JP2002220325A - 新規なテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤 - Google Patents

新規なテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤

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JP2002220325A
JP2002220325A JP2001016986A JP2001016986A JP2002220325A JP 2002220325 A JP2002220325 A JP 2002220325A JP 2001016986 A JP2001016986 A JP 2001016986A JP 2001016986 A JP2001016986 A JP 2001016986A JP 2002220325 A JP2002220325 A JP 2002220325A
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testosterone
extract
hair
reductase
disease
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JP2001016986A
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Michitoku Kubo
道▲徳▼ 久保
Hideaki Matsuda
秀秋 松田
Yusuke Asanuma
祐介 浅沼
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤、
育毛剤、ニキビ予防・治療剤、前立腺疾患予防・治療剤
及びテストステロン5α−レダクターゼを阻害すること
により予防・治療可能な疾病の予防・治療剤を提供する
こと。 【解決手段】 カニクサまたはその抽出物を含有してな
ることを特徴とするテストステロン5α−レダクターゼ
阻害剤、育毛剤、ニキビ予防・治療剤、前立腺疾患予防
・治療剤及びテストステロン5α−レダクターゼを阻害
することにより予防・治療可能な疾病の予防・治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テストステロン5
α−レダクターゼ阻害剤、育毛剤、ニキビ予防・治療
剤、前立腺疾患予防・治療剤、テストステロン5α−レ
ダクターゼを阻害することにより予防・治療可能な疾病
の予防・治療剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】男性ホルモンの1種であるテストステロ
ンは、還元酵素であるテストステロン5α−レダクター
ゼにより還元され、作用の強いジヒドロテストステロン
となる。毛乳頭においてはこの生成されたジヒドロテス
トステロンはレセプターと結合して複合体を形成し、特
定のDNAに作用することによってmRNAの発現を介
してある種の蛋白質が合成され、これが毛包上皮系細胞
に働いて、毛成長や毛周期(ヘアサイクル)に異常を引
き起こし、毛包を萎縮させ、脱毛を誘発する原因となる
ことが知られている。
【0003】従って、抗男性ホルモン作用あるいは抗男
性ホルモン作用の機序のひとつであるテストステロン5
α−レダクターゼ阻害作用を有する薬剤は育毛作用があ
ると考えられている。
【0004】すなわち、テストステロン5α−レダクタ
ーゼ阻害作用を有する薬剤を得ることができれば、これ
により、頭皮機能を高め、脱毛を防止し、毛髪の発毛、
成長、正常化を促すことができる育毛剤を得ることがで
きる。
【0005】また、ジヒドロテストステロンの生成が高
まると、皮脂分泌能が亢進し、脂漏性脱毛およびニキビ
(尋常性ざ瘡)が発症することも知られている。従っ
て、テストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を有す
る薬剤によりジヒドロテストステロンの生成を抑制また
は阻害することができれば、脂漏性脱毛、ニキビを予防
し、治療することができると考えられる。
【0006】さらに、ジヒドロテストステロンの生成が
高まると、前立腺肥大症、前立腺癌等の前立腺疾患が発
症することも知られており、テストステロン5α−レダ
クターゼ阻害作用を有する薬剤によりジヒドロテストス
テロンの生成を抑制または阻害することができれば、前
立腺肥大症、前立腺癌等の前立腺疾患を予防し、治療す
ることができると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
なテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤、育毛剤、
ニキビ予防・治療剤、前立腺疾患予防・治療剤及びテス
トステロン5α−レダクターゼを阻害することにより予
防・治療可能な疾病の予防・治療剤を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者は鋭意研究を行った結果、特定の植物また
はその抽出物が、テストステロン5α−レダクターゼ阻
害作用を有することを見出し、本発明を完成した。本発
明は以下の構成である。 (1) カニクサまたはその抽出物を含有するテストス
テロン5α−レダクターゼ阻害剤。 (2) カニクサまたはその抽出物を含有する育毛剤。 (3) カニクサまたはその抽出物を含有するニキビの
予防および/または治療剤。 (4) カニクサまたはその抽出物を含有する前立腺疾
患の予防および/または治療剤。 (5) カニクサまたはその抽出物を含有する、テスト
ステロン5α−レダクターゼを阻害することにより予防
および/または治療可能な疾病の予防および/または治
療剤。 (6) カニクサまたはその抽出物を育毛成分として含
有する組成物。 (7) 剤形が外用剤である前記(6)記載の組成物。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のテストステロン5α−レ
ダクターゼ阻害剤、育毛剤、ニキビの予防および/また
は治療剤、前立腺疾患の予防および/または治療剤並び
にテストステロン5α−レダクターゼを阻害することに
より予防および/または治療可能な疾病の予防および/ま
たは治療剤は、カニクサまたはその抽出物を含有してな
るものである。
【0010】カニクサ(Lygodium japoni
cum)は、ツルシノブの別名がある、つる性の夏緑性
草本である。このものは、フサシダ科(Schizae
aceae)またはカニクサ科(Lygodiacea
e)として分類される。本州の暖地、四国、九州の山野
に普通にみられ、朝鮮半島、中国、インドシナ、タイな
どに分布する。中国では、その全草を海金沙(海金砂)
草、根を海金沙(海金砂)根、あるいは胞子を海金沙
(海金砂)と称し、消炎解毒、肺炎、急性胃腸炎、黄疸
などに用いられるが、そのテストステロン5α−レダク
ターゼ阻害作用、育毛作用、ニキビ(尋常性ざ瘡)の予
防・治療効果、前立腺疾患の予防・治療効果については
知られていなかった。
【0011】本発明において、カニクサは、生のままで
も乾燥したものでも使用することができるが、使用性、
製剤化等の点からその抽出物、例えば、乾燥粉末あるい
は溶媒抽出物として用いることが好ましい。本発明にお
けるカニクサとは、この植物を構成する全ての細胞及び
生殖細胞を含むものを意味し、具体的に使用する部位と
しては、特に限定されるものではないが、例えば、葉、
胞子、根、根茎、茎などを挙げることができるが、特に
好ましくは、胞子、根が挙げられる。
【0012】本発明において、カニクサの抽出物は常法
により得ることができる。例えば植物の葉、胞子、根、
根茎、茎などを水および/または親水性有機溶媒を用い
て抽出して抽出液を得る一般公知の方法を用いることが
できる。さらにこの抽出液から凍結乾燥、噴霧乾燥、減
圧留去など一般公知の溶媒除去方法により粉末を得るこ
とができる。親水性有機溶媒としては、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの炭素
数1〜4の低級アルコール、エチルエーテル、メチルエ
ーテルなど炭素数2〜4のエーテルやアセトン、メチル
エチルケトンなど炭素数2〜4のケトンなどが挙げられ
る。これらの中で、特にエタノールが好ましい。これら
の溶媒は単独でも、2種以上を組み合わせて使用しても
よく、また、水とこれらの親水性有機溶媒を混合して使
用してもよい。水と混合して用いる混合溶媒として好ま
しい抽出溶媒は、含水アルコールが挙げられ、特に含水
エタノールが好ましい。これらの抽出溶媒の使用量は特
に制限されない。抽出の具体的方法は、例えばエキス
剤、チンキ剤などを製する際に用いられる冷浸法、温浸
法、パーコレーション法などを適用することができる。
得られた抽出液はそのまま、またはさらに濃縮したり、
希釈したり、精製したりして用いることもできる。さら
に、これらの抽出液や粉末を、カラムクロマトグラフィ
ーなどを用いて精製することにより、単一成分としたも
のまたは複数の成分の混合物を用いることもできる。
【0013】本発明のテストステロン5α−レダクター
ゼ阻害剤は、カニクサまたはその抽出物を有効成分とす
るものである。本発明にかかるカニクサまたはその抽出
物は、経口または非経口的に投与することができる。例
えば、ニキビの予防および/または治療剤、育毛剤とし
て用いる場合には、非経口的に投与することが好まし
い。非経口的に投与する製剤としては、外用剤が好まし
く、具体的な外用剤の剤形としては、エキス剤、硬膏
剤、酒精剤、座剤、懸濁剤、チンキ剤、軟膏剤、パップ
剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤等を挙
げることができる。また、前立腺疾患の予防および/ま
たは治療剤として用いる場合には、経口的に投与するこ
とが好ましい。経口的に投与する製剤としては、錠剤、
カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、内服液剤等の剤形
を挙げることができる。また、カニクサまたはその抽出
物は、ローション、クリーム、化粧水、乳液、ファンデ
ーション、パック剤、皮膚洗浄剤、シャンプー、リン
ス、コンディショナー、ヘアトニック、ヘアクリーム、
ヘアリキッド等の化粧料組成物に配合することも可能で
ある。
【0014】製剤化は、公知の製剤技術により行うこと
ができ、製剤中には適当な製剤添加物を加えることがで
きる。製剤添加物としては、賦形剤、懸濁化剤、乳化
剤、保湿剤、保存剤、色素、香料等を挙げることがで
き、製剤添加物は、本発明の効果を損なわない範囲で適
宜組合せて加えればよい。製剤中のカニクサまたはその
抽出物の配合量は、使用目的、性別、年齢、症状等を考
慮して適宜検討すればよいが、製剤中にカニクサの乾燥
固形分(抽出物の場合は、抽出に用いたカニクサの乾燥
固形分)に換算して、0.0001〜20重量%配合す
るのが好ましく、0.01〜10重量%配合するのがさ
らに好ましい。
【0015】本発明にかかるカニクサまたはその抽出物
には、公知の各種薬効成分を配合してもよい。配合成分
としては、特に限定されるべきものではないが、例えば
呉茱萸、五味子、牡丹皮、木瓜、白蘚皮、五加皮、半
夏、大黄、牛膝、枸杞子、茯苓、干姜、陳皮、甘草、百
部、地骨皮、柴胡、天麻、白芍、荊芥、桂枝、苦参、鳴
血藤、骨砕捕、花椒、黄連、人参、黒豆、何首烏、竹節
人参、補骨脂、当帰、鶏血藤、丹参、紅花、桃仁、防
風、茜草根、拳参、山茱萸、半支蓮、楊梅皮、側柏葉お
よび当薬等の生薬並びにこれら生薬の抽出物(チンキ、
エキスなど)、さらには塩化カルプロニウム、パントテ
ニールエチルエーテル、ミノキシジール、ビタミンEお
よびその誘導体、セファランチン、ニコチン酸ベンジ
ル、ニコチン酸アミド、ビオチン、D−パントテニルア
ルコール、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオ
ール、l−メントール、溶性シスチン、オクトピロック
ス、塩化ベンザルコニウム、ピリドキシンおよびその誘
導体、サリチル酸、塩酸ジフェンヒドラミン、グリチル
リチン酸、グリチルレチン酸、ペンタデカン酸グリセリ
ド、スフィンゴシルフォスフォリルコリン、オキセンド
ロン、酢酸クロルヤジノン、11α−ヒドロキシプロゲ
ステロン、4−アンドロステン−3−オン−11β−カ
ルボン酸、エチニルエストラジオール、シプロテロンア
セテート、グルコンサンクロルヘキシジン、イオウ、d
−カンフル、dl−カンフル、スルフィソキサゾール等
を挙げることができる。これらの成分は単独で配合して
もよく、また2種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0016】本発明において、育毛剤、育毛成分とは、
育毛作用、発毛作用、発毛促進作用、養毛作用、脱毛防
止作用等のいずれか又はそれらの2以上の作用を有する
ものを意味するものである。育毛剤の具体的な効能・効
果としては、育毛、発毛、薄毛、毛生促進、発毛促進、
脱毛(抜け毛)の予防、病後・産後の脱毛、養毛、円形
脱毛症、発毛不全、粃糠性脱毛症、脂漏性脱毛症、びま
ん性脱毛症、若禿(壮年性脱毛症)、老人禿等を挙げる
ことができる。また、本発明において、ニキビ予防およ
び/または治療剤とは、ニキビ(尋常性ざ瘡)の予防お
よび/または治療に効能・効果を有するものを、前立腺
疾患予防および/または治療剤とは、前立腺癌、前立腺
肥大症等の前立腺疾患の予防および/または治療に効能
・効果を有するものを、テストステロン5α−レダクタ
ーゼを阻害することにより予防および/または治療可能
な疾病の予防および/または治療剤とは、テストステロ
ン5α−レダクターゼを阻害することにより予防および
/または治療可能な疾病の予防および/または治療に効
能・効果を有するものをいう。
【0017】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0018】参考例1 カニクサ(Lygodium japonicum)の
植物体の乾燥葉、胞子、根、根茎あるいは茎を粉砕した
後、その5倍量の50%エタノールで3日間、室温で抽
出した。抽出液をろ過し、ろ液あるいは凍結乾燥エキス
を被検体とした。
【0019】実施例1(In Vitro テストステ
ロン5α−レダクターゼ阻害作用) 参考例1で得られた抽出エキスのin vitro テ
ストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を調べた。 1.酵素液(S−9)の調製;24時間絶食した5週令
のSlc:SD系雄性ラットの肝臓を氷冷したクレープ
ス−リンガー液で潅流した。これに5倍量の氷冷したト
リス−塩酸緩衝液(10mM、pH7.2)を加え、攪
拌し、900×gで10分間遠心分離した。この上清を
5000×gで10分間遠心分離し、さらに上清を酵素
液(S−9)とし、−80℃で凍結保存した。 2.テストステロン 5α−レダクターゼ阻害作用;ト
リス−塩酸緩衝液(10mM、pH7.2)1.0m
l、テストステロン(500μg/ml)0.3ml、
表1に記載の被検体0.2mlおよび酵素液(S−9)
1.0mlを混和し、反応促進剤としてβ−ニコチンア
ミドアデニンジヌクレオチドホスフェート−4−ナトリ
ウム塩(以下NADPHという)(0.77mg/m
l)0.5mlを加え、30分間37℃に保持した。ジ
クロロメタン5mlを加えて反応を停止させ、内部標準
物質(0.1mg/ml p−ヒドロキシ安息香酸n−
ヘキシルエステル)0.5mlを加え、10分間振とう
し、3000rpmで10分間遠心分離した。上清を除
去した後、残ったジクロロメタン層からトッピングによ
りジクロロメタンを留去し、これにメタノール5mlを
加えて高速液体クロマトグラフィー(以下HPLCとい
う)用サンプルとした。テストステロンの量はHPLC
で測定した。測定条件は、用いたカラムはYMC−PA
CKODS−AMであり、移動層の溶媒はメタノール/
水=65/35の混合溶媒であり、流速が1ml/分であ
り、吸収光はUV254ナノメーターであり、カラム温
度は40℃であった。また、測定は内部標準物質法を用
いて行い、阻害率(%)を次式から求めた。 阻害率(%)={(試験液を加えたときのテストステロ
ン量−コントロール30分のテストステロン量)/(コ
ントロール0分のテストステロン量−コントロール30
分のテストステロン量)}×100 ・コントロール0分のテストステロン量:トリス−塩酸
緩衝液、テストステロン、試験液および酵素液を混和し
た後に、NADPHを加える前に、ジクロロメタンを加
えて反応を起こさないようにした時のテストステロン量 ・コントロール30分のテストステロン量:試験液の代
わりに、50%エタノール溶液を用いて、反応を行った
時のテストステロン量
【0020】実験結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、カニクサの胞子および根から得た抽出液はテス
トステロン5α−レダクターゼ阻害作用を示した。
【0021】
【表1】
【0022】実施例2(テストステロン処置C57Bl
ackマウスを用いた毛成長試験) 参考例1で得られた抽出液のテストステロン5α−レダ
クターゼ阻害剤による抗男性ホルモン作用に基づく育毛
作用を調べた。テストステロン処置C57Blackマ
ウスを用いた毛成長試験;7週齢のC57Black雄
性マウスの背部をバリカンおよびシェーバーで剪毛、そ
の翌日から0.05%テストステロン(エタノールに溶
解)を100μl剪毛部に1日1回24日間連日塗布
し、テストステロン塗布の30分後に50%エタノール
100μlを塗布したものをテストステロン処置群と
し、テストステロン塗布の30分後にカニクサ胞子エキ
ス2%溶液を塗布したものをカニクサ胞子エキス塗布群
とした。また、テストステロンの代わりにエタノールを
100μl塗布し、エタノール塗布の30分後に50%
エタノール100μlを塗布したものをテストステロン
無処置群とした。毛成長の評価は目視で経日的に毛成長
スコアーを設定し、10段階で評価した。
【0023】実験結果を表2に示す。表2から明らかな
ように、カニクサの胞子から得たエキスは抗男性ホルモ
ン作用に基づく毛成長促進作用を示した。
【0024】
【表2】
【0025】実施例3(器官培養法における毛成長促進
作用) 参考例1で得られた抽出エキスの毛成長促進作用を調べ
た。 器官培養法;エーテル麻酔下でB6C3F1マウス新生
仔から上唇部皮膚を無菌的に摘出し、そのうち眼側縦2
列の毛包を摘出し、さらに1本ずつに分離した。次にシ
ャーレ中央の穴の上にステンレス製メッシュとレンズペ
ーパーをのせた。レンズペーパー上に成長期毛包をの
せ、液面が組織を覆うようにRPMI1640培地を加
え、95%O2―5%CO2、31℃で培養した。被検体
1群あたり1シャーレ3本ずつを4シャーレ、計12本
を用いた。なお、予備培養は培養開始から12時間ペニ
シリン(50 unit/ml、GIBCO社)、スト
レプトマイシン(50 μg/ml、GIBCO社)含
有RPMI1640培地で行い、被検体は培地中に0.
1%(v/v)添加し、24時間毎に交換した。被検液
添加時、添加48および72時間後に写真撮影を行い、
各毛包における毛の伸長を算出した。
【0026】実験結果を表3に示す。表3から明らかな
ように、カニクサの胞子および根から得た抽出液は毛成
長促進作用を示した。なお、対照として、被検液の代わ
りに50%エタノール0.1%(v/v)を培地に添加
した。
【0027】
【表3】
【0028】実施例4(C3Hマウスを用いた毛成長促
進作用) 参考例1で得られた抽出液の毛成長促進作用を調べた。 C3Hマウスを用いた毛成長試験;7週齢のC3Hマウ
スの背部をバリカンおよびシェーバーで剪毛、その翌日
から被検液を100μlずつ剪毛部に1日1回塗布し
た。毛成長の評価は目視で経日的に毛成長スコアーを設
定し、10段階で評価した。なお、対照として被検液の
代わりに50%エタノールを100μl塗布した。
【0029】実験結果を表4に示す。表4から明らかな
ように、カニクサの胞子から得た抽出エキスは毛成長促
進作用を示した。
【0030】
【表4】
【0031】実施例5(エモリエントクリーム) 以下に示す組成のエモリエントクリームを常法により製
造した。 (組成) (重量%) ステアリン酸 2.0 ステアリルアルコール 7.0 還元ラノリン 2.0 スクワレン 5.0 オクチルデカノール 6.0 ポリオキシエチレンセチルエーテル 3.0 親油型モノオキシステアリン酸グリセリン 2.0 香料 0.3 防腐剤、酸化防止剤 適 量 プロピレングリコール 5.0 カニクサ胞子の抽出液(参考例1) 5.0 精製水 全体で100となる量
【0032】実施例6(エモリエントローション) 以下に示す組成のエモリエントローションを常法により
製造した。 (組成) (重量%) ステアリン酸 0.2 セタノール 1.5 ワセリン 3.0 ラノリンアルコール 2.0 流動パラフィン 10.0 ポリオキシエチレンモノオレイン酸エステル 2.0 香料 0.3 グリセリン 3.0 プロピレングリコール 5.0 トリエタノールアミン 1.0 カニクサ胞子の抽出液(参考例1) 1.0 精製水 全体で100となる量
【0033】
【発明の効果】本発明にかかる、カニクサおよびその抽
出物は、優れたテストステロン5α−レダクターゼ阻害
作用を示し、テストステロン5α−レダクターゼを阻害
することにより予防および/または治療可能な疾病の予
防および/または治療に有用なものである。カニクサお
よびその抽出物を含有する育毛剤は、育毛、発毛および
脱毛防止作用等を示し、種々の要因の薄毛あるいは脱毛
症状を予防し改善し得る育毛剤を得るために有用なもの
である。また、本発明にかかるカニクサおよびその抽出
物を含有する医薬品によれば、脂漏性脱毛、ニキビを予
防し、治療することができ、さらに、前立腺肥大症、前
立腺癌といった前立腺疾患を予防し、治療することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 13/08 A61P 13/08 17/10 17/10 17/14 17/14 43/00 111 43/00 111 (72)発明者 浅沼 祐介 東京都中央区日本橋3丁目14番10号 第一 製薬株式会社内 Fターム(参考) 4C083 AA111 AA112 AC012 AC022 AC072 AC122 AC182 AC242 AC352 AC422 AC542 AD512 CC04 CC05 CC37 DD23 DD31 EE14 EE22 4C088 AA18 AC18 BA08 NA14 ZA81 ZA89 ZA92 ZC20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カニクサまたはその抽出物を含有するテ
    ストステロン5α−レダクターゼ阻害剤。
  2. 【請求項2】 カニクサまたはその抽出物を含有する育
    毛剤。
  3. 【請求項3】 カニクサまたはその抽出物を含有するニ
    キビの予防および/または治療剤。
  4. 【請求項4】 カニクサまたはその抽出物を含有する前
    立腺疾患の予防および/または治療剤。
  5. 【請求項5】 カニクサまたはその抽出物を含有する、
    テストステロン5α−レダクターゼを阻害することによ
    り予防および/または治療可能な疾病の予防および/ま
    たは治療剤。
  6. 【請求項6】 カニクサまたはその抽出物を育毛成分と
    して含有する組成物。
  7. 【請求項7】 剤形が外用剤である請求項6記載の組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101274811B1 (ko) * 2006-02-08 2013-06-13 주식회사 엘지생활건강 소엽추출물 및/또는 해금사추출물을 함유하는 여드름 예방및 치료용 조성물

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101274811B1 (ko) * 2006-02-08 2013-06-13 주식회사 엘지생활건강 소엽추출물 및/또는 해금사추출물을 함유하는 여드름 예방및 치료용 조성물

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