JP2002257343A - ガスタービンエンジン用の液体燃料焚き低nox燃焼器 - Google Patents
ガスタービンエンジン用の液体燃料焚き低nox燃焼器Info
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Abstract
ることにより、所要の空燃比の予混合気を作ることがで
きるガスタービンエンジン用の液体燃料焚き低NOX 燃
焼器を提供する。 【解決手段】ガスタービンエンジンの燃焼器2における
燃焼領域S1の上流側に、燃焼用空気CAと液体燃料M
Fとを混合させて予混合気を作る予混合室17を形成す
る。予混合室17に液体燃料MFを噴射する燃料噴射装
置19を、予混合室17内に出口20bを持つ噴射チュ
ーブ20と、この噴射チューブ20内にその入口20a
から液体燃料MFを噴射する燃料噴射弁21とにより構
成する。噴射チューブ20の入口20aと燃料噴射弁2
1との間に、噴射チューブ20内に空気CAを流入させ
る隙間27を形成する。
Description
料を予め空気と混合させて予混合気を作り、この予混合
気を下流の燃焼室で燃焼させるようにしたガスタービン
エンジン用の液体燃料焚き低NOX 燃焼器に関するもの
である。
は、排ガス組成に関して厳しい環境基準が設けられてお
り、特にNOX (窒素酸化物)の排出量の低減が望まれ
ている。この低NOX 化の手段として、燃焼室内に水や
蒸気を噴射して燃焼火炎温度を低下させる方法が一般的
に採用されてきたが、この方法では、エンジン熱効率の
低下、悪い水質によるタービンなどの腐食に伴うエンジ
ン寿命の低下、さらには水質を良くするための前処理に
要する設備および維持管理費の高騰などの種々の欠点が
あった。このような水や蒸気を用いないでNOX を低減
する方法として、予蒸発・希薄予混合燃焼方式が有効で
あることがよく知られている。
式を採用した従来の予混合型燃焼器の一例を示す縦断面
図である(例えば特開平9-303776号公報参照)。この燃
焼器50では、その中心軸上に配置されたパイロットノ
ズル51からパイロット液体燃料PFを噴射し、その周
囲から燃焼用空気CAを供給して燃焼させる。他方、前
記パイロットノズル51の外周には、環状の予混合室5
2が形成されており、その上流の環状通路内にラジアル
・スワーラ53が装着されている。このスワーラ53を
通って旋回流を付与されながら予混合室52内に供給さ
れる空気流CA中に、低NOX 化に適した一定の空燃比
(燃料と空気の混合比)となるようにメインノズル54
からメイン液体燃料MFを噴射することにより、液体燃
料MFの蒸発・混合を行ったのち、この予混合気を燃焼
室C内に供給して、前記パイロットノズル51から噴射
したパイロット液体燃料PFによる燃焼炎によって燃焼
させる。
0では、液体燃料MFの液滴を十分に蒸発させることで
空気CAと均一に混合させることが、低NOX 化を達成
するための重要なポイントとなる。しかしながら、前記
構成とした予混合型燃焼器では、液体燃料MFと空気C
Aとの混合過程において、メインノズル54から予混合
室52内に噴射された液体燃料MFが、蒸発が完了する
前に予混合室52の壁面52aに衝突してそのまま付着
し、壁面52aに液膜57を形成してしまう。このよう
な液膜57が形成されるのは、液体燃料MFがメインノ
ズル54から微粒化するために一定の噴射角度に拡げて
噴射されるために、その噴射された液体燃料MF中に蒸
発するまでに時間を要する比較的大きな粒の液滴が存在
すると、この液滴が、蒸発する以前に壁面52aに衝突
してしまうからである。
蒸発されないことから、空気CAと十分に混合されない
状態で燃焼室C内の燃焼領域に向け流出してしまい、予
混合室52の出口で拡散燃焼する。このように、前記燃
焼器50では、液体燃料MFの全てを完全に予蒸発させ
ることができないので、液体燃料MFと空気CAとの均
一な混合が行われず、その結果、NOX の発生量を十分
に抑制することができない。
たもので、液体燃料の全てを確実に予蒸発させて空気と
均一に混合させることにより、所要の空燃比の予混合気
を作ることができるガスタービンエンジン用の液体燃料
焚き低NOX 燃焼器を提供することを目的とするもので
ある。
に、本発明の構成に係るガスタービンエンジン用の液体
燃料焚き低NOX 燃焼器は、液体燃料を噴射する燃料噴
射装置と、燃焼領域の上流側に形成されて、前記燃料噴
射装置から噴射された液体燃料と燃焼用空気とを混合さ
せて予混合気を作る予混合室とを備えており、前記燃料
噴射装置が、前記予混合室内に出口を持つ噴射チューブ
と、この噴射チューブ内にその入口から前記液体燃料を
噴射する燃料噴射弁とを有し、前記噴射チューブの入口
と前記燃料噴射弁との間に前記噴射チューブ内に空気を
流入させる隙間が形成されている。
料噴射弁との隙間から空気が流入し、この流入した空気
は液体燃料に対しこれの周囲を包み込んで拡がりを制限
するため、微粒化のために大きな第1噴射角度で燃料噴
射弁から噴射された液体燃料は、噴射チューブ内で小さ
な第2噴射角度に狭められて、噴射チューブの出口から
予混合室内に噴出されるので、予混合室内をこれの壁面
に衝突することなく通過して燃焼室内に送給される。ま
た、液体燃料のうちの大きな第1噴射角度で噴射チュー
ブ内に入った液滴は噴射チューブの内壁面に衝突して液
膜を形成するが、この液膜は、噴射チューブの内壁に沿
いながら流れて噴射チューブの出口から流出した時点
で、予混合室内に流入する高速の空気が吹き付けられる
ことにより、微粒化される。これらにより、予混合室内
に流入した液体燃料は、その全てが完全に蒸発した状態
で空気と混合して、NOX の低減に適した所要の空燃比
の予混合気となって燃焼室に送られるから、NOX を所
要値に低減することができる。
チューブの出口が、前記予混合室内に突出している。こ
の構成によれば、噴射チューブの出口を予混合室の内壁
面上に突出させないで開口させる場合と比較して、噴射
チューブ出口で空気の大きな流速が得られるので、噴射
チューブの内壁面に形成された液膜が、噴射チューブの
内壁に沿いながら流れて噴射チューブの出口から流出し
た時点で高速流の空気を吹き付けて効果的に霧化するこ
とができ、噴射チューブから予混合室内に流入した液体
燃料の全てを確実に微粒化して蒸発させることができ
る。
態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明
の液体燃料焚き低NOX 燃焼器が適用されるガスタージ
ンエンジンを示した概略構成図である。このガスタービ
ンエンジンは、圧縮機1、燃焼器2およびタービン3を
主構成要素としている。燃焼器2は、圧縮機1から供給
される圧縮空気に燃料を供給して燃焼させ、それにより
発生する高温高圧の燃焼ガスをタービン3に供給する。
圧縮機1は回転軸5を介してタービン3に連結されて、
このタービン3によって駆動される。前記タービン3は
減速機4を介して発電機のような負荷7を回転駆動す
る。燃焼器2には、燃料ポンプ8から送給される液体燃
料が、燃料制御装置9を介して供給される。
燃料焚き低NOX 燃焼器2の要部を示す縦断面図であ
る。この燃焼器2は、燃焼室Cを形成する内筒10と、
この内筒10の外周を覆うハウジング11とを有し、内
筒10とハウジング11との間に空気通路12が形成さ
れている。この燃焼器2は、図1のタービン3にこれの
径方向外方に突出して設けられたものであって、図1の
圧縮機1から供給された燃焼用の圧縮空気CAが前記空
気通路12を燃焼器2の先端側に向かって流れたのち
に、内筒10内で燃焼ガスGとなって燃焼器2の基端側
に向かって流れ、図示しないトランジション・ダクトを
通って図1のタービン3に導入される。
体燃料PFを噴射するパイロットノズル13が設けら
れ、このパイロットノズル13の外周にパイロット空気
通路14が設けられている。パイロット空気通路14の
外周には環状の予混合室17が配設されており、この予
混合室17は、前記内筒10の径方向外方に向いて前記
空気通路12の空気導入口22に臨む環状の空気流入口
17aを有している。この環状の空気流入口17aに
は、空気通路12から流入する燃焼用空気CAに旋回流
を付与するためのラジアル・スワーラ18が装着されて
いる。予混合室17の出口17bは、内筒10の軸方
向、つまり、燃焼器2の軸方向に向いており、したがっ
て、予混合室7は軸心を含む縦断面でL字形を呈してい
る。
18の下流側には、予混合室17内に予混合用のメイン
液体燃料MFを噴射する複数の燃料噴射装置19が周方
向に等間隔の配置で設けられている。この燃料噴射装置
19は、予混合室17内に出口20bを持つ噴射チュー
ブ20と、この噴射チューブ20内にその入口20aか
らメイン液体燃料MFを噴射する燃料噴射弁21とによ
り構成されている。
の入口20aから若干離れて、入口20aとの間に隙間
27を有する配置で設けられており、この隙間27から
空気CAが噴射チューブ20内に流入するようになって
いる。また、噴射チューブ20は、これの出口20bを
予混合室17内に突出させた配置で設けられているが、
この噴射チューブ20の予混合室17内への突出量d
は、ラジアル・スワーラ18の通路幅(軸方向幅)Wの
1/5以上で、且つ1/2以下に設定されている。前記
パイロットノズル13からは始動時および通常運転時の
全てにわたってパイロット液体燃料PFが噴射され、前
記各燃料噴射弁21からは通常運転時のみ液体燃料MF
が噴射されるが、これら液体燃料PF,MFの噴射量な
どの制御は図1の燃料制御装置9によって行われる。
る。図1の圧縮機1から供給される燃焼用の圧縮空気C
Aは、図2の空気通路12を経て、その一部が内筒10
の周壁に設けられた燃焼用および希釈用の空気孔(図示
せず)から燃焼室C内に流入し、他の一部が空気通路1
2から空気導入口22およびパイロット空気通路14を
経て燃焼室C内へ入り、残りがラジアル・スワーラ18
を経て予混合室17内へ流入する。パイロット空気通路
14から燃焼室C内に吹き込まれる空気CA中に、パイ
ロットノズル13から噴射されて微粒化したパイロット
液体燃料PFが混入されて霧化し、これが燃焼して拡散
燃焼領域S1が形成される。
体燃料MFが、微粒化を促進するために大きな第1噴射
角度αの範囲内で噴射チューブ20の内方に噴射され、
この噴射チューブ20を通って予混合室17内に向け噴
射される。このとき、噴射チューブ20には、これの内
部に噴射された液体燃料MFによって生じる負圧で空気
CAが燃料噴射弁21との隙間27から流入し、この流
入した空気CAは液体燃料MFに対しこれの周囲を包み
込んで拡がりを制限する。そのため、液体燃料MFは、
小さな第2噴射角度βに狭められて噴射チューブ20の
出口20bから予混合室17内に噴出されるので、予混
合室17内をこれの内側の両周壁面17dに衝突するこ
となく通過して、燃焼室C内に送給される。
度で噴射チューブ20内に入った液滴は噴射チューブ2
0の内壁面に衝突して液膜を形成するが、この液膜は、
噴射チューブ20の内壁に沿いながら流れて噴射チュー
ブ20の出口20bから流出した時点で、ラジアル・ス
ワーラ18によって旋回流を付与されながら高速で流動
する空気CAが吹き付けられることにより、微粒化され
る。すなわち、噴射チューブ20の予混合室17内への
突出量dは、上述したようにラジアル・スワーラ18の
通路幅Wの1/5以上で、且つ1/2以下に設定されて
いるから、前記液膜は、噴射チューブ20の出口20b
から出た時点で高速旋回流の空気CAが吹き付けられる
ことによって効果的に霧化されるから、その全てが確実
に微粒化される。
以下に設定した場合、出口20bが予混合室17の頂部
の内壁面17eに近づくために、噴射チューブ20の出
口20bにおいて液体燃料MFに吹き付けられる空気C
Aの流速が小さくなってしまい、一方、突出量dを1/
2以上に設定した場合、空気CAが噴射チューブ20に
当たって流速低下が生じるとともに、噴射チューブ20
の出口20bから流出した液体燃料MFに空気CAが十
分当たらなくなる。そのため、何れの場合にも液体燃料
MFを霧化させる効果が小さくなる。
17の内壁面17dに衝突することのない第2噴射角度
βに制限されて予混合室17内に噴射される。しかも、
噴射チューブ20の内壁面に衝突した液滴によって形成
された液膜が、噴射チューブ20の出口20bを出た時
点で高速旋回流の空気CAによって微粒化される。した
がって、予混合室17内に流入した液体燃料MFは、そ
の全てが確実に蒸発して空気CAと混合し、NOX の低
減に適した所定の空燃比の予混合気となって燃焼室Cに
送られ、拡散燃焼領域S1の燃焼炎によって燃焼し、拡
散燃焼領域S1の外側から下流側にかけて拡がる希薄予
混合燃焼領域S2を形成する。したがって、この燃焼器
2はNOX を効果的に低減することができる。
て、噴射チューブ20の出口20bの左右の内周縁と予
混合室17の出口17bの左右の内周縁とを結ぶ2つの
直線L1,L2がなす角度以下であれば、予混合室17
の内壁面17dに液体燃料MFが付着するおそれがなく
なる。ただし、前記角度を若干越えてもよく、その場
合、液体燃料MFは内壁面17dにわすかに接触するだ
けなので、内壁面17d上での液膜の形成を抑制でき
る。
燃料焚き低NOX 燃焼器2Aの要部を示す縦断面図であ
り、同図において、図2と同一若しくは相当するものに
は同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。この燃
焼器2Aでは、予混合室17が、上端部に空気流入口1
7aを有する直管形状になっており、その空気流入口1
7aが内筒10の上方の空気導入口22に対向するよう
に、上端部が内筒10の径方向外方に向けて傾斜してい
る。前記空気流入口17aには、第1実施形態のラジア
ル・スワーラ18に代えて、軸流スワーラ23が設けら
れている。
19を構成する噴射チューブ24は、予混合室17に対
しこれの空気流に対して小さな交差角度で液体燃料MF
を噴射できる相対位置に配置して設けられている。噴射
チューブ24の入口24aと燃料噴射弁21との間に隙
間27が設けられているのは、第1実施形態と同様であ
るが、軸流スワーラ23の通路幅Wに対し、第1実施形
態と同様の突出量dに設定して予混合室17内に突出さ
れた噴射チューブ24の出口24bは、予混合室17内
の空気流との交差角度が小さくなるように斜めにカット
された形状になっている。前記突出量dは、出口24b
の最大突出量である。
したのと同様の効果を得られるのに加えて、燃料噴射弁
21から噴射されて噴射チューブ24を通過したのちに
予混合室17内に流入した液体燃料MFは、軸流スワー
ラ23を通過して旋回流を付与された空気CAによって
加速されることにより、一層迅速に微粒化されて、燃焼
室C内に噴霧されることになる。
噴射弁21および噴射チューブ20,24からなる燃料
噴射装置19が、図4の従来のメインチューブ54より
も数多く設けられている。これにより、各燃料噴射弁2
1は、個々に分担する液体燃料MFの噴射流量が少なく
なるので、液体燃料MFをより一層微粒化して噴射する
ことができ、従来のメインチューブ54のように比較的
粒の大きな液滴を噴出することが殆ど無くなる。液体燃
料MFは、小さく微粒化されて予混合室17内に噴射さ
れることにより、短時間で蒸発して空気CAと十分混合
するので、一層好ましい空燃比の予混合気とすることが
できる。
ンジン用の液体燃料焚き低NOX 燃焼器によれば、予混
合室内に流入した液体燃料は、その全てが確実に蒸発し
た状態で空気と混合し、NOX の低減に適した所要の空
燃比の予混合気となって燃焼室に送られるから、NOX
を効果的に低減することができる。
れるガスタージンエンジンを示した概略構成図である。
OX 燃焼器の要部を示す縦断面図である。
OX 燃焼器の要部を示す縦断面図である。
ある。
面、19…燃料噴射装置、20,24…噴射チューブ、
20a,24a…噴射チューブの入口、20b,24b
…噴射チューブの出口、21…燃料噴射弁、27…隙
間、CA…燃焼用空気、G…燃焼ガス、MF…液体燃
料、S1,S2…燃焼領域。
Claims (2)
- 【請求項1】 液体燃料を噴射する燃料噴射装置と、 燃焼領域の上流側に形成されて、前記燃料噴射装置から
噴射された液体燃料と燃焼用空気とを混合させて予混合
気を作る予混合室とを備え、 前記燃料噴射装置が、前記予混合室内に出口を持つ噴射
チューブと、この噴射チューブ内にその入口から前記液
体燃料を噴射する燃料噴射弁とを有し、 前記噴射チューブの入口と前記燃料噴射弁との間に前記
噴射チューブ内に空気を流入させる隙間が形成されてい
る液体燃料焚き低NOX 燃焼器。 - 【請求項2】 請求項1において、前記噴射チューブの
出口は、前記予混合室内に突出している液体燃料焚き低
NOX 燃焼器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001058128A JP3712947B2 (ja) | 2001-03-02 | 2001-03-02 | ガスタービンエンジン用の液体燃料焚き低nox燃焼器 |
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