JP2002217847A - ダイナミック・レンジを拡大するための装置及び方法 - Google Patents

ダイナミック・レンジを拡大するための装置及び方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】測定システムのダイナミック・レンジを拡大し
て測定の精度を向上させる手段を提供する。 【解決手段】ダイナミックレンジ拡大装置100、100’
は、信号スプリッタ102、キャンセル経路110、110’、
テスト経路120、120’、及び信号コンバイナ104を備え
る。信号スプリッタ102が、入力信号源140からの信号を
2つの信号に分割する(202)。第1の分割信号は、キ
ャンセル経路110、110’を通過し、位相がシフトされ
(204)てキャンセル信号が生成される。第2の分割信
号はテスト経路120、120’を通過して、テストを受ける
装置に加えられて(206)、減衰された応答信号が生成
される(208)。キャンセル経路110、110’とテスト経
路120、120’の出力において、キャンセル信号と減衰さ
れた応答信号は、測定プロセッサ150に送られる前に、
信号コンバイナ104によって結合される(210)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測定システムに関
するものである。とりわけ、本発明は、大パワー信号が
存在する場合に小パワー信号の測定のダイナミック・レ
ンジを拡大することに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最新の通信システム及び関連する信号伝
送システムの設計及び製造のクリティカルな一面は、シ
ステムを構成する構成要素によって導入される信号歪み
の測定及び特性解明である。あらゆるシステム構成要素
(最も顕著なのは増幅器のような能動装置であるが)
は、非理想的な動作特性を有している。これらの非理想
的動作特性は、システムの構成要素を通る、あるいは、
システムの構成要素によって処理される信号を歪ませる
可能性があり、実際に歪ませている。システム構成要素
の非理想的特性によって導入される信号歪みは、システ
ムの動作の妨げになる場合が多い。システム構成要素に
関連した歪みの測定、特性解明、及び、制御は、大部分
の伝送システム設計及び製造作業において最も重要なも
のである。
【0003】最新の通信システム、すなわち、最新式の
広帯域システムは、特に、信号歪み、及び、性能に対す
るその影響に敏感である。これらのシステム及びその設
計者は、有限のスペクトル内において帯域幅をさらに拡
大することに対して際限なく増し続ける要求に直面して
おり、従って、システム構成要素に関する信号歪みに関
連した厳しくなる一方の仕様に対処しなければならな
い。システムに用いられる装置及び構成要素の刺激/応
答歪み効果について正確な測定及び特性解明を実施する
能力は、システムの最終的な性能を決定する上において
極めて重大な考慮事項である。
【0004】通信システムにおいて用いられる典型的な
装置によって示される非理想的特性の中でも重要なの
は、非線形効果である。非線形効果は、線形方程式によ
って完全には記述されない装置の刺激/応答性能として
定義される。一般に、非線形効果によって、スプリアス
周波数応答の形をとる信号歪みが生じる。すなわち、装
置は、その動作によって、装置を通過する信号に、望ま
しくない、その装置の線形動作に適応しないスペクトル
成分を導入する。一般に、線形または準線形として分類
される装置の場合、スプリアス・レスポンスに関連した
パワー・レベルが、一次応答信号すなわち線形応答信号
のパワー・レベルよりもはるかに低く、すなわち、小さ
くなる。例えば、ツートーン測定からの三次スプリアス
・レベルは、線形応答信号に関する所与の信号パワー・
レベルに対し−60dBcになる可能性がある。換言す
れば、スプリアス・レベルは、所望の線形応答信号の1
00万分の一になる。しかし、所与の装置のスプリアス
・レスポンスは、その線形応答に比べて極めて小さくな
る場合が多くても、全体としてシステムの性能に対して
強い影響を及ぼす可能性がある。
【0005】いくつかの従来の測定方法論を利用して、
通信システムに用いられる装置の非線形性能を測定し、
その特性を解明することが可能である。これらの測定方
法論の大部分は、装置の非線形性能の一面を直接測定し
ようとするか、または、非線形性能を間接的手段によっ
て推論しようとするものである。一般に、間接的な方法
論は、システム性能のある面に対する装置の非線形性の
効果を測定することに焦点を合わせたものであり、「シ
ステム・レベル」測定と呼ばれる場合が多い。直接的測
定方法論には、1dB圧縮ポイント・テスト、ツートー
ン及びマルチ・トーン相互変調応答テスト、及び、飽和
パワー・テストが含まれる。間接的測定すなわちシステ
ム・レベル測定には、ビット・エラー・レート測定、ア
イ・パターンまたはアイ・ダイヤグラム、及び、隣接チ
ャンネル・パワー比(ACPR)のようなものが含まれ
る。ACPRは、最新の広帯域コード分割多重アクセス
(W−CDMA)システムにとって特に重要である。
【0006】1dB圧縮ポイント・テストでは、入力ま
たは刺激パワー・レベルによって、線形応答から1dB
の偏差を生じる出力パワー・レベル応答が得られるポイ
ントが測定される。ツートーン及びマルチ・トーン・テ
ストでは、線形または基本応答のレベルと比較した特定
のスプリアス・レスポンスまたはレスポンス集合の相対
的レベルが測定される。これらのテストを利用して、増
幅器におけるいわゆる二次、三次、及び、n次インター
セプト・ポイントが予測または推定される。飽和パワー
・テストでは、極めて高い入力パワー・レベルにおける
装置の性能が測定される。上述のように、これらの直接
的測定方法論は、全て、特定の非線形特性(例えば、二
次インターセプト・ポイント)に焦点を合わせようとし
ている。一般に、測定された非線形特性を用いて、装置
の非理想的な性能がその装置を組み込んだシステムを通
過する信号に及ぼすことになる影響が推定される。
【0007】対照的に、間接的測定では、システム・レ
ベルの性能パラメータに焦点が合わせられる。間接的測
定方法論の場合、装置の非線形性能特性の全体が同時に
テストまたは測定される。なぜなら、それらが、測定さ
れる性能パラメータに影響するからである。例えば、ビ
ット・エラー・レート・テストによって、装置または一
連の装置が、デジタル伝送システムに対するさまざまな
刺激の信号対ノイズ比(SNR)において、ビット・エ
ラー・レートにいかに影響するかが明らかになる。AC
PRによって、テストを受ける装置(DUT)の非理想
的性能の結果として、システムのあるチャンネルから隣
のチャンネルに「漏洩」する電力量が測定される。一般
に、DUTの非理想的性能の効果によって、間接的測定
において観測される性能に何が生じているかを識別する
試みはなされていない。一方、間接的測定によって生じ
るデータは、一般に、全体として、システムの実際の性
能パラメータにより密接に関連している。
【0008】直接的及び間接的測定方法論の両方とも、
目的は、性能パラメータを正確に測定して、測定値とシ
ステム仕様を比較するか、または、測定された性能パラ
メータからシステム性能を予測することである。こうし
た測定の感度、ダイナミック・レンジ、及び、精度は、
システム設計者及びシステム・メーカにとって常に重要
である。
【0009】装置の性能の直接的及び間接的測定を実施
するために用いられる多くの測定システムが遭遇する困
難は、測定の実施に用いられる測定システム自体が、固
有の非線形及び/またはスプリアス性能特性を示す場合
が多いということである。測定システムに固有の非理想
的性能は、実施されるテストのダイナミック・レンジ及
び精度を制限する可能性がある。
【0010】例えば、ツートーン・テストに用いられる
1対の信号発生器は、測定中の相互変調結果の周波数範
囲内にスプリアス高調波信号を発生する場合がある。こ
れらのスプリアス信号の存在によって、測定システムに
よって測定可能な所与の相互変調結果の最低レベルが制
限される可能性がある。測定システムに用いられるプリ
アンプ及び検出器は、意図する測定の妨げになるスプリ
アス信号を生じる非線形性能特性を備えている可能性が
ある。いずれにせよ、大きな線形応答信号が存在する場
合、小さいまたは極めて小さい信号の振幅またはパワー
・レベルの正確な測定を実施するのは困難かまたは不可
能な場合がある。
【0011】上記のことは、測定システムに固有のこれ
らの非理想的特性が存在するために、それによって行わ
れる測定の感度または最低レベルが、計器によって制限
されることを意味している。重要なのはDUTの非理想
的特性であるから、計器によって制限されるのではな
く、DUTによって制限される測定を行うことが理想的
である。測定システムにおける非理想的特性の存在によ
り結果として、測定システムのダイナミック・レンジが
大きく制限されることになり、これによって、DUTに
関連した極めて低レベルの歪み信号を正確に測定するシ
ステムの能力が制限されることになる。
【0012】図1Aには、直接的測定または間接的測定
に用いることが可能な従来の測定システムのブロック図
が例示されている。測定システムには、信号源と、測定
プロセッサが含まれている。テストを受ける装置(DU
T)は、信号源と測定プロセッサの間に接続されてい
る。信号源がテスト信号を生成する。テスト信号がDU
Tに加えられる。測定プロセッサは、信号がDUTを通
過した後、信号を受信して、処理を施す。典型的な信号
源の例には、電圧制御式オシレータ、信号合成器、及
び、任意の波形発生器がある。典型的な測定プロセッサ
には、パワー・メータ、オシロスコープ、及び、スペク
トル・アナライザがある。図1Bには、ツートーン測定
による典型的な結果が例示されている。図1Aに例示の
ブロック図には、DUTの伝送測定が示されているが、
当業者にはすぐにわかるように、わずかな修正を施せ
ば、同様の測定システムを反射測定に利用することも可
能になる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、測定システム
の構成要素の非理想的特性を補償する装置及び方法を備
えるのが有利である。すなわち、線形応答信号からの干
渉、及び、信号源からのスプリアス信号をなくすか、ま
たは、より少なくして、極めて低いスプリアス信号レベ
ルの測定を容易にすることが可能な装置及び方法を備え
るのが有利である。こうした装置及び方法は、既存の測
定システムのダイナミック・レンジを拡大し、低レベル
の歪み測定を容易にし、それによって実施される測定の
精度を向上させることになる。こうしたダイナミック・
レンジ拡大装置及び方法によって、通信及び信号伝送シ
ステムの装置のテスト、測定、及び、特性解明の分野に
おける長年にわたる要求が解決されることになる。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、テストを受け
る装置の測定を妨げる可能性のある測定システム構成要
素の非理想的特性を補償する、新規のダイナミック・レ
ンジ拡大装置及び方法である。より具体的に言うと、本
発明のダイナミック・レンジ拡大装置及び方法は、テス
トを受ける装置の低レベル歪み測定を容易にし、新規の
キャンセル信号アプローチを用いて、こうした測定の精
度を向上させる。
【0015】本発明の1態様では、ダイナミック・レン
ジ拡大装置が提供される。ダイナミック・レンジ拡大装
置は、テストを受ける装置に対して実施される測定のダ
イナミック・レンジを拡大する。本発明のダイナミック
・レンジ拡大装置は、信号源から入力テスト信号を受け
取るための入力ポートと、出力信号を測定プロセッサに
送るための出力ポートを備えている。この装置には、さ
らに、1つの入力と2つの出力を備えた信号スプリッタ
が含まれている。この装置には、さらに、信号スプリッ
タの第1の出力に接続された入力を備えるキャンセル経
路と、信号スプリッタの第2の出力に接続された入力を
備えるテスト経路が含まれている。この装置には、さら
に、キャンセル経路の出力に接続された第1の入力、テ
スト経路の出力に接続された第2の入力、及び、出力を
備えた信号コンバイナが含まれている。信号スプリッタ
は、ダイナミック・レンジ拡大装置の入力ポートとテス
ト経路及びキャンセル経路の入力の間に配置されてい
る。信号コンバイナは、テスト経路及びキャンセル経路
の出力とダイナミック・レンジ拡大装置の出力ポートの
間に配置されている。テストを受ける装置は、測定サイ
クル中、テスト経路内に挿入される。
【0016】本発明のダイナミック・レンジ拡大装置の
場合、信号源からの信号が、信号スプリッタによって、
2つの信号に分割され、第1の分割信号が、キャンセル
経路を通り、第2の分割信号が、テスト経路を通る。第
1の分割信号すなわちキャンセル信号は、キャンセル経
路によって移相させられる(すなわち、位相シフトが生
じる)。第2の分割信号すなわちテスト信号は、テスト
を受ける装置を通過し、メインの応答部分または線形応
答部分すなわちその信号、及び、歪み部分すなわち歪み
信号を含む応答信号を生じる。応答信号は、テスト経路
において、テストを受ける装置の利得にほぼ等しい減衰
を施される。キャンセル信号及び減衰された応答信号
は、測定プロセッサに送られる前に、それぞれ、キャン
セル経路及びテスト経路の出力において、信号コンバイ
ナによって組み合わせられる。キャンセル信号によっ
て、応答信号の線形応答部分の一部または全てがキャン
セルまたは除去されるが、応答信号の歪み部分は残され
る。本発明では、線形応答信号をキャンセルすることに
よって、測定プロセッサのダイナミック・レンジ要件を
緩和することが可能になる。さらに、信号の組み合わせ
時に、キャンセル信号により、信号源からの入力テスト
信号に存在する任意の非理想的スプリアス信号の一部ま
たは全てがキャンセルされる。
【0017】本発明のもう1つの態様では、テストを受
ける装置に対して実施される測定のダイナミック・レン
ジを拡大する方法が提供される。この方法には、入力テ
スト信号を第1の信号と第2の信号に分割するステップ
が含まれる。第1の信号は、キャンセル経路に入り、移
相を施されて、キャンセル信号が生じる。第2の信号
は、テスト経路に入り、テストを受ける装置に加えられ
て、メインの応答部分または線形応答部分すなわちその
信号と歪み応答部分すなわち歪み応答信号を含む応答信
号が生じる。次に、応答信号は、減衰させられる。この
方法には、さらに、キャンセル信号と減衰された応答信
号を組み合わせて、出力信号を発生するステップも含ま
れている。キャンセル信号と減衰された応答信号を組み
合わせるステップによって、結果として、出力信号にお
いて、メインの応答部分または線形応答部分が、大部分
キャンセルされるか、または、少なくとも、大幅にレベ
ルが低下するが、都合のよいことに、歪み応答部分は比
較的影響を受けない。従って、本発明の方法を利用すれ
ば、テストを受ける装置の低レベルの歪み応答信号をさ
らに容易に測定することが可能になる。
【0018】本発明のさらにもう1つの態様では、テス
トを受ける装置によって生じる低レベル歪み信号の測定
に関して、ダイナミック・レンジが拡大され、測定精度
が向上した測定システムが提供される。測定システムに
は、入力テスト信号を発生する信号源、ダイナミック・
レンジを拡大するための装置、そのダイナミック・レン
ジ拡大装置からの出力信号に処理を加える測定プロセッ
サが含まれている。ダイナミック・レンジ拡大装置は、
入力ポートと、出力ポートを備えている。信号源の出力
は、ダイナミック・レンジ拡大装置の入力ポートに接続
され、測定プロセッサの入力は、ダイナミック・レンジ
拡大装置の出力ポートに接続されている。ダイナミック
・レンジ拡大装置には、1つの入力と2つの出力を備え
た信号スプリッタが含まれている。ダイナミック・レン
ジ拡大装置には、さらに、信号スプリッタの第1の出力
に接続された入力を備えるキャンセル経路と、信号スプ
リッタの第2の出力に接続された入力を備えるテスト経
路が含まれている。ダイナミック・レンジ拡大装置に
は、さらに、キャンセル経路の出力に接続された第1の
入力、テスト経路の出力に接続された第2の入力、及
び、出力を備えた信号コンバイナが含まれている。ダイ
ナミック・レンジ拡大装置が、信号源から入力テスト信
号を受信し、信号スプリッタが、この信号を2つの信号
に分割する。第1の分割信号は、キャンセル経路を通過
し、第2の分割信号は、テストを受ける装置が測定のた
めに挿入されるテスト経路を通過する。第2の分割信号
は、テスト経路内ののテストを受ける装置に加えられ
る。テストを受ける装置は、応答信号を発生し、これ
が、テスト経路の出力において減衰させられる。第1の
分割信号は移相させられて、キャンセル経路の出力から
キャンセル信号が生じる。キャンセル信号とテスト経路
からの減衰された応答信号(以下、減衰応答信号)は、
信号コンバイナによって組み合わせられて、ダイナミッ
ク・レンジ拡大装置の出力ポートから出力信号が生じ
る。ダイナミック・レンジ拡大装置からの出力信号は、
測定プロセッサによって受信される。測定プロセッサ
は、出力信号を受け取って、出力信号内の低レベル歪み
信号を測定する。
【0019】本発明のダイナミック・レンジ拡大装置、
方法、及び、システムは、広帯域動作が可能である。プ
ロトタイプの装置及びシステムは、DC〜8GHzの公
称周波数範囲について制作された。しかし、本発明の場
合、こうした周波数範囲に対する制限はない。さらに、
このダイナミック・レンジ拡大装置、方法、及び、シス
テムによれば、高性能信号源及び高性能測定プロセッサ
(例えば、スペクトル・アナライザ)の必要がなくなる
が、それにもかかわらず、精度の高い、広ダイナミック
・レンジの測定を実施することが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の種々の特徴及び利点につ
いては、添付図面と共に以下の詳細な説明を参照するこ
とにより容易に理解することができよう。構造的に同じ
構成要素には同じ参照番号を付している。本発明は、測
定システム、とりわけ、通信システム及び関連する信号
伝送システムに用いられる装置の測定及び特性解明に利
用されるシステムのダイナミック・レンジを拡大するた
めの新規の装置及び方法である。本発明のダイナミック
・レンジ拡大(DRE)装置、システム、及び、方法で
は、フィード・フォワード・アプローチを利用して、テ
スト信号をテストを受ける装置(DUT)に通すことに
よって生じる応答信号から、線形応答信号の一部または
全てを除去する。本発明の装置、システム、及び、方法
は、線形応答信号を除去または部分的に除去することに
よって、DUTによって発生する極めて小さいスプリア
ス信号または歪みの正確な測定を容易にする。多くの場
合、これらの歪みは、線形応答信号が存在すると、検出
不可能か、または、少なくとも識別が困難である。さら
に、本発明の装置及び方法によれば、信号源、及び、測
定システムに用いられている他の構成要素によって生じ
るさまざまなスプリアス信号の一部または全てが除去さ
れ、測定精度がいっそう向上する。本発明によれば、D
UT応答信号による信号の妨害を除去または部分的に除
去することによって、所与の測定システムのダイナミッ
ク・レンジが有効に拡大される。
【0021】図2には、本発明のダイナミック・レンジ
拡大(DRE)装置100のブロック図が例示されてい
る。DRE装置100には、信号スプリッタ102、信
号コンバイナ104、キャンセル経路110、及び、テ
スト経路またはDUT経路120が含まれている。キャ
ンセル経路110は、信号スプリッタ102の第1の出
力を信号コンバイナ104の第1の入力に接続する信号
経路である。DUT経路120は、信号スプリッタ10
2の第2の出力を信号コンバイナ104の第2の入力に
接続する信号経路である。
【0022】信号スプリッタ102は、受動的で同相の
等パワー・ディバイダであり、信号コンバイナ104
は、受動的で同相の等パワー・コンバイナであることが
望ましい。信号スプリッタ102は、3dBパワー・デ
ィバイダまたは6dBパワー・ディバイダであり、信号
コンバイナ104は、3dBパワー・ディバイダまたは
6dBパワー・ディバイダであることがさらに望まし
い。信号スプリッタ102または信号コンバイナ104
のために、3dBパワー・ディバイダと6dBパワー・
ディバイダのいずれを利用するかの選択は、主として、
DUT及び実施される測定によって決まる。一般に、大
きい低歪みテスト信号を用いて、DUTを駆動しなけれ
ばならない場合には、信号スプリッタ102にとって3
dBパワー・ディバイダが望ましい。同様に、測定感度
が最も重要な場合には、信号コンバイナ104にとって
3dBパワー・ディバイダが望ましい。DUTが良好な
入力インピーダンス整合を必要とする場合には、代わり
に、6dBパワー・ディバイダを信号スプリッタ102
として用いるのが望ましい場合がある。さらに、6dB
パワー・ディバイダは、3dBディバイダより広い動作
周波数範囲を示す場合が多く、従って、いくつかのケー
スでは望ましい場合がある。当業者であれば、多くの実
験をしなくても、信号スプリッタ102及び信号コンバ
イナ104について、3dBパワー・ディバイダと6d
Bパワー・ディバイダの間の選択を容易に行うことが可
能であろう。さらに、当業者であれば、DRE100に
利用することが可能な、信号スプリッタ104及び信号
コンバイナ104と機能的に同等のいくつかの装置がす
ぐにわかるであろう。これらの機能的に同等の装置は、
全て、本発明の範囲内のものである。
【0023】DUT経路120には、減衰器122が含
まれている。減衰器122は、調整可能な減衰範囲を有
する可変減衰器またはステップ式減衰器122であるの
が望ましい。減衰器122の可調整減衰範囲は、好まし
くは、DUTの予測線形応答利得以上の最大値を有す
る。DUTは、テスト中、減衰器122に先行するポイ
ントにおいて、DUT経路120に挿入される。キャン
セル経路110は、移相器112を含んでいる。移相器
112は、可変であって、DUTの動作の中心周波数に
おいてキャンセル経路110に対して180度公称移相
値または電気的長さが得られるように設定することが可
能である。DUTを除去して、図3に例示するブロック
図で示すように、測定システム較正のための低損失ジャ
ンパに置き換えることが可能である。較正中、減衰器1
22は、除去されてジャンパが挿入されるか、または、
0dB減衰レベルにセットされる。
【0024】測定システムで用いられる場合、DRE1
00の入力は、信号源に接続され、DRE100の出力
は、測定プロセッサに接続される。DRE100のこの
実施態様では、DRE100の入力は、信号スプリッタ
102の入力であり、DRE100の出力は、信号コン
バイナ104の出力である。信号源は、入力信号Sを発
生する。入力信号Sは、DRE100を通過し、結果生
じる信号は、測定プロセッサによって受信され、処理さ
れる(すなわち、測定される)。
【0025】動作時、信号源によって生じる入力信号S
は、DRE100の入力に加えられる。信号Sは、1対
の信号St及びScに分割される。2つの信号St及び
Scは、互いに同相で等パワーのレプリカである。キャ
ンセル経路110において、信号Scは、移相器112
を通過する結果として、信号Sの中心周波数fsにおい
て180度の移相または位相遅延を施され、その結果、
移相された(すなわち、位相がシフトされた)信号Sc
*になり、信号コンバイナ104に入る。テスト信号S
tは、DUT及び減衰器122を通過し、歪みテスト信
号St*になる。テスト経路120において、信号St*
には、Stに比例した線形応答信号、及び、非線形また
は歪み応答信号Sdが含まれている。非線形応答信号S
dには、DUTの非線形性によって生じるスプリアス信
号の全てが含まれている。信号St*と移相された信号
Sc*がコンバイナ104で組み合わせられる。次に、
組み合わせ信号(Sc*+St*)が測定プロセッサによ
って測定される。信号Sc *及びSt*を組み合わせるこ
とによって、St*の線形応答信号部分の一部または全
てが除去またはキャンセルされ、歪み応答信号Sdにほ
ぼ比例した信号が残される。
【0026】説明のため、信号周波数fsの正弦波であ
る信号Sについて考察する。信号Sが本発明のDRE1
00に加えられると、移相された信号(以下、移相信
号)Sc*は、以下のように表される。
【0027】
【数1】
【0028】同様に、ST*は、以下のように表され
る。
【0029】
【数2】
【0030】ここで、GDUTは、DUTの線形利得であ
り、Gattnは、減衰器の減衰であり、Sdは、DUTに
よって生じる歪み信号である。減衰器122の減衰G
attnが、DUTの利得GDUTに等しくなるようにセット
される場合、DRE100の出力における出力信号So
は、以下のように表される。
【0031】
【数3】
【0032】式(3)によって示されるように、入力信
号Sに対するDRE100の操作の結果、線形信号(S
t・・GDUT)が完全にキャンセルされて、DUTの歪
み信号Sdに比例した出力信号Soが残される。入力信
号Sに認められる非理想的信号成分は、St*及びSc*
の両方に共通しており、従って、同様にキャンセルされ
る傾向にある。
【0033】多くの現実のテストにおけるように、信号
Sが単一周波数の正弦波でない場合、式(1)の等式
は、近似式で置き換えられる。この場合、Sc*は、−
Stにほぼ等しいので、結果として、線形応答信号の部
分的キャンセルだけしか行われない。しかし、好都合な
ことには、線形応答信号の一部のキャンセルであって
も、測定のダイナミック・レンジが改善されることにな
る。従って、本発明のDRE100は、ACPR(但
し、ACPRに限定されるわけではない)を含む、狭帯
域から広帯域までの多種多様な測定に有用である。
【0034】図4には、本発明の測定システム300に
おける本発明のDRE100’の好適な実施態様が例示
されている。本発明の場合、測定システム300には、
信号源140、DRE100、100’、及び、測定プ
ロセッサ150が含まれている。信号源140は、マイ
クロ波信号発生器、合成器、または、任意の波形発生器
(但し、これらに限定されるわけではない)を含む、D
UTの所与のテストに適した入力信号を発生する任意の
手段とすることが可能である。測定プロセッサ150
は、パワー・メータ、ビット・エラー・レート・テス
タ、及び、スペクトル・アナライザ(但し、これらに限
定されるわけではない)を含む、所与のテストに適した
DUTを測定するための任意の手段とすることが可能で
ある。
【0035】好適な実施態様のDRE100’には、D
RE100と同じく、信号スプリッタ102及び信号コ
ンバイナ104が含まれており、さらに、プリアンプ1
06、キャンセル経路110’、DUT経路120’、
及び、低ノイズ増幅器(LNA)108が含まれてい
る。プリアンプ106は、DRE100’の入力ポート
と信号スプリッタ102の入力の間に接続されている。
LNA108は、信号コンバイナ104の出力とDRE
100’の出力ポートの間に接続されている。
【0036】DRE100’の場合、プリアンプ106
は、パワー・アンプが望ましい。当業者には周知のよう
に、パワー・アンプは、特に、その出力ポートにおける
歪みを最小限にして大電力レベルを生じるように設計さ
れた増幅器である。プリアンプ106は、システム損失
を補償し、所与の信号140の場合に可能であるよりも
高いレベルの信号によってDUTを駆動できるようにす
る。LNA108は、測定プロセッサ150の雑音指数
(noise figure :NF)を低下させるために利用される。
測定プロセッサ150のNFを低下させると、測定に関
連したノイズ・フロア(noise floor)が低下し、測定
のダイナミック・レンジを拡大するのに役立つ。
【0037】キャンセル経路110’には、キャンセル
経路110の構成要素が含まれており、さらに、減衰器
114とスイッチ116が含まれている。減衰器114
の入力は、移相器112の出力に接続されている。減衰
器114の出力は、スイッチ116の入力に接続されて
いる。スイッチ116の出力は、信号コンバイナ104
に対する第1の入力に接続されている。スイッチ116
は、その入力からその出力に信号を通す(「オン」)
か、または、信号の通過を阻止する(「オフ」)。
【0038】移相器112は、ライン・ストレッチャと
しても知られる機械式移相器が好ましい。機械式移相器
112は、受動的であり、従って、任意のスプリアス信
号または歪みの一因になることはなく、あるいは、それ
らを発生することはないので、かかる移相器を使用する
ことが望ましい。
【0039】減衰器114は、可変減衰器が望ましい。
可変減衰器114は、可変機械式減衰器であればさらに
望ましい。というのも、こうした受動装置は、従来の測
定パワー・レベルにおいて強い非線形挙動を示さないた
めである。機械式減衰器は、信号経路に減衰を導入する
ための極めて安定しており、かつ、反復可能な手段とし
ても知られている。さらに、可変減衰器114は、約0
dBから3dBの範囲にわたる連続して調整可能な減衰
値を有しているのが望ましい。減衰範囲が0dB〜1d
Bの可変減衰器114を利用することも可能である。可
変減衰器114は、キャンセル信号Sc*の振幅の微調
整を行うために用いられる。
【0040】スイッチ116は、単極単投(SPST)
スイッチまたは単極双投(SPDT)スイッチが好まし
い。SPSTスイッチ116を用いた実施態様の場合、
整合スイッチを用いることが望ましい。整合スイッチ
は、その入力及び出力用に内部整合素子を備えていて、
スイッチの「オン」または「オフ」に関係なく、入力と
出力の両方において良好なインピーダンス整合が維持さ
れるようになっているスイッチである。
【0041】図4に示す好適な実施態様の場合、スイッ
チ116は、スイッチ116の入力に対応する第1のス
イッチ・ポートと、スイッチ116の出力に対応する共
通ポートを備えたSPDTスイッチである。さらに、S
PDTスイッチ116を利用した好適な実施態様では、
キャンセル経路110’には、さらに、整合負荷117
が含まれる。整合負荷117は、SPDTスイッチ11
6の第2のスイッチ入力ポートに接続されている。より
好ましくは、SPDTスイッチ116は、任意の非接続
ポートを終端させる内部インピーダンス整合負荷を備え
た整合スイッチである。
【0042】SPDTスイッチ116が「オン」の場
合、接続が行われ、第1のスイッチ・ポートと共通ポー
トの間に信号経路が存在する。SPDTスイッチ116
が「オフ」の場合、接続が行われ、第2のスイッチ・ポ
ートと共通ポートの間に信号経路が存在する。従って、
SPDTスイッチ116が「オフ」になると、信号がキ
ャンセル経路110’を通過するのが阻止され、信号コ
ンバイナ104の第1の入力に整合インピーダンス負荷
が生じる。スイッチ116によって得られる「オン/オ
フ」機能は、較正中に有用である。
【0043】キャンセル経路110’には、追加移相器
(不図示)またはある長さの伝送ラインのような追加コ
ンポーネントをキャンセル経路110’に追加するため
の外部時間遅延補償ジャンパ118も含まれているのが
好ましい。ジャンパ118は、テスト経路120’とキ
ャンセル経路110’とが、移相器112の影響を除い
て、ほぼ等しい電気的長さになるように、キャンセル経
路110’にいくらかの長さの伝送ラインを追加できる
ようにするために、主として使用される。ジャンパ11
8の代わりに送信ラインのあるセクションを追加するこ
とによって、遠隔位置にあるDUTの測定が容易にな
る。遠隔位置にあるDUTの一例として、一般に、DU
Tをテスト経路120’に接続するために長いケーブル
が用いられる、ウェーハ・プローブ・システムがある。
【0044】当業者には明らかなように、上述のキャン
セル経路110’によって得られる同じ機能性が、いく
つかの手段及び/または構成要素の組み合わせによって
実現可能である。すなわち、キャンセル経路110’を
構成する構成要素の順序は、重要ではない。従って、移
相器112、減衰器114、及び、スイッチ116の相
対的順序のあらゆる配列は、本発明の範囲に含まれる。
構成要素の機能性は、上述のキャンセル経路110’
の1つ以上の構成要素の代わりに、いくつかの装置を用
いて実現可能である。例えば、1つは移相器112に先
行し、1つは移相器112に後続する2つの減衰器が、
減衰器114に取って代わり、それと同等の機能を果た
すようにすることが可能である。キャンセル経路11
0’のこれらの代替構成は、キャンセル経路110’の
全体的な機能性または動作を変更することなく、利用す
ることが可能であり、本発明の範囲内のものである。
【0045】さらに、留意すべきは、代替案として、減
衰器114は、キャンセル経路110’ではなく、テス
ト経路120’内に配置することも可能であり、これも
やはり、本発明の範囲内に含まれるという点である。減
衰器114は、キャンセル経路110’内に配置するの
が望ましい。というのも、その配置によって、減衰器1
14が測定システムの感度に及ぼす影響が最小限に抑え
られるためである。さらに、減衰器114をキャンセル
経路110’内に配置すると、減衰器の不整合(低品質
の減衰器114VSWR)がDUT及びその測定に及ぼ
す可能性のある有害な影響が最小限に抑えられる。
【0046】信号スプリッタ102からキャンセル経路
110’に入る信号Scは、ジャンパ118を通って、
移相器112に入る。移相器112によって、信号Sc
に移相または位相遅延が加えられる。移相信号(移相を
シフトされた信号)は、次に、減衰器114を通って、
信号Sc*として出てくる。「オン」状態の場合、スイ
ッチ116は、入力から出力への信号の通過を可能にす
るように構成されているので、信号Sc*は、信号コン
バイナ104の第1の入力ポートに受け渡される。「オ
フ」状態の場合、スイッチ116は、信号Sc*の通過
を阻止する。さらに、スイッチ116が整合スイッチの
場合、「オフ」状態では、信号Sc*がスイッチ116
内部の整合負荷によって吸収されることになる。さら
に、スイッチ116が、SPDTスイッチ116で、
「オフ」状態にある場合、信号コンバイナ104からキ
ャンセル経路110’に入ることが可能などの信号も、
整合負荷117に接続され、吸収されることになる。
【0047】DUT経路120’には、ステップ式減衰
器であるのが望ましい、上述の経路120の減衰器12
2(DRE装置100’のための「出力」減衰器122
と呼ぶ)が含まれており、さらに、やはり、ステップ式
減衰器であるのが望ましい、入力減衰器124、第1の
結合信号検出器126、第2の結合信号検出器128、
及び、実施態様の1つでは、オプションの較正ジャンパ
130が含まれている。信号スプリッタ102の第2の
出力は、入力減衰器124の入力に接続されている。入
力減衰器124の出力は、第1の結合信号検出器126
の入力に接続されている。第2の結合信号検出器128
の出力は、オプションとして、較正ジャンパ130の第
1のポートに接続され、一方、較正ジャンパ130の第
2のポートは、オプションとして、出力減衰器122の
入力に接続される。出力減衰器122の出力ポートは、
信号コンバイナ104の第2の入力に接続されている。
DUTは、第1の結合信号検出器126の出力と第2の
結合信号検出器128の入力の間に接続されている。
【0048】入力減衰器124は、機械式減衰器が望ま
しい。入力減衰器124は、DUTの駆動に用いられる
信号Stの入力パワー・レベルの調整に利用される。多
くの場合、信号源140は、最適なパワー・レベルで信
号を発生することができない場合があるか、または、制
御された、低歪み方式で、発生した信号レベルを変化さ
せる能力を備えていない。入力減衰器124は、このタ
スクを歪みを加えることなく実行する。好適な実施態様
の場合、入力減衰器124には、減衰ステップ・サイズ
が1dBのステップ式減衰器が含まれる。別の実施態様
(不図示)では、入力減衰器124には、0〜11dB
の範囲にわたって1dBの減衰ステップを可能にする機
械式ステップ減衰器124aと、選択可能な10dBま
たは0減衰を施すスイッチ式減衰器124bが含まれて
いる。ステップ式減衰器124aとスイッチ式減衰器1
24bを組み合わせると、0〜21dBの連続した減衰
範囲が有効範囲になる。当業者には容易に明らかになる
ように、入力減衰器124の他の減衰値及び構成も可能
である。こうした構成及び減衰値は、全て、本発明の範
囲内に含まれる。
【0049】第1の結合信号検出器126は、DUTに
入る信号の全パワー・レベルをモニタするために利用さ
れる。第2の結合信号検出器128は、DUTを出る信
号の全パワー・レベルをモニタするために利用される。
DUTの利得は、第2の検出器128によって測定され
たパワー・レベルから第1の検出器126によって測定
されたパワー・レベルを引くことによって求めることが
可能である。結合検出器126、128には、それぞ
れ、16dB方向性結合器と、広帯域パワー検出器が含
まれているのが好ましい。方向性結合器は、信号スプリ
ッタ102から信号コンバイナ104へ、DUT経路1
20’を順方向に進行する信号のサンプリングを行うよ
うに配向が施されている。オプションのジャンパ130
によって、追加減衰器のような追加構成要素をDUTに
後続するDUT経路120’内に挿入することが可能に
なる。
【0050】出力減衰器122は、機械式減衰器である
のが好ましい。出力減衰器122は、上述のように、信
号St*のパワー・レベルを調整するために利用され
る。入力減衰器124の場合と同様、機械式出力減衰器
122は、歪みを加えることなく、このタスクを成し遂
げる。好適な実施態様では、出力減衰器122には、減
衰ステップ・サイズが1dBのステップ減衰器が含まれ
ている。別の実施態様では、出力減衰器122には、ス
テップ式減衰器122aと、スイッチ式減衰器122b
(不図示)が含まれている。ステップ式減衰器122a
は、0〜11dBの範囲にわたって1dBの減衰ステッ
プを可能にする機械式減衰器である。スイッチ式減衰器
122bは、選択可能な0dBまたは10dBの減衰を
施す。ステップ式減衰器122aとスイッチ式減衰器1
22bを組み合わせると、0〜21dBの連続した減衰
範囲が有効範囲になる。当業者には容易に明らかになる
ように、出力減衰器122の他の減衰値及び構成も可能
である。こうした構成及び減衰値は、全て、本発明の範
囲内に含まれる。
【0051】パワー・スプリッタ102からDUT経路
120’に入る信号Stは、入力ステップ式減衰器12
4を通過し、入力減衰器124において選択された減衰
量だけ減衰させられる。次に、第1の結合検出器126
によって、信号のサンプリングが行われる。信号は、D
UTを通過し、その出力は信号St*になる。信号St*
は、さらに、第2の結合検出器128によってサンプリ
ングされ、その後、オプションとして、オプションの較
正ジャンパ130を通過して、出力減衰器122によっ
て減衰させられる。減衰した信号St*は、信号コンバ
イナ104の第2の入力ポートに入り、上述のように、
キャンセル信号Sc*と組み合わせられる。
【0052】上述のように、最適な性能を得るには、キ
ャンセル経路110’とテスト経路120’は、それぞ
れ、ほぼ同じ利得を有することが理想である。換言すれ
ば、テスト経路120’を通過する信号は、DUTのお
およその利得にキャンセル経路110’に関連した損失
(一般に、〜1dB)を加えた値に等しい量だけ減衰さ
せられる。テスト経路120’における減衰は、入力減
衰器124及び出力減衰器122によって施されるが、
減衰の一部は、入力減衰器124によって施され、減衰
の残りの部分は、出力減衰器122によって施される。
さらに、入力減衰器124と出力減衰器122の間にお
ける減衰の振り分けは、所与の測定中に変更される場合
が多い。
【0053】例えば、ACPRのような測定には、入力
信号Sの入力パワーを低レベルから高レベルに掃引、ま
たは変化させることが必要になる。信号Sの入力パワー
が低レベルの場合、減衰の大部分は入力減衰器124に
よって施すのが望ましい。減衰の大部分を入力減衰器1
24によって施すと、減衰がDUT出力信号St*の歪
み信号Sdに及ぼす影響が最小限に抑えられ、測定プロ
セッサ150が受ける雑音指数が最小限に抑えられるの
で、測定感度が最高になる。一方、信号Sの入力パワー
が、高レベルの場合、出力減衰器122によって、減衰
の大部分を施すのが望ましい。減衰の大部分を出力減衰
器122によって施すと、信号源40が発生しなければ
ならない信号Sのパワー・レベルが最小限に抑えられ、
入力信号Sが高パワー・レベルであることに起因するプ
リアンプ106によって生じる歪みが最小限に抑えられ
る。さらに、出力減衰器122によって大部分の減衰を
施すことにより、LNA108が飽和状態になって、D
UTの歪み信号を分かりにくくする可能性のある歪み信
号が生じる、という機会が少なくなる。
【0054】パワー掃引中における入力減衰器124か
ら出力減衰器122への減衰の移転は、漸次あるいはい
きなり実施することが可能である。すなわち、信号Sの
各パワー・レベル毎に、異なる量の減衰を2つの減衰器
124、122に配分することもできるし、あるいは、
パワー掃引中に、1つ以上の所定のパワー・レベルにお
いて、2つの減衰器の減衰値を変化させることも可能で
ある。
【0055】DRE100’の場合、DUTの利得は、
第1の結合検出器126及び第2の結合検出器128を
利用して求められる。DUTがテスト経路120’に挿
入され、動作している状態で、第2の検出器128によ
って測定される信号パワーと第1の検出器126におい
て測定される信号パワーの差は、DUTの利得にほぼ等
しい。
【0056】とりわけ、被変調信号Sに関して最適なキ
ャンセル性能が得られるようにするため、DUTを挿入
して測定を実施する前に、DRE100’の較正が行わ
れる。較正の一部として、結合検出器126、128が
較正され、ルック・アップ・テーブルが生成される。ル
ック・アップ・テーブルによって、信号Sの信号パワー
と検出器126、128のそれぞれにおける測定信号パ
ワーが関連づけられる。ルック・アップ・テーブルを生
成するために、測定に用いられることになる信号Sのパ
ワー・レベルの全範囲にわたる信号Sの個々のパワー・
レベルについて、読み取り値が検出器126において記
録される。次に、低損失伝送ラインの短いセクション
が、DUTの代わりに挿入され、読み取り値の記録プロ
セスが検出器128について繰り返される。ルック・ア
ップ・テーブルが生成されて、信号Sのパワー・レベル
と検出器126、128において測定されたパワー・レ
ベルが関連づけられると、測定を実施することが可能に
なる。
【0057】さらに、キャンセル経路110’を使用禁
止すなわち「遮断」(「オフ」)にして、測定プロセッ
サ150における出力信号Soのパワー・レベルを測定
し、記録するのが一般的には有効である。キャンセル経
路110’は、SPDTスイッチ116の共通ポート
が、キャンセル経路110’が使用可能(「オン」)の
場合のように、第1のスイッチ入力ポートに接続される
のではなく、整合負荷117に接続されるように、SP
DTスイッチ116を切り換えることによって、使用禁
止になる。このパワー・レベル情報は、さらに詳細に後
述する測定の信号をゼロ化する部分において利用され
る。
【0058】プロトタイプのDRE100’が制作さ
れ、テストされた。プロトタイプのDRE100’の場
合、方向性結合器と結合検出器(126及び128)
は、それぞれ、カリフォルニア州SunnyvaleのKrytar社
によって製造された1〜26GHzで、16dBの方向
性結合器、及び、カリフォルニア州Palo Altoのヒュー
レット・パッカード社によって製造されたHP33330 Coax
ial Detectorであった。LNA108は、カリフォルニ
ア州Palo Altoのアジレント・テクノロジーズ社のMicro
wave Technology Center(MWTC)によって製造され
た全利得が25dB〜30dBの3つのTC205P HBT Ser
ies-Shunt(DC−15GHz)増幅器から構成され
た。プリアンプ106は、両方とも、MWTCによって
製造された、TC724増幅器が後続するTC700増幅器から構
成された。
【0059】プロトタイプのDRE100’を用いた本
発明の好適な実施態様の測定システム300には、カリ
フォルニア州Palo Altoのアジレント・テクノロジーズ
社によって製造された信号源140モデルESG−D、
カリフォルニア州Palo Altoのアジレント・テクノロジ
ーズ社によって製造された、測定プロセッサ150用の
HP8565Eスペクトルアナライザ、及び、カリフォルニア
州Palo Altoのアジレント・テクノロジーズ社によって
製造された、結合検出器126、128のモニタのため
に用いたHP34970Aデータ取得/切り換え装置が含まれて
いた。
【0060】ESG−D信号源140は、広帯域コード
分割多重アクセス(W−CDMA)のテストに適した信
号Sを発生するように構成されていた。隣接チャンネル
パワー比(ACPR)測定は、カリフォルニア州San Jo
seのWatkins Johnson社によって製造されたモデル番号
AH11の広帯域増幅器で実施された。ACPR測定
は、本発明のプロトタイプDRE100’を利用した状
態と、利用しない状態において実施された。その測定結
果を、測定データのグラフとして図5に示す。
【0061】図5における「ACPR(DREを用いな
かった場合)」と表示された曲線の1つは、本発明のD
RE100’を用いずに得られたデータに対応する。図
5における「ACPR(DREを用いた場合)」と表示
されたもう1つの曲線は、プロトタイプDRE100’
を用いて得られたACPRデータに対応する。プロトタ
イプDRE100’を用いて得られたデータは、DRE
100’を用いずに得られたデータに対して大幅に改善
されている。この改善は、本発明のDRE100,10
0’を用いることによってダイナミック・レンジが拡大
された結果である。実際、この測定において、25dB
を超えるダイナミック・レンジの改善が得られた。プロ
トタイプDRE100’を用いた他の測定では、60d
Bを超える信号のキャンセルが生じており、典型的なま
たは予測されるダイナミック・レンジの改善は30dB
を超えることになる。
【0062】DRE100、DRE100’によって実
現可能なダイナミック・レンジの改善の上限は、測定さ
れるDUTのタイプ、実施される測定、測定の全帯域
幅、及び、DRE100、100’のパラメータを最適
化するために費やされる労力の量を含む、さまざまな要
因によって決まる。比較的広帯域の信号の場合でも、4
0〜60dBのダイナミック・レンジの改善及びキャン
セルが実現可能であることがわかっている。
【0063】本発明の別の態様では、DUTによっても
たらされる低レベルの信号歪みを測定するための測定シ
ステムのダイナミック・レンジを拡大する方法200が
提供される。図6に、方法200のブロック図を示す。
【0064】本発明の方法200には、入力信号Sを1
対の信号St及びScに分割するステップ(202)が
含まれている。上述のように、信号St及びScは、互
いに等パワーで同相のレプリカであることが望ましい。
方法200には、さらに、信号Scを180度だけ移相
させて、キャンセル信号Sc*が得られるようにするス
テップ(204)が含まれている。方法200には、さ
らに、DUTに信号Stを加えて、線形成分及び歪み成
分を備えた信号St*が得られるようにするステップ
(206)と、信号St*を減衰させるステップ(20
8)が含まれている。方法200には、さらに、移相
(すなわち、位相をシフトされた)キャンセル信号Sc
*と減衰(すなわち、減衰された)DUT出力信号St*
を組み合わせて、出力信号Soが得られるようにするス
テップ(210)が含まれている。Sc*とSt*を組み
合わせるステップ210が、DUT出力信号St*の線
形成分をキャンセルする働きをするので、信号Soは、
主として、DUT出力信号の歪み成分である。好都合な
ことには、組み合わせステップ210は、入力信号Sに
含まれる非理想的成分信号のキャンセルにも役立つ。と
いうのも、これらは、St*とSc*の両方に共通してい
るためである。
【0065】本発明の方法200の好適な実施態様で
は、方法200は、入力信号を分割するステップ202
の前に、測定システムのハードウェアを較正するステッ
プ(212)を含むのが好ましい。較正ステップ(21
2)によって、パワー・レベル及び減衰値を設定し、出
力信号Soに対して実施される測定を補正するために用
いられるデータが得られる。較正ステップ(212)に
は、ルック・アップ・テーブルを生成するステップ(2
12a)が含まれている。ルック・アップ・テーブルを
生成するために、測定サイクルで使用される入力信号S
の一連の信号パワー・レベルを発生して、DUTの前後
における信号パワーを測定し、測定パワー・レベル・デ
ータが得られるようにする。
【0066】次に、DUTをテスト経路120’に挿入
する前及び後の測定パワー・レベル・データを利用し
て、ルック・アップ・テーブルが生成される。ルック・
アップ・テーブルと、測定システムにDUTを挿入して
得られた測定結果とを連係させて用いることにより、D
UTの利得が求められ、それから、減衰ステップ(20
8)中に施されるべき減衰が決定される。較正ステップ
(212)には、さらに、出力信号Soの線形成分をゼ
ロ化するステップ(212b)が含まれている。ゼロ化
ステップ(212b)には、移相ステップ(204)の
移相を調整し、減衰ステップ(208)の減衰を調整し
て、出力信号Soの線形成分及び他の望ましくない成分
のパワー・レベルを最小限に抑えるステップが含まれて
いる。較正ステップ(212)において、測定システム
のコンポーネントが過度に駆動されているか否かを判定
する検査を実施することも可能である。
【0067】例えば、本発明のDRE100’の結合検
出器126、128を利用して、DUTの前後の信号パ
ワー・レベルを測定する場合について考察することにす
る。ほとんどの場合、検出器によって検出可能な最低パ
ワー・レベルは、検出器のダイオードのノイズ・フロア
によって設定される。多くの実用的な広帯域検出器の場
合、最低パワー・レベルは、本発明におけるように、1
6dB結合器を利用すると、約−25dBmである。こ
の例に関して、検出器126、128によって検出可能
な最高パワー・レベルが+20dBmであると仮定す
る。ルック・アップ・テーブルは、この信号レベル範囲
をカバーする較正ステップ(212)中に生成される。
この範囲外の信号レベルは、多項式関数をルック・アッ
プ・テーブルからの測定データにあてはめ、次に、所望
のパワー・レベルにあてはめられた関数を用いて、外挿
を行うことによって処理される。
【0068】引き続きこの例について説明すると、ルッ
ク・アップ・テーブルは、個々の入力信号Sのパワー・
レベルについて、検出器126、128のそれぞれによ
って検出されるパワーを測定することによって生成され
る。一般に、パワー・レベルは、検出器126、128
によって、入力信号Sのパワー・レベルの全範囲にわた
って、0.25dB間隔で測定される。補間を利用すれ
ば、十分な精度で測定データから中間値を計算すること
ができるので、0.25dBより広い間隔を利用するこ
とも可能である。補間は、1dBを超えるパワー間隔に
うまく働くことが分かっている。測定データは、コンピ
ュータ・メモリのアレイ内に記憶される。測定データ
は、第1の検出器126と第2の検出器128の両方に
ついて得られる。第2の検出器128によって測定され
たパワー・レベルに含まれる歪みは、パワー・レベル測
定にあまり影響がないものと仮定する。典型的なDUT
の歪み信号は、一般に、線形成分の歪み信号より10d
B〜20dB低いので、これは理にかなった仮定であ
る。測定プロセッサ150は、歪み信号を測定するの
で、一般に、それらのレベルは、DUTと測定プロセッ
サ150の入力との間における構成要素の損失及び利得
に関する情報を利用して、DUT出力に参照される。
【0069】本発明のさらに別の態様では、DRE10
0、100’は、コンピュータ・メモリに記憶されてい
るコンピュータ・プログラムを実行するコンピュータ・
コントローラによって制御可能である。カリフォルニア
州Santa Rosaのアジレント・テクノロジーズ社によるVi
sual Engineering Environment(アジレントVEE)を
利用して、プロトタイプの制御プログラムが書かれる。
このビジュアル・プログラミング環境は、計器制御用途
に合わせて最適化されている。C/C++、Visua
l Basicといったプログラミング言語、または、
他のさまざまなプログラミング言語を利用して、制御プ
ログラムの機能性を実現することが可能である。当業者
であれば、多くの実験をしなくても、制御プログラムの
実装に適したプログラミング言語がすぐにわかるであろ
う。
【0070】制御プログラムは、W−CDMA ACP
R測定に適応させられている。しかし、ソフトウェア・
プログラムによって、W−CDMA ACPRテストの
範囲を超える、DRE100、100’の多種多様な用
途に適用可能な汎用手順が具現化される。上記と同様、
後述するW−CDMA ACPR測定に対する言及は、
単なる例示のためであり、本発明のDRE100、10
0’に関する制御プログラムまたはその利用の範囲を限
定することを意図したものではない。
【0071】制御プログラムは、ホスト・コンピュータ
入力/出力インターフェイスを介して、SPDTスイッ
チ116、入力減衰器124、出力減衰器122のよう
なさまざまなDRE100’のコンポーネントの設定を
行う働きをし、信号源140及び測定プロセッサ150
の条件及び設定を制御する。さらに、制御プログラム
は、実施される測定からのデータを記録し、測定結果を
表示する。プログラムは、ユーザまたはオペレータにス
テップ・バイ・ステップ式対話測定インターフェイスを
提供するように構成されている。基本測定シーケンスに
は、所望の測定条件(例えば、周波数、パワー・レベ
ル、測定インクリメント等)を定義し、必要な較正(例
えば、結合検出器)を実施し、オペレータとの対話によ
り、対話式ゼロ化操作(例えば、最適な線形応答のキャ
ンセルが得られるように移相及び振幅をセットする)を
通じて、所望の信号キャンセルが得られるようにするこ
とが含まれる。オペレータは、これらの予備機能の完了
した後「GO」を押し、そして、プログラムが、信号源
140、DRE100’の減衰器124、122、測定
プロセッサ150、及び、他の構成要素の条件を自動的
に設定して、測定を実施する。例えば、ACPR測定の
場合、プログラムは、要求される入力信号Sのパワー・
レベルをステップ処理し、各測定インクリメントが完了
する毎に、計算された「結果データ」を提示する。測定
サイクルが完了すると、プログラムを使用して、結果デ
ータを、ファイルに記憶するか、印刷するか、あるい
は、他の記憶されているファイル・データと比較するこ
とが可能である。
【0072】ACPR制御プログラムには、ユーザ選択
パラメータを入力し、測定結果を検分するための複数の
ユーザ・インターフェイスが含まれている。制御プログ
ラムには、さらに、一般に、実際の測定に先行する較正
プロセスを含む、測定プロセスを実施するアルゴリズム
が含まれている。
【0073】ユーザ選択パラメータは、制御プログラム
によって提供されるグラフィカル・ユーザ・インターフ
ェイスの主スクリーンに具現化される。図7に、「増幅
器のW-CDMA ACPR テストシステム」と題する主スクリー
ンの一例を示す。主スクリーンのユーザ選択パラメータ
には、パワー掃引入力及び中心周波数入力といった入力
が含まれている。主スクリーンのユーザインターフェー
スには、「プログラム実行」ボタン、「データ表示」ボ
タン、「アドバンスオプション(Advanced Option)」
ボタン、「減衰器設定」ボタン、「ダイオード較正」ボ
タン、「パーク&プレイ(Park & Play)」ボタン、
「ヘルプ」ボタン、及び、「終了」ボタンのようなオペ
レータ制御部も含まれている。
【0074】パワー掃引入力によって、ユーザはACP
R測定に関するパワー・ステップ・パラメータの入力が
可能になる。ACPR制御プログラムがセットアップさ
れ、DUTの入力または出力パワーをデフォルト値だけ
掃引させる。ユーザは、最小パワー、最大パワー、及
び、パワー・ステップ・パラメータを入力し、パラメー
タがDUT入力または出力のパワー・レベルに一致する
か否かを指示する。中心周波数入力によって、ユーザは
ACPR測定における主チャンネルの中心周波数を指定
することが可能になる。VEEソフトウェアによって、
5MHzのW−CDMA標準チャンネル間隔に対応す
る、4.096MHzの帯域幅におけるW−CDMA
ACPRが測定される。中心周波数が指定されると、ソ
フトウェアによって、上方と下方の隣接チャンネルが決
定される。ユーザは、制御プログラムによって、検出器
126、128が選択された中心周波数について較正さ
れ、指定のパワー・レベルがパワー掃引入力においてセ
ットされているか確認するように指示される。各検出器
126、128について記憶されている較正テーブルの
エントリと一致しないパワー・レベル及び周波数には、
曲線の当てはめが利用される。
【0075】一般に、検出器からの測定値が較正テーブ
ルの範囲外にある場合、較正テーブルのデータに外挿が
使用される。高次多項式を、もとの較正データに対する
曲線のあてはめに用いて、外挿におけるパワー・レベル
の推定に使用する。検出器は、予測されるパワー・レベ
ル及び周波数の全範囲にわたって較正されるのが望まし
い。検出器からの測定値が較正テーブル内の較正データ
ポイントの間にある場合、較正テーブルのデータには補
間が利用される。補間データは、もとの較正データに対
する高次多項式の曲線の当てはめによって計算される。
ユーザには、曲線の当てはめによって生じる多項方程式
がデータにどれほど近似するかを検査するオプションが
ある。ダイオード較正ボタンには、ユーザが、測定され
た応答対計算された応答のグラフを検分できるようにす
るサブメニューが含まれている。ユーザが測定されたパ
ワー・レベルをカバーする較正ファイルを有している場
合、測定の精度は極めて高く、それは、較正データ・テ
ーブル内のデータの補間よりも、測定プロセッサによっ
て制限される。
【0076】プログラム実行ボタンを押すと、測定シー
ケンスが開始される。データ表示ボタンによって、コン
ピュータ制御システムによって記憶されているデータ・
ファイルから以前に測定されたデータが読みだだされて
表示される。この機能によって生成される単一グラフ
に、6つまでのトレースまたは独立データ・セットを表
示することが可能である。アドバンスオプションボタン
によって、ユーザは、測定を実施する方法に対して、多
少より精密な制御を加えることが可能になる。例えば、
ユーザは、ACPR測定において、上方と下方の隣接チ
ャンネルのいずれを使用するかを選択することが可能で
ある。上方のチャンネルがデフォルトのチャンネルであ
る。
【0077】減衰器設定ボタンによって、計器が構成さ
れ、ユーザは入力減衰器124及び出力減衰器122を
制御できるようになる。さらに、減衰器設定ボタンによ
って、ユーザは、主としてトラブルシューティングのた
めに、SPDTスイッチ116及び他の測定システム3
00のコンポーネントを制御することが可能になる。ダ
イオード較正ボタンによって、ユーザは、検出器12
6、128の較正が可能になる。検出器126、128
は、各周波数及び変調タイプ毎にパワー較正を施さなけ
ればならない。較正結果は、通常detector_calibratio
n.txtと呼ばれるASCIIテスト・ファイルに記憶さ
れる。パーク&プレイボタンによって、測定システム構
成要素がユーザ指定のDUT出力パワー・レベルに合わ
せてセットアップされ、ACPR測定結果が表示され
る。このボタンによって、最適性能が得られるようにD
UTを調節することが可能になる。実際、DUTに調整
または調節を施すと、キャンセルの劣化を生じる可能性
があり、従って、ACPR測定に誤りが生じる可能性が
ある。測定システム300は、こうしたDUTの調整に
よって測定の精度が損なわれる可能性がある場合には、
自動的に、これを検出することを試み、続行する前に、
キャンセルの再調整をユーザに指示する。ヘルプボタン
によって、ユーザに何らかの教育的なテキストが与えら
れ、一方、終了ボタンによって、制御プログラムを出
る。
【0078】プログラム実行ボタンがユーザによって押
されると、制御プログラムが、DRE100、100’
の制御を開始し、測定サイクルが開始する。作業中、測
定の進捗状況を示すメッセージがVEEパネル(すなわ
ち、ユーザ・インターフェイス・ディスプレイ)に視覚
的に表示される。例えば、システムが出力損失及び/ま
たは利得を求めていることを示すメッセージ(例えば、
メッセージ:“システム出力の損失/利得を決定中”)
が、測定サイクルにおける適当な時間に表示される。制
御プログラムは、スペクトル・アナライザの場合のよう
に、測定プロセッサ150を介して測定の進捗状況を表
示することも可能である。メッセージの意図は、測定サ
イクルによっては、所要時間がかなり長くなる可能性も
あるので、ユーザが測定の進捗状況を知ることができる
ようにすることにある。
【0079】制御プログラムの動作は、入力/出力減衰
器124、122、及び、検出器126、128の制御
ラインをどのように構成するかを決定することから開始
される。制御プログラムは、次に、プリアンプ106及
びLNA108の利得を求める。次に、DUTの利得
が、部分的に、検出器126、128からの情報を利用
して、プログラムによって推定され、プログラムは、W
−CDMA ACPRの主チャンネルにおける信号パワ
ーのゼロ化を実現しようと試みる。本明細書において用
いられる「ゼロ化」という用語は、DRE100、10
0’のさまざまな制御可能な構成要素を調整することに
よって、W−CDMA ACPRの主チャンネルにおけ
るパワーを低レベル、好ましくは、ほぼゼロまで減じる
プロセスを指す。
【0080】制御プログラムがDUTの利得のゼロ化を
試みた後、ユーザは、ゼロ化の微調節が可能になる。主
チャンネルゼロ化スクリーンと呼ばれるユーザ・インタ
ーフェイス・ディスプレイが、ユーザに提示され、ユー
ザは、ゼロ化の改善を試みる際に、DUT経路120、
120’及びキャンセル経路110、110’における
信号の振幅及び位相を調整することが可能になる。図8
に、主チャンネルゼロ化スクリーン・ユーザ・インター
フェイス・ディスプレイを示す。ユーザは、プログラム
によって得られたゼロ化を受け入れることもできるし、
あるいは、主チャンネルゼロ化スクリーンによって提供
される制御手段を利用して、ゼロ化を改善しようと試み
ることも可能である。
【0081】主チャンネルゼロ化スクリーンによって、
ユーザによる手動ゼロ化を容易にするためのいくつかの
制御手段及びツールが提供される。キャンセルメータ
は、ゼロ化スクリーンによって提供される、主チャンネ
ルのパワーがゼロ化された程度を表示するツールであ
る。キャンセル・メータの色は、ユーザに対して、キャ
ンセルにどれほどの労力を費やすべきかを大まかに表示
する働きをする。赤の色は、キャンセルが不十分であ
り、結果得られる測定結果も同様に不十分になる可能性
が高いことを表している。キャンセル・メータの黄色
は、得られたキャンセルまたはゼロ化で十分な場合もあ
ることを表し、一方、緑色は、ほとんどの場合、ユーザ
が十分なキャンセルを成し遂げたことを表している。さ
らに、「色の境界」を横切る毎に、ユーザが、主チャン
ネル信号(搬送波)をゼロ化する試みを続けるべきか、
あるいは、測定を続行すべきかを指示するメッセージ
が、キャンセル・メータの上部に表示される。
【0082】キャンセルメータが、手動ゼロ化プロセス
をガイドするために使用可能な大まかなインジケータで
あり、キャンセルまたはゼロ化がDUTに大きく左右さ
れるという点に留意されたい。一般に、ACPRに関す
るゼロ化またはキャンセルの実施には、2つの目的があ
る。すなわち、i)主チャンネルのパワーを最小限に抑
えるか、少なくとも、低下させて、LNA108及び/
または測定プロセッサ150が過度に駆動されないよう
にするという目的と、ii)隣接チャンネルのパワー測
定に対する信号源140の歪みまたはスプリアス信号の
影響を排除するか、少なくとも最小限に抑えようとする
という目的がある。キャンセルメータは、i)主チャン
ネル・パワーの良好なインジケータであるが、ii)信
号源140の歪みまたはスプリアス信号レベルの良好な
インジケータではない。信号源140の歪みキャンセル
の判定は、測定プロセッサ150の機能を利用して実施
される場合が多い。例えば、スペクトル・アナライザが
測定プロセッサ150として用いられる場合、スペクト
ル・アナライザ・ディスプレイを用いて、隣接チャンネ
ルの信号スペクトルを表示することが可能である。信号
源140に関連した歪みは、スペクトルを検分すること
によって検出できる場合が多い。ゼロ化の最終的な目的
は、主チャンネルのパワーをできるだけ多く除去し、同
時に、隣接するチャンネルに生じる信号源140の歪み
を最小限に抑える、比較的「フラットな」ゼロ化が得ら
れるようにすることにある。一般に、自動キャンセルと
手動キャンセルを組み合わせることによって、40〜5
0dBの主チャンネルパワーのキャンセルが実現可能で
ある。
【0083】ユーザ・インターフェイスのDUTパワー掃
引スクリーンには、測定プロセスのさまざま状態が描写
され、測定サイクルの進捗状況がユーザに表示される。
図9には、DUTパワー掃引スクリーンが例示されてい
る。図9の左下にある「現在のパワー表示」と表示され
ているスライド・メータは、完了に向かう測定サイクル
の進捗状況が表示される。測定サイクル中に実施される
さまざまな測定が、周期的に表示される。以下に、表示
される種々のパラメータについて簡単に説明する。
【0084】DUT Pin及びDUT Poutは、それぞれ、DU
T入力及びDUT出力レベルを表している。表示される
パワー・レベルは、検出器126、128に関する較正
ファイル・データを外挿した結果として、プログラム及
びDRE100、100’によって実際に用いられるも
のより高い場合もあれば、低い場合もあるという点に留
意されたい。プログラムによって、外挿が必要と判断さ
れると、ユーザに通知される。DUT Gainは、計算された
DUTの利得(単位dB)を表している。表示されたDU
T Gainは、DUT Gain=DUT Pout−DUT Pinから計算され
る。Sys Noise Floorは、システム・ノイズ・フロアの
測定値を表している。このパラメータは、低レベル信号
の測定エラーを補正するために用いられる。Sys Noise
Floorは、測定される隣接チャンネルのパワーより大幅
に低いのが理想である。Sys NoiseFloorは、測定システ
ムが状態を変化させるとき、必要に応じて更新される。
例えば、プログラムが、測定プロセッサ(例えば、スペ
クトル・アナライザ)150に命じて、その減衰、基準
レベル、または、出力減衰器を変更させる場合には、Sy
s Noise Floorを更新することが可能である。Adj ch po
werは、システム・ノイズを含む、測定された隣接パワ
ー・レベルである。Corrected Adj ch powerは、システ
ム・ノイズの影響について補正された、測定された隣接
チャンネルのパワー・レベルである。Adj pwr @ DUT
は、DUT出力に関連づけられた補正隣接チャンネル・
パワーである。ACPRは、式(4)を用いて計算され
たDUTACPRである。 ACPR=−(DUT Pout−Adj pwr @ DUT) (4) DRE100、100’または測定システム300のハ
ードウェア構成が変化する(例えば、入力減衰が出力減
衰に切り換えられる)場合には必ず、ユーザに対して、
最大の信号ゼロ化が達成されるように、位相及び振幅を
再調整する旨の指示が与えられる。
【0085】以上が、測定システムのための新規のダイ
ナミック・レンジ拡大装置100、100’及び方法2
00と、装置100、100’及び方法200を組み込
んだ測定システム300に関する説明である。もちろ
ん、上述の実施態様は、ただ単に、本発明の原理を表す
多くの特定の実施態様のうちのいくつかを例示しただけ
のものである。明らかに、当業者であれば、本発明の範
囲を逸脱することなく、他の多くの構成を容易に考案す
ることが可能である。
【0086】以下においては、本発明の種々の構成要件
の組み合わせからなる例示的な実施態様を示す。 1.テストを受ける装置に実施される測定のダイナミッ
ク・レンジを拡大するための装置100、100’であ
って、該装置は、信号源からの入力信号を受け取る装置
入力ポートと、測定プロセッサに出力信号を送る装置出
力ポートを有しており、さらに、スプリッタ入力、第1
のスプリッタ出力、及び、第2のスプリッタ出力を有す
る信号スプリッタ102と、前記信号スプリッタ102
の前記第1のスプリッタ出力に接続されたキャンセル入
力と、キャンセル出力を有するキャンセル経路110、
110’であって、キャンセル信号を生成するキャンセ
ル経路110、110’と、前記信号スプリッタ102
の前記第2のスプリッタ出力に接続されたテスト入力、
及び、テスト出力を有するテスト経路120、120’
であって、テストを受ける装置が挿入されるテスト経路
120、120’と、前記キャンセル経路110、11
0’の前記キャンセル出力に接続された第1のコンバイ
ナ入力、前記テスト経路120、120’の前記テスト
出力に接続された第2のコンバイナ入力、及び、コンバ
イナ出力を有する信号コンバイナ104を備え、前記キ
ャンセル信号によって、前記テストを受ける装置によっ
て生成される応答信号の一部がキャンセルされることか
らなる、装置。 2.前記キャンセル経路110、110’が、前記キャ
ンセル入力と前記キャンセル出力の間に移相器112を
備える、上項1の装置100、100’。 3.前記テスト経路120、120’が、前記テストを
受ける装置と前記テスト経路の前記テスト出力の間に出
力減衰器122を備える、上項1または2のいずれかの
装置100、100’。 4.前記装置入力ポートと前記信号スプリッタ102の
前記スプリッタ入力の間にあるプリアンプ106と、前
記信号コンバイナ104の前記コンバイナ出力と前記装
置出力ポートの間にある低ノイズ増幅器108をさらに
備える、上項1〜3のいずれかの装置100、10
0’。 5.前記キャンセル経路110’が、前記キャンセル入
力と前記キャンセル出力の間に減衰器114、スイッチ
116、及び、オプションの時間遅延ジャンパ118を
さらに備えており、前記オプションの時間遅延ジャンパ
が、前記キャンセル経路110’への追加コンポーネン
トの挿入に備えたものである、上項2〜4のいずれかの
装置100’。 6.前記テスト経路120’が、入力減衰器124と、
前記テスト入力と前記テストを受ける装置との間にある
第1の結合検出器126と、前記テストを受ける装置と
前記テスト出力との間にある第2の結合検出器128を
さらに備え、前記第1の結合検出器126及び前記第2
の結合検出器128が、それぞれ、前記テストを受ける
装置の入力及び出力における信号パワー・レベルを検出
することからなる、上項3〜5のいずれかの装置10
0’。 7.テストを受ける装置によって生成される低レベル歪
み信号の測定を実施する測定システム300において用
いられる、上項1〜6のいずれかの装置100、10
0’であって、前記測定システム300が、前記入力信
号を生成する信号源140と、前記出力信号内の低レベ
ル歪み信号の測定を実施する測定プロセッサ150をさ
らに備えることからなる、装置。 8.上項7の測定システム300に用いられる装置10
0、100’であって、前記測定システムが、該測定シ
ステムの動作を制御するためのコンピュータ・コントロ
ーラをさらに備えることからなる、装置。 9.前記テストを受ける装置に対して実施される測定の
ダイナミック・レンジを拡大する方法200において用
いられる上項1〜8のいずれかの装置100、100’
であって、前記方法200が、入力信号を分割して、互
いに同相で等パワーのレプリカである、第1の信号と第
2の信号にするステップ(202)と、前記第1の信号
を移相して、キャンセル信号を生成するステップ(20
4)と、テストを受ける装置に前記第2の信号を加え
て、主部分と歪み部分を有する応答信号を生成するステ
ップ(206)と、前記応答信号を減衰させるステップ
(208)と、前記キャンセル信号と前記応答信号を組
み合わせて、前記歪み部分を含む出力信号を生成するス
テップ(210)を含むことからなる、装置。 10.前記方法200が、前記移相ステップ(204)
と前記減衰ステップ(208)の前に、パワー・レベ
ル、移相、及び、減衰を較正するステップ(212)を
さらに含むことからなる、上項9の装置100、10
0’。
【0087】本発明の概要は以下のようである。本発明
の装置100、100’、方法200及びシステム300は、テスト
を受ける装置に対して実施される測定のダイナミックレ
ンジを拡大する。装置100、100’及び方法200は、測定
システム300の構成要素の非理想的特性を補償する。さ
らに、装置100、100’、方法200及びシステム300は、新
規なキャンセル信号アプローチを使用して、低レベルの
歪み測定を容易にし、測定の精度を向上させる。ダイナ
ミックレンジ拡大装置100、100’は、信号源140からの
入力テスト信号を受け取るための入力ポートと、測定プ
ロセッサ150に出力信号を送るための出力ポートを有す
る。装置100、100’は、入力にある信号スプリッタ10
2、さらに、キャンセル経路110、110’、テスト経路12
0、120’、及び出力にある信号コンバイナ104を備え
る。システム300は、装置100、100’の入力に入力信号
を与える信号源140、及び、装置100、100’の出力にあ
る測定プロセッサ150を備える。ダイナミックレンジ拡
大装置100、100’、方法200及びシステム300において
は、入力信号源140からの信号は、信号スプリッタ102に
よって2つの信号に分割される(202)。第1の分割信
号は、キャンセル経路110、110’を通過し、位相がシフ
トされ(204)てキャンセル信号が生成される。第2の
分割信号はテスト経路120、120’を通過して、テストを
受ける装置に加えられて(206)、減衰された応答信号
が生成される(208)。キャンセル経路110、110’とテ
スト経路120、120’の出力において、キャンセル信号と
減衰された応答信号は、測定プロセッサ150に送られる
前に、信号コンバイナ104によって結合される(210)。
測定プロセッサ150は、装置100、100’からの出力信号
を受け取り、出力信号内の低レベル歪み信号を測定す
る。
【0088】
【発明の効果】本発明のダイナミック・レンジ拡大装置
及び方法によれば、測定システムのダイナミックレンジ
が拡大され、これによって、テストを受ける装置の低レ
ベル歪み測定が容易になると共に、測定の精度が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1A】従来技術による従来の測定システムのブロッ
ク図である。
【図1B】図1Aのシステムによるツートーン測定結果
のグラフである。
【図2】テストを受ける装置が挿入された、本発明のダ
イナミック・レンジ拡大装置のブロック図である。
【図3】テストを受ける装置が挿入されていない、図2
のダイナミック・レンジ拡大装置のブロック図である。
【図4】本発明の測定システムと、ダイナミック・レン
ジ拡大装置の好適な実施態様のブロック図である。
【図5】図4のプロトタイプのダイナミック・レンジ拡
大装置及びシステムを用いて、テストを受ける装置につ
いて実施された測定結果のグラフである。
【図6】本発明のダイナミック・レンジ拡大方法を示す
ブロック図である。
【図7】本発明のダイナミック・レンジ拡大装置と共に
使用される制御プログラムに対するユーザ・インターフ
ェイスのメイン画面表示を示す図である。
【図8】本発明のダイナミック・レンジ拡大装置と共に
使用される制御プログラムに対するユーザ・インターフ
ェイスのゼロ化画面表示を示す図である。
【図9】本発明のダイナミック・レンジ拡大装置と共に
使用される制御プログラムに対するユーザ・インターフ
ェイスのパワー掃引画面表示を示す図である。
【符号の説明】
100、100’ ダイナミック・レンジ拡大装置 102 信号スプリッタ 104 信号コンバイナ 106 プリアンプ 110、110’ キャンセル経路 120、120’ テスト経路 140 信号源 150 測定プロセッサ 300 測定システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 399117121 395 Page Mill Road P alo Alto,California U.S.A. (72)発明者 ジェイ・バリー・テイラー アメリカ合衆国カリフォルニア州95404, サンタローザ,ドナー・ドライブ・1753 Fターム(参考) 5K042 AA06 CA23 DA14 GA02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テストを受ける装置に実施される測定のダ
    イナミック・レンジを拡大するための装置100、10
    0’であって、該装置は、信号源からの入力信号を受け
    取る装置入力ポートと、測定プロセッサに出力信号を送
    る装置出力ポートを有しており、さらに、 スプリッタ入力、第1のスプリッタ出力、及び、第2の
    スプリッタ出力を有する信号スプリッタ102と、 前記信号スプリッタ102の前記第1のスプリッタ出力
    に接続されたキャンセル入力と、キャンセル出力を有す
    るキャンセル経路110、110’であって、キャンセ
    ル信号を生成するキャンセル経路110、110’と、 前記信号スプリッタ102の前記第2のスプリッタ出力
    に接続されたテスト入力、及び、テスト出力を有するテ
    スト経路120、120’であって、テストを受ける装
    置が挿入されるテスト経路120、120’と、 前記キャンセル経路110、110’の前記キャンセル
    出力に接続された第1のコンバイナ入力、前記テスト経
    路120、120’の前記テスト出力に接続された第2
    のコンバイナ入力、及び、コンバイナ出力を有する信号
    コンバイナ104を備え、 前記キャンセル信号によって、前記テストを受ける装置
    によって生成される応答信号の一部がキャンセルされる
    ことからなる、装置。
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