JP2002242711A - 触媒を備えた4サイクルエンジン - Google Patents

触媒を備えた4サイクルエンジン

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JP2002242711A
JP2002242711A JP2001037529A JP2001037529A JP2002242711A JP 2002242711 A JP2002242711 A JP 2002242711A JP 2001037529 A JP2001037529 A JP 2001037529A JP 2001037529 A JP2001037529 A JP 2001037529A JP 2002242711 A JP2002242711 A JP 2002242711A
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啓二 荒木
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルブタイミング可変装置を利用して、NO
x触媒の温度が活性温度範囲を越える高温状態となった
ときに排気温度を低下させて高温状態を解消する。 【解決手段】 NOx触媒を排気通路32に具備すると
ともに、所定のリーン運転領域で空燃比を理論空燃比よ
りも大きいリーン空燃比に制御するようになっている4
サイクルエンジンにおいて、吸気弁9及び排気弁10に
対してバルブタイミング可変装置11,12と、NOx
触媒の温度を検出する触媒温度検出手段42と、バルブ
タイミング制御手段43とを備える。バルブタイミング
制御手段43は、NOx触媒32の温度が所定の活性温
度範囲を越える高温状態のとき、排気弁閉時期を吸気上
死点より前とするとともに、吸気弁開時期を吸気上死点
以後とするように上記バルブタイミング可変装置を制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素過剰雰囲気で
NOxを吸収して酸素濃度が減少するに伴いNOxを放
出するNOx触媒を排気通路に具備した4サイクルエン
ジンに関し、とくにNOx触媒の温度上昇時の対策に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、特定運転域でリーン運転を行
なうエンジン、例えば燃焼室に直接燃料を噴射するイン
ジェクタを備えて低負荷低回転側の運転領域で成層燃焼
によりリーン運転を行なうようにしたエンジンにおい
て、酸素過剰雰囲気でNOxを吸収して酸素濃度が減少
するに伴いNOxを放出するNOx触媒を排気通路に設
け、リーン運転状態のときに排気中のNOxがNOx触
媒に吸収され、空燃比がリッチ側に変化したときにNO
xがNOx触媒から放出されて還元されるようにしたも
のが知られている。
【0003】このようなエンジンにおいて、上記NOx
触媒はNOx浄化率が高い活性温度範囲が三元触媒等と
比べて狭いため、運転中にNOx触媒の温度が上記活性
温度範囲を越える高温状態となることがあり、このよう
な高温状態になればNOx浄化性能が低下する。
【0004】NOx触媒の高温化の対策に関する技術と
しては、例えば特開平11−229856号公報に示さ
れるように、NOx触媒の硫黄被毒時にSパージ(硫黄
放出)のために排気雰囲気を酸素濃度低下雰囲気として
触媒温度を上昇させる制御手段を備えたエンジンにおい
て、上記制御手段によるSパージ制御動作中に燃料カッ
トモードの条件が成立したとき、上記NOx触媒へ流入
する排気ガス中の余剰酸素を抑制するようにしたものが
ある。
【0005】この技術は、Sパージ制御動作中に硫黄放
出のためにHC,CO等が排気ガス中に多く混入してN
Ox触媒に与えられている状態で、燃料カットモードに
移行したとき、燃料供給が停止されることで急激に酸素
過剰雰囲気になってNOx触媒に蓄積されたHC,CO
等が燃焼し、NOx触媒の温度が急上昇するといった事
態を防止するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に示された技
術は、Sパージ制御動作中に燃料カットモードの条件が
成立するという特殊な状況下でのみNOx触媒の温度上
昇防止を図るものであるが、このような特殊な状況以外
でも、例えばエンジンの負荷や回転数がある程度高くな
って排気ガス温度が比較的高い状態が持続した場合等に
NOx触媒の温度が活性温度範囲を越える高温状態とな
ることがあり、このような場合にも効果的にNOx触媒
の温度を低下させることが望まれる。
【0007】本発明は上記の事情に鑑み、NOx触媒の
温度が活性温度範囲を越える高温状態となったときに排
気温度を低下させてNOx触媒の高温状態を解消し、と
くに排気弁及び吸気弁のバルブ開閉タイミングを変更す
るバルブタイミング可変装置を利用して効果的にNOx
触媒の高温化を防止することができる触媒を備えた4サ
イクルエンジンを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸素過剰雰囲
気でNOxを吸収して酸素濃度が減少するに伴いNOx
を放出するNOx触媒を排気通路に具備するとともに、
所定のリーン運転領域で空燃比を理論空燃比よりも大き
いリーン空燃比に制御するようになっている4サイクル
エンジンにおいて、NOx触媒の温度を直接的または間
接的に検出する触媒温度検出手段と、排気弁及び吸気弁
のうちの少なくとも排気弁に対してバルブ開閉タイミン
グを変更するバルブタイミング可変装置と、上記触媒温
度検出手段による検出に基づき、NOx触媒の温度が所
定の活性温度範囲を越える高温状態のとき、排気弁用カ
ムリフト特性における加速度区間から定速度区間への移
行時点をもって定義した排気弁閉時期を吸気上死点より
所定クランク角期間前へ進角するように上記バルブタイ
ミング可変装置を制御するバルブタイミング制御手段と
を備え、かつ、少なくとも上記高温状態のときに、吸気
弁用カムリフト特性における定速度区間から加速度区間
への移行時点をもって定義した吸気弁開時期が吸気上死
点以後とされていることを特徴とする触媒を備えたもの
である。
【0009】この発明によると、NOx触媒が高温状態
のとき、排気弁閉時期が吸気上死点より前、吸気弁開時
期が吸気上死点以後とされることにより、燃焼室内に既
燃ガスが残留していわゆる内部EGRが得られるととも
に、その既燃ガスが充分に冷却され、低温のEGRガス
を導入する場合と同様に燃焼温度が低下し、それに伴っ
て排気温度が低下する。これにより、NOx触媒の温度
が高温状態から活性温度範囲へ引き下げられる。また、
上記内部EGRによるNOx低減作用も得られる。
【0010】この発明において、上記バルブタイミング
制御手段は、エンジンの高負荷側の中・高速域を含む所
定運転領域で上記排気弁閉時期を上死点より前とし、か
つ、上記排気弁閉時期から吸気上死点までのクランク角
期間を上記所定運転領域内の中速域では高速域よりも大
きくするように、運転状態に応じて排気弁のバルブ開閉
タイミングを制御するとともに、NOx触媒の温度状態
が高い程、上記排気弁閉時期から吸気上死点までの期間
を増大方向に補正するものであることが好ましい。
【0011】このようにすると、運転状態に応じたバル
ブタイミングの制御に加えて触媒温度に応じたバルブタ
イミングの補正制御が行なわれる。そして、運転状態に
応じた制御でも、上記所定運転領域で排気弁閉時期が吸
気上死点より前、吸気弁の開時期が吸気上死点以後とさ
れることにより排気温度の上昇が抑制されるが、それで
もなお触媒が高温状態になれば、それに応じたバルブタ
イミングの補正制御により排気温度を低下させる作用が
高められる。
【0012】さらに、上記バルブタイミング制御手段
は、上記排気弁閉時期から上記吸気弁開時期までの期間
を上記所定運転領域内の中速域では高速域よりも大きく
するとともに、NOx触媒の温度状態が高い程、上記排
気弁閉時期から上記吸気弁開時期までのクランク角期間
を増大方向に補正するものであることが好ましい。
【0013】このようにすると、触媒が高温状態になっ
た場合のバルブタイミングの補正制御により排気温度を
低下させる作用が、より一層高められる。
【0014】上記リーン運転領域においてNOx触媒が
上記高温状態にあるとき、上記バルブタイミング制御手
段による制御に加え、空燃比制御手段により空燃比を理
論空燃比とするように制御してもよい。
【0015】このようにすると、NOx触媒が高温状態
にあるときに、三元触媒としての機能によりNOxが浄
化される。
【0016】上記バルブタイミング制御手段は、NOx
触媒が上記高温状態にあって、かつ、減速運転中に燃料
供給を停止する減速燃料カット状態にあるときには、上
記排気弁閉時期を上死点以後とするように制御すること
が好ましい。
【0017】このようにすると、減速運転中に燃料供給
が停止されたとき、新気が排気通路に多く流されて触媒
を冷やす作用が高められる。
【0018】また、バルブタイミング可変装置は排気弁
と吸気弁の双方のバルブタイミングを変更するものであ
り、上記バルブタイミング制御手段は、エンジンの全開
域では、NOx触媒の温度が触媒劣化傾向を生じる極高
温状態に達したときに、上記排気弁閉時期を吸気上死点
より前の所定クランク角へ進角し、上記吸気弁開時期を
吸気上死点以後の所定クランク角へ遅角するように制御
するものであることが好ましい。
【0019】このようにすると、エンジンの全開域で
は、上記極高温状態に達するまでは全開出力確保に有利
なバルブタイミングとされるが、上記極高温状態に達す
ると排気温度が低下するようにバルブタイミングが変更
される。
【0020】また、本発明は、NOx触媒を排気通路に
具備するとともに過給機を備えたエンジンに適用する場
合、少なくとも高負荷域における中・高速域で、過給を
行うとともに、排気弁用カムリフト特性における加速度
区間から定速度区間への移行時点をもって定義した排気
弁閉時期を吸気上死点より前、吸気弁用カムリフト特性
における定速度区間から加速度区間への移行時点をもっ
て定義した吸気弁開時期を吸気上死点以後に設定したも
のである。
【0021】このようにすると、NOx触媒が高温状態
となり易い高負荷域の中・高速域で、過給により出力が
確保されつつ、充分な内部EGRとこれを冷却する作用
により、排気温度が低下して、NOx触媒の温度上昇が
抑制される。
【0022】この発明において、過給を行う運転領域で
空燃比を理論空燃比よりも大きいリーン空燃比に制御す
ることが好ましい。このようにすると、NOx触媒の温
度上昇を抑制する作用が高められる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0024】図1は本発明が適用される自動車用4サイ
クルエンジンの全体構造を概略的に示したものである。
この図において、1はエンジン本体であり、複数の気筒
を有し、その各気筒2には、シリンダボアに挿入された
ピストン4の上方に燃焼室5が形成されている。この燃
焼室5には吸気ポート7及び排気ポート8が開口し、こ
れらのポート7,8は吸気弁9及び排気弁10によって
開閉されるようになっている。
【0025】上記吸気弁9及び排気弁10はカムシャフ
ト11,12等からなる動弁機構により開閉作動される
ようになっている。また、吸気弁9に対する動弁機構及
び排気弁10に対する動弁機構には、それぞれ、バルブ
開閉タイミングを変更可能にするバルブタイミング可変
装置13,14が設けられている。このバルブタイミン
グ可変装置13,14は、クランクシャフトに連動する
カムプーリとカムシャフトとの間に設けられて、クラン
クシャフトに対するカムシャフトの位相を変更すること
により、開弁期間は一定としつつ開時期及び閉時期を変
更することができるようになっている。このようなバル
ブタイミング可変装置13,14は従来から種々知られ
ているため、具体的な構造の図示及び説明は省略する。
【0026】上記燃焼室5の中央部には点火プラグ16
が配設され、そのプラグ先端が燃焼室に臨んでいる。さ
らに燃焼室5には、側方からインジェクタ18の先端部
が臨み、このインジェクタ18から燃料が燃焼室5内に
直接噴射されるようになっている。
【0027】上記エンジン本体1には吸気通路20及び
排気通路30が接続されている。上記吸気通路20に
は、その上流側から順に、エアクリーナ21、エアフロ
ーセンサ22、スロットル弁23及びサージタンク24
が設けられている。上記スロットル弁23は、図外のア
クセルペダルに機械的に連結され、アクセルペダル踏込
み量に応じた開度に開かれるようになっている。このス
ロットル弁23に対し、その開度を検出するスロットル
開度センサ25が設けられている。
【0028】上記排気通路30には、排気ガス中の酸素
濃度を検出することによって空燃比を検出するO2セン
サ31が設けられるとともに、その下流にNOx触媒3
2が設けられている。このNOx触媒32は、空燃比が
理論空燃比よりも大きいリーン運転状態でもNOx浄化
性能を有するものであって、酸素過剰雰囲気で排気ガス
中のNOxを吸収し、空燃比がリーンからリッチ側に変
化して酸素濃度が減少したときに、吸収していたNOx
を放出するとともに、雰囲気中に存在するCO等の還元
材によりNOxを還元させるようになっている。
【0029】より詳しく説明すると、上記NOx触媒3
2は、例えばコージュライト製ハニカム構造体等からな
る担体の上にNOx吸収材層と触媒材層とを層状に形成
したものであり、NOx吸収材層は活性アルミナにPt
成分とNOx吸収材としてのBa成分とを担持させたも
のを主成分として構成され、触媒材層は、ゼオライトを
担持母材としてこれにPt成分及びRh成分を担持させ
てなる触媒材を主成分として構成されている。
【0030】40はエンジン制御用のコントロールユニ
ット(ECU)である。このECU40には、上記エア
フローセンサ22、スロットル開度センサ25及びO2
センサ31からの信号が入力されるとともに、クランク
角センサ35からエンジン回転数検出等のためのクラン
ク角信号が入力され、さらにエンジン冷却水の温度を検
出する水温センサ36等からの信号も入力されている。
【0031】また、ECU40から、上記インジェクタ
18に対して燃料噴射を制御する信号が出力されるとと
もに、バルブタイミング可変装置13,14に対してこ
れを制御する信号が出力されている。
【0032】上記ECU40は、運転状態判別手段4
1、触媒温度検出手段42、バルブタイミング制御手段
43及び燃料噴射制御手段44を含んでいる。運転状態
判別手段41は、クランク角センサ35からのクランク
角信号の周期の計測等によって検出されるエンジン回転
数と、エアフローセンサ22、スロットル開度センサ2
5等からの信号によって調べられるエンジン負荷とに基
づき、エンジンの運転状態を判別するようになってい
る。
【0033】触媒温度検出手段42は、NOx触媒32
の温度状態をほぼ直接的に検出するもので、排気通路3
0のNOx触媒32の直上流側に設けられた排気温度セ
ンサ33の出力により、NOx触媒32の温度状態を検
出するものである。なお、触媒温度検出手段42は、例
えば水温とエンジンの運転状態の経過等に基づいてNO
x触媒32の温度状態を推定する間接的な温度検出手段
であってもよい。
【0034】バルブタイミング制御手段42は、運転状
態判別手段41による運転状態の判別及び触媒温度検出
手段42による触媒温度状態の検出に基づいてバルブタ
イミング可変装置13,14を制御するものであり、後
に詳述するような運転状態に応じたバルブタイミングの
制御を行なうとともに、NOx触媒32の温度状態に応
じた制御として、NOx触媒の温度が所定の活性温度範
囲を越える高温状態となったときに、排気弁閉時期を吸
気上死点より前とするとともに、吸気弁開時期を吸気上
死点後とするようになっている。
【0035】また、燃料噴射制御手段43は、運転状態
判別手段41により判別される運転状態に応じてインジ
ェクタ18からの燃料噴射量及び噴射時期を制御するも
のであり、例えば図2中に示すようにエンジンの低速、
低負荷側の所定領域をリーン運転領域とし、このリーン
運転領域では、空燃比を理論空燃比よりもリーン(空気
過剰率λがλ>1)とするとともに、圧縮行程後半に燃
料を噴射することにより点火プラグ16まわりに混合気
を偏在させて成層燃焼を行わせるように、燃料噴射量及
び噴射タイミングを制御する。一方、上記リーン運転領
域以外の領域では、空燃比を理論空燃比(空気過剰率λ
がλ=1)もしくはこれに近い値とするとともに、吸気
行程で燃料を噴射することにより混合気を拡散させて均
一燃焼を行わせるように、燃料噴射量及び噴射タイミン
グを制御する。
【0036】図3は吸・排気弁の開閉タイミングを示す
ためのカムリフト曲線を表しており、InVは吸気弁、
ExVは排気弁を意味する。また、InO及びInCは
吸気弁の開時期及び閉時期、ExO及びExCは排気弁
の開時期及び閉時期である。ここで、吸気弁及び排気弁
の開時期InO,ExOは、カムリフト特性における定
速度区間から加速度区間への移行時点をもって定義し、
吸気弁及び排気弁の閉時期InC,ExCは、カムリフ
ト特性における加速度区間から定速度区間への移行時点
をもって定義することとする(図4参照)。
【0037】図3において、排気弁は開閉タイミング可
変範囲内で最も進角したときに実線のように閉時期Ex
Cが吸気上死点TDCより前、最も遅角したときに破線
のように閉時期ExCが吸気上死点TDCより後とな
り、吸気弁は開閉タイミング可変範囲内で最も進角した
ときに破線のように開時期InOが吸気上死点TDCよ
り前、最も遅角したときに実線のように開時期InOが
吸気上死点TDCより後となる。従って、破線で示すよ
うな排気弁が遅角、吸気弁が進角の状態では両者の開弁
期間にオーバラップがあるが、実線で示すような排気弁
が進角、吸気弁が遅角の状態では両者の開弁期間にオー
バラップがない。このようなオーバラップがない状態で
の排気弁閉時期ExCから吸気弁開時期InOまでの期
間を、実施形態の説明の中では便宜的にマイナスオーバ
ラップ(マイナスO/L)と呼ぶ。
【0038】図5は、リーン運転状態にあるときのNO
x触媒のNOx浄化率(NOx吸収率)と触媒温度との
関係を示しており、この図のように、所定の活性温度範
囲T1(250°C程度)〜T2(400°C程度)に
あるときにNOx浄化率が高く、この温度範囲の下限値
T1より低温側及び上限値T2より高温側でNOx浄化
率が低くなる。そこで、触媒温度が上記活性温度範囲の
上限値T2より高い高温状態の時、排気温度を低下させ
るため、排気弁閉時期が吸気上死点より前、吸気弁開時
期が吸気上死点以後となるようにバルブタイミングが制
御される。ただし、運転状態に応じた制御によって既に
このようなバルブタイミングとなっている場合は、排気
弁閉時期が進角側、吸気弁開時期が遅角側にそれぞれ補
正されてマイナスO/Lが大きくされる。
【0039】次に、運転状態に応じたバルブタイミング
の設定、変更の仕方を、図2および図6を参照しつつ説
明する。なお、以下の説明の中で吸気弁、排気弁の開閉
タイミング等についての時期及び期間を表す数値はクラ
ンク角によるものであり、また、BTDCは上死点前を
意味し、ATDCは上死点後を意味する。
【0040】エンジンの高負荷側の中・高速域を含む所
定運転領域では、排気弁閉時期ExCが吸気上死点TD
Cより所定期間前とされるとともに吸気弁開時期InO
が吸気上死点TDCより後とされることにより、マイナ
スO/Lが生じるように設定され、特に当実施形態では
図2中に示すようにエンジン中負荷からこれより多少高
負荷側にまでわたる領域における中速域(領域A)でマ
イナスO/Lが最も大きくされる。
【0041】具体的には、中速中負荷(上記領域A内)
では図6(b)に示すように、排気弁閉時期ExCが吸
気上死点TDCよりも20°以上前、好ましくはBTD
C30〜40°に設定されるとともに、吸気弁開時期I
nOが吸気上死点TDCより後、好ましくはATDC3
5〜45°に設定される。なお、中速中負荷域において
吸気弁の閉時期InCは吸気下死点後80°程度、排気
弁の開時期は排気下死点前80°程度とされる。そし
て、当実施形態において用いられているバルブタイミン
グ可変装置によると、吸気弁及び排気弁の開弁期間は一
定に保たれつつ、吸気弁開時期の変化に伴って吸気弁閉
時期も変化し、また排気弁閉時期の変化に対応して排気
弁開時期も変化する。
【0042】領域Aより高速側の領域である高速中負荷
域では、図6(c)に示すように、マイナスO/Lを有
するがその期間が中速中負荷域より小さくされ、例えば
排気弁閉時期ExCがBTDC20〜30°に設定され
るとともに、吸気弁開時期InOがATDC25〜35
°に設定される。
【0043】また、領域Aから全開域に近づくと、それ
につれて排気弁が徐々に遅角され、かつ、吸気弁が徐々
に進角されることにより、マイナスO/Lが徐々に小さ
くされ、あるいはさらに正のオーバラップが生じる状態
に至る。そして、中速全開域では、図6(e)に示すよ
うに、排気弁閉時期ExCが吸気上死点TDCより後、
例えばATDC10°程度に設定されるとともに、吸気
弁開時期InOが吸気上死点TDCより前、例えばBT
DC10〜15°程度に設定される。また、高速高負荷
域では、図6(f)に示すように、排気弁閉時期ExC
が吸気上死点TDCより後、例えばATDC10°程度
に設定されるとともに、吸気弁開時期InOが吸気上死
点TDCより後、例えばATDC10〜15°に設定さ
れる。
【0044】なお、低速域でのバルブ開閉タイミングは
本発明で限定しないが、図示の例によると、低速中負荷
域では図6(a)のように、中速中負荷域よりマイナス
O/Lが小さくされ、例えば排気弁閉時期ExCがBT
DC20〜30°、吸気弁開時期InOがATDC25
〜35°に設定される。低速全開域では図6(d)のよ
うに、中速中全開域と略同じで排気弁閉時期ExCがA
TDC10°程度に設定されるとともに、吸気弁開時期
InOがBTDC10〜15°程度に設定される。
【0045】また、低負荷領域のバルブ開閉タイミング
は本発明で限定しないが、例えば図6(g)に示すよう
に、排気弁閉時期ExCが吸気上死点TDCより前で、
BTDC5〜15°程度に設定されるとともに、吸気弁
開時期InOが吸気上死点TDCより後で、例えばAT
DC10〜20°程度に設定される。
【0046】ECU40による制御の具体例を、図7の
フローチャートによって説明する。
【0047】ECU40による制御としては、先ず各セ
ンサからの信号が入力され(ステップS1)、エンジン
回転数及びエンジン負荷に基づいて運転状態が判別され
(ステップS2)、水温及び運転状態等に基づいてNO
x触媒32の温度状態が判別される(ステップS3)。
さらに、ステップS2で判別された運転状態に応じて吸
気弁及び排気弁の開閉タイミングの設定(図6参照)が
行われる(ステップS4)。
【0048】次に、運転状態がエンジンの全開域にある
か否かが判定され(ステップS5)、全開域にない場合
は減速燃料カット領域にあるか否かが判定される(ステ
ップS6)。運転状態がエンジンの全開域及び減速燃料
カット領域にない場合、ステップS7に移って、NOx
触媒32の温度が活性温度範囲の上限値T2を越える高
温状態であるか否かが判定される。
【0049】ステップS7でNOx触媒32が高温状態
にあることが判定された場合は、排気弁閉時期ExCを
吸気上死点TDCより前で、吸気上死点TDCまでの期
間が長くなるように進角側に補正するとともに、吸気弁
開時InOを吸気上死点TDCより後で、吸気上死点T
DCからの期間が長くなるように遅角側に補正し、マイ
ナスO/Lを大きくする(ステップS8)。また、イン
ジェクタ18からの燃料噴射の制御(噴射量及び噴射タ
イミングの制御)は図外の燃料制御ルーチンで行われ、
この燃料制御ルーチンで図2中に示すように運転領域に
応じて空燃比が設定されて、その空燃比となるように燃
料噴射量が演算されるが、NOx触媒32が高温状態に
ある場合は、リーン運転領域であっても空燃比が理論空
燃比(λ=1)に修正される(ステップS9)。
【0050】そしてステップS10に移行し、ステップ
S8で補正されたバルブタイミングとなるようにバルブ
タイミング制御信号がバルブタイミング制御装置13,
14に対して出力される。
【0051】また、上記ステップS5でエンジンの運転
状態が全開域にあると判定された場合は、ステップS1
1に移って、NOx触媒32の温度が活性温度範囲の上
限値T2よりもさらに所定量高い極高温状態判定値T3
(図5参照)を越える極高温状態となったか否かが判定
される。そして、全開域で極高温状態となった場合は、
排気弁閉時期ExCを上死点TDCより前、吸気弁開時
期InOを上死点TDCより後とするように、バルブタ
イミングが変更される(ステップS12)。それからス
テップS10に移行し、ステップS12で変更されたバ
ルブタイミングとなるようにバルブタイミング制御信号
がバルブタイミング制御装置13,14に対して出力さ
れる。
【0052】また、上記ステップS6でエンジンの運転
状態が減速燃料カット領域にあることが判定された場
合、ステップS13に移って、NOx触媒32の温度が
活性温度範囲の上限値T2を越える高温状態であるか否
かが判定される。そして、NOx触媒32が高温状態に
ある場合は、排気弁閉時期ExCを上死点TDCより
後、吸気弁開時期InOを上死点TDCより前とするよ
うに、バルブタイミングが変更される(ステップS1
4)。それからステップS10に移行し、ステップS1
4で変更されたバルブタイミングとなるようにバルブタ
イミング制御信号がバルブタイミング制御装置13,1
4に対して出力される。
【0053】なお、ステップS7またはステップS13
でNOx触媒32に高温状態でないと判定された場合、
あるいはステップS11でNOx触媒32に極高温状態
でないと判定された場合は、そのままステップS10に
移行することにより、ステップS4で設定されたバルブ
タイミングとなるようにバルブタイミング制御信号がバ
ルブタイミング制御装置13,14に対して出力され
る。
【0054】以上のような当実施形態のエンジンによる
と、前述のようにエンジンの運転状態に応じたバルブタ
イミングの制御が行なわれて、中速中負荷、高速中負荷
等の運転領域で、排気弁閉時期ExCが吸気上死点TD
C前、吸気弁開時期InOが吸気上死点TDC後とされ
ることにより、いわゆる内部EGRが行われてNOxが
低減されるとともに、その内部EGRによる燃焼室内の
既燃ガスが充分に冷却されて熱効率の向上による燃費改
善及び排気温度上昇抑制の効果が得られる。
【0055】すなわち、排気弁閉時期ExCを吸気上死
点TDCよりも前としておけば、既燃ガスを排出し終え
る前に排気弁が閉じるため燃焼室5内に既燃ガスが残留
していわゆる内部EGR効果が得られ、外部から排気ガ
スを還流させる外部EGRと同様にNOxが低減され
る。
【0056】また、排気弁閉時期ExCを吸気上死点T
DCより所定期間前とするとともに吸気弁開時期InO
を吸気上死点TDC後とした場合の排気行程後期から吸
気行程前記にかけての圧力変化は図8のようになり、排
気弁閉時期ExCから吸気上死点TDCになるまで間に
燃焼室内圧力が上昇し、吸気上死点TDCを過ぎてから
燃焼室圧力が低下する。そして、圧力上昇に伴って温度
が上昇し、圧力低下に伴って温度が低下するが、圧力上
昇により燃焼室内温度が高められる期間には、燃焼室を
構成する周囲の壁(ウォータジャケットが内蔵されて比
較的温度が低いシリンダヘッドないしシリンダ壁)との
温度差が大きくなることにより、この周囲の壁への放熱
量が増大する。従って、排気弁が閉じた時点で燃焼室内
に残留する既燃ガスの温度が高くても、排気弁が閉じて
からの圧力が高い期間に充分に放熱が行われた上で、そ
の後の圧力低下に伴い温度が低下する。
【0057】こうして既燃ガスを冷却する作用が得ら
れ、これにより、外部から冷却されたEGRガスを導入
する場合と同様に、燃焼温度が低下する。このように燃
焼温度が低下すると、熱効率が高められるため、燃費が
改善される。また、燃焼温度の低下に伴い、排気温度が
低下するため、NOx触媒の温度上昇抑制に有利とな
る。さらに、比較的高負荷側の運転領域では、燃焼温度
の低下によってノッキングを抑制する効果も得られる。
【0058】運転状態に応じたバルブタイミングの制御
において、とくに、エンジン中負荷からこれより多少高
負荷側にまでわたる領域における中速域及び高速域で
は、燃焼安定性が高くて内部EGRの許容量が大きいた
め、排気弁閉時期が吸気上死点に対して比較的大きく進
角されるとともにマイナスO/Lが大きくされ、これに
より内部EGR量が多くされ、かつ、既燃ガス冷却作用
が高められて、燃焼温度及び排気温度の上昇を抑制する
作用が充分に得られる。
【0059】また、このようにマイナスO/Lにすると
よって内部EGRを得るようにすると、エンジン回転速
度が高くなるにつれ、吸気弁及び排気弁の有効開弁期間
が減少することが実質的にマイナスO/Lを大きくする
のと同等に作用するので、高速域では中速域と比べてマ
イナスO/Lを小さくしても内部EGRの確保及び燃焼
温度、排気温度の低減等の効果が充分に得られる。従っ
て、中速中負荷でマイナスO/Lが最も大きくされるの
に対し、高速中負荷ではマイナスO/Lが中速中負荷よ
りもある程度小さくされることにより、内部EGR量が
過剰になることが避けられ、上記のような効果が得られ
つつ出力が確保される。
【0060】エンジンの低速域や低負荷域では、中・高
速の中・高負荷域と比べるとEGR許容量が少なくなる
ので、マイナスO/Lが比較的小さくされる。また、エ
ンジンの全開域では、排気弁閉時期ExCが吸気上死点
TDCよりも多少遅いATDC10°程度とされること
により、内部EGRが極力少なくされて全開トルクが確
保される。
【0061】エンジンの運転状態に応じた燃料噴射の制
御としては、図2中に示すリーン運転領域で、空燃比が
リーンになるように燃料噴射量が制御されるとともに、
成層燃焼が行なわれるように燃料噴射時期が制御され
る。そして、このようなリーン運転状態にあるときに、
酸素過剰状態の排気ガスに含まれるNOxがNOx触媒
32に吸収され、その後にリーン運転領域外への運転状
態の移行等によって空燃比が理論空燃比もしくはそれよ
りリッチとされたとき、NOx触媒32からNOxが放
出され、かつ、排気ガス中のCO等の還元材の存在によ
り、NOx触媒32の還元作用でNOxが還元される。
【0062】このようにしてNOx触媒32により排気
ガス中のNOxが浄化されるが、このNOx触媒32の
活性温度範囲(T1〜T2)は比較的狭く、運転中に排
気温度の上昇に伴って触媒温度が活性温度範囲を越えて
上昇することがある。
【0063】そこで、NOx触媒32が活性温度範囲を
越える高温状態となったとき、上記マイナスO/Lによ
る排気温度の低下が図られる。
【0064】すなわち、上述のように排気弁閉時期を吸
気上死点より前とし、かつ、吸気弁開時期を吸気上死点
後としてマイナスO/Lを生じるようにしておけば、内
部EGRが得られるとともにこれが冷却されることで排
気温度を低下させる作用が得られ、このような作用は、
吸気上死点に対する排気弁閉時期の進角量及び上記マイ
ナスO/Lを大きくするほど高められる。
【0065】このため、エンジンの全開域及び減速燃料
カット領域にない場合においてNOx触媒32が高温状
態となったときは、排気弁閉時期が進角されるとともに
マイナスO/Lを大きくなるようにバルブタイミングが
補正され(ステップS7,S8)、これにより排気温度
が引き下げられる。その上、このように補正されること
で内部EGR量が増加するため、NOx触媒32が高温
状態にあるため浄化性能が低い状況下でもNOx排出量
の増大が抑制される。
【0066】さらに、NOx触媒32は理論空燃比では
三元触媒機能を有し、この機能は高温状態でも発揮し得
るため、当実施形態ではNOx触媒32が高温状態にあ
るときにリーン運転領域であっても空燃比を理論空燃比
に調整し(ステップS9)、三元触媒機能を利用してN
Oxの浄化を図っている。
【0067】また、エンジンの全開域では、全開出力確
保の要求が強いため、NOx触媒32の温度が活性温度
範囲を超えても極高温状態判定値T3を越えなければ、
全開出力確保に適したバルブタイミングが維持される
が、極高温状態判定値T3を越える極高温状態にまで達
すれば排気弁閉時期が吸気上死点TDC前とされるとと
もに吸気弁開時期が吸気上死点TDC後とされるように
バルブタイミングが変更され(ステップS12)、これ
により、NOx触媒32の劣化を招くような過度の温度
上昇が避けられる。
【0068】また、高速高負荷の状態から減速が行われ
た場合等には、NOx触媒32が高温状態で、かつ、減
速燃料カットが行われることがあり、このような場合は
燃料供給が停止されて燃焼が行なわれないので、マイナ
スO/Lとしても内部EGRは得られず、それよりも排
気側への新気の流れを多くするほうが触媒の冷却に有利
である。そこでこのような場合は、排気弁閉時期が吸気
上死点後、吸気弁開時期が吸気上死点前とされ(ステッ
プS14)、これにより新気の吸入量が増大されて触媒
冷却作用が高められる。
【0069】図9は本発明の別の実施形態を示してい
る。この実施形態では、図1に示す第1の実施形態と同
様の構造に加え、ターボ過給機50を装備している。こ
のターボ過給機50は、吸気通路20に設けたコンプレ
ッサ51と、排気通路30に設けたタービン52と、両
者を連結する軸体53とからなり、排気ガス流によりタ
ービン52が回転し、それに連動してコンプレッサ51
が回転することにより吸気を過給するようになってい
る。なお、55は吸気通路20におけるコンプレッサ5
1の下流に設けられたインタークーラである。また、5
6は排気通路30におけるタービン52をバイパスする
ウエストゲート通路、57はこの通路56に設けられた
ウエストゲートバルブである。
【0070】そして、このように過給機50を備える場
合、中負荷(乃至高負荷側)の領域や低負荷域における
吸気弁及び排気弁の開閉タイミングの制御は第1の実施
形態と同様であって(図6(a)〜(c)及び(g)参
照)、中・高速の中負荷では排気弁閉時期ExCが吸気
上死点TDC前、吸気弁開時期InOが吸気上死点TD
C後とされるが、さらに中速及び高速の全開域でも、図
10(a)及び同(b)のように、排気弁閉時期ExC
が吸気上死点TDC前、吸気弁開時期InOが吸気上死
点TDC後とされる。例えば、中速全開域では排気弁閉
時期ExCがBTDC15〜20°、吸気弁開時期In
OがATDC20〜25°に設定され、高速全開域では
排気弁閉時期ExCがBTDC10〜15°、吸気弁開
時期InOがATDC15〜20°に設定される。
【0071】また、燃料噴射制御手段43による制御と
しては、エンジンの低速域や低・中負荷域だけでなく中
・高速域の全開域を含む過給域でも上記空燃比が理論空
燃比以上(空気過剰率λがλ≧1)となるように、燃料
噴射量が制御される。
【0072】なお、NOx触媒32の温度状態に応じた
バルブタイミングの制御は、第1の実施形態と同様にす
ればよい。
【0073】この実施形態によると、中速及び高速の全
開域でも、排気弁閉時期ExCが吸気上死点TDC前、
吸気弁開時期InOが吸気上死点TDC後とされること
により、内部EGRが得られてNOxが低減され、か
つ、その内部EGRによる既燃ガスが冷却されて燃焼温
度が低下することにより、熱効率が高められて燃費が改
善されるとともに、燃焼温度の低下に伴って排気温度が
低下し、NOx触媒32の温度上昇が抑制される。
【0074】しかも、内部EGRによる出力低下分が過
給により補われ、全開トルクが確保される。
【0075】とくに、従来では全開域やそれに近い領域
ではノッキング防止等のためウエストゲートバルブを通
して排気エネルギーを逃がすことで過給圧上昇を抑制し
ていたが、当実施形態ではウエストゲートバルブ57の
開度を小さくし、従来では捨てていた排気エネルギーを
利用して過給圧を高めることにより、有効に全開トルク
を確保することができる。さらに、上記のようにマイナ
スO/Lとすることによりノッキングを抑制する作用が
得られるため、内部EGRによる出力低下分を補う程度
以上に過給圧を高めることも可能となり、全開トルクを
高めることができる。
【0076】なお、本発明のエンジンの具体的構成は上
記各実施形態に限定されず、種々変更可能である。
【0077】例えば、触媒温度検出手段は、触媒32も
しくはその近傍に温度センサを設けて触媒温度を直接的
に検出するものでもよい。
【0078】また、図7に示す制御の例では、ステップ
S7で触媒が高温状態であると判定されたとき、バルブ
タイミングの補正(ステップS8)とともに空燃比を理
論空燃比とする空燃比調整(ステップS9)を行なって
いるが、空燃比は運転状態に応じて設定される値に保ち
つつバルブタイミングの補正だけを行なうようにしても
よい。
【0079】また、上記各実施形態のエンジンは火花点
火式エンジン(ガソリンエンジン)であるが、本発明は
ディーゼルエンジンにも適用することができる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のエンジン
によると、排気通路に具備されたNOx触媒の温度が所
定の活性温度範囲を越える高温状態のとき、排気弁閉時
期を吸気上死点より所定クランク角前へ進角するように
排気弁のバルブタイミングを制御するとともに、吸気弁
開時期を吸気上死点以後としているため、NOx触媒が
高温状態のとき、低温の内部EGRを与えることがで
き、これにより燃焼温度及び排気温度を低下させて、N
Ox触媒の温度を活性温度範囲へ引き下げることができ
る。従って、NOx触媒のNOx浄化作用の低下を防止
することができ、かつ、上記内部EGRによるNOx低
減作用も得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による4サイクルエンジン
の概略図である。
【図2】運転状態に応じた燃料噴射の制御の仕方とバル
ブタイミングの設定、変更の仕方をマップ的に示す説明
図である。
【図3】吸気弁及び排気弁の開閉タイミングを示すため
のカムリフト曲線を表した図である。
【図4】カムリフト曲線の部分拡大図である。
【図5】NOx触媒の温度とNOx浄化率との関係を示
すグラフである。
【図6】低速中負荷、中速中負荷、高速中負荷、低速全
開、中速全開、高速全開、低負荷の各運転域での排気弁
の閉時期及び吸気弁の開閉時期を示す図である。
【図7】運転状態及び触媒温度状態に応じたバルブタイ
ミングの制御の具体例を示すフローチャートである。
【図8】排気行程後期から吸気行程前期にかけての燃焼
室容積及び燃焼室内圧力の変化を示す図である。
【図9】本発明の別の実施形態による4サイクルエンジ
ンの概略図である。
【図10】図9の実施形態による場合の中速全開、高速
全開の各運転域での排気弁の閉時期及び吸気弁の開閉時
期を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体 5 燃焼室 9 吸気弁 10 排気弁 13,14 バルブタイミング可変装置 32 NOx触媒 40 ECU 41 運転状態判別手段 42 触媒温度検出手段 43 バルブタイミング制御手段 44 燃料噴射制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 23/00 F02D 23/00 E K 41/04 330 41/04 330M 41/10 320 41/10 320 41/12 320 41/12 320 43/00 301 43/00 301Z 301E 45/00 312 45/00 312R Fターム(参考) 3G084 AA04 BA08 BA09 BA13 BA15 BA23 CA04 CA05 CA06 CA09 DA01 DA25 EA11 EC02 FA07 FA10 FA20 FA29 FA33 FA38 3G091 AA10 AA12 AA17 AA24 AB06 BA07 CB02 CB07 EA01 EA03 EA05 EA07 EA16 EA18 EA34 FA09 FA14 FB03 FC08 HA36 HB06 3G092 AA01 AA09 AA11 AA18 AB02 BA05 BA06 BB01 BB06 DA01 DA02 DA10 DA12 DB03 EA03 EA04 EA06 EA07 EA08 FA20 FA37 FA38 GA06 GA12 GA13 GA18 GB08 HA01Z HA06Z HA08Z HA11Z HA13X HA15X HB01X HD02X HD02Z HD05X HE03Z HE08Z 3G301 HA01 HA02 HA04 HA11 HA16 HA19 JA01 JA33 KA08 KA09 KA12 KA16 KA21 KA25 KA26 KB04 LA07 LB04 MA01 MA11 MA19 NA08 NB02 NE11 NE12 NE14 NE15 PA01Z PA11Z PD03A PD12Z PE01Z PE03Z PE08Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素過剰雰囲気でNOxを吸収して酸素
    濃度が減少するに伴いNOxを放出するNOx触媒を排
    気通路に具備するとともに、所定のリーン運転領域で空
    燃比を理論空燃比よりも大きいリーン空燃比に制御する
    ようになっている4サイクルエンジンにおいて、NOx
    触媒の温度を直接的または間接的に検出する触媒温度検
    出手段と、排気弁及び吸気弁のうちの少なくとも排気弁
    に対してバルブ開閉タイミングを変更するバルブタイミ
    ング可変装置と、上記触媒温度検出手段による検出に基
    づき、NOx触媒の温度が所定の活性温度範囲を越える
    高温状態のとき、排気弁用カムリフト特性における加速
    度区間から定速度区間への移行時点をもって定義した排
    気弁閉時期を吸気上死点より所定クランク角期間前へ進
    角するように上記バルブタイミング可変装置を制御する
    バルブタイミング制御手段とを備え、かつ、少なくとも
    上記高温状態のときに、吸気弁用カムリフト特性におけ
    る定速度区間から加速度区間への移行時点をもって定義
    した吸気弁開時期が吸気上死点以後とされていることを
    特徴とする触媒を備えた4サイクルエンジン。
  2. 【請求項2】 上記バルブタイミング制御手段は、エン
    ジンの高負荷側の中・高速域を含む所定運転領域で上記
    排気弁閉時期を上死点より前とし、かつ、上記排気弁閉
    時期から吸気上死点までのクランク角期間を上記所定運
    転領域内の中速域では高速域よりも大きくするように、
    運転状態に応じて排気弁のバルブ開閉タイミングを制御
    するとともに、NOx触媒の温度状態が高い程、上記排
    気弁閉時期から吸気上死点までの期間を増大方向に補正
    するものであることを特徴とする請求項1記載の触媒を
    備えた4サイクルエンジン。
  3. 【請求項3】 上記バルブタイミング制御手段は、上記
    排気弁閉時期から上記吸気弁開時期までの期間を上記所
    定運転領域内の中速域では高速域よりも大きくするとと
    もに、NOx触媒の温度状態が高い程、上記排気弁閉時
    期から上記吸気弁開時期までのクランク角期間を増大方
    向に補正するものであることを特徴とする請求項2記載
    の触媒を備えた4サイクルエンジン。
  4. 【請求項4】 上記リーン運転領域においてNOx触媒
    が上記高温状態にあるとき、上記バルブタイミング制御
    手段による制御に加え、空燃比制御手段により空燃比を
    理論空燃比とするように制御することを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の触媒を備えた4サイクル
    エンジン。
  5. 【請求項5】 上記バルブタイミング制御手段は、NO
    x触媒が上記高温状態にあって、かつ、減速運転中に燃
    料供給を停止する減速燃料カット状態にあるときには、
    上記排気弁閉時期を上死点以後とするように制御するこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の触媒
    を備えた4サイクルエンジン。
  6. 【請求項6】 上記バルブタイミング可変装置は排気弁
    と吸気弁の双方のバルブタイミングを変更するものであ
    り、上記バルブタイミング制御手段は、エンジンの全開
    域では、NOx触媒の温度が触媒劣化傾向を生じる極高
    温状態に達したときに、上記排気弁閉時期を吸気上死点
    より前の所定クランク角へ進角し、上記吸気弁開時期を
    吸気上死点以後の所定クランク角へ遅角するように制御
    することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    の触媒を備えた4サイクルエンジン。
  7. 【請求項7】 酸素過剰雰囲気でNOxを吸収して酸素
    濃度が減少するに伴いNOxを放出するNOx触媒を排
    気通路に具備した4サイクルエンジンにおいて、過給機
    を備え、少なくとも高負荷域における中・高速域で、過
    給を行うとともに、排気弁用カムリフト特性における加
    速度区間から定速度区間への移行時点をもって定義した
    排気弁閉時期を吸気上死点より前、吸気弁用カムリフト
    特性における定速度区間から加速度区間への移行時点を
    もって定義した吸気弁開時期を吸気上死点以後に設定し
    たことを特徴とする触媒を備えた4サイクルエンジン。
  8. 【請求項8】 過給を行う運転領域で空燃比を理論空燃
    比よりも大きいリーン空燃比に制御することを特徴とす
    る請求項7記載の触媒を備えた4サイクルエンジン。
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