JP2002246970A - 適応指向性可変装置 - Google Patents

適応指向性可変装置

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JP2002246970A
JP2002246970A JP2001046072A JP2001046072A JP2002246970A JP 2002246970 A JP2002246970 A JP 2002246970A JP 2001046072 A JP2001046072 A JP 2001046072A JP 2001046072 A JP2001046072 A JP 2001046072A JP 2002246970 A JP2002246970 A JP 2002246970A
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mobile station
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Takashi Fukagawa
隆 深川
Takaaki Kishigami
高明 岸上
Yasuaki Yuda
泰明 湯田
Masayuki Hoshino
正幸 星野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CDMA方式の下り回線に対するアレーアン
テナ指向性制御により、高電力高速伝送ユーザから低速
伝送ユーザへの干渉特性の優れる適応指向性可変装置を
提供する。 【解決手段】 移動局からの上り回線スペクトル拡散信
号を逆拡散部104が逆拡散を行った後、電波到来方向
推定手段106が移動局の方向を推定し、その移動局に
対するデータ伝送速度決定手段108の決定するデータ
伝送速度から、個別送信電力決定手段109が送信電力
を決定する。高速伝送と低速伝送のデータ伝送速度比ま
たはスペクトル拡散率の比から、サイドローブレベル設
定手段110はメインローブに対するサイドローブレベ
ル抑圧値を決め、メインローブ近傍ではヌル設定手段1
11が干渉を抑圧し、送信指向性パターン形成手段10
7が送信パターンを決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話等の移動
体通信システムの基地局に用いるアンテナ放射指向性を
制御する適応指向性可変装置に関するものである。特
に、CDMA方式を用いる携帯電話の基地局の下り回線
の適応指向性可変装置に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話では従来より、周波数分割多重
アクセス方式(FDMA)や時分割多重アクセス方式
(TDMA)方式などが用いられてきたが、IMT−2
000では、通常の電話のように音声データを伝送する
サービスばかりでなく、インターネットアクセスや画像
伝送のような高速伝送を行うサービスが求められ、それ
らのサービスを同時に行うため符号分割多重方式(CD
MA)が一つの方式として用いられる。
【0003】こうしたサービスでは、高速伝送を行う場
合所望の伝送品質を得るために、伝送レートが大きくな
るに従い送信電力を大きくして送信する。このために、
こうした高速データ伝送の送信信号は、音声通信等の低
速データ伝送によるサービスに対して干渉を与え易くな
る。
【0004】また、CDMA方式では、スペクトル拡散
の拡散率を変えることにより伝送レートを変えるが、高
速伝送の場合には拡散率が小さくなり高速伝送ユーザ
(移動局)の収容数が小さくなる。このため、アンテナ
指向性を適応的に変化させることにより干渉を除去した
り、空間を分割して符号の利用効率を改善するSDMA
(空間分割多重アクセス)方式の効果を実現する適応指
向性可変装置(アダプティブアレーアンテナ)の構成が
検討されている。
【0005】FDD(Frequency Division Duplex)方式
のように上り回線と下り回線の周波数が異なる場合、M
MSE(Minimum Mean Square Error)方式のように、
受信指向性パターンをそのまま送信指向性パターンに用
いた場合、周波数差に起因するパターンの差が生じる。
これに対して、上り回線を利用して移動局からの電波の
到来方向を推定し、それに基づき下り回線の送信パター
ンを形成した場合この問題は生じない。
【0006】図5は、従来の技術による適応指向性可変
装置を示すブロック図であり、基地局が移動局に対して
送信する場合、移動局からの電波の到来方向を電波到来
方向手段104が推定し、それに基づき送信指向性パタ
ーン形成手段107は、基地局からの送信指向性を制御
する装置を示している。送信指向性パターンは一般的
に、利得を最大化するために、アレーアンテナ各素子の
振幅が一定で、到来方向推定方向にピークが向くよう
に、位相として電波到来方向のステアリングベクトルを
用いることにより、(数1)の指向性が得られる。
【0007】
【数1】 ここで、θは電波の到来方向、Nはアレーアンテナの素
子数、dはアレーアンテナの素子間隔、λは波長であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】DS−CDMA方式で
は、高速で移動局に向けて送出する信号と低速で移動局
に向けて送出する信号が混在するため、図5に示す適応
指向性可変装置で形成されるアンテナ指向性を用いた場
合、特に基地局から高電力で送出される高速伝送ユーザ
が多数存在する場合や、低速伝送ユーザと高速伝送ユー
ザが近接している場合には、高速伝送ユーザに対する送
信電力が大きくなるためサイドローブレベルが上昇し、
干渉抑圧が十分でなく特定の低速伝送ユーザに対して通
信品質劣化を招くという課題があった。
【0009】本発明はこうした技術課題を解決しようと
するものであり、アンテナ指向性としてメインローブに
対して、複数のサイドローブのピークが一定になるよう
に送信パターンを形成し、メインローブとサイドローブ
のレベル差を高速伝送ユーザの拡散率と低速伝送ユーザ
の拡散率との違いに応じて変えることにより高速伝送ユ
ーザの干渉を軽減するとともに、高速ユーザの収容数の
増大を実現するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、移動局からの上り回線スペクトル拡散信
号に逆拡散を行った後、電波到来方向推定手段が移動局
の方向を推定し、その移動局に対するデータ伝送速度か
ら送信電力を決定する。このとき、高速伝送と低速伝送
のデータ伝送速度比またはスペクトル拡散率の比から、
メインローブに対するサイドローブレベル抑圧値を決
め、メインローブ近傍ではヌル設定手段で干渉を抑圧
し、送信指向性パターン形成手段が送信パターンを決定
するようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の本発明は、CD
MA(符号分割多重アクセス)方式の移動体通信基地局
において、N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナ
と、前記アレーアンテナのアンテナ素子と同数のN個の
送受信機能および振幅位相制御機能を有する無線部と、
前記無線部の受信したスペクトル拡散信号を逆拡散する
逆拡散部と、前記逆拡散部の逆拡散された受信信号を用
いて移動局の電波の到来方向を推定する電波到来方向推
定手段と、前記電波到来方向推定手段が推定する全移動
局の方向情報を格納する移動局方向情報格納手段と、移
動局へ送信するデータ伝送速度またはスペクトル拡散率
を決定するデータ伝送速度決定手段と、前期データ伝送
速度決定手段で決定されたデータ伝送速度に比例するか
またはスペクトル拡散率に反比例した電力値を決定する
個別送信電力決定手段と、前記送信電力決定手段により
決定された複数の移動局への高速伝送と低速伝送の電力
値の比からサイドローブレベル抑圧値を決定するサイド
ローブレベル設定手段と、前記移動局方向情報格納手段
の複数の移動局方向情報および送信電力の値に基づきヌ
ルを設定する必要がある方向にヌル設定手段と、前記サ
イドローブレベル設定手段と前記ヌル設定手段の設定結
果から送信指向性パターンを決定しその送信指向性パタ
ーンを実現するための各アンテナに供給する送信信号の
振幅位相を計算する送信指向性パターン形成手段と、前
記送信指向性パターン形成手段の計算した振幅位相をベ
ースバンド信号の振幅位相をその値に変化させることに
より実現するアレーアンテナ指向性制御手段と、前記ア
レーアンテナ指向性制御手段の出力信号にスペクトル拡
散を行う拡散部を有し、拡散された送信信号を無線部お
よびアレーアンテナにより送出するものである。
【0012】この構成により、高速伝送ユーザの干渉を
軽減するとともに、高速ユーザの収容数の増大を実現す
ることができる。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、移動局方向情報格納手段の複数の移動
局情報に基づき所望移動局方向と異なる方向に存在する
他の移動局がメインローブ内に存在する場合には前記ヌ
ル設定手段がメインローブ内の他の移動局方向にヌルを
設定するものである。この構成により、経時変化による
振幅、位相誤差が生じた場合にも最適な送信アンテナ指
向性が実現できる。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、送信指向性パターン形成手段の形成す
る特定の1つの移動局を除くすべての移動局への送信指
向性パターンの利得を全方向で加算する送信パターン加
算手段を有し、加算された利得が特定の1つの移動局の
方向でしきい値を越えた場合には前記サイドローブレベ
ル設定手段またはヌル設定手段がサイドローブレベルま
たはヌル方向を変化させ特定の移動局方向の利得の和を
しきい値以下にするものである。この構成により、経時
変化による振幅、位相誤差が生じた場合にも最適な送信
アンテナ指向性が実現できる。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、移動局に基地局からの送信信号の受信
品質を測定する受信通信品質測定手段と移動局から基地
局への送信信号を用いて受信通信品質を伝送する受信通
信品質送信手段を有し、基地局に移動局からの受信通信
品質検出手段と、ヌルの角度を微少に変化させるヌル点
摂動手段を有するするものである。
【0016】この構成により、経時変化による振幅、位
相誤差が生じた場合にも最適な送信アンテナ指向性が実
現できる。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、移動局に基地局からの送信信号の受信
品質を測定する受信通信品質測定手段と移動局から基地
局への送信信号を用いて受信通信品質を伝送する受信通
信品質送信手段を有し、基地局に移動局からの受信通信
品質検出手段と、サイドローブレベルを微少に変化させ
るサイドローブレベル摂動手段を有するものである。
【0018】この構成により、経時変化による振幅、位
相誤差が生じた場合にも最適な送信アンテナ指向性が実
現できる。
【0019】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、所望方向のアジマス角の絶対値が大き
いとき前記指向性パターン形成手段がメインローブのビ
ーム幅を広げるとともにメインローブのピーク方向を所
望の方向よりアジマス角の絶対値の大きさが小さい方向
に向けるものである。
【0020】この構成により、グレーティングローブの
発生を抑え、他への干渉を防止することができる。
【0021】以下、本発明の実施の形態について図1か
ら図4を用いて説明する。
【0022】(実施の形態1)図1は本発明の第1の実
施の形態による適応指向性可変装置のブロック結線図で
ある。図において101はアレーアンテナ、102は無
線部、103は拡散部、104は逆拡散部、105はア
レーアンテナ指向性制御手段、106は電波到来方向推
定手段、107は送信指向性パターン形成手段、108
はデータ伝送速度決定手段、109は個別送信電力決定
手段、110はサイドローブレベル設定手段、111は
ヌル設定手段、112は移動局方向格納手段である。
【0023】以上のように構成された適応指向性可変装
置について、以下にその動作を図2に示す送信アンテナ
指向性を示す図とともに説明する。
【0024】基地局は、移動局の存在する方向を電波の
到来方向を推定することにより検出する。このために、
基地局に備えられたN素子アレーアンテナ101は、移
動局からの電波として、たとえば移動局からの発呼要求
信号や個別チャネル制御信号等のデータ信号により変調
された信号をそれぞれのアレー素子で受信し、無線部1
02でN個の受信信号をそれぞれ独立に同位相のローカ
ル信号で周波数変換、同じ増幅度で増幅を行った後、逆
拡散部104によって移動局ごとの符号によって逆拡散
される。
【0025】逆拡散部104では、N個の受信信号は同
一の拡散信号により逆拡散される。この場合、逆拡散後
の信号のレベルは、ある1つの移動局に割り付けられた
符号で逆拡散された信号に比較し、その他の移動局から
の信号は逆拡散により抑圧されるため、アレーアンテナ
101の素子数に限定されることなく、電波到来方向推
定手段106を用いて特定の移動局の電波の到来方向を
推定することができる。電波の到来方向推定の具体的方
法としては、たとえばMUSIC法、ESPRIT法等
の固有値、固有ベクトルを用いた方法を用いることがで
き、これにより多重伝搬路の主波方向を推定する。MU
SIC法、ESPRIT法については、例えば菊間信良
著「アレーアンテナによる適応信号処理」科学技術出
版、1998、にその詳細が記載されている。
【0026】また上記に示した逆拡散、電波到来方向推
定の処理をすべての移動局に対して行う際、拡散符号は
すべての移動局により異なるため、それぞれの逆拡散後
の信号を用いることにより、エリア内のすべての移動局
からの電波到来方向を推定することが可能である。
【0027】図1に示すように、逆拡散、電波到来方向
推定の処理を並列に行い、それぞれの電波到来方向推定
手段106の出力である移動局の方向情報は、移動局方
向情報格納手段112に格納される。一方、データ伝送
速度決定手段108は移動局の個別情報(契約内容、提
供すべきサービス等)から移動局に対するデータ伝送速
度を決定することが可能であり、これに基づきデータ伝
送速度決定手段108は移動局へのデータ伝送速度また
はスペクトル拡散率を決定する。また、通信品質の確保
のためにデータ伝送速度に比例した送信電力で信号を送
る必要があり、個別送信電力決定手段109は電力を、
データ伝送速度決定手段の決定したデータ伝送レートに
比例した送信電力を、各移動局ごとに決定する。
【0028】以上より、各移動局の方向の推定結果およ
び各移動局への送信電力が決定できるので、次に送信ア
ンテナ指向性の決定を行う。一般にアレーアンテナ10
1の指向性においてメインローブのピーク値とサイドロ
ーブのピーク値の比、すなわちメインローブに対するサ
イドローブ抑圧値は任意に設定することができる。これ
は、ドルフ−チェビシェフ指向性合成法と呼ばれ、アン
テナの指向性がチェビシェフ多項式と一致するように励
振分布を決定する。詳細については例えば、W.L. Stuzm
an他「Antenna Theory and Design」,Wiley 1981, pp.5
37〜542に記載されているが、6素子のアレーアンテナ
を例として方法を簡単に述べれば、(数2)に示す一般
的な6素子アレーのアレーファクタの各励振係数imを
求める際に、アレーファクタ(指向性)f(ψ)がチェ
ビシェフ多項式と一致するように決定する。
【0029】
【数2】 6素子アレーの場合は(数3)及び(数4)に示す5次
のチェビシェフ多項式と一致させる。Rはサイドローブ
抑圧値である。
【0030】
【数3】
【0031】
【数4】 ドルフ−チェビシェフ指向性合成法により得られたパタ
ーンは、複数の各サイドローブのピークレベルは一定値
となり、これにより、メインローブに対するサイドロー
ブ抑圧値で干渉を抑圧することが保証される。所望の移
動局に対してはメインローブを向け、その他の移動局に
対してはできるだけサイドローブを向けるようにするこ
とにより、他局への干渉を抑圧する。
【0032】サイドローブレベル設定手段110は、送
信すべき移動局への送信電力とその他の移動局の中で最
低の送信電力とのレベル差から、設定すべきサイドロー
ブレベルを決定する。この差は、一般的に拡散率の比率
またはデータ伝送速度の比率で表されるが、例えば拡散
率の比率を用いる、場合チップレートが一定となるIM
T−2000のDS−CDMA方式のようなシステムで
は、送信すべき移動局に対する送信信号の拡散率がD、
その他のエリア内における最低の送信電力で送られる送
信信号の拡散率がU、あらかじめ定められた一定の値を
持つオフセット値がEであると、10×log(U/
D)+E[dB]の差をサイドローブ抑圧値として与え
る。
【0033】EはDが最低電力で送出される場合のサイ
ドローブレベル抑圧値となり、システムの収容台数、移
動局の分布等によりシステム毎に決定される。これは、
サイドローブ抑圧値が大きくなるとメインローブのビー
ム幅が広がり、逆にサイドローブ抑圧値が小さくなると
メインローブのビーム幅が狭くなるため、移動局のアジ
マス角方向の分布の間隔等により最適値が決定されるた
めである。このサイドローブ抑圧レベルは例えば、IM
T−2000のDS−CDMA方式の場合、拡散率は4
倍拡散から512倍拡散まで存在し、この場合上記Uと
Dから21dBの抑圧が必要になる場合がある。
【0034】これらのアンテナ指向性合成に基づいて得
られた各移動局に対する指向性パターンにおいて、サイ
ドローブの絶対レベルはすべての指向性パターンで一致
する。送信パターン形成手段107は、サイドローブレ
ベル検出手段により検出したサイドローブレベルに基づ
き、上記に示す指向性合成方法でアンテナ指向性を決定
する。
【0035】一方、ヌル設定手段111は、移動局方向
情報格納手段112の複数の移動局情報に基づき、不要
放射方向に存在する移動局がメインローブ近傍に存在す
る場合には、不要放射方向にヌル点を設定する。送信パ
ターン形成手段107は形成された送信パターンに対し
て、メインビーム方向でヌル設定手段111の結果から
アンテナの総合パターンを計算する。
【0036】図2にアンテナの総合パターンの例を示
す。所望放射方向を0度方向、サイドローブ抑圧レベル
を20dBとしたとき、メインローブ近傍に他の移動局
が存在しない場合のアンテナ指向性は図2a、他の移動
局が−15度方向のメインローブ内に存在するときは図
2bに示すパターンとなる。
【0037】また、所望方向のアジマス角の絶対値が大
きい場合には、グレーティングローブが発生し他への干
渉が増大する。例えば6素子アレーアンテナで−60度
の場合には、図2cに示すように逆方向60度のグレー
ティングローブが、メインローブに対して−8dB程度
となり、想定されるセクタ角120度内での大きな干渉
となりうる。
【0038】この場合、送信指向性パターン形成手段1
07がアンテナ指向性を広くし指向性のピーク方向を所
望の方向よりアジマス角の絶対値の大きさを小さくす
る。これに基づき指向性パターンの形状を決定後に、前
記文献W. L. Stuzman他「Antenna Theory and Desig
n」, Wiley 1981,pp526-530記載のウッドワード−ロー
ソン法等を用いて、アンテナの振幅位相を求める。図2
dはこの指向性パターンの例を示し、逆方向60度方向
のサイドローブレベルを−20dB以下に抑圧すること
ができる。エリア内の移動局の分布によって、これらの
2つ指向性パターンを選択する。
【0039】パターンを実現するための振幅位相を計算
された後、アンテナ指向性制御手段105にて、その振
幅位相情報が、ベースバンドI信号、Q信号に乗算され
ることにより、各アンテナ素子の送信する信号のベース
バンド信号が得られ、これが拡散変調手段103により
スペクトル拡散される。拡散信号は送信すべき移動局ご
とに異なるため、スペクトル拡散された信号は移動局ご
とに異なる送信指向性パターンを形成することが可能と
なる。このスペクトル拡散された信号は、無線部102
でRF送信周波数、送信電力に増幅されアレーアンテナ
101の各素子から送出される。
【0040】以上のように本実施の形態によれば、アレ
ーアンテナで受信した信号から電波の到来方向を推定
し、また基地局で既知の各移動局へのデータ伝送速度ま
たはスペクトル拡散値を用い送信出力およびサイドロー
ブレベル抑圧値を決定するので、基地局から高出力で送
出する移動局方向以外に存在する移動局に対して干渉を
十分低減できるという効果を有する。
【0041】(実施の形態2)図3は本発明の第2の実
施の形態による適応指向性可変装置のブロック結線図で
ある。図3において、図1と同じ符号のブロックは図1
の各ブロックと同じ機能を有する。301は移動局受信
品質検出手段、302はヌル点摂動手段、303はサイ
ドローブレベル摂動手段、304は移動局、305は受
信通信品質測定手段、306は受信通信品質送信手段で
ある。
【0042】以上のように構成された適応指向性可変装
置について、以下にその動作を説明する。実施の形態1
で記載した方法により、決定した送信アンテナ指向性の
状態で送信が行われている時、移動局304において受
信通信品質測定手段305は制御信号またはデータ信号
の誤り検出、訂正を行い、その結果を用いることにより
基地局から移動局への下り回線の品質を測定することが
可能である。
【0043】この情報が受信通信品質送信手段306に
より移動局から基地局への上り回線の制御チャネルで送
られる場合、移動局受信品質検出手段301は、逆拡散
部104の逆拡散された信号から、移動局での受信品質
情報を抽出して、受信品質があらかじめ定められた値V
REFより良い値となっているか否かを検出する。受信
品質がVREFより良い値となっている場合には、現状
の送信アンテナ指向性を維持する。一方、受信品質がV
REFより悪い値となっている場合には、回路の経時変
化による振幅、位相誤差が生じることによりヌル点の位
置やサイドローブレベルが設定どおりになされていない
か、他の移動局への送信信号による干渉抑圧が十分でな
いため、これらを補正を行う。
【0044】ヌル点摂動手段302はあらかじめ定めら
れた微少角度変化+Δφでヌル点を移動させる。受信品
質が改善された場合には、引き続き微少角度変化+Δφ
でヌル点を移動させ、受信品質が悪化した場合は微少角
度変化−Δφでヌル点を移動させる。このようにして、
ヌル点の移動により受信品質の極大点を探す。
【0045】その後、サイドローブレベル摂動手段30
3は、あらかじめ定められた微少レベル変化−Δρでサ
イドローブレベルを変化させる。受信品質が改善された
場合には、引き続き微少レベル−Δρでサイドローブレ
ベルを変化させ、受信品質が悪化した場合には微少レベ
ル+Δρでサイドローブレベルを変化させる。このよう
にして、サイドローブレベルの変化により受信品質の極
大点を探す。
【0046】これらの手順により送信パターンを決定し
た後、受信品質がVREFより良い値になっている場合
には、現状の送信アンテナ指向性を維持し、受信品質が
VREFより悪い値になっている場合には、実施の形態
1の手順により、移動局の到来方向の推定を行い、それ
に基づき送信アンテナ指向性の決定を再び行う。その場
合、実施の形態1に記述した、サイドローブレベル抑圧
値10×log(U/D)+E[dB]におけるオフセ
ット値がEを微小変化+ΔEで変化し、アンテナ指向性
を決定し移動局における受信品質を観測する。移動局が
複数ある場合には、受信品質の値としてすべての移動局
における受信品質の平均値を用いる。サイドローブレベ
ル抑圧値を大きくすることにより、サイドローブによる
干渉抑圧は大きくなるが、メインローブの幅が増大する
ためそれによる干渉が増大する。このことから、サイド
ローブ抑圧による移動局の受信信号品質の改善には、移
動局の分布により極大値が存在する。微少変化+ΔEに
より受信品質が改善された場合には、引き続き微小変化
+ΔEで変化させ、悪化した場合には−ΔEで変化させ
受信品質の極大値を探す。
【0047】以上のように本実施の形態によれば、ヌル
点摂動手段302およびサイドローブレベル摂動手段3
03がヌル点およびサイドローブレベルの微小変化を与
えて受信品質の極大点を探すため、経時変化による振
幅、位相誤差が生じた場合にも最適な送信アンテナ指向
性が実現できる。
【0048】(実施の形態3)図4は本発明の第3の実
施の形態による発明のブロック結線図である。図4にお
いて、図1と同じ符号のブロックは、実施の形態1のブ
ロックと同じ機能を有する。401は送信指向性利得加
算手段である。
【0049】以上のように構成された、適応指向性可変
装置について以下にその動作を説明する。
【0050】CDMA方式の場合、複数の移動局に対し
てそれぞれ拡散符号が割り当てられているため、図4に
示すように各ユーザ移動局に対して実施の形態1に記述
した手順により、上り回線信号をそれぞれ逆拡散して到
来方向推定処理を行い各移動局の方向を推定して、送信
アンテナ指向性を決定する。この手順により、それぞれ
の移動局に対する一次形成パターンが決定された後、送
信指向性利得加算手順401は、ある特定の1つの移動
局を除いて、すべての移動局に対する指向性パターンに
ついて全方向で利得の和を加算したパターンを形成す
る。
【0051】特定の移動局が存在する方向で、利得の総
和があらかじめ定められたしきい値GREFを越えた場
合には、特定の移動局方向に干渉を与えるメインローブ
を有する送信パターンに対して、メインローブの幅を減
少させるためにサイドローブ抑圧レベルをステップΔρ
減少させる。このとき、サイドローブ抑圧レベルの減少
により、サイドローブ方向での他の移動局への干渉がG
REFを越えた場合には、サイドローブレベル抑圧の減
少をやめ、次に他の送信パターンの特定の移動局方向に
存在するサイドローブにヌルを形成し、そのパターンを
最終的な送信パターンとして決定する。
【0052】以上のように本実施の形態によれば、他の
移動局に対してメインローブ方向で干渉を与える場合に
も、サイドローブ方向に存在する干渉抑圧の余裕を規定
値まで減少させるまたヌルを形成することにより、全体
に対して干渉抑圧を行うことができる。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、CDMA
方式の下り回線に対する送信において、高速伝送ユーザ
と低速伝送ユーザが混在する場合に、送信アンテナ指向
性を伝送速度に比例して制御することにより、高速伝送
ユーザから低速伝送ユーザへの干渉を低減し、通信品質
の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による適応指向性可
変装置のブロック結線図
【図2】送信アンテナ指向性の形成例を示す図
【図3】本発明の第2の実施の形態による適応指向性可
変装置のブロック結線図
【図4】本発明の第3の実施の形態による適応指向性可
変装置のブロック結線図
【図5】従来の適応指向性可変装置を示すブロック図
【符号の説明】
104 逆拡散部 106 電波到来方向推定手段 107 送信指向性パターン形成手段 108 データ伝送速度設定手段 109 個別送信電力決定手段 110 サイドローブレベル設定手段 111 ヌル設定手段 301 移動局受信品質検出手段 302 ヌル点摂動手段 303 サイドローブレベル摂動手段 401 送信指向性利得加算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯田 泰明 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内 (72)発明者 星野 正幸 神奈川県横浜市港北区綱島東4丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 Fターム(参考) 5J021 AA05 AA06 CA06 DB02 DB03 EA04 FA14 FA15 FA16 FA17 FA20 FA29 FA32 GA02 HA05 HA10 5K022 EE01 EE22 EE32 5K059 CC04 5K067 AA03 CC10 CC24 EE10 GG08 HH21 KK02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CDMA(符号分割多重アクセス)方式
    の移動体通信基地局において、N個のアンテナ素子から
    なるアレーアンテナと、前記アレーアンテナのアンテナ
    素子と同数のN個の送受信機能および振幅位相制御機能
    を有する無線部と、前記無線部の受信したスペクトル拡
    散信号を逆拡散する逆拡散部と、前記逆拡散部の逆拡散
    された受信信号を用いて移動局の電波の到来方向を推定
    する電波到来方向推定手段と、前記電波到来方向推定手
    段が推定する全移動局の方向情報を格納する移動局方向
    情報格納手段と、移動局へ送信するデータ伝送速度また
    はスペクトル拡散率を決定するデータ伝送速度決定手段
    と、前期データ伝送速度決定手段で決定されたデータ伝
    送速度に比例するかまたはスペクトル拡散率に反比例し
    た電力値を決定する個別送信電力決定手段と、前記送信
    電力決定手段により決定された複数の移動局への高速伝
    送と低速伝送の電力値の比からサイドローブレベル抑圧
    値を決定するサイドローブレベル設定手段と、前記移動
    局方向情報格納手段の複数の移動局方向情報および送信
    電力の値に基づきヌルを設定する必要がある方向にヌル
    設定手段と、前記サイドローブレベル設定手段と前記ヌ
    ル設定手段の設定結果から送信指向性パターンを決定し
    その送信指向性パターンを実現するための各アンテナに
    供給する送信信号の振幅位相を計算する送信指向性パタ
    ーン形成手段と、前記送信指向性パターン形成手段の計
    算した振幅位相をベースバンド信号の振幅位相をその値
    に変化させることにより実現するアレーアンテナ指向性
    制御手段と、前記アレーアンテナ指向性制御手段の出力
    信号にスペクトル拡散を行う拡散部を有し、拡散された
    送信信号を無線部およびアレーアンテナにより送出する
    ことを特徴とする適応指向性可変装置。
  2. 【請求項2】 移動局方向情報格納手段の複数の移動局
    情報に基づき所望移動局方向と異なる方向に存在する他
    の移動局がメインローブ内に存在する場合には前記ヌル
    設定手段がメインローブ内の他の移動局方向にヌルを設
    定することを特徴とする請求項1に記載の適応指向性可
    変装置。
  3. 【請求項3】 送信指向性パターン形成手段の形成する
    特定の1つの移動局を除くすべての移動局への送信指向
    性パターンの利得を全方向で加算する送信パターン加算
    手段を有し、加算された利得が特定の1つの移動局の方
    向でしきい値を越えた場合には前記サイドローブレベル
    設定手段またはヌル設定手段がサイドローブレベルまた
    はヌル方向を変化させ特定の移動局方向の利得の和をし
    きい値以下にすることを特徴とする請求項1に記載の適
    応指向性可変装置。
  4. 【請求項4】 移動局に基地局からの送信信号の受信品
    質を測定する受信通信品質測定手段と移動局から基地局
    への送信信号を用いて受信通信品質を伝送する受信通信
    品質送信手段を有し、基地局に移動局からの受信通信品
    質検出手段と、ヌルの角度を微少に変化させるヌル点摂
    動手段を有することを特徴とする請求項1に記載の適応
    指向性可変装置。
  5. 【請求項5】 移動局に基地局からの送信信号の受信品
    質を測定する受信通信品質測定手段と移動局から基地局
    への送信信号を用いて受信通信品質を伝送する受信通信
    品質送信手段を有し、基地局に移動局からの受信通信品
    質検出手段と、サイドローブレベルを微少に変化させる
    サイドローブレベル摂動手段を有することを特徴とする
    請求項1に記載の適応指向性可変装置。
  6. 【請求項6】 所望方向のアジマス角の絶対値が大きい
    とき前記指向性パターン形成手段がメインローブのビー
    ム幅を広げるとともにメインローブのピーク方向を所望
    の方向よりアジマス角の絶対値の大きさが小さい方向に
    向けることを特徴とする請求項1に記載の適応指向性可
    変装置。
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