し、しかもレーザー強度が強い
ことから、通常レーザーの3光子よりも効率の悪い4光
子でさえも、瞬時に100%上準位に励起されることと
なる。
【0045】3)ラマンレーザー波長や最短パルス幅の
変更 表1に示すようなラマン材料からなるラマン結晶を用い
ることにより、ラマンレーザー波長やパルス幅を変更で
きる。
【0046】
【表1】
【0047】(3)システムの例 短パルスレーザーを用いて照射して加工するにはTW/
cm2程度の強度が必要であるが、このような仕様を産
業分野における加工又は計測対象とする物質に適合させ
る必要である。このような短パルスラマンレーザーの構
成例を図3に示す。
【0048】本発明のシステムにおいては、種々のパル
ス幅及び波長を有するポンプレーザーを用いることが可
能である。このポンプレーザーを選定されたラマン媒質
に照射し、種々の波長の基本波〜第四高調波を有する第
一段短パルスラマンレーザーを発生させる(パルス幅2
0〜40ps)。この第一段レーザーを選定されたラマ
ン媒質に照射し、種々の波長の基本波〜第四高調波を有
する第二段短パルスラマンレーザーを発生させる(パル
ス幅1〜4ps)。
【0049】
【発明の実施の形態】レーザー加工は、レーザーの出
力、モジュレーション(パルスのかけ方)、波長、ビー
ムの質(集光性を左右する)等によって変化することか
ら、それらのパラメーターを操作することにより多くの
レーザー加工が行われてきた。レーザーパルスについて
みれば、ドリリングやカッティング等においては、レー
ザーのパルス幅が長いとパルス前端部で材料から発生し
たプラズマがパルス後端部と相互作用をするために加工
には寄与しないばかりかプラズマを加熱するために、加
熱されたプラズマと物質とが相互作用を行い加工物にダ
メージを与えることになる。
【0050】また、さらに加工の初期を考えると、レー
ザーのエネルギーをまず電子が吸収し、これが周辺の格
子にエネルギーを与え熱として伝播していくという過程
があるために、格子にエネルギーを与える前に加工工程
を終了させるようにすれば加工物に熱やクラックの発生
などの影響を及ぼさないことになる。
【0051】このようなことから短パルス加工が期待さ
れるようになった。このような加工技術をさらに進展さ
せると、強い強度で照射した物質内に発生するクーロン
力による破壊力を発生させ、物質を瞬時にアブレーショ
ンさせる方法が特に期待される。
【0052】しかし、こうした加工を行うには短パルス
とTW/cm2以上の強度で加工することが求められる
ために、レーザーの出力とともに小さなスポットに集光
できるビーム品質が要求される。また、こうした効果を
多光子吸収により発生させる場合には、透明体内部への
加工が可能となる。即ち、入射する光が物質に対して透
過する場合には、物質内部に焦点を結ばせることによ
り、焦点近傍で多光子効果により電子エネルギーを移譲
することが可能となるため、物質の内部のみに加工を行
わせることが可能となる。
【0053】さらに同様の方法によって表面から内部に
光を到達させ、その場において多光子でエネルギーを与
え、これを可視や紫外光で観察することにより、内部か
ら透過してくる発光を捉えることで、内部診断を行うこ
とが可能となる。以下に具体的な使用方法について説明
する。
【0054】(1)加工物に熱的な影響を与えない精密
加工法の実現 従来の短パルス加工では物質吸収波長に合致できるレー
ザー光が存在しないため、高いレーザー強度場で発生す
るシュタルク広がりにより吸収させる方法を用いざるを
得なかった。この方法では、短パルスの前端部分は損失
となり、短いパルスが効果的に利用されないことにな
る。また、反射により周囲雰囲気気体と相互作用を発生
し、ブレークダウンなどを生じ加工面に悪影響を与え
る。さらに、シュタルク効果を強く発生させるために、
必要以上にレーザー光を強くしなければならず、大型の
レーザーを必要とするばかりでなく、電子に必要以上の
高いエネルギーを与えることとなり、精度の高い加工が
出来ないばかりか加工効率が低下する。
【0055】物質に応じた吸収波長(あるいは多光子吸
収波長)の短パルスレーザー光を用いれば、効率よく精
度の高い加工を行うことが可能となる。こうした技術は
半導体関連の超微細加工などにとりわけ期待される。
【0056】(2)内部状態の加工及び計測 物質に吸収がほとんどない波長のレーザーを物質内部で
焦点を結ぶように集光すると、その部分で多光子吸収が
生じ、高いエネルギー状態に励起される。この場合に、
多光子吸収波長に見合った波長のレーザー光を用いると
弱い光でも多光子吸収を発生する。内部に微細な加工を
行う場合には、強すぎるレーザー光は悪影響を与える。
また、生体診断などにおいては内部から多光子励起によ
る蛍光等を利用することになるが、この場合、イオン化
やアブレーションを生じることは避けねばならない。弱
い光でも十分な蛍光を得るには、多光子吸収波長を利用
することが必要となる。
【0057】こうした技術は皮膚内部の状況を観察する
場合の医療技術やガラスなどの透明体の内部加工技術と
して期待される。
【0058】(3)具体的な利用技術 1)熱負荷の小さな加工を活用する産業利用 半導体用微細パッケージの加工や光コネクターに用いら
れるセラミックス製フェルールなどの加工が代表的なも
のであるので、こうした加工方法について記述する。
【0059】機械加工ではマイクロクラックが大量に発
生する。また、長パルスレーザーを用いた通常のレーザ
ー加工では、加工物に対する熱的な影響や飛散物の影響
が大きい。こうした加工技術のポイントは、出来るだけ
光入力を小さくして熱的な影響を小さくするとともに加
工効率を向上させることである。光入力を小さくするに
は、物質の吸収波長に合致させた波長のレーザー光を用
いること、加工効率を向上させるには必要なパルス幅の
範囲で物質の熱特性に応じた最長のパルスを使用するこ
とが必要である。
【0060】しかしながら従来の短パルスレーザーで
は、加工できる様な高いエネルギーを持つもので波長を
自由に変えられるものは存在しなかった。また、パルス
幅を自由に変えることも困難であった。
【0061】ここに述べるラマン短パルス増幅レーザー
は、対象物質の吸収波長に対応した波長を、ラマン媒
質、ラマンポンプレーザー波長、ラマン光の高調波など
を用いることにより容易にしかもコンパクトに実現でき
る。また、ラマン媒質への集光方法により、ラマン効果
が発生する領域を制御できるために、それによってパル
ス幅を変化させることも可能である。
【0062】2)熱負荷の小さな多光子過程を活用する
医療利用 レーザーを用いた技術開発は、非浸襲の診断や治療に用
いられるが、さらに短パルスを用いることにより、組織
のその場検診や無痛加工に利用されるので、こうした計
測や加工について記述する。
【0063】医療を目的とした組織の検査、例えば歯科
検診における虫歯や歯槽膿漏などは、目視やX線撮影に
よって行われているが、目視では表面しか見えないし、
目視での判断は大まかであり、細部にわたる組織の変化
を見ることは専門的な医師でも極めて困難である。ま
た、従来の歯科用X線撮影では外部にX線源があるため
に撮影時間がかかり被爆の問題があるほか、分解能が悪
いために、歯根虫歯の進行状況を正確に見ることに困難
がある。
【0064】そこで、出来るだけ患者に負担を与えるこ
となく、診断を行うには、組織の吸収波長帯城に応じた
波長のレーザーを用いることが必要となる。さらに、通
常のレーザー蛍光分光のような手法では体内に多く見ら
れる例えばポルフィリンのような化合物に妨害されて組
織そのものの状況を見ることは困難である。そこで、多
光子過程を用いてこうした妨害を排除し区別化された情
報を見る必要がある。しかも、表面のみでなく表面下の
情報をも取得する必要がある。
【0065】そこで、組織には直接の吸収は無い(長波
長)が多光子として吸収波長と合致している短パルス光
を選択して、見ようとする表面下の部位に集光すると、
長波長で組織内に入射され、焦点位置で多光子過程で蛍
光などを発生することになる。こうした情報をデータべ
ースとして組織検診を行うことにより、的確な医療検診
が可能となる。
【0066】さらに、一光子あるいは多光子で吸収波長
と合致させるようにすれば少ない光子エネルギーで組織
を加工できるし、短パルスとすることにより痛みを感じ
ることなく加工が可能となる。こうした技術は、歯科ス
ケール除去、真皮などをすみかとする水虫菌などの滅
菌、脱毛・植毛、角質除去など、医療及び美容に利用で
きる重要な技術となる。以下、本発明を実施例に基づい
て説明する。
【0067】
【実施例】(実施例1)ガラス表面加工 長いパルス幅のYAGレーザー(パルス幅10ナノ秒、
波長1.06μm)による加工と、短パルスラマンレー
ザー(パルス幅30ピコ秒、波長1.2μm)による3
0μm幅の加工を例としてその違いを示す。この例で
は、先に示したように通常レーザーでは3光子でも非共
鳴であるが、本発明の短パルスラマンレーザーでは4光
子でほぼ共鳴であるため、図4に示されるように、ガラ
スに対して低いエネルギーを供給して加工を行えたため
に、長いパルス幅のYAGレーザーに比較して、短パル
スラマンレーザーを用いた加工ではクラックなどの熱影
響が極めて小さくなる。
【0068】(実施例2)ガラス内部加工 本発明では被加工物質を透過する波長の光を用い物質内
部に集光することによって、集光点のみに多光子効果を
発生させ、表面にはなんらの影響を与えずに内部のみを
加工できる例を示した。この例では、図5に示されるよ
うに、内部に閉じ込められた光が効果的に加工を行うた
めに、内部加工(図の左)の方が表面加工(図の右)よ
りも顕著な加工となることが確認された。
【0069】(実施例3)熱集中吸収および熱の拡散に
よる加工の違い 図6に示されるように、同一条件でレーザーを照射した
場合、ガラスとシリコンでは加工サイズが大きく異な
る。レーザー顕微鏡ではガラスの加工痕は見にくいが、
上述したように、ガラスに対してはほぼ多光子吸収によ
り集中的に光エネルギーが投入されたために加工サイズ
はこの場合のレーザービーム径に近くなっている。
【0070】一方、シリコンの場合には、多光子共鳴か
らずれており、熱吸収が集中的に発生せず、更に金属の
ように自由電子が多いので、レーザー電場による表面の
加速電子が周囲にまで加熱影響を及ぼしたものである。
結果として、ガラスに比べて3倍の加工痕となってい
る。
【0071】
【発明の効果】本発明は、短パルスラマンレーザーを使
用することにより、加工物に熱的な影響を与えることな
しに加工又は計測を行うことができ、又、物質に吸収が
ほとんどない波長の短パルスラマンレーザーを使用する
ことにより、物質に損傷を与えることなしにその内部を
加工又は計測することができる、という本発明に特有の
顕著な効果が生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 短パルスラマンレーザー光の発振原理を示す
図である(ガラス加工では、ラマン結晶にカルサイト
(CaCO3)を用いることによりポンプ光1.06μ
mに対して1.203μmの波長の光を20psのパル
ス幅で発生した)。
【図2】 加工実験を行ったガラスの透過率を示す図で
ある。
【図3】 産業用に利用可能な短パルスラマンレーザー
の構成を示す図である。
【図4】 長パルスレーザー又は短パルスレーザーを使
用して加工されたガラス表面の顕微鏡写真を示す図であ
る。
【図5】 短パルスレーザーを用いてガラス内部に集光
し、表面に影響を与えずにガラス内部のみを加工した例
を示す図である。
【図6】 レーザー照射により加工されたガラスとシリ
コンの加工痕の大きさを比較した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松岡 史哲 京都府相楽郡木津町梅美台8丁目1番地 日本原子力研究所関西研究所内 Fターム(参考) 2K002 AA04 AB12 AB27 AB40 CA02 CA03 HA23 4E068 CA01 CA03 CK01 DB12 DB13 4G059 AA01 AB05 AB19 AC08 AC20 5F072 AB20 KK12 QQ02 QQ07 SS06 TT01 YY01 YY06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高品質空間特性による空間集光性、短パ
    ルスレーザー(サブピコ秒〜ピコ秒級)による時間集光
    性、被加工物質の光学吸収波長特性に合致した吸収波長
    による光吸収特性の3つの特性のいずれか、或いはそれ
    らの組み合わせ特性を生かして高密度で被加工物質に光
    を集中させて、物質中に発生した熱影響の伝播よりも高
    速で加工することを特徴とする短パルスレーザー光によ
    る物質の加工方法。
  2. 【請求項2】 短パルスレーザー光として、物質の光学
    特性に整合する幅広い波長及びパルス幅を発生させるこ
    との出来るコンパクトな短パルスラマンレーザーを用い
    ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 短パルスラマンレーザー光は、通常のレ
    ーザー媒質と異なり熱的な影響を結晶に与えない発生原
    理を有するために、或いは高次の非線形効果に基づくた
    めに、波面が極めて平坦であり、これを用いて得られる
    強い集光強度を利用することを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 ラマン媒質となる結晶の種類を種々選定
    することにより、発生するラマン光の高調波を用いるこ
    とにより、又はラマン駆動光源(ラマンポンプレーザー
    光)の波長を変化させることにより、波長を可変するこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 ラマン光発生領域をポンプレーザーの集
    光形状又は結晶形状等を変化させることにより、パルス
    幅を広い範囲で可変とすることを特徴とする請求項1乃
    至請求項4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 加工対象物質の吸収波長とレーザー光と
    が合致しない際に、一つの光子では共鳴的に励起できな
    いために、効果的に光のエネルギーが活用できない場合
    において、前記物質の共鳴エネルギーを多光子吸収波長
    に合致させた高ピーク出力レーザーの集光により、非共
    鳴時に比べて極めて高い効率で光エネルギーを物質に注
    入できるために、不必要なエネルギー投入による加工物
    表面の熱的あるいは機械的な劣化を引き起さないことを
    特徴とする請求項1又は請求項5のいずれかに記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 レーザービームの強度が中心部で強く端
    部で弱くなっていることから、多光子効果がビーム断面
    中心部の高強度部分で発生しやすいことを利用してレー
    ザービーム断面よりもより狭い範囲に加工を実現させ、
    より微細な加工又は計測を実現することを特徴とする請
    求項1乃至請求項6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 赤外域等の長い波長のラマン基本波のス
    キンデプス(電磁波の浸透する深さ)が大きくなること
    を用いて被加工材料の深部に焦点を結ぶように集光し、
    その部分で多光子過程により高いエネルギーレベルにま
    で励起し、可視光〜紫外光による加工を行わせ、レーザ
    ー進行方向と直角方向にはレーザー焦点におけるビーム
    径の大きさで、また、レーザー進行方向にはパルス幅に
    相当する距離で代表される極めて微細なレーザー焦点体
    積部分に集中的に加工を行わせることにより、精密な加
    工を行わせるばかりでなく、内部のみに加工を行うこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 被加工材料表面から深い部分で可視〜紫
    外光を発生させ、それによって表面から直接観察できな
    い物質表面下の診断又は計測を行うことを特徴とする請
    求項8記載の方法。
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