JP2002243845A - レーダ装置およびレーダ装置による距離測定方法 - Google Patents

レーダ装置およびレーダ装置による距離測定方法

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JP2002243845A
JP2002243845A JP2001036972A JP2001036972A JP2002243845A JP 2002243845 A JP2002243845 A JP 2002243845A JP 2001036972 A JP2001036972 A JP 2001036972A JP 2001036972 A JP2001036972 A JP 2001036972A JP 2002243845 A JP2002243845 A JP 2002243845A
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antenna
waveguide
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JP2001036972A
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Jun Azuma
洵 東
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SHINKO MEX CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転炉、溶銑予備処理炉、溶銑トーピードカー
内の溶銑レベルや高炉内の装入物レベル等を、より正確
に測定できるレーダ装置を提供する。 【解決手段】 アンテナ2と、導波管3と、マイクロ波
発振器42を有するレーダユニット4とからなるレーダ
装置1の前記導波管3の途中に、前記マイクロ波発振器
42から発振され、送信用ロッド34を介して前記導波
管3に送信されたマイクロ波を直線偏波から照射用円偏
波に変換し、かつアンテナ2を介して受信した反円偏波
を直線偏波に変換する円偏波発生器33を設けると共
に、この円偏波発生器33の反アンテナ側に、前記送信
用ロッド34と90°位相が相違する位置に受信用ロッ
ド35を設け、照射用円偏波の旋回方向と逆方向に旋回
する反射円偏波から変換された直線偏波だけを受信し得
る構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鉄所における転
炉、溶銑予備処理炉、溶銑トーピードカー内の溶銑レベ
ルや高炉内の装入物レベル等を、より正確に測定するこ
とができるレーダ装置およびレーダ装置による距離測定
方法の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、製鉄所における転炉、溶
銑予備処理炉、溶銑トーピードカー内の溶銑レベルや高
炉内の装入物レベルの測定には、高濃度の粉塵でも容易
に透過し、しかも減衰が少ないマイクロ波を利用したレ
ーダ装置が用いられている。このようなレーダ装置は、
レーダ装置による距離測定状態説明図の図2に示すよう
に構成されている。即ち、このレーダ装置51は、アン
テナ52と、導波管53と、マイクロ波発振回路(図示
省略)を備えたレーダユニット54とから構成されてお
り、例えば導波管53の先端の放射器から、前記レーダ
ユニット54から発信されるマイクロ波(速度C)を、
測定対象物であるトーピードカー55内の溶銑に向かっ
て照射マイクロ波を照射し、溶銑から反射して戻ってき
た反射マイクロ波をアンテナ52で受信し、照射してか
ら反射して戻ってくるまでの時間tを測定して、アンテ
ナ52から溶銑までの距離を測定するものである。
【0003】ところで、このようなレーダ装置51によ
り、アンテナ52からトーピードカー55内の溶銑まで
の距離を測定するのは、高炉から出銑した溶銑をトーピ
ードカー55内に注湯するに際して、刻々上昇する溶銑
のレベルを監視し続けることにより、このトーピードカ
ー55の注入口から溶銑が溢れ出るというような重大事
故の発生を未然に防止するためである。
【0004】次に、レーダ装置による距離測定原理の概
要を説明すると、導波管の放射口から測定対象物に向け
てマイクロ波を照射すると、測定対象物で反射した反射
マイクロ波がt時間後にアンテナに戻ってくるから、時
間tを測定すればアンテナと測定対象物との間の距離を
求めることができる。しかしながら、マイクロ波の速度
は光速Cであって、時間tは極めて短時間であるから、
電子回路を以てしても時間tを測定することは困難であ
る。そこで、掃引時間の間、周波数が直線的に変化する
マイクロ波を測定対象物に向けて照射し、測定対象物で
反射して戻ってきた反射マイクロ波の周波数と、現在照
射中のマイクロ波の周波数とから、周波数が距離に比例
して高周波数となるビート波を得て、アンテナと測定対
象物との間の距離を求めるようにしている。
【0005】より具体的には、測定対象物からだけ反射
してアンテナに戻り、ビート波が生成されたときの周波
数成分をスペクトル分析(コンピュータによりリアルタ
イムに高速フーリエ変換する。)する。すると、ビート
波の周波数スペクトル説明図の図3に示すように、周波
数f1 のピークが得られる。この図3におけるピークの
周波数f1 と、距離Dとは比例関係にあるので、式D=
k・f1 (kはシステム固有の定数である。)により、
アンテナと測定対象物との間の距離Dを求めるようにし
ている。しかしながら、実際には、アンテナの先端から
の距離で表示する関係上、式D=k・f1 −dを用いて
導波管等のドリフト分を補正している。なお、レーダ装
置による距離測定方法の詳細については、例えばオーム
社発行のアンテナ工学ハンドブック〔(社)電子情報通
信学会偏〕に詳述されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、実際に測定
する場所は狭隘であり、照射されるマイクロ波が拡がり
を持っていて、測定対象物が水平であったとしても反射
マイクロ波が拡がるために、真っ直ぐに戻るとは限らな
い。実際には、溶銑面は波うっているため、より拡がっ
て側壁56(図2参照。)に反射してアンテナに戻って
くる反射マイクロ波がある。側壁56に反射してアンテ
ナに戻ってくる反射マイクロ波の強度が弱い場合には特
に問題がないが、反射マイクロ波の強度が強い場合には
大きな測定誤差が生じる。
【0007】つまり、測定対象物に反射し、かつ側壁に
反射した反射マイクロ波は、側壁に反射せずに測定対象
物から直接戻る反射マイクロ波よりも長距離移動して戻
ることになるから、ビート波の周波数も高くなり、ビー
ト波の周波数スペクトル説明図の図4に示すように、周
波数f1 のビート波のピークよりもピーク高さが高い周
波数f2 のビート波のピークが得られる。レーダユニッ
トに内蔵されている信号処理回路では、周波数f1 のピ
ークを選ばなければならないにもかかわらず、周波数ス
ペクトルの中でピーク高さが最も高い周波数のピークを
選択するしかないので、周波数f1 のピークよりもピー
ク高さが高い周波数f2 のピークを選択してしまうから
である。従って、実際の距離よりも遠い位置に溶銑面が
あると判断され、トーピードカーに溶銑を多めに注湯さ
れてしまうことになるから、溶銑がトーピードカーから
溢れ出るという事故につながってしまうこととなる。
【0008】以上では、導波管の放射口から照射された
照射マイクロ波が溶銑面に反射してアンテナに戻る途中
で側壁に反射する場合を例として説明したが、その他、
照射マイクロ波が側壁に反射した後に溶銑面に反射する
場合も考えられるし、またトーピードカーの注入口に当
たった後に側壁(あるいは、途中に存在する階段や構造
物等もあるが)に当たる場合も考えられる。ビート波の
周波数スペクトルに現れる多くの反射マイクロ波による
ビート波のピークのうち、測定範囲から遙に離れている
ピークは、測定対象外であるとしてデータ処理により論
理的に除外することができる。しかしながら、測定範囲
内のピークについては、正しいピークと、不要なピーク
とを区別する論理的な区別手段が存在しない。
【0009】例えば、トーピードカーの注入口までより
も短い距離と、トーピードカーの底部よりも長い距離と
を測定範囲外として、この測定範囲外に現れたピークを
データとして採用しないという論理を用いたとしても、
照射マイクロ波がトーピードカーの注入口で反射し、さ
らに側壁等で反射すれば、トーピードカーの注入口より
やや下目の位置、つまり測定範囲内に入り、もしそのピ
ーク高さが高ければ、データとして採用されてしまう可
能性があるから、例え測定範囲内のピークであっても、
正しいピークであるは限らない。
【0010】ここでは簡単に述べるが、ビート波をリア
ルタイムで高速フーリエ変換処理する場合は、アリアス
誤差が生じることが知られている。これを、アリアス誤
差説明のための周波数スペクトル説明図の図5を参照し
ながら説明すると、いまf2−f1 =Δであるとしたと
き、実際には存在しない周波数f3 =f1 −Δ=f1−
(f2 −f1 )=2f1 −f2 というピークが生じるこ
とが知られている。つまり、周波数f1 ±Δの位置にピ
ークが生じる。実際のビート波の周波数スペクトルは、
実際の周波数スペクトル説明図の図6に示すように、多
重反射したマイクロ波により極めて複雑であって、多く
の周波数成分を含んでいる関係上、どれが正しいピーク
であるか判別することが極めて困難である。
【0011】従って、本発明の目的は、側壁等に照射マ
イクロ波が反射したとしても、測定対象物に反射して直
接アンテナに戻ってきた反射マイクロ波だけを選択し
て、アンテナから測定対象物までの距離を求めることを
可能ならしめるようにしたレーダ装置およびレーダ装置
による距離測定方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】周知のとおり、マイクロ
波は物体に反射すると、反射マイクロ波の位相が反転す
る。もし、マイクロ波が直線偏波であれば、位相がπず
れたとしても、マイクロ波は周波数があまりにも高いた
め、位相の変化を検出するのは極めて困難である。勿
論、研究室等で研究用に使用されている大がかりなレー
ダ装置では、位相の変化を検出することが可能である。
しかしながら、現場で使用するような簡易な工業用距離
測定用のレーダ装置では無理である。ところが、このよ
うな工業用距離測定用のレーダ装置であっても、マイク
ロ波が円偏波であれば、左旋回している円偏波が反射に
より右旋回する円偏波になり、逆に右旋回している円偏
波が反射により左旋回する円偏波になるため、工夫によ
りマイクロ波の位相の変化を容易に検出することができ
ると考えられる。
【0013】つまり、発明者らは、マイクロ波の直線偏
波を円偏波に変換し、変換した円偏波を測定対象物に向
けて照射すれば、測定対象物に当たって旋回方向が反転
し、旋回方向が逆になった円偏波が反射マイクロ波とし
て戻ってくるが、反射円偏波が戻りの途中で側壁等に当
たって反射すると、反射円偏波の旋回方向が照射時の円
偏波の旋回方向に戻るから、二回反射して旋回方向が元
に戻った円偏波を除去すると共に、旋回方向が逆の円偏
波だけを検出し得る方策を講じてやれば、位相の変化を
確実に検出することが可能になる結果、正確な距離を求
めることができると考えて、本発明をなしたものであ
る。
【0014】従って、上記課題を解決するために、本発
明の請求項1に係るレーダ装置が採用した手段は、アン
テナと、導波管と、マイクロ波発振回路を有するレーダ
ユニットとを備え、前記マイクロ波発振回路から前記導
波管を介して発信されたマイクロ波を測定対象物に向け
て照射し、この測定対象物からの反射マイクロ波を前記
アンテナにより受信し、受信した反射マイクロ波と前記
測定対象物に向けて照射されるマイクロ波とから得られ
るビート波から、前記アンテナと測定対象物との間の距
離を測定するレーダ装置において、前記導波管の途中
に、前記マイクロ波発振回路から発振され、送信用ロッ
ドを介して前記導波管に送信されたマイクロ波を直線偏
波から照射用円偏波に変換し、かつ受信した反射円偏波
を直線偏波に変換する偏波変換器を内設し、この偏波変
換器の反アンテナ側に、前記照射用円偏波の旋回方向と
逆方向に旋回する反射円偏波から変換された直線偏波を
受信して前記レーダユニット側に送信する受信用ロッド
を設けたことを特徴とするものである。
【0015】また、本発明の請求項2に係るレーダ装置
による距離測定方法が採用した手段は、マイクロ波発振
回路から導波管を介して発信されたマイクロ波を測定対
象物に向けて照射し、この測定対象物からの反射マイク
ロ波を前記アンテナにより受信し、受信した反射マイク
ロ波と前記測定対象物に向けて照射されるマイクロ波と
から得られるビート波から、前記アンテナと測定対象物
との間の距離を測定するレーダ装置による距離測定方法
において、前記マイクロ波発振回路から発信されたマイ
クロ波を導波管の途中で直線偏波から照射用円偏波に変
換し、受信した反射円偏波を導波管の途中で直線偏波に
変換すると共に、前記照射用円偏波の旋回方向と逆方向
に旋回する反射円偏波から変換された直線偏波のみを選
択することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のレーダ装置による
距離測定方法を実施する、本実施の形態に係るレーダ装
置を、その構成説明図の図1(a)と、図1(a)のA
−A線断面図の図1(b)とを参照しながら説明する。
【0017】図1(a)に示す符号1は、本実施の形態
に係る距離測定用のレーダ装置である。このレーダ装置
1は、反射マイクロ波を受信するアンテナ2と、一端側
の放射口31が前記アンテナ2の開口側に開口し、他端
側に整合回路32を有する、後述する構成になる導波管
3と、この導波管3にマイクロ波を送信する、後述する
構成になるレーダユニット4とから構成されている。本
実施の形態に係るレーダ装置1では、このような従来例
と同様のレーダ装置の前記導波管3に、マイクロ波の直
線偏波を円偏波に、また円偏波を直線偏波に変換する、
後述する構成になる変換手段が設けられてなるものであ
る。
【0018】即ち、前記導波管3の放射口31と前記整
合回路32との間には、前記レーダユニット4から送信
される直線偏波であるマイクロ波を照射用円偏波に変換
すると共に、前記導波管3の放射口31から照射される
と共に、測定対象物や側壁等に反射して戻り、アンテナ
2により受信されて導波管3に戻ってきた反射円偏波を
直線偏波に変換する偏波変換器33が内設されている。
また、この偏波変換器33と前記整合回路32との間に
は、前記レーダユニット4から送信される直線偏波であ
るマイクロ波を導波管3内に送信する送信用ロッド34
が設けられると共に、アンテナ2により受信されて導波
管3に戻り、前記偏波変換器33で変換されて直線偏波
になった反射マイクロ波を受信して、前記レーダユニッ
ト4に送信する受信用ロッド35が、図1(b)に示す
ように、前記送信用ロッド34と90°位相が相違する
位置に設けられてなる構成になっている。
【0019】つまり、前記受信用ロッド35により、前
記導波管3の放射口31から照射されると共に、測定対
象物や側壁等に当たって反射し、アンテナ2により受信
されて導波管3に戻り、そして前記偏波変換器33によ
り円偏波から直線偏波に変換された反射マイクロ波のう
ち、測定対象物に反射すると共に側壁等に反射すること
なく直接戻ってきた反射円偏波(一回反射で照射用円偏
波の旋回方向と逆方向に旋回している。)から直線偏波
に変換された反射マイクロ波を受信することができる。
しかしながら、この受信用ロッド35により、照射用円
偏波と同方向に旋回する反射円偏波、より具体的には測
定対象物に反射すると共に、側壁等に反射して戻ってき
た反射円偏波(二回反射で照射用円偏波の旋回方向と同
方向に旋回している。)から直線偏波に変換された反射
マイクロ波(送信用ロッド34から送信される直線偏波
と同位相である。)を受信することができない。
【0020】前記レーダユニット4は、数十〜数百MH
zの三角波を発生する三角波発生器41と、この三角波
発生器41からの出力電圧による制御電圧により、周波
数が高くなったり、低くなったりする周波数変調された
直線偏波の照射マイクロ波を作るマイクロ波発振器(マ
イクロ波発振回路)42と、このマイクロ波発振器42
により作られた送信周波数の照射マイクロ波の一部をミ
キサー45に送信する方向性結合器43を備えている。
また、この方向性結合器43から送信された他の照射マ
イクロ波を、前記送信用ロッド34を介して前記導波管
3に送信する送受信分離回路44を備えている。
【0021】前記送受信分離回路44には、前記導波管
3の放射口31から測定対象物に向けて照射され、測定
対象物にだけに反射してアンテナ2により受信された反
射円偏波から変換された直線偏波のマイクロ波だけが受
信用ロッド35を介して送信されるようになっており、
そしてこの送受信分離回路44は、前記導波管3から受
信した測定対象物にだけに反射してアンテナ2により受
信され、前記受信用ロッド35で受信された反射マイク
ロ波を、前記ミキサー45に送信するようになってい
る。このミキサー45は、前記反射マイクロ波と、前記
方向性結合器43から送信され、前記マイクロ波発振器
42で作られた送信周波数の照射マイクロ波の一部との
周波数のずれ、つまりビート波の周波数fb を求めるも
のである。
【0022】ところで、前記ミキサー45からの出力
は、増幅器5により増幅されると共に、A/D変換器6
によりA/D変換される。また、前記三角波発生器4
1、増幅器5、A/D変換器6は、何れもコンピュータ
7により制御されるものである。なお、これらの各機器
類は、従来例に係るレーダ装置にも使用されているもの
であり、本実施の形態に係るレーダ装置1に固有のもの
ではない。
【0023】以下、本実施の形態に係るレーダ装置1の
作用態様を説明すると、上記のとおり、前記受信用ロッ
ド35により、測定対象物や側壁等に当たって反射し、
アンテナ2により受信されて導波管3に戻り、そして前
記偏波変換器33により円偏波から直線偏波に変換され
た反射マイクロ波のうち、測定対象物に反射して、側壁
等に反射することなく直接戻ってきた反射円偏波から直
線偏波に変換された反射マイクロ波(一回反射)が受信
される。つまり、測定対象物に当たって反射し、側壁等
に当たることなく直接アンテナ2に戻ってきた、照射用
円偏波と逆方向に旋回する有用な反射マイクロ波が、ア
ンテナ2と測定対象物との間の距離測定に活用される。
【0024】従って、本実施の形態に係るレーダ装置1
によれば、従来例に係るレーダ装置のように、アンテナ
2と測定対象物との間の距離測定のために、全ての反射
マイクロ波を取り込む構成でなく、アンテナ2と測定対
象物との間の距離測定にとって悪影響を及ぼす不要な反
射マイクロ波が除外され、有用な反射マイクロ波だけが
取り込まれる結果、鮮明なピークを得ることができるか
ら、極めて精度良く、アンテナ2と測定対象物との間の
距離を測定することが可能になる。
【0025】ところで、本実施の形態に係るレーダ装置
1の場合には、上記のとおり、照射用円偏波の旋回方向
と逆方向に旋回する反射円偏波から直線偏波に変換され
た反射マイクロ波が受信用ロッド35により受信される
構成であるから、奇数回反射して照射用円偏波の旋回方
向と逆方向に旋回する反射円偏波から直線偏波に変換さ
れた反射マイクロ波も受信されてしまうこととなる。つ
まり、これら奇数回反射した反射円偏波から直線偏波に
変換された有害な反射マイクロ波を除外することができ
ない。しかしながら、照射用円偏波の反射回数が多くな
ればなるほど、得られるビート波のピークが測定範囲か
ら離れるのに加えて、拡散効果により強度が低下してし
まうから、例え奇数回反射した反射円偏波から直線偏波
に変換された反射マイクロ波が取り込まれても、アンテ
ナ2と測定対象物との間の距離測定に実用上の問題が生
じるような恐れがない。
【0026】さらに、本実施の形態に係るレーダ装置1
では、以上の説明から良く理解されるように、現場で使
用するような簡易な工業用距離測定用の従来例に係る構
成のレーダ装置の導波管に偏波変換器33を付加しただ
けの構成であるから、レーダ装置の規模が同等であれ
ば、レーダ装置自体のコストがそれほどアップするよう
なことがない。
【0027】因みに、アンテナと測定対象物との間の距
離測定には、従来から30mWクラスの出力のレーダ装
置が用いられていたが、本実施の形態に係るレーダ装置
1によれば、出力を1/100の0.3mWにしても、
周波数成分をスペクトル分析した結果、極めてシャープ
であって、しかも安定したビート波のピークを得ること
ができた。このことは、レーダ装置の小型化を可能にす
るものであり、レーダ装置の大幅なコストダウンが可能
になるということを示唆するものである。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1に
係るレーダ装置、または本発明の請求項2に係るレーダ
装置による距離測定方法によれば、測定対象物や側壁等
に当たって反射し、アンテナにより受信されて導波管に
戻り、そして円偏波から直線偏波に変換された反射マイ
クロ波のうち、測定対象物に反射して、側壁等に反射す
ることなく直接戻ってきた反射円偏波から直線偏波に変
換された反射マイクロ波(一回反射)が受信され、この
有用な反射マイクロ波だけが、アンテナと測定対象物と
の間の距離測定に活用され、従来例に係るレーダ装置の
ように、アンテナと測定対象物との間の距離測定のため
に、全ての反射マイクロ波を取り込む構成でないから、
鮮明なピークが得られ、極めて精度良く、アンテナと測
定対象物との間の距離を測定することが可能になるとい
う優れた効果がある。
【0029】さらに、本発明に係るレーダ装置では、現
場で使用するような簡易な工業用距離測定用の従来例に
係るレーダ装置に偏波変換器を付加しただけの構成であ
るのに加えて、上記のとおり、鮮明なピークが得られる
から、レーダ装置の小型化が可能になり、レーダ装置の
大幅なコストダウンが可能になるという経済上の効果も
生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係り、図1(a)はレー
ダ装置の構成説明図であり、図1(b)は図1(a)の
A−A線断面図である。
【図2】従来例に係るレーダ装置による距離測定状態説
明図である。
【図3】従来例に係り、ビート波の周波数スペクトル説
明図である。
【図4】従来例に係り、ビート波の周波数スペクトル説
明図である。
【図5】従来例に係り、アリアス誤差説明のための周波
数スペクトル説明図である。
【図6】従来例に係り、実際の周波数スペクトル説明図
である。
【符号の説明】
1…レーダ装置 2…アンテナ 3…導波管,31…放射口,32…整合回路,33…偏
波変換器,34…送信用ロッド,35…受信用ロッド 4…レーダユニット,41…三角波発生器,42…マイ
クロ波発振器,43…方向性結合器,44…送受信分離
回路,45…ミキサー 5…増幅器 6…A/D変換器 7…コンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01S 7/03 G01F 23/28 C Fターム(参考) 2F014 AC06 FC01 4K015 KA04 4K056 AA01 AA02 AA06 CA02 FA11 FA17 4K070 AC02 BE08 BE20 5J070 AB17 AC02 AD15 AD16 AE07 AK22 AK32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナと、導波管と、マイクロ波発振
    回路を有するレーダユニットとを備え、前記マイクロ波
    発振回路から前記導波管を介して発信されたマイクロ波
    を測定対象物に向けて照射し、この測定対象物からの反
    射マイクロ波を前記アンテナにより受信し、受信した反
    射マイクロ波と前記測定対象物に向けて照射されるマイ
    クロ波とから得られるビート波から、前記アンテナと測
    定対象物との間の距離を測定するレーダ装置において、
    前記導波管の途中に、前記マイクロ波発振回路から発振
    され、送信用ロッドを介して前記導波管に送信されたマ
    イクロ波を直線偏波から照射用円偏波に変換し、かつ受
    信した反射円偏波を直線偏波に変換する偏波変換器を内
    設し、この偏波変換器の反アンテナ側に、前記照射用円
    偏波の旋回方向と逆方向に旋回する反射円偏波から変換
    された直線偏波を受信して前記レーダユニット側に送信
    する受信用ロッドを設けたことを特徴とするレーダ装
    置。
  2. 【請求項2】 マイクロ波発振回路から導波管を介して
    発信されたマイクロ波を測定対象物に向けて照射し、こ
    の測定対象物からの反射マイクロ波を前記アンテナによ
    り受信し、受信した反射マイクロ波と前記測定対象物に
    向けて照射されるマイクロ波とから得られるビート波か
    ら、前記アンテナと測定対象物との間の距離を測定する
    レーダ装置による距離測定方法において、前記マイクロ
    波発振回路から発信されたマイクロ波を導波管の途中で
    直線偏波から照射用円偏波に変換し、受信した反射円偏
    波を導波管の途中で直線偏波に変換すると共に、前記照
    射用円偏波の旋回方向と逆方向に旋回する反射円偏波か
    ら変換された直線偏波のみを選択することを特徴とする
    レーダ装置による距離測定方法。
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