JP2002212404A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP2002212404A
JP2002212404A JP2001011663A JP2001011663A JP2002212404A JP 2002212404 A JP2002212404 A JP 2002212404A JP 2001011663 A JP2001011663 A JP 2001011663A JP 2001011663 A JP2001011663 A JP 2001011663A JP 2002212404 A JP2002212404 A JP 2002212404A
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retardant
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JP2001011663A
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Kazuyo Tsukada
和世 塚田
Manabu Kaneko
学 金子
Shinobu Fujie
忍 藤江
Hisaya Yokohama
久哉 横浜
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼時に有毒性ガスを発生せず、高度の難燃
性を発揮すると共に耐熱性も十分に発揮する難燃性樹脂
組成物及びその成形品を得る。 【解決手段】 (A)ポリブチレンナフタレートと(B)
ポリカーボネートと(C)式(1)で示される難燃剤と
を含有し、(A)成分65〜90質量部と(B)成分35
〜10質量部からなる樹脂成分100質量部に対して、
(C)成分が15〜25質量部の割合で含まれている難
燃性樹脂組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル樹脂
に難燃性を付与した難燃性樹脂組成物に関し、さらに詳
しくは、優れた熱的(耐熱性)、機械的、電気的性質を
有する難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、結晶性熱可塑性樹脂は、各種自動
車部品、電機製品、電子機器などの様々な分野で使用さ
れている。結晶性熱可塑性樹脂のうち、例えばポリブチ
レンテレフタレートなどのポリエステル樹脂は、その優
れた物理的特性や化学的特性から、エンジニアリング樹
脂として広範囲に使用されてきた。ポリエステル樹脂は
一般的な物理的、化学的諸特性に優れているが、可燃性
であるので、工業用材料として使用するためには火炎に
対する安全性、すなわち難燃性が要求されている。
【0003】従来、熱可塑性樹脂に難燃性を付与する方
法としては、ポリ塩化ビニルなどのハロゲン含有樹脂を
使用する方法やこれを難燃剤として樹脂に混合して使用
する方法、多量のハロゲン含有化合物(ハロゲン系難燃
剤)を添加する方法、リン含有化合物(リン系難燃剤)
を添加する方法、金属水酸化物などを添加する方法、さ
らに難燃助剤としてアンチモン化合物を添加する方法が
一般的であった。しかしながら、ハロゲン含有樹脂やハ
ロゲン系難燃剤を含む難燃性熱可塑性樹脂組成物を使用
すると、燃焼時、熱分解時に腐食性ガスや有毒性ガスを
発生するという問題があった。また、難燃助剤として使
用されるアンチモン化合物の有毒性にも問題があった。
また、リン系難燃剤や金属水酸化物は比較的難燃性付与
効果が低いため、熱可塑性樹脂を難燃化させるためには
多量に添加する必要があった。そのため、これらを多量
に添加すると、熱可塑性樹脂が本来有する物性が低下し
たり、得られた成形品の表面外観が損なわれたりするな
どの欠点があった。特に、赤リンを難燃剤として熱可塑
性樹脂に添加すると、熱可塑性樹脂は着色する上に、射
出成形時に発煙量が多くなるなどの欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】また、熱可塑性樹脂の
各種燃焼試験においては、熱可塑性樹脂を燃焼させる際
の試験片が薄いと燃え易く、各種燃焼試験に合格し難い
という問題があった。さらに、同種の熱可塑性樹脂にお
いては、ガラス繊維を充填した樹脂の難燃性は低下し、
その傾向は射出成形試験片で顕著になるという問題もあ
った。例えば、特表平6−504563号公報、特開平
8−325445号公報には、ポリブチレンテレフタレ
ートにポリカーボネート樹脂および難燃剤のリン酸エス
テルを添加する方法が、難燃化に有効であると記載され
ている。しかしながら、ポリブチレンテレフタレートに
ポリカーボネート樹脂およびリン酸エステルを添加した
混合物に、ガラス繊維を充填した、厚さ1mmの薄肉射
出成形試験片では、UL94規格(米国アンダーライタ
ーズ・ラボラトリーズ)垂直燃焼試験において難燃性が
不十分であった。
【0005】また、特開平7−304959号公報に
は、ポリブチレンテレフタレートに難燃剤のリン酸エス
テルおよびリン酸メラミンを添加する方法が、難燃化に
有効であると記載されている。しかしながら、ポリブチ
レンテレフタレートにリン酸エステルおよびリン酸メラ
ミンを添加した混合物に、ガラス繊維を充填した、厚さ
1mmの薄肉射出成形試験片では、UL94規格(米国
アンダーライターズ・ラボラトリーズ)垂直燃焼試験に
おいて難燃性が発現されなかった。
【0006】このように、リン酸エステルおよびリン酸
メラミンなどを難燃剤としてポリブチレンテレフタレー
トなどの熱可塑性樹脂に配合し、さらにガラス繊維を配
合した場合、高い難燃性を発現させ、かつ、熱可塑性樹
脂が本来有する物性の低下を抑制し、優れた着色性を有
する成形品を得ることは非常に困難であった。
【0007】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、有毒性ガスを発生させない非ハロゲン系難燃
剤および非赤リン系難燃剤を用いる難燃性樹脂組成物で
あって、高度の難燃性を発揮すると共に耐熱性も十分に
発揮し、良好な成形表面外観を有する難燃性樹脂組成物
及びその成形品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の状
況を鑑み、鋭意検討したところ、難燃性樹脂組成物にお
いて、特定のポリエステル樹脂を用いることにより、優
れた難燃性を発現することを見出し、本発明に到達し
た。
【0009】すなわち本発明は、(A)ポリブチレンナ
フタレート(以下、「(A)成分」と記す。)と、
(B)芳香族ポリカーボネート(以下、「(B)成分」
と記す。)と、(C)下記式(1)で示される難燃剤
(以下、「(C)成分」と記す。)とを含有し、(A)
ポリブチレンナフタレート65〜90質量部と(B)芳
香族ポリカーボネート35〜10質量部からなる樹脂成
分100質量部に対して、(C)下記式(1)で示され
る難燃剤が15〜25質量部の割合で含まれていること
を特徴とする難燃性樹脂組成物を要旨とする。
【化2】 (式中、Rは炭素数1以上のアルキル基を意味する。n
は正の数を表す。)上記難燃性樹脂組成物には、重合体
ブレンド用の添加物の1種または2種以上が含まれるこ
とを特徴とする。上記難燃性樹脂組成物には、(D)フ
ッ素樹脂が、(A)+(B)=100質量部に対して、
0.1〜1質量部の割合で含まれていることを特徴とす
る。上記難燃性樹脂組成物には、(E)ガラス繊維が、
10〜30質量%含まれることを特徴とする。成形品
は、上記難燃性樹脂組成物を成形してなることを特徴と
する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明において(A)成分は、公知の方法で製造
されたものを使用できる。すなわちポリブチレンナフタ
レートは、通常、エステル化またはエステル交換の第一
工程と、重縮合の第二工程を経て製造される。ナフタ
レンジカルボン酸ジメチルと、テトラメチレングリコー
ルとからナフタレンジカルボン酸ビスヒドロキシブチル
を合成するエステル交換反応、またはナフタレンジカ
ルボン酸とテトラメチレングリコールとからナフタレン
ジカルボン酸ビスヒドロキシブチルを合成する直接エス
テル化反応による第一工程を経て、ナフタレンジカルボ
ン酸ビスヒドロキシブチルを重縮合する第二工程を経
て、ポリブチレンナフタレートは製造される。
【0011】ポリブチレンナフタレートは、引張強度、
表面硬度、熱変形温度などの多くの特性でポリブチレン
テレフタレートを上回っている。特に、長期間の耐熱性
や高温における耐加水分解性などが優れている。また、
射出成形により薄肉の成形品を成形した場合、この樹脂
の流動方向の強度が高くなるという特性を有している。
さらに、樹脂組成物のガラス転移点付近における損失弾
性率の増大と貯蔵弾性率の低下による力学分散の損失正
接(Tanδ)値がポリブチレンテレフタレートより高
く、制振性が高い。本発明にあっては、(A)成分と
(B)成分とからなる樹脂成分100質量部における
(A)成分の配合量は、65〜90質量部が好ましく、
より好ましくは70〜80質量部である。(A)成分の
配合量が65質量部未満では、樹脂組成物の耐熱性が劣
り、90質量部を超えると難燃性が劣る。
【0012】本発明において(B)成分は、公知の方法
で製造されたものを使用できる。すなわち単官能性芳
香族または脂肪族ヒドロキシ化合物から得られる炭酸の
ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反
応、ジヒドロキシ化合物とそれ自体あるいは他のジヒ
ドロキシ化合物のビスアルキル、またはビスアリルカー
ボネートとのエステル交換反応、酸素結合剤存在下で
のジヒドロキシ化合物のビスクロロ炭酸エステルとの反
応による製造法などが挙げられる。代表的な製造方法と
しては、ビスフェノールAを酸素結合剤および溶剤の存
在下で塩化カルボニルと反応させる製造法がある。
【0013】本発明で用いられる(C)成分としては、
下記式(1)で示されるリン酸エステル系化合物が挙げ
られる。
【化3】 (式中、Rは炭素数1以上のアルキル基を意味する。n
は正の数を表す。)中でも、上記式(1)中において、
nが0.8〜2であり、式(1)中において、Rがそれ
ぞれメチル置換基であるものが好ましい。このようなリ
ン酸エステル系化合物は、加熱発生ガス量が少なく、そ
の上で難燃発現性が高いので優れている。上記式(1)
において、アルキル基は置換されていてもいなくてもよ
く、置換されている場合は、置換基数には制限がない。
このようなリン酸エステル系化合物の具体例としては、
1,3−フェニレンビス(ジキシレニルホスフェート)
などのポリホスフェートが挙げられる。リン酸エステル
系化合物は、難燃性樹脂組成物の難燃性を適宜調整する
ために添加される。難燃性樹脂組成物中のリン酸エステ
ル系化合物の含有量は、必要な難燃性のレベルに応じて
決定される。リン酸エステル系化合物の含有量が多い場
合は、得られる難燃性樹脂組成物の難燃性は向上する
が、耐衝撃性、耐熱性などの物性の低下や成形外観不良
が発生しやすい傾向を示す。一方、リン酸エステル系化
合物の含有量が少ない場合には、難燃性が低下する傾向
を示す。本発明の難燃性樹脂組成物の難燃性、物性およ
び成形外観を考慮すると、好ましいリン酸エステル系化
合物の含有量は、(A)成分と(B)成分とからなる樹
脂成分100質量部に対して、15〜25質量部であ
り、より好ましくは20〜25質量部である。リン酸エ
ステル系化合物の配合量が15質量部未満では、樹脂組
成物の難燃性が劣り、25質量部を超えると耐熱性が劣
る。
【0014】本発明で用いられるフッ素樹脂(以下、
「(D)成分」と記す。)としては、ポリテトラフルオ
ロエチレンが挙げられ、(A)成分と(B)成分とから
なる樹脂成分100質量部に対して、0.1〜1質量部
の範囲で配合する。本発明で用いられるポリテトラフル
オロエチレンの組成には特に制限はなく、公知のものを
使用できるが、重量平均分子量が100万以上のポリテ
トラフルオロエチレンが好ましい。ポリテトラフルオロ
エチレンの重量平均分子量が100万未満では、高度の
難燃性、例えば、UL94規格(米国アンダーライター
ズ・ラボラトリーズ)試験を満足させるためには多量の
添加を必要とし、その結果、最終的に得られる難燃性樹
脂組成物の成形性と機械的強度が低下する場合がある。
ポリテトラフルオロエチレンの配合量が0.1質量部未
満では、高度の難燃性付与が不十分となる傾向がある。
一方、1質量部を超えると、成形性、成形外観、耐熱
性、耐衝撃性が低下する傾向にある。
【0015】本発明で用いられるガラス繊維(以下、
「(E)成分」と記す。)は、無アルカリガラス、また
は低アルカリガラスからなるものである。例えば、無ア
ルカリガラスとしては、ホウケイ酸ガラスなどが、低ア
ルカリガラスとしては、Al23、ZrO2、TiO2
どを添加したガラスなどが挙げられる。また、ガラス繊
維の特徴としては、機械的強度に優れており、吸湿性が
極めて少なく、耐熱性、耐老化性、耐化学薬品性に優
れ、また、寸法安定性が高いなどが挙げられる。(E)
成分の比率は、本発明の難燃性樹脂組成物全体量の10
〜30質量%、好ましくは15〜30質量%である。
【0016】本発明の難燃性樹脂組成物には、その物性
を損なわない限りにおいて、その目的に応じて樹脂のコ
ンパウンド時、混練時、成形時に、重合体ブレンド用の
添加物の1種または2種以上を添加することが可能であ
る。重合体ブレンド用の添加物としては、可塑剤、安定
剤などが挙げられる。例えば、可塑剤としては、ジブチ
ルテレフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソデシ
ルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジウンデシル
フタレート、トリオクチルトリメリテート、トリイソオ
クチルトリメリテート、ピロメットなどの芳香族多塩基
酸のアルキルエステル、ジブチルアジペート、ジオクチ
ルアジペート、ジシオノニルアジペート、ジブチルアゼ
レート、ジオクチルアゼレート、ジイソノニルアゼレー
トなどの脂肪酸多塩基酸のアルキルエステル、トリクレ
ジルホスフェートなどのリン酸エステル、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸などの多価カルボ
ン酸とエチレングリコール、1,2−プロピレングリコ
ール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール、1,4−ブチレングリコールなどの多価ア
ルコールとの分子量600〜8,000程度の重縮合体
の末端を一価アルコールまたは一価カルボン酸で封止し
たものなどのポリエステル系可塑剤、エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化トール油脂肪酸−
2−エチルヘキシルなどのエポキシ系可塑剤、塩素化パ
ラフィンなどが挙げられる。
【0017】また、安定剤としては、例えば、三塩基性
硫酸鉛、ニ塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、ケイ酸
鉛などの鉛系安定剤、カリウム、マグネシウム、バリウ
ム、亜鉛、カドミウム、鉛などの金属と、2−エチルヘ
キサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリ
ン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、ベヘン
酸などの脂肪酸から誘導される金属石鹸系安定剤、アル
キル基、エステル基と脂肪酸塩、マレイン酸塩、含硫化
物から誘導される有機スズ系安定剤、Ba−Zn系、C
a−Zn系、Ba−Ca−Sn系、Ca−Mg−Sn
系、Ca−Zn−Sn系、Pb−Sn系、Pb−Ba−
Ca系などの複合金属石鹸系安定剤、バリウム、亜鉛な
どの金属基と2−エチルヘキサン酸、イソデカ酸、トリ
アルキル酢酸などの分岐脂肪酸、オレイン酸、リシノー
ル酸、リノール酸などの不飽和脂肪酸、ナフテン酸など
の脂肪環族酸、石炭酸、安息香酸、サリチル酸、それら
の置換誘導体などの芳香族などの通常2種以上の有機酸
から誘導される金属塩系安定剤、これら安定剤を石油系
炭化水素、アルコール、グリセリン誘導体などの有機溶
剤に溶解し、さらに亜リン酸エステル、エポキシ化合
物、発色防止剤、透明性改良剤、光安定剤、酸化防止
剤、プレートアウト防止剤、滑剤などの安定化助剤を配
合してなる金属塩液状安定剤などの金属系安定剤のほ
か、エポキシ樹脂、エポキシ化大豆油、エポキシ化植物
油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステルなどのエポキシ
化合物、リンがアルキル基、アリール基、シクロアルキ
ル基、アルコキシル基などで置換され、かつプロピレン
グリコールなどの2価アルコール、ヒドロキノン、ビス
フェノールAなどの芳香族化合物を有する有機亜リン酸
エステル、BHTや硫黄やメチレン基などでニ量体化し
たビスフェノールなどのヒンダードフェノール、サリチ
ル酸エステル、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾールな
どの紫外線吸収剤、ヒンダードアミンまたはニッケル錯
塩の光安定剤、カーボンブラック、ルチル型酸化チタン
などの紫外線遮蔽剤、トリメロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール、マンニトールなどの多価
アルコール、β−アミノクロトン酸エステル、2−フェ
ニルインドール、ジフェニルチオ尿素、ジシアンジアミ
ドなどの含窒素化合物、ジアルキルチオジプロピオン酸
エステルなどの含硫黄化合物、アセト酢酸エステル、デ
ヒドロ酢酸、β−ジケトンなどのケト化合物、有機ケイ
素化合物、ホウ酸エステルなどの非金属系安定剤などが
挙げられる。
【0018】本発明の難燃性樹脂組成物は、各配合成分
を混練することにより調製でき、その方法に特に制限は
なく通常の方法で調製できるが、溶融混合法が好まし
い。また、溶融混合の際には必要に応じて溶剤を使用し
てもよい。装置としては特に押出機、バンバリミキサ
ー、ローラー、ニーダーなどを例として挙げることがで
き、これらを回分的または連続的に運転する。成分の混
合順には特に限定はない。本発明の難燃性樹脂組成物を
使用して各種の成形品に成形するにあたっては、射出成
形、押出成形、ブロー成形など、周知の種々の方法を採
用することができる。
【0019】このような難燃性樹脂組成物は、燃焼時に
有害なハロゲン系ガスを発生せず、高度な難燃性を発揮
し、かつ成形外観、機械的物性や破断強度に優れてい
る。また、この難燃性樹脂組成物の用途には特に制限は
ないが、成形体として、射出成形品、シート、フィル
ム、中空成形体、パイプ、角棒、異形品、熱成形体、発
泡体、繊維などを挙げることができる。特に、電線、ケ
ーブル、さらには自動車内装材、シール材、モール材用
途などに有効である。なかでも、この難燃性樹脂組成物
を成形して、射出成形品、シート、フィルムとして用い
ると、着色性が優れているので多様な色調の製品がで
き、かつ難燃性・耐熱性が(射出成形品においても)優
れているので好ましい。特に、本発明の難燃性樹脂組成
物は、照明用途に用いることが好ましい。さらに、本発
明の難燃性樹脂組成物は、優れた難燃性および制振制を
必要とされる分野のリレーに用いることが好ましい。
【0020】
【実施例】以下の実施例および比較例により、本発明を
さらに詳しく説明する。 (実施例1〜5)(A)ポリブチレンナフタレート、
(B)芳香族ポリカーボネート、(C)難燃剤、(D)
フッ素樹脂、(E)ガラス繊維を表1に示す重量割合で
それぞれ配合し、樹脂組成物を得た。なお、(A)成分
としてはフェノールと1,1,2,2−テトラクロロエ
タンの等量混合溶液から25℃で測定した還元粘度が
0.98dl/gであるポリブチレンナフタレートを、
(B)成分としては粘度平均分子量22,000のポリ
カーボネート(商品名;ノバレックス7022A、三菱
エンジニアリングプラスチックス社製)を、(C)成分
としては1,3−フェニレンビス(ジキシレニルホスフ
ェート)(商品名;FP500、旭電化工業(株)社
製)を、(D)成分としてはポリテトラフルオロエチレ
ン(商品名;CD−1、旭硝子社製)を、(E)成分と
してはカット長3mmのガラス繊維(商品名;ECS0
3T−187、日本電気硝子社製)を用いた。また、物
性の評価には、(株)池貝社製ベント付45mmφ押出
機を用いて、バレル温度270℃で、200rpmで溶
融混練し、押出を行うことによって、樹脂組成物のペレ
ットを製造した。次いで、この樹脂組成物のペレットを
日本製鋼所(株)製75トン射出成形機を用いて、シリ
ンダー温度260℃、金型温度80℃、インジェクショ
ンスピード50%の条件で試験片を成形した。実施例1
〜5において、荷重たわみ温度(耐熱性)、UL94垂
直燃焼試験(難燃性)、成形外観評価は以下の方法で行
った。 ・ 荷重たわみ温度 ASTM D648に準拠する方法で、試験片厚み6.
4mm、荷重1.85MPaの条件にて測定した。 ・垂直燃焼試験(UL94V) 米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)規格
のUL94に準拠し、12.7mm×127mm×厚さ
1mmの射出成形試験片を用いた燃焼試験時の燃焼時間
および燃焼時のドリップ性について評価した。 ・ 成形外観評価 100mm×100mm×厚さ3mmの射出成形用金型
による射出成形を、日本製鋼所(株)製75トン射出成
形機を用いて、シリンダー設定温度260℃、金型温度
80℃、インジェクションスピード50%の条件で行
い、得られた成形板の表面を目視観察し、表面の色調を
評価した。 ・ 制振性評価 50mm×10mm×厚さ1mmの射出成形板を、セイ
コー電子(株)DMS110を用い、3点曲げモードに
て0℃〜140℃において測定し、その間のTanδの
最大値を指標とした。結果を表1に示す。
【0021】(比較例1〜10)(A)ポリブチレンナ
フタレート、(B)芳香族ポリカーボネート、(C)難
燃剤、(D)フッ素樹脂、(E)ガラス繊維、(F)リ
ン酸メラミン、(G)ポリブチレンテレフタレートを表
1に示す重量割合でそれぞれ配合し、樹脂組成物を得
た。なお、(A)成分としては、フェノールと1,1,
2,2−テトラクロロエタンの等量混合溶液から25℃
で測定した還元粘度が0.98dl/gであるポリブチ
レンナフタレートを、(B)成分としては、粘度平均分
子量22,000のポリカーボネート(商品名;ノバレ
ックス7022A、三菱エンジニアリングプラスチック
ス社製)を、(C)成分としては、1,3−フェニレン
ビス(ジキシレニルホスフェート)(商品名;FP50
0、旭電化工業(株)社製)を、(D)成分としては、
ポリテトラフルオロエチレン(商品名;CD−1、旭硝
子社製)を、(E)成分としては、カット長3mmのガ
ラス繊維(商品名;ECS03T−187、日本電気硝
子社製)を、(F)成分としては、リン酸メラミン(日
産化学社製)を、(G)成分としては、フェノールと
1,1,2,2−テトラクロロエタンの等量混合溶液か
ら25℃で測定した還元粘度が0.98dl/gである
ポリブチレンテレフタレート(商品名;N1300、三
菱レイヨン社製)を用いた。また、物性の評価には、
(株)池貝社製ベント付45mmφ押出機を用いて、バ
レル温度270℃で、200rpmで溶融混練し、押出
を行うことによって、難燃性樹脂組成物のペレットを製
造した。次いで、この難燃性樹脂組成物のペレットを三
菱重工業(株)製75トン射出成形機を用いて、シリン
ダー温度260℃、金型温度80℃、インジェクション
スピード50%の条件で試験片を成形した。比較例1〜
10において、荷重たわみ温度(耐熱性)、UL94垂
直燃焼試験(難燃性)、成形外観評価は以下の方法で行
った。 ・ 荷重たわみ温度 ASTM D648に準拠する方法で、試験片厚み6.
4mm、荷重1.85MPaの条件にて測定した。 ・垂直燃焼試験(UL94V) 米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)規格
のUL94に準拠し、12.7mm×127mm×厚さ
1mmの射出成形試験片を用いた燃焼試験時の燃焼時間
および燃焼時のドリップ性について評価した。 ・ 成形外観評価 100mm×100mm×厚さ3mmの射出成形用金型
による射出成形を、日本製鋼所(株)製射出成形機J8
5−ELII用いて、シリンダー設定温度260℃、金
型温度80℃、インジェクションスピード50%の条件
で行い、得られた成形板の表面を目視観察し、表面の色
調を評価した。 ・ 制振性評価 50mm×10mm×厚さ1mmの射出成形板を、セイ
コー電子(株)DMS110を用い、3点曲げモードに
て0℃〜140℃において測定し、その間のTanδの
最大値を指標とした。結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】実施例および比較例より、次のことが明ら
かとなった。実施例1〜5の樹脂組成物は、いずれも高
い耐熱性および難燃性を示し、良好な成形外観を示し
た。一方、ポリブチレンナフタレートの替わりにポリブ
チレンテレフタレートを含有する比較例1の樹脂組成物
は、難燃性が劣る。また、ポリブチレンナフタレートの
配合量が65部未満の比較例2の樹脂組成物は耐熱性に
劣り、ポリブチレンナフタレートの配合量が90部を超
える比較例3の樹脂組成物は燃焼性に劣る。また、リン
酸エステルからなる難燃剤の配合量が10部未満の比較
例4の樹脂組成物は難燃性に劣り、リン酸エステルから
なる難燃剤の配合量が35部を超える比較例5の樹脂組
成物は耐熱性に劣る。また、リン酸エステルからなる難
燃剤の替わりに、難燃剤として赤燐を用いた比較例6の
樹脂組成物は、難燃性・耐熱性に優れるが、成形表面外
観が深紅となる。さらに、比較例7〜10には、従来の
ポリブチレンテレフタレートにポリカーボネートおよび
/またはリン酸エステルを含有した難燃性熱可塑性樹脂
にガラス繊維を添加した樹脂組成物を示す。この樹脂組
成物を用いて、射出成形により1mm厚のUL規格の試
験片を作製し、難燃性を測定した結果、規格に合格しな
いことが分かる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の難燃性樹
脂組成物は、(A)ポリブチレンナフタレートと、
(B)芳香族ポリカーボネートと、(C)下記式(1)
で示される難燃剤を含有し、(A)ポリブチレンナフタ
レート65〜90質量部と(B)芳香族ポリカーボネー
ト35〜10質量部からなる樹脂成分100質量部に対
して、(C)下記式(1)で示される難燃剤が15〜2
5質量部の割合で含まれているので、高い難燃性を示
し、耐熱性に優れ、良好な成形表面外観を示すものであ
るから、各種自動車部品、電機製品、電子機器などの用
途に有用である。
【化4】 (式中、Rは炭素数1以上のアルキル基を意味する。n
は正の数を表す。)また、本発明の難燃性樹脂組成物
は、上記式(1)中のnが0.8〜2であり、上記式
(1)中のRがそれぞれメチル置換基であるから、加熱
発生ガス量が少なく、その上で難燃発現性が高い。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 67/02 (C08L 67/02 69:00) 69:00) (72)発明者 藤江 忍 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 (72)発明者 横浜 久哉 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 Fターム(参考) 4F071 AA27 AA45 AA50 AB28 AC15 AD01 AE07 AH07 AH12 BB05 BB06 4J002 BD153 CF071 CG002 DL007 EW046 FA047 FD136 GN00 GQ01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリブチレンナフタレートと、
    (B)芳香族ポリカーボネートと、(C)下記式(1)
    で示される難燃剤を含有し、 (A)ポリブチレンナフタレート65〜90質量部と
    (B)芳香族ポリカーボネート35〜10質量部からな
    る樹脂成分100質量部に対して、(C)下記式(1)
    で示される難燃剤が15〜25質量部含まれていること
    を特徴とする難燃性樹脂組成物。 【化1】 (式中、Rは炭素数1以上のアルキル基を意味する。n
    は正の数を表す。)
  2. 【請求項2】 重合体ブレンド用の添加物の1種または
    2種以上が含まれることを特徴とする請求項1記載の難
    燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の難燃性樹脂組成物におい
    て、(D)フッ素樹脂が、(A)+(B)=100質量
    部に対して、0.1〜1質量部の割合で含まれているこ
    とを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の難燃性樹脂組成物におい
    て、(E)ガラス繊維が、10〜30質量%含まれるこ
    とを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の難燃性樹脂組成物におい
    て、(D)フッ素樹脂が、(A)+(B)=100質量
    部に対して、0.1〜1質量部の割合で含まれ、(E)
    ガラス繊維が、難燃性樹脂組成物中に10〜30質量%
    含まれることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の難
    燃性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形
    品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006152062A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Toyobo Co Ltd 耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物

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JP2006152062A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Toyobo Co Ltd 耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物

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