JP2002253332A - 皮膚試験用ボード及び染毛セット製品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 染毛セット製品の生産ラインの安定性の向上
を容易に図ることができると共に、ボード部材を効率的
に使用してコストダウンを容易に図ることのできる皮膚
試験用ボードを提供する。 【解決手段】 染毛用の液剤を収容したボトル容器１
０，１１及びボトル容器１１に装着される塗布具１２と
共に箱詰めされる皮膚試験用ボード１３において、この
皮膚試験用ボード１３は、一枚のボード部材を加工して
形成されており、染毛剤の試験液をつくる受皿部１６を
有する試験部１７と、切断案内部１８を介して試験部１
７と分離可能に区画される塗布具係止部１９とからな
る。塗布具係止部１９は、ボード部材に切り込み２０を
入れることにより形成された塗布具係止片２１と、この
塗布具係止片２１に係止された塗布具１２によって覆わ
れない部位に表示された塗布具装着時の注意書き表示部
２２とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚試験用ボード
及び染毛セット製品に関し、特にパッチテスト用の染毛
剤の試験液をつくる受皿部を有する皮膚試験用ボード及
び該皮膚試験用ボードを備える染毛セット製品に関す
る。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ヘアカ
ラー等の染毛剤は、ヘアスタイルの表現を豊かにするた
めに髪の毛を染めたり、白髪を目立たなくするために用
いられ、各種の製品が開発されている。このような染毛
剤のうち、特に酸化染毛剤は、二つの液剤を混合してか
ら髪に塗布されるものが主流であり、また、染毛剤を使
用する前に、パッチテストを行うことが義務つけられて
いる。パッチテストは、染毛剤のある種の成分が原因と
なってアレルギーを起こす場合があるので、その危険性
を回避するために行われるものである。また、パッチテ
ストは、製品化された染毛セットにおいて、染毛用の液
剤を収容したボトル容器及びこのボトル容器に装着され
る塗布具と共に箱詰めされている皮膚試験用ボードを用
いて行われる。

【０００３】従来の染毛セット製品は、例えば図６
（ａ）に示すように、染毛用の第１液剤を収容した第１
ボトル容器５０と、第２液剤を収容した第２ボトル容器
５１と、第２ボトル容器５１に装着される塗布具５２
や、綿棒、ビニール手袋、使用説明書等と共に皮膚試験
用ボード５３を包み込んだ包装体５４とを、直方体形状
の箱５５に箱詰めしてなるものである。また、塗布具５
２には、第１液剤と第２液剤とを第２ボトル容器５１に
おいて混合する前に塗布具５２を第２ボトル容器５１に
装着すると、第１液剤と第２液剤とを混合するべく第２
ボトル容器５１を激しく振った際に、混合された染毛剤
が塗布具５２から吐出して周囲を汚すことになるため、
このような誤動作を防止するための例えば「液を混合し
たあとクシ部をつけてください。」と表示した注意表示
ラベル５６が取り付けられている。

【０００４】上記従来の染毛セット製品によれば、塗布
具５２は、包装体５４の内部において固定されることな
く遊んだ状態となっているため、包装体５４をボトル容
器５０，５１と共に箱詰めする生産ラインにおいて、図
６（ｂ）に示すように、包装体５４の内部における塗布
具５２の位置がずれた場合にボトル容器５０，５１との
納まりが悪くなって箱５５からはみ出しやすくなり、生
産ラインの安定性を確保することが困難になる。また、
従来の皮膚試験用ボード５３は、包装体５４からの取り
出し易さや取り扱い易さ等を鑑みて、包装体５４に収容
しやすい相当の大きさを有している一方で、パッチテス
トのための染毛剤の試験液をつくる作業に供していない
部分が多く、当該皮膚試験用ボード５３を構成するボー
ド部材が効率的に用いられていなかった。

【０００５】本発明は、染毛セット製品の生産ラインの
安定性の向上を容易に図ることができると共に、ボード
部材を効率的に使用してコストダウンを容易に図ること
のできる皮膚試験用ボード及び該皮膚試験用ボードを備
えた染毛セット製品の提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、染毛用の液剤
を収容したボトル容器及び該ボトル容器に装着される塗
布具と共に箱詰めされる皮膚試験用ボードであって、該
皮膚試験用ボードは、染毛剤の試験液をつくる受皿部を
有する試験部と、切断案内部を介して該試験部と分離可
能に区画される塗布具係止部とからなり、該塗布具係止
部は、ボード部材に切り込みを入れることにより形成さ
れた塗布具係止片を備える皮膚試験用ボードを提供する
ことにより、上記目的を達成したものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態によれ
ば、染毛セット製品は、図１に示すように、染毛用の第
１液剤を収容した第１ボトル容器１０と、第２液剤を収
容した第２ボトル容器１１と、第１ボトル容器１０に装
着される塗布具１２や、綿棒、ビニール手袋、使用説明
書等と共に皮膚試験用ボード１３を包み込んだ包装体１
４とを、直方体形状の箱１５に箱詰めしてなるものであ
る。

【０００８】そして、本実施形態の皮膚試験用ボード１
３は、一枚のボード部材を加工して形成されており、染
毛剤の試験液をつくる受皿部１６を有する試験部１７
と、切断案内部１８を介してこの試験部１７と分離可能
に区画される塗布具係止部１９とからなる。また塗布具
係止部１９は、ボード部材に所定形状の切り込み２０を
入れることにより形成された塗布具係止片２１と、この
塗布具係止片２１に係止された塗布具１２によって覆わ
れない部位に表示された、塗布具１２を第２ボトル容器
１０に装着する時の注意書き表示部２２とを備えてい
る。

【０００９】第１ボトル容器１０は、合成樹脂製の容器
であって、第２ボトル容器１１内の第２液剤に加えられ
て当該第２液剤と混合されることにより染毛剤を形成す
る第１液剤を収容するものである。この第１ボトル容器
１０には、第１液剤が略満たされた状態で収容されると
共に、口頸部に装着された着脱可能なキャップ２３を取
り外して、内部の第１液剤を容易に取り出すことができ
る。

【００１０】第２ボトル容器１１は、合成樹脂製の容器
であって、手で把持しやすい形状を有すると共に、手で
胴部を押圧することにより押しつぶされるようにして容
易に変形することが可能な可撓性をする。この第２ボト
ル容器１１には、染毛用の第２液剤が略半分程度満たさ
れた状態で収容されており、これの余った部分に第１液
剤が加えられて、第２液剤が当該第１液剤と混合される
ことにより染毛剤が形成される。また第２ボトル容器１
１の口頸部には、キャップ２４が着脱可能に螺合装着さ
れている。キャップ２４を取り外して第１ボトル容器１
０から第１液剤を注入し、しかる後にキャップ２４を装
着し直し、第２ボトル容器１１を振って第１液剤と第２
液剤とを良く混ぜ合わせることにより、染毛剤が容易に
形成される。染毛剤を混合形成したら、キャップ２４を
取り外して第２ボトル容器１１の口頸部に塗布具１２を
装着することによって、図２に示すような、第２ボトル
容器１１と塗布具１２とが一体となった染毛用具２５が
得られ、この染毛用具２５を用いて染毛作業が行われ
る。

【００１１】塗布具１２は、合成樹脂製の成形品であっ
て、図３及び図４にも示すように、第２ボトル容器１１
の口頸部に螺合装着される雌ネジを内周面に備える装着
部２６と、この装着部２６に接合一体化されたクシ部２
７とからなる。装着部２６のクシ部２７との接合部分に
は、クシ部２７の染毛剤流通路２９（図２参照）と連通
する装着部流出口が開口形成されていて、第２ボトル容
器１１の胴部を押圧した際に、内部の染毛剤をこの装着
部流出口を介して染毛剤流通路２９に押し出し、クシ部
２７のクシ歯２８に供給して当該クシ歯２８から吐出さ
せることができるようになっている。また、この装着部
流出口には、逆流防止用の弁部材が取り付けられおり、
胴部への押圧状態を解除した際に押し出した染毛剤が第
２ボトル容器１１へ逆流するのを防止できるようになっ
ている。この塗布具１２は、使用前の状態では、皮膚試
験用ボード１３に係止された状態で、第１ボトル容器１
０及び第２ボトル容器１１と共に箱１５に箱詰めされ
る。

【００１２】皮膚試験用ボード１３は、紙製或いは合成
樹脂製の薄板状のボード部材を切断加工等して形成され
たもので、例えば巾７ｃｍ程度、長さ１２ｃｍ程度の大
きさを有し、上述のように、切断案内部１８を介して分
離可能に区画された試験部１７と塗布具係止部１９とか
らなる（図３，図４参照）。

【００１３】試験部１７は、長さ７ｃｍ程度の部分であ
って、中央に直径３ｃｍ程度の円形表示がなされると共
に、この部分がプレスされて僅かにくぼんだ受皿部１６
となっている。この受皿部１６において、綿棒等により
第１ボトル容器１０、第２ボトル容器１１から各々取り
出した第１液剤と第２液剤とをかき混ぜて、染毛剤の皮
膚試験用の混合試験液がつくられる。この混合試験液
を、例えば腕の内側に塗って４８時間程度放置すること
により、パッチテスト（皮膚試験）が行われる。なお、
受皿部１６の周囲の余白部分には、例えばパッチテスト
を行う際の説明や注意書きが表示されている。

【００１４】塗布具係止部１９は、残りの長さ５ｃｍ程
度の部分であって、その一方に片寄った部分には、図３
に示すような形状の切り込み２０が切り込まれて、略前
方後円形状の塗布具係止片２１が形成されている。本実
施形態によれば、塗布具係止片２１の円形部分は閉塞片
３０を構成している。この閉塞片３０は、当該塗布具係
止片２１に塗布具１２の装着部２６が係止される際に、
基端の方形部分に対して略垂直に折り曲げられ、装着部
２６に押し込まれて、塗布具１２の装着部流出口を内側
から覆うことができるようになっている。

【００１５】また、塗布具係止部１９の他方に片寄った
部分には、塗布具１２の第２ボトル容器１１への装着時
の注意書き表示部２２が設けられており、この注意書き
表示部２２には、誤動作を防止するための例えば「液を
混合したあとクシ部をつけてください。」との注意書き
が容易に目に入る態様で表示されている。この注意書き
表示部２２は、塗布具係止片２１が設けられている部分
とは異なる他方に片寄った部分に設けられていることに
より、塗布具係止片２１に塗布具１２が係止された状態
において当該塗布具１２によって注意書き表示部２２が
覆い隠されることがなく、表示された注意書きを塗布具
１２の装着時に容易かつ確実に視認することが可能にな
る。

【００１６】切断案内部１８は、パッチテストを行う際
に区画された試験部１７を塗布具係止部１９から分離す
ることを容易にする部分であって、ミシン目等によって
構成されている。また、切断案内部１８の一方に端部に
は、皮膚試験用ボード１３の縁部から三角形状に切り込
まれた、分離開始切り込み３１が設けられており、この
切り込み３１から分離を開始して、装着部２６を塗布具
係止部１９からスムースに切り離すことができるように
なっている。

【００１７】本実施形態によれば、染毛セット製品の生
産ラインにおいて、第１ボトル容器１０と、第２ボトル
容器１１と、皮膚試験用ボード１３に係止された塗布具
１２や、綿棒、ビニール手袋、使用説明書等を包み込ん
だ包装体１４とを、直方体形状の箱１５に箱詰する（図
１参照）。ここで、皮膚試験用ボード１３は、包装体１
４及び箱１５に収容しやすい適度な大きさの矩形形状を
有していると共に、塗布具１２は皮膚試験用ボード１３
に係止されて包装体１４の内部において位置ずれするこ
となく位置決めされた状態で収容されているので、図５
に示すように、第１ボトル容器１０及び第２ボトル容器
１１と共に包装体１４を箱１５に箱詰する際の納まり状
態が一定となるように保持することができ、これによっ
て、生産ラインの安定性の向上を容易に図ることができ
る。

【００１８】また、本実施形態によれば、染毛セット製
品を使用する際に、髪の毛の染毛作業を行うのに先立っ
て、塗布具１２が係止された皮膚試験用ボード１３を包
装体１４から取り出し、パッチテストを行う。すなわ
ち、皮膚試験用ボード１３の試験部１７を、塗布具１２
が係止されたままの塗布具係止部１９から分離し、受皿
部１６において染毛剤の混合試験液をつくって、パッチ
テストを行う。

【００１９】パッチテストの後、髪の毛の染毛作業を行
うべく、第１ボトル容器１０の第１液剤を第２ボトル容
器１１に注入し、第２ボトル容器１１を振って第２液剤
とかき混ぜることにより、染毛剤をつくる作業を行う。
かかる混合作業は、第２ボトル容器１１のキャップ２４
を取り外して第１液剤を注入した後、塗布具１２を装着
することなく再びキャップ２４を装着して行う必要があ
る。本実施形態によれば、塗布具１２は、これの装着時
の注意書きが表示された塗布具係止部１９に係止された
ままの状態になっており、この注意書き表示部２２を認
識することによって、染毛剤を混合形成する前に塗布具
１２を第２ボトル容器１１に装着するという誤った動作
を、効果的に回避することができる。また、本実施形態
によれば、塗布具係止部１９へ係止された塗布具１２
は、その装着部流出口が装着部２６に押し込まれた塗布
具係止片２１の閉塞片３０によって閉塞されているの
で、この閉塞片３０を取り外そうとしつつ、さらに確実
に注意書き表示部２２を認識することができ、これによ
って塗布具１２の装着時の誤動作をより効果的に回避す
ることができる。

【００２０】したがって、本実施形態によれば、試験部
１７と、切断案内部１８を介して試験部１７と分離可能
に区画された塗布具係止部１９とからな皮膚試験用ボー
ド１３を用いることにより、染毛セット製品の生産ライ
ンの安定性の向上を容易に図ることができると共に、当
該皮膚試験用ボード１３に、染毛剤の混合試験液をつく
る機能と、塗布具１２を係止する機能と、塗布具１２の
装着時に誤動作を防止する機能とを併せ持たせることに
より、ボード部材を効率的に使用してコストダウンを容
易に図ることができる。

【００２１】そして、染毛剤を混合形成したら、第２ボ
トル容器１１に塗布具１２を装着することにより、図２
に示すような第２ボトル容器１１と塗布具１２とが一体
となった染毛用具２５を得ることができ、この染毛用具
２５を用いて染毛作業を容易に行うことが可能になる。

【００２２】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことなく種々の変更が可能である。例えば、塗布具係止
部の塗布具係止片は閉塞片を備えている必要は必ずしも
なく、皮膚試験用ボードは、２本のボトル容器と共に箱
詰めされるものである必要は必ずしもない。また、パッ
チテスト用の混合試験液は、１又は３本以上のボトル容
器に収容された１種又は３種以上の液剤を受皿部におい
て混合して得られるものであっても良い。

【００２３】

【発明の効果】本発明の皮膚試験用ボード及び該皮膚試
験用ボードを備えた染毛セット製品によれば、染毛セッ
ト製品の生産ラインの安定性の向上を容易に図ることが
できると共に、ボード部材を効率的に使用してコストダ
ウンを容易に図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る染毛セット製品の説
明図である。

【図２】本発明の一実施形態に係る染毛セット製品によ
り得られる染毛用具の一部破断側面図である。

【図３】皮膚試験用ボードに塗布具を係止する状況を示
す平面図である。

【図４】皮膚試験用ボードの試験部を切り離す状況を示
す平面図である。

【図５】染毛セット製品の納まり状況を説明する横断面
図である。

【図６】（ａ）は、従来の染毛セット製品の説明図、
（ｂ）は、従来の染毛セット製品の納まり状況を説明す
る横断面図である。

【符号の説明】

１０ 第１ボトル容器 １１ 第２ボトル容器 １２ 塗布具 １３ 皮膚試験用ボード １４ 包装体 １５ 箱 １６ 受皿部 １７ 試験部 １８ 切断案内部 １９ 塗布具係止部 ２０ 切り込み ２１ 塗布具係止片 ２２ 注意書き表示部 ２６ 装着部 ２７ クシ部 ３０ 閉塞片

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 染毛用の液剤を収容したボトル容器及び
   該ボトル容器に装着される塗布具と共に箱詰めされる皮
   膚試験用ボードであって、 該皮膚試験用ボードは、染毛剤の試験液をつくる受皿部
   を有する試験部と、切断案内部を介して該試験部と分離
   可能に区画される塗布具係止部とからなり、 該塗布具係止部は、ボード部材に切り込みを入れること
   により形成された塗布具係止片を備える皮膚試験用ボー
   ド。
2. 【請求項２】 前記塗布具係止片は、前記塗布具を係止
   した際に前記塗布具の装着部流出口を内側から覆う閉塞
   片を備える請求項１記載の皮膚試験用ボード。
3. 【請求項３】 前記塗布具係止片に係止された塗布具に
   よって覆われない部位に表示された塗布具装着時の注意
   書き表示部を備える請求項１又は２に記載の皮膚試験用
   ボード。
4. 【請求項４】 複数の前記ボトル容器と共に箱詰めさ
   れ、前記受皿部において各ボトル容器に収容された複数
   の液剤を混合して前記染毛剤の試験液がつくられる請求
   項１〜３のいずれかに記載の皮膚試験用ボード。
5. 【請求項５】 請求項１〜４のいずれかに記載の皮膚試
   験用ボードと、染毛用の液剤を収容した１又は２以上の
   ボトル容器と、前記皮膚試験用ボードに係止された前記
   ボトル容器に装着される塗布具とを箱に箱詰めしてなる
   染毛セット製品。