JP2002210487A - バルキング抑制型連続式活性汚泥法 - Google Patents

バルキング抑制型連続式活性汚泥法

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JP2002210487A
JP2002210487A JP2001008678A JP2001008678A JP2002210487A JP 2002210487 A JP2002210487 A JP 2002210487A JP 2001008678 A JP2001008678 A JP 2001008678A JP 2001008678 A JP2001008678 A JP 2001008678A JP 2002210487 A JP2002210487 A JP 2002210487A
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aeration tank
adsorption
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Tooru Shiomichi
透 塩道
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Kyowa Exeo Corp
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Kyowa Exeo Corp
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルキングを抑制することのできる連続式活
性汚泥法を提供する。 【解決手段】 内部に接触材を有するばっ気槽の前段
に、小容量のばっ気槽を吸着槽として、少なくとも1つ
設け、有機性排水を生物学的に処理する、バルキング抑
制型連続式活性汚泥方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機性排水を生物
学的に処理する連続式活性汚泥法に関し、特に、糸状性
細菌の増殖に起因する汚泥の沈降阻害(バルキング)を
生じない、連続式活性汚泥法に関する。
【0002】
【従来技術】産業排水や生活排水等の有機性排水を処理
する方法として、現在では連続式活性汚泥法が最も広く
使用されている。この方法は、図1に示される如く、流
量調整槽10によって一定流量に調整された排水(原水
1)を連続的にばっ気槽20に投入し、活性汚泥ととも
にばっ気処理した後、沈澱槽30で汚泥と処理水の分離
を行うものである。この場合、沈澱した汚泥は通常ばっ
気槽に返送される(符号4)が、ばっ気槽の汚泥濃度を
一定に保つために、沈澱汚泥の一部は適宜引き抜かれ
(符号5)て処分される。
【0003】前記した如く、上記連続式活性汚泥法は、
下水処理場などの生活排水処理施設及び産業排水処理施
設にもっとも多く採用されている生物処理方法である
が、糸状性細菌が繁殖して汚泥の沈降性が悪化するバル
キングと呼ばれる現象が生じ易いという大きな欠点があ
った。上記バルキングが発生すると、沈澱槽での汚泥分
離が不十分となり、処理水に汚泥が混入することになる
ので、処理水質が著しく悪化する。
【0004】従来、処理水質を許容範囲内に維持するた
めに、バルキングが発生した場合には、酵素や微生物製
剤など、糸状性細菌の増殖を抑制する薬剤を投入するこ
とが行われているが、このような手法は対症療法的であ
って抜本的解決策とはなり得ない上、薬剤費用が嵩むと
いう欠点があった。そこで、初期BOD濃度を高くし、
順次BOD濃度を低下させることにより糸状性細菌の繁
殖を防止するという観点から、ばっ気槽を完全混合方式
とするのではなく流路状に長くする押出し流れ方式とす
ることが試みられたが、ばっ気による強力な撹拌と汚泥
のBOD吸着速度が速いということのために、実際の装
置では十分な濃度変化を得ることができず、バルキング
を解決するには至っていない。
【0005】また、上記押出し流れ方式と同様の効果を
得ることを目的とし、ばっ気槽を多くの仕切りで区切っ
て直列多槽化することも試みられたが、十分なBOD濃
度変化を得るためには非常に多くの槽に区切る必要があ
り、現実的ではないことが判明している。そこで、ばっ
気槽を複数槽に分割し、沈澱槽の代わりに最終ばっ気槽
内に膜モジュールを組み込み、該膜によってろ過した液
を処理水として排水することが行われている。この場
合、上記膜としてはUF又はMF膜が使用されるので、
糸状性細菌の存在の有無にかかわらず極めて清澄な処理
水を得ることができるが、膜の目詰まりのために定期的
な洗浄や膜交換が必要となるので、イニシャルコストだ
けでなくランニングコストも高くなるという欠点があっ
た。従って、通常、連続式活性汚泥法の設計BOD容積
負荷は0.5kg/m・日以下に抑えられているが、
工場排水処理施設においては、生産量の増加等により設
計負荷を越え、バルキングに悩まされている場合もあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
バルキングを起こさない連続式活性汚泥法について鋭意
検討した結果、通常のばっ気槽の前段に、BOD濃度が
十分に高い状態で且つ汚泥にBODを十分吸着させるこ
とができるような、1槽〜数槽からなる小容積の吸着槽
を設けると共にばっ気槽内に接触材を配置することによ
り、バルキングを防止し、かつ良好な処理水質を安定に
継続することができることを見出し本発明に到達した。
従って本発明の目的は、バルキングを抑制することので
きる連続式活性汚泥法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
少なくともばっ気槽を用いて有機性排水を生物学的に処
理する連続式活性汚泥法であって、ばっ気槽の前段に、
全ばっ気槽容積の1/200〜1/15の容積を有する
少容量のばっ気槽を吸着槽として少くとも1つ配すると
共に、前記ばっ気槽中に汚泥を担持させるための接触材
を設置したことを特徴とするバルキング抑制型連続式活
性汚泥法によって達成された。
【0008】
【発明の実施の形態】図2は、本発明のバルキング抑制
型連続式活性汚泥法を実施するための施設の1概念図で
ある。図中の符号7は、接触材21を内部に配したばっ
気槽20の前段に設けられた吸着槽であり、本図の場合
には、内部の隔壁によって、それぞればっ気手段を有す
る3槽構成とされている。また、沈澱槽30は必須では
なく、沈澱槽の代りに膜モジュールを配した槽を組み込
んでも良い。特にこの場合には、ばっ気槽20を複数槽
構成とし、最終ばっ気槽から汚泥を吸着槽に返送するこ
とが好ましい。尚、ばっ気槽が複数構成となっている場
合には、その全ての槽に接触材を配しても、一部の槽の
みに接触材を配しても良い。接触材は、ひも状接触材、
波板状接触材、浮遊担体等の公知の接触材の中から適宜
選択して使用することができる。
【0009】本発明における吸着槽7の効果をより高く
する上から、該吸着槽は、設計時に想定する容積負荷時
に、槽内の上澄みBOD濃度が30mg/リットル以上
となると共に、BOD吸着量が50%以上となるように
設計することが好ましい。吸着槽内の上澄みBODが3
0mg/リットル未満となると吸着槽内での糸状性細菌
の増殖を十分に抑えることができず、また、上澄みBO
Dが30mg/リットル以上であっても、該吸着槽迄の
BOD吸着率が50%未満であると、後段のばっ気槽内
における糸状性細菌の増殖を十分に抑えることができな
い。吸着槽が複数の槽からなる多段構成となっていた
り、内部の隔壁によって区切られた多槽構成となってい
る場合には、その何れかの槽において、上澄みBOD濃
度が30mg/リットル以上であり、且つ、それまでの
合計BOD吸着率が50%以上となれば良い。この場
合、設置した吸着槽の最終槽より前に、上記の条件が満
足されるという情況も生ずる。
【0010】本発明における吸着槽は極く小容量のばっ
気槽であり、その構造は、基本的に従来のばっ気槽と同
じであるが、吸着槽内は常に高負荷状態となるので接触
材を存在させないことが好ましい。本発明における吸着
槽の容積は全ばっ気槽容積の1/15〜1/200とす
ることが必要であり、特に1/30〜1/100程度と
することが好ましい。吸着槽は一槽構成とすることも図
2の如く多槽構成とすることもできるが、原水のBOD
濃度、汚泥濃度、汚泥の性質、温度など、変動を避ける
ことができない要因があるので、これらの変動要因を分
散させ吸着槽としての前記条件を維持する上からは、吸
着槽を直列多槽構成とすることが好ましく、特に2〜4
槽とすることが設計上からも好ましい。この場合、吸着
槽第1槽(最上流槽)の容積は、全ばっ気槽容積の1/
30〜1/100とすることが好ましい。
【0011】原水及び返送汚泥は全量吸着槽に投入して
も良いが、一部をばっ気槽に投入することも不可能では
ない。本発明におけるばっ気槽の形状は、完全混合型、
押出し流れ型、深層型等、公知のものの中から適宜選択
することができる。また、ばっ気槽は単槽である必要は
なく、前記した如く複数の槽からなっていても良い。本
発明においては、生物学的脱窒・脱リンをも行わせるた
めに、嫌気槽を組み合わせるなど、目的に応じて適宜公
知の手段を組み合わせることができる。
【0012】
【発明の効果】本発明の連続式活性汚泥法においては、
糸状性細菌の増殖が抑制されるのでバルキングが発生し
難い。特にばっ気槽に接触材を配しているので、良好な
処理水質が安定に継続する。従って設計容積負荷を従来
よりも大きくすることができるので、運転管理が容易と
なるだけでなく処理能力も向上する。このため、排水の
処理水質を従来通りとすれば、当然処理施設の設置面積
を縮小することもできる。また、本発明における吸着槽
は極めて単純な構造であるので、既設の処理施設に追加
設置することもできる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、処理装置としては、図2に示される処理施設と同様
のものを使用した。ここで、直列3連の吸着槽の各槽の
容積を0.15リットル、ばっ気槽の容積を2.55リ
ットル、沈澱槽の容積を0.5リットルとした。また、
ばっ気槽内には、ひも状接触材を約10cm設置した。
更に、沈殿槽内は、汚泥が圧密状態とならないように、
スターラーで適度に攪拌を行った。
【0014】実施例及び比較例.梅干し工場の一般排水
に梅調味液廃液を混合し、所定のBOD濃度となるように
調整した。さらにBOD:T-N(全窒素):T-P(全リン)
=100:5:1となるように尿素とKHPOを添加
し、原水として用いた。BOD濃度は、図3のグラフの
ように、2,000mg/リットル程度から開始し、そ
の後5,000mg/リットル程度まで上昇させたが、
この間BOD容積負荷は1.0kg/m/日でほぼ一
定になるように滞留時間を調節した。
【0015】また、種汚泥としては、上記原水を使用
し、バルキング抑制型活性汚泥法で馴養した汚泥を用
い、各槽のDO(浴存酸素濃度)が0.2mg/リット
ル以上になるように、吸着槽、曝気槽において曝気によ
る酸素供給を行った。更に、処理温度を25〜28℃と
すると共に汚泥返送比を約3〜10とし、曝気槽のML
SSが4,500mg/リットルを越えないように適宜
汚泥の引き抜きを行った。比較例として、ばっ気槽内に
ひも状接触材を設置していない装置においても、同様の
処理実験を行った。
【0016】接触材を設置した場合、設置しない場合の
いずれもバルキングは抑制され、最終的にSVIは10
0前後となった。尚、前記SVIとは、汚泥の沈降・圧
密性を示す指標であり、以下の式から求められる。SV
I=SV30/MLSS×10,000 (ml/g)
ここで、SV30とは汚泥混合液をメスシリンダーに取
り30分間静置したのちに沈降濃縮した汚泥がしめる体
積の割合(%)である。MLSSは汚泥混合液中の固形
分濃度(mg/リットル)であり、SVIが小さいほ
ど、汚泥の沈降・圧密性はよい。連続式における正常時
の値は100〜200程度であるが、回分式では100
以下になることもある。
【0017】安定した処理状態になってからの処理水質
(BODおよびSS)の推移を図3に示す。接触材を設置し
ていない場合は処理水質がやや悪くなることがあった
が、接触材を設置した場合ではBOD、SSとも20mg/リット
ル以下で安定していた。BOD汚泥転換率(除去BOD量に対
するMLSS増加量)は、表1に示したように、接触材を設
置した場合のほうが1割程度少なくなった。
【0018】
【表1】 これらの結果は、本発明の有効性を実証するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の連続式活性汚泥法における処理施設の1
例である。
【図2】吸着槽および接触材を有するばっ気槽を必須と
する、本発明のバルキング抑制型連続式活性汚泥法にお
ける処理施設の例である。
【図3】接触材の設置による処理水質の安定した継続を
実証するグラフである。
【符号の説明】
1.原水 2.処理水 3.空気吹込管 4.返送汚泥 5.引き抜き汚泥 6.ブロア 7.吸着槽 10.流量調整槽 20.ばっ気槽 21.接触材 30.沈殿槽

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともばっ気槽を用いて有機性排水
    を生物学的に処理する連続式活性汚泥法であって、ばっ
    気槽の前段に、全ばっ気槽容積の1/200〜1/15
    の容積を有する小容量のばっ気槽を吸着槽として少なく
    とも1つ配すると共に、前記ばっ気槽中に汚泥を担持さ
    せるための接触材を設置したことを特徴とするバルキン
    グ抑制型連続式活性汚泥法。
  2. 【請求項2】 前記吸着槽が、実質的に2以上の多槽か
    らなる如く内部に隔壁を有する吸着槽である、請求項1
    に記載されたバルキング抑制型連続式活性汚泥法。
  3. 【請求項3】 吸着槽の上澄BOD濃度が30mg/リ
    ットル以上となると共に、そこ迄のBOD吸着率が50
    %以上となるように吸着槽を配する請求項1又は2に記
    載されたバルキング抑制型連続式活性汚泥法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011016076A (ja) * 2009-07-09 2011-01-27 Ihi Corp 有機性排水の処理方法および処理設備
WO2016148086A1 (ja) * 2015-03-17 2016-09-22 水ing株式会社 水処理方法及び水処理装置

Cited By (2)

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