JP2002209334A - 回路保護装置 - Google Patents

回路保護装置

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JP2002209334A
JP2002209334A JP2001001869A JP2001001869A JP2002209334A JP 2002209334 A JP2002209334 A JP 2002209334A JP 2001001869 A JP2001001869 A JP 2001001869A JP 2001001869 A JP2001001869 A JP 2001001869A JP 2002209334 A JP2002209334 A JP 2002209334A
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magnetic field
coil
circuit protection
protection device
surge protection
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JP2001001869A
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English (en)
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Yasushi Saito
靖 齋藤
Shinkichi Shimizu
信吉 清水
Koichi Kondo
幸一 近藤
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Nagano Fujitsu Component Ltd
Original Assignee
Nagano Fujitsu Component Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動作スピードが速く、動作が確実で、反復使
用が可能で、小型軽量であり、設計が簡単な回路保護装
置の実現。 【解決手段】 電気機器51を過電流から保護する回路保
護装置1は、接点が相互に吸引し接触した後はホールド
磁界により各接点の吸着が維持され、ホールド磁界を弱
める方向に磁界が印加されたときにこの吸着が解除され
て各接点が開離するスイッチと、このスイッチに並列接
続され、電流が流れたときはホールド磁界を弱める方向
にリリース磁界を発生するコイルと、このコイルに直列
接続されるサージ防護素子と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サージ又はスパー
ク等を遮断する回路保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネットを始めとする各種
情報サービスが急速に普及している。情報通信ネットワ
ークの構築も盛んに進められており、電話機、モデム機
器、ネットワーク機器等の多数の電気機器が通信線およ
び商用電源線を介して複雑に接続されている。このた
め、落雷によるサージにより過電流が通信線から電源
線、あるいは電源線から通信線を通過することによって
電気機器が故障したり、なんらかの原因によって、ある
電線が切断されて隣接する他の電線に接触し、スパーク
が発生して故障するといったような事故が発生し得る。
【0003】電気機器に過電流が流れたときにこの回路
を開放する回路保護装置としては、可溶片 (ヒューズ)
、機械的スイッチ、電子スイッチ、サージ防護素子等
が使用される。図8は、従来例による回路保護装置を例
示する回路図である。この図において、電気機器51
は、一方が通信線A1およびA2に接続され、他方が商
用電源線B1およびB2に接続されている。例えばサー
ジ防護素子(アレスタ素子)X1、X2、X3およびX
4を用いて、サージ又はスパーク等を原因とする過電流
iから電気機器51を保護する場合を簡単に説明する。
【0004】このような場合は通常、電気機器51の通
信線A1およびA2側のサージ防護素子X1およびX2
は、避雷器(ガスチューブアレスタ)またはシリコンP
NPN接合からなるサイリスタなどが用いられる。電気
機器51の商用電源線B1およびB2側に設置されたサ
ージ防護素子X3およびX4は、金属酸化物(酸化亜
鉛)バリスタまたは金属酸化物バリスタと避雷器(ガス
チューブアレスタ)との組合せなどが用いられる。
【0005】図8に示すように、サージ防護素子X1お
よびX2は、通信線路A1と通信線路A2との間に直列
接続される。サージ防護素子X1とサージ防護素子X2
との結合点は、アース端子Gを介して接地されるか、も
しくは、バイパス端子Bを介して商用電源線B1および
B2側のサージ防護素子X3とサージ防護素子X4との
結合点に接続される。
【0006】通信線A1および/またはA2に、サージ
又はスパーク等を原因とする過電流iが流入したとき、
アース端子Gが存在する場合はアースに過電流iを導
き、アース端子Gではなくバイパス端子Bが存在する場
合は、電気機器51をバイパスして商用電源線B1およ
びB2に過電流iを導く。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図8に例示された従来
例による回路保護装置では、立ち上がりの急峻な過電流
iが通信線A1および/またはA2に流入すると、サー
ジ防護素子X1およびX2の放電開始電圧は高くなり、
過電流iの一部が電気機器51に流れてしまうという問
題がある。また、避雷器(ガスチューブアレスタ)は、
サージ又はスパーク等を原因とする過電流iが多段に発
生したときは、その性能が劣化してしまうという問題が
ある。
【0008】図8において、サージ防護素子の代わり
に、可溶片を有する回路保護装置を用いたとしても、遮
断動作がなされる毎に可溶片を取り替える必要があり不
便である。また、リレー等の機械的スイッチを有する回
路保護装置では、形状が大きく重量もあり、保護すべき
電気機器51が非常に小さかったり軽量であるような場
合には適さない。また、過電流検知後の動作スピードが
遅く、回路を充分に保護することができない。
【0009】さらに電子スイッチを有する回路保護装置
であっても、構造が複雑であり、耐用性も不十分であ
る。このような問題を解決するために、本出願人は、特
願2000−132900号において、リード片を用い
た回路保護装置を提案している。この回路保護装置は、
磁石などの磁界発生手段によってホールド状態に保たれ
接点が吸着していた1対のリード片が、過電流が流れた
ときにはリード片の接点が開離し、電気機器51を過電
流から防御するものである。この回路保護装置は、反復
使用が可能で、小型軽量であり、構造が簡単である利点
を有する。さらに、例えば通信線に過電流が流れた場合
は通信線自体を遮断して回路を保護するので、安全性が
高いという利点を有する。しかしながら、避雷器(ガス
チューブアレスタ)などに比べて応答速度が遅いという
問題があり、特に初期のサージを原因とする過電流から
確実に回路を保護するには未だ不十分である。
【0010】本出願人は、同じく特願2000−132
900号において、リード片を用いた回路保護装置に対
してさらにサージ防護素子を接続することによって応答
速度の改善を図ることについても提案している。この場
合、リード片を用いた回路保護装置側とサージ防護素子
側とのインピーダンス比に依存した形で過電流iを分流
させることが可能であるが、保護すべき回路の入力イン
ピーダンス如何により、このインピーダンス比は異なっ
てくるので、保護すべき電気機器に応じた、リード片を
用いた回路保護装置およびサージ防護素子の設計が必要
であり、効率が悪いという問題がある。
【0011】従って本発明の目的は、上記問題に鑑み、
動作スピードが速く、動作が確実で、反復使用が可能
で、小型軽量であり、設計が簡単な回路保護装置を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を実現するため
に、本発明においては、電気機器を過電流から保護する
回路保護装置は、接点が相互に吸引し接触した後はホー
ルド磁界により各接点の吸着が維持され、ホールド磁界
を弱める方向に磁界が印加されたときにこの吸着が解除
されて各接点が開離するスイッチと、このスイッチに並
列接続され、電流が流れたときはホールド磁界を弱める
方向にリリース磁界を発生するコイルと、このコイルに
直列接続されるサージ防護素子と、を備える。
【0013】本発明によれば、雷サージに対する回路保
護装置を、簡単な構造で、小型軽量に構成することがで
き、動作スピードも速く、過電流に対して一度遮断動作
がなされたあとでも容易に再設定することができるので
反復使用に耐え得る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による回路保護装置につい
て説明する。本発明による回路保護装置は、接点が相互
に吸引し接触した後はホールド磁界により各接点の吸着
が維持され、ホールド磁界を弱める方向に磁界が印加さ
れたときにこの吸着が解除されて各接点が開離するスイ
ッチと、このスイッチに並列接続され、電流が流れたと
きはホールド磁界を弱める方向にリリース磁界を発生す
るコイルと、このコイルに直列接続されるサージ防護素
子と、を備える。
【0015】まず、本発明による回路保護装置の第1の
実施例について説明する。第1の実施例による回路保護
装置においては、上述のスイッチとしてリードスイッチ
を用いる。なお、このリードスイッチは、リード片を用
いた回路保護装置として、その動作原理、構造、応用例
および適用例などの詳細な説明が、特公昭第54−22
806号公報および、本出願人により出願済みの特願2
000−132900号などに開示されている。
【0016】図6は、リードスイッチの上面図である。
リードスイッチS1は、各一端が相互にオーバーラップ
し所定のギャップをあけて接触可能に対向配置される磁
性体からなるリード片RaおよびRbと、各一端が相互
に吸引し接触した後は接触状態を維持するホールド磁界
を発生するために、リード片RaおよびRbの近傍に配
置される磁界発生手段Mと、各一端の間のギャップを、
磁界発生手段Mが発生する磁界の感動値に対応するギャ
ップにまで小さくする接点近接手段Dとを備える。
【0017】リード片Rbが保護対象である電気機器に
接続され、リード片Raが通信線に接続される。なお、
各種サージ又はスパーク等を起因とする過電流iは図中
矢印の方向から流れ込むものと想定する。リード片Ra
およびRbは、図6に示すように、それらが相互に接触
し得るように、オーバーラップ部分を有するように対向
させる。また、オーバーラップ部分におけるリード片R
aとリード片Rbとの間の接点ギャップは、サージに対
する遮断動作を考慮に入れて例えば2.00mmとして
いるが、この大きさはこれに限定されるものではなく、
他の大きさであってもよい。
【0018】各リード片RaおよびRbの一端は、図6
に示されるようにハウジング11に固定される。例えば
ハウジング11には樹脂成形品を用いているが、各リー
ド片Ra、Rbを樹脂の中に埋め込んでダブルモールド
構造にしてもよい。磁界発生手段Mとして、ここでは例
えば永久磁石を用いるが、電磁石または電磁石と永久磁
石との組合せであってもよい。
【0019】磁界発生手段Mは、図6に示すように、リ
ード片Raおよびリード片Rbの各接点付近に近接して
支持台12を介して配置される。すなわち、磁界発生手
段Mが発する磁力線のうち各リード片RaおよびRbに
平行な成分の磁力線の向きと、接点が閉成している各リ
ード片RaおよびRbを過電流iが流れる向きとが一致
するように、磁界発生手段Mは配置される。支持台12
はハウジング11の側面の一部に固定される。
【0020】接点近接手段Dは、非磁性体から成り、リ
ード片Raおよびリード片Rbの各接点に近接して配置
される。接点近接手段Dは、通常の状態においては、リ
ード片Raとはある間隔だけ離れた状態にある。図6に
示すように、接点近接手段Dのボタン13とハウジング
11の外壁部分との間にはバネ14が設けられており、
ボタン13の押下、解除により接点近接手段Dがリード
片Raの方向に上下に移動する。
【0021】ボタン13を押下すると、接点近接手段D
はリード片Raの方向に移動してリード片Raと接触
し、接触後はリード片Raをリード片Rbへの方向へ押
しやる。このように接点近接手段Dを用いることによっ
て機械的な力でリード片Raとリード片Rbとの間の接
点ギャップを小さくすることができる。接点ギャップは
少なくとも、リード片Raおよびリード片Rbがホール
ド磁界によって相互に吸引するようになるまで小さくで
きればよく、そのときの接点ギャップをユーザに知らし
めるためのストッパー等を更に設けてもよい。ボタン1
3の押下を解除すると、バネ14の弾性力により接点近
接手段Dはもとあった位置に戻る。
【0022】上述の接点近接手段Dは、リード片Raと
リード片Rbとの間の接点ギャップを小さくする構造で
あれば上記に限られることはなく、例えば、プランジャ
を用いてその上部にあるボタン部分を押下することで接
点ギャップを小さくする構造であったり、あるいは、プ
ランジャをモータ駆動して接点ギャップを小さくするよ
うな構造等であってもよい。
【0023】リード片RaおよびRbは磁性体からな
る。例えば磁性体として50alloy(ニッケル50
%)の鉄ニッケル合金を用いており、その抵抗率は40
μΩcm、スチフネスは13.6g/mmである。この
リード片は、0.32mmの厚さの板を切断およびプレ
スし、約850℃にて磁性焼き鈍し、プレス加工による
歪みを取り除くことで作成される。リード片としての抵
抗は0.029Ωである。リード片Raおよびリード片
Rbが相互に接触する面には接点が設けられているが、
この接点は、メッキ、クラッド(張り合わせ)、溶接、
カシメ等により形成される。
【0024】続いて、リードスイッチS1の動作につい
て簡単に説明する。まず、リード片Raおよびリード片
Rbの各接点が開離しているセット前のリードスイッチ
S1において、磁界発生手段Mが発生する磁界でリード
片Raおよびリード片Rbが感動することになる接点ギ
ャップにまで、各リード片間の接点ギャップを小さく
し、リード片Raおよびリード片Rbを相互に吸着させ
て接点を閉成する。このとき発生手段Mが発生する磁界
をホールド磁界と呼ぶ。
【0025】このとき、所定の値を超える回路電流すな
わち過電流iがリード片Raの方から流れ込むと、過電
流iを原因とする各リード片RaおよびRbに発生する
磁界および熱により、ホールド磁界が弱められ、リード
片Raとリード片Rbとは開離し、線路は遮断される。
図1は、本発明の第1の実施例による回路保護装置の回
路図である。
【0026】ここで、保護すべき電気機器51が2線式
であり、電気機器51は、一方が通信線A1およびA2
に接続され、他方が商用電源線B1およびB2に接続さ
れている。電気機器51の通信線A1およびA2側に本
発明の第1の実施例による回路保護装置1が設置される
場合を考える。なお、回路保護装置1を商用電源線B1
およびB2の側に設置してもよい。以下に説明する他の
実施例および変形例についても同様とする。
【0027】回路保護装置1は、接点が相互に吸引し接
触した後はホールド磁界により各接点の吸着が維持さ
れ、ホールド磁界を弱める方向に磁界が印加されたとき
にこの吸着が解除されて各接点が開離するリードスイッ
チS1およびS2と、各リードスイッチS1およびS2
に並列接続され、電流が流れたときはホールド磁界を弱
める方向に(以下「リリース磁界」という。)を発生す
るコイルL1およびL2と、各コイルL1およびL2に
直列接続されるサージ防護素子X1およびX2と、を備
える。
【0028】上述のように、リードスイッチS1は、各
一端が相互にオーバーラップし所定のギャップをあけて
接触可能に対向配置される磁性体からなるリード片R1
aおよびR1bと、各一端が相互に吸引し接触した後は
接触状態を維持するホールド磁界を発生するために、リ
ード片R1aおよびR1bの近傍に配置される磁界発生
手段M1と、各一端の間のギャップを、磁界発生手段M
1が発生する磁界の感動値に対応するギャップにまで小
さくする接点近接手段D1と、を備える。
【0029】同様に、リードスイッチS2は、リード片
R2aおよびR2bと、リード片R2aおよびR2bの
近傍に配置される磁界発生手段M2と、磁界発生手段M
2が発生する磁界の感動値に対応するギャップにまで小
さくする接点近接手段D2と、を備える。リードスイッ
チS1およびS2の各構成要素、動作原理および変形例
などは既に説明したとおりなので詳しい説明は省略す
る。また、図1において、リードスイッチS1およびS
2について、各リード片R1a、R1b、R2aおよび
R2b、磁界発生手段M1およびM2、ならびに接点近
接手段D1およびD2以外の構成要素は、説明を簡略化
するために省略する。
【0030】リードスイッチS1およびS2は、通信線
A1およびA2毎に設置される。図2は、本発明の第1
の実施例におけるスイッチおよびコイルを示す斜視図で
ある。この図はリードスイッチS1について示してい
る。なお図2では、説明を簡明にするために、図8に示
したハウジング11、ボタン13およびバネ14などを
省略している。
【0031】コイルL1およびL2は、各コイルL1お
よびL2に電流が流れたときに、上述のホールド磁界を
弱める方向にリリース磁界を発生するように、その巻き
方が決定される。また、コイルL1およびL2は、各コ
イルL1およびL2に電流が流れたときに発生するリリ
ース磁界が磁界発生手段Mが発生するホールド磁界を弱
めることができる範囲内に設置される。図2に示す実施
例では、例えば磁界発生手段Mとリード片R1aおよび
R1bとの間に設置される。
【0032】また、コイルL1およびL2は、リードス
イッチS1およびS2にそれぞれ電気的に並列接続され
る。サージ防護素子X1およびX2は、コイルL1およ
びL2にそれぞれ直列接続される。すなわち、サージ防
護素子X1およびX2の一端は、リードスイッチS1お
よびS2の、電気機器51を接続する端子とは反対側に
それぞれ接続され、サージ防護素子X1およびX2の他
の一端はコイルL1およびL2に接続される。
【0033】このように、互いに直列接続されたコイル
L1およびL2とサージ防護素子X1およびX2との組
が、リードスイッチS1およびS2に対してそれぞれ電
気的に並列接続される。直列接続されているコイルL1
およびサージ防護素子X1ならびにコイルL2およびサ
ージ防護素子X2の、リードスイッチS1およびS2に
接続された一端とは反対側の一端は、図1に示すよう
に、アース端子Gを介して接地される。
【0034】なお、電気機器51の商用電源線B1およ
びB2側にもサージ防護素子X3およびX4をさらに設
置した場合は、直列接続されているコイルL1およびサ
ージ防護素子X1ならびにコイルL2およびサージ防護
素子X2の、リードスイッチS1およびS2に接続され
た一端とは反対側の一端を、バイパス端子Bを介して商
用電源線B1およびB2側のサージ防護素子X3とサー
ジ防護素子X4との結合点に接続してもよい。
【0035】サージ防護素子X1およびX2はいわゆる
アレスタ素子であり、本実施例では、動作電圧として例
えば400〜550V、サージ耐量として例えば8/2
0μs衝撃波電流として2500Aに1回以上、10/
200μs衝撃波電流として200Aに20回以上耐え
られる特性を有する素子を用いる。本実施例で用いられ
るサージ防護素子の例としては金属酸化物(酸化亜鉛)
バリスタ、避雷器(ガスチューブアレスタ)、電圧制御
によるシリコンPN接合を利用したダイオード形アレス
タ、電流制御によるシリコンPNPN接合から成るサイ
リスタ形アレスタあるいはPTCサーミスタ形アレスタ
等がある。
【0036】金属酸化物バリスタは、電圧依存性の抵抗
特性を有し、その非オーム性を生かして電圧安定化や異
常電圧抑制用に多く用いられている。このうち、酸化亜
鉛バリスタは特に非オーム性に優れ、大きなサージ電流
耐量を有する。避雷器(ガスチューブアレスタ)は、ア
ルゴン等の不活性ガスの放電現象を利用した2極又は3
極の放電管であり、漏れ電流がなく、静電容量が小さ
く、大きなサージ電流耐量を有する。
【0037】電圧制御によるシリコンPN接合を利用し
たダイオード形アレスタは、アバランシェ効果により応
答速度が非常に早く、大きなサージ電流耐量を有する。
電流制御によるシリコンPNPN接合から成るサイリス
タ形アレスタは、急峻なサージ波形に対しても一定のク
ラッピング電圧を保ち、サージの繰返しの印加における
経時変化がなく、安定性がある。
【0038】PTCサーミスタ形アレスタは、チタン酸
バリウムを主成分とする温度依存性の抵抗体であり、一
定以上の電流を流すと、ジュール熱による発熱により所
定の時間後スイッチング温度に達し抵抗が増加し電流を
制御する作用がある。この特性を用いて過大電流を制限
することが可能である。以上説明したリードスイッチS
1およびS2、コイルL1およびL2、ならびにサージ
防護素子X1およびX2は、例えば1つのハウジング内
に構成される。この変形例として、スイッチ、コイルお
よびサージ防護素子を回線毎のハウジング内に構成して
もよい。あるいは、スイッチおよびコイルを1つのハウ
ジング内に構成し、サージ防護素子は外付けできるよう
にしてもよい。
【0039】次に、本発明の第1の実施例による回路保
護装置の動作原理について説明する。まず、リード片R
1aおよびリード片R1bの各接点が開離しているセッ
ト前のリードスイッチS1において、磁界発生手段M1
が発生する磁界でリード片R1aおよびリード片R1b
が感動することになる接点ギャップにまで、各リード片
間の接点ギャップを小さくし、リード片R1aおよびリ
ード片R1bを相互に吸着させて接点を閉成する。リー
ドスイッチS2についても同様に接点を閉成させる。
【0040】このようにホールド磁界によりリードスイ
ッチS1およびS2の接点が閉成している場合におい
て、過電流iが例えば通信線A1上を電気機器51の方
向へ流れ込んできたとする。通常、リードスイッチS1
側の線路と、互いに直列接続されたサージ防護素子X1
およびコイルL1側の線路と、のインピーダンス比を考
えた場合、電気機器51の入力インピーダンスが大きい
ので、ほとんどの場合、過電流iはサージ防護素子X1
およびコイルL1側に流れる。
【0041】この過電流iは、サージ防護素子X1およ
びコイルL1を通り、アース端子Gに流れる。このと
き、コイルL1では、過電流が流れることによってホー
ルド磁界を弱める方向にリリース磁界を発生する。する
とリード片R1aとリード片R1bとは開離し、通信線
A1は遮断される。また、サージ防護素子X1が動作し
ないかあるいは、リードスイッチS1側の線路に過電流
iが流れ込んだ場合は、図8を参照して説明したよう
に、過電流iにより各リード片R1aおよびR1bに発
生する磁界および熱により、ホールド磁界が弱められ、
リード片R1aとリード片R1bとは開離し、通信線A
1は遮断される。
【0042】すなわち、リードスイッチS1側の線路
と、互いに直列接続されたサージ防護素子X1およびコ
イルL1側の線路とのどちらに過電流iが流れても、リ
ードスイッチS1内のリード片R1aとリード片R1b
とは開離し、通信線A1は遮断されることになるので、
回路保護動作はより信頼性の高いものになる。過電流i
の通過後も、磁界発生手段M1にはリード片R1aとリ
ード片R1bとを感動させるだけの力が無いので、通信
線A1は遮断されたままである。
【0043】通信線A1の遮断を解除して通信線A1を
復帰させるためには、既に説明したように、接点近接手
段D1を用いて、磁界発生手段M1の発生する磁界で感
動するところまで、リード片R1aとリード片R1bと
の接点ギャップを小さくし、リード片R1aとリード片
R1bとを相互に吸着させて接点を閉成させればよい。
【0044】なお、互いに直列接続されているコイルL
1およびサージ防護素子X1ならびにコイルL2および
サージ防護素子X2の、リードスイッチS1およびS2
に接続された一端とは反対側の一端を、アース端子Gで
はなく、バイパス端子Bを介して商用電源線B1および
B2側のサージ防護素子X3とサージ防護素子X4との
結合点に接続した場合でも同様の効果が得られる。この
場合、過電流iは、アース端子Gではなく、電気機器5
1をバイパスして商用電源線B1およびB2側に導かれ
る。
【0045】上述の動作は、通信線A2に過電流が流れ
た場合についても同様である。なお、本実施例では、2
線式について説明したが、複数の回線を有する電気機器
の回路保護装置としても実現することは容易である。こ
の場合、リードスイッチ、コイルおよびサージ防護素子
を各回線毎に設ければよく、例えば3線式であれば、そ
れぞれ3つずつ設ければよい。
【0046】以上説明したように、本発明の第1の実施
例の回路保護装置によれば、スイッチ側の線路と、互い
に直列接続されたサージ防護素子およびコイル側の線路
とのどちらに過電流が流れても、スイッチのリード片は
開離し、さらには、サージ防護素子そのものの遮断動作
もあるので、通信線は確実に遮断され、回路保護動作は
より信頼性の高いものになり、保護すべき電気機器を選
ばずに設置することができる。
【0047】また、過電流が流れ込めば自動的に各リー
ド片が開離するので動作スピードが速く、過電流に対し
て一度遮断動作がなされたあとでも、接点近接手段を操
作するだけで容易に再設定することができるので反復使
用に耐え得る。次に、本発明の第1の実施例の変形例に
ついて説明する。図3は、本発明の第1の実施例の変形
例による回路保護装置の回路図である。
【0048】この変形例では、図1と同様に、回路保護
装置に接続される回線の数だけスイッチを有し、リード
スイッチS1およびS2の一端には、サージ防護素子X
1およびX2が接続される。しかし、サージ防護素子X
1およびX2の他の一端は、互いに接続されると共に、
全て1つのコイルLに接続される点が異なる。コイルL
は、リードスイッチS1およびS2に近接して設置され
る。また、コイルLに電流が流れたときに、上述のホー
ルド磁界を弱める方向にリリース磁界を発生するよう
に、コイルLの巻き方が決定される。
【0049】コイルLのサージ防護素子X1およびX2
に接続された一端とは反対側の一端は、図3に示すよう
に、アース端子Gを介して接地される。なお、電気機器
51の商用電源線B1およびB2側にもサージ防護素子
X3およびX4をさらに設置した場合は、コイルLの、
サージ防護素子X1およびX2に接続された一端とは反
対側の一端を、バイパス端子Bを介して商用電源線B1
およびB2側のサージ防護素子X3とサージ防護素子X
4との結合点に接続してもよい。
【0050】以上説明したリードスイッチS1およびS
2、コイルL、ならびにサージ防護素子X1およびX2
は、例えば1つのハウジング内に構成される。この変形
例として、回線毎にリードスイッチS1およびS2なら
びにコイルを1つのハウジング内に構成し、サージ防護
素子は外付けできるようにしてもよい。いずれにせよ、
この変形例における回路保護装置は、図1を参照して説
明した回路保護装置よりも、コイルの数が少ない分、小
型軽量になり、構造が簡単になる。
【0051】続いて、本発明の第1の実施例の変形例に
よる回路保護装置の動作原理について説明する。まず、
上述したように、リードスイッチS1およびS2の接点
を閉成する。ホールド磁界によりリードスイッチS1お
よびS2が閉成している場合において、過電流iが例え
ば通信線A1上を電気機器51の方向へ流れ込んできた
とする。この過電流iは、サージ防護素子X1およびコ
イルLを通り、アース端子Gに流れる。このとき、コイ
ルLは、過電流が流れることによって、磁界発生手段M
1およびM2がそれぞれ発生するホールド磁界を弱める
方向に、リリース磁界を発生する。
【0052】するとリード片R1aとリード片R1bと
は開離し、通信線A1は遮断され、リード片R2aとリ
ード片R2bとは開離し、通信線A2も遮断される。す
なわち、通信線A1およびA2のうちどちらか一方に過
電流が流れ込んだとき、サージ防護素子側にその過電流
が流れれば、コイルLは、磁界発生手段M1およびM2
がそれぞれ発生するホールド磁界を弱める方向に、リリ
ース磁界を発生することになるので、リードスイッチS
1およびS2は両方とも開離し、通信線A1およびA2
は両方とも遮断されるのでさらに回路保護動作の信頼性
が高まる。
【0053】なお、サージ防護素子X1が動作しないか
あるいは、リードスイッチS1側の線路に過電流iが流
れ込んだ場合については、図1を参照して説明したとお
りである。過電流iの通過後も、通信線A1およびA2
は遮断されたままである。通信線A1およびA2の遮断
を解除して通信線A1およびA2を復帰させるために
は、リードスイッチS1およびS2の接点を閉成させれ
ばよい。
【0054】なお、コイルLの、サージ防護素子X1お
よびX2に接続された一端とは反対側の一端を、アース
端子Gではなく、バイパス端子Bを介して商用電源線B
1およびB2側のサージ防護素子X3とサージ防護素子
X4との結合点に接続した場合でも同様の効果が得られ
る。この場合、過電流iは、アース端子Gではなく、電
気機器51をバイパスして商用電源線B1およびB2側
に導かれる。
【0055】上述の動作は、通信線A2に過電流が流れ
た場合についても同様である。なお、本実施例では、2
線式について説明したが、複数の回線を有する電気機器
の回路保護装置としても実現することは容易である。こ
の場合、リードスイッチおよびサージ防護素子を各回線
毎に設ければよく、コイルは全てのリードスイッチに近
接するような形で配置すればよい。
【0056】以上説明したように、本発明の第1の実施
例の変形例による回路保護装置によれば、図1を参照し
て説明した回路保護装置よりも、コイルの数が少ない
分、小型軽量になり、構造が簡単になる。また、通信線
A1およびA2のうちどちらか一方に過電流が流れ込め
ば、リードスイッチS1およびS2は開離し、通信線A
1およびA2は両方とも遮断されるのでさらに回路保護
動作の信頼性が高まる。
【0057】次に、本発明による回路保護装置の第2の
実施例について説明する。第2の実施例による回路保護
装置においては、スイッチはラッチングリレーの接極子
であり、コイルは当該ラッチングリレーのリセットコイ
ルである。まず、ラッチングリレーについて簡単に説明
する。一般のリレーは、入力を取り去ると、磁気回路中
の磁束もなくなるため、バネの力により元の状態に復帰
するが、電磁式のラッチングリレーでは、永久磁石ある
いは半硬質磁性材などを使用して、入力を取り去って
も、その磁気により接極子をロックするようにした構造
を有する。半硬質磁性材は永久磁石ほどではないが、通
所の電磁継鉄より残留磁束が大きい。
【0058】図7は、ラッチングリレーの動作原理図で
ある。この図では、直列型と呼ばれるラッチングリレー
30を示している。一般に、ラッチングリレー30は、
永久磁石31と、継鉄32−1および32−2と、コイ
ル33と、接極子34と復帰バネ35と、を備える。図
7に示すように、永久磁石31は、継鉄32−1および
32−2に挟まれる。継鉄32−1の周囲にはコイル3
3が巻かれている。コイル33に電流が流れると磁界を
発生する。接極子34の一端は継鉄32−2に結合して
おり、この結合点を支点として接極子34は変位可能で
ある。接極子34の他の一端が継鉄32−1に吸着する
と、継鉄32−1と永久磁石31と継鉄32−2と接極
子34とで磁気回路の閉ループが形成される。また、接
極子34には復帰バネ35が結合している。
【0059】図7(a) は、ラッチングリレー30の
リセット状態を示す。この状態では、コイル33には電
流が流れておらず、無励磁状態であるので、復帰バネ3
5の弾性力は永久磁石31の吸引力よりも大きく、接極
子34と継鉄32−1とは開離しており、OFF状態に
ある。図7(b) は、ラッチングリレー30のセット
のためのコイル励磁状態を示す。この状態では、所定の
極性の電流をコイル33に流して永久磁石31の磁界を
助ける方向に磁界を増加させると、永久磁石31による
吸引力とコイル33による吸引力とが足し合わされて、
復帰バネ35の弾性力よりも大きくなり、接極子34と
継鉄32−1とは吸着し、ON状態になる。
【0060】図7(c) は、ラッチングリレー30の
セット状態を示す。この状態では、コイルに流す電流を
取り除いても、継鉄32−1と永久磁石31と継鉄32
−2と接極子34とで磁気回路の閉ループを形成してい
るので、永久磁石31による吸引力だけで、ON状態を
維持する。このときの永久磁石31による磁界が上述の
ホールド磁界に相当する。
【0061】図7(d) は、ラッチングリレー30の
リセットのためのコイル励磁状態を示す。この状態で
は、図7(b)の状態とは異なる極性の電流をコイル3
3に流すと永久磁石31の磁界を弱める方向に磁界が形
成され、永久磁石31による吸引力が復帰バネ35の弾
性力よりも小さくなり、復帰バネ35の弾性力に負けて
接極子34は継鉄32−1から開離し、OFF状態にな
る。
【0062】以上説明したように、ラッチングリレーに
おいては、セットおよびリセット状態にするためには、
所定の極性の電流をコイルに流せばよい。図4は、本発
明の第2の実施例による回路保護装置の回路図である。
電気機器51の通信線A1およびA2側に本発明の第2
の実施例による回路保護装置1が設置される。
【0063】回路保護装置1は、接点が相互に吸引し接
触した後はホールド磁界により各接点の吸着が維持さ
れ、ホールド磁界を弱める方向に磁界が印加されたとき
にこの吸着が解除されて各接点が開離するスイッチとし
てラッチングリレーS3およびS4の接極子R3および
R4と、各接極子R3およびR4に並列に接続され、電
流が流れたときはホールド磁界を弱める方向にリリース
磁界を発生するコイルとしてラッチングリレーS3およ
びS4のリセットコイルL3およびL4と、各リセット
コイルL3およびL4に直列接続されるサージ防護素子
X1およびX2と、を備える。
【0064】ラッチングリレーS3およびS4は、通信
線A1およびA2毎に設置される。ラッチングリレーS
3およびS4は、1トランスファー型ラッチングリレー
である。すなわち、ラッチングリレーS3は、接極子R
3とリセットコイルL3とを備え、ラッチングリレーS
4は、接極子R4と、リセットコイルL4とを備える。
【0065】ラッチングリレーS3およびS4の各構成
要素、動作原理などは既に説明したとおりなので詳しい
説明は省略する。また、図4において、ラッチングリレ
ーS3およびS4について、各接極子R3およびR4、
ならびにコイルL3およびL4以外の構成要素、例えば
磁界発生手段である永久磁石、復帰バネおよび継鉄など
は、説明を簡略化するために省略する。
【0066】ラッチングリレーS3およびS4のリセッ
トコイルL3およびL4は、当該リセットコイルに所定
の値を超える過電流が流れたときに図7(c)および
(d)を参照して説明したリセット状態になるようにす
る向きにコイルが巻かれている。すなわち、各リセット
コイルL3およびL4に電流が流れたときに、上述のホ
ールド磁界を弱める方向にリリース磁界を発生するよう
に、各リセットコイルL3およびL4の巻き方が決定さ
れる。
【0067】サージ防護素子X1およびX2は、ラッチ
ングリレーS3およびS4のリセットコイルL3および
L4にそれぞれ直列接続される。すなわち、サージ防護
素子X1およびX2の一端は、ラッチングリレーS3お
よびS4の接極子R3およびR4の、電気機器51を接
続する端子とは反対側にそれぞれ接続され、ラッチング
リレーS3およびS4の他の一端は、ラッチングリレー
S3およびS4のリセットコイルL3およびL4に接続
される。
【0068】このように、互いに直列接続されたコイル
L3およびL4とサージ防護素子X1およびX2との組
が、接極子R3およびR4に対してそれぞれ電気的に並
列接続される。直列接続されているリセットコイルL3
およびサージ防護素子X1ならびにリセットコイルL4
およびサージ防護素子X2の、接極子R3およびR4に
接続された一端とは反対側の一端は、図4に示すよう
に、アース端子Gを介して接地される。
【0069】なお、電気機器51の商用電源線B1およ
びB2側にもサージ防護素子X3およびX4をさらに設
置した場合は、直列接続されているリセットコイルL3
およびサージ防護素子X1ならびにリセットコイルL4
およびサージ防護素子X2の、接極子R3およびR4に
接続された一端とは反対側の一端を、バイパス端子Bを
介して商用電源線B1およびB2側のサージ防護素子X
3とサージ防護素子X4との結合点に接続してもよい。
【0070】以上説明したラッチングリレーS3および
S4、ならびにサージ防護素子X1およびX2は、例え
ば1つのハウジング内に構成される。この変形例とし
て、回線毎にラッチングリレーおよびサージ防護素子を
1つのハウジング内に構成してもよい。あるいは、市販
のラッチングリレーにサージ防護素子を外付けして構成
してもよい。
【0071】次に、本発明の第2の実施例による回路保
護装置の動作原理について説明する。まず、図7(a)
および(b)を参照して説明したように、所定の極性の
電流をリセットコイルL3およびL4に流し、接極子R
3およびR4を閉成し、セット状態にする。このときの
電流の極性は、想定される過電流iの極性とは反対のも
のである。
【0072】このようにラッチングリレー内の永久磁石
(図示せず)が発生するホールド磁界により接極子R3
およびR4が閉成しているセット状態において、過電流
iが例えば通信線A1上を電気機器51の方向へ流れ込
んできたとする。通常、ラッチングリレーS3の接極子
R3側の線路と、互いに直列接続されたサージ防護素子
X1およびリセットコイルL3側の線路とのインピーダ
ンス比を考えた場合、電気機器51の入力インピーダン
スが大きいので、ほとんどの場合は過電流iはサージ防
護素子X1およびリセットコイルL3側に流れる。
【0073】この過電流iは、サージ防護素子X1およ
びリセットコイルL3を通り、アース端子Gに流れる。
このとき、リセットコイルL3では、過電流が流れるこ
とによってホールド磁界を弱める方向にリリース磁界を
発生する。すると接極子R3は開離し、通信線A1は遮
断される。通信線A1の遮断を解除して通信線A1を復
帰させるためには、図7(a)および(b)を参照して
説明したように、所定の極性の電流をリセットコイルL
3に流すことによって、接極子R3を閉成し、セット状
態にすればよい。
【0074】なお、互いに直列接続されているリセット
コイルL3およびサージ防護素子X1ならびにリセット
コイルL4およびサージ防護素子X2の、接極子R3お
よびR4を接続した一端とは反対側の一端を、アース端
子Gではなく、バイパス端子Bを介して商用電源線B1
およびB2側のサージ防護素子X3とサージ防護素子X
4との結合点に接続した場合でも同様の効果が得られ
る。この場合、過電流iは、アース端子Gではなく、電
気機器51をバイパスして商用電源線B1およびB2側
に導かれる。
【0075】上述の動作は、通信線A2に過電流が流れ
た場合についても同様である。なお、本実施例では、2
線式について説明したが、複数の回線を有する電気機器
の回路保護装置としても実現することは容易である。こ
の場合は、ラッチングリレーおよびサージ防護素子を各
回線毎に設ければよく、例えば3線式であれば、それぞ
れ3つずつ設ければよい。
【0076】以上説明したように、本発明の第2の実施
例の回路保護装置によれば、過電流が流れ込めば自動的
に各リード片が開離するので動作スピードが速い。ま
た、過電流に対して一度遮断動作がなされたあとでも、
リセットコイルに所定の極性を流すだけで容易に再設定
することができるので反復使用に耐え得る。また、図1
を参照して説明した回路保護装置よりも、接点近接手段
を必要としないので、さらに小型軽量になり、部品点数
を減らすことが可能である。また、市販されているラッ
チングリレーを用いても本発明の第2の実施例による回
路保護装置を実現可能である。
【0077】次に、本発明の第2の実施例の変形例につ
いて説明する。図5は、本発明の第2の実施例の変形例
による回路保護装置の回路図である。図4の回路保護装
置では、ラッチングリレーとして1トランスファー型の
ものを用いたが、図5に示す変形例では、2トランスフ
ァー型のものを用いる。その他の点については図4の回
路保護装置と同様である。
【0078】2トランスファー型のラッチングリレーS
5は、1つのリセットコイルに対して2つの接極子を備
える。この変形例では、図5に示すように、回路保護装
置1は、接点が相互に吸引し接触した後はホールド磁界
により各接点の吸着が維持され、ホールド磁界を弱める
方向に磁界が印加されたときにこの吸着が解除されて各
接点が開離するスイッチとしてラッチングリレーS5の
接極子R3およびR4と、各接極子R3およびR4に並
列に接続され、電流が流れたときはホールド磁界を弱め
る方向にリリース磁界を発生するコイルとしてラッチン
グリレーS5のリセットコイルL5と、リセットコイル
L5に直列接続されるサージ防護素子X1およびX2
と、を備える。
【0079】2トランスファー型のラッチングリレーS
5内の接極子R3には通信線A1が、接極子R4には通
信線A2がそれぞれ接続される。ラッチングリレーS5
内の接極子R3およびR4の、電気機器51を接続する
端子とは反対側の端子には、サージ防護素子X1および
X2がそれぞれ接続される。サージ防護素子X1および
X2の他の一端は、互いに接続されると共に、ラッチン
グリレーS5内のリセットコイルL5に接続される。
【0080】リセットコイルL5に電流が流れたときに
はホールド磁界を弱める方向にリリース磁界を発生して
接極子R3およびR4が開離するように、コイルL5の
巻き方が決定される。リセットコイルL5のサージ防護
素子X1およびX2に接続された一端とは反対側の一端
は、図5に示すように、アース端子Gを介して接地され
る。
【0081】なお、電気機器51の商用電源線B1およ
びB2側にもサージ防護素子X3およびX4をさらに設
置した場合は、コイルLの、サージ防護素子X1および
X2に接続された一端とは反対側の一端を、バイパス端
子Bを介して商用電源線B1およびB2側のサージ防護
素子X3とサージ防護素子X4との結合点に接続しても
よい。
【0082】以上説明したラッチングリレーS5および
サージ防護素子X1およびX2は、例えば1つのハウジ
ング内に構成される。この変形例として、市販の2トラ
ンスファー型のラッチングリレーにサージ防護素子を外
付けして構成してもよい。次に、本発明の第2の実施例
の変形例による回路保護装置の動作原理について説明す
る。
【0083】まず、図7(a)および(b)を参照して
説明したように、所定の極性の電流をリセットコイルL
5に流し、接極子R3およびR4を閉成し、セット状態
にする。このときの電流の極性は、想定される過電流i
の極性とは反対のものである。ラッチングリレー内の永
久磁石(図示せず)が発生するホールド磁界により接極
子R3およびR4が閉成しているセット状態において、
過電流iが例えば通信線A1上を電気機器51の方向へ
流れ込んできたとする。
【0084】この過電流iは、サージ防護素子X1およ
びリセットコイルL5を通り、アース端子Gに流れる。
このとき、リセットコイルL5では、過電流が流れるこ
とによってホールド磁界を弱める方向にリリース磁界を
発生する。すると接極子R3およびR4は両方とも開離
し、通信線A1およびA2は両方とも遮断される。通信
線A1およびA2の遮断を解除して通信線A1およびA
2を復帰させるためには、図7(a)および(b)を参
照して説明したように、所定の極性の電流をリセットコ
イルL5に流し、接極子R3およびR4を閉成し、セッ
ト状態にすればよい。
【0085】なお、コイルLのサージ防護素子X1およ
びX2に接続された一端とは反対側の一端を、アース端
子Gではなく、バイパス端子Bを介して商用電源線B1
およびB2側のサージ防護素子X3とサージ防護素子X
4との結合点に接続した場合でも同様の効果が得られ
る。この場合、過電流iは、アース端子Gではなく、電
気機器51をバイパスして商用電源線B1およびB2側
に導かれる。
【0086】なお、上述の動作は、通信線A2に過電流
が流れた場合についても同様である。以上説明したよう
に、本発明の第2の実施例の変形例による回路保護装置
によれば、図4を参照して説明した回路保護装置より
も、リセットコイルの数が少ない分、小型軽量になり、
構造が簡単になる。
【0087】また、通信線A1およびA2のうちどちら
か一方に過電流が流れ込めば、ラッチングリレーS5の
接極子R3およびR4は両方とも開離し、通信線A1お
よびA2は両方とも遮断されるのでさらに回路保護動作
の信頼性が高まる。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の実
施例によれば、スイッチ側の線路と、互いに直列接続さ
れたサージ防護素子およびコイル側の線路とのどちらに
過電流が流れても、スイッチのリード片は開離し、さら
には、サージ防護素子そのものの遮断動作もあるので、
通信線は確実に遮断され、回路保護動作はより信頼性の
高いものになる。また、保護すべき電気機器を選ばずに
設置することができる。
【0089】また、過電流が流れ込めば自動的に各リー
ド片が開離するので動作スピードが速く、過電流に対し
て一度遮断動作がなされたあとでも、接点近接手段を操
作するだけで容易に再設定することができるので反復使
用に耐え得る。本発明の第1の実施例の変形例によれ
ば、コイルの数が少ない分、さらに小型軽量になり、構
造が簡単になる。
【0090】また、複数の通信線のいずれに過電流が流
れ込んでも全ての通信線が遮断されるので、さらに回路
保護動作の信頼性が高まる。本発明の第2の実施例によ
れば、過電流が流れ込めば自動的に各リード片が開離す
るので動作スピードが速い。また、過電流に対して一度
遮断動作がなされたあとでも、リセットコイルに所定の
極性を流すだけで容易に再設定することができるので反
復使用に耐え得る。
【0091】また、第1の実施例による回路保護装置よ
りも、さらに小型軽量になり、部品点数を減らすことが
可能である。また、市販されているラッチングリレーを
用いることも可能である。本発明の第2の実施例の変形
例によれば、2トランスファー型のラッチングリレーを
用いるので、リセットコイルの数が少ない分、さらに小
型軽量することができる。
【0092】また、複数の通信線のいずれに過電流が流
れ込んでも全ての通信線が遮断されるので、さらに回路
保護動作の信頼性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による回路保護装置の回
路図である。
【図2】本発明の第1の実施例におけるスイッチおよび
コイルを示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例の変形例による回路保護
装置の回路図である。
【図4】本発明の第2の実施例による回路保護装置の回
路図である。
【図5】本発明の第2の実施例の変形例による回路保護
装置の回路図である。
【図6】リードスイッチの上面図である。
【図7】ラッチングリレーの動作原理図である。
【図8】従来例による回路保護装置を例示する回路図で
ある。
【符号の説明】
1…回路保護装置 S1、S2…リードスイッチ S3、S4、30…ラッチングリレー Ra、Rb、R1a、R1b、R2a、R2b…リード
片 R3、R4、34…接極子 M、M1、M2…磁界発生手段 D、D1、D2…接点近接手段 L、L1、L2、33…コイル L3、L4…リセットコイル X1、X2、X3、X4…サージ防護素子 A1、A2…通信線 B1、B2…商用電源線 51…保護すべき電気機器 11…ハウジング 12…支持台 13…ボタン 14…バネ 31…永久磁石 32−1、32−2…継鉄 35…復帰バネ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 幸一 東京都品川区東五反田2丁目3番5号 富 士通高見澤コンポーネント株式会社内 Fターム(参考) 5G013 AA01 AA05 BA03 CB03 CB15 DA10 DA12 5G046 CA06 CC24 CD09 CE09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気機器を過電流から保護する回路保護
    装置であって、 接点が相互に吸引し接触した後はホールド磁界により各
    前記接点の吸着が維持され、前記ホールド磁界を弱める
    方向に磁界が印加されたときに前記の吸着が解除されて
    各前記接点が開離するスイッチと、 該スイッチに並列接続され、電流が流れたときは前記ホ
    ールド磁界を弱める方向にリリース磁界を発生するコイ
    ルと、 該コイルに直列接続されるサージ防護素子と、を備える
    ことを特徴とする回路保護装置。
  2. 【請求項2】 前記回路保護装置に接続される回線の数
    だけ前記スイッチを有し、 各前記スイッチの、前記電気機器を接続する端子とは反
    対側の端子には、互いに直列接続された前記コイルと前
    記サージ防護素子との組が接続される請求項1に記載の
    回路保護装置。
  3. 【請求項3】 前記回路保護装置に接続される回線の数
    だけ前記スイッチを有し、 各前記スイッチの、前記電気機器を接続する端子とは反
    対側の端子には、前記サージ防護素子が接続され、 各前記サージ防護素子の他の一端は、互いに接続される
    と共に、1つの前記コイルに接続される請求項1に記載
    の回路保護装置。
  4. 【請求項4】 前記スイッチは、 各一端が所定のギャップをあけて接触可能に対向配置さ
    れる磁性体から成る一対のリード片を有する少なくとも
    1組のリード片組と、 各前記一端が相互に吸引し接触した後は接触状態を維持
    するホールド磁界を発生する、前記リード片組の近傍に
    配置される磁界発生手段と、 前記ギャップを、前記磁界発生手段が発生する磁界の感
    動値に対応するギャップにまで小さくする接点近接手段
    と、を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の回路
    保護装置。
  5. 【請求項5】 前記スイッチは1トランスファー型ラッ
    チングリレーの接極子であり、 前記コイルは当該1トランスファー型ラッチングリレー
    のリセットコイルであり、 前記電気機器を接続する端子とは反対側にある前記1ト
    ランスファー型ラッチングリレーの前記接極子と、当該
    1トランスファー型ラッチングリレーの前記リセットコ
    イルと、の間には、前記サージ防護素子が接続される請
    求項1に記載の回路保護装置。
  6. 【請求項6】 前記回路保護装置は、2つの前記スイッ
    チを有する2トランスファー型ラッチングリレーの接極
    子を含み、 前記コイルは、当該2トランスファー型ラッチングリレ
    ーのリセットコイルであり、 各前記接極子の、前記電気機器を接続する端子とは反対
    側の端子には、前記サージ防護素子が接続され、 前記サージ防護素子の他の一端には、前記リセットコイ
    ルが接続される請求項1に記載の回路保護装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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