JP2002253112A - 貝殻の処理法 - Google Patents

貝殻の処理法

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JP2002253112A
JP2002253112A JP2001051850A JP2001051850A JP2002253112A JP 2002253112 A JP2002253112 A JP 2002253112A JP 2001051850 A JP2001051850 A JP 2001051850A JP 2001051850 A JP2001051850 A JP 2001051850A JP 2002253112 A JP2002253112 A JP 2002253112A
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shell
shells
calcium
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temperature
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English (en)
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Tsutomu Kagitani
勤 鍵谷
Kazunobu Sanada
一伸 真田
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ASADA SHOKAI KK
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ASADA SHOKAI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 産業廃棄物としての貝殻を強力な機械力を適
用せず、環境に優しく経済的な方法で処理する方法およ
び貝殻炭酸水素カルシウム水溶液を製造する方法を提供
する。 【解決手段】 貝殻に炭酸水を作用させて行なう処理方
法および貝殻炭酸水素カルシウム水溶液の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業廃棄物として
の貝殻を強力な機械力を使用することなく処理する技術
および貝殻炭酸水素カルシウムを製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】わが国の水産加工業において、毎年大量
に発生している貝殻は、一部は粉砕して土壌改良剤とし
て利用されているが、その他に有効な大量利用法が見出
されておらず、現在のところ、産業廃棄物としてその適
正な処理・処分が環境保全上の社会的問題になってい
る。
【0003】粉砕して土壌改良剤として利用する場合
も、貝殻はタンパク質などの有機物と炭酸カルシウムを
主成分とする溶体で、リン酸カルシウムが架橋構造を形
成して機械的強度を高くしている。このため、これを粉
砕するには強力な粉砕機と多大な動力を必要とし、しか
も粉砕の際に生じる騒音や粉塵が問題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粉砕に強力
な機械力を必要とせず、貝殻を自然に崩壊させ、さらに
は炭酸水に溶解させる手段で解決するための貝殻の新し
い処理法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、貝殻
に炭酸水を作用させることを特徴とする貝殻の処理法お
よび貝殻炭酸水素カルシウムの製造法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の処理法の対象となる貝殻
としてはタンパク質などと炭酸カルシウムを主成分とす
る貝殻であれば特に限定されないが、貝殻の機械的強度
が大きく機械的粉砕に多大な動力が要求されるものに特
に有効である。具体例としては、たとえばホタテ貝、ア
ワビ、ホッキ、サザエ、カキ、シャコ貝、アコヤ貝など
のほか、アサリ、ハマグリなどの海水中に生息する天然
または養殖の貝類およびシジミなどの淡水に生息する貝
類などがあげられる。
【0007】本発明によれば、貝殻に加熱焼成処理を施
したものを貝殻原料として使用する。貝殻を空気の存在
下で600℃以上800℃までの温度で加熱すると、炭
酸カルシウムと溶体を構成しているタンパク質などの有
機物は酸化分解気化する(以下、「低温焼成貝殻」とい
う)。低温焼成貝殻の主成分は炭酸カルシウムである。
また、800℃以上の温度で加熱した焼成貝殻(以下、
「高温焼成貝殻」という)の主成分は、炭酸カルシウム
が熱分解して生成した酸化カルシウムである。これらの
焼成貝殻を生成するための加熱時間は貝殻の種類によっ
て異なるが、通常5〜60分間、好ましくは10〜30
分間である。
【0008】貝殻を焼成処理する場合の加熱手段は特に
限定されないが、経済面や環境保全の面から、石炭、天
然ガス、石油類などの炭素系燃料、さらには廃油類を燃
料とする加熱焼成、または廃油の焼却炉で発生する燃焼
熱を用いた焼成が好ましい。
【0009】低温焼成処理によってかなり脆弱化する貝
殻もあるが、それでも粉砕するためにはまだ強力な機械
力を必要とするものもある。本発明では、この低温焼成
貝殻に少量の炭酸水を短時間作用させると、貝殻の機械
的強度は低下して自然に崩落し、指で簡単に粉末化でき
るようになる。この貝殻の自然崩落現象は、つぎのメカ
ニズムによるものと考えられる。
【0010】すなわち、貝殻を600℃以上の温度に加
熱して焼成した低温焼成貝殻では、タンパク質などの有
機物は酸化分解気化しているので、主成分の炭酸カルシ
ウムは炭酸水と次の反応によって炭酸水素カルシウムと
なる。
【0011】CaCO3 + H2O + CO2
Ca(HCO32
【0012】その際に生ずる反応熱によって焼成貝殻の
温度は自然に高くなり、架橋構造を構成しているリン酸
カルシウムが加水分解して極度に脆弱化し、自然に崩落
し得る状態になる。多量の炭酸水を作用させる場合に
は、崩落した焼成貝殻中の炭酸カルシウムがさらに炭酸
水と反応して最終的に炭酸水素カルシウムに変化するも
のと考えられる。
【0013】800℃以上での焼成温度で得られる高温
焼成貝殻の場合には、貝殻中の炭酸カルシウムは酸化カ
ルシウムに変化している。この焼成貝殻に炭酸水を作用
させると、 CaO + H2O + 2CO2 = Ca(HC
32 という化学反応により、炭酸水素カルシウムに変化す
る。その際に生ずる反応熱により、低温焼成貝殻の場合
と同様に自然に崩落し得る状態となる。高温焼成貝殻に
多量の炭酸水を作用させる場合には、崩落した焼成貝殻
中の水酸化カルシウムがさらに炭酸水と反応して炭酸水
素カルシウムに変化するものと考えられる。
【0014】炭酸水素カルシウムは、炭酸カルシウムお
よび酸化カルシウムと異なり、水溶液としてのみ存在す
る。したがって、その生成は、水溶液のpHが高くなる
こと、およびこの水溶液を加熱すると、 Ca(HCO32 → CO2↑ + H2O + Ca
CO3↓ という反応によって炭酸カルシウムが沈殿することによ
って確認できる。
【0015】機械粉砕した貝殻粉末の懸濁水は塩基性で
ある。貝殻を機械で粉砕すると、炭酸カルシウムの一部
はメカノケミカルな反応によって酸化カルシウムに変化
したためと考えられる。この機械粉砕した貝殻粉末を炭
酸水に浸漬すると、酸化カルシウムおよび炭酸カルシウ
ムの一部は、焼成貝殻の場合と同様に、炭酸水素カルシ
ウムに変化する。このことは、炭酸水のpHが上昇する
ことによっても知ることができる。
【0016】本発明における炭酸水は、通常の水道水や
海水に二酸化炭素あるいはドライアイスを添加して容易
に製造することができる。また、ボイラーやゴミの焼却
などによって生じる燃焼ガス中の二酸化炭素ガスを溶解
した水を使用することもできる。炭酸水は弱い二塩基酸
であり、水溶液は弱酸性を示す。本発明における炭酸水
のpH値は二酸化炭素の濃度によっても異なるが、4.
5〜5.5の範囲である。本発明における炭酸水は、焼
成貝殻の加熱直後に作用させてもよいが、放冷したもの
に作用させることができる。炭酸水は通常、室温以上の
温度で作用させる。
【0017】本発明において、貝殻に作用させる炭酸水
は、貝殻内の炭酸カルシウムや酸化カルシウムを化学反
応によって炭酸水素カルシウムに変化させるためのもの
である。貝殻処理法として自然崩壊させるための炭酸水
は焼成貝殻の実体積の1〜5倍、好ましくは3倍程度の
少量で充分である。この処理法によって焼成貝殻が粉末
状で得られる場合の主成分は酸化カルシウムや水酸化カ
ルシウムである。また、貝殻実体積の100倍量以上の
多量の炭酸水を使用する場合には、貝殻中に存在するカ
ルシウムは水溶液としてのみ存在する炭酸水素カルシウ
ムに変化する。
【0018】炭酸水を作用させる形態は特に限定され
ず、通常の方法でよい。たとえば焼成貝殻に少量の炭酸
水を撒布してもよいし、あるいはこれらの貝殻を室温の
炭酸水に0.5〜2分間という短い時間浸漬する。炭酸
水に浸漬した焼成貝殻は空気中に取り出して放置され
る。このことによって、低温または高温焼成貝殻の場
合、貝殻の温度は短時間に上昇する。その結果、自己脆
弱化が起こって崩落が始まり、貝殻の形状を失って崩壊
する。このものは最終的に人の指の力程度で全体を10
メッシュ以下粒径の微粉末にまで粉砕できる。
【0019】また、室温の焼成貝殻に多量の炭酸水を作
用させると、前記のとおり、貝殻中のカルシウムは炭酸
水と化学反応して炭酸水素カルシウム水溶液が得られ
る。
【0020】カルシウム化合物の化学的性質としては、
炭酸カルシウムは水に溶解せず、酸化カルシウムは水酸
化カルシウムの形で室温の水に約0.18重量%溶解
し、得られる水溶液はpHが12.0以上の強い塩基性
を示す。これに対して、炭酸水素カルシウムは固体状で
は存在せず、弱酸性の水溶液としての存在のみが知られ
ている。炭酸水素カルシウム水は、強塩基性の水酸化カ
ルシウム水溶液と異なり、弱酸性であるので環境に優し
い。元来貝殻は、海水などの天然水に含まれているカル
シウムが貝殻の生命活動によって濃縮されて形成された
ものである。
【0021】本発明の貝殻炭酸水素カルシウムは、環境
に悪い影響を及ぼさずに海水などに戻すことができるか
ら、資源循環の考えに適った適正な処理・処分法として
利用できると考える。
【0022】水酸化カルシウム水溶液の強塩基性が忌避
される場合には、弱酸性の炭酸水素カルシウム水が利用
できる。また、炭酸水素カルシウム水を煮沸すると、分
解して炭酸カルシウムが沈殿する。
【0023】これらのことから、本発明で提供される炭
酸水素カルシウム水溶液としての形を活かした貝殻カル
シウムの利用方法が期待される。
【0024】
【実施例】つぎに、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。また、以下の実施例で使用した炭酸水は、水道水に
ドライアイスを添加して調製したpHが5.0の炭酸水
である。
【0025】実施例1 重量50gのホタテ貝殻を廃油焼却炉により1000℃
で60分間加熱して焼成した後、室温で放冷した。
【0026】この高温焼成ホタテ貝殻5.0gを炭酸水
(室温)に10秒間浸漬した後に取り出して空気中に放
置すると、貝殻の温度は2分以内に80℃に上昇し、水
蒸気が発生した。数分後には音を発しつつヒビ割れ化が
起こり、崩落して貝殻の形状を止めず、ホタテ貝殻片は
指で容易に微粉砕できた。
【0027】実施例2 実施例1と同様に高温で焼成した室温の高温焼成ホタテ
貝殻3.0gを室温の炭酸水300mlに浸漬すると、
直ちに発泡して崩落すると同時に微粉末化が進んで白濁
化が起こり、10分後にはpHが6.3のホタテ貝殻の
炭酸水素カルシウム水溶液が得られた。
【0028】
【発明の効果】本発明の貝殻処理法および炭酸水素カル
シウム水溶液の製造法によれば、大量に発生して廃棄に
困っている産業廃棄物としての貝殻を、安価でかつ環境
に優しい方法で処理することが可能になり、貝殻が有効
に利用できる。また、本発明の貝殻炭酸水素カルシウム
水溶液は環境に悪い影響を及ぼさないので、貝殻の安全
な処分が可能となる。したがって本発明は、産業廃棄物
処理上、資源再利用上、および環境保全上、社会に大き
く貢献できる技術であると考えられる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4B011 MA04 4G076 AA16 AB28 BA24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貝殻に炭酸水を作用させることを特徴と
    する貝殻の処理法。
  2. 【請求項2】 貝殻に炭酸水を作用させることを特徴と
    する貝殻炭酸水素カルシウムの製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012139205A (ja) * 2011-01-06 2012-07-26 Domo Corporation:Kk 卵殻と卵殻膜との分離回収方法及びその装置
JP2013233120A (ja) * 2012-05-10 2013-11-21 Domo Corporation:Kk 卵殻と卵殻膜との分離回収方法及び分離回収装置
CN116330449A (zh) * 2023-02-22 2023-06-27 上海建工集团股份有限公司 一种由贝壳制备预制混凝土构件的装置及方法

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