JP2002253194A - 灰 皿 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】乾式で自動消火できて煙を外部に漏らさない簡
単な構造の灰皿技術を提供する。 【構成】外筒１の上板２に設けたタバコ投入口３から投
入されたタバコ１００を内筒４に収納する灰皿５におい
て、前記内筒に収納されたタバコから立ち上る煙が前記
タバコ投入口から漏れ出ることを抑制する整流板６を前
記タバコ投入口下方に備えることと前記タバコ投入口の
間口下面が前記上板から垂れ下がる位置にあることを特
徴とする灰皿。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する分野】本発明は、灰皿に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、灰皿は各種発明されている。消火
液を使用した例では特開２０００−１８９１４２、特開
２０００−１３９４３８が提案されている。しかし、タ
バコが濡れるのでその後始末が大変でかつ濡れたタバコ
の臭いがする。乾式の例では特開２０００−９３１５４
においてアルコールランプで完全燃焼させるというアイ
ディアも提案されている。この場合にはアルコールラン
プを燃焼させることで火事になる懸念があるし灰皿のた
めにわざわざランプを使用するという手間がかかる。灰
皿に空気清浄器を組合せた例として特開２０００−２３
６８６６の例がある。空気清浄器が取りつけられている
分だけスペースを消費するし、電気代がランニングコス
トとしてかかる。特開２０００−１８９１３９では吸殻
溜めにシャッターと取りつけてこのシャッターのレバー
を操作することで酸欠消火させるアイディアが提案され
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】特開２０００−１８９
１３９のアイディアではレバーを操作することで乾式で
煙を外部に発生させずに消火できるのでその点では優れ
たアイディアと言える。しかしながら、このアイディア
では各人がレバーを操作しなければならない。もしもし
ない場合には吸殻溜めから煙が立ち上ることになる。本
発明ではこのようなレバー操作を各人に強いることな
く、かつ、消化液や空気清浄器を使用しない灰皿で煙を
外部にもらさずに簡単な構造で自動消火するという技術
が存在しないという問題を解決する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の灰皿は、第一
に、外筒１の上板２に設けたタバコ投入口３から投入さ
れたタバコ１００を内筒４に収納する灰皿５である特徴
に加えて前記内筒に収納されたタバコから立ち上る煙が
前記タバコ投入口から漏れ出ることを抑制する整流板６
を前記タバコ投入口下方に備えることと前記タバコ投入
口の間口下面が前記上板から垂れ下がる位置にあること
を、第二に、第一の特徴に加えて前記整流板がその上面
を突起させた円錐形状であることを、第三に、第一また
は第二の特徴に加えて前記タバコ投入口と前記整流板と
の隙間が１０ｍｍ以上２０ｍｍ以下であることを、第四
に、第一から第三のいずれかの特徴に加えて前記内筒の
少なくともその側面の全面またはその一部が多孔板であ
ることを、第五に、第四の特徴に加えて前記内筒の底面
および側面の下方部分５０％の高さまでが少なくとも無
孔板であることを、第六に、第四または第５の特徴に加
えて前記多孔板の孔径がタバコの直径未満の直径である
ことを、第七に、第一から第六のいずれかの特徴に加え
て、前記外筒が前記タバコ投入口以外気密性を保つこと
を特徴とする。

【０００５】

【作用】本発明の灰皿において、外筒１の上板２に設け
たタバコ投入口３から投入されたタバコ１００を内筒４
に収納する灰皿５である特徴に加えて前記内筒に収納さ
れたタバコから立ち上る煙が前記タバコ投入口から漏れ
出ることを抑制する整流板６を前記タバコ投入口下方に
備えることと前記タバコ投入口の間口下面が前記上板か
ら垂れ下がる位置にあることを特徴とする場合には、灰
皿上板に設けられたタバコ投入口に向けてタバコが投げ
入れられるとそのタバコは前記整流板近傍を通過して内
筒内に落下していく。前記整流板はタバコが内筒に落下
することを妨げないように傾斜を持たせてある。傾斜を
持たせることでタバコが整流板に当たってもそこでとど
まらずに内筒まで落下する。タバコ投入口と整流板との
間の隙間はタバコが通過するに十分な距離を確保してあ
る。灰皿に投げ入れられるタバコはいろいろな形状をし
ている。吸い始めてすぐに灰皿に投げ入れる場合にはタ
バコの元の長さがほぼそのままの状態で前記隙間を通過
しなければならない。タバコ投入口近傍や整流板の表面
がざらざらしていて摩擦が大きい場合にはタバコの長手
方向が前記隙間にまたがって落下しない懸念が生じるの
で摩擦が大きい場合には長手方向がまたがる姿勢になっ
ても落下するように隙間をタバコの全長よりも長く確保
しておく。前記表面がステンレスの研磨面のように摩擦
を低くしてある場合や整流板表面の傾斜を大きくしてあ
る場合またはその両方を兼ね備えている場合にはたとえ
タバコが長手方向にまたがっている場合でも姿勢を崩し
て落下できるのでタバコの直径以上の適切な距離に隙間
を確保しておけば十分である。上記適切な距離とは、例
えば整流板が上に凸の円錐形でタバコ投入口が円形開口
の場合にはタバコの最大長（新品の状態）が水平方向を
向いた際に隙間が通過できることを指す。タバコは棒状
で前記開口が円形であるので隙間がタバコの直径と同じ
ではタバコが挟まって落下しない場合があるので「適
切」な距離を確保する必要がある。吸いかけのタバコの
形状としては折れ曲がった形状もある。もみ消した際に
Ｌ字に折れ曲がるのである。このタバコも通過するよう
に隙間を確保する。さらには、タバコの吸い口に小型の
カートリッジが取り付けられたまま投げ入れられること
も想定しておかなければならない。タバコの有害成分を
除去するためのフィルタが取りつけられたまま投げ入れ
られるとタバコの径がその分大きくなるし長さも長くな
る。一方、内筒に落下したタバコから発生する煙がタバ
コ投入口から漏れ出ないように整流板とタバコ投入口の
寸法と位置関係およびタバコ投入口の垂れ下がり具合が
配慮されている。タバコ投入口が狭く、この投入口を塞
ぐ位置で整流板の大きさを大きく確保しておくことで煙
が投入口から漏れ出ることが抑制できる。この場合に投
入口と整流板との距離が近ければそれだけ抑制効果が上
がる。タバコ投入口の垂れ下がり位置が低ければ内筒に
あるタバコから立ち上がる煙の大半が投入口以外の上板
内面に向かうのでその分もともと前期投入口に向かう煙
の量が減り、この分流効果で漏れ出る煙が抑制できる。
煙が漏れ出ることの抑制と前述したタバコを滑らかに円
筒に落下させることの両方を満足するように各種形状、
距離、表面特性を設計させることで両方が満足する。第
一の特徴に加えて前記整流板がその上面を突起させた円
錐形状である第二の特徴を備える場合には、前記両方の
満足を比較的達成しやすい。円錐形であることで整流板
に当たったタバコはその斜面を滑らかに落下できる。円
錐形の傾斜が大きいほどその効果がある。頂角（半角）
が４５度以下がよい。３０度にすると折れ曲がって摩擦
が増えたタバコでも全て落下することを確認した。円錐
形の底板がある場合と無い場合について説明をする。底
板がある場合には形状にくぼみ形状がないので汚れが付
き難く汚れが付いた場合にも清掃が楽である。外筒内部
の気流の制御も単純で設計がしやすい。一方、底板が無
い場合には円錐の内側までタバコの煙が立ち上がる。煙
はこの円錐の内側で乱気流となり渦巻いて滞留する。こ
の滞留期間に煙が減少または落下するので漏れ出にくく
なる。第一または第二の特徴に加えて前記タバコ投入口
と前記整流板との隙間が１０ｍｍ以上２０ｍｍ以下であ
る第三の特徴を備える場合には、タバコが落下すること
と煙が漏れ出ることの抑制の両方の条件を満たすことが
できる。第一から第三のいずれかの特徴に加えて前記内
筒の少なくともその側面の全面またはその一部が多孔板
である第四の特徴を備える場合には、多孔板で囲まれる
ことで内筒内部のタバコはこぼれおちることなく溜めら
れることと、外筒内部での対流を維持することの両方を
満たすことができる。気体や煙の流れは多孔板の孔を通
過して自由に生じる。対流することで内筒で発生した煙
は上板の内面最上部や整流板内面に一度立ち上がってそ
の後に冷えた気体または冷えた煙として内筒と外筒との
間の隙間を下りてくる。下りてきた気体等は多孔板の孔
を通過して円筒内部に循環してここで再び温められて立
ち上がる。この対流を継続する上で多孔板（パンチング
メタル等）が機能している。第四の特徴に加えて前記内
筒の底面および側面の下方部分５０％の高さまでが少な
くとも無孔板である第五の特徴を備える場合には円筒内
部に溜まるタバコの灰を外筒にこぼさずに円筒内に確保
できる。上方部分が多孔板になっていることで上記した
対流も継続できる。第四または第５の特徴に加えて前記
多孔板の孔径がタバコの直径未満の直径である第六の特
徴を備える場合には、円筒内部のタバコの姿勢に関わら
ずタバコが円筒内からこぼれることを防げる。第一から
第六のいずれかの特徴に加えて、前記外筒が前記タバコ
投入口以外気密性を保つ第七の特徴を備える場合には灰
皿内部で発生した煙が無用に外部に漏れることが防げ
る。

【０００６】

【実施例】本発明第一の実施例を図１から図３を用いて
説明する。図１を用いてまず説明する。デパートや駅の
ホームといった公共の場所での喫煙コーナーに設置する
灰皿５の例である。外筒１の高さは８００ｍｍである。
外筒は略円筒形状でその直径は３００ｍｍである。上板
２は上方から眺めるとドーナッツ状にくり貫かれてい
る。くり貫かれた内径は２００ｍｍである。この上板は
すり鉢状に中心に向かって傾斜がついている。この傾斜
は水平から下方に１０度である。ドーナッツ状の内辺部
分は垂直に垂れ下がっていてその長さは１００ｍｍであ
る。外筒の材質はこの上板も含めて全てステンレス製で
板厚は６ｍｍである。前記上板傾斜部分はタバコの火を
消すためにタバコを押しつけるために使用される。タバ
コ１００は図に描くようにタバコ投入口３に投げ入れら
れる。外筒内部には直径２００ｍｍで高さ５００ｍｍの
円筒容器である内筒４が配置されている。この円筒には
上板が無い。側面と底面にはパンチングメタルが使用さ
れている。ステンレス製２ｍｍの板を使用しており、孔
径は５ｍｍで孔ピッチは１０ｍｍである。この円筒にタ
バコ１００が溜められる。整流板はステンレス製２ｍｍ
の板で作られている。底辺の直径は２４ｍｍである。高
さは１５ｍｍである。表面はミラー研磨してあるのでタ
バコが当たっても滑りやすい。整流板の頂点はタバコ投
入口下辺よりも５ｍｍ上方に位置させておく。この寸法
と位置関係によってタバコの吸殻が全て速やかに内筒に
落下してかつ内筒内部の煙は外筒内部で対流して漏れ出
て来難いことを実験で確認できている。内筒は足７によ
ってその底面を５０ｍｍ程度高くしてある。このことで
対流を滑らかにしている。

【０００７】図２において投入されたタバコ１００は底
面の無い円錐形状の整流板６付近を通過して内筒４の底
に蓄積される。きちんと消されていないタバコからは煙
が立ち上がる。この煙は温かいので上方に立ち上がり上
板のドーナツ状部分に主に滞留する。一部は円錐形の内
側にも立ち上がる。滞留しているうちに煙は冷却されて
主に外筒と内筒との間の隙間を通って下方に落ちてい
く。この気体と煙の流れは対流１０１であり、矢印線で
その様子を模式的に描いた。対流はパンチングメタルを
通過して自由にうねっている。

【０００８】図３はタバコの吸殻がだいぶ内筒に溜まっ
た状態を描いている。タバコ１００から発生した煙は整
流板６やドーナッツ状部分に向けて立ちあがり対流とな
って循環しながら消滅していく。物が燃えると酸素を消
費して二酸化炭素等の不燃気体が充満していくことにな
る。すると図３に描くように低酸素領域１０２が底部か
ら次第に溜まってタバコを消火してしまう。外筒を上記
タバコ投入口以外気密性にしておくことで自己消火機能
が向上する。水を使用しない乾燥状態なので汚れがこび
りついたり水と混ざって悪臭がすることが防げる上に低
酸素領域を発生させて自己消火できることが本実施例の
特徴である。

【０００９】図４は本発明の第２の実施例である。図２
との共通点については説明を省略する。図４では整流板
の位置が低い。整流板の形状も異なる。この例では整流
板の底面直径は２２ｍｍで頂点の高さは１１ｍｍであ
る。頂点の位置はタバコ投入口３よりも５ｍｍ低く配置
している。このことでタバコの落下経路が広く確保でき
る。さらに整流板の位置が低く内筒の内部に入りこんで
いることで整流板に当たって跳ね返ったタバコが内筒に
全て入る。

【００１０】図５は第３の実施例である。内筒の下５０
％の位置までが底板も含めて孔が空いていない内筒４を
備えている例である。タバコの灰もこぼさずに内筒に溜
めることができる。対流１０２は内筒の上５０％の位置
で図に描いた通りに確保できている。

【００１１】図６は第４の実施例である。図４で示した
第２の実施例と類似しているが整流板６の形状が異なる
ことが特徴である。底面の形状が同じ２つの円錐形の底
面を合わせた形状である。図に描くように対流１０１が
下向きにとがった円錐形の面にそって円滑に整流されて
容器底部に導かれる。整流板に凹んだ部分がないので整
流板が汚れにくいという利点も兼ね備えている。上向き
と下向きの２つの円錐形の互いの高さの関係は同じ場合
もあるしどちらかが高い場合もある。同じ場合には取り
付けの際に上下をどちらに取り付けてもよいのでやり直
しの手間が掛からない上に、前回まで上向きに設置して
いた円錐がタバコとの接触で汚れた場合の応急処置とし
て上下を反対にとりつけることも可能である。上向き円
錐が高い場合にはその分タバコの落下傾斜がきつくなっ
て落下が円滑になることと下向きの円錐が扁平であるこ
とで対流がより外側に向く。

【００１２】

【発明の効果】本発明の灰皿を用いると消火のための水
を使用しなくて済む。このことで清掃が楽になり、タバ
コが濡れたことで発生する嫌なにおいも解消できる。水
を用いない乾式であるにもかかわらず煙を外部に漏らさ
ない。気密性に優れているので煙を内部で対流させてい
るうちに自己消火してしまう。自然に火が消えるので火
災の懸念も少ない。本発明は上記優れた特徴に加えてタ
バコを投げれる動作が非常に簡素である。投入口に投げ
入れるだけでよいので公共の場でマナーが多少期待でき
ない場面でも確実に灰皿内部にタバコを取り込むことが
できる。上記様々な効果を単純な構造で実現できるので
丈夫でかつ低コストで製造・設置できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本発明第１の実施例の斜視図である。

【図２】は本発明第１の実施例における第一の状態の断
面図である。

【図３】は本発明第１の実施例における第二の状態の断
面図である。

【図４】は本発明の第２の実施例を示す断面図である。

【図５】は本発明の第３の実施例を示す断面図である。

【図６】は本発明の第４の実施例を示す断面図である。

【符号】

１は外筒、２は上板、３はタバコ投入口、４は内筒、５
は灰皿、６は整流板、７は足、１００はタバコ、１０１
は対流、１０２は低酸素領域である。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外筒１の上板２に設けたタバコ投入口３か
   ら投入されたタバコ１００を内筒４に収納する灰皿５に
   おいて、前記内筒に収納されたタバコから立ち上る煙が
   前記タバコ投入口から漏れ出ることを抑制する整流板６
   を前記タバコ投入口下方に備えることと前記タバコ投入
   口の間口下面が前記上板から垂れ下がる位置にあること
   を特徴とする灰皿。
2. 【請求項２】請求項１の灰皿において、前記整流板がそ
   の上面を突起させた円錐形状であることを特徴とする灰
   皿。
3. 【請求項３】請求項１または２の灰皿において、前記タ
   バコ投入口と前記整流板との隙間が１０ｍｍ以上２０ｍ
   ｍ以下であることを特徴とする灰皿。
4. 【請求項４】請求項１から３のいずれかの灰皿におい
   て、前記内筒の少なくともその側面の全面またはその一
   部が多孔板であることを特徴とする灰皿。
5. 【請求項５】請求項４の灰皿において、前記内筒の底面
   および側面の下方部分５０％の高さまでが少なくとも無
   孔板であることを特徴とする灰皿。
6. 【請求項６】請求項４または５の灰皿において、前記多
   孔板の孔径がタバコの直径未満の直径であることを特徴
   とする灰皿。
7. 【請求項７】請求項１から６のいずれかの灰皿におい
   て、前記外筒が前記タバコ投入口以外気密性を保つこと
   を特徴とする灰皿。