JP2002219700A - 微小物体のマニピュレーション方法とその装置 - Google Patents
微小物体のマニピュレーション方法とその装置Info
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Abstract
せることができる微小物体のマニピュレーション方法と
その装置を提供する。 【解決手段】 複数個のレーザ光を発する面発光レーザ
からなる光源(VCSELアレイ)1と、この光源1か
らのレーザ光をステージ2上の試料17に集光するマイ
クロレンズアレイ18、レンズ12A、レンズ12B、
レンズ13A、ダイクロイックミラー15、対物レンズ
16からなる光学系とを備え、前記光源1の各発光素子
を空間的・時間的に強度変調を行い、微小物体を捕捉・
移動させる。
Description
オーダー以下の微小物体のマニピュレーション方法とそ
の装置に関するものである。
は以下に開示されるものがあった。 〔1〕A.Ashkin,J.M.Dziedzic,
J.E.Bjorkholm,and Steven
Chu.Observation of a sing
le−beam gradient force op
tical trap for dielectric
particles.Opt.Lett.,Vol.
11,pp.288−290,1986. 〔2〕A.Ashkin and J.M.Dzied
zic.Opticaltrapping and m
anipulation of viruses an
d bacteria.Science,Vol.23
5,pp.1517−1520,1987. 〔3〕A.Ashkin,J.M.Dziedzic,
and T.Yamane.Optical trap
ping and manipulationof s
ingle cells using infrare
d laserbeams.Nature,Vol.3
30,pp.769−771,1987. 〔4〕S.C.Kuo and M.P.Sheet
z.Force of single kinesin
molecules measured with
optical tweezers.Science,
Vol.260,pp.232−234,1993. 〔5〕Y.Arai,R.Yasuda,K.Akas
hi,Y.Harada,H.Miyata,K.Ki
nosita Jr.,and H.Itoh.Tyi
ng a molecular knot with
opticaltweezers.Nature,Vo
l.399,pp.446−448,1999. 〔6〕Z.−P.Luo,Y.−L.Sun,and
K.N.An.An optical spin mi
cromotor.Appl.Phys.Lett.,
Vol.76,pp1779−1781,2000. 〔7〕A.E.Chiou,W.Wang,G.J.S
onek,J.Hong,and M.W.Bern
s.Interferometric optical
tweezers.Opt.Comm.,Vol.1
33,pp.7−10,1997. 〔8〕M.M.Burns,J.−M.Fournie
r,and J.A.Golovchenko.Opt
ical matter:Crystallizati
on and binding in intense
opticalfields.Science,Vo
l.249,pp.749−754,1990.
Heckenberg,and H.Rubinszt
ein−Dunlop.Direct observa
tion of transfer of angul
ar momentum to absorptive
particles from a laser b
eam with a phase singular
ity.Phys.Rev.Lett.,Vol.7
5,pp.826−829,1995. 〔10〕M.E.J.Friese,T.A.Niem
inen,N.R.Heckenberg,and
H.Rubinsztein−Dunlop.Opti
cal alignment and spinnin
g of laser−trapped micros
copic particles.Nature,Vo
l.394,pp.348−350,1998. 〔11〕Steven M.Block.Making
light workwith optical t
weezers.Nature,Vol.360,p
p.493−495,1992. システムには高い機能性だけでなく、構成の簡単化や微
小化を要求されることが多い。またゲノム解析に代表さ
れるように、莫大な情報を効率的に処理する手法が求め
られている。これらの要求に対し、微細加工技術の発達
に伴い、新規な機能を実現する微小システムへの期待が
高まっている。例えば、化学分野では、マクロな器具を
用いて行ってきたあらゆる化学反応過程を一枚のチップ
上で実現し、システム化を目指す研究の流れがある。こ
の概念はLab−On−Chipと呼ばれ、究極的な微
小システムとして期待されている。その対象は分子の構
造解析や機能解析、化学反応メカニズムの解明や各種セ
ンサシステムなど多岐にわたる。
領域での複雑な制御や、より高精度な制御が必要とな
り、広範囲に適用できる技術の確立が望まれている。マ
イクロメーターオーダー以下の微小物体を巧妙に操るた
めの方法として、光と微小物体の相互作用により生じる
光圧を利用した光トラップ(光ピンセット)技術があ
る。1986年にAshkin〔文献1〕らは、単一の
強く集光されたレーザービームを用いて数10nmから
数10μmの粒子を三次元的に捕捉できることを最初に
示した。光トラップ技術は非接触に微小物体の操作が可
能であり、生体内物質の操作〔文献2,文献3〕,分子
間の相互作用により生じる微小な力の計測〔文献4〕、
フィラメント分子の形状制御〔文献5〕、微小マイクロ
モーター〔文献6〕などあらゆる分野への応用が提案さ
れ、成果を上げてきた。また、二拘束の干渉を利用した
物体の捕捉と移動〔文献7〕、多光束干渉を利用した粒
子の整列〔文献8〕、トラップ用ビームの波面変調によ
る粒子の回転制御〔文献9〕、偏光による複屈折物体の
回転制御〔文献10〕など多くの派生的な技術も提案さ
れ、その有用性は疑う余地のないものである。
を実現するためのシステムは、機能を特化したものが多
く、汎用性に乏しい。また、一般的なシステム構成で
は、捕捉した物体の移動にビームまたはステージの機械
的な走査が必要で、システム動作の安定性に問題があ
る。
由度や制御の精度、あるいはシステムの簡単化や縮小化
において問題があった。
光点を操作し、微小物体を移動させることができる微小
物体のマニピュレーション方法とその装置を提供するこ
とを目的とする。
成するために、 〔1〕微小物体のマニピュレーション方法において、複
数個のレーザ光を発する面発光レーザを光源とし、その
各発光素子を空間的・時間的に強度変調を行い、微小物
体を捕捉・移動させることを特徴とする。
ュレーション方法において、前記面発光レーザの光源の
パターンを空間的に変調し、微小物体を操作することを
特徴とする。
ュレーション方法において、前記面発光レーザの光源の
発光パターンを時間的に変調し、微小物体を操作するこ
とを特徴とする。
ュレーション方法において、前記面発光レーザの光源の
任意のビームパターン形成により、汎用性の高い微小物
体を操作することを特徴とする。
ュレーション方法において、前記面発光レーザの光源の
時間的なパターンを変化させることにより、汎用性の高
い微小物体を操作することを特徴とする。
ュレーション方法において、前記面発光レーザの光源の
発光パターンにより、微小物体の任意配列が可能なこと
を特徴とする。
ュレーション方法において、前記面発光レーザの光源の
発光パターンにより、複数の微小物体の同時操作が可能
なことを特徴とする。
において、複数個のレーザ光を発する面発光レーザから
なる光源と、この光源のドライバ回路と、このドライバ
回路の制御を行う制御装置とを備え、前記光源の各発光
素子を空間的・時間的に強度変調を行い、微小物体を捕
捉・移動させることを特徴とする。
て詳細に説明する。
ミクロンオーダーの微小物体を捕捉し、操作する技術で
ある。その原理は定性的に以下のように説明される。光
が微小物体に入射した時、屈折や反射などの現象が生じ
る。光を光子の集合と考えた場合には、これらの現象は
光子が微小物体との衝突により、運動量を変化させたと
考えることができる。このとき、運動量保存則から、光
子と微小物体の持つ運動量の合計は衝突の前後で保存さ
れる。
を相殺するだけの運動量変化が生じる。このことは、光
が微小物体に力を与えたと考えることができ、これを光
圧と呼んでいる。微小物体に光が入射した場合には、全
ての光子により生じる光圧を合計した力を受ける。
口数の大きなレンズDで集光し、微小物体Eに照射する
場合を考える。A点、B点へ入射する光子は屈折などに
より、微小物体EにそれぞれFA 、FB の力を与える。
全ての光子を考えると最終的に微小物体Eが受ける合力
は、鉛直上向きに生じる。この力が重力による鉛直下向
きの力と釣り合う位置に微小物体は捕捉される。
る。微小物体Eに照射するビームが非対称の場合、ある
いは微小物体Eがビームの中心からずれた場合には、微
小物体Eが受ける力は非対称になる(図1で|FA |<
|FB |)。この時、合力ベクトルは、強度の強い方向
に水平方向の成分を生じ、微小物体Eはその方向に移動
する。例えばガウスビームを用いて微小物体Eを捕捉す
る場合には、微小物体E中心がビーム中心からはずれる
と微小物体Eにはビーム中心に向かう力が生じる。ま
た、微小物体Eを捕捉した状態でビーム位置を移動させ
れば、微小物体Eがそれに追従し、移動するため、微小
物体Eの位置を遠隔操作することが可能となる。生体細
胞や微生物、高分子化合物、金属など多くの微小物体を
対象にした光トラップが報告されている。
光トラップ技術 本発明は、VCSELアレイを光源とした光トラップ技
術に関する。VCSELアレイは、各素子の強度を独立
に制御することができるため、任意のスポットパターン
を生成することが可能である。また、そのパターンを高
速変調できる。従って、自由度の高い微小物体操作が期
待でき、精密な操作が可能となる。汎用的なシステムを
構築できる、などの特徴点を有する。 (a)光源としてアレイ光源を用いる点 (b)アレイ光源のパターンを空間的に変調し、微小物
体操作を実行する点 (c)アレイ光源の発光パターンを時間的に変調し、微
小物体操作を実行する点 (d)任意のビームパターン形成により、汎用性の高い
微小物体操作を実行できる点 (e)時間的なパターンを変化させることにより、汎用
性の高い微小物体操作を実行できる点 (f)アレイ光源の発光パターンにより、微小物体の任
意配列が可能な点 (g)ノンメカニカルに微小物体移送が可能な点 (h)複数の微小物体の同時操作が可能な点 (3)実施例 図2は本発明の実施例を示す微小物体のマニピュレーシ
ョンシステムの構成図、図3はその微小物体のマニピュ
レーションシステムのVCSELトライバの回路構成
図、図4はその微小物体のマニピュレーションシステム
の光学系の構成図である。
り、8×8アレイ,波長854nm,250μmピッチ
からなる。2はステージであり、位置分解能が1μm
(駿河精機株式会社:D80ステッピングモーターで制
御)、3はステージコントローラ、4はマイクロコンピ
ュータ、5はD/A(デジタル/アナログ)コンバー
タ、6はVCSELドライバ回路であり、このVCSE
Lドライバ回路6は、図3に示すような回路構成となっ
ている。すなわち、7は増幅器(TL074)、8はF
ET(2SK30ATM)、9はTr(2SC181
5)、10は抵抗(R:100Ω)である。
VCSELアレイ1、マイクロレンズアレイ18、レン
ズ(焦点距離f=80mm)12A,12Bからなる4
f結像光学系12、VCSEL中間結像面13、レンズ
(焦点距離f=200mm)13A,13B、CCD1
4、ダイクロイックミラー15、対物レンズ16〔水浸
長作動距離対物レンズ(オリンパス社製:LUMPla
nFI60×W/IR〕を有し、17は試料(直径6μ
mおよび10μmのポリスチレン球で、水に分散)であ
る。
るビームは約15度の発散角を持つため、VCSELア
レイ1の直後に焦点距離720μmのマイクロレンズア
レイ18を配置して光量効率の低下を抑制する。集光用
のレンズには水浸長作動距離対物レンズ16(OLYM
PUS:LUMPlan FI60×W/IR,NA=
0.90)を用いる。本光学系では、マイクロレンズア
レイ像が試料17面上に縮小結像する。縮小倍率は約1
/67倍である。また、試料面の様子は観察用光学系を
介してCCD14により取り込む。 (4)システム構成 本システムで用いるVCSELアレイ1(波長854n
m、最大出力3mW以上、開口径15μmφ、250μ
mピッチ、素子数8×8個)の発光強度特性を図5に示
す。最大値に達するまでは発光強度は電流量に比例して
増加し、それ以上の電流値では発光強度が減少する。V
CSELの最大発光強度は8.39mWである。また、
試料面におけるVCSEL1素子あたりの光強度は約
0.8mWである。
チレン球(Polysciences Inc.:Po
lybead Polystyrene Micros
pheres)を混合して用いた。ポリスチレン球の屈
折率は1.60、密度は1.05g/mlである。図6
に示すように、プレパラート21は、スライドガラス
(1穴ホールスライド)22とカバーガラス23を用い
て作製し、その上方からVCSELのビーム24を照射
して実験を行った。
る。これは従来の光トラップ用の光源として用いられて
きた他の光源の強度と比較して小さく、VCSEL1素
子では微小物体を捕捉できない可能性が懸念される。単
独のVCSELで微小物体を捕捉できることを確認する
ため、VCSELアレイ1上の1素子のみを発光させ、
微小物体の1個を捕捉し、その移動を試みた。その様子
を図7に示す。つまり、図7(a)は0秒後、図7
(b)は6.7秒後、図7(c)は13.3秒後、図7
(d)は20秒後、図7(e)は26.7秒後、図7
(f)は33.3秒後を示しており、VCSELの集光
点に1つの微小物体が捕捉され、それが他の微小物体に
対して相対的に右側に移動していく様子が見てとれる。
本実験から、単独のVCSELで微小物体の捕捉が可能
なことが確認できた。VCSEL1素子で、マイクロメ
ーターオーダーの微小物体を捕捉できるトラップ力が得
られることは、本発明の応用・展開を考える上で非常に
有意義な結果である。
は独立に変調することができる。従って、VCSELの
アレイ数の範囲内であれば任意のスポットアレイパター
ンの生成が可能である。前項目の実験から、VCSEL
1素子で一つの微小物体を捕捉できることが確認された
ことから、VCSELアレイの発光パターンに対応して
複数の微小物体を同時に捕捉することが可能であると考
えられる。実験では、VCSELアレイ1上の2素子を
同時に発光させ、それぞれで微小物体をひとつずつ捕捉
・移動させることを試みた。本実験で行った微小物体の
捕捉の様子を図8に示す。つまり、図8(a)は0秒
後、図8(b)は6.7秒後、図8(c)は13.3秒
後、図8(d)は20秒後、図8(e)は26.7秒後
を示しており、それぞれのビームで捕捉された微小物体
のみが他の微小物体に対して相対的に上方に移動してい
ることが分かる。捕捉されていない微小物体の相対的な
位置関係に若干のずれが見られるのは、各微小物体のブ
ラウン運動によるものである。今回の実験ではVCSE
Lアレイ1上の2素子のみを用いたが、同様の手法で、
より多くの微小物体の捕捉へ容易に拡張できる。この場
合、VCSELアレイ1の任意の発光パターンに従って
微小物体を配列するなど、従来手法では得られない新規
な機能を得ることも可能となる。
動 VCSELは発光強度を高速に変調することができる。
このことは、対象となる微小物体の状態に応じてパター
ンを変化させ、それを操作できることを示している。こ
こではVCSELアレイ1上の2素子を用い、これらの
発光と消光を交互に行うことにより微小物体をノンメカ
ニカルに移動させることを試みた。実験結果を図9に示
す。実線の矢印が発光しているVCSEL、点線の矢印
が消光しているVCSELの位置に対応している。向か
って右側のVCSELの位置に捕捉されていた粒子〔図
9(a)〕が、発光VCSELを変更により左側のVC
SEL位置〔図9(c)〕に移動し、再度右側のVCS
EL位置〔図9(e)〕に戻る様子が分かる。この間、
VCSELの発光・消光以外の操作は行っておらず、本
発明によりノンメカニカルな微小物体移動が可能である
ことが確認された。使用するVCSELアレイの素子数
を増やせばより広範囲で自由に微小物体移動が可能とな
る。
微小物体の移動速度から算出することができる。この方
法により、これまでの実験で微小物体が受けた力を求め
た結果を表1に示す。
0.8mWと設定し、微小物体が受ける力の最大値を計
算した結果を表1の右端に示す。常に最大のトラップ力
を利用しているとは限らないため、実験ではシミュレー
ション結果の1/3から1/4倍のトラップ力しか得ら
れていないが、システムの改良などにより計算値に近づ
くものと思われる。
ップ力の計算例 複数のVCSEL素子を一つの微小物体に照射すれば、
その強度分布を容易に変調できるため、単なる捕捉以外
の操作が期待できる。ここでは、複数のVCSEL素子
を用いた場合の光トラップにより生じる力の計算結果を
示す。
するビームのパターンはスポットアレイと考えることが
できる。ここでは図10に示すように、2×2のVCS
ELアレイで一つの微小物体を捕捉する場合を想定し、
そのトラップ力を計算する。図10のdogは、VCSE
Lの各素子によるスポットの、原点からの距離を表す。
また、各スポットはガウスビームであるとした。水平方
向のトラップ力のdog依存性を図11に示す。正の値が
原点方向への力、負の値がその反対向きの力を示す。ま
た、図中のzは光軸方向の焦点位置からのずれ量であ
る。dogが大きくなるにつれて力を与える領域が広くな
るが、その値は小さくなることが分かる。また、dogが
大きいときには、負の力が生じている。これは4つのV
CSELのうちのある1素子の方向に力が働き、そこに
捕捉されることを示している。以上の結果は、トラップ
力がVCSELアレイの配置に敏感に影響を受けること
を示すものである。従って、VCSELの発光分布を制
御することにより、微小物体に与える力を変化させるこ
とができる。
あり、VCSELの強度やステージの移動の制御を手動
で行った。このため、VCSELアレイ中の発光素子や
ステージの移動精度などが制限され、VCSELアレイ
光トラップの機能を最大限に発揮しているとはいえな
い。しかし、システムの改良により、これまでに示した
もの以上の多くの機能の実現が期待できる。ここでは本
発明の新しい非接触微小物体操作法としての展開可能な
応用について述べる。
動 実験では2微小物体の一括捕捉を行ったが、原理的には
VCSELアレイの素子数分の微小物体を一括捕捉する
ことが可能である。また、捕捉した微小物体を閉じた囲
い状に配置すれば、その内部に直接捕捉していない微小
物体を閉じ込め、それらを大量に一括して移動させるこ
ともできる。さらにこれらの方法を組み合わせれば、多
数の微小物体を同時に大きく移動させた後、個々に対し
て精密な制御を行うといった有効な利用法が同一のシス
テム構成で可能となる。
動 システムの安定化や精密な制御への要求に対し、ノンメ
カニカルな微小物体移動は非常に有効な手法である。V
CSELアレイ上の2素子を用いた場合のノンメカニカ
ルな微小物体移動については既に実験により示したが、
VCSELアレイの素子全体に容易に拡張することが可
能であり、VCSELアレイの範囲内で自由に微小物体
を移動させることができる。さらに、トラップ用のビー
ムのデフォーカス、あるいは、位相光学素子を用いたビ
ーム分割などにより、さらに広い範囲内で自由な移動が
できる可能性を有する。
捉する場合には、それぞれのビームから受ける光圧の均
衡がとれる位置に微小物体は静止する。このことから、
各VCSELの強度を適当に制御すれば、微小物体位置
をVCSELアレイの間隔よりもはるかに高い精度で制
御することが可能となる。この機能も当然ノンメカニカ
ルに達成できる。
間的にも変調を制御すれば、微小物体の運動を誘起し、
制御することができる。例えば、回転、振動、加速等が
考えられる。光圧を用いた回転の方法として、ビームに
らせん上の位相分布を与える方法
複屈折性を利用する方法〔10〕などが提案されてい
る。しかし、前者は回転速度などパラメータが固定され
るし、後者は対象となる微小物体に複屈折性が要求され
るという問題点がある。これに対し、本手法を用いれ
ば、あらゆる微小物体を対象とし、かつ運動のパラメー
タを設定、変更することが可能である。また、微小物体
加速により、微小物体を遠く離れた位置へ引き渡した
り、完全に外部に放り出すこともできる。本手法はマイ
クロマシンなどの微小な装置の機械的な操作への適用が
考えられる。
い微小物体を捕捉の対象とすることが多かった。これ
は、球形以外の微小物体を捕捉する場合、単一光源によ
る光トラップでは微小物体自体の回転を制御するのが困
難であるし、移動も容易ではなく特定方向に限定される
ことが考えられる。これに対し、VCSELアレイ光ト
ラップでは、円柱微小物体をはじめとして、様々な形状
の微小物体の回転やその自由な移動が可能となる。
これを単一光源の光トラップ技術を用いて行うことは不
可能、あるいは、システムへの新たなデバイスの導入や
機械的な走査などが要求されることである。VCSEL
アレイ光トラップは同一のシステム構成で、これらすべ
ての機能を実現できる可能性を有しており、汎用性、応
用性に優れた技術であると言える。
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
よれば、以下のような効果を奏することができる。
を独立に制御することができるため、任意のスポットパ
ターンを生成することが可能である。また、そのパター
ンを高速変調できる。従って、VCSELアレイを光源
とした光トラップ技術により、自由度の高い微小物体操
作が期待でき、精密な操作が可能となる。
物体を一括捕捉することが可能である。
微小物体を移動させることができる。さらに、トラップ
用のビームのデフォーカス、あるいは、位相光学素子を
用いたビーム分割などにより、さらに広い範囲内で自由
な移動ができる。
ことにより、微小物体位置をVCSELアレイの間隔よ
りもはるかに高い精度で制御することが可能となる。
運動のパラメータを設定、変更することが可能である。
また、微小物体の加速により、微小物体を遠く離れた位
置へ引き渡したり、完全に外部に放り出すこともでき
る。したがって、マイクロマシンなどの微小な装置の機
械的な操作への適用が可能である。
円柱微小物体をはじめとして、様々な形状の微小物体の
回転やその自由な移動が可能となる。
る。
ションシステムの構成図である。
ションシステムのVCSELドライバの回路構成図であ
る。
ションシステムの光学系の構成図である。
(波長854nm、最大出力3mW以上、開口径15μ
mφ、250μmピッチ、素子数8×8個)の発光強度
特性を示す図である。
ある。
の1素子のみを発光させ、微小物体の捕捉と移動の様子
を示す図である。
の2素子を同時に発光させ、それぞれで微小物体をひと
つずつ捕捉・移動させる様子を示す図である。
の2素子を用い、これらの発光と消光を交互に行うこと
により微小物体をノンメカニカルに移動させる様子を示
す図である。
アレイで一つの微小物体を捕捉する場合を想定し、その
トラップ力を示す図である。
力のdog依存性を示す図である。
ン球で、水に分散) 18 マイクロレンズアレイ 21 プレパラート 22 スライドガラス(1穴ホールスライド) 23 カバーガラス 24 VCSELのビーム
Claims (8)
- 【請求項1】 複数個のレーザ光を発する面発光レーザ
を光源とし、その各発光素子を空間的・時間的に強度変
調を行い、微小物体を捕捉・移動させることを特徴とす
る微小物体のマニピュレーション方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の微小物体のマニピュレー
ション方法において、前記面発光レーザの光源のパター
ンを空間的に変調し、微小物体を操作することを特徴と
する微小物体のマニピュレーション方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の微小物体のマニピュレー
ション方法において、前記面発光レーザの光源の発光パ
ターンを時間的に変調し、微小物体を操作することを特
徴とする微小物体のマニピュレーション方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の微小物体のマニピュレー
ション方法において、前記面発光レーザの光源の任意の
ビームパターン形成により、汎用性の高い微小物体を操
作することを特徴とする微小物体のマニピュレーション
方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の微小物体のマニピュレー
ション方法において、前記面発光レーザの光源の時間的
なパターンを変化させることにより、汎用性の高い微小
物体を操作することを特徴とする微小物体のマニピュレ
ーション方法。 - 【請求項6】 請求項1記載の微小物体のマニピュレー
ション方法において、前記面発光レーザの光源の発光パ
ターンにより、微小物体の任意配列が可能なことを特徴
とする微小物体のマニピュレーション方法。 - 【請求項7】 請求項1記載の微小物体のマニピュレー
ション方法において、前記面発光レーザの光源の発光パ
ターンにより、複数の微小物体の同時操作が可能なこと
を特徴とする微小物体のマニピュレーション方法。 - 【請求項8】(a)複数個のレーザ光を発する面発光レ
ーザからなる光源と、(b)該光源のドライバ回路と、
(c)該ドライバ回路の制御を行う制御装置とを備え、
(d)前記光源の各発光素子を空間的・時間的に強度変
調を行い、微小物体を捕捉・移動させることを特徴とす
る微小物体のマニピュレーション装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001013522A JP2002219700A (ja) | 2001-01-22 | 2001-01-22 | 微小物体のマニピュレーション方法とその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2001013522A JP2002219700A (ja) | 2001-01-22 | 2001-01-22 | 微小物体のマニピュレーション方法とその装置 |
Publications (2)
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---|---|
JP2002219700A true JP2002219700A (ja) | 2002-08-06 |
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Family Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006100776A (ja) * | 2004-09-03 | 2006-04-13 | Kyoto Univ | 光ピンセット及び2次元フォトニック結晶面発光レーザ光源 |
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JP2009250855A (ja) * | 2008-04-09 | 2009-10-29 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 微粒子アレイの作成方法および装置 |
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-
2001
- 2001-01-22 JP JP2001013522A patent/JP2002219700A/ja active Pending
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